(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045026
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ダイナミック音響制御システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20240326BHJP
H04S 7/00 20060101ALI20240326BHJP
G10K 15/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H04R3/00 320
H04S7/00 310
G10K15/00 L
H04R3/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023138072
(22)【出願日】2023-08-28
(31)【優先権主張番号】17/949,063
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】田地 良輔
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 泰士
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスト ビジャミザル
【テーマコード(参考)】
5D162
5D220
【Fターム(参考)】
5D162AA07
5D162CA26
5D162CD01
5D162DA02
5D162DA22
5D162EG03
5D220BA30
(57)【要約】
【課題】サラウンドサウンドエンターテインメントシステムを提供する。
【解決手段】音響信号を生成する音響プロセッサ414と、命令を記憶した非一時的メモ412リとを含み、命令は音響プロセッサによって実行されるときに、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402に、マイクロホンインターフェース410Cを介してマイクロホンデータを受信することと、マイクロホンデータを用いて第1のラウドスピーカー404で音響信号を再生することと、マイクロホン408による対応する音の受信との間の時間遅延を決定することと、時間遅延を用いて第1のラウドスピーカー404に対するマイクロホン408の位置を決定することと、第1のラウドスピーカー404に対するマイクロホン408の位置に基づいて、音響信号を修正するための第1のフィルタパラメータを決定することを行わせる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンターテインメントシステムであって、
マイクロホンからマイクロホンデータを受信するマイクロホンインターフェースと、
前記マイクロホンインターフェースに関連するラウドスピーカーに対する音響信号出力を生成する音響プロセッサと、
前記音響プロセッサによって実行可能な命令を内在した非一時的メモリとを有し、
前記命令は、当該命令が前記音響プロセッサによって実行されるときに、当該エンターテインメントシステムに、
前記マイクロホンインターフェースを介して前記マイクロホンデータを受信することと、
前記マイクロホンデータを用いて前記第1のラウドスピーカーにおける第1の音響信号の再生と、前記マイクロホンによる対応する音の受信との間の時間遅延を決定することと、
前記時間遅延を用いて前記第1のラウドスピーカーに対する前記マイクロホンの位置を決定することを行わせることを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項2】
請求項1記載のエンターテインメントシステムであって、
前記第1のラウドスピーカーに対する前記マイクロホンの前記位置を決定する際に、ターゲットユーザの位置を決定することを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項3】
請求項2記載のエンターテインメントシステムであって、
前記ターゲットユーザの位置を決定する際に、前記マイクロホンと前記ターゲットユーザの位置との間の距離を取得することを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項4】
請求項3記載のエンターテインメントシステムであって、
前記距離が50cm未満であることを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項5】
請求項2記載のエンターテインメントシステムであって、
前記ターゲットユーザの位置と動作可能に結びついた第2のラウドスピーカーをさらに備えたことを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項6】
請求項5記載のエンターテインメントシステムであって、
前記第2のラウドスピーカーが前記マイクロホンから最小距離離れていることを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項7】
請求項6記載のエンターテインメントシステムであって、
前記最小距離が75cm未満であることを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項8】
請求項1記載のエンターテインメントシステムであって、
前記第1のラウドスピーカーは、ディスプレイインターフェースと動作可能に結合されていることを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項9】
請求項1記載のエンターテインメントシステムであって、
前記マイクロホンが前記第1のラウドスピーカーよりもターゲットユーザの位置に対してより近くに配置されていることを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項10】
エンターテインメントシステムであって、
ラウドスピーカーへの音響信号を生成する音響プロセッサと、
前記音響プロセッサによって実行可能な命令を内在した非一時的メモリとを有し、
前記命令は、当該命令が前記音響プロセッサによって実行されるときに、当該エンターテインメントシステムに、
前記ラウドスピーカーに対するターゲットユーザの位置に関連する補償指標を得ることと、
少なくとも前記補償指標に基づく適応フィルタであって、ターゲットユーザの位置において音像を作り出す適応フィルタを前記音響信号に適用することと、
前記補償指標を用いて、フィルタリングされた音響信号を前記ラウドスピーカーで再生することを行わせることを特徴とするエンターテインメントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される主題は、一般的には、ターゲットユーザに補助オーディオを伝えるシステムおよび方法に関する。より具体的には、リアルタイムにターゲットユーザにイマーシブ(没入感の高い)サラウンドサウンド体験を提供するために音響信号を修正および再生するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサラウンドサウンドシステムは、たとえばビデオゲームコンソール/電子ゲーミングシステムなどのサラウンドサウンドデータのソースを備え、複数のオーディオデータチャネルをデジタル増幅器に提供する。増幅器は、オーディオデータをアナログ信号に変換し増幅して、サラウンドサウンドシステムを内部に含む室内に配置されたそれぞれのラウドスピーカーに出力する。しかし、現代のシステムはさまざまな目的に対して不適切であり、本明細書はそれに対する改善を説明する。
【0003】
なお、本発明に関連する技術としては、椅子の背もたれ部分の肩部の左側と右側に前方に向けて配置したスピーカーと、椅子の真正面に後方に向けて配置したスピーカーから、スピーカー毎にそれぞれ目標とする定位位置に応じた信号処理を施した音声を出力することにより、椅子に座ったユーザにとっての音像の定位感を向上する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、現代のシステムの不適切さを改善し、リアルタイムにターゲットユーザにイマーシブサラウンドサウンド体験を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、この技術の基本的な理解を提供するために本開示の概要を提供する。この概要は本開示の広範な概説ではなく、本発明の主要/重要な構成要素を特定するものでも、本発明の範囲を表すものでもない。この概要の唯一の目的は、後ほど提供されるより詳細な説明に対する前置きとして、本明細書に開示されるいくつかの概念を単純化された形で提供することである。
ここで説明するのは、ユーザのたとえば電子デバイスからの距離などの使用条件に基づいて、チェア(椅子)に座っているターゲットユーザにリアルタイムでイマーシブサラウンドサウンド体験を提供するために、音響信号(オーディオパラメータ)を再生/調整するシステムの実施形態である。
【0007】
いくつかの実施形態において、システムは、チェアに第2のラウドスピーカーと、マイクロホンと、オーディオプロセッサ/音響プロセッサとを組み込むことによって、イマーシブサラウンドサウンド体験を提供する。
いくつかの実施形態において、システムは、電子デバイスの第1のラウドスピーカーおよびチェアのマイクロホンから、チェアの位置を特定する。
いくつかの実施形態において、システムは、第1のラウドスピーカーおよび第2のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置を特定する。
