(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044999
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】生産管理システム、生産管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20240326BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240326BHJP
G06F 16/21 20190101ALI20240326BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
G06F16/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106046
(22)【出願日】2023-06-28
(62)【分割の表示】P 2022149970の分割
【原出願日】2022-09-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日 令和3年11月11日 ウェブサイトのアドレス https://navinect.jp/app/dockgator/
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】平松 伸泰
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 蒼馬
(72)【発明者】
【氏名】池田 航一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 洋平
【テーマコード(参考)】
3C100
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA68
3C100BB13
3C100BB15
3C100BB33
3C100CC02
3C100CC03
5B175AA01
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】クローズドネットワークの外部から内部へデータを送信してクローズドネットワークの内部にある設備を制御することが可能な生産管理システム、生産管理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】生産拠点にあるクローズドネットワークの内部から、前記クローズドネットワークの外部にある外部システムに対して定期的に通信を行い、前記クローズドネットワークの外部から内部へ連携する外部データを、前記外部システムから取得する外部データ取得部と、前記外部データ取得部によって取得される前記外部データを、前記クローズドネットワークの内部にある設備に対して連携する内部連携中継部と、を備える生産管理システム。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産拠点にあるクローズドネットワークの内部から、前記クローズドネットワークの外部にある外部システムに対して定期的に通信を行い、前記クローズドネットワークの外部から内部へ連携する外部データを、前記外部システムから取得する外部データ取得部と、
前記外部データ取得部によって取得される前記外部データを、前記クローズドネットワークの内部にある設備に対して連携する内部連携中継部と、
を備える生産管理システム。
【請求項2】
前記生産管理システムは、
前記クローズドネットワークの外部から前記生産拠点における生産を管理するための前記外部システム、
をさらに備え、
前記外部システムは、
前記生産拠点における生産を管理するための情報を前記外部データとして生成する生産管理部、
を備える請求項1に記載の生産管理システム。
【請求項3】
前記生産管理部は、
前記クローズドネットワーク内にある生産設備による生産前後又は生産中に、前記生産設備の状態が正しいか否かを確認し、確認結果を示す情報を前記外部データとして生成する設備状態確認部、
をさらに備える請求項2に記載の生産管理システム。
【請求項4】
前記設備状態確認部は、前記クローズドネットワーク内にある生産設備から取得される情報に基づき、前記生産設備の状態が正しいか否かを確認する、
請求項3に記載の生産管理システム。
【請求項5】
前記生産管理部は、
前記クローズドネットワーク内にある生産設備の稼働を制御するための制御情報を前記外部データとして生成する設備制御部、
をさらに備える請求項2に記載の生産管理システム。
【請求項6】
前記生産管理部は、
前記クローズドネットワーク内にある生産設備によって生産された製品の在庫情報を前記外部データとして生成する在庫管理部、
をさらに備える請求項2に記載の生産管理システム。
【請求項7】
前記生産管理部は、
前記クローズドネットワーク内にある生産設備による生産状況を監視し、監視状況を示す情報を前記外部データとして生成する監視部、
をさらに備える請求項2に記載の生産管理システム。
【請求項8】
前記監視部は、前記生産設備による生産において異常が発生する予兆を監視し、前記予兆を検出した場合に、前記予兆を示す情報を前記外部データとして生成する、
請求項7に記載の生産管理システム。
【請求項9】
前記クローズドネットワークの内部から外部へ連携する内部データを、前記クローズドネットワークの内部にて取得する内部データ取得部と、
前記内部データ取得部によって取得される前記内部データを、前記クローズドネットワークの内部から前記外部システムへ連携する外部連携中継部と、
をさらに備え、
前記生産管理部は、前記外部連携中継部によって連携される前記内部データに基づき、前記外部データを生成する、
請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の生産管理システム。
【請求項10】
前記外部システムは、
前記クローズドネットワークの外部から入力される、前記生産拠点における生産管理に関する管理情報を記憶する記憶部、
をさらに備え、
前記生産管理部は、前記内部データと前記管理情報とに基づき、前記外部データを生成する、
請求項9に記載の生産管理システム。
【請求項11】
前記生産管理システムは、
前記クローズドネットワークの内部から前記生産拠点における生産を管理するための内部システム、
をさらに備え、
前記内部システムは、
前記内部連携中継部によって連携された前記外部データを、前記外部データに応じた設備へ連携する内部連携部、
を備える請求項1に記載の生産管理システム。
【請求項12】
外部データ取得部が、生産拠点にあるクローズドネットワークの内部から、前記クローズドネットワークの外部にある外部システムに対して定期的に通信を行い、前記クローズドネットワークの外部から内部へ連携する外部データを、前記外部システムから取得する外部データ取得過程と、
内部連携中継部が、前記外部データ取得部によって取得される前記外部データを、前記クローズドネットワークの内部にある設備に対して連携する内部連携中継過程と、
を含む生産管理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
生産拠点にあるクローズドネットワークの内部から、前記クローズドネットワークの外部にある外部システムに対して定期的に通信を行い、前記クローズドネットワークの外部から内部へ連携する外部データを、前記外部システムから取得する外部データ取得手段と、
前記外部データ取得手段によって取得される前記外部データを、前記クローズドネットワークの内部にある設備に対して連携する内部連携中継手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産管理システム、生産管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な産業分野において、IoT(Internet of Things)化のニーズが増えている。例えば、製品の生産現場では、IoT化によって生産現場に設けられたセンサからデータを収集し、サーバにて当該データを分析することで、分析結果を生産管理に活用することができる。
【0003】
下記の特許文献1には、製品の生産工場の各工程にて測定した測定データを、IoT中継装置にて共通のフォーマットに変換してから、クラウドコンピューティングシステムへ送信して分析を行う技術が開示されている。
また、下記の特許文献2には、ゲートウェイデバイスがセンサによって測定された測定データを収集・変換・加工などしてからデータ収集サーバへ送信し、データ収集サーバが測定データに基づくルール生成を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6419234号公報
