(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045242
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】天然の防腐剤、抗微生物剤、及びこれらの組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 3/3472 20060101AFI20240326BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240326BHJP
A23L 2/44 20060101ALI20240326BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20240326BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20240326BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240326BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20240326BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20240326BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240326BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240326BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240326BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240326BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20240326BHJP
A61Q 1/06 20060101ALI20240326BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20240326BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20240326BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20240326BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240326BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20240326BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A23L3/3472
A23L33/105
A23L2/00 P
A61K8/9789
A61K9/06
A61K9/08
A61K9/14
A61K9/16
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/10
A61K47/22
A61Q1/02
A61Q1/06
A61Q1/10
A61Q5/00
A61Q11/00
A61Q19/10
A61Q13/00 100
A61K47/46
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005056
(22)【出願日】2024-01-17
(62)【分割の表示】P 2021102954の分割
【原出願日】2016-11-09
(31)【優先権主張番号】62/252,987
(32)【優先日】2015-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/345,006
(32)【優先日】2016-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504000568
【氏名又は名称】ユニゲン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピン・ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】チイ・ジア
(72)【発明者】
【氏名】メイ・フェン・ホン
(72)【発明者】
【氏名】ミソン・キム
(57)【要約】 (修正有)
【課題】広範囲の微生物に対して強力な抗微生物活性を有する天然組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも1種類のアルビジア抽出物とマグノリア抽出物との混合物を含む組成物を提供する。幾つかの実施形態では、この組成物は、1種類以上の大環状アルカロイドを豊富に含む少なくとも1種類のアルビジア抽出物と、1種類以上のリグナンを豊富に含む少なくとも1種類のマグノリア抽出物との混合物を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類のアルビジア抽出物とマグノリア抽出物との混合物を含む組成物。
【請求項2】
1種類以上の大環状アルカロイドを豊富に含む少なくとも1種類のアルビジア抽出物と、1種類以上のリグナンを豊富に含む少なくとも1種類のマグノリア抽出物との混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物を含み、該組成物が防腐剤である、食品、化粧品、栄養補助食品又は医薬品。
【請求項4】
前記組成物が、前記食品、化粧品、栄養補助食品又は医薬品中に、前記食品、化粧品、栄養補助食品又は医薬品の総重量の約0.001重量%~約10重量%の範囲で存在する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、前記食品、化粧品、栄養補助食品又は医薬品中に、前記食品、化粧品、栄養補助食品又は医薬品の総重量の約0.01重量%~約5重量%の範囲で存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記アルビジア抽出物と前記マグノリア抽出物が、10:1~1:10の範囲の重量比でブレンドされる、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記アルビジア抽出物と前記マグノリア抽出物が、1:1の重量比でブレンドされる、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記アルビジア抽出物が、約0.01%~99.9%の大環状アルカロイドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記マグノリア抽出物が、約0.01%~99.9%のジフェノールリグナンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記アルビジアが、アルビジア・アマラ(Albizia amara)、アルビジア・シンペリアナ(Albizia schimperiana)、アルビジア・レベック(Albizia lebbek)、アルビジア・ガムミフェラ(Albizia gummifera)、アルビジア・イノピナタ(Albizzia inopinata)、アルビジア・サマン(Albizia saman)(サマネア・サマン(Samanea saman)=ピテコロビウム・サマン(Pithecolobium saman))、アルビジア・アディアンチフォリア(Albizia adianthifolia)、アルビジア・アディノセファラ(Albizia adinocephala)、アルビジア・アンテルミンチカ(Albizia anthelmintica)、アルビジア・アンチュネシアナ(Albizia antunesiana)、アルビジア・シェバリエリ(Albizia chevalieri)、アルビジア・コルニキュラタ(Albizia corniculata)、アルビジア・クラシラメア(Albizia crassiramea)、アルビジア・デュクロウキシ(Albizia duclouxii)、アルビジア・グラブラ(Albizia glabra)、アルビジア・ジュリブリシン(Albizia julibrissin)、アルビジア・カルコラ(Albizia kalkora)、アルビジア・レッベコイデス(Albizia lebbekoides)、アルビジア・ミリオフィラ(Albizia myriophylla)、アルビジア・ニグリカンス(Albizia nigricans)、アルビジア・オドラティッシマ(Albizia odoratissima)、アルビジア・ペテリサナ(Albizia peterisana)、アルビジア・ポイラネイ(Albizia poilanei)、アルビジア・プロセラ(Albizia procera)、アルビジア・タンガニセンシス(Albizia tanganyicensis)、アルビジア・ビアレアナ・ピエール(Albizia vialeana Pierre)、アルビジア・ジジア(Albizia zygia)、アフェランドラ・フスコプンクタタ(Aphelandra fuscopunctata)、エフェドラ種(Ephedra spp.)、ベルバスカム・プソイドノビル(Verbascum pseudonobile)、インカルビレア・シネンシス(Incarvillea sinensis)、バーバスカム・フォエニカム(Verbascum phoenicum)、バーバスカム・ニグラム(Verbascum nigrum)、クレロデンドラム・ブチネリ(Clerodendrum buchneri)、アフェランドラ・スクアローサ(Aphelandra squarrosa)又はこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
豊富化された少なくとも1種類の前記アルビジア抽出物が、水、エタノール、メタノール、アルコール及び水の混合溶媒を用いて、又は超臨界流体によってアルビジア植物から抽出される、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1種類の前記アルビジア抽出物から単離された前記アルカロイドが、ブドムンキアミンA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、ブドムンキアミンL1、L2、L3、L4、L5、L6、13-ノルメチルブドムンキアミンK、9-ノルメチルブドムンキアミンK、1-ノルメチルブドムンキアミンK、6’-ヒドロキシ-9-ノルメチルブドムンキアミンK、6’-ヒドロキシブドムンキアミンK、フェリペアルビジンA、フェリペアルビジンB、6′-ヒドロキシブドムンキアミンC、ピテコロビン、プロトメチン、ベルバメチン、ベルバメトリン、イソベルバメトリン、イソベルバメチン、ベルバメクリン、イソベルバメクリン、ベルバスシン、ベルバシン、ベルバシトリン、ベルバロシン、イソベルバシトリン、ベルバロセニン、イソベルバシクリン、N1-(Z)-p-メトキシシンナモイルブクネリン、ブクネリン、ベルバミジン、ベルバセニン、ベルバセニン、イソベルバミジン、シュウェイニン、プレランドリン、インカシンB’、インカシンB、又はこれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
豊富化された少なくとも1種類の前記マグノリア抽出物が、水、エタノール、メタノール、アルコール及び水の混合溶媒を用いて、又は超臨界流体によってマグノリア植物から抽出される、請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
前記マグノリアが、マグノリア・オフィシナリス(Magnolia officinalis)、マグノリア・アキュミネート(Magnolia acuminate)、マグノリア・ビオンジ(Magnolia biondii)、マグノリア・ココ(Magnolia coco)、マグノリア・デニュデート(Magnolia denudate)、マグノリア・ファルゲッシ(Magnolia fargesii)、マグノリア・ガレッティ(Magnolia garrettii)、マグノリア・グランジフローラ(Magnolia grandiflora)、マグノリア・ヘンリ(Magnolia henryi)、マグノリア・リリフローラ(Magnolia liliflora)、マグノリア・カチラチライ(Magnolia kachirachirai)、マグノリア・コブス(Magnolia Kobus)、マグノリア・オボヴァタ(Magnolia obovata)、マグノリア・プラエコシッシマ(Magnolia praecocissima)、マグノリア・プテロカルパ(Magnolia pterocarpa)、マグノリア・ピラミダタ(Magnolia pyramidata)、マグノリア・ロスラーテ(Magnolia rostrate)、マグノリア・サリシフォリア(Magnolia salicifolia)、マグノリア・シエボルディ(Magnolia sieboldii)、マグノリア・ソウランゲアナ(Magnolia soulangeana)、マグノリア・ステラート(Magnolia stellate)、マグノリア・バージニアナ(Magnolia virginiana)、カバノキリグニンの分解産物、アカンサス・エブラクテアタス(Acanthus ebracteatus)、アプトシマム・スピネセンス(Aptosimum spinescens)、アラリア・ビピナータ(Aralia bipinnata)、アラウカリア・アングスチフォリア(Araucaria angustifolia)、アラウカリア・アラウカナ(Araucaria araucana)、アルテミシア・アブシンシウム(Artemisia absinthium)、ハプロフィラム・アクチフォリウム(Haplophyllum acutifolium)、ハプロフィラム・ペルフォラタム(Haplophyllum perforatum)、リリオデンドロン・チューリッピフェラ(Liriodendron tulipifera)、クラメリア・シスチソイデス(Krameria cystisoides)、ペリラ・フルテセンス(Perilla frutescens)、ローソニア・イネルミス・ミリスチカ(Lawsonia inermis Myristica)フレグランス(ナツメグ)、パラクメリア・ユンナネンシス(Parakmeria yunnanensis)(好ましい属名はマグノリア)、ペルセア・ジャポニカ(Persea japonica)、ピパー・フトカドスラ(Piper futokadsura)、ピパー・ワイチ(Piper wightii)、ロリニア・ムコサ(Rollinia mucosa)、サッサフラス・ランダイエンス(Sassafras randaiense)、スクロフラリア・アルビダ-コルチカ(Scrophularia albida-colchica)、ステレラ・チャマエジャスメ(Stellera chamaejasme)、シリンガ・ベルチナ(Syringa velutina)、シジジウム・クミニ(Syzygium cumini)、タラウマ・グロリエンシス(Talauma gloriensis)、ビロラ・エロンゲート(Virola elongate)、アーバノデンドロン・ベルコサム(Urbanodendron verrucosum)、ウィクストロエミア・シコキアナ(Wikstroemia sikokiana)、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも1種類の前記マグノリア抽出物から単離された前記リグナンが、マグノロール、ホノキオール、ビオンジニンA、2,3-ビス(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-プロペナール、デヌダジオンC、クロバネマグノロール、8-[2-ヒドロキシ-5-(2-プロペニル)フェニル]-6-(2-プロペニル)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン、デヌダノリドC、デヌダノリドD、デヌダノリドB、デヌダノリドA、デヌダチンA、デヌダチンB;(+)-形態,4-ヒドロキシ-6’-メトキシ-3,3’-ビリグナ-7,7’-ジエン-9,9’-ジアール、4’-メトキシマグノジアルデヒド、5,5’-ジ-2-プロペニル-[1,1’-ビフェニル]-2,2’-ジオール、2,2’-ビカビコール、FEMA 