いくつかの実施形態において、システムは、チェアのスピーカー(第2のラウドスピーカー)から補助オーディオを再生して、音像をターゲットユーザの位置のより近くにシフトさせる。
いくつかの実施形態において、システムは、時間遅延を測定することによって、チェアと第1のラウドスピーカーとの間の距離を算出する。
いくつかの実施形態において、システムは、電子デバイスからターゲットユーザの位置および/またはチェアまでの距離に関係なくイマーシブサラウンドサウンド体験を提供する。
いくつかの実施形態において、システムは、(チャット/ネットワークコントローラへのアクセスのために)チェアのヘッドレストに取り付けられたマイクロホンを用いる。
本開示の別の目的は、ターゲットユーザにイマーシブな体験を提供するために、チェアの第2のラウドスピーカーおよび電子デバイスの第1のラウドスピーカーを一緒に使用するシステムを対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】少なくとも1つの例示的な実施形態に従ったサラウンドサウンドエンターテインメントシステムの例を示す図である。
【
図1B】少なくとも1つの例示的な実施形態に従ったサラウンドサウンドエンターテインメントシステムの例を示す図である。
【
図2A】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、ターゲットユーザにイマーシブ体験を提供するために音響信号を修正および再生するシステムを例示する図である。
【
図2B】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、ターゲットユーザにイマーシブ体験を提供するために音響信号を修正および再生するシステムを例示する図である。
【
図2C】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、ターゲットユーザにイマーシブ体験を提供するために音響信号を修正および再生するシステムを例示する図である。
【
図3A】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、電子デバイスとターゲットユーザの位置/チェアとの間の距離の算出を示す例示的な図である。
【
図3B】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、電子デバイスとターゲットユーザの位置/チェアとの間の距離の算出を示す例示的な図である。
【
図3C】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、電子デバイスとターゲットユーザの位置/チェアとの間の距離の算出を示す例示的な図である。
【
図3D】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、電子デバイスとターゲットユーザの位置/チェアとの間の距離の算出を示す例示的な図である。
【
図4】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、リアルタイムでターゲットユーザにイマーシブサラウンドサウンド体験を提供するために音響信号を修正および再生するシステムの概略図を示すブロック図である。
【
図5A】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、第1および第2の音響信号を第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーに送信するシステムの概略図を示すブロック図である。
【
図5B】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、マイクロホンインターフェースを介してマイクロホンデータを受信するシステムの概略図を示すブロック図である。
【
図5C】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、音響プロセッサによって命令を実行するシステムの概略図を示すブロック図である。
【
図5D】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、時間遅延を用いて第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置を決定するシステムの概略図を示すブロック図である。
【
図5E】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置に基づいて第1のフィルタパラメータを決定するシステムの概略的図を示すブロック図である。
【
図6】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、イマーシブサラウンドサウンド体験を提供するために補償指標を用いて第1のラウドスピーカーおよび第2のラウドスピーカーにおいて音響信号を再生する方法を例示するフロー図である。
【
図7】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、第1のラウドスピーカーおよび/または第2のラウドスピーカーにおいて音像を再生してターゲットユーザにイマーシブサラウンドサウンド体験を提供するために、第1のフィルタパラメータを特定して音響信号を修正し、する方法を例示するフロー図である。
【
図8】少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、第1のラウドスピーカーおよび/または第2のラウドスピーカーにおいて音像を再生してターゲットユーザにイマーシブサラウンドサウンド体験を提供するために、適応フィルタを適用して音響信号をフィルタリングする方法を例示する別のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、さまざまな実施形態の完全な説明を提供する多くの具体的詳細が示される。特定の実施形態は、これらの具体的詳細を伴わずに実施されてもよいし、詳細のいくつかの変更を伴って実施されてもよい。場合によっては、他の態様を曖昧にしないために、特定の特徴があまり詳細に説明されていない。これらの構成要素または特徴の各々に関連する詳細さのレベルは、1つの特徴の他の特徴に対する新規性または重要性を限定するものと解釈されるべきではない。
【0010】
また、以下の説明および付随する添付の図面から、本発明の目的および利点は明らかになるだろう。
ビデオゲームは、エンターテインメントの一般的な形態となっている。電子ビデオゲーミングシステムは、何年にもわたってゲーム産業の基礎をなしている。電子ゲーミングシステムは、サラウンドサウンドシステムおよび/またはゲーミングチェアを通じてサラウンドサウンドを届けることで、ゲームをプレイすることを楽しくし、ゲームプレーヤーにイマーシブゲーミング体験を提供する。従来のサラウンドサウンドシステムにおいては、たとえばDVDもしくはBlu-Ray(登録商標)ディスクプレーヤーまたはビデオゲームコンソール/電子ゲーミングシステムなどのサラウンドサウンドデータのソースが、複数のオーディオデータチャネルをデジタル増幅器に提供する。増幅器は、典型的には、オーディオデータをアナログ信号に変換して増幅し、サラウンドサウンドシステムを内部に含む室内に配置されたそれぞれのラウドスピーカー(スピーカー)に出力する。ゲーミングシステムには、コンピュータ化されたアニメーションから事前記録音のスピーカを通じた再生までに、多くのコンピュータ構成要素が使用されている。たとえば、これらの音はゲーミングシステム内にロードされて、ゲーム体験を補完し強化するためにスピーカーから再生される。
【0011】
不適切なセットアップのサラウンドサウンドシステムは、著しく劣った音質および/または音の不正確な再生をもたらす。スピーカー位置、リスナー位置、位相遅延、スピーカーレベル、イコライゼーション、および低音管理を含むさまざまなパラメータの1つ以上が、サラウンドサウンドのセットアップおよびその後のオーディオ性能に関与し得る。既存のサラウンドサウンドシステムは、ハンドヘルド型のリモコンまたはメインサラウンドサウンドユニット上で、ユーザが手動でパラメータを調整できる。マルチチャネルサラウンドサウンドに対するパラメータ調整は、特にデジタルマルチチャネルオーディオにおいて、ますます複雑で困難なものとなっている。
【0012】
ゲーミングチェアは、ゲーミングチェアに座っているゲームプレーヤーに良質のオーディオを提供できる。従来のゲーミングチェアは、一般的に、ゲーミングチェアにゲームのプレーヤーが座れるようにする目的のためだけに、電子ゲーミングシステムの前に置かれる。ゲーミングチェアとゲーム機との間隔が固定されていることもある。
【0013】
既存のゲーミングチェアは、ゲーミングシステムからゲーミングチェア位置までの距離に基づいてオーディオパラメータを自動的に調整することを適切に行えない。その結果、ゲーミングシステムのオーディオ能力を向上することによってゲーミング体験を向上させることが必要とされている。
【0014】
前述の考察に照らすと、ユーザのたとえばソースからの距離などの使用条件に基づいて、リアルタイムにオーディオパラメータを調整して、イマーシブな(没入感の高い)サラウンドサウンド体験を提供するシステムが必要とされている。
