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  • 特開-ハンガー係止具付き物干竿 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044942
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ハンガー係止具付き物干竿
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/00 20060101AFI20240326BHJP
   A47G 25/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
D06F57/00 310C
D06F57/00 390
A47G25/02 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022162790
(22)【出願日】2022-09-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】522201886
【氏名又は名称】佐藤 鈴
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 輝弥
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA01
3K099BA03
3K099CA08
3K099CA15
3K099EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物干竿に吊るしたハンガーが、風で一方向に吹き寄せられたり、棹から外れたりするのを防止し得る、簡単な構造で汎用性の高いハンガー係止具付き物干竿を提供する。
【解決手段】波状に屈曲した形状を有する線材の、屈曲部が一直線上に配されてなる側が、円柱形状の物干竿本体の外周の長さ方向に接合し、物干竿本体に接合された側の屈曲部を谷部、前記物干竿本体から乖離した側の屈曲部を山部としたときに、山部と前記物干竿本体との間に、ハンガーのフックを挿通し得る構造とする。これにより、ハンガーのフックは、隣接する谷部の間に配され、風で物干竿の長さ方向に移動するのを抑制できる。また山部と物干竿本体との距離と、ハンガーの寸法との関係と調整により、風でハンガーが外れることを抑制することも可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波状に屈曲した形状を有する線材の、屈曲部が一直線上に配されてなる側が、円柱形状の物干竿本体の外周の長さ方向に接合されてなり、前記物干竿本体に接合された側の屈曲部を谷部、前記物干竿本体から乖離した側の屈曲部を山部としたときに、前記山部と前記物干竿本体の間に、ハンガーのフックを挿通することが可能な、ハンガー係止具付き物干竿において、前記フックを上にして前記ハンガーを水平面に置いた状態で、前記フックの先端部を通過する水平方向の線とフックの上端との距離と、前記ハンガーの衣服を掛ける部分と前記フックを接続する直線部分の長さを、前記山部と前記物干竿本体との距離よりも大きくすることにより、洗濯物を掛けた前記ハンガーが、前記物干竿本体から、ずれない、外れにくい、取り込み時は簡単に外しやすいといった相反する機能を併せ持つことを特徴とする、ハンガー係止具付き物干竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物干竿に掛けた複数のハンガーが、風で一方に吹き寄せられたり、外れたりすることを抑制し得る、ハンガー係止具付き物干竿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯した衣服を乾燥させる際は、衣服を拡げてハンガーに掛け、さらにハンガーのフック部を物干竿などに掛けることが多い。ハンガーを用いる利点の一つとして、前記のように衣服を拡げた状態が維持できるので、風通しを確保し、乾燥を促進できることがある。
【0003】
しかしながら、通常の物干竿には、表面を高分子材料で被覆した鋼管が用いられ、ハンガーを固定するための構造が付与されていないので、風に吹き寄せられて衣服が密集し、風通しが低下することがある。また、風が強い場合は、フックが物干竿から外れて、吹き飛ばされることがある。
【0004】
