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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045012
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】磁性部品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20240326BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20240326BHJP
   H01F 41/12 20060101ALI20240326BHJP
   H01F 41/04 20060101ALI20240326BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01F27/29 N
H01F17/04 F
H01F41/12 F
H01F41/04 A
H01F27/28 131
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123580
(22)【出願日】2023-07-28
(31)【優先権主張番号】202211142656.8
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】顧彩利
(72)【発明者】
【氏名】顏▲チュン▼靖
(72)【発明者】
【氏名】員曉霞
(72)【発明者】
【氏名】▲ライ▼志和
(72)【発明者】
【氏名】張少東
【テーマコード(参考)】
5E043
5E044
5E062
5E070
【Fターム(参考)】
5E043EB01
5E043EB05
5E044BB05
5E062FG15
5E070AB02
5E070BA08
5E070CA12
5E070EB02
(57)【要約】
【課題】磁性部品を提供する。
【解決手段】絶縁材料を含む第1部分と、第1部分に接続され、且つ絶縁材料と異なる熱可塑性材料を含む第2部分と、を含むリールと、リールの第1部分に巻き付けられ、且つリールの第2部分に固定される引出端を含むコイルと、リールに貫通される鉄心と、を含む磁性部品。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁材料を含む第1部分と、前記第1部分に接続され、且つ前記絶縁材料と異なる熱可塑性材料を含む第2部分と、を含むリールと、
前記リールの前記第1部分に巻き付けられ、且つ前記リールの前記第2部分に固定される引出端を含むコイルと、
前記リールに貫通される鉄心と、
を含む磁性部品。
【請求項2】
前記リールの前記第2部分は、前記コイルの前記引出端に取り囲んで接触する請求項1に記載の磁性部品。
【請求項3】
前記リールの前記第1部分の前記絶縁材料は、熱硬化性材料である請求項1に記載の磁性部品。
【請求項4】
前記リールの前記第1部分は第1締付構造を含み、前記第2部分は第2締付構造を含み、前記第2締付構造と前記第1締付構造とが互いに係合する請求項1に記載の磁性部品。
【請求項5】
前記リールの前記第1部分は延長構造を含み、前記リールの前記第2部分は前記延長構造を被覆する請求項1に記載の磁性部品。
【請求項6】
前記リールの前記第1部分は貫通孔を有する延長構造を含み、
前記リールの前記第2部分は柱体を含み、前記柱体は前記貫通孔を貫通するように延伸し、且つ前記延長構造に固定して接続される請求項1に記載の磁性部品。
【請求項7】
第1部分と、前記第1部分に接続され、熱可塑性材料を含む第2部分と、を含むリールを提供する工程と、
少なくとも1つのコイルを前記リールの前記第1部分に巻き付け、前記コイルの引出端を前記リールの前記第2部分に設ける工程と、
前記リールの前記第2部分が部分的に溶融して前記コイルの前記引出端を被覆するように、前記リールの前記第2部分を加熱する工程と、
を備える磁性部品の製造方法。
【請求項8】
前記コイルの前記引出端を前記リールの前記第2部分に設ける工程は、前記コイルの前記引出端を前記第2部分の少なくとも1つの溝に設けることを含み、
前記リールの前記第2部分を加熱する工程は、前記少なくとも1つの溝が封止されて前記コイルの前記引出端を被覆するように、前記リールの前記第2部分を加熱する請求項7に記載の磁性部品の製造方法。
【請求項9】
前記溝の2つの側壁によって前記コイルの前記引出端を挟む工程を更に備える請求項8に記載の磁性部品の製造方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの溝は第1溝及び第2溝を含み、前記リールの前記第2部分を加熱する工程は、突起構造を部分的に溶融して前記第1溝及び前記第2溝を封止するように、加熱装置を前記第1溝と前記第2溝との間の前記突起構造に接触させることを含む請求項8に記載の磁性部品の製造方法。
