(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045073
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】閉ループDACグリッチ緩和
(51)【国際特許分類】
H03F 3/68 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H03F3/68 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023152245
(22)【出願日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】63/376,467
(32)【優先日】2022-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/227,027
(32)【優先日】2023-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519383544
【氏名又は名称】アナログ・ディヴァイシス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ムラット・デミルカン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・イー・ハーレル
(72)【発明者】
【氏名】デニス・エー・デンプシー
(72)【発明者】
【氏名】ザヒト・エヴレン・カヤ
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA21
5J500AA51
5J500AC41
5J500AH38
5J500AK26
5J500AK34
5J500AM11
(57)【要約】
【課題】デジタルアナログ変換器を使用して、大きなダイナミックレンジにわたって制御された出力を提供する増幅器システムを提供する。
【解決手段】増幅器システムのフィードバック制御の方法は、少なくとも1つのデジタルアナログ変換器(DAC)回路を使用して複数の増幅器回路を駆動し、増幅器システムのシステム出力を設定することと、第1のセットのDACコードを使用して少なくとも1つのDAC回路を動作させて、システム出力を定常状態目標出力に設定することと、指定された閾値遷移よりも大きい第1のセットのDACコードの高グリッチ遷移を検出することと、第2のセットのDACコードを使用して少なくとも1つのDAC回路を動作させて、システム出力を実質的に同一の定常状態目標出力に設定するように変更することと、を含むみ、第2のセットのDACコードを使用して少なくとも1つのDAC回路を動作させることが、少なくとも1つのDAC回路の出力でのグリッチエネルギーを低減させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
増幅器システムのフィードバック制御の方法であって、前記方法が、
少なくとも1つのデジタルアナログ変換器(DAC)回路を使用して複数の増幅器回路を駆動し、前記増幅器システムのシステム出力を設定することと、
第1のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作させて、前記システム出力を定常状態目標出力に設定することと、
前記第1のセットのDACコードを使用するときに、前記少なくとも1つのDAC回路の出力において高グリッチコンディションを検出することと、
第2のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作させるように変更して、前記システム出力を実質的に同一の定常状態目標出力に設定することと、を含み、前記第2のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作させることが、前記少なくとも1つのDAC回路の前記出力におけるグリッチエネルギーを低減させる、方法。
【請求項2】
前記高グリッチコンディションを検出することが、前記第1のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作させるときに、閾値グリッチ遷移よりも大きい高エネルギーグリッチ遷移を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記高グリッチコンディションを検出することが、前記システム出力を前記定常状態目標出力に設定するときに、前記高グリッチコンディションに関連付けられたDACコード遷移を前記第1のセットのDACコードが含んでいることを識別することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
フィードバック回路経路を含む制御ループを使用して前記システム出力を前記定常状態目標出力に設定することを含み、
第2のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作させるように前記変更することが、前記制御ループにオフセットを追加して、前記第2のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記制御ループに前記オフセットを前記追加することが、別のDAC回路を使用して前記制御ループにプログラム可能なオフセットを追加することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記増幅器システムを第1のモードで動作させるときには、前記少なくとも1つのDAC回路の出力を、前記複数の増幅器回路うちの第1の増幅器回路の入力及び第2の増幅器回路の入力に与えることと、
第2のモードでは、前記少なくとも1つのDAC回路の前記出力を前記第1の増幅器回路の前記入力に与え、かつ、別のDAC回路の出力を前記第2の増幅器回路の前記入力に与えることと、を含み、前記第2のモードが、前記第1のモードよりも低い電圧出力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の増幅器回路を前記駆動することが、
複数のDACチャネルを駆動することであって、各DACチャネルがメインDACと増幅器回路とを含み、前記DACチャネルの前記増幅器回路が異なる信号ゲインを有する、駆動することと、
前記第1のセットのDACコードを使用して前記DACチャネルの前記メインDAC回路を動作させ、前記DACチャネルの出力を合計して前記システム出力を設定することと、
制御ループを使用して、前記システム出力を前記定常状態目標出力に設定し、かつ、前記第2のセットのDACコードを使用して前記メインDAC回路を動作させるように変更して、前記複数のDACチャネルによって引き起こされる前記システム出力のリップルを低減させることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作させるときに、閾値グリッチ遷移よりも大きい高エネルギーグリッチ遷移を検出することと、
前記高エネルギーグリッチ遷移の大きさ及び現在のDACコードを使用してオフセットを決定することと、
前記決定されたオフセットを使用して、1つのセットのDACコードを前記第2のセットのDACコードとして選択することと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のセットのDACコードから選択されたDACコード値を使用して前記少なくとも1つのDAC回路のDACコードを更新して、前記システム出力を前記定常状態目標出力に設定することと、
前記システム出力を前記定常状態目標出力に設定するときに、前記少なくとも1つのDAC回路の前記DACコードが高グリッチDACコード遷移の近傍に落ち着くときを検出することと、
前記検出することに応答して、前記第2のセットのDACコードから選択されたDACコード値を使用して、前記少なくとも1つのDAC回路の前記DACコードを更新することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
増幅器システムであって、
少なくとも1つのデジタルアナログ変換器(DAC)回路であって、前記少なくとも1つのDAC回路内のDACコードを設定することが、前記少なくとも1つのDAC回路の出力を設定する、DAC回路と、
前記少なくとも1つのDAC回路の前記出力に接続された入力を含む複数の増幅器回路と
前記増幅器システムのシステム出力に接続されたフィードバック回路経路と、
前記少なくとも1つのDAC回路及び前記フィードバック回路経路に接続された制御回路と、を含み、前記制御回路が、
第1のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作させて、前記システム出力を定常状態出力目標に設定するように構成されており、
第2のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作するように変更して、同一の定常状態出力目標を維持し、かつ、前記少なくとも1つのDAC回路によって引き起こされる前記システム出力でのリップルを低減させるように構成されている、増幅器システム。
【請求項11】
前記フィードバック回路と前記制御回路とを含む制御ループを含み、
前記制御回路が、
閾値グリッチ遷移よりも大きい前記第1のセットのDACコードの高グリッチ遷移を検出するように構成されており、
前記制御ループにオフセットを加えて、前記第2のセットのDACコードから前記DACコードを選択するように変更するように構成された、請求項10に記載の増幅器システム。
【請求項12】
前記制御ループに前記オフセットを加えるための別のDAC回路を含み、
前記制御回路が、前記高グリッチ遷移の大きさと、前記高グリッチ遷移に対応する1つ以上のDACコード値と、に従って前記オフセットを設定するように構成されている、請求項11に記載の増幅器システム。
【請求項13】
前記複数の増幅器回路の出力に接続された加算ノードを含み、
前記少なくとも1つのDAC回路が、複数のDAC回路を含み、
前記複数の増幅器回路の前記入力が、前記複数のDAC回路の前記出力に接続されて複数のDACチャネルを形成し、前記複数の増幅器回路の前記出力が、前記加算ノードに接続されており、
