(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044997
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/50 20230101AFI20240326BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240326BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240326BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240326BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240326BHJP
H10B 41/50 20230101ALI20240326BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20240326BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240326BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20240326BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H10B43/50
H10B43/27
H01L29/78 371
H01L27/088 E
H01L27/088 D
H10B41/27
H10B41/50
H01L27/00 301B
H01L27/00 301C
H01L21/90 B
H01L21/28 E
H01L29/58 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101227
(22)【出願日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2022149502
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】佐原 衣里
(72)【発明者】
【氏名】面高 亜衣
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F048
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
【課題】電極層上にコンタクトプラグを好適に形成することが可能な半導体装置およびその製造方法に関する。
【解決手段】一の実施形態によれば、半導体装置は、第1方向に交互に積層された複数の第1絶縁膜および複数の電極層を含む積層膜を備える。前記装置はさらに、前記複数の電極層のうちの第1電極層上に設けられ、前記第1方向に延びる管状の形状を有する第1プラグを備える。前記装置はさらに、前記第1プラグおよび前記第1電極層内に設けられ、前記第1方向に延びる柱状の形状を有する第2絶縁膜を備える。さらに、前記第2絶縁膜を包囲する前記第1プラグの側面の直径は、前記第2絶縁膜を包囲する前記第1電極層の側面の直径よりも大きい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に交互に積層された複数の第1絶縁膜および複数の電極層を含む積層膜と、
前記複数の電極層のうちの第1電極層上に設けられ、前記第1方向に延びる管状の形状を有する第1プラグと、
前記第1プラグおよび前記第1電極層内に設けられ、前記第1方向に延びる柱状の形状を有する第2絶縁膜とを備え、
前記第2絶縁膜を包囲する前記第1プラグの側面の直径は、前記第2絶縁膜を包囲する前記第1電極層の側面の直径よりも大きい、半導体装置。
【請求項2】
前記積層膜は、階段状の形状を有する階段構造部を含み、
前記第1プラグは、前記階段構造部に含まれる前記第1電極層上に設けられている、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1電極層は、前記第1プラグの下方において、前記積層膜内の最上位の電極層となっている、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記積層膜内に設けられ、前記第2絶縁膜下に位置する第3絶縁膜をさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第3絶縁膜は、前記第2絶縁膜を形成している絶縁材料と異なる種類の絶縁材料で形成されている、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記積層膜上に設けられた第4絶縁膜をさらに備え、
前記第1プラグは、前記第4絶縁膜内に設けられている、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1絶縁膜と前記第4絶縁膜は、シリコンおよび酸素を含む、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記積層膜内に設けられ、前記第1方向に延びる柱状の形状を有し、前記第1プラグと離間されている第5絶縁膜をさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記積層膜は、階段状の形状を有する階段構造部を含み、
前記第5絶縁膜は、前記階段構造部内に設けられている、
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記積層膜に設けられた電荷蓄積層と、
前記積層膜内に前記電荷蓄積層を介して設けられた半導体層と、
をさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
複数の第1絶縁膜および複数の第1膜を第1方向に交互に含む積層膜を形成し、
前記積層膜上に第4絶縁膜を形成し、
前記第4絶縁膜および前記積層膜内に第1凹部を形成し、
前記第1凹部内において、前記第1膜の側面に対し前記第1絶縁膜および前記第4絶縁膜の側面を後退させ、
前記第1凹部内に、前記積層膜内の第1部分と前記積層膜上の第2部分とを含む第3絶縁膜を形成し、
前記第1部分上における前記第2部分内に、第2絶縁膜を形成し、
前記第2絶縁膜の形成後に前記第2部分を除去して、前記第2絶縁膜と前記第4絶縁膜との間に第2凹部を形成し、
前記第2凹部内に第1プラグを形成する、
ことを含む半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記複数の第1膜を除去して、前記積層膜内に複数の第3凹部を形成し、
前記複数の第3凹部内に複数の電極層を形成する、
ことをさらに含む、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1プラグおよび前記複数の電極層は、同じ金属層により形成される、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記金属層は、W(タングステン)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、またはRu(ルテニウム)を含む、請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1プラグは、前記複数の電極層のうちの第1電極層上に形成される、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1プラグおよび前記第1電極層は、前記第2絶縁膜を包囲する前記第1プラグの側面の直径が、前記第2絶縁膜を包囲する前記第1電極層の側面の直径よりも大きくなるように形成される、請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記積層膜は、階段状の形状を有する階段構造部を含むように形成され、
