IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニチカ株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044992
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】接着剤組成物および積層体
(51)【国際特許分類】
   C09J 167/02 20060101AFI20240326BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20240326BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
C09J167/02
C09J163/00
C09J11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094447
(22)【出願日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2022148680
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅井 文雄
(72)【発明者】
【氏名】杉原 崇嗣
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040EC001
4J040ED041
4J040ED061
4J040HC23
4J040KA14
4J040KA16
4J040KA17
4J040LA08
4J040NA19
(57)【要約】
【課題】金属への接着性、耐湿熱性、リフロー工程に対する耐熱性に優れた接着剤組成物、およびそれからなる層を有する積層体を提供する。
【解決手段】
共重合ポリエステル100質量部、エポキシ化合物3~13質量部、およびイミダゾール化合物0.3~0.9質量部を含み、共重合ポリエステルが、酸成分中、イソフタル酸を30モル%以上含有し、グリコール成分中、側鎖を有するグリコールを30モル%以上と、繰り返し単位の炭素数が2~4であり、数平均分子量が200以上であるポリアルキレングリコールを1~20モル%含有し、共重合ポリエステルの酸価が2~8mgKOH/gであり、ガラス転移温度が-10~10℃であることを特徴とする接着剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共重合ポリエステル100質量部、エポキシ化合物3~13質量部、およびイミダゾール化合物0.3~0.9質量部を含み、
共重合ポリエステルが、酸成分中、イソフタル酸を30モル%以上含有し、グリコール成分中、側鎖を有するグリコールを30モル%以上と、繰り返し単位の炭素数が2~4であり、数平均分子量が200以上であるポリアルキレングリコールを1~20モル%含有し、
共重合ポリエステルの酸価が2~8mgKOH/gであり、ガラス転移温度が-10~10℃であることを特徴とする接着剤組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の接着剤組成物からなる層を有することを特徴とする積層体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物およびそれからなる層を有する積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルは、その構成成分であるジカルボン酸およびグリコールの種類と量を変更することにより、種々の特徴を有する共重合ポリエステルを得ることが可能である。
共重合ポリエステルは、一般的に、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等のプラスチック、あるいはアルミニウム、銅等の金属に優れた接着性を有していることから、接着剤、コーティング剤、インキバインダー、塗料等に広く使用されている。
【0003】
また、共重合ポリエステルは、電気絶縁性、難燃性、柔軟性(屈曲部での耐剥離性)などの特性に優れることから、例えば、近年、薄型化、小型化が進行するデジタル家電や車載用部品で使用されるフレキシブルフラットケーブルの接着剤として広く用いられている。
【0004】
上記用途に用いられる共重合ポリエステルには、液晶のバックライトや、CPUなどからの放熱の影響を受けるため、熱に対する耐性が必要であり、また、屋外で使用される場合もあるため、高温高湿下でも接着界面が剥離せず接着性を維持できる耐湿熱性を有することも求められている。たとえば、特許文献1には、特定のアルキレングリコールを共重合してなる、金属への接着性と耐湿熱性に優れるポリエステルが開示されている。
【0005】
近年、発光ダイオードの小型化と高性能化に伴い、LEDデジタルサイネージの利用が急増している。特に透過型LEDデジタルサイネージには、軽量性と柔軟性からフレキシブルプリント配線フィルムが利用される。屋外利用を想定したLEDデジタルサイネージのフレキシブルプリント配線フィルムには、配線となる金属との接着性と長期屋外使用に耐えうる耐湿熱性に加えて、フレキシブルプリント配線フィルムへのLED表面実装におけるリフロー工程に耐える耐熱性が求められる。しかし、特許文献1に記載の接着剤組成物は、金属への接着性および耐湿熱性に優れ、80℃における耐熱性は良好であるものの、リフロー工程のような200℃を超える高温の耐熱性については性能が不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6955768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、前記問題点を解決し、金属への接着性、耐湿熱性、リフロー工程に対する耐熱性に優れた接着剤組成物、およびそれからなる層を有する積層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の酸成分とグリコール成分とから構成され、特定の酸価とガラス転移温度を有する共重合ポリエステルに、エポキシ化合物とイミダゾール化合物を加えた組成物が、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