4559、5,5’-ジアリル-2,2’-ジヒドロキシビフェニル、ボルニルマグノロール、5,5’-ジアリル-2-(3-メチル-2-ブテニルオキシ)ビフェニル-2’-オール、5,5’-ジアリル-2-(アリルオキシ)ビフェニル-2’-オール、3’,5-ジアリル-2,4’-ジヒドロキシビフェニル、3’,5-ジ-2-プロペニル-2,4’-ビフェニルジオール、5-アリル-3’-(1-プロペニル)ビフェニル-2,4’-ジオール、3’-(1-プロペニル)-5-(2-プロペニル)-2,4’-ビフェニルジオール、3’,5-ジアリル-2-ヒドロキシ-4’-メトキシビフェニル、4’-O-メチルホノキオール、2-ヒドロキシ-4’-メトキシ-3’,5-ジ-2-プロペニルビフェニル、4,4’-ジアリル-2,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、2-[3-ヒドロキシ-4-(2-プロペニル)フェノキシ]-5-(2-プロペニル)フェノール、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-4’,5-ジ-2-プロペニルジフェニルエーテル、4’,5-ジアリル-2-ヒドロキシ-3-メトキシジフェニルエーテル、2-メトキシ-4-(2-プロペニル)-6-[4-(2-プロペニル)フェノキシ]フェノール、ファルゲシン、メチルプルビアチロール、3,4-ジメトキシ-3’,4’-メチレンジオキシ-7,9’:7’,9-ジエポキシリグナン、コブシン、デスメトキシアシャンチン、O-メチルピペリトール、スピネシン、(+)-ファルゲシン、プラニニン、メチルプルビアチロール、パラクメリンA、6-アリル-7-(3,4-ジメトキシフェニル)-2,3-ジメトキシ-8-メチルトリシクロ[4.2.0.02,8]オクタ-3-エン-5-オン、マグノサリン、ジピペリチルマグノロール、カチラチロールB、アクミナチン、リカリンD、オイデスホノキオールA、オイデスマグノロール、オイデスミン;(+)-形態、(+)-エピオイデスミン、(-)-エピオイデスミン、カチラチロールA、ユーポマテノイド13、ファルゲシフェノールB、ファルゲシフェノールC、ファルゲソンA、ファルゲソンB、4,5-ジメトキシ-3’,4’-メチレンジオキシ-2,7’-ジオキソ-5,8’-リグナ-3,6,8-トリエン、4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-7-メトキシ-5-メチル-8H-2,5a-メタノ-1-ベンゾオキセピン-8-オン、ガレッチリグナンA、ガレッチリグナンB、テトラヒドロ-4-(3-ヒドロキシ-4,5-ジメトキシフェニル)-1H,3H-フロ[3,4-c]フラン-1-オン、カチラノール、7’,9-ジヒドロキシ-3,3’,4,4’,5-ペンタメトキシ-7,9’-エポキシリグナン、マグノンB、3,3’,4,4’,5,9-ヘキサメトキシ-7,9’-エポキシリグナン-7’-オン、マグノレニンC、3’,4,7,9,9’-ペンタヒドロキシ-3,5’-ジメトキシ-8,4’-オキシネオリグナン、3,3’-ジメトキシ-4,5:4’,5’-ビス(メチレンジオキシ)ピラミダチン、3’-ヒドロキシ-3,4,4’,5,5’-ペンタメトキシピラミダチン、ピラミダチンB、3,3’,4’,5’-テトラメトキシ-4,5-メチレンジオキシピラミダチン、3,3’,4,4’,5,5’-ヘキサメトキシピラミダチン、ピラミダチンC、ピラミダチン、ピラミダチンD、3-ヒドロキシ-3’,4,4’,5,5’-ペンタメトキシピラミダチン、ピラミダチンA、3-ヒドロキシ-3’,4,5-トリメトキシ-4’,5’-メチレンジオキシピラミダチン、ピラミダチンF、ピラミダチンG、ピラミダチンH、ピラミダチンE、5’-ヒドロキシ-3,3’,4,4’,5-ペンタメトキシピラミダチン、マグノシニン、2’,3,4,4’,5,6-ヘキサメトキシ-2,7’-シクロリグナ-7-エン、アカントシドB、エレウテロシドE1、3-ヒドロキシ-3’,4,4’,5,5’-ペンタメトキシ-7,9’:7’,9-ジエポキシリグナン、(+)-エピシリンガレシノール、リリオレシノールA、シンプリコシゲノール、コブシノールB、ファルゲソール、9-O-アセチルファルゲソール、マグノロン、ビオンジニンB、ビオンジニンE、マグノンA、7,9,9’-トリヒドロキシ-3,3’,4-トリメトキシ-8,4’-オキシネオリグナン、エリトロ-形態、トレオ-形態、マグノバチンA、マグノバチンB、オレイフェリンC、3,4:3’,4’-ビス(メチレンジオキシ)-7-リグナノール、7-ヒドロキシ-3,4:3’,4’-ビス(メチレンジオキシ)リグナン、リリフロジオン、デヌダジオンB、デヌダジオンA、リリフロールA、リリフロールB、デヌダトン、3-[2’,6-ジヒドロキシ-5’-(2-プロペニル)[1,1’-ビフェニル-3-イル]]-2-プロペナール、ランダイナール、マグナルデヒドB、マグナルデヒドC、6’-O-メチルマグナルデヒドB、4-デオキシ-6-メトキシマグナルデヒドA、4-メトキシマグナルデヒドB、2’,6-ジヒドロキシ-5’-(2-プロペニル)[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシアルデヒド、5-アリル-5’-ホルミル-2,2’-ジヒドロキシビフェニル、マグナルデヒドE、6-O-メチルマグナルデヒドE、9-ヒドロキシ-3,3’,4,4’,5-ペンタメトキシ-7,9’-エポキシリグナ-7’-エン、9,9’-ジヒドロキシ-3,3’,4,4’,5-ペンタメトキシ-2,7’-シクロリグナ-7-エン、マグノリアニン、マグノリグナンI、マグノリグナンB、マグノリグナンA、マグノリグナンD、マグノリグナンC 6’-グルコシド、マグノリグナンC、マグノリグナンE、マグノリグナンF、マグノリグナンG、マグノリグナンH、2-[4-ヒドロキシ-3-(2-プロペニル)フェニル]-2,5-シクロヘキサジエン-1,4-ジオン、2-(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ベンゾキノン、マグノサリシン;(7RS,7’SR,8RS,8’RS)-形態、マグノステリンB、マグノステリンB;7,9-ジエピマー、5-メトキシ,5-[2-ヒドロキシ-5-(2-プロペニル)フェニル]-2-メチルベンゾフラン、3-ヒドロキシ-3’,4,4’,5-テトラメトキシ-7,9’,7’,9-ジエポキシリグナン、3-デ-O-メチルマグノリン、マグノリン、3-O-デメチルアシャンチン、3’-O-デメチルアシャンチン、3-ヒドロキシ-4,5-ジメトキシ-3’,4’-メチレンジオキシ-7,9’:7’,9-ジエポキシリグナン、5’-ヒドロキシ-4’-O-メチルピペリトール、エピマグノリンA、7’-ヒドロキシ-3,3’,4,4’-テトラメトキシ-7,9’-エポキシリグナン、マグノステリンA、コブシノールA、4,7’-ジヒドロキシ-3,3’,4’-トリメトキシ-7,9’-エポキシリグナン、4’,5,9-トリヒドロキシ-3,3’-ジメトキシ-7,9’-エポキシリグナン、ファルゲシフェノールA、リリフロン、モノテルペニルマグノロール、ピペリチルホノキオール、モノテルペニルホノキオール、サウランギアニンI、セサミン;(-)-形態、シリンギノシド、シリンギン 4”-グルコシド、3,3’,4,5’-テトラメトキシ-7,9’:7’,9-ジエポキシリグナン、3’,5’-ジメトキシ-3,4-メチレンジオキシ-7,9’:7’,9-ジエポキシリグナン、Galgravin、2,2’-ジヒドロキシ-3-メトキシ-5,5’-ジ-2-プロペニルビフェニル、3-メトキシマグノロール、5,5’-ジアリル-2,2’-ジヒドロキシ-3-メトキシビフェニル、又はこれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、植物材料又は他の供給源に由来する少なくとも1種類のアルビジア抽出物と、植物材料又は別の供給源に由来する少なくとも1種類のマグノリア抽出物との混合物を含み、
少なくとも1種類の前記アルビジア抽出物は、少なくとも1種類の前記アルビジア抽出物の植物材料又は他の供給源における1種類以上の大環状アルカロイドの量又は活性と比較して、1種類以上の大環状アルカロイドの量又は活性が増えており、
少なくとも1種類の前記マグノリア抽出物は、少なくとも1種類の前記マグノリア抽出物の植物材料又は他の供給源における1種類以上のリグナンの量又は活性と比較して、1種類以上の前記リグナンの量又は活性が増えている、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記植物材料又は他の供給源が、茎、茎皮、幹、幹樹皮、小枝、塊茎、根、根皮、若芽、種子、根茎、花及び他の生殖器官、組織培養物及び幹細胞培養物、葉、その他の空中部分、又はこれらの組み合わせを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、さらに、少なくとも1種類の既知の抗微生物成分を含み、前記成分は、プソラレア・コリリフォリア(Psoralea corylifolia)、クルクミン、オイゲノール、アルピニア・ガルガンガ(Alpinia galganga)、コプチジス(coptidis)、アザジラチタ・インディカ(Azadirachta indica)、プロポリス、チョウジ油、ソフォラ・フラベセンス(Sophora flavescens)、アレカ・カテチュ(Areca catechu)、グリチリザ・グラブラL.(Glycyrrhiza glabra L.)、スーヤ・プリカタ(Thuja plicata)、コルテックス・フェロデンドリ(Cortex phellodendri)、レウム・パラーテ(Rheum palate)、アルピニア・オフィシナラム(Alpinia officinarum)、クルクマ・ロンガ(Curcuma longa)、ブロウソネティア・パピリフェラ(Broussonetia papyriferra)、ビブルナム・コチニフォリウム(Viburnum cotinifolium)、ユーフォルビア・ヒルタ・リン(Euphorbia hirta Linn)、ビテックス・ネグンド(Vitex negundo)、又はこれらの組み合わせの植物粉末又は植物抽出物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物は、さらに、少なくとも1種類の既知の抗微生物成分を含み、前記成分が、プロピオン酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、アルコール、ペノキシエタノール(penoxyethanol)、1,2-ジオールアルコール(1,2 プロパンジオール、1,2 ブタンジオール、1,2 ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール)、1,3-ジオールアルコール(1,3 プロパンジオール、1,3 ブタンジオール、1,3 ペンタンジオール(pentaneidol)、1,3-ヘキサンジオール)、1,5 ペンタンジオール、塩化ベンザルコニウム、パラベン、亜硫酸塩(二酸化硫黄、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウムなど)及び二ナトリウムEDTA及びBHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)及びBHA(ブチル化ヒドロキシル)アニソール)、ホルムアルデヒド(通常は溶液)、グルタルアルデヒド(昆虫を殺す)及びメチルクロロイソチアゾリノンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物は、薬学的又は栄養学的に許容され得る担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含み、医薬製剤又は栄養補助食品製剤が、約0.001重量パーセント(wt%)~約10wt%の抽出混合物の活性成分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
組成物が、錠剤、硬カプセル、軟ゲルカプセル、粉末、顆粒、液体、チンキ剤、小袋、すぐに飲めるショット剤又はロゼンジ錠、化粧クリーム、ゲル、ローション、シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディリンス、ボディローション、ヘアカラー剤、皮膚カラー剤、アイカラー剤、リップバーム、香水、歯磨き、マウスウォッシュ、フルーツジュース、アロエジュース、ヨーグルト、食品、清涼飲料水、飲料、加工された果物、チーズ製品、ワイン、逸品、ピーナッツバター、RTD、プロテインバー又はスナックバーとして処方される、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本米国PCT出願は、所有者が共通し、この全体が本明細書に参照により組み込まれる2015年11月9日に出願された「Natural Preservatives and Antimicrobial Agents」という名称の米国仮特許出願番号第62252987号、及び2016年11月7日に出願された「Natural Preservatives and Antimicrobial Agents,Including Compositions Thereof」という名称の米国実用特許出願第15/345,006号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明主題の分野は、防腐剤、抗微生物剤、又はこれらの組み合わせとして作用することができる組成物及び関連する方法に関する。想定される実施形態は、食品、化粧品、栄養補助食品、口腔衛生製品及び医薬品を防腐するために使用することができる、アルビジア・アマラ(Albizia amara)の種子及びマグノリア・オフィシナリス(Magnolia officinalis)の樹皮から誘導される抽出物から誘導される防腐剤に関する。
【背景技術】
【0003】
防腐剤は、食品、医薬品、化粧品、生体サンプルなどの製品に添加されて、微生物の増殖又は望ましくない化学変化による分解を防ぐ物質である。抗微生物性防腐剤は、細菌による分解を防ぎ、細菌、真菌及び他の微生物の増殖を阻害し、製品の品質を維持し、貯蔵寿命を延ばす。防腐剤は、単独で使用することも可能であり、又は脱水、UV-C照射、凍結乾燥、冷蔵などの防腐のための他の物理的技術と併用することもできる。抗酸化性防腐剤は、食品業界、特に、脂肪含有量が高い食品に一般的に使用されている。一般的な抗酸化剤としては、フェノール誘導体BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)及びBHA(ブチル化ヒドロキシルアニソール)が含まれる。他の防腐剤としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、エタノール及びメチルクロロイソチアゾリノンが挙げられる。
【0004】
化学防腐剤と物理的な防腐が、通常、組み合わせられる。一般的な抗微生物性防腐剤としては、異なる製品を標的としている、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸塩(二酸化硫黄、重亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素カリウム)、安息香酸/安息香酸ナトリウム、ソルビン酸/ソルビン酸ナトリウム、プロピオン酸/プロピオン酸カルシウム/プロピオン酸ナトリウム、EDTA二ナトリウムが挙げられる。多くの合成防腐剤の有効性、安全性及び毒性は、欧州及び一部のアジア諸国でも同様に禁止されてきたパラベン及びその類似物など、顧客からの有害な報告及び懸念のために、学者及び規制機関の間で精査されている。天然防腐剤は、アルカロイド、フラボノイド、芳香族テルペノイド及びサポニンなどの広範な構造的に多様な生物活性化合物による微生物感染のための、より安全で環境に優しい代替物と考えられている。
【0005】
塩、砂糖、酢、茶抽出物、ハーブ精油及び有機酸などの天然物質は、伝統的な防腐剤として十分に受け入れられている。例えば、レモン又は他の柑橘類の果汁に由来するクエン酸及びアスコルビン酸は、果物及びジュース産業において褐色化防止剤及び抗酸化剤として一般に使用されて、食品の品質を改善する。しかし、現行の天然防腐剤は、合成防腐剤、特に抗微生物性防腐剤と比較して、高価であるか、又は有効性があまり高くない場合があり、食品、化粧品及び他の生物製品産業におけるこれらの広範な使用を制限してしまう。製品の貯蔵寿命を延ばし、製品の品質を維持し、加工及び輸送の全工程において多くの態様で恩恵を受けて、製品の安全性を高めるために、効率的で標的が絞られた適切な防腐剤が不可欠である。従って、広範囲の微生物に対して強力な抗微生物活性を有する特殊な天然組成物を発見して利用するという考え方は、実用的であり、魅力的である。
【0006】
従って、代替となる天然防腐剤及び抗微生物剤が必要である。天然防腐剤を開発するために、世界中から集められた薬用植物から生成された10,216種類を超える有機抽出物(OE)及び水性抽出物(AE)の植物ライブラリをスクリーニングするために、ハイスループット抗E.コーライ(E.coli)アッセイを実施した。アルビジア・アマラ(Albizia amara)の種子抽出物が、MIC値が40ug/mLの強力な抗グラム陰性阻害を示す最良のリード物質であると同定された。バイオアッセイで誘導された単離及び同定により、活性要素が、
図1に示されるようなブドムンキアミン(budmunchimaine)C及びその類似体であることを確認した。
【0007】