前記第1プラグは、前記階段構造部に含まれる前記第1電極層上に形成され、
前記第1電極層は、前記第1プラグの下方において、前記積層膜内の最上位の電極層である、請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1凹部は、前記積層膜を貫通するように形成される、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1絶縁膜および前記第4絶縁膜の側面は、ウェットエッチングにより、前記第1膜の側面に対し後退される、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1絶縁膜および前記第4絶縁膜は、シリコンおよび酸素を含み、前記第1膜は、シリコンおよび窒素を含む、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電極層を含む階段構造部を形成し、いずれかの電極層上にコンタクトプラグを配置する場合、このコンタクトプラグが他の電極層とショートするおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9871054号公報
【特許文献2】特開2021-141276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電極層上にコンタクトプラグを好適に形成することが可能な半導体装置およびその製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態によれば、半導体装置は、第1方向に交互に積層された複数の第1絶縁膜および複数の電極層を含む積層膜を備える。前記装置はさらに、前記複数の電極層のうちの第1電極層上に設けられ、前記第1方向に延びる管状の形状を有する第1プラグを備える。前記装置はさらに、前記第1プラグおよび前記第1電極層内に設けられ、前記第1方向に延びる柱状の形状を有する第2絶縁膜を備える。さらに、前記第2絶縁膜を包囲する前記第1プラグの側面の直径は、前記第2絶縁膜を包囲する前記第1電極層の側面の直径よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図2】第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図である。
【
図3】第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図および斜視図である。
【
図4】第1実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図5】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/6)である。
【
図6】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/6)である。
【
図7】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/6)である。
【
図8】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(4/6)である。
【
図9】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(5/6)である。
【
図10】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(6/6)である。
【
図11】第1実施形態の半導体装置の構造を示す平面図である。
【
図12】第2実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図13】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/2)である。
【
図14】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/2)である。
【
図15】第3実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図16】第3実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/3)である。
【
図17】第3実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/3)である。
【
図18】第3実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/3)である。
【
図19】第3実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図20】第4実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図21】第4実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/2)である。
【
図22】第4実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/2)である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1~
図22において、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。本実施形態の半導体装置は、例えば3次元半導体メモリを含んでいる。
【0009】
本実施形態の半導体装置は、ソース層1と、積層膜2と、層間絶縁膜3と、複数の柱状部4と、複数の梁部5と、複数のコンタクトプラグ6と、複数の絶縁膜7と、複数の絶縁膜8とを備えている。積層膜2は、複数の絶縁膜11と、複数の電極層12とを含んでいる。絶縁膜11、絶縁膜7、絶縁膜8、層間絶縁膜3、および梁部5はそれぞれ、第1、第2、第3、第4、および第5絶縁膜の例である。コンタクトプラグ6は、第1プラグの例である。
【0010】
図1は、本実施形態の半導体装置の向きを示すために、互いに垂直なX方向、Y方向、およびZ方向を示している。本明細書では、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していてもよいし、重力方向とは一致していなくてもよい。Z方向は、第1方向の例である。
【0011】
本実施形態の半導体装置は、ソース層1、積層膜2、および層間絶縁膜3の下方または上方に1枚の基板を備えていてもよいし、ソース層1、積層膜2、および層間絶縁膜3の下方および上方に2枚の基板を備えていてもよい。本実施形態では、ソース層1、積層膜2、および層間絶縁膜3の上方に不図示の基板が配置されており、この基板の表面が、X方向およびY方向に平行となっており、かつZ方向に垂直となっている。
【0012】
ソース層1は、積層膜2下に設けられており、ソース線として機能する。ソース層1は例えば、半導体層と金属層とを含む積層膜である。本実施形態のソース層1は、X方向に延びている。
【0013】