【0009】
(1)共重合ポリエステル100質量部、エポキシ化合物3~13質量部、およびイミダゾール化合物0.3~0.9質量部を含み、
共重合ポリエステルが、酸成分中、イソフタル酸を30モル%以上含有し、グリコール成分中、側鎖を有するグリコールを30モル%以上と、繰り返し単位の炭素数が2~4であり、数平均分子量が200以上であるポリアルキレングリコールを1~20モル%含有し、
共重合ポリエステルの酸価が2~8mgKOH/gであり、ガラス転移温度が-10~10℃であることを特徴とする接着剤組成物。
(2)上記(1)に記載の接着剤組成物からなる層を有することを特徴とする積層体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、金属への接着性に優れるとともに、優れた耐湿熱性と耐熱性を備えた接着剤組成物を提供することができる。この接着剤組成物からなる層を有する積層体は、LEDデジタルサイネージ等のフレキシブルプリント配線の構成部材として使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の接着剤組成物は、共重合ポリエステル、エポキシ化合物、およびイミダゾール化合物を含有し、共重合ポリエステルは、酸成分としてイソフタル酸を含有し、グリコール成分として側鎖を有するグリコールと、繰り返し単位の炭素数が2~4であり、数平均分子量が200以上であるポリアルキレングリコールとを含有し、酸価が2~8mgKOH/gであり、ガラス転移温度が-10~10℃である。
以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
<共重合ポリエステル>
本発明の接着剤組成物を構成する共重合ポリエステルの酸成分は、イソフタル酸を30モル%以上含有することが必要であり、40モル%以上含有することが好ましく、50~80モル%含有することがより好ましい。酸成分におけるイソフタル酸の含有量が30モル%未満であると、得られる接着剤組成物は、接着性が低下し、また有機溶剤への溶解性も低下する傾向にある。
【0013】
イソフタル酸以外の酸成分としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、フタル酸、4,4′-ジカルボキシビフェニル、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、5-ヒドロキシイソフタル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、1,3,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸、シュウ酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、2,5-ノルボルネンジカルボン酸等が挙げられる。これらは、無水物をモノマー原料として用いてもよく、組み合わせて使用してもよい。中でも、耐熱性維持の観点から、イソフタル酸以外の酸成分として、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸を用いることが好ましい。
【0014】
共重合ポリエステルのグリコール成分は、側鎖を有するグリコールを30モル%以上含有することが必要であり、40モル%以上含有することがより好ましく、50~80モル%含有することがさらに好ましい。グリコール成分における、側鎖を有するグリコールの含有量が30モル%未満であると、得られる接着剤組成物は、接着性が低下し、また有機溶剤への溶解性も低下する傾向にある。一方、側鎖を有するグリコールの含有量が80モル%を超えると、接着剤組成物は接着性が低下する傾向がある。
側鎖を有するグリコールとしては、1,2-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2-メチルプロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-2-ブチルプロパンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加体、トリメチロールプロパン等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。中でも、接着性を向上させる観点から、側鎖を有するグリコールは、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体が好ましい。
【0015】
共重合ポリエステルのグリコール成分は、繰り返し単位の炭素数が2~4であり、数平均分子量が200以上であるポリアルキレングリコールを1~20モル%含有することが必要であり、3~15モル%含有することが好ましく、4~10モル%含有することがより好ましい。共重合ポリエステルは、グリコール成分における上記ポリアルキレングリコールの含有量が1モル%未満であると、耐湿熱性が低下する。また、ガラス転移温度が高くなり、得られる接着剤組成物は、接着性に劣ることがある。一方、上記ポリアルキレングリコールの含有量が20モル%を超えると、得られる接着剤組成物は、耐熱性に劣るものとなる。
