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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045014
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240326BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20240326BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20240326BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L29/80 U
H01L29/80 H
H01L29/44 S
H01L29/50 J
H01L21/88 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126345
(22)【出願日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2022150377
(32)【優先日】2022-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000154325
【氏名又は名称】住友電工デバイス・イノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】朱 雷
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA04
4M104AA07
4M104BB04
4M104BB05
4M104BB09
4M104BB14
4M104CC01
4M104CC03
4M104FF02
4M104FF06
4M104FF17
4M104FF22
4M104FF27
4M104GG12
4M104HH20
5F033GG02
5F033HH12
5F033HH14
5F033JJ01
5F033KK18
5F033NN09
5F033NN34
5F033VV05
5F033XX22
5F102FA04
5F102GB01
5F102GB02
5F102GC01
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ05
5F102GJ10
5F102GL04
5F102GL05
5F102GM04
5F102GM06
5F102GQ01
5F102GR09
5F102GS01
5F102GS09
5F102GT01
5F102HC10
(57)【要約】
【課題】トランジスタ内の温度分布を小さくする半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、基板と、前記基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層上に設けられたゲート電極14と、前記半導体層上に設けられたドレイン電極16と、前記半導体層上に設けられ、前記ドレイン電極とで前記ゲート電極を挟むソース電極12と、を備え、前記基板および前記半導体層には、前記基板の厚さ方向から見て前記ソース電極に重なり、前記半導体層および前記基板を貫通し、前記ソース電極の延伸方向に配列された複数のバイアホール22a、22bが設けられ、前記複数のバイアホールは、前記ゲート電極における信号が入力する第1端に最も近く、かつ前記ソース電極に接触する第1面積を有する第1バイアホール22bを有し、前記第1面積は、前記複数のバイアホールが前記ソース電極にそれぞれ接触する複数の面積のうち最も小さい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた半導体層と、
前記半導体層上に設けられたゲート電極と、
前記半導体層上に設けられたドレイン電極と、
前記半導体層上に設けられ、前記ドレイン電極とで前記ゲート電極を挟むソース電極と、
を備え、
前記基板および前記半導体層には、前記基板の厚さ方向から見て前記ソース電極に重なり、前記半導体層および前記基板を貫通し、前記ソース電極の延伸方向に配列された複数のバイアホールが設けられ、
前記複数のバイアホールは、前記ゲート電極における信号が入力する第1端に最も近く、かつ前記ソース電極に接触する第1面積を有する第1バイアホールを有し、
前記第1面積は、前記複数のバイアホールが前記ソース電極にそれぞれ接触する複数の面積のうち最も小さい半導体装置。
【請求項2】
前記基板は炭化シリコン基板またはダイヤモンド基板である請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記基板は、4H炭化シリコン基板または6H炭化シリコン基板である請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記複数のバイアホールは、前記ゲート電極における前記第1端の反対の端である第2端に最も近く、かつ前記ソース電極に接触する第2面積を有する第2バイアホールを有し、
前記第2面積は、前記複数の面積のうち最も大きい請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数のバイアホール内に充填され、前記基板の熱伝導率より低い熱伝導率を有する充填材を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記複数のバイアホールの内部には空洞が存在する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記基板下に設けられ、前記複数のバイアホールを介し前記ソース電極と電気的に接続する金属層を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記複数のバイアホールは、前記第1バイアホールと前記第2バイアホールとの間に設けられ、前記ソース電極に接触する第3面積は、前記第1面積より大きくかつ前記第2面積より小さい第3バイアホールを有する請求項4に記載の半導体装置。