積層膜2は、ソース層1と層間絶縁膜3との間に設けられている。積層膜2は、Z方向に交互に積層された複数の絶縁膜11と複数の電極層12とを含んでいる。各絶縁膜11は例えば、SiO2膜(シリコン酸化膜)である。各電極層12は例えば、バリアメタル層としてTiN膜(チタン窒化膜)を含んでおり、電極材層としてW(タングステン)層を含んでいる。各電極層12は例えば、ワード線または選択線として機能する。積層膜2は、平坦な形状を有する平坦部R1と、階段状の形状を有する階段構造部R2とを含んでいる。階段構造部R2は、複数の部分R2a~R2cを含んでいる。部分R2a~R2cの各々は、階段の1段に相当しており、テラス部とも呼ばれる。
【0014】
層間絶縁膜3は、積層膜2上に設けられている。層間絶縁膜3は例えば、SiO2膜である。本実施形態の層間絶縁膜3は、平坦部R1および階段構造部R2の上面および側面を覆っている。
【0015】
上記複数の柱状部4は、平坦部R1内に設けられており、積層膜2をZ方向に貫通している。各柱状部4は、Z方向に延びる柱状の形状を有しており、上記複数の電極層12と共に複数のセルトランジスタ(メモリセル)や複数の選択トランジスタ(選択ゲート)を形成している。各柱状部4の構造のさらなる詳細は、
図2を参照して後述する。
【0016】
上記複数の梁部5は、階段構造部R2内に設けられており、積層膜2をZ方向に貫通している。各梁部5は、Z方向に延びる柱状の形状を有しており、リプレイス工程時に積層膜2が崩れるのを防ぐための梁として機能する。各梁部5は例えば、SiO2膜などの絶縁膜により形成されている。本実施形態では、柱状部4と梁部5が、Z方向に同じ長さを有していてもよいし、Z方向に異なる長さを有していてもよい。
【0017】
図1は、部分R2a内に設けられた1本の梁部5と、部分R2b内に設けられた1本の梁部5と、部分R2c内に設けられた1本の梁部5とを例示している。部分R2a内の梁部5は、部分R2a内のすべての絶縁膜11および電極層12を貫通しており、柱状部4と同様にソース層1に達している。同様に、部分R2b内の梁部5は、部分R2b内のすべての絶縁膜11および電極層12を貫通しており、部分R2c内の梁部5は、部分R2c内のすべての絶縁膜11および電極層12を貫通している。
【0018】
上記複数のコンタクトプラグ6は、層間絶縁膜3内において階段構造部R2上に設けられている。各コンタクトプラグ6は、Z方向に延びる管状の形状を有している。各コンタクトプラグ6は例えば、バリアメタル層としてTiN膜を含んでおり、プラグ材層としてW層を含んでいる。本実施形態では、梁部5とコンタクトプラグ6が、互いに離間されている。
【0019】
図1は、部分R2a上に設けられた1本のコンタクトプラグ6と、部分R2b上に設けられた1本のコンタクトプラグ6と、部分R2c上に設けられた1本のコンタクトプラグ6とを例示している。部分R2a上のコンタクトプラグ6は、部分R2a内の複数の電極層12のうちの最上位の電極層12上に配置されており、最上位の電極層12と電気的に接続されている。最上位の電極層12は、第1電極層の例である。同様に、部分R2b上のコンタクトプラグ6は、部分R2b内の複数の電極層12のうちの最上位の電極層12上に配置されており、部分R2c上のコンタクトプラグ6は、部分R2c内の複数の電極層12のうちの最上位の電極層12上に配置されている。各コンタクトプラグ6は、最上位の電極層12と不図示のトランジスタとを電気的に接続している。各コンタクトプラグ6の構造のさらなる詳細は、
図3を参照して後述する。
【0020】
上記複数の絶縁膜7は、階段構造部R2上および階段構造部R2内に設けられている。各絶縁膜7は、Z方向に延びる柱状の形状を有しており、対応するコンタクトプラグ6内に埋め込まれている。各絶縁膜7は例えば、SiO2膜である。
【0021】
図1は、部分R2a上に位置するコンタクトプラグ6内に埋め込まれた1つの絶縁膜7と、部分R2b上に位置するコンタクトプラグ6内に埋め込まれた1つの絶縁膜7と、部分R2c上に位置するコンタクトプラグ6内に埋め込まれた1つの絶縁膜7とを例示している。部分R2a上の絶縁膜7はさらに、部分R2a内の複数の電極層12のうちの最上位および次最上位の電極層12内にも埋め込まれている。これは、部分R2b上の絶縁膜7や、部分R2c上の絶縁膜7についても同様である。
【0022】
上記複数の絶縁膜8は、階段構造部R2内に設けられている。各絶縁膜8は、おおむねZ方向に延びる柱状の形状を有しており、対応する絶縁膜7下に配置されている。各絶縁膜8は例えば、LP-PSG(Low-Pressure Phospho-Silicate Glass)膜であり、不純物としてP(リン)を含むSiO2膜となっている。本実施形態の絶縁膜8は、絶縁膜7を形成している絶縁材料(SiO2)と異なる種類の絶縁材料(LP-PSG)で形成されている。よって、本実施形態の絶縁膜8内のP原子濃度は、絶縁膜7内のP原子濃度より高くなっている。これにより例えば、絶縁膜7と絶縁膜8とのエッチング選択比を大きくすることが可能となる。
【0023】
図1は、部分R2a内に埋め込まれた絶縁膜8と、部分R2b内に埋め込まれた絶縁膜8と、部分R2c内に埋め込まれた絶縁膜8とを例示している。部分R2a内の絶縁膜8は、部分R2a内の複数の電極層12のうちの最上位および次最上位を除く電極層12内に埋め込まれている。これは、部分R2b内の絶縁膜8や、部分R2c内の絶縁膜8についても同様である。
【0024】
図2は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図である。
図2は、上記複数の柱状部4のうちの1本を例示している。
【0025】
本実施形態の各柱状部4は、
図2に示すように、平坦部R1内に順に設けられたブロック絶縁膜13、電荷蓄積層14、トンネル絶縁膜15、チャネル半導体層16、およびコア絶縁膜17を含んでいる。
【0026】
ブロック絶縁膜13、電荷蓄積層14、トンネル絶縁膜15、およびチャネル半導体層16は、Z方向に延びる管状の形状を有し、コア絶縁膜17は、Z方向に延びる柱状の形状を有している。ブロック絶縁膜13は例えば、SiO
2膜である。電荷蓄積層14は例えば、SiN膜(シリコン窒化膜)などの絶縁膜、またはポリシリコン層などの半導体層である。電荷蓄積層14は、各メモリセルの信号電荷を蓄積することが可能である。トンネル絶縁膜15は例えば、SiO
2膜である。チャネル半導体層16は例えば、ポリシリコン層である。チャネル半導体層16は、ソース層1(
図1)およびビット線(不図示)と電気的に接続されている。コア絶縁膜17は例えば、SiO
2膜である。
【0027】
図3は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図および斜視図である。
【0028】
図3(a)の拡大断面図と、
図3(b)の斜視図は、階段構造部R2の部分R2b、R2cを示している。
図3(a)および
図3(b)に示す部分R2b、R2cは、
図1に示す部分R2b、R2cとは絶縁膜11の積層数や電極層12の積層数の点などで相違しているが、
図1に示す部分R2b、R2cとおおむね同じ構造を有している。以下、本実施形態の各コンタクトプラグ6、各絶縁膜11、および各電極層12の形状について、部分R2c上のコンタクトプラグ6や、部分R2c内の絶縁膜11および電極層12を題材として説明する。
【0029】
