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特開2024-45199状態および疾患の処置のためのアンチセンスオリゴマー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045199
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】状態および疾患の処置のためのアンチセンスオリゴマー
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20240326BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240326BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 13/06 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 9/06 20060101ALI20240326BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240326BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20240326BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20240326BHJP
   C12N 15/113 20100101ALN20240326BHJP
【FI】
A61K45/00 ZNA
A61K48/00
A61K45/06
A61P43/00 105
A61P43/00 111
A61P25/00
A61P25/08
A61P13/06
A61P25/06
A61P25/18
A61P25/28
A61P9/06
A61K31/7088
A61K31/7125
A61K31/712
C12N15/113 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002090
(22)【出願日】2024-01-10
(62)【分割の表示】P 2020136962の分割
【原出願日】2018-08-24
(31)【優先権主張番号】62/550,462
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/575,901
(32)【優先日】2017-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/667,356
(32)【優先日】2018-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/671,745
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518195690
【氏名又は名称】ストーク セラピューティクス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】アズナレズ,イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ハン,チョウ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する方法を提供する。
【解決手段】ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有するmRNA(NMDエクソンmRNA)であって、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAを有する細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する方法であって、治療剤を細胞に接触させるステップを含み、それによって治療剤がSCN1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAからのNMDエクソンのスプライシングを調節し、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを調節し、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する、方法である。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有するmRNA(NMDエクソンmRNA)であって、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAを有する細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する方法であって、治療剤を細胞に接触させるステップを含み、それによって治療剤がSCN1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAからのNMDエクソンのスプライシングを調節し、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを調節し、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する、方法。
【請求項2】
疾患または状態の処置を必要とする対象における疾患または状態を、対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節することによって処置する方法であって、対象の細胞を、ナンセンス変異依存mRNA分解機構誘導エクソン(NMDエクソン)を含有しSCN1Aをコードする細胞中のmRNAからのNMDエクソンのスプライシングを調節する治療剤と接触させるステップを含み、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを調節し、対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する、方法。
【請求項3】
治療剤が、
(a)SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に結合する、
(b)NMDエクソンmRNAのスプライシングに関与する因子の結合を調節する、または
(c)(a)および(b)の組合せ
である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
治療剤が、標的化部分の領域からのNMDエクソンのスプライシングに関与する因子の結合に干渉する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
標的化部分がNMDエクソンの近位にある、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
標的化部分が、NMDエクソンの5’末端の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド上流にある、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
標的化部分が、NMDエクソンの5’末端の、少なくとも約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド上流にある、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
標的化部分が、NMDエクソンの3’末端の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド下流にある、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
標的化部分が、NMDエクソンの3’末端の、少なくとも約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド下流にある、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
標的化部分が、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの2つのカノニカルなエクソン領域の間のイントロン領域に位置し、イントロン領域がNMDエクソンを含有する、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
標的化部分が、NMDエクソンと少なくとも部分的に重複する、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
標的化部分が、NMDエクソンの上流のイントロンと少なくとも部分的に重複する、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
標的化部分が、5’NMDエクソン-イントロン接合部または3’NMDエクソン-イントロン接合部を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
標的化部分がNMDエクソン内にある、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
標的化部分が、NMDエクソンの約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項16】
SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAが、配列番号2または7~10のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項17】
SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAが、配列番号1または3~6に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項18】
標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド上流にある、請求項5に記載の方法。
【請求項19】
標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803の、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド上流にある、請求項5に記載の方法。
【請求項20】
標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,740の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド下流にある、請求項5に記載の方法。
【請求項21】
標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,740の、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド下流にある、請求項5に記載の方法。
【請求項22】
SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分が、配列番号2または7~10の少なくとも8個の連続的な核酸を含む領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項23】
治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号21~67、210~256、または304~379のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項24】
SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分が、SCN1Aのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20x内にある、請求項3に記載の方法。
【請求項25】
治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号42~50、または231~239のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分が、SCN1Aのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20xの上流または下流にある、請求項3に記載の方法。
【請求項27】
治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号21~38、53~67、210~227、または242~256のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
NMDエクソンmRNAの標的化部分が、SCN1Aのエクソン20xのエクソン-イントロン接合部を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項29】
治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号39~41、51、52、228~230、240、または241のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を促進する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項31】
治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
治療剤が、細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを増加させる、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの量が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
治療剤が、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を増加させる、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
治療剤と接触させた細胞において産生されるSCN1Aの量が、対照細胞において産生されるSCN1Aの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
疾患または状態が、Na1.1における機能喪失型変異によって誘発される、請求項2に記載の方法。
【請求項37】
疾患または状態が、SCN1A遺伝子のハプロ不全に関連し、対象が、機能性SCN1Aをコードする第1のアレル、およびSCN1Aが産生されないか、もしくは低減したレベルで産生される第2のアレル、または非機能性SCN1Aもしくは部分機能性SCN1
Aをコードする第2のアレルを有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
疾患または状態が脳症である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
脳症がてんかん性脳症である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
疾患または状態が、ドラベ症候群(DS);乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);洞不全症候群1;自閉症;または乳児悪性焦点移動性部分発作である、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
GEFS+が全般てんかん熱性痙攣プラス2型である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
熱性痙攣が家族性熱性痙攣3Aである、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
SMEBが、全般性棘波を伴わないSMEB(SMEB-SW)、ミオクロニー発作を伴わないSMEB(SMEB-M)、SMEIの特徴を2つ以上欠くSMEB(SMEB-O)、または全般性強直間代発作を伴う難治性小児てんかん(ICEGTC)である、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を促進し、細胞におけるSCN1Aの発現を増加させる、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号22~24、26、27、29~35、37~62、64~67、または304~379のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を阻害する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項47】
治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
治療剤が、細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを減少させる、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの量が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの総量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
治療剤が、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を減少させる、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
治療剤と接触させた細胞において産生されるSCN1Aの量が、対照細胞において産生されるSCN1Aの総量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
疾患または状態が、Na1.1における機能獲得型変異によって誘発される、請求項2に記載の方法。
【請求項53】
対象が、SCN1Aが増加したレベルで産生されるアレル、または細胞におけるNa1.1の増加した活性を誘導する変異SCN1Aをコードするアレルを有する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
疾患または状態が片頭痛である、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
片頭痛が家族性片麻痺性片頭痛3である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
疾患または状態がNa1.1素因性てんかんである、請求項2に記載の方法。
【請求項57】
治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を阻害し、細胞におけるSCN1Aの発現を減少させる、請求項52に
記載の方法。
【請求項58】
治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号21、25、28、36、または63のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、ホスホロチオエート連結またはホスホロジアミデート連結を含む骨格修飾を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項60】
治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、ホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、または2’-O-メトキシエチル部分を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項61】
治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが少なくとも1つの修飾糖部分を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項62】
各糖部分が修飾糖部分である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、8から50核酸塩基、8から40核酸塩基、8から35核酸塩基、8から30核酸塩基、8から25核酸塩基、8から20核酸塩基、8から15核酸塩基、9から50核酸塩基、9から40核酸塩基、9から35核酸塩基、9から30核酸塩基、9から25核酸塩基、9から20核酸塩基、9から15核酸塩基、10から50核酸塩基、10から40核酸塩基、10から35核酸塩基、10から30核酸塩基、10から25核酸塩基、10から20核酸塩基、10から15核酸塩基、11から50核酸塩基、11から40核酸塩基、11から35核酸塩基、11から30核酸塩基、11から25核酸塩基、11から20核酸塩基、11から15核酸塩基、12から50核酸塩基、12から40核酸塩基、12から35核酸塩基、12から30核酸塩基、12から25核酸塩基、12から20核酸塩基、または12から15核酸塩基までからなる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項64】
治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、タンパク質をコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である、請求項3に記載の方法。
【請求項65】
SCN1A mRNAまたはタンパク質発現をアセスメントするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項66】
対象がヒトである、請求項2に記載の方法。
【請求項67】
対象が非ヒト動物である、請求項2に記載の方法。
【請求項68】
対象が胎児、胚、または小児である、請求項2に記載の方法。
【請求項69】
細胞がエクスビボである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項70】
治療剤が、対象の髄腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、硝子体内、または静脈内注射によって投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項71】
第2の治療剤を対象に投与するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項72】
第2の治療剤が低分子である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
第2の治療剤がASOである、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
ASOが、配列番号115~161のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
第2の治療剤がイントロン保持を是正する、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
疾患または状態が、アルツハイマー病、SCN2A脳症、SCN8A脳症、またはSCN5A不整脈である、請求項2に記載の方法。
【請求項77】
疾患または状態が、アルツハイマー病、SCN2A脳症、SCN8A脳症、またはSCN5A不整脈である、請求項30、32、または34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001]本出願は、各々その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2017年8月25日に提出された米国仮出願第62/550,462号、2017年10月23日に提出された米国仮出願第62/575,901号、2018年5月4日に提出された米国仮出願第62/667,356号、2018年5月15日に提出された米国仮出願第62/671,745号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]神経系障害は、ニューロンの興奮性、ニューロンの相互作用、および脳機能全般を媒介するイオンチャネルの機能が妨害されることを特徴とするチャネル病に関連することが多い。ニューロンの電位依存性(voltage gated)ナトリウムチャネルの細孔形成アルファサブユニットをコードするSCN1A-SCN2A-SCN3A遺伝子クラスターの部分であるSCN1A遺伝子における変異は、ドラベ症候群(DS)等の疾患および状態の疾患番号の発生に関連する(Millerら、1993~2015、GeneReviews、Pagon RAら編、Seattle(WA):University of Washington、Seattle、Bookshelf ID:NBK1318、およびMulleyら、2005、Hum.Mutat.25:535~542ページ)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]ある特定の実施形態において、ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン(non-sense mediated RNA decay-inducing exon)を含有するmRNA(NMDエクソンmRNA)であって、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAを有する細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する方法であって、治療剤を細胞に接触させるステップを含み、それによって治療剤がSCN1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAからのNMDエクソンのスプライシングを調節し、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを調節し、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する、方法が本明細書に開示される。一部の実施形態において、治療剤が、(a)SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に結合する、(b)NMDエクソンmRNAのスプライシングに関与する因子の結合を調節する、または(c)(a)および(b)の組合せである。一部の実施形態において、治療剤は、標的化部分の領域からのNMDエクソンのスプライシングに関与する因子の結合に干渉する。一部の実施形態において、標的化部分がNMDエクソンの近位にある。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの5’末端の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド上流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの5’末端の、少なくとも約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド上流にある。一部
の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの3’末端の、最大約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド下流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの3’末端の、少なくとも約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド下流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの2つのカノニカルな(canonical)エクソン領域の間のイントロン領域に位置し、イントロン領域はNMDエクソンを含有する。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンと少なくとも部分的に重複する。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの上流のイントロンと少なくとも部分的に重複する。一部の実施形態において、標的化部分は、5’NMDエクソン-イントロン接合部または3’NMDエクソン-イントロン接合部を含む。一部の実施形態において、標的化部分はNMDエクソン内にある。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAは、配列番号2または7~10のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAは、配列番号1または3~6に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる。一部の実施形態において、標的化部分は、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド上流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803の、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド上流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,740の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド下流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,740の、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30
ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド下流にある。一部の実施形態において、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分は、配列番号2または7~10の少なくとも8個の連続的な核酸を含む領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、治療剤が、アンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号21~67、210~256、または304~379のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む。一部の実施形態において、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分は、SCN1Aのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20x内にある。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号42~50または231~239のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む。一部の実施形態において、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分は、SCN1Aのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20xの上流または下流にある。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号21~38、53~67、210~227、または242~256のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む。一部の実施形態において、NMDエクソンmRNAの標的化部分は、SCN1Aのエクソン20xのエクソン-イントロン接合部を含む。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号39~41、51、52、228~230、240、または241のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む。一部の実施形態において、治療剤は、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を促進する。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除は、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する。一部の実施形態において、治療剤は、細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを増加させる。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの量は、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する。一部の実施形態において、治療剤は、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を増加させる。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞において産生されるSCN1Aの量は、対照細胞において産生されるSCN1Aの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する。一部の実施形態において、治療剤は、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を阻害する。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除は、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する。一部の実施形態において、治療剤は、細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを減少させる。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの量は、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの総量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する。一部の実施形態において、治療剤は、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を減少させる。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞において産生されるSCN1Aの量は、対照細胞において産生されるSCN1Aの総量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分
の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、ホスホロチオエート連結またはホスホロジアミデート連結を含む骨格修飾を含む。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、ホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、または2’-O-メトキシエチル部分を含む。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが少なくとも1つの修飾糖部分を含む。一部の実施形態において、各糖部分は修飾糖部分である。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、8から50核酸塩基、8から40核酸塩基、8から35核酸塩基、8から30核酸塩基、8から25核酸塩基、8から20核酸塩基、8から15核酸塩基、9から50核酸塩基、9から40核酸塩基、9から35核酸塩基、9から30核酸塩基、9から25核酸塩基、9から20核酸塩基、9から15核酸塩基、10から50核酸塩基、10から40核酸塩基、10から35核酸塩基、10から30核酸塩基、10から25核酸塩基、10から20核酸塩基、10から15核酸塩基、11から50核酸塩基、11から40核酸塩基、11から35核酸塩基、11から30核酸塩基、11から25核酸塩基、11から20核酸塩基、11から15核酸塩基、12から50核酸塩基、12から40核酸塩基、12から35核酸塩基、12から30核酸塩基、12から25核酸塩基、12から20核酸塩基、または12から15核酸塩基までからなる。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、タンパク質をコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である。一部の実施形態において、方法は、SCN1A mRNAまたはタンパク質発現をアセスメントするステップをさらに含む。一部の実施形態において、細胞はエクスビボである。
【0004】
[0004]ある特定の実施形態において、それを必要とする対象における疾患または状態を、対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節することによって処置する方法であって、対象の細胞を、ナンセンス変異依存mRNA分解機構誘導エクソン(NMDエクソン)を含有しSCN1Aをコードする細胞中のmRNAからのNMDエクソンのスプライシングを調節する治療剤と接触させるステップを含み、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを調節し、対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する、方法が本明細書に開示される。一部の実施形態において、治療剤が、(a)SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に結合する、(b)NMDエクソンmRNAのスプライシングに関与する因子の結合を調節する、または(c)(a)および(b)の組合せである。一部の実施形態において、治療剤は、標的化部分の領域からのNMDエクソンのスプライシングに関与する因子の結合に干渉する。一部の実施形態において、標的化部分がNMDエクソンの近位にある。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの5’末端の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド上流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの5’末端の、少なくとも約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約
200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド上流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの3’末端の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド下流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの3’末端の、少なくとも約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド下流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの2つのカノニカルなエクソン領域の間のイントロン領域に位置し、イントロン領域はNMDエクソンを含有する。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンと少なくとも部分的に重複する。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの上流のイントロンと少なくとも部分的に重複する。一部の実施形態において、標的化部分は、5’NMDエクソン-イントロン接合部または3’NMDエクソン-イントロン接合部を含む。一部の実施形態において、標的化部分はNMDエクソン内にある。一部の実施形態において、標的化部分は、NMDエクソンの約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAは、配列番号2または7~10のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAは、配列番号1または3~6に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる。一部の実施形態において、標的化部分は、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803の、最大約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド上流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803の、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド上流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,740の、最大約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド下流にある。一部の実施形態において、標的化部分は、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,740の、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチ
