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2024-45244BIG3-PHB2相互作用阻害PHB2由来ペプチドを含む乳がん治療薬
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045244
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】BIG3-PHB2相互作用阻害PHB2由来ペプチドを含む乳がん治療薬
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/12 20060101AFI20240326BHJP
   C07K 7/06 20060101ALI20240326BHJP
   C07K 7/08 20060101ALI20240326BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20240326BHJP
   C07K 11/02 20060101ALI20240326BHJP
   A61K 38/12 20060101ALI20240326BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240326BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
C12N15/12
C07K7/06
C07K7/08
C07K14/47
C07K11/02
A61K38/12
A61K31/7088
A61P35/00
A61P15/00
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005446
(22)【出願日】2024-01-17
(62)【分割の表示】P 2020557810の分割
【原出願日】2019-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2018225660
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】304020292
【氏名又は名称】国立大学法人徳島大学
(71)【出願人】
【識別番号】502240113
【氏名又は名称】オンコセラピー・サイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】片桐 豊雅
(72)【発明者】
【氏名】吉丸 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】大高 章
(72)【発明者】
【氏名】宮本 貴史
(72)【発明者】
【氏名】岡本 康秀
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エストロゲン受容体陽性のがんに特異的に高発現するタンパク質であるBIG3への結合能を有し、BIG3陽性のがん細胞に対して優れた増殖抑制作用を有し、そのため、副作用の発現を回避することができる乳がん治療薬として有用であるペプチド及びペプチドを含む医薬組成物を提供する。
【解決手段】PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する特定の配列を有するペプチド、及び該ペプチドを含む医薬組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害するペプチド。
【請求項2】
配列番号28のアミノ酸配列における11~21番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部、76~88番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部、および44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部のうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
以下の(a)~(f)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害するペプチド:
(a)配列番号1および36~41からなる群より選択されるアミノ酸配列;
(b)配列番号1および36~41からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列;
(c)配列番号5および47~53からなる群より選択されるアミノ酸配列;
(d)配列番号5および47~53からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列;
(e)配列番号82~83からなる群より選択されるアミノ酸配列;ならびに
(f)配列番号82~83からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列。
【請求項4】
以下の(a')~(b')からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項3に記載のペプチド:
(a')配列番号1および36~41からなる群より選択されるアミノ酸配列において、配列番号28のアミノ酸配列における15番目のグリシン及び18番目のグリシンに対応する位置以外の1個、2個、または数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列;ならびに
(b')配列番号5および47~53からなる群より選択されるアミノ酸配列において、配列番号28のアミノ酸配列における82番目のアスパラギン酸に対応する位置以外の1個、2個、または数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列。
【請求項5】
80残基以下のアミノ酸残基からなる、請求項1~4のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項6】
25残基以下のアミノ酸残基からなる、請求項1~5のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項7】
配列番号1、5、36~41、47~53、および82~83からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項8】
細胞膜透過性物質により修飾されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項9】
環状型である、請求項1~8のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項10】
架橋型である、請求項1~9のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項11】
以下の(i)及び(ii)のいずれか一方又は両方の性質を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のペプチド:
(i)BIG3陽性細胞の細胞増殖を抑制する;及び
(ii)BIG3陽性細胞において、PHB2ポリペプチドのセリン残基のリン酸化を促進する。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載の1種もしくは複数種のペプチド、該ペプチドをコードするポリヌクレオチド、および該ペプチドの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1つの成分、ならびに薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項14】
配列番号28のアミノ酸配列における11~21番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、配列番号28のアミノ酸配列における44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、ならびに配列番号28のアミノ酸配列における76~88番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチドのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
がん細胞の増殖を抑制するため、又はがんを治療及び/若しくは予防するための、請求項13又は14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
がんがBIG3陽性のがんである、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
がんが乳がんである、請求項15又は16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
がんがエストロゲン受容体陽性のがんである、請求項15~17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
請求項1~11のいずれか一項に記載の1種もしくは複数種のペプチド、該ペプチドをコードするポリヌクレオチド、および該ペプチドの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1つを対象に投与する工程を含む、がんの治療及び予防のいずれか又は両方のための方法。
【請求項20】
配列番号28のアミノ酸配列における11~21番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、配列番号28のアミノ酸配列における44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、ならびに配列番号28のアミノ酸配列における76~88番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチドのうちのいずれか1つまたは組み合わせを投与する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BIG3-PHB2相互作用を阻害するPHB2由来ペプチド及びそれを含む乳がん治療薬に関する。
【背景技術】
【0002】
エストロゲン受容体α(Estrogen-receptor:ERα)は、乳がんの発生と進行に中心的な役割を果たす。近年の乳がんに対する内分泌療法は、選択的ERαモジュレーター(例えば、タモキシフェン及びラロキシフェン)、ERαダウンレギュレーター(例えば、フルベストラント)、およびアロマターゼ阻害剤(aromatase inhibitor:AI)を使用するものであり、ERαシグナリングを主に標的としている(非特許文献1~3)。これらの治療法のうち、ERαへの競合的結合を介して乳がん細胞の増殖を阻害するタモキシフェンを用いる方法は、ERα陽性乳がん患者に対する標準療法である。しかしながら、タモキシフェン療法は、しばしば有効でない場合があり、患者は内分泌療法耐性腫瘍を再発して死亡することもある(非特許文献4、5)。また、エストロゲン合成をブロックするAIは、タモキシフェンと比較して、良好な有効性、無再発生存期間の有意な延長、および閉経女性における再発期間の延長のような実質的な臨床効果をもたらすが、AI療法を受けた一部の患者は再発する(非特許文献6、7)。これらの内分泌療法の有効性に影響を与える正確な分子事象は、未だ解明されていない。
【0003】
がん特異的タンパク質であるブレフェルジンA阻害グアニンヌクレオチド交換タンパク質3(brefeldin A-inhibited guanine nucleotide-exchange protein 3:BIG3)と腫瘍サプレッサーであるプロヒビチン2(prohibitin 2:PHB2)との複合体は、ERα陽性乳がんにおけるエストロゲンシグナル調節において中心的な役割を果たす(非特許文献8、9)。BIG3は、PHB2と結合してエストロゲン依存性転写活性化を抑制するPHB2の能力を阻害し、恒常的なERα活性をもたらす。
これらの知見に基づき、BIG3-PHB2相互作用の阻害によりBIG3との複合体からPHB2を遊離させ、PHB2の腫瘍抑制活性を発揮させるという戦略は、乳がんの新規療法となりうる。この戦略に基づき、本発明者らは、以前、BIG3-PHB2相互作用を特異的に阻害するBIG3のドミナントネガティブペプチドを開発した(特許文献1)。このペプチドは、PHB2の腫瘍抑制活性を再活性化することにより、乳がん増殖をもたらすERαシグナルパスウェイを阻害し、乳がん増殖を抑制することが確認されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2013/018690
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Johnston, S. R., Clin. Cancer Res. 16(7), 1979-87 (2010).
【非特許文献2】Fisher, B. et al., J. Natl. Cancer Inst. 97(22), 1652-62 (2005).
【非特許文献3】Jordan, V. C., Nature Rev. Drug Discov. 2(3), 205-13 (2003).
【非特許文献4】Clarke, R. et al., Pharmacol. Rev. 53(1), 25-71 (2001).
【非特許文献5】Fisher, B. et al., J. Natl. Cancer Inst. 93(9), 684-90 (2001).
【非特許文献6】Chlebowski, R. et al., Breast 2, S1-11 (2009).
【非特許文献7】Chumsri, S. et al., J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 125(1-2), 13-22 (2011).
【非特許文献8】Kim, J. W. et al., Cancer Sci. 100(8), 1468-78 (2009).
【非特許文献9】Yoshimaru, T. et al., Nat. Commun. 4, 2443 (2013).
【非特許文献10】Yoshimaru, T. et al., Sci Rep. 7(1), 1821 (2017).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さきに述べたとおり、エストロゲン受容体(ER)活性化制御分子BIG3が抑制因子PHB2と相互作用してERの恒常的活性化を導くこと、およびBIG3-PHB2相互作用標的阻害ペプチド(ERAP:BIG3タンパク質の165番目から177番目までのアミノ酸配列(QMLSDLTLQLRQR:配列番号33)によるエストロゲン(E2)依存性乳がん細胞増殖抑制効果が明らかにされている(特許文献1、WO2017/126461)。しかしながら、BIG3配列由来のERAPは、PHB2に結合することによって相互作用阻害を果たすが、PHB2はヒトの全身の臓器にて発現を認めることから、がん組織以外の臓器における非選択的な作用の発現を否定することはできない。
【0007】
そのため、本発明は、BIG3-PHB2相互作用を標的とし、乳がんに対する高い選択性を期待できる治療戦略を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、in silico解析を通じて予測されたPHB2アミノ酸配列上のタンパク質相互作用候補領域のデータに基づいて、複数のPHB2由来ペプチド(PHB2ペプチド)を設計し、それらを用いて細胞増殖抑制効果を指標とした相互作用領域の同定のスクリーニングを進めた。その結果、PHB2ペプチドNo.1(11-RLPAGPRGMGTA-22(配列番号1))とPHB2ペプチドNo.5(76-QYPIIYDIRARPRKI-90(配列番号5))において、それぞれ約50%の増殖抑制効果を認め、特にPHB2ペプチドNo.1およびNo.5の併用にて、ERAPと同様の100%の増殖抑制効果、BIG3-PHB2相互作用阻害効果を認めることに成功した。さらに、これらの効果は、PHB2ペプチドNo.1およびNo.5の周辺の配列からなるペプチドや、PHB2ペプチドNo.1およびNo.5における種々の位置のアミノ酸残基を置換したペプチドについても認められた。
【0009】
一方、エストロゲン受容体等を発現しないが、BIG3の発現が認められているトリプルネガティブ乳がん細胞においても、PHB2ペプチドNo.1およびNo.5の細胞増殖抑制効果が認められた。また、これらのペプチドの併用では効果の増強が認められた。ホルモン等の増殖シグナルに非依存的に増殖するトリプルネガティブ乳がんでは、細胞内でこれらのシグナル受容なしに、PHB2とBIG3が結合することで増殖の活性化が起こっていると考えられる。PHB2由来ペプチドは、少なくともBIG3を発現している乳がんにおいて、BIG3とPHB2の結合を阻害することにより細胞の増殖を抑制する可能性が示唆された。
【0010】
このように、本発明者らは、BIG3-PHB2相互作用を阻害し、E2依存性乳がんおよびトリプルネガティブ乳がんに対する抗腫瘍効果を発揮するPHB2由来ペプチドを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、以下のペプチド、ならびにその用途を提供する。
【0011】
[1]PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害するペプチド。
[2]配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における11~21番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部、76~88番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部、および44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部のうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、[1]に記載のペプチド。
[3]以下の(a)~(f)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害するペプチド:
(a)配列番号1および36~41(PHB2配列由来ペプチドNo.1、36~41)からなる群より選択されるアミノ酸配列;
(b)配列番号1および36~41(PHB2配列由来ペプチドNo.1、36~41)からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列;
(c)配列番号5および47~53(PHB2配列由来ペプチドNo.5、47~53)からなる群より選択されるアミノ酸配列;
(d)配列番号5および47~53(PHB2配列由来ペプチドNo.5、47~53)からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列;
(e)配列番号82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.82~83)からなる群より選択されるアミノ酸配列;ならびに
(f)配列番号82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.82~83)からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列。
[4]以下の(a')~(b')からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、[3]に記載のペプチド:
(a')配列番号1および36~41(PHB2配列由来ペプチドNo.1、36~41)からなる群より選択されるアミノ酸配列において、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における15番目のグリシン(Gly/G)及び18番目のグリシンに対応する位置以外の1個、2個、または数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列;ならびに
(b')配列番号5および47~53(PHB2配列由来ペプチドNo.5、47~53)からなる群より選択されるアミノ酸配列において、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における82番目のアスパラギン酸(Asp/D)に対応する位置以外の1個、2個、または数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列。
[5]80残基以下のアミノ酸残基からなる、[1]~[4]のいずれかに記載のペプチド。
[6]25残基以下のアミノ酸残基からなる、[1]~[5]のいずれかに記載のペプチド。
[7]配列番号1、5、36~41、47~53、および82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.1、5、36~41、47~53、82~83)からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、[1]~[6]のいずれかに記載のペプチド。
[8]細胞膜透過性物質により修飾されている、[1]~[7]のいずれかに記載のペプチド。
[9]環状型である、[1]~[8]のいずれかに記載のペプチド。
[10]架橋型である、[1]~[9]のいずれかに記載のペプチド。
[11]以下の(i)及び(ii)のいずれか一方又は両方の性質を有する、[1]~[10]のいずれかに記載のペプチド:
(i)BIG3陽性細胞の細胞増殖を抑制する;及び
(ii)BIG3陽性細胞において、PHB2ポリペプチドのセリン残基のリン酸化を促進する。
[12][1]~[11]のいずれかに記載のペプチドをコードするポリヌクレオチド。
[13][1]~[11]のいずれかに記載の1種もしくは複数種のペプチド、該ペプチドをコードするポリヌクレオチド、および該ペプチドの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1つの成分、ならびに薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
[14]配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における11~21番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、ならびに配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における76~88番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチドのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、[13]に記載の医薬組成物。
[15]がん細胞の増殖を抑制するため、又はがんを治療及び/若しくは予防するための、[13]又は[14]に記載の医薬組成物。
[16]がんがBIG3陽性のがんである、[15]に記載の医薬組成物。
[17]がんが乳がんである、[15]又は[16]に記載の医薬組成物。
[18]がんがエストロゲン受容体陽性のがんである、[15]~[17]のいずれかに記載の医薬組成物。
[19][1]~[11]のいずれかに記載の1種もしくは複数種のペプチド、該ペプチドをコードするポリヌクレオチド、および該ペプチドの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1つを対象に投与する工程を含む、がんの治療及び予防のいずれか又は両方のための方法。
[20]配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における11~21番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、ならびに配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における76~88番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチドのうちのいずれか1つまたは組み合わせを投与する工程を含む、[19]に記載の方法。
[21]薬物療法抵抗性の乳がん患者(例えば、トリプルネガティブの乳がん患者)を選択する工程と、[1]~[11]のいずれかに記載の1種もしくは複数種のペプチド、該ペプチドをコードするポリヌクレオチド、および該ペプチドの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1つを対象に投与する工程とを含む、薬物療法抵抗性の乳がん(例えば、トリプルネガティブの乳がん)の治療及び予防のいずれか又は両方のための方法。
【0012】
あるいは本発明は、前記[1]~[11]のいずれかに記載の1種もしくは複数種のペプチド、該ペプチドをコードするポリヌクレオチド、および該ペプチドの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1つの、がんの治療及び予防のいずれか又は両方のための医薬組成物の製造における使用を提供する。また本発明は、がんの治療及び予防のいずれか又は両方において使用するための、前記[1]~[11]のいずれかに記載の1種もしくは複数種のペプチド、該ペプチドをコードするポリヌクレオチド、および該ペプチドの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1つに関する。更に本発明は、前記[1]~[11]のいずれかに記載の1種もしくは複数種のペプチド、該ペプチドをコードするポリヌクレオチド、および該ペプチドの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1つを、担体と混合あるいは配合する工程を含む、がんの治療及び予防のいずれか又は両方のための医薬組成物の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のペプチドは、ヒトの全身の臓器にて発現が認められるPHB2ではなく、特にエストロゲン受容体陽性のがんに特異的に高発現するタンパク質であるBIG3への結合能を有し、BIG3-PHB2相互作用を阻害することができる。そのため、本発明のペプチドは、エストロゲン受容体陽性のがんに対する高い選択性を期待できる。
また、本発明のペプチドは、エストロゲン依存性乳がん細胞のみならず、トリプルネガティブ乳がん細胞に対する増殖抑制効果も示す。これまで、トリプルネガティブ乳がんには、有効な分子標的治療薬がなく、既存の副作用の強い抗がん剤による治療しか選択肢がなかった。一方、本発明のペプチドによる細胞増殖抑制効果は、BIG3の発現が認められない正常乳腺上皮細胞においては認められなかった。これらのことから、本発明のペプチドは、ホルモンの依存性の有無にかかわらず、BIG3陽性のがんの治療薬として有用であることが示唆された。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1-1】エストロゲン依存性細胞増殖を抑制するPHB2配列由来ペプチドのスクリーニングを示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7を10μMの各PHB2配列由来ペプチドで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激し、24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。グラフの下にはヒトPHB2タンパク質の全長配列を示しており、下線を付した部分の配列のC末端にアルギニン残基を8個付加した合成ペプチドをアッセイに用いた。また、太字はin silico解析でBIG3との相互作用に関与することが示唆されたアミノ酸を、四角で囲んだ「S」はPHB2のリン酸化部位を、破線はPHB2との結合が証明されている領域を表している。
図1-2】(B, C)11-22aa(B)および76-90aa(C)を中心としたPHB2配列由来のペプチド(配列番号1、34~43、5、44~55)の各10μMでMCF-7を処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。グラフの左には、アッセイに用いた合成ペプチドに含まれるPHB2由来配列の位置を示している。
図1-3】(D)11-22aaのPHB2配列由来ペプチドと76-90aaを中心とした各PHB2配列由来のペプチドの各10μMを併用し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。(E)76-90aaのPHB2配列由来ペプチドと11-22aaを中心とした各PHB2配列由来のペプチドの各10μMを併用し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図2】エストロゲン依存性増殖の抑制に対するPHB2ペプチド11-22aaと76-90aaの併用効果を示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7を各10μMのERAP(ポジティブ・コントロール)、PHB2ペプチド11-22aa、76-90aa、86-100aa(ネガティブ・コントロール)、および11-22aaと76-90aaの併用、76-90aaと86-100aaの併用で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(B)PHB2ペプチド11-22aa、76-90aa、およびその併用がMCF-7のBIG3とPHB2の相互作用に対する阻害効果をウェスタンブロットにより評価した。MCF-7を各PHB2ペプチドの1μMと10μMで24時間処理した後、細胞を溶解し、抗BIG3抗体を用いて免疫沈降し、図に示した抗体を用いたイムノブロット解析を行った。結合阻害率は非処理細胞でのPHB2のバンド面積を100としたときの比率で表した。(C)ヒト乳がん細胞株MCF-7を各10μMのERAP、PHB2ペプチド11-22aa、76-90aa、86-100aa、および11-22aaと76-90aaの併用、76-90aaと86-100の併用で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後のPHB2(Ser39)のリン酸化をウェスタンブロットにより評価した。リン酸化強度はエストロゲン存在下でERAP処理したときのリン酸化バンドの面積を1.0としたときの比率で表した。
図3】PHB2ペプチド11-90aaがエストロゲン依存性増殖とBIG3とPHB2の相互作用に及ぼす影響を示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7をPHB2ペプチド11-90aa(20, 50, 100μM)、11-22aa(50μM)、76-90aa(50μM)、および11-22aaと76-90aaの併用で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(B)PHB2ペプチド11-90aa、および10μM ERAP(ポジティブ・コントロール)がMCF-7のBIG3とPHB2の相互作用に対する阻害効果をウェスタンブロットにより評価した。(C)ヒト乳がん細胞株MCF-7をPHB2ペプチド11-90aa(20, 50, 100μM)および10μM ERAPで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後のPHB2(Ser39)のリン酸化をウェスタンブロットにより評価した。リン酸化強度は未処理のリン酸化バンド面積を1.0としたときの比率で表した。
図4】分岐型および環状型PHB2ペプチドの模式図を表す。(A)直鎖結合型PHB2ペプチド。(B)分岐型PHB2ペプチド。(C)環状型PHB2ペプチド。
図5】分岐型および環状型PHB2ペプチドによるエストロゲン依存性増殖の抑制効果を示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7を各10μMの直鎖型ペプチド11-22aa、76-90aa、11-22aaと76-90aaの併用、直鎖結合型、分岐結合型、および環状型11-21aa、環状型76-88aa、環状型ペプチドの併用で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(B)直鎖型11-22aa、直鎖型76-90aa、直鎖結合型、分岐結合型、および環状型11-21aa、環状型76-88aaペプチドは、正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に影響を及ぼさないことを示したMTTアッセイの結果を示す。(C)ヒト乳がん細胞株MCF-7を各10μMの直鎖型ペプチド11-22aa、76-90aa、11-22aaと76-90aaの併用、直鎖結合型、分岐結合型、および環状型11-21aa、環状型76-88aa、環状型ペプチドの併用で処理したときのBIG3とPHB2の相互作用に対する阻害効果をウェスタンブロットにより評価した。
図6】エストロゲン依存性増殖の抑制に対する環状型PHB2ペプチドの併用効果を示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7を直鎖型11-22aaおよび環状型11-21aa(左図)、または直鎖型76-90aaおよび環状型76-88aa(右図)で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間ごとに96時間までMTTアッセイで阻害効果を評価した。(B)環状型11-21aa、環状型76-88aaペプチドは、正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に影響を及ぼさないことを示したMTTアッセイの結果を示す。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図7】エストロゲン依存性増殖に対する環状型PHB2ペプチドの濃度依存的な抑制効果を示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7を環状型11-21aaおよび環状型76-88aaを各0.1, 0.5, 1, 2.5, 5, 10, 20μMで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(B)ヒト乳がん細胞株MCF-7を環状型11-21aa(4μM)、環状型76-88aa(2μM)、およびその併用で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間ごとに96時間までMTTアッセイで阻害効果を評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(C)環状型11-21aa(4μM)、環状型76-88aa(2μM)、およびその併用は、正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に影響を及ぼさないことを示したMTTアッセイの結果を示す。
図8-1】エストロゲン依存性増殖の抑制に重要なPHB2のアミノ酸を示す。(A)No.1(11-22aa)およびNo.5(76-90aa)のアラニン変異PHB2ペプチドを表す。(B、C)ヒト乳がん細胞株MCF-7を10μMの各PHB2配列由来のアラニン変異ペプチドで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激し、24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図8-2】(D)No.2(42-50aa)とNo.3(38-50aa)のPHB2ペプチドに51-57aaを付加したPHB2ペプチドを表す。(E)(D)のPHB2配列由来ペプチドの各10μMを添加し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図9】トリプルネガティブ乳がん細胞におけるPHB2ペプチド11-22aa(A)と76-90aa(B)の細胞増殖抑制効果を示す。乳がん細胞株MDA-MB-231に対する細胞を各ペプチドは、20mMから3倍系列希釈を行い計11点濃度で添加した。ペプチド添加から96時間後に生細胞数を測定し、ペプチド未添加の陰性対照細胞を基準に相対値を算出しグラフにした。データは、3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(C)PHB2ペプチド11-22aaと76-90aaのMDA-MB-231の細胞増殖に対する併用効果を調べた結果を示す。ペプチドをIC50値で単独および混合して細胞に添加し、96時間後に生細胞数を測定し、陰性対照のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)添加細胞を基準に相対値を算出しグラフを作成した。データは、3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図10-1】エストロゲン依存性増殖に対する架橋型PHB2ペプチドの抑制効果を示す。(A)架橋形式の模式図を表す。(B)11-21aaおよび76-88aaのPHB2ペプチドの両端にシステインを付加して架橋したPHB2ペプチドを示す(配列番号106~108、110~112、115~117、119~121)。配列番号109、113、114、118、122のPHB2ペプチドは両端にアラニンを付加して非架橋型にした。配列番号106~114のPHB2ペプチドはC末端にポリアルギニンを付加した。また、11-21aaのPHB2ペプチドは合成中の酸化を回避するため、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)に記載のアミノ酸配列における19番目のメチオニンをノルロイシン(Nle)に置換した。
図10-2】(C)ヒト乳癌細胞株MCF-7を11-21aaの架橋型PHB2ペプチド(左図)、または76-88aaの架橋型PHB2ペプチド(右図)で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図11】エストロゲン依存性増殖に対する環状型PHB2ペプチドの抑制効果を示す。(A)環状型11-21aa(配列番号25)および環状型76-88aa(配列番号26)のPHB2ペプチドの架橋形式を表す。配列番号125と128の環状型PHB2ペプチドは、11-21aaおよび76-88aaのPHB2ペプチドの両端にアラニンを付加して非架橋型の環状型ペプチドにした。すべての環状型PHB2ペプチドはC末端に非天然アミノ酸及び連続する複数のアルギニン残基を付加した。また、11-21aaの環状型PHB2ペプチドは合成中の酸化を回避するため、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)に記載のアミノ酸配列における19番目のメチオニンをノルロイシン(Nle)に置換した。(B)ヒト乳癌細胞株MCF-7を環状型PHB2ペプチドで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図12】PHB2ペプチド11-22aaの改変がエストロゲン依存性増殖に及ぼす影響を示す。(A)配列番号1(11-22aa)のPHB2ペプチドについて、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)に記載のアミノ酸配列における15番目と18番目のグリシンをD型アラニンおよびD型ロイシンに置換したPHB2ペプチドを表す。(B)ヒト乳癌細胞株MCF-7を11-22aaの改変PHB2ペプチドで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図13】架橋型PHB2ペプチドが正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に及ぼす影響を示す。架橋型PHB2ペプチドおよび環状型PHB2ペプチドは、正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に影響を及ぼさないことを示したMTTアッセイの結果を示す。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の態様を実施または試験するにあたって、本明細書に記載の方法および材料と類似のまたは同等の任意の方法および材料を用いることができるが、好ましい方法、装置、および材料をここに記載する。しかしながら、本発明の材料および方法について記載する前に、本明細書に記載の特定の大きさ、形状、寸法、材料、方法論、プロトコール等は慣例的な実験法および最適化に応じて変更可能であるため、本発明がこれらに限定されないことが理解されるべきである。本記載に使用する専門用語は特定の型または態様のみを説明する目的のためのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することは意図されないことも、また理解されるべきである。
【0016】
定義
本明細書で使用する「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という単語は、特に明記しない限り「少なくとも1つの」を意味する。
【0017】
本明細書においては、特に断りの無い限り、大文字で表記されるアミノ酸は、L-アミノ酸を表す。一方、小文字で表記されるアミノ酸は、D-アミノ酸を表す。また、本明細書において表記されるL-アミノ酸およびD-アミノ酸は、アミノ基、カルボキシル基および側鎖のいずれかが修飾されたものも含み得る。好ましい修飾の例としては、アミノ基のアセチル化、カルボキシル基のアミド化、およびFLAGタグ、HAタグ等のタグペプチドの付加等が挙げられる。
【0018】
また、本明細書においては、特に断りのない限り、アミノ酸配列中のアミノ酸残基の位置を示す番号は、N末端のアミノ酸残基を1としてC末端方向に順に付与したものである。
【0019】
本明細書で使用する「BIG3」という用語は、ブレフェルジンA阻害グアニンヌクレオチド交換タンパク質3(brefeldin A-inhibited guanine nucleotide-exchange protein)をさす。BIG3は、PHB2と複合体を形成することにより、エストロゲン依存的転写活性化を抑制するPHB2の機能を阻害する。BIG3は、「ARFGEF3(ARFGEF family member 3)」または「A7322」とも称される。ヒトBIG3遺伝子の代表的な塩基配列の例を配列番号31(GenBank Accession No.NM_020340.4)に、またそれによってコードされるアミノ酸配列を配列番号32に示す。本発明において、BIG3は前記塩基配列にコードされるものに限定されず、これらのアイソフォームや変異体も包含する。
【0020】
本明細書で使用する「PHB2」という用語は、プロヒビチン2(prohibitin 2)をさす。PHB2は、エストロゲン受容体と結合してエストロゲン受容体シグナル伝達経路を阻害し、エストロゲン依存性細胞増殖を抑制する。PHB2は、「REA(Repressor of Estrogen Activity)」とも称される。ヒトPHB2遺伝子の代表的な塩基配列の例を配列番号27(GenBank Accession No.NM_001144831.1)および配列番号29(GenBank Accession No.NM_001267700.1)に、またそれらによってコードされるアミノ酸配列を配列番号28および配列番号30にそれぞれ示す。本発明において、PHB2は前記塩基配列にコードされるものに限定されず、これらのアイソフォームや変異体も包含する。
【0021】
本明細書において使用される「エストロゲン受容体」という用語は、エストロゲン受容体α(ERα)及びエストロゲン受容体β(ERβ)の両方を包含する。ERα及びERβはそれぞれESR1遺伝子及びESR2遺伝子によってコードされている。代表的なヒトESR1遺伝子の塩基配列及びヒトERαのアミノ酸配列をそれぞれ配列番号86(GenBank Accession No. NM_000125.3)及び配列番号87(GenBank Accession No. NP_000116.2)に示す。また、代表的なヒトESR2遺伝子の塩基配列及びヒトERβのアミノ酸配列をそれぞれ配列番号88(GenBank Accession No. NM_001437.2)及び配列番号89(GenBank Accession No. NP_001428.1)に示す。しかしながら、本発明において、エストロゲン受容体の塩基配列及びアミノ酸配列はこれらに限定されるものではなく、これらのアイソフォームや変異体を包含する。好ましい態様では、エストロゲン受容体はERαである。ERα及びERβのいずれもPHB2ポリペプチドにより転写活性化が制御されることが報告されている(Montano MM, et al., Proc Natl Acad Sci USA. 96(12): 6947-52(1999).)。
本明細書において、細胞又はがんに関して使用される「エストロゲン受容体陽性」という用語は、細胞又はがんを構成するがん細胞が、エストロゲン受容体を発現していることを意味する。エストロゲン受容体陽性か否かはELISA法や免疫組織化学染色法等の公知の方法により確認することができる。また、本明細書において、細胞又はがんに関して使用される「エストロゲン受容体陰性」という用語は、細胞又はがんを構成するがん細胞が、エストロゲン受容体を発現していないことを意味する。
【0022】
本明細書において使用される「ERAP」という用語は、配列番号33に記載のアミノ酸配列からなるペプチドをさす。配列番号33に記載のアミノ酸配列は、BIG3のアミノ酸配列(配列番号32)の165~177番目のアミノ酸残基からなる配列であり、PHB2との結合に重要なアミノ酸残基(配列番号32に記載のアミノ酸配列中、165番目のグルタミン(Q)、169番目のアスパラギン酸(D)および173番目のグルタミン(Q))を含む。ERAPは、PHB2に対する結合能を有し、PHB2に競合的に結合することにより、BIG3がPHB2と複合体を形成することを阻害する。
【0023】
本明細書において使用される「治療」という用語は、対象疾患によって生じる少なくとも1つの症状を緩和・改善すること、疾患の進行を抑制すること、および疾患部位の拡大を抑制すること等を包含する。例えば、「がんの治療」には、がん細胞の増殖抑制、がんの進行抑制、がんの退縮・寛解の誘導、がんに伴う症状の緩和・改善、がんの転移の抑制、術後の再発抑制、および生存期間延長の誘導などが含まれる。
【0024】
1.PHB2ペプチド
本発明は、PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害するペプチドを提供する。本発明のペプチドは、本明細書において、「PHB2ペプチド」、「PHB2由来ペプチド」または「PHB2配列由来ペプチド」とも記載される。
本発明のペプチドは、PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含むことによりBIG3ポリペプチドと結合する能力を有する。その結果、PHB2ポリペプチドのBIG3ポリペプチドへの結合を競合的に阻害する。本発明におけるPHB2ペプチドは、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチド間の結合を阻害する作用を有する限り、塩であることもできる。例えば、酸(無機酸、有機酸など)又は塩基(アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミンなど)との塩であることができる。酸との塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メグルミン酸など)との塩などが挙げられる。塩基との塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウムとの塩などが挙げられる。本発明のペプチドの塩の好ましい例としては、例えば、酢酸塩、塩酸塩、メグルミン酸塩、及びアンモニウム塩などが挙げられる。
【0025】
「PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位」とは、PHB2ポリペプチドを構成するアミノ酸配列において、BIG3ポリペプチドとの結合に関与するアミノ酸残基を意味する。そのようなアミノ酸残基としては、例えば、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)に記載のアミノ酸配列における15番目と18番目のグリシンおよび82番目のアスパラギン酸が挙げられる。したがって、好ましい態様では、本発明のペプチドは、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)に記載のアミノ酸配列における15番目と18番目のグリシンおよび82番目のアスパラギン酸を含むペプチドであって、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害するペプチドである。なお、本明細書において、アミノ酸配列における特定のアミノ酸残基の番号は、N末端から数えたアミノ酸残基の数を表す。