【特許文献2】特許第5737696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1及び特許文献2のいずれにも、サーバ側からIoT中継装置やゲートウェイデバイスを経由して、センサによって測定された測定データをサーバ側へ送信することについては開示されている。一方、いずれの特許文献にも、サーバ側へ送信された測定データに基づき、生産工場に設けられた生産設備側へデータを送信して、生産設備を制御することまでは開示されていない。サーバ側から生産工場内の生産設備へデータを送信できる場合には、生産管理でできることの幅を広げることができる。しかしながら、工場などの生産現場では、クローズドネットワークが構築されていることが多く、クローズドネットワークの外部から内部にある設備へデータを送信し、当該設備を制御することは困難であった。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、クローズドネットワークの外部から内部へデータを送信してクローズドネットワークの内部にある設備を制御することが可能な生産管理システム、生産管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る生産管理システムは、生産拠点にあるクローズドネットワークの内部から、前記クローズドネットワークの外部にある外部システムに対して定期的に通信を行い、前記クローズドネットワークの外部から内部へ連携する外部データを、前記外部システムから取得する外部データ取得部と、前記外部データ取得部によって取得される前記外部データを、前記クローズドネットワークの内部にある設備に対して連携する内部連携中継部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る生産管理方法は、外部データ取得部が、生産拠点にあるクローズドネットワークの内部から、前記クローズドネットワークの外部にある外部システムに対して定期的に通信を行い、前記クローズドネットワークの外部から内部へ連携する外部データを、前記外部システムから取得する外部データ取得過程と、内部連携中継部が、前記外部データ取得部によって取得される前記外部データを、前記クローズドネットワークの内部にある設備に対して連携する内部連携中継過程と、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、生産拠点にあるクローズドネットワークの内部から、前記クローズドネットワークの外部にある外部システムに対して定期的に通信を行い、前記クローズドネットワークの外部から内部へ連携する外部データを、前記外部システムから取得する外部データ取得手段と、前記外部データ取得手段によって取得される前記外部データを、前記クローズドネットワークの内部にある設備に対して連携する内部連携中継手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、クローズドネットワークの外部から内部へデータを送信してクローズドネットワークの内部にある設備を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る生産管理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る中継装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るオンプレミスサーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る操作端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る中継サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態に係るクラウドサーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態に係る工場の内部データの収集における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図8】本実施形態に係る工場の内部データの外部連携における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図9】本実施形態に係る外部データの取得における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図10】本実施形態に係る外部データの内部連携における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図11】本実施形態に係る作業選択から生産前確認までの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図12】本実施形態に係る作業者による確認結果の確認から在庫更新までの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図13】本実施形態に係るクラウドサーバによる生産設備の制御に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図14】本実施形態に係るクラウドサーバによる監視に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<1.生産管理システムの概略構成>
図1を参照して、本実施形態に係る生産管理システムの概略構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る生産管理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す生産管理システム1は、生産拠点における生産を管理するためのシステムである。生産拠点は、例えば、所定の製品を生産(製造)する工場FCである。工場FCの分野は特に限定されず、例えば、印刷、製紙、機械、自動車、化学、鉄鋼、建築、食品、製薬、家電等の分野が挙げられる。また、工場FCにて管理される生産工程も特に限定されず、例えば、部品や原材料が納入される入荷工程、部品や原材料を加工する加工工程、加工した部品を組み立てる組立工程、組み立てた製品を検査する検査工程、検査後の製品を出荷する出荷工程等がそれぞれ管理される。各工程は、生産対象に応じてさらに詳細な工程に分けられ得る。
【0014】
図1に示すように、生産管理システム1は、内部システム2と外部システム3とを備える。内部システム2は、工場FC内に構築されたクローズドネットワークNW1(閉域網)の内部から工場FCにおける生産を管理するためのシステムである。本実施形態に係るクローズドネットワークNW1は、例えばファイアウォールなどの制限によって、限られた利用者のみが利用可能な広域通信網である。外部システム3は、クローズドネットワークNW1の外部から工場FCにおける生産を管理するためのシステムである。生産管理システム1では、クローズドネットワークNW1の内部と外部とを連携可能とすることで、クローズドネットワークNW1の外部から工場FCにおける生産を管理することを可能とする。
【0015】
図1に示すように、内部システム2は、センサ端末10と、生産設備20と、制御端末21と、管理制御端末22と、管理システム30と、変換端末31と、中継装置100と、オンプレミスサーバ200と、操作端末300とを備える。外部システム3は、中継サーバ400と、クラウドサーバ500とを備える。
中継装置100は、ネットワークNW2を介して、中継サーバ400と、クラウドサーバ500と通信可能に接続されている。
【0016】
(1)センサ端末10
センサ端末10は、工場FCに設けられ、工場FCにおける生産に関する情報(以下、「生産情報」とも称される)を取得(測定)する端末である。センサ端末10が測定する生産情報の一例として、温湿度センサによる温度や相対湿度、漏水センサによる溜水の検出情報、電流センサによる電流値などが挙げられる。センサ端末10は、測定した生産情報を中継装置100へ送信する。
【0017】
センサ端末10と中継装置100との間の通信には、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)の通信規格が用いられてもよいし、LTE(Long Term Evolution)や4G(第4世代移動通信システム)等の通信規格が用いられてもよい。具体的なLPWAの規格は、例えばZETA、LoRa(登録商標)、EnOcean(登録商標)などである。
LPWAを用いる場合、センサ端末10と中継装置100との間に、アクセスポイントやLPWAのサーバ(例えばクラウドサーバ)が設けられてもよい。この場合、センサ端末10は、測定した生産情報を、アクセスポイントを介してLPWAのサーバへ送信する。その後、LPWAのサーバは、アクセスポイントから受信した生産情報を、中継装置100を介してクラウドサーバ500へ送信(連携)する。
一方、LPWAを用いない場合、センサ端末10は、イーサネットによって接続される端末であってもよいし、PLC(Programmable Logic Controller)に物理線で接続される端末であってもよい。
【0018】
なお、工場FCに設けられるセンサ端末10の数は特に限定されず、任意の数N(Nは自然数)のセンサ端末10-1~10-Nが工場FCに設けられてよい。また、工場FCにてセンサ端末10が設けられる位置は、上述した生産情報を測定可能な位置であれば特に限定されず、任意の位置であってよい。
【0019】
なお、工場FCに設けられるアクセスポイントの数は特に限定されず、任意の数のアクセスポイントが工場FCに設けられてよい。例えば。1つのセンサ端末10に対して1つのアクセスポイントが設けられてもよいし、複数のセンサ端末10に対して1つのアクセスポイントが設けられてもよい。また、工場FCにてアクセスポイントが設けられる位置は、上述したセンサ端末10の通信を中継可能な位置であれば特に限定されず、任意の位置であってよい。
【0020】
(2)生産設備20
生産設備20は、製品の生産に用いられる設備である。生産設備20は、例えば、製品の組み立てや加工を行う生産装置、製品にラベルを貼り付けるラベラ、製品を搬送する搬送コンベア、検査装置などである。生産設備20は、工場FCにおいて、それぞれ製品を生産する所定の工程に対応して設置される。
【0021】
なお、工場FCに設けられる生産設備20の数は特に限定されず、任意の数L(Lは自然数)の生産設備20-1~20-Lが工場FCに設けられてよい。また、工場FCにて生産設備20が設けられる位置は、特に限定されず、任意の位置であってよい。
【0022】
(3)制御端末21
制御端末21は、生産設備20(20-1~20-L)の稼働を制御する端末である。制御端末21は、例えば、PLCなどのコンピュータ装置である。制御端末21は、対応する生産設備20と通信可能に接続される。また、制御端末21は、所定のPLC間ネットワークにより管理制御端末22と通信可能に接続される。