部分R2c上のコンタクトプラグ6は、Z方向に延びる管状の形状を有している。よって、このコンタクトプラグ6は、絶縁膜7を包囲する内周側側面と、層間絶縁膜3により包囲されている外周側側面とを有している。このコンタクトプラグ6のXY断面形状は、例えば円である。この円は、真円でもよいし、真円を歪めた形状の円でもよいが、真円に近い形状の円であることが望ましい。
図3(a)は、コンタクトプラグ6の内周側側面の直径D1を示している。
【0030】
部分R2c内の各電極層12は、絶縁膜7または絶縁膜8により貫通されている。よって、各電極層12は、絶縁膜7または絶縁膜8を包囲する側面を有している。この側面のXY断面形状は、例えば円である。この円は、真円でもよいし、真円を歪めた形状の円でもよいが、真円に近い形状の円であることが望ましい。
図3(a)は、各電極層12の側面の直径D2を示している。
図3(a)に示す部分R2cでは、最上位および次最上位の電極層12の側面が、絶縁膜7を包囲しており、その他の電極層12の側面が、絶縁膜8または絶縁膜7、8を包囲している。なお、ある電極層12の側面と、他の電極層12の側面は、互いに異なる値の直径D2を有していてもよい。
【0031】
部分R2c内の各絶縁膜11も、絶縁膜7または絶縁膜8により貫通されている。よって、各絶縁膜11も、絶縁膜7または絶縁膜8を包囲する側面を有している。この側面のXY断面形状は、例えば円である。この円は、真円でもよいし、真円を歪めた形状の円でもよいが、真円に近い形状の円であることが望ましい。
図3(a)は、各絶縁膜11の側面の直径D3を示している。
図3(a)に示す部分R2cでは、各絶縁膜11が、絶縁膜8または絶縁膜7、8を包囲している。なお、ある絶縁膜11の側面と、他の絶縁膜11の側面は、互いに異なる値の直径D3を有していてもよい。
【0032】
次に、直径D1~D3のさらなる詳細について説明する。
【0033】
本実施形態では、梁部5用の穴とコンタクトプラグ6用の穴(コンタクトホール)は、積層膜2および層間絶縁膜3内に同時に形成される。そのため、梁部5用の穴とコンタクトプラグ6用の穴は、同じ深さを有するように形成される。絶縁膜7、8は、このようにして形成されたコンタクトホール内に形成される。なお、本実施形態では、梁部5用の穴とコンタクトプラグ6用の穴は、柱状部4用の穴(メモリホール)が積層膜2および層間絶縁膜3内に形成され、柱状部4用の穴内に柱状部4が形成された後に形成される。
【0034】
本実施形態では、積層膜2および層間絶縁膜3内にコンタクトホールを形成する際に、絶縁膜11の側面が、電極層12用の犠牲層の側面に対し後退(リセス)される。その結果、絶縁膜11の側面の直径D3が、電極層12の側面の直径D2より大きくなる(D3>D2)。加えて、層間絶縁膜3の側面も、電極層12用の犠牲層の側面に対し後退(リセス)される。その結果、最上位の犠牲層の上面がコンタクトホール内に露出し、最上位の電極層12上にコンタクトプラグ6が形成される。
【0035】
図3(a)は、コンタクトプラグ6の内周側側面の直径D1の半値と、電極層12の側面の直径D2の半値との差ΔDを示している(ΔD=(D1-D2)/2)。本実施形態のコンタクトプラグ6は、コンタクトプラグ6の内周側側面の直径D1が、電極層12の側面の直径D2よりも大きくなるように形成される(D1>D2)。その結果、最上位の電極層12の側面が、コンタクトプラグ6の内周側側面よりも内周側に突出している。これにより、コンタクトプラグ6全体を、最上位の電極層12上に載せやすくなる。このようなコンタクトプラグ6の突出のさらなる詳細については、
図4を参照して後述する。
【0036】
なお、電極層12の側面の直径D2が電極層12ごとに異なる場合には、本実施形態のコンタクトプラグ6は、コンタクトプラグ6の内周側側面の直径D1が、最上位の電極層12の側面の直径D2よりも大きくなるように形成される。これにより、最上位の電極層12の側面を、コンタクトプラグ6の内周側側面よりも内周側に突出させることが可能となる。
【0037】
図4は、第1実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0038】
図4は、
図3(a)と同様に、階段構造部R2の部分R2b、R2cを示している。ただし、第1実施形態の各コンタクトプラグ6が、Z方向に延びる管状の形状を有しているのに対し、本比較例の各コンタクトプラグ6は、Z方向に延びる柱状の形状を有している。別言すると、第1実施形態の各コンタクトプラグ6は、中空の形状を有し、本比較例の各コンタクトプラグ6は、中実の形状を有している。
【0039】
部分R2b、R2cの各々において、
図4は、コンタクトプラグ6と次最上位の電極層12との距離Lを示している。この距離Lが短いと、コンタクトプラグ6と非選択ワード線との間の耐圧が低くなると予想される。本比較例のコンタクトプラグ6は中実の形状を有しており、コンタクトプラグ6の下端が、最上位の電極層12内の開口部(コンタクトホール)の中心付近に位置している。よって、本比較例の距離Lはおおむね、コンタクトプラグ6の下端と次最上位の電極層12の側面との間の距離となる。その結果、本比較例の距離Lは短いことが多いと考えられる。
【0040】
一方、本実施形態のコンタクトプラグ6は中空の形状を有しており、コンタクトプラグ6の下端が、最上位の電極層12上に位置している。よって、本実施形態によれば、コンタクトプラグ6を次最上位の電極層12から遠ざけることが可能となり、コンタクトプラグ6と非選択ワード線との間の耐圧を向上させることが可能となる。また、本実施形態によれば、最上位の電極層12の側面がコンタクトプラグ6の内周側側面より内周側に突出していることで、コンタクトプラグ6を次最上位の電極層12からさらに遠ざけることが可能となる。これは、上記耐圧のさらなる向上を可能とする。
【0041】
図5~
図10は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0042】
まず、ソース層1を形成し、ソース層1上に積層膜2を形成する(
図5(a))。積層膜2は、ソース層1上に複数の絶縁膜11と複数の犠牲層21とを交互に積層することで形成される。犠牲層21は例えば、SiN膜である。犠牲層21は、第1膜の例である。
図5(a)に示す積層膜2は、
図1に示す積層膜2と同様に、平坦部R1と階段構造部R2とを含むように形成される。
図5(a)は、階段構造部R2内の部分R2b、R2cを示しており、平坦部R1や部分R2aの図示は省略している。
【0043】
次に、積層膜2上に層間絶縁膜3を形成し、リソグラフィおよびRIE(Reactive Ion Etching)により、層間絶縁膜3および積層膜2内に複数のコンタクトホールH1を形成する(
図5(a))。本実施形態の各コンタクトホールH1は、直径D2’を有し、ソース層1に達するように形成される。直径D2’は、後述するブロック絶縁膜23を形成する関係上、上述の直径D2よりも小さく設定される。
図5(a)は、部分R2b内に形成された1つのコンタクトホールH1と、部分R2c内に形成された1つのコンタクトホールH1とを例示している。これらのコンタクトホールH1を形成する際には、梁部5用の穴(図示せず)も、上記のリソグラフィおよびRIEにより、積層膜2および層間絶縁膜3内に形成される。コンタクトホールH1は、第1凹部の例である。
【0044】
次に、薬液を用いたウェットエッチングにより、各コンタクトホールH1内において、犠牲層21の側面に対し絶縁膜11および層間絶縁膜3の側面を後退させる(
図5(b))。その結果、絶縁膜11が除去された領域に、複数の凹部H2が形成される。本実施形態の層間絶縁膜3、絶縁膜11、および犠牲層21は例えば、SiO
2膜、SiO
