特開 2024-45051 自動車

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024045051

(43)【公開日】2024-04-02

(54)【発明の名称】自動車

(51)【国際特許分類】

   B62D 35/00 20060101AFI20240326BHJP

   B62D 37/02 20060101ALI20240326BHJP

   B62D 25/20 20060101ALI20240326BHJP

【ＦＩ】

B62D35/00 C

B62D37/02 Z

B62D25/20 N

【審査請求】未請求

【請求項の数】10

【出願形態】ＯＬ

【外国語出願】

(21)【出願番号】P 2023150659

(22)【出願日】2023-09-19

(31)【優先権主張番号】102022000019344

(32)【優先日】2022-09-21

(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT

(71)【出願人】

【識別番号】519463178

【氏名又は名称】フェラーリ エッセ．ピー．アー．

【氏名又は名称原語表記】ＦＥＲＲＡＲＩ Ｓ．ｐ．Ａ．

【住所又は居所原語表記】Ｖｉａ Ｅｍｉｌｉａ Ｅｓｔ， １１６３， ４１１００ ＭＯＤＥＮＡ， Ｉｔａｌｙ

(74)【代理人】

【識別番号】110000796

【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】ファブリツィオ ファヴァレット

【テーマコード（参考）】

3D203

【Ｆターム（参考）】

3D203AA07

3D203BB03

3D203BB12

3D203CB28

3D203DB04

(57)【要約】      （修正有）

【課題】自動車の空力学が様々な運転状況及び運転条件に適応できない後方底部の輪郭において、製造が簡単で、かつ安価な自動車を提供する。
【解決手段】自動車は、自動車の下床部（３）の一部を画定する支持フレーム（２）、並びに、少なくとも部分的に支持フレーム（２）に固定され、下床部（３）の一部を画定し、自動車の後方区画（９）の領域に取り付けられた後方底部を有し、かつ、自動車の通常動作中に、路面の方向に第１の空気流を吹き出し、かつ／又は、下床部（３）の下を流れる第２の空気流の一部を吸い込むように構成された、空気圧ユニットが設けられた、空力学的底部を備える。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

自動車であって、
自動車の下床部（３）の一部を画定する支持フレーム（２）と、
前記下床部（３）から上方に突出する車室（４）と、
前記自動車を移動させるための駆動エンジンと、
前記支持フレーム（２）に少なくとも部分的に固定され、前記下床部（３）の一部を画定し、更に、前記自動車の後方区画（９）の領域に取り付けられた後方底部（８、２１）を有する空力学的底部（５）と、を備え、
前記後方底部（８、２１）には、前記自動車の通常運転中に、路面の方向に第１の空気流（Ｆ１）を吹き出すように、かつ／又は、前記下床部（３）の下を流れる第２の空気流（Ｆ２）の一部を吸い込むように構成された空気圧ユニット（１８、２７）が設けられることを特徴とする、自動車。

【請求項2】

前記空気圧ユニット（１８、２７）が、前記第１の空気流（Ｆ１）を前記路面の方向に吹き出すること、並びに、前記第２の空気流（Ｆ２）の一部を吸い込むことの両方を行うように構成された、少なくとも１つの可逆空気圧装置（１９、２８）を備える、請求項１に記載の自動車。

【請求項3】

前記空気圧ユニット（１８、２７）が、前記第１の空気流（Ｆ１）を吹き出すための、排出空気圧装置（１９、２８）、及び／又は、前記第２の空気流（Ｆ２）の一部を吸い込むための吸引空気圧装置（１９、２８）を備える、請求項１に記載の自動車。

【請求項4】

前記空気圧ユニット（１８、２７）が、前記後方底部（８、２１）に得られる空気圧チャンバ（１５、２５）、並びに、前記空気圧チャンバ（１５、２５）を前記下床部（３）の下で外部に接続するために、前記後方底部（８、２１）の下壁部（１４、２４）を貫通して得られる複数の開口部（１７、２６）を備える、請求項１から３のいずれか一項に記載の自動車。

【請求項5】

前記空気圧ユニット（１８、２７）が、前記第１の空気流（Ｆ１）を前記路面の方向に吹き付けるとともに、前記第２の空気流（Ｆ２）の一部を吸い込むように構成された、少なくとも１つの可逆空気圧装置（１９、２８）を備える、請求項４に記載の自動車。