【0023】
なお、工場FCに設けられる制御端末21の数は特に限定されず、任意の数K(Kは自然数)の制御端末21-1~21-Kが工場FCに設けられてよい。例えば。制御端末21は、1つの生産設備20に対して1つの制御端末21が設けられてもよいし、複数の生産設備20に対して1つの制御端末21が設けられてもよい。また、工場FCにて制御端末21が設けられる位置は、特に限定されず、任意の位置であってよい。
【0024】
(4)管理制御端末22
管理制御端末22は、制御端末21に対するマスタの制御端末として機能する端末である。管理制御端末22は、制御端末21がPLCである場合には同様にPLCである。
管理制御端末22は、制御端末21のそれぞれと所定のPLC間ネットワークにより通信可能に接続される。管理制御端末22は、制御端末21との通信により、制御端末21から生産設備20の稼働に関する所定の情報と製品の生産に関する所定の情報などを含む生産情報を取得する。稼働に関する所定の情報は、例えば、生産設備20の稼働のための設定値を示す情報(以下、「設定情報」とも称される)である。また、製品の生産に関する所定の情報は、例えば、生産設備における製品の生産計画を示す情報(以下、「生産計画情報」とも称される)や生産設備における生産実績を示す情報(以下、「生産実績情報」とも称される)である。また、管理制御端末22は、制御端末21との通信により、制御端末21に生産設備20の稼働に関する指示や通知を行う。
なお、工場FCにて管理制御端末22が設けられる位置は、特に限定されず、任意の位置であってよい。
【0025】
(5)管理システム30
管理システム30は、工場FCにおける生産管理に関する情報(以下、「管理情報」とも称される)を管理するシステムである。管理システム30は、例えば、ERP(Enterprise Resources Planning)システムやWMS(Warehouse Management System)システムなどである。管理システム30は、変換端末31と通信可能に接続されている。管理システム30は、変換端末31との通信において、例えば管理情報を送受信する。
なお、工場FCで用いられる管理システム30の数は特に限定されず、任意の数J(Jは自然数)の管理システム30-1~30-Jが工場FCにて用いられてもよい。
【0026】
(6)変換端末31
変換端末31は、データのデータ形式を変換する変換モジュールである。変換端末31は、管理システム30とオンプレミスサーバ200と通信可能に接続される。管理システム30からオンプレミスサーバ200へデータ(例えば管理情報)を送信する場合、変換端末31は、管理システム30から受信したデータをオンプレミスサーバ200に合わせたデータ形式に変換してから、オンプレミスサーバ200へデータを送信する。一方、オンプレミスサーバ200から管理システム30へデータを送信する場合、変換端末31は、オンプレミスサーバ200から受信したデータを管理システム30に合わせたデータ形式に変換してから、管理システム30へデータを送信する。
【0027】
また、変換端末31は、任意のデータ形式であるデータの入力を受け付け、当該データに対する変換を行うことなく、任意のデータ形式のまま出力可能であってもよい。任意のデータ形式には、例えば、テキストファイル(CSV(Comma Separated Values)や固定長データなど)、データベースのためのデータ形式、HTTP(HyperText Transfer Protocol)通信のためのデータ形式などがある。
一例として、CSVデータをデータベースへ連携する場合、まず、管理システム30は、連携データをCSVファイルで出力し、変換端末31へ送信する。変換端末31は、管理システム30から受信したCSVファイル内のCSVデータを分解し、変換端末31上に設定されたクエリに対して分解したCSVデータを展開する。そして、変換端末31は、オンプレミスサーバ200に対して、クエリを実行する。
また、他の例として、データベースのデータをHTTP通信によってWEBサーバへ連携する場合、まず、変換端末31は、管理システム30に対してクエリを実行することで、連携データを取得する。次いで、変換端末31は、取得した連携データを、変換端末31上に設定されたHTTPのボディ情報に展開する(例えば、カラムAの情報をHTTPのボディ情報Aに反映)。次いで、変換端末31は、設定されたURL(Uniform Resource Locator)に対して、URLと連携データが展開されたボディ情報を送信する。そして、受け先のWEBサーバは、受信したボディ情報を分解し、データベースへ展開する。
【0028】
(7)中継装置100
中継装置100は、クローズドネットワークNW1の内部と外部との通信を中継する装置である。中継装置100は、クローズドネットワークNW1内にて、管理制御端末22と、変換端末31と、オンプレミスサーバ200と通信可能に接続されている。また、中継装置100は、ネットワークNW2を介して、外部システム3の中継サーバ400とクラウドサーバ500と通信可能に接続されている。
【0029】
中継装置100は、ネットワークNW2を介して、クローズドネットワークNW1の内部から外部へ連携するデータ(以下、「内部データ」とも称される)と、クローズドネットワークNW1の外部から内部へ連携するデータ(以下、「外部データ」とも称される)の連携を中継する。
クローズドネットワークNW1の内部から外部へ内部データを連携する場合、中継装置100は、クローズドネットワークNW1内にて内部データを取得し、ネットワークNW2を介して取得した内部データを外部システム3へ連携する。内部データは、例えば、センサ端末10から受信する生産情報、管理制御端末22から受信する生産情報、変換端末31から受信する管理情報などを含む。
クローズドネットワークNW1の外部から内部へ外部データを連携する場合、中継装置100は、ネットワークNW2を介して外部システム3から外部データを取得し、取得した外部データをクローズドネットワークNW1の内部へ連携する。外部データは、例えば、制御端末21の稼働を制御するための情報(以下、「制御情報」とも称される)、操作端末300に表示する情報(以下、「表示情報」とも称される)、管理情報などを含む。
【0030】
なお、中継装置100は、クローズドネットワークNW1の内部から外部に対して、能動的に外部データの取得を行う。例えば、中継装置100は、認証情報を用いて、定期的(例えば所定の時間が経過するごと)に外部システム3のクラウドサーバ500に対して外部データの取得要求を送信する。クラウドサーバ500に未連携の外部データが存在する場合、中継装置100は、クラウドサーバ500から未連携の外部データを取得する。外部データを取得できた場合、中継装置100は、取得した外部データをクローズドネットワークNW1の内部へ連携する。
【0031】
(8)オンプレミスサーバ200
オンプレミスサーバ200は、クローズドネットワークNW1の内部に設けられるサーバであり、外部から連携された外部データの管理を行う。オンプレミスサーバ200は、中継装置100と、操作端末300と、変換端末31と通信可能に接続されている。オンプレミスサーバ200は、中継装置100から外部データを連携され、当該外部データを解析して内部システム2に合わせたデータ形式に変換した上で保管する。また、オンプレミスサーバ200は、変換後の外部データを、その内容に応じた端末へ連携する。例えば、外部データが制御情報又は表示情報である場合、オンプレミスサーバ200は、外部データを操作端末300へ連携する。また、外部データが管理情報である場合、オンプレミスサーバ200は、外部データを変換端末31へ連携する。
【0032】
(9)操作端末300
操作端末300は、ユーザが操作する端末である。ユーザは、例えば、工場FCの作業者や管理者などである。操作端末300は、例えば、LCS(Line Control System)などのコンピュータ装置である。操作端末300は、オンプレミスサーバ200と、管理制御端末22と通信可能に接続される。操作端末300は、例えば、オンプレミスサーバ200から外部データを受信し、外部データのうち表示情報を自端末で表示し、制御情報を管理制御端末22へ送信する。また、操作端末300は、ユーザから生産設備20の稼働を制御するための操作を受け付け、当該操作に対応する制御情報を管理制御端末22へ送信する。
【0033】
(10)中継サーバ400
中継サーバ400は、クローズドネットワークNW1の外部に設けられるサーバであり、クラウドサーバ500への内部データの連携を中継する。中継サーバ400は、ネットワークNW2を介して中継装置100と通信可能に接続されており、中継装置100から内部データを受信する。中継サーバ400は、中継装置100から受信した内部データを解析してクラウドサーバ500に合わせたデータ形式に変換した上で、クラウドサーバ500へ連携する。
【0034】
(11)クラウドサーバ500
クラウドサーバ500は、クローズドネットワークNW1の外部に設けられるサーバであり、クローズドネットワークNW1の内部へ連携する外部データ及び内部から連携される内部データの管理を行う。クラウドサーバ500は、中継サーバ400を介して中継装置100から連携される内部データを保管する。また、クラウドサーバ500は、ウェブブラウザやアプリケーションを介して、クローズドネットワークNW1の外部にある端末からユーザによって入力される各種の情報(例えば生産情報や管理情報)も保管する。また、クラウドサーバ500は、ネットワークNW2を介して中継装置100と通信可能に接続されており、中継装置100から外部データの取得要求を受けた際に未連携の外部データが存在する場合、当該外部データを中継装置100へ送信する。
【0035】
