(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044990
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】噴射ノズル
(51)【国際特許分類】
B05B 3/04 20060101AFI20240326BHJP
B05B 7/04 20060101ALI20240326BHJP
B08B 5/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B05B3/04
B05B7/04
B08B5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073584
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2022150151
(32)【優先日】2022-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】503332466
【氏名又は名称】有限会社ガリュー
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 可賀
【テーマコード(参考)】
3B116
4F033
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB52
3B116BB32
3B116BB43
3B116BB62
3B116BB90
4F033PA01
4F033PB02
4F033PC02
4F033PC05
4F033QA09
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB17
4F033QD04
4F033QD14
4F033QE06
4F033QE14
4F033QF07Y
4F033QK16X
4F033QK16Y
(57)【要約】
【課題】首を振ることなく旋回することが可能となる噴射ノズルを提供する。
【解決手段】ノズル本体16は、円筒状の基体部70を有し、噴出部81が、ノズル本体16の軸方向中間位置の内外を基体部70の径方向に連通する連通孔82と、連通孔82に対し基体部70の円周方向における一側かつ基体部70の軸方向における一側に、連通孔82の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられた凸状ガイド部83と、連通孔82に対し基体部70の円周方向における他側かつ基体部70の軸方向における他側に、連通孔82の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられた凹状ガイド部84とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部材と、
基端開口部を有する円筒状をなすと共に先端側に噴出部が設けられたノズル本体と、
前記ノズル本体に該ノズル本体の中心軸線の延びる方向に離間して設けられて前記ノズル本体を前記筒状部材の内周部に回転可能に支持する二つの軸受と、
前記筒状部材内で前記基端開口部との間に隙間をもって配置されて前記基端開口部内に向けて加圧気体を噴出させる内部ノズル部と、を備え、
前記筒状部材には、前記二つの軸受のうち前記基端開口部に近い側の軸受よりも前記内部ノズル部側に、外部に連通可能な第1外部連通部が設けられ、
前記ノズル本体は、円筒状の基体部を有し、
前記噴出部は、
前記ノズル本体の軸方向中間位置の内外を前記基体部の径方向に連通する連通孔と、
前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における一側かつ前記基体部の軸方向における一側に、前記連通孔の一部を形成しつつ前記基体部から該基体部の径方向における外方に突出して設けられた凸状ガイド部と、
前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における他側かつ前記基体部の軸方向における他側に、前記連通孔の一部を形成しつつ前記基体部から該基体部の径方向における内方に凹んで設けられた凹状ガイド部と、
を有することを特徴とする噴射ノズル。
【請求項2】
前記凸状ガイド部は、前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における一側かつ前記基体部の軸方向における前記基端開口部側に設けられ、
前記凹状ガイド部は、前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における他側かつ前記基体部の軸方向における前記基端開口部とは反対側に設けられ、
前記ノズル本体には、前記基端開口部とは反対側の先端部に、前記基体部の中心軸線に対して斜めに先端噴出穴が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の噴射ノズル。
【請求項3】
前記凸状ガイド部は、前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における一側かつ前記基体部の軸方向における前記基端開口部とは反対側に設けられ、
前記凹状ガイド部は、前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における他側かつ前記基体部の軸方向における前記基端開口部側に設けられ、
前記ノズル本体は、前記基端開口部とは反対側の先端部が閉塞されていることを特徴とする請求項1に記載の噴射ノズル。
【請求項4】
前記ノズル本体内には、前記加圧気体の通過時に、該加圧気体によって前記ノズル本体に回転力を生じさせる回転力発生部材が設けられており、
前記回転力発生部材は、前記連通孔から前記凸状ガイド部および前記凹状ガイド部によって案内されて前記加圧気体が噴出する際に前記ノズル本体に生じる回転力と同方向の回転力を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の噴射ノズル。
【請求項5】
前記筒状部材には、前記二つの軸受のうち前記基端開口部に近い側の軸受よりも前記内部ノズル部側に、外部に連通可能な第2外部連通部が、前記第1外部連通部とは別に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の噴射ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴射ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性を有する管材からなるノズルが、ノズルの内部を通過して先端から噴出する流体の力で首を振るように旋回するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のノズルは、首を振るように旋回するため、例えば穴内を洗浄する洗浄ノズルとして使用した場合に洗浄効率が劣るという課題があった。
【0005】
したがって、本発明は、首を振ることなく旋回することが可能となる噴射ノズルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、筒状部材と、基端開口部を有する円筒状をなすと共に先端側に噴出部が設けられたノズル本体と、前記ノズル本体に該ノズル本体の中心軸線の延びる方向に離間して設けられて前記ノズル本体を前記筒状部材の内周部に回転可能に支持する二つの軸受と、前記筒状部材内で前記基端開口部との間に隙間をもって配置されて前記基端開口部内に向けて加圧気体を噴出させる内部ノズル部と、を備え、前記筒状部材には、前記二つの軸受のうち前記基端開口部に近い側の軸受よりも前記内部ノズル部側に、外部に連通可能な第1外部連通部が設けられ、前記ノズル本体は、円筒状の基体部を有し、前記噴出部は、前記ノズル本体の軸方向中間位置の内外を前記基体部の径方向に連通する連通孔と、前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における一側かつ前記基体部の軸方向における一側に、前記連通孔の一部を形成しつつ前記基体部から該基体部の径方向における外方に突出して設けられた凸状ガイド部と、前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における他側かつ前記基体部の軸方向における他側に、前記連通孔の一部を形成しつつ前記基体部から該基体部の径方向における内方に凹んで設けられた凹状ガイド部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ノズル本体の基端開口部内に向けて、この基端開口部との間に隙間をもって配置された内部ノズル部から加圧気体を噴出させると、ノズル本体内を通過した加圧気体が、ノズル本体の軸方向中間位置の内外を基体部の径方向に連通する連通孔から噴出する。