前記制御回路が、
前記複数のDAC回路のDACコードを更新して、前記定常状態出力目標を維持するように構成されており、
前記オフセットを前記加算ノードに加えて、前記第2のセットのDACコードから前記DACコードを選択するように変更するように構成されている、請求項11に記載の増幅器システム。
【請求項14】
前記複数の増幅器回路が、第1の増幅器回路と第2の増幅器回路とを含み、前記少なくとも1つのDAC回路が、前記第1の増幅器回路の入力に接続された第1のDAC回路と、前記第2の増幅器回路の入力に接続された第2のDAC回路とを含み、
前記制御回路が、
第1のモードでは、前記第1のDAC回路及び前記第2のDAC回路の双方の前記DACコードを更新して、等しいDAC出力を前記第1の増幅器回路及び前記第2の増幅器回路に与えて、前記システム出力を前記定常状態出力目標に設定するように構成されており、
第2のモードでは、前記第1のDAC回路の前記DACコードのみを更新して、前記システム出力を前記定常状態出力目標に設定するように構成されており、前記第2のモードが、前記第1のモードよりも低い出力電圧範囲を有する、請求項11に記載の増幅器システム。
【請求項15】
スイッチ回路を含み、
前記複数の増幅器回路が、第1の増幅器回路と第2の増幅器回路とを含み、前記少なくとも1つのDAC回路が、第1のDAC回路と第2のDAC回路とを含み、前記第1のDAC回路の出力が、前記第1の増幅器回路の入力に接続されており、
前記スイッチ回路が、
第1のモードでは、前記第1のDAC回路の前記出力を前記第2の増幅器回路の入力に接続するように構成されており、
第2のモードでは、前記第2のDAC回路の前記出力を前記第2の増幅器回路の前記入力に接続するように構成されており、前記第2のモードが、前記第1のモードよりも低い電圧出力範囲を有する、請求項10に記載の増幅器システム。
【請求項16】
システムメモリを含み、
前記制御回路が、
DACコード値の指定された範囲にわたって、前記少なくとも1つのDACコードのDACコードを掃引するように構成されており、
DACコード遷移に対するDACグリッチ特性データを前記システムメモリに格納するように構成されており、
前記DACコード遷移に対する前記格納されたDACグリッチの大きさを使用して、前記高グリッチ遷移を検出するように構成されている、請求項10に記載の増幅器システム。
【請求項17】
前記フィードバック回路経路が、前記システム出力に動作可能に結合されたアナログデジタル変換器(ADC)回路を含み、
前記制御回路が、前記少なくとも1つのDAC回路の前記DACコードを設定して、システム出力電圧を定常状態出力目標電圧に設定するように構成されている、請求項10に記載の増幅器システム。
【請求項18】
前記システム出力に検知インピーダンスを含み、
前記フィードバック回路経路が、前記検知インピーダンスに動作可能に結合されたアナログデジタル変換器(ADC)回路を含み、
前記制御回路が、前記少なくとも1つのDAC回路の前記DACコードを設定して、システム出力電流を定常状態目標出力電流に設定するように構成されている、請求項10に記載の増幅器システム。
【請求項19】
閉ループ制御を有する電源システムであって、前記電源システムが、
複数のデジタルアナログ変換器(DAC)チャネルであって、各DACチャネルは、増幅器回路の入力に接続されたDAC回路を含む、複数のDACチャネルと、
前記DACチャネルの前記増幅器回路の出力に接続されて、システム出力を与える加算ノードと、
前記DACチャネル及び前記システム出力に動作可能に結合された制御回路と、を備え、前記制御回路が、
前記DACチャネルの前記DAC回路をDACコードで更新して、前記システム出力を定常状態での定常状態目標出力に調整するように構成されており、前記DACコードが、第1のセットのDACコードから選択され、
前記第1のセットのDACコードから選択された前記DACコードが、前記定常状態にある前記DAC回路の出力においてグリッチコンディションをもたらすときを検出するように構成されており、
同一の定常状態目標出力を維持し、かつ、前記DAC回路の前記出力におけるグリッチを低減する前記DACコードを、第2のセットのDACコードから選択するように変更するように構成されている、電源システム。
【請求項20】
前記制御回路が、
前記高グリッチDACコード遷移のグリッチ大きさに従って、制御ループオフセットを決定するように構成されており、
前記制御ループオフセットを前記加算ノードに加えて、前記第2のセットのDACコードから前記DACコードを選択するように変更するように構成されている、請求項19に記載の電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、その全体が参照により本明細書に援用される、2022年9月21日に出願された米国仮出願第63/376,467号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、限定するものではないが、制御された出力を提供する回路供給システムに関し、より具体的には、デジタルアナログ変換器を使用して、大きなダイナミックレンジにわたって制御された出力を提供する増幅器システムに関する。
【背景技術】
【0003】
増幅器システムは、直流(DC)出力を提供するための回路供給として使用され得る。これらのシステムは、例えば、自動試験装置(ATE)で有用になり得る。試験環境における回路供給は、大きなダイナミックレンジを有することが望まれ得る。ATEのダイナミックレンジを増加させる1つのアプローチは、デジタルアナログ変換器(DAC)を使用して、複数の動作モード間でATEを遷移させることである。しかしながら、閉ループ制御供給でDACを使用すると、グリッチが発生する可能性があり、これは望ましくない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、増幅器システムのフィードバック制御の方法であって、前記方法が、少なくとも1つのデジタルアナログ変換器(DAC)回路を使用して複数の増幅器回路を駆動し、前記増幅器システムのシステム出力を設定することと、第1のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作させて、前記システム出力を定常状態目標出力に設定することと、前記第1のセットのDACコードを使用するときに、前記少なくとも1つのDAC回路の出力において高グリッチコンディションを検出することと、第2のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作させるように変更して、前記システム出力を実質的に同一の定常状態目標出力に設定することと、を含み、前記第2のセットのDACコードを使用して前記少なくとも1つのDAC回路を動作させることが、前記少なくとも1つのDAC回路の前記出力におけるグリッチエネルギーを低減させる、方法を提供するものである。
【0005】
図面において、必ずしも縮尺通りに描かれていないが、同様の数字は、異なる図面において同様の構成要素を記述する場合がある。異なる文字の添字を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる例を表す場合がある。図面は、概して、本文書に記載された様々な実施形態を限定としてではなく、例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】増幅器システムを含む電子回路の一例の図である。
【
図2】
図1の回路に対する伝達関数の一例を示す図である。
【
図3】
図1の回路に対する伝達関数の別の例の図である。
【
図4】増幅器システムを含む電子回路の別の例の図である。
【
図5】
図4の回路に対する伝達関数の一例を示す図である。
【
図6】複数のデジタルアナログ変換器(DAC)を有する増幅器システムを含む電子回路の一例の図である。
【
図7】複数のDACを有する増幅器システムを含む電子回路の別の例の図である。
【
図9】
図8のDACコード遷移から生じ得る出力リップルのグラフを示す。
【
図10】10ミリボルトのピーク振幅を有するグリッチ波形の一例である。
【
図11】セグメント化されたDACに対する出力電圧グリッチ振幅対DACコード変化の一例のグラフである。
【
図12】複数のDACを有する
図10の閉ループ増幅器システムの拡大版である。
【
図13】
図12のマルチDACシステムのスイッチレス版である。
【
図14】1つ以上の補助DACが主DACの基準レベルを生成するために使用される閉ループ回路である。
【
図16】高電圧低解像度モードで動作する
図15の増幅器システムを示す。
【
図17】低電圧高分解能モードで動作する
図15の増幅器システムを示す。
【
図19】高電圧低解像度モードで動作する
図18の増幅器システムを示す。
【
図20】低電圧高分解能モードで動作する
図18の増幅器システムを示す。
【
図21】高電圧モードで動作する
図16及び
図19の増幅器システムに対する伝達曲線のグラフである。
【
図22】比較的低いグリッチングを有するDACコード領域で動作する
図15及び16の回路を示すグラフである。
【
図23】比較的低いグリッチングを有するDACコード領域で動作する
図15及び16の回路を示すグラフである。
【
図24】遷移のグリッチ大きさに対する定常状態でのピークコード遷移の一例のプロットである。
【
図25】複数のDACを有する増幅器システムを含む電子回路の別の例の図である。
【
図26】低電圧モードで動作する
図17、20、及び25の回路に対する伝達関数の例を示す図である。
【
図27A】1つ以上のDACを有する増幅器システムを動作させる方法の一例のフロー図を示す。
【
図27B】1つ以上のDACを有する増幅器システムを動作させる方法の一例のフロー図を示す。
【
図28A】1つ以上のDACを有する増幅器システムに対する前景較正の方法の一例のフロー図を示す。
【
図28B】1つ以上のDACを有する増幅器システムに対する前景較正の方法の一例のフロー図を示す。
【
図29】増幅器システムのフィードバック制御の方法の一例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、より低い解像度であるが高電圧(HV)範囲、及びより高い解像度であるが低電圧(LV)範囲を提供するために入力信号(V