アルビジアは、大部分がアジア、アフリカ、マダガスカル、アメリカ及びオーストラリアの亜熱帯地域と熱帯地域に分布する、約150種を超える属であるが、大部分が旧世界の熱帯地域に分布している。多くの種は、風邪、下痢、頭痛、腸の病気、胃がん、喉の痛み、及び腹痛のために、インド及び南アフリカ諸国で民間薬として使用されてきた。例えば、A.シンペリアナ(A.schimperiana)の幹樹皮は、細菌及び寄生虫の感染を治療するために固有に使用され、もっと一般的には、熱及び痛みの緩和に固有に使用される。
【0008】
これらの植物の最近の研究は、抗微生物性、抗寄生虫性、抗トリパノソーマ性及び蚊の殺虫活性を示した。これらのアルビジア植物のさらなる調査から、ブドムンキアミンA-I及び他の類似体によって表される固有の種類の大環状アルカロイドの発見につながった(Dixit 1995;Assis 1999;Misra,1995;Ovenden 2002;Samoylenko 2009)。この種の特徴的な大環状アルカロイドは、種々の抗微生物活性、抗寄生虫活性及び抗がん活性を有するアルビジア・アマラ(Albizzia amara)、アルビジア・レベック(Albizzia lebbek)の種子、アルビジア・ガムミフェラ(Albizzia gummifera)、アルビジア・シムペラナ(Albizzia schimperana)、アルビジア・サマン(Albizia saman)/サマネア・サマン(Samanea saman)、アルビジア・シムペリアナ(Albizia schimperiana)、アルビジア・アディノセファラ(Albizia adinocephala)の幹樹皮又は樹皮、アルビジア・イノピナタ(Albizzia inopinata)、サマネア・サマン(Samanea saman)(ピテコロビウム・サマン(Pithecolobium saman)=アルビジア・サマン(Albizzia saman))の葉から報告されている(Samoylenko 2009;Geyid 2005;Thippeswamy 2015;Mar 1991;Pezzutoa 1992)。
【0009】
【0010】
マグノリア・オフィシナリス(Magnolia officinalis)は、中国語では一般的に「ホープ(houpu)」として知られており、非常に広範囲の用途をもつ伝統的な人気のある中国漢方薬の一要素であり、中国に自生するマグノリアの一種であり、主に、四川省と湖北省で栽培されている。ホープ(houpu)は、その厚い樹皮を指し、幹、枝及び根から剥がすことができる。伝統的な適応症は、中風(wind stroke)、傷寒(cold damage)、頭痛、気との戦い(fight qi)及び血流障害を治療することである。マグノリア樹皮は、月経痙攣、腹痛、腹部膨満及びガス発生、吐き気及び消化不良を治療するために使用されてきた。この樹皮は、咳及び喘息の治療に使用される処方の一成分でもある。マグノリア樹皮を含む製剤の多くは、咳や喘息を含む肺疾患、又は腸の感染症や痙攣を治療し、様々な原因による腹部腫脹及び浮腫を緩和する際に使用される。
【0011】
現代の研究から、この植物薬の種々の微生物に対する強力な抗微生物活性及び抗真菌活性が発見され、ビスフェノールリグナンが、抗微生物の有効性を担う主な活性要素であると同定されている。マグノロールとホノキオールは、
図2に示すように、マグノリアの樹皮に見られる2つの主要なポリフェノール化合物であり、抗酸化性、抗炎症性、及び抗腫瘍性などの様々な薬理学的活性及び機能を有することが報告されている(Park 2004)。ホノキオールの抗がん試験は、乳癌、前立腺癌、胃癌及び卵巣癌などの幾つかの異なる固体腫瘍型にも拡張されており、現在の抗がん治療法を強化する可能性がある(Fried 2009)。ホノキオールは、炎症及び酸化ストレスも減らし、神経保護、炎症性疾患の治療薬としての大きな可能性を有するグルコース調節に有益な効果をもたらす。特に、マグノロール及びホノキオールは、グラム陽性菌及びグラム陰性菌、並びにプロピオニバクテリウム種(Propionibacterium sp.)及びS.アウレウス(S.aureus)などの真菌に対し、強力な抗微生物活性を示すことが知られており、このことは、感染耐性が大きな微生物に対して効果的な抗微生物剤としての可能性を示している(Ho 2001;Bang 2000;Kim 2015)。ホノキオールとマグノロールの含有量は、市販のマグノリア樹皮抽出物において、1~99%の範囲で変動し得る。
【0012】
【化2】
図2.マグノロールとホノキオールの化学構造
【0013】
これらの要素の幾つかがなぜ重要であると考えられ得るかについて、内容を与えるのに役立つ多くの参考文献が存在する。US8329095は、マグノリア・オフィシナリス(Magnolia officinalis)の超臨界流体抽出物から得られるチモール、モノラウリン及びマグノロールを含む化粧品製剤のための防腐剤組成物を開示する。US7592025は、表面活性剤と組み合わせてマグノリア樹皮抽出物を含む、口腔ケアのためのビヒクル及び方法を開示する。
【0014】
CN101516364は、ヒドロキシチロソールアルコール及び/又はオレウロペインと、リグスチリドオレウロペインアグリコン、マグノロール及びParkフェノール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、マグノリア樹皮抽出物、カシュー果実抽出物及びグリチリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)群などのさらなる要素の群から選択される少なくとも1種類のさらなる要素とを含む組成物を開示し、想定される実施形態は、医薬組成物としての使用、特に、障害の治療、炎症性薬物の障害の治療又は予防のための使用にも関する。
【0015】
CN1103756は、天然の消毒剤を開示し、この消毒剤は、90~99.7%のオフィシャル・マグノリア(official magnolia)の樹皮の抽出粉末と、残りの成分である中国大黄(Chinese rhubarb)の抽出粉末とを混合することによって構成される。
【0016】
CN100544597は、中国ハーブ医薬品のそれぞれの味の異なる特徴に基づき、原材料としてのマグノリア、クレマチス、フムルス、ルゴサの漢方防腐剤を開示する。
【0017】
CN103416480は、複合オレンジ防腐剤、植物抽出物、食品防腐剤、安定剤及び酸性調節剤複合材料の植物源のための方法を開示している。主な技術的特徴:主な成分は、褐色エマルションとして、防腐剤マグノリア抽出物10~15%、20~30%のチョウジ抽出物、ソルビン酸カリウム10~20%、10~20%プロピルパラベン、2~5%クエン酸、1~5%安定剤の特質を含有している。
【0018】
WO2006069209は、有効な抗微生物性及び抗炎症性の経口組成物を開示し、この組成物は、マグノリア抽出物及びホップ抽出物からの1種類以上の活性化合物を含む活性成分の組み合わせを含む。
【0019】
WO2014131191は、ホノキオール及び/又はマグノロールを含む抗微生物活性物質とカルボン酸とを含む組成物を開示する。これらの使用方法も提供されている。しかし、これらの参考文献のいずれも、当該技術分野における防腐剤、抗微生物剤又はこれらの組み合わせとして作用する組成物の必要性に言及していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第8329095号
【特許文献2】米国特許第7592025号
【特許文献3】中国特許第101516364号
【特許文献4】中国特許第1103756号
【特許文献5】中国特許第100544597号
【特許文献6】中国特許第103416480号
【特許文献7】国際公開第2006069209号
【特許文献8】国際公開第2014131191号
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】Dixit 1995
【非特許文献2】Assis 1999
【非特許文献3】Misra,1995
【非特許文献4】Ovenden 2002
【非特許文献5】Samoylenko 2009
【非特許文献6】Geyid 2005
【非特許文献7】Thippeswamy 2015
【非特許文献8】Mar 1991
【非特許文献9】Pezzutoa 1992
【非特許文献10】Park 2004
【非特許文献11】Fried 2009
【非特許文献12】Ho 2001
【非特許文献13】Bang 2000
【非特許文献14】Kim 2015
【発明の概要】
【0022】
少なくとも1種類のアルビジア抽出物とマグノリア抽出物との混合物を含む組成物が本明細書に開示される。幾つかの実施形態では、この組成物は、1種類以上の大環状アルカロイドを豊富に含む少なくとも1種類のアルビジア抽出物と、1種類以上のリグナンを豊富に含む少なくとも1種類のマグノリア抽出物との混合物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】1mg/mLでの416-145-50のコロニー数
【
図4】500ug/mLでの416-145-50のコロニー数
【
図5】0.5%でのイオン性o/wエマルション系における1940601のコロニー数
【
図6】0.1%でのイオン性o/wエマルション系における1940602のコロニー数
【発明を実施するための形態】
【0024】
簡潔には、本開示及び想定される実施形態は、開示される化合物の立体異性体、薬学的又は栄養学的に許容され得る塩、互変異性体、グリコシド及びプロドラッグを含む、防腐剤及び抗微生物剤として使用可能な化合物及び組成物、並びに関連する方法に関する。想定される実施形態は、食品、化粧品、栄養補助食品、口腔衛生製品及び医薬品を防腐するために使用することができる、アルビジア・アマラ(Albizia amara)の種子及びマグノリア・オフィシナリス(Magnolia officinalis)の樹皮から誘導される抽出物から誘導される防腐剤に関する。
【0025】
想定される化合物及び組成物は、少なくとも1種類の植物抽出物から誘導されるか、又は少なくとも1種類の植物抽出物を含み、植物抽出物は、豊富化されていてもよく、又は豊富化されていなくてもよい。この開発の一部として、想定される化合物及び組成物を試験するために、頻繁に用いられる受け入れ可能なアッセイを利用した。
【0026】
具体的には、植物抽出物の混合物を含む、防腐剤及び抗微生物性組成物のための組成物、化合物及び方法が開示され、植物抽出物は、少なくとも1種類のアルビジア・アマラ(Albizia amara)の種子と、少なくとも1種類のマグノリア・オフィシナリス(Magnolia officinalis)の樹皮とを含む。
【0027】
想定される実施形態は、少なくとも1種類のアルビジア抽出物と少なくとも1種類のマグノリア抽出物との混合物を含む、防腐剤混合物又は組成物を含む。さらに別の想定される実施形態は、1種類以上の大環状アルカロイドを豊富に含む少なくとも1種類のアルビジア抽出物と、1種類以上のリグナンを豊富に含む少なくとも1種類のマグノリア抽出物との混合物を含む、組成物を含む。想定される実施形態では、上述の組成物は、防腐剤、抗微生物剤又はこれらの組み合わせであると考えられる。
【0028】
幾つかの想定される実施形態は、植物材料又は他の供給源に由来する少なくとも1種類のアルビジア抽出物と、植物材料又は別の供給源に由来する少なくとも1種類のマグノリア抽出物との混合物を含み、少なくとも1種類のアルビジア抽出物は、この少なくとも1種類のアルビジア抽出物の植物材料又は別の供給源における1種類以上の大環状アルカロイドの量又は活性と比較して、1種類以上の大環状アルカロイドの量又は活性が増えており、少なくとも1種類のマグノリア抽出物は、この少なくとも1種類のマグノリア抽出物の植物材料又は別の供給源における1種類以上のリグナンの量又は活性と比較して、1種類以上のリグナンの量又は活性が増えている。
【0029】
幾つかの実施形態では、少なくとも1種類のアルビジア抽出物と少なくとも1種類のマグノリア抽出物を、約10:1~1:10の範囲の重量比でブレンドする。他の実施形態では、少なくとも1種類のアルビジア抽出物と少なくとも1種類のマグノリア抽出物を、約1:1の重量比でブレンドする。想定される防腐剤、組成物及び混合物を利用して、食品、化粧品、栄養補助食品及び医薬品を防腐することができる。これらの想定される防腐剤、組成物及び混合物は、全組成物の約0.001重量%~約10重量%の範囲で与えられてもよい。幾つかの実施形態では、その範囲は、全組成物の約0.01重量%~約5重量%である。他の実施形態では、その範囲は、全組成物の約0.1重量%~約1重量%である。
【0030】
これに加え、植物抽出物の混合物を含む、防腐剤及び抗微生物性組成物のための組成物、化合物及び方法が開示され、植物抽出物は、1種類以上の大環状アルカロイドを豊富に含む少なくとも1種類のアルビジア・アマラ(Albizia amara)の種子抽出物と、1種類以上のビフェノールリグナンを豊富に含むマグノリアの樹皮抽出物とを含む。
【0031】
抗微生物活性が高い化合物及び抽出物の固有のブレンドを発見するという概念は、抗生物質の組み合わせの実践から拝借したものである。相乗的な抗生物質の組み合わせの分野は非常に広範であり、幾つかの固定された組み合わせは、薬物耐性を有する感染の治療に対する効果に関して商業的に成功裏に開発された。世界中から集められた薬用植物から生成された10,216種類を超える有機抽出物及び水性抽出物の植物ライブラリのハイスループット抗E.コーライ(E.coli)スクリーニングによって、アルビジア・アマラ(Albizia amara)の種子抽出物が、MIC値が40ug/mLの強力な抗グラム陰性阻害を示す最良のリード物質であると同定された。バイオアッセイで誘導された単離及び同定により、活性要素が、ブドムンキアミン(budmunchimaine)C及びその類似体であることを確認した。
【0032】
アルビジア・アマラ(Albizia amara)の種子抽出物は、抗グラム陽性菌及び抗グラム陰性菌の両方に対して強力な阻害を示したが、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)又はアスペルギルス・ブラシリエンシス(Aspergillus brasiliensis)のいずれかに対し、中程度の抗真菌活性を有していた。USPの<51>章のカテゴリー2防腐剤で必要とされる、グラム陽性、グラム陰性及び真菌に対して有効な組成物を探索するために、主に、抗真菌活性、特に、C.アルビカンス(C.albicans)及びA.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)に対する抗真菌活性を増強することを目的とし、予測されない転帰の向上のために、アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物が、マグノリア樹皮抽出物と共に配合された。
【0033】
驚くべきことに、予想されないことだが、マグノリア樹皮抽出物を添加すると、C.アルビカンス(C.albicans)及びA.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)両方に対する抗真菌活性が顕著に増加し、従って、これら2つの物質の組み合わせの重要性を意味している。これらの2種類の植物材料を組み合わせる利点が決定され、C.アルビカンス(C.albicans)とA.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)の両方に対する予想されない相乗効果が観察され、FCI指数分析に基づく相加的な相互作用を超える有利な効果を有することが観察された。まとめると、これらの2種類の植物を特定の比率にすると、その顕著な抗微生物活性及び効果において示されるように、組成物の新規性を与えると主張されている。
【0034】
アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物をマグノリア樹皮抽出物と1:3~1:1の比率でブレンドしたとき、興味深い相乗作用が発見された。これらの2種類の植物は、想定され、開示される生物活性物質を得るために、以前に特定の比率で組み合わされることがなく、これらの想定される実施形態における固有な組み合わせとして一般的に理解される。
【0035】
組成物1A:1M(ここで、Aはアルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物を表し、Mはマグノリア樹皮抽出物を表す。)の抗微生物活性及び有効性を、USP<51>ガイドラインに従って評価した。組成物1A:1Mは、比率1:1のアルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物とマグノリア樹皮抽出物であり、濃度1mg/mLでP.エルジノーサ(P.aeruginosa)及びA.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)の数を有意に下げ、Log10減少はそれぞれ5.58及び4.1であり、有意には、完全ではなくても、48時間後に、S.アウレウス(S.aureus)、E.コーライ(E.coli)及びC.アルビカンス(C.albicans)をなくし、5種類全ての微生物に対し、7日後、14日後、28日後に、細菌又は真菌の増殖は観察されなかった。実際に、構成成分のいずれも、アルビジア・アマラ(Albizia amara)とマグノリアとを含む想定される化合物又は組成物について示されたものと同等の大きさの強力で広範囲にわたる抗微生物活性を示さなかった。さらに、想定される固有の比率、即ち、約1A:1Mは、E.コーライ(E.coli)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)、S.アウレウス(S.aureus)、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)及びC.アルビカンス(C.albicans)を含む5種類全ての微生物に対する、この組成物の有効性を示した。