2膜、およびSiN膜である。よって、絶縁膜11および層間絶縁膜3を、このように選択的にエッチングすることが可能である。
図5(b)では、絶縁膜11および層間絶縁膜3の側面が、直径D3を有するように加工されている。なお、上記のウェットエッチングは、各コンタクトホールH1の側面が、梁部5用の穴の側面に達しないように行われる。
【0045】
次に、層間絶縁膜3および積層膜2上に絶縁膜8を形成する(
図6(a))。その結果、絶縁膜8が、各コンタクトホールH1の底面および側面や、層間絶縁膜3の上面に形成される。
図6(a)は、各コンタクトホールH1内に残存する凹部H3を示している。絶縁膜8は例えば、LP-PSG膜である。
【0046】
次に、RIEにより絶縁膜8をエッチングする(
図6(b))。その結果、絶縁膜8内の各凹部H3が深くなると共に、層間絶縁膜3の上面から絶縁膜8が除去される。
【0047】
次に、薬液を用いたウェットエッチングにより、絶縁膜8を選択的にエッチングする(
図7(a))。その結果、各コンタクトホールH1内の絶縁膜8が、積層膜2内の下方部分P1、積層膜2上の上方部分P2などに分断される。下方部分P1は第1部分の例であり、上方部分P2は第2部分の例である。
図7(a)に示す各コンタクトホールH1内では、最上位および次最上位の犠牲層21の側面が、絶縁膜8から露出している。
図7(a)では、上方部分P2の内周側側面が、直径D1’を有するように加工されている。直径D1’は、後述するブロック絶縁膜23を形成する関係上、上述の直径D1よりも小さく設定される。
【0048】
次に、絶縁膜8、層間絶縁膜3、および積層膜2上に絶縁膜7を形成する(
図7(b))。その結果、絶縁膜7が、各凹部H3の底面および側面や、層間絶縁膜3の上面に形成される。絶縁膜7は例えば、SiO
2膜である。
【0049】
次に、絶縁膜7の上面をCMP(Chemical Mechanical Polising)により平坦化する(
図8(a))。その結果、絶縁膜8および層間絶縁膜3の上面が、絶縁膜7から露出する。各コンタクトホールH1内では、絶縁膜7が、下方部分P1上における上方部分P2内に形成されている。
【0050】
次に、薬液を用いたウェットエッチングにより、絶縁膜8を選択的にエッチングする(
図8(b))。その結果、各コンタクトホールH1から上方部分P2が除去され、各コンタクトホールH1内に凹部H4が形成される。凹部H4は、Z方向に延びる管状の形状を有し、絶縁膜7と層間絶縁膜3との間に形成される。凹部H4は、第2凹部の例である。
【0051】
次に、絶縁膜7、層間絶縁膜3、および積層膜2上に犠牲層22を形成する(
図9(a))。その結果、犠牲層22が、各凹部H4の内部や、絶縁膜7および層間絶縁膜3の上面に形成される。犠牲層22は例えば、SiN膜である。
【0052】
次に、薬液を用いたウェットエッチングにより、犠牲層21、22を選択的にエッチングする(
図9(b))。その結果、犠牲層21が除去された領域に、複数の凹部H5が形成され、犠牲層22が除去された領域に、再び複数の凹部H4が形成される。凹部H5は、第3凹部の例である。
【0053】
次に、凹部H4、H5の内面にブロック絶縁膜23を形成する(
図10(a))。ブロック絶縁膜23は例えば、アルミニウム酸化膜である。ブロック絶縁膜23は、
図2に示すブロック絶縁膜13と共に、各メモリセルのブロック絶縁膜として機能する。
【0054】
次に、凹部H4、H5の内面に金属層24を形成する(
図10(b))。その結果、金属層24が、凹部H4、H5内にブロック絶縁膜23を介して埋め込まれる。凹部H4内の金属層24はコンタクトプラグ6となり、凹部H5内の金属層24は電極層12となる。このように、本実施形態のコンタクトプラグ6と電極層12は、同じ金属層24により形成される。各コンタクトプラグ6は、最上位の電極層12上に形成され、最上位の電極層12と電気的に接続される。コンタクトプラグ6と電極層12はそれぞれ、
図3に示す直径D1、D2を有するように形成される。
【0055】
金属層24は例えば、W(タングステン)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、およびRu(ルテニウム)のうちの1種類以上の金属元素を含んでいる。本実施形態の金属層24は、バリアメタル層としてTiN膜を含み、プラグ材層および電極材層としてW層を含むように形成される。ただし、金属層24内のバリアメタル層は、TiN膜以外でもよいし、金属層24内のプラグ材層および電極材層は、W層以外でもよい。例えば、バリアメタル層は、Ti層やTa層のような単体金属層でもよいし、TiN層やTaN層のような金属化合物層でもよい。
【0056】
その後、凹部H4、H5外のブロック絶縁膜23および金属層24を、CMPにより除去する。このようにして、
図3(a)および
図3(b)に示す半導体装置が製造される。
【0057】
図11は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す平面図である。
【0058】
図11は、
図1と同様に、平坦部R1内の柱状部4や、階段構造部2内の梁部5、コンタクトプラグ6、および絶縁膜7を示している。ただし、
図1に示す階段構造部R2は、平坦部R1の-X方向に位置しているのに対し、
図11に示す階段構造部R2は、平坦部R1の+X方向に位置している。さらに、
図1に示す階段構造部R2は、3列階段となっているのに対し、
図11に示す階段構造部R2は、1列階段となっている。
【0059】
図11はさらに、X方向に延びる2本のスリットSTと、これらのスリットST間にてX方向に延びる1本の溝SHEとを示している。各スリットSTは、積層膜2を貫通しており、絶縁膜25で埋められている。溝SHEは、積層膜2に含まれる複数の電極層12のうち、ドレイン側選択線として機能する1つ以上の電極層12を貫通しており、絶縁膜26で埋められている。
【0060】
図11の平坦部R1では、2本のスリットST間の領域が、3次元半導体メモリの1つのブロック内の1つのフィンガー構造FSに相当する。フィンガー構造FSは、Y方向に並ぶ2つのストリングユニットSUを含んでいる。溝SHEは、これらのストリングユニットSUの間に設けられている。
図11はさらに、各柱状部4上に順に設けられたコンタクトプラグCh、Vyと、Y方向に延びる複数のビット線BLとを示している。
【0061】
以上のように、本実施形態の各コンタクトプラグ6は、Z方向に延びる管状の形状を有し、階段構造部R2に含まれる電極層12上に形成され、この電極層12と共に絶縁膜7を包囲している。さらには、各コンタクトプラグ6の内周側側面の直径D1が、この電極層12の側面の直径D2よりも大きく設定されている。よって、本実施形態によれば、例えばコンタクトプラグ6と非選択ワード線との間の耐圧を向上させることが可能となるなど、電極層12上にコンタクトプラグ6を好適に形成することが可能となる。
【0062】
なお、本実施形態の梁部5は、
図5(b)~
図9(a)のいずれかの工程で、梁部5用の穴の内部に形成される。梁部5は、
図9(b)~
図10(b)のリプレイス工程時に、積層膜2が崩れるのを防ぐための梁として機能する。リプレイス工程では、各犠牲層21が電極層12に置換される。
【0063】
(第2実施形態)
図12は、第2実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。本実施形態の半導体装置は、第1実施形態の半導体装置の一例に当たる。本実施形態の半導体装置は、アレイチップ31と回路チップ32とが貼り合わされた3次元半導体メモリである。
【0064】