IN)を与えるためのスイッチ選択可能な伝達関数ゲインを有する増幅器システムを備えた電子回路の一例の図である。増幅器システムは、入力信号により高い信号ゲイン(G
HV)を提供する回路経路と、入力信号により低い信号ゲイン(G
LV)を提供する回路経路とを含む。HVレンジ回路経路又はLVレンジ回路経路は、所望の回路経路を有効にするスイッチ機構(SW)を使用して選択される。
【0008】
入力(VIN)から出力(VOUT)までの信号ゲインは、それぞれ、低解像度HV範囲回路経路及び高解像度LV範囲回路経路に対して、GHV及びGLVとして指定され、ここで、GHV>GLVである。出力伝達関数への入力は、ゲイン選択スイッチの状態に依存し、かつ順方向ゲインGFが実質的に単一であると仮定して、以下の式のうちの1つによって決定される。
【0009】
VOUT(HV Range)=VINGHV
【0010】
VOUT(LV Range)=VINGLV
【0011】
入力VINは、以下のように正規化され得る。0V≦VIN≦1V
【0012】
図2は、HV範囲及びLV範囲に対するV
INの関数としての出力電圧V
OUTの図である。HV範囲グラフがスロープG
HVを有し、LV範囲グラフがスロープG
LVを有する。HV及びLV範囲の双方のスパンに共通の出力電圧で動作する場合、出力において電圧擾乱(例えば、信号グリッチ)又は逸脱を誘発することなく、2つの範囲設定を切り替えることが望ましい場合がある。このグリッチ緩和は、HV及びLVの双方の範囲に共通の動作電圧V
OUTの範囲でのみ可能である。
【0013】
しかしながら、HV及びLVの範囲の双方に共通のそれらの出力電圧のみについても、回路経路間でスイッチが変更されるときに、一定の入力電圧(V
A)に対して出力に逸脱が存在してしまう。これは、2つのグラフが交差する点(
図2の例ではV
IN=0V)を除く全ての動作点に当てはまる。これは、交点にない全ての点について、上記に定義された異なる伝達関数に従って、出力が対応する入力V
Aに対して異なる電圧をとるためである。
【0014】
図3は、HV範囲及びLV範囲に対するV
INの関数としてのV
OUTのグラフを示す。グラフは、2つの出力グラフが交差しない動作点V
IN=V
Aの逸脱(V
A>0V)を示す。
図3のグラフに示されるように、逸脱は、
図1のスイッチの位置がHV範囲回路経路とLV範囲回路経路との間で変更されるときの入力V
Aの差V
A[G
HV-G
LV]である。
【0015】
図4は、HV範囲とLV範囲との間で切り替えるための増幅器システムの一例の回路概略図である。G
HV増幅器が取り除かれ、スイッチSWがG
LVとG
X増幅器の入力側に位置する。
【0016】
LV範囲全体の伝達関数は以下になる。
【0017】
VOUT=VINGLV+VXGX
【0018】
式中、ゲインGXは任意に選択されてよい。
【0019】
フィードバック増幅器(FA)は、出力(V
OUT)が所望の目標信号V
TARGETに向かって移行するように、入力電圧V
INを適切な電圧に自動的に調整する。出力(V
OUT)が所望の目標信号V
TARGET、又はその付近(例えば、誤差マージン内)に保持されるとき、増幅器システムは定常状態にある。スイッチSWにより、増幅器システムがG
HV増幅器を用いずにゲインG
HVを実現することが可能になる。上の設定(
図4に示すように)のスイッチでは、V
INからV
OUTへのゲインはG
LV+G
X=G
HVであり、スイッチを下の設定に変更することにより、総ゲインはG
LVであるが、V
X及びG
Xによって決定される静的オフセットを有する。V
Xを変更することによって、LV範囲グラフに示されるLV範囲伝達関数が1つの共通モードスパンから別の共通モードスパンにゆっくりと変換される場合であっても、フィードバック機構は、この目標で出力を保持するように作用する。論理回路402は、プロセッサ、状態機械、書き込み可能ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はV
IN及びV
Xの値を変更する他の論理回路のうちの1つ以上を含むことができる。
【0020】
図5は、
図4の回路の動作を図示するHV範囲及びLV範囲のグラフであり、ここで、LV範囲は交差コンディションから好ましいコモンモードスパンに戻るまで遷移する。
図5に示す例では、V
X電圧はV
Aから0Vに減少される。フィードバック機構は、(例えば、デジタルアナログ変換器(DAC)又は他の論理回路を使用して)V
Xが調整されている間であっても、出力でV
TARGETを維持するように(V
AからV
Bへ)V
INを自動的かつ動的に調整し、それによって出力を妨害することなくLVグラフをシフトさせる。スイッチ設定を変更する前にV
XがV
INと一致するようにすることで、出力の逸脱が排除され得る。
【0021】
図6は、入力電圧V
IN、V
Xがデジタルアナログ変換器(DAC
IN及びDAC
X)によって作成される増幅器システムの別の例の回路概略図である。更に、フィードバック増幅器(FA)が、DAC及びADC606の適切な制御を提供する制御回路602と組み合わされたアナログデジタル変換器(ADC)606で置き換えられる。制御回路602は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、状態機械、書き込み可能ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の論理回路を使用して実装されてよい。増幅器システムは、システムオンチップ(SoC)IC、システムインパッケージ(SiP)に含まれてもよく、又は複数の構成部品から作られてもよい。
【0022】
G
X及びG
LV増幅器回路の補助信号ゲインG
X及びLV信号ゲインG
LVは、調整可能であってよい。(
図6に示すように)スイッチSWがHV低解像度モードの場合、V
INからV
OUTへのゲインはG
LV+G
X=G
HVであり、スイッチをLV高解像度モードに変更することにより、合計ゲインはG
LVであるが、
図4の例のようにV
X及びG
Xによって決定される静的オフセットを有する。順方向ゲインG
Fは、出力への前方経路で、又はフィードバック経路での逆ゲインG
Rに加えられ得る。第2のADC608は、検知インピーダンスR
Sを使用して出力電流を監視するために任意選択で使用されてよい。検知インピーダンスR
Sは、抵抗器又はアクティブデバイスインピーダンスなどのインピーダンス回路素子を含むことができる。検知インピーダンスは、特定の特性(例えば、バランス温度係数)を達成するために、異なるタイプ及びサイズのインピーダンスの組み合わせで構成することができる単位抵抗又は単位インピーダンスを含むことができる。そのようなインピーダンスは、較正、トリミング、又はチューニングされてよい。出力電流を監視するためのゲインG
Mも調整可能であってよい。
【0023】
図7は、範囲制御スイッチ(SW)が取り除かれた増幅器システムの別の例の回路概略図である。スイッチSWの動作は、制御回路702によるDACの適切な制御によって置き換えられる。例えば、HV低解像度モードでの動作が必要な場合、制御回路702は、DACがG
IN増幅器及びG
X増幅器の入力に等しい電圧を提示するように、DACを同時に駆動する。したがって、複合ゲインは、G
LV+G
X=G
HVである。LV高解像度モードでの動作が必要な場合、制御回路702は、V
Xの現在の動作コンディションでDAC
X経路をフリーズさせ、DAC
IN経路を介して排他的に任意の後続の制御を行うことに進み、それによってゲインG
LVをもたらす。G
LV及びG
X増幅器への入力は、DAC
IN経路を通る排他的制御が開始されるときに等しいため、任意の不連続性又はグリッチは、範囲切り替え動作中に緩和される。逆範囲切り替え(LVモードからHVモードに戻る)は、V
TARGETが出力で維持されるように、デジタルフィードバックをサーボDAC
INに継続させながら、DAC
XをDAC
INに向かってランプさせることによって達成される。DAC
IN及びDAC
Xの内容が再び一致するとき、その時点からの任意の後続のフィードバック制御は、V
X=V
INのコンディションが維持されるようにDACを再び同時に駆動することによって達成される。これにより、システムが効果的にHV範囲に戻り、その一方で、出力の不連続性、グリッチ、又は逸脱が軽減される。
【0024】
図6及び
図7の例では、フィードバック経路(G
R)のゲインは、所与のADCのフルスケール範囲の限界内でADC1006の入力で電圧が揺れるように出力電圧をスケーリングするように設定され得る。更に、ゲイン(又は減衰)G
Rは、2つ以上のレベルの間で切り替えられて、HV及びLVモードのそれぞれについて別個にADC入力範囲を最適化してもよい。実際には、LVモードでは、DAC
Xによって導入されたオフセットは、ADC1006の入力範囲を更に最適化するために、戻り経路内で除去されてもよい。また、ゲインG
Rを有する増幅器の入力は、ゲインG
Fを有する増幅器の入力に接続されてもよく、又はそれと組み合わされてもよい。
【0025】
DACを使用して入力電圧(例えば、V
IN、V
Xなど)が生成される
図6及び7の閉ループアーキテクチャは、HVモードとLVモードとの間の電圧範囲の変化によって引き起こされる出力のグリッチを緩和する。しかしながら、ループがV
OUT=V
TARGETの付近で定常状態を維持するように動作している間は、出力のグリッチはDACコード遷移中にDACから生じる可能性がある。例えば、制御回路702は、DACのアナログ出力を調整して定常状態を維持するために、DAC入力コードを1つ又は2つのLSBだけ変更してよい。デジタル入力を変更することにより、アナログ出力にグリッチが発生する可能性がある。グリッチの振幅が十分に高い場合、制御回路ループ補償が循環的になる可能性があり、グリッチの補償によってグリッチが再び生成され、補償が繰り返される状態にDACコードが戻される。これにより、V
OUTにおいて望ましくないリップルが引き起こされる可能性がある。電源用途では、出力リップル又は定常状態での持続的な発振が特に懸念される。
