(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045251
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ピリミドヘテロ環式化合物およびその応用
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20240326BHJP
C07D 491/052 20060101ALI20240326BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20240326BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240326BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
C07D471/04 116
C07D491/052 CSP
C07D519/00 301
A61K31/519
A61P35/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024005840
(22)【出願日】2024-01-18
(62)【分割の表示】P 2022554868の分割
【原出願日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】202010172140.2
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010323035.4
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010953203.8
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011593642.9
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522360286
【氏名又は名称】徳昇済医薬(無錫)有限公司
【氏名又は名称原語表記】D3 Bio (Wuxi) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 324, 88 MeiLiang Road, MaShan Street, BinHu District, Wuxi, JiangSu, 214092, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】張 楊
(72)【発明者】
【氏名】伍 文韜
(72)【発明者】
【氏名】張 晶
(72)【発明者】
【氏名】孫 継奎
(72)【発明者】
【氏名】徐 洋洋
(72)【発明者】
【氏名】陳 之鍵
(72)【発明者】
【氏名】金 奮宇
(72)【発明者】
【氏名】陳 曙輝
(57)【要約】 (修正有)
【課題】KRAS関連疾患処置のための化合物および医薬組成物を提供する。
【解決手段】一群のピリミドヘテロ環式化合物、具体的には式(III)により表される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III)
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、
T
1はOおよびNから選択され;
R
1はC
6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールから選択され、ここで、C
6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールは場合より1個、2個、3個、4個または5個のR
aで置換されており;
T
1がOであるとき、R
2は存在せず;
T
1がNであるとき、R
2はH、C
1-3アルキル、-C(=O)-C
1-3アルキルおよび-S(=O)
2-C
1-3アルキルから選択され、ここで、C
1-3アルキル、-C(=O)-C
1-3アルキルおよび-S(=O)
2-C
1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のR
bで置換されており;
R
3はC
1-3アルキルであり、ここで、C
1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のR
cで置換されており;
R
4はHおよびC
1-3アルキルから選択され、ここで、C
1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のR
dで置換されており;
R
5、R
6およびR
7は各々独立してH、F、Cl、Br、IおよびC
1-3アルキルから選択され、ここで、C
1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のFで置換されており;
R
8はHおよびCH
3から選択され;
R
aは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH
2、CN、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、C
2-3アルキニルおよびC
2-3アルケニルから選択され、ここで、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、C
2-3アルキニルおよびC
2-3アルケニルは場合より1個、2個または3個のFで置換されており;
R
bは各々独立してF、Cl、Br、I、OHおよびNH
2から選択され;
R
cは各々独立して4~8員ヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、4~8員ヘテロシクロアルキルは場合より1個、2個または3個のRで置換されており;
R
dは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH
2およびCNから選択され;
Rは各々独立してH、F、Cl、Br、OH、CN、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシおよび-C
1-3アルキル-O-C(=O)-C
1-3アルキルアミノから選択され;
ただし、R
1がナフチルであるとき、ナフチルは場合によりF、Cl、Br、OH、NH
2、CF
3、CH
2CH
3および-C≡CHで置換されており、R
5、R
6およびR
7は各々独立してHである、
化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
Raが各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2および-C≡CHから選択され、ここで、CH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2および-C≡CHが場合により1個、2個または3個のFで置換されている、請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Raが各々独立してF、OH、NH2、CH3、CF3、CH2CH3および-C≡CHから選択される、請求項2の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R1がフェニル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルから選択され、ここで、フェニル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルが場合により1個、2個または3個のRaで置換されている、請求項1~3の何れかの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R
1が
【化2】
から選択される、請求項4の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
R2がH、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2から選択され、ここで、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2が場合により1個、2個または3個のRbで置換されている、請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
R2がHおよびCH3から選択される、請求項6の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Rが各々独立してH、F、Cl、Br、OH、CN、CH
3、CH
2CH
3、CH
2CF
3、OCH
3、OCF
3および
【化3】
から選択される、請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
Rcがテトラヒドロピロリルおよびヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルから選択され、ここで、テトラヒドロピロリルおよびヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルが場合により1個、2個または3個のRで置換されている、請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
R
cが
【化4】
から選択される、請求項9の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
R
cが
【化5】
から選択される、請求項1、9および10の何れかの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
R3がCH3であり、ここで、CH3が場合により1個、2個または3個のRcで置換されている、請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
R
3が
【化6】
から選択される、請求項12の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
R
3が
【化7】
から選択される、請求項1、12および13の何れかの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
R4がHおよびCH3から選択され、ここで、CH3が場合により1個、2個または3個のRdで置換されている、請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
R4がH、CH3およびCH2CNから選択される、請求項15の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
化合物が
【化8】
から選択され、ここで、
R
1が請求項1~5の何れかに定義するとおりであり;
R
4がC
1-3アルキルであり、ここで、C
1-3アルキルが場合より1個、2個または3個のR
dで置換されており;
R
dが各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH
2およびCNから選択され;
R
5が請求項1に定義するとおりであり;
R
cが請求項1および8~11の何れかに定義するとおりであり;
「*」が付された炭素原子が、(R)または(S)単一エナンチオマーの形態で存在するか、一方のエナンチオマーが富化された、キラル炭素原子である、
請求項1~16の何れかの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
化合物が
【化9】
から選択され、ここで、
R
1が請求項1~5の何れかに定義するとおりであり;
R
2が請求項1、6および7の何れかに定義するとおりであり;
R
4が請求項1、15および16の何れかに定義するとおりであり;
R
5、R
6、R
7およびR
8が請求項1に定義するとおりであり;
Rが請求項1または8に定義するとおりである、
請求項1~16の何れかの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
次の式により示される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【化10】
【化11】
【請求項20】
次のものから選択される、請求項19の化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化12】
【化13】
。
【請求項21】
化合物が次のものから選択される、請求項20のの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【化14】
【化15】
【化16】
【請求項22】
KRAS関連疾患処置用医薬の製造における、請求項1~21の何れかの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、
2020年3月12日出願のCN202010172140.2;
2020年4月22日出願のCN202010323035.4;
2020年9月11日出願のCN202010953203.8;
2020年12月29日出願のCN202011593642.9
に基づく優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、一群のピリミドヘテロ環式化合物、特に式(III)の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
RASがん遺伝子変異は、ヒトがんで最も一般的な活性化変異であり、ヒト腫瘍の30%で生ずる。RAS遺伝子ファミリーは、3サブタイプ(KRAS、HRASおよびNRAS)を含み、そのうちRAS駆動がんの85%がKRASサブタイプの変異により引き起こされる。KRAS変異は、肺腺がん、膵管がんおよび結腸直腸がんなどの固形腫瘍で一般に見られる。KRAS変異腫瘍において、発がん性変異の80%がコドン12で起こり、最も一般的な変異はp.G12D(41%)、p.G12V(28%)およびp.G12C(14%)を含む。
【0004】
KRAS遺伝子の正式名称は、カーステン・ラット肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログである。KRASは、細胞増殖のシグナル伝達制御に中枢となる役割を有する。EGFR(ErbB1)、HER2(ErbB2)、ErbB3およびErbB4などの上流細胞表面受容体は、外的シグナルを受けた後、該シグナルを、RASタンパク質を介して下流に伝達する。KRASタンパク質が活性化されていないとき、GDP(グアノシン二リン酸)と密接に結合する。SOS1などのグアノシン交換因子により活性化された後、KRASタンパク質はGTP(グアノシン三リン酸)と結合し、キナーゼ活性状態となる。変異後、KRAS遺伝子は、上流増殖因子受容体シグナルと無関係に下流経路に成長および増殖のためのシグナルを独立して伝達し、未制御の細胞増殖および腫瘍進行を引き起こし得る。同時に、KRAS遺伝子が変異しているか否かも、腫瘍予後の重要な指標である。
【0005】
KRASは発見された最初のがん遺伝子であるが、長い間新薬の開発に繋がらない(undruggable)標的と見なされていた。2019年まで、Amgen and Mirati Therapeuticsが小分子KRAS阻害剤AMG510およびMRTX849の臨床研究結果の成功を公表し、これは、初めて腫瘍の臨床的処置におけるKRAS阻害剤の臨床的有効性を確認した。AMG510およびMRTX849両者は、KRAS G12C変異体タンパク質のシステイン残基と不可逆的共有結合を形成することによりKRAS活性を阻害する、不可逆性小分子阻害剤である。
【0006】
統計結果は、肺腺がんの12~36%がKRAS変異により駆動され;結腸がんの27~56%がKRASにより駆動され;そして膵臓がんの90%、子宮内膜がんの21%および肺腺がんの12~36%がKRASにより駆動されることを示し、これは、患者集団が巨大であることを示す。KRAS遺伝子変異において、変異の97%がアミノ酸残基12位または13位で生じ、G12D、G12VおよびG13D変異のドラッガビリティは悪く、12位のグリシンがシステインに置き換わるKRAS(G12C)変異は、共有結合阻害剤の開発の良好な方向を示す。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、式(III)
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、
【0008】
ここで、
【0009】
T1はOおよびNから選択され;
【0010】
R1はC6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールから選択され、ここで、C6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールは場合より1個、2個、3個、4個または5個のRaで置換されており;
【0011】
T1がOであるとき、R2は存在せず;
【0012】
T1がNであるとき、R2はH、C1-3アルキル、-C(=O)-C1-3アルキルおよび-S(=O)2-C1-3アルキルから選択され、ここで、C1-3アルキル、-C(=O)-C1-3アルキルおよび-S(=O)2-C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRbで置換されており;
【0013】
R3はC1-3アルキルであり、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRcで置換されており;
【0014】
R4はHおよびC1-3アルキルから選択され、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRdで置換されており;
【0015】
R5、R6およびR7は各々独立してH、F、Cl、Br、IおよびC1-3アルキルから選択され、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のFで置換されており;
【0016】
R8はHおよびCH3から選択され;
【0017】
Raは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニルおよびC2-3アルケニルから選択され、ここで、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニルおよびC2-3アルケニルは場合より1個、2個または3個のFで置換されており;
【0018】
Rbは各々独立してF、Cl、Br、I、OHおよびNH2から選択され;
【0019】
Rcは各々独立して4~8員ヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、4~8員ヘテロシクロアルキルは場合より1個、2個または3個のRで置換されており;
【0020】
Rdは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2およびCNから選択され;
【0021】
Rは各々独立してH、F、Cl、Br、OH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシおよび-C1-3アルキル-O-CO-C1-3アルキルアミノから選択され;
【0022】
ただし、R1がナフチルであるとき、ナフチルは場合によりF、Cl、Br、OH、NH2、CF3、CH2CH3および-C≡CHで置換されており、R5、R6およびR7は各々独立してHである。
【0023】
本発明のある実施態様において、上記Raは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2および-C≡CHから選択され、ここで、CH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2および-C≡CHは場合により1個、2個または3個のFで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0024】
本発明のある実施態様において、上記Raは各々独立してF、OH、NH2、CH3、CF3、CH2CH3および-C≡CHから選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0025】
本発明のある実施態様において、上記R1はフェニル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルから選択され、ここで、フェニル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルは場合により1個、2個または3個のRaで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0026】
本発明のある実施態様において、上記R
1は
【化2】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0027】
本発明のある実施態様において、上記R2はH、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2から選択され、ここで、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2は場合により1個、2個または3個のRbで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0028】
本発明のある実施態様において、上記R2はHおよびCH3から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0029】
本発明のある実施態様において、上記Rは各々独立してH、F、Cl、Br、OH、CN、CH
3、CH
2CH
3、CH
2CF
3、OCH
3、OCF
3および
【化3】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0030】
本発明のある実施態様において、上記Rcはテトラヒドロピロリルおよびヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルから選択され、ここで、テトラヒドロピロリルおよびヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルは場合により1個、2個または3個のRで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0031】
本発明のある実施態様において、上記R
cは
【化4】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0032】
本発明のある実施態様において、上記R
cは
【化5】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0033】
本発明のある実施態様において、上記R3はCH3であり、ここで、CH3は場合により1個、2個または3個のRcで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0034】
本発明のある実施態様において、上記R
3は
【化6】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0035】
本発明のある実施態様において、上記R
3は
【化7】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0036】
本発明のある実施態様において、上記R4はHおよびCH3から選択され、ここで、CH3は場合により1個、2個または3個のRdで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0037】
本発明のある実施態様において、上記R4はH、CH3およびCH2CNから選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0038】
本発明は、式(III)
【化8】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、
【0039】
ここで、
【0040】
T1はOおよびNから選択され;
【0041】
R1はフェニル、ナフチルおよびインダゾリルから選択され、ここで、フェニル、ナフチルおよびインダゾリルは場合より1個、2個、3個、4個または5個のRaで置換されており;
【0042】
T1がOであるとき、R2は存在せず;
【0043】
T1がNであるとき、R2はH、C1-3アルキル、-C(=O)-C1-3アルキルおよび-S(=O)2-C1-3アルキルから選択され、ここで、C1-3アルキル、-C(=O)-C1-3アルキルおよび-S(=O)2-C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRbで置換されており;
【0044】
R3はC1-3アルキルであり、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRcで置換されており;
【0045】
R4はHおよびC1-3アルキルから選択され、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRdで置換されており;
【0046】
R5、R6およびR7は各々独立してH、F、Cl、Br、I、OHおよびNH2から選択され;
【0047】
R8はHおよびCH3から選択され;
【0048】
Raは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CF3およびOCH3から選択され;
【0049】
Rbは各々独立してF、Cl、Br、I、OHおよびNH2から選択され;
【0050】
Rcは各々独立してテトラヒドロピロリルおよびヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルから選択され、ここで、テトラヒドロピロリルおよびヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルは1個、2個または3個のRで置換されており;
【0051】
Rdは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2およびCNから選択され;
【0052】
Rは各々独立してH、F、Cl、BrおよびCH3から選択される。
【0053】
本発明のある実施態様において、本発明は上記化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、化合物は
【化9】
から選択され、
【0054】
ここで、
【0055】
R4はC1-3アルキルであり、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRdで置換されており;
【0056】
T1、R1、R2、R3、R5、R6、R7およびRdは本明細書に定義するとおりであり;
【0057】
「*」が付された炭素原子は、(R)または(S)単一エナンチオマーの形態で存在するか、一方のエナンチオマーが富化された、キラル炭素原子である。
【0058】
本発明のある実施態様において、上記R
1はフェニル、ナフチルおよび
【化10】
から選択され、ここで、フェニル、ナフチルおよび
【化11】
は場合により1個、2個または3個のR
aで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0059】
本発明のある実施態様において、上記R
1は
【化12】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0060】
本発明のある実施態様において、上記R2はH、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2から選択され、ここで、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2は場合により1個、2個または3個のRbで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0061】
本発明のある実施態様において、上記R2はHおよびCH3から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0062】
本発明のある実施態様において、上記R
cは
【化13】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0063】
本発明のある実施態様において、上記R
cは
【化14】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0064】
本発明のある実施態様において、上記R3はCH3であり、ここで、CH3は場合により1個、2個または3個のRcで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0065】
本発明のある実施態様において、上記R
3は
【化15】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0066】
本発明のある実施態様において、上記R
3は
【化16】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0067】
本発明のある実施態様において、上記R4はHおよびCH3から選択され、ここで、CH3は場合により1個、2個または3個のRdで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0068】
本発明のある実施態様において、上記R4はH、CH3およびCH2CNから選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0069】
本発明は、式(III)
【化17】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、
【0070】
ここで、
【0071】
T1はOおよびNから選択され;
【0072】
R1はフェニル、ナフチルおよびインダゾリルから選択され、ここで、フェニル、ナフチルおよびインダゾリルは場合より1個、2個、3個、4個または5個のRaで置換されており;
【0073】
T1がOであるとき、R2は存在せず;
【0074】
T1がNであるとき、R2はH、C1-3アルキル、-C(=O)-C1-3アルキルおよび-S(=O)2-C1-3アルキルから選択され、ここで、C1-3アルキル、-C(=O)-C1-3アルキルおよび-S(=O)2-C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRbで置換されており;
【0075】
R3はC1-3アルキルであり、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRcで置換されており;
【0076】
R4はHおよびC1-3アルキルから選択され、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRdで置換されており;
【0077】
R5、R6およびR7は各々独立してH、F、Cl、Br、I、OHおよびNH2から選択され;
【0078】
R8はHおよびCH3から選択され;
【0079】
Raは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CF3およびOCH3から選択され;
【0080】
Rbは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2およびCH3から選択され;
【0081】
Rcは各々独立してテトラヒドロピロリルであり、ここで、テトラヒドロピロリルは1個、2個または3個のRで置換されており;
【0082】
Rdは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2およびCNから選択され;
【0083】
Rは各々独立してF、Cl、BrおよびCH3から選択される。
【0084】
本発明のある実施態様において、本発明は上記化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、化合物は
【化18】
から選択され、
【0085】
ここで、T1、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は本明細書に定義するとおりであり;
【0086】
「*」が付された炭素原子は、(R)または(S)単一エナンチオマーの形態で存在するか、一方のエナンチオマーが富化された、キラル炭素原子である。
【0087】
本発明のある実施態様において、上記R
1はフェニル、ナフチルおよび
【化19】
から選択され、ここで、フェニル、ナフチルおよび
【化20】
は場合により1個、2個または3個のR
aで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0088】
本発明のある実施態様において、上記R
1は
【化21】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0089】
本発明のある実施態様において、上記R2はH、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2から選択され、ここで、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2は場合により1個、2個または3個のRbで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0090】
本発明のある実施態様において、上記R2はHおよびCH3から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0091】
本発明のある実施態様において、上記R
cは
【化22】
であり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0092】
本発明のある実施態様において、上記R3はCH3であり、ここで、CH3は場合により1個、2個または3個のRcで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0093】
本発明のある実施態様において、上記R
3は
【化23】
であり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0094】
本発明のある実施態様において、上記R4はCH3であり、ここで、CH3は場合により1個、2個または3個のRdで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0095】
本発明のある実施態様において、上記R4はCH2CNであり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0096】
本発明は、式(II)
【化24】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、
【0097】
ここで、
【0098】
T1はOおよびNから選択され;
【0099】
R1はフェニルおよびナフチルから選択され、ここで、フェニルおよびナフチルは場合より1個、2個または3個のRaで置換されており;
【0100】
T1がOであるとき、R2は存在せず;
【0101】
T1がNであるとき、R2はC1-3アルキル、-C(=O)-C1-3アルキルおよび-S(=O)2-C1-3アルキルから選択され、ここで、C1-3アルキル、-C(=O)-C1-3アルキルおよび-S(=O)2-C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRbで置換されており;
【0102】
R3はC1-3アルキルであり、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRcで置換されており;
【0103】