その際に、連通孔に対し基体部の円周方向における一側かつ基体部の軸方向における一側に、連通孔の一部を形成しつつ基体部から基体部の径方向における外方に突出して設けられた凸状ガイド部と、連通孔に対し基体部の円周方向における他側かつ基体部の軸方向における他側に、連通孔の一部を形成しつつ基体部から基体部の径方向における内方に凹んで設けられた凹状ガイド部とによって案内されて、連通孔から基体部の円周方向における前記他側かつ基体部の軸方向における前記他側に向けて加圧気体が噴出する。これにより、二つの軸受で筒状部材に支持されたノズル本体が円周方向における前記一側に回転する。これにより、ノズル本体は、首を振らずに旋回できる。
【0008】
また、ノズル本体の基端開口部内に向けて、この基端開口部との間に隙間をもって配置された内部ノズル部から加圧気体を噴出させると、基端開口部と内部ノズル部との間に負圧が生じることになる。筒状部材には、二つの軸受のうち基端開口部に近い側の軸受よりも内部ノズル部側に、外部に連通可能な第1外部連通部が設けられているため、第1外部連通部に連通する外部から上記負圧で流体の吸引を行い、加圧気体と混合しつつ、回転するノズル本体の噴出部から噴出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る第1実施形態の噴射ノズルを含む噴射ガンを示す側面図である。
【
図2】本発明に係る第1実施形態の噴射ノズルを示す一部を断面とした側面図である。
【
図3】本発明に係る第1実施形態の噴射ノズルの先端側の部分を示す側面図である。
【
図4】本発明に係る第1実施形態の噴射ノズルの先端側の部分を示す
図3のIV-IV断面図である。
【
図5】本発明に係る第1実施形態の噴射ノズルの先端側の部分を示す側面図である。
【
図6】本発明に係る第1実施形態の噴射ノズルの先端側の部分を示す側面図である。
【
図7】本発明に係る第1実施形態の噴射ノズルの先端側の部分を示す正面図である。
【
図8】本発明に係る第1実施形態の噴射ノズルの先端側の部分を示す
図7のVIII-VIII断面図である。
【
図9】本発明に係る第2実施形態の噴射ノズルの先端側の部分を示す側面図である。
【
図10】本発明に係る第2実施形態の噴射ノズルの先端側の部分を示す
図9のX-X断面図である。
【
図11】本発明に係る第2実施形態の噴射ノズルの先端側の部分を示す側面図である。
【
図12】本発明に係る第2実施形態の噴射ノズルの先端側の部分を示す側面図である。
【
図13】本発明に係る第2実施形態の噴射ノズルの先端側の部分を示す側面図である。
【
図14】本発明に係る第1,第2実施形態の噴射ノズルの要部の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
本発明に係る第1実施形態の噴射ノズルを
図1~
図8を参照して以下に説明する。
【0011】
図1に示すように、第1実施形態の噴射ノズル1は、ガン本体2に取り付けられてガン本体2とで噴射ガン3を構成する。
【0012】
ガン本体2は、加圧気体を供給する加圧気体供給源Aに連結される。ガン本体2は、加圧気体供給源Aと噴射ノズル1とに接続されて加圧気体供給源Aから噴射ノズル1への加圧気体の供給のオンおよびオフを切り替える。ガン本体2は、レバー5を引く操作で、加圧気体供給源Aの加圧気体を先端のノズル取付部6から噴射ノズル1内に噴射する。ガン本体2は、レバー5を引く操作が解除されると、加圧気体供給源Aの加圧気体のノズル取付部6からの噴射ノズル1内への噴射を停止させる。加圧気体供給源Aは、例えば、空気圧縮機やブロア等であり、加圧気体として加圧エアを供給する。
【0013】
噴射ノズル1は、ガン本体2のノズル取付部6に取り付けられて使用されるものである。噴射ノズル1において、長手方向におけるガン本体2への取り付け側つまり加圧気体の導入側を基端側とし、長手方向における基端側とは反対側つまり加圧気体の噴出側を先端側とする。
【0014】
図2に示すように、噴射ノズル1は、その基端部を構成する中空の内部ノズル部11と、内部ノズル部11の外周部に基端側が螺合される円筒状の筒状部材12と、筒状部材12の内周側に配置される二つの軸受13,14と、軸受13,14間に配置されてこれらの配置間隔を規定する円筒状の介在部材15と、二つの軸受13,14を介して筒状部材12の内周部に回転可能に支持される管状のノズル本体16とを有している。
【0015】
内部ノズル部11は、その基端部を構成する中空の金属製の連結部材21と、連結部材21の先端側の内周部に螺合される中空の金属製のノズル部材22とを有している。
【0016】
連結部材21には、基端側の外周部にオネジ31が形成されており、先端側の外周部にもオネジ32が形成されている。連結部材21には、オネジ31とオネジ32との間の外周部に六角柱形状のナット部33が形成されており、先端側の内周部にメネジ34が形成されている。基端側のオネジ31は、
図1に示すガン本体2のノズル取付部6に螺合される。
【0017】
図2に示すように、ノズル部材22には、基端側の外周部にオネジ36が形成されており、先端側が円筒状の内部噴出口37となっている。ノズル部材22には、オネジ36と内部噴出口37との間の外周部に六角柱形状のナット部38が形成されている。ノズル部材22が、基端側のオネジ36において連結部材21のメネジ34に螺合されることにより、連結部材21とで内部ノズル部11を構成する。
【0018】
筒状部材12は、剛性の高い合成樹脂材料または金属材料からなる円筒状の筒状部材本体41と、金属製のストッパネジ42とからなっている。筒状部材本体41は、基端側の内周部にメネジ47が形成されており、先端側に、径方向に貫通する先端側ネジ穴48が形成されている。
【0019】
筒状部材本体41の内周部には、軸方向におけるメネジ47側に小径内径部51が形成され、軸方向における小径内径部51のメネジ47とは反対側に小径内径部51よりも大径の大径内径部52が形成されている。これにより、筒状部材本体41の内周部には、小径内径部51と大径内径部52との間に、筒状部材本体41の軸直交方向に広がる突当部53が形成されている。筒状部材本体41には、その軸方向における小径内径部51の位置に、筒状部材本体41を径方向に貫通する第1中間ネジ穴55と、筒状部材本体41を径方向に貫通する第2中間ネジ穴56とが形成されている。第1中間ネジ穴55と第2中間ネジ穴56とは、筒状部材本体41の軸方向における位置を合わせており、筒状部材本体41の周方向における位置を180度異ならせている。
【0020】
筒状部材12は、その筒状部材本体41が、基端側のメネジ47において、内部ノズル部11の連結部材21の先端側のオネジ32に螺合される。これにより、筒状部材12が内部ノズル部11に取り付けられる。
【0021】
ノズル本体16は、金属からなる円筒状の基端側のベース筒状部材61と、ベース筒状部材61よりも先端側の金属からなる円筒状の先端部材62とを有している。ノズル本体16は、全体として直線形状であり、全体が高剛性である。
【0022】
ノズル本体16は、ベース筒状部材61の先端側が先端部材62の基端側の内周部に嵌合されており、この状態で、ベース筒状部材61と先端部材62とが溶接により接合されている。ノズル本体16は、ベース筒状部材61の軸方向における先端部材62とは反対側の端、すなわち基端が基端開口部65となっている。
【0023】
図3に示すように、先端部材62は、ベース筒状部材61に嵌合されて接合される円筒状の基体部70と、ベース筒状部材61よりも先端側の第1噴出部71(噴出部)とを有している。第1噴出部71は、第1連通孔72(連通孔)と、第1凸状ガイド部73(凸状ガイド部)と、第1凹状ガイド部74(凹状ガイド部)とを有している。
【0024】