ド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド下流にある。一部の実施形態において、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分は、配列番号2または7~10の少なくとも8個の連続的な核酸を含む領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号21~67、210~256、または304~379のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む。一部の実施形態において、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分は、SCN1Aのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20x内にある。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号42~50または231~239のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む。一部の実施形態において、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分は、SCN1Aのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20xの上流または下流にある。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号21~38、53~67、210~227、または242~256のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む。一部の実施形態において、NMDエクソンmRNAの標的化部分は、SCN1Aのエクソン20xのエクソン-イントロン接合部を含む。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号39~41、51、52、228~230、240、または241のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む。一部の実施形態において、治療剤は、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を促進する。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除は、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する。一部の実施形態において、治療剤は、細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを増加させる。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの量は、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する。
一部の実施形態において、治療剤は、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を増加させる。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞において産生されるSCN1Aの量は、対照細胞において産生されるSCN1Aの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する。一部の実施形態において、治療剤は、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を阻害する。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除は、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する。一部の実施形態において、治療剤は、細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを減少させる。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの量は、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの総量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する。一部の実施形態において、治療剤は、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を減少させる。一部の実施形態において、治療剤と接触させた細胞において産生されるSCN1Aの量は、対照細胞において産生されるSCN1Aの総量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、
約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、ホスホロチオエート連結またはホスホロジアミデート連結を含む骨格修飾を含む。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、ホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、または2’-O-メトキシエチル部分を含む。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、少なくとも1つの修飾糖部分を含む。一部の実施形態において、各糖部分は修飾糖部分である。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、8から50核酸塩基、8から40核酸塩基、8から35核酸塩基、8から30核酸塩基、8から25核酸塩基、8から20核酸塩基、8から15核酸塩基、9から50核酸塩基、9から40核酸塩基、9から35核酸塩基、9から30核酸塩基、9から25核酸塩基、9から20核酸塩基、9から15核酸塩基、10から50核酸塩基、10から40核酸塩基、10から35核酸塩基、10から30核酸塩基、10から25核酸塩基、10から20核酸塩基、10から15核酸塩基、11から50核酸塩基、11から40核酸塩基、11から35核酸塩基、11から30核酸塩基、11から25核酸塩基、11から20核酸塩基、11から15核酸塩基、12から50核酸塩基、12から40核酸塩基、12から35核酸塩基、12から30核酸塩基、12から25核酸塩基、12から20核酸塩基、または12から15核酸塩基までからなる。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、タンパク質をコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である。一部の実施形態において、方法は、SCN1A mRNAまたはタンパク質発現をアセスメントするステップをさらに含む。一部の実施形態において、疾患または状態が、Na1.1における機能喪失型変異によって誘発される。一部の実施形態において、疾患または状態が、SCN1A遺伝子のハプロ不全に関連し、対象が、機能性SCN1Aをコードする第1のアレル、およびSCN1Aが産生されないか、もしくは低減したレベルで産生される第2のアレル、または非機能性SCN1Aもしくは部分機能性SCN1Aをコードする第2のアレルを有する。一部の実施形態において、疾患または状態が脳症である。一部の実施形態において、脳症はてんかん性脳症である。一部の実施形態において、疾患または状態が、ドラベ症候群(DS);乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(epilepsy, generalized, with febrile
seizures plus)(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);洞不全症候群1;自閉症;または乳児悪性焦点移動性部分発作である。一部の実施形態において、GEFS+は全般てんかん熱性痙攣プラス2型である。一部の実施形態において、熱性痙攣は家族性熱性痙攣3Aである。一部の実施形態において、SMEBは、全般性棘波を伴わないSMEB(SMEB-SW)、ミオクロニー発作を伴わないSMEB(SMEB-M)、SMEIの特徴を2つ以上欠くSMEB(SMEB-O)、または全般性強直間代発作を伴う難治性小児てんかん(ICEGTC)である。一部
の実施形態において、治療剤は、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を促進し、細胞におけるSCN1Aの発現を増加させる。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号22~24、26、27、29~35、37~62、64~67、または304~379のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的(complimentary)である配列を含む。一部の実施形態において、疾患または状態が、Na1.1における機能獲得型変異によって誘発される。一部の実施形態において、対象は、SCN1Aが増加したレベルで産生されるアレル、または細胞におけるNa1.1の増加した活性を誘導する変異SCN1Aをコードするアレルを有する。一部の実施形態において、疾患または状態が片頭痛である。一部の実施形態において、片頭痛は家族性片麻痺性片頭痛3である。一部の実施形態において、疾患または状態がNa1.1素因性てんかんである。一部の実施形態において、治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を阻害し、細胞におけるSCN1Aの発現を減少させる。一部の実施形態において、治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号21、25、28、36、または63のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む。一部の実施形態において、対象はヒトである。一部の実施形態において、対象は非ヒト動物である。一部の実施形態において、対象は胎児、胚、または小児である。一部の実施形態において、治療剤は、対象の髄腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、硝子体内、または静脈内注射によって投与される。一部の実施形態において、方法は、第2の治療剤を対象に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態において、第2の治療剤は低分子である。一部の実施形態において、第2の治療剤はASOである。一部の実施形態において、ASOは、配列番号115~161のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む。一部の実施形態において、第2の治療剤はイントロン保持を是正する。一部の実施形態において、疾患または状態が、アルツハイマー病、SCN2A脳症、SCN8A脳症、またはSCN5A不整脈(arrhythmia)である。一部の実施形態において、疾患または状態が、アルツハイマー病、SCN2A脳症、SCN8A脳症、またはSCN5A不整脈である。一部の実施形態において、細胞はエクスビボである。
参照による組込み
[0005]本明細書において言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、個々の各刊行物、特許、または特許出願が参照によって組み込まれることが具体的かつ個別的に指示される場合と同じ程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0005】
[0006]本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲において詳細に記載される。本発明の特徴および利点のより良好な理解は、本発明の原理が利用される例証的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって得られるだろう。本明細書は以下の発明の開示を包含する:
[1]ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有するmRNA(NMDエクソンmRNA)であって、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAを有する細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する方法であって、治療剤を細胞に接触させるステップを含み、それによって治療剤がSCN1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAからのNMDエクソンのスプライシングを調節し、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを調節し、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する、方法。
[2]疾患または状態の処置を必要とする対象における疾患または状態を、対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節することによって処置する方法であって、対象の細胞を、ナンセンス変異依存mRNA分解機構誘導エクソン(NMDエクソン)を含有しSCN1Aをコードする細胞中のmRNAからのNMDエクソンのスプライシングを調節する治療剤と接触させるステップを含み、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを調節し、対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する、方法。
[3]治療剤が、
(a)SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に結合する、
(b)NMDエクソンmRNAのスプライシングに関与する因子の結合を調節する、または
(c)(a)および(b)の組合せ
である、[1]または[2]に記載の方法。
[4]治療剤が、標的化部分の領域からのNMDエクソンのスプライシングに関与する因子の結合に干渉する、[3]に記載の方法。
[5]標的化部分がNMDエクソンの近位にある、[3]に記載の方法。
[6]標的化部分が、NMDエクソンの5’末端の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド上流にある、[5]に記載の方法。
[7]標的化部分が、NMDエクソンの5’末端の、少なくとも約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、
約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド上流にある、[5]に記載の方法。
[8]標的化部分が、NMDエクソンの3’末端の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド下流にある、[5]に記載の方法。
[9]標的化部分が、NMDエクソンの3’末端の、少なくとも約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド下流にある、[5]に記載の方法。
[10]標的化部分が、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの2つのカノニカルなエクソン領域の間のイントロン領域に位置し、イントロン領域がNMDエクソンを含有する、[3]に記載の方法。
[11]標的化部分が、NMDエクソンと少なくとも部分的に重複する、[3]に記載の方法。
[12]標的化部分が、NMDエクソンの上流のイントロンと少なくとも部分的に重複する、[3]に記載の方法。
[13]標的化部分が、5’NMDエクソン-イントロン接合部または3’NMDエクソン-イントロン接合部を含む、[3]に記載の方法。
[14]標的化部分がNMDエクソン内にある、[3]に記載の方法。
[15]標的化部分が、NMDエクソンの約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを含む、[3]に記載の方法。
[16]SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAが、配列番号2または7~10のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、[1]または[2]に記載の方法。
[17]SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAが、配列番号1または3~6に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、[1]または[2]に記載の方法。
[18]標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド上流にある、[5]に記載の方法。
[19]標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803の、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド上流にある、[5]に記載の方法。
[20]標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,740の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチ
ド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド下流にある、[5]に記載の方法。
[21]標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,740の、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド下流にある、[5]に記載の方法。
[22]SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分が、配列番号2または7~10の少なくとも8個の連続的な核酸を含む領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、[3]に記載の方法。
[23]治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号21~67、210~256、または304~379のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、[1]または[2]に記載の方法。
[24]SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分が、SCN1Aのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20x内にある、[3]に記載の方法。
[25]治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号42~50、または231~239のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、[24]に記載の方法。
[26]SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分が、SCN1Aのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20xの上流または下流にある、[3]に記載の方法。
[27]治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号21~38、53~67、210~227、または242~256のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、[26]に記載の方法。
[28]NMDエクソンmRNAの標的化部分が、SCN1Aのエクソン20xのエクソン-イントロン接合部を含む、[3]に記載の方法。
[29]治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号39~41、51、52、228~230、240、または241のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、[28]に記載の方法。
[30]治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を促進する、[1]または[2]に記載の方法。
[31]治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、[30]に記載の方法。
[32]治療剤が、細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングさ
れたmRNAのレベルを増加させる、[30]に記載の方法。
[33]治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの量が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、[30]に記載の方法。
[34]治療剤が、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を増加させる、[30]に記載の方法。
[35]治療剤と接触させた細胞において産生されるSCN1Aの量が、対照細胞において産生されるSCN1Aの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、[30]に記載の方法。
[36]疾患または状態が、Na1.1における機能喪失型変異によって誘発される、[2]に記載の方法。
[37]疾患または状態が、SCN1A遺伝子のハプロ不全に関連し、対象が、機能性SCN1Aをコードする第1のアレル、およびSCN1Aが産生されないか、もしくは低減したレベルで産生される第2のアレル、または非機能性SCN1Aもしくは部分機能性SCN1Aをコードする第2のアレルを有する、[36]に記載の方法。
[38]疾患または状態が脳症である、[36]に記載の方法。
[39]脳症がてんかん性脳症である、[38]に記載の方法。
[40]疾患または状態が、ドラベ症候群(DS);乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);洞不全症候群1;自閉症;または乳児悪性焦点移動性部分発作である、[36]に記載の方法。
[41]GEFS+が全般てんかん熱性痙攣プラス2型である、[40]に記載の方法。
[42]熱性痙攣が家族性熱性痙攣3Aである、[40]に記載の方法。
[43]SMEBが、全般性棘波を伴わないSMEB(SMEB-SW)、ミオクロニー発作を伴わないSMEB(SMEB-M)、SMEIの特徴を2つ以上欠くSMEB(SMEB-O)、または全般性強直間代発作を伴う難治性小児てんかん(ICEGTC)である、[40]に記載の方法。
[44]治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を促進し、細胞におけるSCN1Aの発現を増加させる、[36]に記載の方法。
[45]治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号22
~24、26、27、29~35、37~62、64~67、または304~379のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、[36]に記載の方法。
[46]治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を阻害する、[1]または[2]に記載の方法。
[47]治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する、[46]に記載の方法。
[48]治療剤が、細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを減少させる、[46]に記載の方法。
[49]治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの量が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの総量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する、[46]に記載の方法。
[50]治療剤が、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を減少させる、[46]に記載の方法。
[51]治療剤と接触させた細胞において産生されるSCN1Aの量が、対照細胞において産生されるSCN1Aの総量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する、[46]に記載の方法。
[52]疾患または状態が、Na1.1における機能獲得型変異によって誘発される、[2]に記載の方法。
[53]対象が、SCN1Aが増加したレベルで産生されるアレル、または細胞におけるNa1.1の増加した活性を誘導する変異SCN1Aをコードするアレルを有する、[52]に記載の方法。
[54]疾患または状態が片頭痛である、[52]に記載の方法。
[55]片頭痛が家族性片麻痺性片頭痛3である、[54]に記載の方法。
[56]疾患または状態がNa1.1素因性てんかんである、[2]に記載の方法。
[57]治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除を阻害し、細胞におけるSCN1Aの発現を減少させる、[52]に記載の方法。
[58]治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが、配列番号21、25、28、36、または63のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、[52]に記載の方法。
[59]治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、ホスホロチオエート連結またはホスホロジアミデート連結を含む骨格修飾を含む、[1]または[2]に記載の方法。
[60]治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、ホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、または2’-O-メトキシエチル部分を含む、[1]または[2]に記載の方法。
[61]治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが少なくとも1つの修飾糖部分を含む、[1]または[2]に記載の方法。
[62]各糖部分が修飾糖部分である、[61]に記載の方法。
[63]治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、8から50核酸塩基、8から40核酸塩基、8から35核酸塩基、8から30核酸塩基、8から25核酸塩基、8から20核酸塩基、8から15核酸塩基、9から50核酸塩基、9から40核酸塩基、9から35核酸塩基、9から30核酸塩基、9から25核酸塩基、9から20核酸塩基、9から15核酸塩基、10から50核酸塩基、10から40核酸塩基、10から35核酸塩基、10から30核酸塩基、10から25核酸塩基、10から20核酸塩基、10から15核酸塩基、11から50核酸塩基、11から40核酸塩基、11から35核酸塩基、11から30核酸塩基、11から25核酸塩基、11から20核酸塩基、11から15核酸塩基、12から50核酸塩基、12から40核酸塩基、12から35核酸塩基、12から30核酸塩基、12から25核酸塩基、12から20核酸塩基、または12から15核酸塩基までからなる、[1]または[2]に記載の方法。
[64]治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセンスオリゴマーが、タンパク質をコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である、[3]に記載の方法。
[65]SCN1A mRNAまたはタンパク質発現をアセスメントするステップをさらに含む、[1]に記載の方法。
[66]対象がヒトである、[2]に記載の方法。
[67]対象が非ヒト動物である、[2]に記載の方法。
[68]対象が胎児、胚、または小児である、[2]に記載の方法。
[69]細胞がエクスビボである、[1]または[2]に記載の方法。
[70]治療剤が、対象の髄腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、硝子体内、または静脈内注射によって投与される、[2]に記載の方法。
[71]第2の治療剤を対象に投与するステップをさらに含む、[2]に記載の方法。
[72]第2の治療剤が低分子である、[71]に記載の方法。
[73]第2の治療剤がASOである、[71]に記載の方法。
[74]ASOが、配列番号115~161のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、[73]に記載の方法。
[75]第2の治療剤がイントロン保持を是正する、[71]に記載の方法。
[76]疾患または状態が、アルツハイマー病、SCN2A脳症、SCN8A脳症、またはSCN5A不整脈である、[2]に記載の方法。
[77]疾患または状態が、アルツハイマー病、SCN2A脳症、SCN8A脳症、またはSCN5A不整脈である、[30]、[32]、または[34]に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】[0007]ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有する標的mRNA(NMDエクソンmRNA)、および全長標的タンパク質または機能性RNAの発現を増加させるナンセンス変異依存mRNA分解機構誘導エクソンの治療剤媒介排除の概略図である。核および細胞質区画に分けられた細胞を示す。核において、標的遺伝子のmRNA前駆体転写物はスプライシングを受けてmRNAを生成し、このmRNAは、細胞質へ輸送され標的タンパク質に翻訳される。この標的遺伝子に関して、mRNAの一部の画分は、細胞質において分解されるナンセンス変異依存mRNA分解機構誘導エクソンを含有し(NMDエクソンmRNA)、したがって標的タンパク質産生をもたらさない。
図1B】ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有する標的mRNA(NMDエクソンmRNA)、および全長標的タンパク質または機能性RNAの発現を増加させるナンセンス変異依存mRNA分解機構誘導エクソンの治療剤媒介排除の概略図である。核および細胞質区画に分けられた同じ細胞の一例を示す。治療剤、例えばアンチセンスオリゴマー(ASO)を用いる処理は、ナンセンス変異依存mRNA分解機構誘導エクソンの排除を促進し、mRNAの増加を結果的にもたらし、次に、mRNAはより高いレベルの標的タンパク質に翻訳される。
図1C】ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有する標的mRNA(NMDエクソンmRNA)、および全長標的タンパク質または機能性RNAの発現を増加させるナンセンス変異依存mRNA分解機構誘導エクソンの治療剤媒介排除の概略図である。ナンセンス変異依存mRNA分解機構誘導エクソンの治療用ASO媒介排除の概略図であり、これが非生産的mRNAを生産的mRNAに変え、生産的mRNAに由来する全長標的タンパク質の発現を増加させる。
図2】[0008]SCN1A遺伝子における例示的なナンセンス変異依存mRNA分解機構(NMD)誘導エクソンの同定を示す図である。比較ゲノミクスを使用する、SCN1A遺伝子におけるNMD誘導エクソンの同定は、UCSCゲノムブラウザにおいて可視化されて示される。上段のパネルは、SCN1A遺伝子の縮尺通りのグラフィック表示を示す。100の脊椎動物種にわたる保存レベルがピークとして示される。最も高いピークはエクソン(黒四角)に対応し、イントロン(矢印線)の大部分に関しては、ピークは観察されない。保存のピークは、中段のパネルに示されるイントロン20(NM_006920)において同定された。保存された配列の検査により、3’および5’スプライス部位(下線の配列)に挟まれた64bpのエクソン様配列(下段のパネル、灰色で強調された配列)を同定した。このエクソンの包含は、フレームシフト、およびエクソン21への未成熟終止コドンの導入をもたらし、転写物をNMDの標的にする。
図3A】[0009]図3Aは、シクロヘキシミド処理を介したNMD誘導エクソンの確認を示すグラフである。DMSO処理(CHX-)またはシクロヘキシミド処理(CHX+)Neuro 2A(マウス神経系前駆細胞)に由来する細胞質RNA、ならびにエクソン21および下流のエクソンにおけるプライマーを使用するRT-PCR分析により、NMD誘導エクソン(21x)に対応するバンドの存在を確認した。産物の同一性を、配列決定によって確認した。バンドの密度測定分析を実施して、総SCN1A転写物のエクソン21x包含パーセントを算出した。NMDを阻害するための、シクロヘキシミドを用いたNeuro 2Aの処理(CHX+)は、細胞質画分においてNMD誘導エクソン21xに対応する産物の2倍の増加をもたらした(薄い灰色の棒、すなわちCHX-対濃い灰色の棒、すなわちCHX+を参照のこと)。
図3B】[0010]図3Bは、シクロヘキシミド処理を介したNMD誘導エクソンの確認を示すグラフである。DMSO処理(CHX-)またはシクロヘキシミド処理(CHX+)RenCell VM(ヒト神経系前駆細胞)に由来する細胞質RNA、ならびにエクソン20およびエクソン23におけるプライマーを使用するRT-PCR分析により、NMD誘導エクソン(20x)に対応するバンドの存在を確認した。産物の同一性を、配列決定によって確認した。バンドの密度測定分析を実施して、総SCN1A転写物のエクソン20x包含パーセントを算出した。NMDを阻害するための、シクロヘキシミドを用いたRenCell VMの処理(CHX+)は、細胞質画分においてNMD誘導エクソン20xに対応する産物の2倍の増加をもたらした(薄い灰色の棒、すなわちCHX-対濃い灰色の棒、すなわちCHX+を参照のこと)。
図4】[0011]例示的なSCN1Aエクソン20x領域ASO歩行を示す図である。SCN1Aエクソン20x領域に関して、3’スプライス部位の上流の配列、3’スプライス部位を横断する配列、エクソン20x、5’スプライス部位を横断する配列、および5’スプライス部位の下流の配列を標的とし、PS骨格の2’-MOE ASOを使用して実施したASO歩行のグラフィック表示を示す。ASOは、一度に5ヌクレオチド移動することによってこれらの領域を網羅するように設計した。
図5A】[0012]RT-PCRによって評価したSCN1Aエクソン20x領域ASO歩行を示す図である。代表的なPAGEは、無試薬取込み(gymnotic uptake)により、模擬処理した(Sham)、SMN対照ASO処理した(SMN)、またはRenCell VM細胞中20μMの濃度の、本明細書で実施例および図4の説明に記載されるようなエクソン20x領域を標的とする2’-MOE ASOを用いて処理したSCN1AのSYBRセーフ染色RT-PCR産物を示す。エクソン20x包含(上段のバンド)および全長(エクソン20x排除、下段のバンド)に対応する2種類の産物を定量化した。
図5B】[0013]図5Aのデータからエクソン20x包含パーセントをプロットしたグラフである。黒線は、Shamについては変化がないことを指し示す。
図5C】[0014]内部対照であるRPL32に対して正規化した全長産物のグラフであり、Shamと比べた変化倍数をプロットする。黒線は、1の比、およびShamについては変化がないことを指し示す。
図6】[0015]RT-qPCRによって評価した例示的なSCN1Aエクソン20x領域ASO歩行を示すグラフである。図5に示されるのと同じASO取込み実験を使用して得て、SYBRセーフRT-PCRによって評価した、RPL32に対して正規化したSYBRグリーンRT-qPCR SCN1A増幅結果を、Shamと比べた変化倍数としてプロットし、SYBRセーフRT-PCR結果を確認する。黒線は、1の比(Shamについては変化がないこと)を指し示す。
図7A】[0016]図7Aは、電位依存性(voltage-gaited)ナトリウムチャネルアルファサブユニットメンバーの一部のメンバーに関する表である。矢印は図7Bにおける棒の色に対応する。Xは、発現が検出されなかったことを表す。
図7B】[0017]図7Bは、標的選択性を評価するためにSCN1A、SCN2A、SCN3A、SCN8A、およびSCN9AのTaqman qPCRによってアセスメントした、選択されたASOを示すグラフである。Ex20x+1、IVS20x+18、およびIVS20x+33 ASOを使用して得た、RPL32に対して正規化したTaqman-qPCR増幅結果を、Shamと比べた変化倍数としてプロットする。黒線は、1の比(shamについては変化がないこと)を指し示す。
図8A】[0018]図8Aは、CXH処理細胞における選択されたASOの例示的な用量依存的効果を示す図である。RNAiMAXトランスフェクションにより、模擬処理した(Sham、RNAiMAXのみ)、またはNeuro 2A(マウス神経芽細胞腫)細胞中30nM、80nM、および200nMの濃度の、エクソン21x(マウス命名法、ヒトエクソン20xに対応)を標的とするEx21x+1 2’-MOE ASOを用いて処理したマウスScn1aのSYBRセーフ染色RT-PCR産物を示す代表的なPAGEを示す。Ex21x+1(マウス命名法)とEx20x+1(ヒト命名法)とは同一である。エクソン20x包含(上段のバンド)および全長(エクソン20x排除、下段のバンド)に対応する2種類の産物を定量化した。
図8B】[0019]図8Bは、図7Aのデータからエクソン20x包含をプロットしたグラフである。黒線は、Shamについては変化がないことを指し示す。
図8C】[0020]図8Cは、内部対照であるHprtに対して正規化した全長産物の例示的なグラフであり、Shamと比べた変化倍数をプロットする。黒線は、1の比、およびShamについては変化がないことを指し示す。
図9A】[0021]図9Aは、C57BL6Jマウス(雄、3カ月齢)における、選択されたASOの硝子体内(IVT)注射の例示的な結果を示す図である。PBSを注射した(1μL)左眼(-)、または10mMの濃度のIVS20x-21、Ex21x+1、IVS21x+18、IVS21x+33、もしくはCep290(陰性対照ASO、Gerardら、Mol.Ther.Nuc.Ac.、2015)2’-MOE ASOを注射した(1μL)右眼(+)に由来するマウスScn1aのSYBRセーフ染色RT-PCR産物のPAGEゲルを示す。Ex21x+1、IVS21x+18、およびIVS21x+33(マウス命名法)とEx20x+1、IVS20x+18、およびIVS20x+33(ヒト命名法)とは同一である。エクソン21x包含(上段のバンド)および全長(エクソン21x排除、下段のバンド)に対応する2種類の産物を定量化した。
図9B】[0022]図9Bは、図9Aのデータからエクソン21x包含パーセントをプロットしたグラフである。白色の棒はASOを注射した眼に対応し、灰色の棒はPBSを注射した眼に対応し、各群においてn=5。
図9C】[0023]図9Cは、全長産物を内部対照であるGapdhに対して正規化したグラフであり、PBSを注射した眼と比べたASOを注射した眼の変化倍数をプロットする。黒線は、1の比、およびPBSについては変化がないこと、各群においてn=5を指し示す。
図10A】[0024]図10Aは、C57BL6Jマウス(雄、3カ月齢)における、選択されたASOの脳室内(ICV)注射の例示的な結果を示す図である。注射していない(-、無ASO対照)、または300μgのCep290(陰性対照ASO、Gerardら、Mol.Ther.Nuc.Ac.、2015)、Ex21x+1、IVS21x+18、IVS21x+33 2’-MOE ASOを注射した脳に由来するマウスScn1aのSYBRセーフ染色RT-PCR産物のPAGEゲルを示す。Ex21x+1、IVS21x+18、およびIVS21x+33(マウス命名法)とEx20x+1、IVS20x+18、およびIVS20x+33(ヒト命名法)とは同一である。エクソン21x包含(上段のバンド)および全長(エクソン21x排除、下段のバンド)に対応する2種類の産物を定量化した。
図10B】[0025]図10Bは、図10Aのデータからエクソン21x包含パーセントをプロットしたグラフであり、n=6(各標的ASO)、n=5(Cep290 ASO)、n=1(注射していない、無ASO対照)を示す。
図10C】[0026]図10Cは、エクソン21と22との接合部にまたがる2個の異なるプローブを使用して実施したTaqman qPCRアッセイの結果のグラフである。産物を内部対照であるGapdhに対して正規化し、Cep290を注射した脳と比べたASOを注射した脳の変化倍数をプロットする。黒線は、1の比、およびCep290については変化がないこと、n=6(各標的ASO)、n=5(Cep290 ASO)、n=1(注射していない、無ASO対照)を指し示す。
図11A】[0027]図11Aは、C57BL6Jマウス(雄、3カ月齢)における、選択されたASOの脳室内(ICV)注射の例示的な結果を示す図である。300ugのCep290(陰性対照ASO、Gerardら、Mol.Ther.Nuc.Ac.、2015)、または33ug、100ug、および300ugのEx21x+1 2’-MOE ASOを注射した脳に由来するマウスScn1aのSYBRセーフ染色RT-PCR産物のPAGEゲル。Ex21x+1(マウス命名法)とEx20x+1(ヒト命名法)とは同一である。エクソン21x包含(上段のバンド)および全長(エクソン21x排除、下段のバンド)に対応する2種類の産物を定量化した。
図11B】[0028]図11Bは、図11Aのデータからエクソン21x包含パーセントをプロットしたグラフであり、n=5(各群)を示す。
図11C】[0029]図11Cは、エクソン21と22との接合部にまたがる2個の異なるプローブを使用して実施したTaqman qPCRアッセイの結果のグラフである。産物を内部対照であるGapdhに対して正規化し、Cep290を注射した脳と比べたASOを注射した脳の変化倍数をプロットする。黒線は、1の比、およびCep290については変化がないこと、n=5(各群)を指し示す。
図12A】[0030]図12Aは、C57BL6Jマウス(出生後2日目)における、選択されたASOの脳室内(ICV)注射の例示的な結果を示す図である。注射していない(-、無ASO対照)、または20μgのEx21x+1 2’-MOE ASOを注射した脳に由来するマウスScn1aのSYBRセーフ染色RT-PCR産物のPAGEゲルを示す。エクソン21x包含(上段のバンド)および全長(エクソン21x排除、下段のバンド)に対応する2種類の産物を定量化した。Ex21x+1(マウス命名法)とEx20x+1(ヒト命名法)とは同一である。