なお、クラウドサーバ500は、クローズドネットワークNW1の内部から連携された内部データ、又はユーザによって入力された各種の情報の少なくともいずれかに基づき、外部データを生成してもよい。
【0036】
<2.中継装置の機能構成>
以上、
図1を参照して、生産管理システム1の概略構成について説明した。続いて、
図2を参照して、本実施形態に係る中継装置100の機能構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る中継装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、中継装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0037】
(1)通信部110
通信部110は、各種情報の送受信を行う機能を有する。通信部110は、クローズドネットワークNW1内にて、センサ端末10及び管理制御端末22から生産情報を受信し、変換端末31から管理情報を受信する。また、通信部110は、クローズドネットワークNW1内にて、外部データをオンプレミスサーバ200へ送信する。また、通信部110は、ネットワークNW2を介して、中継サーバ400へ内部データを送信し、クラウドサーバ500へ外部データの取得要求を送信する。また、通信部110は、ネットワークNW2を介して、クラウドサーバ500から外部データを受信する。
【0038】
(2)記憶部120
記憶部120は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部120は、中継装置100がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
記憶部120は、例えば、通信部110が受信する各種情報や、後述するデータ加工部132によって加工されたデータを一時的に記憶する。
【0039】
(3)制御部130
制御部130は、中継装置100の動作全般を制御する機能を有する。制御部130は、例えば、中継装置100がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図2に示すように、制御部130は、内部データ取得部131と、データ加工部132と、外部連携中継部133と、外部データ取得部134と、内部連携中継部135とを備える。
【0040】
(3-1)内部データ取得部131
内部データ取得部131は、クローズドネットワークNW1の内部から外部へ連携する内部データを、クローズドネットワークNW1の内部にて取得する機能を有する。例えば、内部データ取得部131は、通信部110がセンサ端末10及び管理制御端末22から受信する生産情報、又は変換端末31から受信する管理情報を内部データとして取得する。取得後、内部データ取得部131は、取得した内部データをデータ加工部132へ出力する。
【0041】
(3-2)データ加工部132
データ加工部132は、内部データ取得部131によって取得された内部データを必要に応じて加工する機能を有する。例えばクラウドサーバ500にて内部データを用いた演算結果が必要とされる場合、データ加工部132は、内部データ取得部131によって取得された内部データを用いた演算を行う処理(以下、「演算処理」とも称される)によって、内部データを加工する。データ加工部132は、例えば、四則演算、余剰計算、累乗計算、対数計算などを演算処理にて行える。一例として、データ加工部132は、センサ端末10-1~10-Nの各々が測定した対象物の重量を合算し、総量を算出する。
【0042】
また、内部データ取得部131によって取得された内部データのデータ形式又は加工後の内部データのデータ形式と、クラウドサーバ500にて必要とされる内部データのデータ形式とが異なっているとする。この場合、データ加工部132は、内部データのデータ形式をクラウドサーバ500にて必要とされる内部データのデータ形式に変換する処理(以下、「クレンジング処理」とも称される)によって、内部データを加工する。データ加工部132は、例えば、端数処理又はレンジ変換をクレンジング処理にて行える。端数処理では、内部データに対して、四捨五入、切り下げ、又は切り上げが行われ、小数点以下の桁数が変更される。レンジ変換では、内部データが示す値が取り得る範囲(最小値と最大値)が、現在の基準とは異なる基準における範囲に変換される。
【0043】
また、データ加工部132は、内部データ取得部131によって取得された内部データ又は加工後の内部データが示す値に基づき、条件分岐を行ってもよい。これにより、データ加工部132は、例えば内部データを加工するか否かの判定や、内部データを加工する場合にはどのように加工するかなどを判定することができる。
【0044】
(3-3)外部連携中継部133
外部連携中継部133は、内部データをクローズドネットワークNW1の内部から外部システム3へ連携する機能を有する。例えば、外部連携中継部133は、内部データ取得部131によって取得される内部データ、又はデータ加工部132によって加工された内部データを、クローズドネットワークNW1の内部から外部システム3へ連携する。
【0045】
(3-4)外部データ取得部134
外部データ取得部134は、クローズドネットワークNW1の内部から外部へ連携する外部データを取得する機能を有する。例えば、クローズドネットワークNW1の内部から、クローズドネットワークNW1の外部にある外部システム3に対して定期的に通信を行い、外部システム3から外部データを取得する。具体的に、外部データ取得部134は、認証情報を用いてクラウドサーバ500へアクセスし、外部データの取得要求を送信する。クラウドサーバ500に未連携の外部データが存在する場合、クラウドサーバ500から中継装置100へ外部データが送信される。これにより、外部データ取得部134は、通信部110がクラウドサーバ500から受信した外部データを取得することができる。
【0046】
(3-5)内部連携中継部135
内部連携中継部135は、クローズドネットワークNW1の内部における各設備への外部データの連携を中継する機能を有する。例えば、内部連携中継部135は、外部データ取得部134によって取得される外部データを、クローズドネットワークNW1の内部にある設備に対して連携する。例えば、内部連携中継部135は、外部データをオンプレミスサーバ200へ連携する。内部連携中継部135によって連携された外部データは、オンプレミスサーバ200によって、他の設備へさらに連携される。
【0047】
<3.オンプレミスサーバの機能構成>
以上、
図2を参照して、中継装置100の機能構成について説明した。続いて、
図3を参照して、本実施形態に係るオンプレミスサーバ200の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係るオンプレミスサーバ200の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、オンプレミスサーバ200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを備える。
【0048】
(1)通信部210
通信部210は、各種情報の送受信を行う機能を有する。通信部210は、クローズドネットワークNW1内にて、中継装置100から外部データを受信する。また、通信部210は、クローズドネットワークNW1内にて、操作端末300へ制御情報又は表示情報を送信し、変換端末31へ管理情報を送信する。
【0049】
(2)記憶部220
記憶部220は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部220は、オンプレミスサーバ200がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
記憶部220は、例えば、変換後の外部データを記憶する。
【0050】
(3)制御部230
制御部230は、オンプレミスサーバ200の動作全般を制御する機能を有する。制御部230は、例えば、オンプレミスサーバ200がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図3に示すように、制御部230は、変換部231と、挿入部232と、内部連携部233とを備える。
【0051】
(3-1)変換部231
変換部231は、外部データのデータ形式を変換する機能を有する。例えば、変換部231は、通信部210が中継装置100から受信した外部データを解析し、内部システム2に対応するデータ形式に変換する。例えば、変換部231は、JSON(JavaScript Object Notation)形式のデータに外部データを変換する。この時、変換部231は、外部データの解析によって外部データが不正なデータであるか否かを判定する。外部データが不正なデータである場合、変換部231は、データ形式の変換を行わず、各設備へ連携するデータから除外する。
【0052】
(3-2)挿入部232
挿入部232は、外部データを記憶部220にあるデータベースへ挿入する機能を有する。例えば、挿入部232は、変換部231によって変換された外部データを解析し、クエリを生成する。生成後、挿入部232は、生成したクエリを用いて、変換部231によって変換された外部データを記憶部220にあるデータベースへ挿入する。
なお、上述した変換部231の処理はオンプレミスサーバ200のフロントで行われ、挿入部232の処理はオンプレミスサーバ200のバックで行われる。このように、変換部231の処理と挿入部232の処理をフロントとバックに分けることで、外部アクセスによるデータベースへの負荷(書き込み量)を一定に制御することができる。
【0053】
(3-3)内部連携部233