第1連通孔72は、先端部材62の軸方向中間位置の内外を基体部70の径方向に連通する。
【0025】
第1凸状ガイド部73は、第1連通孔72に対し基体部70の円周方向における一側かつ基体部70の軸方向における一側に、
図4に示すように、第1連通孔72の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられている。第1凸状ガイド部73は、第1連通孔72とは反対側よりも第1連通孔72側の方が基体部70の径方向における外側に位置する。
【0026】
図3に示すように、第1凹状ガイド部74は、第1連通孔72に対し基体部70の円周方向における他側かつ基体部70の軸方向における他側に、
図4に示すように、第1連通孔72の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられている。第1凹状ガイド部74は、第1連通孔72とは反対側よりも第1連通孔72側の方が基体部70の径方向における内側に位置する。
【0027】
第1実施形態では、第1凸状ガイド部73は、第1連通孔72に対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側(すなわち基端開口部65側)に設けられている。第1凹状ガイド部74は、第1連通孔72に対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61とは反対側(すなわち基端開口部65とは反対側)に設けられている。第1側と第2側とは、基体部70の円周方向における逆方向である。よって、第1連通孔72は、基体部70の径方向における外側かつ基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61とは反対側に向けて斜めに開口している。
【0028】
図5に示すように、先端部材62は、第1噴出部71よりも先端側に第2噴出部81(噴出部)を有している。第2噴出部81は、第1噴出部71に対して、基体部70の軸方向の位置をずらし、基体部70の周方向の位置をずらしている。第2噴出部81は、第1噴出部71に対して基体部70の周方向における位置を120度ずらしている。
【0029】
第2噴出部81は、第1噴出部71と同様の形状である。第2噴出部81は、第1連通孔72と同様の第2連通孔82(連通孔)と、第1凸状ガイド部73と同様の第2凸状ガイド部83(凸状ガイド部)と、第1凹状ガイド部74と同様の第2凹状ガイド部84(凹状ガイド部)とを有している。
【0030】
第2連通孔82は、先端部材62の軸方向中間位置の内外を基体部70の径方向に連通する。
【0031】
第2凸状ガイド部83は、第2連通孔82に対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側に、第2連通孔82の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられている。第2凸状ガイド部83は、第2連通孔82とは反対側よりも第2連通孔82側の方が基体部70の径方向における外側に位置する。
【0032】
第2凹状ガイド部84は、第2連通孔82に対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61とは反対側に、第2連通孔82の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられている。第2凹状ガイド部84は、第2連通孔82とは反対側よりも第2連通孔82側の方が基体部70の径方向における内側に位置する。
【0033】
第2連通孔82は、基体部70の径方向における外側かつ基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61とは反対側に向けて斜めに開口している。
【0034】
図6に示すように、先端部材62は、第2噴出部81よりも先端側に第3噴出部91(噴出部)を有している。第3噴出部91は、第2噴出部81に対して、基体部70の軸方向の位置をずらし、基体部70の周方向の位置をずらしている。第3噴出部91は、第2噴出部81に対して基体部70の周方向における位置を120度ずらしている。第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91は、この順に、基体部70の周方向に等間隔かつ基体部70の軸方向に等間隔で配置されている。
【0035】
第3噴出部91は、第1噴出部71および第2噴出部81と同様の形状である。第3噴出部91は、第1連通孔72と同様の第3連通孔92(連通孔)と、第1凸状ガイド部73と同様の第3凸状ガイド部93(凸状ガイド部)と、第1凹状ガイド部74と同様の第3凹状ガイド部94(凹状ガイド部)とを有している。
【0036】
第3連通孔92は、先端部材62の軸方向中間位置の内外を基体部70の径方向に連通する。
【0037】
第3凸状ガイド部93は、第3連通孔92に対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側に、第3連通孔92の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられている。第3凸状ガイド部93は、第3連通孔92とは反対側よりも第3連通孔92側の方が基体部70の径方向における外側に位置する。
【0038】
第3凹状ガイド部94は、第3連通孔92に対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61とは反対側に、第3連通孔92の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられている。第3凹状ガイド部94は、第3連通孔92とは反対側よりも第3連通孔92側の方が基体部70の径方向における内側に位置する。
【0039】
第3連通孔92は、基体部70の径方向における外側かつ基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61とは反対側に向けて斜めに開口している。
【0040】
第1連通孔72、第2連通孔82および第3連通孔92は、いずれも、基体部70の径方向における外側かつ基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61とは反対側に向けて斜めに開口している。
【0041】
以上により、ノズル本体16は、基端開口部65を有する円筒状をなすと共に先端側に第1噴出部71、第2噴出部81および第3噴出部91が設けられている。
【0042】
ノズル本体16は、
図7および
図8に示すように、先端部材62の先端に設けられた嵌合部材100を有している。嵌合部材100は、円板状の金属部材であり、先端部材62の軸方向における第3噴出部91よりも先端側に嵌合している。嵌合部材100は、先端部材62の先端部の内周部に嵌合されて固定されている。嵌合部材100には、嵌合部材100を、嵌合部材100の軸方向に貫通する先端噴出穴101が形成されている。
【0043】
先端噴出穴101は、嵌合部材100の中心軸線に対して径方向にオフセットしており、嵌合部材100の中心軸線に対して斜めに延びている。先端噴出穴101は、先端側が基端側よりも、嵌合部材100の中心軸線からの距離が短くなっている。よって、先端噴出穴101は、基体部70の中心軸線に対して径方向にオフセットしており、基体部70の中心軸線に対して斜めに延びている。言い換えれば、ノズル本体16には、基端開口部65とは反対側の先端部に、基体部70の中心軸線に対して斜めに先端噴出穴101が設けられている。先端噴出穴101は、ノズル本体16の先端位置の内外をノズル本体16の軸方向に連通する。
【0044】
図2に示すように、軸受13,14は、いずれもシールド形のボールベアリングであって同一部品である。軸受13は、そのインナレースがベース筒状部材61の軸方向の中間所定位置に圧入されて固定されている。また、この状態でベース筒状部材61に基端側から介在部材15が被せられ、その後、軸受14が、インナレースにおいてベース筒状部材61の基端側に介在部材15に当接するまで圧入されて固定されている。これにより、ノズル本体16と軸受13,14と介在部材15とが組み立てられて一体化された組立体105となる。軸受13,14は、ベース筒状部材61に、ベース筒状部材61の中心軸線の方向に離間して設けられている。ノズル本体16には、軸受13,14よりも先端側に、第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101が形成された先端部材62が設けられている。