【請求項9】
複数の前記ソース電極と複数の前記ドレイン電極とは互い違いに設けられ、複数の前記ゲート電極の各々は、前記複数のソース電極の1つと前記複数のドレイン電極の1つとに挟まれ、
前記複数のゲート電極の第1端はゲートバスバーに電気的に接続される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
複数の前記ソース電極と複数の前記ドレイン電極とは互い違いに設けられ、複数の前記ゲート電極の各々は、前記複数のソース電極の1つと前記複数のドレイン電極の1つとに挟まれ、
前記複数のソース電極のうち第1ソース電極に対応する前記第1面積と、前記複数のソース電極のうち第1ソース電極に隣接する第2ソース電極に対応する前記第1面積と、は等しく、
前記第1ソース電極に対応する前記第2面積と、前記第2ソース電極に対応する前記第2面積と、は等しい請求項4に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記複数のバイアホールは、前記第1バイアホールと前記第2バイアホールとの間に設けられ、前記ソース電極に接触する第3面積は、前記第1面積より大きくかつ前記第2面積より小さい第3バイアホールを有し、
前記第1ソース電極に対応する前記第3面積と、前記第2ソース電極に対応する前記第3面積と、は等しい請求項10に記載の半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ソース電極、ゲート電極およびドレイン電極を有する電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)において、ソース電極にバイアホールを接続することが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-150127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲート電極の抵抗に起因し、ゲート電極の延伸方向においてゲート電圧の分布が生じる。これにより、トランジスタ内に延伸方向において温度分布が生じ、利得が低下する。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みなされたものであり、トランジスタ内の温度分布を小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、基板と、前記基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層上に設けられたゲート電極と、前記半導体層上に設けられたドレイン電極と、前記半導体層上に設けられ、前記ドレイン電極とで前記ゲート電極を挟むソース電極と、を備え、前記基板および前記半導体層には、前記基板の厚さ方向から見て前記ソース電極に重なり、前記半導体層および前記基板を貫通し、前記ソース電極の延伸方向に配列された複数のバイアホールが設けられ、前記複数のバイアホールは、前記ゲート電極における信号が入力する第1端に最も近く、かつ前記ソース電極に接触する第1面積を有する第1バイアホールを有し、前記第1面積は、前記複数のバイアホールが前記ソース電極にそれぞれ接触する複数の面積のうち最も小さい半導体装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、トランジスタ内の温度分布を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。
図2図2は、図1のA-A断面図である。
図3図3は、図1のB-B断面図である。
図4図4は、比較例1に係る半導体装置の平面図である。
図5図5は、実施例1において、実装基板上に半導体チップが実装された例を示す断面図である。
図6図6は、実施例1におけるバイアホールの別の例を示す断面図である。
図7図7は、実施例2に係る半導体装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態は、基板と、前記基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層上に設けられたゲート電極と、前記半導体層上に設けられたドレイン電極と、前記半導体層上に設けられ、前記ドレイン電極とで前記ゲート電極を挟むソース電極と、を備え、前記基板および前記半導体層には、前記基板の厚さ方向から見て前記ソース電極に重なり、前記半導体層および前記基板を貫通し、前記ソース電極の延伸方向に配列された複数のバイアホールが設けられ、前記複数のバイアホールは、前記ゲート電極における信号が入力する第1端に最も近く、かつ前記ソース電極に接触する第1面積を有する第1バイアホールを有し、前記第1面積は、前記複数のバイアホールが前記ソース電極にそれぞれ接触する複数の面積のうち最も小さい半導体装置である。これにより、トランジスタ内の温度分布を小さくできる。
(2)上記(1)において、前記基板は炭化シリコン基板またはダイヤモンド基板であってもよい。
(3)上記(1)において、前記基板は、4H炭化シリコン基板または6H炭化シリコン基板であってもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記複数のバイアホールは、前記ゲート電極における前記第1端の反対の端である第2端に最も近く、かつ前記ソース電極に接触する第2面積を有する第2バイアホールを有し、前記第2面積は、前記複数の面積のうち最も大きくてもよい。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記複数のバイアホール内に充填され、前記基板の熱伝導率より低い熱伝導率を有する充填材を備えてもよい。