内部連携部233は、クローズドネットワークNW1の内部における各設備へ外部データを連携する機能を有する。例えば、内部連携部233は、中継装置100の内部連携中継部135によって連携された外部データを、外部データに応じた設備へ連携する。例えば、内部連携部233は、変換部231によって変換された外部データが制御情報、表示情報、又は管理情報のいずれであるかを確認する。外部データが制御情報又は表示情報である場合、内部連携部233は、外部データを操作端末300へ連携する。一方、外部データが管理情報である場合、内部連携部233は、外部データを変換端末31へ連携する。
【0054】
<4.操作端末の機能構成>
以上、
図3を参照して、オンプレミスサーバ200の機能構成について説明した。続いて、
図4を参照して、本実施形態に係る操作端末300の機能構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る操作端末300の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、操作端末300は、通信部310と、入力部320と、記憶部330と、制御部340と、出力部350とを備える。
【0055】
(1)通信部310
通信部310は、各種情報の送受信を行う機能を有する。通信部310は、クローズドネットワークNW1内にて、オンプレミスサーバ200から外部データ(制御情報又は表示情報)を受信する。また、通信部310は、クローズドネットワークNW1内にて、管理制御端末22へ外部データ(制御情報)を送信する。
【0056】
(2)入力部320
入力部320は、ユーザからの入力を受け付ける機能を有する。入力部320は、例えば、操作端末300が備えるキーボード、マウス、ボタン、タッチパネル、マイクロフォン等によって実現される。
【0057】
(3)記憶部330
記憶部330は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部330は、操作端末300がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0058】
(4)制御部340
制御部340は、操作端末300の動作全般を制御する機能を有する。制御部340は、例えば、操作端末300がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図4に示すように、制御部340は、出力制御部341を備える。
【0059】
(4-1)出力制御部341
出力制御部341は、操作端末300における出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部341は、通信部310が受信した外部データの種類を判定し、その種類に応じた出力を行う。外部データが制御情報である場合、出力制御部341は、通信部310から管理制御端末22へ制御情報を送信する。また、外部データが表示情報である場合、出力制御部341は、表示情報を出力部350に表示させる。
【0060】
(5)出力部350
出力部350は、各種の情報を出力する機能を有する。例えば、出力部350は、表示情報を表示する。
【0061】
<5.中継サーバの機能構成>
以上、
図4を参照して、操作端末300の機能構成について説明した。続いて、
図5を参照して、本実施形態に係る中継サーバ400の機能構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る中継サーバ400の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、中継サーバ400は、通信部410と、記憶部420と、制御部430とを備える。
【0062】
(1)通信部410
通信部410は、各種情報の送受信を行う機能を有する。通信部410は、ネットワークNW2を介して、中継装置100から内部データを受信する。また、通信部410は、変換後の内部データをクラウドサーバ500へ送信する。
【0063】
(2)記憶部420
記憶部420は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部420は、中継サーバ400がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
記憶部420は、例えば、変換前の内部データ又は変換後の内部データを一時的に記憶してもよい。
【0064】
(3)制御部430
制御部430は、中継サーバ400の動作全般を制御する機能を有する。制御部430は、例えば、中継サーバ400がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図5に示すように、制御部430は、変換部431と、挿入部432とを備える。
【0065】
(3-1)変換部431
変換部431は、内部データのデータ形式を変換する機能を有する。例えば、変換部431は、通信部410が中継装置100から受信した内部データを解析し、クラウドサーバ500に対応するデータ形式に変換する。例えば、変換部431は、JSON形式のデータに内部データを変換する。この時、変換部431は、内部データの解析によって内部データが不正なデータであるか否かを判定する。内部データが不正なデータである場合、変換部431は、データ形式の変換を行わず、クラウドサーバ500へ連携するデータから除外する。
【0066】
(3-2)挿入部432
挿入部432は、内部データをクラウドサーバ500にあるデータベースへ挿入する機能を有する。例えば、挿入部432は、変換部431によって変換された内部データを解析し、クエリを生成する。生成後、挿入部432は、生成したクエリを用いて、変換部431によって変換された内部データをクラウドサーバ500にあるデータベースへ挿入する。即ち、中継サーバ400は、挿入部432によって、内部データをクラウドサーバ500へ連携する。
【0067】
なお、上述した変換部431の処理は中継サーバ400のフロントで行われ、挿入部432の処理は中継サーバ400のバックで行われる。このように、変換部431の処理と挿入部432の処理をフロントとバックに分けることで、外部アクセスによるデータベースへの負荷(書き込み量)を一定に制御することができる。
【0068】
<6.クラウドサーバの機能構成>
以上、
図5を参照して、中継サーバ400の機能構成について説明した。続いて、
図6を参照して、本実施形態に係るクラウドサーバ500の機能構成について説明する。
図6は、本実施形態に係るクラウドサーバ500の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、クラウドサーバ500は、通信部510と、記憶部520と、制御部530とを備える。
【0069】
(1)通信部510
通信部510は、各種情報の送受信を行う機能を有する。通信部510は、中継サーバ400から内部データを受信する。また、通信部510は、ネットワークNW2を介して、中継装置100から外部データの取得要求を受信し、外部データを中継装置100へ送信する。
【0070】
(2)記憶部520
記憶部520は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部520は、クラウドサーバ500がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
記憶部520は、例えば、通信部510が中継サーバ400から受信した内部データを記憶する。また、記憶部520は、ウェブブラウザやアプリケーションを介して、クローズドネットワークNW1の外部にある端末からユーザによって入力される生産情報や管理情報なども記憶する。
【0071】
(3)制御部530
制御部530は、クラウドサーバ500の動作全般を制御する機能を有する。制御部530は、例えば、クラウドサーバ500がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図6に示すように、制御部530は、内部データ管理部531と、外部データ連携部532と、生産管理部533とを備える。
【0072】
(3-1)内部データ管理部531
内部データ管理部531は、内部データを管理する機能を有する。例えば、内部データ管理部531は、通信部510が中継サーバ400から受信した内部データを記憶部520に記憶(データベースへ挿入)させる。
【0073】
(3-2)外部データ連携部532
外部データ連携部532は、外部データを連携する機能を有する。例えば、外部データ連携部532は、通信部510が中継装置100から外部データの取得要求を受信した場合に、外部データを中継装置100へ連携する。
この時、外部データ連携部532は、記憶部520に記憶されている外部データの中に、クローズドネットワークNW1の内部へ未連携の外部データが有るか否かを確認する。外部データは、例えばクローズドネットワークNW1の内部へ「連携済」又は「未連携」を示すステータスを有する。このため、外部データ連携部532は、当該ステータスを参照することで、未連携の外部データの有無を確認することができる。未連携の外部データが有る場合、外部データ連携部532は、未連携の外部データのみを中継装置100へ連携する。連携後、外部データ連携部532は、連携した外部データのステータスを「連携済」に更新する。
【0074】
(3-3)生産管理部533
生産管理部533は、工場FCにおける生産を管理するための情報を外部データとして生成する機能を有する。生産管理部533は、中継装置100の外部連携中継部133によって中継サーバ400を介して連携される内部データに基づき、外部データを生成する。また、生産管理部533は、当該内部データと記憶部520に記憶されている管理情報とに基づき、外部データを生成してもよい。記憶部520に記憶されている管理情報は、ユーザによって入力され、長期的に蓄積された管理情報である。このため、生産管理部533は、当該管理情報も用いることで、長期的な経過を考慮した外部データを生成することができる。