【0036】
アルビジアは、以下の少なくとも1種類から単独で、又は互いに組み合わせて誘導され、得られ、又は選択されることが想定される:アルビジア・アマラ(Albizia amara)、アルビジア・シンペリアナ(Albizia schimperiana)、アルビジア・レベック(Albizia lebbek)、アルビジア・ガムミフェラ(Albizia gummifera)、アルビジア・イノピナタ(Albizzia inopinata)、アルビジア・サマン(Albizia saman)(サマネア・サマン(Samanea saman)=ピテコロビウム・サマン(Pithecolobium saman))、アルビジア・アディアンチフォリア(Albizia adianthifolia)、アルビジア・アディノセファラ(Albizia adinocephala)、アルビジア・アンテルミンチカ(Albizia anthelmintica)、アルビジア・アンチュネシアナ(Albizia antunesiana)、アルビジア・シェバリエリ(Albizia chevalieri)、アルビジア・コルニキュラタ(Albizia corniculata)、アルビジア・クラシラメア(Albizia crassiramea)、アルビジア・デュクロウキシ(Albizia duclouxii)、アルビジア・グラブラ(Albizia glabra)、アルビジア・ジュリブリシン(Albizia julibrissin)、アルビジア・カルコラ(Albizia kalkora)、アルビジア・レッベコイデス(Albizia lebbekoides)、アルビジア・ミリオフィラ(Albizia myriophylla)、アルビジア・ニグリカンス(Albizia nigricans)、アルビジア・オドラティッシマ(Albizia odoratissima)、アルビジア・ペテリサナ(Albizia peterisana)、アルビジア・ポイラネイ(Albizia poilanei)、アルビジア・プロセラ(Albizia procera)、アルビジア・タンガニセンシス(Albizia tanganyicensis)、アルビジア・ビアレアナ・ピエール(Albizia vialeana Pierre)、アルビジア・ジジア(Albizia zygia)、アフェランドラ・フスコプンクタタ(Aphelandra fuscopunctata)、エフェドラ種(Ephedra spp.)、ベルバスカム・プソイドノビル(Verbascum pseudonobile)、インカルビレア・シネンシス(Incarvillea sinensis)、バーバスカム・フォエニカム(Verbascum phoenicum)、バーバスカム・ニグラム(Verbascum nigrum)、クレロデンドラム・ブチネリ(Clerodendrum buchneri)、又はアフェランドラ・スクアローサ(Aphelandra squarrosa)。
【0037】
アルビジア・アマラ(Albizia amara)抽出物は、開示される通り、標的化合物又は組成物の一部として利用可能な、想定される要素又は構成成分である。アルビジア・アマラ(Albizia amara)抽出物は、アルビジア・シンペリアナ(Albizia schimperiana)、アルビジア・レベック(Albizia lebbek)、アルビジア・ガムミフェラ(Albizia gummifera)、アルビジア・イノピナタ(Albizzia inopinata)、アルビジア・サマン(Albizia saman)(サマネア・サマン(Samanea saman)=ピテコロビウム・サマン(Pithecolobium saman))、アルビジア・アディアンチフォリア(Albizia adianthifolia)、アルビジア・アディノセファラ(Albizia adinocephala)、アルビジア・アンテルミンチカ(Albizia anthelmintica)、アルビジア・アンチュネシアナ(Albizia antunesiana)、アルビジア・シェバリエリ(Albizia chevalieri)、アルビジア・コルニキュラタ(Albizia corniculata)、アルビジア・クラシラメア(Albizia crassiramea)、アルビジア・デュクロウキシ(Albizia duclouxii)、アルビジア・グラブラ(Albizia glabra)、アルビジア・ジュリブリシン(Albizia julibrissin)、アルビジア・カルコラ(Albizia kalkora)、アルビジア・レッベコイデス(Albizia lebbekoides)、アルビジア・ミリオフィラ(Albizia myriophylla)、アルビジア・ニグリカンス(Albizia nigricans)、アルビジア・オドラティッシマ(Albizia odoratissima)、アルビジア・ペテリサナ(Albizia peterisana)、アルビジア・ポイラネイ(Albizia poilanei)、アルビジア・プロセラ(Albizia procera)、アルビジア・タンガニセンシス(Albizia tanganyicensis)、アルビジア・ビアレアナ・ピエール(Albizia vialeana Pierre)、アルビジア・ジジア(Albizia zygia)、アフェランドラ・フスコプンクタタ(Aphelandra fuscopunctata)、エフェドラ種(Ephedra spp.)、ベルバスカム・プソイドノビル(Verbascum pseudonobile)、インカルビレア・シネンシス(Incarvillea sinensis)、バーバスカム・フォエニカム(Verbascum phoenicum)、バーバスカム・ニグラム(Verbascum nigrum)、クレロデンドラム・ブチネリ(Clerodendrum buchneri)、アフェランドラ・スクアローサ(Aphelandra squarrosa)又はこれらの組み合わせを含む、任意の適切な1つ以上の供給源から得られ、誘導され、又は選択されてもよい。
【0038】
アルビジア・アマラ(Albizia amara)抽出物は、本明細書で想定されるように、1種類以上の大環状アルカロイドを豊富に含んでいてもよい。幾つかの想定される実施形態では、アルビジア抽出物は、約0.01%~99.9%の大環状アルカロイドを含む。アルビジア又はアルビジア・アマラ(Albizia amara)抽出物から単離された、想定されるアルカロイドは、水、メタノール、エタノール、アルコール、水の混合溶媒又はこれらの組み合わせを含む任意の適切な溶媒を用い、又は超臨界流体を用いて抽出される。想定される実施形態では、アルビジア・アマラ(Albizia amara)抽出物は、約0.01%~約99.9%の大環状アルカロイドを含む。アルビジア・アマラ(Albizia amara)抽出物から単離される、想定されるアルカロイドは、ブドムンキアミンA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、ブドムンキアミンL1、L2、L3、L4、L5、L6、13-ノルメチルブドムンキアミンK、9-ノルメチルブドムンキアミンK、1-ノルメチルブドムンキアミンK、6’-ヒドロキシ-9-ノルメチルブドムンキアミンK、6’-ヒドロキシブドムンキアミンK、フェリペアルビジン(Felipealbizine)A、フェリペアルビジンB、6′-ヒドロキシブドムンキアミンC、ピテコロビン、プロトメチン、ベルバメチン、ベルバメトリン、イソベルバメトリン、イソベルバメチン、ベルバメクリン、イソベルバメクリン、ベルバスシン(Verbascine)、ベルバシン(Verbacine)、ベルバシトリン、ベルバロシン、イソベルバシトリン、ベルバロセニン、イソベルバシクリン、N1-(Z)-p-メトキシシンナモイルブクネリン、ブクネリン、ベルバミジン、ベルバセニン、ベルバセニン、イソベルバミジン、シュウェイニン(Schweinine)、プレランドリン、インカシンB’、インカシンB、又はこれらの組み合わせである。
【0039】
マグノリア抽出物は、標的化合物又は組成物の一部として利用することができる、想定される要素又は構成成分である。マグノリア抽出物は、マグノリア・オフィシナリス(Magnolia officinalis)、マグノリア・アキュミネート(Magnolia acuminate)、マグノリア・ビオンジ(Magnolia biondii)、マグノリア・ココ(Magnolia coco)、マグノリア・デニュデート(Magnolia denudate)、マグノリア・ファルゲッシ(Magnolia fargesii)、マグノリア・ガレッティ(Magnolia garrettii)、マグノリア・グランジフローラ(Magnolia grandiflora)、マグノリア・ヘンリ(Magnolia henryi)、マグノリア・リリフローラ(Magnolia liliflora)、マグノリア・カチラチライ(Magnolia kachirachirai)、マグノリア・コブス(Magnolia Kobus)、マグノリア・オボヴァタ(Magnolia obovata)、マグノリア・プラエコシッシマ(Magnolia praecocissima)、マグノリア・プテロカルパ(Magnolia pterocarpa)、マグノリア・ピラミダタ(Magnolia pyramidata)、マグノリア・ロスラーテ(Magnolia rostrate)、マグノリア・サリシフォリア(Magnolia salicifolia)、マグノリア・シエボルディ(Magnolia sieboldii)、マグノリア・ソウランゲアナ(Magnolia soulangeana)、マグノリア・ステラート(Magnolia stellate)、マグノリア・バージニアナ(Magnolia virginiana)、カバノキリグニンの分解産物、アカンサス・エブラクテアタス(Acanthus ebracteatus)、アプトシマム・スピネセンス(Aptosimum spinescens)、アラリア・ビピナータ(Aralia bipinnata)、アラウカリア・アングスチフォリア(Araucaria angustifolia)、アラウカリア・アラウカナ(Araucaria araucana)、アルテミシア・アブシンシウム(Artemisia absinthium)、ハプロフィラム・アクチフォリウム(Haplophyllum acutifolium)、ハプロフィラム・ペルフォラタム(Haplophyllum perforatum)、リリオデンドロン・チューリッピフェラ(Liriodendron tulipifera)、クラメリア・シスチソイデス(Krameria cystisoides)、ペリラ・フルテセンス(Perilla frutescens)、ローソニア・イネルミス・ミリスチカ(Lawsonia inermis Myristica)フレグランス(ナツメグ)、パラクメリア・ユンナネンシス(Parakmeria yunnanensis)(好ましい属名はマグノリア)、ペルセア・ジャポニカ(Persea japonica)、ピパー・フトカドスラ(Piper futokadsura)、ピパー・ワイチ(Piper wightii)、ロリニア・ムコサ(Rollinia mucosa)、サッサフラス・ランダイエンス(Sassafras randaiense)、スクロフラリア・アルビダ-コルチカ(Scrophularia albida-colchica)、ステレラ・チャマエジャスメ(Stellera chamaejasme)、シリンガ・ベルチナ(Syringa velutina)、シジジウム・クミニ(Syzygium cumini)、タラウマ・グロリエンシス(Talauma gloriensis)、ビロラ・エロンゲート(Virola elongate)、アーバノデンドロン・ベルコサム(Urbanodendron verrucosum)、ウィクストロエミア・シコキアナ(Wikstroemia sikokiana)、又はこれらの組み合わせを含む、任意の適切な供給源から得られてもよい。
【0040】
マグノリア抽出物は、本明細書で想定されるように、ジフェノールリグナンを含む、1種類以上のリグナンを豊富に含んでいてもよい。マグノリア抽出物から単離された、想定されるリグナンは、水、メタノール、エタノール、アルコール、水混合溶媒又はこれらの組み合わせを含む任意の適切な溶媒を用い、又は超臨界流体を用いて抽出される。
【0041】
想定される実施形態では、マグノリア抽出物は、約0.01%~約99.9%のジフェノールリグナン、ビフェノールリグナン又はこれらの組み合わせを含む。マグノリア抽出物から単離された、想定されるリグナンは、マグノロール、ホノキオール、ビオンジニンA、2,3-ビス(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-プロペナール、デヌダジオンC、クロバネマグノロール、8-[2-ヒドロキシ-5-(2-プロペニル)フェニル]-6-(2-プロペニル)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン、デヌダノリドC、デヌダノリドD、デヌダノリドB、デヌダノリドA、デヌダチンA、デヌダチンB;(+)-形態,4-ヒドロキシ-6’-メトキシ-3,3’-ビリグナ-7,7’-ジエン-9,9’-ジアール、4’-メトキシマグノジアルデヒド、5,5’-ジ-2-プロペニル-[1,1’-ビフェニル]-2,2’-ジオール、2,2’-ビカビコール、FEMA 4559、5,5’-ジアリル-2,2’-ジヒドロキシビフェニル、ボルニルマグノロール、5,5’-ジアリル-2-(3-メチル-2-ブテニルオキシ)ビフェニル-2’-オール、5,5’-ジアリル-2-(アリルオキシ)ビフェニル-2’-オール、3’,5-ジアリル-2,4’-ジヒドロキシビフェニル、3’,5-ジ-2-プロペニル-2,4’-ビフェニルジオール、5-アリル-3’-(1-プロペニル)ビフェニル-2,4’-ジオール、3’-(1-プロペニル)-5-(2-プロペニル)-2,4’-ビフェニルジオール、3’,5-ジアリル-2-ヒドロキシ-4’-メトキシビフェニル、4’-O-メチルホノキオール、2-ヒドロキシ-4’-メトキシ-3’,5-ジ-2-プロペニルビフェニル、4,4’-ジアリル-2,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、2-[3-ヒドロキシ-4-(2-プロペニル)フェノキシ]-5-(2-プロペニル)フェノール、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-4’,5-ジ-2-プロペニルジフェニルエーテル、4’,5-ジアリル-2-ヒドロキシ-3-メトキシジフェニルエーテル、2-メトキシ-4-(2-プロペニル)-6-[4-(2-プロペニル)フェノキシ]フェノール、ファルゲシン、メチルプルビアチロール、3,4-ジメトキシ-3’,4’-メチレンジオキシ-7,9’:7’,9-ジエポキシリグナン、コブシン、デスメトキシアシャンチン、O-メチルピペリトール、スピネシン、(+)-ファルゲシン、プラニニン、メチルプルビアチロール、パラクメリンA、6-アリル-7-(3,4-ジメトキシフェニル)-2,3-ジメトキシ-8-メチルトリシクロ[4.2.0.0.2,8]オクタ-3-エン-5-オン、マグノサリン、ジピペリチルマグノロール、カチラチロールB、アクミナチン、リカリンD、オイデスホノキオールA、オイデスマグノロール、オイデスミン;(+)-形態、(+)-エピオイデスミン、(-)-エピオイデスミン、カチラチロールA、ユーポマテノイド13、ファルゲシフェノールB、ファルゲシフェノールC、ファルゲソンA、ファルゲソンB、4,5-ジメトキシ-3’,4’-メチレンジオキシ-2,7’-ジオキソ-5,8’-リグナ-3,6,8-トリエン、4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-7-メトキシ-5-メチル-8H-2,5a-メタノ-1-ベンゾオキセピン-8-オン、ガレッチリグナンA、ガレッチリグナンB、テトラヒドロ-4-(3-ヒドロキシ-4,5-ジメトキシフェニル)-1H,3H-フロ[3,4-c]フラン-1-オン、カチラノール、7’,9-ジヒドロキシ-3,3’,4,4’,5-ペンタメトキシ-7,9’-エポキシリグナン、マグノンB、3,3’,4,4’,5,9-ヘキサメトキシ-7,9’-エポキシリグナン-7’-オン、マグノレニンC、