(6)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記複数のバイアホールの内部には空洞が存在してもよい。
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記基板下に設けられ、前記複数のバイアホールを介し前記ソース電極と電気的に接続する金属層を備えてもよい。
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記複数のバイアホールは、前記第1バイアホールと前記第2バイアホールとの間に設けられ、前記ソース電極に接触する第3面積は、前記第1面積より大きくかつ前記第2面積より小さい第3バイアホールを有してもよい。
(9)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、複数の前記ソース電極と複数の前記ドレイン電極とは互い違いに設けられ、複数の前記ゲート電極の各々は、前記複数のソース電極の1つと前記複数のドレイン電極の1つとに挟まれ、前記複数のゲート電極の第1端はゲートバスバーに電気的に接続されてもよい。
(10)上記(4)または(8)において、複数の前記ソース電極と複数の前記ドレイン電極とは互い違いに設けられ、複数の前記ゲート電極の各々は、前記複数のソース電極の1つと前記複数のドレイン電極の1つとに挟まれ、前記複数のソース電極のうち第1ソース電極に対応する前記第1面積と、前記複数のソース電極のうち第1ソース電極に隣接する第2ソース電極に対応する前記第1面積と、は等しく、前記第1ソース電極に対応する前記第2面積と、前記第2ソース電極に対応する前記第2面積と、は等しくてもよい。
(11)上記(10)において、前記複数のバイアホールは、前記第1バイアホールと前記第2バイアホールとの間に設けられ、前記ソース電極に接触する第3面積は、前記第1面積より大きくかつ前記第2面積より小さい第3バイアホールを有し、前記第1ソース電極に対応する前記第3面積と、前記第2ソース電極に対応してもよい。
【0010】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態にかかる半導体装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0011】
[実施例1]
図1は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。図2は、図1のA-A断面図、図3は、図1のB-B断面図である。基板10の表面30の法線方向をZ方向、各電極(フィンガ)の配列方向をX方向、各電極の延伸方向をY方向とする。図1等の平面図では、ソース電極12、ドレイン電極16およびドレインバスバー26をクロスハッチングで示している。
【0012】
図1から図3に示すように、実施例1の半導体装置50では、基板10の表面30に複数の単位FET35が設けられている。単位FET35はX方向に配列されている。単位FET35の個数は複数であればよい。
【0013】
基板10は、基板10aと基板10a上に設けられた半導体層10bを備えている。基板10には活性領域11が設けられている。活性領域11以外の領域はイオン注入等により半導体層10bが不活性化された非活性領域13である。すなわち、活性領域11は基板10内の半導体層10bが活性化された領域であり、非活性領域は半導体層10bが不活性化された領域である。FET35は活性領域11に設けられている。
【0014】
FET35では、基板10の表面30における活性領域11上にソース電極12(ソースフィンガ)、ゲート電極14(ゲートフィンガ)およびドレイン電極16(ドレインフィンガ)がY方向に延伸して設けられている。ソース電極12、ゲート電極14およびドレイン電極16の平面形状は略矩形であり、矩形の長辺はY方向に延伸する。ソース電極12、ゲート電極14およびドレイン電極16はX方向に配列する。
【0015】
X方向にソース電極12とドレイン電極16とが交互に設けられている。ゲート電極14は1つのソース電極12と1つのドレイン電極16とに挟まれている。ゲート電極14を挟むソース電極12とドレイン電極16とは1つの単位FET35を形成する。隣接する単位FET35はソース電極12またはドレイン電極16を共有する。複数の単位FET35はX方向に配列されている。
【0016】
基板10の表面30における非活性領域13上にゲートバスバー24およびドレインバスバー26がX方向に延伸し設けられている。複数のゲート電極14のY方向における-Y端はゲートバスバー24に接続されている。複数のドレイン電極16のY方向における+Y端はドレインバスバー26に接続されている。
【0017】
ソース電極12、ドレイン電極16、ドレインバスバー26は、半導体層10b上に設けられたオーミック金属層18aと低抵抗層18bとを備える。オーミック金属層18aは半導体層10bにオーミックコンタクトする。低抵抗層18bの材料はオーミック金属層18aの材料より抵抗率が低い。低抵抗層18bはオーミック金属層18aより厚い。これにより、低抵抗層18bのシート抵抗はオーミック金属層18aのシート抵抗より低い。ゲートバスバー24は、半導体層10b上に設けられたゲート金属層14aと低抵抗層18bとを備える。ゲート金属層14aはゲート電極14と同じ金属層である。
【0018】