R4はC1-3アルキルであり、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRdで置換されており;
【0104】
R5、R6およびR7は各々独立してH、F、Cl、Br、I、OHおよびNH2から選択され;
【0105】
Raは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3およびOCH3から選択され;
【0106】
Rbは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2およびCH3から選択され;
【0107】
Rcは各々独立してテトラヒドロピロリルであり、ここで、テトラヒドロピロリルは1個、2個または3個のRで置換されており;
【0108】
Rdは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2およびCNから選択され;
【0109】
Rは各々独立してF、Cl、BrおよびCH3から選択され;
【0110】
「*」が付された炭素原子は、(R)または(S)単一エナンチオマーの形態で存在するか、一方のエナンチオマーが富化された、キラル炭素原子である。
【0111】
本発明のある実施態様において、上記R1はナフチルであり、ここで、ナフチルは場合により1個、2個または3個のRaで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0112】
本発明のある実施態様において、上記R
1は
【化25】
から選択され、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0113】
本発明のある実施態様において、上記R2はCH3、CH2CH3およびCH(CH3)2から選択され、ここで、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2は場合により1個、2個または3個のRbで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0114】
本発明のある実施態様において、上記R2はCH3であり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0115】
本発明のある実施態様において、上記R
cは
【化26】
であり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0116】
本発明のある実施態様において、上記R3はCH3であり、ここで、CH3は場合により1個、2個または3個のRcで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0117】
本発明のある実施態様において、上記R
3は
【化27】
であり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0118】
本発明のある実施態様において、上記R4はCH3であり、ここで、CH3は場合により1個、2個または3個のRdで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0119】
本発明のある実施態様において、上記R4はCH2CNであり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0120】
本発明は式(I)
【化28】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、
【0121】
ここで、
【0122】
R1はフェニルおよびナフチルから選択され、ここで、フェニルおよびナフチルは場合より1個、2個または3個のRaで置換されており;
【0123】
R2はC1-3アルキル、-C(=O)-C1-3アルキルおよび-S(=O)2-C1-3アルキルから選択され、ここで、C1-3アルキル、-C(=O)-C1-3アルキルおよび-S(=O)2-C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRbで置換されており;
【0124】
R3はC1-3アルキルであり、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRcで置換されており;
【0125】
R4はC1-3アルキルであり、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRdで置換されており;
【0126】
R5、R6およびR7は各々独立してH、F、Cl、Br、I、OHおよびNH2から選択され;
【0127】
RaおよびRbは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2およびCH3から選択され;
【0128】
Rcは各々独立してテトラヒドロピロリルであり、ここで、テトラヒドロピロリルは1個、2個または3個のRで置換されており;
【0129】
Rdは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2およびCNから選択され;
【0130】
Rは各々独立してF、Cl、BrおよびCH3から選択され;
【0131】
「*」が付された炭素原子は、(R)または(S)単一エナンチオマーの形態で存在するか、一方のエナンチオマーが富化された、キラル炭素原子である。
【0132】
本発明のある実施態様において、上記R1はナフチルであり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0133】
本発明のある実施態様において、上記R
1は
【化29】
であり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0134】
本発明のある実施態様において、上記R2はCH3、CH2CH3およびCH(CH3)2から選択され、ここで、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2は場合により1個、2個または3個のRbで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0135】
本発明のある実施態様において、上記R2はCH3であり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0136】
本発明のある実施態様において、上記R
cは
【化30】
であり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0137】
本発明のある実施態様において、上記R3はCH3であり、ここで、CH3は場合により1個、2個または3個のRcで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0138】
本発明のある実施態様において、上記R
3は
【化31】
であり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0139】
本発明のある実施態様において、上記R4はCH3であり、ここで、CH3は場合により1個、2個または3個のRdで置換されており、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0140】
本発明のある実施態様において、上記R4はCH2CNであり、残りの可変基は本明細書で定義するとおりである。
【0141】
本発明のある実施態様において、本発明は上記化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、化合物は
【化32】
から選択され、
【0142】
ここで、R1、R5およびRcは本明細書に定義するとおりであり;
【0143】
R4はC1-3アルキルであり、ここで、C1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のRdで置換されており;
【0144】
Rdは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH2およびCNから選択され;
【0145】
「*」が付された炭素原子は、(R)または(S)単一エナンチオマーの形態で存在するか、一方のエナンチオマーが富化された、キラル炭素原子である。
【0146】
本発明のある実施態様において、本発明は上記化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、化合物は:
【化33】
から選択され、
【0147】
ここで、
【0148】
R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8およびRは本明細書に定義するとおりである。
【0149】
本発明はまた上記可変基の何れかの組み合わせにより得られる、ある実施態様も含む。
【0150】
本発明は、下記式の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【化34】
【0151】
本発明のある実施態様において、本発明は上記化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、化合物は
【化35】
【化36】
から選択される。
【0152】
本発明のある実施態様において、本発明は上記化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、化合物は
【化37】
【化38】
【化39】
から選択される。
【0153】
本発明はまたKRASG12C変異体タンパク質に関連する疾患の処置用医薬の製造における、上記化合物またはその薬学的に許容される塩の使用も提供する。
【発明の効果】
【0154】
技術的効果
本発明の化合物は、KRASG12C変異MIA-PA-CA-2細胞株およびNCI-H358細胞に対する良好な細胞増殖阻害活性を有する。本発明の化合物は、肝ミクロソーム、肝細胞、血漿および全血で良好な安定性ならびに良好なPK性質および顕著な抗腫瘍効果を有する。
【0155】
関連定義
特に断らない限り、ここで使用する次の用語および語句は、次の意味を有することを意図する。特定の用語または語句は、特定の定義がないことにより不明瞭または不明確とみなしてはならず、慣用の意味で理解されるべきである。ここで商標名が使用されるとき、その対応する商品またはその活性成分をいうことが意図される。
【0156】
用語「薬学的に許容される」は、ここでは、信頼できる医学的判断の範囲内でヒトおよび動物組織と接触して使用するのに適し、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答または他の問題もしくは合併症がなく、合理的利益/リスク比と釣り合う、化合物、材料、組成物および/または投与形態の点で使用する。
【0157】
用語「薬学的に許容される塩」は、ここに開示する特定の置換基を有する化合物を比較的非毒性の酸または塩基と反応させることにより製造する、ここに開示する化合物の塩を意味する。ここに開示する化合物が比較的酸性の官能基を含むとき、該化合物と、十分量の塩基を、純粋溶液または適当な不活性溶媒中で接触させることにより、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミンまたはマグネシウムの塩または類似塩を含む。ここに開示する化合物が比較的塩基性の官能基を含むとき、該化合物と、十分量の酸を、純粋溶液または適当な不活性溶媒中で接触させることにより、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例は、無機酸塩(ここで、無機酸は例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸水素、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含む);および有機酸塩(ここで、有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸およびメタンスルホン酸などを含む);およびアミノ酸(例えば、アルギニンなど)の塩およびグルクロン酸などの有機酸の塩を含む。ある特定のここに開示する化合物は塩基性および酸性両者の官能基を含み、塩基または酸付加塩のいずれにも変換され得る。
【0158】
ここに開示する薬学的に許容される塩は、酸性または塩基性部分を含む親化合物から、慣用の化学法により製造できる。一般に、このような塩は、遊離酸または塩基形態の化合物と、化学量論量の適切な塩基または酸を、水または有機溶媒またはそれらの混合物中で反応させることにより、製造できる。
【0159】
ここに開示する化合物は、特定の幾何または立体異性形態で存在し得る。本発明は、cisおよびtrans異性体、(-)-および(+)-エナンチオマー、(R)-および(S)-エナンチオマー、ジアステレオ異性体、(D)-異性体、(L)-異性体およびラセミ混合物およびその他混合物、例えば、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体に富む混合物を含む、すべてのこのような化合物を意図し、この全ては、ここに開示する範囲内に包含される。アルキルなどの置換基は、さらなる不斉炭素原子を有し得る。全てのこのような異性体およびそれらの混合物は、ここに開示する範囲内に包含される。
【0160】
ここに開示する化合物は、化合物を構成する原子の1以上で、天然ではない比率の原子の同位体を含み得る。例えば、化合物は、トリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)またはC-14(14C)などの放射性同位体で標識し得る。他の例として、水素を重水素で置換して、重水素化薬物を形成し得る。重水素と炭素の間の結合は、通常の水素と炭素の間より強い。非重水素化薬物と比較して、重水素化薬物は、毒性副作用減少、薬物安定性増加、有効性増強および薬物生物学的半減期延長の利点を有する。ここに開示する化合物の同位体組成の全ての変化は、放射活性に関わらず、本発明の範囲内に含まれる。
【0161】
用語「任意の」または「場合により」は、それに続いて記載されている事象または状況が生じてもよいが、必須ではないことを意味し、本用語は該事象または状況が生ずる場合および該事象または状況が生じない場合を含むことを意味する。
【0162】
用語「置換」は、特定の原子上の1以上の水素原子が、該特定の原子の原子価が正常であり、置換化合物が安定である限り、重水素および水素バリアントを含む置換基で置換されていることを意味する。置換基がオキソ(すなわち、=O)であるとき、2個の水素原子が置換されていることを意味する。芳香環の位置は、オキソで置換され得ない。用語「場合により置換されている」は、原子が、特に断らない限り置換基で置換されていてもいなくてもよいことを意味し、置換基の種および数は、化学的に達成可能である限り、任意である。
【0163】
何らかの可変基(例えば、R)が化合物の構成または構造に1回を超えて現れるとき、各場合の可変基の定義は非依存的である。故に、例えば、基が0~2個のRで置換されているとき、基は最大2個のRで場合により置換されることができ、ここで、各場合のRの定義は非依存的である。さらに、置換基および/またはそのバリアントの組み合わせは、組み合わせが安定な化合物をもたらすときのみ可能である。
【0164】
-(CRR)0-など連結基の数が0であるとき、連結基は単結合であることを意味する。
【0165】
可変基の1個が単結合であるとき、それは単結合により連結される2個の基が直接接続されていることを意味する。例えば、A-L-ZのLが単結合を表すとき、A-L-Zの構造は実際A-Zである。
【0166】
記載される連結基に連結方向が示されないとき、その連結方向は任意である。例えば、
【化40】
の連結基Lが-M-W-であるとき、-M-W-は環Aおよび環Bに、左から右への読み順と同じ方向で連結して、
【化41】
を構築するか、または環Aおよび環Bに、左から右への読み順と逆方向で連結して、
【化42】
を構築し得る。連結基、置換基および/またはそのバリアントの組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらすときのみ可能である。
【0167】
特に断らない限り、基が1以上の接続可能な部位を有するとき、該基の任意の1以上の部位が、化学結合を介して他の基に接続され得る。化学結合の接続位置が可変であり、接続可能な部位にH原子があるとき、H原子を有する接続可能な部位が化学結合に接続すると、この部位のH原子数は、接続した化学結合の数の増加に対応して減少し、基は対応する原子価の基となる。該部位と他の基の間の化学結合は、
【化43】
で表し得る。例えば、-OCH
3の直線実線結合は、該基が基の酸素原子を介して他の基に接続されることを示し;
【化44】
の直線破線結合は、該基が基の窒素原子の2端を介して他の基に接続されることを意味し;
【化45】
の波線は、該基がフェニル基の1-および2-炭素原子を介して他の基に接続されることを示し;
【化46】
は、ピペリジニル基の任意の接続可能な部位が、1個の化学結合を介して他の基に接続され得ることを示し、少なくとも4種の接続方法
【化47】
を含み;H原子が-N-上に記載されていても、
【化48】
はなお
【化49】
の接続方法を含み;ただ、1個の化学結合が接続されると、その部位のHが1つ減り、該基は対応する一価ピペリジニル基となるというだけのことである。
【0168】
特に断らない限り、くさび形実線結合
【化50】
およびくさび形破線結合
【化51】
は、立体中心の絶対配置を示し;直線実線結合
【化52】
および直線破線結合
【化53】
は立体中心の相対的配置を示し;波線
【化54】
は、くさび形実線結合
【化55】
またはくさび形破線結合
【化56】
を示すか;または波線
【化57】
は直線実線結合
【化58】
および直線破線結合
【化59】
を示す。例えば、
【化60】
は
【化61】
を表し、
【化62】
は
【化63】
を表す。
【0169】
特に断らない限り、用語「一方の異性体が富化された」、「異性体富化」、「一方のエナンチオマーが富化された」または「エナンチオマー富化」は、一つの異性体またはエナンチオマーの含量が100%未満であり、該異性体またはエナンチオマーの含量が60%以上、または70%以上、または80%以上、または90%以上、または95%以上、または96%以上、または97%以上、または98%以上、または99%以上、または99.5%以上、または99.6%以上、または99.7%以上、または99.8%以上、または99.9%以上であることを意味する。
【0170】
特に断らない限り、用語「異性体過剰率」または「エナンチオマー過剰率」は、2つの異性体または2つのエナンチオマーの相対的パーセンテージの差異を意味する。例えば、一方の異性体またはエナンチオマーが90%の量で存在し、他方の異性体またはエナンチオマーが10%の量で存在するとき、異性体またはエナンチオマー過剰率(ee値)は80%である。
【0171】
光学活性(R)-および(S)-異性体、またはDおよびL異性体は、キラル合成またはキラル試薬または他の慣用技術を使用して、製造できる。ここに開示するある化合物のエナンチオマーの一種が得られるべき場合、不斉合成またはキラル補助剤の誘導作用と、続く得られたジアステレオマー混合物の分離および補助基の開裂により、純粋な所望のエナンチオマーを得ることができる。あるいは、分子が塩基性官能基(例えば、アミノ)または酸性官能基(例えば、カルボキシル)を含むとき、化合物と適切な光学活性酸または塩基を反応させて、ジアステレオマー異性体の塩を形成し、次いで、当分野の慣用法を介してジアステレオマー分割に付して、純粋エナンチオマーを得る。さらに、エナンチオマーおよびジアステレオ異性体は、一般に、キラル固定相を使用し、所望により化学誘導法(例えば、アミンから産生されるカルバメート)と組み合わせる、クロマトグラフィーにより単離される。
【0172】
特に断らない限り、用語「C1-6アルキル」は、1~6個の炭素原子からなる直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を意味するために使用する。C1-6アルキルは、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-4、C6およびC5アルキルなどを含む。。一価(例えば、メチル)、二価(例えば、メチレン)または多価(例えば、メテニル)であり得る。C1-6アルキルの例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピルおよびイソプロピルを含む)、ブチル(n-ブチル、イソブチル、s-ブチルおよびt-ブチルを含む)、ペンチル(n-ペンチル、イソペンチルおよびネオペンチルを含む)、ヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。
【0173】
特に断らない限り、用語「C1-3アルキル」は、1~3個の炭素原子からなる直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を意味するために使用する。C1-3アルキルは、C1-2アルキル、C2-3アルキルなどを含む。一価(例えば、メチル)、二価(例えば、メチレン)または多価(例えば、メテニル)であり得る。C1-3アルキルの例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピルおよびイソプロピルを含む)などを含むが、これらに限定されない。
【0174】
特に断らない限り、用語「C1-3アルコキシ」は、1~3個の炭素原子を含み、酸素原子により分子の残りに結合する、アルキル基を意味する。C1-3アルコキシ基は、C1-2、C2-3、C3およびC2アルコキシ基などを含む。C1-3アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(n-プロポキシおよびイソプロポキシを含む)などを含むが、これらに限定されない。
【0175】
特に断らない限り、用語「C1-3アルキルアミノ」は、1~3個の炭素原子を含み、アミノ基により分子の残りに結合する、アルキル基を意味する。C1-3アルキルアミノ基は、C1-2、C3およびC2アルキルアミノ基などを含む。C1-3アルキルアミノ基の例は、-NHCH3、-N(CH3)2、-NHCH2CH3、-N(CH3)CH2CH3、-NHCH2CH2CH3、-NHCH2(CH3)2などを含むが、これらに限定されない。
【0176】
特に断らない限り、「C2-3アルケニル」は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含む2~3個の炭素原子からなる直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味するために使用し、ここで、炭素-炭素二重結合は基のどの位置に位置してもよい。C2-3アルケニルはC3およびC2アルケニルを含む。C2-3アルケニルは一価、二価または多価であり得る。C2-3アルケニルの例は、ビニル、プロペニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0177】
特に断らない限り、「C2-3アルキニル」は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含む2~3個の炭素原子からなる直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味するために使用し、ここで、炭素-炭素三重結合は基のどの位置に位置してもよい。C2-3アルキニルはC3およびC2アルキニルを含む。C2-3アルキニルの例は、エチニル、プロピニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0178】
特に断らない限り、用語「C6-10芳香環」および「C6-10アリール」は、本明細書で相互交換可能に使用され得る。用語「C6-10芳香環」または「C6-10アリール」は、共役パイ電子系を有し、6~10個の炭素原子からなる環状炭化水素基を意味する。それは単環式、縮合二環式または縮合三環式環系でよく、ここで、各環は芳香族である。一価、二価または多価であり得る。C6-10アリールは、C6-9、C9、C10およびC6アリールなどを含む。C6-10アリールの例は、フェニル、ナフチル(1-ナフチルおよび2-ナフチルなどを含む)を含むが、これらに限定されない。
【0179】
特に断らない限り、用語「5~10員ヘテロ芳香環」および「5~10員ヘテロアリール」は相互交換可能に使用され得る。用語「5~10員ヘテロアリール」は、共役パイ電子系を有し、5~10個の環原子からなる環状基を意味し、ここで、1、2、3または4個の環原子はO、SおよびNから独立して選択されるヘテロ原子であり、残りは炭素原子である。それは単環式、縮合二環式または縮合三環式環系であり得て、ここで、各環は芳香族であり、窒素原子は場合により4級化され、窒素および硫黄ヘテロ原子は場合により酸化される(すなわち、NOおよびS(O)pであって、pは1または2である)。5~10員ヘテロアリールは、分子の残りにヘテロ原子または炭素原子を介して結合し得る。5~10員ヘテロアリール基は、5~8員、5~7員、5~6員、5員および6員ヘテロアリール基を含む。5~10員ヘテロアリールの例は、ピロリル(N-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリルなどを含む)、ピラゾリル(2-ピラゾリルおよび3-ピラゾリルなどを含む)、イミダゾリル(N-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリルおよび5-イミダゾリルなどを含む)、オキサゾリル(2-オキサゾリル、4-オキサゾリルおよび5-オキサゾリルなどを含む)、トリアゾリル(1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-1,2,4-トリアゾリルおよび4H-1,2,4-トリアゾリルなど)、テトラゾリル、イソオキサゾリル(3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリルおよび5-イソオキサゾリルなど)、チアゾリル(2-チアゾリル、4-チアゾリルおよび5-チアゾリルなどを含む)、フリル(2-フリルおよび3-フリルなどを含む)、チエニル(2-チエニルおよび3-チエニルなどを含む)、ピリジル(2-ピリジル、3-ピリジルおよび4-ピリジルなどを含む)、ピラジニルまたはピリミジニル(2-ピリミジニルおよび4-ピリミジニルなどを含む)、ベンゾチアゾリル(5-ベンゾチアゾリルなどを含む)、プリニル、ベンゾイミダゾリル(2-ベンゾイミダゾリルなどを含む)、ベンゾオキサゾリル、インドリル(5-インドリルなどを含む)、イソキノリル(1-イソキノリル、5-イソキノリルなどを含む)、キノキサリニル(2-キノキサリニル、5-キノキサリニルなどを含む)またはキノリル(3-キノリル、6-キノリルなどを含む)を含むが、これらに限定されない。
【0180】
特に断らない限り、用語「4~8員ヘテロシクロアルキル」は、単独でまたは他の用語と組み合わせて、それぞれ、4~8個の環原子からなる飽和環状基を意味し、ここで、1、2、3または4個の環原子はO、SおよびNから独立して選択されるヘテロ原子であり、残りは炭素原子である、ここで、窒素原子は場合により4級化され、窒素および硫黄ヘテロ原子は場合により酸化される(すなわち、NOおよびS(O)pであって、pは1または2である)。環は単環式および二環式環系を含み、ここで、二環式環系はスピロ、縮合および架橋環状環を含む。さらに、「4~8員ヘテロシクロアルキル」に関して、ヘテロ原子は、ヘテロシクロアルキル基の分子の残りへの結合位置に存在し得る。4~8員ヘテロシクロアルキルは、4~6員、5~6員、4員、5員および6員ヘテロシクロアルキルなどを含む。4~8員ヘテロシクロアルキルの例は、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロチエニル(テトラヒドロチエン-2-イルおよびテトラヒドロチエン-3-イルなどを含む)、テトラヒドロフラニル(テトラヒドロフラン-2-イルなどを含む)、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル(1-ピペリジニル、2-ピペリジニルおよび3-ピペリジニルなどを含む)、ピペラジニル(1-ピペラジニルおよび2-ピペラジニルなどを含む)、モルホリニル(3-モルホリニルおよび4-モルホリニルなどを含む)、ジオキサニル、ジチアニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2-オキサジニル、1,2-チアジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニルまたはジオキセパニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0181】
特に断らない限り、Cn-n+mまたはCn-Cn+mは、n~n+m個の炭素のあらゆる特定の場合を含み、例えば、C1-12はC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11およびC12を含み、またn~n+mのあらゆる範囲を含み、例えば、C1-12はC1-3、C1-6、C1-9、C3-6、C3-9、C3-12、C6-9、C6-12およびC9-12などを含む;同様に、n員~n+m員は、環の原子数がn~n+mであることを意味し、例えば、3~12員環は3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、8員環、9員環、10員環、11員環および12員環を含み、またn~n+mのあらゆる範囲を含み、例えば、3~12員環は3~6員環、3~9員環、5~6員環、5~7員環、6~7員環、6~8員環および6~10員環などを含む。
【0182】
用語「脱離基」は、置換反応(例えば、求核性置換反応)を介して他の官能基または原子に置き換えられ得る官能基または原子をいう。例えば、代表的脱離基は、トリフラート;塩素、臭素およびヨウ素;メシラート、トシラート、p-ブロモベンゼンスルホネート、p-トルエンスルホネートなどのスルホネート基;アセトキシ、トリフルオロアセトキシなどのアシルオキシ基などを含む。
【0183】
用語「保護基」は、「アミノ保護基」、「ヒドロキシ保護基」または「チオ保護基」を含むが、これらに限定されない。用語「アミノ保護基」は、アミノの窒素の副反応を遮断するのに適する保護基をいう。代表的アミノ保護基は、ホルミル;アルカノイル(例えばアセチル、トリクロロアセチルまたはトリフルオロアセチル)などのアシル;tert-ブトキシカルボニル(Boc)などのアルコキシカルボニル;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)などのアリールメトキシカルボニル;ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)、1,1-ビス-(4’-メトキシフェニル)メチルなどのアリールメチル;トリメチルシリル(TMS)およびtert-ブチルジメチルシリル(TBS)などのシリルなどを含むが、これらに限定されない。用語「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキシの副反応を遮断するのに適する保護基をいう。代表的ヒドロキシ保護基は、メチル、エチルおよびtert-ブチルなどのアルキル;アルカノイル(例えばアセチル)などのアシル;ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル(PMB)、9-フルオレニルメチル(Fm)およびジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)などのアリールメチル;トリメチルシリル(TMS)およびtert-ブチルジメチルシリル(TBS)などのシリルなどを含むが、これらに限定されない。
【0184】
ここに開示する化合物は、次に挙げる実施態様、次に挙げる実施態様と他の化学合成方法の組み合わせにより形成される実施態様および当業者に周知の等価な代替を含む、当業者に周知の多様な合成方法により製造され得る。代替的実施態様は、ここに開示する実施態様を含むが、これらに限定されない。
【0185】
ここに開示する化合物の構造は、当業者に周知の慣用方法により確認できる。本発明が、化合物の絶対配置に関するとき、絶対配置を、単結晶X線回折(SXRD)などの当分野の慣用技術により確認できる。単結晶X線回折(SXRD)において、成長させた単結晶の回折強度データを、Bruker D8 venture回折計を使用して、CuKα放射線の光源で、φ/ωスキャンのスキャニングモードで集める;関連データを集めた後、結晶構造をさらに直接方法(Shelxs97)により分析して、絶対配置を確認する。
【0186】
本発明で使用する溶媒は商業的に入手可能である。
【0187】
化合物は、当分野の一般的命名原則に従いまたはChemDraw(登録商標)ソフトウェアにより命名され、市販化合物は、業者のディレクトリー名により命名される。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【
図1】種々の用量での腫瘍体積の経時的変化を示す。
【0189】
【
図2】種々の用量での動物体重の経時的変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0190】
発明の詳細な記載
本発明を、下に実施例の手段により詳述する。しかしながら、これらの実施例は、本発明にあらゆる不利な限定を課すものではないことが意図される。本発明をここに詳細に記載し、実施態様もここに開示する。ここに開示する実施態様に、ここに開示する精神および範囲から逸脱することなく種々の変更および修飾をなし得ることは、当業者には明らかである。
【0191】
【0192】
化合物1-1(10g、64.03mmol、8.70mL、1当量)およびtert-ブチルスルフィンアミド(7.76g、64.03mmol、1当量)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、チタン酸テトラエチル(29.21g、128.06mmol、26.56mL、2当量)を次いで加えた。混合物を25℃で10時間撹拌した。反応完了後、10gの氷を氷-水浴下に加え、大量の固体を沈殿させた。次いで、テトラヒドロフラン(100mL)を加え、混合物を濾過した。濾液を集め、濃縮して化合物1-2を得て、それを直接次反応工程で使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 9.17 (s, 1H), 9.05 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 7.9, 10.8 Hz, 2H), 7.94 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.72 - 7.63 (m, 1H), 7.59 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.34 (s, 9H); LCMS m/z =260.1 [M+1]+
【0193】
工程2:化合物1-3の合成
【0194】
酢酸メチル(4.28g、57.83mmol、4.60mL、1.5当量)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、混合物を、窒素下-78℃に冷却した。リチウムヘキサメチルジシラジド(1M、59.76mL、1.55当量)を反応溶液にゆっくり滴下した。-78℃で1時間撹拌後、化合物1-2(10g、38.56mmol、1当量)を反応溶液にゆっくり滴下し、混合物をこの温度でさらに1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を飽和水性塩化アンモニウム溶液(80mL)に注加し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を集め、濃縮した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50/1~1/1)で精製して、化合物1-3を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.17 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.57 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 7.54 - 7.52 (m, 1H), 7.52 - 7.44 (m, 2H), 4.78 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.09 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 1.25 - 1.22 (s, 9H); LCMS m/z = 334.1 [M+1]+