【0026】
図8は、比較的大きな遷移(例では+/-10LSB)を有するDACコード領域の近傍で定常状態を維持するために機能する制御ループのDACコード遷移の一例のグラフを示す。出力に生じる可能性のあるリップルのグラフを
図9に示す。制御ループは20.15V付近に落ち着くように機能しており、DACコードの遷移により出力にグリッチが発生し、出力に50mVのリップルが発生している。
【0027】
DACによって生成されたグリッチのグリッチエネルギーは、最悪の場合のグリッチ電圧波形の経時的な正味積分面積から、DACのエンドポイント調整されたステップ遷移を差し引いたものとして定義され得る。
図10は、10ミリボルト(10mV)のピーク振幅を有するグリッチ波形の一例である。DACのグリッチエネルギーは、回路アーキテクチャ、マイクロアーキテクチャ、設計、及び実装のレイアウトに依存する。ナイキストDAC(単一重み付け、バイナリ重み付け、温度計符号化、セグメント化DACなどを含む)として知られるDACのカテゴリは、複数の要素の同期スイッチングを必要とし、したがって、アナログ出力に望ましくないグリッチを生成する傾向がある。例えば、バイナリ重み付けDACは、2つの基準レベル間で切り替えられるコンデンサ又は抵抗のアレイを利用する。異なるアレイ要素のそれぞれの論理回路間のクロックスキューは、不完全なスイッチングをもたらし、遷移中にグリッチを引き起こす。そのような不備を減少させるために、回路及びレイアウト設計に注意を払う必要がある。バイナリ重み付けDACは、他のDACアーキテクチャ(例えば、単一スケーリングされたアーキテクチャ)よりも高いグリッチエネルギーを示す可能性がある。グリッチは、一般に、全てのビットが切り替えられている最高有効ビット(MSB)遷移においてより深刻である。主要なキャリー遷移中に生成されたグリッチは、他のDACコード遷移中に生成されたグリッチが良性であるにもかかわらず、いくつかの最小有効ビット(LSB)を超える振幅をもたらす可能性がある。
【0028】
セグメント化されたDACは、より良い直線性特性を得るために、複数のDACアーキテクチャの組み合わせとして実装される。セグメント化されたDACは、通常、バイナリ重み付け(LSB)セグメント及び単一重み付け(MSB)セグメントの双方を含み、また、複数の分岐の同期スイッチングを必要とし、したがって、通常、特にMSBセグメント遷移中にグリッチを生じる傾向にある。セグメント化されたDACにおいて、高エネルギーグリッチは、典型的には、存在するMSBセグメントの数に依存して、DACコード範囲にわたって周期的に繰り返される。
【0029】
図11は、18ビットでセグメント化されたDACの出力電圧グリッチ振幅対DACコード変更の一例のプロットである。プロットは、MSBセグメントコード遷移に対応するDACコード空間にわたって存在する64個の高エネルギーグリッチスパイクを示す。また、例えば、セグメント化されたDACのLSBサブDACにおけるミッドスケールコード遷移中に、DACコード範囲の他の部分における他のDACコード遷移で観察されるより高いグリッチスパイクが存在し得る。このグリッチングは、DAC回路アーキテクチャ及びマイクロアーキテクチャの詳細に依存する。
【0030】
図12は、複数のDAC又は複数のDACチャネルを有する
図6の閉ループ増幅器システムの拡大版である。
図12のシステムは、マルチプレクサ(MUX)1210の状態に依存して、回路経路A~Dのいずれかを使用して出力電圧及び出力電流を監視するために任意選択で使用され得る1つのADC606を示す。いくつかの例では、システムが複数のADCを含み、MUX1210がADCの出力に配置される。MUX1210は、制御回路1202にフィードバックするためのADC出力を選択する。特定の例では、電流情報及び電圧情報の双方を同時に処理することができ、又は4つの回路経路A~Dの全てからの電流と電圧を同時に処理することができる。いくつかの回路経路は、制御回路ループに含まれてもよく、いくつかの回路経路は、障害検出などの他の目的のために監視されてもよい。DACは、スイッチと組み合わせて、DACが並列、直列、又は並列及び直列接続のハイブリッドで接続されたマルチDACシステムを形成することができる。
【0031】
図13は、
図12のマルチDACシステムのスイッチレス版である。これらのマルチDACマルチ増幅器システムでは、各DACチャネル経路の電圧(又は電流)範囲は、各チャネル内のDACの範囲及び後続の増幅段階のゲインに基づく。
図12及び13では、各DAC(V
REFPi、V
REFNi)に対する上限及び下限基準レベルがDACの範囲を決定する。これらの基準レベルは、固定又は(例えば、追加のDAC又はDACを使用して)プログラム可能であり得る電圧である。基準電圧は、ゲイン又は減衰ネットワークを使用して提供されてもよい。
【0032】
図14は、1つ以上の補助DACが主DACの基準レベルを生成するために使用される、
図12の閉ループ回路である。電流モードDACの場合、フィードバックADCは、検知インピーダンスR
Sの端子を監視することによって電流を測定する微分ADC608であってよい。
【0033】
図12~14のマルチDACシステムでは、異なるゲイン(G
i)又は基準レベル(V
REFPi)を有する異なるDACチャネルが、完全に又は部分的に重複する転写曲線を有するようにすることができる。結果として、DACコードから出力電圧(又は出力電流)へのマッピングは、意図的に多対一にすることができる。換言すると、定常状態で正確に同一の出力電圧(又は電流)をもたらすDACコードの複数の異なる組み合わせが存在し得る。したがって、各目標出力レベル(電圧又は電流)について、制御回路は、高グリッチコード遷移から十分に遠いDACコードの組み合わせを決定することができる。DACコードは、反復的に又はアルゴリズム的に、閉形式の解に基づいて決定され得る。範囲及び解像度の要件に依存して、制御回路1402が他のDACコード(例えば、補助DAC)を固定した状態で、DACのうちの1つ以上(例えば、メインDAC)を継続的に更新してよい。
【0034】
全ての異なるコード遷移に対するDAC(例えば、メインDAC)のグリッチエネルギー特性が、以前の測定値から既知の場合、DACコードのそれらのグリッチ特性がメモリに格納され得る。制御回路は、増幅器システムの現在の定常状態を知っているため、定常状態に近い高グリッチコード遷移を有するDACコードのロードを回避することができる。このグリッチ特性データのいくつかの例は、グリッチの大きさ(例えば、ピークからピークの大きさ)と、正のグリッチの大きさと、負のグリッチの大きさと、総又は正味のグリッチエネルギーと、正のグリッチエネルギーと、負のグリッチエネルギーと、を含む。システムの応答は、これらのメトリックの組み合わせを使用して最適化されてよい。このグリッチ特性データは、メモリ要件を低減し、適切なDACコードをロードする際のデータ処理時間又は電力を低減するために変換又は圧縮されてもよい。
【0035】
この多対一のDACコードアプローチは、高グリッチコード遷移が知られていない場合や、特徴的なグリッチデータが利用できない場合がある「ブラックボックス」DACのグリッチを回避するためにも使用することができる。例えば、制御回路によって与えられるDACコード補正の大きさ及び符号は、増幅器システムの制御ループが定常状態目標又はその近傍に出力を落ち着かせようとしている間に監視されてよい。制御ループがVOUT~VTARGETの近傍で定常状態に達すると、通常のコンディション下で、制御回路は、例えばノイズ、ドリフトなどによる漸進的な変化を補償するために、小さなインクリメント分又はデクリメント分(例えば、1つ又は2つのLSB)でDACINコードを更新されてよい。新規セットのDACコードをロードすることが、DACアナログ出力におけるグリッチエネルギーの低減をもたらさない場合、別のセットのDACコードを(例えば、メモリから)ロードすることができ、DACアナログ出力におけるグリッチエネルギーを再チェックすることができる。
【0036】
この監視は、デジタルドメイン(又はソフトウェアドメイン)で実行され得、コード調整アルゴリズムの一部として制御回路を使用して実行され得、又は監視は、ASIC、FPGA、マイクロコントローラ、又はプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)に含まれる別個の監視回路を使用して実行され得る。定常状態で所定の閾値(例えば、LSBの閾値数N
THRESHOLD)を超えて更新するコード更新が検出されるとき、デジタルドメインで高グリッチフラグ信号を上昇させることができる。例えば、
図8において、10LSB(N
THRESHOLD=10LSB)のDACコード更新のための高グリッチフラグ信号。
【0037】
高グリッチ遷移コンディションを検出するための他の方法が使用されてよい。いくつかの例では、グリッチを検出するためにDAC又はシステム出力のアナログ出力が監視されてよい。高グリッチコンディションは、(ボルト又はアンペアのいずれかでの)指定されたグリッチピーク閾値を超えるグリッチによって検出されてよい。他の例では、高グリッチコンディションは、(例えば、ボルト秒又はアンペア秒での)指定されたグリッチエネルギーを超えるグリッチによって検出することができる。制御回路が指定された閾値遷移を超える高グリッチ遷移を検出すると、高グリッチフラグ信号が上昇され得る。高グリッチ閾値遷移は、LSBの数として、又はボルト又はアンペアで指定され得る。いくつかの例では、集団ベースの分析が使用され得る。DACコード及び目標値の組み合わせが追跡され得る。最悪の場合の組み合わせを(例えば、機械学習を介して)追跡して、どのDACコードバージョンが所与の目標値に対して高いグリッチ遷移コンディションをもたらす可能性が高いかを識別することができる。高グリッチ閾値遷移は、システムの設計又はシステムの機械学習アルゴリズムに基づいて適応可能であってよい。
【0038】