【請求項11】
前記突起構造は前記突起構造の末端に位置するノッチを有し、前記加熱装置は前記突起構造の前記ノッチから加熱するように配置される請求項10に記載の磁性部品の製造方法。
【請求項12】
前記コイルの前記引出端を前記少なくとも1つの溝に設ける前に、前記コイルの前記引出端を円柱形に近似するように整形する工程を更に備える請求項8に記載の磁性部品の製造方法。
【請求項13】
前記リールの前記第1部分と前記第2部分とを熱融着又は係合により結合させる工程を更に備える請求項7に記載の磁性部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、磁性部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩に伴い、変圧器は、電子製品の要求に合わせて高出力を提供しなければならないため、そのコイルの線径がそれに応じて大きくなる必要がある。コイルの線径が大きくなると、コイルの固定が困難となり、従来の変圧器の設計では、コイルを手動で固定しなければならず、効率が低く且つコストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、本開示は、自動生産が可能な磁性部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本開示の幾つかの実施形態によれば、絶縁材料を含む第1部分と、第1部分に接続され、且つ絶縁材料と異なる熱可塑性材料を含む第2部分と、を含むリールと、リールの第1部分に巻き付けられ、且つリールの第2部分に固定される引出端を含むコイルと、リールに貫通される鉄心と、を含む磁性部品である。
【0005】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、リールの第2部分は、コイルの引出端に取り囲んで接触する。
【0006】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、リールの第1部分は、コイルの引出端に取り囲んで接触する。
【0007】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、リールの第1部分は第1締付構造を含み、第2部分は第2締付構造を含み、第2締付構造と第1締付構造とが互いに係合する。
【0008】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、リールの第1部分は延長構造を含み、リールの第2部分は延長構造を被覆する。
【0009】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、リールの第1部分は貫通孔を有する延長構造を含み、リールの第2部分は柱体を含み、柱体は貫通孔を貫通するように延伸し、且つ延長構造に固定して接続される。
【0010】
本開示の幾つかの実施形態によれば、第1部分と、第1部分に接続され、熱可塑性材料を含む第2部分と、を含むリールを提供する工程と、少なくとも1つのコイルをリールの第1部分に巻き付け、コイルの引出端をリールの第2部分に設ける工程と、リールの第2部分が部分的に溶融してコイルの引出端を被覆するように、リールの第2部分を加熱する工程と、を備える磁性部品の製造方法である。
【0011】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、コイルの引出端をリールの第2部分に設ける工程は、コイルの引出端を第2部分の少なくとも1つの溝に設けることを含み、少なくとも1つの溝が封止されてコイルの引出端を被覆するように、リールの第2部分を加熱する。
【0012】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、磁性部品の製造方法は、溝の2つの側壁によってコイルの引出端を挟む工程を更に備える。
【0013】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、リールの第2部分は、第1溝及び第2溝を含み、リールの第2部分を加熱する工程は、突起構造を部分的に溶融して第1溝及び第2溝を封止するように、加熱装置を第1溝と第2溝との間の突起構造に接触させることを含む。
【0014】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、突起構造は、突起構造の末端に位置するノッチを有し、加熱装置は突起構造のノッチから加熱するように配置される。