3’,4,7,9,9’-ペンタヒドロキシ-3,5’-ジメトキシ-8,4’-オキシネオリグナン、3,3’-ジメトキシ-4,5:4’,5’-ビス(メチレンジオキシ)ピラミダチン、3’-ヒドロキシ-3,4,4’,5,5’-ペンタメトキシピラミダチン、ピラミダチンB、3,3’,4’,5’-テトラメトキシ-4,5-メチレンジオキシピラミダチン、3,3’,4,4’,5,5’-ヘキサメトキシピラミダチン、ピラミダチンC、ピラミダチン、ピラミダチンD、3-ヒドロキシ-3’,4,4’,5,5’-ペンタメトキシピラミダチン、ピラミダチンA、3-ヒドロキシ-3’,4,5-トリメトキシ-4’,5’-メチレンジオキシピラミダチン、ピラミダチンF、ピラミダチンG、ピラミダチンH、ピラミダチンE、5’-ヒドロキシ-3,3’,4,4’,5-ペンタメトキシピラミダチン、マグノシニン、2’,3,4,4’,5,6-ヘキサメトキシ-2,7’-シクロリグナ-7-エン、アカントシドB、エレウテロシドE1、3-ヒドロキシ-3’,4,4’,5,5’-ペンタメトキシ-7,9’:7’,9-ジエポキシリグナン、(+)-エピシリンガレシノール、リリオレシノールA、シンプリコシゲノール、コブシノールB、ファルゲソール、9-O-アセチルファルゲソール、マグノロン、ビオンジニンB、ビオンジニンE、マグノンA、7,9,9’-トリヒドロキシ-3,3’,4-トリメトキシ-8,4’-オキシネオリグナン、エリトロ-形態、トレオ-形態、マグノバチンA、マグノバチンB、オレイフェリンC、3,4:3’,4’-ビス(メチレンジオキシ)-7-リグナノール、7-ヒドロキシ-3,4:3’,4’-ビス(メチレンジオキシ)リグナン、リリフロジオン、デヌダジオンB、デヌダジオンA、リリフロールA、リリフロールB、デヌダトン、3-[2’,6-ジヒドロキシ-5’-(2-プロペニル)[1,1’-ビフェニル-3-イル]]-2-プロペナール、ランダイナール、マグナルデヒドB、マグナルデヒドC、6’-O-メチルマグナルデヒドB、4-デオキシ-6-メトキシマグナルデヒドA、4-メトキシマグナルデヒドB、2’,6-ジヒドロキシ-5’-(2-プロペニル)[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシアルデヒド、5-アリル-5’-ホルミル-2,2’-ジヒドロキシビフェニル、マグナルデヒドE、6-O-メチルマグナルデヒドE、9-ヒドロキシ-3,3’,4,4’,5-ペンタメトキシ-7,9’-エポキシリグナ-7’-エン、9,9’-ジヒドロキシ-3,3’,4,4’,5-ペンタメトキシ-2,7’-シクロリグナ-7-エン、マグノリアニン、マグノリグナンI、マグノリグナンB、マグノリグナンA、マグノリグナンD、マグノリグナンC 6’-グルコシド、マグノリグナンC、マグノリグナンE、マグノリグナンF、マグノリグナンG、マグノリグナンH、2-[4-ヒドロキシ-3-(2-プロペニル)フェニル]-2,5-シクロヘキサジエン-1,4-ジオン、2-(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ベンゾキノン、マグノサリシン;(7RS,7’SR,8RS,8’RS)-形態、マグノステリンB、マグノステリンB;7,9-ジエピマー、5-メトキシ,5-[2-ヒドロキシ-5-(2-プロペニル)フェニル]-2-メチルベンゾフラン、3-ヒドロキシ-3’,4,4’,5-テトラメトキシ-7,9’,7’,9-ジエポキシリグナン、3-デ-O-メチルマグノリン、マグノリン、3-O-デメチルアシャンチン、3’-O-デメチルアシャンチン、3-ヒドロキシ-4,5-ジメトキシ-3’,4’-メチレンジオキシ-7,9’:7’,9-ジエポキシリグナン、5’-ヒドロキシ-4’-O-メチルピペリトール、エピマグノリンA、7’-ヒドロキシ-3,3’,4,4’-テトラメトキシ-7,9’-エポキシリグナン、マグノステリンA、コブシノールA、4,7’-ジヒドロキシ-3,3’,4’-トリメトキシ-7,9’-エポキシリグナン、4’,5,9-トリヒドロキシ-3,3’-ジメトキシ-7,9’-エポキシリグナン、ファルゲシフェノールA、リリフロン、モノテルペニルマグノロール、ピペリチルホノキオール、モノテルペニルホノキオール、サウランギアニンI、セサミン;(-)-形態、シリンギノシド、シリンギン 4”-グルコシド、3,3’,4,5’-テトラメトキシ-7,9’:7’,9-ジエポキシリグナン、3’,5’-ジメトキシ-3,4-メチレンジオキシ-7,9’:7’,9-ジエポキシリグナン、Galgravin、2,2’-ジヒドロキシ-3-メトキシ-5,5’-ジ-2-プロペニルビフェニル、3-メトキシマグノロール、5,5’-ジアリル-2,2’-ジヒドロキシ-3-メトキシビフェニル、又はこれらの任意の組み合わせである。
【0042】
想定される化合物、医薬組成物及び組成物は、少なくとも1種類の抗微生物成分を含んでいてもよく、又は追加的に含んでいてもよく、又はこれらからなっていてもよい。幾つかの実施形態では、少なくとも1種類の抗微生物成分は、プソラレア・コリリフォリア(Psoralea corylifolia)、クルクミン、クルクマ・ロンガ(Curcuma longa)、オイゲノール、アルピニア・ガルガンガ(Alpinia galganga)、コプチジス(coptidis)、アザジラチタ・インディカ(Azadirachta indica)、プロポリス、チョウジ油、ソフォラ・フラベセンス(Sophora flavescens)、アレカ・カテチュ(Areca catechu)、グリチリザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra)、スーヤ・プリカタ(Thuja plicata)、コルテックス・フェロデンドリ(Cortex phellodendri)、レウム・パラーテ(Rheum palate)、アルピニア・オフィシナラム(Alpinia officinarum)、ブロウソネティア・パピリフェラ(Broussonetia papyriferra)、ビブルナム・コチニフォリウム(Viburnum cotinifolium)、ユーフォルビア・ヒルタ・リン(Euphorbia hirta Linn)、ビテックス・ネグンド(Vitex negundo)、又はこれらの組み合わせの植物粉末又は植物抽出物を含んでいてもよく、又はこれらからなっていてもよい。
【0043】
想定される化合物、医薬組成物及び組成物は、少なくとも1種類以上の既知の抗微生物性防腐剤、構成成分又は成分を含んでいてもよく、又は追加的に含んでいてもよく、これらからなっていてもよく、又は本質的にこれらからなっていてもよい。幾つかの実施形態では、少なくとも1種類の抗微生物成分は、プロピオン酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、アルコール、ペノキシエタノール(penoxyethanol)、1,2-ジオールアルコール(1,2 プロパンジオール、1,2 ブタンジオール、1,2 ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール),1,3-ジオールアルコール(1,3 プロパンジオール、1,3 ブタンジオール、1,3 ペンタンジオール(pentaneidol)、1,3-ヘキサンジオール)、1,5 ペンタンジオール、塩化ベンザルコニウム、パラベン、亜硫酸塩(二酸化硫黄、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウムなど)及び二ナトリウムEDTA及びBHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)及びBHA(ブチル化ヒドロキシル)アニソール)、ホルムアルデヒド(通常は溶液)、グルタルアルデヒド(昆虫を殺す)及びメチルクロロイソチアゾリノンを含んでいてもよく、又はこれらからなっていてもよい。
【0044】
本組成物は、薬学的又は栄養学的又は化粧品学的に許容され得る担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含み、医薬製剤又は栄養補助食品製剤が約0.001重量パーセント(wt%)~約10wt%の抽出混合物の活性成分を含む。これらの想定される活性成分は、全組成物の約0.001重量%~約10重量%の範囲で与えられてもよい。幾つかの実施形態では、その範囲は、全組成物の約0.01重量%~約5重量%である。他の実施形態では、その範囲は、全組成物の約0.1重量%~約1重量%である。
【0045】
また、開示された化合物の防腐剤又は抗微生物剤が本明細書において想定される。このような産物は、主に酵素法に起因して、例えば、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化などから得られてもよい。従って、想定される化合物は、想定される化合物又は組成物を、その代謝産物を得るのに十分な期間、哺乳動物に投与することを含む方法によって産生される化合物である。このような産物は、典型的には、ラット、マウス、モルモット、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ウマ、サル又はヒトなどの動物に検出可能な用量で本開示の放射性標識された化合物を投与し、代謝が起こるのに十分な時間放置し、次いで、その変換産物を尿、血液又は他の生体サンプルから単離することによって同定される。
【0046】
本明細書で使用される場合、「安定な化合物」及び「安定な構造」という句は、相互に置き換え可能に使用され、反応混合物から有用な程度の純度までの単離に耐え、配合して有効な治療薬剤とするのに耐えるほど十分に丈夫な化合物を示すために用いられる。
【0047】
本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、ヒト、家畜動物(例えば、実験動物又は家庭用ペット(例えば、ラット、マウス、モルモット、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ、霊長類))、及び非家畜動物(例えば、野生動物など)の両方を含む。
【0048】
本明細書で使用される場合、「任意選択の」又は「任意選択的に」という用語は、相互に置き換え可能に使用されてもよく、その後に記載される要素、構成要素、事象又は状況が発生しても発生しなくてもよいことを意味し、その要素、構成要素、事象又は状況が起こる場合と、その要素、構成要素、事象又は状況が起こらない場合を含む。例えば、「任意選択的に置換されたアリール」は、アリール基が置換されていてもされていなくてもよいことを意味する。言い換えれば、この記載は、置換アリール基及び置換基をもたないアリール基の両方を含む。
【0049】
想定される化合物、医薬組成物及び組成物は、少なくとも1種の薬学的又は栄養学的又は化粧品学的に許容され得る担体、希釈剤又は賦形剤を含むか、追加的に含むか、又はこれらからなっていてもよい。本明細書で使用される場合、「薬学的又は栄養学的又は化粧品学的に許容され得る担体、希釈剤又は賦形剤」という句は、ヒト又は家畜動物に使用するために許容され得るものとして米国食品医薬品局によって承認されている任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、色素/着色剤、風味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定化剤、等張剤、溶媒、又は乳化剤を含む。
【0050】
想定される化合物、医薬組成物及び組成物は、少なくとも1種の薬学的又は栄養学的又は化粧品学的に許容され得る塩を含んでいてもよく、又は追加的に含んでいてもよく、又はこれらからなっていてもよい。本明細書で使用される場合、「薬学的又は栄養学的又は化粧品学的に許容され得る塩」という句は、酸付加塩及び塩基付加塩の両方を含む。
【0051】
本明細書で使用される場合、「薬学的又は栄養学的又は化粧品学的に許容され得る酸付加塩」という句は、遊離塩基の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的に、又はその他の点で望ましくないものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、及び酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、カンファー酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などの有機酸を用いて作られる塩を指す。
【0052】
本明細書で使用される場合、「薬学的又は栄養学的又は化粧品学的に許容され得る塩基付加塩」という句は、遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的に、又はその他の点で望ましくないものではない塩を指す。これらの塩は、遊離酸に無機塩基又は有機塩基を添加することによって調製される。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などが含まれる。特定の実施形態では、無機塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩又はマグネシウム塩である。有機塩基から誘導される塩には、一級、二級及び三級のアミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂の塩などが含まれる。特に有用な有機塩基としては、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン又はカフェインが挙げられる。
【0053】
多くの場合、結晶化によって、想定される化合物の溶媒和物を生成するか、又は想定される化合物の溶媒和物を含む。本明細書で使用される場合、「溶媒和物」という用語は、想定される化合物、医薬組成物又は組成物の1つ以上の分子と、溶媒の1つ以上の分子とを含む凝集物を指す。溶媒は水であってもよく、この場合、溶媒和物は水和物であってもよい。あるいは、溶媒は有機溶媒であってもよい。従って、想定される化合物、医薬組成物又は組成物は、一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物など、及び対応する溶媒和形態を含む水和物として存在してもよい。想定される化合物、医薬組成物又は組成物は、真の溶媒和物であってもよいが、他の場合において、想定される化合物、医薬組成物又は組成物は、単に偶発的に水を保持していてもよく、又は水と幾つかの偶発的に付加する溶媒の混合物であってもよい。
【0054】
防腐剤又は抗微生物剤とは、食品、化粧品、栄養補助食品、口腔衛生製品及び医薬品における抗微生物活性の送達のための分野で一般的に受け入れられている、想定される化合物、組成物又は医薬組成物及び媒体の製剤を指す。例えば、想定される防腐剤化合物又は防腐剤組成物は、独立した組成物として、又は処方薬、店頭(OTC)薬、植物薬、ハーブ医薬品、ホメオパシー薬、又は政府機関によって審査され、承認された任意の他の形態のヘルスケア製品の一要素として配合されるか、又は使用されてもよい。例示的な想定される防腐剤組成物は、独立した組成物として、又は食品、新規食品、機能性食品、飲料、バー、食品フレーバー、食品添加物、医療食品、栄養補助サプリメント又はハーブ製品における栄養要素又は生理活性要素として配合されるか、又は使用されてもよい。当該技術分野で一般的に受け入れられている媒体には、薬学的又は栄養学的に許容され得る担体、希釈剤又は賦形剤の全てが含まれる。
【0055】
幾つかの実施形態では、想定される組成物は、錠剤、硬カプセル、軟ゲルカプセル、粉末、顆粒、液体、チンキ剤、小袋、すぐに飲めるショット剤又はロゼンジ錠、化粧クリーム、ゲル、ローション、シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディリンス、ボディローション、ヘア(hire)カラー剤、皮膚カラー剤、アイカラー剤、リップバーム、香水、歯磨き、マウスウォッシュ、フルーツジュース、アロエジュース、ヨーグルト、食品、清涼飲料水、飲料、加工された果物、チーズ製品、ワイン、逸品、ピーナッツバター、RTD、プロテインバー又はスナックバーとして処方される。
【0056】
本明細書中で使用される場合、「~を豊富に含む」という句は、抽出又は他の調製の前に植物材料又は他の供給源の重量中に見出される1種類以上の活性化合物の量又は活性と比較して、1種類以上の活性化合物の量又は活性が少なくとも約2倍から最大約1000倍大きな植物抽出物又は他の調製物を指す。特定の実施形態では、抽出又は他の調製の前の植物材料又は他の供給源の重量は、乾燥重量、湿った状態での重量、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0057】