グリッチ緩和が使用できるDACコードのセットのサイズ(緩和されるサブ集団)は、コードの回避を可能にするために設計に組み込まれた冗長性又は偶発性によって制限される。したがって、分析が通常では最悪の場合のコードに対して緩和されるコードを特定することができるが、DAC設計では、予想される最悪の場合のニーズに対処するのに十分な不測の事態があることを確認する必要がある。いくつかの用途では、最終的なユースケースにおいてより重要である伝達関数の特定のコード又はコード領域が存在し得る。したがって、グリッチ緩和は、この前述の分析の一部としてそのような領域から優先され得る。
【0039】
高グリッチフラグが上昇すると、DACのコードは、定常状態で高グリッチが発生しないように、定常状態のDACコードが高グリッチ遷移から十分に離れている異なるコードに変更され得る。コード更新を引き起こすこの所定の閾値NTHRESHOLDは、変更され得る。いくつかの例では、高グリッチフラグが上昇すると、制御回路によってループ内のメインDAC又はDACが高グリッチ遷移から十分に離れた1つ以上のDACコードに落ち着くことが可能になるように、オフセット電圧がループに導入される。オフセットは、アナログ手段(例えば、オペ増幅器ベースの加算器回路)を使用してループ内の任意の点で導入されてもよく、又はデジタルドメイン内のDACコードに直接導入されてもよい。更に、オフセット効果を作成するため、又はゲインを変更するために1つ以上のメインDACの基準レベルが調整されてよい。
【0040】
グリッチ特性データは、メモリに記憶されてよく、所定の関数、最適化、近似、又は機械学習アルゴリズムに従って、所与の高グリッチDACコード遷移に必要なオフセットの量を計算するために使用されてよい。グリッチ特徴付け技術は、システムがアイドル状態であるときの前景較正として、又はシステムが動作しているときの背景較正として実装されてよい。前景較正は、システム製造中に行われてもよい。前景較正は、ユーザによって(例えば、システムリセット又は較正手順の一部として)行われてもよい。増幅器システムは、動作中に新しい高グリッチコード遷移に遭遇すると、オフセット量を適応的に調整してよい。グリッチ特性評価技術は、高いグリッチ遷移に近傍の新しい定常状態をもたらす増幅器システムの負荷の変化に応答するために使用されてよい。
【0041】
図15は、増幅器システムの別の例の回路図である。例は、図を単純化するために、1つのADC606と、1つのメインDAC(DAC
IN)と、1つの補助DAC(DAC
X)と、を示す。
図15の例は、
図6の増幅器システムの範囲制御スイッチSWを有する2つのDACアーキテクチャの制御ループに電圧オフセットV
OFFSETを導入する。ADC606は、出力電圧又は出力電流のいずれかを監視してもよく、又は出力電圧及び出力電流の双方を監視するために2つのADCが含まれてよい。
図15の例では、電圧オフセットがG
LV及びG
X増幅器の出力で合計ノードに加えられるが、電圧オフセットが増幅器システムの制御ループ内の任意の他の回路ノードに導入されてよい。スイッチSWは、HVモードとLVモードとの間でシステムの動作を変更する。
【0042】
図16は、HV低解像度モードで動作する
図15の増幅器システムを示す。HVモード中では、DAC
Xが冗長化し、増幅器システムは
図16に示すように効果的に単一のDACシステムになる。電圧オフセットは、ループ内の任意の点に導入され得るか、又は制御回路1502によってDAC
INのコードにデジタル的に導入され得る。
図17は、LV高解像度モードで動作する
図15の増幅器システムを示す。LVモード中では、DAC
XをG
X増幅器の入力に接続するためにスイッチSWがLVモード位置にあるため、DAC
XはLV範囲の最小及び最大範囲を設定するために使用され得る。
【0043】
図18は、増幅器システムの別の例の回路概略図である。
図18の例では、別のスイッチSW
AがDAC
Xの出力に加えられ、G
LV及びG
X増幅器の出力における加算ノードに電圧オフセットV
OFFSETが導入される。任意選択で、DAC
Xフルスケール範囲に対して適用される必要があるオフセットの大きさに依存して、増幅器提供ゲインG
Yを有するゲインステージがスイッチSW
Aの後に含まれてよい。
【0044】
HVモードでの
図18の増幅器システムを
図19に示す。HVモードでは、スイッチSWがG
LV及びG
X増幅器にV
INを印加し、制御回路1802がスイッチSW
Aを閉じて、V
X又はG
YV
Xの出力を加算ノードに印加する。制御回路1802は、HVモードでDACコードをDAC
Xにロードして、加算ノードに提供されるオフセットの値を生成してよい。
図20は、LVモードにおける
図18の増幅器システムを示す。LVモードでは、スイッチSWがG
X増幅器にV
Xを印加し、スイッチSW
Aが開放されており、DAC
XがLV範囲の最小限及び最大限の範囲を設定するために使用される。
【0045】
図21は、高電圧低分解能(HV)モードで動作する
図15の増幅器システムに対するV
OUT対V
IN伝達曲線のグラフである。伝達曲線は、スイッチSWがHVモードにあるとき、加えられたオフセット(±ΔV)が、V
OUT対V
IN伝達曲線を上下にシフトさせる効果を有することを示している。垂直破線は、DAC出力で高いグリッチをもたらす例示的なDAC
INコード遷移境界に対応する。
図21の例では、
図15の増幅器システムの制御ループは、入力V
IN≒V
Aを高グリッチコード遷移境界でもたらすV
OUT≒V
TARGETに収束しようとしている。この高グリッチDACコード境界を回避するために、システムは、V
OUT≒V
TARGETも網羅するが、DAC高グリッチ境界近傍のV
IN値ではないオフセット(高又は低)HV範囲で動作することを望む。
【0046】
例えば、VOFFSET=+ΔVが適用される場合、伝達関数は上部VOFFSET=+ΔV線にシフトする。制御ループは、VINの値を
【0047】
【0048】
に減少させて、V
OUT≒V
TARGETを維持する。
図21に示すように、オフセットによって、制御ループがV
INのより低い値に対応するグリッチのないDACコード領域にシフトし、ループがコード空間内の高グリッチ遷移から離れたメインDAC(DAC
IN)コードと収束する。
図22及び23は、新しいDACコード領域へのシフトの結果を示す。
図22は、DACコード遷移が
図8のN
THRESHOLD未満であることを示し、
図23は、出力リップルが
図9から減少していることを示す。オフセットを伴う定常状態での出力電圧は、オフセットを伴わない定常状態での出力電圧よりもグリッチ及びリップルが大幅に低減される。
【0049】
図24は、コード遷移のグリッチ大きさに対する定常状態での(LSBにおける)ピークコード遷移の一例のプロットである。プロットは、符号付きグリッチの大きさとコード遷移との関係が実質的に線形であることを示している。プロットは、必要なDACコードの更新が符号付きのグリッチの大きさに反比例することも示している。システムレベルでは、高グリッチフラグが上昇するとき、グリッチサイン及び大きさに関するこのグリッチエネルギー特性情報は、メモリに(例えば、制御回路又は別個の監視回路を使用して)記録され得、所与のコード遷移を達成するための適切な量のオフセットを決定するために使用され得る。
【0050】
グリッチのピーク振幅は、増幅器システムの制御ループの周波数応答に従って、グリッチ波形又は出力(VOUT)でのリップルとして直接現れる可能性があるため、閉ループ用途に関連する。更に、出力のグリッチ波形がADCによってサンプリングされる場合、制御ループが不安定になり、出力で望ましくないリンギング又は振動応答を更に引き起こす可能性もある。
【0051】
本明細書で前述したように、グリッチエネルギーは、グリッチ波形の正味の積分面積として定義することができる。いくつかの用途では、フィードバックADCの開口ウィンドウに依存して、グリッチエネルギーがグリッチピーク大きさよりも制御回路の応答の点でより重要であり得る。換言すれば、制御回路は、平均化効果に起因して、ADCが十分に広い開口ウィンドウを有する場合、低エネルギーではあるが大きい規模(例えば、狭いグリッチ)のグリッチ波形に有意に応答しない場合がある。したがって、システムに依存して、所与の用途に対してグリッチの大きさ、グリッチのエネルギー、又はその双方を低減することが好ましい場合がある。本明細書で説明されるグリッチ自己特徴付け及び較正技術の利点は、特徴付けに使用されるDACコードの更新が、閉ループ制御におけるADC(例えば、
図15のADC606)のDACグリッチへの応答に依存し、したがって、グリッチ波形の正確な形状への依存性を取り除くことである。
【0052】
図24は、DACグリッチの大きさが更に(例えば、垂直破線内の±1mV未満のピークまで)低減されるとき、V
OUT≒V
TARGETの保持に必要なコード更新の量が1LSB未満になり、制御回路がコードを一定に保つことを示している。したがって、遷移におけるグリッチエネルギーが閾値より小さい場合、ループが所与のグリッチエネルギーでコード遷移の近傍に落ち着こうとしているにもかかわらず、V
OUTには、DACコード更新に起因するリップルが実質的に存在しない。閾値グリッチの大きさ又はグリッチエネルギーは、グリッチ波形の形状、システムパラメータ、及び制御ループのダイナミクスに依存してよい。
【0053】
図25は、増幅器システムの別の例の回路概略図である。
図25の例では、
図15の増幅器システムの範囲制御スイッチSWを用いずに、2つのDACアーキテクチャの制御ループに電圧オフセットV
OFFSETが導入されている。HVモード中では、実効総ゲインがG
LV+G
X=G
HVになるように、制御回路2502がDAC
IN及びDAC
Xの双方を同時に駆動する。例示的な実施形態では、所与のV
TARGETについて、DAC
IN及びDAC
Xの一方又は双方で高エネルギーグリッチを生成することが知られているコード遷移の近傍に制御ループが落ち着いてよい。代替的には、コード遷移のグリッチプロファイルが不明である場合、本明細書で先に説明したブロックボックス例のように、システムレベルでグリッチイベントを検出することができる。いずれのシナリオにおいても、V
TARGET値が高グリッチコード境界に対応する場合、制御回路2502は、V
OUT≒V
TARGETを保持しながら、DACコードに任意のオフセットを導入することができる。
【0054】