ソース電極12の下に基板10を貫通するバイアホール22aおよび22bが設けられている。バイアホール22aおよび22bはY方向に配列されている。バイアホール22aはドレインバスバー26に近く、バイアホール22bはゲートバスバー24に近い。バイアホール22aおよび22bの平面形状は例えば略楕円形または略円形である。バイアホール22aの長軸方向はY方向であり、短軸はX方向である。バイアホール22aの平面面積(ソース電極12に接触する領域における面積)は、バイアホール22bの平面面積より大きい。基板10の厚さ方向(Z方向)から見て、バイアホール22aおよび22bはソース電極12に重なり、ソース電極12にバイアホール22aおよび22bが接続する領域はソース電極12内に収まる。すなわち、基板10の表面30においてソース電極12の外にバイアホール22aおよび22bは設けられていない。
【0019】
基板10の裏面31に金属層34が設けられている。金属層34には、例えばグランド電位等の基準電位が供給される。バイアホール22aおよび22bの側面および上面に金属層34aが設けられている。金属層34aは、金属層34とソース電極12とを電気的に接続し短絡させる。金属層34aは金属層34と同じ金属層であり、同時に形成されている。バイアホール22aおよび22b内の金属層34a内に空洞33が設けられている。空洞33内は、空気等の気体が充満している。
【0020】
半導体装置が例えば窒化物半導体装置の場合、基板10aは例えば炭化シリコン(SiC)基板、ダイヤモンド基板、シリコン基板、窒化ガリウム(GaN)基板またはサファイア基板である。半導体層10bは例えばGaN層、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層および/または窒化インジウムガリウム(InGaN)層等の窒化物半導体層を含む。GaN HEMT(High Electron Mobility Transistor)の場合、半導体層10bは、GaN電子走行層と、GaN電子走行層上に設けられたAlGaNバリア層と、を含む。半導体装置が例えばGaAs系半導体装置の場合、基板10aは例えば砒化ガリウム(GaAs)基板である。半導体層10bは例えばGaAs層、砒化アルミニウムガリウム(AlGaAs)層および/または砒化インジウムガリウム(InGaAs)層等の砒化物半導体層を含む。オーミック金属層18aは、例えば基板10上に設けられた密着膜(例えばチタン膜)および密着膜上に設けられたアルミニウム膜である。低抵抗層18bは例えば金層である。ゲート電極14およびゲート金属層14aは、例えば基板10上に設けられた密着膜(例えばニッケル膜)および密着膜上に設けられた金膜である。
【0021】
ソース電極12のY方向の幅S0は、一例として320μmである。ソース電極12の+Y端とバイアホール22aの+Y端との距離S1は、一例として50μmである。バイアホール22aの-Y端とバイアホール22bの+Y端との距離S2は、一例として150μmである。ソース電極12の-Y端とバイアホール22bの-Y端との距離S4は、一例として50μmである。ソース電極12のX方向の幅S5は、一例として50μmである。ソース電極12とドレインバスバー26との間の距離S6は、一例として50μmである、ソース電極12とゲートバスバー24との間の距離S7は、一例として50μmである。バイアホール22aのY方向における幅H1は、一例として50μmである、バイアホール22bのY方向における幅H2は、一例として20μmである。バイアホール22aおよび22bのX方向における幅H4は、一例として20μmである。
【0022】
ゲート電極14のX方向の長さはゲート長であり、例えば0.05μm~5μmである。活性領域11のY方向の幅は単位FET35のゲート幅であり、例えば10μm~1000μmである。ソース電極12のX方向の幅は例えば50μm~220μmであり、ドレイン電極16のX方向の幅は例えば5μm~500μmである。ゲートバスバー24およびドレインバスバー26のY方向の幅は例えば10μm~500μmである。基板10の厚さは例えば10μm~500μmである。半導体層10bの厚さは、基板10aの厚さより小さく、基板10aの厚さの例えば1/5倍以下である。
【0023】
[比較例1]
図4は、比較例1に係る半導体装置の平面図である。図4に示すように、比較例1の半導体装置では、2個のバイアホール22の平面形状は同じであり、平面面積は同じである。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0024】
例えば、半導体装置としてFETが移動体通信システムの基地局の増幅回路に用いられる場合、用いられる高周波信号の周波数は例えば0.5GHzから100GHzである。無線通信の性能を向上させるためには、FETの利得を向上させることになる。利得を向上させるためにはゲート長を短縮する。また、増幅回路の高出力化のためにはゲート幅を大きくする。FETのゲート長を短くし、ゲート幅を広くすると、ゲート電極14の抵抗(すなわち、ゲート抵抗)が高くなる。
【0025】
単位FET35のゲート電極14にはゲートバスバー24から高周波信号等の信号が入力する。ゲート抵抗が高い場合、図4のようにゲート電極14内の位置をゲートバスバー24の方からP1、P2、P3およびP4とすると、ゲート電極14内の電圧(すなわち、高周波信号の電圧の振幅)は位置P1からP4に向かうに従い低くなる。すなわち、入力する信号は位置P1からP4に向かうにしたがい減衰する。このため、単位FET35内のゲートバスバー24から遠い領域35aにおいて発生する熱は、ゲートバスバー24に近い領域35bにおいて発生する熱より小さくなる。よって、領域35aの温度は領域35bの温度より低くなる。これにより、単位FET35内の領域35aの利得と、単位FET35内の領域35b内の利得と、が異なる。1つの単位FET35内で利得の分布が生じると、単位FET35全体としての利得が低下してしまう。高周波信号の周波数が高くなると、ゲート抵抗の影響がより大きくなり、単位FET35の利得がより低下してしまう。