【0045】
そして、ノズル本体16と軸受13,14と介在部材15とからなる組立体105が、基端開口部65を先頭にして、筒状部材12の筒状部材本体41に先端側から挿入される。ここで、軸受13,14のそれぞれのアウタレースの外径に対し、筒状部材本体41の大径内径部52は挿入代分だけ大径であり、小径内径部51は小径となっている。よって、組立体105は、軸受13,14が筒状部材本体41の大径内径部52内に挿入され、基端側の軸受14のアウタレースが軸受13とは反対側の端面において突当部53に当接して停止する。突当部53と先端側ネジ穴48との最小距離は、軸受13,14間の最大距離と同等になっている。よって、組立体105が軸受14を突当部53に当接させた状態で、先端側ネジ穴48に筒状部材本体41の径方向外側からストッパネジ42を螺合させ、ストッパネジ42を大径内径部52よりも径方向内側に突出させることで、ストッパネジ42が先端側の軸受13のアウタレースの軸受14とは反対側の端面に当接して、組立体105を筒状部材12から抜け止めする。
【0046】
このように筒状部材12に組み付けられた状態で、組立体105は、ノズル本体16の基端側が筒状部材12内に配置された状態となり、ノズル本体16の基端側が軸受13,14によって筒状部材12に回転可能に支持される。言い換えれば、二つの軸受13,14が、ノズル本体16に、ノズル本体16の中心軸線の延びる方向に離間して設けられてノズル本体16を筒状部材12の内周部に回転可能に支持する。ノズル本体16は、筒状部材12に組み付けられた状態の内部ノズル部11に対しても回転自在となる。
【0047】
また、筒状部材12に組み付けられた状態で、組立体105は、ノズル本体16の第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101が形成された先端部材62が、筒状部材12よりも外の先端側に設けられている。言い換えれば、筒状部材12に組み付けられた状態のノズル本体16は、筒状部材12の先端部よりも突出しており、第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101が、筒状部材12の先端部から外側に露出している。
【0048】
筒状部材12に組み付けられた状態のノズル本体16および内部ノズル部11は、ノズル本体16の基端開口部65と内部ノズル部11の内部噴出口37とが、中心軸線を一致させ、相互間に隙間をもって配置される。具体的に、この状態のノズル本体16および内部ノズル部11は、ノズル本体16の基端開口部65と内部ノズル部11の内部噴出口37とが、筒状部材12内で相互間に径方向および軸方向に隙間をもって対向配置される。なお、内部ノズル部11の内部噴出口37は、ノズル本体16の基端開口部65との間に径方向の隙間を設けつつ、軸方向において基端開口部65内に入り込んでいても良い。言い換えれば、内部ノズル部11の内部噴出口37は、その軸方向における位置が、ノズル本体16と重なり合っていても良い。内部ノズル部11は、このように筒状部材12内で基端開口部65との間に隙間をもって配置されて基端開口部65内に向けて加圧気体を噴出させる。
【0049】
筒状部材12と、いずれも筒状部材12に組み付けられた状態の内部ノズル部11、ノズル本体16および軸受14との間には、室111が形成されることになる。ノズル本体16の基端開口部65と内部ノズル部11の内部噴出口37との隙間は、この室111に常時連通する。
【0050】
筒状部材12と、筒状部材12に組み付けられた状態の軸受13,14および介在部材15との間には、室112が形成されることになる。室112と室111との間には、これらを仕切るように軸受14が配置されている。軸受13は、筒状部材12の開口する先端側と室112との間に、これらを仕切るように配置されている。
【0051】
筒状部材12の第1中間ネジ穴55は、内部ノズル部11の連結部材21と軸受14と間に配置されており、よって、室111に常時連通している。その結果、第1中間ネジ穴55は、ノズル本体16の基端開口部65と内部ノズル部11の内部噴出口37との隙間に常時連通する。
【0052】
第1中間ネジ穴55には、外部に連通可能な開閉弁115(第1外部連通部)が螺合されて取り付けられている。開閉弁115は、内部流路116の一端が室111内に連通し、内部流路116の他端が外部に連通する。開閉弁115は、ここでは、内部流路116の室111とは反対側が外気に開口している。言い換えれば、筒状部材12には、二つの軸受13,14のうち基端開口部65に近い側の軸受14よりも内部ノズル部11側に、外部に連通可能な開閉弁115が設けられている。開閉弁115は、外気を室111内に取り込み可能となっている。
【0053】
開閉弁115は、内部流路116の中間位置を開閉する回動可能なレバー117を有している。開閉弁115は、レバー117が、
図2に示すように内部流路116と平行になると内部流路116が全開となり、レバー117が、内部流路116に対し垂直をなすと内部流路116が全閉となる。開閉弁115は、レバー117の回動角度で全開から全閉まで無段階で内部流路116の流路面積を変化させる。
【0054】
筒状部材12の第2中間ネジ穴56は、内部ノズル部11の連結部材21と軸受14と間に配置されており、よって、室111に常時連通している。その結果、第2中間ネジ穴56は、ノズル本体16の基端開口部65と内部ノズル部11の内部噴出口37との隙間に常時連通する。
【0055】
第2中間ネジ穴56には、外部に連通可能な流量調整弁121(第2外部連通部)が螺合されて取り付けられている。流量調整弁121は、内部流路122の一端が室111内に連通し、内部流路122の他端が外部に連通する。言い換えれば、筒状部材12には、二つの軸受13,14のうち基端開口部65に近い側の軸受14よりも内部ノズル部11側に、外部に連通可能な流量調整弁121が、開閉弁115とは別に設けられている。流量調整弁121は、ここでは、内部流路122の室111とは反対側が液体供給源Bに連通している。これにより、流量調整弁121は液体供給源Bから液体を室111内に取り込み可能となっている。
【0056】
流量調整弁121は、内部流路122の中間位置を開閉する回転可能な調整部材123と、調整部材123を固定する固定部材124とを有している。流量調整弁121は、固定部材124が緩められた状態で調整部材123が締め込まれると内部流路122が全閉となり、固定部材124が緩められた状態で調整部材123が緩められると内部流路122が全開となる。流量調整弁121は、調整部材123の回転角度で全閉から全開まで無段階で内部流路122の流路面積を変化させる。固定部材124は、締め付けられると調整部材123の回転角度を一定に固定する。固定部材124が緩められると調整部材123の回転角度が変更可能となる。
【0057】
以上の構成の噴射ノズル1にガン本体2を介して加圧気体供給源Aから加圧エアが供給されると、ノズル本体16のベース筒状部材61の基端開口部65内に向けて、この基端開口部65との間に隙間をもって配置された内部ノズル部11から加圧エアが噴出する。すると、ノズル本体16内を加圧エアが通過することになり、通過した加圧エアが、ノズル本体16の軸方向中間位置の内外を基体部70の径方向に連通する第1連通孔72、第2連通孔82および第3連通孔92と、ノズル本体16の先端部の内外を基体部70の軸方向に連通する先端噴出穴101とから外部に噴出する。
【0058】
加圧エアは、一部が第1連通孔72から外部に噴出する際に、第1連通孔72に対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65側に、第1連通孔72の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられた第1凸状ガイド部73と、第1連通孔72に対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65とは反対側に、第1連通孔72の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられた第1凹状ガイド部74とによって案内されて、第1連通孔72から基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65とは反対側すなわち先端側に向けて噴出する。