例えば、DACXコードをインクリメントして、VXをオフセットΔVXだけ増加させることができ、DACINコードをデクリメントして、VINをΔVX*GX/GLVだけ減少させることができ、これにより、VOUT=GX*VX+GLV*VINが維持される。オフセットの量は、(例えば、別のDACを使用して調節可能なオフセット(VOFFSET)を加算ノードに加えて)制御されてもよい。また、オフセット値は、双方のDACがグリッチのないコード空間に快適になるまで、徐々に、又は連続近似若しくは他のより複雑な検索アルゴリズムを使用して増加されてよい。コード空間内のオフセットが2つのDACの間に導入された後、制御回路2502によって、制御ループが固定オフセットを維持しながら、双方のDACを制御することが可能になり得る。このようにして、双方のDACは、出力におけるリップルを最小限に抑えるために、高グリッチ境界から遠く離れたコード領域に落ち着く。システムがVTARGETへの更新を受信すると、制御回路2502は、ループが新しい目標VOUT値に落ち着く前に、最初にDACコードを1つにしてよい。
【0055】
図17に示す
図15の増幅器システムのLV高分解能モード動作に関して、レンジスイッチSWは、補助DAC
Xの出力をG
X増幅器の入力に接続し、メインDAC
INの出力をG
LV増幅器に接続する。結果として、
図15及び25の増幅器システムは、LV高解像度モードで実質的に同一になり得る。
【0056】
図15の増幅器システムに関して前述したように、DAC
Xの入力はフリーズされ、制御回路1502は、V
OUT≒V
TARGETを定常状態に維持しようとしている間に、DAC
INのDACコードを更新する。DAC
INの定常状態入力が、高グリッチ境界が存在するDACコードの近傍にある場合、制御回路は、本明細書において先に記載された環状補償を実行して、出力において望ましくないリップルを引き起こす可能性がある。同一のことが、
図25の増幅器システムにも当てはまる。
【0057】
複数のDACを有する
図15、18、及び25のシステムアーキテクチャに対して、定常状態V
OUT≒V
TARGETコンディションは、補助DAC(例におけるDAC
X)が十分な解像度を有すると仮定した場合に、DACコード空間内の複数の点で満たらせ得る。高グリッチ定常状態コンディションが検出された場合、1つ以上のDACコードを、高グリッチDACコード境界から十分に離れた別のDACコード値に移動させて、DACコード遷移による出力のリップルを最小限に抑えることができる。
【0058】
図26は、低電圧高分解能(LV)モードにおける異なるV
IN及びV
X値に対する
図15及び
図25の増幅器システムのV
OUT対V
IN伝達曲線のグラフである。垂直の破線は、高いグリッチを伴うDAC
INコード遷移点を示す。垂直の破線の間の領域にはグリッチが存在しない。ループが高グリッチ境界の近傍にある点V
IN=V
Aの近くで収束しようとしていると仮定する。増幅器システムは、DACコードを観察することによって、収束点が高グリッチコード境界に近いことを推測し得る。この高グリッチコンディション態を回避するために、増幅器システムは、V
OUT=V
TARGETも網羅するが、高グリッチコード境界に近傍ではないV
IN値でLV範囲内を動作する必要がある。
【0059】
図15及び25の例における複数のDACアーキテクチャは、DAC
Xコードを上下にインクリメントさせることによって、又はオフセット(±ΔV)を加えることによって、LV範囲伝達曲線の上下にシフトすることが可能になる。
図26は、定数V
Xの異なる値の転送ラインを示す。DAC
Xコードを±ΔXで調整することによって、又は、オフセット(±ΔV)を加算することによって、LV転送ラインを得ることができる。例えば、電圧出力が+ΔV(曲線V
X=V
A+ΔV)だけ増加するようにDAC
Xコードがインクリメントされる場合、ループはV
INの値を以下に減少させる。
【0060】
【0061】
その結果、VOUT=VTARGETを維持され得る。したがって、制御ループは、高いグリッチコード境界から遠く離れたDACINコードで収束する。
【0062】
図27A及び27Bは、増幅器システムにおける閉ループグリッチ緩和の方法2700の一例のフロー図を示す。方法2700は、オフセットを使用して、DACコードを高グリッチDACコードコンディションから離して遷移させる。制御回路は、システムのグリッチコンディションに基づいて、何にオフセットを与えるかを決定することができる。
【0063】
図27Aは、初期化段階を示す。ブロック2710において、オフセットリストがメモリに記憶されているか、又はそうでなければ利用可能であるかを判定する。オフセットリストが利用可能である場合、オフセットリスト及びグリッチコードリストは、メモリから制御回路又は専用監視回路にロードされる。ブロック2720において、目標(V
TARGET)及びグリッチ閾値(N
THRESHOLD値)が設定されるまでシステムが待機する。
【0064】
図27Bのブロック2730では、オフセットリストが利用できない場合、制御回路が、目標(例えば、V
OUT=V
TARGET)を満たすように、メインDAC(DAC
IN)及び補助DAC(DAC
X)のDACコードを設定する。オフセットは与えられない。メインDAC及び補助DACの範囲を決定するように基準レベル(例えば、V
REFS)が設定されてもよい。
【0065】
ブロック2740において、オフセットリストが利用可能である場合、制御回路は、制御ループにオフセットを与える。オフセットは、異なる方法で与えられ得る。例えば、システムは、
図15の例のように、システムの加算ノードにオフセット(電圧オフセット又は電流オフセット)を与えるためのアナログ加算器又は減算器回路を含むことができる。特定の例では、
図18の例のように1つ以上の補助DACを使用してオフセットが与えられる。特定の例では、オフセットがDACコードに含まれ、制御回路がオフセットを組み込むDACコードをロードする。他の例では、DACへの参照がオフセットを含むように(例えば、アナログ手段によって、又は補助DACを使用して)調整され得る。
【0066】
DACコードが設定されると、システムの制御ループは、システムの出力を定常状態出力目標(例えば、VOUT≒VTARGET)に向かって誘導する。制御回路は、コンディションの小さな変化を補償するために、閾値より小さい小さな変更(例えば、1つ又は2つのLSB)をDACINコードに行ってもよい。コード更新が監視され、ブロック2750において、変更が閾値(NTHRESHOLDLSB)より小さい場合、制御回路は、システム安定性を監視し続け、グリッチフラグは、上昇又は作動しない。
【0067】
NTHRESHOLDLSBよりも大きいメインDACコード変更が必要な場合、高グリッチフラグ信号がアサートされるか、又はアクティブ化される。2760において、ハイグリックコード遷移に遭遇したとき、DACコードをメモリに記録することができる。制御回路(又は専用監視回路)は、定常状態で観察されるピーク又は平均コード更新に基づいて、所与の遷移におけるグリッチの符号の大きさを記録してもよい。続いて、事前に記録された高グリッチ遷移コンディションが予想されるとき、所定のオフセット値が制御回路によって与えられてよい。所定のオフセット値は、システムの新しい定常状態を見つけるための開始近似の一部として使用されてよい。
【0068】
ブロック2770において、所与の遷移に与えられるオフセットの量は、最適化アルゴリズム又は機械学習(ML)アルゴリズムに基づいて固定されていてもよく、又は継続的に更新されてもよい。例えば、増幅器システムは、DACコードを観察することができ、DACコード及び検出されたグリッチングから、グリッチがDACコードのどこにあるか、及びグリッチがどのくらいのエネルギーを有するかをシステムが判定することができる。システムは、現在のDACコード空間が高グリッチコンディションにあると推定することができ、DACコードの変更及びオフセットの一方又は双方を与えて、メインDAC又はDACを不安定性から離れて落ち着かせることができる。したがって、増幅器システムは、現在のシステム条件を自己特徴付けることができる。
【0069】
ブロック2780で、システムは、グリッチの大きさ、グリッチサイン、及びDACコードの関数として必要とされるオフセットの量を計算し、オフセットリストを更新してもよい。プロセスは、ブロック2740に戻り、計算されたオフセットを与えて、システム安定性の監視に戻る。
【0070】
この時点までに本明細書に記載されるグリッチ緩和方法は、システムの通常の動作を長時間中断することなくバックグラウンドで動作することができる。グリッチ緩和方法は、制御ループが高グリッチDACコード遷移の近傍に落ち着くときを検出することができ、定常状態で制御回路によって行われたDACコード更新に基づいて、グリッチの符号及び相対的な大きさに関する情報を取り込むことができる。次いで、制御回路は、特徴付けられたグリッチパラメータの関数として、増幅器システムによって計算された固定振幅又は変化振幅のオフセットを与えてよい。
【0071】
書き込み可能なメモリが増幅器システムで利用可能である場合、制御回路又は専用監視回路は、符号情報と共に相対的な大きさで高エネルギーグリッチコードを記録してよい。他の主要なアーチファクトは、効率的なグリッチ緩和を可能にするために記録されてよい。所与のコード遷移に与えられるオフセットの量は、相対的な大きさ及びグリッチの符号に比例又は反比例することができ、オフセットは、システムが高いグリッチを伴う新しいコード遷移に遭遇するにつれて継続的に更新されてよい。
【0072】
代替的には、システムレベルの前景較正を考案され得る。この較正は、電源投入時、システムがアイドル状態で動作していないとき、又はシステム動作中(例えば、温度、電力損失、負荷などの動作コンディションが大きく変化したとき)に定期的に実行され得る。較正の結果は、メモリに格納され、増幅器システムを構成するときに読み込まれ得るオフセットリストである。
【0073】
図28A及び28Bは、閉ループ増幅器システムにおけるグリッチ特性評価及びオフセット計算のための前景較正の方法2800の一例のフロー図を示す。目標電圧がV
MINからV
MAXまでの範囲であると仮定すると、単一のDACシステム又はマルチDACシステムの所与のDACに対する較正の間、V