図6に示すように、生産管理部533は、設備状態確認部5331と、設備制御部5332と、在庫管理部5333と、監視部5334とを備える。
【0075】
(3-3-1)設備状態確認部5331
設備状態確認部5331は、クローズドネットワークNW1内にある生産設備20の状態を確認する機能を有する。設備状態確認部5331は、クローズドネットワークNW1内にある生産設備20による生産前後又は生産中に、生産設備20の状態が正しいか否かを確認し、確認結果を示す情報を外部データとして生成する。設備状態確認部5331は、生産前後又は生産中にクローズドネットワークNW1内にある生産設備20から取得される情報に基づき、生産設備20の状態を確認する。生産設備20から取得される情報は、例えば、生産情報である。具体的に、生産前に取得される生産情報は、生産設備20にセットされた材料や治具などを示す情報や、生産設備20に対して設定された設定値(設定情報)などを含む情報である。また、生産中や生産後に取得される生産情報は、生産設備20にセットされた材料や治具などを示す情報や、設定値が設定された項目の現在値などを含む情報である。
以下では、設備状態確認部5331が生産設備20による生産前に生産設備20の状態を確認する例を一例として説明する。以下、設備状態確認部5331によって行われる処理は「生産前確認」とも称され、確認結果を示す情報は「確認結果情報」とも称される。
【0076】
本実施形態では、ユーザは、製品の生産を開始する際に、操作端末300を操作して開始する作業を選択する。ユーザが作業を選択すると、選択された作業に対応する生産設備20から管理制御端末22によって生産情報が取得される。管理制御端末22によって取得された生産情報は、中継装置100からクラウドサーバ500へ内部データとして連携される。管理制御端末22から連携される生産情報は、ユーザによって選択された作業で用いる材料と治具、生産設備20の設定値などを示す情報と、実際に生産設備20にセットされた材料と治具、設定された設定値などを示す情報を含んでいる。このため、設備状態確認部5331は、連携された生産情報に基づき、これから開始する作業について正しい材料と治具が使用されているか、生産設備20の設定値に問題がないかなどを確認することができる。この確認により、設備状態確認部5331は、正しい材料と治具が使用され、設定値に問題がない場合には、生産設備20の状態が正しいと確認することができる。
【0077】
(3-3-2)設備制御部5332
設備制御部5332は、クローズドネットワークNW1内にある生産設備20の稼働を制御する機能を有する。設備制御部5332は、クローズドネットワークNW1内にある生産設備20の稼働を制御するための制御情報を外部データとして生成する。例えば、設備制御部5332は、生産中に中継装置100から連携される生産情報に基づき、生産設備20の制御が必要か否かを判定する。制御が必要と判定した場合、設備制御部5332は、当該生産情報に基づき、制御情報を生成する。生産中に中継装置100から連携される生産情報には、例えば、生産ライン内の滞留数を示す情報が含まれる。このため、設備制御部5332は、連携された生産情報から、滞留数に応じて搬送を停止する指示又は搬送の停止を解除する指示を制御情報として生成することができる。
なお、中継装置100から連携される生産情報は、センサ端末10によって取得され連携される生産情報であってもよいし、管理制御端末22によって生産設備20から取得され管理制御端末22から連携される生産情報であってもよい。
【0078】
(3-3-3)在庫管理部5333
在庫管理部5333は、クローズドネットワークNW1内にある生産設備20における生産に関する在庫を管理する機能を有する。在庫管理部5333は、クローズドネットワークNW1内にある生産設備20によって生産された製品の在庫情報を外部データとして生成する。例えば、在庫管理部5333は、生産中に中継装置100から連携される生産情報に基づき、在庫情報を生成する。生産中に中継装置100から連携される生産情報には、例えば、製品の生産数、材料の使用量などを示す情報が含まれる。このため、在庫管理部5333は、連携された生産情報から、生産された製品の在庫数や材料の在庫数を算出することができる。
なお、在庫管理部5333によって生成された在庫情報は、設備状態確認部5331による生産前確認に用いられてもよい。
【0079】
(3-3-4)監視部5334
監視部5334は、クローズドネットワークNW1内にある生産設備20における生産に関する監視を行う機能を有する。監視部5334は、監視状況を示す監視情報を外部データとして生成する。
例えば、監視部5334は、クローズドネットワークNW1内にある生産設備20による生産状況を監視し、生産状況を示す情報(以下、「生産状況情報」とも称される)を監視情報として生成する。例えば、監視部5334は、生産中に中継装置100から連携される生産情報に基づき、生産状況情報を生成する。生産中に中継装置100から連携される生産情報には、例えば、センサ端末10によって測定される生産状況を示す情報が含まれる。このため、監視部5334は、連携される生産情報の変化を監視することで、生産設備20による生産状況を監視することができる。
【0080】
また、監視部5334は、生産設備20による生産において異常が発生する予兆を監視し、予兆を検出した場合に、予兆を示す情報(以下、「予兆情報」とも称される)を監視情報として生成する。例えば、監視部5334は、生産中に中継装置100から連携される生産情報に基づき、予兆情報を生成する。生産中に中継装置100から連携される生産情報には、例えば、生産設備20の稼働状態を示す情報が含まれる。このため、監視部5334は、連携される生産情報の変化を監視することで、生産設備20の稼働状態に異常が発生する予兆があるか否かを監視することができる。
【0081】
一例として、監視部5334は、上下限値管理、変化量管理、連続変化などに基づき、異常が発生する予兆を検出する。上下限値管理では、生産情報が示す値が設定範囲外であった場合に予兆が検出される。変化量管理では、前回取得された生産情報と今回取得された生産情報とを比較し、変化量が設定値以上であった場合に予兆が検出される。連続変化では、変化が連続している(n点連続上昇又は下降)場合に予兆が検出される。
【0082】
<7.処理の流れ>
以上、
図6を参照して、クラウドサーバ500の機能構成について説明した。続いて、
図7から
図14を参照して、本実施形態に係る処理の流れについて説明する。
【0083】
(1)処理全体の流れ
図7から
図10を参照して、生産管理システム1における処理全体の流れについて説明する。
【0084】
(1-1)内部データの収集
図7を参照して、工場FCの内部データの収集における処理の流れについて説明する。
図7は、本実施形態に係る工場FCの内部データの収集における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0085】
図7に示すように、まず、センサ端末10は、生産情報を測定する(ステップS101)。センサ端末10は、測定した生産情報を中継装置100へ送信する(ステップS102)。
【0086】
管理制御端末22は、制御端末21を介して、生産前又は生産中の生産設備20から生産情報を取得する(ステップS103)。管理制御端末22は、取得した生産情報を中継装置100へ送信する(ステップS104)。
【0087】
管理システム30は、自システムで管理している管理情報を更新する(ステップS105)。更新後、管理システム30は、少なくとも更新した部分を示す管理情報を変換端末31へ送信する(ステップS106)。
変換端末31は、管理システム30から受信した管理情報のデータ形式を変換する(ステップS107)。変換後、変換端末31は、変換した管理情報を中継装置100へ送信する(ステップS108)。
【0088】
(1-2)内部データの外部連携
次に、
図8を参照して、工場FCの内部データの外部連携における処理の流れについて説明する。
図8は、本実施形態に係る工場FCの内部データの外部連携における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図8に示す処理は、例えば、
図7に示した処理によって内部データが取得されたタイミングで行われる。
【0089】
図8に示すように、まず、中継装置100の内部データ取得部131は、内部データを取得する(ステップS201)。当該内部データは、
図7に示すステップS102、ステップS104、ステップS108などで送信されてくる生産情報や管理情報である。
次いで、中継装置100のデータ加工部132は、取得された内部データに加工が必要であるか否かを確認する(ステップS202)。加工が必要である場合(ステップS202/YES)、処理はステップS203へ進む。一方、加工が必要でない場合(ステップS202/NO)、処理はステップS204へ進む。
処理がステップS203へ進んだ場合、データ加工部132は、内部データに対してデータ加工を行う(ステップS203)。加工後、処理はステップS204へ進む。
処理がステップS204へ進んだ場合、中継装置100の外部連携中継部133は、ネットワークNW2を介して、内部データを中継サーバ400へ送信する(ステップS204)。
【0090】
中継サーバ400の変換部431は、中継装置100から受信した内部データを解析する(ステップS205)。この時、変換部431は、内部データに不正データが有るか否かを確認する(ステップS206)。不正データが有る場合(ステップS206/YES)、処理はステップS207へ進む。一方、不正データが無い場合(ステップS206/NO)、処理がステップS208へ進む。
処理がステップS207へ進んだ場合、変換部431は、連携する内部データから不正データを除外する(ステップS207)。除外後、処理はステップS208へ進む。