本開示はその適用において、以下の記載に示されるか、または図面に示される構成の詳細およびコンポーネントの配置に限定されない。本開示には他の実施形態も可能であり、さまざまなやり方で実施または実行され得る。加えて、本明細書において使用される表現および用語は説明の目的のためのものであり、限定するものとみなされるべきではないことが理解されるべきである。
【0015】
本明細書における「含む」、「備える」、または「有する」、およびその変形の使用は、それ以後に挙げられる項目およびその均等物ならびに付加的な項目を包含することを意味する。本明細書における単数での表記は量の限定を示すものではなく、言及された項目が少なくとも1つ存在することを示す。さらに、本明細書における「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語の使用は、任意の順序、量、または重要性を示すものではなく、1つの構成要素を別のものと区別するために使用される。
【0016】
図1A、
図1Bを参照すると、少なくとも1つの例示的な実施形態に合わせて、従来のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムを示した
図100a、100bが示されている。
図100aおよび100bは、電子デバイス102と、ラウドスピーカー104と、チェア106と、ターゲットユーザ108を示している。
【0017】
電子デバイス102は、ラウドスピーカー104と動作可能に結合されてもよい。電子デバイス102は、ターゲットユーザ108によってターゲットユーザの位置から操作されてもよい。電子デバイス102は、ゲーミングコンソール、ビデオゲームコンソール、ゲーミングシステム、デスクトップコンピュータ、たとえばタブレットコンピュータなどのパーソナルモバイルコンピュータデバイス、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、スマートフォン、サーバ、拡張現実デバイス、仮想現実デバイス、デジタルメディアプレーヤー、テレビ、家庭用エンターテインメント機器の一部、バックエンドサーバホスティングデータベース、その他のソフトウェアなどであるが、これらに限定されない。ターゲットユーザ108は、プレーヤー、個人、ゲームプレーヤー、およびゲーマーなどであるが、これらに限定されない。
【0018】
電子デバイス102は、チェア106と動作可能に結合されてもよい。電子デバイス102は、ラウドスピーカー104を通じて音像を生成してよい。音像は、家でラウドスピーカー104を用いてゲームをプレイしている間は電子デバイス102のディスプレイスクリーンのより近くに位置させてもよい。したがって、現実感を得るために大きな音量が用いられてもよく、また、音体験を感じられるように5.1チャネル以上のマルチチャネルオーディオが用いられてもよい。ヘッドホンを用いてイマーシブ体験を体験することも可能だが、頭部に固定される音像のみに頼らない、またはそれにまったく頼らないシステムを含むことが有利であろう。さらに、ラウドスピーカーを使用すれば、ユーザは外部の音も聞くことができるだろう。
図100bは、ターゲットユーザの位置の制限およびコストの観点からターゲットユーザ108にかかる負担を示している。
【0019】
図2A、
図2B、および
図2Cの
図200a、200b、および200cは、少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、ターゲットユーザにイマーシブな体験を提供するために音響信号を修正するシステムを示す。
図200a、200b、および200cは、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202と、第1のラウドスピーカー204と、有線/無線ネットワークインターフェース205と、電子デバイス102と、チェア106と、ターゲットユーザ108とを示す。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、第2のラウドスピーカー206と、マイクロホン208と、エキサイター/音響/オーディオプロセッサ(
図4に示される)とを含んでもよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、チェア106に統合されてもよいし、有線/無線ネットワークインターフェース205を通じてチェア106と電子デバイス102との間に接続されてもよい。有線/無線ネットワークインターフェース205は、有線および/または無線コンポーネントを含んでもよいが、これに限定されない。有線/無線ネットワークインターフェース205は、ネットワーク(例、インターネット、ホームネットワークなど)へのアクセスを提供でき、かつ/または、イーサネットカードもしくはインターフェースモジュール、モデム、Bluetooth(登録商標)モジュール、およびケーブルモデムなどを含む多様な有線もしくは無線インターフェースコンポーネントのいずれかであってよいが、本開示はこれらに限定されない。
【0020】
電子デバイス102は、第1のラウドスピーカー204と動作可能に結合されてもよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、第1のラウドスピーカー204の第1の音響信号と、第2のラウドスピーカー206の第2の音響信号とを生成してよい。マイクロホン208は、たとえば第1のラウドスピーカー204からなどの、エリア内の音のマイクロホンデータを受信してよい。音響プロセッサ(
図4、414に示される)はマイクロホンデータを用いて、第1のラウドスピーカー204における第1の音響信号の再生と、マイクロホン208による対応する音の受信との間の時間遅延を決定できる。マイクロホンデータは、第1のラウドスピーカー204または第2のラウドスピーカー206の第1の音響信号、および第1のラウドスピーカー204または第2のラウドスピーカー206の第2の音響信号などを含んでもよいが、それに限定されない。
【0021】
サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、音響プロセッサが、時間遅延を用いて第1のラウドスピーカー204に対するマイクロホン208の位置を決定できるように構成してよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、音響プロセッサが、第1のラウドスピーカー204および第2のラウドスピーカー206に対するマイクロホン208の位置を決定できるように構成してよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、音響プロセッサが、第1のラウドスピーカー204および第2のラウドスピーカー206に対するマイクロホン208の位置を決定する際に、ターゲットユーザの位置を決定するように構成してよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、音響プロセッサが、第1のラウドスピーカー204に対するマイクロホン208の位置に基づいて第1の音響信号を修正するための第1のフィルタパラメータを決定できるように構成してよい。
【0022】
第1のフィルタパラメータは、(例、マイクロホンボックス208と第1のラウドスピーカーボックス204との間の距離を補償するように)第1の音響信号を修正する補償のための補償指標(補償メトリック)であってよい。チェア106と電子デバイス102との間の距離は、H(
図3Aを参照)として表すことができ、かつ/または第1のフィルタパラメータに対応していてよい。付加的または代替的に、補償指標は第1のフィルタパラメータから導出されてもよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、音響プロセッサが、第1のラウドスピーカー204に対するマイクロホン208の位置に基づいて、第2の音響信号を修正する第1のフィルタパラメータを決定できるように構成してよい。
【0023】
サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、ターゲットユーザの位置において音像を再生するために、音響プロセッサが第1のフィルタパラメータに基づいて第1のラウドスピーカー204の第1の音響信号または第2の音響信号を生成できるように構成してよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、ターゲットユーザの位置において音像を再生するために、音響プロセッサが、第1のフィルタパラメータに基づいて第2のラウドスピーカー206の第1の音響信号または第2の音響信号を生成できるように構成してよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、第1の音響信号を第1のフィルタパラメータに基づいてターゲットユーザの位置において音像を再生するために、音響プロセッサが生成された第1の音響信号を第1のラウドスピーカー204で再生できるように構成してよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、第1のフィルタパラメータに基づいてターゲットユーザの位置において音像を再生するために、音響プロセッサが生成された第2の音響信号を第2のラウドスピーカー206で再生できるように構成してよい。
【0024】
チェア106およびターゲットユーザ108の位置は、第1のラウドスピーカー204およびマイクロホン208から、時間遅延を測定することによって算出されてよい。第2のラウドスピーカー206は、音像をターゲットユーザ108のより近くにシフトさせるための補助オーディオを再生してよい。