【0059】
また、加圧エアは、一部が第2連通孔82から外部に噴出する際に、第2連通孔82に対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65側に、第2連通孔82の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられた第2凸状ガイド部83と、第2連通孔82に対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65とは反対側に、第2連通孔82の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられた第2凹状ガイド部84とによって案内されて、第2連通孔82から基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65とは反対側すなわち先端側に向けて噴出する。
【0060】
また、加圧エアは、一部が第3連通孔92から外部に噴出する際に、第3連通孔92に対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65側に、第3連通孔92の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられた第3凸状ガイド部93と、第3連通孔92に対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65とは反対側に、第3連通孔92の一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられた第3凹状ガイド部94とによって案内されて、第3連通孔92から基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65とは反対側すなわち先端側に向けて噴出する。
【0061】
以上により、二つの軸受13,14で筒状部材12に支持されたノズル本体16が円周方向における第1側(先端部材62をその軸方向に沿ってベース筒状部材61とは反対側から見たときの時計回りの方向)に向けて回転する。これにより、噴射ノズル1は、ノズル本体16が、内部を通過する流体の流れのみで首を振らずに旋回する。
【0062】
また、加圧エアは、一部が先端噴出穴101から外部に噴出する際に、先端噴出穴101に沿って、基体部70の中心軸線に対して傾斜して基体部70の軸方向における基端開口部65とは反対側すなわち先端側に向けて噴出する。
【0063】
また、ノズル本体16の基端開口部65内に向けて、この基端開口部65との間に隙間をもって配置された内部ノズル部11から加圧エアを噴出させると、基端開口部65と内部ノズル部11との間の室111に負圧が生じることになる。筒状部材12には、二つの軸受13,14のうち基端開口部65に近い側の軸受14よりも内部ノズル部11側に、外部に連通可能な開閉弁115が設けられている。このため、開閉弁115に連通する外部から上記負圧で流体、具体的には外気の室111への吸引を行う。
【0064】
また、筒状部材12には、二つの軸受13,14のうち基端開口部65に近い側の軸受14よりも内部ノズル部11側に、外部に連通可能な流量調整弁121が設けられている。このため、室111に負圧が生じると、流量調整弁121に連通する外部から上記負圧で流体、具体的には液体供給源Bの液体の室111への吸引を行う。
【0065】
そして、開閉弁115を介して導入される外気と、流量調整弁121を介して導入される液体と、加圧エアとが混合されながら、回転するノズル本体16の第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101から噴出する。これにより、回転するノズル本体16の第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101から流体を噴出させることができる。ノズル本体16が回転することから、第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101からそれぞれ噴出された流体はトルネード状をなす。
【0066】
ここで、流量調整弁121の開弁量を0よりも大きい一定値として、開閉弁115を全閉とすると、液体供給源Bから室111への液体の吸い込み量がこの流量調整弁121の開弁量での最大値となる。他方、この状態で、開閉弁115を全開とすると、液体供給源Bから室111への液体の吸い込みが0になる。そして、全閉から全開の間で開閉弁115の開弁量を調整することで、ノズル本体16の回転数と、液体供給源Bから室111への液体の吸い込み量と、第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101からの流体の噴出量とを調整できる。
【0067】
また、流量調整弁121の開弁量を0すなわち全閉とすれば、開閉弁115の状態には無関係に液体供給源Bから室111への液体の吸い込み量が0となる。この状態で、開閉弁115の開弁量を調整することで、ノズル本体16の回転数と、第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101からの加圧エアの噴出量とを調整できる。
【0068】
ここで、噴射ノズル1は、上記のように液体供給源Bから液体を吸い込まなければ、加圧エアを第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101から噴出させることができる。また、噴射ノズル1は、液体供給源Bから液体として水を吸い込めば、水を霧状にして第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101から噴出させることができる。また、噴射ノズル1は、液体供給源Bから液体として洗浄液を吸い込めば、洗浄液を霧状にし、あるいは発泡させて第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101から噴出させることができる。また、噴射ノズル1は、液体供給源Bから液体としてクーラント液を吸い込めば、クーラント液を霧状にして第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101から噴出させることができる。
【0069】
ここで、噴射ノズル1は、首を振らずに回転する直線形状のノズル本体16が筒状部材12から延出している。このため、噴射ノズル1は、例えば、ワークに形成された有底穴の、切削加工による切り粉や鋳造時の砂型の残砂等を除去する際に、ノズル本体16の先端部を有底穴内に円滑に挿し込むことができる。これにより、第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101からそれぞれ先方に噴出された流体によって高い洗浄効率で有底穴を洗浄することができる。
【0070】
また、噴射ノズル1は、液体供給源Bから液体として可燃液を吸い込めば、可燃液を霧状にして第1噴出部71、第2噴出部81、第3噴出部91および先端噴出穴101から噴出させることができる。よって、可燃液に着火すれば、噴射ノズル1がバーナーとなる。
【0071】
なお、室111が負圧となることにより、室112も負圧になるため、軸受13から筒状部材12の先端側に潤滑油が漏れ出し難くなる。ここで、室111は開閉弁115を介して外気に連通していることから、その負圧の絶対値は比較的小さい。このため、室112の負圧も、その絶対値は比較的小さい。よって、軸受13の室112とは反対側と室112側との差圧が抑えられ、その結果、軸受13から室112側への潤滑油の流出も抑えられる。また、軸受13に潤滑油の供給が必要な場合、軸受13の室112とは反対側から潤滑油を供給すれば、室112が負圧になることで軸受13に潤滑油が良好に浸透する。
【0072】