図12B】[0031]図12Bは、図12Aのデータからエクソン21x包含パーセントをプロットしたグラフであり、n=4(各群)を示す。
図12C】[0032]図12Cは、エクソン21と22との接合部にまたがる2個の異なるプローブを使用して実施したTaqman qPCRアッセイの結果のグラフである。産物を内部対照であるGapdhに対して正規化し、無ASO対照脳と比べたASOを注射した脳の変化倍数をプロットする。黒線は、1の比、および無ASO対照については変化がないこと、n=4(各群)を指し示す。
図13A】[0033]図13Aは、指し示されたマウスCNS試料におけるエクソン21x包含パーセントをプロットしたグラフである。
図13B】[0034]図13Bは、指し示されたヒトCNS試料におけるエクソン20x包含パーセントをプロットしたグラフである。
図14A】[0035]図14Aは、指し示された用量におけるエクソン21x包含の減少パーセントをプロットしたグラフである。
図14B】[0036]図14Bは、指し示された用量におけるScn1a mRNAの増加パーセントをプロットしたグラフである。
図14C】[0037]図14Cは、指し示された用量におけるNav1.1タンパク質レベルの増加パーセントをプロットしたグラフである。
図15A】[0038]図15Aは、指し示された用量におけるエクソン21x包含の減少パーセントをプロットしたグラフである。
図15B】[0039]図15Bは、指し示された用量におけるScn1a mRNAの増加パーセントをプロットしたグラフである。
図16】[0040]出生後2日目のマウスにICV注射を介して10ug用量で投与され、注射後5日目に、標的選択性をアセスメントするためにSCN1A、SCN2A、SCN3A、SCN4A、SCN5A、SCN7A、SCN8A、SCN9A、SCN10A、およびSCN11AのTaqman qPCRによって評価した、選択されたScn1a標的ASOを示すグラフである。Ex20x+1 ASOを使用して得た、Gapdhに対して正規化したTaqman-qPCR増幅結果を、PBSを注射したマウスと比べた変化倍数としてプロットする。
図17A】[0041]野生型(WT)、または129S-Scn1atm1Kea×C57BL/6Jの交配によるヘテロ接合型ドラベマウス(HET)F1マウスへの、指し示された用量での選択されたASOの出生後2日目における脳室内(ICV)注射に関する、注射3日後の例示的な結果を示すグラフである。[0042]図17Aは、エクソン21および22にまたがるプローブを使用して実施したTaqman qPCRアッセイの結果のグラフである。産物を内部対照であるGapdhに対して正規化し、PBSを注射した脳と比べたASOを注射した脳の変化倍数をプロットする。
図17B】[0043]図17Bは、抗Nav1.1抗体を使用して実施したウェスタンブロットの結果のグラフである。産物をポンソー染色バンドに対して正規化し、PBSを注射した脳と比べたASOを注射した脳の変化倍数をプロットする。
図18】[0044]自由取込みを介したRenCellにおけるSCN1Aエクソン20x領域ASOマイクロ歩行の例示的な結果のグラフである。ASOは、一度に1ヌクレオチド移動することによって(6~41)、またはASO17の長さを減少させることによって(1~5)、図6において以前に同定した3種類の標的ASO(星印によって示す)の周囲の領域を網羅するように設計した。グラフは、SYBRグリーンqPCRによって測定された、エクソン20x包含パーセントを示す。黒線は、無ASO(-)については変化がないことを指し示す。
図19】[0045]SCN1A標的ASOの注射後のマウスの冠状脳切片におけるScn1a mRNAレベルの経時的な増加をプロットしたグラフである。示されるように、Scn1a mRNAレベルの増加は、注射後少なくとも80日間維持された。
図20】[0046]ドラベマウスモデルにおける、SCN1A標的ASOによってもたらされる100%の生存利益を実証する例示的な生存曲線のグラフである。+/+はWT遺伝子型を表し、+/-は129S-scn1atm1Keaヘテロ接合遺伝子型(ドラベマウスモデル)を表し、AはPBS処置を表し、BはASO処置を表す。示されるように、A+/-群のマウス(PBS処置を受けたドラベマウス)は出生後約16日目から死亡し始めたが、B+/-(ASO処置を受けたドラベマウス)群を含め、他の3群の全てのマウスは少なくとも出生後35日目まで生存した。
【発明を実施するための形態】
【0007】
スプライシングおよびナンセンス変異依存mRNA分解機構
[0047]介在配列またはイントロンは、スプライソソームと称される、大きく、高度に動的なRNA-タンパク質複合体によって除去され、このことが一次転写物と、核内低分子RNA(snRNA)と、多数のタンパク質との間の複雑な相互作用を調整する。スプライソソームは、その都度各イントロン上に規則正しく集合し、U1 snRNAによる5’スプライス部位(5’ss)またはU2経路による3’スプライス部位(3’ss)の認識から開始し、U2経路では、U2補助因子(U2AF)が3’ss領域に結合して、U2が分岐点配列(BPS)に結合することを容易にする。U2AFは、ポリピリミジントラクト(PPT)に結合するU2AF2によってコードされる65kDのサブユニット(U2AF65)、および3‘ssにおいて高度に保存されたAGジヌクレオチドと相互作用し、U2AF65結合を安定化させる、U2AF1によってコードされる35kDのサブユニット(U2AF35)から構成される安定なヘテロ二量体である。正確なスプライシングは、BPS/PPTユニットおよび3’ss/5’ssに加えて、イントロンまたはエクソンスプライシングエンハンサーもしくはサイレンサーとして公知の、スプライス部位認識を活性化または抑制する補助配列または構造を必要とする。これらのエレメントは、同じ配列を有するが本来の部位よりも10倍多い、高等真核生物のゲノムにおける非常に過剰な潜在的または偽部位の中から、真のスプライス部位が認識されることを可能にする。エレメントはしばしば制御機能を有するが、その活性化または抑制の厳密な機構は、十分に理解されていない。
【0008】
[0048]スプライスするか否かの決定は、最も明確なスプライシングシグナルでさえ時折誤ってスプライスすることがあるように、典型的には、決定的な過程というよりはむしろ確率的な過程としてモデル化することができる。しかしながら、通常の条件下では、mRNA前駆体スプライシングは驚くほど高い忠実度で行われる。これは、部分的には、隣接するcis作用性補助エクソンおよびイントロンのスプライシング制御エレメント(ESRまたはISR)の活性に起因すると考えられる。典型的には、これらの機能的エレメントは、スプライシングを刺激または阻害する能力に基づいて、それぞれエクソンまたはイントロンスプライシングエンハンサー(ESEまたはISE)またはサイレンサー(ESSまたはISS)のいずれかに分類される。現在、一部の補助的なcis作用性エレメントはスプライソソーム集合の動力学、例えばU1 snRNPと5’ssとの間における複合体の布置に影響を及ぼすことによって作用し得るという証拠が存在するが、多くのエレメントはtrans作用性RNA結合タンパク質(RBP)と協調的に機能するという可能性は、非常に高いように思われる。例えば、RBPのセリンおよびアルギニンが豊富なファミリー(SRタンパク質)は、エクソンを規定することにおいて重要な役割を有するタンパク質の保存されたファミリーである。SRタンパク質は、プレスプライソソームの成分を隣接するスプライス部位に動員することによって、またはその近傍においてESSの効果を弱めることによってエクソン認識を促進する。ESSの抑制効果は、ヘテロ核リボヌクレオタンパク質(hnRNP)ファミリーのメンバーによって媒介されることがあり、コアスプライシング因子の隣接するスプライス部位への動員を変更させることができる。サイレンサーエレメントは、スプライシング制御における役割に加えて、エクソンの典型的な間隔を有するが機能的なオープンリーディングフレームを有しない数組のデコイイントロンスプライス部位である偽エクソンの抑制における役割を有することが示唆される。ESEおよびESSは、それらの同族のtrans作用性RBPと共に、mRNAがその前駆体から組み立てられる方法、場所、および時を指定する1組のスプライシング統御因子における重要な成分の代表である。
【0009】
[0049]エクソン-イントロン境界を示す配列は、ヒト遺伝子内に高頻度で生じ得る、様々な強さの縮重したシグナルである。多エクソン遺伝子では、異なる対のスプライス部位が多くの異なる組合せで互いに連結して、単一の遺伝子から多種多様な転写物を作り出すことができる。これは一般的に選択的mRNA前駆体スプライシングと称される。選択的スプライシングによって産生される大半のmRNAアイソフォームは、核から輸送され、機能性ポリペプチドに翻訳されることができるが、単一の遺伝子に由来する異なるmRNAアイソフォームは、その翻訳効率に大きくばらつきがあることがある。エクソン接合部複合体の少なくとも50bp上流に未成熟終止コドン(PTC)を有するそれらのmRNAアイソフォームは、ナンセンス変異依存mRNA分解機構(NMD)経路による分解の標的となる可能性が高い。伝統的な(BPS/PPT/3’ss/5’ss)および補助的なスプライシングモチーフにおける変異は、異常なスプライシング、例えばエクソンスキッピング、または潜在的(または偽)エクソン包含もしくはスプライス部位活性化を引き起こし、ヒトの罹患率および死亡率の重大な一因となることがある。異常なスプライシングパターンと選択的スプライシングパターンはいずれも、エクソンおよびイントロンにおける天然のDNAバリアントによって影響を及ぼされ得る。
【0010】
[0050]エクソン-イントロン境界がコドンの3つの位置のいずれかで生じ得ることを考慮すると、選択的スプライシング事象のサブセットのみがカノニカルなオープンリーディングフレームを維持することができることは明らかである。例えば、3で割り切れるエクソンのみが、リーディングフレームの一切の変更なしに、スキップされるか、またはmRNAに包含されることができる。適合性のあるフェーズを有しないスプライシング事象は、フレームシフトを誘導し得る。下流の事象によって取り消されない限り、フレームシフトは確実に1つまたは複数のPTCをもたらし、おそらくNMDによるその後の分解を結果的にもたらすだろう。NMDは、PTCを含有するmRNAを除外する翻訳連動機構(translation-coupled mechanism)である。NMDは、全ての真核生物に存在する監視経路として機能することができる。NMDは、未成熟停止コドンを含有するmRNA転写物を除外することによって、遺伝子発現における失敗を減らすことができる。これらの異常なmRNAの翻訳は、場合によっては、生じたタンパク質の有害な機能獲得型またはドミナントネガティブ活性をもたらし得る。NMDは、PTCを有する転写物だけでなく、多くの内在性の遺伝子から発現した幅広いmRNAアイソフォームも標的とし、このことは、NMDが細胞における定常状態のRNAレベルの微細な調整と大まかな調整の両方を駆動する主要制御因子であることを示唆する。
【0011】
[0051]NMD誘導エクソン(NIE)は、エクソン、またはイントロン内の領域である偽エクソンであり、成熟RNA転写物に包含される場合、NMD経路を活性化することができる。構成的スプライシング事象では、NIEを含有するイントロンは通例切り出されるが、選択的または異常なスプライシング事象の間では、イントロンまたはその部分(例えばNIE)は保持されることがある。そのようなNIEを含有する成熟mRNA転写物は、NMD経路を誘導するフレームシフトのために、非生産的であり得る。成熟RNA転写物へのNIEの包含は、遺伝子発現を下方制御し得る。NIEを含有するmRNA転写物は、本開示において、「NIE含有mRNA」または「NMDエクソンmRNA」と称される場合がある。
【0012】
[0052]潜在的(または偽スプライス部位)は、真のスプライス部位と同じスプライシング認識配列を有するが、スプライシング反応において使用されない。それらはヒトゲノムにおける真のスプライス部位よりも10倍多く、通常は、今のところ十分に理解されていない分子機構によって抑制される。潜在的5’スプライス部位は、コンセンサスなNNN/GUNNNNまたはNNN/GCNNNNを有し、ここで、Nは任意のヌクレオチドであり、/Nはエクソン-イントロン境界である。潜在的3’スプライス部位は、コンセン
サスなNAG/Nを有する。それらの活性化は、それらを本来のスプライス部位の最適なコンセンサス、すなわち、それぞれ、MAG/GURAGUおよびYAG/Gにより類似させる周囲のヌクレオチドによって正に影響を及ぼされ、ここで、MはCまたはAであり、RはGまたはAであり、YはCまたはUである。
【0013】
[0053]スプライス部位およびその制御配列は、当業者であれば、例えばKralovicova、J.およびVorechovsky、I.(2007)Global control of aberrant splice site activation by auxiliary splicing sequences:evidence
for a gradient in exon and intron definition。Nucleic Acids Res.、35、6399~6413ページ、(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2095810/pdf/gkm680.pdf)に列挙されている公的に利用可能な好適なアルゴリズムを使用して容易に同定することができる。
【0014】
[0054]潜在的スプライス部位またはスプライシング制御配列は、U2AF等のRNA結合タンパク質に関して、NIEのスプライス部位と競合し得る。一実施形態において、薬剤は、潜在的スプライス部位またはスプライシング制御配列に結合して、RNA結合タンパク質の結合を妨げ、それによりNIEスプライス部位の利用を有利にしてもよい。
【0015】
[0055]一実施形態において、潜在的スプライス部位は、NIEの5’または3’スプライス部位を含まない場合がある。潜在的スプライス部位は、NIE5’スプライス部位の少なくとも10ヌクレオチド上流であり得る。潜在的スプライス部位は、NIE5’スプライス部位の少なくとも20ヌクレオチド上流であり得る。潜在的スプライス部位は、NIE5’スプライス部位の少なくとも50ヌクレオチド上流であり得る。潜在的スプライス部位は、NIE5’スプライス部位の少なくとも100ヌクレオチド上流であり得る。潜在的スプライス部位は、NIE5’スプライス部位の少なくとも200ヌクレオチド上流であり得る。
【0016】
[0056]潜在的スプライス部位は、NIE3’スプライス部位の少なくとも10ヌクレオチド下流であり得る。潜在的スプライス部位は、NIE3’スプライス部位の少なくとも20ヌクレオチド下流であり得る。潜在的スプライス部位は、NIE3’スプライス部位の少なくとも50ヌクレオチド下流であり得る。潜在的スプライス部位は、NIE3’スプライス部位の少なくとも100ヌクレオチド下流であり得る。潜在的スプライス部位は、NIE3’スプライス部位の少なくとも200ヌクレオチド下流であり得る。
標的転写物
[0057]一部の実施形態において、本開示の方法は、SCN1A遺伝子から転写されたmRNA前駆体におけるNIEの存在を活用する。機能性成熟SCN1A mRNAを産生する、同定されたSCN1A NIE mRNA前駆体種のスプライシングは、NIEのエクソンスキッピングを刺激するASO等の治療剤を使用して誘導することができる。エクソンスキッピングの誘導は、NMD経路の阻害を結果的にもたらすことができる。生じた成熟SCN1A mRNAは、通常はNMD経路を活性化させることなく翻訳され、それにより患者の細胞におけるSCN1Aタンパク質の量を増加させ、SCN1A欠損に関連する状態、例えばドラベ症候群(DS);全般てんかん熱性痙攣プラス2型;家族性熱性痙攣3A;自閉症;早期乳児てんかん性脳症13;洞不全症候群1;アルツハイマー病;またはSUDEPの症状を軽減することができる。
【0017】
[0058]様々な実施形態において、本開示は、SCN1A mRNA転写物を標的として、スプライシングまたはタンパク質発現レベルを調節する、例えば、増強または阻害することができる治療剤を提供する。治療剤は、低分子、ポリヌクレオチド、またはポリペプ
チドであり得る。一部の実施形態において、治療剤はASOである。SCN1A mRNA前駆体の様々な領域または配列が、治療剤、例えばASOによって標的化され得る。一部の実施形態において、ASOは、NIEを含有するSCN1A mRNA前駆体転写物を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、SCN1A mRNA前駆体転写物のNIE内の配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、SCN1A mRNA前駆体転写物のNIEの5’末端(3’ss)から上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、SCN1A mRNA前駆体転写物のNIEの3’末端(5’ss)から下流の配列(または3’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、SCN1A mRNA前駆体転写物のNIEの5’末端に隣り合うイントロン内の配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、SCN1A mRNA前駆体転写物のNIEの3’末端と隣り合うイントロン内の配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、SCN1A mRNA前駆体転写物のNIE-イントロン境界を含む配列を標的とする。NIE-イントロン境界は、イントロン配列とNIE領域との接合部を指す場合がある。イントロン配列は、NIEの5’末端またはNIEの3’末端と隣り合っていてもよい。一部の実施形態において、ASOは、SCN1A mRNA前駆体転写物のエクソン内の配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、SCN1A mRNA前駆体転写物のイントロン内の配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、イントロンの一部分とエクソンの一部分との両方を含む配列を標的とする。
【0018】
[0059]一部の実施形態において、本明細書に記載される治療剤は、NMDエクソンmRNAのスプライシングに関与する因子の結合を調節する。
[0060]一部の実施形態において、本明細書に記載される治療剤が、NMDエクソンmRNAのスプライシングに関与する因子の結合に干渉する。
【0019】
[0061]一部の実施形態において、本明細書に記載される治療剤は、NMDエクソンmRNAのスプライシングに関与する因子の結合を妨げる。
[0062]一部の実施形態において、治療剤は、SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの2つのカノニカルなエクソン領域の間のイントロン領域に位置する標的化部分を標的とし、イントロン領域はNMDエクソンを含有する。
【0020】
[0063]一部の実施形態において、治療剤は、NMDエクソンと少なくとも部分的に重複する標的化部分を標的とする。
[0064]一部の実施形態において、治療剤は、NMDエクソンの上流のイントロンと少なくとも部分的に重複する標的化部分を標的とする。
【0021】
[0065]一部の実施形態において、治療剤は、NMDエクソン内の標的化部分を標的とする。
[0066]一部の実施形態において、治療剤は、NMDエクソンの少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを含む標的化部分を標的とする。一部の実施形態において、治療剤は、NMDエクソンの最大で約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを含む標的化部分を標的とする。一部の実施形態において、治療剤は、NMDエクソンの約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを含む標的化部分を標的とする。
【0022】
[0067]一部の実施形態において、治療剤が、NMDエクソンの近位にある標的化部分を標的とする。
[0068]一部の実施形態において、ASOは、NIEの5’末端から約4から約300ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIE領域の5’末端から約1から約20ヌクレオチド、約20から約50ヌクレオチド、約50から約100ヌクレオチド、約100から約150ヌクレオチド、約150から約200ヌクレオチド、約200から約250ヌクレオチド、約250から約300、約250から約300ヌクレオチド、約350から約400ヌクレオチド、約450から約500ヌクレオチド、約550から約600ヌクレオチド、約650から約700ヌクレオチド、約750から約800ヌクレオチド、約850から約900ヌクレオチド、約950から約1000ヌクレオチド、約1050から約1100ヌクレオチド、約1150から約1200ヌクレオチド、約1250から約1300ヌクレオチド、約1350から約1400ヌクレオチド、または約1450から約1500ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEの5’末端から300ヌクレオチド超上流の配列を標的としてもよい。一部の実施形態において、ASOは、NIEの3’末端から約4から約300ヌクレオチド下流の配列(または3’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEの3’末端から約1から約20ヌクレオチド、約20から約50ヌクレオチド、約50から約100ヌクレオチド、約100から約150ヌクレオチド、約150から約200ヌクレオチド、約200から約250ヌクレオチド、約250から約300ヌクレオチド、約350から約400ヌクレオチド、約450から約500ヌクレオチド、約550から約600ヌクレオチド、約650から約700ヌクレオチド、約750から約800ヌクレオチド、約850から約900ヌクレオチド、約950から約1000ヌクレオチド、約1050から約1100ヌクレオチド、約1150から約1200ヌクレオチド、約1250から約1300ヌクレオチド、約1350から約1400ヌクレオチド、または約1450から約1500ヌクレオチド下流の配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEの3’末端から300ヌクレオチド超下流の配列を標的とする。
【0023】
[0069]一部の実施形態において、ASOは、NIEの5’末端から約4から約300ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIE領域の5’末端から少なくとも約1ヌクレオチド、少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、少なくとも約96ヌクレオチド、少なくとも約97ヌクレオチド、少なくとも約98ヌクレオチド、少なくとも約99ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約101ヌクレオチド、少なくとも約102ヌクレオチド、少なくとも約103ヌクレオチド、少なくとも約104ヌクレオチド、少なくとも約105ヌクレオチド、少なくとも約110ヌクレオチド、少なくとも約120ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約300ヌクレオチド、少なくとも約400ヌクレオチド、少なくとも約500ヌクレオチド、少なくとも約600ヌクレオチド、少なくとも約700ヌクレオチド、少なくとも約800ヌクレオチド、少なくとも約900ヌクレオチド、または少なくとも約1000ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEの3’末端から約4から約300ヌクレオチド下流の配列(または3’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEの3’末端から少なくとも約1ヌクレオチド、少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、少なくとも約96ヌクレオチド、少なくとも約97ヌクレオチド、少なくとも約98ヌクレオチド、少なくとも約99ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約101ヌクレオチド、
少なくとも約102ヌクレオチド、少なくとも約103ヌクレオチド、少なくとも約104ヌクレオチド、少なくとも約105ヌクレオチド、少なくとも約110ヌクレオチド、少なくとも約120ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約300ヌクレオチド、少なくとも約400ヌクレオチド、少なくとも約500ヌクレオチド、少なくとも約600ヌクレオチド、少なくとも約700ヌクレオチド、少なくとも約800ヌクレオチド、少なくとも約900ヌクレオチド、または少なくとも約1000ヌクレオチド下流の配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEの3’末端から300ヌクレオチド超下流の配列を標的とする。
【0024】
[0070]一部の実施形態において、ASOは、NIEの5’末端から約4から約300ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIE領域の5’末端から最大で約10ヌクレオチド、最大で約20ヌクレオチド、最大約50ヌクレオチド、最大約80ヌクレオチド、最大約85ヌクレオチド、最大約90ヌクレオチド、最大約95ヌクレオチド、最大約96ヌクレオチド、最大約97ヌクレオチド、最大約98ヌクレオチド、最大約99ヌクレオチド、最大約100ヌクレオチド、最大約101ヌクレオチド、最大約102ヌクレオチド、最大約103ヌクレオチド、最大約104ヌクレオチド、最大約105ヌクレオチド、最大約110ヌクレオチド、最大約120ヌクレオチド、最大約150ヌクレオチド、最大約200ヌクレオチド、最大約300ヌクレオチド、最大約400ヌクレオチド、最大約500ヌクレオチド、最大約600ヌクレオチド、最大約700ヌクレオチド、最大約800ヌクレオチド、最大約900ヌクレオチド、最大約1000ヌクレオチド、最大約1100ヌクレオチド、最大約1200ヌクレオチド、最大約1300ヌクレオチド、最大で約1400ヌクレオチド、または最大で約1500ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEの3’末端から約4から約300ヌクレオチド下流の配列(または3’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEの3’末端から最大で約10ヌクレオチド、最大約20ヌクレオチド、最大約50ヌクレオチド、最大約80ヌクレオチド、最大約85ヌクレオチド、最大約90ヌクレオチド、最大約95ヌクレオチド、最大約96ヌクレオチド、最大約97ヌクレオチド、最大約98ヌクレオチド、最大約99ヌクレオチド、最大約100ヌクレオチド、最大約101ヌクレオチド、最大約102ヌクレオチド、最大約103ヌクレオチド、最大約104ヌクレオチド、最大約105ヌクレオチド、最大約110ヌクレオチド、最大約120ヌクレオチド、最大約150ヌクレオチド、最大約200ヌクレオチド、最大約300ヌクレオチド、最大約400ヌクレオチド、最大約500ヌクレオチド、最大約600ヌクレオチド、最大約700ヌクレオチド、最大約800ヌクレオチド、最大約900ヌクレオチド、または最大約1000ヌクレオチド、最大約1100ヌクレオチド、最大約1200ヌクレオチド、最大約1300ヌクレオチド、最大で約1400ヌクレオチド、または最大で約1500ヌクレオチド下流の配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEの3’末端から300ヌクレオチド超下流の配列を標的とする。
【0025】
[0071]一部の実施形態において、本明細書に記載されるようなNIEは、図2に示されるように、GRCh37/hg19:chr2:166,863,740とGRCh37/hg19:chr2:166,863,803との間に位置する。一部の実施形態において、NIEの5’末端は、GRCh37/hg19:chr2:166,863,803に位置する。一部の実施形態において、NIEの3’末端は、GRCh37/hg19:chr2:166,863,740に位置する。
【0026】
[0072]一部の実施形態において、ASOは、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803から約4から約300ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803から約1から約20ヌクレオチド、約20から
約50ヌクレオチド、約50から約100ヌクレオチド、約100から約150ヌクレオチド、約150から約200ヌクレオチド、約200から約250ヌクレオチド、約250から約300、約250から約300ヌクレオチド、約350から約400ヌクレオチド、約450から約500ヌクレオチド、約550から約600ヌクレオチド、約650から約700ヌクレオチド、約750から約800ヌクレオチド、約850から約900ヌクレオチド、約950から約1000ヌクレオチド、約1050から約1100ヌクレオチド、約1150から約1200ヌクレオチド、約1250から約1300ヌクレオチド、約1350から約1400ヌクレオチド、または約1450から約1500ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803から300ヌクレオチド超上流の配列を標的としてもよい。一部の実施形態において、ASOは、GRCh37/hg19:chr2:166,863,740から約4から約300ヌクレオチド下流の配列(または3’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、GRCh37/hg19:chr2:166,863,740から約1から約20ヌクレオチド、約20から約50ヌクレオチド、約50から約100ヌクレオチド、約100から約150ヌクレオチド、約150から約200ヌクレオチド、約200から約250ヌクレオチド、約250から約300ヌクレオチド、約350から約400ヌクレオチド、約450から約500ヌクレオチド、約550から約600ヌクレオチド、約650から約700ヌクレオチド、約750から約800ヌクレオチド、約850から約900ヌクレオチド、約950から約1000ヌクレオチド、約1050から約1100ヌクレオチド、約1150から約1200ヌクレオチド、約1250から約1300ヌクレオチド、約1350から約1400ヌクレオチド、または約1450から約1500ヌクレオチド下流の配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、GRCh37/hg19:chr2:166,863,740から300ヌクレオチド超下流の配列を標的とする。
【0027】
[0073]一部の実施形態において、ASOは、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803から約4から約300ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803から少なくとも約1ヌクレオチド、少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、少なくとも約96ヌクレオチド、少なくとも約97ヌクレオチド、少なくとも約98ヌクレオチド、少なくとも約99ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約101ヌクレオチド、少なくとも約102ヌクレオチド、少なくとも約103ヌクレオチド、少なくとも約104ヌクレオチド、少なくとも約105ヌクレオチド、少なくとも約110ヌクレオチド、少なくとも約120ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約300ヌクレオチド、少なくとも約400ヌクレオチド、少なくとも約500ヌクレオチド、少なくとも約600ヌクレオチド、少なくとも約700ヌクレオチド、少なくとも約800ヌクレオチド、少なくとも約900ヌクレオチド、または少なくとも約1000ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、GRCh37/hg19:chr2:166,863,740から約4から約300ヌクレオチド下流の配列(または3’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、GRCh37/hg19:chr2:166,863,740から少なくとも約1ヌクレオチド、少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、少なくとも約96ヌクレオチド、少なくとも約97ヌクレオチド、少なくとも約98ヌクレオチド、少なくとも約99ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約101ヌクレオチド、少なくとも約102ヌクレオチド、少なくとも約103ヌクレオチド、
少なくとも約104ヌクレオチド、少なくとも約105ヌクレオチド、少なくとも約110ヌクレオチド、少なくとも約120ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約300ヌクレオチド、少なくとも約400ヌクレオチド、少なくとも約500ヌクレオチド、少なくとも約600ヌクレオチド、少なくとも約700ヌクレオチド、少なくとも約800ヌクレオチド、少なくとも約900ヌクレオチド、または少なくとも約1000ヌクレオチド下流の配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、GRCh37/hg19:chr2:166,863,740から300ヌクレオチド超下流の配列を標的とする。
【0028】
[0074]一部の実施形態において、ASOは、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803から約4から約300ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2:166,863,803から最大で約10ヌクレオチド、最大約20ヌクレオチド、最大約50ヌクレオチド、最大約80ヌクレオチド、最大約85ヌクレオチド、最大約90ヌクレオチド、最大約95ヌクレオチド、最大約96ヌクレオチド、最大約97ヌクレオチド、最大約98ヌクレオチド、最大約99ヌクレオチド、最大約100ヌクレオチド、最大約101ヌクレオチド、最大約102ヌクレオチド、最大約103ヌクレオチド、最大約104ヌクレオチド、最大約105ヌクレオチド、最大約110ヌクレオチド、最大約120ヌクレオチド、最大約150ヌクレオチド、最大約200ヌクレオチド、最大約300ヌクレオチド、最大約400ヌクレオチド、最大約500ヌクレオチド、最大約600ヌクレオチド、最大約700ヌクレオチド、最大約800ヌクレオチド、最大約900ヌクレオチド、最大約1000ヌクレオチド、最大約1100ヌクレオチド、最大約1200ヌクレオチド、最大約1300ヌクレオチド、最大約1400ヌクレオチド、または最大で約1500ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、GRCh37/hg19:chr2:166,863,740から約4から約300ヌクレオチド下流の配列(または3’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、GRCh37/hg19:chr2:166,863,740から最大で約10ヌクレオチド、最大約20ヌクレオチド、最大約50ヌクレオチド、最大約80ヌクレオチド、最大約85ヌクレオチド、最大約90ヌクレオチド、最大約95ヌクレオチド、最大約96ヌクレオチド、最大約97ヌクレオチド、最大約98ヌクレオチド、最大約99ヌクレオチド、最大約100ヌクレオチド、最大約101ヌクレオチド、最大約102ヌクレオチド、最大約103ヌクレオチド、最大約104ヌクレオチド、最大約105ヌクレオチド、最大約110ヌクレオチド、最大約120ヌクレオチド、最大約150ヌクレオチド、最大約200ヌクレオチド、最大約300ヌクレオチド、最大約400ヌクレオチド、最大約500ヌクレオチド、最大約600ヌクレオチド、最大約700ヌクレオチド、最大約800ヌクレオチド、最大約900ヌクレオチド、または最大約1000ヌクレオチド、最大約1100ヌクレオチド、最大約1200ヌクレオチド、最大約1300ヌクレオチド、最大約1400ヌクレオチド、または最大で約1500ヌクレオチド下流の配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、GRCh37/hg19:chr2:166,863,740から300ヌクレオチド超下流の配列を標的とする。
【0029】
[0075]本明細書で実施例に記載されるように、SCN1A遺伝子(配列番号1)をNIEに関して分析し、イントロン20(配列番号4)の一部分(この部分は本開示全体にわたってエクソン20xと称される)の包含を観察した。一部の実施形態において、本明細書に開示されるASOは、SCN1Aゲノム配列から転写されたNIE含有mRNA前駆体(配列番号2)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、イントロン20の一部分を含むSCN1Aゲノム配列に由来するNIE含有mRNA前駆体転写物を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、エクソン20x(配列番号6)を含むSCN1Aゲノム配列に由来するNIE含有mRNA前駆体転写物を標的とする。一部の実施形
態において、ASOは、配列番号2または12のNIE含有mRNA前駆体転写物を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEを含む配列番号2または12のNIE含有mRNA前駆体転写物を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、エクソン20xを含む配列番号2のNIE含有mRNA前駆体転写物(配列番号10)を標的とする。一部の実施形態において、本明細書に開示されるASOは、SCN1A mRNA前駆体配列(配列番号2または12)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEを含むSCN1A mRNA前駆体配列(配列番号10または20)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、配列番号7~10または17~20のいずれか1つに記載のSCN1A mRNA前駆体配列を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、配列番号21~67に記載のいずれか1つの配列を有する。一部の実施形態において、ASOは、配列番号68~114のいずれか1つに記載の配列を有する。一部の実施形態において、ASOは、配列番号115~209のいずれか1つに記載の配列を有する。一部の実施形態において、ASOは、配列番号210~256のいずれか1つに記載の配列を有する。一部の実施形態において、ASOは、配列番号257~303のいずれか1つに記載の配列を有する。一部の実施形態において、ASOは、配列番号304~341のいずれか1つに記載の配列を有する。一部の実施形態において、ASOは、配列番号342~379のいずれか1つに記載の配列を有する。
【0030】
[0076]一部の実施形態において、SCN1A NIE含有mRNA前駆体転写物は、配列番号1または11に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる。一部の実施形態において、SCN1A NIE mRNA前駆体転写物は、配列番号2~10および12~20のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。
【0031】
[0077]一部の実施形態において、SCN1A NIE含有mRNA前駆体転写物(またはNMDエクソンmRNA)は、配列番号2、7~10、12、および17~20のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。一部の実施形態において、SCN1A NIE含有mRNA前駆体転写物(またはNMDエクソンmRNA)は、配列番号1、3~6、11、および13~16に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列によってコードされる。一部の実施形態において、NMDエクソンmRNAの標的化部分は、配列番号2、7~10、12、および17~20の少なくとも8個の連続的な核酸を含む領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。
【0032】
[0078]一部の実施形態において、ASOは、NIEエクソン20xを含むSCN1A NIE含有mRNA前駆体のエクソン20を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、NIEエクソン20xの下流のエクソン21配列(または3’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、エクソン20xの5’末端から約4から約300ヌクレオチド上流の配列(または5’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、エクソン20xの3’末端から約4から約300ヌクレオチド下流の配列(または3’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、配列番号21~67のいずれか1つに記載の配列を有する。一部の実施形態において、ASOは、配列番号210~256のいずれか1つに記載の配列を有する。
【0033】
[0079]一部の実施形態において、ASOは、NIEの5’末端から上流の配列を標的とする。例えば、NIE(例えば、ヒトSCN1Aにおけるエクソン20x、またはマウスSCN1Aにおけるエクソン21x)の5’末端から上流の配列を標的とするASOは、