【請求項6】

前記空気圧チャンバ（２５）が閉じられており、前記開口部（２６）のみを介して外部と連通し、かつ、前記可逆空気圧装置（２８）が、前記空気圧チャンバ（２５）の外部に取り付けられる、請求項５に記載の自動車。

【請求項7】

前記空気圧チャンバ（１５）が、その後端部（１６）の領域で開放されており、かつ、前記可逆空気圧装置（１９）が、前記空気圧チャンバ（１５）の内部に取り付けられる、請求項５に記載の自動車。

【請求項8】

前記空気圧ユニット（１８、２７）が、前記第１の空気流（Ｆ１）を吹き出すための排出空気圧装置（１９、２８）、及び／又は、前記第２の空気流（Ｆ２）の一部を吸い込むための吸引空気圧装置（１９、２８）を備える、請求項４に記載の自動車。

【請求項9】

前記空気圧チャンバ（２５）が閉じられており、前記開口部（２６）のみを介して外部と連通し、かつ、前記排出空気圧装置（２８）、及び／又は、前記吸引空気圧装置（２８）が、前記空気圧チャンバ（２５）の外部に取り付けられる、請求項８に記載の自動車。

【請求項10】

前記空気圧チャンバ（１５）が、その後端部（１６）の領域で開放されており、前記排出空気圧装置（１９）、及び／又は、前記吸引空気圧装置（１９）が、前記空気圧チャンバ（１５）の内部に取り付けられる、請求項８に記載の自動車。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

〔関連出願の相互参照〕
本特許出願は、２０２２年９月２１日に出願されたイタリア特許出願第１０２０２２００００１９３４４号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。

【0002】

本発明は、自動車に関する。

【0003】

特に、本発明は、自動車の下床部の一部を画定する支持フレームと、支持フレームに取り付けられ、下床部から上方に突出する車室と、自動車を移動させるための駆動エンジンと、支持フレームに固定され、下床部の一部を画定する空力学的底部と、を備えるような自動車に関する。

【背景技術】

【0004】

空力学的底部は、自動車の前方区画に取り付けられた前方底部、自動車の後方区画に取り付けられた後方底部、及び、自動車の中央区画に取り付けられた中央底部を備える。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

この後方底部は、様々な運転状況及び運転条件の間の、着地点に基づいて設計された輪郭を有する。そのため、主に、後方底部の輪郭は、自動車の空力学が様々な運転状況及び運転条件に適応できないものである、ということによって、上述したタイプの公知の自動車には、いくつかの欠点がある。

【0006】

本発明の目的は、上述した欠点を克服し、製造が簡単で、かつ安価な自動車を提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0007】

本発明によれば、添付の特許請求の範囲に記載の自動車が提供される。

【図面の簡単な説明】

【0008】

次に、本発明のいくつかの非限定的な実施形態を示す、添付の図面を参照して、本発明の説明を行う。

【0009】

【図1】明瞭にするために部品を取り除いた、本発明の自動車の好ましい実施形態の、概略斜視図である。

【図2】明瞭にするために部品を取り除いた、図１の自動車の下方概略図である。

【図3】明瞭にするために部品を取り除いた、図１の自動車の詳細部の概略斜視図である。

【図4】明瞭にするために部品を取り除いた、図３の詳細部の概略平面図である。

【図5】明瞭にするために部品を取り除いた、図３の詳細部の変形例の概略斜視図である。

【図6】明瞭にするために部品を取り除いた、図５の変形例の概略平面図である。

【図7】明瞭にするために部品を取り除いた、図５の変形例の下方概略図である。

【発明を実施するための形態】

【0010】

図１及び図２を参照すると、参照番号１は、全体として、自動車１の下床部３の一部を画定する支持フレーム２を備える自動車、特にスポーツカーを示す。

【0011】

自動車１はまた、フレーム２に取り付けられ、床部３から上方に突出する車室４、並びに、フレーム２に部分的に固定され、床部３の一部を画定する空力学的底部５を備える。

【0012】

底部５は、自動車１の前方区画７でフレーム２に固定された前方底部６、自動車１の後方区画９でフレーム２に固定された後方底部８、及び、底部６と底部８との間で、自動車１の中央区画１１でフレーム２に固定された細長い中央底部１０を備える。