すなわち、噴射ノズル1は、例えば、ノズル部材22を設けず、また、筒状部材本体41に第1中間ネジ穴55および第2中間ネジ穴56を設けずに、加圧気体供給源Aから加圧エアを連結部材21を介して室111に導入する構造として、加圧気体供給源Aからの加圧エアのみをノズル本体16から噴出させる構造にすると、室111が高い正圧となり、その結果、室112も高い正圧となる。よって、軸受13の先端側と室112側との差圧が大きくなり、その結果、軸受13から先端側に潤滑油が漏れ出してしまう。第1実施形態の噴射ノズル1は、このような軸受13からの潤滑油の先端側への漏れ出しを抑制することができる。
【0073】
また、加圧気体供給源Aからの加圧エアのみをノズル本体16から噴出させる場合、先端側から潤滑油を軸受13に供給しても、軸受13の先端とは反対側の室112が高い正圧となるため、軸受13に潤滑油は浸透し難い。第1実施形態の噴射ノズル1は、このような軸受13への潤滑油の先端側からの給油が良好にできることになる。
【0074】
[第2実施形態]
本発明に係る第2実施形態の噴射ノズルを主に
図9~
図13を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
【0075】
第2実施形態においては、
図9に示すように、噴射ノズル1とは一部異なる形状の噴射ノズル1aが噴射ノズル1にかえて設けられている。噴射ノズル1aは、ノズル本体16とは一部異なる形状のノズル本体16aがノズル本体16にかえて設けられている。ノズル本体16aは、先端部材62とは一部異なる形状の先端部材62aが先端部材62にかえて設けられている。ノズル本体16aは、嵌合部材100にかえて蓋部材100aが設けられている。
【0076】
先端部材62aは、ベース筒状部材61の先端部に嵌合されて接合される円筒状の基体部70と、ベース筒状部材61よりも先端側の第1噴出部71a(噴出部)とを有している。第1噴出部71aは、第1連通孔72a(連通孔)と、第1凸状ガイド部73a(凸状ガイド部)と、第1凹状ガイド部74a(凹状ガイド部)とを有している。
【0077】
第1連通孔72aは、先端部材62aの軸方向中間位置の内外を基体部70の径方向に連通する。
【0078】
第1凸状ガイド部73aは、第1連通孔72aに対し基体部70の円周方向における一側かつ基体部70の軸方向における一側に、
図10に示すように、第1連通孔72aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられている。第1凸状ガイド部73aは、第1連通孔72aとは反対側よりも第1連通孔72a側の方が基体部70の径方向における外側に位置する。
【0079】
第1凹状ガイド部74aは、第1連通孔72aに対し基体部70の円周方向における他側かつ基体部70の軸方向における他側に、第1連通孔72aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられている。第1凹状ガイド部74aは、第1連通孔72aとは反対側よりも第1連通孔72a側の方が基体部70の径方向における内側に位置する。
【0080】
第2実施形態では、第1凸状ガイド部73aは、第1連通孔72aに対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61とは反対側(すなわち基端開口部65とは反対側)に設けられている。第1凹状ガイド部74aは、第1連通孔72aに対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側(すなわち基端開口部65側)に設けられている。よって、第1連通孔72aは、基体部70の径方向における外側かつ基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側に向けて斜めに開口している。
【0081】
図11に示すように、先端部材62aは、第1噴出部71aよりも先端側に第2噴出部81a(噴出部)を有している。第2噴出部81aは、第1噴出部71aに対して、基体部70の軸方向の位置をずらし、基体部70の周方向の位置をずらしている。第2噴出部81aは、第1噴出部71aに対して基体部70の周方向における位置を90度ずらしている。
【0082】
第2噴出部81aは、第1噴出部71aと同様の形状である。第2噴出部81aは、第1連通孔72aと同様の第2連通孔82a(連通孔)と、第1凸状ガイド部73aと同様の第2凸状ガイド部83a(凸状ガイド部)と、第1凹状ガイド部74aと同様の第2凹状ガイド部84a(凹状ガイド部)とを有している。
【0083】
第2連通孔82aは、先端部材62aの軸方向中間位置の内外を基体部70の径方向に連通する。
【0084】
第2凸状ガイド部83aは、第2連通孔82aに対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61とは反対側に、第2連通孔82aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられている。第2凸状ガイド部83aは、第2連通孔82aとは反対側よりも第2連通孔82a側の方が基体部70の径方向における外側に位置する。
【0085】
第2凹状ガイド部84aは、第2連通孔82aに対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側に、第2連通孔82aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられている。第2凹状ガイド部84aは、第2連通孔82aとは反対側よりも第2連通孔82a側の方が基体部70の径方向における内側に位置する。
【0086】
第2連通孔82aは、基体部70の径方向における外側かつ基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側に向けて斜めに開口している。
【0087】
図12に示すように、先端部材62aは、第2噴出部81aよりも先端側に第3噴出部91a(噴出部)を有している。第3噴出部91aは、第2噴出部81aに対して、基体部70の軸方向の位置をずらし、基体部70の周方向の位置をずらしている。第3噴出部91aは、第2噴出部81aに対して基体部70の周方向における位置を90度ずらしている。
【0088】
第3噴出部91aは、第1噴出部71aおよび第2噴出部81aと同様の形状である。第3噴出部91aは、第1連通孔72aと同様の第3連通孔92a(連通孔)と、第1凸状ガイド部73aと同様の第3凸状ガイド部93a(凸状ガイド部)と、第1凹状ガイド部74aと同様の第3凹状ガイド部94a(凹状ガイド部)とを有している。
【0089】
第3連通孔92aは、先端部材62aの軸方向中間位置の内外を基体部70の径方向に連通する。
【0090】
第3凸状ガイド部93aは、第3連通孔92aに対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61とは反対側に、第3連通孔92aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられている。第3凸状ガイド部93aは、第3連通孔92aとは反対側よりも第3連通孔92a側の方が基体部70の径方向における外側に位置する。
【0091】
第3凹状ガイド部94aは、第3連通孔92aに対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側に、第3連通孔92aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられている。第3凹状ガイド部94aは、第3連通孔92aとは反対側よりも第3連通孔92a側の方が基体部70の径方向における内側に位置する。
【0092】
第3連通孔92aは、基体部70の径方向における外側かつ基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側に向けて斜めに開口している。
【0093】
図13に示すように、先端部材62aは、第3噴出部91aよりも先端側に第4噴出部131a(噴出部)を有している。第4噴出部131aは、第3噴出部91aに対して、基体部70の軸方向の位置をずらし、基体部70の周方向の位置をずらしている。第4噴出部131aは、第3噴出部91aに対して基体部70の周方向における位置を90度ずらしている。