このような課題に対処するための技術として、特許文献1には、波形を形成した針金の両端又は中途に数個の大形の洗たくばさみ状の固定具を付して形成するところのハンガー掛けが開示されている。しかしながら、ここに開示されているハンガー掛けは、物干竿に取り付けて用いるのが前提となっているが、物干竿への固定が不安定であるため、使用方法が限定されるという観点から、改善の余地がある。
【0005】
また、特許文献2には、合成樹脂シート又は布地裏打合成樹脂シートで中空の筒状体形成部を係合部材にて着脱自在に形成しその両端を外部に開口させると共に、筒状体及び棒状体の垂直方向の筒状体形成部内縁部に網部材を連接固定し、該網部材にハンガーを自在に吊掛けることを特徴とする洗濯物干し用ハンガーの吊掛具が開示されている。しかしながら、ここに開示されている洗濯物干し用ハンガーの吊掛具は、構造がやや複雑で、使用方法が限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭55-130695号公報
【特許文献2】特開平10-127991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の問題に鑑み、本発明の課題は、簡単な構造で汎用性の高いハンガー係止具付き物干竿を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記先行技術の問題点を解決し得る構造を、鋭意検討した結果、なされたものである。
【0009】
上記課題を解決するための、本発明の一態様に係るハンガー係止具付き物干竿は、波状に屈曲した形状を有する線材の、屈曲部が一直線上に配されてなる側が、円柱形状の物干竿本体の外周の長さ方向に接合されてなり、前記物干竿本体に接合された側の屈曲部を谷部、前記物干竿本体から乖離した側の屈曲部を山部としたときに、前記山部と前記物干竿本体との間に、ハンガーのフックを挿通することが可能な、ハンガー係止具付き物干竿において、前記フックを上にして前記ハンガーを水平面に置いた状態で、前記フックの先端部を通過する水平方向の線とフックの上端との距離と、前記ハンガーの衣服を掛ける部分と前記フックを接続する直線部分の長さが、前記山部と前記物干竿本体との距離よりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るハンガー係止具付き物干竿は、波状に屈曲した形状を有する線材の屈曲部が一直線状に配された側が、物干竿本体の長手方向の接合されているので、線材の屈曲部の物干竿本体との接合部の間に、ハンガーのフック部を挿通することにより、フック部、つまりハンガーとハンガーの間の距離を一定範囲に維持できるので、風でハンガーに掛けた洗濯物が、吹き寄せられることを抑制できる。
【0011】
また、ハンガーの各部位の寸法と、波状に屈曲した線材おける、物干竿本体の表面から乖離した屈曲部と物干竿本体の表面との距離を、適宜調整することにより、衣服を掛けたハンガーが、風で飛ばされることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】 本発明に係るハンガー係止具付き物干竿の一例を示す図
図2】 ハンガーの各部位を示す図
図3】 本発明に係るハンガー係止具付き物干竿の第一の使用例を示す図
図4】 本発明に係るハンガー係止具付き物干竿の第二の使用例を示す図
図5】 本発明に係るハンガー係止具付き物干竿の第三の使用例を示す図
図6図3に示したハンガーのハンガー係止具付き物干竿への係止状態を物干竿本体の断面方向から示した図
【発明を実施するための手段】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について、具体的な図を参照しながら、説明する。
【0014】
図1は、本発明に係るハンガー係止具付き物干竿の一例を示す図である。図1において、1はハンガー係止具付き物干竿、2は物干竿本体、3は波状屈曲形状線材、3aは谷部、3bは山部である。また、aは物干竿本体の直径、bは山部3aと物干竿本体2の表面との距離を示す。
【0014】
また、図2は、ハンガー4の各部位を示す図である。図2において、4aはフック、4bはフックの先端部、4cはハンガー本体、4dはハンガー本体とフックを繋ぐ接続部である。また、cは図2におけるフック4aの上端部とフックの先端部4bを通過する水平線間の距離である。
【0015】
図3は、本発明に係るハンガー係止具付き物干竿1の第一の使用例を示す図である。この使用方法では、波状屈曲形状線材3を上方に配し、フックの先端部4bを、山部3bと物干竿本体2との間の空隙に挿通した状態で、フック4aを物干竿本体2に掛けている。フック4aの曲率半径は、物干竿2の半径よりも大きく設定してある。
【0016】