TARGET値の値は、V
MINからV
MAXへ、次いでV
MAXからV
MINへ(又はその逆)掃引される。
【0074】
2810において、対応する目標測定ADCコードは、VTARGET値に対して設定される)。2820において、定常状態で必要とされるDACコード更新の大きさ及び方向に基づいて、各コード遷移において、DACグリッチの大きさ及び符号情報をシステムがメモリに記録する。メモリ空間を節約するために、設定された閾値(NTHRESHOLD値)を超える大きさ(又はエネルギー)を有するグリッチのみが記録され得る。
【0075】
符号及び大きさ情報を有する高エネルギーDACコードが遷移すると、ブロック2830で、システムは、通常動作中に各ケースに与えられるべきオフセットの量を計算してよい。オフセットの量は、グリッチコード、グリッチの大きさ、及びグリッチの記号の関数として計算され得る。このようにして、全ての関連するグリッチ特性は、事前に利用可能なグリッチ特性化データを使用せずに、複数のDACを有するシステムに対して決定され得る。システムは、通常の動作中に、かつ/又はより高速なシステム特性評価を完了するために、以前の特性評価データを利用してもよい。
【0076】
ブロック2840において、計算されたオフセットは、メモリに記憶される。次いで、このオフセットリストは、DACコードを高グリッチト遷移から離れるようにシフトするために、システムの制御回路又は別個の監視回路にロードすることができる。システム前景較正の利点は、メモリに格納されたグリッチ情報(例えば、グリッチ特性データ)に基づく所定のオフセットを与えることによって、システムが通常の動作中に高グリッチコード遷移を体系的に回避できることである。
【0077】
グリッチ緩和プロセスは、高グリッチ遷移コンディションが検出されたときにDACコードの変更を識別するプロセスの一部として機械学習を含むことができる。DACコード遷移からのグリッチは、システムの負の属性であり、最小化が望ましい。グリッチ最適化は、最小化演習とすることができる。機械学習において、グリッチを最小限に抑えることは、損失関数又はコスト関数を最適化することによって決定され得る。損失関数は、グリッチ属性の組み合わせであり得、機械学習の目標は、属性を最小化することである。
【0078】
どのDACコードセットが所望され、どのDACコードセットがDACコード変更において回避されるべきであるかを決定するために、集団ベースの分析を使用され得る。増幅器システムのグリッチ性能は、高グリッチコードとは異なってグループ化されたローグリッチコードを有するマルチモーダル分布を有することができる。分布は、DACアーキテクチャ依存であっても、システム設計依存であってもよい。例えば、マルチステージDACは、マルチモーダルパターンを有する傾向があり得るが、ラダーDACは、別個のサブステージを有する傾向がなく、したがって、異なるコード分布を有し得て、明確なマルチモーダル分布を示し得ない。最適化アルゴリズムは、グリッチング性能を分析して、回避すべきグリッチ遷移を決定することができる。DACグリッチのエネルギー又は大きさを特徴付け又は定量化され得る。安定した出力を維持するために、システムによって特徴付けられる最悪のグリッチに対してコードコンティンジェンシーが実行され得る。特徴付けられたグリッチデータは記憶され得る。偶発的なDACコードセットは、以前に記録されたDACグリッチデータに従って選択され得る。コード遷移は、システムに利用可能なコードに限定されてよい。グリッチデータ分析は、グリッチが緩和されるDACコードセットを決定するために使用することができ、したがって、影響が重大でないコード変更に対する潜在的な緩和を回避する。
【0079】
図29は、増幅器システムのフィードバック制御の方法2900の一例のフロー図である。増幅器システムは、本明細書に記載のDAC制御増幅器システムのいずれかであってもよい。ブロック2905において、増幅器システムの増幅器回路は、1つ以上のDAC回路によって駆動され、増幅器システムの出力を設定する。ブロック2910において、DAC回路は、第1のセットのDACコードを使用して動作し、システム出力を定常状態目標出力に設定する。
【0080】
ブロック2915で、増幅器システムの制御回路は、第1のセットのDACコードが、高グリッチコンディションに関連付けられたDACコード遷移(又は複数のDACコード遷移)を含み、高グリッチDACコード遷移が、システム出力を目標出力に設定するために使用される、又は使用されるであろうことを識別する。ブロック2920において、制御回路は、第2のセットのDACコードを使用してDAC回路を動作させるように変化する。第2のDACコードのセットは、出力を第1のセットのDACコードと同一の目標出力、又は実質的に同一の目標出力に設定する。しかしながら、第2のセットのDACコードは、高グリッチコンディションに関連付けられたDACコード遷移を含まない。したがって、出力におけるグリッチエネルギーが低減される。
【0081】
最終的なコードセットの選択は、ハードウェア制約され得る。最適化アルゴリズムは、分析におけるDACアーキテクチャの知識を使用してよい(例えば、特定のコード又はビット遷移は、コードセット全体にわたって反復可能なパターンを有する)。偶発的なDACコードセットは、システムの設計の知識に基づいて決定され得る。コンティンジェントコードセットは、システム内で発生し得る(例えば、寄生による)未知のアーチファクトに対処するために含まれてよい。
【0082】
本明細書に記載のグリッチ緩和技術は、閉ループ設定を利用して、それにより、DACが目標出力電圧又は電流を維持しながら異なるDACコードで落ち着くことが可能になる。この技術は、閉ループDACグリッチ緩和のためのグリッチ自己特性評価、並びにバックグラウンド及びフォアグラウンドキャリブレーションを提供する。
追加の説明及び実施例
【0083】
実施例1は、主題(増幅器システムのフィードバック制御の方法など)を含み、少なくとも1つのデジタルアナログ変換器(DAC)回路を使用して複数の増幅器回路を駆動し、増幅器システムのシステム出力を設定することと、第1のセットのDACコードを使用して少なくとも1つのDAC回路を動作させて、システム出力を定常状態目標出力に設定することと、第1のセットのDACコードを使用するときに、少なくとも1つのDAC回路の出力において高グリッチコンディションを検出することと、第2のセットのDACコードを使用して少なくとも1つのDAC回路を動作させるように変更して、システム出力を実質的に同一の定常状態目標出力に設定することと、を含み、第2のセットのDACコードを使用して少なくとも1つのDAC回路を動作させることが、少なくとも1つのDAC回路の出力におけるグリッチエネルギーを低減させる。
【0084】
実施例2において、実施例1の主題が、第1のセットのDACコードを使用して少なくとも1つのDAC回路を動作させるときに、閾値グリッチ遷移よりも大きい高エネルギーグリッチ遷移を検出することを任意選択で含む。
【0085】
実施例3において、実施例1及び2の一方又は双方の主題が、システム出力を定常状態目標出力に設定するときに、高グリッチ条件に関連付けられたDACコード遷移を第1のセットのDACコードが含むことを識別することを任意選択で含む。
【0086】
実施例4において、実施例1~3のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題が、フィードバック回路経路を含む制御ループを使用して、システム出力を定常状態目標出力に設定することと、制御ループにオフセットを追加させて、第2のセットのDACコードを使用して少なくとも1つのDAC回路を動作させることと、を任意選択で含む。
【0087】
実施例5において、実施例4の主題が、別のDAC回路を使用して制御ループにプログラム可能なオフセットを追加することを任意選択で含む。
【0088】
実施例6において、実施例1~5の1つ又は任意の組み合わせの主題が、を第1のモードで増幅器システム動作させるときには、少なくとも1つのDAC回路の出力を第1の増幅器回路の入力及び複数の増幅器回路の第2の増幅器回路の入力に与えることと、第2のモードでは、少なくとも1つのDAC回路の出力を第1の増幅器回路の入力に与え、かつ、別のDAC回路の出力を第2の増幅器回路の入力に与えることと、を任意選択で含み、第2のモードが第1のモードよりも低い電圧出力を有する。
【0089】
実施例7において、実施例1~6のうちの1つ又は反対の組み合わせの主題が、複数のDACチャネルを駆動することであって、各DACチャネルがメインDACと増幅器回路とを含み、DACチャネルの増幅器回路が異なる信号ゲインを有する、駆動することと、第1のセットのDACコードを使用してDACチャネルのメインDAC回路を動作させ、DACチャネルの出力を合計してシステム出力を設定することと、制御ループを使用して、システム出力を定常状態目標出力に設定し、かつ、第2のセットのDACコードを使用してメインDAC回路を動作させるように変更して、複数のDACチャネルによって引き起こされるシステム出力のリップルを低減させることと、を任意選択で含む。
【0090】
実施例8において、実施例7の主題が、第1のセットのDACコードを使用して少なくとも1つのDAC回路を動作させるときに、閾値グリッチ遷移よりも大きい高エネルギーグリッチ遷移を検出することと、高エネルギーグリッチ遷移の大きさ及び現在のDACコードを使用してオフセットを決定することと、決定されたオフセットを使用して、1つのセットのDACコードを第2のセットのDACコードとして選択することと、を任意選択で含む。
【0091】
実施例9において、実施例1~8のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題が、第1のセットのDACコードから選択されるDACコード値を使用して少なくとも1つのDAC回路のDACコードを更新して、システム出力を定常状態目標出力に設定することと、システム出力を定常状態目標出力に設定するときに、少なくとも1つのDAC回路のDACコードが高グリッチDACコード遷移の近傍に落ち着くときを検出することと、検出に応答して、第2のDACコードセットから選択されたDACコード値を使用して、少なくとも1つのDAC回路のDACコードを更新することと、を任意選択で含む。