【0094】
第4噴出部131aは、第1噴出部71a、第2噴出部81aおよび第3噴出部91aと同様の形状である。第4噴出部131aは、第1連通孔72aと同様の第4連通孔132a(連通孔)と、第1凸状ガイド部73aと同様の第4凸状ガイド部133a(凸状ガイド部)と、第1凹状ガイド部74aと同様の第4凹状ガイド部134a(凹状ガイド部)とを有している。
【0095】
第4連通孔132aは、先端部材62aの軸方向中間位置の内外を基体部70の径方向に連通する。
【0096】
第4凸状ガイド部133aは、第4連通孔132aに対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61とは反対側に、第4連通孔132aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられている。第4凸状ガイド部133aは、第4連通孔132aとは反対側よりも第4連通孔132a側の方が基体部70の径方向における外側に位置する。
【0097】
第4凹状ガイド部134aは、第4連通孔132aに対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側に、第4連通孔132aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられている。第4凹状ガイド部134aは、第4連通孔132aとは反対側よりも第4連通孔132a側の方が基体部70の径方向における内側に位置する。
【0098】
第4連通孔132aは、基体部70の径方向における外側かつ基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側に向けて斜めに開口している。
【0099】
第1噴出部71a、第2噴出部81a、第3噴出部91a、第4噴出部131aは、この順に、基体部70の周方向に等間隔かつ基体部70の軸方向に等間隔で配置されている。
【0100】
第1連通孔72a、第2連通孔82a、第3連通孔92aおよび第4連通孔132aは、いずれも、基体部70の径方向における外側かつ基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向におけるベース筒状部材61側に向けて斜めに開口している。
【0101】
以上により、ノズル本体16aは、先端側に第1噴出部71a、第2噴出部81a、第3噴出部91aおよび第4噴出部131aが設けられている。
【0102】
ノズル本体16aは、先端部材62aの先端に設けられる蓋部材100aを有している。蓋部材100aは、有底円筒状であり、先端部材62aの軸方向における第4噴出部131aよりも先端側に嵌合している。蓋部材100aは、先端部材62aの先端部の外周部に固定されている。蓋部材100aは、先端部材62aの先端開口部を気密的に閉塞させる。言い換えれば、ノズル本体16aは、基端開口部65とは反対側の先端部が閉塞されている。
【0103】
第2実施形態の噴射ノズル1aにガン本体2を介して加圧気体供給源Aから加圧エアが供給されると、ノズル本体16aのベース筒状部材61の基端開口部65内に向けて、この基端開口部65との間に隙間をもって配置された内部ノズル部11から加圧エアが噴出する。すると、ノズル本体16a内を加圧エアが通過することになり、通過した加圧エアが、ノズル本体16aの軸方向中間位置の内外を基体部70の径方向に連通する第1連通孔72a、第2連通孔82a、第3連通孔92aおよび第4連通孔132aから外部に噴出する。
【0104】
加圧エアは、一部が第1連通孔72aから外部に噴出する際に、第1連通孔72aに対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65とは反対側に、第1連通孔72aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられた第1凸状ガイド部73aと、第1連通孔72aに対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65側に、第1連通孔72aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられた第1凹状ガイド部74aとによって案内されて、第1連通孔72aから基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65側すなわち基端側に向けて噴出する。
【0105】
また、加圧エアは、一部が第2連通孔82aから外部に噴出する際に、第2連通孔82aに対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65とは反対側に、第2連通孔82aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられた第2凸状ガイド部83aと、第2連通孔82aに対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65側に、第2連通孔82aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられた第2凹状ガイド部84aとによって案内されて、第2連通孔82aから基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65側すなわち基端側に向けて噴出する。
【0106】
また、加圧エアは、一部が第3連通孔92aから外部に噴出する際に、第3連通孔92aに対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65とは反対側に、第3連通孔92aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられた第3凸状ガイド部93aと、第3連通孔92aに対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65側に、第3連通孔92aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられた第3凹状ガイド部94aとによって案内されて、第3連通孔92aから基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65側すなわち基端側に向けて噴出する。
【0107】
また、加圧エアは、一部が第4連通孔132aから外部に噴出する際に、第4連通孔132aに対し基体部70の円周方向における第1側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65とは反対側に、第4連通孔132aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における外方に突出して設けられた第4凸状ガイド部133aと、第4連通孔132aに対し基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65側に、第4連通孔132aの一部を形成しつつ基体部70から基体部70の径方向における内方に凹んで設けられた第4凹状ガイド部134aとによって案内されて、第4連通孔132aから基体部70の円周方向における第2側かつ基体部70の軸方向における基端開口部65側すなわち基端側に向けて噴出する。
【0108】
以上により、二つの軸受13,14で筒状部材12に支持されたノズル本体16aが円周方向における第1側に向けて回転する。これにより、噴射ノズル1aは、ノズル本体16aが、内部を通過する流体の流れのみで首を振らずに旋回する。
【0109】
第1実施形態と同様、ノズル本体16aの基端開口部65内に向けて、この基端開口部65との間に隙間をもって配置された内部ノズル部11から加圧エアを噴出させると、基端開口部65と内部ノズル部11との間の室111に負圧が生じることになる。その結果、開閉弁115に連通する外部から流体、具体的には外気の室111への吸引を行うと共に、流量調整弁121に連通する外部から流体、具体的には液体供給源Bの液体の室111への吸引を行う。
【0110】