アレイチップ31は、ソース層1、積層膜2、柱状部4、梁部5、コンタクトプラグ6などを含むメモリセルアレイ41と、メモリセルアレイ41上の絶縁膜42と、メモリセルアレイ41下の層間絶縁膜3とを備えている。
図12に示す半導体装置の向きは、
図1に示す半導体装置の向きとは逆向きとなっている。
図12はさらに、積層膜2内の平坦部R1および階段構造部R2を示しているが、絶縁膜7および絶縁膜8の図示は省略している。また、コンタクトプラグ6は、図示の便宜上、中空の形状ではなく中実の形状を有するように図示されている。
【0065】
回路チップ32は、アレイチップ31下に位置している。符号Sは、アレイチップ31と回路チップ32との貼合面を示す。回路チップ32は、層間絶縁膜43と、層間絶縁膜43下の基板44とを備えている。基板44は例えば、シリコン基板などの半導体基板である。
図12では、基板44の表面が、X方向およびY方向に平行となっており、かつZ方向に垂直となっている。
【0066】
アレイチップ31は、メモリセルアレイ41内の複数の電極層として、ソース線として機能するソース層1と、ワード線または選択線として機能する複数の電極層12とを備えている。これらの電極層12は、複数の絶縁膜11と交互に積層されている。各柱状部4は、コンタクトプラグCBを介してビット線BLと電気的に接続されており、かつソース層1と電気的に接続されている。ソース層1は、金属層1aと、半導体層1bとを含んでいる。各コンタクトプラグ6は、コンタクトプラグCPを介して配線MPと電気的に接続されている。
【0067】
回路チップ32は、複数のトランジスタ51を備えている。各トランジスタ51は、基板44上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極52と、基板44内に設けられたソース拡散層およびドレイン拡散層(図示せず)とを備えている。また、回路チップ32は、これらのトランジスタ51のゲート電極52、ソース拡散層、またはドレイン拡散層上に設けられた複数のコンタクトプラグ53と、これらのコンタクトプラグ53上に設けられ、複数の配線を含む配線層54と、配線層54上に設けられ、複数の配線を含む配線層55とを備えている。
【0068】
回路チップ32はさらに、配線層55上に設けられ、複数の配線を含む配線層56と、配線層56上に設けられた複数のビアプラグ57と、これらのビアプラグ57上に設けられた複数の金属パッド58とを備えている。金属パッド58は例えば、Cu層を含む金属層である。回路チップ32は、アレイチップ31の動作を制御する論理回路(CMOS回路)として機能する。この論理回路は、トランジスタ51などにより構成されており、金属パッド58に電気的に接続されている。
【0069】
アレイチップ31は、金属パッド58上に設けられた複数の金属パッド61と、金属パッド61上に設けられた複数のビアプラグ62とを備えている。また、アレイチップ31は、これらのビアプラグ62上に設けられ、複数の配線を含む配線層63と、配線層63上に設けられ、複数の配線を含む配線層64とを備えている。金属パッド61は例えば、Cu層を含む金属層である。上述のビット線BLや配線MPは、配線層64に含まれている。上記の論理回路は、金属パッド58、61等を介してメモリセルアレイ41に電気的に接続されており、金属パッド58、61等を介してメモリセルアレイ41の動作を制御する。この論理回路は例えば、金属パッド58、61等を介してビット線BLと電気的に接続されたトランジスタ51や、金属パッド58、61等を介して配線MPと電気的に接続されたトランジスタ51を含んでいる。
【0070】
アレイチップ31はさらに、配線層64上に設けられた複数のビアプラグ65と、これらのビアプラグ65上や絶縁膜42上に設けられた金属パッド66と、金属パッド66上や絶縁膜42上に設けられたパッシベーション膜67とを備えている。金属パッド66は例えば、Cu層を含む金属層であり、
図12の半導体装置の外部接続パッド(ボンディングパッド)として機能する。パッシベーション膜67は例えば、シリコン酸化膜などの絶縁膜であり、金属パッド66の上面を露出させる開口部Pを有している。金属パッド66は、この開口部Pを介してボンディングワイヤ、はんだボール、金属バンプなどにより実装基板や他の装置に接続可能である。
【0071】
図13および
図14は、第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0072】
図13は、複数のアレイチップ31を含むアレイウェハW1と、複数の回路チップ32を含む回路ウェハW2とを示している。
図13に示すアレイウェハW1の向きは、
図12に示すアレイチップ31の向きとは逆向きとなっている。本実施形態では、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを貼り合わせることで半導体装置を製造する。
図13は、貼合のために向きを反転される前のアレイウェハW1を示しており、
図12は、貼合のために向きを反転されて貼合およびダイシングされた後のアレイチップ31を示している。
【0073】
図13では、符号S1がアレイウェハW1の上面を示しており、符号S2が回路ウェハW2の上面を示している。アレイウェハW1は、絶縁膜42下に設けられた基板71を備えている。基板71は例えば、シリコン基板などの半導体基板である。
【0074】
本実施形態ではまず、
図13に示すように、アレイウェハW1の基板71上にメモリセルアレイ41、絶縁膜42、ソース層1、積層膜2、層間絶縁膜3、柱状部4、梁部5、コンタクトプラグ6、金属パッド61などを形成し、回路ウェハW2の基板44上に層間絶縁膜43、トランジスタ51、金属パッド58などを形成する。次に、
図14に示すように、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを機械的圧力により貼り合わせる。これにより、層間絶縁膜3と層間絶縁膜43とが接着される。次に、アレイウェハW1および回路ウェハW2をアニールする。これにより、金属パッド58と金属パッド61とが接合される。
【0075】
その後、基板44をCMPにより薄膜化し、基板71をCMPにより除去した後、アレイウェハW1および回路ウェハW2を複数のチップに切断する。このようにして、
図12に示す半導体装置が製造される。なお、金属パッド66およびパッシベーション膜67は例えば、基板44の薄膜化および基板71の除去の後に、絶縁膜42上に形成される。
【0076】
なお、
図12は、層間絶縁膜3と層間絶縁膜43との境界面や、金属パッド58と金属パッド61との境界面を示しているが、上記のアニール後はこれらの境界面が観察されなくなることが一般的である。しかしながら、これらの境界面のあった位置は、例えば金属パッド58の側面や金属パッド61の側面の傾きや、金属パッド58の側面と金属パッド61との位置ずれを検出することで推定することができる。
【0077】
本実施形態によれば、第1実施形態で説明した構造を、アレイチップ31と回路チップ32とが貼り合わされた半導体装置に適用することが可能となる。なお、本実施形態ではアレイチップ31と回路チップ32とを貼り合わせているが、代わりにアレイチップ31同士を貼り合わせてもよい。
【0078】
(第3実施形態)
図15は、第3実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0079】
本実施形態の半導体装置(
図15)は、第1実施形態の半導体装置(