配列番号21~38のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含むことができる。別の例では、NIE(例えば、ヒトSCN1Aにおけるエクソン20x、またはマウスSCN1Aにおけるエクソン21x)の5’末端から上流の配列を標的とするASOは、配列番号68~85のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含むことができる。一部の実施形態において、ASOは、エクソン-イントロン境界(または接合部)を含有する配列を標的とする。例えば、エクソン-イントロン境界を含有する配列を標的とするASOは、配列番号39~41、51、52、228~230、240、または241のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含むことができる。別の例では、エクソン-イントロン境界を含有する配列を標的とするASOは、配列番号86~88、および98~99のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含むことができる。一部の実施形態において、ASOは、NIEの3’末端から下流の配列を標的とする。例えば、NIE(例えば、ヒトSCN1Aにおけるエクソン20x、またはマウスSCN1Aにおけるエクソン21x)の3’末端から下流の配列を標的とするASOは、配列番号53~67のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含むことができる。別の例では、NIE(例えば、ヒトSCN1Aにおけるエクソン20x、またはマウスSCN1Aにおけるエクソン21x)の3’末端から下流の配列を標的とするASOは、配列番号100~114のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含むことができる。一部の実施形態において、ASOは、NIE内の配列を標的とする。例えば、NIE(例えば、ヒトSCN1Aにおけるエクソン20x、またはマウスSCN1Aにおけるエクソン21x)内の配列を標的とするASOは、配列番号42~50、または231~239のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含むことができる。別の例では、NIE(例えばヒトSCN1Aにおけるエクソン20x、またはマウスSCN1Aにおけるエクソン21x)内の配列を標的とするASOは、配列番号89~97のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含むことができる。
【0034】
[0080]一部の実施形態において、ASOは、エクソン20xを含むSCN1A NIE含有mRNA前駆体におけるエクソン20xを標的とする。一部の実施形態において、ASOは、SCN1A mRNA前駆体のエクソン20xの5’末端から下流のエクソン20x配列(または3’)を標的とする。一部の実施形態において、ASOは、SCN1A
mRNA前駆体のエクソン20xの3’末端から上流のエクソン20x配列(または5’)を標的とする。
【0035】
[0081]一部の実施形態において、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分は、イントロン1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25(イントロンの番号付けは、NM_006920のmRNA配列に対応する)にある。一部の実施形態において、NIE mRNA前駆体の標的化部分に対するASOのハイブリダイゼーションは、イントロン1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25内の少なくとも1個のNIEのエクソンスキッピングを結果的にもたらし、その後にSCN1Aタンパク質産生を増加させる。一部の実施形態において、NIE mRNA前駆体の標的化部分に対するASOのハイブリダイゼーションは、イントロン1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、
21、22、23、24、または25内の少なくとも1個のNIEのエクソンスキッピングを阻害または遮断し、その後にSCN1Aタンパク質産生を減少させる。一部の実施形態において、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分はイントロン20にある。当業者は、本明細書で提供されるイントロン配列に基づいて、またはNM_006920、NM_001202435、NM_001165964、もしくはNM_001165963のmRNA配列に関して提供された番号を使用して、任意のアイソフォームにおける対応するイントロン番号を決定することができる。当業者はまた、本明細書で提供されるイントロン配列に基づいて、またはNM_006920、NM_001202435、NM_001165964、もしくはNM_001165963のmRNA配列に関して提供されたイントロン番号を使用して、本発明の方法を使用して標的とするための任意のSCN1Aアイソフォームにおける隣り合うエクソンの配列を決定することもできる。
【0036】
[0082]一部の実施形態において、本開示の方法および組成物は、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の偽エクソンのエクソンスキッピングを誘導または阻害することによってSCN1Aの発現を調節する、例えば、増加または減少させるために使用される。一部の実施形態において、偽エクソンは、イントロン1~25のいずれかの内部の配列である。一部の実施形態において、偽エクソンは、イントロン2、4、6、13、14、15、16、17、18、20、21、22、23、24、および25のいずれかの内部の配列である。一部の実施形態において、偽エクソンは、イントロン15、18、および19のいずれかの内部の配列である。一部の実施形態において、偽エクソンは、任意のSCN1Aイントロンまたはその一部分であり得る。一部の実施形態において、偽エクソンはイントロン20内にある。本明細書で使用されるSCN1Aイントロンの番号付けは、NM_006920のmRNA配列に対応する。イントロンの番号付けは、異なるSCN1Aアイソフォーム配列を参照する場合、変化し得ることが理解される。
SCN1Aタンパク質
[0083]SCN1A遺伝子は、電位依存性ナトリウムチャネルのアルファサブユニット、Na1.1とも称され得るSCN1A(ナトリウムチャネル、電位依存性、I型、アルファサブユニット)タンパク質をコードすることができる。上にも記載されているように、DSにおけるSCN1A変異はタンパク質全体にわたり広がる。100超の新規な変異が遺伝子全体にわたって同定されており、より衰弱性の変異はデノボに生じたものである。これらは、短縮型(47%)、ミスセンス(43%)、欠失(3%)、およびスプライス部位変異(7%)のものを含む。SCN1A変異を保有する対象の百分率は33から100%の間でばらつきがある。変異の大部分は新規な変化(88%)である。
【0037】
[0084]一部の実施形態において、本明細書に記載される方法は、機能性SCN1Aタンパク質の産生を調節する、例えば、増加または減少させるために使用される。本明細書で使用する場合、「機能性」という用語は、処置される状態、例えば、ドラベ症候群;全般てんかん熱性痙攣プラス2型;家族性熱性痙攣3A;自閉症;早期乳児てんかん性脳症13;洞不全症候群1;アルツハイマー病;またはSUDEPのいずれか1つまたは複数の症状を除外するのに必要なSCN1Aタンパク質の活性または機能の量を指す。一部の実施形態において、方法は、部分機能性SCN1Aタンパク質の産生を増加させるために使用される。本明細書で使用する場合、「部分機能性」という用語は、疾患または状態のいずれか1つまたは複数の症状を除外または防止するのに必要な活性または機能の量よりも少ない、SCN1Aタンパク質の活性または機能の任意の量を指す。一部の実施形態において、部分機能性タンパク質またはRNAは、完全機能性タンパク質またはRNAと比べて少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%低い活性を有し得る。
【0038】
[0085]一部の実施形態において、方法は、SCN1Aタンパク質をコードするNIE含有mRNA前駆体を有する対象の細胞によるSCN1Aタンパク質の発現を増加させる方法であり、対象は、SCN1Aタンパク質の活性の欠損量によって引き起こされたドラベ症候群を有し、SCN1Aタンパク質の欠損量は、SCN1Aタンパク質のハプロ不全によって引き起こされる。そのような実施形態において、対象は、機能性SCN1Aタンパク質をコードする第1のアレル、およびSCN1Aタンパク質が産生されない第2のアレルを有する。別のそのような実施形態において、対象は、機能性SCN1Aタンパク質をコードする第1のアレル、および非機能性SCN1Aタンパク質をコードする第2のアレルを有する。別のそのような実施形態において、対象は、機能性SCN1Aタンパク質をコードする第1のアレル、および部分機能性SCN1Aタンパク質をコードする第2のアレルを有する。これらの実施形態のいずれかにおいて、アンチセンスオリゴマーは、第2のアレルから転写されたNIE含有mRNA前駆体の標的化部分に結合し、それによりmRNA前駆体からの偽エクソンのエクソンスキッピングを誘導し、機能性SCN1Aタンパク質をコードする成熟mRNAのレベルの増加、および対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現の増加を引き起こす。
【0039】
[0086]関連する実施形態において、方法は、ASOを使用して、タンパク質または機能性RNAの発現を増加させる方法である。一部の実施形態において、ASOは、SCN1Aタンパク質をコードするNIE含有mRNA前駆体を有する対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を増加させるために使用され、対象は、SCN1Aタンパク質の量または機能における欠損、例えば、ドラベ症候群(DS)(SMEIとしても公知);乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);洞不全症候群1;早期乳児SCN1A脳症;早期乳児てんかん性脳症(EIEE);または自閉症を有する。一部の実施形態において、ASOは、対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を増加させるために使用され、対象は、SCN8Aタンパク質の量または機能における欠損、例えば早期乳児てんかん性脳症13を有する。一部の実施形態において、ASOは、対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を増加させるために使用され、対象は、SCN5Aタンパク質の量または機能における欠損、例えば洞不全症候群1を有する。
【0040】
[0087]一部の実施形態において、疾患または状態の原因となるタンパク質をコードするNIE含有mRNA前駆体転写物は、本明細書に記載されるASOによって標的とされる。一部の実施形態において、疾患の原因とならないタンパク質をコードするNIE含有mRNA前駆体転写物は、ASOによって標的とされる。例えば、特定の経路における第1のタンパク質の変異または欠損の結果である疾患は、第2のタンパク質をコードするNIE含有mRNA前駆体を標的とし、それにより第2のタンパク質の産生を増加させることによって改善し得る。一部の実施形態において、第2のタンパク質の機能は、第1のタンパク質の変異または欠損(これは疾患または状態の原因となる)を補償することができる。
【0041】
[0088]一部の実施形態において、対象は、
(a) (i)SCN1Aタンパク質が、野生型アレルからの産生と比較して低減したレベルで産生される、
(ii)SCN1Aタンパク質が、同等の野生型タンパク質と比較して低減した機能を有する形態で産生される、または
(iii)SCN1Aタンパク質もしくは機能性RNAが産生されない
第1の変異アレル、および
(b) (i)SCN1Aタンパク質が、野生型アレルからの産生と比較して低減したレベルで産生される、
(ii)SCN1Aタンパク質が、同等の野生型タンパク質と比較して低減した機能を有する形態で産生される、または
(iii)SCN1Aタンパク質が産生されない
第2の変異アレル
を有し、NIE含有mRNA前駆体は、第1のアレルおよび/または第2のアレルから転写される。これらの実施形態において、ASOは、第1のアレルまたは第2のアレルから転写されたNIE含有mRNA前駆体の標的化部分に結合し、それによりNIE含有mRNA前駆体からの偽エクソンのエクソンスキッピングを誘導し、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAのレベルの増加、および対象の細胞における標的タンパク質または機能性RNAの発現の増加を引き起こす。これらの実施形態において、NIE含有mRNA前駆体からの偽エクソンのエクソンスキッピングの結果として生じる発現レベルの増加を有する標的タンパク質または機能性RNAは、同等の野生型タンパク質と比較して低減した機能(部分機能性)を有するか、または同等の野生型タンパク質と比較して完全な機能(完全機能性)を有する形態である。
【0042】
[0089]一部の実施形態において、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAのレベルは、対照細胞、例えば、アンチセンスオリゴマーを用いて処理されない細胞、またはSCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に結合しないアンチセンスオリゴマーを用いて処理される細胞において産生されるSCN1Aタンパク質をコードするmRNAの量と比較した場合、1.1から10倍増加する。
【0043】
[0090]一部の実施形態において、本開示の方法を使用して処置される対象は、1つのアレルから部分機能性SCN1Aタンパク質を発現し、部分機能性SCN1Aタンパク質は、フレームシフト変異、ナンセンス変異、ミスセンス変異、または部分的遺伝子欠失によって引き起こされる。一部の実施形態において、本発明の方法を使用して処置される対象は、1つのアレルから非機能性SCN1Aタンパク質を発現し、非機能性SCN1Aタンパク質は、1つのアレルにおけるフレームシフト変異、ナンセンス変異、ミスセンス変異、部分的遺伝子欠失によって引き起こされる。一部の実施形態において、本発明の方法を使用して処置される対象は、1つのアレルにおけるSCN1A全遺伝子欠失を有する。
【0044】
[0091]一部の実施形態において、方法は、SCN1Aタンパク質をコードするNIE含有mRNA前駆体を有する対象の細胞によるSCN1Aタンパク質の発現を減少させる方法であり、対象は、Na1.1における機能獲得型変異を有する。そのような実施形態において、対象は、SCN1Aが上昇した量産生されるアレル、または細胞におけるNa1.1の増加した活性を誘導する変異SCN1Aをコードするアレルを有する。一部の実施形態において、Na1.1の増加した活性は、変異Na1.1チャネルによって媒介される延長性もしくはほぼ持続性のナトリウム電流、速い不活性化の緩徐化、定常状態不活性化の正のシフト、反復刺激の間のより高いチャネル利用度、増加した非不活性化脱分極誘導性持続性ナトリウム電流、不活性化への遅延した移行、速い不活性化からの迅速な回復、および/またはより低い温度でのインキュベーションもしくは相互作用するタンパク質の共発現によるフォールディング欠陥のレスキューを特徴とする。これらの実施形態のいずれかにおいて、アンチセンスオリゴマーは、第2のアレルから転写されたNIE含有mRNA前駆体の標的化部分に結合し、それによりmRNA前駆体からの偽エクソンのエクソンスキッピングを阻害または遮断し、機能性SCN1Aタンパク質をコードする成熟mRNAのレベルの減少、および対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現の減少を引き起こす。
【0045】
[0092]関連する実施形態において、方法は、ASOを使用して、タンパク質または機能性RNAの発現を減少させる方法である。一部の実施形態において、ASOは、SCN1Aタンパク質をコードするNIE含有mRNA前駆体を有する対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を減少させるために使用される。一部の実施形態において、対象は、Na1.1における機能獲得型変異、例えば、片頭痛を有する。一部の実施形態において、ASOは、対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を減少させるために使用され、対象は、Na1.1における機能獲得型変異、例えば、家族性片麻痺性片頭痛3を有する。
【0046】
[0093]一部の実施形態において、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAのレベルは、対照細胞、例えば、アンチセンスオリゴマーを用いて処理されない細胞、またはSCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に結合しないアンチセンスオリゴマーを用いて処理される細胞において産生されるSCN1Aタンパク質をコードするmRNAの量と比較した場合、1.1分の1から10分の1に減少する。
【0047】
[0094]一部の実施形態において、本開示の方法を使用して処置される対象は、1つのアレルから変異SCN1Aタンパク質を発現し、変異SCN1Aタンパク質は、フレームシフト変異、ナンセンス変異、ミスセンス変異、または部分的遺伝子欠失によって引き起こされ、変異SCN1Aタンパク質は、Na1.1の上昇した活性レベルを引き起こす。一部の実施形態において、本開示の方法を使用して処置される対象は、フレームシフト変異、ナンセンス変異、ミスセンス変異、または部分的遺伝子欠失のために、1つのアレルから上昇した量のSCN1Aタンパク質を発現する。
【0048】
[0095]本発明の実施形態において、対象は、SCN1Aにおける変異を有し得る。SCN1Aにおける変異は、前記遺伝子全体にわたって広がり得る。SCN1Aタンパク質は、4つのドメインからなり得る。前記SCN1Aドメインは、膜貫通セグメントを有し得る。前記SCN1Aタンパク質における変異は、前記タンパク質全体にわたって生じてもよい。前記SCN1Aタンパク質は、少なくとも2つのアイソフォームからなってもよい。SCN1Aにおける変異は、R931C、R946C、M934I、R1648C、またはR1648Hを含んでもよい。場合によっては、変異は、SCN1Aタンパク質のC末端において観察され得る。SCN1Aタンパク質における変異は、前記SCN1Aタンパク質の最初の3つのドメインのセグメント5と6との間のループにおいても見出され得る。場合によっては、変異はSCN1Aタンパク質のN末端において観察され得る。SCN1A内の例示的な変異としては、R222X、R712X、I227S、R1892X、W952X、R1245X、R1407X、W1434R、c.4338+1G>A、S1516X、L1670fsX1678、またはK1846fsX1856が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の標的とすることができる変異はまた、イオンチャネルの細孔をコードしてもよい。
【0049】
[0096]一部の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物は、DSを処置するために使用することができる。他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物は、乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)を処置するために使用することができる。他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物は、境界型ドラベ症候群;全般てんかん熱性痙攣プラス2型;家族性熱性痙攣3A;家族性片麻痺性片頭痛3;自閉症;早期乳児てんかん性脳症13;洞不全症候群1;アルツハイマー病、またはSUDEPを処置するために使用することができる。本明細書に記載される方法および組成物は、境界型SMEIを処置するためにも使用することができる。さらに、本明細書に記載される方法および組成物は、全般性てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+)を処置するために使用することができる。GEFS+は、SCN1BまたはGABRG2
等のてんかん関連性イオンチャネルサブユニットにおける変異に関連してもよい。本明細書に記載される方法および組成物は、ナトリウムチャネル病を処置するためにも使用することができる。ナトリウムチャネル病は、SCN1Aにおける変異に関連してもよい。ナトリウムチャネル病はまた、SCN1Aのサブユニット、例えばベータサブユニット、SCN1Bに関連してもよい。場合によっては、SCN1A変異に関連するさらなる疾患もまた、本開示を用いて処置することができる。SCN1A変異に関連する、関係のあるSCN1A疾患としては、非定型先天性筋強直症、高カリウム性周期性四肢麻痺、および先天性筋緊張症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
[0097]一部の実施形態において、当業者に公知かつ上で参照した文献に(例えば、Hamdanら、2009、Mulleyら、2005によって)記載されている任意のSCN1A変異を有する対象は、本明細書に記載される方法および組成物を使用して処置することができる。一部の実施形態において、変異は、任意のSCN1Aイントロンまたはエクソン内にある。
エクソン包含
[0098]本明細書で使用する場合、「NIE含有mRNA前駆体」は、少なくとも1個の偽エクソンを含有するmRNA前駆体転写物である。選択的または異常なスプライシングは、成熟mRNA転写物への少なくとも1個の偽エクソンの包含を結果的にもたらすことができる。「成熟mRNA」および「完全スプライスmRNA」という用語は、本明細書では交換可能に使用されて、完全にプロセシングされたmRNAを表す。少なくとも1個の偽エクソンの包含は、非生産的mRNAとなり、成熟mRNAのNMDをもたらし得る。NIE含有成熟mRNAは、時折異常なタンパク質発現をもたらす場合がある。
【0051】
[0099]一部の実施形態において、包含偽エクソン(included pseudo-exon)は、細胞における標的タンパク質をコードする遺伝子から転写されたNIE含有mRNA前駆体の集団において最も大量に存在する偽エクソンである。一部の実施形態において、包含偽エクソンは、細胞における標的タンパク質をコードする遺伝子から転写されたNIE含有mRNA前駆体の集団において最も大量に存在する偽エクソンであり、NIE含有mRNA前駆体の集団は、2個以上の包含偽エクソンを含む。一部の実施形態において、標的タンパク質をコードするNIE含有mRNA前駆体の集団において最も大量に存在する偽エクソンを標的にするアンチセンスオリゴマーは、アンチセンスオリゴマーが標的にするかまたは結合する偽エクソンを含む、集団における1個または2個以上の偽エクソンのエクソンスキッピングを誘導する。実施形態において、標的化領域は、SCN1Aタンパク質をコードするNIE含有mRNA前駆体において最も大量に存在する偽エクソンである偽エクソンにある。
【0052】
[00100]エクソン包含の程度は、エクソン包含率、例えば、所与の偽エクソンが包含さ
れている転写物の百分率として表現することができる。簡潔に述べれば、エクソン包含パーセントは、エクソン包含を有するRNA転写物の量の、エクソン包含を有するRNA転写物の量の平均とエクソン排除を有するRNA転写物の量の平均との合計に対する百分率として算出することができる。
【0053】
[00101]一部の実施形態において、包含偽エクソンは、少なくとも約5%、少なくとも
約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、または少なくとも約50%の包含率という決定に基づいて、包含偽エクソンとして同定されるエクソンである。実施形態において、包含偽エクソンは、約5%から約100%、約5%から約95%、約5%から約90%、約5%から約85%、約5%から約80%、約5%から約75%、約5%から約70%、約5%から約65%、約5%から約60%、約5%から約55%、約5%から約50%、約5%から約45%、約5%から約40%、約5%から約
35%、約5%から約30%、約5%から約25%、約5%から約20%、約5%から約15%、約10%から約100%、約10%から約95%、約10%から約90%、約10%から約85%、約10%から約80%、約10%から約75%、約10%から約70%、約10%から約65%、約10%から約60%、約10%から約55%、約10%から約50%、約10%から約45%、約10%から約40%、約10%から約35%、約10%から約30%、約10%から約25%、約10%から約20%、約15%から約100%、約15%から約95%、約15%から約90%、約15%から約85%、約15%から約80%、約15%から約75%、約15%から約70%、約15%から約65%、約15%から約60%、約15%から約55%、約15%から約50%、約15%から約45%、約15%から約40%、約15%から約35%、約15%から約30%、約15%から約25%、約20%から約100%、約20%から約95%、約20%から約90%、約20%から約85%、約20%から約80%、約20%から約75%、約20%から約70%、約20%から約65%、約20%から約60%、約20%から約55%、約20%から約50%、約20%から約45%、約20%から約40%、約20%から約35%、約20%から約30%、約25%から約100%、約25%から約95%、約25%から約90%、約25%から約85%、約25%から約80%、約25%から約75%、約25%から約70%、約25%から約65%、約25%から約60%、約25%から約55%、約25%から約50%、約25%から約45%、約25%から約40%、または約25%から約35%の包含率という決定に基づいて、包含偽エクソンとして同定されるエクソンである。ENCODEデータ(例えば、Tilgnerら、2012、「Deep sequencing of subcellular RNA fractions shows splicing to be predominantly co-transcriptional in the human genome but inefficient for lncRNAs」、Genome Research 22(9):1616~25ページによって記載されている)は、エクソン包含の同定を補佐するために使用することができる。
【0054】
[00102]一部の実施形態において、細胞を、SCN1A mRNA前駆体転写物の標的
化部分に対して相補的であるASOと接触させることは、ASOの非存在/処理の非存在下における細胞によって産生されるタンパク質の量と比較して、少なくとも10、20、30、40、50、60、80、100、150、200、250、300、350、400、450、500、または1000%の、産生されるSCN1Aタンパク質の量の増加を結果的にもたらす。一部の実施形態において、アンチセンスオリゴマーを接触させた細胞によって産生されるSCN1Aタンパク質の総量は、対照化合物によって産生される標的タンパク質の量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する。対照化合物は、例えば、mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的でないオリゴヌクレオチドであり得る。
【0055】
[00103]一部の実施形態において、細胞を、SCN1A mRNA前駆体転写物の標的
化部分に対して相補的であるASOと接触させることは、ASOの非存在/処理の非存在下における細胞によって産生されるタンパク質の量と比較して、少なくとも10、20、30、40、50、60、80、100、150、200、250、300、350、400、450、500、または1000%の、産生されるSCN1Aタンパク質の量の減少を結果的にもたらす。一部の実施形態において、アンチセンスオリゴマーを接触させた
細胞によって産生されるSCN1Aタンパク質の総量は、対照化合物によって産生される標的タンパク質の量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する。対照化合物は、例えば、mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的でないオリゴヌクレオチドであり得る。
【0056】
[00104]一部の実施形態において、細胞を、SCN1A mRNA前駆体転写物の標的
化部分に対して相補的であるASOと接触させることは、標的タンパク質をコードする成熟mRNAを含め、SCN1AをコードするmRNAの量の増加を結果的にもたらす。一部の実施形態において、SCN1Aタンパク質をコードするmRNA、またはSCN1Aタンパク質をコードする成熟mRNAの量は、ASOの非存在/処理の非存在下における細胞によって産生されるタンパク質の量と比較して、少なくとも10、20、30、40、50、60、80、100、150、200、250、300、350、400、450、500、または1000%増加する。一部の実施形態において、SCN1Aタンパク質をコードするmRNA、またはアンチセンスオリゴマーを接触させた細胞において産生されるSCN1Aタンパク質をコードする成熟mRNAの総量は、未処理細胞、例えば、未処理細胞または対照化合物を用いて処理された細胞において産生される成熟RNAの量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する。対照化合物は、例えば、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的でないオリゴヌクレオチドであり得る。
【0057】
[00105]一部の実施形態において、細胞を、SCN1A mRNA前駆体転写物の標的
化部分に対して相補的であるASOと接触させることは、標的タンパク質をコードする成熟mRNAを含め、SCN1AをコードするmRNAの量の減少を結果的にもたらす。一部の実施形態において、SCN1Aタンパク質をコードするmRNA、またはSCN1Aタンパク質をコードする成熟mRNAの量は、ASOの非存在/処理の非存在下における細胞によって産生されるタンパク質の量と比較して、少なくとも10、20、30、40、50、60、80、100、150、200、250、300、350、400、450、500、または1000%減少する。一部の実施形態において、SCN1Aタンパク質をコードするmRNA、またはアンチセンスオリゴマーを接触させた細胞において産生されるSCN1Aタンパク質をコードする成熟mRNAの総量は、未処理細胞、例えば、未処理細胞または対照化合物を用いて処理された細胞において産生される成熟RNAの量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約
7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する。対照化合物は、例えば、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的でないオリゴヌクレオチドであり得る。
【0058】
[00106]NIEは任意の長さであり得る。一部の実施形態において、NIEはイントロ
ンの完全な配列を含み、その場合、それはイントロン保持と称することができる。一部の実施形態において、NIEはイントロンの一部分であり得る。一部の実施形態において、NIEは、5’ss配列を含むイントロンの5’末端部分であり得る。一部の実施形態において、NIEは、3’ss配列を含むイントロンの3’末端部分であり得る。一部の実施形態において、NIEは、5’ss配列の包含を伴わないイントロン内の一部分であり得る。一部の実施形態において、NIEは、3’ss配列の包含を伴わないイントロン内の一部分であり得る。一部の実施形態において、NIEは、5’ssまたは3’ss配列のいずれかの包含も伴わないイントロン内の一部分であり得る。一部の実施形態において、NIEは、5ヌクレオチドから10ヌクレオチド長まで、10ヌクレオチドから15ヌクレオチド長まで、15ヌクレオチドから20ヌクレオチド長まで、20ヌクレオチドから25ヌクレオチド長まで、25ヌクレオチドから30ヌクレオチド長まで、30ヌクレオチドから35ヌクレオチド長まで、35ヌクレオチドから40ヌクレオチド長まで、40ヌクレオチドから45ヌクレオチド長まで、45ヌクレオチドから50ヌクレオチド長まで、50ヌクレオチドから55ヌクレオチド長まで、55ヌクレオチドから60ヌクレオチド長まで、60ヌクレオチドから65ヌクレオチド長まで、65ヌクレオチドから70ヌクレオチド長まで、70ヌクレオチドから75ヌクレオチド長まで、75ヌクレオチドから80ヌクレオチド長まで、80ヌクレオチドから85ヌクレオチド長まで、85ヌクレオチドから90ヌクレオチド長まで、90ヌクレオチドから95ヌクレオチド長まで、または95ヌクレオチドから100ヌクレオチド長までであり得る。一部の実施形態において、NIEは、少なくとも10ヌクレオチド、少なくとも20ヌクレオチド、少なくとも30ヌクレオチド、少なくとも40ヌクレオチド、少なくとも50ヌクレオチド、少なくとも60核様体(nucleoids)、少なくとも70ヌクレオチド、少なくとも80ヌクレオチド長、少なくとも90ヌクレオチド、または少なくとも100ヌクレオチド長であり得る。一部の実施形態において、NIEは、100から200ヌクレオチド長まで、200から300ヌクレオチド長まで、300から400ヌクレオチド長まで、400から500ヌクレオチド長まで、500から600ヌクレオチド長まで、600から700ヌクレオチド長まで、700から800ヌクレオチド長まで、800から900ヌクレオチド長まで、900から1,000ヌクレオチド長までであり得る。一部の実施形態において、NIEは1,000ヌクレオチド長より長くてもよい。
【0059】
[00107]偽エクソンの包含は、フレームシフト、および成熟mRNA転写物への未成熟
終止コドン(PIC)の導入をもたらし、転写物をNMDの標的にし得る。NIEを含有する成熟mRNA転写物は、タンパク質発現をもたらさない非生産的mRNA転写物であり得る。PICは、NIEの下流の任意の位置に存在することができる。一部の実施形態において、PICは、NIEの下流の任意のエクソンに存在することができる。一部の実施形態において、PICは、NIE内に存在することができる。例えば、SCN1A遺伝子によってコードされるmRNA転写物へのエクソン20xの包含は、PICをmRNA転写物に、例えば、PICをmRNA転写物のエクソン21に誘導し得る。
治療剤
[00108]本開示の様々な実施形態において、SCN1Aのタンパク質発現レベルを調節
する治療剤を含む組成物および方法が提供される。一部の実施形態において、SCNA1
mRNA前駆体の選択的スプライシングを調節する組成物および方法が本明細書で提供される。一部の実施形態において、SCN1A mRNA前駆体のスプライシングにおいてエクソンスキッピングを誘導する、例えば、SCN1A mRNA前駆体のスプライシングの間に偽エクソンのスキッピングを誘導する組成物および方法が本明細書で提供される。他の実施形態において、治療剤は、エクソンの包含を誘導してタンパク質発現レベルを減少させるために使用してもよい。
【0060】
[00109]一部の実施形態において、本明細書に開示される治療剤は、低分子、ポリペプ
チド、またはポリ核酸ポリマーである。一部の例において、治療剤は低分子である。一部の例において、治療剤はポリペプチドである。一部の例において、治療剤はポリ核酸ポリマーである。場合によっては、治療剤は抑制剤である。さらなる場合、治療剤は促進剤である。
【0061】
[00110]本明細書に開示される治療剤は、NIE抑制剤であり得る。治療剤はポリ核酸
ポリマーを含んでもよい。
[00111]本開示の一態様によれば、機能性SCN1Aタンパク質欠損に関連する状態の
処置または防止の方法であって、NIE抑制剤を対象に投与して機能性SCN1Aタンパク質のレベルを増加させるステップを含み、薬剤が、mRNA前駆体転写物の領域に結合して成熟転写物へのNIEの包含を減少させる、方法が本明細書で提供される。例えば、機能性SCN1Aタンパク質欠損に関連する状態の処置または防止の方法であって、NIE抑制剤を対象に投与して機能性SCN1Aタンパク質のレベルを増加させるステップを含み、薬剤が、mRNA前駆体転写物のNIEを含有するイントロン(例えば、ヒトSCN1A遺伝子におけるイントロン20)の領域、または同じイントロンにおけるNIE活性化制御配列に結合する、方法が本明細書で提供される。
【0062】
[00112]成熟mRNAへのNIE包含を低減させることについて言及する場合、低減は
、完全、例えば100%であっても、部分的であってもよい。低減は臨床的に有意であってもよい。低減/是正は、処置を有しない対象におけるNIE包含のレベルと比べたものであっても、同様の対象の集団におけるNIE包含の量と比べたものであってもよい。低減/是正は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも10%少ないNIE包含であり得る。低減は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも20%少ないNIE包含であり得る。低減は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも40%少ないNIE包含であり得る。低減は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも50%少ないNIE包含であり得る。低減は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも60%少ないNIE包含であり得る。低減は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも80%少ないNIE包含であり得る。低減は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも90%少ないNIE包含であり得る。
【0063】
[00113]活性SCN1Aタンパク質レベルを増加させることについて言及する場合、増
加は臨床的に有意であってもよい。増加は、処置を有しない対象における活性SCN1Aタンパク質のレベルと比べたものであっても、同様の対象の集団における活性SCN1Aタンパク質の量と比べたものであってもよい。増加は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも10%多い活性SCN1Aタンパク質であり得る。増加は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも20%多い活性SCN1Aタンパク質であり得る。増加は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも40%多い活性SCN1Aタンパク質であり得る。増加は、平均的な対象、または処置前の対象と比べ
て少なくとも50%多い活性SCN1Aタンパク質であり得る。増加は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも80%多い活性SCN1Aタンパク質であり得る。増加は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも100%多い活性SCN1Aタンパク質であり得る。増加は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも200%多い活性SCN1Aタンパク質であり得る。増加は、平均的な対象、または処置前の対象と比べて少なくとも500%多い活性SCN1Aタンパク質であり得る。
【0064】
[00114]NIE抑制剤がポリ核酸ポリマーを含む実施形態において、ポリ核酸ポリマー
は約50ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約45ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約40ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約35ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約30ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約24ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約25ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約20ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約19ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約18ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約17ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約16ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約15ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約14ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約13ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約12ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約11ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約10ヌクレオチド長であり得る。ポリ核酸ポリマーは約10から約50ヌクレオチド長の間であり得る。ポリ核酸ポリマーは約10から約45ヌクレオチド長の間であり得る。ポリ核酸ポリマーは約10から約40ヌクレオチド長の間であり得る。ポリ核酸ポリマーは約10から約35ヌクレオチド長の間であり得る。ポリ核酸ポリマーは約10から約30ヌクレオチド長の間であり得る。ポリ核酸ポリマーは約10から約25ヌクレオチド長の間であり得る。ポリ核酸ポリマーは約10から約20ヌクレオチド長の間であり得る。ポリ核酸ポリマーは約15から約25ヌクレオチド長の間であり得る。ポリ核酸ポリマーは約15から約30ヌクレオチド長の間であり得る。ポリ核酸ポリマーは約12から約30ヌクレオチド長の間であり得る。