【0195】
工程3:化合物1-4の合成
【0196】
化合物酢酸メチル(5.55g、74.98mmol、5.96mL、5当量)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、混合物を、窒素下-78℃に冷却した。ナトリウムヘキサメチルジシラジド(1M、74.98mL、5当量)を反応溶液に加えた。-78℃で1時間撹拌後、化合物1-3(5g、15.00mmol、1当量)を反応溶液にゆっくり滴下し、混合物をこの温度でさらに1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を飽和水性塩化アンモニウム溶液(50mL)に注加し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を集め、濃縮して化合物1-4を得て、それを直接次反応工程で使用した。LCMS m/z=376.1 [M+1]+
【0197】
工程4:化合物1-5の合成
【0198】
化合物1-4(5g、13.32mmol、11.92mL、1当量)をトルエン(50mL)に溶解し、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(15.87g、133.16mmol、17.69mL、10当量)を加え、混合物を19℃で10時間撹拌して、反応させた。反応完了後、反応溶液を飽和水性塩化アンモニウム溶液(80mL)に注加し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を集め、濃縮した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1~10/1)で精製して、化合物1-5を得た。LCMS m/z=431.1 [M+1]+
【0199】
工程5:化合物1-6の合成
【0200】
化合物1-5(2.4g、5.57mmol、1当量)をヒドロクロライド/ジオキサン(4M、60.00mL)に溶解し、混合物を18℃で10時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を直接濃縮して、化合物1-6の塩酸塩を得て、それを直接次反応工程で使用した。LCMS m/z=282.1 [M+1]+
【0201】
工程6:化合物1-7の合成
【0202】
化合物1-6塩酸塩(2g、6.29mmol、1当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、次いで炭酸カリウム(6.15g、18.88mmol、3当量)およびヨードメタン(1.79g、12.59mmol、783.65μL、2当量)を連続的に加え、18℃で10時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を水(30mL)に注加し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50/1~10/1)で精製して、化合物1-7を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.47 (s, 1H), 7.96 - 7.88 (m, 2H), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.62 - 7.51 (m, 2H), 7.48 - 7.41 (m, 1H), 7.35 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.52 - 5.39 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.19(s, 3H),3.23 - 3.14 (m, 1H), 2.98 - 2.87 (m, 1H)
【0203】
工程7:化合物1-8の合成
【0204】
化合物1-7(20mg、67.72μmol、1当量)をエタノール(0.2mL)および1,4-ジオキサン(1mL)に溶解した。塩化ニッケル六水和物(19.32mg、81.26μmol、1.2当量)を次いで加えた。5~10℃に冷却後、水素化ホウ素ナトリウム(1.28mg、33.86μmol、0.5当量)を加え、混合物を、10℃で0.5時間反応させた。反応完了後、混合物を飽和水性塩化アンモニウム溶液(5mL)に注加し、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を飽和塩水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物を薄層クロマトグラフィー分取プレート(展開液:石油エーテル/酢酸エチル=3/1)で精製して、化合物1-8を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 11.99 - 11.85 (m, 1H), 8.67 - 8.49 (m, 1H), 7.92 - 7.85 (m, 1H), 7.85 - 7.77 (m, 1H), 7.57 - 7.41 (m, 4H), 3.82 (s, 3H), 3.56 - 3.51 (m, 1H), 3.16 - 2.95 (m, 2H), 2.68 - 2.47 (m, 1H), 2.15 (s, 3H)
【0205】
工程8:化合物1-9の合成
【0206】
化合物1-8(240mg、807.14μmol、1当量)および尿素(242.36mg、4.04mmol、216.40μL、5当量)をエタノール(5mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(130.80mg、2.42mmol、3当量)を加えた。85℃で10時間反応後、反応溶液を水にゆっくり注加し、次いで酢酸エチル(5mL)を加えた。固体を沈殿させた。混合物を濾過し、固体を集めて、化合物1-9を得た。LCMS m/z=308.1 [M+1]+
【0207】
工程9:化合物1-10の合成
【0208】
化合物1-9(400mg、1.30mmol、1当量)をオキシ塩化リン(132.00g、860.89mmol、80mL)に溶解した。混合物を105℃に加熱して、10時間反応させ、次いで減圧下濃縮して、過剰のオキシ塩化リンを除去した。残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、溶液を、次いで飽和水性重炭酸ナトリウム溶液(20mL)に加えた。水相を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物を薄層クロマトグラフィーカラム(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=20/1~0/1)で精製して、化合物1-10を得た。LCMS m/z=344.0 [M+1]+
【0209】
工程10:化合物1-11の合成
【0210】
化合物1-10(250mg、726.24μmol、1当量)および中間体1-10A塩酸塩(279.24mg、944.12μmol、1.3当量)をイソプロパノール(2mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(375.44mg、2.90mmol、505.98μL、4当量)を加えた。110℃で12時間反応後、反応溶液を直接濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1)で精製して、化合物1-11を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.60 - 8.48 (m, 1H), 7.93 - 7.87 (m, 1H), 7.86 - 7.80 (m, 1H), 7.58 - 7.34 (m, 9H), 5.21 (m, 2H), 4.77 - 4.61 (m, 1H), 4.06 (m, 2H), 3.97 - 3.75 (m, 2H), 3.62 - 3.40 (m, 3H), 3.30 - 3.00 (m, 4H), 2.78 - 2.64 (m, 1H), 2.26 (s, 1.5H), 2.21 (s, 1.5H); LCMS m/z = 567.3 [M+1]+
【0211】
工程11:化合物1-12の合成
【0212】
化合物1-11(100mg、176.34μmol、1当量)および1-11A(60.93mg、529.03μmol、62.81μL、3当量)を1,4-ジオキサン(1.5mL)に溶解し、炭酸セシウム(172.37mg、529.03μmol、3当量)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(16.46mg、35.27μmol、0.2当量)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(32.30mg、35.27μmol、0.2当量)を加えた。混合物を、90℃で窒素下24時間反応させた。反応完了後、反応混合物を直接濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール=100/1~10/1)で精製して、化合物1-12を得た。LCMS m/z=646.4 [M+1]+
【0213】
工程12:化合物1-13の合成
【0214】
化合物1-12(50mg、77.42μmol、1当量)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、Pd/C(77.4mg、10%純度)を加えた。反応系を、H2で3回置き換えた。混合物を15psi、20℃で10時間撹拌して、反応させた。反応完了後、混合物を濾過して化合物1-13のテトラヒドロフラン溶液(70mL)を得て、それを直接次工程で使用した。LCMS m/z=512.3 [M+1]+
【0215】
工程13:化合物1の合成
【0216】
先の工程で得た化合物1-13のテトラヒドロフラン溶液(70mL)に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(17.18mg、132.90μmol、23.15μL、2当量)を加えた。混合物を次いで-20~-30℃に冷却し、塩化アクリロイル(6.01mg、66.45μmol、5.42μL、1当量)を加えた。この温度で30分間の反応後、反応溶液を水(10mL)に注加し、次いで酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物を高速液体クロマトグラフィーカラム(カラム:Phenomenex Luna 80*30mm*3μm;移動相:[10mM NH4HCO3水溶液-アセトニトリル];アセトニトリル%:30%~60%、7分)で精製して化合物1を得て、それは、SFC(Chiralcel OD-3カラム、P1 Rt=1.93分、P2 Rt=2.08分、P1:P2=50.6:49.4)により特定されるとおり、2ジアステレオマーからなった。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.66 - 8.53 (m, 1H), 7.93 - 7.87 (m, 1H), 7.82 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.56 - 7.41 (m, 4H), 6.70 - 6.50 (m, 1H), 6.47 - 6.34 (m, 1H), 5.84 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.38 (m, 1H), 4.27 - 4.09 (m, 2H), 4.05 - 3.78 (m, 4H), 3.60 - 3.35 (m, 3H), 3.23 - 3.01 (m, 4H), 2.84 - 2.60 (m, 3H), 2.50 - 2.41 (m, 3H), 2.30 - 2.21 (m, 4H), 2.10 - 1.98 (m, 1H), 1.90 - 1.66 (m, 4H). LCMS m/z = 566.4 [M+1]+
【0217】
実施例2および3
【化65】
工程1:化合物2-2の合成
【0218】
化合物2-1(2.2g、9.11mmol、1当量)を無水テトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、混合物を、窒素下-78℃に冷却した。次いで、n-BuLi(2.5M、3.64mL、1当量)を滴下し、混合物を-78℃で1時間撹拌して、反応させた。N,N-ジメチルホルムアミド(3.33g、45.55mmol、3.50mL、5当量)を加え、混合物を-78℃でさらに0.5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(10mL)を加えて反応停止させ、次いで水(10mL)を加えた。有機相を分けて除き、水相を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、乾燥剤を除去した。溶媒を減圧下除去して、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~15%)で精製して、化合物2-2を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ =11.32 (s, 1H), 8.04 (dd, J=1.2, 8.0 Hz, 1H), 7.92 (dd, J=1.2, 7.2 Hz, 1H), 7.87 (dd, J=1.2, 8.4 Hz, 1H), 7.71 (dd, J=1.2, 7.2 Hz, 1H), 7.59 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.51 - 7.44 (m, 1H)
【0219】
工程2:化合物2-3の合成
【0220】
水素化ナトリウム(248.01mg、6.20mmol、60%純度、1.2当量)を無水テトラヒドロフラン(5mL)に懸濁し、混合物を窒素下0℃に冷却し、それに、アセト酢酸メチル(600mg、5.17mmol、555.56μL、1当量)を次いで滴下した。10分間撹拌後、n-ブチルリチウム(2.5M、2.27mL、1.1当量)を滴下し、混合物を0℃でさらに20分間撹拌して、反応させた。反応系を次いでドライアイス-アセトン浴で-78℃に冷却し、化合物2-2(1.08g、5.68mmol、1.1当量)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液を滴下した。反応混合物を30分間撹拌し、次いでゆっくり室温に温め、30分間撹拌した。水(30mL)を加えて反応停止させ、水相を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、乾燥剤を除去した。溶媒を濾液から減圧下除去して、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~20%)で精製して、化合物2-3を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.07 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.81 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.63 - 7.49 (m, 2H), 7.35 (t, J=8.0 Hz, 1H), 6.92 (br d, J=9.6 Hz, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.55 (s, 2H), 3.37 (dd, J=1.6, 18.1 Hz, 1H), 3.24 (d, J=1.2 Hz, 1H), 2.86-2.77 (m, 1H)
【0221】
工程3:化合物2-4の合成
【0222】
化合物2-3(520mg、1.70mmol、1当量)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、次いでN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(202.01mg、1.70mmol、225.20μL、1当量)を加えた。得られた反応溶液を25℃で1時間撹拌して反応させ、次いで三フッ化ボロンエーテラート錯体(240.60mg、1.70mmol、209.22μL、1当量)を加え、反応溶液を25℃で18時間撹拌して、反応させた。反応溶液を減圧下濃縮し、残留物を、2M塩酸でpH3~4に調節した。混合物を、次いで酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を減圧下濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~35%)で精製して、化合物2-4を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.56 (d, J=0.8 Hz, 1H), 7.91 (t, J=8.0 Hz, 2H), 7.85 (dd, J=1.2, 8.4 Hz, 1H), 7.65 (dd, J=1.6, 7.6 Hz, 1H), 7.59 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.44 - 7.35 (m, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.27 - 3.17 (m, 1H), 2.92-2.82 (m, 1H). LCMS m/z = 317.0 [M+H]+
【0223】
工程4:化合物2-5の合成
【0224】
化合物2-4(780mg、2.46mmol、1当量)をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、混合物を、窒素下-78℃に冷却した。次いで、リチウムトリ-sec-ブチルボロハイドライド(1M、2.46mL、1当量)を滴下し、混合物を-78℃で1時間撹拌して、反応させた。飽和塩化アンモニウム(5mL)で反応停止させ、次いで酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせおよび減圧下濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~15%)で精製して、化合物2-5を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ =11.81 (s, 1H), 7.99 (d, J=7.2 Hz, 1H), 7.85-7.80 (m, 2H), 7.63 - 7.53 (m, 2H), 7.36 (t, J=7.6 Hz, 1H), 6.30 (dd, J=2.8, 10.4 Hz, 1H), 4.68 - 4.62 (m, 1H), 4.56 - 4.47 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.07 - 2.98 (m, 1H), 2.57 - 2.46 (m, 1H)
【0225】
工程5:化合物2-6の合成
【0226】
化合物2-5(497mg、1.56mmol、1当量)をメタノール(2mL)に溶解し、次いで2-メチルチオ尿素スルフェート(528.27mg、2.81mmol、1.8当量)およびナトリウムメトキシド(421.14mg、7.80mmol、5当量)を加えた。得られた反応溶液を25℃で窒素下18時間撹拌した。メタノールを減圧下除去し、水(1mL)を残留物に加えた。混合物を2M塩酸でpH5~6に調節し、大量の白色固体を沈殿させた。固体を濾過により集め、減圧下乾燥させて、化合物2-6を得た。粗製生成物を直接次反応工程に使用した。LCMS m/z=359.1 [M+H]+
【0227】
工程6:化合物2-7の合成
【0228】
化合物2-6(440.00mg、1.23mmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(316.95mg、2.45mmol、427.15μL、2当量)を無水ジクロロメタン(5mL)に加え、混合物を0℃に冷却した。トリフル酸無水物(449.74mg、1.59mmol、263.00μL、1.3当量)を加えた。添加完了後、混合物を0℃で60分間撹拌して、反応させた。反応溶液を減圧下濃縮して、粗製生成物を得て、それをカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~6%)で精製して、化合物2-7を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.99 (d, J=7.2 Hz, 1H), 7.90-7.82 (m, 2H), 7.66 - 7.54 (m, 2H), 7.44 - 7.33 (m, 1H), 6.46 (dd, J=2.4, 10.4 Hz, 1H), 5.12 - 5.04 (m, 1H), 4.97 - 4.89 (m, 1H), 3.63 (dd, J=2.0, 18.0 Hz, 1H), 3.05-2.90 (m, 1H), 2.57 (s, 3H). LCMS m/z = 491.0 [M+H]+
【0229】
工程7:化合物2-8の合成
【0230】
化合物2-7(121mg、246.48μmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(95.57mg、739.45μmol、128.80μL、3当量)を、N,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)、続いて化合物1-10A塩酸塩(70.31mg、237.71μmol、1.1当量)に加えた。反応溶液中のガスを窒素で置き換え、反応溶液を油浴で100℃で撹拌して、1時間反応させた。反応溶液を減圧下濃縮して、粗製生成物を得て、それをカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~30%)で精製して、化合物2-8を得た。LCMS m/z=600.2 [M+H]+
【0231】
工程8:化合物2-9の合成
【0232】
化合物2-8(125mg、208.29μmol、1当量)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、次いでm-クロロペルオキシ安息香酸(84.57mg、416.58μmol、85%純度、2当量)を加え、得られた反応溶液を20℃で8時間撹拌して、反応させた。反応溶液を濾過して不溶物を除去し、濾液を減圧下濃縮して、粗製生成物を得て、それをカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~60%)で精製して、化合物2-9を得た。LCMS m/z=632.3 [M+H]+
【0233】
工程9:化合物2-10の合成
【0234】
化合物2-9(101mg、159.78μmol、1当量)および1-11A(55.21mg、479.34μmol、56.91μL、3当量)をトルエン(0.8mL)に溶解した。得られた溶液を-5℃に冷却し、次いでt-BuONa(30.71mg、319.56μmol、2当量)を加え、得られた反応溶液を-5~0℃で1時間撹拌して、反応させた。反応溶液を3mLの酢酸エチルで希釈し、水(1mL)および飽和塩水(1mL)で洗浄した。有機相を減圧下濃縮して、粗製生成物を得て、それをカラム(メタノール/ジクロロメタン=0~8%)で精製して、化合物2-10を得た。LCMS m/z=667.3 [M+H]+
【0235】
工程10:化合物2-11および3-1の混合物の合成
【0236】
化合物2-10(101mg、151.38μmol、1当量)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、次いで酢酸パラジウム(6.80mg、30.28μmol、0.2当量)およびトリエチルシラン(88.01mg、756.90μmol、120.90μL、5当量)を加え、得られた反応溶液を室温で1時間撹拌して、反応させた。反応溶液を減圧下濃縮して化合物2-11および3-1の混合物を得て、それを精製せずに直接次反応工程に使用した。化合物2-11:LCMS m/z=555.3 [M+Na]+; 化合物3-1:LCMS m/z=521.3 [M+Na]+
【0237】
工程11:化合物2および3の合成
【0238】
化合物2-11および3-1の混合物をジクロロメタン(1mL)に溶解し、次いでトリエチルアミン(45.95mg、454.14μmol、63.21μL、3当量)を加えた。反応溶液を0℃に冷却した、次いで塩化アクリロイル(20.55mg、227.07μmol、18.52μL、1.5当量)を加え、混合物を30分間撹拌して反応させた。反応溶液を減圧下濃縮して、粗製生成物を得て、それを分取高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:Welch Xtimate C18 150*30mm*5μm;移動相:[水(0.225%ギ酸)-アセトニトリル];アセトニトリル%:15%~55%、8分)により分離して、化合物2および3を得た。化合物2および3は、それぞれジアステレオ異性体の対であった。化合物2:LCMS m/z=587.3 [M+H]+; 化合物3:LCMS m/z=553.3 [M+H]+
【0239】
【0240】
中間体4-14Aの合成
工程1:化合物4-21の合成
【0241】
化合物4-20(3g、8.35mmol、1当量)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、湿パラジウム/炭素(1.2g、10%質量)を加えた。雰囲気を3回水素(562.02μg、278.23μmol、1当量)で置き換え、混合物を、25℃の室温、15Psiで2時間反応させた。反応溶液を濾過し、母液を集め、濃縮して、化合物4-21を得た。LCMS m/z=170.1[M-55+H]+
【0242】
工程2:化合物4-22の合成
【0243】
化合物4-21(0.2g、887.76μmol、1当量)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(269.50mg、2.66mmol、370.70μL、3当量)を加えた。混合物を窒素下0℃に冷却しおよびトリフルオロ酢酸無水物(205.10mg、976.53μmol、135.83μL、1.1当量)を加えた。混合物を、0℃で0.5時間反応させた。混合物を飽和水性塩化アンモニウム溶液(10mL)に注加し、酢酸エチル(5mL*2)を加えた。混合物を飽和塩水(5mL)で洗浄し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=3/1)で精製して、化合物4-22を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 4.86 (s, 1H), 4.51 - 4.06 (m, 2H), 3.88 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 3.52 - 3.33 (m, 1H), 3.24 (dd, J = 4.0, 14.2 Hz, 1H), 3.12 - 2.92 (m, 1H), 2.91 - 2.73 (m, 1H), 2.67 (s, 1H), 1.50 (s, 9H); LCMS: MS m/z = 222.0 [M-100+H]+
【0244】
工程3:化合物4-14Aの合成
【0245】
化合物4-22(150mg、466.86μmol、1当量)を塩酸塩/ジオキサン(5M、8mL、85.68当量)に溶解した。混合物を18℃で窒素下1時間反応させ、次いで直接回転蒸発させて乾固して、化合物4-14A塩酸塩を得た。LCMS: MS m/z=222.0 [M+H]+
【0246】
実施例4の合成
【0247】
工程1:化合物4-2の合成
【0248】
水(210mL)および塩酸(210mL、36~38%質量含量)を混合した後、化合物4-1(36.00g、176.44mmol、1当量)を加えた。混合物を65℃に加熱し、1時間反応させ、次いで0~5℃に冷却した。亜硝酸ナトリウム(14.61g、211.72mmol、1.2当量)の水(70mL)溶液を滴下し、混合物を15分間撹拌した。塩化第一銅(26.20g、264.65mmol、6.33mL、1.5当量)を塩酸(350mL、36~38%質量含量)に溶解し、溶液を0~5℃に冷却した。上記溶液を反応溶液に滴下し、混合物をさらに6時間反応させた。750mLのジクロロメタンを反応系に加え、混合物を20分間撹拌した。層を分離した。有機相を350mLの飽和塩水で1回洗浄し、30.00gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させて、化合物4-2を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.24 - 7.21 (m, 1H), 6.94 (dd, J = 2.8, 8.8 Hz, 1H), 2.43 (s, 3H)
【0249】
工程2:化合物4-3の合成
【0250】
テトラヒドロフラン(395mL)および化合物4-2(39.50g、176.76mmol、1当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。混合物を-70~-65℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(2M、106.05mL、1.2当量)を滴下し、混合物をさらに1時間反応させた。次いで、N,N-ジメチルホルムアミド(18.76g、256.70mmol、19.75mL、1.45当量)を加え、混合物をさらに1時間反応させた。500mLの飽和塩化アンモニウム溶液を反応系に加え、次いで層を分離した。有機相を300mLの飽和塩水で1回洗浄し、次いで20gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させて、化合物4-3を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 10.28 (s, 1H), 7.08 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 2.51 (s, 3H); LCMS m/z = 245.0[M+H]+, 247.0[M+3H]+
【0251】
工程3:化合物4-4の合成
【0252】
ジメチルスルホキシド(300mL)および化合物4-3(20.00g、79.53mmol、1当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。次いで、ヒドラジン水和物(48.75g、954.35mmol、47.33mL、98%質量含量、12当量)を加え、混合物を130℃に加熱し、3時間反応させた。反応溶液を小規模反応溶液と合わせ、次いで混合物を700mLの水に注加した。混合物を濾過し、フィルターケーキを水(100mL×3回)で洗浄した。得られたフィルターケーキを300mLの酢酸エチルに溶解し、層を分離した。有機相を50.00gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させて、化合物4-4を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 10.38 (brs, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 2.57 (s, 3H); LCMS m/z = 245.1[M+H]+, 247.1[M+3H]+
【0253】
工程4:化合物4-5の合成
【0254】
ジクロロメタン(200mL)および化合物4-4(20.00g、81.47mmol、1当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。次いで、ピリジニウムp-トルエンスルホネート(2.05g、8.15mmol、0.1当量)および2-メチルヒドロキシ-3,4-ジヒドロピラン(20.56g、244.40mmol.、3当量)を連続的に加えた。混合物を、20℃で12時間反応させた。200mLの水を反応系に加えた後、反応溶液の層を直接分離した。有機相を20.00gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させて、粗製化合物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/0~70/30、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=5/1)で精製して、化合物4-5を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.95 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 5.67 (dd, J = 2.8, 8.8 Hz, 1H), 4.02 - 3.98 (m, 1H), 3.79 - 3.71 (m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.54 - 2.46 (m, 1H), 2.18 - 2.05 (m, 2H), 1.80 - 1.66 (m, 3H); LCMS m/z = 329.0[M+H]+, 331.0[M+3H]+
【0255】
工程5:化合物4-6の合成
【0256】
テトラヒドロフラン(160mL)および化合物4-5(16g、48.54mmol、1当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。混合物を-70~-65℃に冷却した後、n-ブチルリチウム(2.5M、21.36mL、1.1当量)をゆっくり滴下し、混合物をさらに1時間反応させた。次いで、N,N-ジメチルホルムアミド(35.48g、485.41mmol、37.35mL、10当量)を加え、混合物をさらに0.5時間反応させた。250mLの飽和塩化アンモニウム溶液を加えた後、層を分離した。有機相を150mLの飽和塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させて、油状物質を得た。油状物質を7mLの酢酸エチルと混合した。混合物を20分間スラリー化し、次いで濾過した。フィルターケーキを減圧下、45℃で回転蒸発させて、化合物4-6を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 10.72 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 5.70 (dd, J = 2.8, 8.8 Hz, 1H), 3.98 - 3.94 (m, 1H), 3.75 - 3.68 (m, 1H), 2.55 (s, 3H), 2.53 - 2.45 (m, 1H), 2.16 - 2.05 (m, 2H), 1.83 - 1.61 (m, 3H); LCMS m/z = 279.1[M+H]+
【0257】
工程6:化合物4-7の合成
【0258】