上記ポリアルキレングリコールは、数平均分子量が200以上であることが必要であり、500~10000であることが好ましく、800~5000であることがより好ましい。繰り返し単位の炭素数が2~4であるポリアルキレングリコールとして、数平均分子量が200以上であるものを用いることによって、得られる接着剤組成物は、耐湿熱性が向上する。
繰り返し単位の炭素数が2~4であり、数平均分子量が200以上であるポリアルキレングリコールとしては、接着性と耐湿熱性の観点から、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
【0016】
上記以外のグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、これらを2種類以上併用してもよい。
【0017】
また、共重合ポリエステルを構成する他の成分として、乳酸、グリコール酸、2-ヒドロキシ酪酸、3-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシイソ酪酸、2-ヒドロキシ-2-メチル酪酸、2-ヒドロキシ吉草酸、3-ヒドロキシ吉草酸、4-ヒドロキシ吉草酸、5-ヒドロキシ吉草酸、6-ヒドロキシカプロン酸、10-ヒドロキシステアリン酸、4-(β-ヒドロキシ)エトキシ安息香酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン等の脂肪族ラクトン、およびオキシラン等が挙げられ、これらを含有してもよい。
【0018】
また、共重合ポリエステルは、必要に応じて、モノカルボン酸、モノアルコールが共重合されていてもよい。モノカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4-ヒドロキシフェニルステアリン酸等が挙げられ、モノアルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2-フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0019】
共重合ポリエステルを構成する上記モノマーは、付与したい特性に応じて、複数種混合して用いてもよい。
また共重合ポリエステルも、2種以上を混合して用いてもよく、相分離していても、均一に混合されていてもよい。
【0020】
共重合ポリエステルは、酸価が2~8mgKOH/gであることが必要であり、3~7mgKOH/gであることが好ましく、4~6mgKOH/gであることがより好ましい。共重合ポリエステルの酸価が上記範囲であると、得られる接着剤組成物の金属への接着性に優れ、耐熱性にも優れたものになる。共重合ポリエステルは、酸価が2mgKOH/g未満であると、耐熱性が劣り、酸価が8mgKOH/gを超えると、金属への接着性が劣るものとなる。
【0021】
共重合ポリエステルの酸価を制御する方法としては、分子量の高いポリエステルを製造したのち、解重合剤を添加する方法や、酸無水物を付加させる方法等が挙げられる。本発明においては、酸価の制御が容易であることから、分子量の高いポリエステルを製造したのち、解重合剤を添加する方法が好ましい。
解重合剤としては、イソフタル酸、アジピン酸やセバシン酸等が好ましく、酸無水物としては、無水トリメリット酸や無水ピロメリット酸等が好ましい。
【0022】
共重合ポリエステルは、ガラス転移温度が-10~10℃であることが必要であり、-8~9℃であることが好ましく、-6~8℃であることがより好ましい。共重合ポリエステルのガラス転移温度が上記範囲であると、得られる接着剤組成物は、金属への接着性に優れたものとなる。共重合ポリエステルのガラス転移温度が-10℃未満や、10℃を超えると、得られる接着剤組成物の金属への接着性が低下する。
【0023】
共重合ポリエステルは、数平均分子量が10000~50000であることが好ましく、10000~40000であることがより好ましく、10000~30000であることがさらに好ましい。共重合ポリエステルの数平均分子量が10000未満であると、得られる接着剤組成物は、接着強度がやや乏しくなることがある。共重合ポリエステルの数平均分子量が50000を超えると、接着剤組成物は、流動性が低下し、塗布等が難しくなることがある。
【0024】
<エポキシ化合物>
本発明の接着剤組成物は、エポキシ化合物を含有することが必要であり、その含有量は、共重合ポリエステル100質量部に対して、3~13質量部であることが必要であり、3~12質量部であることが好ましく、4~11質量部であることがより好ましい。接着剤組成物は、エポキシ化合物を含有することにより、耐熱性が向上する。エポキシ化合物の含有量が3質量部未満であると、得られる接着剤組成物は、耐熱性が低下し、一方、含有量が13質量部を超えると、得られる接着剤組成物は、耐熱性も接着性も低下する。
【0025】
エポキシ化合物は、一分子あたりに2つ以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。好適な具体例としては、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびその誘導体、ソルビトール等の多価水酸基化合物の水酸基の一部をグリシジル基にしたもの、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルが挙げられ、またノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、共重合型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独でも複数を組み合わせてもよい。