そして、開閉弁115を介して導入される外気と、流量調整弁121を介して導入される液体と、加圧エアとが混合されながら、回転するノズル本体16aの第1噴出部71a、第2噴出部81a、第3噴出部91aおよび第4噴出部131aから噴出する。これにより、回転するノズル本体16aの第1噴出部71a、第2噴出部81a、第3噴出部91aおよび第4噴出部131aから流体を噴出させることができる。ノズル本体16aが回転することから、第1噴出部71a、第2噴出部81a、第3噴出部91aおよび第4噴出部131aからそれぞれ噴出された流体はトルネード状をなす。
【0111】
噴射ノズル1aは、首を振らずに回転する直線形状のノズル本体16aが筒状部材12から延出している。このため、噴射ノズル1aは、例えば、管状の素材の一端開口側を切断して管体を作製する際に素材の一端開口側に残る切り粉を除去する場合に、ノズル本体16aの先端部を素材内に円滑に挿し込むことができる。これにより、第1噴出部71a、第2噴出部81a、第3噴出部91aおよび第4噴出部131aからそれぞれ手前に噴出される流体で、素材の開口側に残る切り粉等を素材の開口から排出させることができる。
【0112】
なお、第1,第2実施形態において、ノズル本体16,16aのベース筒状部材61の基端開口部65側に、
図14に示すように、内径が他の部分よりも大径の嵌合穴部111を形成し、この嵌合穴部111に、ベース筒状部材61とは別体の回転力発生部材112を設けても良い。回転力発生部材112は、ベース筒状部材61の嵌合穴部111に圧入により嵌合されることになり、これにより、ベース筒状部材61に固定される。この回転力発生部材112は、内部ノズル部11の内部噴出口37から噴出する加圧エアがノズル本体16,16a内を通過する際に、加圧エアを案内して加圧エアによる力でノズル本体16,16aに回転力を発生させる。言い換えれば、ノズル本体16,16a内に、加圧エアの通過時に、通過する加圧エアよってノズル本体16,16aに回転力を生じさせる回転力発生部材112が設けられている。
【0113】
ここで、
図1~
図8に示すノズル本体16を例にとり説明すると、ノズル本体16は、第1連通孔72から第1凸状ガイド部73および第1凹状ガイド部74によって案内されて加圧エアが噴出し、第2連通孔82から第2凸状ガイド部83および第2凹状ガイド部84によって案内されて加圧エアが噴出し、第3連通孔92から第3凸状ガイド部93および第3凹状ガイド部94によって案内されて加圧エアが噴出する。その際に、ノズル本体16には、円周方向における第1側に向けて回転する回転力が生じる。回転力発生部材112は、通過する加圧エアよってノズル本体16に、この方向と同方向、すなわち円周方向における第1側(先端部材62をその軸方向に沿ってベース筒状部材61とは反対側から見たときの時計回りの方向)に向けて回転する回転力を生じさせる。
【0114】
回転力発生部材112は、例えば、
図14(a)に示すように、一方向に長い帯状の板材を、長さ方向を基準として捻ることで形成されている。回転力発生部材112は、
図14(b)に示すようにベース筒状部材61の嵌合穴部111に嵌合し固定された状態では、その長さ方向に直交する断面の形状が、ベース筒状部材61の軸方向において、基端開口部65からベース筒状部材61の内部方向すなわち加圧エアが流れる方向の下流側に位置するほど、ノズル本体16の円周方向における第2側に位置するように、捻られている。回転力発生部材112は、これにより、通過する加圧エアによって、ノズル本体16に、この方向とは反対方向、すなわち円周方向における第1側(先端部材62をその軸方向に沿ってベース筒状部材61とは反対側から見たときの時計回りの方向)に向けて回転する回転力を生じさせる。
【0115】
このような回転力発生部材112を設けることで、ノズル本体16,16aを、内部を通過する流体の流れのみによって第1,第2実施形態よりも速い回転速度で旋回させることができる。
【0116】
(付記1)
噴射ノズルは、
筒状部材と、
基端開口部を有する円筒状をなすと共に先端側に噴出部が設けられたノズル本体と、
前記ノズル本体に該ノズル本体の中心軸線の延びる方向に離間して設けられて前記ノズル本体を前記筒状部材の内周部に回転可能に支持する二つの軸受と、
前記筒状部材内で前記基端開口部との間に隙間をもって配置されて前記基端開口部内に向けて加圧気体を噴出させる内部ノズル部と、を備え、
前記筒状部材には、前記二つの軸受のうち前記基端開口部に近い側の軸受よりも前記内部ノズル部側に、外部に連通可能な第1外部連通部が設けられ、
前記ノズル本体は、円筒状の基体部を有し、
前記噴出部は、
前記ノズル本体の軸方向中間位置の内外を前記基体部の径方向に連通する連通孔と、
前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における一側かつ前記基体部の軸方向における一側に、前記連通孔の一部を形成しつつ前記基体部から該基体部の径方向における外方に突出して設けられた凸状ガイド部と、
前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における他側かつ前記基体部の軸方向における他側に、前記連通孔の一部を形成しつつ前記基体部から該基体部の径方向における内方に凹んで設けられた凹状ガイド部と、
を有することを特徴とする。
【0117】
(付記2)
上記付記1において、
前記凸状ガイド部は、前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における一側かつ前記基体部の軸方向における前記基端開口部側に設けられ、
前記凹状ガイド部は、前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における他側かつ前記基体部の軸方向における前記基端開口部とは反対側に設けられ、
前記ノズル本体には、前記基端開口部とは反対側の先端部に、前記基体部の中心軸線に対して斜めに先端噴出穴が設けられていることを特徴とする。
【0118】
(付記3)
上記付記1において、
前記凸状ガイド部は、前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における一側かつ前記基体部の軸方向における前記基端開口部とは反対側に設けられ、
前記凹状ガイド部は、前記連通孔に対し前記基体部の円周方向における他側かつ前記基体部の軸方向における前記基端開口部側に設けられ、
前記ノズル本体は、前記基端開口部とは反対側の先端部が閉塞されていることを特徴とする。
【0119】
(付記4)
上記付記1乃至付記3のいずれか一つにおいて、
前記ノズル本体内には、前記加圧気体の通過時に、該加圧気体によって前記ノズル本体に回転力を生じさせる回転力発生部材が設けられており、
前記回転力発生部材は、前記連通孔から前記凸状ガイド部および前記凹状ガイド部によって案内されて前記加圧気体が噴出する際に前記ノズル本体に生じる回転力と同方向の回転力を生じさせることを特徴とする。
【0120】
(付記5)
上記付記1乃至付記4のいずれか一つにおいて、
前記筒状部材には、前記二つの軸受のうち前記基端開口部に近い側の軸受よりも前記内部ノズル部側に、外部に連通可能な第2外部連通部が、前記第1外部連通部とは別に設けられていることを特徴とする。
【符号の説明】
【0121】
1,1a 噴射ノズル
11 内部ノズル部
12 筒状部材
13,14 軸受
16,16a ノズル本体
65 基端開口部
70 基体部
71,71a 第1噴出部(噴出部)
72,72a 第1連通孔(連通孔)
73,73a 第1凸状ガイド部(凸状ガイド部)
74,74a 第1凹状ガイド部(凹状ガイド部)
81,81a 第2噴出部(噴出部)
82,82a 第2連通孔(連通孔)
83,83a 第2凸状ガイド部(凸状ガイド部)
84,84a 第2凹状ガイド部(凹状ガイド部)
91,91a 第3噴出部(噴出部)
92,92a 第3連通孔(連通孔)
93,93a 第3凸状ガイド部(凸状ガイド部)
94,94a 第3凹状ガイド部(凹状ガイド部)
101 先端噴出穴
115 開閉弁(第1外部連通部)
121 流量調整弁(第2外部連通部)
131a 第4噴出部(噴出部)
132a 第4連通孔(連通孔)
133a 第4凸状ガイド部(凸状ガイド部)
134a 第4凹状ガイド部(凹状ガイド部)