【0013】

自動車１はまた、公知の駆動エンジン（図示せず）を備える。この駆動エンジンは、後方区画９の中央に取り付けられ、自動車１の通常動作中に、フレーム２に対して少なくとも１つの自由度を有するように、公知の弾性衝撃吸収装置（図示せず）を間に挟んで、フレーム２に接続される。

【0014】

図２、図３、及び図４に示すものによれば、後方底部８は、前方プレート１２と、自動車１の後方区画９に沿って連続して配置された後方箱形本体１３を備える。

【0015】

本体１３は、路面（図示せず）に面する下壁部１４によって境界付けられ、開放された後端部１６、及び、壁部１４を貫通して形成された複数の開口部１７の両方を介して、外部環境と連通する、空気圧チャンバ１５を画定するように構成される。

【0016】

チャンバ１５は、この場合には更に、複数の開口部１７のそれぞれにおいて、チャンバ１５の内側に取り付けられた一対のファン１９を備える空気圧ユニット１８の一部を画定する。

【0017】

各ファン１９は、可逆ファンであり、開口部１７を通ってチャンバ１５の外側に、かつ路面（図示せず）の方向に、空気流Ｆ１を吹き出すようにファン１９が駆動される第１の動作モード、並びに、自動車１の通常動作中に、前方区画７から後方区画９にかけて、床部３の下を循環する空気流Ｆ２の一部を、チャンバ１５内に吸い込むようにファン１９が駆動される第２の動作モードを有する。

【0018】

自動車１はまた、自動車１の動作パラメータ、例えば速度、及び／又は、自動車１の前方経路（図示せず）の幾何学的パラメータの関数として、ファン１９の動作、したがって空気流Ｆ１の吹き出し、及び空気流Ｆ２の一部の吸い込みを、選択的に制御するように構成された電子制御ユニット２０を備える。

【0019】

図示されていない変形例によれば、ファン１９は省略され、一方では、路面（図示せず）の方向にチャンバ１５の外側に空気流Ｆ１を吹き出すように駆動される排出空気圧装置、具体的にはファン、並びに、他方では、空気流Ｆ２の一部をチャンバ１５の内側に吸い込むように駆動される吸引空気圧装置、具体的にはファンに置き換えられる。

【0020】

空気流Ｆ１の吹き出し、及び／又は、空気流Ｆ２の一部の吸い込みは、空気流Ｆ２、したがって自動車１の垂直方向の空力学的負荷、及び、空力学を変更するものである。

【0021】

図５、図６、及び図７に示される変形例は、その中で、後方底部８が削除され、前方プレート２２、及び、自動車１の後方区画９に沿って連続して配置された後方の箱形本体２３を備える後方底部２１に置き換えられているということのみが、それ以前の図に示されるものとは異なる。

【0022】

本体２３は、路面（図示せず）に面する下壁部２４によって境界付けられ、壁部２４を通して設けられた複数の開口部２６を介して、外部環境と連通する、閉じた空気圧チャンバ２５を画定する。

【0023】

チャンバ２５は、この場合、チャンバ２５の外部に取り付けられた一対の空気圧装置２８を更に備える空気圧ユニット２７の一部を画定する。

【0024】

各装置２８は可逆空気圧装置であり、空気流Ｆ１が、最初にチャンバ２５を通り、次に開口部２６を通って、かつ路面（図示せず）の方向に吹き付けられるように、装置２８が駆動される第１の動作モード、並びに、空気流Ｆ２の一部が、最初にチャンバ２５の内部を通り、次に装置２８を通って吸引されるように、装置２８が駆動される第２の動作モードを有する。

【0025】

あるいは、装置２８は、一方が第１の動作モードで駆動され、他方が第２の動作モードで駆動される。

【0026】

電子制御ユニット２０は、装置２８の動作、したがって空気流Ｆ１の吹き出し、及び、空気流Ｆ２の一部の吸い込みを、自動車１の動作パラメータ、例えば速度、及び／又は、自動車１の前方経路（図示せず）の幾何学的パラメータの関数として、選択的に制御するように構成される。

【0027】

空気流Ｆ１の吹き出し、及び／又は、空気流Ｆ２の一部の吸い込みは、空気流Ｆ２、したがって自動車１の垂直方向の空力学的負荷、及び、空力学を変更するものである。

【0028】

上述したことを参照すれば、空気流Ｆ１を吹き出すことで、下壁部１４、２４を洗浄することが可能となり、かつ、後方底部８、２１の適正な動作が保証される、ということが明確になる。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【外国語明細書】