(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045075
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】澱粉ベース強化複合材料の加工方法
(51)【国際特許分類】
C08L 3/02 20060101AFI20240326BHJP
C08L 51/04 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
C08L3/02
C08L51/04
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023152355
(22)【出願日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】202211144739.0
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】514262886
【氏名又は名称】江南大学
【氏名又は名称原語表記】JIANGNAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 1800 Lihu Avenue, Bin Hu District, Wuxi, Jiangsu, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】繆銘
(72)【発明者】
【氏名】李徳祥
(72)【発明者】
【氏名】支朝暉
(72)【発明者】
【氏名】胡秀▲てぃん▼
(72)【発明者】
【氏名】叶蕾
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AB041
4J002BN122
4J002BN162
4J002EC056
4J002EL027
4J002EL037
4J002FB222
4J002FB232
4J002FD026
4J002GG00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】衝撃性、耐引張性、生分解性のある澱粉強化複合材料の加工方法であって、操作しやすく、制御可能であり、製造コストが低い方法を提供する。
【解決手段】澱粉強化複合材料の加工方法は、加熱条件下で、コアシェル構造エラストマーと界面改質剤に誘導体化処理を行って、活性化されたコアシェル構造エラストマーを得るステップ(1)と、各物質の重量部に基づいて、澱粉130部、活性化されたコアシェル構造エラストマー10~30部、エーテル化剤2~5部及び可塑剤2~5部を均一に混合し、含水量を5~8wt%に調整し、100~130℃で熱圧成形して、澱粉強化複合材料を得るステップ(2)とを含み、コアシェル構造エラストマーが、コアがエラストマーであり、シェルが高ガラス状態ポリマーであり、澱粉におけるアミロースの含量が、40%以上である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉強化複合材料の加工方法であって、
加熱条件下で、コアシェル構造エラストマーと界面改質剤に誘導体化処理を行って、活性化されたコアシェル構造エラストマーを得るステップ(1)と、
各物質の重量部に基づいて、澱粉130部、活性化されたコアシェル構造エラストマー10~30部、エーテル化剤2~5部及び可塑剤2~5部を均一に混合し、含水量を5~8wt%に調整し、100~130℃で熱圧成形して、澱粉強化複合材料を得るステップ(2)と
を含み、前記コアシェル構造エラストマーは、コアがエラストマーであり、シェルが高ガラス状態ポリマーであり、前記澱粉におけるアミロースの含量は、40%以上である、加工方法。
【請求項2】
ステップ(1)では、コアシェル構造エラストマーと界面改質剤との重量比を(30~40):1とする、請求項1に記載の加工方法。
【請求項3】
ステップ(1)では、誘導体化処理の場合、温度を75~90℃とし、時間を0.5~1hとする、請求項1に記載の加工方法。
【請求項4】
前記コアシェル構造エラストマーのエラストマーコアの材質は、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、ポリイソブチレン系及びアクリレート系共重合体のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の加工方法。
【請求項5】
前記コアシェル構造エラストマーの高ガラス状態ポリマーのシェルの材質は、スチレン、メタクリル酸系、エチレン系、塩素化ポリエチレン、メタクリレート系共重合体のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の加工方法。
【請求項6】
前記界面改質剤は、酸無水物系、カルボキシル系、エポキシ系、イソシアネート系、グリシジルアクリレート、ポリアクリレートカルボキシル系、イミド系及びオキサゾリン系のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の加工方法。
【請求項7】