【0026】
PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含むアミノ酸配列の例として、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における(a)11~21番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列(配列番号84)の全部または一部、(b)76~88番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列(配列番号85)の全部または一部、および(c)44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列(配列番号82)の全部または一部が挙げられる。したがって、本発明のペプチドの好ましい例として、以下の(a)~(c)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むペプチドが挙げられる:
(a)配列番号1および36~41(PHB2配列由来ペプチドNo.1、36~41)からなる群より選択されるアミノ酸配列;
(b)配列番号5および47~53(PHB2配列由来ペプチドNo.5、47~53)からなる群より選択されるアミノ酸配列;及び
(c)配列番号82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.82~83)からなる群より選択されるアミノ酸配列。
しかしながら、本発明のペプチドは、これらに限定されず、PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性を有していれば、ペプチドを構成するアミノ酸配列は特に限定されない。
【0027】
一般的に、ペプチド中の1つ又は複数のアミノ酸の改変は、ペプチドの機能に影響しないことが知られている。実際に、1つ又は複数のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加によって改変されたアミノ酸配列を有するペプチドは、元のペプチドの生物活性を保持することが知られている(Mark et al., Proc Natl Acad Sci USA 81(18): 5662-6(1984); ZollerおよびSmith, Nucleic Acids Res 10(20):6487-500(1982); Dalbadie-McFarland et al., Proc Natl Acad Sci USA 79(21): 6409-13(1982))。本発明のペプチドは、PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性を有する限り、PHB2由来のアミノ酸配列中、例えば、BIG3ポリペプチドとの結合部位以外の位置においてアミノ酸残基の置換もしくは欠失を含んでいてもよいし、BIG3ポリペプチドとの結合に影響を与えない位置においてアミノ酸残基が挿入もしくは付加されていてもよい。実際、本明細書の実施例において、PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位以外のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列を有するペプチドも、当該置換のないペプチドと同等の生物活性を保持することが示されている。したがって、本発明のペプチドは、以下の(a')~(b')からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、かつPHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性を有するペプチドを包含する:
(a')配列番号1および36~41(PHB2配列由来ペプチドNo.1、36~41)からなる群より選択されるアミノ酸配列において、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における15番目のグリシン及び18番目のグリシンに対応する位置以外の1個、2個又は数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列;ならびに
(b')配列番号5および47~53(PHB2配列由来ペプチドNo.5、47~53)からなる群より選択されるアミノ酸配列において、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における82番目のアスパラギン酸に対応する位置以外の1個、2個又は数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列。
【0028】
上記(a')~(b')において、置換されるアミノ酸残基は、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する能力が維持される限り、いずれのアミノ酸残基であってもよい。いずれのアミノ酸残基を置換するかは、例えば、PSIVERのような計算法を用いて、BIG3ペプチドとの結合に関与していないアミノ酸残基を予測して決定することもできる。置換されるアミノ酸残基の数もまた、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する能力が維持される限り特に限定されず、1個、2個又は数個のアミノ酸残基が置換され得る。「数個」とは、好ましくは6個、5個、4個又は3個である。
【0029】
一般的に、元のアミノ酸残基のアミノ酸側鎖の特性が保存された別のアミノ酸残基への置換は、元のペプチドの機能に影響を及ぼさない傾向にあることが認識されている。そのような置換はしばしば「保存的置換」または「保存的改変」と称される。したがって、上記(a')~(b')における置換は、保存的置換により行われることが好ましい。
機能的に類似したアミノ酸を示す保存的置換の表は、当技術分野において周知である。保存することが望ましいアミノ酸側鎖の特性の例には、例えば、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、Y、V)、親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H、K、S、T)、並びに以下の官能基又は特徴を共通して有する側鎖が含まれる:脂肪族側鎖(G、A、V、L、I、P);ヒドロキシル基含有側鎖(S、T、Y);硫黄原子含有側鎖(C、M);カルボン酸およびアミド含有側鎖(D、N、E、Q);塩基含有側鎖(R、K、H);並びに芳香族含有側鎖(H、F、Y、W)。加えて、以下の8群はそれぞれ、相互に保存的置換であるとして当技術分野で認められるアミノ酸を含む:
1)アラニン(A)、グリシン(G);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リジン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
7)セリン(S)、スレオニン(T);および
8)システイン(C)、メチオニン(M)(例えば、Creighton, Proteins 1984を参照されたい)。
【0030】
しかしながら、上記(a')~(b')における置換はこれらに限定されず、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性が維持される限り、非保存的置換であってもよい。
本発明のペプチドは、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性が維持される限り、PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位以外のアミノ酸残基を含み得る。例えば、PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含むPHB2ポリペプチドの断片は、本発明のペプチドとして好適である。したがって、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における15番目のグリシン及び18番目のグリシン及びその周辺配列を含むPHB2ポリペプチド(配列番号1および36~41(PHB2配列由来ペプチドNo.1、36~41))ならびに配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における82番目のアスパラギン酸及びその周辺配列を含むPHB2ポリペプチド(配列番号5および47~53(PHB2配列由来ペプチドNo.5、47~53))は、本発明のペプチドの好ましい例として挙げられる。本発明のペプチドの別の好ましい例として、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における44~57番目のアミノ酸及びその周辺配列を含むPHB2ポリペプチド(配列番号82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.82~83)も挙げられる。
【0031】
たとえば、配列番号1、5、36~41、47~53、および82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.1、5、36~41、47~53、82~83)のアミノ酸配列を含み、たとえば30残基、あるいは20残基、典型的には19残基、好ましくは18残基、より好ましくは17残基以下のアミノ酸で構成されるペプチドを、本発明におけるPHB2ペプチドとして例示することができる。このようなペプチドとしては、配列番号1、5、36~41、47~53、および82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.1、5、36~41、47~53、82~83)のアミノ酸配列(9残基)と、PHB2ポリペプチドを構成する全長アミノ酸配列から選択されたアミノ酸配列を含み、30残基、あるいは20残基、典型的には19残基、好ましくは18残基、より好ましくは17残基以下のアミノ酸で構成されるペプチドを示すことができる。
【0032】
本発明の好ましい態様において、配列番号1、5、36~41、47~53、および82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.1、5、36~41、47~53、82~83)のアミノ酸配列に付加するアミノ酸は、0(すなわち配列番号1、5、36~41、47~53、および82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.1、5、36~41、47~53、82~83)からなるアミノ酸配列)、PHB2ポリペプチドを構成する全長アミノ酸配列(配列番号28(PHB2ポリペプチド全長))から選択された1、あるいは2以上の連続するアミノ酸配列であることができる。配列番号1、5、36~41、47~53、および82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.1、5、36~41、47~53、82~83)のアミノ酸配列は、PHB2ポリペプチドを構成する全長アミノ酸配列(配列番号28(PHB2ポリペプチド全長))における15番目のグリシン、18番目のグリシン、82番目のアスパラギン酸、または44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列である。したがって、本発明の好ましい態様において、配列番号1、5、36~41、47~53、および82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.1、5、36~41、47~53、82~83)に付加するアミノ酸残基、またはアミノ酸配列は、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における15番目のグリシン、18番目のグリシン、82番目のアスパラギン酸、または44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列に隣接するアミノ酸配列から選択することができる。
【0033】
本発明のペプチドは、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性に加えて、以下の(i)及び(ii)のいずれか又は両方の性質を有することが望ましい:
(i)BIG3ポリペプチドを発現しているエストロゲン受容体陽性細胞において、PHB2ポリペプチドの核内移行を促進する;及び
(ii)ERAP1ポリペプチドを発現しているエストロゲン受容体陽性細胞において、核内及び/又は細胞膜に存在するエストロゲン受容体とPHB2ポリペプチドとの結合を促進する。
上記(i)及び(ii)のいずれか又は両方の性質を有することにより、本発明のペプチドは、BIG3発現細胞において、エストロゲン受容体の活性化を抑制し、その結果としてエストロゲン受容体陽性細胞の細胞増殖の抑制を導く。PHB2ペプチドの前記性質(i)および(ii)は、いずれも、当業者に公知の方法に従って評価することができる。
【0034】
PHB2ポリペプチドは、エストロゲン受容体選択的なコレギュレーターであることが知られており、エストロゲン受容体との相互作用によりエストロゲン受容体の転写活性化を抑制する(Kasashima K, J Biol Chem 281(47): 36401-10(2006))。一方、BIG3ポリペプチドはPHB2ポリペプチドと結合することにより、PHB2ポリペプチドの核内移行を妨げ、核内におけるPHB2ポリペプチドとエストロゲン受容体との相互作用を阻害する。また、細胞膜に存在するエストロゲン受容体とPHB2ポリペプチドとの結合を妨げる。これらの作用の結果として、BIG3ポリペプチドを過剰発現している細胞では、PHB2ポリペプチドによるエストロゲン受容体の活性化抑制が十分に働かず、細胞増殖の亢進が誘導される。
【0035】
本発明のペプチドは、BIG3ポリペプチドとPHB2ポリペプチドとの結合を競合的に阻害することにより、BIG3ポリペプチドとの結合によって阻害されたPHB2ポリペプチドのエストロゲン受容体活性化抑制機能を回復させる点に特徴を有する。一方、PHB2ポリペプチドは、エストロゲン受容体との結合を通して、エストロゲン受容体の活性化を抑制する。したがって、本発明のペプチドは、BIG3ポリペプチドとPHB2ポリペプチドとの結合は阻害するが、エストロゲン受容体とPHB2ポリペプチドとの結合を妨げず、ひいてはPHB2ポリペプチドによるエストロゲン受容体活性化の抑制を妨げないものであることが望ましい。上記のように、BIG3ポリペプチドとの結合部位を含むPHB2ポリペプチドの断片は、本発明のペプチドとして好適ではあるが、PHB2ポリペプチドの全長に近いペプチドは、内在性PHB2ポリペプチドとエストロゲン受容体との結合を妨げ、結果として内在性PHB2ポリペプチドによるエストロゲン受容体活性化の抑制を妨げる可能性がある。よって、本発明のペプチドに含まれるPHB2ポリペプチドの部分アミノ酸配列は、100残基以下であることが好ましく、80残基以下であることがより好ましく、70残基以下であることがさらに好ましい。より好ましい態様では、本発明のペプチドに含まれるPHB2ポリペプチドの部分アミノ酸配列は、50残基以下、40残基以下、30残基以下、25残基以下、又は20残基以下である。PHB2におけるエストロゲン受容体との結合部位は、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)のアミノ酸配列における175~198番目のアミノ酸からなる部位であることから、本発明のペプチドは当該部位を含まないことが好ましく、その場合、本発明のペプチドに含まれるPHB2ポリペプチドの部分アミノ酸配列は、175~198番目のアミノ酸配列を除いた、100残基以下であることが望ましく、80残基以下であることがより好ましく、70残基以下であることがさらに好ましい。より好ましい態様では、本発明のペプチドに含まれるPHB2ポリペプチドの部分アミノ酸配列は、175~198番目のアミノ酸配列を除いた、50残基以下、40残基以下、30残基以下、25残基以下、又は20残基以下である。
【0036】
また、本発明のペプチドは、BIG3ポリペプチドとPHB2ポリペプチドとの結合を阻害する活性が維持され、かつPHB2ポリペプチドによるエストロゲン受容体活性化の抑制を妨げない限り、PHB2ポリペプチドに由来するアミノ酸配列以外の追加のアミノ酸配列も含み得る。この場合も、追加のアミノ酸配列は内在性PHB2ポリペプチドとエストロゲン受容体との結合を妨げないことが望ましい。そのため、本発明のペプチドは、100残基以下、80残基以下、又は70残基以下のペプチドであることが好ましい。より好ましい態様では、本発明のペプチドは、50残基以下、40残基以下、又は30残基以下のペプチドである。本発明のペプチドに含まれるアミノ酸配列の好ましい例としては、例えば後述する細胞透過性ペプチドを構成するアミノ酸配列、他の物質を結合するためのリンカー配列などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
また、本発明のペプチドは、他の物質により修飾されていてもよい。本明細書において、ペプチドに関して使用される「修飾された」という用語は、ペプチドに直接的又は間接的に他の物質が結合していることを指す。本発明のペプチドを修飾する他の物質としては、例えば、ペプチド、脂質、糖類、及び天然性又は合成性のポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明のペプチドは、BIG3ポリペプチドとPHB2ポリペプチドとの結合を阻害する活性を維持する限り、任意の修飾を有し得る。また、本発明のペプチドは、修飾により追加的な機能を付与されてもよい。追加的な機能の例としては、例えば、標的指向性、安定性、細胞膜透過性などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本発明において、修飾の好ましい例としては、例えば、細胞膜透過性物質の導入が挙げられる。通常、細胞内構造は細胞膜によって外界と遮断されている。そのため、細胞外物質を細胞内に効率的に導入することは困難である。しかし、ある種の物質は、細胞膜透過性を有し、細胞膜に遮られることなく細胞内に導入され得る。このような細胞膜透過性を有する物質(細胞膜透過性物質)で修飾することにより、細胞膜透過性を有さない物質に細胞膜透過性を付与することが可能である。したがって、本発明のペプチドを細胞膜透過性物質で修飾することにより、本発明のペプチドを細胞内に効率的に導入することができる。なお、本明細書において、「細胞膜透過性」とは、哺乳動物の細胞膜を透過して細胞質に入ることのできる性質を指す。また、「細胞膜透過性物質」とは、「細胞膜透過性」を有する物質を指す。
【0039】
細胞膜透過性物質の例としては、例えば、膜融合性リポソーム、細胞膜透過性ペプチドなどが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、膜融合性リポソームは細胞膜と融合して、その内容物を細胞内に放出する。膜融合性リポソームは、例えば、膜融合性を有する物質でリポソーム表面を修飾することにより調整することができる。膜融合性リポソームの例としては、例えば、pH感受性リポソーム(Yuba E, et al., J. Control. Release, 149, 72-80 (2011))、センダイウィルス膜融合性リポソーム(WO97/016171)、細胞膜透過性ペプチドで修飾されたリポソームなどが挙げられる。本発明のペプチドは、細胞内に効率的に導入するために、膜融合性リポソーム内に封入されてもよい。本発明では、膜融合性リポソーム内へのペプチドの封入も、ペプチドの「修飾」に包含される。
【0040】
細胞膜透過性ペプチドについては、これまでに様々な天然の又は人工的に合成されたペプチドが報告されている(Joliot A. & Prochiantz A., Nat Cell Biol. 2004; 6: 189-96)。細胞膜透過性ペプチドの例としては、例えば、以下のペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
ポリアルギニン(Matsushita et al., J. Neurosci.; 21(16), 6000-7(2003));
Tat/RKKRRQRRR(配列番号90)(Frankel et al., Cell 55(6),1189-93(1988)., Green & Loewenstein Cell 55, 1179-88(1988));
Penetratin/RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号103)(Derossi et al., J. Biol. Chem. 269(14), 10444-50 (1994));
Buforin II/TRSSRAGLQFPVGRVHRLLRK(配列番号91)(Park et al., Proc. Natl Acad. Sci. USA 97(15), 8245-50(2000));
Transportan/GWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKKIL(配列番号92)(Pooga et al., FASEB J. 12(1), 67-77(1998));
MAP (Model Amphipathic Peptide)/KLALKLALKALKAALKLA(配列番号93)(Oehlke et al., Biochim. Biophys. Acta. 1414(1-2), 127-39(1998));
K-FGF/AAVALLPAVLLALLAP(配列番号94)(Lin et al., J. Biol. Chem. 270(24), 14255-8 (1995));
Ku70/VPMLK(配列番号95)(Sawada et al., Nature Cell Biol. 5(4), 352-7(2003));
Ku70/PMLKE(配列番号96)(Sawada et al., Nature Cell Biol. 5(4), 352-7(2003));
Prion/MANLGYWLLALFVTMWTDVGLCKKRPKP(配列番号97)(Lundberg et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 299(1), 85-90(2002));
pVEC/LLIILRRRIRKQAHAHSK(配列番号98)(Elmquist et al., Exp. Cell Res. 269(2), 237-44(2001));
Pep-1/KETWWETWWTEWSQPKKKRKV(配列番号99)(Morris et al., Nature Biotechnol. 19(2), 1173-6(2001));
SynB1/RGGRLSYSRRRFSTSTGR(配列番号100)(Rousselle et al., Mol. Pharmacol. 57(4), 679-86(2000));
Pep-7/SDLWEMMMVSLACQY(配列番号101)(Gao et al., Bioorg. Med. Chem. 10(12), 4057-65(2002));及び
HN-1/TSPLNIHNGQKL(配列番号102);(Hong & Clayman Cancer Res. 60(23), 6551-6(2000))。
【0042】
上記に挙げたポリアルギニンは、任意の数のアルギニン残基から構成され得る。例えば、5~20個のアルギニン残基から構成され得る。ポリアルギニンを構成するアルギニン残基の数は、BIG3ポリペプチドとPHB2ポリペプチドとの結合を阻害する本ペプチドの活性を妨げない限り、特に限定されない。
【0043】
また、ペプチドのin vivo安定性を高めるために、特に有用な様々なアミノ酸模倣体又は非天然アミノ酸を(例えば、置換、付加、又は挿入により)導入することが当技術分野において公知である。導入されるアミノ酸模倣体又は非天然アミノ酸の例としては、βアミノ酸、D-アミノ酸、およびN-メチルアミノ酸が挙げられるが、それらに限定されない。したがって、本発明のペプチドは、インビボ安定性を高めるために、そのようなアミノ酸模倣体又は非天然アミノ酸を導入することができる。また、アミノ酸のα炭素をアミノ基に置換したアザペプチドや、ペプチド内のアミド結合を、その等価体(エステル、スルホンアミド、アルケンイソスターなど)に置換する手法も当技術分野において公知である。ペプチドの安定性は、例えば、ペプチダーゼ、並びにヒト血漿及び血清などの様々な生物学的培地を用いて確認することができる(例えば、Coos Verhoef et al. Eur. J. Drug Metab. Pharmacokin. 11(4): 291-302(1986).を参照されたい)。
【0044】
したがって、本発明は、PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害するペプチドであって、アミノ酸模倣体又は非天然アミノ酸(例えば、βアミノ酸、D-アミノ酸、およびN-メチルアミノ酸)を少なくとも1つ含む、ペプチドを提供する。特定の態様において、本発明のペプチドは、配列番号1、5、36~41、47~53、および82~83(PHB2配列由来ペプチドNo.1、5、36~41、47~53、82~83)からなる群より選択されるアミノ酸配列において、1個、2個、または数個のアミノ酸が、対応するアミノ酸模倣体又は非天然アミノ酸(例えば、βアミノ酸、D-アミノ酸、およびN-メチルアミノ酸)に置換されている、アミノ酸配列を含む。
また、本発明は、PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害するペプチドであって、少なくとも1つのアミド結合がその等価体(例えば、エステル、スルホンアミド、およびアルケンイソスター)に置き換えられたペプチドも提供する。
【0045】
環状型および架橋型ペプチド
特定の態様において、本発明のペプチドは環化されていてもよく、環化によって本発明のペプチドの安定性が向上しうる。本発明のペプチドに環構造を導入する方法は周知であり、例えば、直鎖型ペプチドのN末端及びC末端にシステインを付加し、これらのシステインにジスルフィド結合を形成させることによってペプチドを環化することができる。本明細書において、このようにペプチドを構成するアミノ酸配列中2つ(1対)のアミノ酸残基の側鎖が架橋(ステープル化)されている構造を「ステープリング構造」と呼ぶことができ、1つまたは複数のステープリング構造が導入されている架橋型ペプチドは「ステープル化ペプチド」とも表記される。このような分子内架橋を形成するアミノ酸残基の位置は、元の直鎖型ペプチドのN末端及びC末端に限定されず、元の直鎖型ペプチド内に存在するアミノ酸残基が分子内架橋を形成してもよいし、元の直鎖型ペプチドに(例えば、置換、付加、又は挿入により)導入されたアミノ酸残基が分子内架橋を形成してもよい。分子内架橋を形成するアミノ酸残基は天然アミノ酸に限定されず、上記のようなアミノ酸模倣体又は非天然アミノ酸であってもよい。また、ペプチドを架橋する方法は、ジスルフィド結合の形成に限定されず、(例えば、ヘキサフルオロベンゼンまたはデカフルオロビフェニルを用いることによる)フルオロベンゼンを介したシステイン残基間の架橋、チオエーテル結合の形成、エステル結合の形成、及び閉環オレフィンメタセシス等の炭化水素ステープリング技術(例えばWO2017/126461に記載)等も挙げられる。
【0046】
さらに、ペプチドを環化する方法は、上記のような分子内架橋を形成させる方法に限定されず、ペプチドのC末端アミノ酸残基とN末端アミノ酸残基とのアミド結合の形成等も挙げられる。このように種々の方法によって環化したペプチドは、本明細書において環状型ペプチドと表記され、分子内架橋を含む(すなわち架橋型の)環状型ペプチド(例えば、図4及び11に記載の配列番号25、26、123~124、及び126~127)と、分子内架橋を含まない環状型ペプチド(例えば、図11に記載の配列番号125、128)の両方を含む。
したがって、本発明は、PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する環状ペプチドであって、少なくとも1つの分子内結合によって環化されている、環状ペプチドを提供する。当該分子内結合の例としては、ジスルフィド結合、(例えば、ヘキサフルオロベンゼンまたはデカフルオロビフェニルを用いることによる)フルオロベンゼンを介したシステイン残基間の架橋、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、炭化水素鎖(例えば、オレフィン、アリール等)による結合、複素環(例えば、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール等)による結合、アミド結合、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0047】
そのような分子内結合は、環状ペプチドの元となる直鎖型ペプチドの両末端のアミノ酸残基によって形成されてもよいし、直鎖型ペプチド内のアミノ酸残基によって形成されてもよい。また、前記分子内結合は、PHB2ポリペプチドに由来するアミノ酸配列中のアミノ酸残基によって形成されてもよいし、当該アミノ酸配列に(例えば、置換、付加、又は挿入により)導入されたアミノ酸残基によって形成されてもよい。そのような本発明の環状ペプチドの好ましい例として、11-21aa及び76-88aaの環状型PHB2ペプチド(それぞれ、配列番号25、106~108、115~117、又は123~124;及び配列番号26、110~112、119~121、又は126~127からなる環状ペプチド)が挙げられる。これらの例示的環状ペプチドは、構造の安定化(およびそれに伴う活性向上やプロテアーゼ耐性の向上)と膜透過性の向上を目的に、PHB2配列由来の11-21aa及び76-88aaの直鎖型ペプチドに対して、分子内結合(分子内架橋)を形成する2つのシステイン残基の付加(配列番号25~26、106~108、110~112、115~117、119~121、123~124、126~127);非天然アミノ酸の付加または置換(配列番号25~26、106~108、115~117、123~124、126~127);及び連続する複数のアルギニン残基の付加(配列番号25~26、106~108、110~112、123~124、126~127)がなされており、導入された2つのシステイン残基が分子内架橋を形成すること(配列番号25~26、106~108、110~112、115~117、119~121、123~124、126~127)、および付加されたC末端アミノ酸残基とN末端アミノ酸残基がアミド結合を形成すること(配列番号25~26、123~124、126~127)によって環化されている(図4C図10A図11A)。これらの例示的環状ペプチド(特に環状型かつ架橋型のペプチド)は、元の直鎖型ペプチドと比較して増殖抑制効果が亢進しており(図5A図10C図11B)、さらに抑制効果が長期的に持続することが示された(図6A)。
【0048】
本発明は、以下の工程を含む、環状ペプチドの製造方法にも関する:
(a) PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する直鎖型ペプチドを提供する工程;ならびに
(b) 前記直鎖型ペプチドにおいて、少なくとも1つの分子内結合を形成させる工程であって、それによって前記直鎖型ペプチドが環化される、工程。
前記分子内結合は、任意で、ジスルフィド結合、(例えば、ヘキサフルオロベンゼンまたはデカフルオロビフェニルを用いることによる)フルオロベンゼンを介したシステイン残基間の架橋、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、炭化水素鎖(例えば、オレフィン、アリール等)による結合、複素環(例えば、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール等)による結合、アミド結合、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
前記方法は、任意で、システイン残基、アミノ酸模倣体又は非天然アミノ酸、及び連続する複数のアルギニン残基からなる群より選択される少なくとも1つを前記直鎖型ペプチドに(例えば、置換、付加、又は挿入により)導入する工程を含む。
【0049】
本発明のペプチドは、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性を有する点に特徴を有する。作成したペプチドが、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性を有するか否かは、該ペプチドの存在下及び非存在下におけるPHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合レベルを比較することにより、確認することができる。すなわち、該ペプチドの非存在下における結合レベルと比較して、該ペプチドの存在下における結合レベルの方が低い場合には、該ペプチドは、「PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性」を有すると判定できる。
【0050】
PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合レベルの測定は、種々の公知の方法を用いて行うことができる。例えば、抗PHB2抗体又は抗BIG3抗体を用いた免疫沈降、アフィニティークロマトグラフィー、表面プラズモン共鳴現象を使用するバイオセンサーなどが使用可能である。
【0051】
具体的な方法としては、例えば、試験ペプチドの存在下及び非存在下において、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとをインキュベートする。その後、反応液を抗PHB2抗体又は抗BIG3抗体で免疫沈降し、免疫沈降物のウェスタンブロット解析を行う。PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合レベルは、抗PHB2抗体で免疫沈降されたBIG3ポリペプチドレベル又は抗BIG3抗体で免疫沈降されたPHB2ポリペプチドレベルの少なくとも一方を検出することにより確認することができる。ここで使用するPHB2ポリペプチド及びBIG3ポリペプチドは、公知の遺伝子工学的手法によって調整することができる。また、これらのポリペプチドの産生細胞の細胞溶解物を用いることもできる。これらのポリペプチドの産生細胞としては、本明細書の実施例に記載されるような細胞株が利用可能である。
【0052】
あるいは、本明細書の実施例に記載されるような方法を用いることもできる。具体的には、試験ペプチドの存在下及び非存在下において、エストロゲン受容体陽性細胞を培養する。その後、細胞を適切な溶解バッファーで溶解し、その細胞溶解物を用いて上記と同様の免疫沈降及びウェスタンブロット解析を行ってもよい。
上記のような方法のいずれかにより、「PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性」が確認されたペプチドは、「PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性」を有するペプチドであると判定される。
【0053】
また、本発明のペプチドは、好ましい性質として、以下の(i)及び(ii)のいずれか又は両方の性質を有し得る:
(i)BIG3ポリペプチドを発現しているエストロゲン受容体陽性細胞において、PHB2ポリペプチドの核内移行を促進する;及び
(ii)BIG3ポリペプチドを発現しているエストロゲン受容体陽性細胞において、核内及び/又は細胞膜に存在するエストロゲン受容体とPHB2ポリペプチドとの結合を促進する。
【0054】
本発明のペプチドが、上記の性質を有するか否かは、本発明のペプチドの存在下及び非存在下における(i)PHB2ポリペプチドの核移行レベル、及び/又は(ii)エストロゲン受容体とPHB2ポリペプチドとの結合レベル、を比較することにより、確認することができる。すなわち、本発明のペプチドの非存在下におけるレベルと比較して、本発明のペプチドの存在下におけるレベルの方が高い場合には、本発明のペプチドは、上記(i)及び/又は(ii)の性質を有すると判定できる。
【0055】
上記(i)及び/又は(ii)の性質の有無を判定するための具体的な方法の例としては、当業者に周知の方法を使用することができる。具体的には、上記(i)の性質について調べる場合には、本発明のペプチドを添加し又は添加しないで、エストロゲン受容体陽性細胞をエストラジオールで24時間刺激する。その後、比重遠心により細胞を分画し、核画分に存在するPHB2ポリペプチドをウェスタンブロット解析等により検出する。本発明のペプチドを添加した場合の方が、添加しなかった場合と比較して、核画分で検出されるPHB2ポリペプチドのレベルが増加していた場合には、本発明のペプチドは上記(i)の性質を有すると判定される。また、核内に存在するPHB2ポリペプチドのレベルは、免疫細胞化学的染色により検出することもできる。
【0056】
上記(ii)の性質について調べる場合には、本発明のペプチドを添加し又は添加しないで、エストロゲン受容体陽性細胞をエストラジオールで24時間刺激する。その後、比重遠心により細胞を分画し、細胞質画分及び核画分を抗エストロゲン受容体抗体又は抗PHB2抗体で免疫沈降し、免疫沈降物のウェスタンブロット解析を行う。その結果、本発明のペプチドを添加した場合の方が、添加しなかった場合と比較して、細胞質画分及び/又は核画分において、エストロゲン受容体とPHB2ポリペプチドとの結合レベルが増加していた場合には、本発明のペプチドは上記(ii)の性質を有すると判定される。
【0057】
本発明のペプチドは、当業者に周知の方法を用いて製造することができる。例えば、そのアミノ酸配列に基づいた化学合成により、本発明のペプチドを得ることができる。ペプチドの化学合成方法は、公知であり、当業者であれば、本発明のペプチドとして選択されたアミノ酸配列に基づき、本発明のペプチドを化学合成することができる。ペプチドの化学合成方法については、例えば、以下のような文献に記載されている;
(i)Peptide Synthesis, Interscience, New York, 1966;
(ii)The Proteins, Vol. 2, Academic Press, New York, 1976;
(iii)ペプチド合成,丸善, 1975;
(iv)ペプチド合成の基礎と実験, 丸善, 1985;
(v)医薬品の開発 続第14巻(ペプチド合成), 広川書店, 1991;
(vi)WO99/67288;及び
(vii)Barany G. & Merrifield R.B., Peptides Vol. 2, 「Solid Phase Peptide Synthesis」, Academic Press, New York, 1980, 100-118。
【0058】
また、遺伝子工学的手法(例えば、Morrison J, J Bacteriology, 132(1): 349-51(1977);Clark-Curtiss & Curtiss, Methods in Enzymology (eds. Wu et al.), 101: 347-62(1983))により、本発明のペプチドを得ることもできる。例えば、本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドを適切な発現ベクターに挿入し、適切な宿主細胞に導入して形質転換細胞を調製する。次いで、該宿主細胞を培養して本発明のペプチドを産生させ、その細胞抽出物を調整する。該細胞抽出物からの本ペプチドの精製には、タンパク質精製のための標準的な手法を用いることができる。例えば、カラムクロマトグラフィー、フィルター濾過、限外濾過、塩析、溶媒沈殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動、透析、及び再結晶化を適切に選択し、組み合わせることにより、本ペプチドを精製することができる。また、本発明のペプチドは、タンパク質合成のために必要な要素がインビトロで再構成されたインビトロ翻訳系によっても合成することができる。
【0059】
遺伝子工学的手法を用いる場合には、本発明のペプチドを、他のペプチドとの融合タンパク質として発現させることもできる。本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドと他のペプチドをコードするポリヌクレオチドとを、インフレームとなるように連結して、適切な発現ベクターに挿入し、適切な宿主細胞に導入して形質転換細胞を調整する。次いで、該宿主細胞を培養して本発明のペプチドと他のペプチドとの融合タンパク質を産生させ、その細胞抽出物を調整する。該細胞抽出物からの該融合タンパク質の精製は、例えば、融合タンパク質と親和性を有する物質を結合させたカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより該融合タンパク質を捕捉することにより、行うことができる。また、本発明のペプチドと他のペプチドとを、ペプチダーゼ、プロテアーゼ、及びプロテアソームなどの酵素によって切断され得るリンカー配列を介して結合させておけば、カラムに捕捉された該融合タンパク質をこれらの酵素で処理することにより、本発明のペプチドをカラムから分離することができる。融合タンパク質の形成に使用し得る他のペプチドには、例えば、以下のようなペプチドが含まれるが、これらに限定されない:
FLAG(Hopp et al., Bio/Technology 6, 1204-10(1988));
ヒスチジン(His)残基からなる6xHis又は10xHis;
インフルエンザ血球凝集素(HA);
ヒトc-myc断片、VSV-GP断片;p18 HIV断片;
T7タグ; HSVタグ;
Eタグ;SV40T抗原断片;
lckタグ;
α-チューブリン断片;
Bタグ;
プロテインC断片;
GST(グルタチオン-S-トランスフェラーゼ);
HA(インフルエンザ血球凝集素);
免疫グロブリン定常領域;
β-ガラクトシダーゼ;及び;
MBP(マルトース-結合タンパク質)。
【0060】
2.本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチド、ベクター、及び宿主細胞
本発明はまた、本発明のペプチドをコードするポリヌクレチドも提供する。また、本発明は、該ポリヌクレチドを含むベクター、及び該ベクターを含む宿主細胞も提供する。該ポリヌクレチド、該ベクター、及び該宿主細胞は、本発明のペプチドを製造するために使用することができる。
【0061】
本発明のポリヌクレオチドは、当業者に知られた方法によって作製することができる。例えば、Beaucage SL & Iyer RP, Tetrahedron, 48: 2223-311(1992);Matthes et al., EMBO J, 3(4): 801-5(1984)に記載されるような固相技法を用いて、本発明のポリヌクレオチドを合成することができる。また、遺伝子工学的手法を用いて本発明のポリヌクレオチドを調整することもできる。例えば、本発明のペプチドとして選択したアミノ酸配列をコードするPHB2遺伝子(配列番号27)の部分塩基配列に基づいて、プライマーを作成し、PHB2ポリペプチドを発現する細胞から抽出したmRNAを鋳型として、逆転写PCRを行う。これにより、本発明のポリヌクレオチドを増幅することができる。
【0062】
本発明のポリヌクレオチドは、適切な発現ベクターに挿入し、適切な宿主細胞に導入することにより、宿主細胞内で本発明のペプチドを産生させることができる。
【0063】
例えば、大腸菌を宿主細胞として選択し、ベクターを大腸菌(例えば、JM109、DH5α、HB101、またはXL1Blue)の内部で大量に増幅させる場合には、ベクターは、大腸菌内で増幅するための「ori」、及び、形質転換された大腸菌を選択するためのマーカー遺伝子(例えば、アンピシリン、テトラサイクリン、カナマイシン、クロラムフェニコールなどの薬剤によって選択される薬剤抵抗性遺伝子)を有する必要がある。例えば、M13シリーズのベクター、pUCシリーズのベクター、pBR322、pBluescript、pCR-Scriptなどを用いることができる。本発明のペプチドの産生のためにベクターを用いる場合には、発現ベクターが特に有用である。例えば、大腸菌内で発現させようとする発現ベクターは、大腸菌内で増幅させるための上記の特徴を有する必要がある。JM109、DH5α、HB101、またはXL1Blueなどの大腸菌を宿主細胞として用いる場合には、ベクターは、大腸菌内で所望の遺伝子を効率的に発現しうるプロモーター、例えば、lacZプロモーター(Wardら、Nature 341(6242): 544-6 (1989);FASEB J 6(7): 2422-7 (1992))、araBプロモーター(Betterら、Science 240(4855): 1041-3 (1988))、又はT7プロモーターなどを有する必要がある。さらに、ベクターは、ポリペプチド分泌のためのシグナル配列をも含みうる。大腸菌の周辺質(periplasm)へのポリペプチド分泌を指令するシグナル配列の一例は、pelBシグナル配列(Leiら、J Bacteriol 169(9): 4379-83 (1987))である。ベクターを標的宿主細胞に導入するための手段には、例えば、塩化カルシウム法および電気穿孔法が含まれる。
【0064】
大腸菌以外に、例えば、哺乳動物細胞由来の発現ベクター(例えば、pcDNA3(インビトロジェン(Invitrogen))及びpEGF-BOS(Mizushima S., Nucleic Acids Res 18(17): 5322 (1990))、pEF、pCDM8)、昆虫細胞由来の発現ベクター(例えば、「Bac-to-BACバキュロウイルス発現系」(ギブコBRL(GIBCO BRL))、pBacPAK8)、植物由来の発現ベクター(例えば、pMH1、pMH2)、動物ウイルス由来の発現ベクター(例えば、pHSV、pMV、pAdexLcw)、レトロウイルス由来の発現ベクター(例えば、pZIpneo)、酵母由来の発現ベクター(例えば、「Pichia発現キット」(インビトロジェン)、pNV11、SP-Q01)、及び枯草菌(Bacillus subtilis)由来の発現ベクター(例えば、pPL608、pKTH50)も使用可能である。
【0065】
ベクターをCHO細胞、COS細胞又はNIH3T3細胞などの動物細胞内で発現させるためには、ベクターは、この種の細胞における発現のために必要なプロモーター、例えば、SV40プロモーター(Mulliganら、Nature 277(5692): 108-14 (1979))、MMLV-LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushimaら、Nucleic Acids Res 18(17): 5322 (1990))、CMVプロモーターなどを有する必要があるほか、形質転換体を選択するためのマーカー遺伝子(例えば、薬剤(例えば、ネオマイシン、G418)によって選択される薬剤抵抗性遺伝子)を有することが好ましい。これらの特徴を備えた既知のベクターの例には、例えば、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、およびpOP13が含まれる。
【0066】
また、本発明のポリヌクレオチドは、標的細胞の細胞内で本発明のペプチドを産生させるために、適切なベクターに挿入されて、標的細胞内に導入されてもよい。標的細胞内で産生された本発明のペプチドは、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害し、該標的細胞の細胞増殖の抑制を誘導する。この場合には、本発明のポリヌクレオチドが挿入されるベクターは、本発明のポリヌクレオチドを、標的細胞のゲノムに安定に挿入するためベクターであり得る(例えば、相同的組換えカセットベクターの記述についてはThomas KR & Capecchi MR, Cell, 51(3): 503-12(1987)を参照されたい)。例えば、Wolff et al., Science, 247: 1465-8(1990);米国特許第5,580,895号;米国特許第5,589,466号;米国特許第5,804,566号;米国特許第5,739,118号;米国特許第5,736,524号;米国特許第5,679,647号;及び国際公開公報第98/04720号を参照されたい。
【0067】