【0025】
サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、第2のラウドスピーカー206とマイクロホン208と、エキサイター/音響プロセッサ(
図4に示される)とをチェア106に組み込むことによって、新たなユーザ体験を提供してよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、たとえば電子デバイス102からチェア106までの距離などのユーザの使用条件に従って第1および第2の音響信号を修正してよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、測定された時間遅延から電子デバイス102とチェア106との間の距離を算出してよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、ターゲットユーザ108にイマーシブ感(没入感)を提供するために自動補償を行ってもよい。自動補償において、第1のラウドスピーカー204および第2のラウドスピーカー206の高域および低域のレベルを増加させてもよく、それは測定された時間遅延に基づいていてよい。
【0026】
図3A、
図3B、
図3C、および
図3Dは、少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、たとえば電子デバイスとチェアとの間の距離の算出などの、サウンド体験の改善に関するさまざまな指標を例示する
図300a、300b、300c、および300dを示す。
図300aは適応フィルタ302と、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202と、電子デバイス102(ソース)と、第1のラウドスピーカー204と、マイクロホン208とを示す。適応フィルタ302は、マイクロホンデータを用い、電子デバイス102の第1のラウドスピーカー204の第1の音響信号の再生とマイクロホン208による対応する音の受信との間に記録された音を比較し、時間遅延を算出してよい。適応フィルタ302は、第1のラウドスピーカー204または第2のラウドスピーカー206に特定の音を発するように指示する信号に適用される計算上の修正を含んでもよい。一種の「サラウンドサウンド」配向のスピーカーは、オーディオ効果(例、左から右に進む足音、視聴者の後ろを飛ぶ宇宙船)を生じさせる適切な遅延で特定の音を発することによって、音像またはオーディオイメージを生成できる。一般的に、同じ位置にあるスピーカーは、他のスピーカーの位置を知る必要なしに同時にオーディオを出力するだろう。しかし、ユーザに対して異なる位置にあるスピーカーは3Dオーディオイメージを提供できる。すなわち前のみではなく他の位置(例、後ろ、横)からも音が来ているという感覚をユーザに提供できる。音が特定の3D位置(例、人物の左側および後ろ)から来ているというオーディオ効果を提供するために、スピーカーは異なる時間に音を表す必要があるだろう。そのオフセットは、第1のラウドスピーカー204と第2のラウドスピーカー(リアチェアスピーカー)206との間の距離に基づいていてもよい。
【0027】
本開示の例示的な実施形態において、測定された時間遅延から電子デバイス102とチェア106との間の距離を算出するための手順において、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、第1のラウドスピーカー204が発する音と、マイクロホン208が受信する音とを検知してよい。時間差を測定し、その時間差に音速を掛けることによって、距離を計算してよい。
【0028】
本開示の別の例示的な実施形態において、測定された時間遅延から電子デバイス102とチェア106との間の距離を算出するための手順において、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、第1のラウドスピーカー204に送信された音響信号(オーディオ信号)の命令を検知し、かつマイクロホン208におけるオーディオ入力信号を得るように構成されてもよい。第1のラウドスピーカー204が音響信号を送ったときと、マイクロホン208が信号を受け取ったときとの差を埋め合わせる(オフセットする)ためにフィルタパラメータが用いられてもよく、送信された信号と受信された信号とが互いに一致するまでフィルタパラメータ/オフセットが修正されてもよい。オフセットに基づいて、距離が算出されてもよい。
【0029】
図面300bは、チェア位置の差を考慮するために補償指標を適用する例示的な実施形態を示す。
図300bは、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202と、適応フィルタ302と、電子デバイス102(ソース)と、第1のラウドスピーカー204と、第2のラウドスピーカー206と、マイクロホン208とを含む。
【0030】
サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202は、ターゲットユーザの位置(例、ターゲットユーザの耳元またはチェアマイクロホン208)に音像を投影するために補償指標を使用してよい。補償指標はフィルタパラメータから導出されてもよい。ターゲットユーザの位置における音像の投影は、(例、電子デバイス102とチェア106との間の距離に基づいて)チューニングパラメータ、フィルタパラメータ、および/または補償指標(例、H)が決定されると実行できる。補償指標は、スピーカーに特定のオーディオ信号を発するように指示する電子信号を修正するために使用される数学的関数、数、または、式を含んでもよい。
【0031】
図300cは、測定と補正との間で排他的に切り替わるパターンのシステムの実装の例示的な実施形態を示す。
図300cは、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202と、適応フィルタ302と、電子デバイス102(ソース)と、第1のラウドスピーカー204と、第2のラウドスピーカー206と、マイクロホン208とを含む。適応フィルタ302は、測定中に第2のラウドスピーカー206からの信号に適応させなくてもよい。適応フィルタ302は、補償されたならば適応を行わず、固定FIRフィルタとして機能する。
【0032】
図300dは、常に適応するパターンの例示的な実施形態を示す。
図300dは、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム202と、適応フィルタ302と、電子デバイス102(ソース)と、第1のラウドスピーカー204と、第2のラウドスピーカー206と、マイクロホン208とを含む。適応フィルタ302は、第2のラウドスピーカー206とマイクロホン208との間で事前に測定された伝達関数を用いてエラー信号を除去するように構成されたエラー信号に適応してよい。
【0033】
図4は、本開示の態様を実装し得るシステムを表すブロック
図400である。
図4は、少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、リアルタイムでターゲットユーザにイマーシブサラウンドサウンド体験を提供するために音響信号を修正および再生するためのシステムの概略図を示す。システム400は、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402と、電子デバイス102と、第1のラウドスピーカー404と、チェア106と、有線/無線ネットワークインターフェース205とを含む。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402は、第2のラウドスピーカー406と、マイクロホン408と、第1のラウドスピーカーインターフェース410aと、第2のラウドスピーカーインターフェース410bと、マイクロホンインターフェース410cと、ディスプレイインターフェース410dと、非一時的メモリ412と、音響プロセッサ414とを含む。システム400は、好ましくは、電子デバイス102がコンピュータベースの電子デバイスであるゲーミングシステムとして実現される。
【0034】
電子デバイス102は、第1のラウドスピーカーインターフェース410aを介して第1のラウドスピーカー404と動作可能に結合されてもよい。ディスプレイインターフェース410dは、電子デバイス102と動作可能に結合されてもよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402は、第1のラウドスピーカーインターフェース410aを介して第1のラウドスピーカー404と動作可能に結合されてもよい。第1のラウドスピーカーインターフェース410aは、第1のラウドスピーカー404に第1の音響信号を送信してよい。
【0035】
サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402は、有線/無線ネットワークインターフェース205を通じてチェア106および第2のラウドスピーカー406と動作可能に結合されてもよい。チェア106は、有線/無線ネットワークインターフェース205を通じて電子デバイス102と動作可能に結合されてもよい。有線/無線ネットワークインターフェース205は、有線および/または無線コンポーネントを含んでもよいが、それに限定されない。有線/無線ネットワークインターフェース205は、ネットワーク(例、インターネット、ホームネットワークなど)へのアクセスを提供し、また、イーサネットカードまたはインターフェースモジュール、モデム、ブルートゥース(登録商標)モジュール、およびケーブルモデムなどを含む多様な有線もしくは無線インターフェースコンポーネントのいずれかであってよいが、本開示はそれに限定されない。