処理がステップS208へ進んだ場合、変換部431は、内部データに対してデータ形式の変換を行う(ステップS208)。変換後、中継サーバ400の挿入部432は、変換後の内部データに基づきクエリを生成し、当該クエリを用いて変換後の内部データをクラウドサーバ500へ挿入(送信)する(ステップS209)。
【0091】
クラウドサーバ500の内部データ管理部531は、中継サーバ400から受信した内部データを記憶部520のデータベースに挿入し、記憶する(ステップS210)。
【0092】
(1-3)外部データの取得
次に、
図9を参照して、外部データの取得における処理の流れについて説明する。
図9は、本実施形態に係る外部データの取得における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、
図9に示す処理は、
図7と
図8に示した処理の実行有無に関わらず、任意のタイミングで行われてよい。
【0093】
図9に示すように、まず、中継装置100の外部データ取得部134は、外部データの取得タイミングであるか否かを確認する(ステップS301)。取得タイミングである場合(ステップS301/YES)、処理はステップS302へ進む。一方、取得タイミングでない場合(ステップS301/NO)、ステップS301が繰り返される。
処理がステップS302へ進んだ場合、外部データ取得部134は、ネットワークNW2を介して、外部データの取得要求をクラウドサーバ500へ送信する(ステップS302)。
【0094】
外部データの取得要求を受信したクラウドサーバ500では、外部データ連携部532が、記憶部520に記憶されている外部データの中に、クローズドネットワークNW1の内部へ未連携の外部データが有るか否かを確認する(ステップS303)。未連携の外部データが有る場合(ステップS303/YES)、処理はステップS304へ進む。一方、未連携のデータが無い場合(ステップS303/NO)、処理は終了する。
処理がステップS304へ進んだ場合、外部データ連携部532は、記憶部520から未連携の外部データを取得する(ステップS304)。
次いで、外部データ連携部532は、取得した未連携の外部データのステータスを「連携済」に更新する(ステップS305)。
次いで、外部データ連携部532は、ネットワークNW2を介して、取得した未連携の外部データを中継装置100へ送信する(ステップS306)。
【0095】
未連携の外部データを受信した中継装置100では、外部データ取得部134が通信部110から外部データを取得する(ステップS307)。
次いで、中継装置100の内部連携中継部135は、外部データ取得部134によって取得された外部データを、オンプレミスサーバ200へ送信する(ステップS308)。
【0096】
(1-4)外部データの内部連携
次に、
図10を参照して、外部データの内部連携における処理の流れについて説明する。
図10は、本実施形態に係る外部データの内部連携における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図10に示す処理は、例えば、
図9に示した処理のステップS308の後に続けて行われる。
【0097】
図10に示すように、まず、オンプレミスサーバ200の変換部231は、中継装置100から連携された外部データを解析し、不正データが有るか否かを確認する(ステップS401)。不正データが有る場合(ステップS401/YES)、処理はステップS402へ進む。一方、不正データが無い場合(ステップS401/NO)、処理はステップS403へ進む。
処理がステップS402へ進んだ場合、変換部231は、連携する外部データから不正データを除外する(ステップS402)。除外後、処理はステップS403へ進む。
処理がステップS403へ進んだ場合、変換部231は、外部データに対してデータ形式の変換を行う(ステップS403)。変換後、オンプレミスサーバ200の挿入部232は、変換後の外部データに基づきクエリを生成し、当該クエリを用いて変換後の外部データをオンプレミスサーバ200の記憶部220のデータベースへ挿入し、記憶させる(ステップS404)。
次いで、オンプレミスサーバ200の内部連携部233は、連携された外部データが変換端末31用の情報又は操作端末300用の情報であるか否かを確認する(ステップS405)。ここで、変換端末31用の情報は管理情報であり、操作端末300用の情報は制御情報又は表示情報である。変換端末31用の情報である場合(ステップS405/変換端末用)、処理はステップS406へ進む。一方、操作端末300用の情報である場合(ステップS405/操作端末用)、処理はステップS410へ進む。
【0098】
処理がステップS406へ進んだ場合、内部連携部233は、外部データを変換端末31へ送信する(ステップS406)。
次いで、変換端末31は、オンプレミスサーバ200のから受信した外部データ(即ち管理情報)のデータ形式を変換する(ステップS407)。変換後、変換端末31は、変換した管理情報を管理システム30へ送信する(ステップS408)。
次いで、管理システム30は、受信した管理情報に基づき、既存の管理情報を更新する(ステップS409)。
【0099】
処理がステップS410へ進んだ場合、内部連携部233は、外部データを操作端末300へ送信する(ステップS410)。
次いで、操作端末300の出力制御部341は、通信部310が受信した外部データが制御情報又は表示情報であるか否かを確認する(ステップS411)。制御情報である場合(ステップS411/制御情報)、処理はステップS412へ進む。一方、表示情報である場合(ステップS411/表示情報)、処理はステップS414へ進む。
【0100】
処理がステップS412へ進んだ場合、出力制御部341は、管理制御端末22を介して、制御情報を制御端末21へ送信する(ステップS412)。この時、操作端末300から制御情報を受信した管理制御端末22は、例えば制御情報が示す内容を参照して、制御の対象となる生産設備20に対応する制御端末21へ制御情報を送信する。
制御情報を受信した制御端末21は、当該制御情報に基づき、自端末が管理する生産設備20の稼働を制御する(ステップS413)。
【0101】
処理がステップS414へ進んだ場合、出力制御部341は、出力部350に表示情報を表示させる(ステップS414)。
【0102】
(2)処理の具体例
以上、生産管理システム1における処理全体の流れについて説明した。続いて、
図11から
図14を参照して、処理の具体例について説明する。以下では、一例として、生産の開始を処理の起点とした場合における、生産の開始から完了までの処理の流れについて具体的に説明する。
【0103】
(2-1)作業選択から生産前確認までの処理の流れ
まず、
図11を参照して、作業選択から生産前確認までの処理の流れについて説明する。
図11は、本実施形態に係る作業選択から生産前確認までの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0104】
図11に示すように、まず、作業者は、操作端末300を操作して、開始する作業を選択する(ステップS501)。
作業者からの操作を受け付けた操作端末300は、管理制御端末22と制御端末21を介して、搬送を停止する指示を生産設備20へ送信する(ステップS502)。
指示を受信した生産設備20は、搬送を停止する(ステップS503)。
【0105】
次いで、管理制御端末22は、制御端末21を介して、搬送を停止した生産設備20から生産情報を取得する(ステップS504)。
次いで、管理制御端末22は、中継装置100と中継サーバ400を介して、取得した生産情報をクラウドサーバ500へ送信する(ステップS505)。
【0106】
クラウドサーバ500の設備状態確認部5331は、受信した生産情報に基づき、生産前確認を行う(ステップS506)。生産前確認後、設備状態確認部5331は、確認結果情報を生成する(ステップS507)。
中継装置100の外部データ取得部134は、クラウドサーバ500に対して、定期的に外部データの取得要求を送信する(ステップS508)。
クラウドサーバ500の通信部510が中継装置100から外部データの取得要求を受信した際に、未連携の確認結果情報(例えばステップS507で生成した確認結果情報)があったとする。この場合、クラウドサーバ500の外部データ連携部532は、当該未連携の確認結果情報を取得し、中継装置100とオンプレミスサーバ200を介して操作端末300へ送信する(ステップS509)。
確認結果情報を受信した操作端末300では、出力制御部341が確認結果情報を出力部350に表示させる(ステップS510)。
【0107】
(2-2)作業者による確認結果の確認から在庫更新までの処理の流れ
次に、
図12を参照して、作業者による確認結果の確認から在庫更新までの処理の流れについて説明する。
図12は、本実施形態に係る作業者による確認結果の確認から在庫更新までの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12に示す処理は、例えば、
図11に示した処理のステップS510の後に続けて行われる。
【0108】
図12に示すように、まず、作業者は、操作端末300に表示された確認結果を確認する(ステップS601)。作業者は、全ての確認が正常に完了しているか否かを確認する(ステップS602)。完了していない場合(ステップS602/NO)、処理はステップS603へ進む。一方、完了している場合(ステップS602/YES)、処理はステップS604へ進む。
処理がステップS603へ進んだ場合、作業者は、全ての確認が正常に完了するよう修正対応を行う(ステップS603)。修正対応では、例えば、生産設備20にセットされている材料や治具の変更、生産設備20に設定されている設定値の修正、生産に必要な追加情報の入力などが行われる。なお、設定値の変更は、一括で変更することも可能である。変更後、処理はステップS602へ戻る。