また、本発明のポリヌクレオチドは、例えば、ウイルスベクター又は細菌ベクターなどの発現ベクターにも挿入され得る。発現ベクターの例としては、例えば、牛痘又は鶏痘などの弱毒化ウイルス宿主が挙げられる(例えば、米国特許第4,722,858号を参照のこと)。使用可能なベクターの他の例としては、カルメットゲラン桿菌(Bacille Calmette Guerin;BCG)が挙げられる(Stover et al., Nature, 351(6326): 456-60(1991))。他の例としては、アデノウイルスベクター及びアデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、チフス菌(Salmonella typhi)ベクター、無毒化炭疽毒素ベクターなどが挙げられる(Shata et al., Mol Med Today , 6(2): 66-71(2000); Shedlock et al., J Leukoc Biol, 68(6): 793-806(2000);およびHipp et al., In Vivo, 14(5): 571-85(2000))。
【0068】
なお、本発明のペプチドは、N末端およびC末端のアミノ酸残基のいずれかまたは両方が修飾されたものも包含する。修飾の種類は、特に限定されないが、BIG3に対する親和性に影響を与えないものであることが好ましい。好ましい修飾の例としては、例えば、N末端のアミノ酸残基のアセチル化、C末端のアミノ酸残基のアミド化、およびHAタグ、FLAGタグ等のタグペプチドの付加等を挙げることができる。
【0069】
本発明のペプチドは、L-アミノ酸から構成されるものに限定されず、1つ以上のD-アミノ酸を含むものであってもよい。ペプチド中のL-アミノ酸とD-アミノ酸の構成比は特に限定されず、全てのアミノ酸残基がL型である場合(以下「L型ペプチド」)、全てのアミノ酸残基がD型である場合(以下「D型ペプチド」)、または特定の位置のアミノ酸残基のみがD型である場合のいずれであってもよい。本発明のペプチドの一つの好ましい態様として、上記の本発明のペプチドのいずれかにおいて、全てのアミノ酸残基がD型のアミノ酸残基に置き換えられたペプチドが挙げられる。本発明のペプチドの別の好ましい態様として、BIG3との結合に重要である特定の位置のアミノ酸残基が、対応するD型のアミノ酸残基に置き換えられたペプチドも挙げられる。そのような位置の例としては、配列番号28のアミノ酸配列における15番目のグリシン、18番目のグリシン、及び82番目のアスパラギン酸に対応する位置が挙げられる。
【0070】
さらに本発明のペプチドは、上記の本発明のペプチドのいずれかのレトロインバース体であってもよい。レトロインバース体では、元のペプチドとはアミノ酸配列が逆になっており、全てのアミノ酸残基がD型のアミノ酸残基に置き換えられている。すなわち、レトロインバース体は、元のペプチドとは逆向きのアミノ酸配列を有するD型ペプチドである。したがって、上記の本発明のペプチドのいずれかのレトロインバース体であるペプチドもまた、本発明のペプチドの好ましい態様として挙げられる。
【0071】
また本発明のペプチドは、塩の形態であってもよい。塩の形態は特に限定されないが、薬学的に許容される塩であることが好ましい。なお、本明細書において「薬学的に許容される塩」とは、ペプチドの薬理学的または薬学的な有効性および特性を保持する塩をさす。塩の好ましい例としては、アルカリ金属(リチウム、カリウム、ナトリウムなど)との塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)との塩、その他の金属(銅、鉄、亜鉛、マンガンなど)との塩、有機塩基との塩、アミンとの塩、有機酸(酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸など)との塩、および無機酸(塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸など)との塩等を挙げることができる。これらの塩は、公知の方法に従って調製することができる。
【0072】
3. 本発明のペプチド又はポリヌクレオチドを含む医薬組成物及びその使用
本発明はまた、本発明のペプチド若しくはその塩又は本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドを薬学的に許容される担体とともに含む医薬組成物を提供する。
本発明のペプチドは、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害することにより、PHB2ポリペプチドによるエストロゲン受容体の活性化抑制を誘導し、その結果として、エストロゲン受容体陽性細胞における細胞増殖の抑制を導く。したがって、本発明の医薬組成物は、エストロゲン受容体の活性化に起因する細胞増殖性疾患の治療及び予防のいずれか又は両方に有用である。そのような細胞増殖性疾患としては、例えば、がんが挙げられる。
【0073】
がんの中でも、特に乳がんは、エストロゲン受容体の活性化と深い関連があることが知られている。BIG3ポリペプチドは、新規のエストロゲン受容体活性化制御因子であり、多くの乳がん検体及び乳がん細胞で高頻度に発現している一方、正常組織ではほとんど発現が認められないことが確認されている(Kim JW, Akiyama M, Park JH, et al. Cancer Sci.; 100(8):1468-78(2009).)。したがって、乳がんでは、BIG3ポリペプチドが発現されることにより、PHB2ポリペプチドによるエストロゲン受容体の活性化抑制機能が阻害され、その結果として、乳がん細胞の増殖が促進されるものと考えられる。よって、本発明の医薬組成物は、乳がんの治療及び予防のいずれか又は両方に特に適している。また、乳がんの中でも、エストロゲン受容体陽性であって、BIG3ポリペプチドを発現している乳がんに特に有用である。しかしながら、本発明の医薬組成物は、乳がんに対する使用に限定されるものではなく、エストロゲン受容体陽性であって、BIG3ポリペプチドを発現しているがんであれば、本発明の医薬組成物を使用することができる。乳がん以外のエストロゲン受容体陽性のがんとしては、例えば、子宮体がん、卵巣がん、前立腺がん(Nelles JL, et al., Expert Rev Endocrinol Metab.;6(3):437-51(2011))、肺がん(特に非小細胞肺がん)(Stabile LP, et al., Cancer Res.;65(4):1459-70(2005); Marquez-Garban DC, et al., Steroids.;72(2):135-43(2007))などが挙げられるが、これらに限定されない。なお、本発明の医薬組成物を適用するがんは、BIG3およびPHB2を発現していることが好ましいが、エストロゲン受容体陽性のがんは、一般的に、BIG3およびPHB2を発現している。がんがエストロゲン受容体陽性か否かは、ELISA法や免疫組織化学染色法等の公知の方法により確認することができる。
【0074】
さらに、本発明のペプチドは、エストロゲン受容体陰性の乳がん細胞であるトリプルネガティブの乳がん細胞においても優れた細胞増殖抑制作用を示した(図9)。トリプルネガティブとは、一般に、乳がん細胞が、主要な薬物治療の標的因子である、HER2、エストロゲン受容体、およびプロゲステロン受容体の発現を欠くことを指す。そのため、トリプルネガティブの乳がんは、通常、薬物治療に抵抗性である。したがって、本発明の医薬組成物は、エストロゲン受容体陰性乳がんの治療及び予防のいずれか又は両方にも適用することができ、このような治療抵抗性の乳がんの患者に投与するための医薬組成物としても有用である。
すなわち本発明は、本発明のペプチドを含む医薬組成物であって、薬物療法抵抗性の乳がん患者に投与するための医薬組成物を提供する。また本発明は、薬物療法抵抗性の乳がん患者の治療及び予防のいずれか又は両方において使用するための、本発明のペプチドに関する。更に本発明は、本発明のペプチドの、薬物療法抵抗性の乳がん患者の治療及び予防のいずれか又は両方のための医薬組成物の製造における使用に関する。あるいは本発明は、薬物療法抵抗性の乳がん患者を選択する工程と、選択された患者に本発明のペプチドを投与する工程を含む、乳がんの治療及び予防のいずれか又は両方のための方法をも提供する。
薬物療法抵抗性の乳がん患者は、一般的な薬物療法の後に、その治療成績を観察することで特定することができる。具体的には、治療によって、病巣の縮退が明確に観察されない場合に、治療抵抗性であることを知ることができる。なお病巣の拡大が阻止された状態は、病巣の縮退に含まれる。前述のトリプルネガティブの乳がん患者も薬物療法に抵抗性を持つとされている。トリプルネガティブとは、HER2に加えて、エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体の発現を欠くことによって特徴付けられる乳がんである。これらの薬物療法抵抗性のマーカーは、免疫染色や遺伝子発現解析によって定量的に評価することができる。たとえば、陰性対照と同程度の発現レベルに有る場合には、ネガティブと判断される。陰性対照には、これらのマーカーの発現を欠いた治療抵抗性のがん細胞株を用いることができる。
【0075】
本発明の医薬組成物は、本発明のペプチドまたはその塩と、薬学的に許容される担体とを配合して、公知の製剤化技術を用いて製造することができる。なお、本明細書において「薬学的に許容される担体」とは、薬物のための希釈剤または溶媒剤として使用する不活性な物質をさす。本発明の医薬組成物に使用する薬学的に許容される担体は、調製する医薬組成物の剤形に応じて、一般的な医薬品に使用される担体を適宜選択すればよい。
【0076】
本発明の医薬組成物の剤形は、特に限定されず、液剤、錠剤、エリキシル剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の医薬品に一般的に使用される剤形を適宜選択することができる。また、選択した剤形に応じて、適宜、賦形剤、安定剤、懸濁液、保存剤、界面活性剤、溶解補助剤、pH調整剤、凝集抑制剤等の添加物を添加することができる。
【0077】
本発明の医薬組成物は、活性成分として、薬学的有効量の本発明のペプチド若しくはその塩又は該ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。「薬学的有効量」とは、本発明の医薬組成物がその目的を達成するために十分な量である。例えば、本発明の医薬組成物ががんの治療及び予防のいずれか又は両方のための医薬組成物である場合、薬学的有効量の一例は、患者に投与されたときに、がんの増殖速度の抑制、転移能の抑制、生存期間の延長、がんの発生の抑制若しくは遅延、又はがんに伴う様々な臨床症状の緩和を誘導する量であり得る。がんの増殖速度の抑制は、本発明の医薬組成物を投与しなかった場合と比較して、例えば、約5%以上の抑制であり得る。好ましくは、がん増殖速度の抑制は、約10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、75%以上、80%以上、90%以上、又は100%以上であり得る。
【0078】
薬学的有効量は、医薬組成物の剤形、投与間隔、投与対象の年齢、性別、体重、体表面積、疾患の種類等に応じて、適宜選択することができる。例えば、本発明の医薬組成物における本発明のペプチドまたはその塩の含有量の例として、0.001mg~1000mg、0.01mg~100mg、0.1mg~30mg、0.1mg~10mg等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
また、本発明の医薬組成物は、任意で、他の薬剤を含んでもよい。他の薬剤の例としては、抗炎症剤、鎮痛剤、解熱剤、他のがん治療剤等が挙げられる。本発明の医薬組成物に使用できる他のがん治療剤は特に限定されないが、エストロゲン陽性のがんに使用する場合には、選択的ERαモジュレーター(例えば、タモキシフェン及びラロキシフェン)、ERαダウンレギュレーター(例えば、フルベストラント)、アロマターゼ阻害剤、LH-RHアゴニスト製剤、プロゲステロン製剤等のホルモン療法剤を挙げることができる。またこれらの薬剤は、プロドラッグや薬学的に許容される塩の形で配合してもよい。
【0080】
本発明の医薬組成物は、剤形に応じて、適宜適切な投与経路を選択して、対象に投与することができる。投与経路は、特に限定されないが、例えば、経口投与、ならびに皮内、皮下、筋肉内、骨内、腹膜および静脈内注射等を挙げることができる。また、全身投与および疾患部位の近傍への局所投与のいずれであってもよいが、局所投与が好ましい。より具体的には、がん組織やその近傍に注射等の手段によって本発明の医薬組成物を投与することができる。あるいは本発明の医薬組成物を、外科的にがん組織内やその近傍に投与することもできる。本発明の医薬組成物は、適当な担体と配合することによって徐放性製剤とすることもできる。
【0081】
本発明の医薬組成物の投与間隔もまた、投与対象の年齢、性別、体重、体表面積、および疾患の種類等、ならびに本医薬組成物の剤形および投与経路等に応じて、適宜選択することができる。投与間隔の例としては、例えば、毎日、4日毎、7日毎等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
本発明の医薬組成物の用量もまた、投与対象の年齢、性別、体重、体表面積、および疾患の種類等、ならびに本医薬組成物の剤形および投与経路等に応じて、適宜選択することができる。
本発明のペプチドまたはその塩の用量の例としては、例えば、0.001~1000mg/kg/日、0.005~500mg/kg/日、0.01~250mg/kg/日等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0083】
本発明の医薬組成物は、投与対象の状態に応じて、他の医薬品と併用してもよい。併用する医薬品は特に限定されないが、エストロゲン受容体陽性のがんに使用する場合には、選択的ERαモジュレーター(例えば、タモキシフェン及びラロキシフェン)、ERαダウンレギュレーター(例えば、フルベストラント)、アロマターゼ阻害剤、LH-RHアゴニスト製剤、プロゲステロン製剤等のホルモン療法剤を挙げることができる。これらのホルモン療法剤のうち、特に好ましいものとしては、タモキシフェンおよびフルベストラントを挙げることができる。
【0084】
本発明の医薬組成物をがんの治療のために使用する場合には、投与の前に、治療対象のがんがBIG3およびPHB2を発現しているか否かを調べてもよい。治療対象のがんがBIG3およびPHB2を発現しているか否かは、対象から採取された試料においてこれらの遺伝子の転写産物や翻訳産物を検出することにより確認することができる。検出方法には公知の方法を用いることができ、例えば、転写産物をプローブやPCR法により検出する方法(例えば、cDNAマイクロアレイ法、ノーザンブロット法、RT-PCR法など)、および翻訳産物を抗体等により検出する方法(例えば、ウェスタンブロット法、免疫染色法など)等を用いることができる。
【0085】
本発明はまた、本発明の医薬組成物を含む製品またはキットを提供する。本発明の製品またはキットは、本発明の医薬組成物を収容した容器を含み得る。適切な容器の例としては、ボトル、バイアル、および試験管が挙げられるが、これらに限定されない。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。容器には、ラベルが貼付されていてもよく、ラベルには、本発明の薬学的組成物が使用されるべき疾患または疾患の状態を記載することができる。ラベルはまた、投与等に関する指示も示し得る。
【0086】
本発明の製品またはキットは、本発明の医薬組成物を収容した容器に加えて、任意で、薬学的に許容される希釈剤を収容した第2の容器をさらに含み得る。本発明の製品またはキットは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、注射針、シリンジ、および使用説明を記載した添付文書などの、商業上の観点および使用者の観点から望ましいその他の材料をさらに含み得る。
【0087】
本発明の医薬組成物はまた、必要に応じて、有効成分を含む1つまたは複数の単位剤形を含み得るパックまたはディスペンサー装置にて、提供することができる。該パックは、例えば、ブリスターパックのように金属ホイルまたはプラスチックホイルを含み得る。パックまたはディスペンサー装置には、投与に関する説明書が添付され得る。
【0088】
別の態様において、本発明はまた、以下の使用および方法等を提供する:
(a)がんの治療及び予防のいずれか又は両方のための医薬組成物の製造における、本発明のペプチド若しくはその塩または該ペプチドをコードするポリヌクレオチドの使用;
(b)がんの治療及び予防のいずれか又は両方において用いるための本発明のペプチド若しくはその塩または該ペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c)がんの治療及び予防のいずれか又は両方のための医薬組成物を製造するための方法またはプロセスであって、本発明のペプチド若しくはその塩または該ペプチドをコードするポリヌクレオチドと、薬学的に許容される担体とを製剤化する段階を含む方法またはプロセス;
(d)がんの治療及び予防のいずれか又は両方のための医薬組成物を製造するための方法またはプロセスであって、本発明のペプチド若しくはその塩または該ペプチドをコードするポリヌクレオチドを薬学的に許容される担体と混合する段階を含む方法またはプロセス;および
(e)本発明のペプチド若しくはその塩または該ペプチドをコードするポリヌクレオチドを対象に投与することを含む、がんの治療及び予防のいずれか又は両方のための方法。
上記の使用および方法等において、がんは好ましくはBIG3陽性のがんであり、エストロゲン受容体陽性のがんであってもエストロゲン受容体陰性のがん(例えば、トリプルネガティブの乳がん)であってもよい。このようながんの好適な例として乳がんが挙げられる。
【0089】
以下、実施例を参照して本発明をより詳細に記載する。しかしながら、以下の材料、方法および実施例は、本発明のある形態の作製および使用において当業者を支援するために役立ち得る一方、本発明の局面を説明するためのものにすぎず、したがって本発明の範囲を決して限定することを意図しない。当業者は、本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができる。
【0090】
なお、本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
【実施例0091】
[実施例1] エストロゲン依存性乳がんに対する効果
1.材料と方法
細胞株および培養条件
ヒト乳がん細胞株MCF-7 はJCRB細胞バンク(大阪、日本)から購入し、10% FBS(ニチレイバイオサイエンス、東京、日本)、1% Antibiotic/Antimycotic solution (Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA, USA)、0.1mM NEAA(Thermo Fisher Scientific)、1mM ピルビン酸ナトリウム(Thermo Fisher Scientific)および10μg/mLインスリン(Sigma, St. Louis, MO, USA)を補充したMEM (Thermo Fisher Scientific)で、5% CO2、37℃で維持した。
正常乳腺上皮細胞株MCF-10AはAmerican Type Culture Collection(ATCC, Manassas, VA, USA)から購入し、SingleQuotsキット(BPE、ヒドロコルチゾン、hEGF、インスリン、ゲンタマイシン/アンホテリシンB)(Lonza, Walkersville, MD, USA)および100ng/mLコレラトキシンを補充したMEBM(Lonza)で、5% CO2、37℃で維持した。
【0092】
細胞増殖アッセイ
MCF-7の増殖アッセイは、48ウェルプレート(2×104細胞/200μL)に播種して行った。まず、翌日に10% FBS、1% Antibiotic/Antimycotic solution、0.1mM NEAA、1mM ピルビン酸ナトリウムおよび10μg/mLインスリンを補充したフェノールレッドフリーのDMEM/F12(Thermo Fisher Scientific)に培地を変更し、24時間後に10nM 17β-エストラジオール(エストロゲン、Sigma)のみ、または10nMエストロゲンとPHB2配列由来ペプチドで細胞を処理した。MCF-10Aの増殖アッセイは、48ウェルプレート(2×104細胞/200μL)に播種して、24時間後にPHB2配列由来ペプチドを添加した。増殖アッセイは、Cell Counting Kit-8(CCK-8、同仁堂、熊本、日本)を用いて行い、データは3つの独立した実験の平均±標準偏差で示した。
【0093】
抗体およびイムノブロット解析
イムノブロット解析は、SDS-PAGE後にタンパク質をブロットしたメンブレンを4%ブロックエース溶液(大日本製薬、大阪、日本)で3時間ブロッキングした後、BIG3(1:1,000)、PHB2(1:1,000、Abcam, Cambridge, UK)、およびリン酸化PHB2(Ser39、Scrum、東京、日本)に対する抗体と12時間反応させた。その後、HRP標識二次抗体(BIG3は抗ラットIgG-HRP, 1:5,000、PHB2とリン酸化PHB2は抗ウサギIgG-HRP, 1:1,000、Santa Cruz Biotechnology, Dallas, TX, USA)と1時間反応させ、ブロットを増強化学発光(ECL)システム(GE Healthcare, Buckinghamshire, UK)で展開し、Image Reader LAS-3000 mini(富士フィルム、東京、日本)を用いてスキャンした。
【0094】
免疫沈降
免疫沈降はMCF-7を10cmディッシュ(2×106細胞/10mL)に播種して、細胞増殖アッセイと同様に、MCF-7を10nMエストロゲンのみ、または10nMエストロゲンとPHB2配列由来ペプチドで処理した。免疫沈降解析は、細胞溶解緩衝液(50mM Tris-HCl; pH 8.0, 150 mM NaCl, 0.1% NP-40, and 0.5% CHAPS、0.1% protease inhibitor cocktail III)で溶解した細胞溶解物をラットIgG抗体とrec-Protein Gセファロース4B(Thermo Fisher Scientific)を用いて、4℃で3時間プレクリアした。その後、上清をBIG3に対する抗体5μgと4℃で12時間反応させた。次に、抗原抗体複合体をrec-Protein Gセファロース4B用いて4℃で1時間沈降した。免疫沈降されたタンパク質複合体を細胞溶解緩衝液で4回洗浄して、SDS-PAGEおよびイムノブロット解析を行った。
【0095】
ペプチドの合成
すべてのペプチドはFmoc型固相合成法により合成した。樹脂はNovaSyn TGR樹脂(0.25mmol アミン/g)もしくはRink Amide AM樹脂(0.62mmol アミン/g)を用い、手動のFmoc固相合成法を利用した。Fmoc基の除去は、20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液を室温で10分間作用させ、樹脂をDMFで5~10回洗浄したあと、Fmocアミノ酸3当量をDMF溶媒中、N,N-ジイソプロピルカルポジイミド(DIPCDI、3.0当量)と1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt・H2O、3.3当量)あるいは N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、3.0当量)とN,N,N,N-テトラメチル-O-(ベンゾアリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU、2.9当量)を用いて、室温で90分間カップリングさせた。DMF、メタノール、エタノールで洗浄乾燥後、保護ペプチド樹脂100mgに対して、TFA:チオアニソール:m-クレソール:1,2-エタンジチオール:水(80:5:5:5:5)のカクテル5mLを、室温で90分間作用させた。TFAを窒素気流により濃縮後、残渣にエーテルを加え沈殿化させ、エーテルで沈殿物を洗浄後、適当な水性溶媒に溶解後、HPLCで分取精製した。
【0096】
2.結果
PHB2配列由来ペプチドのスクリーニング
図1Aに示す20種類のPHB2タンパク質配列由来ペプチドを用いて、MCF-7のエストロゲン(E2)依存性増殖に対する抑制効果を検討した(各ペプチド10μM、24時間処理)。その結果、MCF-7はE2刺激により有意に増殖促進したのに対して、PHB2由来ペプチドNo.1(11-22aa:配列番号1)とNo.5(76-90aa:配列番号5)の処理にて、約50%の有意なE2依存性増殖の抑制効果を示した(No.1:58%、No.5:49%の抑制率)。これらは、ともにin silico解析によるBIG3との結合予測領域(太字のアミノ酸)とほぼ一致していた。また、No.2(42-50aa:配列番号2)とNo.3(38-50aa:配列番号3)のペプチドにおいても、22%、23%のE2依存性増殖の抑制効果を示した。しかしながら、各PHB2配列由来ペプチドはERAPと比較すると、E2依存性増殖抑制効果は低いことから、PHB2側のBIG3結合領域は複数存在する可能性が示唆された。
次に、No.1(11-22aa)およびNo.5(76-90aa)を中心としたPHB2配列由来のペプチドを新たに合成して(図1B, C)、各10μMで24時間処理したときのE2依存性増殖に及ぼす影響を検討した。その結果、No.1(11-22aa)の近辺ではPHB2(11-22aa)ペプチドの抑制率がもっとも高く(63%の抑制率)、そこを中心に抑制効果は減弱していった(図1B)。一方、No.5(76-90aa)近辺でもPHB2(76-90aa)ペプチドが高い抑制率を示し(51%の抑制率)、No.50(75-89aa)もほぼ同じ抑制効果を有していたが、上記と同様に、これらのペプチドを中心に抑制率は減弱していた(図1C)。これらのデータで共通していることは、in silico解析でBIG3との結合予測部位で高いスコアを示した11-21aaおよび76-88aaの各アミノ酸を含んでいることであり、PHB2にはBIG3の結合部位が二つ存在することを示唆するものであった。
そこで、No.1(11-22aa)とNo.5(76-90aa)を中心としたペプチド、およびNo.5(76-90aa)とNo.1(11-22aa)を中心としたペプチドを併用したときのMCF-7のE2依存性増殖抑制効果を検討した。その結果、E2依存性の増殖に対してNo.1(11-22aa)ペプチドの単独処理は65%の抑制率とほぼ再現され、これにNo.5(76-90aa)を中心としたPHB2ペプチドを併用したとき、No.5(76-90aa)およびNo.50(75-89aa)との併用が各100%、97%とほぼ完全な抑制効果を示した(図1D)。同様に、No.5(76-90aa)の単独処理は55%の抑制率を示し、No.1(11-22aa)を中心としたPHB2ペプチドとの併用はNo.1(11-22aa)のときほぼ完全に抑制し、5~26aaの領域からなるペプチド(No.36, 37, 38, 39, 40)と併用すると90%以上の抑制率になり(図1E)、No.1(11-22aa)およびNo.5(76-90aa)PHB2領域がBIG3との結合に重要であり、これらの領域を考慮したドミナントネガティブペプチドの開発が必要であると考えられた。
【0097】
E2依存性増殖に対するPHB2配列由来ペプチドの抑制効果
続いて、MCF-7のE2依存性増殖を抑制できるPHB2配列由来ペプチド2種類(No.1、No.5)を併用したときのMCF-7のE2依存性増殖抑制効果を検討した。その結果、No.1とNo.5の各単独処理に比して、両ペプチド併用では効果が亢進され、88%の増殖抑制効果を示した(図2A)。また、単独処理では抑制効果を示さなかったNo.6(86-100aa、約10%の抑制率)とNo.5を併用投与しても抑制効果の亢進は認められなかったことから、PHB2の11-22aaと76-90aa のそれぞれに、BIG3結合領域が存在する可能性が示唆された。
次に、No.1とNo.5の20μMと50μM処理における、BIG3とPHB2の結合阻害について、BIG3抗体を用いた免疫沈降法により検討した。その結果、No.1とNo.5ともに濃度依存的にBIG3とPHB2の結合を阻害したが、No.1は50μMで64%、No.5は50μMで80%の阻害率であった(図2B)。また、両ペプチドの50μMの併用では87%の阻害率が得られた(図2B)。続いて、各ペプチド(No.1、No.5、No.6)のPHB2のSer39のリン酸化への影響を検討した。ポジティブ・コントロールであるERAP処理によるPHB2のSer39のリン酸化に比して、No.1とNo.5の単独処理はそれぞれ、各40%、20%のリン酸化バンド強度しか認めず(図2C)、また、両ペプチドの併用でも70%のリン酸化強度であった(図2C)。一方、No.6はPHB2のリン酸化を10%のバンド強度で有り、ほとんど誘導できなかった(図2C)。また、No.5とNo.6の併用でも、20%のバンド強度であったことから、PHB2とBIG3の結合はNo.1とNo.5の領域に複数にわたることが示唆された。
【0098】
No.1とNo.5のPHB2ペプチドのBIG3結合領域を網羅した新規ペプチド(11-90aa)のE2依存性増殖に対する抑制効果
PHB2配列由来ペプチド(No.1とNo.5)はE2依存性増殖の抑制およびPHB2のSer39リン酸化の誘導を50%しかできないので、この2つの領域を含む11-90aaのPHB2ペプチドを新たに合成して、MCF-7のE2依存性増殖に及ぼす影響を検討した。その結果、11-90aaのPHB2ペプチドは24時間のE2刺激により2倍に増殖したMCF-7を濃度依存的に抑制していたが、50μMでも57%の抑制率しかなく(図3A)、No.1およびNo.5のペプチドとほぼ同じ抑制率であった。
そこで、11-90aaペプチドがBIG3とPHB2の結合阻害およびPHB2リン酸化の誘導をできるかどうかを評価した。その結果、11-90aaのPHB2ペプチドはBIG3とPHB2の結合を未処理より阻害していたが、十分な結合阻害効果は得られなかった(図3B)。また、PHB2のSer39のリン酸化は11-90aaのPHB2ペプチドの濃度依存的に誘導されていたが、ERAP処理により得られたリン酸化の30%と十分なリン酸化を誘導することができなかった(図3C)。これは、アミノ酸数が80個と多いために、BIG3のαへリックス構造との結合が不十分だった可能性も考えられる。
【0099】
直鎖型、分岐型および環状型PHB2によるE2依存性増殖の抑制効果
PHB2配列由来ペプチド11-22aaと76-90aaの併用がエストロゲン依存性増殖を88%の抑制率まで亢進したことから(図2A)、両方の配列を直鎖上に合成したペプチド(直鎖結合型、図4A)と分岐させて合成したペプチド(分岐結合型、図4B)、および構造の安定化と膜透過性の向上を目的に各配列を環状型に合成したペプチド(環状型、図4C)を新たに作成し、各ペプチドの増殖抑制効果の亢進を検討した(各ペプチド10μM、24時間処理)。その結果、PEG(ポリエチレングリコール)配列を介して両配列を結合させた直鎖結合型および分岐結合型PHB2ペプチドの抑制率は各71%、57%となり、その抑制率は単独の直鎖型ペプチドの投与より亢進していたが、その併用投与より劣っていた(図5A)。また、11-21aaおよび76-88aaの環状型PHB2ペプチドは非環状型ペプチドと比較して、その抑制率は亢進していた(図5A)。さらに、環状型ペプチドの併用はほぼ完全な抑制効果を獲得したが(96%の抑制率、図5A)、細胞が浮いてくるようなアポトーシス様の現象は確認できなかった。
次に、環状型ペプチドがERαおよびBIG3を発現しない正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に及ぼす影響を検討した(各ペプチド10μM、24時間処理)。その結果、直鎖結合型と環状結合型PHB2ペプチドで僅かな抑制効果が観察されたが(図5B、直鎖結合型:10%の阻害率、環状型11-21aa:14%の阻害率、環状型76-88aa:15%の阻害率)、ほとんどのPHB2ペプチドはMCF-10Aの増殖にほとんど影響をせずに、E2依存性増殖を特異的に抑制していることが示唆された。
次に、これらのPHB2ペプチドがBIG3とPHB2の相互作用を阻害することができるかどうか検討した。その結果、未処理およびE2刺激したときBIG3とPHB2は強く結合していたのに対して(図5C)、各PHB2ペプチドの単独処理はBIG3とPHB2の相互作用をほとんど阻害することができなかったが(図5C)、直鎖型PHB2ペプチドおよび環状型PHB2ペプチドのそれぞれの併用投与は顕著に阻害することが可能であり(図5C、直鎖型併用:67%の阻害率、環状型併用:81%の阻害率)、BIG3に対するPHB2の結合領域が二つあることを示唆していた。一方、直鎖結合型ならびに分岐結合型のPHB2ペプチドはPHB2上の二つのBIG3結合領域をカバーすることはできないと判断された。
【0100】
E2依存性増殖に対する環状型PHB2ペプチドの抑制効果の長期安定性
環状型PHB2ペプチドが膜透過性亢進および構造固定化により、低濃度かつ長期安定性を獲得する可能性が考えられるため、10μMの環状型PHB2ペプチドを単独処理したときの96時間までの長期安定性を検討した。その結果、直鎖型のPHB2ペプチド11-22aaと76-90aaは24時間処理で40%と61%の抑制率であったが、96時間後では31%、24%に顕著に抑制していたのに対して(図6A)、環状型ペプチドは96時間後でも環状型11-21aaは67%(24時間処理は53%)、環状型76-88aaは72%(24時間処理は58%)の抑制率を示し(図6A)、その抑制効果は96時間まで安定的に持続していた。これらのデータは、環状型が架橋型と同様に立体構造が安定的に固定化されたことで、長期的な抑制効果が持続できていると考えられた。
次に、環状型PHB2ペプチドがその抑制効果を96時間まで持続することができたので、各環状型PHB2ペプチドの1および10μMの96時間までの処理がERαおよびBIG3を発現しないMCF-10Aの増殖に及ぼす影響を検討した。その結果、PHB2配列11-21aaと76-88aaの各環状型ペプチドは、1μMではほとんど影響なかったが(ともに5~7%の抑制率)、10μMでは10~15%の抑制率を示し(図6B)、僅かな非特異的な阻害効果を有していると示唆されたが、環状型PHB2ペプチドによるMCF-7のE2依存的増殖の抑制はおもにBIG3とPHB2の結合阻害によるものであると考えられた。
【0101】
E2依存性増殖に対する環状型PHB2ペプチドの濃度依存的な抑制効果
環状型PHB2ペプチドがE2依存性MCF-7の増殖に対する50%阻害濃度(IC50)を算出して、そのIC50による相乗的な抑制効果を検討した。その結果、各環状PHB2ペプチドはE2依存性増殖に対して濃度依存的に抑制し、環状型11-21aaは4.06μM、環状型76-88aaは2.11μMのIC50を示した(図7A)。そこで、4μMの環状型11-21aaと2μMの環状型76-88aaを用いて、長期的な併用効果を検討したところ、24時間の併用投与で82%の相乗的な抑制効果を示し、その抑制効果は96時間まで持続していた(図7B、併用投与:88%の抑制率、環状型11-21aa:41%の抑制率、環状型76-88aa:59%の抑制率)。さらに、これらの濃度はMCF-10Aの増殖にほとんど影響を及ぼさなかった(図7C)。
【0102】
PHB2ペプチド配列でBIG3との結合に重要なアミノ酸の同定
PHB2由来ペプチドNo.1(11-22aa:配列番号1)とNo.5(76-90aa:配列番号5)が、E2依存性増殖に対して約50%の抑制効果を有していたことから、No.1とNo.5のペプチド配列中の各アミノ酸をアラニンに変異させたペプチドを作製して(図8A)、増殖抑制に重要なアミノ酸の同定を試みた。実験は、MCF-7を播種して48時間後に10μMの各PHB2ペプチドおよび10nMのエストロゲンを添加し、さらに24時間後の細胞数をモニターした。まず、PHB2配列11~22aaのアミノ酸を評価したところ、No.1(11-22aa)はエストロゲン依存性の細胞増殖を65%まで抑制したのに対して、No.59とNo.62のアラニン変異ペプチド(配列番号59、62)のみが19%と8%の抑制率に減弱していた(図8B)。一方、そのほかのアラニン変異ペプチドはNo.1の抑制率とほぼ同じであったことから(図8B)、15番目と18番目のグリシンがBIG3との結合に重要であると考えられ、この部位をD-アミノ酸の異性体型に変換することで、抑制活性が向上する可能性を示唆するものである。
次に、PHB2配列76~90aaのアミノ酸を評価したところ、No.5(76-90aa)のエストロゲン依存性増殖に対する抑制率は54%とほぼ再現されたが(図8C)、No.71~No.73のアラニン変異ペプチド(配列番号71~73)の抑制率がNo.5(76-90aa)より減弱し、各38%、37%、13%であり(図8C)、特に82番目のアスパラギン酸がBIG3とPHB2の結合に必要であると考えられた。
さらに、No.1(11-22aa)とNo.5(76-90aa)のペプチド以外に抑制効果を示したNo.2(42-50aa:配列番号2)とNo.3(38-50aa:配列番号3)に(図1A)、in silico解析でBIG3とPHB2の相互作用に関与することが予測された53-57aa(図1A)を含む51-57aaを付加したペプチドを用いて((図8D)、No.82とNo.83:配列番号82、83)、エストロゲン依存性の細胞増殖に及ぼす影響を検討した。その結果、No.2とNo.3の抑制率は各20%、17%であったのに対して、57番目までのアミノ酸を付加したNo.82とNo.83のペプチドでは、その抑制率が59%、61%に向上し(図8E)、44番目のグルタミン酸から57番目のグリシンまでのアミノ酸を有することで、No.1とNo.5の抑制率に匹敵するPHB2ペプチドになり得ることが示唆された。
【0103】
[実施例2] トリプルネガティブ乳がんに対する効果
1.材料と方法
細胞株および培養条件
ヒト乳がん細胞株MDA-MB-231は、American Type Culture Collection(ATCC, Manassas, VA, USA)から購入し、10% FBS(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA, USA)、1%抗生物質-抗真菌剤溶液(和光純薬, 大阪, 日本 )を補充したLeibovitz's L-15 培地(Thermo Fisher Scientific)を用いて、CO2濃度調節なし、37℃で培養した。
【0104】
細胞増殖アッセイ
MDA-MB-231細胞を48ウェルプレートに1×104細胞/200 mL in wellの細胞密度で播種し、48時間後に各ウェルの培地をPHB2ペプチド11-22aaまたは76-90aaを加えた培地(それぞれ20 mMから3倍の希釈系列を作製)と交換し、さらに96時間培養後、Cell Counting Kit-8(同仁堂、熊本、日本)を用いて細胞増殖レベルを測定した。データは3つの独立した実験より取得し、グラフ作成・データ解析ソフトウェアSigmaPlot (Systat Software, San Jose, CA, USA)を用いてグラフ作成(平均±標準偏差)および細胞増殖に対するペプチドの50%阻害濃度(IC50)の算出を行った。
【0105】
併用アッセイ
MDA-MB-231細胞を48ウェルプレートに1×104細胞/200 mL in wellの細胞密度で播種し、48時間後に各ウェルの培地をPHB2ペプチド11-22aa(添加濃度IC50値)、PHB2ペプチド76-90aa(添加濃度IC50値)、両ペプチドの混合液(添加濃度はそれぞれのIC50値)をそれぞれ加えた培地、および陰性対照としてリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を加えた培地と交換し、さらに96時間培養後、Cell Counting Kit-8(同仁堂、熊本、日本)を用いて細胞増殖レベルを測定した。得られたデータは、PBS添加時の増殖レベルを基準に相対値を算出し、グラフを作成した。
【0106】
2.結果
PHB2ペプチドによる乳がん細胞株の増殖抑制効果
乳がん細胞株MDA-MB-231に対するPHB2ペプチド11-22aaおよび76-90aaの細胞増殖抑制効果を調べるため、ペプチドの段階希釈系列を準備し、細胞添加96時間後に増殖レベルを測定した。その結果、図9AとBに示すように両ペプチドともに濃度依存的な細胞増殖抑制効果が観察された。50%阻害濃度(IC50)は、ペプチド11-22aaでは0.462μM、ペプチド76-90aaでは0.273 μMとなり、ペプチド76-90aaの方が高い増殖抑制効果を示した。
【0107】
PHB2ペプチド11-22aaと76-90aaの併用効果
細胞増殖抑制におけるPHB2ペプチド11-22aaと76-90aaの併用効果を検討するため、乳がん細胞株MDA-MB-231を用いて、両ペプチドを各IC50値で混合添加した場合と各ペプチドをIC50値で単独添加した場合の細胞増殖レベルを比較した。その結果、図9Cに示すように、各ペプチド単独では陰性対照のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)添加時と比較して約50%の増殖抑制であったが、併用により約62%まで抑制効果が増強された。
【0108】
[実施例3]エストロゲン依存性乳がんに対する架橋型PHB2ペプチドの効果
1.材料と方法
細胞株および培養条件
ヒト乳がん細胞株MCF-7 はJCRB細胞バンク(大阪、日本)から購入し、10% FBS(ニチレイバイオサイエンス、東京、日本)、1% Antibiotic/Antimycotic solution(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA, USA)、0.1 mM NEAA(Thermo Fisher Scientific)、1 mM ピルビン酸ナトリウム(Thermo Fisher Scientific)および10μg/mLインスリン(Sigma, St. Louis, MO, USA)を補充したMEM(Thermo Fisher Scientific)で、5% CO2、37℃で維持した。
正常乳腺上皮細胞株MCF-10AはAmerican Type Culture Collection(ATCC, Manassas, VA, USA)から購入し、SingleQuotsキット(BPE、ヒドロコルチゾン、hEGF、インスリン、ゲンタマイシン/アンホテリシンB)(Lonza, Walkersville, MD, USA)および100 ng/mLコレラトキシンを補充したMEBM(Lonza)で、5% CO2、37℃で維持した。
【0109】
細胞増殖アッセイ
MCF-7の増殖アッセイは、48ウェルプレート(2×104細胞/200μL)に播種して行った。まず、翌日に10% FBS、1% Antibiotic/Antimycotic solution、0.1mM NEAA、1mM ピルビン酸ナトリウムおよび10μg/mLインスリンを補充したフェノールレッドフリーのDMEM/F12(Thermo Fisher Scientific)に培地を変更し、24時間後に10nM 17β-エストラジオール(エストロゲン、Sigma)のみ、または10nMエストロゲンとPHB2配列由来ペプチドで細胞を処理した。MCF-10Aの増殖アッセイは、48ウェルプレート(2×104細胞/200μL)に播種して、24時間後にPHB2配列由来ペプチドを添加した。増殖アッセイは、Cell Counting Kit-8(CCK-8、同仁堂、熊本、日本)を用いて行い、データは3つの独立した実験の平均±標準偏差で示した。
【0110】
2.結果
エストロゲン依存性増殖に対する架橋型PHB2ペプチドの抑制効果
PHB2ペプチド11-21aaおよび76-88aaを3種類の架橋法(図10A:ヘキサフルオロベンゼン架橋、デカフルオロビフェニル架橋、ジスルフィド架橋)により架橋して架橋型PHB2ペプチド(ステープル化PHB2ペプチド)を作製し(図10B)、エストロゲン依存性増殖に対するこれらのペプチドの抑制効果を検討した。実験は、乳癌細胞MCF-7を播種して48時間後に10μMの各PHB2ペプチドおよび10nMエストロゲンを添加し、さらに24時間後の細胞数をMTT assayで評価した。
11-22aaおよび76-88aaの各架橋型PHB2ペプチドは、エストロゲン依存性増殖に対する抑制効果を非架橋型PHB2ペプチド(配列番号109、113、114、118、122)より約1.5倍に改善した(ポリアルギニン付加:図10C左、ポリアルギニンなし:図10C右)。なお、架橋法(ステープル化法)の違いによる改善効果は認められなかった。また、C末端にポリアルギニンを有さない架橋型PHB2ペプチド(配列番号115、116、117、119、120、121)がポリアルギニン付加ペプチドより抑制率が僅かに高く(ポリアルギニンあり:約60%の抑制率、ポリアルギニンなし:約70%の抑制率)、ポリアルギニンが架橋構造の機能を妨害する可能性を示唆した。
【0111】
エストロゲン依存性増殖に対する環状型PHB2ペプチドの抑制効果
環状型PHB2ペプチド(図4C、配列番号25と26)の細胞膜透過性と構造安定性の向上を目的に、架橋形態を変化させて、エストロゲン依存性増殖に対する抑制効果を検討した。これまでのジスルフィド架橋(配列番号25と26)に加えて、ヘキサフルオロベンゼン架橋(図11A:配列番号123と126)とデカフルオロビフェニル架橋(図11A:配列番号124と127)を評価した。その結果、フルオロベンゼンを用いて架橋した環状型PHB2ペプチド(図11A:配列番号123、124、126、127)は、ジスルフィド架橋より僅かな増殖抑制効果の改善を示し(図11B)、環状型PHB2ペプチド11-21aaで約70%、環状型PHB2ペプチド76-88aaで約80%に亢進した。なお、フルオロベンゼン架橋はシングル架橋(ヘキサフルオロベンゼン架橋)とダブル架橋(デカフルオロビフェニル架橋)の間に相違はなかった。
【0112】
PHB2ペプチド11-22aaの改変がエストロゲン依存性増殖に及ぼす影響
PHB2ペプチド11-22aaについて、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)に記載のアミノ酸配列における15番目と18番目のグリシンがBIG3との結合に重要であると考えられたことから(図8)、この位置をD型アラニンおよびD型ロイシンに置換したとき(図12A)、その抑制活性が亢進するかどうか検討した。その結果、15番目と18番目のグリシンをD型ロイシンに置換したPHB2ペプチド(配列番号134)は約65%の抑制率を示した一方で(図12B)、D型アラニンへの置換(配列番号133)はまったく抑制効果を示さなかった(図12B)。しかしながら、PHB2ペプチド11-22aa(配列番号1、図8B)の抑制率が約65%であったことから、D型ロイシンに置換しても抑制効果の改善はほとんど認められなかった。
【0113】
架橋型PHB2ペプチドが乳腺上皮細胞の増殖に及ぼす影響
架橋型および環状型のPHB2ペプチドがERαおよびBIG3を発現しない正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に及ぼす影響を検討した(各PHB2ペプチドは10μMで24時間処理)。その結果、評価したすべてのPHB2ペプチドはMCF-10Aの増殖にまったく影響しなかった(図13)。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明によれば、BIG3-PHB2相互作用に対する阻害効果を発揮し、乳がん治療薬として有用な、PHB2アミノ酸配列由来ペプチドが提供される。本発明によって提供されたペプチドは、乳がん等のがんの治療に有用である。より具体的には、本発明のペプチドはBIG3陽性かつ/またはエストロゲン受容体陽性のがんの治療に有用である。本発明のペプチドは、ヒトの全身の臓器にて発現が認められるPHB2ではなく、特にエストロゲン受容体陽性のがんに特異的に高発現するタンパク質であるBIG3を標的としているため、エストロゲン受容体陽性のがんに対する高い選択性を期待できる。また、本発明のペプチドはトリプルネガティブ乳がんに対しても抗腫瘍効果を発揮する。
【0115】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> TOKUSHIMA UNIVERSITY
ONCOTHERAPY SCIENCE, INC.
<120> THERAPEUTIC AGENTS FOR BREAST CANCER COMPRISING PHB2-DERIVED
PEPTIDE INHIBITING BIG3-PHB2 INTERACTION
<150> JP 2018-225660
<151> 2018-11-30
<160> 136
<170> PatentIn version 3.5