【0026】
バイアホール22は、ソースインダクタンスを抑制するために設けられている。ところが、バイアホール22の内部の熱伝導率が基板10aの熱伝導率より小さい場合、バイアホール22を介した単位FET35から基板10の裏面31への熱抵抗は、バイアホール22を設けない場合の単位FET35から基板10の裏面31への熱抵抗より高くなる。
【0027】
そこで、実施例1では、図1から図3のように、バイアホール22b(第1バイアホール)は、ソース電極12に設けられた複数のバイアホールのうち、ゲート電極14の信号が入力する第1端(ゲートバスバー24に接続される端)に最も近い。バイアホール22a(第2バイアホール)は、ソース電極12に設けられた複数のバイアホールのうち、ゲート電極14の第1端の反対の第2端に最も近い。このとき、バイアホール22bがソース電極12に接触する第1面積を、バイアホール22aがソース電極12に接触する第2面積より小さくする。これにより、図1における単位FET35の領域35aと基板10の裏面31との間の熱抵抗は、単位FET35の領域35bと基板10の裏面31との間の熱抵抗より高くなる。このため、領域35bにおいて発生した熱は、領域35aにおいて発生した熱より効率的に基板10の裏面31に伝導する。よって、領域35aの温度と領域35bの温度との差が比較例1より小さくなり、単位FET内の温度分布が小さくなる。これにより、1つの単位FET35内での利得の分布が比較例1より小さくなり、単位FET35としての利得が比較例1より向上する。
【0028】
図2および図3のように、バイアホール22aおよび22bの少なくとも一部は空洞33である。このように、バイアホール22aおよび22b内が空洞33の場合、空気の熱伝導率は約0.026W/(m・K)と非常に小さく、バイアホール22aおよび22bを介して熱が伝導しにくくなる。このため、領域35aの温度と領域35bの温度との差がより小さくなる。これにより、1つの単位FET35内での利得の分布が小さくなり、単位FET35としての利得が比較例1より向上する。
【0029】
バイアホール22bがソース電極12に接触する第1面積は、例えば、バイアホール22aがソース電極12に接触する第2面積の3/4以下であり、好ましくは1/2以下である。これにより、単位FET35内の温度分布を小さくできる。第1面積が小さくなりすぎると、ソースインダクタンスが大きくなる。そこで、第1面積は、例えば第2面積の1/10以上である。これにより、ソースインダクタンスを低減できる。
【0030】
ソース電極12においてバイアホール22aおよび22bからの距離が長い箇所へは、グランド電位が供給しにくくなるため、インダクタンス成分が大きくなる。この観点から、1つのソース電極12に設けられるバイアホール22aおよび22bが2個の場合、例えば距離S2は、距離S1の2倍程度かつ距離S3の約2倍程度である。さらに、単位FET35内の温度分布を小さくするために、S1からS3の関係が設定される。これらを考慮して、距離S2は、例えば距離S1またはS3の1倍以上かつ10倍以下であり、好ましくは1.5倍以上かつ5倍以下とすることができる。
【0031】
金属層34は、基板10の表面30と反対の裏面31に設けられ、バイアホール22aおよび22bを介しソース電極12に電気的に接続され、短絡される。これにより、ソース電極12と金属層34との間のインダクタンスを小さくできる。金属層34に基準電位が供給される場合には、ソースインダクタンスを小さくできる。
【0032】
複数のゲート電極14の-Y端はゲートバスバー24に電気的に接続される。これにより、ゲートバスバー24からゲート電極14に信号が入力する。よって、比較例1では、領域35bの温度が領域35aの温度より高くなる。そこで、バイアホール22bの平面面積をバイアホール22aの平面面積より小さくすることで、単位FET35内の温度分布を小さくできる。
【0033】
複数の単位FET35のうち1つの単位FET35内の温度分布は、他の単位FET35内の温度分布とほぼ同じである。そこで、複数のソース電極12のうち第1ソース電極に対応するバイアホール22bの第1面積と、複数のソース電極12のうち第1ソース電極に隣接する第2ソース電極に対応する第1面積と、を等しくする。第1ソース電極に対応する第2面積と、第2ソース電極に対応する第2面積とを、を等しくする。これにより、第1単位FET内の温度分布と第2単位FET内の温度分布とを共に小さくできる。
【0034】
また、第1ソース電極における距離S1、S2およびS4を、第1ソース電極に隣接する第2ソース電極における距離S1、S2およびS4とそれぞれ等しくする。これにより、第1単位FET内の温度分布と第2単位FET内の温度分布とを共により小さくできる。なお、第1ソース電極における第1面積、第2面積、距離S1、S2およびS4と、第2ソース電極における第1面積、第2面積、距離S1、S2およびS4と、がそれぞれ等しい(略等しい)とは、第1単位FET内の温度分布と第2単位FET内の温度分布とが同程度に小さくできる範囲で等しければよい。例えば、対象となる数値の差(例えば第1ソース電極における第1面積と第2ソース電極における第1面積との差)が、対象となる平均値(例えば第1ソース電極における第1面積と第2ソース電極における第1面積との平均値)の10%以内であればよい。
【0035】