【0036】
第2のラウドスピーカーインターフェース410bは、第2のラウドスピーカー406に第2の音響信号を送信してよい。第2のラウドスピーカー406は、第2の音響信号を受信するためにチェア106と動作可能に結合されてもよい。第2の音響信号は第2のラウドスピーカーインターフェース410bから受信されてもよく、または第2の音響信号は、チェア106を第2のラウドスピーカー406と通信可能に結合する有線/無線ネットワークインターフェース205から受信されてもよい。
【0037】
マイクロホンインターフェース410cは、マイクロホン408からマイクロホンデータを受信してよい。音響プロセッサ414は、マイクロホンインターフェース410cを介してマイクロホンデータを受信してよい。時間遅延を用いて、第1のラウドスピーカー404および第2のラウドスピーカー406に対するマイクロホン408の位置が特定されてもよい。第1のラウドスピーカー404および第2のラウドスピーカー406に対するマイクロホン408の位置を特定する際に、ターゲットユーザ108(例、
図1A、
図1B、および
図2Cに示される)の位置を決定してよい。マイクロホン408とターゲットユーザの位置との間の距離を取得して、ターゲットユーザの位置を決定してもよい。マイクロホン408とターゲットユーザの位置との間の距離は、約10cm未満、約20cm未満、約25cm未満、約35cm未満、約45cm未満、約55cm未満、約65cm未満、約75cm未満、約85cm未満、約100cm未満、約150cm未満、それらのうちの任意の値未満、またはそれらを終点とする範囲内であってよい。たとえば、いくつかの実施形態において、その距離は約50cm未満であってよい。第2のラウドスピーカー406は、ターゲットユーザの位置(例、チェア106)と動作可能に連結されてもよい。第2のラウドスピーカー406は、マイクロホン408から最小距離分離されてもよい。第2のラウドスピーカー406をマイクロホン408から分離する最小距離は、約10cm未満、約20cm未満、約25cm未満、約35cm未満、約45cm未満、約55cm未満、約65cm未満、約75cm未満、約85cm未満、約100cm未満、約150cm未満、それらのうちの任意の値未満、またはそれらを終点とする範囲以内であってよい。たとえば、いくつかの実施形態において、その最小距離は約75cm未満であり、それはユーザから遠くなり過ぎることと、邪魔になり過ぎることとの間の有益なトレードオフを提供するだろう。
【0038】
非一時的メモリ412には、音響プロセッサ414によって実行可能な命令を格納してよい。音響プロセッサ414によって実行可能な命令は、ここに記載されるさまざまなタスクを実行するために音響プロセッサによって実行されてよい。
音響プロセッサ414は、マイクロホンデータを用いて、第1のラウドスピーカー404における第1の音響信号の再生と、マイクロホン408による対応する音の受信との間の時間遅延を決定してよい。音響プロセッサ414は、時間遅延を用いて、第1のラウドスピーカー404に対するマイクロホン408の位置を決定してよい。
【0039】
音響プロセッサ414は、第1のラウドスピーカー404または第2のラウドスピーカー406に対するマイクロホン408の位置に基づいて、第1の音響信号または第2の音響信号を修正するための第1のフィルタパラメータを決定してよい。
音響プロセッサ414は、ターゲットユーザの位置において音像を再生するために、たとえば第1のラウドスピーカー404などの1つ以上のラウドスピーカーの音響信号を生成してよい。音の再生は、ここに記載される1つ以上のフィルタパラメータに基づいていてよい。たとえば音響プロセッサ414は、第1のフィルタパラメータに基づいて、ターゲットユーザの位置において音像を再生する、第1のラウドスピーカー404または第2のラウドスピーカー406の第1の音響信号または第2の音響信号を生成してよい。音響プロセッサ414は、第1のフィルタパラメータに基づいてターゲットユーザの位置において音像を再生するために、生成された第1の音響信号を第1のラウドスピーカー404で再生してよい。音響プロセッサ414は、第1のフィルタパラメータに基づいてターゲットユーザの位置において音像を再生するために、生成された第2の音響信号を第2のラウドスピーカー406で再生してよい。
【0040】
図5Aは、本開示の態様を実装し得るシステムを示すブロック
図500aである。
図5Aは、少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、第1および第2の音響信号を第1のラウドスピーカーおよび/または第2のラウドスピーカーに送信するシステムの概略図を示す。
図500aは、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402と、第1のラウドスピーカー404と、第2のラウドスピーカー406と、第1のラウドスピーカーインターフェース410aと、第2のラウドスピーカーインターフェース410bと、ディスプレイインターフェース410dと、有線/無線ネットワークインターフェース205と、電子デバイス102と、チェア106とを含む。
【0041】
電子デバイス102は、ディスプレイインターフェース410dを介して第1のラウドスピーカー404と動作可能に結合されてもよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402は、第1のラウドスピーカーインターフェース410aを介して第1のラウドスピーカー404と動作可能に結合されてもよい。第1のラウドスピーカーインターフェース410aは、第1のラウドスピーカー404に第1の音響信号を送信してよい。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402は、チェア106および第2のラウドスピーカー406と動作可能に結合されてもよい。
【0042】
第2のラウドスピーカーインターフェース410bは、第2のラウドスピーカー406に第2の音響信号を送信してよい。第2のラウドスピーカー406は、第2の音響信号を受信するためにチェア106と動作可能に結合されてもよい。第2の音響信号は第2のラウドスピーカーインターフェース410bから受信されてもよく、または、第2の音響信号は、チェア106を第2のラウドスピーカー406と通信可能に結合する有線/無線ネットワークインターフェース205から受信されてもよい。
【0043】
図5Bは、本開示の態様を実装し得るシステムを示すブロック
図500bである。具体的には、
図5Bは少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、マイクロホンインターフェースを介してマイクロホンデータを受信するシステムの概略的表現を示す。
図500bは、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402と、第1のラウドスピーカー404と、第2のラウドスピーカー406と、第1のラウドスピーカーインターフェース410aと、第2のラウドスピーカーインターフェース410bと、ディスプレイインターフェース410dと、有線/無線ネットワークインターフェース205と、電子デバイス102と、チェア106と、マイクロホンインターフェース410cと、マイクロホン408とを含む。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402は、音響プロセッサ414と、非一時的メモリ412とを含む。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402は、チェア106に統合されてもよいし、有線/無線ネットワークインターフェース205を介してチェア106と動作可能に結合されてもよい。
【0044】
マイクロホンインターフェース410cは、マイクロホン408からマイクロホンデータを受信してよい。マイクロホンデータは、第1のラウドスピーカー404または第2のラウドスピーカー406の第1の音響信号、および第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーの第2の音響信号などを含んでよいが、それに限定されない。さらに、音響プロセッサ414は、マイクロホンインターフェース410cを介してマイクロホンデータを受信してよい。ターゲットユーザの位置を用いて、第1のラウドスピーカー404および第2のラウドスピーカー406に対するマイクロホン408の位置が特定されてもよい。マイクロホン408とターゲットユーザの位置との間の距離を取得することによって、ターゲットユーザの位置が決定されてもよい。マイクロホン408とターゲットユーザの位置との間の距離は、50cm未満であってよい。第2のラウドスピーカー406は、ターゲットユーザの位置と動作可能に連結されてもよい。第2のラウドスピーカー406は、マイクロホン408から最小距離離れていてもよい。マイクロホン408から第2のラウドスピーカー406から離す最小距離は、75cm未満であってよい。
【0045】
図5Cを参照すると、
図5Cは、本開示の態様を実装し得るシステムを示すブロック