【0015】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、磁性部品の製造方法は、コイルの引出端を少なくとも1つの溝に設ける前に、コイルの引出端を円柱形に近似するように整形する工程を更に備える。
【0016】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、磁性部品の製造方法は、リールの第1部分と第2部分とを熱融着又は係合により結合させる工程を更に備える。
【発明の効果】
【0017】
以上を纏めると、本開示の磁性部品において、リールは、コイルを巻き付けるための第1部分と、コイルの引出端を固定するための第2部分と、を含み、ここで第2部分は熱可塑性材料を含む。磁性部品を製造する際に、コイルの引出端をリールの第2部分に位置決めしてから(例えば、コイルの引出端を第2部分の溝に嵌め込む)、第2部分が部分的に溶融してコイルの引出端を被覆するように、リールの第2部分を加熱し、第2部分が冷却された後で、コイルの引出端を固定してよい。上記配置により、磁性部品の自動生産を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
下記の添付図面についての説明は、本開示の上記及び他の目的、特徴、利点及び実施形態をより分かりやすくするためのものである。
図1】本開示の一実施形態による磁性部品の正面図を示す。
図2】本開示の一実施形態による磁性部品の背面図を示す。
図3図2に示す磁性部品のリールを線2-2'に沿って切った断面図を示す。
図4】コイルが装着される前の磁性部品の分解図を示す。
図5図4に示すリールの分解図を示す。
図6】本開示の別の実施形態によるリールの上面図を示す。
図7図6に示す磁性部品のリールを線6-6'に沿って切った断面図を示す。
図8】本開示の別の実施形態によるリールの上面図を示す。
図9図8に示す磁性部品のリールを線8-8'に沿って切った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示をより詳細且つ完全に説明するために、添付図面及び以下の様々な実施形態を参照してよい。図面における各部品は、縮尺通りに描かれておらず、本開示を説明するためのものに過ぎない。以下、本開示を全体的に理解するために、多くの実際的な細部を説明するが、当業者であれば、1つ又は複数の実際的な細部がない場合に本開示を実施することができることは理解すべきである。よって、これらの細部は、本開示を限定するために用いられるべきではない。
【0020】
本開示の一実施形態による磁性部品10の正面図を示す図1を参照されたい。磁性部品10は、少なくとも1つの第1コイル21、少なくとも1つの第2コイル22、リール30、及び鉄心50を含む。第1コイル21と第2コイル22とは、互いに分離して設けられるように、リール30の第1部分31に巻き付けられる。リール30の第1部分31は、例えば、ベークライトのような絶縁材料を含む。鉄心50は、リール30に貫通され、具体的には、リール30を覆い、且つリール30の中心の開口を貫通するように延伸する(図4参照)。
【0021】
図1に示すように、本実施形態において、磁性部品10は、変圧器であり(他の実施例において、磁性部品はインダクタンス部品であってもよい)、第1コイル21は二次側コイルであり、第2コイル22は一次側コイルである。第1コイル21は、大きな電流に耐えるために、マルチストランドであってよい。リール30は複数の導電ピン33を更に含み、導電ピン33は第1部分31に固定して設けられ、本実施例において、導電ピン33は、第1部分31の対向する両側に設けられる。第2コイル22は、導電ピン33に接続される(図面において、第2コイル22が1つの導電ピン33に接続される様子のみが示されるが、他の導電ピン33は第2コイル22に接続されてもよい)。
【0022】
図2及び図3を参照されたい。図2図1に示す磁性部品10の背面図を示し、図3図2に示す磁性部品10のリール30の線2-2'に沿って切った断面図を示す。リール30は、第1部分31に接続される第2部分32を更に含み、本実施例において、第2部分32は、第1部分31の一側に設けられるが、他の実施例において、第1部分31の対向する両側に設けられてよい。リール30の第2部分32は、第1部分31に含まれる絶縁材料と異なる熱可塑性材料を含む。第1コイル21は、リール30の第2部分32に固定される引出端23を含む(即ち、第1コイル21の末端の導電材料から露出した部分)。幾つかの実施形態において、リール30の第2部分32は、第1コイル21の引出端23を被覆し、例えば、リール30の第2部分32は、引出端23を取り囲み、且つ引出端23の外周面に接触してよい。