テトラヒドロフラン(54mL)および化合物4-6(5.4g、19.37mmol、1当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。次いで、tert-ブチルスルフィンアミド(2.58g、21.31mmol、232.15μL、1.1当量)およびチタン酸テトライソプロピル(8.84g、38.75mmol、8.04mL、2当量)を加え、混合物を、20℃で12時間反応させた。50mLの飽和塩化アンモニウム溶液を反応系に加えた後、層を分離した。有機相を3.00gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濾過した。濾液を減圧下45℃で回転蒸発させた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/0~50/50、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=10/1)で精製して、化合物4-7を得た。LCMS m/z=382.2[M+H]+
【0259】
工程7:化合物4-8の合成
【0260】
テトラヒドロフラン(35mL)および水素化ナトリウム(829.50mg、20.74mmol、60%質量含量、1.2当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。次いで、混合物を0~5℃に冷却し、アセト酢酸メチル(2.41g、20.74mmol、2.23mL、1.2当量)を滴下した。混合物を20分間反応させた。次いで、n-ブチルリチウム(2.5M、7.60mL、1.1当量)を滴下し、混合物をさらに20分間反応させた。混合物を-70~-65℃に冷却した後、化合物4-7(6.60g、17.28mmol、1当量)のテトラヒドロフラン(35mL)溶液を滴下し、混合物をさらに20分間反応させた。混合物を20℃の室温にゆっくり温め、さらに0.5時間反応させた。反応溶液を100mLの飽和塩化アンモニウム溶液に注加した。1gバッチと合わせた後、層を分離した。有機相を3.00gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/0~20/80、TLC:PE/EtOAc=0:1)で精製して、化合物4-8を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.20 (s, 1H), 7.44 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.72 - 5.64 (m, 2H), 4.04 - 3.99 (m, 1H), 3.77 - 3.69 (m, 4H), 3.57 - 3.46 (m, 2H), 3.15 - 3.08 (m, 1H), 2.59 - 2.52 (m, 4H), 2.16 - 2.05 (m, 2H), 1.83 - 1.65 (m, 4H), 1.20 - 1.18 (m, 9H); LCMS m/z = 498.2[M+H]+
【0261】
工程8:化合物4-9の合成
【0262】
トルエン(66mL)および化合物4-8(6.60g、13.25mmol、1当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。次いで、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(4.74g、39.76mmol、5.28mL、3当量)を加え、混合物を、20℃の室温で12時間反応させた。60mLの水および60mLの酢酸エチルを反応系に加えおよび混合物を5分間撹拌した。層を分離した。有機相を60mLの飽和塩水で1回洗浄し、5.00gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、50℃で回転蒸発させて、化合物4-9を得て、それを直接次工程で使用した。
【0263】
工程9:化合物4-10の合成
【0264】
化合物4-9(50mg、90.40μmol、1当量)を塩酸塩/酢酸エチル(3mL)に溶解した。混合物を18℃で20分間撹拌した。反応溶液を直接濃縮して、化合物4-10塩酸塩として粗製生成物を得た。LCMS m/z=320.0[M+H]+
【0265】
工程10:化合物4-11の合成
【0266】
化合物4-10(5.00g、14.04mmol、1当量、HCl)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、トリエチルアミン(5.97g、58.96mmol、8.21mL、4.2当量)、二炭酸tert-ブチル(12.25g、56.15mmol、12.90mL、4当量)および4-ジメチルアミノピリジン(1.71g、14.04mmol、1当量)を加えた。反応混合物を18℃で10時間撹拌した。反応混合物を0.5gバッチと合わせて、処理した。混合物を飽和水性塩化アンモニウム溶液(100mL)で反応停止させ、ジクロロメタン(30mL*2回)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50/1~0/1、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製して、化合物4-11を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 9.02 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 6.16 (dd, J = 5.2, 8.8 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.10 (dd, J = 8.4, 16.0 Hz, 1H), 2.82 (m, 1H), 2.48 (s, 3H), 1.63 (s, 9H), 1.18 (s, 9H). LCMS m/z = 520.1[M+H]+
【0267】
工程11:化合物4-12の合成
【0268】
化合物4-11(3.00g、5.77mmol、1当量)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、溶液を-78℃に冷却した。リチウムトリ-sec-ブチルボロハイドライド(1M、5.77mL、1当量)を、窒素下反応溶液に滴下し、混合物を0.5時間撹拌した。反応混合物を飽和水性塩化アンモニウム溶液(30mL)で反応停止させ、酢酸エチル(20mL×2回)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、化合物4-12の粗製生成物を得た。LCMS m/z=522.2[M+H]+, 466.1[M-56+H]+
【0269】
工程12:化合物4-13の合成
【0270】
化合物4-12(2.30g、4.41mmol、1当量)および2-メチル-2-チオシュード尿素二硫酸塩(1.66g、8.81mmol、2当量、H2SO4)をメタノール(430mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(476.05mg、8.81mmol、2当量)を加えた。混合物を18℃で1.5時間撹拌した。次いで、ナトリウムメトキシド(357.04mg、6.61mmol、1.5当量)を反応溶液に加え、混合物を18℃で10時間撹拌した。混合物を回転蒸発して乾固し、水(50mL)を加えた。混合物を1M希塩酸でpH2~3に調節し、白色固体を沈殿させた。固体を濾過により集めた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1~0/1、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製して、化合物4-13を得た。LCMS m/z=562.1[M+H]+
【0271】
工程13:化合物4-14の合成
【0272】
化合物4-13(0.328g、583.55μmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(377.09mg、2.92mmol、508.21μL、5当量)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、トリフル酸無水物(246.96mg、875.32μmol、144.42μL。1.5当量)を0℃で加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を0.56gバッチと合わせて、処理した。混合物を飽和水性塩化アンモニウム溶液(50mL)に注加し、酢酸エチル(20mL×3回)で抽出した。有機相を飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20/1~5/1、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=5/1)で精製して、化合物4-14を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.21 - 8.11 (m, 1H), 8.00 - 7.90 (m, 1H), 5.86 - 5.69 (m, 1H), 5.25 - 5.09 (m, 1H), 4.68 - 4.46 (m, 1H), 3.57 - 3.42 (m, 1H), 3.27 - 3.08 (m, 1H), 2.66 - 2.41 (m, 6H), 1.79 - 1.67 (m, 9H), 1.21 - 1.07 (m, 9H); LCMS m/z = 637.9[M-56+H]+, 639.8[M-56+3H]+
【0273】
工程14:化合物4-15の合成
【0274】
化合物4-14(630mg、907.60μmol、1当量)および化合物4-14A(420.90mg、1.63mmol、1.8当量、HCl)をN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(469.19mg、3.63mmol、632.33μL、4当量)を加えた。混合物を20℃で2時間撹拌した。混合物を水(30mL)に注加し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50/1~1/1、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=0/1)で精製して、化合物4-15を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.18 - 8.05 (m, 1H), 8.04 - 7.93 (m, 1H), 5.75 - 5.45 (m, 1H), 5.06 - 4.89 (m, 1H), 4.66 - 4.35 (m, 1H), 4.19 - 3.84 (m, 3H), 3.82 - 3.45 (m, 1H), 3.43 - 3.12 (m, 2H), 3.06 - 2.75 (m, 6H), 2.61 - 2.38 (m, 5H), 1.79 - 1.60 (m, 9H), 1.14 - 0.85 (s, 9H); LCMS m/z = 765.0[M+H]+
【0275】
工程15:化合物4-16の合成
【0276】
化合物4-15(400.00mg、522.71μmol、1当量)をジクロロメタン(8mL)に溶解し、m-クロロペルオキシ安息香酸(200.00mg、985.11μmol、85%質量含量、1.88当量)を加えた。混合物を20℃で2時間撹拌した。混合物を200mgバッチと合わせて、処理した。反応溶液を水性亜硫酸ナトリウム(20mL、10%)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2 100メッシュ、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~1/1、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=2/1)で精製して、化合物4-16を得た。LCMS m/z=697.1[M-100+H]+
【0277】
工程16:化合物4-17の合成
【0278】
化合物1-11A(57.79mg、501.73μmol、59.57μL、4当量)をトルエン(1mL)に溶解し、ナトリウムtert-ブトキシド(42.19mg、439.01μmol、3.5当量)を0℃で加えた。混合物を15分間撹拌した。次いで、化合物4-16(100.00mg、125.43μmol、1当量)の0.1mL トルエン溶液を反応溶液にゆっくり加え、混合物を、0℃で30分間反応させた。反応混合物を水(5mL)で反応停止させ、酢酸エチル(5mL×2)で抽出した。有機相を合わせて、化合物4-17を得た。LCMS m/z=636.1[M+H]+
【0279】
工程17:化合物4-18の合成
【0280】
化合物4-17(79.80mg、125.44μmol、1当量)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(81.06mg、627.18μmol、109.24μL、5当量)を18℃で加えた。混合物を-78℃に冷却した。塩化アクリロイル(4.54mg、50.17μmol、4.09μL、0.4当量)を反応溶液にゆっくり加え、混合物を、-78℃で0.5時間反応させた。8.00mgのさらなる塩化アクリロイルを加え、混合物をさらに1時間反応させた。反応混合物を飽和水性塩化アンモニウム(5mL)で反応停止させ、ジクロロメタン(5mL*2)で抽出した。有機相を合わせ。粗製生成物を炭酸カリウム(1.7M、1mL)/メタノール(1mL)に加え、混合物を18℃で1時間撹拌した。生成物を測定して(時間=0.943)、化合物4-18を得た。LCMS m/z=690.3[M+H]+
【0281】
工程18:化合物4Aおよび4Bの合成
【0282】
化合物4-18(100mg、144.88μmol、1当量)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3.08g、27.01mmol、2.00mL、186.45当量)および混合物を、18℃で1時間反応させた。混合物を濃縮して、化合物4-19を得た。化合物4-19を高速液体クロマトグラフィーカラム(カラム:Phenomenex luna C18 100*40mm*5μm;移動相:[H2O(0.1%TFA)-アセトニトリル];アセトニトリル%:5%~30%、8分)により精製した。サンプルに、0.05mLの希塩酸0.2mLを加えた。混合物を減圧下濃縮して、化合物4A塩酸塩(ピークまでの時間:2.417分、LCMS m/z=590.1 [M+H]+, 295.9[M/2+H]+)および化合物4B塩酸塩(ピークまでの時間:2.388分、LCMS m/z=590.1[M+H]+, 295.9[M/2+H]+)を得た。
【0283】
【0284】
テトラヒドロフラン(27mL)および水素化ナトリウム(789.28mg、19.73mmol、60%質量含量、2当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。次いで、混合物を0~5℃に冷却し、アセト酢酸メチル(2.29g、19.73mmol、2.12mL、2当量)を滴下した。混合物を30分間反応させた。次いで、n-ブチルリチウム(2.5M、7.50mL、1.9当量)を滴下し、混合物をさらに30分間反応させた。混合物を、次いで-70~-65℃に冷却した。化合物4-6(2.75g、9.87mmol、1当量)のテトラヒドロフラン(27mL)溶液を滴下し、混合物をさらに0.5時間反応させた。反応溶液を50mLの飽和塩化アンモニウム溶液に注加することにより、反応停止させた。有機相を1.50gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/0~70/30、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製して、化合物5-1を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.40 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 5.95 - 5.91 (m, 1H), 5.69 - 5.64 (m, 1H), 4.04 - 3.98 (m, 1H), 3.78 - 3.70 (m, 4H), 3.56 (d, J = 0.8 Hz, 2H), 3.37 (d, J = 3.2, 8.4 Hz, 1H), 3.08 - 2.99 (m, 2H), 2.61 - 2.54 (m, 1H), 2.50 (s, 3H), 2.18 - 2.04 (m, 2H), 1.81 - 1.70 (m, 2H). LCMS: MS m/z = 395.0[M+H]+
【0285】
工程2:化合物5-2の合成
【0286】
ジクロロメタン(25mL)および化合物5-1(1.6g、4.05mmol、1当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。次いで、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(724.30mg、6.08mmol、807.47μL、1.5当量)を加え、混合物を、20℃の室温で12時間反応させた。次いで、混合物を0~5℃に冷却した。三フッ化ホウ素エーテラート(575.13mg、4.05mmol、500.11μL、1当量)を加えた。混合物を、20℃の室温でさらに1時間反応させた。反応溶液を減圧下、30℃で回転蒸発させて、化合物5-2を得て、それを直接次工程で使用した。
【0287】
工程3:化合物5-3の合成
【0288】
テトラヒドロフラン(58mL)および化合物5-2(3.9g、8.40mmol、87.233%質量含量、1当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。混合物を-70~-65℃に冷却し、リチウムトリ-sec-ブチルボロハイドライド(1M、9.24mL、1.1当量)を滴下した。混合物を0.5時間反応させた。反応溶液を50mLの飽和塩化アンモニウム溶液に注加した。有機相を2.00gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/0~70/30、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=5/1)で精製して、化合物5-3を得た。LCMS: MS m/z=407.0[M+H]+
【0289】
工程4:化合物5-4の合成
【0290】
メタノール(4mL)、化合物5-3(0.65g、1.60mmol、1当量)およびメチルイソチオ尿素硫酸塩 (1.22g、6.39mmol、4当量、H2SO4)を予め準備した反応フラスコに加え、撹拌した。次いで、ナトリウムメトキシド(172.61mg、3.20mmol、2当量)を加え、混合物を、25℃の室温で1時間反応させた。さらにナトリウムメトキシド(172.62mg、3.20mmol、2当量)を加えた後、混合物をさらに15時間反応させた。反応溶液を減圧下、45℃で回転蒸発させた。10mLの水を得られた白色固体に加え、混合物を10mLの酢酸エチルで抽出した。層を分離した。有機相を10mLの飽和塩水で1回洗浄し、0.50gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/0~40/60、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製して、化合物5-4を得た。LCMS: MS m/z=447.0[M+H]+
【0291】
工程5:化合物5-5の合成
【0292】
ジクロロメタン(20mL)および化合物5-4(610mg、1.36mmol、1当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。混合物を0~5℃に冷却した後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(617.36mg、4.78mmol、832.02μL、3.5当量)およびトリフル酸無水物(770.13mg、2.73mmol、450.37μL、2当量)を連続的に加えた。混合物を0.5時間反応させた。反応溶液を20mLの飽和塩化アンモニウム溶液に注加し、次いで層を分離した。有機相を10mLの飽和塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/0~70/30、TLC:石油エーテル/酢酸エチル=5/1)で精製して、化合物5-5を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.26 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 5.73 - 5.67 (m, 1H), 5.53 - 5.49 (m, 1H), 5.15 (dd, J = 3.2, 15.6 Hz, 1H), 4.88 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 4.06 - 3.99 (m, 1H), 3.80 - 3.72 (m, 1H), 3.30 - 3.25 (m, 1H), 3.12 - 3.04 (m, 1H), 2.61 - 2.49 (m, 7H), 2.19 - 2.07 (m, 2H), 1.83 - 1.68 (m, 3H)
【0293】
工程6:化合物5-6の合成
【0294】
N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)および化合物5-5(0.33g、569.94μmol、1当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。次いで、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(368.29mg、2.85mmol、496.35μL、5当量)および化合物5-5a(143mg.、1.14mmol、2.00当量、2HCl)を連続的に加えた。混合物を100℃に加熱し、1時間反応させた。反応溶液を20mLの飽和塩化アンモニウム溶液に注加し、混合物を、次いで10mLの酢酸エチルに加えた。層を分離した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/0~85/15、TLC:ジクロロメタン/メタノール=15/1)で精製して、化合物5-6を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.22 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.71 - 5.66 (m, 1H), 5.57 - 5.53 (m, 1H), 4.89 - 4.80 (m, 2H), 4.05 - 3.86 (m, 2H), 3.77 - 3.32 (m, 1H), 3.60 - 3.57 (m, 1H), 3.39 - 3.38 (m, 1H), 3.31 - 3.26 (m, 1H), 3.23 - 3.17 (m, 1H), 3.12 - 3.09(m, 1H), 3.02 - 2.96 (m, 3H), 2.93 - 2.83 (m, 2H), 2.57 - 2.56 (m, 1H), 2.54 - 2.52 (m, 7H), 2.16 - 2.04 (m, 2H), 1.79 - 1.71 (m, 3H). LCMS: MS m/z = 554.0[M+H]+
【0295】
工程7:化合物5-7の合成
【0296】
化合物5-6(190mg、342.90μmol、1当量)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、撹拌した。次いで、混合物を0~5℃に冷却し、トリフルオロ酢酸無水物(108.03mg、514.34μmol、71.54μL、1.5当量)およびトリエチルアミン(121.44mg、1.20mmol、167.04μL、3.5当量)を加えた。混合物を0.5時間反応させた。反応溶液を10mLの飽和塩化アンモニウム溶液に注加し、次いで10mL ジクロロメタンで抽出した。有機相を飽和塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させて、化合物5-7を得た。LCMS: MS m/z=650.2[M+H]+
【0297】
工程8:化合物5-8の合成
【0298】
ジクロロメタン(5mL)および化合物5-7(0.2g、290.04μmol、94.281%質量含量、1当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。次いで、m-クロロペルオキシ安息香酸(143.96mg、667.37μmol、80%質量含量、2.30当量)を加え、混合物を、25℃の室温で0.5時間反応させた。反応溶液を20mLのチオ硫酸ナトリウム溶液(10%)に注加し、混合物を15mLのジクロロメタンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/0~85/15、TLC:ジクロロメタン/メタノール=15/1)で精製して、化合物5-8を得た。LCMS: MS m/z=682.0[M+H]+
【0299】
工程9:化合物5-9の合成
【0300】
トルエン(5mL)および化合物1-11A(148.59mg、1.29mmol、153.18μL、4当量)を予め準備した清潔な反応フラスコに加え、撹拌した。次いで、混合物を0~5℃に冷却し、ナトリウムtert-ブトキシド(123.98mg、1.29mmol、4当量)を加えた。混合物を15分間反応させた。化合物5-8(0.22g、322.53μmol、1当量)の0.2mLのトルエン溶液を素早く加え、混合物を0.5時間反応させた。反応溶液を10mLの飽和塩化アンモニウム溶液に注加し、混合物を10mLのジクロロメタンで抽出した。有機相を10mLの飽和塩水で1回洗浄し、0.50gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させて、化合物5-9を得た。LCMS: MS m/z=621.4[M+H]+
【0301】
工程10:化合物5-10の合成
【0302】
ジクロロメタン(5mL)および化合物5-9(98.26mg、125.80μmol、79.529%質量含量、1当量)を予め準備した反応フラスコに加え、撹拌した。混合物を、次いで-60℃に冷却し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(162.59mg、1.26mmol、219.12μL、10当量)を加えた。塩化アクリロイル(17.08mg、188.70μmol、15.39μL、1.5当量)の0.3mLのジクロロメタン溶液を滴下し、混合物を10分間反応させた。反応溶液を5mLの飽和塩化アンモニウム溶液に注加し、層を分離した。有機相を5mLの飽和塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、35℃で回転蒸発させて、化合物5-10を得て、それを直接次工程で使用した。LCMS: MS m/z=675.1[M+H]+
【0303】
工程11:化合物5Aおよび5Bの合成
【0304】
ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(4mL、5/3)および化合物5-10(0.1g、148.10μmol、1当量)を反応フラスコに加え、混合物を、25℃の室温で0.5時間反応させた。反応溶液を15mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液にゆっくり滴下し、次いで混合物を10mLのジクロロメタンで抽出した。有機相を10mLの飽和塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、30℃で回転蒸発させた。粗製生成物を高速液体クロマトグラフィーカラム(カラム:Phenomenex Gemini-NX 150*30mm*5μm;移動相:[H2O(0.1%TFA)-アセトニトリル];アセトニトリル%:20%~50%、9分)で精製して、化合物5-11を得た。化合物5-11をSFC(DAICEL CHIRALPAK AS(250mm*30mm, 10μm);移動相:[0.1%NH3H2O EtOH];エタノール:50%~50%、15分)により分解した。
【0305】
5Aを得た(キラルカラムでのピークまでの時間:1.516)。SFC分割方法(カラム:Chiralpak AD-3、50×4.6mm、I.D.、3μm;移動相:A(CO2)およびB(イソプロパノール、0.05%ジエタノールアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi。光学純度:91.04%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.26 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 6.62 - 6.56 (m, 1H), 6.42 - 6.38 (m, 1H), 5.84 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 5.58 (dd, J = 4.0, 11.2 Hz, 1H), 4.94 (s, 2H), 4.55 - 4.43 (m, 1H), 4.27 - 4.18 (m, 1H), 4.02 - 3.87 (m, 1H), 3.76 - 3.73 (m, 1H), 3.23 - 3.18 (m, 4H), 3.07 - 2.98 (m, 2H), 2.87 - 2.74 (m, 3H), 2.56 - 2.53 (m, 6H), 2.13 - 2.07 (m, 1H), 1.82 - 1.76 (m, 3H), 1.37 - 1.29 (m, 3H). LCMS: MS m/z = 591.2[M+H]+
【0306】
5Bを得た(キラルカラムでのピークまでの時間:1.800)。SFC分割方法(カラム:Chiralpak AD-3、50×4.6mm、I.D.、3μm;移動相:A(CO2)およびB(イソプロパノール、0.05%ジエタノールアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi。光学純度:99.74%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.31 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 6.63 - 6.53 (m, 1H), 6.42 - 6.37 (m, 1H), 5.83 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 5.59 (dd, J = 4.0, 11.2 Hz, 1H), 4.98 - 4.88 (m, 2H), 4.55 - 4.80 (m, 1H), 4.24 - 4.19 (m, 1H), 4.01 - 3.97 (m, 1H), 3.93 - 3.85 (m, 1H), 3.74 - 3.69 (m, 1H), 3.56 - 3.52 (m, 1H), 3.28 - 3.05 (m, 3H), 3.03 - 2.95 (m, 1H), 2.83 - 2.69 (m, 3H), 2.58 - 2.53 (m, 6H), 2.43 - 2.33 (m, 1H), 2.12 - 2.06 (m, 1H), 1.91 - 1.86 (m, 1H), 1.81 - 1.79 (m, 2H), 1.45 - 1.30 (m, 2H). LCMS: MS m/z = 591.2[M+H]+
【0307】
【0308】
化合物4-17(190mg、298.65μmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(192.99mg、1.49mmol、260.10μL、5当量)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸無水物(94.09mg、447.98μmol、62.31μL、1.5当量)を0℃で加えた。混合物を、0℃で0.5時間反応させた。反応混合物を飽和水性塩化アンモニウム(5mL)で反応停止させ、ジクロロメタン(5mL*2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、化合物6-1を得た。LCMS: MS m/z=732.3[M+H]+
【0309】
工程2:化合物6-2の合成
【0310】
化合物6-1(200mg、273.15μmol、1当量)をジクロロメタン(4mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3.08g、27.01mmol、2mL、98.89当量)を0℃で加えた。混合物を、18℃で0.5時間反応させた。混合物を直接回転蒸発させて乾固して、粗製生成物を得て、それを高速液体クロマトグラフィーカラム(Phenomenex Gemini-NX 150*30mm*5μm;移動相:[H2O(0.1%TFA)-アセトニトリル];アセトニトリル%:30%~60%、9分)で精製して、化合物6-2を得た。LCMS: MS m/z=632.3[M+H]+
【0311】
工程3:化合物6-3の合成
【0312】
化合物6-2(110mg、174.03μmol、1当量)およびパラホルムアルデヒド(88.91mg、1.74mmol、10当量)を1,2-ジクロロエタン(1mL)およびメタノール(1mL)に溶解した。氷酢酸(1.05mg、17.40μmol、9.95e-1μL、0.1当量)を加え、混合物を30分間撹拌した。ナトリウムシアノボロハイドライド(21.87mg、348.06μmol、2当量)を加え、混合物を25℃で10時間撹拌した。混合物を飽和水性塩化アンモニウム(10mL)に注加し、ジクロロメタン(5mL×3)を加えた。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、化合物6-3を得た。LCMS: MS m/z=646.1[M+H]+, 647.7[M+2H]+
【0313】
工程4:化合物6-4の合成
【0314】
化合物6-3(90mg、139.30μmol、1当量)をメタノール(3mL)に溶解し、炭酸カリウム(1.7M、2.70mL、32.95当量)を加えた。混合物を、18℃で1時間反応させた。反応混合物を飽和水性塩化アンモニウム(5mL)で反応停止させ、酢酸エチル(5mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、化合物6-4を得た。LCMS: MS m/z=550.2[M+H]+, 551.8[M+2H]+
【0315】
工程5:化合物6Aおよび6Bの合成
【0316】
化合物6-4(76mg、138.16μmol、1当量)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(267.83mg、2.07mmol、360.96μL、15当量)を加えた。塩化アクリロイル(12.50mg、138.16μmol、11.27μL、1当量)を-60℃で加えた。混合物を、-60℃で0.5時間反応させた。混合物を飽和水性塩化アンモニウム(5mL)で反応停止させ、酢酸エチル(5mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、濃縮して、化合物6-5を得て、それを高速液体クロマトグラフィーカラム(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[H2O(0.04%NH3H2O+10mM NH4HCO3)-ACN];アセトニトリル%:25%~55%、6分)で精製して化合物6-5を得て、それをSFC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[H2O(0.04%NH3H2O+10mM NH4HCO3)-ACN];アセトニトリル%:25%~55%、6分)により単離して、化合物6A((キラルカラムでのピークまでの時間=1.435分)、SFC分析方法(カラム:Chiralpak AD-3、50×4.6mm, I.D., 3μm;移動相:A(CO2)およびB(イソプロパノール、0.05%ジエタノールアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi。光学純度:87.38%。LCMS: MS m/z=604.1[M+H]+)および化合物6B((キラルカラムにおけるピークまでの時間=1.643)、SFC分析方法(カラム:Chiralpak AD-3、50×4.6mm, I.D., 3μm;移動相:A(CO2)およびB(イソプロパノール、0.05%ジエタノールアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi。光学純度:100%。LCMS: MS m/z=604.1[M+H]+)を得た。