【0026】
<イミダゾール化合物>
本発明の接着剤組成物は、硬化促進剤としてイミダゾール化合物を含有することが必要であり、その含有量は、共重合ポリエステル100質量部に対して、0.3~0.9質量部であることが必要であり、0.3~0.8質量部であることが好ましく、0.3~0.7質量部であることがより好ましい。接着剤組成物は、イミダゾール化合物を含有することにより、耐熱性が向上する。イミダゾール化合物の含有量が0.3質量部未満であると、得られる接着剤組成物は、耐熱性が低下し、一方、含有量が0.9質量部を超えると、得られる接着剤組成物は、耐熱性も接着性も低下する。
【0027】
イミダゾール化合物の具体例としては、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミドゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2′-メチルイミドゾリル-(1′)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2′-ウンデシルイミダゾリル-(1′)]エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2′-エチル-4′-メチルイミダゾリル-(1′)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2′-メチルイミドゾリル-(1′)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド等が挙げられる。中でも、接着剤組成物への溶解性と高温加工時の安定性から2-ウンデシルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾールが好ましい。これらは単独でも複数を組み合わせてもよい。
【0028】
<接着剤組成物におけるその他の含有物>
本発明の接着剤組成物は、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤等を含有してもよい。
熱安定剤としては、リン酸、リン酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエンテトラキス[3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸]ペンタエリトリトール、3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n-オクタデシル、3,3′,3″,5,5′,5″-ヘキサ-tert-ブチル-a,a′,a″-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンゼン)イソフタル酸、トリエチルグリコール-ビス[3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレン-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジエチル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフェート等のリン系またはヒンダードフェノール系熱安定剤が挙げられる。
【0029】
酸化防止剤としては、ヒンダードアミン化合物、ジオクチルチオジプロピオネート、ジドデシルチオジプロピオネート、ジドデシルステアリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジデシルチオジプロピオネート、ジドデシル-β,β′-チオジブチレート、ジステアリル-β,β′-チオジブチレート、ペンタエリスリトール-テトラキス(ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール-テトラキス(ドデシルチオアセテート)、ペンタエリスリトール-テトラキス(ドデシルチオブチレート)、ペンタエリスリトール-テトラキス(オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール-テトラキス(ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル-3,3′-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3′-チオジプロピオネート、ジトリデシル3,3′-チオジプロピオネート、テトラキス[メチレン-3-(ドデシルチオ)プロピオネート]等の酸化防止剤が挙げられる。
【0030】
難燃剤としては、デカブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、テトラブロモビスフェノール、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモベンゼン等のハロゲン化物、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、1,3-フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、ポリ燐酸アンモニウム、ポリ燐酸アミド、燐酸グアニジン等の燐化合物、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート等の含ハロゲン燐酸エステル、赤燐、また、トリアジン、メラミンシアヌレート、エチレンジメラミン等の窒素系難燃剤、二酸化スズ、五酸化アンチモン、三酸化アンチモン等が挙げられる。