図500cである。具体的には、
図5Cは、少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、音響プロセッサによって命令を実行するためのシステムの概略図を示す。図面500cは、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402と、第1のラウドスピーカー404と、第2のラウドスピーカー406と、第1のラウドスピーカーインターフェース410aと、第2のラウドスピーカーインターフェース410bと、ディスプレイインターフェース410dと、有線/無線ネットワークインターフェース205と、電子デバイス102と、チェア106と、マイクロホンインターフェース410cと、マイクロホン408とを含む。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402は、音響プロセッサ414と、非一時的メモリ412と、第1の音響信号502と、第2の音響信号504とを含む。
【0046】
第1のラウドスピーカーインターフェース410aは、第1のラウドスピーカー404に第1の音響信号502を送信してよい。第2のラウドスピーカーインターフェース410bは、第2のラウドスピーカー406に第2の音響信号504を送信してよい。マイクロホンインターフェース410cは、マイクロホン408からマイクロホンデータを受信してよい。音響プロセッサ414は、第1のラウドスピーカー404と第2のラウドスピーカー406の第1の音響信号502または第2の音響信号504を生成してよい。
【0047】
音響プロセッサ414は、非一時的メモリ412に記憶された命令を実行してよい。音響プロセッサ414によって実行可能な命令は、マイクロホンインターフェース410cを介してマイクロホンデータを受信すること、マイクロホンデータを用いて第1のラウドスピーカー404における第1の音響信号502の再生とマイクロホン408による対応する音の受信との間の時間遅延を決定すること、時間遅延を用いて第1のラウドスピーカー404に対するマイクロホンの位置508を決定すること、および、第1のラウドスピーカー404に対するマイクロホン408の位置に基づいて、第1の音響信号502または第2の音響信号504のうちの少なくとも1つを修正するための(例、
図5Eに示される)第1のフィルタパラメータ510を決定すること、第1のラウドスピーカー404でターゲットユーザの位置において音像を再生するために、第1のフィルタパラメータ510に基づいて、第1のラウドスピーカー404の第1の音響信号502を生成すること、第2のラウドスピーカー406でターゲットユーザの位置において音像を再生するために、第1のフィルタパラメータ510に基づいて第2のラウドスピーカー406の第2の音響信号504を生成すること、第1のラウドスピーカー404において生成された第1の音響信号502を再生すること、ならびに、第2のラウドスピーカー406において生成された第2の音響信号504を再生することなどを含んでよいが、それに限定されない。
【0048】
図5Dは、本開示の態様を実装し得るシステムを示すブロック
図500dである。
図5Dは、少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、時間遅延を用いて第1のラウドスピーカーおよび/または第2のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置を決定するためのシステムの概略図を示す。
図500dは、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402と、第1のラウドスピーカー404と、第2のラウドスピーカー406と、第1のラウドスピーカーインターフェース410aと、第2のラウドスピーカーインターフェース410bと、ディスプレイインターフェース410dと、有線/無線ネットワークインターフェース205と、電子デバイス102と、チェア106と、マイクロホンインターフェース410cと、マイクロホン408とを含む。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402は、音響プロセッサ414と、非一時的メモリ412と、第1の音響信号502と、第2の音響信号504と、時間遅延506と、マイクロホンの位置508とを含む。
【0049】
第1のラウドスピーカーインターフェース410aは、第1のラウドスピーカー404に第1の音響信号502を送信してよい。第2のラウドスピーカーインターフェース410bは、第2のラウドスピーカー406に第2の音響信号504を送信してよい。マイクロホンインターフェース410cは、マイクロホン408からマイクロホンデータを受信してよい。音響プロセッサ414は、マイクロホンデータを用いて、第1のラウドスピーカー404の第1の音響信号502の再生と、マイクロホン408による対応音の受信との間の時間遅延506を決定してよい。音響プロセッサ414は、時間遅延506を用いて、第1のラウドスピーカー404および/または第2のラウドスピーカー406に対するマイクロホンの位置508を決定してよい。
【0050】
図5Eは、本開示の態様を実装し得るシステムを示すブロック
図500eである。
図5Eは、少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置に基づいて第1のフィルタパラメータを決定するためのシステムの概略図を示す。
図500eは、サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402、第1のラウドスピーカー404、第2のラウドスピーカー406、電子デバイス102、チェア106、マイクロホン408を含む。サラウンドサウンドエンターテインメントシステム402は、音響プロセッサ414と、非一時的メモリ412と、第1の音響信号502と、第2の音響信号504と、時間遅延506と、マイクロホンの位置508と、第1のフィルタパラメータ510とを含む。
【0051】
第1のラウドスピーカーインターフェース410aは、第1のラウドスピーカー404に第1の音響信号502を送信してよい。第2のラウドスピーカーインターフェース410bは、第2のラウドスピーカー406に第2の音響信号504を送信してよい。マイクロホンインターフェース410cは、マイクロホン408からマイクロホンデータを受信してよい。
【0052】
音響プロセッサ414は、マイクロホンデータを用いて、第1のラウドスピーカー404の第1の音響信号502の再生と、マイクロホン408による対応する音の受信との間の時間遅延506を決定してよい。音響プロセッサ414は、時間遅延506を用いて、第1のラウドスピーカー404に対するマイクロホンの位置508を決定してよい。
【0053】
音響プロセッサ414は、第1のラウドスピーカー404または第2のラウドスピーカー406に対するマイクロホン408の位置に基づいて、第1の音響信号502または第2の音響信号504を再生するための第1のフィルタパラメータ510を決定してよい。音響プロセッサ414は、第1のラウドスピーカー404でターゲットユーザの位置において音像を再生するために、生成された第1の音響信号502を再生してよい。音響プロセッサ414は、第2のラウドスピーカー406でターゲットユーザの位置において音像を再生するために、生成された第2の音響信号504を再生してよい。
【0054】
図6は、少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、イマーシブサラウンドサウンド体験を提供するために補償指標を用いて第1のラウドスピーカーおよび第2のラウドスピーカーにおいて音響信号を再生するための方法を例示するフロー
図600である。方法600は、
図2A、
図2B、
図2C、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図4、
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、および
図5Eの詳細の状況下で実行されてもよい。しかし、方法600は任意の所望の環境において実行されてもよい。さらに、前述した定義は以下の説明にも同等に適用されてもよい。
【0055】
この方法は、ステップ602において、有線/無線ネットワークインターフェースを通じてサラウンドサウンドエンターテインメントシステムと電子デバイスとの接続を確立する。方法600は、ステップ604において、サラウンドサウンドエンターテインメントシステムを用いて第1のラウドスピーカーおよび第2のラウドスピーカーに音響信号を送信する。方法600は、ステップ606において、ターゲットユーザおよび/または第1のラウドスピーカーのより近くに位置するマイクロホンからマイクロホンデータを受信する。方法600は、ステップ608において、第1のラウドスピーカーおよび第2のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置および/またはターゲットユーザの位置を決定する。その後、ステップ610において、第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーに対するターゲットユーザの位置に関連する補償指標を得る。方法600は、ステップ612において、補償指標を用いて第1のラウドスピーカーおよび第2のラウドスピーカーにおいて音響信号を再生する。
【0056】