【0317】
【0318】
N,N-ジメチルホルムアミド(6mL)および化合物5-9(150mg、193.18μmol、80%質量含量、1当量)を予め準備した反応フラスコに加え、撹拌した。混合物を、次いで0~5℃に冷却した。次いで、2-フルオロアクリル酸(26.10mg、289.78μmol、3.08μL、1.5当量)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(110.18mg、289.78μmol、1.5当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(74.90mg、579.55μmol、100.94μL、3当量)を連続的に加え、混合物を0.5時間反応させた。反応溶液を15mLの飽和塩化アンモニウム溶液に注加し、20mLの酢酸エチルで抽出した。水相を15mLの酢酸エチルで1回洗浄した。有機相を合わせ、15mLの飽和塩水で1回洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50/1、30/1、20/1、15/1、10/1、TLC:ジクロロメタン/メタノール=10/1)で精製して、化合物7-1を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.24 - 8.21 (m, 1H), 7.48 - 7.43 (m, 1H), 5.71 - 5.65 (m, 1H), 5.61 - 5.55 (m, 1H), 5.27 - 5.23 (m, 1H), 4.97- 4.84 (m, 2H), 4.60- 4.56 (m, 2H), 4.06- 4.00 (m, 2H), 3.76 - 3.67 (m, 5H), 3.57 - 3.37 (m, 2H), 3.21 - 3.15 (m, 4H), 3.04 - 2.97 (m, 4H), 2.93 - 2.81 (m, 3H), 2.54 (s, 3H), 2.38 - 2.33 (m, 1H), 2.19 - 2.05 (m, 6H), 1.79 - 1.66 (m, 3H). LCMS: MS m/z = 693.2[M+H]+
【0319】
工程2:化合物7Aおよび7Bの合成
【0320】
ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(7mL、5/3)および化合物7-1(70mg、100.98μmol、1当量)を反応フラスコに加え、混合物を、25℃の室温で3時間反応させた。反応溶液を15mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液にゆっくり滴下し、次いで小規模反応溶液と混合した。混合物を10mLのジクロロメタンで抽出した。有機相を10mLの飽和塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、30℃で回転蒸発させて、粗製生成物を得て、それを高速液体クロマトグラフィーカラム(カラム:Phenomenex luna C18 100*40mm*5μm;移動相:[H2O(0.1%TFA)-アセトニトリル];アセトニトリル%:10%~35%、8分)で精製して化合物7-2を得て、それをSFC(カラム:DAICEL CHIRALCEL OJ(250mm*30mm, 10μm);移動相:[0.1%NH3H2O EtOH];EtOH%:40%~40%、15分)により単離した。
【0321】
化合物7Aを得た(キラルカラムでのピークまでの時間:1.263分)。SFC分割方法(カラム:Chiralcel OJ-3、50×4.6mm I.D.、3μm;移動相:A(CO2)およびB(エタノール、0.05%ジイソプロピルアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi。光学純度:91.94%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ=8.29 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 5.61 - 5.57 (m, 1H), 5.48 - 5.32 (m, 1H), 5.28 - 5.24 (m, 1H),4.95 - 4.86 (m, 3H), 4.44 - 4.43 (m, 1H), 4.20 - 4.16 (m, 2H), 3.97 - 3.93 (m, 1H), 3.80 - 3.78 (m, 1H), 3.50 - 3.48 (m, 1H), 3.27 - 3.22 (m, 1H), 3.14 - 2.95 (m, 4H), 2.81 - 2.71 (m, 3H), 2.52 - 2.50 (m, 7H), 2.34 - 2.28 (m, 1H), 2.08 - 2.02 (m, 1H), 1.91 - 1.84 (m, 2H). LCMS: MS m/z=609.2[M+H]+
【0322】
化合物7Bを得た(キラルカラムでのピークまでの時間:1.393分)。SFC分割方法(カラム:Chiralcel OJ-3、50×4.6mm I.D.、3μm;移動相:A(CO2)およびB(エタノール、0.05%ジイソプロピルアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi。光学純度:82.48%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ=8.26 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 5.59 - 5.55 (m, 1H), 5.48 - 5.36 (m, 1H), 5.29 - 5.24 (m, 1H),4.93 (s, 2H), 4.42 - 4.40 (m, 1H), 4.24 - 4.20 (m, 2H), 3.73 - 3.70 (m, 1H), 3.24 - 2.98 (m, 8H), 2.90 - 2.71 (m, 3H), 2.53 - 2.48 (m, 7H), 2.33 - 2.31 (m, 1H), 2.09 - 2.04 (m, 1H), 1.89 - 1.85 (m, 2H). LCMS: MS m/z=609.1[M+H]+
【0323】
【0324】
乾燥2L三口フラスコ(無水および無酸素環境)で、水素化ナトリウム(39.12g、978.08mmol、60%質量含量、2.4当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(510mL)に加え、反応系は非均質で灰色となった。混合物を0℃に冷却し、化合物8-1(51g、407.53mmol、1当量)のN,N-ジメチルホルムアミド(200mL)溶液を、窒素下滴下した。混合物を、0℃で0.5時間反応させた。p-メトキシベンジルクロライド(140.41g、896.57mmol、122.10mL、2.2当量)を加え、反応系を、20℃にゆっくり温めた。反応系は土紅色となり、窒素下、7.5時間反応させた。反応溶液を200mLの飽和塩化アンモニウムにゆっくり加え、メチルtert-ブチルエーテル(200mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、200mLの飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を、次いで濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物をクロマトグラフィー精製系COMBI-FLASH(勾配溶出:石油エーテル:酢酸エチル=10:0~10:1、石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により分離して、化合物8-2を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.23-7.18 (m, 4H), 6.91-6.87(m, 1H), 6.82-6.76 (m, 4H), 6.65 -6.59(m, 2H), 4.20 (s, 4H), 3.79(s, 6H), 2.19 (s, 3H). LCMS: MS m/z = 366.1 [M+H]+
【0325】
工程2:化合物8-3の合成
【0326】
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(31.31g、221.65mmol、37.63mL、3当量)を無水テトラヒドロフラン(300mL)に加え、混合物を-5℃に冷却した。n-ブチルリチウム(2.5M、94.57mL、3.2当量)を滴下し、混合物を、-5~0℃で15分間反応させた。混合物を-60℃に冷却し、化合物8-2(27g、73.88mmol、1当量)のテトラヒドロフラン(60mL)溶液を加えた。混合物を、-60℃で0.5時間反応させた。N,N-ジメチルホルムアミド(108.00g、1.48mol、113.69mL、20当量)を迅速に加え、混合物を、-60℃で10分間反応させた。400mLの飽和塩化アンモニウムを反応溶液に加え、混合物を200mL×2のメチルtert-ブチルエーテルで抽出した。有機相を合わせ、200mLの飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得て、それを70mLの石油エーテルおよびメチルtert-ブチルエーテルの溶媒混合物(石油エーテル:メチルtert-ブチルエーテル=5:1)で0.5時間スラリー化し、次いで濾過した。フィルターケーキを回転蒸発して乾固し、濾液を撹拌し、カラム(石油エーテル:酢酸エチル=100:0~10:1)により精製して、化合物8-3を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 10.43 - 10.35 (m, 1H), 7.21-7.18 (m, 5H), 6.92 - 6.81 (m, 5H), 4.25 (s, 4H), 3.80 (s, 6H), 2.23 (s, 3H). LCMS:MS m/z = 394.2[M+H]+
【0327】
工程3:化合物8-4の合成
【0328】
化合物8-3(17.8g、45.24mmol、1当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(170mL)に加えた。ブロモスクシンイミド(8.05g、45.24mmol、1当量)を加え、混合物を、20℃で20分間反応させた。反応溶液を300mLの水に加え、150mL×2のメチルtert-ブチルエーテルで抽出した。有機相を合わせ、100mL×2の飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した。粗製生成物を酢酸エチルおよびメチルtert-ブチルエーテルの溶媒混合物(酢酸エチル:メチルtert-ブチルエーテル=1:1)で0.5時間スラリー化し、次いで濾過した。フィルターケーキを回転蒸発して、乾固して化合物8-4を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 10.39 (s, 1H), 7.17 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 6.89 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.85-6.82 (m, 4H), 4.22 (s, 4H), 3.79 (s, 6H), 2.28 (s, 3H). LCMS:MS m/z = 472.1[M+H]+, 474.1[M+3H]+。
【0329】
工程4:化合物8-5の合成
【0330】
化合物8-4(19.3g、40.86mmol、1当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(190mL)に加えた。ヨウ化第一銅(15.56g、81.72mmol、2当量)およびメチルフルオロスルホニルジフルオロアセテート(39.25g、204.30mmol、25.99mL、5当量)を加え、混合物を、100℃で窒素下1時間反応させた。反応溶液を珪藻土のパッドで濾過した。濾液を300mLの水に加え、150mL×2のメチルtert-ブチルエーテルで抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水(200mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した。粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=100:0~10:1、石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製して、化合物8-5を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 10.37 (q, J = 4.0 Hz, 1H), 7.18 - 7.11 (m, 4H), 6.89 - 6.82 (m, 4H), 6.73 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.36 (s, 4H), 3.81 (s, 6H), 2.37 - 2.29 (m, 3H). LCMS: MS m/z =484.0[M+Na]+
【0331】
工程5:化合物8-6の合成
【0332】
無水テトラヒドロフラン(50mL)および水素化ナトリウム(1.17g、29.26mmol、60%質量含量、3当量)を乾燥3口フラスコに加えた。混合物を0℃に冷却した。アセト酢酸メチル(3.40g、29.26mmol、3.15mL、3当量)を、窒素下滴下し、混合物を、0℃で窒素下0.5時間反応させた。n-ブチルリチウム(2.5M、11.70mL、3当量)を滴下し、混合物を、0℃で0.5時間反応させた。混合物を-60℃に冷却した。化合物8-5(4.5g、9.75mmol、1当量)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を滴下し、混合物を、-60℃で0.5時間反応させた。100mLの飽和塩化アンモニウム溶液を反応溶液に加え、混合物を30mLの酢酸エチルで抽出した。有機相を80mLの飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得て、それを合わせ、カラム(石油エーテル:酢酸エチル=100:0-3:1、石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により精製して、化合物8-6を黄色油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.18-7.15 (m, 4H), 6.90 - 6.78 (m, 4H), 6.61 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.72 - 5.57 (m, 1H), 4.31 (m, 4H), 3.81(s, 6H), 3.76(s, 3H), 3.56 (s, 2H), 3.50 - 3.38 (m, 1H), 2.98 - 2.93 (m, 1H), 2.38 - 2.26 (m, 3H). LCMS: MS m/z =578.1[M+H]+
【0333】
工程6:化合物8-7の合成
【0334】
化合物8-6(3g、5.19mmol、1当量)を無水ジクロロメタン(30mL)に加え、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(742.74mg、6.23mmol、828.02μL、1.2当量)を加えた。混合物を、20℃で16時間反応させた。三フッ化ホウ素エーテラート(884.66mg、6.23mmol、769.27μL、1.2当量)を加え、混合物を、20℃で1時間反応させた。反応溶液を20mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液に加えた。層を分離し、水相を20mLのジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した。粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=100:0-3:1,石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製して、化合物8-7を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ =8.43 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.21 - 7.10 (m, 4H), 6.91 - 6.81 (m, 4H), 6.70 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.93 (dd, J = 3.2, 14.8 Hz, 1H), 4.35 (s, 4H), 3.8(s, 3H), 3.81 (s, 6H), 3.38-3.29 (m, 1H), 2.68 (dd, J = 3.6, 16.8 Hz, 1H), 2.39 - 2.24 (m, 3H). LCMS: MS m/z =588.2[M+H]+
【0335】
工程7:化合物8-8の合成
【0336】
化合物8-7(2.1g、3.57mmol、1当量)を無水テトラヒドロフラン(21mL)に加えた。混合物を-60℃に冷却し、リチウムトリ-sec-ブチルボロハイドライド(1M、4.29mL、1.2当量)を窒素下加えた。混合物を、-60℃で0.5時間反応させた。反応溶液を30mLの飽和塩化アンモニウムに加えた。抽出後、層を分離した。有機相を20mLの飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得て、それをカラム(石油エーテル:酢酸エチル=100:0~3:1、石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製して、化合物8-8を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.167-7.14(m, 4H), 6.87-6.83 (m, 4H), 6.63 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.05-5.00 (m, 1H), 4.61-4.58 (m, 1H), 4.42 - 4.24 (m, 5H), 3.85-3.73 (m, 10H), 3.13-3.05 (m, 1H), 2.47 - 2.38 (m, 1H), 2.35-2.31 (m, 3H). LCMS: MS m/z = 600.1[M+H]+
【0337】
工程8:化合物8-9の合成
【0338】
化合物8-8(1.27g、2.15mmol、1当量)をエタノール(15mL)に加え、水(3mL)および重炭酸ナトリウム(3.62g、43.08mmol、1.68mL、20当量)およびメチルイソチオ尿素硫酸塩 (4.05g、21.54mmol、10当量)を加えた。混合物を、50℃で4時間反応させた。反応溶液を40mLの水に加え、20mL×2の酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、20mL×2の飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した。粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=100:0~1:1、石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製して、化合物8-9を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.22 - 7.14 (m, 4H), 6.91 - 6.82 (m, 4H), 6.65 (dd, J = 8.4 Hz 1H), 5.12-5.08 (m, 1H), 4.97-4.91 (m, 1H), 4.67 - 4.57 (m, 1H), 4.45 - 4.22 (m, 4H), 3.88 - 3.74 (m, 6H), 3.43-3.35 (m, 1H), 2.77-2.72 (m, 1H), 2.59 (m, 3H), 2.40-2.31 (m, 3H). LCMS:MS m/z =630.2[M+H]+
【0339】
工程9:化合物8-10の合成
【0340】
化合物8-9(0.57g、905.25μmol、1当量)を無水ジクロロメタン(6mL)に加え、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(409.48mg、3.17mmol、551.86μL、3.5当量)およびトリフル酸無水物(510.81mg、1.81mmol、298.72μL、2当量)を0℃で加えた。混合物を、0~5℃で5時間反応させた。反応溶液を20mLの飽和塩化アンモニウムに加え、10mLのジクロロメタンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した。粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=100:0~5:1、石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製して、化合物8-10を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.21 - 7.11 (m, 4H), 6.90 - 6.80 (m, 4H), 6.66 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.19-5.15 (m, 1H), 5.04 - 4.93 (m, 1H), 4.77-4.72 (m, 1H), 4.41 - 4.19 (m, 4H), 3.80 (s, 6H), 3.62-3.54 (m, 1H), 3.11 - 2.97 (m, 1H), 2.56 (s, 3H), 2.42 - 2.31 (m, 3H). LCMS:MS m/z =762.2[M+H]+
【0341】
工程10:化合物8-11の合成
【0342】
化合物8-10(0.45g、590.76μmol、1当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に加え、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(229.05mg、1.77mmol、308.69μL、3当量)および化合物1-10A(306.37mg、1.18mmol、2当量、HCl)を連続的に加えた。混合物を、50℃で2時間反応させた。反応溶液を20mLの水に注加し、濾過した。フィルターケーキを20mLのメチルtert-ブチルエーテルに溶解し、20mLの飽和塩水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、化合物8-11を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.44 - 7.32 (m, 5H), 7.16-7.13 (m, 4H), 6.85-6.82 (m, 4H), 6.63 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.21-5.15 (m, 2H), 4.80 - 4.66 (m, 3H), 4.39 - 4.22 (m, 4H), 3.93-3.88 (m, 1H), 3.80 (s, 6H), 3.71 - 3.55 (m, 1H), 3.52 - 3.29 (m, 2H), 3.25 - 3.08 (m, 3H), 3.06 - 2.96 (m, 2H), 2.91 - 2.77 (m, 1H), 2.71-2.68 (m, 1H), 2.52 (s, 3H), 2.35-2.30 (m, 3H). LCMS: MS m/z =871.4[M+H]+
【0343】
工程11:化合物8-12の合成
【0344】
化合物8-11(580.00mg、665.94μmol、1当量)を無水ジクロロメタン(6mL)に加え、m-クロロペルオキシ安息香酸(359.13mg、1.66mmol、80%質量含量、2.5当量)を加えた。混合物を、25℃で0.5時間反応させた。反応溶液を20mLのチオ硫酸ナトリウム溶液(10%)に注加し、10mLのジクロロメタンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、45℃で回転蒸発させた。粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=100:0-1:1、石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製して、化合物8-12を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.40-7.37 (m, 5H), 7.17-7.12 (m, 4H), 6.86-6.82 (m, 4H), 6.67-6.64 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.19 (s, 2H), 4.86 - 4.79 (m, 2H), 4.71-4.63 (m, 1H), 4.35 - 4.24 (m, 4H), 3.82-3.81 (m, 1H), 3.80 (s, 6H), 3.64 - 3.50 (m, 2H), 3.46 - 3.33 (m, 2H), 3.30 - 3.27 (m, 4H), 3.25 - 3.11 (m, 3H), 2.71-2.65 (m, 1H), 2.52-2.45 (m, 1H), 2.38-2.30 (m, 3H). LCMS: MS m/z =903.3[M+H]+
【0345】
工程12:化合物8-13の合成
【0346】
化合物1-11A(117.35mg、1.02mmol、120.98μL、4当量)をジオキサン(5mL)に加えた。混合物を0-5℃に冷却した。ナトリウムtert-ブトキシド(97.91mg、1.02mmol、4当量)を加え、混合物を10分間反応させた。化合物8-12(230.00mg、254.72μmol、1当量)のトルエン(1mL)溶液を加え、混合物を0.5時間反応させた。反応溶液を20mLの飽和塩化アンモニウムに加え、10mL×2の酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、20mLの飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した。粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=1:1-0:1、ジクロロメタン:メタノール=100:0~10:1、ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、化合物8-13を得た。LCMS: MS m/z=938.2[M+H]+
【0347】
工程13:化合物8-14の合成
【0348】
化合物8-13(0.15g、159.91μmol、1当量)を無水ジクロロメタン(5mL)に加え、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加えた。混合物を、25℃で2.5時間反応させた。反応溶液を10mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液に加え、5mL×2のジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、化合物8-14を得た。LCMS: MS m/z=698.2[M+H]+
【0349】
工程14:化合物8-15の合成
【0350】
化合物8-14(0.17g、243.65μmol、1当量)を無水メタノール(2mL)および無水テトラヒドロフラン(2mL)に加えた。パラジウム/炭素(0.15g、10%質量含量)を加え、混合物を、25℃で、水素(15psi)下、0.5時間反応させた。反応溶液を直接濾過して、触媒を回収し、濾液を濃縮して、化合物8-15を黄色固体として得た。LCMS: MS m/z=564.2[M+H]+
【0351】
工程15:化合物8Aおよび8Bの合成
【0352】
化合物8-15(60mg、106.46μmol、1当量)、2-フルオロアクリル酸(11.50mg、127.75μmol、1.2当量)および2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(60.72mg、159.69μmol、1.5当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に加えた。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(41.28mg、319.38μmol、55.63μL、3当量)を加え、混合物を、25℃で0.5時間反応させた。反応溶液を10mLの飽和塩化アンモニウムに加え、5mL×2の酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、5mL×2の飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、化合物8-16を得て、それを高速液体クロマトグラフィーカラム(カラム:Phenomenex Gemini-NX 150*30mm*5μm;移動相:[H2O(0.1%TFA)-ACN];アセトニトリル%:20%~50%,9分)により精製した。フラクションを減圧下濃縮した。5mLの脱イオン化水および0.5mLのアセトニトリルを加え、次いで2滴の1M塩酸溶液を加えた。混合物を減圧下濃縮して、化合物8A塩酸塩((ピークまでの時間:1.379分)を得た。SFC分割方法(カラム:Chiralcel OD-3、50×4.6mm I.D.、3μm;移動相:A(CO2)およびB(メタノール、0.05%ジイソプロピルアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi。光学純度:80.82%。LCMS:MS m/z=636.4[M+H]+)および化合物8B塩酸塩((ピークまでの時間:1.789分)。SFC分割方法(カラム:Chiralcel OD-3、50×4.6mm I.D.、3μm; 移動相:A(CO2)およびB(メタノール、0.05%ジイソプロピルアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi。光学純度:75.56%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 6.59 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.50 - 5.33 (m, 1H), 5.29 - 5.16 (m, 2H), 4.82 - 4.69 (m, 2H), 4.39 (dd, J=5.2, 10.8 Hz, 1H), 4.16 (dd, J=6.8, 10.4 Hz, 1H), 4.04 (s, 2H), 3.94 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 3.68 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.50 - 3.32 (m, 2H), 3.10 (br t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.05 - 2.94 (m, 2H), 2.79 (br d, J = 7.2 Hz, 2H), 2.71-2.62 (m, 1H), 2.48 (s, 3H), 2.39 (q, J = 4.0 Hz, 3H), 2.32 - 2.22 (m, 1H), 2.11 - 1.99 (m, 1H), 1.93 - 1.66 (m, 6H). LCMS: MS m/z =636.4[M+H]+
【0353】
実施例9
【化72】
工程1:化合物9-3Aの合成
【0354】
無水テトラヒドロフラン(30mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物9-6(1.5g、6.07mmol、1当量)を加えた。反応系を10℃に冷却した。リチウムアルミニウムハイドライド(690.66mg、18.20mmol、3当量)を数バッチで加え、反応系を、15℃で16時間反応させた。硫酸ナトリウム十水和物(4g)を反応溶液に加え、混合物を1時間撹拌した。混合物を濾過した。フィルターケーキをテトラヒドロフラン(20mL×2)に加え、混合物を0.5時間撹拌した。混合物を別々に濾過した。濾液を合わせ、減圧下濃縮して化合物9-3Aを得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 5.25 - 4.98 (m, 1 H) 3.75 - 3.65 (m, 1 H) 3.61 - 3.43 (m, 2 H) 2.83 - 2.74 (m, 1 H) 2.71 - 2.56 (m, 1 H) 2.39 (s, 3 H) 2.14 - 2.03 (m, 2 H). LCMS m/z =134.2[M+H]+
【0355】
工程2:化合物9-2の合成
【0356】
N,N-ジメチルホルムアミド(6mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いて化合物8-10(0.55g、722.04μmol、1当量)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(279.95mg、2.17mmol、377.29μL、3当量)および化合物9-1A(289.22mg、1.44mmol、2当量)を加えた。反応系を、50℃で窒素下50分間反応させた。さらに化合物9-1A(50mg)を加え、混合物をさらに0.5時間反応させた。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)は原材料が消失し、新規スポットが出現したことを示した。反応系を室温(15℃)に冷却した後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム溶液(30mL)に加え、メチルtert-ブチルエーテル(10mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物9-2を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=812.4[M+H]+
【0357】
工程3:化合物9-3の合成
【0358】