【0031】
その他、タルクやシリカ等の滑剤、酸化チタンやカーボンブラック等の顔料、充填剤、帯電防止剤、発泡剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
【0032】
<製造方法>
次に本発明の接着剤組成物の製造方法について説明する。
接着剤組成物を構成する共重合ポリエステルの製造においては、必要な原料を反応缶に投入し、公知の方法によりエステル化反応させる。
ついで、例えば、130Pa以下の減圧下に220~280℃の温度で所望の分子量に達するまで重縮合反応を進めることにより、共重合ポリエステルを得ることができる。エステル化反応および重縮合反応の際には、テトラブチルチタネ-トなどのチタン化合物、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの金属の酢酸塩、三酸化アンチモン、ヒドロキシブチルスズオキサイド、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物、ベンゼンスルホン酸などの有機スルホン酸系化合物を用いて重合をおこなうことができる。その際の触媒使用量は、酸成分1モルに対し、0.1~20×10-4モルであることが好ましい。
続いて、前述の重縮合反応を終了後、多塩基酸成分やその無水物等を所定量添加し反応させることで、末端水酸基をカルボキシ基に変性したり、エステル交換反応により分子中鎖にカルボキシ基を導入することで適度の酸価を付与することができる。
【0033】
次に、共重合ポリエステルを適当な有機溶剤に溶解し、固形分の濃度が20~60質量%程度の溶液を調製し、エポキシ化合物とイミダゾール化合物を添加することにより、接着剤組成物の溶液を製造することができる。接着剤組成物の溶液から有機溶剤を除去することにより、接着剤組成物を得ることができる。
【0034】
有機溶剤としては、たとえば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ソルベッソなどの芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ノルマルブチルなどのエステル系溶剤、セロソルブアセテート、メトキシアセテートなどのアセテート系溶剤、またはこれらの2種類以上からなる混合溶剤(たとえば、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤)などが挙げられる。取り扱い性から、有機溶剤は、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤が好ましい。
【0035】
<積層体>
本発明の積層体は、接着剤組成物からなる層を有するものである。
本発明の接着剤組成物を使用して、接着剤組成物からなる層(以下、接着剤層と略することがある)を有する積層体を作製する方法として、接着剤組成物を有機溶剤に溶解した溶液(以下、接着剤溶液と略することがある)をフィルムなどの基材に塗布、乾燥する方法が挙げられる。接着剤溶液として、前述の接着剤組成物の製造において、共重合ポリエステルの有機溶剤溶液にエポキシ化合物とイミダゾール化合物を添加して調製した溶液を使用してもよい。接着剤溶液において、固形分の濃度は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。
接着剤溶液を公知の塗布法で基材に塗布、乾燥することで、接着剤層が積層されてなる積層体を得ることができる。コーターとしては、例えば、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、フローコーターなどを用いることができる。これらのコーターを使用した塗布法では、接着剤層の厚さを任意に制御することができる。また、複数回の塗布法で、基材に塗布してもよい。
【0036】
基材としては、特に限定されないが、例えば、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料等で形成されたものが挙げられる。基材の厚みも特に限定されず、用途等に応じて選択できる。
【0037】
基材を形成する樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。中でも、耐熱性や機械的特性に優れる点から、ポリアミドが好ましく、特に、ジカルボン酸成分とジアミン成分とから構成され、ジカルボン酸成分またはジアミン成分中に芳香族成分を有する半芳香族ポリアミドが好ましい。
【0038】
半芳香族ポリアミドを構成するジカルボン酸成分は、テレフタル酸を主成分とすることが好ましく、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸や、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,3-ナフタレンジカルボン酸、1,2-ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。ジカルボン酸成分中のテレフタル酸の割合は、60~100モル%であることが好ましい。