<210> 1
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 1
<400> 1
Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Met Gly Thr Ala
1 5 10

<210> 2
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 2
<400> 2
Thr Val Glu Gly Gly His Arg Ala Ile
1 5

<210> 3
<211> 13
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 3
<400> 3
Glu Ser Val Phe Thr Val Glu Gly Gly His Arg Ala Ile
1 5 10

<210> 4
<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 4
<400> 4
Tyr Gly Val Arg Glu Ser Val Phe Thr Val Glu Gly Gly His Arg Ala
1 5 10 15
Ile

<210> 5
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 5
<400> 5
Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Lys Ile
1 5 10 15

<210> 6
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 6
<400> 6
Arg Pro Arg Lys Ile Ser Ser Pro Thr Gly Ser Lys Asp Leu Gln
1 5 10 15

<210> 7
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 7
<400> 7
Ser Lys Asp Leu Gln Met Val Asn Ile Ser Leu Arg Val Leu Ser
1 5 10 15

<210> 8
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 8
<400> 8
Leu Arg Val Leu Ser Arg Pro Asn Ala Gln Glu Leu Pro Ser Met
1 5 10 15

<210> 9
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 9
<400> 9
Glu Leu Pro Ser Met Tyr Gln Arg Leu Gly Leu Asp Tyr Glu Glu
1 5 10 15

<210> 10
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 10
<400> 10
Leu Asp Tyr Glu Glu Arg Val Leu Pro Ser Ile Val Asn Glu Val
1 5 10 15

<210> 11
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 11
<400> 11
Ile Val Asn Glu Val Leu Lys Ser Val Val Ala Lys Phe Asn Ala
1 5 10 15

<210> 12
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 12
<400> 12
Ala Lys Phe Asn Ala Ser Gln Leu Ile Thr Gln Arg Ala Gln Val
1 5 10 15

<210> 13
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 13
<400> 13
Gln Arg Ala Gln Val Ser Leu Leu Ile Arg Arg Glu Leu Thr Glu
1 5 10 15

<210> 14
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 14
<400> 14
Arg Glu Leu Thr Glu Arg Ala Lys Asp Phe Ser Leu Ile Leu Asp
1 5 10 15

<210> 15
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 15
<400> 15
Ser Leu Ile Leu Asp Asp Val Ala Ile Thr Glu Leu Ser Phe Ser
1 5 10 15

<210> 16
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 16
<400> 16
Glu Leu Ser Phe Ser Arg Glu Tyr Thr Ala Ala Val Glu Ala Lys
1 5 10 15

<210> 17
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 17
<400> 17
Ala Val Glu Ala Lys Gln Val Ala Gln Gln Glu Ala Gln Arg Ala
1 5 10 15

<210> 18
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 18
<400> 18
Glu Ala Gln Arg Ala Gln Phe Leu Val Glu Lys Ala Lys Gln Glu
1 5 10 15

<210> 19
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 19
<400> 19
Gln Phe Leu Val Glu Lys Ala Lys Gln Glu Gln Arg Gln Lys Ile
1 5 10 15

<210> 20
<211> 14
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 peptide No. 20
<400> 20
Phe Leu Val Glu Lys Ala Lys Gln Glu Gln Arg Gln Lys Ile
1 5 10

<210> 21
<211> 80
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 derived peptide 11-90aa
<400> 21
Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Met Gly Thr Ala Leu Lys Leu Leu
1 5 10 15
Leu Gly Ala Gly Ala Val Ala Tyr Gly Val Arg Glu Ser Val Phe Thr
20 25 30
Val Glu Gly Gly His Arg Ala Ile Phe Phe Asn Arg Ile Gly Gly Val
35 40 45
Gln Gln Asp Thr Ile Leu Ala Glu Gly Leu His Phe Arg Ile Pro Trp
50 55 60
Phe Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Lys Ile
65 70 75 80

<210> 22
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 derived peptide 11-22aa
<220>
<221> MOD_RES
<222> (1)..(1)
<223> ACETYLATION
<400> 22
Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Met Gly Thr Ala
1 5 10

<210> 23
<211> 23
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 derived peptide 76-90aa + 8 Arg residues
<220>
<221> MOD_RES
<222> (23)..(23)
<223> AMIDATION
<400> 23
Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Lys Ile Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg Arg Arg Arg
20

<210> 24
<211> 22
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 derived peptide 76-89aa + 8 Arg residues
<220>
<221> MOD_RES
<222> (1)..(1)
<223> ACETYLATION
<220>
<221> MOD_RES
<222> (22)..(22)
<223> AMIDATION
<400> 24
Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Lys Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg Arg Arg
20

<210> 25
<211> 19
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cyclic peptide containing PHB2 derived peptide 11-21aa
<220>
<221> DISULFID
<222> (1)..(13)
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (10)..(10)
<223> Xaa = Nle
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (15)..(15)
<223> Xaa = Nal
<400> 25
Cys Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Xaa Gly Thr Cys Phe Xaa Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg

<210> 26
<211> 21
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cyclic peptide containing PHB2 derived peptide 76-88aa
<220>
<221> DISULFID
<222> (1)..(15)
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (17)..(17)
<223> Xaa = Nal
<400> 26
Cys Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Cys Phe
1 5 10 15
Xaa Arg Arg Arg Arg
20

<210> 27
<211> 1457
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<220>
<221> CDS
<222> (211)..(1110)
<400> 27
tccgtatgcg cgattcctgt gcgcgaagtt cgggtccgta gtgggctaag ggggagggtt 60
tcaaagggag cgcacttccg ctgccctttc tttcgccagc cttacgggcc cgaaccctcg 120
tgtgaagggt gcagtaccta agccggagcg gggtagaggc gggccggcac ccccttctga 180
cctccagtgc cgccggcctc aagatcagac atg gcc cag aac ttg aag gac ttg 234
Met Ala Gln Asn Leu Lys Asp Leu
1 5
gcg gga cgg ctg ccc gcc ggg ccc cgg ggc atg ggc acg gcc ctg aag 282
Ala Gly Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Met Gly Thr Ala Leu Lys
10 15 20
ctg ttg ctg ggg gcc ggc gcc gtg gcc tac ggt gtg cgc gaa tct gtg 330
Leu Leu Leu Gly Ala Gly Ala Val Ala Tyr Gly Val Arg Glu Ser Val
25 30 35 40
ttc acc gtg gaa ggc ggg cac aga gcc atc ttc ttc aat cgg atc ggt 378
Phe Thr Val Glu Gly Gly His Arg Ala Ile Phe Phe Asn Arg Ile Gly
45 50 55
gga gtg cag cag gac act atc ctg gcc gag ggc ctt cac ttc agg atc 426
Gly Val Gln Gln Asp Thr Ile Leu Ala Glu Gly Leu His Phe Arg Ile
60 65 70
cct tgg ttc cag tac ccc att atc tat gac att cgg gcc aga cct cga 474
Pro Trp Phe Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg
75 80 85
aaa atc tcc tcc cct aca ggc tcc aaa gac cta cag atg gtg aat atc 522
Lys Ile Ser Ser Pro Thr Gly Ser Lys Asp Leu Gln Met Val Asn Ile
90 95 100
tcc ctg cga gtg ttg tct cga ccc aat gct cag gag ctt cct agc atg 570
Ser Leu Arg Val Leu Ser Arg Pro Asn Ala Gln Glu Leu Pro Ser Met
105 110 115 120
tac cag cgc cta ggg ctg gac tac gag gaa cga gtg ttg ccg tcc att 618
Tyr Gln Arg Leu Gly Leu Asp Tyr Glu Glu Arg Val Leu Pro Ser Ile
125 130 135
gtc aac gag gtg ctc aag agt gtg gtg gcc aag ttc aat gcc tca cag 666
Val Asn Glu Val Leu Lys Ser Val Val Ala Lys Phe Asn Ala Ser Gln
140 145 150
ctg atc acc cag cgg gcc cag gta tcc ctg ttg atc cgc cgg gag ctg 714
Leu Ile Thr Gln Arg Ala Gln Val Ser Leu Leu Ile Arg Arg Glu Leu
155 160 165
aca gag agg gcc aag gac ttc agc ctc atc ctg gat gat gtg gcc atc 762
Thr Glu Arg Ala Lys Asp Phe Ser Leu Ile Leu Asp Asp Val Ala Ile
170 175 180
aca gag ctg agc ttt agc cga gag tac aca gct gct gta gaa gcc aaa 810
Thr Glu Leu Ser Phe Ser Arg Glu Tyr Thr Ala Ala Val Glu Ala Lys
185 190 195 200
caa gtg gcc cag cag gag gcc cag cgg gcc caa ttc ttg gta gaa aaa 858
Gln Val Ala Gln Gln Glu Ala Gln Arg Ala Gln Phe Leu Val Glu Lys
205 210 215
gca aag cag gaa cag cgg cag aaa att gtg cag gcc gag ggt gag gcc 906
Ala Lys Gln Glu Gln Arg Gln Lys Ile Val Gln Ala Glu Gly Glu Ala
220 225 230
gag gct gcc aag atg ctt gga gaa gca ctg agc aag aac cct ggc tac 954
Glu Ala Ala Lys Met Leu Gly Glu Ala Leu Ser Lys Asn Pro Gly Tyr
235 240 245
atc aaa ctt cgc aag att cga gca gcc cag aat atc tcc aag acg atc 1002
Ile Lys Leu Arg Lys Ile Arg Ala Ala Gln Asn Ile Ser Lys Thr Ile
250 255 260
gcc aca tca cag aat cgt atc tat ctc aca gct gac aac ctt gtg ctg 1050
Ala Thr Ser Gln Asn Arg Ile Tyr Leu Thr Ala Asp Asn Leu Val Leu
265 270 275 280
aac cta cag gat gaa agt ttc acc agg gga agt gac agc ctc atc aag 1098
Asn Leu Gln Asp Glu Ser Phe Thr Arg Gly Ser Asp Ser Leu Ile Lys
285 290 295
ggt aag aaa tga gcctagtcac caagaactcc acccccagag gaagtggatc 1150
Gly Lys Lys
tgcttctcca gtttttgagg agccagccag gggtccagca cagccctacc ccgccccagt 1210
atcatgcgat ggtcccccac accggttccc tgaacccctc ttggattaag gaagactgaa 1270
gactagcccc ttttctgggg aattactttc ctcctccctg tgttaactgg ggctgttggg 1330
gacagtgcgt gatttctcag tgatttccta cagtgttgtt ccctccctca aggctgggag 1390
gagataaaca ccaacccagg aattctcaat aaatttttat tacttaacct gaaaaaaaaa 1450
aaaaaaa 1457

<210> 28
<211> 299
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 28
Met Ala Gln Asn Leu Lys Asp Leu Ala Gly Arg Leu Pro Ala Gly Pro
1 5 10 15
Arg Gly Met Gly Thr Ala Leu Lys Leu Leu Leu Gly Ala Gly Ala Val
20 25 30
Ala Tyr Gly Val Arg Glu Ser Val Phe Thr Val Glu Gly Gly His Arg
35 40 45
Ala Ile Phe Phe Asn Arg Ile Gly Gly Val Gln Gln Asp Thr Ile Leu
50 55 60
Ala Glu Gly Leu His Phe Arg Ile Pro Trp Phe Gln Tyr Pro Ile Ile
65 70 75 80
Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Lys Ile Ser Ser Pro Thr Gly Ser
85 90 95
Lys Asp Leu Gln Met Val Asn Ile Ser Leu Arg Val Leu Ser Arg Pro
100 105 110
Asn Ala Gln Glu Leu Pro Ser Met Tyr Gln Arg Leu Gly Leu Asp Tyr
115 120 125
Glu Glu Arg Val Leu Pro Ser Ile Val Asn Glu Val Leu Lys Ser Val
130 135 140
Val Ala Lys Phe Asn Ala Ser Gln Leu Ile Thr Gln Arg Ala Gln Val
145 150 155 160
Ser Leu Leu Ile Arg Arg Glu Leu Thr Glu Arg Ala Lys Asp Phe Ser
165 170 175
Leu Ile Leu Asp Asp Val Ala Ile Thr Glu Leu Ser Phe Ser Arg Glu
180 185 190
Tyr Thr Ala Ala Val Glu Ala Lys Gln Val Ala Gln Gln Glu Ala Gln
195 200 205
Arg Ala Gln Phe Leu Val Glu Lys Ala Lys Gln Glu Gln Arg Gln Lys
210 215 220
Ile Val Gln Ala Glu Gly Glu Ala Glu Ala Ala Lys Met Leu Gly Glu
225 230 235 240
Ala Leu Ser Lys Asn Pro Gly Tyr Ile Lys Leu Arg Lys Ile Arg Ala
245 250 255
Ala Gln Asn Ile Ser Lys Thr Ile Ala Thr Ser Gln Asn Arg Ile Tyr
260 265 270
Leu Thr Ala Asp Asn Leu Val Leu Asn Leu Gln Asp Glu Ser Phe Thr
275 280 285
Arg Gly Ser Asp Ser Leu Ile Lys Gly Lys Lys
290 295