図1等)と同様の構造を有している。ただし、第1実施形態の各コンタクトプラグ6は、Z方向に延びる管状の形状を有しているのに対し、本実施形態の各コンタクトプラグ6は、Z方向に延びる非管状の形状を有している。よって、第1実施形態の各コンタクトプラグ6は、絶縁膜7を包囲しているのに対し、本実施形態の各コンタクトプラグ6は、絶縁膜7を包囲していない。本実施形態の半導体装置は、絶縁膜7を備えていない。
【0080】
一方、本実施形態の半導体装置は、複数の絶縁膜81を備えている。各絶縁膜81は、コンタクトプラグ6の底面付近でコンタクトプラグ6内に設けられている。各絶縁膜81は例えば、絶縁膜8の一部が改質されることで形成される。絶縁膜8は例えば、各絶縁膜81のエッチングレートが、絶縁膜8のエッチングレートよりも低くなるように改質される。各絶縁膜81は例えば、B(ボロン)原子、N(窒素)原子、C(炭素)原子などの不純物原子を含むSiO2膜である。この場合、各絶縁膜81内の当該不純物原子の濃度は、絶縁膜8内の当該不純物原子の濃度よりも高くなっている。また、各絶縁膜81は、絶縁膜8と同様に、不純物原子としてP原子を含んでいてよい。
【0081】
図15はさらに、階段構造部R2の部分R2c上に位置するコンタクトプラグ6の下面Sa、Sbを示している。下面Saは、部分R2c内の最上位の電極層12上に位置している。下面Sbは、下面Saよりも高い位置に位置し、絶縁膜81上に位置している。
図15はさらに、下面Sbの下端Eを示している。
【0082】
下面Sbは、下端Eを頂点とする円錐の側面のような形状を有している。ただし、下面Sbの形状は、円錐の側面に対し円錐の内側にくぼんだ形状となっている。そのため、
図15の断面図において、下面Sbの断面形状は、三角形の二辺の形状ではなく、三角形の二辺に対し三角形の内側にくぼんだ形状となっている。別言すると、下面Sb上のある点の傾きは、その点と下端Eとの距離が近いほど大きくなっている。これは、その他のコンタクトプラグ6、例えば、階段構造部R2の部分R2b上に位置するコンタクトプラグ6についても同様である。このような形状のコンタクトプラグ6が形成される理由については、後述する。なお、本実施形態の各コンタクトプラグ6は、下面Sa、Sbとは異なる形状の下面を有していてもよい。
【0083】
図15はさらに、階段構造部R2の部分R2c内に位置する絶縁膜8の部分Paと複数の部分Pbとを示している。部分Paは、絶縁膜81下に設けられ、Z方向に延びる柱状の形状を有している。部分Paは、部分R2c内の積層膜2を貫通している。各部分Pbは、部分Paを環状に包囲する形状を有し、Z方向に互いに隣接する2つの電極層12間に挟まれている。各部分Pbの外周は、絶縁膜11の内周と対向している。これは、その他の絶縁膜8、例えば、階段構造部R2の部分R2b内に位置する絶縁膜8についても同様である。なお、このような部分Pa、Pbは、第1実施形態の各絶縁膜8にも設けられている(
図1等を参照)。
【0084】
図16~
図18は、第3実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0085】
図16(a)は、
図6(a)と同様に、絶縁膜8を形成する工程を示している。
図16(a)では、各凹部H3下の絶縁膜8の上面が、
図15に示すコンタクトプラグ6の下面Sbと同様の形状を有している。
【0086】
本実施形態では次に、絶縁膜8に不純物原子を注入する(
図16(b))。当該不純物原子は例えば、B原子、N原子、またはC原子である。本実施形態では、当該不純物原子が、指向性の強い条件で注入される。
【0087】
図16(b)に示す工程で絶縁膜8に不純物原子が注入されると、絶縁膜8の一部が絶縁膜81へと改質される(
図17(a))。絶縁膜8内では、不純物原子が十分に当たった部分が改質される。不純物原子は、絶縁膜8の上面付近の部分に当たりやすい。そのため、
図17(a)では、凹部H3下の絶縁膜8や、層間絶縁膜3の上方の絶縁膜8が、絶縁膜81に改質されている。本実施形態では、絶縁膜81のエッチングレートが、絶縁膜8のエッチングレートよりも低くなる。
図17(a)では、各凹部H3下の絶縁膜81の上面が、
図15に示すコンタクトプラグ6の下面Sbと同様の形状を有している。
【0088】
次に、ウェットエッチングにより、層間絶縁膜3の側面から絶縁膜8を除去する(
図17(b))。この際、絶縁膜81のエッチングレートが、絶縁膜8のエッチングレートよりも低いことから、絶縁膜81が残存しつつ、絶縁膜8が除去される。さらには、絶縁膜8付近の層間絶縁膜3もエッチングされる。その結果、各凹部H3の体積が、ウェットエッチング前のそれに比べて拡大する。
図17(b)は、ウェットエッチング後に凹部H3内および凹部H3外に残存した絶縁膜81を示している。凹部H3内の絶縁膜81は、キャップ部分と呼ばれ、凹部H3外の絶縁膜81は、ひさし部分と呼ばれる。
図17(b)では、各凹部H3の底面が、
図15に示すコンタクトプラグ6の下面Sa、Sbと同様の形状を有している。
【0089】
次に、凹部H3内や凹部H3外に金属層82を形成する(
図18(a))。次に、CMPにより金属層82の表面を平坦化する(
図18(b))。その結果、凹部H3外の金属層82や絶縁膜81(ひさし部分)が除去され、凹部H3内に金属層82が残存する。凹部H3内の金属層82は、コンタクトプラグ6となる。各凹部H3内のコンタクトプラグ6は、凹部H3の底面の形状の影響により、下面Sa、Sbを有するように形成される。なお、
図18(b)の工程では、積層膜2内の各犠牲層21が電極層12に置換される(リプレイス工程)。よって、
図18(b)では、各凹部H3内のコンタクトプラグ6が、電極層12および絶縁膜81(キャップ部分)上に形成されている。なお、本実施形態のリプレイス工程は、第1実施形態のリプレイス工程と同様の手法で行われてもよい。
【0090】
このようにして、
図15に示す半導体装置が製造される。
【0091】
なお、本実施形態の絶縁膜81と絶縁膜8はそれぞれ、低エッチングレート部分と高エッチングレート部分である。低エッチングレート部分および高エッチングレート部分は、絶縁膜8の改質により形成する代わりに、絶縁膜8をイオン性ALD(Atomic Layer Deposition)により形成することで形成してもよい。イオン性ALDによれば、下地層(ソース層1、積層膜2、層間絶縁膜3など)の側面に形成される絶縁膜8と、下地層の上面に形成される絶縁膜8とを、異なる性質で形成することが可能となる。これにより、低エッチングレート部分と高エッチングレート部分とを含む絶縁膜8を形成することが可能となる。すなわち、低エッチングレート部分および高エッチングレート部分を、絶縁膜8の改質によらずに形成することが可能となる。この場合、絶縁膜8の低エッチングレート部分は、
図17(a)に示す絶縁膜81の位置に形成され、絶縁膜8の高エッチングレート部分は、
図17(a)に示す絶縁膜8の位置に形成される。
【0092】
なお、絶縁膜8の低エッチングレート部分および高エッチングレート部分は、イオン性ALD以外のイオン性成膜により形成してもよい。
【0093】
ここで、
図18(a)および
図18(b)に示す工程について説明する。
図18(a)に示す工程で金属層82を形成する前に、凹部H3外の絶縁膜81(ひさし部分)を除去してもよい。理由は、ひさし部分が、凹部H3内に金属層82を埋め込むのに邪魔となり、ひさし部分付近の金属層82内にボイドが形成されるおそれがあるからである。ひさし部分は例えば、凹部H3内および凹部H3外に塗布膜などの膜を形成し、この膜およびひさし部分の表面をCMPにより平坦化することで除去される。この場合、この膜はその後、凹部H3内の絶縁膜81(キャップ部分)が残存するように、エッチバックにより除去される。次に、凹部H3内や凹部H3外に金属層82を形成する(