また、半芳香族ポリアミドを構成するジアミン成分は、炭素数が4~15である脂肪族ジアミンを主成分とすることが好ましい。炭素数が4~15である脂肪族ジアミンとしては、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、4-メチル-1,8-オクタンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,14-テトラデカンジアミン、1,15-ペンタデカンジアミン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0039】
本発明の効果を損なわなければ、基材は、例えば、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、帯電防止剤、可塑剤、酸化防止剤、有機または無機の粒子、充填剤、架橋剤などの公知の添加剤を含有してもよい。
【実施例0040】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
1.原料
(1)共重合ポリエステルの原料
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
SEA:セバシン酸
TMA:無水トリメリット酸
NPG:ネオペンチルグリコール
EG:エチレングリコール
PTMG:ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1000)
PEG:ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)
DEG:ジエチレングリコール(分子量106.12)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤:BASFジャパン社製、Irganox1010
【0041】
(2)エポキシ化合物:ソルビトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、デナコールEX-614B)
(3)イミダゾール化合物:2-ウンデシルイミダゾール(四国化成社製、C11Z)
【0042】
2.評価方法
(1)共重合ポリエステルの組成
NMR装置(日本電子社製JNM-ECZ400R/S1型)を用いて、H-NMR測定を行い、それぞれの共重合成分のピーク強度から組成を求めた。測定溶媒としては、重水素化トリフルオロ酢酸と重水素化テトラクロロエタンとの容量比が1/11の混合溶媒を用いた。
【0043】
(2)共重合ポリエステルの数平均分子量
GPC分析装置(島津製作所社製送液ユニットLC-10ADvp型および紫外-可視分光光度計SPD-6AV型、検出波長:254nm、溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン換算)により、数平均分子量を求めた。
【0044】
(3)共重合ポリエステルのガラス転移温度(Tg)
入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製ダイヤモンドDSC)を用いて、JIS-K7121に準拠して、ガラス転移温度(補外ガラス転移開始温度)を求めた。
【0045】
(4)共重合ポリエステルの酸価
試験管に共重合ポリエステルを150mg精秤し、ベンジルアルコール5mLを加えて加熱溶解し、クロロホルム10mLが入ったマイヤーフラスコに移した。使用した試験管をベンジルアルコール5mLで加熱洗浄し、洗液もマイヤーフラスコに移した。得られた共重合ポリエステルの溶液を、フェノールレッドを指示薬として、0.1NのKOHベンジルアルコール溶液で滴定し、ブランク試験の滴定量との差から、共重合ポリエステルの酸価(mgKOH/g)を求めた。
【0046】
(5)接着性
実施例、比較例で得られた積層体の接着剤組成物層上に、圧延銅箔(18μm)を重ね、1.07kPa(8Torr)の真空プレス機中で、30℃から180℃まで15℃/分で昇温し、30kgf/cmの圧力をかけながら、180℃で60分間保持した。その後、室温まで冷却を行うことで、ラミネートシートを得た。得られたラミネートシートから15mm巾の試料を作製し、23℃、50mm/minにて180度剥離試験を行い、剥離強度を測定して接着力を評価した。
○:14N/15mm以上
△:14N/15mm未満、11N/15mm以上
×:11N/15mm未満
【0047】
(6)耐湿熱性
上記(5)接着性に記載の方法で作製したラミネートシートを、恒温恒湿槽(ナカツ科学機械製作所社製型式LH-30-13M)を用い、温度85℃、相対湿度85%の条件下に1000時間保持することにより、湿熱処理を行った。
湿熱処理後のラミネートシートから15mm巾の試料を作製し、23℃、50mm/minにて180度剥離試験を行い、剥離強度を測定して耐湿熱性を評価した。なお、上記(5)の剥離強度が11N/15mm未満である場合、耐湿熱性の評価は実施しなかった。
○:10N/15mm以上
△:10N/15mm未満、8N/15mm以上
×:8N/15mm未満
【0048】
(7)はんだ耐熱性
上記(5)接着性に記載の方法で作製したラミネートシートから40mm×40mmの試料を作製し、試料を260℃のはんだ浴に60秒間浸漬することではんだ耐熱性を評価した。
○:試料にウキ、ハガレなし
×:試料にウキ、ハガレあり
【0049】
共重合ポリエステル(A1)の製造