この使用方法においては、フック4aの位置が、隣接する谷部3aの間に固定されるので、衣服が図における横方向の風を受けても、風下に吹き寄せられて密集するのを抑制できる。また、図2におけるcを、図1におけるbよりも大きくすることで、風の方向により、衣服が図3における上方向に浮揚する力を受けたり、図における前後方向に振られたりしても、ハンガー4が、ハンガー係止具付き物干竿1から外れることを抑制できる。
【0017】
図4は、本発明に係るハンガー係止具付き物干竿1の第二の使用例を示す図である。この使用方法では、波状屈曲形状線材3を下方に配し、フック4aの図における上端が、山部3bに接するように、ハンガー4を吊り下げている。この使用方法においても、衣服が図における横方向の風を受けても、風下に吹き寄せられて密集するのを抑制でき、図における前後方向や浮揚する方向から風を受けても、ハンガー4が、ハンガー係止具付き物干竿1から外れることを抑制できる。
【0018】
図5は、本発明に係るハンガー係止具付き物干竿1の第三の使用例を示す図である。この使用方法では、フックの先端部4bを、波状屈曲形状線材3の山部3bと物干竿本体2との間の空隙に挿通した状態でフック4aを、物干竿本体2の外周に掛けている。この使用方法においても、衣服が図における横方向から風を受けた場合に、風下に吹き寄せられるのを抑制できる他、図における奥方向からの風を受けた場合、図1に示したように、接続部4dの長さが。物干竿本体2と山部3bの距離よりも大きいので、接続部4dの動きを波状屈曲形状線材3によって制御でき、ハンガー4が、ハンガー係止具付き物干竿1から外れることを抑制できる。
【0019】
図6は、図3に示したハンガー4のハンガー係止具付き物干竿1への係止状態を、物干竿本体2の断面方向から示した図である。図6(a)は、フック4aが干竿本体2と山部3bの間に挿通された状態であるが、図6(b)のように、物干竿本体2を適当な角度に回転させると、フック4aの、図における奥方向または前方向への動きが自由になるので、洗濯物の取り込みが容易になる。ハンガー4のこのような外し方は、図5に示した使用方法でも可能である。
【0020】
以上に説明したように、本発明によれば、簡単な構造で、洗濯物が風の影響得を受け難いハンガー係止具付き物干竿を提供できる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0017】
1・・・ハンガー係止具付き物干竿 2・・・物干竿本体
3・・・波状屈曲形状線材 3a・・・谷部
3b・・・山部 4・・・ハンガー
4a・・・フック 4b・・・フックの先端部
4c・・・ハンガー本体 4d・・・接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-03-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
波状に屈曲した形状を有する線材の、屈曲部が一直線上に配されてなる側が、円柱形状の物干竿本体の外周の長さ方向に接合されてなり、前記物干竿本体に接合された側の屈曲部を谷部、前記物干竿本体から乖離した側の屈曲部を山部としたときに、前記山部と前記物干竿本体の間に、ハンガーのフックを挿通することが可能な、ハンガー係止具付き物干竿において、前記フックを上にして前記ハンガーを水平面に置いた状態で、前記フックの先端部を通過する水平方向の線とフックの上端との距離と、前記ハンガーの衣服を掛ける部分と前記フックを接続する直線部分の長さを、前記山部と前記物干竿本体との距離よりも大きくすることにより、衣服を掛けたハンガーが、風で飛ばされることを抑制できることを特徴とする、ハンガー係止具付き物干竿。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
波状に屈曲した形状を有する線材の、屈曲部が一直線上に配されてなる側が、円柱形状の物干竿本体の外周の長さ方向に接合されてなり、前記物干竿本体に接合された側の屈曲部を谷部、前記物干竿本体から乖離した側の屈曲部を山部としたときに、前記山部と前記物干竿本体の間に、ハンガーのフックを挿通することが可能な、ハンガー係止具付き物干竿において、前記フックを上にして前記ハンガーを水平面に置いた状態で、前記フックの先端部を通過する水平方向の線とフックの上端との距離と、前記ハンガーの衣服を掛ける部分と前記フックを接続する直線部分の長さを、前記山部と前記物干竿本体との距離よりも大きくすることにより、衣服を掛けたハンガーが、風で飛ばされることを抑制できることを特徴とする、ハンガー係止具付き物干竿の製造方法