【0023】
本開示の磁性部品10において、リール30は、第1コイル21の引出端23を固定するための第2部分32を含み、且つ第2部分32は熱可塑性材料を含む。磁性部品10を製造する際に、第1コイル21の引出端23をリール30の第2部分32に設けてから、リール30の第2部分32を、部分的に溶融して引出端23を被覆するように加熱し、第2部分32が冷却された後で、引出端23を固定してよい。線出口端23を位置決めする工程及び次のリール30の第2部分32を加熱する工程は何れも機械によって実行されてよいので、磁性部品10は、高度に自動化又は完全自動化された方法で生産されてよく、人件費を節約するだけでなく、生産効率を向上させることもできる。
【0024】
一方、リール30の第1部分31は、第1コイル21及び第2コイル22により巻き付けられるために用いられ、第1コイル21及び第2コイル22を熱融着して固定する必要はないため、熱硬化性材料を使用してよい。実際の要求に応じて、第1コイル21及び第2コイル22は、機械によって自動的に巻き付けられてよい。
【0025】
コイルが装着される前の磁性部品の分解図を示す図4を参照されたい。幾つかの実施形態において、引出端23を被覆する第2部分32を熱融着することで形成する前に、リール30Aの第2部分32Aは、第1コイル21の引出端23(図2参照)を収容するための1つ又は複数の溝35を有する。磁性部品10を製造する際に、第1コイル21の引出端23をリール30Aの第2部分32Aの溝35内に設けてから、溝35を封止するようにリール30Aの第2部分32Aを加熱してよく、これにより、引出端23は、前の図面に示すように、リール30の第2部分32に被覆されて固定されてよい。
【0026】
図4に示すように、幾つかの実施形態において、溝35の所定の幅が引出端23(図2参照)の直径より小さく、外力を加えることで引出端23を溝35に圧入する必要がある。上記寸法の違いにより、引出端23が溝35に圧入されたら、引出端23の意外な変位を回避するように、溝35の2つの側壁は第1コイル21の引出端23を挟み、これにより、リール30Aの第2部分32Aを後で加熱することで引出端23を固定しやすい。
【0027】
図4に示すように、幾つかの実施形態において、隣接する溝35は突起構造36によって仕切られ、磁性部品10を製造する際に、突起構造36を部分的に溶融して突起構造36の両側の溝35を封止するように、加熱装置(図示せず)を突起構造36に接触させてよい。幾つかの実施形態において、加熱装置によって突起構造36が部分的に溶融した後、溶融した熱可塑性材料が左右に広がって隣の溝35を封止するように、更に加熱装置で突起構造36の溶融した部分を押してよい。
【0028】
図4に示すように、幾つかの実施形態において、突起構造36は、突起構造36の末端に位置するノッチ37を有する。磁性部品10を製造する際に、ノッチ37の隣の熱可塑性材料が溶融して隣接する溝35を封止するように、加熱装置で突起構造36のノッチ37から加熱してよい(例えば、加熱装置は、ノッチ37に伸び込んでノッチ37の内面に当接する少なくとも1つの突起部を含んでよい)。一方、上記のように、線出口端23を挟んで固定するために、溝35の所定の幅を線出口端23の直径より小さくしてよい。突起構造36にノッチ37が設けられる場合、引出端23を溝35に圧入するための力を低減してよい。
【0029】
上記のように、磁性部品10が変圧器である実施形態において、第1コイル21は、マルチストランドを含む二次側コイルである。マルチストランドは、通常、外径公差が大きく、形状が不規則である。これに鑑みて、幾つかの実施形態において、第1コイル21の引出端23を第2部分32Aの溝35内に設ける前に、引出端23と溝35との嵌合を容易にするために、引出端23を円柱形に近似するように整形してよい(引出端23の横断面が円形に近似する)。
【0030】
図4に示すように、幾つかの実施形態において、鉄心50は第1磁性部材51及び第2磁性部材52を含み、第1磁性部材51及び第2磁性部材52は例えばE型磁心であり、それぞれ平面部53、軸部56、及び側壁部57を含み、ここで第1磁性部材51の平面部53と第2磁性部材52の平面部53はそれぞれリール30Aの第1部分31の頂部及び底部に対向し、軸部56は第1部分31の中心の開口34を貫通するように延伸し、側壁部57は第1部分31の側面に対向する。閉磁路を形成するように、第1磁性部材51の軸部56及び側壁部57は、それぞれ第2磁性部材52の軸部56及び側壁部57に当接する。
【0031】