図7は、少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、ターゲットユーザにイマーシブサラウンドサウンド体験を提供する、第1のラウドスピーカーおよび/または第2のラウドスピーカーの音像の再生のために、第1のフィルタパラメータを特定して音響信号を修正するための方法を例示するフロー
図700である。方法700は、
図2A、
図2B、
図2C、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図4、
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、
図5E、および
図6の詳細の状況下で実行されてもよい。しかし、方法700は任意の所望の環境においても実行されてもよい。さらに、前述した定義は以下の説明にも同等に適用されてもよい。
【0057】
方法700はステップ702において、第1のラウドスピーカーインターフェースを用いて第1のラウドスピーカーに第1の音響信号を送信する。方法700は、ステップ704において、第2のラウドスピーカーインターフェースを用いて第2のラウドスピーカーに第2の音響信号を送信する。ス方法700は、ステップ706において、マイクロホンインターフェースを通じてマイクロホンからマイクロホンデータを受信する。方法700は、ステップ708において、音響プロセッサの、マイクロホンデータを用いた第1のラウドスピーカーにおける第1の音響信号の再生と、マイクロホンによる対応する音の受信との間の時間遅延の決定を可能にする。方法700は、ステップ710において、音響プロセッサの、時間遅延を用いた第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置の決定を可能にする。方法700は、ステップ712において、音響プロセッサの、第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置に基づいた、第1の音響信号または第2の音響信号を修正するための第1のフィルタパラメータの決定を可能にする。方法700は、ステップ714において、音響プロセッサの、第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置に基づいた、第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーの第1の音響信号または第2の音響信号の修正を可能にする。方法700は、ステップ716において、音響プロセッサの、生成された第1の音響信号または第2の音響信号の第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーでの再生を可能にする。方法700は、ステップ718において、ターゲットユーザにイマーシブなブサラウンドサウンド体験を提供するために、第1のフィルタパラメータに基づいた、第1のラウドスピーカーおよび/または第2のラウドスピーカーのターゲットユーザの位置の音像を再生する。
【0058】
図8は、少なくとも1つの例示的な実施形態に従った、ターゲットユーザにイマーシブサラウンドサウンド体験を提供する、第1のラウドスピーカーおよび/または第2のラウドスピーカーの音像の再生のために、適応フィルタを適用して音響信号をフィルタリングするための方法を例示する別のフロー
図800である。方法800は、
図2A、
図2B、
図2C、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図4、
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、
図5E、
図6、および
図7の詳細の状況において実行されてもよい。しかし、方法800は任意の所望の環境においても実行されてもよい。さらに、前述した定義は以下の説明にも同等に適用されてよい。
【0059】
この方法はステップ802において、第1のラウドスピーカーインターフェースによって第1のラウドスピーカーに第1の音響信号を送信する。方法800は、ステップ804において、第2のラウドスピーカーインターフェースによって第2のラウドスピーカーに第2の音響信号を送信する。方法800は、ステップ806において、音響プロセッサの、第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーに対するターゲットユーザの位置に関連する補償指標の取得を可能にする。方法800は、ステップ808において、音響プロセッサの、第1または第2の音響信号への適応フィルタの適用を可能とする。方法800は、ステップ810において、音響プロセッサの、補償指標を用いた第1のラウドスピーカーのフィルタリングされた第1の音響信号または第2のラウドスピーカーのフィルタリングされた第2の音響信号の再生を可能とする。方法800は、ステップ812において、補償指標に基づく適応フィルタによってターゲットユーザの位置に音像を作り出す。
【0060】
この明細書全体を通じ「一実施形態」、「ある実施形態」、または類似の用語への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の機能、構造、または特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、この明細書全体にわたる「一実施形態において」、「ある実施形態において」という表現、および類似の用語の出現は、すべて同じ実施形態を示す場合があるが、必ずしもそうでなくてよい。
【0061】
特定の好ましい実施形態およびその例示によって本開示を説明したが、本発明の原理および趣旨の範囲内で、好ましい実施形態に対する修正や、他の実施形態も可能である。したがって、上記の説明および図面は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。
【0062】
よって、本開示の範囲は、添付の請求項によって定義されると共に、上述されたさまざまな特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせの両方、ならびに当業者が前述の説明を読んだときに想起するその変形および修正を含む。
【実施例0063】
いくつかの非限定的な実施例を以下に提供する。
第1実施例において、サラウンドサウンドエンターテインメントシステムは第1のラウドスピーカーに対するマイクロホン位置を決定する。このサラウンドサウンドエンターテインメントシステムは、ディスプレイインターフェースに動作可能に結合された第1のラウドスピーカーに第1の音響信号を送信する第1のラウドスピーカーインターフェースと、第2のラウドスピーカーに第2の音響信号を送信する第2のラウドスピーカーインターフェースと、マイクロホンからマイクロホンデータを受信するマイクロホンインターフェースと、第1および第2のラウドスピーカーの各々に対する音響信号出力を生成する音響プロセッサと、音響プロセッサによって実行可能な命令を内在した非一時的メモリとを含む。この命令は音響プロセッサによって実行されるときに、サラウンドサウンドエンターテインメントシステムに、マイクロホンインターフェースを介してマイクロホンデータを受信することと、マイクロホンデータを用いて第1のラウドスピーカーにおける第1の音響信号の再生と、マイクロホンによる対応する音の受信との間の時間遅延を決定することと、時間遅延を用いて第1のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置を決定することと、第1のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置に基づいて第1の音響信号または第2の音響信号のうちの少なくとも1つを修正するための第1のフィルタパラメータを決定することを行わせる。
【0064】
第2実施例は、第1実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、第1および第2のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置を決定する際に、ターゲットユーザの位置を決定するものである。
第3実施例は、第2実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、ターゲットユーザの位置を決定する際に、マイクロホンとターゲットユーザの位置との間の距離を取得するものである。
第4実施例は、第3実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、上述の距離を50cm未満としたものである。
第5実施例は、第2実施例から第4実施例のいずれかのサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、第2のラウドスピーカーをターゲットユーザの位置と動作可能に結びつけたものである。
第6実施例は、第5実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、第2のラウドスピーカーをマイクロホンから最小距離離したものである。
第7実施例は、第6実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、最小距離を75cm未満としたものである。
第8実施例は、第5実施例から第7実施例のいずれかのサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、第1の音響信号または第2の音響信号のうちの少なくとも1つを修正するための第1のフィルタパラメータを決定する際に、第1の音響信号を修正するための第1のフィルタパラメータを決定するものである。