<210> 29
<211> 1343
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<220>
<221> CDS
<222> (211)..(996)
<400> 29
tccgtatgcg cgattcctgt gcgcgaagtt cgggtccgta gtgggctaag ggggagggtt 60
tcaaagggag cgcacttccg ctgccctttc tttcgccagc cttacgggcc cgaaccctcg 120
tgtgaagggt gcagtaccta agccggagcg gggtagaggc gggccggcac ccccttctga 180
cctccagtgc cgccggcctc aagatcagac atg gcc cag aac ttg aag gac ttg 234
Met Ala Gln Asn Leu Lys Asp Leu
1 5
gcg gga cgg ctg ccc gcc ggg ccc cgg ggc atg ggc acg gcc ctg aag 282
Ala Gly Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Met Gly Thr Ala Leu Lys
10 15 20
ctg ttg ctg ggg gcc ggc gcc gtg gcc tac ggt gtg cgc gaa tct gtg 330
Leu Leu Leu Gly Ala Gly Ala Val Ala Tyr Gly Val Arg Glu Ser Val
25 30 35 40
ttc acc gtg gaa ggc ggg cac aga gcc atc ttc ttc aat cgg atc ggt 378
Phe Thr Val Glu Gly Gly His Arg Ala Ile Phe Phe Asn Arg Ile Gly
45 50 55
gga gtg cag cag gac act atc ctg gcc gag ggc ctt cac ttc agg atc 426
Gly Val Gln Gln Asp Thr Ile Leu Ala Glu Gly Leu His Phe Arg Ile
60 65 70
cct tgg ttc cag tac ccc att atc tat gac att cgg gcc aga cct cga 474
Pro Trp Phe Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg
75 80 85
aaa atc tcc tcc cct aca ggc tcc aaa gac cta cag atg gtg aat atc 522
Lys Ile Ser Ser Pro Thr Gly Ser Lys Asp Leu Gln Met Val Asn Ile
90 95 100
tcc ctg cga gtg ttg tct cga ccc aat gct cag gag ctt cct agc atg 570
Ser Leu Arg Val Leu Ser Arg Pro Asn Ala Gln Glu Leu Pro Ser Met
105 110 115 120
tac cag cgc cta ggg ctg gac tac gag gaa cga gtg ttg ccg tcc att 618
Tyr Gln Arg Leu Gly Leu Asp Tyr Glu Glu Arg Val Leu Pro Ser Ile
125 130 135
gtc aac gag gtg ctc aag agt gtg gtg gcc aag ttc aat gcc tca cag 666
Val Asn Glu Val Leu Lys Ser Val Val Ala Lys Phe Asn Ala Ser Gln
140 145 150
ctg atc acc cag cgg gcc cag gta tcc ctg ttg atc cgc cgg gag ctg 714
Leu Ile Thr Gln Arg Ala Gln Val Ser Leu Leu Ile Arg Arg Glu Leu
155 160 165
aca gag agg gcc aag gac ttc agc ctc atc ctg gat gat gtg gcc atc 762
Thr Glu Arg Ala Lys Asp Phe Ser Leu Ile Leu Asp Asp Val Ala Ile
170 175 180
aca gag ctg agc ttt agc cga gag tac aca gct gct gta gaa gcc aaa 810
Thr Glu Leu Ser Phe Ser Arg Glu Tyr Thr Ala Ala Val Glu Ala Lys
185 190 195 200
caa gtg gca ctg agc aag aac cct ggc tac atc aaa ctt cgc aag att 858
Gln Val Ala Leu Ser Lys Asn Pro Gly Tyr Ile Lys Leu Arg Lys Ile
205 210 215
cga gca gcc cag aat atc tcc aag acg atc gcc aca tca cag aat cgt 906
Arg Ala Ala Gln Asn Ile Ser Lys Thr Ile Ala Thr Ser Gln Asn Arg
220 225 230
atc tat ctc aca gct gac aac ctt gtg ctg aac cta cag gat gaa agt 954
Ile Tyr Leu Thr Ala Asp Asn Leu Val Leu Asn Leu Gln Asp Glu Ser
235 240 245
ttc acc agg gga agt gac agc ctc atc aag ggt aag aaa tga 996
Phe Thr Arg Gly Ser Asp Ser Leu Ile Lys Gly Lys Lys
250 255 260
gcctagtcac caagaactcc acccccagag gaagtggatc tgcttctcca gtttttgagg 1056
agccagccag gggtccagca cagccctacc ccgccccagt atcatgcgat ggtcccccac 1116
accggttccc tgaacccctc ttggattaag gaagactgaa gactagcccc ttttctgggg 1176
aattactttc ctcctccctg tgttaactgg ggctgttggg gacagtgcgt gatttctcag 1236
tgatttccta cagtgttgtt ccctccctca aggctgggag gagataaaca ccaacccagg 1296
aattctcaat aaatttttat tacttaacct gaaaaaaaaa aaaaaaa 1343

<210> 30
<211> 261
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 30
Met Ala Gln Asn Leu Lys Asp Leu Ala Gly Arg Leu Pro Ala Gly Pro
1 5 10 15
Arg Gly Met Gly Thr Ala Leu Lys Leu Leu Leu Gly Ala Gly Ala Val
20 25 30
Ala Tyr Gly Val Arg Glu Ser Val Phe Thr Val Glu Gly Gly His Arg
35 40 45
Ala Ile Phe Phe Asn Arg Ile Gly Gly Val Gln Gln Asp Thr Ile Leu
50 55 60
Ala Glu Gly Leu His Phe Arg Ile Pro Trp Phe Gln Tyr Pro Ile Ile
65 70 75 80
Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Lys Ile Ser Ser Pro Thr Gly Ser
85 90 95
Lys Asp Leu Gln Met Val Asn Ile Ser Leu Arg Val Leu Ser Arg Pro
100 105 110
Asn Ala Gln Glu Leu Pro Ser Met Tyr Gln Arg Leu Gly Leu Asp Tyr
115 120 125
Glu Glu Arg Val Leu Pro Ser Ile Val Asn Glu Val Leu Lys Ser Val
130 135 140
Val Ala Lys Phe Asn Ala Ser Gln Leu Ile Thr Gln Arg Ala Gln Val
145 150 155 160
Ser Leu Leu Ile Arg Arg Glu Leu Thr Glu Arg Ala Lys Asp Phe Ser
165 170 175
Leu Ile Leu Asp Asp Val Ala Ile Thr Glu Leu Ser Phe Ser Arg Glu
180 185 190
Tyr Thr Ala Ala Val Glu Ala Lys Gln Val Ala Leu Ser Lys Asn Pro
195 200 205
Gly Tyr Ile Lys Leu Arg Lys Ile Arg Ala Ala Gln Asn Ile Ser Lys
210 215 220
Thr Ile Ala Thr Ser Gln Asn Arg Ile Tyr Leu Thr Ala Asp Asn Leu
225 230 235 240
Val Leu Asn Leu Gln Asp Glu Ser Phe Thr Arg Gly Ser Asp Ser Leu
245 250 255
Ile Lys Gly Lys Lys
260

<210> 31
<211> 14895
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<220>
<221> CDS
<222> (172)..(6705)
<400> 31
gtggcccgcg gcatggagcg ggcgtgattc atcagcatcc gcgccggggc ggcatggggg 60
cgcgcgcggc ggccgcctag gcgcccaggg ccaggcagcg gcggcttccc cggcccggct 120
cgcccgcgct tctctccctg tgggcggcgg cccggcgcct ggaaggtcaa g atg gaa 177
Met Glu
1
gaa atc ctg agg aag ctg cag aag gag gcg tcc ggg agc aag tac aaa 225
Glu Ile Leu Arg Lys Leu Gln Lys Glu Ala Ser Gly Ser Lys Tyr Lys
5 10 15
gcc atc aag gag agc tgc acc tgg gcc ctg gaa act cta ggt ggt ctg 273
Ala Ile Lys Glu Ser Cys Thr Trp Ala Leu Glu Thr Leu Gly Gly Leu
20 25 30
gat acc att gtc aag atc cct cca cat gta ctg agg gag aaa tgc ctg 321
Asp Thr Ile Val Lys Ile Pro Pro His Val Leu Arg Glu Lys Cys Leu
35 40 45 50
ctg cct ctc cag ttg gct ttg gaa tcc aag aat gtg aag ctg gcc caa 369
Leu Pro Leu Gln Leu Ala Leu Glu Ser Lys Asn Val Lys Leu Ala Gln
55 60 65
cat gct ttg gca ggg atg cag aag ctt ctg tcg gaa gag agg ttt gta 417
His Ala Leu Ala Gly Met Gln Lys Leu Leu Ser Glu Glu Arg Phe Val
70 75 80
tcc atg gaa aca gat tct gat gag aag cag ctg ctc aat cag ata ctg 465
Ser Met Glu Thr Asp Ser Asp Glu Lys Gln Leu Leu Asn Gln Ile Leu
85 90 95
aat gcc gtg aaa gtg acg cct tcg ctc aac gag gac ctg cag gtg gaa 513
Asn Ala Val Lys Val Thr Pro Ser Leu Asn Glu Asp Leu Gln Val Glu
100 105 110
gtg atg aag gtt tta cta tgc atc acc tac acg cca aca ttt gat ctg 561
Val Met Lys Val Leu Leu Cys Ile Thr Tyr Thr Pro Thr Phe Asp Leu
115 120 125 130
aat ggg agt gcc gtg ctg aag atc gcg gag gtg tgc att gag acg tac 609
Asn Gly Ser Ala Val Leu Lys Ile Ala Glu Val Cys Ile Glu Thr Tyr
135 140 145
ata agc agc tgt cac cag cgt agc ata aac act gct gtg cgg gca act 657
Ile Ser Ser Cys His Gln Arg Ser Ile Asn Thr Ala Val Arg Ala Thr
150 155 160
ctc agt caa atg ctg agt gac ttg act tta cag tta cga cag agg cag 705
Leu Ser Gln Met Leu Ser Asp Leu Thr Leu Gln Leu Arg Gln Arg Gln
165 170 175
gag aat acg ata att gaa aac cca gat gtc cca cag gat ttc ggg aat 753
Glu Asn Thr Ile Ile Glu Asn Pro Asp Val Pro Gln Asp Phe Gly Asn
180 185 190
caa ggg tca aca gta gag tcc ctc tgt gat gat gtt gtc tct gta ctc 801
Gln Gly Ser Thr Val Glu Ser Leu Cys Asp Asp Val Val Ser Val Leu
195 200 205 210
acc gtc ctg tgt gag aag ctg caa gcc gcc ata aat gac agc cag cag 849
Thr Val Leu Cys Glu Lys Leu Gln Ala Ala Ile Asn Asp Ser Gln Gln
215 220 225
ctg cag ctt ctc tac ctg gag tgc atc ctg tct gtg ctc agc agc tcc 897
Leu Gln Leu Leu Tyr Leu Glu Cys Ile Leu Ser Val Leu Ser Ser Ser
230 235 240
tcc tcc tcc atg cac ctg cac agg cgc ttc acg gac ctg atc tgg aaa 945
Ser Ser Ser Met His Leu His Arg Arg Phe Thr Asp Leu Ile Trp Lys
245 250 255
aac ctc tgc cct gct ctc atc gtg atc ttg ggg aat cca att cat gac 993
Asn Leu Cys Pro Ala Leu Ile Val Ile Leu Gly Asn Pro Ile His Asp
260 265 270
aaa acc atc acc tct gct cac acc agc agc acc agt acc agc ctg gag 1041
Lys Thr Ile Thr Ser Ala His Thr Ser Ser Thr Ser Thr Ser Leu Glu
275 280 285 290
tcg gac tct gcg tct ccg gga gtg tct gac cac ggc cga gga tca ggc 1089
Ser Asp Ser Ala Ser Pro Gly Val Ser Asp His Gly Arg Gly Ser Gly
295 300 305
tgc tcc tgc act gcg ccg gcc ctg agc gga cct gtg gct cgg act atc 1137
Cys Ser Cys Thr Ala Pro Ala Leu Ser Gly Pro Val Ala Arg Thr Ile
310 315 320
tat tac atc gca gcc gag ctg gtc cgg ctg gtg ggg tct gtg gac tcc 1185
Tyr Tyr Ile Ala Ala Glu Leu Val Arg Leu Val Gly Ser Val Asp Ser
325 330 335
atg aag ccc gtg ctc cag tcc ctc tac cac cga gtg ctg ctc tac ccc 1233
Met Lys Pro Val Leu Gln Ser Leu Tyr His Arg Val Leu Leu Tyr Pro
340 345 350
cca ccc cag cac cgg gtg gaa gcc atc aaa ata atg aaa gag ata ctt 1281
Pro Pro Gln His Arg Val Glu Ala Ile Lys Ile Met Lys Glu Ile Leu
355 360 365 370
ggg agc cca cag cgt ctc tgt gac ttg gca gga ccc agc tcc act gaa 1329
Gly Ser Pro Gln Arg Leu Cys Asp Leu Ala Gly Pro Ser Ser Thr Glu
375 380 385
tca gag tcc aga aaa aga tca att tca aaa aga aag tct cat ctg gat 1377
Ser Glu Ser Arg Lys Arg Ser Ile Ser Lys Arg Lys Ser His Leu Asp
390 395 400
ctc ctc aaa ctc atc atg gat ggc atg acc gaa gca tgc atc aag ggt 1425
Leu Leu Lys Leu Ile Met Asp Gly Met Thr Glu Ala Cys Ile Lys Gly
405 410 415
ggc atc gaa gct tgc tat gca gcc gtg tcc tgt gtc tgc acc ttg ctg 1473
Gly Ile Glu Ala Cys Tyr Ala Ala Val Ser Cys Val Cys Thr Leu Leu
420 425 430
ggt gcc ctg gat gag ctc agc cag ggg aag ggc ttg agc gaa ggt cag 1521
Gly Ala Leu Asp Glu Leu Ser Gln Gly Lys Gly Leu Ser Glu Gly Gln
435 440 445 450
gtg caa ctg ctg ctt ctg cgc ctt gag gag ctg aag gat ggg gct gag 1569
Val Gln Leu Leu Leu Leu Arg Leu Glu Glu Leu Lys Asp Gly Ala Glu
455 460 465
tgg agc cga gat tcc atg gag atc aat gag gct gac ttc cgc tgg cag 1617
Trp Ser Arg Asp Ser Met Glu Ile Asn Glu Ala Asp Phe Arg Trp Gln
470 475 480
cgg cga gtg ctg tcc tca gaa cac acg ccg tgg gag tca ggg aac gag 1665
Arg Arg Val Leu Ser Ser Glu His Thr Pro Trp Glu Ser Gly Asn Glu
485 490 495
agg agc ctt gac atc agc atc agt gtc acc aca gac aca ggc cag acc 1713
Arg Ser Leu Asp Ile Ser Ile Ser Val Thr Thr Asp Thr Gly Gln Thr
500 505 510
act ctc gag gga gag ttg ggt cag act aca ccc gag gac cat tcg gga 1761
Thr Leu Glu Gly Glu Leu Gly Gln Thr Thr Pro Glu Asp His Ser Gly
515 520 525 530
aac cac aag aac agt ctc aag tcg cca gcc atc cca gag ggt aag gag 1809
Asn His Lys Asn Ser Leu Lys Ser Pro Ala Ile Pro Glu Gly Lys Glu
535 540 545
acg ctg agc aaa gta ttg gaa aca gag gcg gta gac cag cca gat gtc 1857
Thr Leu Ser Lys Val Leu Glu Thr Glu Ala Val Asp Gln Pro Asp Val
550 555 560
gtg cag aga agc cac acg gtc cct tac cct gac ata act aac ttc ctg 1905
Val Gln Arg Ser His Thr Val Pro Tyr Pro Asp Ile Thr Asn Phe Leu
565 570 575
tca gta gac tgc agg aca agg tcc tat gga tct agg tat agt gag agc 1953
Ser Val Asp Cys Arg Thr Arg Ser Tyr Gly Ser Arg Tyr Ser Glu Ser
580 585 590
aat ttt agc gtt gat gac caa gac ctt tct agg aca gag ttt gat tcc 2001
Asn Phe Ser Val Asp Asp Gln Asp Leu Ser Arg Thr Glu Phe Asp Ser
595 600 605 610
tgt gat cag tac tct atg gca gca gaa aag gac tcg ggc agg tcc gac 2049
Cys Asp Gln Tyr Ser Met Ala Ala Glu Lys Asp Ser Gly Arg Ser Asp
615 620 625
gtg tca gac att ggg tcg gac aac tgt tca cta gcc gat gaa gag cag 2097
Val Ser Asp Ile Gly Ser Asp Asn Cys Ser Leu Ala Asp Glu Glu Gln
630 635 640
aca ccc cgg gac tgc cta ggc cac cgg tcc ctg cga act gcc gcc ctg 2145
Thr Pro Arg Asp Cys Leu Gly His Arg Ser Leu Arg Thr Ala Ala Leu
645 650 655
tct cta aaa ctg ctg aag aac cag gag gcg gat cag cac agc gcc agg 2193
Ser Leu Lys Leu Leu Lys Asn Gln Glu Ala Asp Gln His Ser Ala Arg
660 665 670
ctg ttc ata cag tcc ctg gaa ggc ctc ctc cct cgg ctc ctg tct ctc 2241
Leu Phe Ile Gln Ser Leu Glu Gly Leu Leu Pro Arg Leu Leu Ser Leu
675 680 685 690
tcc aat gta gag gag gtg gac acc gct ctg cag aac ttt gcc tct act 2289
Ser Asn Val Glu Glu Val Asp Thr Ala Leu Gln Asn Phe Ala Ser Thr
695 700 705
ttc tgc tca ggc atg atg cac tct cct ggc ttt gac ggg aat agc agc 2337
Phe Cys Ser Gly Met Met His Ser Pro Gly Phe Asp Gly Asn Ser Ser
710 715 720
ctc agc ttc cag atg ctg atg aac gca gac agc ctc tac aca gct gca 2385
Leu Ser Phe Gln Met Leu Met Asn Ala Asp Ser Leu Tyr Thr Ala Ala
725 730 735
cac tgc gcc ctg ctc ctc aac ctg aag ctc tcc cac ggt gac tac tac 2433
His Cys Ala Leu Leu Leu Asn Leu Lys Leu Ser His Gly Asp Tyr Tyr
740 745 750
agg aag cgg ccg acc ctg gcg cca ggc gtg atg aag gac ttc atg aag 2481
Arg Lys Arg Pro Thr Leu Ala Pro Gly Val Met Lys Asp Phe Met Lys
755 760 765 770
cag gtg cag acc agc ggc gtg ctg atg gtc ttc tct cag gcc tgg att 2529
Gln Val Gln Thr Ser Gly Val Leu Met Val Phe Ser Gln Ala Trp Ile
775 780 785
gag gag ctc tac cat cag gtg ctc gac agg aac atg ctt gga gag gct 2577
Glu Glu Leu Tyr His Gln Val Leu Asp Arg Asn Met Leu Gly Glu Ala
790 795 800
ggc tat tgg ggc agc cca gaa gat aac agc ctt ccc ctc atc aca atg 2625
Gly Tyr Trp Gly Ser Pro Glu Asp Asn Ser Leu Pro Leu Ile Thr Met
805 810 815
ctg acc gat att gac ggc tta gag agc agt gcc att ggt ggc cag ctg 2673
Leu Thr Asp Ile Asp Gly Leu Glu Ser Ser Ala Ile Gly Gly Gln Leu
820 825 830
atg gcc tcg gct gct aca gag tct cct ttc gcc cag agc agg aga att 2721
Met Ala Ser Ala Ala Thr Glu Ser Pro Phe Ala Gln Ser Arg Arg Ile
835 840 845 850
gat gac tcc aca gtg gca ggc gtg gca ttt gct cgc tat att ctg gtg 2769
Asp Asp Ser Thr Val Ala Gly Val Ala Phe Ala Arg Tyr Ile Leu Val
855 860 865
ggc tgc tgg aag aac ttg atc gat act tta tca acc cca ctg act ggt 2817
Gly Cys Trp Lys Asn Leu Ile Asp Thr Leu Ser Thr Pro Leu Thr Gly
870 875 880
cga atg gcg ggg agc tcc aaa ggg ctg gcc ttc att ctg gga gct gaa 2865
Arg Met Ala Gly Ser Ser Lys Gly Leu Ala Phe Ile Leu Gly Ala Glu
885 890 895
ggc atc aaa gag cag aac cag aag gag cgg gac gcc atc tgc atg agc 2913
Gly Ile Lys Glu Gln Asn Gln Lys Glu Arg Asp Ala Ile Cys Met Ser
900 905 910
ctc gac ggg ctg cgg aaa gcc gca cgg ctg agc tgc gct cta ggc gtt 2961
Leu Asp Gly Leu Arg Lys Ala Ala Arg Leu Ser Cys Ala Leu Gly Val
915 920 925 930
gct gct aac tgc gcc tca gcc ctt gcc cag atg gca gct gcc tcc tgt 3009
Ala Ala Asn Cys Ala Ser Ala Leu Ala Gln Met Ala Ala Ala Ser Cys
935 940 945
gtc caa gaa gaa aaa gaa gag agg gag gcc caa gaa ccc agt gat gcc 3057
Val Gln Glu Glu Lys Glu Glu Arg Glu Ala Gln Glu Pro Ser Asp Ala
950 955 960
atc aca caa gtg aaa cta aaa gtg gag cag aaa ctg gag cag att ggg 3105
Ile Thr Gln Val Lys Leu Lys Val Glu Gln Lys Leu Glu Gln Ile Gly
965 970 975
aag gtg cag ggg gtg tgg ctg cac act gcc cac gtc ttg tgc atg gag 3153
Lys Val Gln Gly Val Trp Leu His Thr Ala His Val Leu Cys Met Glu
980 985 990
gcc atc ctc agc gta ggc ctg gag atg gga agc cac aac ccg gac 3198
Ala Ile Leu Ser Val Gly Leu Glu Met Gly Ser His Asn Pro Asp
995 1000 1005
tgc tgg cca cac gtg ttc agg gtg tgt gaa tac gtg ggc acc ctg 3243
Cys Trp Pro His Val Phe Arg Val Cys Glu Tyr Val Gly Thr Leu
1010 1015 1020
gag cac aac cac ttc agc gat ggt gcc tcg cag ccc cct ctg acc 3288
Glu His Asn His Phe Ser Asp Gly Ala Ser Gln Pro Pro Leu Thr
1025 1030 1035
atc agc cag ccc cag aag gcc act gga agc gct ggc ctc ctt ggg 3333
Ile Ser Gln Pro Gln Lys Ala Thr Gly Ser Ala Gly Leu Leu Gly
1040 1045 1050
gac ccc gag tgt gag ggc tcg ccc ccc gag cac agc ccg gag cag 3378
Asp Pro Glu Cys Glu Gly Ser Pro Pro Glu His Ser Pro Glu Gln
1055 1060 1065
ggg cgc tcc ctg agc acg gcc cct gtc gtc cag ccc ctg tcc atc 3423
Gly Arg Ser Leu Ser Thr Ala Pro Val Val Gln Pro Leu Ser Ile
1070 1075 1080
cag gac ctc gtc cgg gaa ggc agc cgg ggt cgg gcc tcc gac ttc 3468
Gln Asp Leu Val Arg Glu Gly Ser Arg Gly Arg Ala Ser Asp Phe
1085 1090 1095
cgc ggc ggg agc ctc atg agc ggg agc agc gcg gcc aag gtg gtg 3513
Arg Gly Gly Ser Leu Met Ser Gly Ser Ser Ala Ala Lys Val Val
1100 1105 1110
ctc acc ctc tcc acg caa gcc gac agg ctc ttt gaa gat gct acg 3558
Leu Thr Leu Ser Thr Gln Ala Asp Arg Leu Phe Glu Asp Ala Thr
1115 1120 1125
gat aag ttg aac ctc atg gcc ttg gga ggt ttt ctt tac cag ctg 3603
Asp Lys Leu Asn Leu Met Ala Leu Gly Gly Phe Leu Tyr Gln Leu
1130 1135 1140
aag aaa gca tcg cag tct cag ctt ttc cat tct gtt aca gat aca 3648
Lys Lys Ala Ser Gln Ser Gln Leu Phe His Ser Val Thr Asp Thr
1145 1150 1155
gtt gat tac tct ctg gca atg cca gga gaa gtt aaa tcc act caa 3693
Val Asp Tyr Ser Leu Ala Met Pro Gly Glu Val Lys Ser Thr Gln
1160 1165 1170
gac cga aaa agc gcc ctc cac ctg ttc cgc ctg ggg aat gcc atg 3738
Asp Arg Lys Ser Ala Leu His Leu Phe Arg Leu Gly Asn Ala Met
1175 1180 1185
ctg agg att gtg cgg agc aaa gca cgg ccc ctg ctc cac gtg atg 3783
Leu Arg Ile Val Arg Ser Lys Ala Arg Pro Leu Leu His Val Met
1190 1195 1200
cgc tgc tgg agc ctt gtg gcc cca cac ctg gtg gag gct gct tgc 3828
Arg Cys Trp Ser Leu Val Ala Pro His Leu Val Glu Ala Ala Cys
1205 1210 1215
cat aag gaa aga cat gtg tct cag aag gct gtt tcc ttc atc cat 3873
His Lys Glu Arg His Val Ser Gln Lys Ala Val Ser Phe Ile His
1220 1225 1230
gac ata ctg aca gaa gtc ctc act gac tgg aat gag cca cct cat 3918
Asp Ile Leu Thr Glu Val Leu Thr Asp Trp Asn Glu Pro Pro His
1235 1240 1245
ttt cac ttc aat gaa gca ctc ttc cga cct ttc gag cgc att atg 3963
Phe His Phe Asn Glu Ala Leu Phe Arg Pro Phe Glu Arg Ile Met
1250 1255 1260
cag ctg gaa ttg tgt gat gag gac gtc caa gac cag gtt gtc aca 4008
Gln Leu Glu Leu Cys Asp Glu Asp Val Gln Asp Gln Val Val Thr
1265 1270 1275
tcc att ggt gag ctg gtt gaa gtg tgt tcc acg cag atc cag tcg 4053
Ser Ile Gly Glu Leu Val Glu Val Cys Ser Thr Gln Ile Gln Ser
1280 1285 1290
gga tgg aga ccc ttg ttc agt gcc ctg gaa aca gtg cat ggc ggg 4098
Gly Trp Arg Pro Leu Phe Ser Ala Leu Glu Thr Val His Gly Gly
1295 1300 1305
aac aag tca gag atg aag gag tac ctg gtt ggt gac tac tcc atg 4143
Asn Lys Ser Glu Met Lys Glu Tyr Leu Val Gly Asp Tyr Ser Met
1310 1315 1320
gga aaa ggc caa gct cca gtg ttt gat gta ttt gaa gct ttt ctc 4188
Gly Lys Gly Gln Ala Pro Val Phe Asp Val Phe Glu Ala Phe Leu
1325 1330 1335
aat act gac aac atc cag gtc ttt gct aat gca gcc act agc tac 4233
Asn Thr Asp Asn Ile Gln Val Phe Ala Asn Ala Ala Thr Ser Tyr
1340 1345 1350
atc atg tgc ctt atg aag ttt gtc aaa gga ctg ggg gag gtg gac 4278
Ile Met Cys Leu Met Lys Phe Val Lys Gly Leu Gly Glu Val Asp
1355 1360 1365
tgt aaa gag att gga gac tgt gcc cca gca ccc gga gcc ccg tcc 4323
Cys Lys Glu Ile Gly Asp Cys Ala Pro Ala Pro Gly Ala Pro Ser
1370 1375 1380
aca gac ctg tgc ctc ccg gcc ctg gat tac ctc agg cgc tgc tct 4368
Thr Asp Leu Cys Leu Pro Ala Leu Asp Tyr Leu Arg Arg Cys Ser
1385 1390 1395
cag tta ttg gcc aaa atc tac aaa atg ccc ttg aag cca ata ttc 4413
Gln Leu Leu Ala Lys Ile Tyr Lys Met Pro Leu Lys Pro Ile Phe
1400 1405 1410
ctt agt ggg aga ctt gcc ggc ttg cct cga aga ctt cag gaa cag 4458
Leu Ser Gly Arg Leu Ala Gly Leu Pro Arg Arg Leu Gln Glu Gln
1415 1420 1425
tca gcc agc agt gag gat gga att gaa tca gtc ctg tct gat ttt 4503
Ser Ala Ser Ser Glu Asp Gly Ile Glu Ser Val Leu Ser Asp Phe
1430 1435 1440
gat gat gac acc ggt ctg ata gaa gtc tgg ata atc ctg ctg gag 4548
Asp Asp Asp Thr Gly Leu Ile Glu Val Trp Ile Ile Leu Leu Glu
1445 1450 1455
cag ctg aca gcg gct gtg tcc aat tgt cca cgg cag cac caa cca 4593
Gln Leu Thr Ala Ala Val Ser Asn Cys Pro Arg Gln His Gln Pro
1460 1465 1470
cca act ctg gat tta ctc ttt gag ctg ttg aga gat gtg acg aaa 4638
Pro Thr Leu Asp Leu Leu Phe Glu Leu Leu Arg Asp Val Thr Lys
1475 1480 1485
aca cca gga cca ggg ttt ggt atc tat gca gtg gtt cac ctc ctc 4683
Thr Pro Gly Pro Gly Phe Gly Ile Tyr Ala Val Val His Leu Leu
1490 1495 1500
ctt cct gtg atg tcc gtt tgg ctc cgc cgg agc cat aaa gac cat 4728
Leu Pro Val Met Ser Val Trp Leu Arg Arg Ser His Lys Asp His
1505 1510 1515
tcc tac tgg gat atg gcc tct gcc aat ttc aag cac gct att ggt 4773
Ser Tyr Trp Asp Met Ala Ser Ala Asn Phe Lys His Ala Ile Gly
1520 1525 1530
ctg tcc tgt gag ctg gtg gtg gag cac att caa agc ttt cta cat 4818
Leu Ser Cys Glu Leu Val Val Glu His Ile Gln Ser Phe Leu His
1535 1540 1545
tca gat atc agg tac gag agc atg atc aat acc atg ctg aag gac 4863
Ser Asp Ile Arg Tyr Glu Ser Met Ile Asn Thr Met Leu Lys Asp
1550 1555 1560
ctc ttt gag ttg ctg gtc gcc tgt gtg gcc aag ccc act gaa acc 4908
Leu Phe Glu Leu Leu Val Ala Cys Val Ala Lys Pro Thr Glu Thr
1565 1570 1575
atc tcc aga gtg ggc tgc tcc tgt att aga tac gtc ctt gtg aca 4953
Ile Ser Arg Val Gly Cys Ser Cys Ile Arg Tyr Val Leu Val Thr
1580 1585 1590
gcg ggc cct gtg ttc act gag gag atg tgg agg ctt gcc tgc tgt 4998
Ala Gly Pro Val Phe Thr Glu Glu Met Trp Arg Leu Ala Cys Cys
1595 1600 1605
gcc ctg caa gat gcg ttc tct gcc aca ctc aag cca gtg aag gac 5043
Ala Leu Gln Asp Ala Phe Ser Ala Thr Leu Lys Pro Val Lys Asp
1610 1615 1620
ctg ctg ggc tgc ttc cac agc ggc acg gag agc ttc agc ggg gaa 5088
Leu Leu Gly Cys Phe His Ser Gly Thr Glu Ser Phe Ser Gly Glu
1625 1630 1635
ggc tgc cag gtg cga gtg gcg gcc ccg tcc tcc tcc cca agt gcc 5133
Gly Cys Gln Val Arg Val Ala Ala Pro Ser Ser Ser Pro Ser Ala
1640 1645 1650
gag gcc gag tac tgg cgc atc cga gcc atg gcc cag cag gtg ttt 5178
Glu Ala Glu Tyr Trp Arg Ile Arg Ala Met Ala Gln Gln Val Phe
1655 1660 1665
atg ctg gac acc cag tgc tca cca aag aca cca aac aac ttt gac 5223
Met Leu Asp Thr Gln Cys Ser Pro Lys Thr Pro Asn Asn Phe Asp
1670 1675 1680
cac gct cag tcc tgc cag ctc att att gag ctg cct cct gat gaa 5268
His Ala Gln Ser Cys Gln Leu Ile Ile Glu Leu Pro Pro Asp Glu
1685 1690 1695
aaa cca aat gga cac acc aag aaa agc gtg tct ttc agg gaa att 5313
Lys Pro Asn Gly His Thr Lys Lys Ser Val Ser Phe Arg Glu Ile
1700 1705 1710
gtg gtg agc ctg ctg tct cat cag gtg tta ctc cag aac tta tat 5358
Val Val Ser Leu Leu Ser His Gln Val Leu Leu Gln Asn Leu Tyr
1715 1720 1725
gac atc ttg tta gaa gag ttt gtc aaa ggc ccc tct cct gga gag 5403
Asp Ile Leu Leu Glu Glu Phe Val Lys Gly Pro Ser Pro Gly Glu
1730 1735 1740
gaa aag acg ata caa gtg cca gaa gcc aag ctg gct ggc ttc ctc 5448
Glu Lys Thr Ile Gln Val Pro Glu Ala Lys Leu Ala Gly Phe Leu
1745 1750 1755
aga tac atc tct atg cag aac ttg gca gtc ata ttc gac ctg ctg 5493
Arg Tyr Ile Ser Met Gln Asn Leu Ala Val Ile Phe Asp Leu Leu
1760 1765 1770
ctg gac tct tat agg act gcc agg gag ttt gac acc agc ccc ggg 5538
Leu Asp Ser Tyr Arg Thr Ala Arg Glu Phe Asp Thr Ser Pro Gly
1775 1780 1785
ctg aag tgc ctg ctg aag aaa gtg tct ggc atc ggg ggc gcc gcc 5583
Leu Lys Cys Leu Leu Lys Lys Val Ser Gly Ile Gly Gly Ala Ala
1790 1795 1800
aac ctc tac cgc cag tct gcg atg agc ttt aac att tat ttc cac 5628
Asn Leu Tyr Arg Gln Ser Ala Met Ser Phe Asn Ile Tyr Phe His
1805 1810 1815
gcc ctg gtg tgt gct gtt ctc acc aat caa gaa acc atc acg gcc 5673
Ala Leu Val Cys Ala Val Leu Thr Asn Gln Glu Thr Ile Thr Ala
1820 1825 1830
gag caa gtg aag aag gtc ctt ttt gag gac gac gag aga agc acg 5718
Glu Gln Val Lys Lys Val Leu Phe Glu Asp Asp Glu Arg Ser Thr
1835 1840 1845
gat tct tcc cag cag tgt tca tct gag gat gaa gac atc ttt gag 5763
Asp Ser Ser Gln Gln Cys Ser Ser Glu Asp Glu Asp Ile Phe Glu
1850 1855 1860
gaa acc gcc cag gtc agc ccc ccg aga ggc aag gag aag aga cag 5808
Glu Thr Ala Gln Val Ser Pro Pro Arg Gly Lys Glu Lys Arg Gln
1865 1870 1875
tgg cgg gca cgg atg ccc ttg ctc agc gtc cag cct gtc agc aac 5853
Trp Arg Ala Arg Met Pro Leu Leu Ser Val Gln Pro Val Ser Asn
1880 1885 1890
gca gat tgg gtg tgg ctg gtc aag agg ctg cac aag ctg tgc atg 5898
Ala Asp Trp Val Trp Leu Val Lys Arg Leu His Lys Leu Cys Met
1895 1900 1905
gaa ctg tgc aac aac tac atc cag atg cac ttg gac ctg gag aac 5943
Glu Leu Cys Asn Asn Tyr Ile Gln Met His Leu Asp Leu Glu Asn
1910 1915 1920
tgt atg gag gag cct ccc atc ttc aag ggc gac ccg ttc ttc atc 5988
Cys Met Glu Glu Pro Pro Ile Phe Lys Gly Asp Pro Phe Phe Ile
1925 1930 1935
ctg ccc tcc ttc cag tcc gag tca tcc acc cca tcc acc ggg ggc 6033
Leu Pro Ser Phe Gln Ser Glu Ser Ser Thr Pro Ser Thr Gly Gly
1940 1945 1950
ttc tct ggg aaa gaa acc cct tcc gag gat gac aga agc cag tcc 6078
Phe Ser Gly Lys Glu Thr Pro Ser Glu Asp Asp Arg Ser Gln Ser
1955 1960 1965
cgg gag cac atg ggc gag tcc ctg agc ctg aag gcc ggt ggt ggg 6123
Arg Glu His Met Gly Glu Ser Leu Ser Leu Lys Ala Gly Gly Gly
1970 1975 1980
gac ctg ctg ctg ccc ccc agc ccc aaa gtg gag aag aag gat ccc 6168
Asp Leu Leu Leu Pro Pro Ser Pro Lys Val Glu Lys Lys Asp Pro
1985 1990 1995
agc cgg aag aag gag tgg tgg gag aat gcg ggg aac aaa atc tac 6213
Ser Arg Lys Lys Glu Trp Trp Glu Asn Ala Gly Asn Lys Ile Tyr
2000 2005 2010
acc atg gca gcc gac aag acc att tca aag ttg atg acc gaa tac 6258
Thr Met Ala Ala Asp Lys Thr Ile Ser Lys Leu Met Thr Glu Tyr
2015 2020 2025
aaa aag agg aaa cag cag cac aac ctg tcc gcg ttc ccc aaa gag 6303
Lys Lys Arg Lys Gln Gln His Asn Leu Ser Ala Phe Pro Lys Glu
2030 2035 2040
gtc aaa gtg gag aag aaa gga gag cca ctg ggt ccc agg ggc cag 6348
Val Lys Val Glu Lys Lys Gly Glu Pro Leu Gly Pro Arg Gly Gln
2045 2050 2055
gac tcc ccg ctg ctt cag cgt ccc cag cac ttg atg gac caa ggg 6393
Asp Ser Pro Leu Leu Gln Arg Pro Gln His Leu Met Asp Gln Gly
2060 2065 2070
caa atg cgg cat tcc ttc agc gca ggc ccc gag ctg ctg cga cag 6438
Gln Met Arg His Ser Phe Ser Ala Gly Pro Glu Leu Leu Arg Gln
2075 2080 2085
gac aag agg ccc cgc tca ggc tcc acc ggg agc tcc ctc agt gtc 6483
Asp Lys Arg Pro Arg Ser Gly Ser Thr Gly Ser Ser Leu Ser Val
2090 2095 2100
tcg gtg aga gac gca gaa gca cag atc cag gca tgg acc aac atg 6528
Ser Val Arg Asp Ala Glu Ala Gln Ile Gln Ala Trp Thr Asn Met
2105 2110 2115
gtg cta aca gtt ctc aat cag att cag att ctc cca gac cag acc 6573
Val Leu Thr Val Leu Asn Gln Ile Gln Ile Leu Pro Asp Gln Thr
2120 2125 2130
ttc acg gcc ctc cag ccc gca gtg ttc ccg tgc atc agt cag ctg 6618
Phe Thr Ala Leu Gln Pro Ala Val Phe Pro Cys Ile Ser Gln Leu
2135 2140 2145
acc tgt cac gtg acc gac atc aga gtt cgc cag gct gtg agg gag 6663
Thr Cys His Val Thr Asp Ile Arg Val Arg Gln Ala Val Arg Glu
2150 2155 2160
tgg ctg ggc agg gtg ggc cgt gtc tat gac atc att gtg tag 6705
Trp Leu Gly Arg Val Gly Arg Val Tyr Asp Ile Ile Val
2165 2170 2175
ccgactcctg ttctactctc ccaccaaata acagtagtga gggttagagt cctgccaata 6765
cagctgttgc attttcccca ccactagccc cacttaaact actactactg tctcagagaa 6825
cagtgtttcc taatgtaaaa agcctttcca accactgatc agcattgggg ccatactaag 6885
gtttgtatct agatgacaca aacgatattc tgattttgca cattattata gaagaatcta 6945
taatccttga tatgtttcta actcttgaag tatatttccc agtgcttttg cttacagtgt 7005
tgtccccaaa tgggtcattt tcaaggatta ctcatttgaa aacactatat tgatccattt 7065
gatccatcat ttaaaaaata aatacaattc ctaaggcaat atctgctggt aagtcaagct 7125
gataaacact cagacatcta gtaccaggga ttattaattg gaggaagatt tatggttatg 7185
ggtctggctg ggaagaagac aactataaat acatattctt gggtgtcata atcaagaaag 7245
aggtgacttc tgttgtaaaa taatccagaa cacttcaaaa ttattcctaa atcattaaga 7305
ttttcaggta ttcaccaatt tccccatgta aggtactgtg ttgtaccttt atttctgtat 7365
ttctaaaaga agaaagttct ttcctagcag ggtttgaagt ctgtggctta tcagcctgtg 7425
acacagagta cccagtgaaa gtggctggta cgtagattgt caagagacat aagaccgacc 7485
agccaccctg gctgttcttg tggtgtttgt ttccatcccc aaggcaaaca aggaaaggaa 7545
aggaaagaag aaaaggtgcc ttagtccttt gttgcacttc catttccatg ccccacaatt 7605
gtctgaacat aaggtatagc atttggtttt taagaaaaca aaacattaag acgcaactca 7665
ttttatatca acacgcttgg aggaaaggga ctcagggaag ggagcaggga gtgtggggtg 7725
gggatggatt atgatgaaat cattttcaat cttaaaatat aatacaacaa tcttgcaaaa 7785
ttatggtgtc agttacacaa gctctagtct caaaatgaaa gtaatggaga aagacactga 7845
aatttagaaa attttgtcga tttaaaatat ttctcctatc taccaagtaa agttacccta 7905
tgtttgatgt ctttgcattc agaccaatat ttcaggtgga tatttctaag tattactaga 7965
aaatacgttt gaaagcttta tcttattatt tacagtattt ttatatttct tacattatcc 8025
taatgattga aaactcctca atcaagctta cttacacaca ttctacagag ttatttaagg 8085
catacattat aatctcccag ccccattcat aatgaataag tcacccttta aatataagac 8145
acaaattcta cagtattgaa ataaggattt aaaggggtat ttgtaaactt tgccctcctt 8205
gagaaatatg gaactacctt agaggttaag aggaaggcag tgttctgact tctttaggtg 8265
atctgaaaaa aacaccctta tcatccagtg taccatctag agatcaccac agaatccatt 8325
tttttcccag ttccacaaaa cactctgttt gccttcagtt tttactcact agacaataat 8385
tcaagtttag aaacaggtaa tcagctattt gatcttaaaa ggcaatgaat tgttgggata 8445
tcagtgaact atgttgtata cttttgaatt tttacatttt ataaatggaa ttgaaagttg 8505
gataactgct ttttttaaat tttccaacag aagtaacacc acagttgctt tgtttctttt 8565
tatagcttac ctgaggttca gttcttcttt gtgaacctgt gagtactcca cagtttactg 8625
ggggaaaagg cttcagtaaa gcagaggcta gaattacagt atttatacat agcaactttt 8685
cataaagtag aaaaattcaa aggaagctgt ctcaatttga gaataccagc tgggcacggt 8745
ggctcacgcc tgtaatccca gcacttactt tgggaggcca aggtgggcag ataacctgcg 8805
gtcaggagtt tgagaccagg ctggacaaca tggtgaaacc tcgtctctac taaaaataca 8865
aaaattagcc aggtgtggta ggatgcacct gtaatcccag ctacttagga ggccgagaca 8925
ggagaatcgc tcgaacccag gaggcggacg ttgcagtgag ccaagattgc accattgcac 8985
tccagactgg gtgacaagag tgaaactcca tctaaaaaaa aaaaaaaaaa aaagtgaata 9045
ctgtatccca aagtatgtta gttgtttgtt tggaaatcag cattctcccc gatgctctat 9105
tatgggatcc aaaattcttg aacataagtt taccctgtac tgtgtccaaa cactgttcta 9165
gttctagcct gattatgggt cccaagaata aaaggatgag taggtgtaca gagctcttga 9225
cctacaattt tttaagagtg ttttggtacc ttcccattgt cttctctata actcagtcct 9285
aacatactct gcactcgagt taccagccat ccacactgac atcagatttc aaccagaacc 9345
atcactgagt gacagcagta cttctcagag gtatttgcag cttgatgcaa agtagtctct 9405
aatgagtagg cattcaggtg gttcttccca gcaggtggag aagaaaggga ggagatgaag 9465
aacactgaga ggggagtggc accttcccag gctgcccagc tcagtctctt gccctgttcc 9525
tgtgactcag ctgcccactc ccccaacttt gtttccctcc ctcccagtct ctgaaagtgt 9585
caggtgtttc tctcctcaca gtctcttttg cagcaacagt aagacaaaat tcaaggcagc 9645
cttttaaagt tacgaacagt tattagcatg tatttacaga cctaagcaga atgagagttt 9705
atacattgtt tttagttgcc tgtatttata gccaaaagta tattacctta aagttgagat 9765
ctttctcttc ttttcctaaa ttttggtaaa gtgtgcttca tgaaacaaac atctggaaaa 9825
ctccaagtat aagagaccct ggactgatga tggcccagcc aagtatatgg agggacagag 9885
ttctctctgt cattaatgag gacatcggtt ttcacaattg aacctcatgc actgtccaca 9945
gcatctcacc tagctcctgt atctcctgat ctgcttttaa aaatagttag ttaggctgcc 10005
tttttacacc accttctctc tctccccttg tggtaatttt ccagccttcc ccatagatat 10065
aaaactagaa cacctttatg atttggggtc tatgtaatga ctgaccgata agaacccagg 10125
cagatgctaa catacttaac agctcgcatt aaaatacttt aaatcaggcg tgatggctca 10185
ttcctgtaat ctcaagcact ttgggaggct aaggtgggtg gatctcttga ggtcaggagt 10245
tcgagaccaa cctggccaac gtggtgaaac cccgtctcta ctaaaaatac aaaattagcc 10305
gggcatggtg gcagctgcct gtaatcccag ctactcggga agctgaggca ggagaattgc 10365
ttgaacctgg gaggtgggga ttgcagtcag ccaagattgt tctgcagcat gggtgacaaa 10425
gtgagacttc gtctcaagta aataaaacta aaatttttaa atcaaacatg acaaaaatgt 10485
taatataatt cagaagtacc ttgaaattga aacatatttg tgcaatgatc attaggcttt 10545
ttgtccttgt tgttttaaaa tgaggcttat acagagtgag ttgagagtca agtagccttc 10605
gctgtgagac ggtaatgcag ttatataata gatacccttg actttgccag attcatcaca 10665
atactgctta tacaggaaag ttttctcaga aaggaaaatc cattagtatc agtcccatca 10725
agccaaacag aatgaagacc tttgatagta atagcaagag gttacaaata gcagggagga 10785
ggcgagtagt gaatgtcact gtgattgcaa acccttacct gtattatcac acgtagtcct 10845
cacaacaacc ttgtgagaca agtgttgtgt tcctcatttt ttcagagggg aacacagacc 10905
cagagaggtt aagaaatttg cccaagataa caagtaaaag gcaaagttgg ttgcaaaaga 10965
ggtgtttctg aattcaaggg ccatactctc tctctgacaa catgctctaa gtccatagag 11025
taagcactct agtatgaaaa aaagtttcaa ggaacgaggc catgaaaatg agactatttg 11085
acatctcaga tctgtctggg atgttatgga ggtttttaaa aataaagttg aaaaaagaaa 11145
atgaatcatg tttatacata aaaaaatcac atgtaacaca tttcaagtgt ttgaaaataa 11205
aaccaaaatc taaactttag tcttcaagca gacattcagt gttactttag aaaactcact 11265
gaattaggtg gaaatgatgg aataatacta ttcatggcca gctattaaca cagaagaaca 11325
tggcagtgtg tgtctggaac ggcatgcaca atttgtaaac ctttttcaaa tatcatttaa 11385
tcaactcaga ataaagtgcc ctgtagccaa cagtgcctct ttacttgctt ctctgggaaa 11445
tacatggtac taaattagta gcacaaagtt tgggaatatg caaaataatg gataaccatt 11505
tttcaaaatg tacattctct gaagaggaag cagctggttg gacaggattt cttgaagagc 11565
caggtgctaa gggcatcagg tcgacatcca tagtaaccat gtgccataac atctacacat 11625
ttccacttgt tttacagaca aggtaacagg cagaaggaaa atccagagtc ttgcagtaag 11685
cagatgacaa aacttcaata tgcttgggca ccacttaggt gaccccaggg agatttagtg 11745
tggccttagg aaagcaaaag agcacttttt attggaaata tgagcttgtc actgggaaag 11805
atttgtaaaa ttgatcaaga acttgattta taattatgcc tcaaaaaaaa aagttctcat 11865
ttagtagtgg agcaatctag aaaacatacc ttttttgttt gtttggaaga tcctctttcc 11925
ctggctgtat tgtagtgttt gctatttgat gtggaaataa ctaataactt aagattttgg 11985
aacagaacac cctttagatt tccaaaacac aattcttatt tcagggaaga cagaccaaaa 12045
atatctcctg agatcattgg tttctttata aattgtggta ccactccatc attgaagaga 12105
aaccactacc acaccactag caccatacag aaccttttct ctgtatcttt gtacaatact 12165
acaaaggggt accagggagg agagagtggc tgaccacttt agtgacaaaa cagcactcca 12225
ctgctggtga atcccatcta attatggtcc ttccaccctt ttcaaccacc aacaactgtt 12285
cgtactgtta attcctatcc tgaaggttta accagtggtt gtctagtatc ttctgtcttt 12345
agaacagtgg ttctcaaact ttagtacaca tcagcatcac ctggagggcc tttttttaaa 12405
ataagacaca gattgctggg ctcatggtca gagttcccag ttaagtaaat caggaaattt 12465
gtatttctaa caagtttata ggtgaggcca atactgctgt tttgggaact atgctttgag 12525
aaccactgcc ttgaaaaaat ttccaacttc tacctttaag atcagcctga cttatcaaac 12585
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gtcttgctca atcttcccag tttccagttt tattatacca acaattggtt tttacaagct 12705
agaagacaat gaatgtataa gttctatgga acagtgagat aaatctaagc ttcttgtctt 12765
tgtatttaga aacattgatt ctatggatga tcatttgtat catgttgacc ctttgacttg 12825
tactgaaggt gattttaaat ttaagtatgt agtgtttgaa tttcttccat ccatgtcgtt 12885
ttaatgagat gtttccatgt cagctccttt acagccttgg ctcctggctt acagattttt 12945
gaatagttgt ttgcttgcca gttgttttac atctttcatt ggccaccaaa atattagcca 13005
tttgagatga gatgagacta cttgttgtac cttcatcttt catttaattt tctggcgtaa 13065
attaacattt taatttcata tatatctgta aagagtctac ccaaaggctt cacggaaatt 13125
tgcaaaatga actaattccc ttttaagcag caggtgtgcc tgtttttgac ttttcagtaa 13185
atatgttgtt tgtgcacata tctacatggt ggagaccata ttcattattt catcttccaa 13245
ataatgggaa aaatataaaa gtgaatcagt gtgctttggg aattcagtga aatcatgtta 13305
actcatatag agggggcctt agtttatctc ttctttactg aattaattag ttttggaaat 13365
tcttttacca ttaaaaaaaa ttaaggacca tacagagaat gatttaagaa aaaacaagtc 13425
acttaaaaat catcacctat ttataaactg tattaattac acataatgct tattgattca 13485
atgaggtttc tctaaagact tctgcttaat aaatatgctg acttcattta aattagttta 13545
gactattgta ggaatggaag gaaatgatta tatttactag aattagtgag atcagaaagc 13605
atatcagaat gttgatgata tcaaggagac aatctacaga gtttttgcct ctgtggatgg 13665
aaataagggt gttttttttt ggtttttttt ttactttagt ttcccataat ttttggaaat 13725
tatgtgtgca tttagttctt ttagtaacac tgattttaaa attaaatttc aaaagtcaat 13785
ctctaagagt aatttatttt tgttttacca accagtgcca aaaaggagag gagggaatcc 13845
aaaagccaat cttttgaacc aatgtgtaaa agattatgtt ttttcttaaa gttagggagg 13905
ctcgggccct gacactgcca gccccagtga gcatccctgg ctacctcggg attatgtgca 13965
agctgctttg tcctacattt ctttcatctg gttcttattg ggagtgcttc tctctaataa 14025
aaattgattt cccacaaaat aggcaaagct gaacaaagat gaatgctttt gataagttgg 14085
gtttcacttc agttgaaaca atgtgataga atatccaggt gtggcatgat ggggcaggag 14145
gaggtgccta gagggaaaag ttatttttgt ttcttagtgt tgtgttgtgg ggatgggaca 14205
gataagaata agatgtttat tgccctaatc atgctaagag actattattc aatatgcttt 14265
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ctatctccca ctctagataa agccagtggg tggtatgggt ccttttattc cttatagtat 14385
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cataatgatt tgagtcagta taccatttta cctataaaat gcaaaattca tccttgcaac 14505
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ataaatatat ataaataaaa aaaaaaaaaa 14895