本明細書で使用される場合、「主要活性成分」又は「主要活性要素」は、少なくとも1つの生物活性を可能にする、植物抽出物又は他の調製物中に見出されるか、又は植物抽出物又は他の調製物中に豊富に含まれる1種類以上の活性な想定される化合物を指す。特定の実施形態では、豊富に含む抽出物の主要活性成分は、その抽出物中に豊富に含まれた1種類以上の活性化合物であろう。一般に、1種類以上の主要活性成分は、他の抽出要素と比較して、1つ以上の測定可能な生物活性又は生物学的効果の大部分(即ち、50%を超える)を直接的又は間接的に与えるだろう。特定の実施形態では、主要活性成分は、抽出物の中で重量パーセントでは少量成分である(例えば、抽出物に含まれる構成要素の約50%、25%、20%、15%、10%、5%、又は1%より少ない)が、それでも望ましい生物活性のほとんどを与えるものであってもよい。主要活性成分を含有する任意の想定される組成物は、豊富に含まれる組成物の医薬的又は栄養学的な活性に寄与してもよく、又は寄与しなくてもよいが、主要活性要素のレベルには寄与しない少量の活性要素も含有していてもよく、主要活性成分が存在しない状態では、少量の活性要素は単独では有効ではなくてもよい。
【0058】
本明細書で使用される場合、「有効量」又は「治療上有効量」という句は、食品、化粧品、栄養補助食品、口腔衛生製品及び医薬品に使用される場合に、細菌の分解を防ぎ、細菌、真菌及び他の微生物の成長を阻害するのに十分な、想定される化合物、医薬組成物又は組成物の量を指す。
【0059】
本明細書で使用される化学命名プロトコル及び任意の構造図は、ACD/Name Version 9.07ソフトウェアプログラム又はChemDraw Ultra Version 11.0ソフトウェア命名プログラム(CambridgeSoft)を使用する、I.U.P.A.C.命名システムの改変された形態であり、本開示の化合物は、中心のコア構造(例えば、イミダゾピリジン構造)の誘導体として本明細書で命名される。本明細書において利用される複雑な化学名の場合、置換基は、それが結合する基の前に命名される。例えば、シクロプロピルエチルは、シクロプロピル置換基を有するエチル骨格を含む。
【0060】
想定される防腐剤組成物は、固体又は液体の形態であってもよい。一態様では、担体は粒子状であるため、組成物は例えば錠剤又は粉末の形態である。担体は、液体であってもよく、組成物は、例えば吸入投与に有用な経口シロップ、注射液又はエアロゾルである。
【0061】
経口投与を意図する場合、医薬組成物又は栄養補助食品組成物は、固体形態又は液体形態のいずれかであり、半固体、半液体、懸濁物及びゲルの形態は、固体又は液体のいずれかと本明細書で考えられる形態の中に含まれる。
【0062】
経口投与のための固体組成物として、防腐剤組成物は、粉末、顆粒、圧縮錠剤、丸剤、カプセル、チューインガム、ウェーハ、バーなどの形態に製剤化することができる。このような固体組成物は、典型的には、1種類以上の不活性希釈剤又は食用担体を含む。これに加え、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、シクロデキストリン、微結晶性セルロース、トラガカントガム又はゼラチンなどの結合剤;デンプン、ラクトース又はデキストリンなどの賦形剤、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、Primojel(R)、コーンスターチなどのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム又はSterotex(R)のような滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素のような流動促進剤;スクロース又はサッカリンのような甘味剤;ペパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジフレーバーのような香味剤;着色剤のうち、1つ以上が存在していてもよい。
【0063】
想定される防腐剤組成物は、カプセル、例えばゼラチンカプセルの形態であってもよく、上述の種類の材料に加えて、ポリエチレングリコール又は油のような液体担体を含有していてもよい。
【0064】
想定される防腐剤組成物は、液体、例えば、エリキシル、シロップ、ゲル、溶液、エマルション又は懸濁物の形態であってもよい。液体は、2つの例として、経口投与又は注射による送達のためのものであってもよい。経口投与が想定される場合、有用な組成物は、本発明の化合物に加えて、甘味料、防腐剤、色素/着色料及び風味増強剤の1つ以上を含有する。注射によって投与されることが意図された組成物において、界面活性剤、防腐剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、バッファー、安定化剤及び等張剤の1つ以上が含まれてもよい。
【0065】
想定される液体防腐剤組成物は、これらが溶液、懸濁物又は他の同様の形態であるかどうかにかかわらず、以下のアジュバントの1つ以上を含んでいてもよい。滅菌希釈剤、例えば、注射用水、食塩水溶液、例えば、生理食塩水、リンガー溶液、等張性塩化ナトリウム、不揮発性油、例えば、溶媒又は懸濁媒体として役立ち得る合成モノグリセリド又はジグリセリド、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の溶媒;ベンジルアルコール又はメチルパラベンのような抗微生物剤;アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウムのような酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩のようなバッファー、及び塩化ナトリウム又はデキストロースのような張度調整剤。非経口製剤は、ガラス製又はプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器又は複数回投与バイアルに封入することができる。生理食塩水は、一般に有用なアジュバントである。注射用医薬組成物又は栄養補助食品組成物は、無菌である。
【0066】
非経口投与又は経口投与のいずれかを目的とする、想定される液体防腐剤組成物は、適切な投与量が得られるような量の想定される化合物、医薬組成物又は組成物を含有すべきである。
【0067】
想定される防腐剤組成物は、局所投与を意図していてもよく、その場合、担体は、溶液、エマルション、クリーム、ローション、軟膏又はゲル基剤を適切に含んでいてもよい。基剤は、例えば、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、ミツロウ、鉱油、水及びアルコールのような希釈剤、乳化剤及び安定剤のうちの1種類以上を含んでいてもよい。増粘剤は、局所投与のための医薬組成物又は栄養補助食品組成物中に存在していてもよい。経皮投与が想定される場合、組成物は、経皮パッチ又はイオントフォレシス装置を含んでいてもよい。
【0068】
想定される防腐剤組成物は、直腸内で融解し薬物を放出する、例えば坐剤の形態の直腸投与を意図していてもよい。直腸投与のための組成物は、適切な非刺激性賦形剤として油性基剤を含有してもよい。このような基剤としては、ラノリン、ココアバター及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0069】
想定される防腐剤組成物は、固体又は液体の投薬単位の物理的形態を改変する様々な材料を含んでいてもよい。例えば、組成物は、活性成分の周囲にコーティングシェルを形成する材料を含んでいてもよい。コーティングシェルを形成する材料は、典型的には不活性であり、例えば、糖、シェラック及び他の腸溶性コーティング剤から選択することができる。あるいは、活性成分をゼラチンカプセルに入れてもよい。
【0070】
想定される固体又は液体の形態の防腐剤組成物は、想定される化合物に結合し、それによって化合物の送達を助ける薬剤を含んでいてもよい。この能力において作用し得る適切な薬剤には、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体、タンパク質又はリポソームが含まれる。
【0071】
想定される固体又は液体の形態の防腐剤組成物は、例えばバイオアベイラビリティを改善するために粒径を小さくすることを含んでいてもよい。賦形剤の有無にかかわらず、組成物中の粉末、顆粒、粒子、微小球などの大きさは、大きさとバルク密度を改善するために、マクロ(例えば目に見える、又は少なくとも100μmの大きさ)、マイクロ(例えば、約100μmから約100nmの範囲の大きさであってもよい。)、ナノ(例えば、100nm以下の大きさであってもよい。)であってもよく、これらの間の任意の大きさ又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0072】
想定される防腐剤組成物は、防腐技術において周知の方法論によって調製されてもよい。例えば、注射によって投与されることが想定される防腐剤組成物は、想定される化合物と滅菌蒸留水とを、溶液を生成するように組み合わせることによって調製することができる。均質な溶液又は懸濁物の生成を容易にするために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は、水性送達系における化合物の溶解又は均一な懸濁を促進するために、想定される化合物と非共有結合的に相互作用する化合物である。
【0073】
想定される化合物、組成物及び医薬組成物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容され得る塩は、治療上有効量で投与され、この治療上有効量は、使用される特定の化合物の活性;化合物の代謝安定性及び作用の長さ;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別及び食事;投与の様式及び時間;排泄率;薬物の組み合わせ;特定の障害又は状態の重篤度;並びに治療を受ける被験体を含む様々な因子に依存して変わるであろう。
【0074】
想定される化合物、組成物及び医薬組成物、又はこれらの薬学的又は栄養学的に許容され得る誘導体はまた、1種類以上の他の治療薬の投与と同時、投与前又は投与後に投与されてもよい。このような併用療法は、想定される化合物及び1種類以上のさらなる活性薬剤を含む単一の医薬製剤又は栄養補助食品の投与製剤を投与すること、並びに想定される化合物及びそれぞれの活性薬剤をそれぞれ別個の医薬製剤又は栄養補助食品の投与製剤で投与することを含む。例えば、想定される化合物及び別の活性薬剤は、錠剤又はカプセルのような単一の経口投与組成物中で一緒に患者に投与することができ、又は各薬剤を別々の経口投与製剤で投与することができる。別個の投与製剤が使用される場合、想定される化合物及び1種類以上のさらなる活性薬剤は、本質的に同じ時期に、即ち同時に、又は別々に時間差で、即ち逐次的に投与されてもよい。併用療法は、これら全ての投与計画を含むと理解される。
【0075】
本明細書では、示された式の置換基又は変数の組み合わせは、このような寄与が安定な化合物をもたらす場合にのみ許容され得ることが理解される。
【0076】
本明細書に記載の方法において、中間体化合物の官能基を適切な保護基で保護する必要があり得ることも、当業者には理解されるであろう。このような官能基には、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト及びカルボン酸が含まれる。ヒドロキシに適した保護基には、トリアルキルシリル又はジアリールアルキルシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル又はトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどが含まれる。アミノ、アミジノ及びグアニジノに適した保護基には、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが含まれる。メルカプトに適した保護基には、C(O)R”(R”は、アルキル、アリール又はアリールアルキルである。)、p-メトキシベンジル、トリチルなどが含まれる。カルボン酸に適した保護基には、アルキル、アリール又はアリールアルキルエステルが含まれる。保護基は、当業者に知られており、本明細書に記載の標準的な技術に従って付加又は除去することができる。保護基の使用は、Green,T.W.及びP.G.M.Wutz、Protective Groups in Organic Synthesis(1999)、第3版、Wileyに詳細に記載されており、この全体が参照により本明細書に組み込まれる。当業者には理解されるように、保護基は、Wang樹脂、Rink樹脂又は2-クロロトリチル-クロリド樹脂などのポリマー樹脂であってもよい。
【0077】
想定される化合物のこのような保護された誘導体は、それ自体が薬理活性を有していなくてもよいが、哺乳動物に投与され、その後に体内で代謝されて、薬理学的に活性な化合物を形成してもよいことも当業者には理解されるであろう。従って、このような誘導体は、「プロドラッグ」と記載されてもよい。想定される化合物の全てのプロドラッグは、本開示の範囲内に含まれる。
【0078】
さらに、遊離塩基又は遊離酸の形態で存在する想定される化合物は、当業者に知られている方法によって適切な無機又は有機の塩基又は酸で処理することによって、その薬学的又は栄養学的に許容され得る塩に変換することができる。想定される化合物の塩は、標準的な技術によってその遊離塩基又は酸の形態に変換することができる。
【0079】
幾つかの実施形態では、想定される化合物、組成物及び/又は医薬組成物は、植物源、例えば実施例及び本出願全体のその他の箇所に含まれる植物から単離することができる。想定される抽出物及び化合物を単離するのに適した植物の部位としては、葉、樹皮、幹、幹樹皮、茎、茎樹皮、小枝、塊茎、根、根皮、樹皮表面(例えば、周皮又はポリダームであり、コルク組織、コルク形成層、コルク皮層、又はこれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。)、若芽、地下茎、種子、果実、雄しべ、雌しべ、がく、雄ずい、花弁、がく片、心皮(雌ずい)、花、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。想定される植物抽出物は、茎、茎皮、幹、幹樹皮、小枝、塊茎、根、根皮、若芽、種子、根茎、花及び他の生殖器官、組織培養物及び幹細胞培養物、葉、他の空中部分又はこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの植物の部位から誘導される。関連する幾つかの実施形態では、想定される化合物は、植物源から単離され、列挙された置換基のいずれかを含むように合成的に修飾される。これに関して、植物から単離された想定される化合物の合成的な修飾は、当該分野で公知であり、十分に当業者の知識の範囲内にある任意の数の技術を用いて達成することができる。
【実施例0080】
[実施例1]
有機抽出物の調製
乾燥した粉砕植物材料(20g)を2本の100mLステンレス鋼管に入れ、ASE300自動抽出機を用い、80℃、及び圧力1500psiで、有機溶媒混合物(比率1:1の塩化メチレン/メタノール)を用いて2回抽出した。抽出溶液を自動的に濾過し、回収する。有機抽出溶液をロータリーエバポレーターで蒸発させて、粗有機抽出物(OE)を得る。上述のステンレス鋼管に新鮮な溶媒を流し、乾燥するまで窒素ガスをパージした後、50℃で水性抽出に切り替えた。水溶液を濾過して、凍結乾燥し、水性抽出物(AE)を得た。
【0081】
[実施例2]
エシェリキア・コーライ(Escherichia coli)に対する抗微生物活性のためのハイスループットスクリーニング
96ウェルマイクロタイタープレート中、ハイスループットスクリーニングを用い、10,216のOE及びAEを含む植物ライブラリを、E・コーライ(E.coli)に対する抗微生物活性についてスクリーニングした。微生物培養物E・コーライ(E.coli)KCTC2571(=ATCC8739)を試験微生物として使用した。LBブロスをウェル中の希釈剤又は培地として使用した。細菌の培養物を37℃で24時間インキュベートした。上述の植物ライブラリサンプルを250μg/mLの濃度で各サンプルについて2個ずつスクリーニングした。180ulのE・コーライ(E.Coli)培養物を、3×105CFU/mLの播種サイズで各ウェルに添加し、20ulの試験サンプルと混合した。未処理の200ulの細菌培養物を、ブランクとして200ulのLB培地を含むコントロールとして使用した。細菌の培養物を37℃で24時間インキュベートし、ODを各サンプルについて600nmで測定した。阻害率は以下の式に基づいて算出した。ブドウ種子抽出物をポジティブコントロールとして用いた。予備試験結果は、250ug/mLで80%を超える阻害率を有する82種類の抽出物を示し、これをさらに50ug/mLで試験した。11種類の植物抽出物は、50ug/mLの濃度で80%以上の阻害率を示した。連続希釈を用いた同じ方法を用い、これらの11ヒットについて、MIC99値を決定した。MIC99値に基づき、上述の植物のヒットを、さらなる発達のために選択した。アルビジア・アマラ(Albizia amara)の種子は、MIC99値が12.5ug/mLの強力な抗E.コーライ(E.coli)活性を有し、このスクリーニングから選択された最良のヒットであった。
【0082】
【0083】
[実施例3]
アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子からの有機抽出物の調製
乾燥したアルビジア・アマラ(Albizia amara)種子粉末を合計100g、5本の100mLステンレス鋼管に入れ、ASE350自動抽出器を用い、80℃、圧力1500psiで、メタノールを用いて2回抽出した。抽出溶液を自動的に濾過し、回収する。有機抽出溶液をロータリーエバポレーターで蒸発させて、粗有機抽出物(OE)を得た(25.1g、25.1%)。
【0084】
同じ手順を用いて同様の結果を得たが、有機溶媒をメタノール又はエタノールで置換して、メタノール抽出物(ME)又はエタノール抽出物(EE)、メタノール:H2O(7:3)抽出物、メタノール:H2O(1:1)抽出物、メタノール:H2O(3:7)、エタノール:H2O(7:3)抽出物、エタノール:H2O(1:1)抽出物、エタノール:H2O(3:7)抽出物及び水抽出物をそれぞれ得た。
【0085】
【0086】
[実施例4]
アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物からの活性化合物の分画、精製、同定及び定量
バイオアッセイに基づく単離によって、活性な大環状アルカロイドであるブドムンキアミンCを単離し、同定した。2gのアルビジア種子のメタノール抽出物を、C18パックドオープンカラムに入れ、MeOHと0.05%トリフルオロ酢酸水溶液の混合物の溶媒系で、55%MeOHから75%MeOHの範囲で溶出させた。9個の画分を回収した。活性画分40mgを水4mLに溶解した。次いで、上述のサンプルに酢酸エチル8mLを添加した。遠心分離処理後、下層を回収し、この手順を3回繰り返した。次いで、サンプルを、pH値11の水酸化アンモニア水4mLに溶解し、酢酸エチル8mLで3回洗浄して、ブドムンキアミンC(23.5mg)を得る。メタノール又はエタノールの抽出物が、最終的な抽出において最も高いアルカロイド含有量を示したため、抽出のための最後の溶媒としてメタノール/エタノールを選択した。
【0087】
異なる溶媒系による抽出における抽出物中のブドムンキアミンC含有量は、RP-C18カラム(Phenomenex、4.6x250mm、5μm)を用いたHPLC法によって、メタノール及び0.5%TFA水溶液による流速1mL/分での勾配溶出を用い、UV検出器によって210nmで、又はELSD検出器で検出し、分析することができた。社内で単離し、同定した標準化合物との比較に基づき、ブドムンキアミンCピークを同定した。メタノール抽出物(RN368-29-01)は、水、50%メタノール/H2O抽出物と比較して、最も高いブドムンキアミンC含有量を有しており、最良の抗E.コーライ(E.coli)活性を示し、MIC値が40ug/mLであった。この結果は、この植物の抗グラム陰性菌活性を担う活性要素としてのブドムンキアミンC及びその類似体の発見及び同定と一致している。異なる種、部位から得て、異なる場所及び季節から集めた植物抽出物中のブドムンキアミン含有量は、0~6%の範囲で変動し得る。アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子のメタノール抽出物は、ブドムンキアミン型アルカロイドの良好な供給源として同定された。
【0088】
【0089】
[実施例5]
異なるアルビジア種の抗微生物活性
良好な抗グラム陰性菌活性を有するアルビジア材料を探求するために、異なる種及び異なる部位のアルビジア植物を、多様な地理的位置を有する中国、インド、パナマ、ガーナ及びジンバブエを含む数カ国から回収した。実施例2に示すプロトコルに従って、それぞれのアルビジア材料の抽出物について、抗E.コーライ(E.coli)活性を評価し、MIC値を決定した。抗微生物活性の結果を表3に示す。
【0090】
【0091】
[実施例6]
アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物及びブドムンキアミンCの抗微生物活性
アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物及び活性マーカー化合物ブドムンキアミンCについて、細菌S.アウレウス(S.aureus)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)、E.コーライ(E.coli)、真菌A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)及びC.アルビカンス(C.albicans)に対する最小発育阻止濃度を決定した。最小発育阻止濃度法(MIC)は、液体中での微生物の増殖を阻害し得る抗微生物剤の最小レベルを測定するために、一般的な微生物プロトコルに従って実施される。試験微生物を、細菌のための液体培地中、又は真菌のための寒天上で調製する。試験微生物の懸濁液は、適切なブロス溶液、通常はMueller-Hintonブロス中で希釈することによって標準化される。試験物質は、96ウェルマイクロタイタープレート又は小型試験管中で、Mueller-Hintonブロス又は他の適切な培地によって数回の連続的な1:1希釈を行うことによって調製される。希釈した試験物質を含有する全てのウェル又は試験管に、個々に試験微生物を接種し、全ての試験容器中で生成物をさらに1回、最終的に希釈する。マイクロタイタープレート又は試験管を18~24時間インキュベートする。インキュベート時間の後、濁り(試験微生物の増殖の指標)が観察されないウェル中の試験物質の最小濃度である最小濃度(MIC)と、最小殺菌濃度(MBC)とを決定するために観察を行う。
【0092】
スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(ATCC 6538)、エシェリキア・コーライ(Escherichia coli)(ATCC 8739)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)(ATCC 9027)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(ATCC 10231)、アスペルギルス・ブラシリエンシス(Aspergillus brasiliensis)(ATCC 16404)を含むカテゴリー2に必要な5種類の微生物に対し、アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物RN368-31-MIX及びブドムンキアミンCを試験した。アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物及びブドムンキアミンCは、両方とも、強力な抗E.コーライ(E.Coli)活性を示し、MIC値は種子抽出物では62.5ug/mL、ブドムンキアミンCでは31.25ug/mLであった。この種子抽出物及びブドムンキアミンCについて、比較的弱い抗真菌活性が観察された。6種類の他の微生物に対し、ブドムンキアミンCをさらに試験し、MIC及びMBC両方の結果を表5に示す。ブドムンキアミンCは、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)に対し、MICが0.97ug/mLより小さく、最も強力な有効性を示した。トリコフィトン・メンタグロファイテス(Trichophyton mentagrophytes)、トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、及びスタフィロコッカス・エピデルミス(Staphylococcus epidermis)に対しても、有意な有効性を示した。
【0093】
【0094】
【0095】
[実施例7]
マグノリア幹樹皮抽出物の分析のための分析方法
マグノリア幹樹皮抽出物を、活性マーカー化合物であるホノキオール及びマグノロールの定量によって、RP-HPLC法により分析した。抽出物をメタノール溶液として調製し、約10分間超音波処理した。フラスコを室温及びQSまで冷却し、抽出方法を実施した。十分に混合し、0.45umのナイロンシリンジフィルターを通して濾過し、20μlの溶液を注入し、分析した。マグノリア幹樹皮抽出物中のマグノロール及びホノキオールの含有量を、C18カラムを備えるAgilent HPLC/PDAシステム(Phenomenex、USA)で、RP-HPLC方法によって定量した。マグノロール及びホノキオールを検出するために、精製水とアセトニトリルの二相溶媒系を用い、77%アセトニトリル水溶液の定組成溶離を18分間、流速1mL/分、カラム温度35℃、波長290nmを用いた。マグノリア幹樹皮抽出物(FP072312-01)のホノキオール及びマグノロールの含有量は、それぞれ51.2%及び47.2%であり、抽出物中の総含有量は98.4%であった。
【0096】
マグノリア樹皮中のホノキオール及びマグノロールの天然の含有量は、それぞれ2~11%及び0.3~4.6%の範囲であると報告された。市販のマグノリア樹皮抽出物中のホノキオール及びマグノロールの総含有量は、豊富化することができ、1~99%の範囲に調整することができた。
【0097】
[実施例8]
マグノリア幹樹皮抽出物の抗微生物活性
中国語でのホープ(houpu)という一般的な名称を有するマグノリア樹皮は、非常に広範囲の用途をもつ伝統的な人気のあるハーブ医薬品の1つである。マグノリア樹皮を含む製剤の多くは、咳や喘息を含む肺疾患、腸の感染症や痙攣を治療し、様々な原因による腹部腫脹及び浮腫を緩和する際に使用される。精油は、2つの主要なマーカー化合物であるホノキオール及びマグノロールを含む活性な構成成分として同定された。現代の研究では、マグノリア幹樹皮抽出物が強力な抗微生物活性を示すことが示されている。細菌スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、エシェリキア・コーライ(Escherichia coli)、真菌株ミクロスポルム・カニス(Microsporum canis)、トリコフィトン・メンタグロファイテス(Trichophyton mentagrophytes)、トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)、C.アルビカンス(C.albicans)を含む7種類の微生物を選択して、抗微生物活性と、抗微生物剤としてのマグノリアの使用の可能性について試験した。MIC及びMBCは、実施例6に記載されているように標準プロトコルに従って決定され、活性結果は表6にある。マグノリア幹樹皮抽出物は、抗微生物活性を除き、強力な抗真菌活性も示し、C.アルビカンス(C.albicans)に対するMIC値は80ug/mLであった。
【0098】
【0099】
[実施例9]
アルビジア種子抽出物とマグノリア樹皮抽出物との混合物の抗真菌活性
USPの<51>章のカテゴリー2防腐剤で必要とされる5種類全ての微生物に対して有効な組成物を見つけるために、主に、抗真菌活性、特に、C.アルビカンス(C.albicans)及びA.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)に対する抗真菌活性を増強することを目的とし、予測されない転帰の向上を探索するために、アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物が、マグノリア樹皮抽出物と共にブレンドされた。
【0100】
これらの2種類の材料は、メタノールに溶解したサンプルを所望の量で混合することによって異なる比率で配合され、次いで減圧下で乾燥させて、混合物が得られた。製造により、アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物及びマグノリア樹皮抽出物を所望な比率で直接的に混合して、組み合わせ組成物を調製することができた。
【0101】
組成物1A:1M及び1A:3M(ここで、Aはアルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物を表し、Mはマグノリア樹皮抽出物を表す。)は、C.アルビカンス(C.albicans)に対し、MICが30ug/mLで同様の阻害を与え、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)に対し、MICが130ug/mLで比較的弱い活性を与えた。第3の成分プソラレア・コリリフォリア(Psoralea corylifolia)種子抽出物(P)を1A:6M組成物に比率3Pで加えたが、この3成分製剤(1A:6M:3P)は、2成分組成物と比較して、優れた活性を示さなかった。事実を踏まえると、アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物及びマグノリア樹皮抽出物の比率1:1の組成物(416-145-50)が、C.アルビカンス(C.albicans)及びA.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)の両方に対して最良のMICをもたらした。この組成物を、リード組成物であると考え、<USP51>章に従う抗微生物有効性試験でさらに評価するために選択し、実施例12に詳細を示す。
【0102】
【0103】
[実施例10]
アルビジア種子抽出物とマグノリア樹皮抽出物の混合物の組成についての相乗効果の評価
in vitroでの抗真菌剤の組み合わせは、一般的に、併用発育阻止濃度(FIC)指数に基づいて評価され、この指数は、試験されるそれぞれの物質のFICの合計を表す。FICは、それぞれの物質について(組み合わせ中の薬物AのMIC/薬物AのみのMIC)であると定義される。FIC指数式は、薬物が自身と相互作用することができず、従って、自身との薬物の組み合わせの効果は、常に相加的であり、FIC指数は1であるという仮説に基づいている。FIC指数が1より小さいか、又は高いことは、組み合わせた2種類の薬物間の相互作用という観点で、相乗効果を示すか、又は拮抗効果を示す。2倍の薬物希釈スキームを考慮すると、0.5~4の範囲のFIC指数は、薬物の組み合わせについて相加的又は無関係のいずれの相互作用もないと考えられた。相乗効果を定義するために0.5以下のカットオフが示唆され、一方、4以上のカットオフは、拮抗作用と解釈された(Farrar 1973;Huang 2013;Odds、2003;Pankey、2005)。
【0104】
併用発育阻止濃度(FIC)は、以下の式を用いて計算された。薬物AのFIC(FIC A)=組み合わせ中の薬物AのMIC/薬物AのみのMIC、薬物BのFIC(FIC B)=組み合わせ中の薬物BのMIC/薬物BのみのMIC。FIC指数(FICI)を、各FICの合計(ΣFIC)として計算した。この組み合わせ試験のFIC指数を、表8に示すように計算した。C.アルビカンス(C.albicans)に対する1A:1M及び1A:3Mの指数の計算値は、0.187及び0.292であった。A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)について、同様の計算から、1A:1M及び1A:3MのFIC指数はそれぞれ0.293及び0.309になる。1A:1Mの組み合わせについて、0.187及び0.282のFIC指数は、相加効果ではなく相乗効果であるという大きな確実性を示した。1A:3Mの組み合わせについて、これら2種類の真菌株に対して同様の相乗効果が観察され、FIC指数は0.282及び0.309であった。1A:6M:3Pの組み合わせは、C.アルビカンス(C.albicans)に対して弱い相乗効果を有していたが、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)に対しては相互作用の効果はなかった。
【0105】
この組み合わせ試験の抗真菌活性は、特定の比率でこれらの2成分を配合する際に相乗効果が存在することを示していた。1A:1Mの組み合わせは、C.アルビカンス(C.albicans)及びA.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)の両方に対して、抗真菌効果が増強されていることがわかり、FIC指数が0.5未満であり、FIC指数分析に基づく相乗的な相互作用であると分類された。アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物とマグノリア樹皮抽出物を一緒に合わせることの利点は、C.アルビカンス(C.albicans)及びA.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)の両方に対する抗真菌活性の予想されない向上によって確認された。
【0106】
【0107】
[実施例11]
アルビジア種子抽出物とマグノリア樹皮抽出物の混合物の有効性試験
想定される防腐剤の抗微生物活性及び有効性は、USP<51>ガイドラインに従って評価された。USP<51>試験方法は、非滅菌投薬形態に添加された抗微生物性防腐剤の定量的評価である。この試験に使用されるパラメータは、天然製品によって決定され、4つのカテゴリーのどれかが適用される。典型的な接触時間は、28日まで及び、残存する微生物含有量の観察は、7日間隔で行われる。この試験には、従来から、使用される中和法が試験物質及び微生物に適切であることを確認するための中和確認アッセイを伴う。試験物質1A:1Mの組み合わせ(416-145-50)を、濃度1mg/mLでDMSOに溶解した。結果を