【0065】
[00115]ポリ核酸ポリマーの配列は、mRNA転写物、例えば部分的にプロセシングさ
れたmRNA転写物の標的配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%相補的であり得る。ポリ核酸ポリマーの配列は、mRNA前駆体転写物の標的配列に対して100%相補的であってもよい。
【0066】
[00116]ポリ核酸ポリマーの配列は、mRNA前駆体転写物の標的配列に対して4つ以
下のミスマッチを有してもよい。ポリ核酸ポリマーの配列は、mRNA前駆体転写物の標的配列に対して3つ以下のミスマッチを有してもよい。ポリ核酸ポリマーの配列は、mRNA前駆体転写物の標的配列に対して2つ以下のミスマッチを有してもよい。ポリ核酸ポリマーの配列は、mRNA前駆体転写物の標的配列に対して1つ以下のミスマッチを有してもよい。ポリ核酸ポリマーの配列は、mRNA前駆体転写物の標的配列に対してミスマッチを有しなくてもよい。
【0067】
[00117]ポリ核酸ポリマーは、mRNA前駆体転写物の標的配列に特異的にハイブリダ
イズし得る。例えば、ポリ核酸ポリマーは、mRNA前駆体転写物の標的配列に対して91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列相補性を有し得る。ハイブリダイゼーションは、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で行われ得る。
【0068】
[00118]ポリ核酸ポリマーは、配列番号21~67からなる群から選択される配列に対
して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%の配列同一性を有する配列を有し得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号21~67からなる群から選択される配列に対して100%の配列同一性を有する配列を有してもよい。一部の例において、ポリ核酸ポリマーは、配列番号68~114からなる群から選択される配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%の配列同一性を有する配列を有し得る。場合によっては、ポリ核酸ポリマーは、配列番号68~114からなる群から選択される配列に対して100%の配列同一性を有する配列を有してもよい。
【0069】
[00119]ポリ核酸ポリマー配列について言及する場合、当業者は、1つまたは複数の置
換が許容されてもよく、任意選択で2つの置換が配列において許容されてもよく、置換は、ポリ核酸ポリマー配列が、標的配列にハイブリダイズする能力、または、置換が標的配列にある場合は、標的配列として認識される能力を維持するようなものであることを理解するだろう。配列同一性の基準は、標準/初期パラメーターを使用するBLAST配列アラインメントによって決定してもよい。例えば、配列は、99%の同一性を有し、なおも本開示に従って機能することができる。他の実施形態において、配列は、98%の同一性を有し、なおも本開示に従って機能することができる。別の実施形態において、配列は、95%の同一性を有し、なおも本開示に従って機能することができる。別の実施形態において、配列は、90%の同一性を有し、なおも本開示に従って機能することができる。
アンチセンスオリゴマー
[00120]SCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に結合することによって
エクソンスキッピングを誘導するアンチセンスオリゴマー含む組成物が本明細書で提供される。本明細書で使用する場合、「ASO」および「アンチセンスオリゴマー」という用語は、交換可能に使用され、ワトソン・クリック塩基対形成またはゆらぎ塩基対形成(G-U)によって標的核酸(例えば、SCN1A NIE含有mRNA前駆体)配列にハイブリダイズする核酸塩基を含むポリヌクレオチド等のオリゴマーを指す。ASOは、標的配列に対して相補的な厳密な配列または非常に高い相補性(near complementarity)(例えば、標的配列に結合するのに十分で、スプライス部位でのスプライシングを増強する相補性)を有し得る。ASOは、標的核酸(例えば、mRNA前駆体転写物の標的化部分)に結合(ハイブリダイズ)し、生理的条件下でハイブリダイズしたままでいるように設計される。典型的には、ASOは、意図された(標的化)核酸配列以外の部位にハイブリダイズする場合、限られた数の、標的核酸ではない配列(標的核酸以外の少数の部位)にハイブリダイズする。ASOの設計は、ASOが他の部位に結合し、「オフターゲット」効果を引き起こす可能性が限定されるように、ゲノムまたは細胞のmRNA前駆体もしくはトランスクリプトーム中の他の場所における、mRNA前駆体転写物の標的化部分の核酸配列または十分に類似した核酸配列の存在を考慮に入れることができる。当技術分野で公知の、例えば、本明細書に参照によって組み込まれる、「Reducing Nonsense-Mediated mRNA Decay」という名称の、WO2015/035091として公開されているPCT出願番号PCT/US2014/054151における任意のアンチセンスオリゴマーは、本明細書に記載される方法を実施するために使用することができる。
【0070】
[00121]一部の実施形態において、ASOは、標的核酸またはNIE含有mRNA前駆
体の標的化部分に「特異的にハイブリダイズする」または「特異的」である。典型的には、そのようなハイブリダイゼーションは、37℃より実質的に高い、好ましくは少なくとも50℃、典型的には60℃からおよそ90℃の間のTで行われる。そのようなハイブリダイゼーションは、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件に相当する。所与のイオン強度およびpHで、Tは、標的配列の50%が相補的なオリゴヌ
クレオチドにハイブリダイズする温度である。
【0071】
[00122]オリゴマー、例えばオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションが2本の
一本鎖ポリヌクレオチド間で、逆平行配置で行われる場合、互いに「相補的」である。二本鎖ポリヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションが第1のポリヌクレオチドの鎖の一方と第2のポリヌクレオチドとの間で行われ得る場合、別のポリヌクレオチドに対して「相補的」であり得る。相補性(1本のポリヌクレオチドが別のポリヌクレオチドと相補的である程度)は、一般に許容される塩基対形成則に従って、互いに水素結合を形成することが予期される対向する鎖における塩基の割合(例えば、百分率)の点から定量化可能である。アンチセンスオリゴマー(ASO)の配列は、ハイブリダイズする標的核酸の配列に対して100%相補的である必要はない。ある特定の実施形態において、ASOは、標的にする標的核酸配列内の標的領域に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列相補性を含むことができる。例えば、オリゴマー化合物の20個の核酸塩基のうち18個が標的領域に対して相補的である、したがって特異的にハイブリダイズし得るASOであれば、90パーセントの相補性を表す。この例において、残りの非相補的な核酸塩基は、一緒にクラスター形成していても相補的な核酸塩基が間に散在していてもよく、互いに対しても相補的な核酸塩基に対しても連続的である必要はない。標的核酸の領域とのASOの相補パーセントは、当技術分野で公知のBLASTプログラム(基本的局所アラインメント検索ツール)およびPowerBLASTプログラム(Altschulら、J.Mol.Biol.、1990、215、403~410ページ、ZhangおよびMadden、Genome Res.、1997、7、649~656ページ)を使用して慣例的に決定することができる。
【0072】
[00123]ASOは標的配列における全ての核酸塩基にハイブリダイズする必要はなく、
ASOがハイブリダイズする核酸塩基は連続的であっても非連続的であってもよい。ASOは、介在または隣接するセグメントがハイブリダイゼーション事象(例えば、ループ構造またはヘアピン構造が形成され得る)に関与しないように、mRNA前駆体転写物の1つまたは複数のセグメントにわたってハイブリダイズしてもよい。ある特定の実施形態において、ASOは、標的mRNA前駆体転写物における非連続的な核酸塩基にハイブリダイズする。例えば、ASOは、ASOがハイブリダイズしない1個または複数の核酸塩基によって分離している、mRNA前駆体転写物における核酸塩基にハイブリダイズすることができる。
【0073】
[00124]本明細書に記載されるASOは、NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に存
在する核酸塩基に対して相補的である核酸塩基を含む。ASOという用語には、オリゴヌクレオチド、および標的mRNAの相補的な核酸塩基にハイブリダイズすることができる核酸塩基を含むが、糖部分、例えばペプチド核酸(PNA)を含まない任意の他のオリゴマー分子が含まれる。ASOは、天然に存在するヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、修飾ヌクレオチド、または先行するものの2つもしくは3つの任意の組合せを含んでもよい。「天然に存在するヌクレオチド」という用語には、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドが含まれる。「修飾ヌクレオチド」という用語には、修飾もしくは置換糖基を有する、および/または修飾骨格を有するヌクレオチドが含まれる。一部の実施形態において、ASOの全てのヌクレオチドは修飾ヌクレオチドである。本明細書に記載される方法および組成物と適合性があるASOまたはASOの成分の化学修飾は、当業者に明白であり得、例えば、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第8,258,109B2号、米国特許第5,656,612号、米国特許公開第2012/0190728号、ならびにDiasおよびStein、Mol.Cancer Ther.2002、347~355ページに見出され得る。
【0074】
[00125]ASOの1個または複数の核酸塩基は、アデニン、グアニン、シトシン、チミ
ン、およびウラシル等の任意の天然に存在する非修飾核酸塩基であっても、標的mRNA前駆体に存在する核酸塩基と水素結合することができるほど十分に非修飾核酸塩基に類似した任意の合成もしくは修飾核酸塩基であってもよい。修飾核酸塩基の例としては、限定されないが、ヒポキサンチン、キサンチン、7-メチルグアニン、5,6-ジヒドロウラシル、5-メチルシトシン、および5-ヒドロキシメチルシトシン(hydroxymethoylcytosine)が挙げられる。
【0075】
[00126]本明細書に記載されるASOはまた、オリゴマーの成分を接続する骨格構造も
含む。「骨格構造」および「オリゴマー連結」という用語は、交換可能に使用することができ、ASOのモノマー間の接続を指す。天然に存在するオリゴヌクレオチドにおいて、骨格は、オリゴマーの糖部分を接続する3’-5’ホスホジエステル連結を含む。本明細書に記載されるASOの骨格構造またはオリゴマー連結としては、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホロアニラデート、およびホスホロアミデート等が挙げられる(が、これらに限定されない)。例えば、LaPlancheら、Nucleic Acids
Res.14:9081ページ(1986);Stecら、J.Am.Chem.Soc.106:6077ページ(1984)、Steinら、Nucleic Acids
Res.16:3209ページ(1988)、Zonら、Anti-Cancer Drug Design 6:539ページ(1991);Zonら、Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach、87~108ページ(F.Eckstein編、Oxford University Press、Oxford England(1991));Stecら、米国特許第5,151,510号;UhlmannおよびPeyman、Chemical Reviews 90:543(1990)を参照のこと。一部の実施形態において、ASOの骨格構造は、リンを含有せず、むしろ、例えば、ペプチド核酸(PNA)、またはカルバメート、アミド、ならびに直鎖状および環式炭化水素基が挙げられる連結基にペプチド結合を含有する。一部の実施形態において、骨格修飾はホスホチオエート連結である。一部の実施形態において、骨格修飾はホスホロアミデート連結である。
【0076】
[00127]実施形態において、ASO骨格のリンヌクレオチド間連結(phosphor
us internucleotide linkage)の各々における立体化学はランダムである。実施形態において、ASO骨格のリンヌクレオチド間連結の各々における立体化学は統御されており、ランダムではない。例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2014/0194610号、「Methods for the Synthesis of Functionalized Nucleic Acids」は、核酸オリゴマー中の各リン原子におけるキラリティーの掌性を独立して選択するための方法を記載している。実施形態において、本明細書で表5および6に記載される任意のASOが挙げられるがこれらに限定されない、本発明の方法において使用されるASOは、ランダムではないリンヌクレオチド間連結を有するASOを含む。実施形態において、本発明の方法において使用される組成物は、純粋なジアステレオマーのASOを含む。実施形態において、本発明の方法において使用される組成物は、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、約100%、約90%から約100%、約91%から約100%、約92%から約100%、約93%から約100%、約94%から約100%、約95%から約100%、約96%から約100%、約97%から約100%、約98%から約100%、または約99%から約100%のジアステレオマー純度を有するASOを含む。
【0077】
[00128]実施形態において、ASOは、そのリンヌクレオチド間連結においてRpおよ
びSp配置のランダムではない混合物を有する。例えば、RpおよびSpの混合は、アンチセンスオリゴヌクレオチドにおいて、良好な活性とヌクレアーゼ安定性との間の均衡を達成するために必要とされることが示唆されている(参照によって本明細書に組み込まれる、Wanら、2014、「Synthesis, biophysical properties and biological activity of second
generation antisense oligonucleotides containing chiral phosphorothioate linkages」、Nucleic Acids Research 42(22):13456~13468ページ)。実施形態において、本明細書で配列番号21~114に記載される任意のASOが挙げられるがこれらに限定されない、本発明の方法において使用されるASOは、約5~100%のRp、少なくとも約5%のRp、少なくとも約10%のRp、少なくとも約15%のRp、少なくとも約20%のRp、少なくとも約25%のRp、少なくとも約30%のRp、少なくとも約35%のRp、少なくとも約40%のRp、少なくとも約45%のRp、少なくとも約50%のRp、少なくとも約55%のRp、少なくとも約60%のRp、少なくとも約65%のRp、少なくとも約70%のRp、少なくとも約75%のRp、少なくとも約80%のRp、少なくとも約85%のRp、少なくとも約90%のRp、もしくは少なくとも約95%のRpとその残りのSp、または約100%のRpを含む。実施形態において、本明細書で配列番号21~114に記載される任意のASOが挙げられるがこれらに限定されない、本発明の方法において使用されるASOは、約10%から約100%のRp、約15%から約100%のRp、約20%から約100%のRp、約25%から約100%のRp、約30%から約100%のRp、約35%から約100%のRp、約40%から約100%のRp、約45%から約100%のRp、約50%から約100%のRp、約55%から約100%のRp、約60%から約100%のRp、約65%から約100%のRp、約70%から約100%のRp、約75%から約100%のRp、約80%から約100%のRp、約85%から約100%のRp、約90%から約100%のRp、または約95%から約100%のRp、約20%から約80%のRp、約25%から約75%のRp、約30%から約70%のRp、約40%から約60%のRp、または約45%から約55%のRpとその残りのSpを含む。
【0078】
[00129]実施形態において、本明細書で配列番号21~114に記載される任意のAS
Oが挙げられるがこれらに限定されない、本発明の方法において使用されるASOは、約5~100%のSp、少なくとも約5%のSp、少なくとも約10%のSp、少なくとも約15%のSp、少なくとも約20%のSp、少なくとも約25%のSp、少なくとも約30%のSp、少なくとも約35%のSp、少なくとも約40%のSp、少なくとも約45%のSp、少なくとも約50%のSp、少なくとも約55%のSp、少なくとも約60%のSp、少なくとも約65%のSp、少なくとも約70%のSp、少なくとも約75%のSp、少なくとも約80%のSp、少なくとも約85%のSp、少なくとも約90%のSp、もしくは少なくとも約95%のSpとその残りのRp、または約100%のSpを含む。実施形態において、本明細書で配列番号21~114に記載される任意のASOが挙げられるがこれらに限定されない、本発明の方法において使用されるASOは、約10%から約100%のSp、約15%から約100%のSp、約20%から約100%のSp、約25%から約100%のSp、約30%から約100%のSp、約35%から約100%のSp、約40%から約100%のSp、約45%から約100%のSp、約50%から約100%のSp、約55%から約100%のSp、約60%から約100%のSp、約65%から約100%のSp、約70%から約100%のSp、約75%から約100%のSp、約80%から約100%のSp、約85%から約100%のSp、約90%から約100%のSp、または約95%から約100%のSp、約20%から約80%のSp、約25%から約75%のSp、約30%から約70%のSp、約40%から約6
0%のSp、または約45%から約55%のSpとその残りのRpを含む。
【0079】
[00130]本明細書に記載される任意のASOは、天然に存在するヌクレオチドに存在す
るような、リボースもしくはデオキシリボースを含む糖部分、または、モルホリン環を含む、修飾糖部分もしくは糖類似体を含有してもよい。修飾糖部分の非限定的な例としては、2’置換基、例えば2’-O-メチル(2’-O-Me)、2’-O-メトキシエチル(2’MOE)、2’-O-アミノエチル、2’F;N3’→P5’ホスホロアミデート、2’ジメチルアミノオキシエトキシ、2’ジメチルアミノエトキシエトキシ、2’-グアニジニウム(guanidinidium)、2’-O-グアニジニウムエチル、カルバメート修飾糖、および二環式修飾糖が挙げられる。一部の実施形態において、糖部分修飾は、2’-O-Me、2’F、および2’MOEから選択される。一部の実施形態において、糖部分修飾は、例えばロックド核酸(LNA)における追加の架橋結合である。一部の実施形態において、糖類似体は、モルホリン環、例えばホスホロジアミデートモルホリノ(PMO)を含有する。一部の実施形態において、糖部分は、リボフラノシル(ribofuransyl)または2’デオキシリボフラノシル(deoxyribofuransyl)修飾を含む。一部の実施形態において、糖部分は、2’4’-拘束2’O-メチルオキシエチル(cMOE)修飾を含む。一部の実施形態において、糖部分は、cEt 2’,4’拘束2’-OエチルBNA修飾を含む。一部の実施形態において、糖部分は、トリシクロDNA(tcDNA)修飾を含む。一部の実施形態において、糖部分は、エチレン核酸(ENA)修飾を含む。一部の実施形態において、糖部分は、MCE修飾を含む。修飾は当技術分野で公知であり、文献、例えば、この目的のために参照によって本明細書に組み込まれる、Jarverら、2014、「A Chemical View
of Oligonucleotides for Exon Skipping and Related Drug Applications」、Nucleic Acid Therapeutics 24(1):37~47ページに記載されている。
【0080】
[00131]一部の実施形態において、ASOの各モノマーは同同様に修飾され、例えば、
ASOの骨格の各連結がホスホロチオエート連結を含むか、または各リボース糖部分が2’-O-メチル修飾を含む。ASOのモノマー成分の各々に存在するそのような修飾は、「均一修飾」と称される。一部の例において、異なる修飾の組合せが所望されてもよく、例えば、ASOは、ホスホロジアミデート連結とモルホリン環(モルホリノ)を含む糖部分との組合せを含んでもよい。ASOへの異なる修飾の組合せは、「混合修飾」または「混合化学」と称される。
【0081】
[00132]一部の実施形態において、ASOは、1つまたは複数の骨格修飾を含む。一部
の実施形態において、ASOは、1つまたは複数の糖部分修飾を含む。一部の実施形態において、ASOは、1つまたは複数の骨格修飾、および1つまたは複数の糖部分修飾を含む。一部の実施形態において、ASOは、2’MOE修飾およびホスホロチオエート骨格を含む。一部の実施形態において、ASOは、ホスホロジアミデートモルホリノ(PMO)を含む。一部の実施形態において、ASOは、ペプチド核酸(PNA)を含む。本明細書に記載されるASOのいずれか、またはASOの任意の成分(例えば、核酸塩基、糖部分、骨格)は、ASOの所望の特性もしくは活性を達成するため、またはASOの望ましくない特性もしくは活性を低減させるために修飾されてもよい。例えば、ASOまたは任意のASOの1つもしくは複数の成分は、mRNA前駆体転写物の標的配列に対する結合親和性を増強するため、任意の非標的配列への結合を低減させるため、細胞のヌクレアーゼ(すなわちRNアーゼH)による分解を低減させるため、細胞内および/もしくは細胞の核内へのASOの取込みを向上させるため、ASOの薬物動態もしくは薬力学を変更するため、ならびに/またはASOの半減期を調節するために修飾されてもよい。
【0082】
[00133]一部の実施形態において、ASOは、2’-O-(2-メトキシエチル)(M
OE)ホスホロチオエート修飾ヌクレオチドで構成される。そのようなヌクレオチドで構成されるASOは、本明細書に開示される方法にとりわけよく適しており、そのような修飾を有するオリゴマーは、ヌクレアーゼ分解に対する著しく増強された抵抗性および増加したバイオアベイラビリティを有し、これにより、例えば本明細書に記載される一部の実施形態における経口送達に好適なものになることが示されている。例えば、Gearyら、J Pharmacol Exp Ther.2001;296(3):890~7ページ、Gearyら、J Pharmacol Exp Ther.2001;296(3):898~904ページを参照のこと。
【0083】
[00134]ASOを合成する方法は、当業者に公知である。代替的にまたは付加的に、A
SOは商業的供給業者から入手してもよい。
[00135]別段の定めのない限り、一本鎖核酸(例えば、mRNA前駆体転写物、オリゴ
ヌクレオチド、ASO等)配列の左手末端は5’末端であり、一本鎖または二本鎖核酸配列の左手方向は5’方向と称される。同様に、核酸配列(一本または二本鎖)の右手末端または方向は、3’末端または方向である。一般に、核酸中の基準点に対して5’側にある領域または配列は「上流」と称され、核酸中の基準点に対して3’側にある領域または配列は「下流」と称される。一般に、mRNAの5’方向または末端は、開始または出発コドンが位置する場所であり、3’末端または方向は、終止コドンが位置する場所である。一部の態様において、核酸中の基準点の上流にあるヌクレオチドは負の数によって明示されてもよく、基準点の下流にあるヌクレオチドは正の数によって明示されてもよい。例えば、基準点(例えば、mRNAにおけるエクソン-エクソン接合部)は「ゼロ」部位として明示されてもよく、その際、基準点に直に隣接する上流のヌクレオチドは「マイナス1」、例えば「-1」と明示され、基準点に直に隣接する下流のヌクレオチドは「プラス1」、例えば「+1」と明示される。
【0084】
[00136]一部の実施形態において、ASOは、SCN1A NIE含有mRNA前駆体
における包含エクソンの5’スプライス部位(またはNIEの3’末端)の下流(3’方向)(例えば、5’スプライス部位に対して正の数によって明示される方向)にある、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的である(および結合する)。一部の実施形態において、ASOは、包含エクソンの5’スプライス部位(または3’末端)に対して約+1から約+500の領域内にあるSCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的である。一部の実施形態において、ASOは、包含エクソンの5’スプライス部位(または3’末端)に対して+6から+496のヌクレオチドの間の領域内にあるSCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的であり得る。一部の態様において、ASOは、包含エクソンの5’スプライス部位(または3’末端)に対して約+1から約+500、約+1から約+490、約+1から約+480、約+1から約+470、約+1から約+460、約+1から約+450、約+1から約+440、約+1から約+430、約+1から約+420、約+1から約+410、約+1から約+400、約+1から約+390、約+1から約+380、約+1から約+370、約+1から約+360、約+1から約+350、約+1から約+340、約+1から約+330、約+1から約+320、約+1から約+310、約+1から約+300、約+1から約+290、約+1から約+280、約+1から約+270、約+1から約+260、約+1から約+250、約+1から約+240、約+1から約+230、約+1から約+220、約+1から約+210、約+1から約+200、約+1から約+190、約+1から約+180、約+1から約+170、約+1から約+160、約+1から約+150、約+1から約+140、約+1から約+130、約+1から約+120、約+1から約+110、約+1から約+100、約+1から約+90、約+1から約+80、約+1から約+70、約+1から約+60、約+1から約+50、約+1から約+40、約+1から約+30、または約+1から約+20の領域内にある標的化部分に対して相補的である。一部の態様において、ASOは、包含エクソンの5’スプライス部位(
または3’末端)に対して約+1から約+100まで、約+100から約+200まで、約+200から約+300まで、約+300から約+400まで、または約+400から約+500までの領域内にある標的化部分に対して相補的である。
【0085】
[00137]一部の実施形態において、ASOは、SCN1A NIE含有mRNA前駆体
における包含エクソンの5’スプライス部位(または3’末端)の上流(5’方向)(例えば、5’スプライス部位に対して負の数によって明示される方向)にある、SCN1A
NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的である(または結合する)。一部の実施形態において、ASOは、包含エクソンの5’スプライス部位(または3’末端)に対して約-4から約-270の領域内にあるSCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的である。一部の実施形態において、ASOは、包含エクソンの5’スプライス部位(または3’末端)に対して-1から-264のヌクレオチドの間の領域内にあるSCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的であり得る。一部の態様において、ASOは、包含エクソンの5’スプライス部位(または3’末端)に対して約-1から約-270、約-1から約-260、約-1から約-250、約-1から約-240、約-1から約-230、約-1から約-220、約-1から約-210、約-1から約-200、約-1から約-190、約-1から約-180、約-1から約-170、約-1から約-160、約-1から約-150、約-1から約-140、約-1から約-130、約-1から約-120、約-1から約-110、約-1から約-100、約-1から約-90、約-1から約-80、約-1から約-70、約-1から約-60、約-1から約-50、約-1から約-40、約-1から約-30、または約-1から約-20の領域内にある標的化部分に対して相補的である。一部の態様において、ASOは、包含エクソンの5’スプライス部位(または3’末端)に対して約-1から約-50まで、約-50から約-100まで、約-100から約-150まで、約-150から約-200まで、または約-200から約-250までの領域内にある標的化部分に対して相補的である。
【0086】
[00138]一部の実施形態において、ASOは、SCN1A NIE含有mRNA前駆体
における包含エクソンの3’スプライス部位(または5’末端)の上流(5’方向)(例えば、負の数によって明示される方向)にある、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的である。一部の実施形態において、ASOは、包含エクソンの3’スプライス部位(または5’末端)に対して約-1から約-500の領域内にあるSCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的である。一部の実施形態において、ASOは、包含エクソンの3’スプライス部位に対して-1から-496の領域内にあるSCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的である。一部の態様において、ASOは、包含エクソンの3’スプライス部位に対して約-1から約-500、約-1から約-490、約-1から約-480、約-1から約-470、約-1から約-460、約-1から約-450、約-1から約-440、約-1から約-430、約-1から約-420、約-1から約-410、約-1から約-400、約-1から約-390、約-1から約-380、約-1から約-370、約-1から約-360、約-1から約-350、約-1から約-340、約-1から約-330、約-1から約-320、約-1から約-310、約-1から約-300、約-1から約-290、約-1から約-280、約-1から約-270、約-1から約-260、約-1から約-250、約-1から約-240、約-1から約-230、約-1から約-220、約-1から約-210、約-1から約-200、約-1から約-190、約-1から約-180、約-1から約-170、約-1から約-160、約-1から約-150、約-1から約-140、約-1から約-130、約-1から約-120、約-1から約-110、約-1から約-100、約-1から約-90、約-1から約-80、約-1から約-70、約-1から約-60、約-1から約-50、約-1から約-40、または約-1から約-30の領域内にある標的化部分に対して相補的である。一部の態様において、ASOは、包含
エクソンの3’スプライス部位に対して約-1から約-100まで、約-100から約-200まで、約-200から約-300まで、約-300から約-400まで、または約-400から約-500までの領域内にある標的化部分に対して相補的である。
【0087】
[00139]一部の実施形態において、ASOは、SCN1A NIE含有mRNA前駆体
における包含エクソンの3’スプライス部位(5’末端)の下流(3’方向)(例えば、正の数によって明示される方向)にある、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的である。一部の実施形態において、ASOは、包含エクソンの3’スプライス部位に対して約+1から約+100の領域内にあるSCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分に対して相補的である。一部の態様において、ASOは、包含エクソンの3’スプライス部位に対して約+1から約+90、約+1から約+80、約+1から約+70、約+1から約+60、約+1から約+50、約+1から約+40、約+1から約+30、約+1から約+20、または約+1から約+10の領域内にある標的化部分に対して相補的である。
【0088】
[00140]一部の実施形態において、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部
分は、包含エクソンの5’スプライス部位(3’末端)に対して+100から包含エクソンの3’スプライス部位(5’末端)に対して-100の領域内にある。一部の実施形態において、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分はNIE内にある。一部の実施形態において、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の標的化部分は、偽エクソンとイントロンとの境界を含む。
【0089】
[00141]ASOは、特異的結合およびスプライシングの効果的な増強に好適な任意の長
さであり得る。一部の実施形態において、ASOは、8から50核酸塩基からなる。例えば、ASOは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、または50核酸塩基長であり得る。一部の実施形態において、ASOは、50核酸塩基超からなる。一部の実施形態において、ASOは、8から50核酸塩基、8から40核酸塩基、8から35核酸塩基、8から30核酸塩基、8から25核酸塩基、8から20核酸塩基、8から15核酸塩基、9から50核酸塩基、9から40核酸塩基、9から35核酸塩基、9から30核酸塩基、9から25核酸塩基、9から20核酸塩基、9から15核酸塩基、10から50核酸塩基、10から40核酸塩基、10から35核酸塩基、10から30核酸塩基、10から25核酸塩基、10から20核酸塩基、10から15核酸塩基、11から50核酸塩基、11から40核酸塩基、11から35核酸塩基、11から30核酸塩基、11から25核酸塩基、11から20核酸塩基、11から15核酸塩基、12から50核酸塩基、12から40核酸塩基、12から35核酸塩基、12から30核酸塩基、12から25核酸塩基、12から20核酸塩基、12から15核酸塩基、13から50核酸塩基、13から40核酸塩基、13から35核酸塩基、13から30核酸塩基、13から25核酸塩基、13から20核酸塩基、14から50核酸塩基、14から40核酸塩基、14から35核酸塩基、14から30核酸塩基、14から25核酸塩基、14から20核酸塩基、15から50核酸塩基、15から40核酸塩基、15から35核酸塩基、15から30核酸塩基、15から25核酸塩基、15から20核酸塩基、20から50核酸塩基、20から40核酸塩基、20から35核酸塩基、20から30核酸塩基、20から25核酸塩基、25から50核酸塩基、25から40核酸塩基、25から35核酸塩基、または25から30核酸塩基長までである。一部の実施形態において、ASOは18ヌクレオチド長である。一部の実施形態において、ASOは15ヌクレオチド長である。一部の実施形態において、ASOは25ヌクレオチド長である。
【0090】
[00142]一部の実施形態において、異なる化学的性質を有するが、NIE含有mRNA
前駆体の同じ標的化部分に対して相補的な2種以上のASOが使用される。一部の実施形態において、NIE含有mRNA前駆体の異なる標的化部分に対して相補的である2種以上のASOが使用される。
【0091】
[00143]実施形態において、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、1つまたは
複数の部分またはコンジュゲート、例えば、オリゴヌクレオチドの活性または細胞の取込みを増強する、標的とする部分または他のコンジュゲートに化学的に連結する。そのような部分としては、例えば、コレステロール部分、コレステリル部分としての脂質部分、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオールもしくはウンデシル残基、ポリアミンもしくはポリエチレングリコール鎖、またはアダマンタン酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。親油性部分を含むオリゴヌクレオチド、および調製方法は、公開文献に記載されている。実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、脱塩基ヌクレオチド、ポリエーテル、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物、例えばN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、N-Ac-グルコサミン(GluNAc)、もしくはマンノース(例えば、マンノース-6-ホスフェート)、脂質、またはポリ炭化水素化合物が挙げられるがこれらに限定されない部分とコンジュゲートする。コンジュゲートは、当技術分野で理解され、文献に記載されているように、例えばリンカーを使用して、糖、塩基、またはリン酸基のいくつかの位置のいずれかにおいて、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む任意のヌクレオチドの1個または複数に連結することができる。リンカーとしては、二価または三価の分枝リンカーを挙げることができる。実施形態において、コンジュゲートは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの3’末端に結合される。オリゴヌクレオチドコンジュゲートを調製する方法は、例えば、本明細書に参照によって組み込まれる米国特許第8,450,467号、「Carbohydrate conjugates as delivery agents for oligonucleotides」に記載されている。
【0092】
[00144]一部の実施形態において、ASOによって標的とされる核酸は、細胞、例えば
真核細胞において発現するSCN1A NIE含有mRNA前駆体である。一部の実施形態において、「細胞」という用語は細胞の集団を指す場合がある。一部の実施形態において、細胞は対象中にある。一部の実施形態において、細胞は対象から単離される。一部の実施形態において、細胞はエクスビボである。一部の実施形態において、細胞は、状態または疾患関連細胞または細胞株である。一部の実施形態において、細胞はインビトロ(例えば、細胞培養物中)である。
医薬組成物
[00145]記載される組成物の、および記載される方法のいずれかにおける使用のための
薬剤、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物または製剤は、医薬業界において周知かつ公開文献に記載されている従来の技法に従って調製することができる。実施形態において、対象を処置するための医薬組成物または製剤は、本明細書に記載されるような有効量の任意のアンチセンスオリゴマー、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、またはエステルを含む。アンチセンスオリゴマーを含む医薬製剤は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体をさらに含んでもよい。
【0093】
[00146]薬学的に許容される塩は、過度の毒性、刺激作用、アレルギー応答等を伴わな
いためにヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に好適であり、妥当な利益/危険比に相当する。(例えば、この目的のために参照によって本明細書に組み込まれるS.M.Bergeら、J.Pharmaceutical Sciences、66:1~19ページ(1977)を参照のこと。塩は、化合物の最終単離および精製の間にインサイチュで、または遊離塩基官能基を好適な有機酸と反応させることによって別個に調製することができる。薬学的に許容される非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸等の無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエ
ン酸、コハク酸、もしくはマロン酸等の有機酸を用いて、あるいはイオン交換等の他の文書化された方法論を使用することによって形成されたアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。さらなる薬学的に許容される塩としては、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩等の対イオンを使用して形成された、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられる。
【0094】
[00147]実施形態において、組成物は、これらに限定されないが、錠剤、カプセル剤、
ゲルカプセル剤、液体シロップ剤、軟ゲル、坐剤、および浣腸剤等の多くの可能な剤形のいずれかに製剤化される。実施形態において、組成物は、水性、非水性、または混合媒体中の懸濁剤として製剤化される。水性懸濁剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む、懸濁剤の粘度を増加させる物質をさらに含有してもよい。懸濁剤はまた、安定剤を含有してもよい。実施形態において、本発明の医薬製剤または組成物としては、溶液、エマルション、マイクロエマルション、泡状物、またはリポソーム含有製剤(例えば、カチオン性または非カチオン性リポソーム)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
[00148]本明細書に記載される医薬組成物または製剤は、適宜、当業者に周知または公