<210> 32
<211> 2177
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 32
Met Glu Glu Ile Leu Arg Lys Leu Gln Lys Glu Ala Ser Gly Ser Lys
1 5 10 15
Tyr Lys Ala Ile Lys Glu Ser Cys Thr Trp Ala Leu Glu Thr Leu Gly
20 25 30
Gly Leu Asp Thr Ile Val Lys Ile Pro Pro His Val Leu Arg Glu Lys
35 40 45
Cys Leu Leu Pro Leu Gln Leu Ala Leu Glu Ser Lys Asn Val Lys Leu
50 55 60
Ala Gln His Ala Leu Ala Gly Met Gln Lys Leu Leu Ser Glu Glu Arg
65 70 75 80
Phe Val Ser Met Glu Thr Asp Ser Asp Glu Lys Gln Leu Leu Asn Gln
85 90 95
Ile Leu Asn Ala Val Lys Val Thr Pro Ser Leu Asn Glu Asp Leu Gln
100 105 110
Val Glu Val Met Lys Val Leu Leu Cys Ile Thr Tyr Thr Pro Thr Phe
115 120 125
Asp Leu Asn Gly Ser Ala Val Leu Lys Ile Ala Glu Val Cys Ile Glu
130 135 140
Thr Tyr Ile Ser Ser Cys His Gln Arg Ser Ile Asn Thr Ala Val Arg
145 150 155 160
Ala Thr Leu Ser Gln Met Leu Ser Asp Leu Thr Leu Gln Leu Arg Gln
165 170 175
Arg Gln Glu Asn Thr Ile Ile Glu Asn Pro Asp Val Pro Gln Asp Phe
180 185 190
Gly Asn Gln Gly Ser Thr Val Glu Ser Leu Cys Asp Asp Val Val Ser
195 200 205
Val Leu Thr Val Leu Cys Glu Lys Leu Gln Ala Ala Ile Asn Asp Ser
210 215 220
Gln Gln Leu Gln Leu Leu Tyr Leu Glu Cys Ile Leu Ser Val Leu Ser
225 230 235 240
Ser Ser Ser Ser Ser Met His Leu His Arg Arg Phe Thr Asp Leu Ile
245 250 255
Trp Lys Asn Leu Cys Pro Ala Leu Ile Val Ile Leu Gly Asn Pro Ile
260 265 270
His Asp Lys Thr Ile Thr Ser Ala His Thr Ser Ser Thr Ser Thr Ser
275 280 285
Leu Glu Ser Asp Ser Ala Ser Pro Gly Val Ser Asp His Gly Arg Gly
290 295 300
Ser Gly Cys Ser Cys Thr Ala Pro Ala Leu Ser Gly Pro Val Ala Arg
305 310 315 320
Thr Ile Tyr Tyr Ile Ala Ala Glu Leu Val Arg Leu Val Gly Ser Val
325 330 335
Asp Ser Met Lys Pro Val Leu Gln Ser Leu Tyr His Arg Val Leu Leu
340 345 350
Tyr Pro Pro Pro Gln His Arg Val Glu Ala Ile Lys Ile Met Lys Glu
355 360 365
Ile Leu Gly Ser Pro Gln Arg Leu Cys Asp Leu Ala Gly Pro Ser Ser
370 375 380
Thr Glu Ser Glu Ser Arg Lys Arg Ser Ile Ser Lys Arg Lys Ser His
385 390 395 400
Leu Asp Leu Leu Lys Leu Ile Met Asp Gly Met Thr Glu Ala Cys Ile
405 410 415
Lys Gly Gly Ile Glu Ala Cys Tyr Ala Ala Val Ser Cys Val Cys Thr
420 425 430
Leu Leu Gly Ala Leu Asp Glu Leu Ser Gln Gly Lys Gly Leu Ser Glu
435 440 445
Gly Gln Val Gln Leu Leu Leu Leu Arg Leu Glu Glu Leu Lys Asp Gly
450 455 460
Ala Glu Trp Ser Arg Asp Ser Met Glu Ile Asn Glu Ala Asp Phe Arg
465 470 475 480
Trp Gln Arg Arg Val Leu Ser Ser Glu His Thr Pro Trp Glu Ser Gly
485 490 495
Asn Glu Arg Ser Leu Asp Ile Ser Ile Ser Val Thr Thr Asp Thr Gly
500 505 510
Gln Thr Thr Leu Glu Gly Glu Leu Gly Gln Thr Thr Pro Glu Asp His
515 520 525
Ser Gly Asn His Lys Asn Ser Leu Lys Ser Pro Ala Ile Pro Glu Gly
530 535 540
Lys Glu Thr Leu Ser Lys Val Leu Glu Thr Glu Ala Val Asp Gln Pro
545 550 555 560
Asp Val Val Gln Arg Ser His Thr Val Pro Tyr Pro Asp Ile Thr Asn
565 570 575
Phe Leu Ser Val Asp Cys Arg Thr Arg Ser Tyr Gly Ser Arg Tyr Ser
580 585 590
Glu Ser Asn Phe Ser Val Asp Asp Gln Asp Leu Ser Arg Thr Glu Phe
595 600 605
Asp Ser Cys Asp Gln Tyr Ser Met Ala Ala Glu Lys Asp Ser Gly Arg
610 615 620
Ser Asp Val Ser Asp Ile Gly Ser Asp Asn Cys Ser Leu Ala Asp Glu
625 630 635 640
Glu Gln Thr Pro Arg Asp Cys Leu Gly His Arg Ser Leu Arg Thr Ala
645 650 655
Ala Leu Ser Leu Lys Leu Leu Lys Asn Gln Glu Ala Asp Gln His Ser
660 665 670
Ala Arg Leu Phe Ile Gln Ser Leu Glu Gly Leu Leu Pro Arg Leu Leu
675 680 685
Ser Leu Ser Asn Val Glu Glu Val Asp Thr Ala Leu Gln Asn Phe Ala
690 695 700
Ser Thr Phe Cys Ser Gly Met Met His Ser Pro Gly Phe Asp Gly Asn
705 710 715 720
Ser Ser Leu Ser Phe Gln Met Leu Met Asn Ala Asp Ser Leu Tyr Thr
725 730 735
Ala Ala His Cys Ala Leu Leu Leu Asn Leu Lys Leu Ser His Gly Asp
740 745 750
Tyr Tyr Arg Lys Arg Pro Thr Leu Ala Pro Gly Val Met Lys Asp Phe
755 760 765
Met Lys Gln Val Gln Thr Ser Gly Val Leu Met Val Phe Ser Gln Ala
770 775 780
Trp Ile Glu Glu Leu Tyr His Gln Val Leu Asp Arg Asn Met Leu Gly
785 790 795 800
Glu Ala Gly Tyr Trp Gly Ser Pro Glu Asp Asn Ser Leu Pro Leu Ile
805 810 815
Thr Met Leu Thr Asp Ile Asp Gly Leu Glu Ser Ser Ala Ile Gly Gly
820 825 830
Gln Leu Met Ala Ser Ala Ala Thr Glu Ser Pro Phe Ala Gln Ser Arg
835 840 845
Arg Ile Asp Asp Ser Thr Val Ala Gly Val Ala Phe Ala Arg Tyr Ile
850 855 860
Leu Val Gly Cys Trp Lys Asn Leu Ile Asp Thr Leu Ser Thr Pro Leu
865 870 875 880
Thr Gly Arg Met Ala Gly Ser Ser Lys Gly Leu Ala Phe Ile Leu Gly
885 890 895
Ala Glu Gly Ile Lys Glu Gln Asn Gln Lys Glu Arg Asp Ala Ile Cys
900 905 910
Met Ser Leu Asp Gly Leu Arg Lys Ala Ala Arg Leu Ser Cys Ala Leu
915 920 925
Gly Val Ala Ala Asn Cys Ala Ser Ala Leu Ala Gln Met Ala Ala Ala
930 935 940
Ser Cys Val Gln Glu Glu Lys Glu Glu Arg Glu Ala Gln Glu Pro Ser
945 950 955 960
Asp Ala Ile Thr Gln Val Lys Leu Lys Val Glu Gln Lys Leu Glu Gln
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Ile Gly Lys Val Gln Gly Val Trp Leu His Thr Ala His Val Leu Cys
980 985 990
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Leu Glu His Asn His Phe Ser Asp Gly Ala Ser Gln Pro Pro Leu
1025 1030 1035
Thr Ile Ser Gln Pro Gln Lys Ala Thr Gly Ser Ala Gly Leu Leu
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Gly Asp Pro Glu Cys Glu Gly Ser Pro Pro Glu His Ser Pro Glu
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1070 1075 1080
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Thr Asp Lys Leu Asn Leu Met Ala Leu Gly Gly Phe Leu Tyr Gln
1130 1135 1140
Leu Lys Lys Ala Ser Gln Ser Gln Leu Phe His Ser Val Thr Asp
1145 1150 1155
Thr Val Asp Tyr Ser Leu Ala Met Pro Gly Glu Val Lys Ser Thr
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His Phe His Phe Asn Glu Ala Leu Phe Arg Pro Phe Glu Arg Ile
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Arg Ile Gly Gly
20

<210> 84
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 derived peptide 11-21aa
<400> 84
Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Met Gly Thr
1 5 10

<210> 85
<211> 13
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 derived peptide 76-88aa
<400> 85
Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg
1 5 10