図4に示すリール30Aの分解図を示す図5を参照されたい。幾つかの実施形態において、リール30Aの第1部分31と第2部分32Aとを係合により結合させてよい。具体的には、リール30Aの第1部分31は第1締付構造M1を含み、第2部分32Aは第2締付構造M2を含み、第2締付構造M2と第1締付構造M1とが互いに係合する。第1締付構造M1は、1つ又は複数の凸部Pを含んでよく、第2締付構造M2の対応する位置でのノッチQに挿入するように配置される。第1締付構造M1は、1つ又は複数のノッチQを含んでもよく、第2締付構造M2の対応する位置での凸部Pを受けるように配置される。幾つかの実施形態において、リール30Aの第1部分31は延長構造38を含み、第1締付構造M1は延長構造38の端面に設けられる。
【0032】
図6及び図7を参照されたい。本実施形態は、本実施形態のリール30Bの第1部分31Bと第2部分32Bとが熱融着で結合されることに、前述の実施形態と異なっている。具体的には、本実施形態において、リール30Bの第2部分32Bは、第1部分31Bの延長構造38Bに外嵌されて、第2部分32Bが部分的に溶融して延長構造38Bを被覆するように、熱可塑性材料を含む第2部分32Bの縁部で加熱し、第2部分32Bが冷却された後で、延長構造38Bを固定して接続してよい。幾つかの実施形態において、延長構造38Bは1つ又は複数のスロット(図示せず)を有してよく、第2部分32Bが加熱されたら一部が溶融してスロットに流入し、第2部分32Bが冷却されたらスロットと係合して固定してよい。
【0033】
リール30Bの第2部分32Bは、図面に示すように、延長構造38Bの周面Sを完全に覆ってよいが、これに限定されない。他の実施形態において、リール30Bの第2部分32Bは、延長構造38Bの周面Sが部分的に露出するように、延長構造38Bの周面Sを部分的に覆ってもよく、これにより、同様に第2部分32Bを固定することができる。
【0034】
図8及び図9を参照されたい。本実施形態において、リール30Cの第1部分31C及び第2部分32Cも熱融着で結合されるが、その形式は前の実施形態と異なる。具体的には、本実施形態において、リール30Cの第1部分31Cの延長構造38Cは、第1表面61と、第1表面61に対向する第2表面62と、第1表面61から第2表面62まで延びる少なくとも1つの貫通孔65と、を有する。リール30Cの第2部分32Cは、延長構造38Cの第1表面61に当接し、且つ少なくとも1つの柱体70を含み、柱体70が貫通孔65を貫通するように延伸し、且つ柱体70の末端にヘッド部75を有し、ヘッド部75の幅は貫通孔65の幅より大きく、第2部分32Cを延長構造38Cに固定することができる。
【0035】
ヘッド部75は、熱可塑性材料を含む第2部分32Cを加熱することで形成される。加熱によってヘッド部75を形成する前に、柱体全体の幅は貫通孔65の幅より小さく、柱体が貫通孔65を貫通できるようにする。柱体が貫通孔65を貫通した後、柱体70の貫通孔65外に延びた部分を加熱することで、それを溶融させて幅が貫通孔65より大きいヘッド部75を形成することができる。
【0036】
以上を纏めると、本開示の磁性部品において、リールは、コイルを巻き付けるための第1部分と、コイルの引出端を固定するための第2部分と、を含み、ここで第2部分は熱可塑性材料を含む。磁性部品を製造する際に、コイルの引出端をリールの第2部分に位置決めしてから(例えば、コイルの引出端を第2部分の溝に嵌め込む)、第2部分が部分的に溶融してコイルの引出端を被覆するように、リールの第2部分を加熱し、第2部分が冷却された後で、コイルの引出端を固定してよい。上記配置により、磁性部品の自動生産を達成することができる。
【0037】
本開示は実施形態で以上のように開示されたが、それは本開示を限定するものではなく、当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができる。よって、本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に定義されたものを基準とする。
【符号の説明】
【0038】
10 磁性部品
21 第1コイル
22 第2コイル
23 引出端
30、30A、30B、30C リール
31、31B、31C 第1部分
32、32A、32B、32C 第2部分
33 導電ピン
34 開口
35 溝
36 突起構造
37 ノッチ
38、38B、38C 延長構造
50 鉄心
51 第1磁性部材
52 第2磁性部材
53 平面部
56 軸部
57 側壁部
61 第1表面
62 第2表面
65 貫通孔
70 柱体
75 ヘッド部
M1 第1締付構造
M2 第2締付構造
P 凸部
Q ノッチ
S 周面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9