金属層34aは、バイアホール22aおよび22bの側面に設けられ、ソース電極12と金属層34とを電気的に接続する。バイアホール22aおよび22bにおける金属層34aの内側は空洞33である。これにより、バイアホール22aおよび22b内の一部を空洞33とし、ソース電極12と金属層34とを電気的に接続させ、短絡させることができる。バイアホール22aおよび22b内に空洞33を設けるため、バイアホール22aおよび22b内の金属層34aの厚さT2は、基板10の厚さT1の1/2以下が好ましく、1/10以下がより好ましい。金属層34aの抵抗が高くならない観点から、厚さT2は、例えば厚さT1の1/100以上である。
【0036】
バイアホール22aおよび22bの平面形状は、円形状および楕円形状以外に、長円形状、角丸長方形状、トラック形状または多角形状でもよい。
【0037】
図5は、実施例1において、実装基板上に半導体チップが実装された例を示す断面図である。図5に示すように、実装基板37a上に実施例1の半導体装置50がロー材37を用い実装されている。ロー材37は、例えば錫銀銅または金錫等の半田、銀ペースト等の金属ペーストである。バイアホール22aおよび22b内はロー材37により埋め込まれている。基板10aとして用いられる炭化シリコン基板、ダイヤモンド基板およびシリコン基板の熱伝導率は、それぞれ220W/(m・K)~490W/(m・K)、2200W/(m・K)および162W/(m・K)である。SiCの熱伝導率は結晶構造に依存し、炭化シリコンの結晶構造が4Hおよび6H等の六方晶のとき、単結晶炭化シリコンの熱伝導率は490W/(m・K)である。これに対し、ロー材37の熱伝導率としては、例えば錫銀銅半田の熱伝導率は55W/(m・K)であり、銀ペーストの熱伝導率は100W/(m・K)から200W/(m・K)である。このようにロー材の熱伝導率は基板10aの熱伝導率より低い。よって、バイアホール22aおよび22b内の空洞33がロー材37により埋め込まれている場合においても、バイアホール22aおよび22bを設けることで、単位FET35内の温度分布を小さくできる。なお、バイアホール22aおよび22bの内部には一部空洞が存在する場合がある。この場合、バイアホール22aおよび22bの熱伝導率は小さくなる。また、バイアホール22aおよび22bの内面に対し、熱伝導率の高い金(Au)や銅(Cu)などの金属膜が設けられている場合がある。この場合でも、金属膜はバイアホール22aおよび22bの大きさに対し十分に薄い。よって、金属膜がバイアホール22aおよび22bの熱伝導率に与える影響は小さい。
【0038】
図6は、実施例1におけるバイアホールの別の例を示す断面図である。図6に示すように、充填材38はバイアホール22aおよび22b内に、空隙が形成されないように充填されている。充填材38を設けることで、基板10の機械的強度を高めることができる。このようなバイアホール22aおよび22bの構造においても、基板10aの熱伝導率が充填材38の熱伝導率より高ければ、バイアホール22aおよび22bにより、単位FET35内の温度分布を小さくできる。例えば銅および金の熱伝導率は、それぞれ386W/(m・K)および295W/(m・K)であり、SiCの熱伝導率より低い。充填材38の熱伝導率は基板10aの熱伝導率の0.9倍以下であり、好ましくは0.8倍以下であり、さらに好ましくは0.5倍以下である。
【0039】
充填材38が導電体の場合、ソースインダクタンスをより抑制できる。充填材38が樹脂の場合、バイアホール22aおよび22b内の充填材38の充填が容易である。また、樹脂の熱伝導率は一般的に1W/(m・K)以下であり、導電体より小さい。このため、単位FET35内の温度分布を小さくできる。
【0040】
基板10aを炭化シリコン基板またはダイヤモンド基板とすることで、基板10aの熱伝導率を高くできる。よって、バイアホール22aおよび22bを設けることで、単位FET35内の温度分布をより小さくできる。基板10aを4H炭化シリコン基板または6H炭化シリコン基板とすることで、基板10aの熱伝導率をより高くできる。
【0041】
[実施例2]
図7は、実施例2に係る半導体装置の平面図である。図7に示すように、実施例2の半導体装置52では、バイアホール22aと22bとの間に、バイアホール22c(第3バイアホール)が設けられている。バイアホール22cがソース電極12に接触する第3面積は、バイアホール22bがソース電極12に接触する第1面積より大きくかつバイアホール22aがソース電極12に接触する第2面積より小さい。このように、バイアホール22aから22cの個数を増やすことで、単位FET35内の温度分布をより小さくできる。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0042】
実施例2のように、1つのソース電極12に3個以上のバイアホール22aから22cが設けられいている場合、バイアホール22bがソース電極12に接触する第1面積を、バイアホール22aから22cがソース電極12にそれぞれ接触する面積のうち最も小さくする。これにより、バイアホール22b付近の基板10の表面30と裏面31との間の熱抵抗を低くできる。よって、単位FET35内の温度分布を小さくできる。
【0043】
また、バイアホール22aがソース電極12に接触する第2面積を、バイアホール22aから22cがソース電極12にそれぞれ接触する面積のうち最も大きくする。これにより、バイアホール22a付近の基板10の表面30と裏面31との間の熱抵抗を高くできる。よって、単位FET35内の温度分布をより小さくできる。
【0044】
さらに、複数のソース電極12のうち第1ソース電極に対応するバイアホール22bの第1面積と、複数のソース電極12のうち第1ソース電極に隣接する第2ソース電極に対応する第1面積と、を等しくする。第1ソース電極に対応する第2面積と、第2ソース電極に対応する第2面積とを、を等しくする。第1ソース電極に対応する第3面積と、第2ソース電極に対応する第3面積とを、を等しくする。これにより、第1単位FET内の温度分布と第2単位FET内の温度分布とを共に小さくできる。
【0045】