【0065】
第9実施例は、第8実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、第1の音響信号または第2の音響信号のうちの少なくとも1つを修正するための第1のフィルタパラメータを決定する際に、第2の音響信号を修正するための第1のフィルタパラメータを、さらに決定するものである。
【0066】
第10実施例は、第9実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、命令が音響プロセッサによって実行されるときに、サラウンドサウンドエンターテインメントシステムに、第1のフィルタパラメータに基づいて、第1のラウドスピーカーでターゲットユーザの位置の音像を再生するために第1の音響信号を生成させるものである。
【0067】
第11実施例は、第10実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、命令が音響プロセッサによって実行されるときに、サラウンドサウンドエンターテインメントシステムに、さらに、音響プロセッサを用いて第1のラウドスピーカーで、生成された第1の音響信号を再生させるものである。
【0068】
第12実施例は、第11実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、命令が音響プロセッサによって実行されるときに、サラウンドサウンドエンターテインメントシステムに、第1のフィルタパラメータに基づいて、第2のラウドスピーカーでターゲットユーザの位置の音像を再生するために第2の音響信号を生成することと、音響プロセッサを用いて第2のラウドスピーカーで、生成された第2の音響信号を再生することをさらに行わせるものである。
【0069】
第13実施例は、第1実施例から第12実施例のいずれかのサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、第1のラウドスピーカーをディスプレイインターフェースと動作可能に結合したものである。
第14実施例は、第1実施例1から第13実施例のいずれかのサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、マイクロホンを第1のラウドスピーカーよりもターゲットユーザの位置に対してより近くに配置したものである。
第15実施例は、第1の音響信号または第2の音響信号に適応フィルタを適用するサラウンドサウンドエンターテインメントシステムである。このサラウンドサウンドエンターテインメントシステムは、ディスプレイインターフェースに動作可能に結合された、第1のラウドスピーカーに第1の音響信号を送信する第1のラウドスピーカーインターフェースと、第2のラウドスピーカーに第2の音響信号を送信する第2のラウドスピーカーインターフェースと、第1および第2のラウドスピーカーの各々に対する音響信号を生成する音響プロセッサと、音響プロセッサによって実行可能な命令を内在した非一時的メモリとを含む。この命令は音響プロセッサによって実行されるときに、サラウンドサウンドエンターテインメントシステムに、第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーに対するターゲットユーザの位置に関連する補償指標を得ることと、少なくとも補償指標に基づく適応フィルタであって、ターゲットユーザの位置において音像を作成する適応フィルタを、第1の音響信号または第2の音響信号に適用することと、補償指標を用いて、第1のラウドスピーカーのフィルタリングされた第1の音響信号または第2のラウドスピーカーのフィルタリングされた第2の音響信号を再生することを行わせる。
【0070】
第16実施例は、第15実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムに、第1のラウドスピーカーよりもターゲットユーザの位置に対してより近くに配置されたマイクロホンからマイクロホンデータを受信するマイクロホンインターフェースをさらに備えたものである。
【0071】
第17実施例は、第16実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムに、第1および第2のラウドスピーカーと、マイクロホンとをさらに備えたものである。
第18実施例は、第17実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、命令が音響プロセッサによって実行されるときに、サラウンドサウンドエンターテインメントシステムにムに、第1および第2のラウドスピーカーに対するマイクロホンの位置を決定させるものである。
【0072】
第19実施例は、第18実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、マイクロホンの位置を決定する際に、ターゲットユーザの位置を決定するものである。
第20実施例は、第19実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、ターゲットユーザの位置を決定する際に、マイクロホンとターゲットユーザの位置との間の距離を取得するものである。
第21実施例は、第20実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、第2のラウドスピーカーをターゲットユーザの位置と動作可能に結びつけたものである。
第22実施例は、第21実施例のサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、第2のラウドスピーカーをマイクロホンから最小距離離したものである。
第23実施例は、第14実施例から第22実施例のいずれかのサラウンドサウンドエンターテインメントシステムにおいて、第1のラウドスピーカーまたは第2のラウドスピーカーに対するターゲットユーザの位置に関連する補償指標を取得する際に、補償指標を決定するものである。
【0073】
むすび
この明細書全体を通じ「一実施形態」、「ある実施形態」、または類似の用語への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の機能、構造、または特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、この明細書全体にわたる「一実施形態において」、「ある実施形態において」という表現、および類似の用語の出現は、すべて同じ実施形態を示す場合があるが、必ずしもそうでなくてよい。さらに、この開示から当業者にとって明らかなように、1つ以上の実施形態において、特定の機能、構造、または特徴は任意の好適な方式で組み合わされてもよい。
【0074】
本出願において用いられる「備える」、「含む」、および「有する」や類似の用語は同義であり、非限定の形式で包含的に用いられ、追加の構成要素、機能、作用、および動作などを除外しない。加えて、「または」という用語は包含的な意味で用いられ(排他的な意味では用いられず)、よってたとえば構成要素のリストを接続するために使用されるときの「または」という用語は、そのリスト中の構成要素のうちの1つ、いくつか、またはすべてを意味する。
【0075】
同様に、当然のことながら上述の実施形態の説明において、開示を合理化してさまざまな発明の態様の1つ以上の理解を助ける目的のために、単一の実施形態、図面、またはその説明において、さまざまな特徴がときにはともにグループ化されている。しかし、この開示の方法は、任意の請求項がその請求項に明確に述べられた特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきではない。むしろ発明の態様は、任意の単一の前述で開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴の組み合わせに存在する。したがって、どの特徴または特徴のグループも、各実施形態にとって必要または必須のものではない。
【0076】
本明細書において、いくつかの出願、公報、および外部文書が引用により援用されてもよい。この明細書の本文の記述と、援用された文書のいずれかの記述との任意の対立または矛盾は、本文の記述の方を支持して解決されるべきである。
特定の好ましい実施形態および実施例の例示的な文脈で記載されているが、本開示は特定的に記載された実施形態を超えて他の代替的な実施形態および/または使用ならびに自明の修正および均等物に拡張されることを当業者は理解するだろう。よって、以下の請求項の範囲は上述の特定の実施形態によって限定されるべきでないことが意図される。
102…電子デバイス、104…ラウドスピーカー、106…チェア、108…ターゲットユーザ、202…サラウンドサウンドエンターテインメントシステム、204…第1のラウドスピーカー、205…有線/無線ネットワークインターフェース、206…第2のラウドスピーカー、208…マイクロホン、302…適応フィルタ、402…サラウンドサウンドエンターテインメントシステム、404…第1のラウドスピーカー、406…第2のラウドスピーカー、408…マイクロホン、410a…第1のラウドスピーカーインターフェース、410b…第2のラウドスピーカーインターフェース、410c…マイクロホンインターフェース、410d…ディスプレイインターフェース、412…非一時的メモリ、414…音響プロセッサ