図18(a))。
【0094】
図19は、第3実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0095】
図19(a)は、
図16(a)と同様に、絶縁膜8を形成する工程を示している。第3実施形態では、絶縁膜8の一部を絶縁膜81へと改質し(
図16(b)および
図17(a))、その後に層間絶縁膜3の側面から絶縁膜8を除去している(
図17(b))。一方、本比較例では、このような改質を行わずに、層間絶縁膜3の側面から絶縁膜8を除去している(
図19(b))。この場合、
図19(b)に示すように、凹部H3が、積層膜2内に形成された絶縁膜8まで拡大してしまう。その結果、後に凹部H3内に形成されるコンタクトプラグ6が、部分R2c内の最上位の電極層12に接するだけでなく、部分R2c内の次最上位の電極層12に近付いてしまう。これにより、コンタクトプラグ6と非選択ワード線との間の耐圧が低くなってしまう。
【0096】
一方、本実施形態の各コンタクトプラグ6は、
図15に示すように、絶縁膜8の上方に絶縁膜81を介して形成される。これにより、コンタクトプラグ6と非選択ワード線との間の耐圧を向上させることが可能となる。
【0097】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、電極層12上にコンタクトプラグ6を好適に形成することが可能となる。具体的には、本実施形態によれば、第1形態形態のコンタクトプラグ6とは異なる形状のコンタクトプラグ6により、コンタクトプラグ6と非選択ワード線との間の耐圧を向上させることが可能となる。
【0098】
なお、第2実施形態の半導体装置は、第1実施形態の半導体装置の構造を採用する代わりに、第3実施形態の半導体装置の構造を採用してもよい。
【0099】
(第4実施形態)
図20は、第4実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0100】
本実施形態の半導体装置(
図20)は、第3実施形態の半導体装置(
図15)と同様の構造を有している。ただし、本実施形態の半導体装置は、絶縁膜81を備えていない。本実施形態の各コンタクトプラグ6は、積層膜2および絶縁膜8上に形成されている。
【0101】
図20はさらに、
図15と同様に、階段構造部R2の部分R2c上に位置するコンタクトプラグ6の下面Sa、Sbを示している。
図15に示す下面Sbは、下面Saよりも高い位置に位置し、絶縁膜81上に位置しているのに対し、
図20に示す下面Sbは、下面Saよりも低い位置に位置し、絶縁膜8上に位置している。
【0102】
図20に示す下面Sbの形状は、
図15に示す下面Sbの形状と同様である。よって、
図20に示す下面Sbは、下端Eを頂点とする円錐の側面のような形状を有しており、具体的には、円錐の側面に対し円錐の内側にくぼんだ形状を有している。別言すると、この下面Sb上のある点の傾きは、その点と下端Eとの距離が近いほど大きくなっている。これは、その他のコンタクトプラグ6、例えば、階段構造部R2の部分R2b上に位置するコンタクトプラグ6についても同様である。このような形状のコンタクトプラグ6が形成される理由については、後述する。なお、本実施形態の各コンタクトプラグ6は、下面Sa、Sbとは異なる形状の下面を有していてもよい。
【0103】
図21および
図22は、第4実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0104】
図21(a)は、
図17(b)に示す工程と同じ工程を示している。本実施形態では次に、凹部H3内の絶縁膜81(キャップ部分)と、凹部H3外の絶縁膜81(ひさし部分)とを除去する(
図21(b))。ひさし部分は例えば、凹部H3内および凹部H3外に塗布膜などの膜を形成し、この膜およびひさし部分の表面をCMPにより平坦化することで除去される。この場合、この膜はその後、エッチバックにより除去される。このエッチバックは、キャップ部分も除去されるように行われる。このようにして、キャップ部分およびひさし部分が除去される。
図21(b)では、各凹部H3の底面が、
図20に示すコンタクトプラグ6の下面Sa、Sbと同様の形状を有している。
【0105】
次に、凹部H3内や凹部H3外に金属層82を形成する(
図22(a))。次に、CMPにより金属層82の表面を平坦化する(
図22(b))。その結果、凹部H3外の金属層82が除去され、凹部H3内に金属層82が残存する。凹部H3内の金属層82は、コンタクトプラグ6となる。各凹部H3内のコンタクトプラグ6は、凹部H3の底面の形状の影響により、下面Sa、Sbを有するように形成される。なお、
図22(b)の工程では、積層膜2内の各犠牲層21が電極層12に置換される(リプレイス工程)。よって、
図22(b)では、各凹部H3内のコンタクトプラグ6が、電極層12および絶縁膜8上に形成されている。なお、本実施形態のリプレイス工程は、第1実施形態のリプレイス工程と同様の手法で行われてもよい。
【0106】
このようにして、
図20に示す半導体装置が製造される。
【0107】
図21(b)に示す凹部H3は、第3実施形態の比較例の
図19(b)に示す凹部H3と同様に、積層膜2内に形成された絶縁膜8まで拡大している。しかしながら、
図19(b)に示す凹部H3の底面が、円錐の側面を円錐の外側に膨らませたような形状を有しているのに対し、
図21(b)に示す凹部H3の底面は、円錐の側面を円錐の内側にくぼませたような形状を有している。その結果、本実施形態の各コンタクトプラグ6と次最上位の電極層12との距離は、上記比較例の各コンタクトプラグ6と次最上位の電極層12との距離よりも長くなる。よって、本実施形態によれば、コンタクトプラグ6と非選択ワード線との間の耐圧を向上させることが可能となる。
【0108】
本実施形態によれば、第1実施形態や第3実施形態と同様に、電極層12上にコンタクトプラグ6を好適に形成することが可能となる。具体的には、本実施形態によれば、第1実施形態や第3実施形態のコンタクトプラグ6とは異なる形状のコンタクトプラグ6により、コンタクトプラグ6と非選択ワード線との間の耐圧を向上させることが可能となる。
【0109】
なお、第2実施形態の半導体装置は、第1実施形態の半導体装置の構造を採用する代わりに、第4実施形態の半導体装置の構造を採用してもよい。
【0110】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0111】
1:ソース層、1a:金属層、1b:半導体層、2:積層膜、3:層間絶縁膜、
4:柱状部、5:梁部、6:コンタクトプラグ、7:絶縁膜、8:絶縁膜、
11:絶縁膜、12:電極層、13:ブロック絶縁膜、14:電荷蓄積層、
15:トンネル絶縁膜、16:チャネル半導体層、17:コア絶縁膜、
21:犠牲層、22:犠牲層、23:ブロック絶縁膜、
24:金属層、25:絶縁膜、26:絶縁膜、
31:アレイチップ、32:回路チップ、
41:メモリセルアレイ、42:絶縁膜、43:層間絶縁膜、44:基板、
51:トランジスタ、52:ゲート電極、53:コンタクトプラグ、54:配線層、
55:配線層、56:配線層、57:ビアプラグ、58:金属パッド、
61:金属パッド、62:ビアプラグ、63:配線層、64:配線層、
65:ビアプラグ、66:金属パッド、67:パッシベーション膜、
71:基板、81:絶縁膜、82:金属層