ステップ(2)では、前記エーテル化剤は、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、2,3-エポキシ-1-プロパノール、トリメチルアミン塩酸塩、エピクロルヒドリン及び2-クロロエタノールのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の加工方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法で製造され、引張強度が22MPa以上であり、破断伸度が520%以上であり、ノッチ付き衝撃強度が42kJ/m2以上であり、90日間の生分解性が90%以上である、澱粉強化複合材料。
【請求項9】
請求項8に記載の澱粉強化複合材料を含む、包装製品。
【請求項10】
食品、織物、日常化学製品又は医療用品の製造における、請求項8に記載の澱粉強化複合材料の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、澱粉強化複合材料の加工方法に関し、澱粉生体材料の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来の石油系プラスチックは、広く使用されているため、大量の石油資源を消費するとともに、その理化学的性質が安定であるため、分解・回収されにくく、燃焼時に大量の二酸化炭素を放出し、プラスチック汚染及び温室効果を引き起こす。大部分の廃棄プラスチックを焼却、埋め立てなどの方式で処理する必要がある。これらのプラスチック廃棄物をどのように処理するかは、世界的な難題となっているため、製造過程において有毒物質、有害物質を使用せず、使用後に自然環境で分解できるグリーンポリマー材料の開発が急務となっている。
【0003】
石油資源が日々不足していること、及び公衆の環境保護意識の高まりに伴い、近年、生分解性プラスチックの研究と開発が広く注目され、重視されている。生分解性ポリマーにより、長期間にわたって人々を困らせている、プラスチック廃棄物による環境への汚染の問題が解決される一方で、石油資源が不足しているという矛盾を緩和することができる。
【0004】
澱粉は埋蔵量が大きく、安価で、再生可能であるなどの利点により、分解性材料の開発において、全世界で高度に注目され、潜在的な成長力が大きい。澱粉から形成された熱可塑性プラスチックは、従来のプラスチックに比べて、脆性、靭性不足、耐引張性及び耐衝撃性の低さ、耐熱性の低さ、溶融物の強度の低さ、吸湿性などの性能欠陥が原因で、各分野での応用が制限されている。
【0005】
以上より、澱粉材料の力学的性能不足や、耐水性が低いなどの欠陥を改善するために、耐衝撃性、耐引張性のある澱粉強化複合材料の加工方法を開発することが必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術に存在する欠陥と不足に対して、本発明は、衝撃性、耐引張性のある澱粉強化複合材料の加工方法を提供し、当該方法で製造された澱粉強化複合材料は、引張強度が22MPa以上であり、破断伸度が520%以上であり、ノッチ付き衝撃強度が42kJ/m2以上であり、90日間の生分解性が90%以上である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の目的は、澱粉強化複合材料の加工方法であって、
加熱条件下で、コアシェル構造エラストマーと界面改質剤に誘導体化処理を行って、活性化されたコアシェル構造エラストマーを得るステップ(1)と、
各物質の重量部に基づいて、澱粉130部、活性化されたコアシェル構造エラストマー10~30部、エーテル化剤2~5部及び可塑剤2~5部を均一に混合し、含水量を5~8wt%に調整し、100~130℃で熱圧成形して、澱粉強化複合材料を得るステップ(2)と
を含み、コアシェル構造エラストマーが、コアがエラストマーであり、シェルが高ガラス状態ポリマーであり、澱粉におけるアミロースの含量が、40%以上である、加工方法を提供することである。
【0008】
本発明の一実施形態としては、ステップ(2)では、澱粉におけるアミロースの含量は、50~75%である。
【0009】
本発明の一実施形態としては、ステップ(1)では、コアシェル構造エラストマーと界面改質剤との重量比を、(30~40):1とする。好ましくは、コアシェル構造エラストマーと界面改質剤との重量比を、(33~40):1とする。
【0010】
本発明の一実施形態としては、ステップ(1)では、誘導体化処理の場合、温度を75~90℃とし、時間を0.5~1h(時間)とする。
【0011】
本発明の一実施形態としては、コアシェル構造エラストマーのエラストマーコアの材質が、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、ポリイソブチレン系及びアクリレート系共重合体のうちの少なくとも1つを含む。好ましくは、前記コアシェル構造エラストマーのエラストマーコアの材質は、スチレンブタジエンゴム又はアクリレート系共重合体である。
【0012】
本発明の一実施形態としては、前記コアシェル構造エラストマーの高ガラス状態ポリマーのシェルの材質が、スチレン、メタクリル酸系、エチレン系、塩素化ポリエチレン、メタクリレート系共重合体のうちの1つ以上を含む。
【0013】
本発明の一実施形態としては、コアシェル構造エラストマーが、多段階乳化重合法で製造される。
【0014】
本発明の一実施形態としては、多段階乳化重合法でポリマーと反応試薬とを混合して、温度を50~80℃とし、反応時間を2~3hとしてグラフト共重合を行い、温度を70~90℃とし、反応時間を1~3hとして二次グラフトを行い凝集させ、遠心分離した後、脱水乾燥させて、コアシェル構造エラストマーを得る。