<210> 86
<211> 6330
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<220>
<221> CDS
<222> (235)..(2022)
<400> 86
aggagctggc ggagggcgtt cgtcctggga ctgcacttgc tcccgtcggg tcgcccggct 60
tcaccggacc cgcaggctcc cggggcaggg ccggggccag agctcgcgtg tcggcgggac 120
atgcgctgcg tcgcctctaa cctcgggctg tgctcttttt ccaggtggcc cgccggtttc 180
tgagccttct gccctgcggg gacacggtct gcaccctgcc cgcggccacg gacc atg 237
Met
1
acc atg acc ctc cac acc aaa gca tct ggg atg gcc cta ctg cat cag 285
Thr Met Thr Leu His Thr Lys Ala Ser Gly Met Ala Leu Leu His Gln
5 10 15
atc caa ggg aac gag ctg gag ccc ctg aac cgt ccg cag ctc aag atc 333
Ile Gln Gly Asn Glu Leu Glu Pro Leu Asn Arg Pro Gln Leu Lys Ile
20 25 30
ccc ctg gag cgg ccc ctg ggc gag gtg tac ctg gac agc agc aag ccc 381
Pro Leu Glu Arg Pro Leu Gly Glu Val Tyr Leu Asp Ser Ser Lys Pro
35 40 45
gcc gtg tac aac tac ccc gag ggc gcc gcc tac gag ttc aac gcc gcg 429
Ala Val Tyr Asn Tyr Pro Glu Gly Ala Ala Tyr Glu Phe Asn Ala Ala
50 55 60 65
gcc gcc gcc aac gcg cag gtc tac ggt cag acc ggc ctc ccc tac ggc 477
Ala Ala Ala Asn Ala Gln Val Tyr Gly Gln Thr Gly Leu Pro Tyr Gly
70 75 80
ccc ggg tct gag gct gcg gcg ttc ggc tcc aac ggc ctg ggg ggt ttc 525
Pro Gly Ser Glu Ala Ala Ala Phe Gly Ser Asn Gly Leu Gly Gly Phe
85 90 95
ccc cca ctc aac agc gtg tct ccg agc ccg ctg atg cta ctg cac ccg 573
Pro Pro Leu Asn Ser Val Ser Pro Ser Pro Leu Met Leu Leu His Pro
100 105 110
ccg ccg cag ctg tcg cct ttc ctg cag ccc cac ggc cag cag gtg ccc 621
Pro Pro Gln Leu Ser Pro Phe Leu Gln Pro His Gly Gln Gln Val Pro
115 120 125
tac tac ctg gag aac gag ccc agc ggc tac acg gtg cgc gag gcc ggc 669
Tyr Tyr Leu Glu Asn Glu Pro Ser Gly Tyr Thr Val Arg Glu Ala Gly
130 135 140 145
ccg ccg gca ttc tac agg cca aat tca gat aat cga cgc cag ggt ggc 717
Pro Pro Ala Phe Tyr Arg Pro Asn Ser Asp Asn Arg Arg Gln Gly Gly
150 155 160
aga gaa aga ttg gcc agt acc aat gac aag gga agt atg gct atg gaa 765
Arg Glu Arg Leu Ala Ser Thr Asn Asp Lys Gly Ser Met Ala Met Glu
165 170 175
tct gcc aag gag act cgc tac tgt gca gtg tgc aat gac tat gct tca 813
Ser Ala Lys Glu Thr Arg Tyr Cys Ala Val Cys Asn Asp Tyr Ala Ser
180 185 190
ggc tac cat tat gga gtc tgg tcc tgt gag ggc tgc aag gcc ttc ttc 861
Gly Tyr His Tyr Gly Val Trp Ser Cys Glu Gly Cys Lys Ala Phe Phe
195 200 205
aag aga agt att caa gga cat aac gac tat atg tgt cca gcc acc aac 909
Lys Arg Ser Ile Gln Gly His Asn Asp Tyr Met Cys Pro Ala Thr Asn
210 215 220 225
cag tgc acc att gat aaa aac agg agg aag agc tgc cag gcc tgc cgg 957
Gln Cys Thr Ile Asp Lys Asn Arg Arg Lys Ser Cys Gln Ala Cys Arg
230 235 240
ctc cgc aaa tgc tac gaa gtg gga atg atg aaa ggt ggg ata cga aaa 1005
Leu Arg Lys Cys Tyr Glu Val Gly Met Met Lys Gly Gly Ile Arg Lys
245 250 255
gac cga aga gga ggg aga atg ttg aaa cac aag cgc cag aga gat gat 1053
Asp Arg Arg Gly Gly Arg Met Leu Lys His Lys Arg Gln Arg Asp Asp
260 265 270
ggg gag ggc agg ggt gaa gtg ggg tct gct gga gac atg aga gct gcc 1101
Gly Glu Gly Arg Gly Glu Val Gly Ser Ala Gly Asp Met Arg Ala Ala
275 280 285
aac ctt tgg cca agc ccg ctc atg atc aaa cgc tct aag aag aac agc 1149
Asn Leu Trp Pro Ser Pro Leu Met Ile Lys Arg Ser Lys Lys Asn Ser
290 295 300 305
ctg gcc ttg tcc ctg acg gcc gac cag atg gtc agt gcc ttg ttg gat 1197
Leu Ala Leu Ser Leu Thr Ala Asp Gln Met Val Ser Ala Leu Leu Asp
310 315 320
gct gag ccc ccc ata ctc tat tcc gag tat gat cct acc aga ccc ttc 1245
Ala Glu Pro Pro Ile Leu Tyr Ser Glu Tyr Asp Pro Thr Arg Pro Phe
325 330 335
agt gaa gct tcg atg atg ggc tta ctg acc aac ctg gca gac agg gag 1293
Ser Glu Ala Ser Met Met Gly Leu Leu Thr Asn Leu Ala Asp Arg Glu
340 345 350
ctg gtt cac atg atc aac tgg gcg aag agg gtg cca ggc ttt gtg gat 1341
Leu Val His Met Ile Asn Trp Ala Lys Arg Val Pro Gly Phe Val Asp
355 360 365
ttg acc ctc cat gat cag gtc cac ctt cta gaa tgt gcc tgg cta gag 1389
Leu Thr Leu His Asp Gln Val His Leu Leu Glu Cys Ala Trp Leu Glu
370 375 380 385
atc ctg atg att ggt ctc gtc tgg cgc tcc atg gag cac cca ggg aag 1437
Ile Leu Met Ile Gly Leu Val Trp Arg Ser Met Glu His Pro Gly Lys
390 395 400
cta ctg ttt gct cct aac ttg ctc ttg gac agg aac cag gga aaa tgt 1485
Leu Leu Phe Ala Pro Asn Leu Leu Leu Asp Arg Asn Gln Gly Lys Cys
405 410 415
gta gag ggc atg gtg gag atc ttc gac atg ctg ctg gct aca tca tct 1533
Val Glu Gly Met Val Glu Ile Phe Asp Met Leu Leu Ala Thr Ser Ser
420 425 430
cgg ttc cgc atg atg aat ctg cag gga gag gag ttt gtg tgc ctc aaa 1581
Arg Phe Arg Met Met Asn Leu Gln Gly Glu Glu Phe Val Cys Leu Lys
435 440 445
tct att att ttg ctt aat tct gga gtg tac aca ttt ctg tcc agc acc 1629
Ser Ile Ile Leu Leu Asn Ser Gly Val Tyr Thr Phe Leu Ser Ser Thr
450 455 460 465
ctg aag tct ctg gaa gag aag gac cat atc cac cga gtc ctg gac aag 1677
Leu Lys Ser Leu Glu Glu Lys Asp His Ile His Arg Val Leu Asp Lys
470 475 480
atc aca gac act ttg atc cac ctg atg gcc aag gca ggc ctg acc ctg 1725
Ile Thr Asp Thr Leu Ile His Leu Met Ala Lys Ala Gly Leu Thr Leu
485 490 495
cag cag cag cac cag cgg ctg gcc cag ctc ctc ctc atc ctc tcc cac 1773
Gln Gln Gln His Gln Arg Leu Ala Gln Leu Leu Leu Ile Leu Ser His
500 505 510
atc agg cac atg agt aac aaa ggc atg gag cat ctg tac agc atg aag 1821
Ile Arg His Met Ser Asn Lys Gly Met Glu His Leu Tyr Ser Met Lys
515 520 525
tgc aag aac gtg gtg ccc ctc tat gac ctg ctg ctg gag atg ctg gac 1869
Cys Lys Asn Val Val Pro Leu Tyr Asp Leu Leu Leu Glu Met Leu Asp
530 535 540 545
gcc cac cgc cta cat gcg ccc act agc cgt gga ggg gca tcc gtg gag 1917
Ala His Arg Leu His Ala Pro Thr Ser Arg Gly Gly Ala Ser Val Glu
550 555 560
gag acg gac caa agc cac ttg gcc act gcg ggc tct act tca tcg cat 1965
Glu Thr Asp Gln Ser His Leu Ala Thr Ala Gly Ser Thr Ser Ser His
565 570 575
tcc ttg caa aag tat tac atc acg ggg gag gca gag ggt ttc cct gcc 2013
Ser Leu Gln Lys Tyr Tyr Ile Thr Gly Glu Ala Glu Gly Phe Pro Ala
580 585 590
acg gtc tga gagctccctg gctcccacac ggttcagata atccctgctg 2062
Thr Val
595
cattttaccc tcatcatgca ccactttagc caaattctgt ctcctgcata cactccggca 2122
tgcatccaac accaatggct ttctagatga gtggccattc atttgcttgc tcagttctta 2182
gtggcacatc ttctgtcttc tgttgggaac agccaaaggg attccaaggc taaatctttg 2242
taacagctct ctttccccct tgctatgtta ctaagcgtga ggattcccgt agctcttcac 2302
agctgaactc agtctatggg ttggggctca gataactctg tgcatttaag ctacttgtag 2362
agacccaggc ctggagagta gacattttgc ctctgataag cactttttaa atggctctaa 2422
gaataagcca cagcaaagaa tttaaagtgg ctcctttaat tggtgacttg gagaaagcta 2482
ggtcaagggt ttattatagc accctcttgt attcctatgg caatgcatcc ttttatgaaa 2542
gtggtacacc ttaaagcttt tatatgactg tagcagagta tctggtgatt gtcaattcat 2602
tccccctata ggaatacaag gggcacacag ggaaggcaga tcccctagtt ggcaagacta 2662
ttttaacttg atacactgca gattcagatg tgctgaaagc tctgcctctg gctttccggt 2722
catgggttcc agttaattca tgcctcccat ggacctatgg agagcagcaa gttgatctta 2782
gttaagtctc cctatatgag ggataagttc ctgatttttg tttttatttt tgtgttacaa 2842
aagaaagccc tccctccctg aacttgcagt aaggtcagct tcaggacctg ttccagtggg 2902
cactgtactt ggatcttccc ggcgtgtgtg tgccttacac aggggtgaac tgttcactgt 2962
ggtgatgcat gatgagggta aatggtagtt gaaaggagca ggggccctgg tgttgcattt 3022
agccctgggg catggagctg aacagtactt gtgcaggatt gttgtggcta ctagagaaca 3082
agagggaaag tagggcagaa actggataca gttctgaggc acagccagac ttgctcaggg 3142
tggccctgcc acaggctgca gctacctagg aacattcctt gcagaccccg cattgccctt 3202
tgggggtgcc ctgggatccc tggggtagtc cagctcttct tcatttccca gcgtggccct 3262
ggttggaaga agcagctgtc acagctgctg tagacagctg tgttcctaca attggcccag 3322
caccctgggg cacgggagaa gggtggggac cgttgctgtc actactcagg ctgactgggg 3382
cctggtcaga ttacgtatgc ccttggtggt ttagagataa tccaaaatca gggtttggtt 3442
tggggaagaa aatcctcccc cttcctcccc cgccccgttc cctaccgcct ccactcctgc 3502
cagctcattt ccttcaattt cctttgacct ataggctaaa aaagaaaggc tcattccagc 3562
cacagggcag ccttccctgg gcctttgctt ctctagcaca attatgggtt acttcctttt 3622
tcttaacaaa aaagaatgtt tgatttcctc tgggtgacct tattgtctgt aattgaaacc 3682
ctattgagag gtgatgtctg tgttagccaa tgacccaggt gagctgctcg ggcttctctt 3742
ggtatgtctt gtttggaaaa gtggatttca ttcatttctg attgtccagt taagtgatca 3802
ccaaaggact gagaatctgg gagggcaaaa aaaaaaaaaa agtttttatg tgcacttaaa 3862
tttggggaca attttatgta tctgtgttaa ggatatgttt aagaacataa ttcttttgtt 3922
gctgtttgtt taagaagcac cttagtttgt ttaagaagca ccttatatag tataatatat 3982
atttttttga aattacattg cttgtttatc agacaattga atgtagtaat tctgttctgg 4042
atttaatttg actgggttaa catgcaaaaa ccaaggaaaa atatttagtt tttttttttt 4102
tttttgtata cttttcaagc taccttgtca tgtatacagt catttatgcc taaagcctgg 4162
tgattattca tttaaatgaa gatcacattt catatcaact tttgtatcca cagtagacaa 4222
aatagcacta atccagatgc ctattgttgg atactgaatg acagacaatc ttatgtagca 4282
aagattatgc ctgaaaagga aaattattca gggcagctaa ttttgctttt accaaaatat 4342
cagtagtaat atttttggac agtagctaat gggtcagtgg gttcttttta atgtttatac 4402
ttagattttc ttttaaaaaa attaaaataa aacaaaaaaa aatttctagg actagacgat 4462
gtaataccag ctaaagccaa acaattatac agtggaaggt tttacattat tcatccaatg 4522
tgtttctatt catgttaaga tactactaca tttgaagtgg gcagagaaca tcagatgatt 4582
gaaatgttcg cccaggggtc tccagcaact ttggaaatct ctttgtattt ttacttgaag 4642
tgccactaat ggacagcaga tattttctgg ctgatgttgg tattgggtgt aggaacatga 4702
tttaaaaaaa aactcttgcc tctgctttcc cccactctga ggcaagttaa aatgtaaaag 4762
atgtgattta tctggggggc tcaggtatgg tggggaagtg gattcaggaa tctggggaat 4822
ggcaaatata ttaagaagag tattgaaagt atttggagga aaatggttaa ttctgggtgt 4882
gcaccagggt tcagtagagt ccacttctgc cctggagacc acaaatcaac tagctccatt 4942
tacagccatt tctaaaatgg cagcttcagt tctagagaag aaagaacaac atcagcagta 5002
aagtccatgg aatagctagt ggtctgtgtt tcttttcgcc attgcctagc ttgccgtaat 5062
gattctataa tgccatcatg cagcaattat gagaggctag gtcatccaaa gagaagaccc 5122
tatcaatgta ggttgcaaaa tctaacccct aaggaagtgc agtctttgat ttgatttccc 5182
tagtaacctt gcagatatgt ttaaccaagc catagcccat gccttttgag ggctgaacaa 5242
ataagggact tactgataat ttacttttga tcacattaag gtgttctcac cttgaaatct 5302
tatacactga aatggccatt gatttaggcc actggcttag agtactcctt cccctgcatg 5362
acactgatta caaatacttt cctattcata ctttccaatt atgagatgga ctgtgggtac 5422
tgggagtgat cactaacacc atagtaatgt ctaatattca caggcagatc tgcttgggga 5482
agctagttat gtgaaaggca aatagagtca tacagtagct caaaaggcaa ccataattct 5542
ctttggtgca ggtcttggga gcgtgatcta gattacactg caccattccc aagttaatcc 5602
cctgaaaact tactctcaac tggagcaaat gaactttggt cccaaatatc catcttttca 5662
gtagcgttaa ttatgctctg tttccaactg catttccttt ccaattgaat taaagtgtgg 5722
cctcgttttt agtcatttaa aattgttttc taagtaattg ctgcctctat tatggcactt 5782
caattttgca ctgtcttttg agattcaaga aaaatttcta ttcttttttt tgcatccaat 5842
tgtgcctgaa cttttaaaat atgtaaatgc tgccatgttc caaacccatc gtcagtgtgt 5902
gtgtttagag ctgtgcaccc tagaaacaac atattgtccc atgagcaggt gcctgagaca 5962
cagacccctt tgcattcaca gagaggtcat tggttataga gacttgaatt aataagtgac 6022
attatgccag tttctgttct ctcacaggtg ataaacaatg ctttttgtgc actacatact 6082
cttcagtgta gagctcttgt tttatgggaa aaggctcaaa tgccaaattg tgtttgatgg 6142
attaatatgc ccttttgccg atgcatacta ttactgatgt gactcggttt tgtcgcagct 6202
ttgctttgtt taatgaaaca cacttgtaaa cctcttttgc actttgaaaa agaatccagc 6262
gggatgctcg agcacctgta aacaattttc tcaacctatt tgatgttcaa ataaagaatt 6322
aaactaaa 6330

<210> 87
<211> 595
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 87
Met Thr Met Thr Leu His Thr Lys Ala Ser Gly Met Ala Leu Leu His
1 5 10 15
Gln Ile Gln Gly Asn Glu Leu Glu Pro Leu Asn Arg Pro Gln Leu Lys
20 25 30
Ile Pro Leu Glu Arg Pro Leu Gly Glu Val Tyr Leu Asp Ser Ser Lys
35 40 45
Pro Ala Val Tyr Asn Tyr Pro Glu Gly Ala Ala Tyr Glu Phe Asn Ala
50 55 60
Ala Ala Ala Ala Asn Ala Gln Val Tyr Gly Gln Thr Gly Leu Pro Tyr
65 70 75 80
Gly Pro Gly Ser Glu Ala Ala Ala Phe Gly Ser Asn Gly Leu Gly Gly
85 90 95
Phe Pro Pro Leu Asn Ser Val Ser Pro Ser Pro Leu Met Leu Leu His
100 105 110
Pro Pro Pro Gln Leu Ser Pro Phe Leu Gln Pro His Gly Gln Gln Val
115 120 125
Pro Tyr Tyr Leu Glu Asn Glu Pro Ser Gly Tyr Thr Val Arg Glu Ala
130 135 140
Gly Pro Pro Ala Phe Tyr Arg Pro Asn Ser Asp Asn Arg Arg Gln Gly
145 150 155 160
Gly Arg Glu Arg Leu Ala Ser Thr Asn Asp Lys Gly Ser Met Ala Met
165 170 175
Glu Ser Ala Lys Glu Thr Arg Tyr Cys Ala Val Cys Asn Asp Tyr Ala
180 185 190
Ser Gly Tyr His Tyr Gly Val Trp Ser Cys Glu Gly Cys Lys Ala Phe
195 200 205
Phe Lys Arg Ser Ile Gln Gly His Asn Asp Tyr Met Cys Pro Ala Thr
210 215 220
Asn Gln Cys Thr Ile Asp Lys Asn Arg Arg Lys Ser Cys Gln Ala Cys
225 230 235 240
Arg Leu Arg Lys Cys Tyr Glu Val Gly Met Met Lys Gly Gly Ile Arg
245 250 255
Lys Asp Arg Arg Gly Gly Arg Met Leu Lys His Lys Arg Gln Arg Asp
260 265 270
Asp Gly Glu Gly Arg Gly Glu Val Gly Ser Ala Gly Asp Met Arg Ala
275 280 285
Ala Asn Leu Trp Pro Ser Pro Leu Met Ile Lys Arg Ser Lys Lys Asn
290 295 300
Ser Leu Ala Leu Ser Leu Thr Ala Asp Gln Met Val Ser Ala Leu Leu
305 310 315 320
Asp Ala Glu Pro Pro Ile Leu Tyr Ser Glu Tyr Asp Pro Thr Arg Pro
325 330 335
Phe Ser Glu Ala Ser Met Met Gly Leu Leu Thr Asn Leu Ala Asp Arg
340 345 350
Glu Leu Val His Met Ile Asn Trp Ala Lys Arg Val Pro Gly Phe Val
355 360 365
Asp Leu Thr Leu His Asp Gln Val His Leu Leu Glu Cys Ala Trp Leu
370 375 380
Glu Ile Leu Met Ile Gly Leu Val Trp Arg Ser Met Glu His Pro Gly
385 390 395 400
Lys Leu Leu Phe Ala Pro Asn Leu Leu Leu Asp Arg Asn Gln Gly Lys
405 410 415
Cys Val Glu Gly Met Val Glu Ile Phe Asp Met Leu Leu Ala Thr Ser
420 425 430
Ser Arg Phe Arg Met Met Asn Leu Gln Gly Glu Glu Phe Val Cys Leu
435 440 445
Lys Ser Ile Ile Leu Leu Asn Ser Gly Val Tyr Thr Phe Leu Ser Ser
450 455 460
Thr Leu Lys Ser Leu Glu Glu Lys Asp His Ile His Arg Val Leu Asp
465 470 475 480
Lys Ile Thr Asp Thr Leu Ile His Leu Met Ala Lys Ala Gly Leu Thr
485 490 495
Leu Gln Gln Gln His Gln Arg Leu Ala Gln Leu Leu Leu Ile Leu Ser
500 505 510
His Ile Arg His Met Ser Asn Lys Gly Met Glu His Leu Tyr Ser Met
515 520 525
Lys Cys Lys Asn Val Val Pro Leu Tyr Asp Leu Leu Leu Glu Met Leu
530 535 540
Asp Ala His Arg Leu His Ala Pro Thr Ser Arg Gly Gly Ala Ser Val
545 550 555 560
Glu Glu Thr Asp Gln Ser His Leu Ala Thr Ala Gly Ser Thr Ser Ser
565 570 575
His Ser Leu Gln Lys Tyr Tyr Ile Thr Gly Glu Ala Glu Gly Phe Pro
580 585 590
Ala Thr Val
595

<210> 88
<211> 2169
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<220>
<221> CDS
<222> (469)..(2061)
<400> 88
ctcggtcttt aaaaggaaga aggggcttat cgttaagtcg cttgtgatct tttcagtttc 60
tccagctgct ggctttttgg acacccactc ccccgccagg aggcagttgc aagcgcggag 120
gctgcgagaa ataactgcct cttgaaactt gcagggcgaa gagcaggcgg cgagcgctgg 180
gccggggagg gaccacccga gctgcgacgg gctctggggc tgcggggcag ggctggcgcc 240
cggagcctga gctgcaggag gtgcgctcgc tttcctcaac aggtggcggc ggggcgcgcg 300
ccgggagacc ccccctaatg cgggaaaagc acgtgtccgc attttagaga aggcaaggcc 360
ggtgtgttta tctgcaagcc attatacttg cccacgaatc tttgagaaca ttataatgac 420
ctttgtgcct cttcttgcaa ggtgttttct cagctgttat ctcaagac atg gat ata 477
Met Asp Ile
1
aaa aac tca cca tct agc ctt aat tct cct tcc tcc tac aac tgc agt 525
Lys Asn Ser Pro Ser Ser Leu Asn Ser Pro Ser Ser Tyr Asn Cys Ser
5 10 15
caa tcc atc tta ccc ctg gag cac ggc tcc ata tac ata cct tcc tcc 573
Gln Ser Ile Leu Pro Leu Glu His Gly Ser Ile Tyr Ile Pro Ser Ser
20 25 30 35
tat gta gac agc cac cat gaa tat cca gcc atg aca ttc tat agc cct 621
Tyr Val Asp Ser His His Glu Tyr Pro Ala Met Thr Phe Tyr Ser Pro
40 45 50
gct gtg atg aat tac agc att ccc agc aat gtc act aac ttg gaa ggt 669
Ala Val Met Asn Tyr Ser Ile Pro Ser Asn Val Thr Asn Leu Glu Gly
55 60 65
ggg cct ggt cgg cag acc aca agc cca aat gtg ttg tgg cca aca cct 717
Gly Pro Gly Arg Gln Thr Thr Ser Pro Asn Val Leu Trp Pro Thr Pro
70 75 80
ggg cac ctt tct cct tta gtg gtc cat cgc cag tta tca cat ctg tat 765
Gly His Leu Ser Pro Leu Val Val His Arg Gln Leu Ser His Leu Tyr
85 90 95
gcg gaa cct caa aag agt ccc tgg tgt gaa gca aga tcg cta gaa cac 813
Ala Glu Pro Gln Lys Ser Pro Trp Cys Glu Ala Arg Ser Leu Glu His
100 105 110 115
acc tta cct gta aac aga gag aca ctg aaa agg aag gtt agt ggg aac 861
Thr Leu Pro Val Asn Arg Glu Thr Leu Lys Arg Lys Val Ser Gly Asn
120 125 130
cgt tgc gcc agc cct gtt act ggt cca ggt tca aag agg gat gct cac 909
Arg Cys Ala Ser Pro Val Thr Gly Pro Gly Ser Lys Arg Asp Ala His
135 140 145
ttc tgc gct gtc tgc agc gat tac gca tcg gga tat cac tat gga gtc 957
Phe Cys Ala Val Cys Ser Asp Tyr Ala Ser Gly Tyr His Tyr Gly Val
150 155 160
tgg tcg tgt gaa gga tgt aag gcc ttt ttt aaa aga agc att caa gga 1005
Trp Ser Cys Glu Gly Cys Lys Ala Phe Phe Lys Arg Ser Ile Gln Gly
165 170 175
cat aat gat tat att tgt cca gct aca aat cag tgt aca atc gat aaa 1053
His Asn Asp Tyr Ile Cys Pro Ala Thr Asn Gln Cys Thr Ile Asp Lys
180 185 190 195
aac cgg cgc aag agc tgc cag gcc tgc cga ctt cgg aag tgt tac gaa 1101
Asn Arg Arg Lys Ser Cys Gln Ala Cys Arg Leu Arg Lys Cys Tyr Glu
200 205 210
gtg gga atg gtg aag tgt ggc tcc cgg aga gag aga tgt ggg tac cgc 1149
Val Gly Met Val Lys Cys Gly Ser Arg Arg Glu Arg Cys Gly Tyr Arg
215 220 225
ctt gtg cgg aga cag aga agt gcc gac gag cag ctg cac tgt gcc ggc 1197
Leu Val Arg Arg Gln Arg Ser Ala Asp Glu Gln Leu His Cys Ala Gly
230 235 240
aag gcc aag aga agt ggc ggc cac gcg ccc cga gtg cgg gag ctg ctg 1245
Lys Ala Lys Arg Ser Gly Gly His Ala Pro Arg Val Arg Glu Leu Leu
245 250 255
ctg gac gcc ctg agc ccc gag cag cta gtg ctc acc ctc ctg gag gct 1293
Leu Asp Ala Leu Ser Pro Glu Gln Leu Val Leu Thr Leu Leu Glu Ala
260 265 270 275
gag ccg ccc cat gtg ctg atc agc cgc ccc agt gcg ccc ttc acc gag 1341
Glu Pro Pro His Val Leu Ile Ser Arg Pro Ser Ala Pro Phe Thr Glu
280 285 290
gcc tcc atg atg atg tcc ctg acc aag ttg gcc gac aag gag ttg gta 1389
Ala Ser Met Met Met Ser Leu Thr Lys Leu Ala Asp Lys Glu Leu Val
295 300 305
cac atg atc agc tgg gcc aag aag att ccc ggc ttt gtg gag ctc agc 1437
His Met Ile Ser Trp Ala Lys Lys Ile Pro Gly Phe Val Glu Leu Ser
310 315 320
ctg ttc gac caa gtg cgg ctc ttg gag agc tgt tgg atg gag gtg tta 1485
Leu Phe Asp Gln Val Arg Leu Leu Glu Ser Cys Trp Met Glu Val Leu
325 330 335
atg atg ggg ctg atg tgg cgc tca att gac cac ccc ggc aag ctc atc 1533
Met Met Gly Leu Met Trp Arg Ser Ile Asp His Pro Gly Lys Leu Ile
340 345 350 355
ttt gct cca gat ctt gtt ctg gac agg gat gag ggg aaa tgc gta gaa 1581
Phe Ala Pro Asp Leu Val Leu Asp Arg Asp Glu Gly Lys Cys Val Glu
360 365 370
gga att ctg gaa atc ttt gac atg ctc ctg gca act act tca agg ttt 1629
Gly Ile Leu Glu Ile Phe Asp Met Leu Leu Ala Thr Thr Ser Arg Phe
375 380 385
cga gag tta aaa ctc caa cac aaa gaa tat ctc tgt gtc aag gcc atg 1677
Arg Glu Leu Lys Leu Gln His Lys Glu Tyr Leu Cys Val Lys Ala Met
390 395 400
atc ctg ctc aat tcc agt atg tac cct ctg gtc aca gcg acc cag gat 1725
Ile Leu Leu Asn Ser Ser Met Tyr Pro Leu Val Thr Ala Thr Gln Asp
405 410 415
gct gac agc agc cgg aag ctg gct cac ttg ctg aac gcc gtg acc gat 1773
Ala Asp Ser Ser Arg Lys Leu Ala His Leu Leu Asn Ala Val Thr Asp
420 425 430 435
gct ttg gtt tgg gtg att gcc aag agc ggc atc tcc tcc cag cag caa 1821
Ala Leu Val Trp Val Ile Ala Lys Ser Gly Ile Ser Ser Gln Gln Gln
440 445 450
tcc atg cgc ctg gct aac ctc ctg atg ctc ctg tcc cac gtc agg cat 1869
Ser Met Arg Leu Ala Asn Leu Leu Met Leu Leu Ser His Val Arg His
455 460 465
gcg agt aac aag ggc atg gaa cat ctg ctc aac atg aag tgc aaa aat 1917
Ala Ser Asn Lys Gly Met Glu His Leu Leu Asn Met Lys Cys Lys Asn
470 475 480
gtg gtc cca gtg tat gac ctg ctg ctg gag atg ctg aat gcc cac gtg 1965
Val Val Pro Val Tyr Asp Leu Leu Leu Glu Met Leu Asn Ala His Val
485 490 495
ctt cgc ggg tgc aag tcc tcc atc acg ggg tcc gag tgc agc ccg gca 2013
Leu Arg Gly Cys Lys Ser Ser Ile Thr Gly Ser Glu Cys Ser Pro Ala
500 505 510 515
gag gac agt aaa agc aaa gag ggc tcc cag aac cca cag tct cag tga 2061
Glu Asp Ser Lys Ser Lys Glu Gly Ser Gln Asn Pro Gln Ser Gln
520 525 530
cgcctggccc tgaggtgaac tggcccacag aggtcacagg ctgaagcgtg aactccagtg 2121
tgtcaggagc ctgggcttca tctttctgct gtgtggtccc tcatttgg 2169

<210> 89
<211> 530
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 89
Met Asp Ile Lys Asn Ser Pro Ser Ser Leu Asn Ser Pro Ser Ser Tyr
1 5 10 15
Asn Cys Ser Gln Ser Ile Leu Pro Leu Glu His Gly Ser Ile Tyr Ile
20 25 30
Pro Ser Ser Tyr Val Asp Ser His His Glu Tyr Pro Ala Met Thr Phe
35 40 45
Tyr Ser Pro Ala Val Met Asn Tyr Ser Ile Pro Ser Asn Val Thr Asn
50 55 60
Leu Glu Gly Gly Pro Gly Arg Gln Thr Thr Ser Pro Asn Val Leu Trp
65 70 75 80
Pro Thr Pro Gly His Leu Ser Pro Leu Val Val His Arg Gln Leu Ser
85 90 95
His Leu Tyr Ala Glu Pro Gln Lys Ser Pro Trp Cys Glu Ala Arg Ser
100 105 110
Leu Glu His Thr Leu Pro Val Asn Arg Glu Thr Leu Lys Arg Lys Val
115 120 125
Ser Gly Asn Arg Cys Ala Ser Pro Val Thr Gly Pro Gly Ser Lys Arg
130 135 140
Asp Ala His Phe Cys Ala Val Cys Ser Asp Tyr Ala Ser Gly Tyr His
145 150 155 160
Tyr Gly Val Trp Ser Cys Glu Gly Cys Lys Ala Phe Phe Lys Arg Ser
165 170 175
Ile Gln Gly His Asn Asp Tyr Ile Cys Pro Ala Thr Asn Gln Cys Thr
180 185 190
Ile Asp Lys Asn Arg Arg Lys Ser Cys Gln Ala Cys Arg Leu Arg Lys
195 200 205
Cys Tyr Glu Val Gly Met Val Lys Cys Gly Ser Arg Arg Glu Arg Cys
210 215 220
Gly Tyr Arg Leu Val Arg Arg Gln Arg Ser Ala Asp Glu Gln Leu His
225 230 235 240
Cys Ala Gly Lys Ala Lys Arg Ser Gly Gly His Ala Pro Arg Val Arg
245 250 255
Glu Leu Leu Leu Asp Ala Leu Ser Pro Glu Gln Leu Val Leu Thr Leu
260 265 270
Leu Glu Ala Glu Pro Pro His Val Leu Ile Ser Arg Pro Ser Ala Pro
275 280 285
Phe Thr Glu Ala Ser Met Met Met Ser Leu Thr Lys Leu Ala Asp Lys
290 295 300
Glu Leu Val His Met Ile Ser Trp Ala Lys Lys Ile Pro Gly Phe Val
305 310 315 320
Glu Leu Ser Leu Phe Asp Gln Val Arg Leu Leu Glu Ser Cys Trp Met
325 330 335
Glu Val Leu Met Met Gly Leu Met Trp Arg Ser Ile Asp His Pro Gly
340 345 350
Lys Leu Ile Phe Ala Pro Asp Leu Val Leu Asp Arg Asp Glu Gly Lys
355 360 365
Cys Val Glu Gly Ile Leu Glu Ile Phe Asp Met Leu Leu Ala Thr Thr
370 375 380
Ser Arg Phe Arg Glu Leu Lys Leu Gln His Lys Glu Tyr Leu Cys Val
385 390 395 400
Lys Ala Met Ile Leu Leu Asn Ser Ser Met Tyr Pro Leu Val Thr Ala
405 410 415
Thr Gln Asp Ala Asp Ser Ser Arg Lys Leu Ala His Leu Leu Asn Ala
420 425 430
Val Thr Asp Ala Leu Val Trp Val Ile Ala Lys Ser Gly Ile Ser Ser
435 440 445
Gln Gln Gln Ser Met Arg Leu Ala Asn Leu Leu Met Leu Leu Ser His
450 455 460
Val Arg His Ala Ser Asn Lys Gly Met Glu His Leu Leu Asn Met Lys
465 470 475 480
Cys Lys Asn Val Val Pro Val Tyr Asp Leu Leu Leu Glu Met Leu Asn
485 490 495
Ala His Val Leu Arg Gly Cys Lys Ser Ser Ile Thr Gly Ser Glu Cys
500 505 510
Ser Pro Ala Glu Asp Ser Lys Ser Lys Glu Gly Ser Gln Asn Pro Gln
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Ser Gln
530