開文献に記載されている、1種または複数の浸透増強剤、担体、賦形剤、または他の活性もしくは不活性成分を含んでもよい。実施形態において、リポソームとしては、立体的に安定化したリポソーム、例えば、1種または複数の特殊化した脂質を含むリポソームも挙げられる。これらの特殊化した脂質は、増強した循環寿命を有するリポソームを結果的にもたらす。実施形態において、立体的に安定化したリポソームは、1種もしくは複数の糖脂質を含むか、または1種もしくは複数の親水性ポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)部分を用いて誘導体化される。実施形態において、界面活性剤が医薬製剤または組成物に含まれる。薬物生成物、製剤、およびエマルションにおける界面活性剤の使用は、当技術分野で周知である。実施形態において、本発明は、浸透増強剤を用いて、アンチセンスオリゴヌクレオチドの効率的な送達をもたらす、例えば、細胞膜を越える拡散を助ける、および/または親油性の薬物の透過性を増強させる。実施形態において、浸透増強剤は、界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート剤、または非キレート非界面活性剤である。
【0096】
[00149]実施形態において、医薬製剤は複数のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む
。実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、別の薬物または治療剤と組み合わせて投与される。
組合せ療法
[00150]一部の実施形態において、本開示に開示されるASOは、1種または複数のさ
らなる治療剤と組み合わせて使用することができる。一部の実施形態において、1種また
は複数のさらなる治療剤は低分子を含むことができる。例えば、1種または複数のさらなる治療剤は、その全体が本明細書に参照によって組み込まれる、WO2016128343A1、WO2017053982A1、WO2016196386A1、WO201428459A1、WO201524876A2、WO2013119916A2、およびWO2014209841A2に記載されている低分子を含むことができる。一部の実施形態において、1種または複数のさらなる治療剤は、イントロン保持を是正するために使用することができるASOを含む。一部の実施形態において、1種または複数の他の薬剤は、表1aまたは表1bに列挙されているASOから選択される。
【0097】
【表1-1】
【0098】
【表1-2】
【0099】
【表2-1】
【0100】
【表2-2】
【0101】
対象の処置
[00151]本明細書で提供される組成物のいずれも、個体に投与することができる。「個
体」は、「対象」または「患者」と交換可能に使用することができる。個体は、哺乳動物、例えば、ヒト、または非ヒト霊長類、げっ歯類、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、ロバ、ヤギ、ネコ、イヌ、ウシ、ブタ、もしくはヒツジ等の動物であり得る。実施形態において、個体はヒトである。実施形態において、個体は胎児、胚、または小児である。他の実施形態において、個体は別の真核性生物、例えば植物であり得る。一部の実施形態において、本明細書で提供される組成物は、細胞にエクスビボで投与される。
【0102】
[00152]一部の実施形態において、本明細書で提供される組成物は、疾患または障害を
処置する方法として個体に投与される。一部の実施形態において、個体は、遺伝子疾患、例えば本明細書に記載される疾患のいずれかを有する。一部の実施形態において、個体は、疾患、例えば本明細書に記載される疾患のいずれかを有する危険がある。一部の実施形態において、個体は、不十分な量のタンパク質またはタンパク質の不十分な活性によって引き起こされる疾患または障害を有する増加した危険がある。個体が不十分な量のタンパク質またはタンパク質の不十分な活性によって引き起こされる疾患または障害を有する「増加した危険がある」場合、方法は防止または予防的処置を伴う。例えば、個体は、疾患の家族歴のために、そのような疾患または障害を有する増加した危険がある場合がある。典型的には、そのような疾患または障害を有する増加した危険がある個体は、予防的処置から(例えば、疾患または障害の発症または進行を防止するか、または遅延させることによって)恩恵を受ける。実施形態において、胎児は、子宮内で、例えば、ASO組成物を胎児に直接的にまたは間接的に(例えば母親を介して)投与することによって処置される。
【0103】
[00153]本発明のASOの好適な投与経路は、ASOの送達が所望される細胞型に応じ
て変えてもよい。複数の組織および器官は、ドラベ症候群;全般てんかん熱性痙攣プラス2型;家族性熱性痙攣3A;家族性片麻痺性片頭痛3;自閉症;早期乳児てんかん性脳症13;洞不全症候群1;アルツハイマー病、またはSUDEPによる影響を受け、脳が最も著しく影響を受ける組織である。本発明のASOは、患者に非経口的に、例えば、髄腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、硝子体内注射、または静脈内
注射によって投与され得る。
【0104】
[00154]一部の実施形態において、疾患または状態が、Na1.1(SCN1A遺伝
子によってコードされるタンパク質)における変異によって誘発される。一部の例において、変異はNa1.1における機能喪失型変異である。場合によっては、Na1.1における機能喪失型変異は、野生型Na1.1の機能と比べてNa1.1の機能を(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれ以上)減少させるか、または損なわせる、1つまたは複数の変異を含む。場合によっては、Na1.1における機能喪失型変異は、疾患表現型を結果的にもたらす1つまたは複数の変異を含む。例示的な機能喪失型変異としては、R859C、T875M、V1353L、I1656M、R1657C、A1685V、M1841T、およびR1916Gが挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
[00155]他の例において、変異はNa1.1における機能獲得型変異である。そのよ
うな場合、機能獲得型変異は、野生型Na1.1の機能と比べてNa1.1の活性化を(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上)延長する、1つまたは複数の変異を含む。そのような場合、Na1.1における機能獲得型変異は、疾患表現型を結果的にもたらす1つまたは複数の変異を含む。例示的な機能獲得型変異としては、D188V、W1204R、R1648H、およびD1866Yが挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
[00156]一部の実施形態において、疾患または状態が脳症である。場合によっては、脳
症はNa1.1における機能喪失型変異によって誘発される。
[00157]一部の実施形態において、脳症はてんかん性脳症である。例示的なてんかん性
脳症としては、ドラベ症候群(DS)(乳児重症ミオクロニーてんかんまたはSMEIとしても公知);乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);早期乳児SCN1A脳症;早期乳児てんかん性脳症(EIEE);または洞不全症候群1が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、疾患または状態が、ドラベ症候群(DS)(乳児重症ミオクロニーてんかんまたはSMEIとしても公知);乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);および洞不全症候群1から任意選択で選択されるてんかん性脳症である。
【0107】
[00158]一部の例において、GEFS+は全般てんかん熱性痙攣プラス2型である。
[00159]一部の例において、熱性痙攣は家族性熱性痙攣3Aである。
[00160]一部の例において、SMEBは、全般性棘波を伴わないSMEB(SMEB-
SW)、ミオクロニー発作を伴わないSMEB(SMEB-M)、SMEIの特徴を2つ以上欠くSMEB(SMEB-O)、または全般性強直間代発作を伴う難治性小児てんかん(ICEGTC)である。
【0108】
[00161]一部の実施形態において、Na1.1における機能喪失型変異によって誘発
される疾患または状態としては、ドラベ症候群(DS)(SMEIとしても公知);乳児
重症ミオクロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);洞不全症候群1;早期乳児SCN1A脳症;早期乳児てんかん性脳症(EIEE);自閉症;または乳児悪性焦点移動性部分発作が挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
[00162]一部の実施形態において、疾患または状態が、Na1.1における機能獲得
型変異によって誘発される。Na1.1における機能獲得型変異に関連する例示的な疾患または状態としては片頭痛が挙げられるが、これらに限定されない。一部の例において、Na1.1における機能獲得型変異によって誘発される疾患または状態が片頭痛である。
【0110】
[00163]一部の例において、片頭痛が家族性片麻痺性片頭痛3である。
[00164]一部の実施形態において、疾患または状態がNa1.1素因性てんかんであ
る。Na1.1素因性てんかんは、Na1.1における機能喪失型変異、またはNa1.1における機能獲得型変異を含んでもよい。場合によっては、Na1.1素因性てんかんは、1つまたは複数の遺伝性変異を含む。他の場合、Na1.1素因性てんかんは、1つまたは複数のデノボ変異を含む。場合によっては、Na1.1素因性てんかんとしては、ドラベ症候群(DS)(乳児重症ミオクロニーてんかんもしくはSMEIとしても公知);乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;早期乳児SCN1A脳症;早期乳児てんかん性脳症(EIEE);てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);または乳児悪性焦点移動性部分発作が挙げられる。場合によっては、Na1.1における機能喪失型変異に関連するNa1.1素因性てんかんとしては、ドラベ症候群(DS)(乳児重症ミオクロニーてんかんまたはSMEIとしても公知);乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;早期乳児SCN1A脳症;早期乳児てんかん性脳症(EIEE);てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP)、乳児悪性焦点移動性部分発作が挙げられる。
【0111】
[00165]一部の実施形態において、疾患または状態が、SCN1A遺伝子のハプロ不全
に関連する。SCN1A遺伝子のハプロ不全に関連する例示的な疾患または状態としては、ドラベ症候群(DS)(SMEIとしても公知);乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);洞不全症候群1;早期乳児SCN1A脳症;早期乳児てんかん性脳症(EIEE);または乳児悪性焦点移動性部分発作が挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、疾患または状態が、ドラベ症候群(DS)(SMEIとしても公知);乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+
);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);洞不全症候群1;早期乳児SCN1A脳症;早期乳児てんかん性脳症(EIEE);または乳児悪性焦点移動性部分発作である。
【0112】
[00166]場合によっては、疾患または状態がドラベ症候群(DS)である。
[00167]ドラベ症候群(DS)、別名、乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)は
、人生の最初の年に現れるてんかん性脳症である。ドラベ症候群は、臨床診断が患者のおよそ70~80%におけるナトリウムチャネル遺伝子変異という所見によって支持される、ますます認識されているてんかん性脳症である。イオンチャネル遺伝子の変異は、一連のてんかん症候群の病因において主要な役割を果たしており、その結果、一部のてんかんはチャネル病と見なされている。電位依存性ナトリウムチャネル(VGSC)はニューロンの興奮性において不可欠な役割を果たしており、したがって、DSに関連する多くの変異がVGSCサブユニットをコードする遺伝子において同定されているということは驚くべきことではない。疾患は、例えば、どちらも本明細書に参照によって組み込まれる、Mulleyら、2005、およびOMIM#607208(Online Mendelian Inheritance in Man、Johns Hopkins University、1966~2015)における疾患の説明によって記載されている。
【0113】
[00168]70%から80%の間の患者は、ナトリウムチャネルα1サブユニット遺伝子
(SCN1A)異常を保有し、短縮型変異は、約40%を占め、発作発症のより早い年齢と著しい相関を有する。配列変異は、約70%の症例に見出され、短縮型(40%)およびミスセンス変異(40%)を含み、残りはスプライス部位変化である。大半の変異はデノボなものであるが、家族性変異が、5~10%の症例において生じ、通例、本質的にミスセンスである。残りのSCN1A変異は、スプライス部位およびミスセンス変異を含み、それらの大半は、ナトリウムチャネルの細孔形成領域に分類される。現在、500を超える変異がDSに関連しており、遺伝子にランダムに分布している(Mulleyら、Neurol.2006、67、1094~1095ページ)。
【0114】
[00169]SCN1A遺伝子は、ヒト染色体2q24上のナトリウムチャネル遺伝子のク
ラスターに位置し、ニューロンの電位依存性ナトリウムチャネルのNav1.1として公知の細孔形成αサブユニットをコードする。SCN1A遺伝子は、ゲノムDNAのおよそ100kbに及び、26個のエクソンを含む。SCN1Aタンパク質は4つのドメインからなり、各々は6つの膜貫通セグメントを有する。エクソン11のドメイン1と2との間の細胞質ループにおける11個のアミノ酸の有無が異なる、長いおよび短いアイソフォームを結果的にもたらす2つのスプライスバリアントが同定されている(参照によって本明細書に組み込まれるMillerら、1993~2015、およびMulleyら、2005、25、535~542ページ)。
【0115】
[00170]SCN1A遺伝子における選択的スプライシング事象は、異常なタンパク質発
現をもたらし得る非生産的mRNA転写物をもたらす可能性があり、SCN1A遺伝子における選択的スプライシング事象を標的とすることができる治療剤は、DS患者における機能性タンパク質の発現レベルを調節する、および/または異常なタンパク質発現を阻害することができる。そのような治療剤は、SCN1Aタンパク質欠損によって引き起こされる状態を処置するために使用することができる。
【0116】
[00171]非生産的mRNA転写物をもたらす可能性がある選択的スプライシング事象の
1つは、ナンセンス変異依存mRNA分解機構を誘導し得る、mRNA転写物への追加の
エクソンの包含である。本開示は、SCN1Aの選択的スプライシングを調節して、タンパク質をコードする成熟mRNA、したがって、翻訳された機能性SCN1Aタンパク質の産生を増加させるための組成物および方法を提供する。これらの組成物および方法は、エクソンスキッピングを引き起こし、SCN1A mRNA前駆体の構成的スプライシングを促進することができるアンチセンスオリゴマー(ASO)を含む。様々な実施形態において、機能性SCN1Aタンパク質を、本開示の方法を使用して増加させて、SCN1Aタンパク質欠損によって引き起こされる状態を処置することができる。
【0117】
[00172]場合によっては、疾患または状態がSMEBである。
[00173]場合によっては、疾患または状態がGEFS+である。
[00174]場合によっては、疾患または状態が熱性痙攣(例えば、家族性熱性痙攣3A)
である。
【0118】
[00175]場合によっては、疾患または状態が自閉症(自閉症スペクトラム障害またはA
SDとしても公知)である。
[00176]場合によっては、疾患または状態が片頭痛(例えば、家族性片麻痺性片頭痛3
)である。
【0119】
[00177]場合によっては、疾患または状態がアルツハイマー病である。
[00178]一部の実施形態において、疾患または状態がSCN2A脳症である。
[00179]一部の実施形態において、疾患または状態がSCN8A脳症である。
【0120】
[00180]一部の実施形態において、疾患または状態がSCN5A不整脈である。
[00181]実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、血液脳関門を越える
対象のアンチセンスオリゴヌクレオチドの浸透を促進することができる1種または複数の薬剤と共に、当技術分野で公知の任意の方法によって投与される。例えば、筋肉組織の運動ニューロンへのアデノウイルスベクターの投与による薬剤の送達は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,632,427号、「Adenoviral-vector-mediated gene transfer into medullary motor neurons」に記載されている。脳、例えば、線条体、視床、海馬、または黒質へのベクターの直接の送達は、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,756,523号、「Adenovirus vectors for
the transfer of foreign genes into cells of the central nervous system particularly in brain」に記載されている。
【0121】
[00182]実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、望ましい医薬的また
は薬力学的特性を提供する薬剤と連結またはコンジュゲートされる。実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、血液脳関門を越える浸透または運搬を促進する、当技術分野で公知の物質、例えばトランスフェリン受容体に対する抗体とカップリングされる。実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ウイルスベクターと連結して、例えば、アンチセンス化合物をより効果的にするか、または血液脳関門を越える運搬を増加させる。複数の実施形態において、浸透圧による血液脳関門破壊は、糖、例えば、メソエリスリトール、キシリトール、D(+)ガラクトース、D(+)ラクトース、D(+)キシロース、ダルシトール、ミオイノシトール、L(-)フルクトース、D(-)マンニトール、D(+)グルコース、D(+)アラビノース、D(-)アラビノース、セロビオース、D(+)マルトース、D(+)ラフィノース、L(+)ラムノース、D(+)メリビオース、D(-)リボース、アドニトール、D(+)アラビトール、L(-)アラビトール、D(+)フコース、L(-)フコース、D(-)リキソース、L(+)リキソース、およびL(-)リキソース、またはアミノ酸、例えば、グルタミン、リシン、アル
ギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、バリン、およびタウリンの注入によって補助される。血液脳関門浸透を増強させるための方法および材料は、例えば、各々が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第9,193,969号、「Compositions and methods for selective delivery of oligonucleotide
molecules to specific neuron types」、米国特許第4,866,042号、「Method for the delivery of
genetic material across the blood brain
barrier」、米国特許第6,294,520号、「Material for passage through the blood-brain barrier」、および米国特許第6,936,589号「Parenteral delivery systems」に記載されている。
【0122】
[00183]実施形態において、本発明のASOは、例えば、参照によって本明細書に組み
込まれる米国特許第9,193,969号に記載されている方法を使用して、ドーパミン再取込み阻害薬(DRI)、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)、ノルアドレナリン再取込み阻害薬(NRI)、ノルエピネフリン-ドーパミン再取込み阻害薬(NDRI)、およびセロトニン-ノルエピネフリン-ドーパミン再取込み阻害薬(SNDRI)とカップリングされる。
【0123】
[00184]実施形態において、方法および組成物を使用して処置される対象は、状態の向
上に関して、当技術分野で公知かつ記載されている任意の方法を使用して評価される。
エクソンスキッピングを誘導するさらなるASOを同定する方法
[00185]SCN1A NIE含有mRNA前駆体のエクソンスキッピング誘導するAS
Oを同定または決定するための方法もまた、本開示の範囲内である。例えば、方法は、SCN1A NIE含有mRNA前駆体の偽エクソンスキッピング誘導するASOを同定または決定するステップを含むことができる。mRNA前駆体の標的領域内の異なるヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするASOは、標的イントロンのスプライシングの速度および/または範囲を向上させるASOを同定または決定するためにスクリーニングされてもよい。一部の実施形態において、ASOは、スプライシングリプレッサー/サイレンサーの結合部位を遮断または干渉してもよい。当技術分野で公知の任意の方法は、エクソンの標的領域にハイブリダイズした場合に所望の効果(例えば、偽エクソンスキッピング、タンパク質または機能性RNA産生)を結果的にもたらすASOを同定(決定)するために使用してもよい。これらの方法は、包含エクソンまたは非包含エクソンと隣り合うイントロンにおける標的化領域に結合することによって包含エクソンのエクソンスキッピングを誘導するASOを同定するためにも使用することができる。使用され得る方法の一例は以下に提供される。
【0124】
[00186]ASO「歩行」と称される1ラウンドのスクリーニングは、mRNA前駆体の
標的領域にハイブリダイズするように設計されたASOを使用して実施してもよい。例えば、ASO歩行に使用されるASOは、包含エクソンの3’スプライス部位のおよそ100ヌクレオチド上流(例えば、標的/包含エクソンの上流に位置するエクソンの配列の一部分)から標的/包含エクソンの3’スプライス部位のおよそ100ヌクレオチド下流まで、および/または包含エクソンの5’スプライス部位のおよそ100ヌクレオチド上流から標的/包含エクソンの5’スプライス部位のおよそ100ヌクレオチド下流(例えば、標的/包含エクソンの下流に位置するエクソンの配列の一部分)まで、5ヌクレオチドごとにタイリングすることができる。例えば、15ヌクレオチド長の第1のASOは、標的/包含エクソンの3’スプライス部位に対して+6から+20のヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするように設計されてもよい。第2のASOは、標的/包含エクソンの
3’スプライス部位に対して+11から+25のヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするように設計されてもよい。ASOは、mRNA前駆体の標的領域にまたがるようなものとして設計される。実施形態において、ASOはより綿密に、例えば、1、2、3、または4ヌクレオチドごとにタイリングすることができる。さらに、ASOは、5’スプライス部位の100ヌクレオチド下流から3’スプライス部位の100ヌクレオチド上流までタイリングすることができる。一部の実施形態において、ASOは、3’スプライス部位の約1,160ヌクレオチド上流から5’スプライス部位の約500ヌクレオチド下流までタイリングすることができる。一部の実施形態において、ASOは、3’スプライス部位の約500ヌクレオチド上流から3’スプライス部位の約1,920ヌクレオチド下流までタイリングすることができる。
【0125】
[00187]1種もしくは複数のASO、または対照ASO(標的領域にハイブリダイズす
ることが予期されていない配列であるスクランブル配列を有するASO)は、例えばトランスフェクションによって、標的mRNA前駆体(例えば、本明細書に記載されるNIE含有mRNA前駆体)を発現する疾患関連細胞株へ送達される。各々のASOのエクソンスキッピング効果は、当技術分野で公知の任意の方法によって、例えばスプライス接合部にまたがるプライマーを使用する逆転写(RT)-PCRによって、実施例4に記載されるようにアセスメントしてもよい。ASO処理細胞における、包含エクソンを含有する(例えばNIEの隣り合うエクソンを含む)領域にまたがるプライマーを使用して産生された、対照ASO処理細胞と比較してより長いRT-PCR産物の低減または非存在は、標的NIEのスプライシングが増強されたことを指し示す。一部の実施形態において、エクソンスキッピング効率(またはNIEを含有するイントロンをスプライスするスプライシング効率)、スプライスされたmRNA前駆体のスプライスされていないmRNA前駆体に対する比、スプライシングの速度、またはスプライシングの範囲は、本明細書に記載されるASOを使用して向上させ得る。標的mRNA前駆体によってコードされるタンパク質または機能性RNAの量もまた、各ASOが所望の効果を達成したか(例えば、機能性タンパク質産生を増強したか)否かを決定するためにアセスメントすることができる。タンパク質産生をアセスメントおよび/または定量化するための当技術分野で公知の任意の方法、例えばウェスタンブロッティング、フローサイトメトリー、免疫蛍光顕微鏡法、およびELISAが使用され得る。
【0126】
[00188]ASO「マイクロ歩行」と称される第2ラウンドのスクリーニングは、mRN
A前駆体の標的領域にハイブリダイズするように設計されたASOを使用して実施してもよい。ASOマイクロ歩行に使用されるASOは、ASOとハイブリダイズした場合にエクソンスキッピング(またはNIEの増強されたスプライシング)を結果的にもたらすmRNA前駆体のヌクレオチド酸配列をさらに改良するために、1ヌクレオチドごとにタイリングされる。
【0127】
[00189]標的イントロンのスプライシングを促進するASOによって規定された領域は
、1ntステップの間隔で並べられたASOを伴うASO「マイクロ歩行」、およびより長い、典型的には18~25ntのASOによって、より詳細に探索される。
【0128】
[00190]上でASO歩行に関して記載されたように、ASOマイクロ歩行は、1種もし
くは複数のASO、または対照ASO(標的領域にハイブリダイズすることが予期されない配列であるスクランブル配列を有するASO)を、例えばトランスフェクションによって、標的mRNA前駆体を発現する疾患関連細胞株へ送達することによって実施される。各々のASOのスプライシング誘導効果は、当技術分野で公知の任意の方法によって、例えばNIEにまたがるプライマーを使用する逆転写(RT)-PCRによって、本明細書に記載されるようにアセスメントしてもよい(例えば実施例4を参照のこと)。ASO処理細胞における、NIEにまたがるプライマーを使用して産生された、対照ASO処理細
胞におけるものと比較してより長いRT-PCR産物の低減または非存在は、エクソンスキッピング(またはNIEを含有する標的イントロンのスプライシング)が増強されたことを指し示す。一部の実施形態において、エクソンスキッピング効率(またはNIEを含有するイントロンをスプライスするスプライシング効率)、スプライスされたmRNA前駆体のスプライスされていないmRNA前駆体に対する比、スプライシングの速度、またはスプライシングの範囲は、本明細書に記載されるASOを使用して向上させ得る。標的mRNA前駆体によってコードされるタンパク質または機能性RNAの量もまた、各ASOが所望の効果を達成したか(例えば、機能性タンパク質産生を増強したか)否かを決定するためにアセスメントすることができる。タンパク質産生をアセスメントおよび/または定量化するための当技術分野で公知の任意の方法、例えばウェスタンブロッティング、フローサイトメトリー、免疫蛍光顕微鏡法、およびELISAが使用され得る。
【0129】
[00191]mRNA前駆体の領域にハイブリダイズした場合にエクソンスキッピング(ま
たはNIEを含有するイントロンの増強されたスプライシング)および増加したタンパク質産生を結果的にもたらすASOは、動物モデル、例えば、全長ヒト遺伝子がノックインされたトランスジェニックマウスモデル、または疾患のヒト化マウスモデルを使用して、インビボで試験してもよい。ASOの好適な投与経路は、疾患、および/またはASOの送達が所望される細胞型に応じて変えてもよい。ASOは、例えば、髄腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、硝子体内注射、または静脈内注射によって投与され得る。投与後、モデル動物の細胞、組織、および/または器官は、ASO処置の効果を決定するために、例えば当技術分野で公知かつ本明細書に記載されている方法によってスプライシング(効率、速度、範囲)およびタンパク質産生を評価することによって、アセスメントすることができる。動物モデルはまた、疾患または疾患重症度の任意の表現型または行動指標にもなり得る。
【0130】
[00192]本明細書で様々な例に記載されるように、ヒトSCN1A遺伝子におけるエク
ソン20xは、マウスSCN1A遺伝子におけるエクソン21xと同等である。
[00193]NMD阻害剤、例えば、シクロヘキシミドの存在下においてNMD誘導エクソ
ンを同定またはバリデートする方法もまた本開示の範囲内である。例示的な方法は、図3および実施例2に提供される。
【0131】
[00194]具体的な実施形態
[00195]実施形態1。ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有するmR
NA(NMDエクソンmRNA)であって、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAを有する細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する方法であって、治療剤を細胞に接触させるステップを含み、それによって治療剤がSCN1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAからのNMDエクソンのスプライシングを調節し、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを調節し、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する、方法。
【0132】
[00196]実施形態2。それを必要とする対象における疾患または状態を、対象の細胞に
おけるSCN1Aタンパク質の発現を調節することによって処置する方法であって、対象の細胞を、ナンセンス変異依存mRNA分解機構誘導エクソン(NMDエクソン)を含有しSCN1Aをコードする細胞中のmRNAからのNMDエクソンのスプライシングを調節する治療剤と接触させるステップを含み、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを調節し、対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する、方法。
【0133】
[00197]実施形態3。治療剤が、
(a)SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に結合する、
(b)NMDエクソンmRNAのスプライシングに関与する因子の結合を調節する、または
(c)(a)および(b)の組合せ
である、実施形態1または2に記載の方法。
【0134】
[00198]実施形態4。治療剤が、標的化部分の領域からのNMDエクソンのスプライシ
ングに関与する因子の結合に干渉する、実施形態3に記載の方法。
[00199]実施形態5。標的化部分がNMDエクソンの近位にある、実施形態3または4
に記載の方法。
【0135】
[00200]実施形態6。標的化部分が、NMDエクソンの5’末端の、最大で約1500
ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド上流にある、実施形態3から5のいずれか1つに記載の方法。
【0136】
[00201]実施形態7。標的化部分が、NMDエクソンの5’末端の、少なくとも約15
00ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド上流にある、実施形態3から6のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
[00202]実施形態8。標的化部分が、NMDエクソンの3’末端の、最大で約1500
ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド下流にある、実施形態3から5のいずれか1つに記載の方法。
【0138】
[00203]実施形態9。標的化部分が、NMDエクソンの3’末端の、少なくとも約15
00ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド下流にある、実施形態3から5、または8のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
[00204]実施形態10。標的化部分が、SCN1AをコードするNMDエクソンmRN
Aの2つのカノニカルなエクソン領域の間のイントロン領域に位置し、イントロン領域がNMDエクソンを含有する、実施形態3から9のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
[00205]実施形態11。標的化部分が、NMDエクソンと少なくとも部分的に重複する
、実施形態3から10のいずれか1つに記載の方法。
[00206]実施形態12。標的化部分が、NMDエクソンの上流のイントロンと少なくと
も部分的に重複する、実施形態3から11のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
[00207]実施形態13。標的化部分が、5’NMDエクソン-イントロン接合部または
3’NMDエクソン-イントロン接合部を含む、実施形態3から12のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
[00208]実施形態14。標的化部分がNMDエクソン内にある、実施形態3から13の
いずれか1つに記載の方法。
[00209]実施形態15。標的化部分が、NMDエクソンの約5、6、7、8、9、10
、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個、またはそれ以上の連続するヌクレオチドを含む、実施形態3から14のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
[00210]実施形態16。SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAが、配列番号
2または7~10のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、実施形態1から15のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
[00211]実施形態17。SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAが、配列番号
1または3~6に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、実施形態1から16のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
[00212]実施形態18。標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2
:166,863,803の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド上流にある、実施形態3から17のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
[00213]実施形態19。標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2
:166,863,803の、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド上流にある、実施形態3から18のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
[00214]実施形態20。標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2
:166,863,740の、最大で約1500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド下流にある、実施形態3から17のいずれか1つに記載の方法。
【0148】
[00215]実施形態21。標的化部分が、ゲノム部位GRCh37/hg19:chr2
:166,863,740の、約1000ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレ
オチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約4ヌクレオチド、約2ヌクレオチド、約1ヌクレオチド下流にある、実施形態3から17、または20のいずれか1つに記載の方法。
【0149】
[00216]実施形態22。SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分
が、配列番号2または7~10の少なくとも8個の連続的な核酸を含む領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、実施形態3から21のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
[00217]実施形態23。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号21~67、210~256、または304~379のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態22に記載の方法。
【0151】
[00218]実施形態24。SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分
が、SCN1Aのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20x内にある、実施形態3から21のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
[00219]実施形態25。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号42~50、または231~239のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態24に記載の方法。
【0153】
[00220]実施形態26。SCN1AをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分
が、SCN1Aのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20xの上流または下流にある、実施形態3から21のいずれか1つに記載の方法。
【0154】
[00221]実施形態27。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号21~38、53~67、210~227、または242~256のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態26に記載の方法。
【0155】
[00222]実施形態28。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、SCN1Aのエクソ
ン20xのエクソン-イントロン接合部を含む、実施形態3から21のいずれか1つに記載の方法。
【0156】
[00223]実施形態29。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号39~41、51、52、228~230、240、または241のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態28に記載の方法。
【0157】
[00224]実施形態30。治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングさ
れたmRNAからのNMDエクソンの排除を促進する、実施形態1から29のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
[00225]実施形態31。治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコ
ードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1
.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、実施形態30に記載の方法。
【0159】
[00226]実施形態32。治療剤が、細胞における、SCN1Aタンパク質をコードする
プロセシングされたmRNAのレベルを増加させる、実施形態30または31に記載の方法。
【0160】
[00227]実施形態33。治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコ
ードするプロセシングされたmRNAの量が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、実施形態30から32のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
[00228]実施形態34。治療剤が、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を増加さ
せる、実施形態30から33のいずれか1つに記載の方法。
[00229]実施形態35。治療剤と接触させた細胞において産生されるSCN1Aの量が