【0015】
本発明の一実施形態としては、界面改質剤が、酸無水物系、カルボキシル系、エポキシ系、イソシアネート系、グリシジルアクリレート、ポリアクリレートカルボキシル系、イミド系及びオキサゾリン系のうちの少なくとも1つを含む。好ましくは、前記界面改質剤は、無水コハク酸、無水酢酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸及びグリシジルアクリレートのうちの少なくとも1つである。
【0016】
本発明の一実施形態としては、ステップ(2)において、澱粉が、トウモロコシ澱粉、米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉及び緑豆澱粉のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
本発明の一実施形態としては、ステップ(2)において、エーテル化剤が、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、2,3-エポキシ-1-プロパノール、トリメチルアミン塩酸塩、エピクロルヒドリン及び2-クロロエタノールのうちの少なくとも1つを含む(これらに限られない)。
【0018】
本発明の一実施形態としては、ステップ(2)において、可塑剤が、水、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、マンニトール、エリスリトール、ポリビニルアルコール及びチオ尿素のうちの少なくとも1つを含む(これらに限られない)。
【0019】
本発明の一実施形態としては、ステップ(2)において、熱圧の温度を120~130℃とする。
【0020】
本発明の第2の目的は、前述の方法で製造され、引張強度が22MPa以上であり、破断伸度が520%以上であり、ノッチ付き衝撃強度が42kJ/m2以上であり、90日間の生分解性が90%以上である、澱粉強化複合材料を提供することである。
【0021】
本発明の第3の目的は、前述の澱粉強化複合材料を含む、包装製品を提供することである。
【0022】
本発明の第4の目的は、食品、織物、日常化学製品又は医療用品の製造における前述の澱粉強化複合材料の使用を提供することである。
[発明の効果]
【0023】
本発明の有利な効果は、以下のとおりである。
【0024】
1.本発明は、主に澱粉を基質とし、特定の割合の誘導体化処理済みのコアシェル構造エラストマー、エーテル化剤及び可塑剤を添加することにより、複数の相乗的な強化加工プロセスを組み合わせて、バイオベースの含量が高く、強度と靭性が高く、耐衝撃性及び耐引張性があり、生分解しやすい澱粉強化複合材料を製造することに成功した。当該方法で製造された澱粉強化複合材料は、引張強度が22MPa以上であり、破断伸度が520%以上であり、ノッチ付き衝撃強度が42kJ/m2以上であり、90日間の生分解性が90%以上であり、使い捨てフィルム、シート、ペレット、及び硬質の食器、日常化学製品の容器、自動車の内装品などの製品の製造に使用でき、紡績、食品、日常化学製品、交通輸送、医療などの分野で広く適用され、市場の見通しが広い。
【0025】
2.本発明は、イモ類澱粉、穀物澱粉、豆類澱粉を主な原料とし、原料由来が広く、安価で、産地及び季節に制限されない。
【0026】
3.本発明の加工方法は、操作しやすく、各段階のプロセスが制御可能で、清潔な生産プロセスを用い、生産過程がグリーンで汚染がなく、工業生産で出る液体・気体・固体の3種類の廃棄物がない。
【0027】
4.本発明は、豊富な澱粉資源を利用して環境に優しく、リサイクル可能な分解性材料を開発し、中国国家戦略産業発展計画に適合し、石油危機及びプラスチック汚染の解決、資源節約型社会及び環境配慮型社会の建設に重要な意義を有する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
性能試験方法
引張強度について、中国国家標準GB/T 1040.2-2006プラスチック引張性能の測定の第2部の、モールドと押出プラスチックの試験条件における方法に準拠して分析する。
【0029】
破断伸度について、中国国家標準GB/T 1040.3-2006プラスチック引張性能の測定の第3部:プラスチック-引張性能試験の試験条件における方法に準拠して分析する。
【0030】
ノッチ付き衝撃強度について、中国国家標準GB/T 1843-2008プラスチック-アイゾット衝撃強度の測定の試験条件における方法に準拠して分析し、材料の耐衝撃性能を測定する。
【0031】
90日間の生分解性について、中国国家標準GB/T19277.1-2011制御された堆肥化条件下における材料の生分解性の試験に準拠して、材料を有機化合物として、制御された堆肥化条件下で、排出された二酸化炭素量を測定することにより、最終的な好気性生物分解能力及び崩壊能力を決定する。
【0032】
実施例1
澱粉強化複合材料の製造プロセスでは、以下のステップ(1)~(2)を用いた。
【0033】