ジクロロメタン(10mL)を乾燥反応フラスコ、次いで化合物9-2(0.65g、800.57μmol、1当量)に加え、m-クロロペルオキシ安息香酸(207.23mg、960.68μmol、80%純度、1.2当量)を加えた。反応系を、15℃で0.5時間反応させた。反応溶液を水(20mL)に注加した。チオ硫酸ナトリウム溶液(20mL、10%)を加え、混合物はデンプン-KI紙で陰性を示した。混合物を、次いでジクロロメタン(20mL)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下、40℃で濃縮して粗製生成物を得て、それをTLC(石油エーテル:酢酸エチル=0:1、RF=0.53)によるカラム(石油エーテル:酢酸エチル=3:1~0:1)で精製して、化合物9-3を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.16 (d, J = 7.60 Hz, 4 H) 6.84 (d, J = 8.40 Hz, 4 H) 6.66 (s, 1 H) 5.26 (d, J = 10.42 Hz, 1 H), 4.85 - 4.68 (m, 2 H) 4.39 - 4.20 (m, 4 H) 4.09 - 3.90 (m, 2 H) 3.89 - 3.67 (m, 7 H) 3.66 - 3.42 (m, 2 H) 3.40 - 3.16 (m, 2 H) 3.14 - 2.75 (m, 4 H) 2.34 (d, J = 4.00 Hz, 3 H) 1.49 (s, 9 H) 1.43 - 1.37 (m, 2 H) 1.19 (m, 2 H), LCMS m/z =828.2[M+H]+
【0359】
工程4:化合物9-4の合成
【0360】
トルエン(6mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物9-3A(289.51mg、2.17mmol、28.68μL、4当量)を加えた。反応系を0℃に冷却した。ナトリウムtert-ブトキシド(208.93mg、2.17mmol、4当量)を加え、反応系を、0~5℃で10分間反応させた。化合物9-3(0.45g、543.53μmol、1当量)のトルエン(2mL)溶液を加え、反応系を、0~5℃で0.5時間反応させた。反応溶液を飽和塩化アンモニウム(20mL×2)で洗浄し、続いて飽和塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物9-4を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.15 (d, J = 7.60 Hz, 4 H) 6.84 (d, J = 8.40 Hz, 4 H) 6.62 (d, J = 7.20 Hz, 1 H) 5.29 - 5.04 (m, 3 H) 4.29 (d, J = 14.80 Hz, 4 H) 3.80 (s, 6 H) 3.44 - 3.34 (m, 2 H) 3.30 - 3.21 (m, 1 H) 3.06 - 2.79 (m, 2 H) 2.68 - 2.52 (m, 5 H) 2.47 (s, 3 H) 2.42 - 2.27 (m, 5 H) 2.25 - 2.08 (m, 5 H) 1.49 (s, 9 H) 1.38 (d, J = 6.40 Hz, 2 H) 1.14 (d, J = 6.80 Hz, 1 H). LCMS m/z =897.3[M+H]+
【0361】
工程5:化合物9-5の合成
【0362】
ジクロロメタン(15mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物9-4(0.6g、668.91μmol、1当量)およびトリフルオロ酢酸(3mL)を加えた。反応系を、15℃で2.5時間反応させた。さらにトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、混合物をさらに1時間反応させた。さらにトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、混合物をさらに1時間反応させた。反応溶液を飽和重炭酸ナトリウム溶液(80mL)にゆっくり加え、ジクロロメタン(30mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得て、それをTLC(ジクロロメタン:メタノール=5:1)によるカラム(ジクロロメタン:メタノール=100:0-1:1)で精製して、化合物9-5を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 6.59 (d, J = 8.40 Hz, 1 H) 5.29 - 5.07 (m, 2 H) 4.75 - 4.67 (m, 1 H) 4.52 - 4.38 (m, 1 H) 4.32 - 4.16 (m, 1 H) 4.08 - 3.87 (m, 3 H) 3.66 - 3.26 (m, 4 H) 3.25 - 2.8 (m, 6 H) 2.72 - 2.59 (m, 1 H) 2.54 (d, J = 2.00 Hz, 3 H) 2.44 - 2.26 (m, 3H) 2.11 - 1.86 (m, 1 H) 1.52 (d, J = 6.80 Hz, 1 H) 1.26 (d, J = 6.80 Hz, 2 H). LCMS m/z =557.3[M+H]+
【0363】
工程6:化合物9Aおよび9Bの合成
【0364】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いてアクリル酸(21.75mg、301.85μmol、20.72μL、1.2当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(97.53mg、754.62μmol、131.44μL、3当量)を加えた。反応系を-60℃に冷却し、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(114.77mg、301.85μmol、1.2当量)を加えた。反応系を、-60℃で10分間反応させた。化合物9-5(0.14g、251.54μmol、1当量)を加え、混合物をさらに1時間反応させた。反応溶液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮した。生成物を高速液体クロマトグラフィーカラム{(カラム:Phenomenex luna C18 80*40mm*3μm;移動相:[H2O(0.04%HCl)-ACN];アセトニトリル%:20%~32%、7分]}により精製し、凍結乾燥し、次いでSFC{(カラム:DAICEL CHIRALCEL OD(250mm*30mm, 10μm);移動相:[0.1%NH3H2O MEOH];MeOH%:60%~60%,9分)}によるキラル分離に付して、化合物9A((キラルカラムでのピークまでの時間:1.594分)、SFC分析方法(カラム:Chiralcel OD-3、50×4.6mm I.D.、3μm;移動相:A(CO2)およびB(メタノール、0.05%ジイソプロピルアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi。光学純度:100%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 6.71 - 6.49 (m, 2 H) 6.42 - 6.28 (m, 1 H) 5.77 (d, J = 10.80 Hz, 1 H) 5.50 to 5.04 (m, 3 H) 4.71 (s, 3 H) 4.49 - 4.22 (m, 2 H) 4.03 (s, 3 H) 3.78 (d, J = 9.20 Hz, 1 H) 3.64 (s, 1 H) 3.51 - 3.17 (m, 4 H) 3.14 - 3.00 (m, 4 H) 2.64 - 2.48 (m, 1 H) 2.40 (d, J = 4.00 Hz, 4 H) 1.16 (d, J = 10.40 Hz, 3 H). LCMS m/z =611.3[M+H]+)および化合物9B((キラルカラムにおけるピークまでの時間:1.903分), SFC分析方法(カラム:Chiralcel OD-3、50×4.6mm I.D.、3μm; 移動相:A(CO2)およびB(メタノール、0.05%ジイソプロピルアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi。光学純度:100%). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 6.69 - 6.54 (m, 2 H) 6.42 - 6.30 (m, 1 H) 5.77 (d, J = 10.80 Hz, 1 H) 5.47 - 5.01 (m, 3 H) 4.71 (s, 3 H) 4.49 - 4.23 (m, 2 H) 4.03 (s, 3 H) 3.94 - 3.72 (m, 1 H) 3.64 (s, 1 H) 3.53 - 3.22 (m, 4 H) 3.14 - 3.01 (m, 4 H) 2.62 - 2.49 (m, 1 H) 2.40 (d, J = 4.00 Hz, 4 H) 1.16 (d, J = 10.40 Hz, 3 H). LCMS m/z =611.3[M+H]+)を得た。
【0365】
実施例10
【化73】
工程1:化合物10-1Aおよび10-1Bの合成
【0366】
化合物8-9(9g、15.27mmol、1当量)をエタノール(100mL)および水(20mL)に溶解し、次いで2-メチル-2-チオイソウレアスルフェート(42.49g、152.65mmol、10当量)および重炭酸ナトリウム(25.65g、305.31mmol、11.87mL、20当量)を加えた。反応溶液を30℃で4時間撹拌した。100mLの飽和塩化アンモニウム溶液を反応溶液に加えた。混合物を酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、80mLの飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得て、それをTLC(石油エーテル:酢酸エチル=0:1)によるカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10%~20%~30%)により精製し、次いでSFC(カラム:DAICEL CHIRALCEL AD(250mm*50mm, 10μm);移動相:[0.1%NH3.H2O EtOH];EtOH%:45%~45%、6.3分)により分割して、化合物10-1A(ピークまでの時間:1.665)および化合物10-1B(ピークまでの時間:2.446)を得た。
【0367】
工程2:化合物10-2の合成
【0368】
化合物10-1A(2g、3.18mmol、1当量)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.23g、9.53mmol、1.66mL、3当量)を加えた。反応系を0~10℃に冷却し、トリフル酸無水物(1.34g、4.76mmol、786.11μL、1.5当量)をゆっくり加えた。反応系を、この温度で15分間反応させた。飽和水性塩化アンモニウム溶液(15mL)を反応系に注加し、層を分離した。水相をジクロロメタン(15mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物をTLC(PE/EtOAc=10/1)によるカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=100/1~0/1)で精製して、化合物10-2を得た。LCMS m/z=762.2[M+H]+
【0369】
工程3:化合物10-3の合成
【0370】
N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いて化合物10-2(0.16g、210.05μmol、1当量)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(81.44mg、630.15μmol、109.76μL、3当量)および化合物10-2A(50.48mg、252.06μmol、1.2当量)を加えた。反応系を、50℃で窒素下1時間反応させた。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)は原材料が消失し、新規スポットが出現したことを示した。メチルtert-ブチルエーテル(10mL)を反応溶液に加えた。混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(20mL×2)、続いて飽和塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物10-3を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.12 (d, J = 8.80 Hz, 4 H) 6.81 (d, J = 8.80 Hz, 4 H) 6.60 (d, J = 8.80 Hz, 1 H) 5.19 (d, J = 8.00 Hz, 1 H) 4.72 (s, 2 H) 4.37 - 4.22 (m, 4 H) 3.88 (d, J = 13.2 Hz, 1 H) 3.77 (s, 6 H) 3.71 - 3.56 (dd, J = 12.80, 13.20 Hz, 2 H) 3.40 (dd, J = 12.40, 12.40 Hz, 1 H) 3.31 (m, 2 H) 3.20 (s, 1 H) 3.03 - 2.91 (m, 2 H) 2.50 (s, 3 H) 2.35 - 2.25 (m, 3 H) 1.46 (s, 9 H) 1.13 (d, J = 6.80 Hz, 3 H)
【0371】
工程4:化合物10-4の合成
【0372】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物10-3(0.21g、258.64μmol、1当量)およびm-クロロペルオキシ安息香酸(66.95mg、310.37μmol、80%純度、1.2当量)を加えた。反応系を、15℃で0.5時間反応させた。反応溶液に、チオ硫酸ナトリウム溶液(15mL、10%)を加えた。混合物はデンプン-KI紙で陰性を示した。混合物を、次いでジクロロメタン(15mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得て、それをTLC(石油エーテル:酢酸エチル=0:1)によるカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~0:1)で精製して、化合物10-4および10-4Aを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.20 (s, 4 H), 6.84 (d, J = 8.80 Hz, 4 H), 6.79 - 6.62(s,1 H), 5.24 (d, J = 10.80 Hz, 1 H), 4.87 - 4.74 (m, 2 H), 4.36 (s, 4 H), 3.99 - 3.83 (m, 3 H), 3.83 - 3.71 (m, 7 H), 3.62 - 3.43 (m, 2 H), 3.40 - 3.27 (m, 3 H), 3.22 - 3.06 (m, 2 H), 2.92 (d, J = 5.20 Hz, 1 H), 2.34 (s, 3 H), 1.49 (s, 9 H), 1.16 (d, J = 6.80 Hz, 3 H). LCMS m/z =828.2M+H]+
【0373】
工程3:化合物10-5の合成
【0374】
トルエン(1mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物1-11A(38.95mg、338.19μmol、4当量)を加えた。反応系を0℃に冷却した。ナトリウムtert-ブトキシド(32.50mg、338.19μmol、4当量)を加え、混合物を10分間反応させた。化合物10-4(0.07g、84.55μmol、1当量)および10-4A(71.35mg、84.55μmol、1当量)の混合物のトルエン(1mL)溶液を加え、混合物を0.5時間反応させた。反応溶液に、10mLの酢酸エチルを加え、次いで混合物を10mLの飽和塩化アンモニウム溶液および飽和塩水でそれぞれ洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物10-5を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=879.3[M+H]+
【0375】
工程4:化合物10-6の合成
【0376】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物10-5(0.16g、182.03μmol、1当量)およびトリフルオロ酢酸(1.25mL)を加えた。反応系を18℃で1.5時間撹拌した。さらにトリフルオロ酢酸(0.25mL)を加え、混合物をさらに1.5時間反応させた。水(5mL)を反応溶液に加えた。水相を集め、飽和重炭酸ナトリウム溶液でpH8に調節し、ジクロロメタン(20mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物10-6を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=539.2[M+H]+
【0377】
工程5:化合物10の合成
【0378】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いてアクリル酸(5.54mg、76.87μmol、5.28μL、2当量)、化合物10-6(23mg、38.43μmol、90%純度、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(14.90mg、115.30μmol、20.08μL、3当量)を加えた。反応系を-60℃に冷却し、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(17.54mg、46.12μmol、1.2当量)を加えた。混合物を、次いで0.5時間撹拌した。反応混合物を化合物10-6(19.49mg)のバッチと合わせて、処理した。水(5ml)を反応溶液に加え、層を分離した。有機相を減圧下濃縮し、高速液体クロマトグラフィーカラム{カラム:Phenomenex luna C18 80*40mm*3μm;[H2O(0.04%HCl)-ACN];アセトニトリル%:20%~40%、7分}で分離して、化合物10を得た。LCMS m/z=593.4[M+H]+
【0379】
実施例11
【化74】
工程1:化合物11-2の合成
【0380】
N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いて化合物10-2(0.16g、210.05μmol、1当量)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(81.44mg、630.15μmol、109.76μL、3当量)および化合物11-1(54.02mg、252.06μmol、1.2当量)を加えた。反応系を、50℃で窒素下1時間反応させた。混合物を化合物10-2(50mg)のバッチと合わせて、処理した。メチルtert-ブチルエーテル(10mL)を反応溶液に加えた。混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(10mL×2)で洗浄し、続いて飽和塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物11-2を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.14 (d, J = 8.80 Hz, 4 H), 6.84 (d, J = 8.40 Hz, 4 H), 6.62 (d, J = 8.80 Hz, 1 H), 5.19 (br d, J = 8.00 Hz, 1 H), 4.76 (s, 2 H), 4.37 - 4.22 (m, 5 H), 3.80 (s, 7 H),3.58 - 3.35 (m, 3 H), 3.22 (s, 2 H), 3.04 - 2.93 (m, 1 H), 2.52 (s, 3 H), 2.38 - 2.30 (m, 3 H), 1.49 (s, 9 H), 1.34 (dd, J = 6.80, 6.40 Hz, 6 H)
【0381】
工程2:化合物11-3の合成
【0382】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物11-2(0.20g、242.14μmol、1当量)およびm-クロロペルオキシ安息香酸(62.68mg、290.57μmol、80%純度、1.2当量)を加えた。反応系を、15℃で0.5時間反応させた。混合物を化合物11-2(50mg)のバッチと合わせて、処理した。チオ硫酸ナトリウム溶液(15mL、10%)を反応溶液に加え、混合物はデンプン-KI紙で陰性を示した。混合物をジクロロメタン(10mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得て、それをTLC(石油エーテル:酢酸エチル=0:1)によるカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~0:1)で精製して、化合物11-3および化合物11-3Aの混合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.17 (d, J = 6.40 Hz, 4 H) 6.84 (d, J = 8.40 Hz, 4 H) 6.67 (s, 1 H) 5.23 (d, J = 11.20 Hz, 1 H) 4.90 - 4.74 (m, 2 H) 4.32 (d, J = 12.00 Hz, 4 H) 3.84 - 3.75 (m, 9 H) 3.68 - 3.39 (m, 3 H) 3.31 - 3.10 (m, 3 H) 2.89 (d, J=10.40 Hz, 2 H) 2.34 (d, J=3.60 Hz, 3 H) 1.49 (s, 9 H) 1.42 - 1.29 (m, 6 H). LCMS m/z =842.2[M+H]+
【0383】
工程3:化合物11-4の合成
【0384】
トルエン(1mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物1-11A(46.51mg、403.82μmol、4当量)を加えた。反応系を0℃に冷却した。ナトリウムtert-ブトキシド(38.81mg、403.82μmol、4当量)を加え、混合物を10分間反応させた。化合物11-3(0.085g、100.96μmol、1当量)および化合物11-3A(86.62mg、100.96μmol、1当量)の混合物のトルエン(1mL)溶液を加え、反応系を0.5時間撹拌した。混合物を化合物11-3(10mg)のバッチと合わせて、処理した。反応溶液に、10mLの酢酸エチルを加え、次いで混合物を10mLの飽和塩化アンモニウム溶液および飽和塩水でそれぞれ洗浄した、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物11-4を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=893.4[M+H]+
【0385】
工程4:化合物11-5の合成
【0386】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物11-4(0.13g、145.57μmol、1当量)およびトリフルオロ酢酸(1.25mL)を加えた。反応系を、18℃で1.5時間反応させた。さらにトリフルオロ酢酸(0.25mL)を加え、混合物をさらに1.5時間反応させた。混合物を11-4(15mg)のバッチと合わせて、処理した。水(5mL)を反応溶液に加えた。水相を集め、飽和重炭酸ナトリウム溶液でpH8に調節し、ジクロロメタン(20mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物11-5を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=553.2[M+H]+
【0387】
工程5:化合物11の合成
【0388】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、アクリル酸(14.08mg、195.44μmol、13.41μL、2当量)、化合物11-5(60.00mg、97.72μmol、90%純度、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(37.89mg、293.16μmol、51.06μL、3当量)を次いで加えた。反応系を-60℃に冷却した。O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(44.59mg、117.26μmol、1.2当量)を加えた。混合物を、次いで0.5時間撹拌した。反応混合物を化合物11-5(20mg)のバッチと合わせて、処理した。水(5ml)を反応溶液に加えた。層を分離した。有機相を減圧下濃縮し、高速液体クロマトグラフィーカラム{カラム:Phenomenex luna C18 80*40mm *3μm;移動相:[H2O(0.04%HCl)-ACN];アセトニトリル%:15%~40%、7分}により精製して、化合物11を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ = 6.92 - 6.75 (m, 1H), 6.74 - 6.70 (m, 1H), 6.33 - 6.24 (m, 1H), 5.88 - 5.77 (m, 1H), 5.28 - 5.18 (m, 1H), 4.82 - 4.63 (m, 2H), 4.56 - 4.43 (m, 1H), 4.42 - 4.23 (m, 1H), 4.01 - 3.81 (m, 2H), 3.79 - 3.59 (m, 2H), 3.57 - 3.41 (m, 1H), 3.32 - 3.20 (m, 5H), 3.17 - 3.02 (m, 3H), 2.84 (m, 2H), 2.51 - 2.35 (m, 3H), 2.31 - 1.99 (m, 3H), 1.49 - 1.29 (m, 6H). LCMS m/z =607.5[M+H]+
【0389】
実施例12
【化75】
工程1:化合物12-2の合成
【0390】
N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いて化合物10-2(0.2g、262.56μmol、1当量)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(101.80mg、787.69μmol、137.20μL、3当量)および化合物9-1A(63.10mg、315.07μmol、1.2当量)を加えた。反応系を、50℃で窒素下30分間反応させた。さらに化合物9-1A(30mg、0.6当量)を加え、混合物をさらに30分間反応させた。反応溶液に、飽和塩化アンモニウム溶液(10mL)を加え、混合物をメチルtert-ブチルエーテル(5mL)で抽出した。有機相溶液を飽和塩化アンモニウム溶液(10mL)および飽和塩水(10mL)で連続的に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物12-2を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.14 (d, J = 8.80 Hz, 4 H) 6.84 (d, J = 8.40 Hz, 4 H) 6.62 (d, J = 8.80 Hz, 1 H) 5.21 (d, J = 7.20 Hz, 1 H) 4.78 - 4.63 (m, 2 H) 4.38 - 4.15 (m, 4 H) 4.00 - 3.82 (m, 2 H) 3.80 (s, 6 H) 3.73 - 3.60 (m, 1 H) 3.48 - 3.33 (m, 1 H) 3.22 (s, 2 H) 3.16 - 2.80 (m, 3 H) 2.51 (s, 3 H) 2.38 - 2.30 (m, 3 H) 1.49 (s, 9 H) 1.38 (d, J = 6.80 Hz, 3 H). LCMS m/z =812.3[M+H]+
【0391】
工程2:化合物12-3の合成
【0392】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いて化合物12-2(0.18g、221.70μmol、1当量)およびm-クロロペルオキシ安息香酸(57.39mg、266.03μmol、80%純度、1.2当量)を加えた。反応系を、15℃で0.5時間反応させた。混合物を化合物12-2(30mg)のバッチと合わせて、処理した。チオ硫酸ナトリウム溶液(10mL、10%)を反応溶液に加え、混合物はデンプン-KI紙で陰性を示した。混合物をジクロロメタン(3mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得て、それをTLC(石油エーテル:酢酸エチル=0:1)によるカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~0:1)で精製して、化合物12-3を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.17 (br s, 4 H) 6.84 (br d, J = 8.40 Hz, 4 H) 6.67 (br s, 1 H) 5.25 (br d, J = 9.60 Hz, 1 H) 4.89 - 4.64 (m, 2 H) 4.32 (br d, J = 10.40 Hz, 4 H) 4.09 - 3.86 (m, 3 H) 3.84 - 3.68 (m, 7 H) 3.64 - 3.51 (m, 1 H) 3.37 - 2.97 (m, 4 H) 2.95 - 2.81 (m, 3 H) 2.34 (br d, J = 3.60 Hz, 3 H) 1.49 (s, 9 H) 1.41 (br s, 3 H). LCMS m/z =828.2[M+H]+
【0393】
工程3:化合物12-4の合成
【0394】
トルエン(1mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物12-3A(66.52mg、471.06μmol、3当量)を加えた。反応系を0℃に冷却し、次いでtert-ブタノールナトリウム(45.27mg、471.06μmol、3当量)を加えた。混合物を10分間撹拌し、次いで化合物12-3(0.13g、157.02μmol、1当量)のトルエン(0.5mL)溶液を加えた。混合物を0.5時間撹拌した。混合物を化合物12-3(20mg)のバッチと合わせて、処理した。10mLの酢酸エチルを反応溶液に加えた。混合物を、次いで10mLの飽和塩化アンモニウム溶液および飽和塩水でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物12-4を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=905.3[M+H]+
【0395】
工程4:化合物12-5の合成
【0396】
ジクロロメタン(6mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物12-4(0.18g、198.89μmol、1当量)およびトリフルオロ酢酸(1.5mL)を加えた。反応系を18℃で3.5時間撹拌した。水(5mL)を反応溶液に加えた。水相を集め、飽和重炭酸ナトリウム溶液でpH8に調節し、ジクロロメタン(20mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物12-5を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=565.2[M+H]+
【0397】
工程5:化合物12の合成
【0398】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、撹拌した。アクリル酸(11.49mg、159.40μmol、10.94μL、2当量)、化合物12-5(50mg、79.70μmol、90%純度、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(30.90mg、239.10μmol、41.65μL、3当量)を加えた。反応系を-60℃に冷却し、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(36.37mg、95.64μmol、1.2当量)を加えた。混合物を、次いで0.5時間撹拌した。反応混合物を化合物12-5(20mg)のバッチと合わせて、処理した。反応溶液に、水(5ml)を加えた。層を分離した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得て、それを高速液体クロマトグラフィーカラム{カラム:Phenomenex luna C18 80*40mm *3μm;移動相:[H2O(0.04%HCl)-ACN];アセトニトリル%:15%~40%、7分}で精製して、化合物12(ピークまでの時間:1.509)を得た。SFC分析方法(カラム:Chiralcel OD-3、50×4.6mm I.D.、3μm;移動相:A(CO2)およびB(メタノール、0.05%ジイソプロピルアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi。光学純度:99.4%。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ = 6.89 - 6.71 (m, 1H), 6.71 - 6.65 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.32 - 6.19 (m, 1H), 5.84 - 5.75 (m, 1H), 5.26 - 5.15 (m, 1H), 4.68 - 4.60 (m, 1H), 4.52 (s, 2H), 4.50 - 4.45 (m, 1H), 4.39 - 4.32 (m, 1H), 4.27 - 4.16 (m, 1H), 4.15 - 3.89 (m, 2H), 3.76 - 3.61 (m, 2H), 3.60 - 3.32 (m, 2H), 3.28 - 3.13 (m, 3H), 3.09 - 3.00 (m, 1H), 2.96 - 2.85 (m, 1H), 2.38 - 2.32 (m, 3H), 2.32 - 2.24 (m, 2H), 2.24 - 2.12 (m, 4H), 2.12 - 2.03 (m, 2H), 1.42 - 1.31 (m, 3H). LCMS m/z =619.3[M+H]+
【0399】
実施例13
【化76】
工程1:化合物13-2の合成
【0400】
N,N-ジメチルホルムアミド(4mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いて化合物10-2(220mg、288.82μmol、1当量)および化合物13-1(115.69mg、577.64μmol、2当量)を加えた。混合物を撹拌し、次いでN,N-ジイソプロピルエチルアミン(111.98mg、866.45μmol、150.92μL、3当量)を加えた。反応系を50℃に加熱し、1時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル(30mL)で抽出し、飽和塩化アンモニウム(15mL)で1回および飽和塩水(15mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物13-2の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=812.2[M+H]+
【0401】
工程2:化合物13-3の合成
【0402】
ジクロロメタン(10mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物13-2(200.00mg、246.33μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌し、m-クロロペルオキシ安息香酸(60.01mg、295.59μmol、85%純度、1.2当量)を加えた。反応系を25℃で1時間撹拌した。反応溶液をジクロロメタン(20mL)で希釈し、次いで5%チオ硫酸ナトリウム(10mL)で1回および飽和塩水(10mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得て、それをTLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によるカラム(石油エーテル:酢酸エチル=90:10~50:50)で精製して、化合物13-3を得た。LCMS m/z=828.3[M+H]+