酸成分が、テレフタル酸50.0モル%、イソフタル酸49.2モル%になるように、またグリコール成分が、エチレングリコール44.0モル%、ネオペンチルグリコール49.0モル%、数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール6.0モル%、ジエチレングリコール1.0モル%になるように、またヒンダードフェノール系酸化防止剤を得られる共重合ポリエステルに対して0.25質量%になるように、原料をエステル化反応缶に投入し、攪拌しながら、0.25MPaの制圧下で、250℃で5時間エステル化を行い、エステル化物を作製した。
その後、重縮合缶へ移送し、重合触媒を投入し、60分かけて徐々に1.3hPaになるまで減圧し、所定の分子量に到達するまで250℃で重縮合反応を行った。
続いて、重縮合缶内に窒素を充填して0.1MPaとし、無水トリメリット酸を酸成分として0.8モル%になるように投入し、撹拌しながら250℃にて解重合反応を2時間行うことで共重合ポリエステルを得た。
得られた共重合ポリエステルは、数平均分子量18000、酸価4mgKOH/g、ガラス転移温度5℃であった。
【0050】
共重合ポリエステル(A2)~(A6)、(A8)~(A9)、(A12)~(A15)の製造
共重合ポリエステルの組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして共重合ポリエステルを得た。
【0051】
共重合ポリエステル(A7)、(A10)~(A11)の製造
共重合ポリエステルの組成を表1に示すように変更し、解重合反応を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして共重合ポリエステルを得た。
【0052】
共重合ポリエステル(A16)の製造
共重合ポリエステル(A9)を80質量部、共重合ポリエステル(A10)を20質量部用い、トルエン/メチルエチルケトン(8/2(質量比))の混合溶剤に、固形分濃度が25質量%になるように溶解し、溶液を常温で24時間風乾し、100℃で6時間熱処理することで共重合ポリエステルのブレンド物(A16)を得た。得られた共重合ポリエステルのブレンド物(A16)は、酸価4mgKOH/g、ガラス転移温度6℃であった。
【0053】
共重合ポリエステル(A17)の製造
共重合ポリエステル(A10)を20質量部、共重合ポリエステル(A11)を80質量部用い、トルエン/メチルエチルケトン(8/2(質量比))の混合溶剤に、固形分濃度が25質量%になるように溶解し、溶液を常温で24時間風乾し、100℃で6時間熱処理することで共重合ポリエステルのブレンド物(A17)を得た。得られた共重合ポリエステルのブレンド物(A17)は、酸価1mgKOH/g、ガラス転移温度7℃であった。
【0054】
実施例1
共重合ポリエステル(A1)を100質量部用い、トルエン/メチルエチルケトン(8/2(質量比))の混合溶剤に、固形分濃度が25質量%になるように溶解し、エポキシ化合物5質量部、イミダゾール化合物0.35質量部を添加して接着剤組成物の溶液を得た。
溶液を、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製カプトン200H、厚み50μm)にバーコーターを用いて塗布し、180℃で30秒間熱処理し、ポリイミドフィルム上に、乾燥膜厚15μmの接着剤組成物層が積層された積層体を得た。
【0055】
実施例2~9、比較例1~14
共重合ポリエステルの種類、エポキシ化合物およびイミダゾール化合物の添加量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、接着剤組成物の溶液と接着剤組成物層が積層された積層体を得た。
【0056】
比較例15
エポキシ化合物を、イソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネート、イソシアネート38%含有)に変更した以外は実施例1と同様にして、接着剤組成物の溶液と接着剤組成物が積層された積層体を得た。
【0057】
実施例、比較例で得られた接着剤組成物の構成と特性を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
実施例1~9で得られた接着剤組成物は、本発明で規定する構成を満足するものであるため、接着性に優れるとともに、耐湿熱性とはんだ耐熱性にも優れていた。
【0060】
比較例1~2の接着剤組成物は、エポキシ化合物の含有量が本発明で規定する範囲ではないため、接着性またははんだ耐熱性に劣るものであった。
比較例3~4の接着剤組成物は、イミダゾール化合物の含有量が本発明で規定する範囲ではないため、接着性またははんだ耐熱性に劣るものであった。
比較例5および14の接着剤組成物は、共重合ポリエステルの酸価が2mgKOH/g未満であるため、はんだ耐熱性に劣るものであった。
比較例6~9の接着剤組成物は、共重合ポリエステルの酸価または/およびガラス転移温度が本発明で規定する範囲ではないため、接着性に劣るものであった。
比較例10および11の接着剤組成物は、共重合ポリエステル中のイソフタル酸、または、側鎖を有するグリコールの含有量が本発明で規定する範囲ではないため、接着性に劣るものであった。
比較例12の接着剤組成物は、繰り返し単位の炭素数が2~4であり、数平均分子量が200以上であるポリアルキレングリコールの含有量が本発明で規定する範囲を超えて多かったため、はんだ耐熱性に劣るものであった。
比較例13の接着剤組成物は、繰り返し単位の炭素数が2~4であり、数平均分子量が200以上であるポリアルキレングリコールの含有量が本発明で規定する範囲を外れて少なかったため、耐湿熱性に劣るものであった。
比較例15の接着剤組成物は、エポキシ化合物に代えてイソシアネート化合物を用いたため、はんだ耐熱性に劣るものであった。