ソース電極12のY方向の幅S0は、一例として320μmである。ソース電極12の+Y端とバイアホール22aの+Y端との距離S1は、一例として50μmである。バイアホール22aの-Y端とバイアホール22cの+Y端との距離S2は、一例として50μmである。バイアホール22cの-Y端とバイアホール22bの+Y端との距離S3は、一例として70μmである。ソース電極12の-Y端とバイアホール22bの-Y端との距離S4は、一例として50μmである。ソース電極12のX方向の幅S5は、一例として50μmである。ソース電極12とドレインバスバー26との間の距離S6は、一例として30μmである、ソース電極12とゲートバスバー24との間の距離S7は、一例として30μmである。バイアホール22aのY方向における幅H1は、一例として50μmである。バイアホール22cのY方向における幅H3は、一例として30μmである。バイアホール22bのY方向における幅H2は、一例として20μmである。バイアホール22aから22cのX方向における幅H4は、一例として20μmである。
【0046】
バイアホール22cがソース電極12に接触する第3面積は、例えば、バイアホール22aがソース電極12に接触する第1面積の7/8以下であり、好ましくは3/4以下である。バイアホール22bがソース電極12に接触する第2面積は、例えば、第3面積の7/8以下であり、好ましくは3/4以下である。これにより、単位FET35内の温度分布を小さくできる。第3面積は、例えば第1面積の1/20以上である。第2面積は、例えば第3面積の1/20以上である。これにより、ソースインダクタンスを低減できる。
【0047】
単位FET35の領域35aと基板10の裏面31との熱抵抗を低くする観点から、例えば距離S3をS2より大きくする。これにより、領域35aにおいて発生した熱を効率よく裏面31に伝導させることができる。よって、単位FET35内の温度分布をより小さくできる。
【0048】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0049】
10、10a 基板
10b 半導体層
11 活性領域
12 ソース電極
13 非活性領域
14 ゲート電極
14a ゲート金属層
16 ドレイン電極
18a オーミック金属層
18b 低抵抗層
22a、22b、22c バイアホール
24 ゲートバスバー
26 ドレインバスバー
30 表面
31 裏面
33 空洞
34、34a 金属層
35 単位FET
35a、35b 領域
37 ロー材
37a実装基板
38 充填材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態は、基板と、前記基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層上に設けられたゲート電極と、前記半導体層上に設けられたドレイン電極と、前記半導体層上に設けられ、前記ドレイン電極とで前記ゲート電極を挟むソース電極と、を備え、前記基板および前記半導体層には、前記基板の厚さ方向から見て前記ソース電極に重なり、前記半導体層および前記基板を貫通し、前記ソース電極の延伸方向に配列された複数のバイアホールが設けられ、前記複数のバイアホールは、前記ゲート電極における信号が入力する第1端に最も近く、かつ前記ソース電極に接触する第1面積を有する第1バイアホールを有し、前記第1面積は、前記複数のバイアホールが前記ソース電極にそれぞれ接触する複数の面積のうち最も小さい半導体装置である。これにより、トランジスタ内の温度分布を小さくできる。
(2)上記(1)において、前記基板は炭化シリコン基板またはダイヤモンド基板であってもよい。
(3)上記(1)において、前記基板は、4H炭化シリコン基板または6H炭化シリコン基板であってもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記複数のバイアホールは、前記ゲート電極における前記第1端の反対の端である第2端に最も近く、かつ前記ソース電極に接触する第2面積を有する第2バイアホールを有し、前記第2面積は、前記複数の面積のうち最も大きくてもよい。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記複数のバイアホール内に充填され、前記基板の熱伝導率より低い熱伝導率を有する充填材を備えてもよい。
(6)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記複数のバイアホールの内部には空洞が存在してもよい。
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記基板下に設けられ、前記複数のバイアホールを介し前記ソース電極と電気的に接続する金属層を備えてもよい。
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記複数のバイアホールは、前記第1バイアホールと前記第2バイアホールとの間に設けられ、前記ソース電極に接触する第3面積は、前記第1面積より大きくかつ前記第2面積より小さい第3バイアホールを有してもよい。
(9)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、複数の前記ソース電極と複数の前記ドレイン電極とは互い違いに設けられ、複数の前記ゲート電極の各々は、前記複数のソース電極の1つと前記複数のドレイン電極の1つとに挟まれ、前記複数のゲート電極の第1端はゲートバスバーに電気的に接続されてもよい。