ステップ(1)では、コアシェル構造エラストマーMBS(スチレンブタジエンゴムがコアであり、メタクリル酸メチルがシェルであり、エラストマーは、型番がB521、M848の韓国LG化学製のもの、及び型番がBTA717の深セン天悦化工有限公司製のものである)と無水コハク酸とを80℃で1h、十分に均一に混合して、コアシェル構造エラストマーMBSの表面に誘導体化処理を行って、活性化されたコアシェル構造エラストマーを得て、コアシェル構造エラストマーMBSと無水コハク酸との重量比を40:1とし、
ステップ(2)では、各物質の重量部に基づいて、トウモロコシ澱粉130部(アミロース52%)、活性化されたコアシェル構造エラストマー20部、プロピレンオキシド3部及びグリセリン4部を均一に混合し、含水量を6wt%に調整し、120℃で熱圧成形して、澱粉強化複合材料を得た。
【0034】
試験したところ、実施例1で得られた目的生成物-澱粉強化複合材料は、引張強度が28MPaであり、破断伸度が560%であり、ノッチ付き衝撃強度が49kJ/m2であり、90日間の生分解性が95%である。
【0035】
実施例2
澱粉強化複合材料の製造プロセスでは、以下のステップ(1)~(2)を用いた。
【0036】
ステップ(1)では、コアシェル構造エラストマーMBS(スチレンブタジエンゴムがコアであり、メタクリル酸メチルがシェルであり、エラストマーは、型番がB521、M848の韓国LG化学製のもの、型番がM-511の株式会社カネカ製のもの、及び型番がBTA717の深セン天悦化工有限公司製のものである)と無水マレイン酸とを85℃で0.5h、十分に均一に混合して、コアシェル構造エラストマーMBSの表面に誘導体化処理を行って、活性化されたコアシェル構造エラストマーを得て、コアシェル構造エラストマーMBSと無水コハク酸との重量比を33:1とし、
ステップ(2)では、各物質の重量部に基づいて、馬鈴薯澱粉130部(アミロース75%)、活性化されたコアシェル構造エラストマー20部、エピクロルヒドリン4部及びソルビトール5部を均一に混合し、含水量を8wt%に調整し、130℃で熱圧成形して、澱粉強化複合材料を得た。
【0037】
試験したところ、実施例2で得られた目的生成物-澱粉強化複合材料は、引張強度が29MPaであり、破断伸度が540%であり、ノッチ付き衝撃強度が46kJ/m2であり、90日間の生分解性が92%である。
【0038】
実施例3
澱粉強化複合材料の製造プロセスでは、以下のステップ(1)~(2)を用いた。
【0039】
ステップ(1)では、コアシェル構造エラストマーACR(アクリレート系共重合体がコアであり、メタクリル酸メチルがシェルである)とグリシジルアクリレートとを75℃で1h十分に均一に混合して、コアシェル構造エラストマーACRの表面に誘導体化処理を行って、活性化されたコアシェル構造エラストマーを得て、コアシェル構造エラストマーACRとグリシジルアクリレートとの重量比を40:1とし、コアシェル構造エラストマーACR(アクリレート系共重合体がコアであり、メタクリル酸メチルがシェルである)は、多段階乳化重合法で製造され、製造方法については、『遷移層を有する新規コアシェル型ACRの製造、特徴付け及び耐衝撃性能』及び『ACR-g-Stの製造及びPVCの強化』を参照し、
ステップ(2)では、各物質の重量部に基づいて、米澱粉130部(アミロース58%)、活性化されたコアシェル構造エラストマー20部、エチレンオキシド3部及びマンニトール4部を均一に混合し、含水量を7wt%に調整し、125℃で熱圧成形して、澱粉強化複合材料を得た。
【0040】
試験したところ、実施例3で得られた目的生成物-澱粉強化複合材料は、引張強度が23MPaであり、破断伸度が620%であり、ノッチ付き衝撃強度が48kJ/m2であり、90日間の生分解性が94%である。
【0041】
比較例1:活性化されたコアシェル構造エラストマーの添加量による製品の性能への影響
澱粉強化複合材料の製造プロセスについて、実施例1を参照すると、ステップ(2)の熱可塑性澱粉マトリックスにおける活性化されたコアシェル構造エラストマーの重量部数をそれぞれ0部、5部、10部、40部に置き換え、対応する澱粉強化複合材料を製造するという点のみで相違する。製品の性能結果を表1に示す。
【0042】
比較例2:処理されていないコアシェル構造エラストマーMBS
澱粉強化複合材料の製造プロセスについて、実施例1に準じて説明すると、ステップ(1)を省略し、処理されていないコアシェル構造エラストマーMBS(スチレンブタジエンゴムがコアであり、スチレンがシェルである)をそのまま用い、即ち、ステップ(2)で、処理されていないコアシェル構造エラストマーMBS(スチレンブタジエンゴムがコアであり、スチレンがシェルである)で、活性化されたコアシェル構造エラストマーを置き換えるという点のみで相違する。
【0043】
試験したところ、比較例2で得られた目的生成物-澱粉強化複合材料は、引張強度が14MPaであり、破断伸度が120%であり、ノッチ付き衝撃強度が22kJ/m2であり、90日間の生分解性が83%である。
【0044】
比較例3:アミロースの含量が低いトウモロコシ澱粉を使用
澱粉強化複合材料の製造プロセスについて、実施例1に準じて説明すると、一般的なトウモロコシ澱粉(アミロース26%)をトウモロコシ澱粉(アミロース52%)に置き換えるという点のみで相違する。
【0045】
試験したところ、比較例2で得られた目的生成物-澱粉強化複合材料は、引張強度が12MPaであり、破断伸度が145%であり、ノッチ付き衝撃強度が27kJ/m2であり、90日間の生分解性が66%である。
【外国語明細書】