【0403】
工程3:化合物13-4の合成
【0404】
トルエン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物1-11A(112.68mg、978.35μmol、4.5当量)を加えた。混合物を撹拌した。次いで、ナトリウムtert-ブトキシド(94.02mg、978.35μmol、4.5当量)を加え、反応系を0℃に冷却し、10分間撹拌した。化合物13-3(180mg、217.41μmol、1当量)を、次いで加え、反応系を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を化合物13-3(60mg)のバッチと合わせて、処理した。反応溶液を酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機相溶液を飽和塩化アンモニウム溶液(10mL)で1回および飽和塩水(10mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物13-4の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=879.3[M+H]+
【0405】
工程4:化合物13-5の合成
【0406】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物13-4(260mg、295.79μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。カリウムアセテート(2.82g、24.70mmol、1.83mL、83.50当量)を加え、反応系を20℃で2時間撹拌した。水(30mL)を反応溶液に加え、層を分離した。水相を飽和重炭酸ナトリウムでpH9に調節し、次いで酢酸エチル(15mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物13-5の粗製生成物を得て、それを精製することなく次工程で直接使用した。LCMS m/z=539.2[M+H]+
【0407】
工程5:化合物13の合成
【0408】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いてアクリル酸(10.84mg、150.40μmol、10.32μL、1当量)、化合物13-5(90mg、150.40μmol、90%純度、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(58.31mg、451.19μmol、78.59μL、3当量)を加えた。混合物を撹拌した。反応系を-60℃に冷却し、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(68.62mg、180.47μmol、1.2当量)を加えた。混合物を0.5時間撹拌した。反応混合物を化合物13-5(30mg)のバッチと合わせて、処理した。水(5mL)を反応溶液に加え、層を分離した。有機相溶液を直接減圧下濃縮して粗製生成物を得て、それを高速液体クロマトグラフィーカラム{カラム:Welch Xtimate C18 100*25mm*3μm;移動相:[H2O(0.05%HCl)-ACN];アセトニトリル%:15%~45%、8分}で精製して、化合物13(ピークまでの時間:1.683)を得た。SFC分析方法(カラム:Chiralcel OD-3、50×4.6mm I.D.、3μm;移動相:A(CO2)およびB(メタノール、0.05%ジイソプロピルアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi、光学純度:95.48%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ = 6.87 - 6.73 (m, 1H), 6.68 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.25 (dd, J = 3.8, 16.6 Hz, 1H), 5.78 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 5.20 (dd, J = 4.0, 11.2 Hz, 1H), 4.83 - 4.75 (m, 2H), 4.74 - 4.61 (m, 2H), 4.60 - 4.45 (m, 2H), 4.32 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 4.17 - 3.92 (m, 1H), 3.90 - 3.80 (m, 1H), 3.71 - 3.57 (m, 2H), 3.55 - 3.42 (m, 1H), 3.39 - 3.32 (m, 1H), 3.27 - 3.18 (m, 2H), 3.04 (s, 3H), 2.99 - 2.85 (m, 2H), 2.41 - 2.30 (m, 4H), 2.22 - 1.95 (m, 3H), 1.11 (d, J = 6.6 Hz, 3H), LCMS m/z =593.3[M+H]+
【0409】
実施例14
【化77】
工程1:化合物14-2の合成
【0410】
N,N-ジメチルホルムアミド(4mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いて化合物10-2(220mg、288.82μmol、1当量)、化合物14-1(123.79mg、577.64μmol、2当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(111.98mg、866.45μmol、150.92μL、3当量)を加えた。混合物を撹拌した。反応系を50℃で1時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機相溶液を集め、飽和塩化アンモニウム溶液(15mL)で1回および飽和塩水(15mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。次いで、濾液を減圧下濃縮して化合物14-2の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=826.3[M+H]+
【0411】
工程2:化合物14-3の合成
【0412】
ジクロロメタン(10mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いて化合物14-2(350.18mg、423.97μmol、1当量)を加え、混合物を撹拌した。m-クロロペルオキシ安息香酸(109.75mg、508.77μmol、80%純度、1.2当量)を加え、反応系を25℃で1時間撹拌した。より極性の主スポットが検出された。反応溶液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、次いで5%チオ硫酸ナトリウム(10mL)で1回および飽和塩水(10mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得た。粗製生成物をTLC(石油エーテル:酢酸エチル=0:1)によるカラム(石油エーテル:酢酸エチル=90:10~50:50)で精製して、化合物14-3を得た。LCMS m/z=842.3[M+H]+
【0413】
工程3:化合物14-4の合成
【0414】
トルエン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物1-11A(98.73mg、857.24μmol、4.5当量)を加え、撹拌した。次いで、ナトリウムtert-ブトキシド(82.38mg、857.24μmol、4.5当量)を加え、反応系を0℃に冷却し、10分間撹拌した。化合物14-3(160.39mg、190.50μmol、1当量)のトルエン(2mL)溶液を加え、反応系を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を化合物14-3(50mg)のバッチと合わせて、処理した。反応溶液を酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機相溶液を集め、飽和塩化アンモニウム溶液(10mL)で1回および飽和塩水(10mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物14-4の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=893.4[M+H]+
【0415】
工程4:化合物14-5の合成
【0416】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物14-4(260mg、291.15μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。トリフルオロ酢酸(2.77g、24.31mmol、1.8mL、83.50当量)を加え、反応系を20℃で2時間撹拌した。反応溶液をジクロロメタン(20mL)で希釈し、次いで水(20mL)を加えた。層を分離した。水相を飽和重炭酸ナトリウムでpH8に調節し、次いで酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物14-5の粗製生成物を得て、それを精製することなく次工程で直接使用した。LCMS m/z=553.2[M+H]+
【0417】
工程5:化合物14の合成
【0418】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、続いてアクリル酸(10.56mg、146.58μmol、10.06μL、1当量)、化合物14-5(90mg、146.58μmol、90%純度、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(56.83mg、439.73μmol、76.59μL、3当量)を加えた。混合物を撹拌し、反応系を-60℃に冷却した。O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(66.88mg、175.89μmol、1.2当量)を加えた。混合物を、次いで0.5時間撹拌した。水(5mL)を加えて反応停止させ、層を分離した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得た。粗製生成物を高速液体クロマトグラフィーカラム{カラム:Welch Xtimate C18 100*25mm*3μm;移動相:[H2O(0.05%HCl)-ACN];アセトニトリル%:15%~45%、8分}で精製して、化合物14を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)6.69 - 6.62 (m, 1H), 6.62 - 6.48 (m, 1H), 6.47 - 6.34 (m, 1H), 5.91 - 5.76 (m, 1H), 5.34 (s, 1H), 5.25 - 5.14 (m, 1H), 5.10 - 4.99 (m, 1H), 4.86 - 4.64 (m, 2H), 4.62 - 4.30 (m, 2H), 4.21 - 4.11 (m, 1H), 4.06 - 3.93 (m, 2H), 3.90 - 3.73 (m, 2H), 3.71 - 3.59 (m, 1H), 3.57 - 3.49 (m, 3H), 3.47 - 3.33 (m, 1H), 3.28 - 3.15 (m, 2H), 3.09 - 2.92 (m, 1H), 2.50 - 2.35 (m, 4H), 2.26 - 2.09 (m, 2H), 1.43 - 1.32 (m, 4H), 1.31 - 1.25 (m, 2H), LCMS m/z =607.4[M+H]+
【0419】
実施例15
【化78】
工程1:化合物15-2の合成
【0420】
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物10-2(200mg、262.56μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(101.80mg、787.69μmol、137.20μL、3当量)および化合物15-1(78.88mg、393.84μmol、1.5当量)を加えた。反応系を、50℃で30分間反応させた。混合物を化合物10-2(10mg)のバッチと合わせて、処理した。反応溶液を飽和水性塩化アンモニウム(5mL)に注加し、酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物15-2の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=812.2[M+H]+
【0421】
工程2:化合物15-3の合成
【0422】
ジクロロメタン(3mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物15-2(0.24g、295.59μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。m-クロロペルオキシ安息香酸(66.95mg、310.37μmol、80%純度、1.05当量)を加え、反応系を、25℃で30分間反応させた。反応溶液を水性亜硫酸ナトリウム(5mL、5%)で反応停止させた。層を分離した。水相をジクロロメタン(5mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得た。水相をデンプン-ヨウ化カリウム試験紙で検出し、非酸化的であることが示された。水相を廃棄した。粗製生成物をTLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1、生成物Rf=0.51)によるカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=50:1~0:1)で精製して、化合物15-3を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.17 - 7.06 (m, 4H), 6.83 - 6.72 (m, 4H), 6.71 - 6.60 (m, 1H), 5.24 - 5.10 (m, 1H), 4.87 - 4.64 (m, 2H), 4.44 - 4.17 (m, 4H), 3.98 - 3.81 (m, 2H), 3.78 - 3.69 (m, 6H), 3.67 - 3.43 (m, 2H), 3.20 - 2.97 (m, 4H), 2.88 - 2.78 (m, 3H), 2.32 - 2.20 (m, 3H), 1.47 - 1.37 (m, 9H), 1.32 - 1.23 (m, 3H). LCMS m/z =828.3 M+H]+
【0423】
工程3:化合物15-4の合成
【0424】
トルエン(1mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物15-3(180mg、217.41μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。反応系を0-5℃に冷却し、ナトリウムtert-ブトキシド(2.68mg、652.23μmol、3当量)を加えた。混合物を10分間撹拌した。化合物1-11A(75.12mg、652.23μmol、77.44μL、3当量)のトルエン(0.3mL)溶液を上記反応溶液に加え、反応系を、0~5℃で30分間反応させた。反応溶液を飽和水性塩化アンモニウム(5mL)に注加し、酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物15-4の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=879.4[M+H]+
【0425】
工程4:化合物15-5の合成
【0426】
ジクロロメタン(4mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物15-4(160mg、182.03μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。反応系を0-5℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(1.23g、10.81mmol、800.00μL、59.36当量)を加え、混合物を4時間撹拌した。反応溶液を飽和水性重炭酸ナトリウム(10mL)に加えた。層を分離した。混合物をジクロロメタン(5mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物15-5の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=539.2[M+H]+
【0427】
工程5:化合物15の合成
【0428】
ジクロロメタン(10mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物15-5(0.06g、111.40μmol、1当量)およびアクリル酸(16.06mg、222.81μmol、15.29μL、2当量)を加えた。混合物を撹拌した。次いで、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(28.80mg、222.81μmol、38.81μL、2当量)を加え、反応系を-60℃に冷却した。O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(63.54mg、167.11μmol、1.5当量)を加え、反応系を、-60℃で0.5時間反応させた。混合物を化合物15-5(20mg)のバッチと合わせて、処理した。ジクロロメタン(5mL)を反応溶液に加えた。反応溶液を飽和塩化アンモニウム溶液(5mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得た。粗製生成物を高速液体クロマトグラフィーカラム{カラム:Phenomenex Luna C18 200*40mm*10μm;移動相:[H2O(0.04%HCl)-ACN];アセトニトリル%:1%~50%、8分}により精製した。1滴のアンモニア水をフラクション溶液に加え、溶液はアルカリ性を示した。溶液を濃縮して有機溶媒を除去し、凍結乾燥して、化合物15を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ = 7.24 - 7.07 (m, 2H), 6.80 (dd, J = 10.8, 16.8 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.24 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 5.79 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 5.24 - 5.16 (m, 1H), 4.76 (d, J = 13.8 Hz, 3H), 4.57 (dd, J = 7.2, 12.5 Hz, 2H), 4.07 - 3.86 (m, 3H), 3.73 (s, 1H), 3.17 (d, J = 11.4 Hz, 3H), 3.07 (s, 3H), 2.90 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 2.46 - 2.34 (m, 4H), 2.33 - 2.30 (m, 1H), 2.26 - 1.95 (m, 3H), 1.41 (s, 3H). LCMS m/z =593.2[M+H]+
【0429】
実施例16
【化79】
工程1:化合物16-2の合成
【0430】
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物10-2(200mg、262.56μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(101.80mg、787.69μmol、137.20μL、3当量)および化合物16-1(78.02mg、393.84μmol、1.5当量、2HCl)を加え、反応系を、50℃で30分間反応させた。混合物を合わせて処理した。反応溶液を飽和水性塩化アンモニウム(15mL)に注加し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物16-2の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=737.2[M+H]+
【0431】
工程2:化合物16-3の合成
【0432】
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物16-2(230mg、312.15μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(121.03mg、936.46μmol、163.11μL、3当量)および二炭酸ジ-tert-ブチル(74.94mg、343.37μmol、78.88μL、1.1当量)を加え、反応系を、20℃で10時間反応させた。反応溶液を飽和水性塩化アンモニウム(15mL)に注加し、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得た。粗製生成物をTLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によるカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=100:1-0:1)で精製して、化合物16-3を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.16 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 6.85 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 6.64 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.22 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.90 - 4.68 (m, 2H), 4.61 (s, 1H), 4.41 - 4.21 (m, 4H), 4.04 (s, 1H), 3.80 (s, 6H), 3.71 (s, 1H), 3.50 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 3.30 (s, 1H), 3.24 - 3.02 (m, 2H), 2.90 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 2.78 - 2.58 (m, 2H), 2.55 (s, 3H), 2.34 (d, J = 4.0 Hz, 3H), 1.51 (s, 9H). LCMS m/z =837.2[M+H]+
【0433】
工程3:化合物16-4の合成
【0434】
ジクロロメタン(0.3mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物16-3(230mg、274.81μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。m-クロロペルオキシ安息香酸(61.37mg、302.29μmol、85%純度、1.1当量)を加え、反応系を、20℃で1時間反応させた。反応溶液を5%水性亜硫酸ナトリウム溶液(5mL)に注加し、層を分離した。水相をジクロロメタン(5mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得た。水相をデンプン-ヨウ化カリウム試験紙で試験し、非酸化的であることが示された。水相を廃棄した。粗製生成物をTLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によるカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=100:1-0:1)で精製して、化合物16-4を得た。LCMS m/z=853.2[M+H]+
【0435】
工程4:化合物16-5の合成
【0436】
トルエン(2mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物16-4(158mg、185.24μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。反応系を0℃に冷却した。ナトリウムtert-ブトキシド(35.60mg、370.49μmol、2当量)を加えた。混合物を15分間撹拌し、化合物12-3A(65.40mg、463.11μmol、2.5当量)を加えた。反応系を、0℃で30分間反応させた。反応溶液を飽和水性塩化アンモニウム(5mL)に注加し、酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水(3mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物16-5の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=930.4[M+H]+
【0437】
工程5:化合物16-6の合成
【0438】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物16-5(0.18g、193.54μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。次いで、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応系を、18℃で3時間反応させた。水(10mL)を反応溶液に加え、混合物を抽出した。層を分離した。水相を集め、飽和重炭酸ナトリウム溶液でpH8に調節し、ジクロロメタン(20mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物16-6の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=590.2[M+H]+
【0439】
工程6:化合物16の合成
【0440】
化合物16-6(62.77mg、106.46μmol、1当量)、2-フルオロアクリル酸(19.17mg、212.92μmol、2当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(41.28mg、319.38μmol、55.63μL、3当量)をDCM(5mL)に溶解し、混合物を-60℃に冷却した。O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(48.58mg、127.75μmol、1.2当量)を加えた。混合物を0.5時間撹拌した。反応溶液を化合物16-6(20.92mg)のバッチと合わせて、処理した。5mLの水を反応溶液に加えた。層を分離した。有機相を濃縮し、高速液体クロマトグラフィーカラム{カラム:Phenomenex luna C18 80*40mm*3μm;移動相:[H2O(0.04%HCl)-ACN];アセトニトリル%:20%~40%、7分}により精製して、化合物16を得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ = 6.73 (d, J=8.6 Hz, 1H), 5.45 - 5.21 (m, 3H), 4.87 - 4.80 (m, 2H), 4.57 (s, 2H), 4.19 (br d, J=13.7 Hz, 1H), 3.98 (br d, J=13.1 Hz, 1H), 3.75 - 3.66 (m, 2H), 3.56 - 3.49 (m, 1H), 3.37 (s, 3H), 3.32 - 3.27 (m, 2H), 3.26 - 3.11 (m, 1H), 3.06 - 2.87 (m, 1H), 3.06 - 2.87 (m, 1H), 3.06 - 2.87 (m, 1H), 2.44 - 2.03 (m, 12H). LCMS m/z =662.4[M+H]+
【0441】
実施例17
【化80】
工程1:化合物17-2の合成
【0442】
N,N-ジメチルホルムアミド(30mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物10-2(2.8g、3.68mmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.43g、11.03mmol、1.92mL、3当量)および化合物16-1(873.80mg、4.41mmol、1.2当量、2HCl)を加え、反応系を、50℃で窒素下1時間反応させた。混合物を化合物10-2(0.2g)のバッチと合わせて、処理した。メチルtert-ブチルエーテル(30mL)を反応溶液に加え、混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で2回(30mL×2)および飽和塩水で2回(30mL×2)洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物17-2の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.15 (d, J = 8.80 Hz, 4 H), 6.84 (d, J = 8.40 Hz, 4 H), 6.63 (d, J = 8.40 Hz, 1 H), 5.22 (dd, J = 11.20, 4.00 Hz, 1 H), 4.71 (s, 2 H), 4.36 - 4.20 (m, 4 H), 4.06 (d, J = 12.80 Hz, 1 H), 3.80 (s, 6 H), 3.61 - 3.50 (m, 2 H), 3.43 (dd, J = 18.80, 11.60 Hz, 2 H), 3.27 - 3.15 (m, 2 H), 3.12 - 2.98 (m, 2 H), 2.85 - 2.66 (m, 2 H), 2.53 (s, 3 H), 2.38 - 2.31 (m, 3 H), LCMS m/z =737.2[M+H]+
【0443】
工程2:化合物17-3の合成
【0444】
ジクロロメタン(25mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物17-2(2.3g、3.12mmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。反応系を0℃に冷却した。トリエチルアミン(789.67mg、7.80mmol、1.09mL、2.5当量)およびトリフルオロ酢酸無水物(983.42mg、4.68mmol、651.27μL、1.5当量)を加え、反応系を、0~5℃で0.5時間反応させた。混合物を化合物17-2(0.3g)のバッチと合わせて、処理した。反応溶液を飽和塩化アンモニウム溶液(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物17-3の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.15 (d, J = 8.40 Hz, 4 H), 6.84 (d, J = 8.40 Hz, 4 H), 6.65 (br d, J = 8.40 Hz, 1 H), 5.29 - 5.20 (m, 1 H), 4.77 (s, 2 H), 4.38 - 4.24 (m, 4 H), 4.05 - 3.88 (m, 2 H), 3.80 (s, 6 H), 3.78 - 3.60 (m, 2 H), 3.59 - 3.37 (m, 2 H), 3.14 - 2.99 (m, 2 H), 2.98 - 2.93 (m, 1 H), 2.91 - 2.86 (m, 1 H), 2.78 (t, J = 6.80 Hz, 1 H), 2.53 (s, 3 H), 2.39 - 2.30 (m, 3 H), LCMS m/z =833.1[M+H]+
【0445】
工程3:化合物17-4の合成
【0446】
ジクロロメタン(30mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物17-3(2.6g、3.12mmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。m-クロロペルオキシ安息香酸(697.20mg、3.43mmol、85%純度、1.1当量)を加え、反応系を、18℃で0.5時間反応させた。反応系を化合物17-3(0.2g)のバッチと合わせて、処理した。チオ硫酸ナトリウム溶液(20mL、10%)を反応溶液に加え、混合物はデンプン-KI紙で陰性を示した。混合物をジクロロメタン(20mL×2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得て、それをTLC(石油エーテル:酢酸エチル=0:1)によるカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1-0:1)で精製して、化合物17-4を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.15 (d, J = 8.40 Hz, 4 H), 6.84 (d, J = 8.40 Hz, 4 H), 6.66 (d, J = 8.40 Hz, 1 H), 5.27 (d, J = 9.20 Hz, 1 H), 4.93 - 4.982 (m, 2 H), 4.38 - 4.24 (m, 4 H), 4.10 - 3.99 (m, 2 H), 3.98 - 3.88 (m, 1 H), 3.87 - 3.68 (m, 8 H), 3.67 - 3.54 (m, 1 H), 3.54 - 2.98 (m, 3 H), 2.93 - 2.79 (m, 4 H), 2.78 - 2.65 (m, 1 H), 2.35 (d, J = 3.60 Hz, 3 H), LCMS m/z =849.1[M+H]+
【0447】
工程4:化合物17-5の合成
【0448】
トルエン(1mL)を乾燥反応フラスコに加え、化合物17-4A(78.77mg、494.80μmol、3当量)を加えた。混合物を撹拌した。反応系を0℃に冷却し、ナトリウムtert-ブトキシド(47.55mg、494.80μmol、3当量)を加えた。混合物を10分間撹拌し、次いで化合物17-4(0.14g、164.93μmol、1当量)のトルエン(0.5mL)溶液を加えた。混合物をさらに0.5時間反応させた。反応系を化合物17-4(20mg)のバッチと合わせて、処理した。反応溶液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム(10mL×2)および飽和塩水(10mL)で連続的に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物17-5の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=848.3[M+H]+
【0449】
工程5:化合物17-6の合成
【0450】