、対照細胞において産生されるSCN1Aの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、実施形態30から34のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
[00230]実施形態36。疾患または状態が、Nav1.1における機能喪失型変異によ
って誘発される、実施形態2から35のいずれか1つに記載の方法。
[00231]実施形態37。疾患または状態が、SCN1A遺伝子のハプロ不全に関連し、
対象が、機能性SCN1Aをコードする第1のアレル、およびSCN1Aが産生されないか、もしくは低減したレベルで産生される第2のアレル、または非機能性SCN1Aもしくは部分機能性SCN1Aをコードする第2のアレルを有する、実施形態2から36のいずれか1つに記載の方法。
【0163】
[00232]実施形態38。疾患または状態が脳症である、実施形態2から37のいずれか
1つに記載の方法。
[00233]実施形態39。脳症がてんかん性脳症である、実施形態38に記載の方法。
【0164】
[00234]実施形態40。疾患または状態が、ドラベ症候群(DS);乳児重症ミオクロ
ニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙
攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);洞不全症候群1;自閉症;または乳児悪性焦点移動性部分発作である、実施形態2から37のいずれか1つに記載の方法。
【0165】
[00235]実施形態41。GEFS+が全般てんかん熱性痙攣プラス2型である、実施形
態40に記載の方法。
[00236]実施形態42。熱性痙攣が家族性熱性痙攣3Aである、実施形態40に記載の
方法。
【0166】
[00237]実施形態43。SMEBが、全般性棘波を伴わないSMEB(SMEB-SW
)、ミオクロニー発作を伴わないSMEB(SMEB-M)、SMEIの特徴を2つ以上欠くSMEB(SMEB-O)、または全般性強直間代発作を伴う難治性小児てんかん(ICEGTC)である、実施形態40に記載の方法。
【0167】
[00238]実施形態44。治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングさ
れたmRNAからのNMDエクソンの排除を促進し、細胞におけるSCN1Aの発現を増加させる、実施形態1から43のいずれか1つに記載の方法。
【0168】
[00239]実施形態45。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号22~24、26、27、29~35、37~62、64~67、または304~379のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、実施形態1から44のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
[00240]実施形態46。治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングさ
れたmRNAからのNMDエクソンの排除を阻害する、実施形態1から29のいずれか1つに記載の方法。
【0170】
[00241]実施形態47。治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコ
ードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAからのNMDエクソンの排除と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する、実施形態46に記載の方法。
【0171】
[00242]実施形態48。治療剤が、細胞における、SCN1Aタンパク質をコードする
プロセシングされたmRNAのレベルを減少させる、実施形態46または47に記載の方法。
【0172】
[00243]実施形態49。治療剤と接触させた細胞における、SCN1Aタンパク質をコ
ードするプロセシングされたmRNAの量が、対照細胞における、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAの総量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する、実施形態46から48のいずれか1つに記載の方法。
【0173】
[00244]実施形態50。治療剤が、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を減少さ
せる、実施形態46から49のいずれか1つに記載の方法。
[00245]実施形態51。治療剤と接触させた細胞において産生されるSCN1Aの量が
、対照細胞において産生されるSCN1Aの総量と比較して、約1.1分の1から約10分の1、約1.5分の1から約10分の1、約2分の1から約10分の1、約3分の1から約10分の1、約4分の1から約10分の1、約1.1分の1から約5分の1、約1.1分の1から約6分の1、約1.1分の1から約7分の1、約1.1分の1から約8分の1、約1.1分の1から約9分の1、約2分の1から約5分の1、約2分の1から約6分の1、約2分の1から約7分の1、約2分の1から約8分の1、約2分の1から約9分の1、約3分の1から約6分の1、約3分の1から約7分の1、約3分の1から約8分の1、約3分の1から約9分の1、約4分の1から約7分の1、約4分の1から約8分の1、約4分の1から約9分の1、少なくとも約1.1分の1、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1に減少する、実施形態46から50のいずれか1つに記載の方法。
【0174】
[00246]実施形態52。疾患または状態が、Nav1.1における機能獲得型変異によ
って誘発される、実施形態2から29、または46から49のいずれか1つに記載の方法。
【0175】
[00247]実施形態53。対象が、SCN1Aが増加したレベルで産生されるアレル、ま
たは細胞におけるNav1.1の増加した活性を誘導する変異SCN1Aをコードするアレルを有する、実施形態52に記載の方法。
【0176】
[00248]実施形態54。疾患または状態が片頭痛である、実施形態52または53に記
載の方法。
[00249]実施形態55。片頭痛が家族性片麻痺性片頭痛3である、実施形態54に記載
の方法。
【0177】
[00250]実施形態56。疾患または状態がNav1.1素因性てんかんである、実施形
態2から49のいずれか1つに記載の方法。
[00251]実施形態57。治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシングさ
れたmRNAからのNMDエクソンの排除を阻害し、細胞におけるSCN1Aの発現を減少させる、実施形態46から56のいずれか1つに記載の方法。
【0178】
[00252]実施形態58。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号21、25、28、36、または63のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、実施形態46から57のいずれか1つに記載の方法。
【0179】
[00253]実施形態59。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセ
ンスオリゴマーが、ホスホロチオエート連結またはホスホロジアミデート連結を含む骨格修飾を含む、実施形態1から58のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
[00254]実施形態60。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセ
ンスオリゴマーが、ホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、または2’-O-メトキシエチル部分を含む、実施形態1から59のいずれか1つに記載の方法。
【0181】
[00255]実施形態61。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセ
ンスオリゴマーが少なくとも1つの修飾糖部分を含む、実施形態1から60のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
[00256]実施形態62。各糖部分が修飾糖部分である、実施形態61に記載の方法。
[00257]実施形態63。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセ
ンスオリゴマーが、8から50核酸塩基、8から40核酸塩基、8から35核酸塩基、8から30核酸塩基、8から25核酸塩基、8から20核酸塩基、8から15核酸塩基、9から50核酸塩基、9から40核酸塩基、9から35核酸塩基、9から30核酸塩基、9から25核酸塩基、9から20核酸塩基、9から15核酸塩基、10から50核酸塩基、10から40核酸塩基、10から35核酸塩基、10から30核酸塩基、10から25核酸塩基、10から20核酸塩基、10から15核酸塩基、11から50核酸塩基、11から40核酸塩基、11から35核酸塩基、11から30核酸塩基、11から25核酸塩基、11から20核酸塩基、11から15核酸塩基、12から50核酸塩基、12から40核酸塩基、12から35核酸塩基、12から30核酸塩基、12から25核酸塩基、12から20核酸塩基、または12から15核酸塩基までからなる、実施形態1から62のいずれか1つに記載の方法。
【0183】
[00258]実施形態64。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセ
ンスオリゴマーが、タンパク質をコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である、実施形態3から63のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
[00259]実施形態65。SCN1A mRNAまたはタンパク質発現をアセスメントす
るステップをさらに含む、実施形態1から64のいずれか1つに記載の方法。
[00260]実施形態66。対象がヒトである、実施形態2から65のいずれか1つに記載
の方法。
【0185】
[00261]実施形態67。対象が非ヒト動物である、実施形態2から65のいずれか1つ
に記載の方法。
[00262]実施形態68。対象が胎児、胚、または小児である、実施形態2から65のい
ずれか1つに記載の方法。
【0186】
[00263]実施形態69。細胞がエクスビボである、実施形態1から68のいずれか1つ
に記載の方法。
[00264]実施形態70。治療剤が、対象の髄腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋肉
内注射、皮下注射、硝子体内、または静脈内注射によって投与される、実施形態2から69のいずれか1つに記載の方法。
【0187】
[00265]実施形態71。第2の治療剤を対象に投与するステップをさらに含む、実施形
態2から65のいずれか1つに記載の方法。
[00266]実施形態72。第2の治療剤が低分子である、実施形態71に記載の方法。
【0188】
[00267]実施形態73。第2の治療剤がASOである、実施形態71に記載の方法。
[00268]実施形態74。ASOが、配列番号115~161のいずれか1つに対して少
なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、実施形態73に記載の方法。
【0189】
[00269]実施形態75。第2の治療剤がイントロン保持を是正する、実施形態71に記
載の方法。
[00270]実施形態76。疾患または状態が、アルツハイマー病、SCN2A脳症、SC
N8A脳症、またはSCN5A不整脈である、実施形態2から65のいずれか1つに記載の方法。
【0190】
[00271]実施形態77。疾患または状態が、アルツハイマー病、SCN2A脳症、SC
N8A脳症、またはSCN5A不整脈である、実施形態30、32、または34に記載の方法。
【0191】
[00272]実施形態78。それを必要とする対象における、ドラベ症候群(DS);全般
てんかん熱性痙攣プラス2型;家族性熱性痙攣3A;家族性片麻痺性片頭痛3;自閉症;早期乳児てんかん性脳症13;洞不全症候群1;アルツハイマー病、またはてんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP)を、対象の細胞による標的タンパク質または機能性RNAの発現を増加させることによって処置する方法であって、細胞がナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有するmRNA(NMDエクソンmRNA)を有し、NMDエクソンmRNAが標的タンパク質または機能性RNAをコードし、方法が、対象の細胞を、標的タンパク質または機能性RNAをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に結合する治療剤と接触させるステップを含み、それによってナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンが標的タンパク質または機能性RNAをコードするNMDエクソンmRNAから排除され、それにより標的タンパク質または機能性RNAをコードするプロセシングされたmRNAのレベルを増加させ、対象の細胞における標的タンパク質または機能性RNAの発現を増加させる、方法。
【0192】
[00273]実施形態79。標的タンパク質がSCN1Aである、実施形態78に記載の方
法。
[00274]実施形態80。ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有するm
RNA(NMDエクソンmRNA)であって、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAを有する細胞によるSCN1Aタンパク質の発現を増加させる方法であって、細胞を、SCN1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に結合する薬剤と接触させるステップを含み、それによってナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンがSCN1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAから排除され、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを増加させ、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を増加させる、方法。
【0193】
[00275]実施形態81。それを必要とする対象における疾患または状態を、対象の細胞
におけるSCN1Aタンパク質の発現を増加させることによって処置する方法であって、対象の細胞を、SCN1Aタンパク質または機能性SCN1A RNAをコードするナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンmRNAの標的化部分に結合する治療剤と接触させるステップを含み、それによってナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンがSCN1Aタンパク質または機能性SCN1A RNAをコードするNMDエクソンmRNAから排除され、それによりSCN1Aタンパク質または機能性SCN1A RNAをコードするプロセシングされたmRNAのレベルを増加させ、対照の細胞におけるSCN1Aタンパク質または機能性SCN1A RNAの発現を増加させ、疾患または状態が、SCN1A遺伝子以外の遺伝子の変異、SCN1A遺伝子以外の遺伝子によってコードされるタンパク質の異常な発現、またはSCN1A遺伝子以外の遺伝子によってコードされるRNAの異常な発現に関連する、方法。
【0194】
[00276]実施形態82。疾患または状態の症状が、約2分の1、3分の1、4分の1、
5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1、またはそれ以下に低減する、実施形態81に記載の方法。
【0195】
[00277]実施形態83。疾患または状態の症状が、SCN1Aタンパク質の発現の増加
と共に、約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%低減する、実施形態81または82に記載の方法。
【0196】
[00278]実施形態84。疾患または状態の進行が、SCN1Aタンパク質の発現の増加
と共に、約2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1、またはそれ以下に低減する、実施形態81から83のいずれか1つに記載の方法。
【0197】
[00279]実施形態85。疾患または状態の進行が、SCN1Aタンパク質の発現の増加
と共に、約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%低減する、実施形態81から84のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
[00280]実施形態86。SCN1Aタンパク質または機能性SCN1A RNAの発現
を増加させることが、SCN1A遺伝子以外の遺伝子の変異、SCN1A遺伝子以外の遺伝子によってコードされるタンパク質の異常な発現、またはSCN1A遺伝子以外の遺伝子によってコードされるRNAの異常な発現を補償する、実施形態81から85のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
[00281]実施形態87。疾患または状態が早期乳児てんかん性脳症(encephal
ophathy)13である、実施形態81から86のいずれか1つに記載の方法。
[00282]実施形態88。対象がSCN8A遺伝子における変異を有する、実施形態81
から87のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
[00283]実施形態89。疾患または状態が洞不全症候群1である、実施形態81から8
6のいずれか1つに記載の方法。
[00284]実施形態90。対象がSCN5A遺伝子における変異を有する、実施形態81
から86、または88のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
[00285]実施形態91。疾患または状態がアルツハイマー病である、実施形態81から
86のいずれか1つに記載の方法。
[00286]実施形態92。それを必要とする対象における疾患または状態を処置する方法
であって、対象にアンチセンスオリゴマーを含む組成物を投与するステップを含み、アンチセンスオリゴマーが、SCN1Aのイントロン20に対して少なくとも80%、85%
、90%、95%、97%、または100%相補的である、少なくとも8個の連続的なヌクレオチドの配列を含む、方法。
【0202】
[00287]実施形態93。それを必要とする対象における疾患または状態を処置する方法
であって、対象にアンチセンスオリゴマーを含む組成物を投与するステップを含み、アンチセンスオリゴマーが、配列番号7~10のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である、少なくとも8個の連続的なヌクレオチドの配列を含む、方法。
【0203】
[00288]実施形態94。ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンが、標的タン
パク質または機能性RNAをコードするNMDエクソンmRNAから切り出される、実施形態78から93のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
[00289]実施形態95。標的タンパク質が、ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エ
クソンによってコードされるアミノ酸配列を含まない、実施形態78から94のいずれか1つに記載の方法。
【0205】
[00290]実施形態96。標的タンパク質が全長標的タンパク質である、実施形態78か
ら95のいずれか1つに記載の方法。
[00291]実施形態97。薬剤が、NMDエクソンmRNAの標的化部分に対して相補的
なアンチセンスオリゴマー(ASO)である、実施形態78から96のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
[00292]実施形態98。mRNAがmRNA前駆体である、実施形態78から97のい
ずれか1つに記載の方法。
[00293]実施形態99。接触させるステップが治療剤をmRNAに接触させるステップ
を含み、mRNAが細胞の核にある、実施形態78から98のいずれか1つに記載の方法。
【0207】
[00294]実施形態100。標的タンパク質または機能性RNAが、対象における標的タ
ンパク質または機能性RNAの欠損を是正する、実施形態78から99のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
[00295]実施形態101。細胞が、SCN1Aタンパク質の欠損した量または活性によ
って引き起こされる状態を有する対象中にあるか、または由来する、実施形態78から100のいずれか1つに記載の方法。
【0209】
[00296]実施形態102。標的タンパク質の欠損量が、標的タンパク質のハプロ不全に
よって引き起こされ、対象が、機能性標的タンパク質をコードする第1のアレル、および標的タンパク質が産生されないか、もしくは低減したレベルで産生される第2のアレル、または非機能性もしくは部分機能性標的タンパク質をコードする第2のアレルを有し、アンチセンスオリゴマーが、第1のアレルから転写されたNMDエクソンmRNAの標的化部分に結合する、実施形態78から101のいずれか1つに記載の方法。
【0210】
[00297]実施形態103。対象が、標的タンパク質の量または機能における欠損の結果
として生じる障害によって引き起こされる状態を有し、
(a) (i)標的タンパク質が、野生型アレルからの産生と比較して低減したレベルで産生される、
(ii)標的タンパク質が、同等の野生型タンパク質と比較して低減した機能を有する形態で産生される、または
(iii)標的タンパク質が産生されない
第1の変異アレル、および
(b) (i)標的タンパク質が、野生型アレルからの産生と比較して低減したレベルで産生される、
(ii)標的タンパク質が、同等の野生型タンパク質と比較して低減した機能を有する形態で産生される、または
(iii)標的タンパク質が産生されない
第2の変異アレル
を有し、対象が第1の変異アレル(a)(iii).を有する場合、第2の変異アレルが(b)(i)または(b)(ii)であり、対象が第2の変異アレル(b)(iii)を有する場合、第1の変異アレルが(a)(i)または(a)(ii)であり、NMDエクソンmRNAが、(a)(i)もしくは(a)(ii)である第1の変異アレル、および/または(b)(i)もしくは(b)(ii)である第2のアレルから転写される、実施形態78から101のいずれか1つに記載の方法。
【0211】
[00298]実施形態104。標的タンパク質が、同等の野生型タンパク質と比較して低減
した機能を有する形態で産生される、実施形態103に記載の方法。
[00299]実施形態105。標的タンパク質が、同等の野生型タンパク質と比較して完全
機能性である形態で産生される、実施形態103に記載の方法。
【0212】
[00300]実施形態106。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、ナンセンス変異依
存RNA分解機構誘導エクソン内にある、実施形態78から105のいずれか1つに記載の方法。
【0213】
[00301]実施形態107。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、ナンセンス変異依
存RNA分解機構誘導エクソンの上流または下流のいずれかにある、実施形態78から105のいずれか1つに記載の方法。
【0214】
[00302]実施形態108。NMDエクソンmRNAが、配列番号2、7~10、12、
および17~20のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、実施形態78から107のいずれか1つに記載の方法。
【0215】
[00303]実施形態109。NMDエクソンmRNAが、配列番号1、3~6、11、お
よび13~16に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、実施形態78から107のいずれか1つに記載の方法。
【0216】
[00304]実施形態110。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、配列番号2、7~
10、12、および17~20の少なくとも8個の連続的な核酸を含む領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、実施形態78から107のいずれか1つに記載の方法。
【0217】
[00305]実施形態111。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号21~114のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態78から110のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
[00306]実施形態112。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、SCN1Aのナン
センス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20x内にある、実施形態78から105の
いずれか1つに記載の方法。
【0219】
[00307]実施形態113。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号42~50、または231~239のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態112に記載の方法。
【0220】
[00308]実施形態114。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、SCN1Aのナン
センス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20xの上流または下流にある、実施形態78から105のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
[00309]実施形態115。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号21~38、53~67、210~227、または242~256のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態114に記載の方法。
【0222】
[00310]実施形態116。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、SCN1Aのエク
ソン20xのエクソン-イントロン接合部を含む、実施形態78から105のいずれか1つに記載の方法。
【0223】
[00311]実施形態117。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号39~41、51、52、228~230、240、または241のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態116に記載の方法。
【0224】
[00312]実施形態118。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、Scn1aのナン
センス変異依存RNA分解機構誘導エクソン21x内にある、実施形態78から105のいずれか1つに記載の方法。
【0225】
[00313]実施形態119。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号89~97のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態118に記載の方法。
【0226】
[00314]実施形態120。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、Scn1aのナン
センス変異依存RNA分解機構誘導エクソン21xの上流または下流のいずれかにある、実施形態78から105のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
[00315]実施形態121。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号68~85および100~114のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態120に記載の方法。
【0228】
[00316]実施形態122。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、Scn1aのエク
ソン21xのエクソン-イントロン接合部を含む、実施形態78から105のいずれか1つに記載の方法。
【0229】
[00317]実施形態123。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASOが
、配列番号86~88および98~99のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態122に記載の方法。
【0230】
[00318]実施形態124。産生される標的タンパク質が、全長タンパク質または野生型
タンパク質である、実施形態78から123のいずれか1つに記載の方法。
[00319]実施形態125。アンチセンスオリゴマーと接触させた細胞において産生され
る標的タンパク質または機能性RNAをコードするプロセシングされたmRNAの総量が、対照細胞において産生される標的タンパク質または機能性RNAをコードするプロセシングされたmRNAの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、実施形態78から124のいずれか1つに記載の方法。
【0231】
[00320]実施形態126。アンチセンスオリゴマーと接触させた細胞によって産生され
る標的タンパク質の総量が、対照細胞によって産生される標的タンパク質の総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、実施形態78から124のいずれか1つに記載の方法。
【0232】
[00321]実施形態127。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセ
ンスオリゴマーが、ホスホロチオエート連結またはホスホロジアミデート連結を含む骨格修飾を含む、実施形態78から126のいずれか1つに記載の方法。
【0233】
[00322]実施形態128。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセ
ンスオリゴマーが、ホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、または2’-O-メトキシエチル部分を含む、実施形態78から127のいずれか1つに記載の方法。
【0234】
[00323]実施形態129。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセ
ンスオリゴマーが少なくとも1つの修飾糖部分を含む、実施形態78から128のいずれか1つに記載の方法。
【0235】
[00324]実施形態130。各糖部分が修飾糖部分である、実施形態129に記載の方法

[00325]実施形態131。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセ
ンスオリゴマーが、8から50核酸塩基、8から40核酸塩基、8から35核酸塩基、8から30核酸塩基、8から25核酸塩基、8から20核酸塩基、8から15核酸塩基、9から50核酸塩基、9から40核酸塩基、9から35核酸塩基、9から30核酸塩基、9から25核酸塩基、9から20核酸塩基、9から15核酸塩基、10から50核酸塩基、10から40核酸塩基、10から35核酸塩基、10から30核酸塩基、10から25核酸塩基、10から20核酸塩基、10から15核酸塩基、11から50核酸塩基、11から40核酸塩基、11から35核酸塩基、11から30核酸塩基、11から25核酸塩基
、11から20核酸塩基、11から15核酸塩基、12から50核酸塩基、12から40核酸塩基、12から35核酸塩基、12から30核酸塩基、12から25核酸塩基、12から20核酸塩基、または12から15核酸塩基までからなる、実施形態78から130のいずれか1つに記載の方法。
【0236】
[00326]実施形態132。薬剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチセ
ンスオリゴマーが、タンパク質をコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である、実施形態78から131のいずれか1つに記載の方法。
【0237】
[00327]実施形態133。SCN1A mRNAまたはタンパク質発現をアセスメント
するステップをさらに含む、実施形態78から132のいずれか1つに記載の方法。
[00328]実施形態134。ドラベ症候群;全般てんかん熱性痙攣プラス2型;家族性熱
性痙攣3A;家族性片麻痺性片頭痛3;自閉症;早期乳児てんかん性脳症13;洞不全症候群1;アルツハイマー病、またはてんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP)が処置され、アンチセンスオリゴマーがSCN1A NMDエクソンmRNAの標的化部分に結合し、標的化部分が、配列番号7~10および17~20から選択される配列内にある、実施形態1から133のいずれか1つに記載の方法。
【0238】
[00329]実施形態135。対象がヒトである、実施形態78から134のいずれか1つ
に記載の方法。
[00330]実施形態136。対象が非ヒト動物である、実施形態78から135のいずれ
か1つに記載の方法。
【0239】
[00331]実施形態137。対象が胎児、胚、または小児である、実施形態78から13
6のいずれか1つに記載の方法。
[00332]実施形態138。細胞がエクスビボである、実施形態78から137のいずれ
か1つに記載の方法。
【0240】
[00333]実施形態139。治療剤が、対象の髄腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋
肉内注射、皮下注射、硝子体内注射、または静脈内注射によって投与される、実施形態78から138のいずれか1つに記載の方法。
【0241】
[00334]実施形態140。第2の治療剤を対象に投与するステップをさらに含む、実施
形態78から139のいずれかに記載の方法。
[00335]実施形態141。第2の治療剤が低分子である、実施形態140に記載の方法
【0242】
[00336]実施形態142。第2の治療剤がASOである、実施形態140に記載の方法

[00337]実施形態143。ASOが、配列番号115~161のいずれか1つに対して
少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態142に記載の方法。
【0243】
[00338]実施形態144。第2の治療剤がイントロン保持を是正する、実施形態140
から142のいずれか1つに記載の方法。
[00339]実施形態145。実施形態78から144のいずれかに記載の方法において使
用されるようなアンチセンスオリゴマー。
【0244】
[00340]実施形態146。配列番号21~114のいずれか1つに対して少なくとも約
80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、アンチセンスオリゴマー。
【0245】
[00341]実施形態147。実施形態145または146のアンチセンスオリゴマー、お
よび賦形剤を含む、医薬組成物。
[00342]実施形態148。それを必要とする対象を処置する方法であって、実施形態1
47の医薬組成物を対象に投与するステップを含み、投与するステップが、髄腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、硝子体内注射、または静脈内注射による、方法。
【0246】
[00343]実施形態149。細胞による標的タンパク質または機能性RNAの発現を増加
させて、それを必要とする対象における欠損タンパク質または欠損機能性RNAに関連する疾患または状態を処置する方法における使用のための治療剤を含む組成物であって、欠損タンパク質または欠損機能性RNAが、対象における量または活性において欠損しており、標的タンパク質が、
(a)欠損タンパク質、または
(b)対象における欠損タンパク質を機能的に増大させるか、もしくは置き換える補償タンパク質
であり、機能性RNAが、
(c)欠損RNA、または
(d)対象における欠損機能性RNAを機能的に増大させるか、もしくは置き換える補償機能性RNA
であり、
[00344]治療剤が、標的タンパク質または機能性RNAをコードするNMDエクソンm
RNAからのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンの排除を増強し、それにより対象における標的タンパク質または機能性RNAの産生または活性を増加させる、組成物。
【0247】
[00345]実施形態150。それを必要とする対象における疾患または状態を処置する方
法における使用のための治療剤を含む組成物であって、方法が、対象の細胞によるSCN1Aタンパク質の発現を調節するステップを含み、細胞が、ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有するmRNA(NMDエクソンmRNA)であって、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAを有し、方法が、細胞を治療剤と接触させるステップを含み、それによってSCN1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAからのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンの排除が調節され、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを調節し、対象の細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する、組成物。
【0248】
[00346]実施形態151。疾患または状態が、ドラベ症候群(DS);乳児重症ミオク
ロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);洞不全症候群1;自閉症;または家族性片麻痺性片頭痛3;およびアルツハイマー病からなる群から選択される、実施形態150に記載の組成物。
【0249】
[00347]実施形態152。SCN1Aタンパク質およびNMDエクソンmRNAがSC
N1A遺伝子によってコードされる、実施形態150または151に記載の組成物。
[00348]実施形態153。ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンが、SCN
1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAから切り出される、実施形態149から152のいずれか1つに記載の組成物。
【0250】
[00349]実施形態154。SCN1Aタンパク質が、ナンセンス変異依存RNA分解機
構誘導エクソンによってコードされるアミノ酸配列を含まない、実施形態149から153のいずれか1つに記載の組成物。
【0251】
[00350]実施形態155。SCN1Aタンパク質が全長SCN1Aタンパク質である、
実施形態149から154のいずれか1つに記載の組成物。
[00351]実施形態156。治療剤が、NMDエクソンmRNAの標的化部分に対して相
補的なアンチセンスオリゴマー(ASO)である、実施形態149から155のいずれか1つに記載の組成物。
【0252】
[00352]実施形態157。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチ
センスオリゴマーが、ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン内にあるNMDエクソンmRNAの一部分を標的とする、実施形態149から156のいずれかに記載の組成物。
【0253】
[00353]実施形態158。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチ
センスオリゴマーが、ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンの上流または下流にあるNMDエクソンmRNAの一部分を標的とする、実施形態149から156のいずれかに記載の組成物。
【0254】
[00354]実施形態159。標的タンパク質がSCN1Aである、実施形態149から1
58のいずれか1つに記載の組成物。
[00355]実施形態160。NMDエクソンmRNAが、配列番号2、7~10、12、
および17~20のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、実施形態159に記載の組成物。
【0255】
[00356]実施形態161。NMDエクソンmRNAが、配列番号1、3~6、11、お
よび13~16に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、実施形態159に記載の組成物。
【0256】
[00357]実施形態162。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、配列番号2、7~
10、12、および17~20の少なくとも8個の連続的な核酸を含む領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、実施形態159に記載の組成物。