【0109】
処理がステップS604へ進んだ場合、作業者は、操作端末300に対して、生産を開始する操作を行う(ステップS604)。
作業者からの操作を受け付けた操作端末300は、管理制御端末22と制御端末21を介して、搬送の停止を解除する指示を生産設備20へ送信する(ステップS605)。
指示を受信した生産設備20は、搬送を再開する(ステップS606)。これにより、生産設備20による生産が開始される。
【0110】
生産の開始後、管理制御端末22は、制御端末21を介して、生産設備20から生産情報を取得する(ステップS607)。
次いで、管理制御端末22は、中継装置100と中継サーバ400を介して、取得した生産情報をクラウドサーバ500へ送信する(ステップS608)。
次いで、クラウドサーバ500の在庫管理部5333は、通信部510が受信した生産情報に基づき在庫情報を生成し、クラウドサーバ500で管理されている在庫情報を更新する(ステップS609)。
【0111】
(2-3)クラウドサーバによる生産設備の制御に関する処理の流れ
次に、
図13を参照して、クラウドサーバ500による生産設備20の制御に関する処理の流れについて説明する。
図13は、本実施形態に係るクラウドサーバ500による生産設備20の制御に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図13に示す処理は、例えば、
図12に示した処理のステップS609の前後いずれかで行われてもよいし、ステップS609と並行して行われてもよい。
【0112】
図13に示すように、まず、クラウドサーバ500の内部データ管理部531は、通信部510が中継サーバ400から受信した生産情報を記憶部520に記憶させる(ステップS701)。
次いで、クラウドサーバ500の設備制御部5332は、生産情報に基づき、生産設備20の制御が必要であるか否かを確認する(ステップS702)。制御が必要である場合(ステップS702/YES)、処理はステップS703へ進む。一方、制御が必要でない場合(ステップS702/NO)、処理はステップS704へ進む。
処理がステップS703へ進んだ場合、設備制御部5332は、制御情報を外部データとして生成する(ステップS703)。生成後、処理はステップS704へ進む。
中継装置100の外部データ取得部134は、クラウドサーバ500に対して、定期的に外部データの取得要求を送信する(ステップS704)。
クラウドサーバ500の通信部510が中継装置100から外部データの取得要求を受信した際に、未連携の制御情報(例えばステップS703で生成した制御情報)があったとする。この場合、クラウドサーバ500の外部データ連携部532は、当該未連携の制御情報を取得し、中継装置100とオンプレミスサーバ200を介して操作端末300へ送信する(ステップS705)。
【0113】
制御情報を受信した操作端末300では、出力制御部341が、管理制御端末22を介して、制御情報を制御端末21へ送信する(ステップS706)。この時、操作端末300から制御情報を受信した管理制御端末22は、例えば制御情報が示す内容を参照して、制御の対象となる生産設備20に対応する制御端末21へ制御情報を送信する。
制御情報を受信した制御端末21は、当該制御情報に基づき、自端末が管理する生産設備20の稼働を制御する(ステップS707)。
【0114】
(2-4)クラウドサーバによる監視に関する処理の流れ
次に、
図14を参照して、クラウドサーバ500による監視に関する処理の流れについて説明する。
図14は、本実施形態に係るクラウドサーバ500による監視に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図14に示す処理は、例えば、
図12に示した処理のステップS609の前後又はステップS609と並行して行われる。また、
図14に示す処理は、例えば、
図13に示した処理の前後いずれかで行われてもよいし、
図13に示した処理と並行して行われてもよい。
【0115】
図14に示すように、まず、クラウドサーバ500の内部データ管理部531は、通信部510が中継サーバ400から受信した生産情報を記憶部520に記憶させる(ステップS801)。
次いで、クラウドサーバ500の監視部5334は、生産情報に基づき、生産設備20における生産状況の監視と異常発生の予兆の監視を行う(ステップS802)。
次いで、監視部5334は、監視情報を生成する(ステップS803)。この時、異常発生の予兆が検出されていない場合、監視部5334は、生産状況情報のみを含む監視情報を生成してもよい。
【0116】
次いで、監視部5334は、異常の予兆が検出されたか否かを確認する(ステップS804)。異常の予兆が検出された場合(ステップS804/YES)、処理はステップS805へ進む。一方、異常の予兆が検出されなかった場合(ステップS804/NO)、処理はステップS806へ進む。
処理がステップS805へ進んだ場合、設備制御部5332は、制御情報も外部データとして生成する(ステップS805)。ここで生成される制御情報は、例えば、予兆が検出された異常が発生しないように生産設備20の稼働を制御するための情報である。生成後、処理はステップS806へ進む。
中継装置100の外部データ取得部134は、クラウドサーバ500に対して、定期的に外部データの取得要求を送信する(ステップS806)。
クラウドサーバ500の通信部510が中継装置100から外部データの取得要求を受信した際に、未連携の監視情報(例えばステップS803で生成した監視情報)又は制御情報(例えばステップS805で生成した制御情報)があったとする。この場合、クラウドサーバ500の外部データ連携部532は、当該未連携の監視情報又は制御情報を取得し、中継装置100とオンプレミスサーバ200を介して操作端末300へ送信する(ステップS807)。
【0117】
監視情報を受信した操作端末300では、出力制御部341は、出力部350に監視情報を表示する(ステップS808)。作業者は、出力部350に表示された監視情報を確認することで、監視状況を確認する(ステップS809)。
操作端末300は、監視情報とともに制御情報も受信したか否かを確認する(ステップS810)。制御情報も受信した場合(ステップS810/YES)、処理はステップS811へ進む。一方、制御情報を受信しなかった場合(ステップS810/NO)、処理は終了する。
処理がステップS811へ進んだ場合、出力制御部341は、管理制御端末22を介して、制御情報を制御端末21へ送信する(ステップS811)。この時、操作端末300から制御情報を受信した管理制御端末22は、例えば制御情報が示す内容を参照して、制御の対象となる生産設備20に対応する制御端末21へ制御情報を送信する。
制御情報を受信した制御端末21は、当該制御情報に基づき、自端末が管理する生産設備20の稼働を制御する(ステップS812)。
【0118】
以上説明したように、本実施形態に係る生産管理システム1は、工場FC(生産拠点)にあるクローズドネットワークNW1の内部から、クローズドネットワークNW1の外部にある外部システム3に対して定期的に通信を行い、クローズドネットワークNW1の外部から内部へ連携する外部データを、外部システム3から取得する外部データ取得部134と、外部データ取得部134によって取得される外部データを、クローズドネットワークNW1の内部にある設備に対して連携する内部連携中継部135とを備える。
【0119】
かかる構成により、本実施形態に係る生産管理システム1は、クローズドネットワークNW1が構築されている工場FCなどの生産現場について、クローズドネットワークNW1の外部から内部にある設備へデータを送信することを可能とする。
よって、本実施形態に係る生産管理システム1は、クローズドネットワークの外部から内部へデータを送信してクローズドネットワークの内部にある設備を制御することを可能とする。
これにより、生産現場の作業者や管理者は、クローズドネットワークNW1の外部から、クローズドネットワークNW1の内部にある設備を遠隔から制御することや、遠隔から点検作業することなどができる。
【0120】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述した実施形態における生産管理システム1の機能の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0121】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0122】
1…生産管理システム、2…内部システム、3…外部システム、10(10-1~10-N)…センサ端末、20(20-1~20-L)…生産設備、21(21-1~21-K)…制御端末、22…管理制御端末、30(30-1~30-J)…管理システム、31…変換端末、100…中継装置、110…通信部、120…記憶部、130…制御部、131…内部データ取得部、132…データ加工部、133…外部連携中継部、134…外部データ取得部、135…内部連携中継部、200…オンプレミスサーバ、210…通信部、220…記憶部、230…制御部、231…変換部、232…挿入部、233…内部連携部、300…操作端末、310…通信部、320…入力部、330…記憶部、340…制御部、341…出力制御部、350…出力部、400…中継サーバ、410…通信部、420…記憶部、430…制御部、431…変換部、432…挿入部、500…クラウドサーバ、510…通信部、520…記憶部、530…制御部、531…内部データ管理部、532…外部データ連携部、533…生産管理部、5331…設備状態確認部、5332…設備制御部、5333…在庫管理部、5334…監視部、NW1…クローズドネットワーク、NW2…ネットワーク