【0092】
実施例10は、主題(増幅器システムなど)を含むか、又は、実施例1~9のうちの1つ又は任意の組み合わせと任意選択で組み合わされて、少なくとも1つのデジタルアナログ変換器(DAC)回路であって、少なくとも1つのDAC回路内のDACコードを設定することが、少なくとも1つのDAC回路の出力を設定する、DAC回路と、少なくとも1つのDAC回路の出力に接続された入力を含む複数の増幅器回路と、増幅器システムのシステム出力に接続されたフィードバック回路経路と、少なくとも1つのDAC回路及びフィードバック回路経路に接続された制御回路と、を備えたそのような主題を含む。制御回路が、第1のセットのDACコードを使用して少なくとも1つのDAC回路を動作させて、システム出力を定常状態出力目標に設定するように構成されており、第2のセットのDACコードを使用して少なくとも1つのDAC回路を動作するように変更して、同一の定常状態出力目標を維持し、かつ、少なくとも1つのDAC回路によって引き起こされるシステム出力でのリップルを低減させるように構成されている。
【0093】
実施例11において、実施例10の主題が、フィードバック回路と制御回路とを含む制御ループと、閾値グリッチ遷移よりも大きい第1のセットのDACコードの高グリッチ遷移を検出するように構成され、制御ループにオフセットを加えて、第2のセットのDACコードからDACコードを選択するように変更するように構成された制御回路と、を任意選択で含む。
【0094】
実施例12において、実施例11の主題が、オフセットを制御ループに加えるための別のDAC回路と、高グリッチ遷移の大きさ及び高グリッチ遷移に対応する1つ以上のDACコード値に従ってオフセットを設定するように構成された制御回路と、を任意選択で含む。
【0095】
実施例13において、実施例11及び12の一方又は双方の主題が、複数の増幅器回路の出力に接続された加算ノードと、複数のDAC回路と、を任意選択で含み、複数の増幅器回路の入力が、複数のDAC回路の出力に接続されて、複数のDACチャネルを形成し、複数の増幅器回路の出力が、加算ノードに接続されている。制御回路は、複数のDAC回路のDACコードを更新して、定常状態出力目標を維持し、かつ、オフセットを加算ノードに追加して、第2のDACコードのセットからDACコードを選択するように変更するように任意選択で構成される。
【0096】
実施例14において、実施例11~13のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題が、第1の増幅器回路と第2の増幅器回路とを任意選択で含み、少なくとも1つのDAC回路が、第1の増幅器回路の入力に接続された第1のDAC回路と、第2の増幅器回路の入力に接続された第2のDAC回路と、を含む。制御回路が、第1のモードでは、第1のDAC回路及び第2のDAC回路の双方のDACコードを更新して、等しいDAC出力を第1の増幅器回路及び第2の増幅器回路に与えて、システム出力を定常状態出力目標に設定し、かつ、第2のモードでは、第1のDAC回路のDACコードのみを更新して、システム出力を定常状態出力目標に設定するように任意選択で構成され、第2のモードが、第1のモードよりも低い出力電圧範囲を有する。
【0097】
実施例15において、実施例10~14のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題が、スイッチ回路と、第1の増幅器回路と第2の増幅器回路とを含む複数の増幅器回路と、を任意選択で含み、少なくとも1つのDAC回路が、第1のDAC回路と第2のDAC回路とを含む。第1のDAC回路の出力が、第1の増幅器回路の入力に接続されている。スイッチ回路が、第1のモードで第1のDAC回路の出力を第2の増幅器回路の入力に接続し、第2のモードで第2のDAC回路の出力を第2の増幅器回路の入力に接続するように構成され、第2のモードが、第1のモードよりも低い電圧出力範囲を有する。
【0098】
実施例16において、実施例10~15のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題が、システムメモリと、DACコード値の指定された範囲にわたって少なくとも1つのDACコードのDACコードを掃引し、DACコード遷移に対するDACグリッチ特性データをシステムメモリに格納し、DACコード遷移に対する格納されたDACグリッチ大きさを使用して、高グリッチ遷移を検出するように構成されている制御回路と、を任意選択で含む。
【0099】
実施例17において、実施例10~16のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題が、システム出力に動作可能に連結されたアナログデジタル変換器(ADC)回路を含むフィードバック回路経路と、システム出力電流を定常状態目標出力電流に設定するように少なくとも1つのDAC回路のDACコードを設定するように構成された制御回路と、を任意選択で含む。
【0100】
実施例18において、実施例10~17のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題が、システム出力における検知インピーダンスと、検知インピーダンスに動作可能に連結されたアナログデジタル変換器(ADC)回路を含むフィードバック回路経路と、少なくとも1つのDAC回路のDACコードを設定して、システム出力電流を定常状態目標出力電流に設定するように構成された制御回路と、任意選択で含む。
【0101】
実施例19は、主題(閉ループ制御を有する電源システムなど)を含むか、又は任意選択で、実施例1~18の1つ又は任意の組み合わせと任意選択で組み合わされ、複数のデジタルアナログ変換器(DAC)チャネルであって、各DACチャネルは、増幅器回路の入力に接続されたDAC回路を含む、複数のDACチャネルと、DACチャネルの増幅器回路の出力に接続されてシステム出力を与える加算ノードと、DACチャネル及びシステム出力に動作可能に結合された制御回路と、を備えたそのような主題を含むことができる。制御回路が、DACチャネルのDAC回路をDACコードで更新して、システム出力を定常状態での定常状態目標出力に調整するように構成され、DACコードが、第1のセットのDACコードから選択され、第1のセットのDACコードから選択されたDACコードが、定常状態にあるDAC回路の出力においてグリッチコンディションをもたらすときを検出するように構成され、同一の定常状態目標出力を維持し、かつ、DAC回路の出力におけるグリッチを低減するDACコードを、第2のセットのDACコードから選択するように変更するように構成されている。
【0102】
実施例20では、実施例19の主題が、高グリッチDACコード遷移のグリッチ大きさに従って制御ループオフセットを決定し、かつ、制御ループオフセットを加算ノードに追加して、第2のセットのDACコードからDACコードを選択することに変更するように構成された制御回路を任意選択で含む。
【0103】
これらの非限定的な例は、任意の置換又は組み合わせで組み合わされ得る。上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を構成する添付図面への参照を含む。図面は、例示によって、本発明が実施され得る具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「実施例」とも称される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許、及び特許文書は、参照により個々に組み込まれるかのように、その全体が参照により本明細書に援用される。この文書とこれまで参照によって組み込まれたそれらの文書との間に不整合な使用法がある場合には、組み込まれた参照における使用法は、この文書の使用法を補完するものとみなすべきである。相容れない矛盾については、この文書における使用法が制御する。
【0104】
この文書では、「a」又は「an」という用語は、特許文書で一般的であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」の他の例又は使用法とは関係なく、1つ又は1つ以上を含むように使用される。この文書では、「又は」という用語は、特に指定のない限り、「A又はB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、及び「A及びB」を含むように、非排他的な「又は」を指すために使用される。添付の特許請求の範囲では、「含む(including)」及び「で(in which)」という用語は、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein))」というそれぞれの用語の平易な英語の同等語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む」及び「備える」という用語は制限のないものであり、すなわち、請求項でそのような用語の後に列挙されたものに加えて、要素を含むシステム、装置、物品、又はプロセスは、依然としてその特許請求の範囲内にあると考えられる。更に、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」及び「第3」等は、単に符号として使用され、それらの対象に対する数値的要件を強いることを意図しない。本明細書に説明される方法の実施例は、少なくとも部分的に機械又はコンピュータ実装され得る。
【符号の説明】
【0105】
402 論理回路
602 制御回路
606 アナログデジタル変換器(ADC)
608 第2のADC
702 制御回路
1006 ADC
1202 制御回路
1210 マルチプレクサ(MUX)
1402 制御回路
1502 制御回路
1802 制御回路
2502 制御回路
2700 方法
2710 ブロック
2720 ブロック
2730 ブロック
2740 ブロック
2750 ブロック
2770 ブロック
2780 ブロック
2800 方法
2830 ブロック
2840 ブロック
2900 方法
2905 ブロック
2910 ブロック
2915 ブロック
2920 ブロック
【外国語明細書】