【0257】
[00358]実施形態163。NMDエクソンmRNAの標的化部分が、(i)ナンセンス
変異依存RNA分解機構誘導エクソン20x内にある、(ii)ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20xの上流もしくは下流にある、または(iii)ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20xのエクソン-イントロン接合部を含む、実施形態159から162のいずれか1つに記載の組成物。
【0258】
[00359]実施形態164。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASO
が、配列番号21~114のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、実施形態159から163の
いずれか1つに記載の組成物。
【0259】
[00360]実施形態165。疾患または状態が、Nav1.1における機能喪失型変異に
よって誘発される、実施形態149から164のいずれか1つに記載の組成物。
[00361]実施形態166。疾患または状態が、SCN1A遺伝子のハプロ不全に関連し
、対象が、機能性SCN1Aをコードする第1のアレル、およびSCN1Aが産生されないか、もしくは低減したレベルで産生される第2のアレル、または非機能性SCN1Aもしくは部分機能性SCN1Aをコードする第2のアレルを有する、実施形態149から165のいずれか1つに記載の組成物。
【0260】
[00362]実施形態167。疾患または状態が、任意選択でNav1.1における機能喪
失型変異によって誘発される脳症である、実施形態149から166のいずれか1つに記載の組成物。
【0261】
[00363]実施形態168。脳症がてんかん性脳症である、実施形態167に記載の組成
物。
[00364]実施形態169。疾患または状態が、ドラベ症候群(DS);乳児重症ミオク
ロニーてんかん(SMEI)境界型(SMEB);熱性痙攣(FS);全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+);早期乳児てんかん性脳症13;潜因性全般てんかん;潜因性焦点てんかん;ミオクロニー失立てんかん;レノックス・ガストー症候群;ウエスト症候群;特発性スパズム;早期ミオクロニー脳症;進行性ミオクロニーてんかん;小児交互性片麻痺;未分類てんかん性脳症;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);洞不全症候群1;自閉症;または乳児悪性焦点移動性部分発作である、実施形態165または166に記載の組成物。
【0262】
[00365]実施形態170。GEFS+が全般てんかん熱性痙攣プラス2型である、実施
形態168に記載の組成物。
[00366]実施形態171。熱性痙攣が家族性熱性痙攣3Aである、実施形態168に記
載の組成物。
【0263】
[00367]実施形態172。SMEBが、全般性棘波を伴わないSMEB(SMEB-S
W)、ミオクロニー発作を伴わないSMEB(SMEB-M)、SMEIの特徴を2つ以上欠くSMEB(SMEB-O)、または全般性強直間代発作を伴う難治性小児てんかん(ICEGTC)である、実施形態168に記載の組成物。
【0264】
[00368]実施形態173。治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシング
されたmRNAからのNMDエクソンの排除を促進し、細胞におけるSCN1Aの発現を増加させる、実施形態165から172のいずれか1つに記載の組成物。
【0265】
[00369]実施形態174。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASO
が、配列番号22~24、26、27、29~35、37~62、または64~67のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、実施形態165から173のいずれか1つに記載の組成物。
【0266】
[00370]実施形態175。疾患または状態が、Nav1.1における機能獲得型変異に
よって誘発される、実施形態149から164のいずれか1つに記載の組成物。
[00371]実施形態176。対象が、SCN1Aが増加したレベルで産生されるアレル、
または細胞におけるNav1.1の増加した活性を誘導する変異SCN1Aをコードするアレルを有する、実施形態149から164、または175のいずれか1つに記載の組成
物。
【0267】
[00372]実施形態177。疾患または状態が片頭痛である、実施形態149から164
、175、または176のいずれか1つに記載の組成物。
[00373]実施形態178。片頭痛が家族性片麻痺性片頭痛3である、実施形態177に
記載の組成物。
【0268】
[00374]実施形態179。疾患または状態がNav1.1素因性てんかんである、実施
形態149から164、175、または176のいずれか1つに記載の組成物。
[00375]実施形態180。治療剤が、SCN1Aタンパク質をコードするプロセシング
されたmRNAからのNMDエクソンの排除を阻害し、細胞におけるSCN1Aの発現を減少させる、実施形態149から164、または175から179のいずれか1つに記載の組成物。
【0269】
[00376]実施形態181。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、ASO
が、配列番号21、25、28、36、または63のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、実施形態149から164、または175から180のいずれか1つに記載の組成物。
【0270】
[00377]実施形態182。標的タンパク質または機能性RNAをコードするプロセシン
グされたmRNAが、全長成熟mRNAまたは野生型成熟mRNAである、実施形態149から181のいずれか1つに記載の組成物。
【0271】
[00378]実施形態183。産生される標的タンパク質が、全長タンパク質または野生型
タンパク質である、実施形態149から182のいずれか1つに記載の組成物。
[00379]実施形態184。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチ
センスオリゴマーが、ホスホロチオエート連結またはホスホロジアミデート連結を含む骨格修飾を含む、実施形態149から183のいずれか1つに記載の組成物。
【0272】
[00380]実施形態185。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、前記ア
ンチセンスオリゴマーがアンチセンスオリゴヌクレオチドである、実施形態149から184のいずれかに記載の組成物。
【0273】
[00381]実施形態186。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチ
センスオリゴマーが、ホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、または2’-O-メトキシエチル部分を含む、実施形態149から185のいずれかに記載の組成物。
【0274】
[00382]実施形態187。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチ
センスオリゴマーが少なくとも1つの修飾糖部分を含む、実施形態149から186のいずれかに記載の組成物。
【0275】
[00383]実施形態188。各糖部分が修飾糖部分である、実施形態187に記載の組成
物。
[00384]実施形態189。治療剤がアンチセンスオリゴマー(ASO)であり、アンチ
センスオリゴマーが、8から50核酸塩基、8から40核酸塩基、8から35核酸塩基、8から30核酸塩基、8から25核酸塩基、8から20核酸塩基、8から15核酸塩基、9から50核酸塩基、9から40核酸塩基、9から35核酸塩基、9から30核酸塩基、9から25核酸塩基、9から20核酸塩基、9から15核酸塩基、10から50核酸塩基、10から40核酸塩基、10から35核酸塩基、10から30核酸塩基、10から25
核酸塩基、10から20核酸塩基、10から15核酸塩基、11から50核酸塩基、11から40核酸塩基、11から35核酸塩基、11から30核酸塩基、11から25核酸塩基、11から20核酸塩基、11から15核酸塩基、12から50核酸塩基、12から40核酸塩基、12から35核酸塩基、12から30核酸塩基、12から25核酸塩基、12から20核酸塩基、または12から15核酸塩基までからなる、実施形態149から188のいずれかに記載の組成物。
【0276】
[00385]実施形態190。アンチセンスオリゴマーを含む組成物であって、アンチセン
スオリゴマーが、SCN1Aのイントロン20に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である、少なくとも8個の連続的なヌクレオチドの配列を含む、組成物。
【0277】
[00386]実施形態191。アンチセンスオリゴマーを含む組成物であって、アンチセン
スオリゴマーが、配列番号7~10のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である、少なくとも8個の連続的なヌクレオチドの配列を含む、組成物。
【0278】
[00387]実施形態192。実施形態149から191に記載の組成物のいずれかの治療
剤、および賦形剤を含む、医薬組成物。
[00388]実施形態193。それを必要とする対象を処置する方法であって、実施形態1
92の医薬組成物を対象に投与するステップを含み、投与するステップが、髄腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、硝子体内注射、または静脈内注射による、方法。
【0279】
[00389]実施形態194。SCN1A mRNA転写物の標的配列にハイブリダイズす
るアンチセンスオリゴマー、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であって、SCN1A mRNA転写物がナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含み、アンチセンスオリゴマーが、SCN1A mRNA転写物からのナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンの排除を誘導する、医薬組成物。
【0280】
[00390]実施形態195。SCN1A mRNA転写物がSCN1A NMDエクソン
mRNA転写物である、実施形態194に記載の医薬組成物。
[00391]実施形態196。SCN1A NMDエクソンmRNA転写物の標的化部分が
、(i)ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20x内にある、(ii)ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20xの上流もしくは下流にある、または(iii)ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソン20xのエクソン-イントロン接合部を含む、実施形態194または195に記載の医薬組成物。
【0281】
[00392]実施形態197。SCN1A NMDエクソンmRNA転写物が、配列番号1
、3~6、11、および13~16のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、実施形態194または196に記載の医薬組成物。
【0282】
[00393]実施形態198。SCN1A NMDエクソンmRNA転写物が、配列番号2
、7~10、12、および17~20のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、実施形態194または196に記載の医薬組成物。
【0283】
[00394]実施形態199。アンチセンスオリゴマーが、ホスホロチオエート連結または
ホスホロジアミデート連結を含む骨格修飾を含む、実施形態194に記載の医薬組成物。
[00395]実施形態200。アンチセンスオリゴマーがアンチセンスオリゴヌクレオチド
である、実施形態194に記載の医薬組成物。
【0284】
[00396]実施形態201。アンチセンスオリゴマーが、ホスホロジアミデートモルホリ
ノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、または2’-O-メトキシエチル部分を含む、実施形態194に記載の医薬組成物。
【0285】
[00397]実施形態202。アンチセンスオリゴマーが少なくとも1つの修飾糖部分を含
む、実施形態194に記載の医薬組成物。
[00398]実施形態203。アンチセンスオリゴマーが、8から50核酸塩基、8から4
0核酸塩基、8から35核酸塩基、8から30核酸塩基、8から25核酸塩基、8から20核酸塩基、8から15核酸塩基、9から50核酸塩基、9から40核酸塩基、9から35核酸塩基、9から30核酸塩基、9から25核酸塩基、9から20核酸塩基、9から15核酸塩基、10から50核酸塩基、10から40核酸塩基、10から35核酸塩基、10から30核酸塩基、10から25核酸塩基、10から20核酸塩基、10から15核酸塩基、11から50核酸塩基、11から40核酸塩基、11から35核酸塩基、11から30核酸塩基、11から25核酸塩基、11から20核酸塩基、11から15核酸塩基、12から50核酸塩基、12から40核酸塩基、12から35核酸塩基、12から30核酸塩基、12から25核酸塩基、12から20核酸塩基、または12から15核酸塩基までを含む、実施形態194に記載の医薬組成物。
【0286】
[00399]実施形態204。アンチセンスオリゴマーが、SCN1A NMDエクソンm
RNA転写物の標的化部分に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である、実施形態194または195に記載の医薬組成物。
【0287】
[00400]実施形態205。SCN1A NMDエクソンmRNA転写物の標的化部分が
、配列番号2、7~10、12、および17~20から選択される配列内にある、実施形態194または195に記載の医薬組成物。
【0288】
[00401]実施形態206。アンチセンスオリゴマーが、配列番号21~114のいずれ
か1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む、実施形態194に記載の医薬組成物。
【0289】
[00402]実施形態207。アンチセンスオリゴマーが、配列番号21~114から選択
されるヌクレオチド配列を含む、実施形態194に記載の医薬組成物。
[00403]実施形態208。髄腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注
射、硝子体内注射、または静脈内注射用に製剤化される、実施形態194から207のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0290】
[00404]実施形態209。欠損SCN1A mRNA転写物のプロセシングを誘導し、
ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンの除去を容易にして、SCN1Aタンパク質の機能的形態をコードする完全にプロセシングされたSCN1A mRNA転写物を産生する方法であって、
[00405](a)アンチセンスオリゴマーを対象の標的細胞に接触させるステップ、
[00406](b)アンチセンスオリゴマーを欠損SCN1A mRNA転写物にハイブリ
ダイズするステップであって、欠損SCN1A mRNA転写物が、SCN1Aタンパク質の機能的形態をコードすることができ、少なくとも1個のナンセンス変異依存RNA分
解機構誘導エクソンを含む、ステップ、
[00407](c)欠損SCN1A mRNA転写物から少なくとも1個のナンセンス変異
依存RNA分解機構誘導エクソンを除去して、SCN1Aタンパク質の機能的形態をコードする完全にプロセシングされたSCN1A mRNA転写物を産生するステップ、および
[00408](d)完全にプロセシングされたSCN1A mRNA転写物からSCN1A
タンパク質の機能的形態を翻訳するステップ
を含む方法。
【0291】
[00409]実施形態210。SCN1Aタンパク質の欠損した量または活性によって引き
起こされる状態を有する対象を処置する方法であって、対象に、配列番号24~114のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むアンチセンスオリゴマーを投与するステップを含む方法。
【0292】
[00410]実施形態211。細胞による標的タンパク質または機能性RNAの遺伝子発現
を増加させる薬剤をスクリーニングする方法であって、細胞が、ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有するmRNA(NMDエクソンmRNA)を有し、NMDエクソンmRNAが標的タンパク質または機能性RNAをコードし、方法が、
(a)NMDエクソンmRNAを標的とする試験薬剤を第1の細胞に接触させるステップ、
(b)対照薬剤を第2の細胞に接触させるステップ、
(c)第1の細胞における第1のレベルを決定するステップであって、第1のレベルが、(i)RNA分解機構誘導エクソンを含まない、NMDエクソンmRNAによってコードされるRNA転写物、または(ii)RNA分解機構誘導エクソンによってコードされるアミノ酸配列を含まない、NMDエクソンmRNAによってコードされるタンパク質のレベルである、ステップ、
(d)第2の細胞における第2のレベルを決定するステップであって、第2のレベルが、(i)RNA分解機構誘導エクソンを含まない、NMDエクソンmRNAによってコードされるRNA転写物、または(ii)RNA分解機構誘導エクソンによってコードされるアミノ酸配列を含まない、NMDエクソンmRNAによってコードされるタンパク質のレベルである、ステップ
(第1のレベルが第2のレベルより高い)、および
(e)試験薬剤を選択するステップ
を含む、方法。
【0293】
[00411]実施形態212。細胞による標的タンパク質または機能性RNAの遺伝子発現
を増加させる薬剤をスクリーニングする方法であって、細胞が、ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有するmRNA(NMDエクソンmRNA)を有し、NMDエクソンmRNAが標的タンパク質または機能性RNAをコードし、方法が、
(a)NMDエクソンmRNAを標的とする試験薬剤を第1の細胞に接触させるステップ、
(b)対照薬剤を第2の細胞に接触させるステップ、
(c)第1の細胞における第1のレベルを決定するステップであって、第1のレベルが、(i)RNA分解機構誘導エクソンを含む、NMDエクソンmRNAによってコードされるRNA転写物、または(ii)RNA分解機構誘導エクソンによってコードされるアミノ酸配列を含む、NMDエクソンmRNAによってコードされるタンパク質のレベルである、ステップ、
(d)第2の細胞における第2のレベルを決定するステップであって、第2のレベルが、(i)RNA分解機構誘導エクソンを含む、NMDエクソンmRNAによってコードされ
るRNA転写物、または(ii)RNA分解機構誘導エクソンによってコードされるアミノ酸配列を含む、NMDエクソンmRNAによってコードされるタンパク質のレベルである、ステップ
(第1のレベルが第2のレベルより低い)、および
(e)試験薬剤を選択するステップ
を含む、方法。
【0294】
[00412]実施形態213。タンパク質合成阻害薬を第1の細胞および第2の細胞に接触
させるステップを含み、第1のレベルが、RNA分解機構誘導エクソンを含む、NMDエクソンmRNAによってコードされるRNA転写物のレベルであり、第2のレベルが、RNA分解機構誘導エクソンを含む、NMDエクソンmRNAによってコードされるRNA転写物のレベルである、実施形態211または212に記載の方法。
【0295】
[00413]実施形態214。それを必要とする対象における、ドラベ症候群(DS)、全
般てんかん熱性痙攣プラス2型;家族性熱性痙攣3A;家族性片麻痺性片頭痛3;自閉症;早期乳児てんかん性脳症13;洞不全症候群1;アルツハイマー病、またはSUDEP(てんかんにおける予期せぬ突然死)を、対象の細胞による標的タンパク質または機能性RNAの発現を増加させることによって処置する方法であって、細胞がナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有するmRNA(NMDエクソンmRNA)を有し、NMDエクソンmRNAが標的タンパク質または機能性RNAをコードし、方法が、対象の細胞を、標的タンパク質または機能性RNAをコードするNMDエクソンmRNAのスプライシングを調節する治療剤と接触させるステップを含み、それによってナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンが標的タンパク質または機能性RNAをコードするNMDエクソンmRNAから排除され、それにより標的タンパク質または機能性RNAをコードするプロセシングされたmRNAのレベルを増加させ、対象の細胞における標的タンパク質または機能性RNAの発現を増加させる、方法。
【0296】
[00414]実施形態215。ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有する
mRNA(NMDエクソンmRNA)であって、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAを有する細胞によるSCN1Aタンパク質の発現を増加させる方法であって、細胞を、SCN1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAのスプライシングを調節する薬剤と接触させるステップを含み、それによってナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンがSCN1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAから排除され、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを増加させ、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を増加させる、方法。
【0297】
[00415]実施形態216。薬剤が、
(a)標的タンパク質もしくは機能性RNAをコードするNMDエクソンmRNAの標的化部分に結合する、
(b)スプライソソームの1つもしくは複数の成分に結合する、または
(c)(a)および(b)の組合せ
である、実施形態214または215に記載の方法。
【0298】
[00416]本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、記載されたが、そのような実
施形態は例としてのみ提供されているということは、当業者には明らかであろう。今や数多くの変形、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく当業者には思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替が本発明を実施する際に用いられてもよいことが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの均等物はそれによって網羅されることが意図される。
【実施例0299】
[00417]本発明は以下の実施例によってより具体的に例証されるだろう。しかしながら
、本発明はこれらの実施例によっていかなる形でも限定されないことが理解されるべきである。
【0300】
実施例1
次世代配列決定を使用するRNAseqによる、SCN1A転写物におけるNMD誘導エクソン包含事象の同定
[00418]全トランスクリプトームショットガン配列決定を、次世代配列決定を使用して
実行して、SCN1A遺伝子によって産生された転写物のスナップショットを明らかにし、NIE包含事象を同定した。この目的のために、HCN(ヒト皮質ニューロン)の核および細胞質画分に由来するポリA+RNAを単離し、cDNAライブラリーを、IlluminaのTruSeqストランドmRNAライブラリー調製キットを使用して構築した。ライブラリーをペアエンド配列決定し、ヒトゲノム(2009年2月、GRCh37/hg19アセンブリ)にマッピングされる100ヌクレオチドの読取りを結果として得た。SCN1Aに関する配列決定結果を図2に示す。簡潔に述べれば、図2は、UCSCゲノムブラウザを使用して可視化した、マッピングされた読取り(UCSCゲノムインフォマティクスグループ(Center for Biomolecular Science & Engineering、University of California、Santa Cruz、1156 High Street、Santa Cruz、CA 95064)によって稼働され、例えば、Rosenbloomら、2015、「The UCSC Genome Browser database:2015 update」、Nucleic Acids Research 43、Database
Issue、doi:10.1093/nar/gku1177によって記載されている)を示し、読取りのカバレッジおよび数はピークシグナルによって推測することができる。ピークの高さは、特定の領域における読取りの密度によって示される発現のレベルを指し示す。上段のパネルは、SCN1A遺伝子の縮尺通りのグラフィック表示を示す。100の脊椎動物種にわたる保存レベルがピークとして示される。最も高いピークはエクソン(黒四角)に対応し、イントロン(矢印線)の大部分に関しては、ピークは観察されない。保存のピークは、中段のパネルに示されるイントロン20(NM_006920)において同定された。保存された配列の検査により、3’および5’スプライス部位(下線の配列)に挟まれた64bpのエクソン様配列(下段のパネル、灰色で強調された配列)を同定した。このエクソンの包含は、フレームシフト、およびエクソン21への未成熟終止コドンの導入をもたらし、転写物をNMDの標的にする。
【0301】
[00419]例示的なSCN1A遺伝子、mRNA前駆体、エクソン、およびイントロン配
列を表2にまとめる。各エクソンまたはイントロンの配列を表3にまとめる。
【0302】
【表3】
【0303】
【表4-1】
【0304】
【表4-2】
【0305】
【表4-3】
【0306】
【表4-4】
【0307】
【表4-5】
【0308】
【表4-6】
【0309】
【表4-7】
【表4-8】
【0310】
実施例2
シクロヘキシミド処理を介したNIEの確認
[00420]DMSO処理(CHX-)またはシクロヘキシミド処理(CHX+)マウスN
euro 2A細胞(図3A)およびRenCell VM(ヒト神経前駆細胞)(図3B)に由来する細胞質RNA、ならびにエクソン20およびエクソン23におけるプライマーを使用するRT-PCR分析により、NMD誘導エクソン(20x)に対応するバンドの存在を確認した。産物の同一性を、配列決定によって確認した。バンドの密度測定分析を実施して、総SCN1A転写物のエクソン20x包含パーセントを算出した。NMDを阻害するための、シクロヘキシミドを用いたRenCell VMの処理(CHX+)は、細胞質画分においてNMD誘導エクソン20xに対応する産物の2倍の増加をもたらした(薄い灰色の棒、CHX-対濃い灰色の棒、CHX+を参照のこと)。
【0311】
実施例3
SCN1Aエクソン20x領域ASO歩行
[00421]SCN1Aエクソン20x領域に関して、3’スプライス部位の直ぐ上流の配
列、3’スプライス部位を横断する配列、エクソン20x、5’スプライス部位を横断する配列、および5’スプライス部位の下流の配列を標的とし、PS骨格の2’-MOE ASOを使用して実施したASO歩行のグラフィック表示を図4に示す。ASOは、一度に5ヌクレオチド移動することによってこれらの領域を網羅するように設計した。SCN
1Aを標的とするASOの一覧を表4にまとめる。ASOの配列を表5aおよび表5b、ならびに表6aおよび表6bにまとめる。
【0312】
【表5】
【0313】
【表6-1】
【0314】
【表6-2】
【0315】
【表7-1】
【0316】
【表7-2】
【0317】
【表8-1】
【0318】
【表8-2】
【0319】
【表9-1】
【0320】
【表9-2】
【0321】
実施例4
RT-PCRによって評価したSCN1Aエクソン20x領域ASO歩行
[00422]ASO歩行配列は、例えばRT-PCRによって評価することができる。図5
Aにおいて、代表的なPAGEは、無試薬取込みにより、模擬処理した(Sham)、SMN対照ASO処理した(SMN)、またはRenCell VM細胞中20μMの濃度の、本明細書で実施例3および図4の説明に記載されるようなエクソン20x領域を標的とする2’-MOE ASOを用いて処理したSCN1AのSYBRセーフ染色RT-PCR産物を示す。エクソン20x包含(上段のバンド)および全長(エクソン20x排除、下段のバンド)に対応する2種類の産物を定量化し、エクソン20x包含パーセントを棒グラフにプロットする(図5B)。黒線は、Shamについては変化がないことを指し示す。全長産物を内部対照であるRPL32に対してさらに正規化し、Shamと比べた変化倍数を棒グラフにプロットする(図5C)。黒線は、1の比、およびShamについては変化がないことを指し示す。
【0322】
実施例5
RT-qPCRによって評価したSCN1Aエクソン20x領域ASO歩行。
[00423]図6に示すように、同じASO取込み実験を使用して得て、SYBRセーフR
T-PCRによって評価した、RPL32に対して正規化したSYBRグリーンRT-qPCR SCN1A増幅結果を、Shamと比べた変化倍数としてプロットし、SYBRセーフRT-PCR結果を確認する。黒線は、1の比(Shamについては変化がないこと)を指し示す。
【0323】
実施例6
CXH処理細胞における選択されたASOの用量依存的効果。
[00424]図8Aにおいて、代表的なPAGEは、RNAiMAXトランスフェクション
により、模擬処理した(Sham、RNAiMAXのみ)、またはNeuro 2A(マウス神経芽細胞腫)細胞中30nM、80nM、および200nMの濃度の、エクソン21x(マウス命名法、ヒトエクソン20xに対応)を標的とするEx21x+1 2’-MOE ASOを用いて処理したマウスScn1aのSYBRセーフ染色RT-PCR産物を示す。Ex21x+1(マウス命名法)とEx20x+1(ヒト命名法)とは同一である。エクソン21x包含(上段のバンド)および全長(エクソン21x排除、下段のバ
ンド)に対応する2種類の産物を定量化し、エクソン21x包含パーセントを棒グラフにプロットする(図8B)。全長産物を内部対照であるHPRTに対してさらに正規化し、Shamと比べた変化倍数を棒グラフにプロットする(図8C)。黒線は、1の比、およびShamについては変化がないことを指し示す。
【0324】
実施例7
選択されたASOの硝子体内(IVT)注射。
[00425]図9Aは、PBSを注射した(1μL)左眼(-)、または10mMの濃度で
IVS20x-21、Ex21x+1、IVS21x+18、IVS21x+33、もしくはCep290(陰性対照ASO、Gerardら、Mol.Ther.Nuc.Ac.、2015)2’-MOE ASOを注射した(1μL)右眼(+)に由来するマウスScn1aのSYBRセーフ染色RT-PCR産物のPAGEを示す。Ex21x+1、IVS21x+18、およびIVS21x+33(マウス命名法)とEx20x+1、IVS20x+18、およびIVS20x+33(ヒト命名法)とは同一である。エクソン21x包含(上段のバンド)および全長(エクソン21x排除、下段のバンド)に対応する2種類の産物を定量化し、エクソン21x包含パーセントを図9Bにプロットする。白色の棒はASOを注射した眼に対応し、灰色の棒はPBSを注射した眼に対応する、各群においてn=5。全長産物を内部対照であるGAPDHに対して正規化し、PBSを注射した眼と比べたASOを注射した眼の変化倍数を図9Cにプロットする。黒線は、1の比、およびPBSについては変化がないことを指し示す、各群においてn=5。
【0325】
実施例8
選択されたASOの脳室内(ICV)注射。
[00426]図10Aは、注射していない(-、無ASO対照)、または300μgのCe
p290(陰性対照ASO、Gerardら、Mol.Ther.Nuc.Ac.、2015)、Ex21x+1、IVS21x+18、IVS21x+33 2’-MOE ASOを注射した脳に由来するマウスScn1aのSYBRセーフ染色RT-PCR産物のPAGEを示す。Ex21x+1、IVS21x+18、およびIVS21x+33(マウス命名法)とEx20x+1、IVS20x+18、およびIVS20x+33(ヒト命名法)とは同一である。エクソン21x包含(上段のバンド)および全長(エクソン21x排除、下段のバンド)に対応する2種類の産物を定量化し、エクソン21x包含パーセントを図10Bの棒グラフにプロットし、n=6(各標的ASO)、n=5(Cep290 ASO)、n=1(注射していない、無ASO対照)であった。Taqman PCRを、エクソン21と22との接合部にまたがる2個の異なるプローブを使用して実施し、産物を内部対照であるGAPDHに対して正規化し、Cep290を注射した脳と比べたASOを注射した脳の変化倍数を図10Cの棒グラフにプロットした。黒線は、1の比、およびCep290については変化がないことを指し示す、n=6(各標的ASO)、n=5(Cep290 ASO)、n=1(注射していない、無ASO対照)。
【0326】
[00427]図11は、C57BL6Jマウス(雄、3カ月齢)における、選択されたAS
OのICV注射の例示的な用量依存的応答を示す。図11Aは、300ugのCep290(陰性対照ASO、Gerardら、Mol.Ther.Nuc.Ac.、2015)、または33ug、100ug、および300ugのEx21x+1 2’-MOE ASOを注射した脳に由来するマウスScn1aのSYBRセーフ染色RT-PCR産物のPAGEゲルを示す。Ex21x+1(マウス命名法)とEx20x+1(ヒト命名法)とは同一である。エクソン21x包含(上段のバンド)および全長(エクソン21x排除、下段のバンド)に対応する2種類の産物を定量化した。図11Bは、図11Aのデータからエクソン21x包含パーセントをプロットしたグラフを示す、n=5(各群)。図11Cは、エクソン21と22との接合部にまたがる2個の異なるプローブを使用して実施したTaqman qPCRアッセイの結果のグラフを示す。産物を内部対照であるGa
pdhに対して正規化し、Cep290を注射した脳と比べたASOを注射した脳の変化倍数をプロットする。黒線は、1の比、およびCep290については変化がないことを指し示す、n=5(各群)。
【0327】
[00428]図12は、C57BL6Jマウス(出生後2日目)における、選択されたAS
OのICV注射の例示的な結果を示す。図12Aは、注射していない(-、無ASO対照)、または20μgのEx21x+1 2’-MOE ASOを注射した脳に由来するマウスScn1aのSYBRセーフ染色RT-PCR産物のPAGEゲルを示す。エクソン21x包含(上段のバンド)および全長(エクソン21x排除、下段のバンド)に対応する2種類の産物を定量化した。Ex21x+1(マウス命名法)とEx20x+1(ヒト命名法)とは同一である。図12Bは、図12Aのデータからエクソン21x包含パーセントをプロットしたグラフを示す、n=4(各群)。図12Cは、エクソン21と22との接合部にまたがる2個の異なるプローブを使用して実施したTaqman qPCRアッセイの結果のグラフを示す。産物を内部対照であるGapdhに対して正規化し、無ASO対照脳と比べたASOを注射した脳の変化倍数をプロットする。黒線は、1の比、および無ASO対照については変化がないことを指し示す、n=4(各群)。
【0328】
[00429]実施例9
ドラベ症候群の処置のための核遺伝子産生量の標的とされた増大(Targeted Augmentation of Nuclear Gene Output)
[00430]ドラベ症候群(DS)は、重度の発作、認知および運動機能障害、ならびに死
を特徴とする壊滅的な小児性遺伝子疾患である。DSの主な原因は、電位依存性ナトリウムチャネルアルファサブユニット1型(Nav1.1)の減少した発現である。SCN1A非生産的スプライシング事象は、ヒトとマウスとの間で保存さる。図13Aは、指し示されたマウスCNS試料におけるエクソン21x包含パーセントをプロットしたグラフを示す。図13Bは、指し示されたヒトCNS試料におけるエクソン20x包含パーセントをプロットしたグラフを示す。この研究において、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)療法を利用して、生産的Scn1a mRNAを増加させ、その結果、Nav1.1タンパク質のレベルを回復した。
【0329】
[00431]図14Aは、指示された用量におけるエクソン21x包含の減少パーセントを
プロットしたグラフを示す(群当たりn=3~6)。図14Bは、指示された用量におけるScn1a mRNAの増加パーセントをプロットしたグラフを示す(群当たりn=3~6)。図14Cは、指示された用量におけるNav1.1タンパク質レベルの増加パーセントをプロットしたグラフを示す(群当たりn=2)。
【0330】
[00432]図15Aは、指示された用量におけるエクソン21x包含の減少パーセントを
プロットしたグラフを示す(群当たりn=4)。図15Bは、指示された用量におけるScn1a mRNAの増加パーセントをプロットしたグラフを示す(群当たりn=4)。
【0331】
[00433]図16は、出生後2日目のマウスにICV注射を介して10ug用量で投与さ
れ、注射後5日目に、標的選択性をアセスメントするためにSCN1A、SCN2A、SCN3A、SCN4A、SCN5A、SCN7A、SCN8A、SCN9A、SCN10A、およびSCN11AのTaqman qPCRによって評価した、選択されたScn1a標的ASOを示す。Ex20x+1 ASOを使用して得た、Gapdhに対して正規化したTaqman-qPCR増幅結果を、PBSを注射したマウスと比べた変化倍数としてプロットする(群当たりn=3~6)。
【0332】
[00434]図17は、野生型(WT)、または129S-Scn1atm1Kea×C5
7BL/6Jの交配によるヘテロ接合型ドラベマウス(HET)F1マウスへの、指示さ
れた用量での選択されたASOの出生後2日目における脳室内(ICV)注射からの、注射3日後の例示的な結果を示す(群当たりn=9~14)。図17Aは、エクソン21および22にまたがるプローブを使用して実施したTaqman qPCRアッセイの結果のグラフを示す。産物を内部対照であるGapdhに対して正規化し、PBSを注射した脳と比べたASOを注射した脳の変化倍数をプロットする。図17Bは、抗Nav1.1抗体を使用して実施したウェスタンブロットの結果のグラフを示す。産物をポンソー染色バンドに対して正規化し、PBSを注射した脳と比べたASOを注射した脳の変化倍数をプロットする。
【0333】
[00435]図19は、SCN1A標的ASOのICV注射後のマウスの冠状脳切片におけ
るScn1a mRNAレベルの経時的な増加をプロットしたグラフである。示されるように、Taqman qPCRによって定量化された、Scn1a mRNAレベルの増加は、注射後少なくとも80日間維持された(群当たりn=3~9)。
【0334】
[00436]図20は、ドラベマウスモデルにおける、SCN1A標的ASOによってもた
らされる100%の生存利益を実証する例示的な生存曲線である。WT、および129S-scn1atm1Kea×C57BL/6Jの交配によるF1子孫であるヘテロ接合型ドラベマウス(+/-)に、20μgのPBSまたはASOの単回用量のICV注射を盲検的に(AまたはBとして示される処置)出生後2日目に受けさせ、それらの生存をモニターした。示されるように、A+/-群のマウス(PBS処置を受けたドラベマウス)は出生後約16日目から死亡し始めたが、B+/-(ASO処置を受けたドラベマウス)群を含め、他の3群の全てのマウスは出生後少なくとも35日生存した(群当たりn=32~39)。
【0335】
[00437]図18は、自由取込みを介したRenCellにおけるSCN1Aエクソン2
0x領域ASOマイクロ歩行の例示的な結果を示す。ASOは、一度に1ヌクレオチド移動することによって(6~41)、またはASO17の長さを減少させることによって(1~5)、図6において以前に同定した3種類の標的ASO(星印によって示す)の周囲の領域を網羅するように設計した。グラフは、SYBRグリーンqPCRによって測定された、エクソン20x包含パーセントを示す。黒線は、無ASO(-)については変化がないことを指し示す。
【0336】
[00438]ASOの配列を表7aおよび表7bにまとめる。
【0337】
【表10-1】
【0338】
【表10-2】
【0339】
【表11-1】
【0340】
【表11-2】
【0341】
[00439]本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、記載されたが、そのような実
施形態は例としてのみ提供されているということは、当業者には明らかであろう。今や数多くの変形、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく当業者には思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替が本発明を実施する際に用いられてもよいことが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの均等物はそれによって網羅されることが意図される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
【配列表】
2024045199000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナンセンス変異依存RNA分解機構誘導エクソンを含有するmRNA(NMDエクソンmRNA)であって、SCN1Aタンパク質をコードするmRNAを有する細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する方法であって、治療剤を細胞に接触させるステップを含み、それによって治療剤がSCN1Aタンパク質をコードするNMDエクソンmRNAからのNMDエクソンのスプライシングを調節し、それによりSCN1Aタンパク質をコードするプロセシングされたmRNAのレベルを調節し、細胞におけるSCN1Aタンパク質の発現を調節する、方法。