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
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Arg Lys Lys Arg Arg Gln Arg Arg Arg
1 5

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<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 91
Thr Arg Ser Ser Arg Ala Gly Leu Gln Phe Pro Val Gly Arg Val His
1 5 10 15
Arg Leu Leu Arg Lys
20

<210> 92
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 92
Gly Trp Thr Leu Asn Ser Ala Gly Tyr Leu Leu Gly Lys Ile Asn Leu
1 5 10 15
Lys Ala Leu Ala Ala Leu Ala Lys Lys Ile Leu
20 25

<210> 93
<211> 18
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 93
Lys Leu Ala Leu Lys Leu Ala Leu Lys Ala Leu Lys Ala Ala Leu Lys
1 5 10 15
Leu Ala

<210> 94
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 94
Ala Ala Val Ala Leu Leu Pro Ala Val Leu Leu Ala Leu Leu Ala Pro
1 5 10 15

<210> 95
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 95
Val Pro Met Leu Lys
1 5

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<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
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Pro Met Leu Lys Glu
1 5

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 97
Met Ala Asn Leu Gly Tyr Trp Leu Leu Ala Leu Phe Val Thr Met Trp
1 5 10 15
Thr Asp Val Gly Leu Cys Lys Lys Arg Pro Lys Pro
20 25

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 98
Leu Leu Ile Ile Leu Arg Arg Arg Ile Arg Lys Gln Ala His Ala His
1 5 10 15
Ser Lys

<210> 99
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 99
Lys Glu Thr Trp Trp Glu Thr Trp Trp Thr Glu Trp Ser Gln Pro Lys
1 5 10 15
Lys Lys Arg Lys Val
20

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<211> 18
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 100
Arg Gly Gly Arg Leu Ser Tyr Ser Arg Arg Arg Phe Ser Thr Ser Thr
1 5 10 15
Gly Arg

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 101
Ser Asp Leu Trp Glu Met Met Met Val Ser Leu Ala Cys Gln Tyr
1 5 10 15

<210> 102
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 102
Thr Ser Pro Leu Asn Ile His Asn Gly Gln Lys Leu
1 5 10

<210> 103
<211> 16
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> A cell membrane permeable peptide
<400> 103
Arg Gln Ile Lys Ile Trp Phe Gln Asn Arg Arg Met Lys Trp Lys Lys
1 5 10 15

<210> 104
<211> 32
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
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<400> 104
Met Ala Gln Asn Leu Lys Asp Leu Ala Gly Arg Leu Pro Ala Gly Pro
1 5 10 15
Arg Gly Met Gly Thr Ala Leu Lys Leu Leu Leu Gly Ala Gly Ala Val
20 25 30

<210> 105
<211> 37
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> PHB2 derived peptide 63-99aa
<400> 105
Ile Leu Ala Glu Gly Leu His Phe Arg Ile Pro Trp Phe Gln Tyr Pro
1 5 10 15
Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Lys Ile Ser Ser Pro Thr
20 25 30
Gly Ser Lys Asp Leu
35

<210> 106
<211> 21
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
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<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (1)..(13)
<223> linked by using hexafluorobenzene
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (10)..(10)
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Cys Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Xaa Gly Thr Cys Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg Arg
20

<210> 107
<211> 21
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 11-21aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (1)..(13)
<223> linked by using decafluorobiphenyl
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (10)..(10)
<223> Xaa = Nle
<400> 107
Cys Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Xaa Gly Thr Cys Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg Arg
20

<210> 108
<211> 21
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 11-21aa
<220>
<221> DISULFID
<222> (1)..(13)
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (10)..(10)
<223> Xaa = Nle
<400> 108
Cys Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Xaa Gly Thr Cys Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg Arg
20

<210> 109
<211> 21
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> uncross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 11-21aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (10)..(10)
<223> Xaa = Nle
<400> 109
Ala Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Xaa Gly Thr Ala Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg Arg
20

<210> 110
<211> 23
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 76-88aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (1)..(15)
<223> linked by using hexafluorobenzene
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Cys Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Cys Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg Arg Arg Arg
20

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<211> 23
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 76-88aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
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Cys Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Cys Arg
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Arg Arg Arg Arg Arg Arg Arg
20

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<211> 23
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
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<220>
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<400> 112
Cys Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Cys Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg Arg Arg Arg
20

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<400> 113
Ala Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Ala Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg Arg Arg Arg
20

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<211> 21
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> uncross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 11-21aa
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Ala Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Met Gly Thr Ala Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg Arg
20

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<220>
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<221> MISC_FEATURE
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<220>
<221> MISC_FEATURE
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Cys Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Xaa Gly Thr Cys
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 11-21aa
<220>
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<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (10)..(10)
<223> Xaa = Nle
<400> 117
Cys Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Xaa Gly Thr Cys
1 5 10

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> uncross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 11-21aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (10)..(10)
<223> Xaa = Nle
<400> 118
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1 5 10

<210> 119
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 76-88aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
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<210> 120
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 76-88aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (1)..(15)
<223> linked by using decafluorobiphenyl
<400> 120
Cys Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Cys
1 5 10 15

<210> 121
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 76-88aa
<220>
<221> DISULFID
<222> (1)..(15)
<400> 121
Cys Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Cys
1 5 10 15

<210> 122
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> uncross-linked peptide containing PHB2 derived peptide 76-88aa
<400> 122
Ala Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Ala
1 5 10 15

<210> 123
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked cyclic peptide containing PHB2 derived peptide
11-21aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (1)..(13)
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<220>
<221> MISC_FEATURE
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<220>
<221> MISC_FEATURE
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<400> 123
Cys Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Xaa Gly Thr Cys Phe Xaa Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg

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<211> 19
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked cyclic peptide containing PHB2 derived peptide
11-21aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (1)..(13)
<223> linked by using decafluorobiphenyl
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (10)..(10)
<223> Xaa = Nle
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (15)..(15)
<223> Xaa = Nal
<400> 124
Cys Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Xaa Gly Thr Cys Phe Xaa Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg

<210> 125
<211> 19
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> uncross-linked cyclic peptide containing PHB2 derived peptide
11-21aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (10)..(10)
<223> Xaa = Nle
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (15)..(15)
<223> Xaa = Nal
<400> 125
Ala Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Gly Xaa Gly Thr Ala Phe Xaa Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg

<210> 126
<211> 21
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked cyclic peptide containing PHB2 derived peptide
76-88aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (1)..(15)
<223> linked by using hexafluorobenzene
<220>
<221> MISC_FEATURE
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<223> Xaa = Nal
<400> 126
Cys Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Cys Phe
1 5 10 15
Xaa Arg Arg Arg Arg
20

<210> 127
<211> 21
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> cross-linked cyclic peptide containing PHB2 derived peptide
76-88aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (1)..(15)
<223> linked by using decafluorobiphenyl
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (17)..(17)
<223> Xaa = Nal
<400> 127
Cys Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Cys Phe
1 5 10 15
Xaa Arg Arg Arg Arg
20

<210> 128
<211> 21
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> uncross-linked cyclic peptide containing PHB2 derived peptide
76-88aa
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (17)..(17)
<223> Xaa = Nal
<400> 128
Ala Gln Tyr Pro Ile Ile Tyr Asp Ile Arg Ala Arg Pro Arg Ala Phe
1 5 10 15
Xaa Arg Arg Arg Arg
20

<210> 129
<211> 20
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> modified PHB2 peptide
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (8)..(8)
<223> D-Ala
<400> 129
Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Ala Met Gly Thr Ala Arg Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg
20

<210> 130
<211> 20
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> modified PHB2 peptide
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (5)..(5)
<223> D-Ala
<400> 130
Arg Leu Pro Ala Ala Pro Arg Gly Met Gly Thr Ala Arg Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg
20

<210> 131
<211> 20
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> modified PHB2 peptide
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (8)..(8)
<223> D-Leu
<400> 131
Arg Leu Pro Ala Gly Pro Arg Leu Met Gly Thr Ala Arg Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg
20

<210> 132
<211> 20
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> modified PHB2 peptide
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (5)..(5)
<223> D-Leu
<400> 132
Arg Leu Pro Ala Leu Pro Arg Gly Met Gly Thr Ala Arg Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg
20

<210> 133
<211> 20
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> modified PHB2 peptide
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (5)..(5)
<223> D-Ala
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (8)..(8)
<223> D-Ala
<400> 133
Arg Leu Pro Ala Ala Pro Arg Ala Met Gly Thr Ala Arg Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg
20

<210> 134
<211> 20
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> modified PHB2 peptide
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (5)..(5)
<223> D-Leu
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (8)..(8)
<223> D-Leu
<400> 134
Arg Leu Pro Ala Leu Pro Arg Leu Met Gly Thr Ala Arg Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg
20

<210> 135
<211> 20
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> modified PHB2 peptide
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (5)..(5)
<223> D-Ala
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (8)..(8)
<223> D-Leu
<400> 135
Arg Leu Pro Ala Ala Pro Arg Leu Met Gly Thr Ala Arg Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg
20

<210> 136
<211> 20
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> modified PHB2 peptide
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (5)..(5)
<223> D-Leu
<220>
<221> MISC_FEATURE
<222> (8)..(8)
<223> D-Ala
<400> 136
Arg Leu Pro Ala Leu Pro Arg Ala Met Gly Thr Ala Arg Arg Arg Arg
1 5 10 15
Arg Arg Arg Arg
20
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図9
図10-1】
図10-2】
図11
図12
図13
【配列表】
2024045244000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害するペプチド。
【請求項2】
以下の(a)~(f)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む請求項1に記載のペプチド:
(a)配列番号26、5、23、24、47~53、110~113、119~122および126~128からなる群より選択されるアミノ酸配列;
(b)配列番号26、5、23、24、47~53、110~113、119~122および126~128からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列;
(c)配列番号36~41からなる群より選択されるアミノ酸配列;
(d)配列番号36~41からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列;
(e)配列番号82~83からなる群より選択されるアミノ酸配列;ならびに
(f)配列番号82~83からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列。
【請求項3】
以下の(a')~(b')からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項2に記載のペプチド:
(a')配列番号26、5、23、24、47~53、110~113、119~122および126~128からなる群より選択されるアミノ酸配列において、配列番号28のアミノ酸配列における82番目のアスパラギン酸に対応する位置以外の1個、2個、または数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列;ならびに
(b')配列番号36~41からなる群より選択されるアミノ酸配列において、配列番号28のアミノ酸配列における15番目のグリシン及び18番目のグリシンに対応する位置以外の1個、2個、または数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列。
【請求項4】
80残基以下のアミノ酸残基からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項5】
25残基以下のアミノ酸残基からなる、請求項1~4のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項6】
配列番号 26、25、123、124、125、1、22、5、23、24、36~41、47~53、82、83、106~109、110~122および126~128からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1~5のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項7】
細胞膜透過性物質により修飾されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項8】
環状型である、請求項1~7のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項9】
架橋型である、請求項1~8のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項10】
以下の(i)及び(ii)のいずれか一方又は両方の性質を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のペプチド:
(i)BIG3陽性細胞の細胞増殖を抑制する;及び
(ii)BIG3陽性細胞において、PHB2ポリペプチドのセリン残基のリン酸化を促進する。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の1種もしくは複数種のペプチド、該ペプチドをコードするポリヌクレオチド、および該ペプチドの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1つの成分、ならびに薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項13】
配列番号28のアミノ酸配列における11~21番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、配列番号28のアミノ酸配列における44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、ならびに配列番号28のアミノ酸配列における76~88番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチドのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
がん細胞の増殖を抑制するため、又はがんを治療及び/若しくは予防するための、請求項12又は13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
がんがBIG3陽性のがんである、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
がんが乳がんである、請求項14又は15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
がんがエストロゲン受容体陽性のがんである、請求項1416のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
請求項1~10のいずれか一項に記載の1種もしくは複数種のペプチド、該ペプチドをコードするポリヌクレオチド、および該ペプチドの薬学的に許容される塩からなる群より選択される成分の、がんの治療及び予防のいずれか又は両方のための医薬組成物の製造における使用
【請求項19】
前記ペプチドが、配列番号28のアミノ酸配列における11~21番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、配列番号28のアミノ酸配列における44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチド、ならびに配列番号28のアミノ酸配列における76~88番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部を含むペプチドのうちのいずれか1つまたは組み合わせである、請求項18に記載の使用
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明者らは、in silico解析を通じて予測されたPHB2アミノ酸配列上のタンパク質相互作用候補領域のデータに基づいて、複数のPHB2由来ペプチド(PHB2ペプチド)を設計し、それらを用いて細胞増殖抑制効果を指標とした相互作用領域の同定のスクリーニングを進めた。その結果、PHB2ペプチドNo.1(11-RLPAGPRGMGTA-22(配列番号1))とPHB2ペプチドNo.5(76-QYPIIYDIRARPRKI-90(配列番号5))において、それぞれ約50%の増殖抑制効果を認め、特にPHB2ペプチドNo.1およびNo.5の併用にて、ERAPと同様の90%を超える増殖抑制効果、BIG3-PHB2相互作用阻害効果を認めることに成功した。さらに、これらの効果は、PHB2ペプチドNo.1およびNo.5の周辺の配列からなるペプチドや、PHB2ペプチドNo.1およびNo.5における種々の位置のアミノ酸残基を置換したペプチドについても認められた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
図1-1】エストロゲン依存性細胞増殖を抑制するPHB2配列由来ペプチドのスクリーニングを示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7を10μMの各PHB2配列由来ペプチドで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激し、24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。グラフの下にはヒトPHB2タンパク質の全長配列を示しており、下線を付した部分の配列のC末端にアルギニン残基を8個付加した合成ペプチドをアッセイに用いた。また、太字はin silico解析でBIG3との相互作用に関与することが示唆されたアミノ酸を、四角で囲んだ「S」はPHB2のリン酸化部位を、破線はBIG3との結合が証明されている領域を表している。
図1-2】(B, C)11-22aa(B)および76-90aa(C)を中心としたPHB2配列由来のペプチド(配列番号1、34~43、5、44~55)の各10μMでMCF-7を処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。グラフの左には、アッセイに用いた合成ペプチドに含まれるPHB2由来配列の位置を示している。
図1-3】(D)11-22aaのPHB2配列由来ペプチドと76-90aaを中心とした各PHB2配列由来のペプチドの各10μMを併用し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。(E)76-90aaのPHB2配列由来ペプチドと11-22aaを中心とした各PHB2配列由来のペプチドの各10μMを併用し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図2】エストロゲン依存性増殖の抑制に対するPHB2ペプチド11-22aaと76-90aaの併用効果を示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7を各10μMのERAP(ポジティブ・コントロール)、PHB2ペプチド11-22aa、76-90aa、86-100aa(ネガティブ・コントロール)、および11-22aaと76-90aaの併用、76-90aaと86-100aaの併用で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(B)PHB2ペプチド11-22aa、76-90aa、およびその併用がMCF-7のBIG3とPHB2の相互作用に対する阻害効果をウェスタンブロットにより評価した。MCF-7を各PHB2ペプチドの20μMと50μMで24時間処理した後、細胞を溶解し、抗BIG3抗体を用いて免疫沈降し、図に示した抗体を用いたイムノブロット解析を行った。結合阻害率は非処理細胞でのPHB2のバンド面積を100としたときの比率で表した。(C)ヒト乳がん細胞株MCF-7を各10μMのERAP、PHB2ペプチド11-22aa、76-90aa、86-100aa、および11-22aaと76-90aaの併用、76-90aaと86-100aaの併用で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後のPHB2(Ser39)のリン酸化をウェスタンブロットにより評価した。リン酸化強度はエストロゲン存在下でERAP処理したときのリン酸化バンドの面積を1.0としたときの比率で表した。
図3】PHB2ペプチド11-90aaがエストロゲン依存性増殖とBIG3とPHB2の相互作用に及ぼす影響を示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7をPHB2ペプチド11-90aa(10, 20, 50μM)、11-22aa(50μM)、76-90aa(50μM)、および11-22aaと76-90aaの併用で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(B)PHB2ペプチド11-90aa、および10μM ERAP(ポジティブ・コントロール)がMCF-7のBIG3とPHB2の相互作用に対する阻害効果をウェスタンブロットにより評価した。(C)ヒト乳がん細胞株MCF-7をPHB2ペプチド11-90aa(20, 50, 100μM)および10μM ERAPで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後のPHB2(Ser39)のリン酸化をウェスタンブロットにより評価した。リン酸化強度は未処理のリン酸化バンド面積を1.0としたときの比率で表した。
図4】分岐型および環状型PHB2ペプチドの模式図を表す。(A)直鎖結合型PHB2ペプチド。(B)分岐型PHB2ペプチド。(C)環状型PHB2ペプチド。
図5】分岐型および環状型PHB2ペプチドによるエストロゲン依存性増殖の抑制効果を示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7を各10μMの直鎖型ペプチド11-22aa、76-90aa、11-22aaと76-90aaの併用、直鎖結合型、分岐結合型、および環状型11-21aa、環状型76-88aa、環状型ペプチドの併用で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(B)直鎖型11-22aa、直鎖型76-90aa、直鎖結合型、分岐結合型、および環状型11-21aa、環状型76-88aaペプチドは、正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に影響を及ぼさないことを示したMTTアッセイの結果を示す。(C)ヒト乳がん細胞株MCF-7を各10μMの直鎖型ペプチド11-22aa、76-90aa、11-22aaと76-90aaの併用、直鎖結合型、分岐結合型、および環状型11-21aa、環状型76-88aa、環状型ペプチドの併用で処理したときのBIG3とPHB2の相互作用に対する阻害効果をウェスタンブロットにより評価した。
図6】エストロゲン依存性増殖の抑制に対する環状型PHB2ペプチドの併用効果を示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7を直鎖型11-22aaおよび環状型11-21aa(左図)、または直鎖型76-90aaおよび環状型76-88aa(右図)で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間ごとに96時間までMTTアッセイで阻害効果を評価した。(B)環状型11-21aa、環状型76-88aaペプチドは、正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に影響を及ぼさないことを示したMTTアッセイの結果を示す。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図7】エストロゲン依存性増殖に対する環状型PHB2ペプチドの濃度依存的な抑制効果を示す。(A)ヒト乳がん細胞株MCF-7を環状型11-21aaおよび環状型76-88aaを各0.1, 0.5, 1, 2.5, 5, 10, 20μMで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(B)ヒト乳がん細胞株MCF-7を環状型11-21aa(4μM)、環状型76-88aa(2μM)、およびその併用で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間ごとに96時間までMTTアッセイで阻害効果を評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(C)環状型11-21aa(4μM)、環状型76-88aa(2μM)、およびその併用は、正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に影響を及ぼさないことを示したMTTアッセイの結果を示す。
図8-1】エストロゲン依存性増殖の抑制に重要なPHB2のアミノ酸を示す。(A)No.1(11-22aa)およびNo.5(76-90aa)のアラニン変異PHB2ペプチドを表す。(B、C)ヒト乳がん細胞株MCF-7を10μMの各PHB2配列由来のアラニン変異ペプチドで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激し、24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図8-2】(D)No.2(42-50aa)とNo.3(38-50aa)のPHB2ペプチドに51-57aaを付加したPHB2ペプチドを表す。(E)(D)のPHB2配列由来ペプチドの各10μMを添加し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図9】トリプルネガティブ乳がん細胞におけるPHB2ペプチド11-22aa(A)と76-90aa(B)の細胞増殖抑制効果を示す。乳がん細胞株MDA-MB-231に対する細胞を各ペプチドは、20μMから3倍系列希釈を行い計11点濃度で添加した。ペプチド添加から96時間後に生細胞数を測定し、ペプチド未添加の陰性対照細胞を基準に相対値を算出しグラフにした。データは、3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。(C)PHB2ペプチド11-22aaと76-90aaのMDA-MB-231の細胞増殖に対する併用効果を調べた結果を示す。ペプチドをIC50値で単独および混合して細胞に添加し、96時間後に生細胞数を測定し、陰性対照のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)添加細胞を基準に相対値を算出しグラフを作成した。データは、3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図10-1】エストロゲン依存性増殖に対する架橋型PHB2ペプチドの抑制効果を示す。(A)架橋形式の模式図を表す。(B)11-21aaおよび76-88aaのPHB2ペプチドの両端にシステインを付加して架橋したPHB2ペプチドを示す(配列番号106~108、110~112、115~117、119~121)。配列番号109、113、114、118、122のPHB2ペプチドは両端にアラニンを付加して非架橋型にした。配列番号106~114のPHB2ペプチドはC末端にポリアルギニンを付加した。また、11-21aaのPHB2ペプチドは合成中の酸化を回避するため、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)に記載のアミノ酸配列における19番目のメチオニンをノルロイシン(Nle)に置換した。
図10-2】(C)ヒト乳癌細胞株MCF-7を11-21aaの架橋型PHB2ペプチド(左図)、または76-88aaの架橋型PHB2ペプチド(右図)で処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図11】エストロゲン依存性増殖に対する環状型PHB2ペプチドの抑制効果を示す。(A)環状型11-21aa(配列番号25)および環状型76-88aa(配列番号26)のPHB2ペプチドの架橋形式を表す。配列番号125と128の環状型PHB2ペプチドは、11-21aaおよび76-88aaのPHB2ペプチドの両端にアラニンを付加して非架橋型の環状型ペプチドにした。すべての環状型PHB2ペプチドはC末端に非天然アミノ酸及び連続する複数のアルギニン残基を付加した。また、11-21aaの環状型PHB2ペプチドは合成中の酸化を回避するため、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)に記載のアミノ酸配列における19番目のメチオニンをノルロイシン(Nle)に置換した。(B)ヒト乳癌細胞株MCF-7を環状型PHB2ペプチドで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図12】PHB2ペプチド11-22aaの改変がエストロゲン依存性増殖に及ぼす影響を示す。(A)配列番号1(11-22aa)のPHB2ペプチドについて、配列番号28(PHB2ポリペプチド全長)に記載のアミノ酸配列における15番目と18番目のグリシンをD型アラニンおよびD型ロイシンに置換したPHB2ペプチドを表す。(B)ヒト乳癌細胞株MCF-7を11-22aaの改変PHB2ペプチドで処理し、その後直ちに10nMエストロゲンで刺激して24時間後の細胞数をMTTアッセイで評価した。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
図13】架橋型PHB2ペプチドが正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に及ぼす影響を示す。架橋型PHB2ペプチドおよび環状型PHB2ペプチドは、正常乳腺上皮細胞MCF-10Aの増殖に影響を及ぼさないことを示したMTTアッセイの結果を示す。データは3回の独立した実験の平均値±標準偏差を表す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
本発明のペプチドは、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する活性に加えて、以下の(i)及び(ii)のいずれか又は両方の性質を有することが望ましい:
(i)BIG3ポリペプチドを発現しているエストロゲン受容体陽性細胞において、PHB2ポリペプチドの核内移行を促進する;及び
(ii)BIG3ポリペプチドを発現しているエストロゲン受容体陽性細胞において、核内及び/又は細胞膜に存在するエストロゲン受容体とPHB2ポリペプチドとの結合を促進する。
上記(i)及び(ii)のいずれか又は両方の性質を有することにより、本発明のペプチドは、BIG3発現細胞において、エストロゲン受容体の活性化を抑制し、その結果としてエストロゲン受容体陽性細胞の細胞増殖の抑制を導く。PHB2ペプチドの前記性質(i)および(ii)は、いずれも、当業者に公知の方法に従って評価することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
細胞膜透過性物質の例としては、例えば、膜融合性リポソーム、細胞膜透過性ペプチドなどが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、膜融合性リポソームは細胞膜と融合して、その内容物を細胞内に放出する。膜融合性リポソームは、例えば、膜融合性を有する物質でリポソーム表面を修飾することにより調製することができる。膜融合性リポソームの例としては、例えば、pH感受性リポソーム(Yuba E, et al., J. Control. Release, 149, 72-80 (2011))、センダイウィルス膜融合性リポソーム(WO97/016171)、細胞膜透過性ペプチドで修飾されたリポソームなどが挙げられる。本発明のペプチドは、細胞内に効率的に導入するために、膜融合性リポソーム内に封入されてもよい。本発明では、膜融合性リポソーム内へのペプチドの封入も、ペプチドの「修飾」に包含される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
具体的な方法としては、例えば、試験ペプチドの存在下及び非存在下において、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとをインキュベートする。その後、反応液を抗PHB2抗体又は抗BIG3抗体で免疫沈降し、免疫沈降物のウェスタンブロット解析を行う。PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合レベルは、抗PHB2抗体で免疫沈降されたBIG3ポリペプチドレベル又は抗BIG3抗体で免疫沈降されたPHB2ポリペプチドレベルの少なくとも一方を検出することにより確認することができる。ここで使用するPHB2ポリペプチド及びBIG3ポリペプチドは、公知の遺伝子工学的手法によって調製することができる。また、これらのポリペプチドの産生細胞の細胞溶解物を用いることもできる。これらのポリペプチドの産生細胞としては、本明細書の実施例に記載されるような細胞株が利用可能である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
また、遺伝子工学的手法(例えば、Morrison J, J Bacteriology, 132(1): 349-51(1977);Clark-Curtiss & Curtiss, Methods in Enzymology (eds. Wu et al.), 101: 347-62(1983))により、本発明のペプチドを得ることもできる。例えば、本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドを適切な発現ベクターに挿入し、適切な宿主細胞に導入して形質転換細胞を調製する。次いで、該宿主細胞を培養して本発明のペプチドを産生させ、その細胞抽出物を調製する。該細胞抽出物からの本ペプチドの精製には、タンパク質精製のための標準的な手法を用いることができる。例えば、カラムクロマトグラフィー、フィルター濾過、限外濾過、塩析、溶媒沈殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動、透析、及び再結晶化を適切に選択し、組み合わせることにより、本ペプチドを精製することができる。また、本発明のペプチドは、タンパク質合成のために必要な要素がインビトロで再構成されたインビトロ翻訳系によっても合成することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
遺伝子工学的手法を用いる場合には、本発明のペプチドを、他のペプチドとの融合タンパク質として発現させることもできる。本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドと他のペプチドをコードするポリヌクレオチドとを、インフレームとなるように連結して、適切な発現ベクターに挿入し、適切な宿主細胞に導入して形質転換細胞を調製する。次いで、該宿主細胞を培養して本発明のペプチドと他のペプチドとの融合タンパク質を産生させ、その細胞抽出物を調製する。該細胞抽出物からの該融合タンパク質の精製は、例えば、融合タンパク質と親和性を有する物質を結合させたカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより該融合タンパク質を捕捉することにより、行うことができる。また、本発明のペプチドと他のペプチドとを、ペプチダーゼ、プロテアーゼ、及びプロテアソームなどの酵素によって切断され得るリンカー配列を介して結合させておけば、カラムに捕捉された該融合タンパク質をこれらの酵素で処理することにより、本発明のペプチドをカラムから分離することができる。融合タンパク質の形成に使用し得る他のペプチドには、例えば、以下のようなペプチドが含まれるが、これらに限定されない:
FLAG(Hopp et al., Bio/Technology 6, 1204-10(1988));
ヒスチジン(His)残基からなる6xHis又は10xHis;
インフルエンザ血球凝集素(HA);
ヒトc-myc断片、VSV-GP断片;p18 HIV断片;
T7タグ; HSVタグ;
Eタグ;SV40T抗原断片;
lckタグ;
α-チューブリン断片;
Bタグ;
プロテインC断片;
GST(グルタチオン-S-トランスフェラーゼ);
HA(インフルエンザ血球凝集素);
免疫グロブリン定常領域;
β-ガラクトシダーゼ;及び;
MBP(マルトース-結合タンパク質)。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
本発明のポリヌクレオチドは、当業者に知られた方法によって作製することができる。例えば、Beaucage SL & Iyer RP, Tetrahedron, 48: 2223-311(1992);Matthes et al., EMBO J, 3(4): 801-5(1984)に記載されるような固相技法を用いて、本発明のポリヌクレオチドを合成することができる。また、遺伝子工学的手法を用いて本発明のポリヌクレオチドを調製することもできる。例えば、本発明のペプチドとして選択したアミノ酸配列をコードするPHB2遺伝子(配列番号27)の部分塩基配列に基づいて、プライマーを作成し、PHB2ポリペプチドを発現する細胞から抽出したmRNAを鋳型として、逆転写PCRを行う。これにより、本発明のポリヌクレオチドを増幅することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
ペプチドの合成
すべてのペプチドはFmoc型固相合成法により合成した。樹脂はNovaSyn TGR樹脂(0.25mmol アミン/g)もしくはRink Amide AM樹脂(0.62mmol アミン/g)を用い、手動のFmoc固相合成法を利用した。Fmoc基の除去は、20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液を室温で10分間作用させ、樹脂をDMFで5~10回洗浄したあと、Fmocアミノ酸3当量をDMF溶媒中、N,N-ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI、3.0当量)と1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt・H2O、3.3当量)あるいは N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、3.0当量)とN,N,N,N-テトラメチル-O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU、2.9当量)を用いて、室温で90分間カップリングさせた。DMF、メタノール、エタノールで洗浄乾燥後、保護ペプチド樹脂100mgに対して、TFA:チオアニソール:m-クレソール:1,2-エタンジチオール:水(80:5:5:5:5)のカクテル5mLを、室温で90分間作用させた。TFAを窒素気流により濃縮後、残渣にエーテルを加え沈殿化させ、エーテルで沈殿物を洗浄後、適当な水性溶媒に溶解後、HPLCで分取精製した。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
細胞増殖アッセイ
MDA-MB-231細胞を48ウェルプレートに1×104細胞/200 μL in wellの細胞密度で播種し、48時間後に各ウェルの培地をPHB2ペプチド11-22aaまたは76-90aaを加えた培地(それぞれ20 μMから3倍の希釈系列を作製)と交換し、さらに96時間培養後、Cell Counting Kit-8(同仁堂、熊本、日本)を用いて細胞増殖レベルを測定した。データは3つの独立した実験より取得し、グラフ作成・データ解析ソフトウェアSigmaPlot (Systat Software, San Jose, CA, USA)を用いてグラフ作成(平均±標準偏差)および細胞増殖に対するペプチドの50%阻害濃度(IC50)の算出を行った。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
併用アッセイ
MDA-MB-231細胞を48ウェルプレートに1×104細胞/200 μL in wellの細胞密度で播種し、48時間後に各ウェルの培地をPHB2ペプチド11-22aa(添加濃度IC50値)、PHB2ペプチド76-90aa(添加濃度IC50値)、両ペプチドの混合液(添加濃度はそれぞれのIC50値)をそれぞれ加えた培地、および陰性対照としてリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を加えた培地と交換し、さらに96時間培養後、Cell Counting Kit-8(同仁堂、熊本、日本)を用いて細胞増殖レベルを測定した。得られたデータは、PBS添加時の増殖レベルを基準に相対値を算出し、グラフを作成した。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】変更
【補正の内容】
【配列表】
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