図3に示す。試験微生物スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(ATCC 6538)、エシェリキア・コーライ(Escherichia coli)(ATCC 8739)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)(ATCC 9027)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(ATCC 10231)、アスペルギルス・ブラシリエンシス(Aspergillus brasiliensis)(ATCC 16404)は、液体中、又は寒天培地上での増殖によって調製される。液体培地で増殖させた微生物を遠心分離処理し、試験前に洗浄する。試験微生物の懸濁液は、緩衝食塩水溶液中での希釈によって標準化される。試験物質及びコントロール物質は、同様の既知の体積で、滅菌容器に分注される。独立した体積の試験物質及びコントロール物質に、それぞれの試験微生物を接種し、混合し、インキュベートする。コントロール物質は、すぐに採取され、試験開始時(即ち、時間0)に存在する濃度を表す。
【0108】
インキュベートした試験物質は、化学的な中和により各接触時間終了時に収穫される。生存している微生物の数を2日、7日、14日及び28日に評価し、時間0に観察された初期濃度に基づいて、対数減少を計算する。Log10の減少は、Log(B/A)として計算された。ここで、B=接種直後のコントロール物質中の生存可能な試験微生物の数、A=接触時間後の試験物質中の生存可能な試験微生物の数。416-145-50は、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)及びA.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)の数を有意に下げ、Log10減少はそれぞれ5.58及び4.1であり、有意には、完全ではなくても、2日後に、S.アウレウス(S.aureus)、E.コーライ(E.coli)及びC.アルビカンス(C.albicans)をなくし、5種類全ての微生物に対し、7日後、14日後及び28日後に、細菌又は真菌の増殖は観察されなかった。この試験は、E.コーライ(E.coli)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)、S.アウレウス(S.aureus)、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)及びC.アルビカンス(C.albicans)に対する組成物416-145-50の有効性を明確に示しており、初期の計測数から14日目に2-Log10以上の減少、細菌では28日目に14日目の計測数から増加していないこと、酵母及びカビでは14日目及び28日目に初期の計算された数から増加していないことというカテゴリー2の要求を満たす。
【0109】
【0110】
[実施例12]
アルビジア種子抽出物とマグノリア樹皮抽出物の混合物の有効性試験
E.コーライ(E.coli)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)、S.アウレウス(S.aureus)、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)及びC.アルビカンス(C.albicans)に対し、濃度0.5mg/mLで、実施例12に記載するUSP<51>ガイドラインに従い、1A:1Mの組み合わせ(416-145-50)の抗微生物活性及び有効性をさらに評価した。結果を
図4に示す。生存している微生物の数を48時間、7日、14日及び28日に評価し、表10に示すように、時間0に観察された初期濃度に基づいて、対数減少を計算する。この試験は、E.コーライ(E.coli)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)、S.アウレウス(S.aureus)、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)及びC.アルビカンス(C.albicans)といった5種類全ての微生物に対する0.05%での組成物416-145-50の有効性を明確に示しており、初期の計測数から14日目に2-Log
10以上の減少、細菌では28日目に14日目の計測数から増加していないこと、酵母及びカビでは14日目及び28日目に初期の計算された数から増加していないことというカテゴリー2の要求を満たす。
【0111】
【0112】
[実施例13]
アルビジア種子抽出物とマグノリア樹皮抽出物の混合物の抗微生物活性
細菌S.アウレウス(S.aureus)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)及びE.コーライ(E.coli)に対する最小発育阻止濃度(MIC)を、アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物とマグノリア樹皮抽出物の1A:1Mの組み合わせについて決定した。最小発育阻止濃度法(MIC)は、実施例6に記載される通り、液体中での微生物の増殖を阻害し得る抗微生物剤の最小レベルを測定するために、一般的な微生物プロトコルに従って実施され、活性の結果は表11である。スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)に対する強力な抗微生物活性が見出され、MICは20μg/mLであった。このアルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物及びマグノリア樹皮抽出物の組み合わせについて、エシェリキア・コーライ(Escherichia coli)及びシュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)の両グラム陰性菌に対するMICが1000ug/mLであると決定された。
【0113】
【0114】
[実施例14]
pH=3でのエシェリキア・コーライ(Escherichia coli)に対するアルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物の抗微生物活性
アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物(RN368-31-mix)について、酸性(pH=3)条件でのグラム陰性菌エシェリキア・コーライ(Escherichia coli)に対する最小発育阻止濃度を決定した。
【0115】
最小発育阻止濃度法(MIC)は、液体中での微生物の増殖を阻害し得る抗微生物剤の最小レベルを測定するために、一般的な微生物プロトコルに従って実施される。試験物質を、クエン酸とクエン酸ナトリウムとの水中の混合物を用い、pH=3でバッファー溶液に溶解し、次いで、96ウェルマイクロタイタープレート中で、Mueller-Hintonブロス又は他の適切な培地によって数回の連続的な1:1希釈を行うことによって調製される。希釈した試験物質を含有する全てのウェル又は試験管に、個々に試験微生物を接種し、全ての試験容器中で生成物をさらに1回、最終的に希釈する。マイクロタイタープレートを18~24時間インキュベートする。インキュベート時間の後、濁り(試験微生物の増殖の指標)が観察されないウェル中の試験物質の最小濃度である最小濃度(MIC)を決定するために観察を行う。MICは、アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物についてpH=3でE.コーライ(E.coli)に対して125ug/mLであり、中性条件でのMIC(62.5ug/mL)と比較して、わずかに弱い活性であった。
【0116】
[実施例15]
pH=3でのアスペルギルス・ブラシリエンシス(Aspergillus brasiliensis)に対するアルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物とマグノリア樹皮抽出物の組み合わせの抗真菌活性
アルビジア・アマラ(Albizia amara)種子抽出物とマグノリア樹皮抽出物の組み合わせについて、酸性(pH=3)条件でのA.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)に対する最小発育阻止濃度を決定した。
【0117】
最小発育阻止濃度法(MIC)は、液体中での微生物の増殖を阻害し得る抗微生物剤の最小レベルを測定するために、一般的な微生物プロトコルに従って実施される。試験物質を、クエン酸とクエン酸ナトリウムとの20%DMSO/水中の混合物を用い、pH=3でバッファー溶液に溶解し、次いで、96ウェルマイクロタイタープレート中で、Mueller-Hintonブロス又は他の適切な培地によって数回の連続的な1:1希釈を行うことによってさらに調製される。希釈した試験物質を含有する全てのウェル又は試験管に、個々に試験微生物を接種し、全ての試験容器中で生成物をさらに1回、最終的に希釈する。マイクロタイタープレート又は試験管を18~24時間インキュベートする。インキュベート時間の後、濁り(試験微生物の増殖の指標)が観察されないウェル中の試験物質の最小濃度である最小濃度(MIC)を決定するために観察を行う。MICは、この1A:1Mの組み合わせについて、pH=3で125ug/mLであると決定された。抗真菌活性は、この1A:1Mの組み合わせについて、400ug/mLの元々のMICと比較して、酸性条件下で向上する。
【0118】
[実施例16]
アルビジア種子抽出物とマグノリア樹皮抽出物の混合物の処方
1A:1Mの組み合わせ(B1-11202015)を、それぞれ0.1%及び0.5%の2つの濃度で、非イオン性O/Wエマルション系を用い、さらに配合した。エマルションのpHが6.0~6.5の範囲にあるクリーム製剤中、重量で3%(3重量%)の1,2-ヘキサンジオールをB1-11202015のための担体溶媒として使用した。B1-11202015は、クリーム基剤に添加する前に50℃で、3重量%の1,2ヘキサンジオール中に完全に分散させた。均一になり、全ての固体物質が溶融し、混合するまで、全ての成分を70℃で混合することによって、クリーム基剤を調製した。60℃に冷却した後、20%NaOH溶液又は20%クエン酸溶液を加えることによって、クリーム基剤材料のpH値を6.0~6.5に調整する。クリーム基剤を50℃まで冷却した後、3%の1,2 ヘキサンジオール及びB1-11202105を添加した。配合された材料のpH値を、必要ならば6.0~6.5の範囲にさらに調整する。同じ様式で、0.5%の1A:1Mの組み合わせ(1940601)及び0.1%の1A:1M(1940602)を用い、2種類の配合サンプルを調製した。
【0119】
[実施例17]
処方されたアルビジア種子抽出物及びマグノリア樹皮抽出物の組み合わせの有効性試験
E.コーライ(E.coli)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)、S.アウレウス(S.aureus)、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)及びC.アルビカンス(C.albicans)に対し、濃度0.5%で、実施例11に記載したUSP<51>ガイドラインに従い、非イオン性o/wエマルションに配合した1A:1Mの組み合わせ(1940601)の抗微生物活性及び有効性を評価した。結果を
図5に示す。生存している微生物の数を2日、7日、14日及び28日に評価し、表12に示すように、時間0に観察された初期濃度に基づいて、対数減少を計算する。この試験は、E.コーライ(E.coli)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)、S.アウレウス(S.aureus)といった3種類全ての細菌、及び酵母C.アルビカンス(C.albicans)に対する0.5%でのこの組成物1940601の有効性を明確に示しており、2日後から、7日後、14日後、28日後まで延ばしても、細菌又は真菌の増殖は観察されなかった。A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)について、1940601は、比較的弱い阻害を示し、Log
10の減少は、それぞれD2及びD7で0.73及び1.53であった。D14(2.32)及びD28(3.32)で、2-LOG
10減少に達した。
【0120】
この試験は、E.コーライ(E.coli)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)、S.アウレウス(S.aureus)、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)及びC.アルビカンス(C.albicans)といった5種類全ての株に対する組成物1940601の有効性を明確に示しており、USP51の基準に合格することによって、カテゴリー2の製品であることを明確に示しており、この基準は、初期の計測数から14日目に2-Log10以上の減少、細菌では28日目に14日目の計測数から増加していないこと、酵母及びカビでは14日目及び28日目に初期の数から増加していないことを必要とする。
【0121】
【0122】
[実施例18]
処方されたアルビジア種子抽出物及びマグノリア樹皮抽出物の組み合わせの有効性試験
E.コーライ(E.coli)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)、S.アウレウス(S.aureus)、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)及びC.アルビカンス(C.albicans)といった5種類の株に対し、濃度0.1%で、実施例11に記載したUSP<51>ガイドラインに従うチャレンジ試験において、非イオン性o/wエマルション系を用いて配合した1A:1Mの組み合わせ(1940602)の抗微生物活性及び有効性をさらに評価した。結果を
図6に示す。生存している微生物の数を2日、7日、14日及び28日に評価し、表13に示すように、時間0に観察された初期濃度に基づいて、対数減少を計算する。
【0123】
この試験は、この組成物1940602が、0.1%で、2日目にE.コーライ(E.coli)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)、S.アウレウス(S.aureus)及びC.アルビカンス(C.albicans)をなくしたことを示した。4つの接触時間点D2、D7、D14及びD28全てで、増殖は観察されなかった。A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)については、D2では阻害は見られず、D2の後に改善が見られた。Log10の減少は、D7、D14、D28でそれぞれ1.02、0.23、1.33である。この試験は、E.コーライ(E.coli)、P.エルジノーサ(P.aeruginosa)、S.アウレウス(S.aureus)、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)及びC.アルビカンス(C.albicans)に対して組成物1940602が有効であることを明確に示しており、USP51の基準に合格することによって、1940602がカテゴリー2の製品として適合品であることを明確に示しており、この基準は、初期の計測数から14日目に2-Log10以上の減少、細菌では28日目に14日目の計測数から増加していないこと、酵母及びカビでは14日目及び28日目に初期の数から増加していないことを必要とする。
【0124】
【0125】
【0126】
従って、肝臓の健康を改善し、維持する関連する方法と共に、開示された化合物の立体異性体、薬学的又は栄養学的に許容され得る塩、互変異性体、グリコシド及びプロドラッグを含む、防腐剤及び抗微生物剤に有用な化合物及び組成物の具体的な実施形態及び方法が開示された。しかし、本明細書の発明の概念から逸脱することなく、既に説明した以外の多くの変更が可能であることは、当業者には明らかなはずである。従って、本発明の主題は、本明細書の開示の精神を除き、限定されるものではない。さらに、明細書及び特許請求の範囲を解釈する際には、全ての用語は、文脈と一致する最も広い可能な様式で解釈されるべきである。特に、用語「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」は、要素、構成要素又は工程を非排他的な様式で参照するものと解釈されるべきであり、参照された要素、構成要素又は工程が存在していてもよく、又は利用してもよく、又は、明示的に言及されていない他の要素、構成要素又は工程と組み合わせてもよいことを示している。