ジクロロメタン(12mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物17-5(160.00mg、188.70μmol、1当量)を加えた。混合物を撹拌した。次いで、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、反応系を、18℃で2時間反応させた。反応系を化合物17-5(20mg)のバッチと合わせて、処理した。水(10mL)を反応溶液に加えた。抽出後、層を分離した。水相を飽和重炭酸ナトリウム溶液でpH8に調節し、ジクロロメタン(10mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して化合物17-6の粗製生成物を得て、それを精製することなく直接次工程で使用した。LCMS m/z=608.3[M+H]+
【0451】
工程6:化合物17の合成
【0452】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物17-6(50mg、82.29μmol、1当量)、2-フルオロアクリル酸(14.82mg、164.58μmol、2当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(31.90mg、246.87μmol、43.00μL、3当量)を加えた。混合物を撹拌した。反応系を-60℃に冷却し、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(37.55mg、98.75μmol、1.2当量)を加えた。混合物を、次いで0.5時間撹拌した。混合物を合わせて処理した。水(5mL)を反応溶液に加えて反応混合物を反応停止させ、層を分離した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得て、それを高速液体クロマトグラフィーカラム{カラム:Welch Xtimate C18 100*25mm*3μm;移動相:[H2O(0.05%HCl)-ACN];アセトニトリル%:20%~50%、8分}で精製して、化合物17を得た。SFC分析方法(カラム:Chiralcel OD-3、50×4.6mm I.D.、3μm;移動相:A(CO2)およびB(メタノール、0.05%ジイソプロピルアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi、光学純度:99.21%、ピークまでの時間:1.840)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ = 6.80 - 6.68 (m, 1H), 5.73 - 5.51 (m, 1H), 5.46 - 5.19 (m, 3H), 5.05 - 4.90 (m, 3H), 4.74 - 4.58 (m, 2H), 4.37 - 4.26 (m, 1H), 4.20 - 4.06 (m, 2H), 4.05 - 3.84 (m, 3H), 3.79 - 3.59 (m, 2H), 3.54 - 3.43 (m, 1H), 3.42 - 3.35 (m, 1H), 3.31 - 3.24 (m, 1H), 3.13 - 2.89 (m, 3H), 2.82 - 2.52 (m, 2H), 2.50 - 2.42 (m, 1H), 2.41 - 2.30 (m, 5H), 2.29 - 2.18 (m, 1H)
【0453】
実施例18
【化81】
工程1:化合物18-1の合成
【0454】
1-11A(194.75mg、1.69mmol、200.78μL、4当量)を無水トルエン(16mL)に加えた。混合物を0℃に冷却し、ナトリウムtert-ブトキシド(162.50mg、1.69mmol、4当量)を加えた。混合物を、0~5℃で10分間反応させた。化合物9-3(0.35g、422.74μmol、1当量)のトルエン(5mL)溶液を加え、混合物を、0~5℃で0.5時間反応させた。混合物を化合物9-3(50mg)のバッチと合わせて、処理した。反応溶液を20mL×2の飽和塩化アンモニウムおよび20mLの飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、化合物18-1を得た。MS m/z=879.2[M+H]+
【0455】
工程2:化合物18-2の合成
【0456】
化合物18-1(0.4g、455.07μmol、1当量)を無水ジクロロメタン(12mL)に加え、トリフルオロ酢酸(2.4mL)を加えた。混合物を、25℃で1.5時間反応させた。混合物を化合物18-1(50mg)のバッチと合わせて、処理した。飽和重炭酸ナトリウムを、反応溶液に、pHが7~8になるまでゆっくり加えた。混合物を20mLのジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を、次いで回転蒸発により乾固するまで濃縮して、化合物18-2を得た。LCMS m/z=539.1[M+H]+
【0457】
工程5:化合物18Aおよび18Bの合成
【0458】
化合物18-2(36.80mg、510.60μmol、35.04μL、1.1当量)、アクリル酸(36.80mg、510.60μmol、35.04μL、1.1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(179.97mg、1.39mmol、242.55μL、3当量)を無水ジクロロメタン(5mL)に加えた。混合物を-60℃に冷却し、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(176.50mg、464.18μmol、1当量)を加えた。混合物を、-60℃で30分間反応させた。反応溶液を10mLのジクロロメタンで希釈し、10mL×2の飽和塩化アンモニウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を、次いで濃縮した。残留物を高速液体クロマトグラフィーカラム(カラム:Phenomenex luna C18 100*40mm*5μm;移動相:[H2O(0.1%TFA)-ACN];アセトニトリル%:10%~40%、8分)により精製し、凍結乾燥し、次いでSFC(カラム:DAICEL Chiralcel OD(250mm*30mm, 10μm);移動相:[0.1%NH3H2O ETOH];エタノール%:50%~50%,15分)によるキラル分離に付して、化合物18A((キラルピークまでの時間:1.479)。SFC分割方法(カラム:Chiralcel OD-3、50×4.6mm I.D.、3μm;移動相:A(CO2)およびB(メタノール、0.05%ジイソプロピルアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi、光学純度100)。MS m/z=593.3[M+H]+, 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 6.66 - 6.50 (m, 2H), 6.36 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 5.76 (d, J=10.0 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.58-4.53 (m, 1H), 4.45 - 4.20 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 3.85 - 3.23 (m, 6H), 3.04 - 2.86 (m, 2H), 2.67 (s, 2H), 2.47 - 2.33 (m, 3H), 2.22 - 1.53 (m, 8H), 1.23 - 1.04 (m, 3H))および化合物18B((キラルピークまでの時間:1.642)、SFC分割方法(カラム:Chiralcel OD-3、50×4.6mm I.D.、3μm; 移動相:A(CO2)およびB(メタノール、0.05%ジイソプロピルアミン含有);勾配:B%=5~50%、3分;流速:3.4mL/分;波長:220nm;圧力:1800psi、光学純度97.8%). LCMS m/z =593.3[M+H]+. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 6.72 - 6.48 (m, 2H), 6.35 (dd, J = 1.6, 16.8 Hz, 1H), 5.76 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.83 - 4.57 (m, 3H), 4.18 - 3.99 (m, 3H), 3.94 - 3.51 (m, 2H), 3.50 - 3.20 (m, 2H), 3.11 - 2.75 (m, 6H), 2.43 - 2.35 (m, 3H), 2.35 - 1.80 (m, 8H), 1.38 (d, J = 6.4 Hz, 3H))を得た。
【0459】
【0460】
ジクロロメタン(5mL)を乾燥反応フラスコに加え、次いで化合物17-6(25mg、42.40μmol、1当量)、アクリル酸(6.11mg、84.80μmol、5.82μL、2当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(16.44mg、127.20μmol、22.16μL、3当量)を加えた。混合物を撹拌した。反応系を0℃に冷却し、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(19.35mg、50.88μmol、1.2当量)を加えた。混合物を20℃で3時間撹拌した。水(5mL)を反応溶液に加えて反応停止させ、層を分離した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下濃縮して粗製生成物を得て、それを高速液体クロマトグラフィーカラム{カラム:Phenomenex luna C18 80*40mm*3μm;移動相:[H2O(0.04%HCl)-ACN];B%:18%~34%、7分}で精製して、化合物19を得た。LCMS m/z=622.2[M+H]+
【0461】
実施例20
【化83】
工程1:中間体20-1の調製
【0462】
化合物9-2(90mg、110.85μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、m-クロロペルオキシ安息香酸(45.01mg、221.70μmol、85%含量)を加えた。反応溶液を20℃でさらに3時間撹拌した。有機溶媒を減圧下除去し、得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィープレート(展開液:ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、化合物20-1を得た。MS m/z=844.4 [M+H]+
【0463】
工程2:中間体20-2の調製
【0464】
化合物17-4A(12.26mg、77.02μmol)を無水テトラヒドロフラン(2mL)に20℃で溶解した。ナトリウムtert-ブトキシド(7.40mg、77.02μmol)を加え、反応溶液をさらに30分間撹拌した。化合物20-1(50mg、59.25μmol)のテトラヒドロフラン(0.5mL)溶液を加え、反応溶液をこの温度で0.5時間撹拌した。有機溶媒を減圧下除去し、得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィープレート(展開液:ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、化合物20-2を得た。MS m/z=923.6 [M+H]+
【0465】
工程3:化合物20-3の調製
【0466】
化合物20-2(45mg、48.75μmol)を無水ジクロロメタン(2mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加えた。反応溶液を20℃でさらに2時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、得られた粗製生成物を20mLのジクロロメタンに溶解した。3gの固体重炭酸ナトリウムを加え、混合物を室温でさらに1時間撹拌した。混合物を濾過し、有機溶媒を減圧下除去して、20-3の粗製生成物を得て、それをさらに精製することなく次反応工程で直接使用した。
【0467】
工程5:化合物20の調製
【0468】
化合物20-3(20mg、34.33μmol)を無水ジクロロメタン(2mL)に、20℃で溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(13.31mg、102.99μmol、17.94μL)および塩化アクリロイル(4.66mg、51.49μmol、4.20μL)を加え、反応溶液をこの温度でさらに16時間撹拌した。有機溶媒を減圧下除去し、粗製生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム:Welch Xtimate C18 100*40mm*3μm;移動相:[水(0.075%トリフルオロ酢酸)-アセトニトリル];アセトニトリル:22%~52%、8分)で精製して、化合物20のトリフルオロ酢酸塩を得た。MS m/z=637.4 [M+H]+
【0469】
生物学的アッセイデータ:
アッセイ実施例1:KRASG12C変異MIA-PA-CA-2細胞増殖に対する化合物の阻害性効果のアッセイ
【0470】
1.1 アッセイの目的
化合物を、KRASG12C変異MIA-PA-CA-2細胞の増殖阻害のIC50についてアッセイした。
【0471】
1.2 試薬
【0472】
このアッセイで使用した主な試薬は、CellTiter-Glo(Promega, Cat. No. G7573)を含んだ。
【0473】
1.3 装置
【0474】
このアッセイで使用した主な装置は、PerkinElmer EnVision多機能マイクロプレートリーダーであった。
【0475】
1.4 アッセイ方法
1) 接着細胞をトリプシンで消化して細胞懸濁液を形成し、細胞懸濁液をその後の使用のために計数した。
2) 適当量の細胞を遠心チューブに加え、細胞培養培地を加えて、必要な体積とした;次いで、細胞を、100μLの培養培地で2000細胞/ウェルの最終密度で96ウェルプレートに播種した。
3) 24時間インキュベーション後、化合物をDMSOで10mMに調製し、DPBS(ダルベッコリン酸緩衝化食塩水)で、9点3倍連続希釈した;10μLを各ウェルにデュプリケートで加えた。10μLのDPBS/ウェルを、アッセイ対照ウェル(Con)に加えた。
4) 同日、50μLのCellTiter Gloを、化合物を含まない別の細胞培養プレートに加え、蛍光値をEnVisionで読んだ。値を日0値として記した。
5) 化合物処理細胞を72時間インキュベーション後、プレートを取り出し、50μLのCellTiter Gloを該細胞プレートに加えた。蛍光値をEnVisionで読んだ。
6)データ分析:各ウェルの細胞阻害率を、下式により計算した:
【数1】
* F
日0は、化合物処理がない元の細胞数アッセイウェルの読み取り値であった;
F
Conは、72時間インキュベーション後のCon群の蛍光読み取り値であった。
F
Cpdは、72時間インキュベーション後の各化合物ウェルの蛍光読み取り値であった。
7) 化合物の阻害率データ(阻害率%)のlog(アゴニスト)対応答 -- 可変勾配非線形フィット分析を、下式を使用するGraphPad Prismソフトウェアを使用して実施して、化合物のIC
50値を得た:
【数2】
【0476】
1.5 アッセイ結果
【0477】
【0478】
アッセイ結果は、本発明の化合物がKRASG12C変異MIA-PA-CA-2細胞株の細胞増殖に対する良好な阻害活性を有することを示した。
【0479】
アッセイ実施例2:H358細胞アッセイ
【0480】
2.1 アッセイの目的
化合物を、KRASG12C変異H358細胞の増殖阻害のIC50についてアッセイした。
【0481】
2.2 試薬
【0482】
このアッセイで使用した主な試薬は、RPMI-1640培地、Vicenteから購入したペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質、Bioseraから購入したウシ胎児血清、Promegaから購入したCellTiter-Glo(細胞生存能化学発光検出試薬)試薬およびCell Bank of the Chinese Academy of Sciencesから購入したNCI-H358細胞株を含んだ。
【0483】
2.3 装置
【0484】
このアッセイで使用した主な装置は、Nivo多ラベル分析装置(PerkinElmer)であった。
【0485】
2.4 アッセイ方法:
1) NCI-H358細胞を、白色96ウェルプレートに播種し、各ウェルは80μLの細胞懸濁液および4000個のNCI-H358細胞を含んだ。細胞プレートを、二酸化炭素インキュベーターで一夜インキュベートした。
2) アッセイする化合物を、多チャネルピペットで連続5倍希釈して9濃度、すなわち、2mM~5.12nMを得た。アッセイをデュプリケートで実施した。78μLの培地を中間プレートに加え、次いで2μLの連続希釈化合物を中間プレートの各ウェルに、対応する位置に応じて移した。十分混合後、20μL/ウェルを細胞プレートに移した。細胞プレートに移された化合物の濃度は、10μM~0.0256nMの範囲であった。細胞プレートを、二酸化炭素インキュベーターで5日間インキュベートした。別の細胞プレートを調製し、細胞プレートのシグナル値を、化合物を添加した日に、最高値(下式Max値)として読み取り、データ分析に組み込んだ。25μLの細胞生存能化学発光検出試薬を、細胞プレートの各ウェルに加え、プレートを室温で10分間インキュベートして、蛍光シグナルを安定させた。プレートの読み取りに、多ラベル分析装置を使用した。
3) 25μLの細胞生存能化学発光検出試薬を、細胞プレートの各ウェルに加え、プレートを室温で10分間インキュベートして、蛍光シグナルを安定させた。プレートの読み取りに、多ラベル分析装置を使用した。
【0486】
データ分析:
【0487】
式(サンプル-最低値)/(Max-最低値)*100%を使用して、生データを阻害率に変換し、IC50値を、4パラメータでのカーブフィッティングにより得ることができる(GraphPad Prismの「log(阻害剤)対応答 -- 可変勾配」モード)。本発明の化合物のNCI-H358細胞増殖に対する阻害活性を表2に示す。
【0488】
【0489】
結論:本発明の化合物の一部は、NCI-H358細胞の増殖に良好な阻害活性を示した。
【0490】
アッセイ実施例3:肝細胞の代謝安定性
アッセイの目的:CD-1マウス、SDラット、ビーグル犬、カニクイザルおよびヒトの肝細胞におけるアッセイ化合物の代謝安定性を、それぞれアッセイした。
【0491】
アッセイ手順:数個の96ウェルサンプル沈殿プレートを調製し、それぞれT0、T15、T30、T60、T90、T120、T0-MC、T120-MCおよびブランク基質と名付けた。回復培地およびインキュベーション培地を前もって取り出し、37℃水浴に置いて、予め加温した。凍結保存肝細胞を液体窒素タンクから取り、すぐに37℃水浴に浸漬した(約90秒)。凍結保存肝細胞が解凍され、ゆるくなった後、40mLの回復培地を含む遠心チューブに注ぎ、チューブを穏やかに倒置させて、細胞を回復培地に再懸濁させた。細胞を、100×gで室温で5分間遠心分離し、上清を除去した。肝細胞を適切な体積のインキュベーション培地に再懸濁し、細胞生存能をトリパンブルー染色法により計算した。198μLの肝細胞懸濁液(0.51×106細胞/mL)を、予熱したインキュベーションプレートに加えた。培養培地対照群として、198μLの無肝細胞インキュベーション培地を、T0-MCおよびT120-MCインキュベーションプレートに加えた。全インキュベーションプレートを、37℃インキュベーターで10分間プレインキュベートした。次いで、アッセイサンプルおよび対照化合物の2μLの作業溶液をそれぞれ加え、混合物を十分混合した。インキュベーションプレートをすぐにインキュベーター内のシェーカーに入れ、反応を開始させ、同時にタイマーをスタートした。各化合物の各時点について、2デュプリケートサンプルを調製した。インキュベーション条件は、37℃、飽和湿度および5%CO2であった。アッセイ系において、アッセイサンプルの最終濃度は1μM、対照サンプルの最終濃度は3μM、肝細胞の最終濃度は0.5×106細胞/mLおよび全有機溶媒の最終濃度は0.96%であり、DMSOの最終濃度は0.1%であった。対応する時点でのインキュベーション終了時、インキュベーションプレートを取り出し、25μLの化合物および対照化合物と細胞の混合物を、125μLの停止溶液(200ng/mL トルブタミドおよびラベタロールのアセトニトリル溶液)を含むサンプルプレートに加えた。ブランクサンプルプレートについて、25μLの無肝細胞インキュベーション培地を直接加えた。密閉後、全サンプルプレートを、600rpmで10分間シェーカーで振盪し、次いで3220×gで20分間遠心分離した。アッセイサンプルおよび対照サンプルの上清を、超純水で1:3比に希釈した。全サンプルを十分混合し、LC/MS/MSにより分析した。
【0492】
アッセイ結果を表3に示す。
【0493】
【0494】
結論:種々の種の肝細胞における代謝アッセイは、本発明の化合物が良好な代謝安定性を有することを示す。
【0495】
アッセイ実施例4:肝ミクロソームにおけるインビトロ安定性アッセイ
アッセイの目的:CD-1マウス、SDラット、ビーグル犬、カニクイザルおよびヒトの肝ミクロソームにおけるアッセイ化合物の代謝安定性を、それぞれアッセイした。
【0496】
アッセイ手順:2個の96ウェルインキュベーションプレートを調製し、それぞれT60インキュベーションプレートおよびNCF60インキュベーションプレートと名付けた。445μLのミクロソーム作業溶液(0.56mg/mLの肝ミクロソームタンパク質濃度)をT60インキュベーションプレートおよびNCF60インキュベーションプレートにそれぞれ加え、次いで上記インキュベーションプレートを、37℃水浴で約10分間プレインキュベートした。
【0497】
プレインキュベーション後、アッセイサンプルまたは対照化合物の5μLの作業溶液をそれぞれT60インキュベーションプレートおよびNCF60インキュベーションプレートに加え、混合物を十分混合した。50μLのリン酸カリウム緩衝液をNCF60インキュベーションプレートの各ウェルに加えて、反応を開始させた。180μLの停止溶液(200ng/mL トルブタミドおよび200ng/mL ラベタロールのアセトニトリル溶液)および6μLのNADPH再生系作業溶液をT0停止プレートに加え、54μLのサンプルをT60インキュベーションプレートからT0停止プレートに移した(T0サンプルの産生)。T60インキュベーションプレートの各ウェルに44μLのNADPH再生系作業溶液を加えて、反応を開始させた。54μLのミクロソーム作業溶液、6μLのNADPH再生系作業溶液および180μLの停止溶液のみをブランクプレートに加えた。故に、アッセイ化合物または対照化合物のサンプルにおいて、化合物、テストステロン、ジクロフェナクおよびプロパフェノンの最終反応濃度は1μM、肝ミクロソームの濃度は0.5mg/mLおよび反応系中のDMSOおよびアセトニトリルの最終反応濃度はそれぞれ0.01%(v/v)および0.99%(v/v)であった。
【0498】
適当な時間(例えば、5分、15分、30分、45分および60分)のインキュベーション後、180μLの停止溶液(200ng/mL トルブタミドおよび200ng/mL ラベタロールのアセトニトリル溶液)を各停止プレートのサンプルウェルにそれぞれ加えた。60μLのサンプルをT60インキュベーションプレートから取って、反応停止させた。全サンプルプレートをよく振盪し、次いで3220×gで20分間遠心分離した。次いで、80μLの上清を各ウェルから取り、240μLの純水で希釈して、液体クロマトグラフィー-タンデムマススペクトロメトリー分析した。全サンプルを液体クロマトグラフィー-タンデムマススペクトロメトリーに注入し、分析した。
【0499】
【0500】
結論:肝ミクロソームにおける代謝安定性のアッセイは、本発明の化合物が良好な代謝安定性を有することを示した。
【0501】
アッセイ実施例5:血漿における安定性アッセイ
アッセイの目的:CD-1マウスおよびヒト血漿におけるアッセイ化合物の安定性を、それぞれアッセイした。
【0502】
アッセイ手順:凍結保存血漿を10~20分間解凍した。血漿が完全に解凍した後遠心機に入れ、3220×gで5分間遠心分離して、血漿中のあらゆる懸濁物質および沈降物を除去した。96ウェルインキュベーションプレートを調製し、それぞれT0、T10、T30、T60、T120と名付けた。マウス、ラット、イヌ、サルおよびヒトの98μLのブランク血漿を対応するインキュベーションプレートに加え、次いで化合物または対照化合物の2μLの作業溶液を、デュプリケートで対応するプレートに加えた。全サンプルを37℃水浴でインキュベートした。化合物および対照化合物ビサコジル、エナラプリルマレアート、プロカインおよびプロバンサインの最終インキュベーション濃度は2μMであり、最終有機相含量は2.0%であった。各時点でのインキュベーション終了時、対応するインキュベーションプレートを取り外し、400μLの200ng/mLのトルブタミドおよびラベタロールのアセトニトリル溶液を各対応するサンプルウェルに加えて、タンパク質を沈殿させた。全サンプルプレートを密閉し、よく振盪し、次いで3220×gで20分間遠心分離した。50μLの上清を取り、100μLの超純水で希釈した。全サンプルを十分混合し、次いでLC/MS/MSにより分析した。
【0503】
【0504】
結論:本発明の化合物は、ヒトおよびマウス血漿で良好な安定性を有した。
【0505】
アッセイ実施例6:全血における安定性アッセイ
アッセイの目的:CD-1マウス、SDラット、ビーグル犬およびカニクイザル全血におけるアッセイ化合物の安定性を、それぞれアッセイした。
【0506】
アッセイ手順:アッセイ当日またはアッセイ前日、CD-1マウス、SDラット、ビーグル犬およびカニクイザルからの新鮮全血を、抗凝血剤EDTA-K2を使用して集めた。アッセイを開始する前、全血をPBSと1:1(v:v)で混合し、混合物を10~20分間、37℃水浴で予め加温した。96ウェルインキュベーションプレートを調製し、それぞれT0、T30、T60、T240と名付けた。T0、T30、T60およびT240インキュベーションプレートを含む対応するインキュベーションプレートにおいて、化合物または対照化合物の2μLの作業溶液を、マウス、ラット、イヌ、サルおよびヒトの98μLのブランク全血とデュプリケートで混合した。全サンプルを37℃水浴でインキュベートした。化合物の最終インキュベーション濃度は5μMおよび対照化合物の最終インキュベーション濃度は2μMであった。各時点でのインキュベーション終了時、対応するインキュベーションプレートを取り出し、100μLの超純水をすぐに対応するサンプルウェルに加え、十分混合した。800μLの200ng/mL トルブタミドおよびラベタロールのアセトニトリル溶液を加えて、タンパク質を沈殿させた。サンプルプレートを密閉し、よく振盪し、次いで3220×gで20分間遠心分離した。150μLの上清を取り、LC/MS/MSにより分析した。
【0507】
【0508】
結論:種々の種の全血における安定性アッセイは、本発明の化合物が全血で良好な安定性を有することを示した。
【0509】
アッセイ実施例7:タンパク質結合率のアッセイ
アッセイの目的:CD-1マウス、SDラット、ビーグル犬、カニクイザルおよびヒトの血漿におけるアッセイ化合物のタンパク質結合率を、平衡透析により決定した。
【0510】
アッセイ手順:上記5種の血漿を使用して、2μM化合物濃度の血漿サンプルを調製し、96ウェル平衡透析装置に入れ、リン酸緩衝液で37±1℃で4時間透析した。ワルファリンを、このアッセイの対照化合物として使用した。血漿および透析緩衝液におけるアッセイ化合物の濃度を、LC-MS/MS方法により決定した。
【0511】
【0512】
結論:種々の種の血漿結合率のアッセイは、本発明の化合物が血漿における高いタンパク質非結合率を有することを示した。
【0513】
アッセイ実施例8:インビボ薬物動態アッセイ
1)SDラットにおけるアッセイ化合物の経口投与および静脈内注射におよる薬物動態のアッセイ
【0514】
アッセイ化合物を5%ジメチルスルホキシド/95%(10%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)溶液と混合した。混合物をボルテックス処理および超音波処理して、1mg/mL透明溶液を調製し、それを後の使用のために、微孔性膜を通して濾過した。7~10週齢雄SDラットを選択し、候補化合物溶液を静脈内または経口投与した。全血を一定時間に集め、調製して、血漿を得た。薬物濃度をLC-MS/MS方法により分析し、薬物動態パラメータを、Phoenix WinNonlinソフトウェア(Pharsight, USA)により計算した。アッセイ結果を表8に示す。
【0515】
【0516】
注:Vdss,uは、非結合血漿タンパク質下の見掛けの分布容積である(Vdss,u=Vdss/PPB(非結合%));Cmax,uおよびAUC0-last,uは、非結合血漿タンパク質下の対応値である(Cmax,u=Cmax×PPB(非結合%);AUC0-last,u=AUC0-last×PPB(非結合%))
【0517】
結論:PKアッセイは、本発明の化合物がラットにおいて高い非結合血漿暴露および良好な経口バイオアベイラビリティを有することを示した。
【0518】
2)CDマウスにおける経口投与および静脈内注射によるアッセイ化合物の薬物動態のアッセイ
【0519】
アッセイ化合物を5%ジメチルスルホキシド/95%(10%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)溶液と混合した。混合物をボルテックス処理および超音波処理して、1mg/mL透明溶液を調製し、それを後の使用のために、微孔性膜を通して濾過した。7~10週齢雄CDマウスを選択し、候補化合物溶液を静脈内または経口投与した。全血を一定時間に集め、調製して、血漿を得た。薬物濃度をLC-MS/MS方法により分析し、薬物動態パラメータを、Phoenix WinNonlinソフトウェア(Pharsight, USA)により計算した。アッセイ結果を表9に示す。
【0520】
【0521】
注:Vdss,uは、非結合血漿タンパク質下の見掛けの分布容積である(Vdss,u=Vdss/PPB(非結合%));Cmax,uおよびAUC0-last,uは、非結合血漿タンパク質下の対応値である(Cmax,u=Cmax×PPB(非結合%);AUC0-last,u=AUC0-last×PPB(非結合%))
【0522】
結論:PKアッセイは、本発明の化合物がマウスにおいて高い非結合血漿暴露および良好な経口バイオアベイラビリティを有することを示す。
【0523】
アッセイ実施例9:インビボ薬力学アッセイ
Balb/c Nudeマウスにおけるヒト膵臓がんMia PaCa-2細胞の皮下移植腫瘍モデルにおけるインビボ薬力学アッセイ
【0524】
1. 細胞培養および腫瘍組織調製
【0525】
細胞培養:ヒト膵臓がんMia PaCa-2細胞(ATCC-CRL-1420)を、10%ウシ胎児血清および2.5%ウマ血清添加DMEM培地で、37℃、5%二酸化炭素インキュベーターでインビトロで単層培養した。細胞を、週2回トリプシン-EDTAでの日常的消化により継代した。細胞飽和が80%~90%に達し、細胞数が必要量を満たしたら、細胞を回収し、計数し、適当量のPBSに再懸濁した。マトリゲルを1:1比で加えて、25×106細胞/mL細胞密度の細胞懸濁液を得た。
【0526】
細胞接種:0.2mL(5×106細胞/マウス)のMia PaCa-2細胞(+マトリゲル、体積で1:1)を、各マウスの右背部に皮下接種した。平均腫瘍体積が190mm3に達したとき、マウスを腫瘍体積に基づき複数群に無作為化し、投与を、表10のプロトコルに従い開始した。
【0527】
【0528】
注:POは経口投与を示す;QDは1日1回を示す。
【0529】
2. 腫瘍測定およびアッセイ指標
【0530】
腫瘍直径を、ノギスで週2回測定した。腫瘍体積の計算式は:V=0.5a×b2(ここで、aおよびbはそれぞれ腫瘍の長径および短径を表す)であった。
【0531】
化合物の抗腫瘍有効性をTGI(%)または相対的腫瘍増殖率T/C(%)で評価した。相対的腫瘍増殖率T/C(%)=TRTV/CRTV×100%(TRTV:処置群のRTV;CRTV:陰性対照群のRTV)。相対的腫瘍体積(RTV)を、腫瘍測定結果に従い計算し、計算式はRTV=Vt/V0(ここで、V0は群別の投与時(すなわち、D0)に測定した平均腫瘍体積、およびVtはある測定時の平均腫瘍体積であった)であった。TRTVおよびCRTVについて、同日のデータを使用した。
【0532】
TGI(%)は腫瘍増殖阻害率を反映した。TGI(%)=[(1-(処置群の投与終了時の平均腫瘍体積-処置群の投与開始時の平均腫瘍体積))/(媒体対照群の処置終了時の平均腫瘍体積-媒体対照群の処置開始時の平均腫瘍体積)]×100%。
【0533】
3. アッセイ結果
【0534】
【0535】
投与22日目の結果を表11に示す。
【0536】
【0537】
結論:本発明の化合物は、顕著な腫瘍阻害効果を有した。さらに、各用量群のマウス体重は安定しており、明らかな不寛容はなかった。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III)
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、
T
1はOであり;
R
1はフェニル、ナフチル、およびインダゾリルから選択され、ここで、フェニル、ナフチル、およびインダゾリルは場合により1個、2個、3個、4個、または5個のR
aで置換されており;
R
2は存在せず;
R
3はC
1-3アルキルであり、ここで、C
1-3アルキルは場合により1個、2個または3個のR
cで置換されており;
R
4はHおよびC
1-3アルキルから選択され、ここで、C
1-3アルキルは場合より1個、2個または3個のR
dで置換されており;
R
5、R
6およびR
7は各々独立してH、F、Cl、BrおよびIから選択され;
R
8はHおよびCH
3から選択され;
R
aは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH
2、CN、CH
3、CF
3およびOCH
3から選択され;
R
cは各々独立してテトラヒドロピロリルであり、ここで、該テトラヒドロピロリルは場合より1個、2個または3個のRで置換されており;
R
dは各々独立してF、Cl、Br、I、OH、NH
2およびCNから選択され;
Rは各々独立してF、Cl、BrおよびCH
3から選択され;
ただし、以下の化合物を含まない;
【化2】
【化3】
化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
R
1がフェニル、ナフチル、および
【化4】
から選択され、ここで、フェニル、ナフチル、および
【化5】
が場合により1個、2個または3個のR
aで置換されているか;
あるいは、R
1が
【化6】
から選択される、請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
R
cが
【化7】
から選択される、
請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R
3がCH
3であり、ここで、CH
3が場合により1個、2個または3個のR
cで置換されているか;
あるいはR
3が
【化8】
から選択される、請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R4がCH3であり、ここで、CH3が場合により1個、2個または3個のRdで置換されているか;
あるいは、R4がCH2CNである、請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
化合物は
【化9】
から選択されるか;
化合物は
【化10】
から選択されるか;あるいは、
化合物は
【化11】
【化12】
から選択される、
化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項8】
請求項1~6の何れか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、KRAS関連疾患処置のための医薬組成物。
【外国語明細書】