(10)上記(4)または(8)において、複数の前記ソース電極と複数の前記ドレイン電極とは互い違いに設けられ、複数の前記ゲート電極の各々は、前記複数のソース電極の1つと前記複数のドレイン電極の1つとに挟まれ、前記複数のソース電極のうち第1ソース電極に対応する前記第1面積と、前記複数のソース電極のうち第1ソース電極に隣接する第2ソース電極に対応する前記第1面積と、は等しく、前記第1ソース電極に対応する前記第2面積と、前記第2ソース電極に対応する前記第2面積と、は等しくてもよい。
(11)上記(10)において、前記複数のバイアホールは、前記第1バイアホールと前記第2バイアホールとの間に設けられ、前記ソース電極に接触する第3面積は、前記第1面積より大きくかつ前記第2面積より小さい第3バイアホールを有し、前記第1ソース電極に対応する前記第3面積と、前記第2ソース電極に対応する前記第3面積と、は等しくてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
ソース電極12の下に基板10を貫通するバイアホール22aおよび22bが設けられている。バイアホール22aおよび22bはY方向に配列されている。バイアホール22aはドレインバスバー26に近く、バイアホール22bはゲートバスバー24に近い。バイアホール22aおよび22bの平面形状は例えば略楕円形または略円形である。バイアホール22aの長軸方向はY方向であり、短軸方向はX方向である。バイアホール22aの平面面積(ソース電極12に接触する領域における面積)は、バイアホール22bの平面面積より大きい。基板10の厚さ方向(Z方向)から見て、バイアホール22aおよび22bはソース電極12に重なり、ソース電極12にバイアホール22aおよび22bが接続する領域はソース電極12内に収まる。すなわち、基板10の表面30においてソース電極12の外にバイアホール22aおよび22bは設けられていない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
ソース電極12のY方向の幅S0は、一例として320μmである。ソース電極12の+Y端とバイアホール22aの+Y端との距離S1は、一例として50μmである。バイアホール22aの-Y端とバイアホール22bの+Y端との距離S2は、一例として150μmである。ソース電極12の-Y端とバイアホール22bの-Y端との距離S4は、一例として50μmである。ソース電極12のX方向の幅S5は、一例として50μmである。ソース電極12とドレインバスバー26との間の距離S6は、一例として50μmであるソース電極12とゲートバスバー24との間の距離S7は、一例として50μmである。バイアホール22aのY方向における幅H1は、一例として50μmであるバイアホール22bのY方向における幅H2は、一例として20μmである。バイアホール22aおよび22bのX方向における幅H4は、一例として20μmである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
ソース電極12においてバイアホール22aおよび22bからの距離が長い箇所へは、グランド電位が供給しにくくなるため、インダクタンス成分が大きくなる。この観点から、1つのソース電極12に設けられるバイアホール22aおよび22bが2個の場合、例えば距離S2は、距離S1の2倍程度かつ距離S4の約2倍程度である。さらに、単位FET35内の温度分布を小さくするために、S1、S2およびS4の関係が設定される。これらを考慮して、距離S2は、例えば距離S1またはS4の1倍以上かつ10倍以下であり、好ましくは1.5倍以上かつ5倍以下とすることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
実施例2のように、1つのソース電極12に3個以上のバイアホール22aから22cが設けられている場合、バイアホール22bがソース電極12に接触する第1面積を、バイアホール22aから22cがソース電極12にそれぞれ接触する面積のうち最も小さくする。これにより、バイアホール22b付近の基板10の表面30と裏面31との間の熱抵抗を低くできる。よって、単位FET35内の温度分布を小さくできる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
ソース電極12のY方向の幅S0は、一例として320μmである。ソース電極12の+Y端とバイアホール22aの+Y端との距離S1は、一例として50μmである。バイアホール22aの-Y端とバイアホール22cの+Y端との距離S2は、一例として50μmである。バイアホール22cの-Y端とバイアホール22bの+Y端との距離S3は、一例として70μmである。ソース電極12の-Y端とバイアホール22bの-Y端との距離S4は、一例として50μmである。ソース電極12のX方向の幅S5は、一例として50μmである。ソース電極12とドレインバスバー26との間の距離S6は、一例として30μmであるソース電極12とゲートバスバー24との間の距離S7は、一例として30μmである。バイアホール22aのY方向における幅H1は、一例として50μmである。バイアホール22cのY方向における幅H3は、一例として30μmである。バイアホール22bのY方向における幅H2は、一例として20μmである。バイアホール22aから22cのX方向における幅H4は、一例として20μmである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
バイアホール22cがソース電極12に接触する第3面積は、例えば、バイアホール22aがソース電極12に接触する第面積の7/8以下であり、好ましくは3/4以下である。バイアホール22bがソース電極12に接触する第面積は、例えば、第3面積の7/8以下であり、好ましくは3/4以下である。これにより、単位FET35内の温度分布を小さくできる。第3面積は、例えば第面積の1/20以上である。第面積は、例えば第3面積の1/20以上である。これにより、ソースインダクタンスを低減できる。