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特開2024-45252エスプレッソコーヒーマシンにおけるエスプレッソコーヒーの濃度の均一性を改善するための方法、並びに関連するエスプレッソコーヒーマシン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045252
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】エスプレッソコーヒーマシンにおけるエスプレッソコーヒーの濃度の均一性を改善するための方法、並びに関連するエスプレッソコーヒーマシン
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/34 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
A47J31/34
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024005994
(22)【出願日】2024-01-18
(62)【分割の表示】P 2020566963の分割
【原出願日】2019-06-07
(31)【優先権主張番号】102018000006140
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】512102391
【氏名又は名称】ラ マルゾッコ エス アール エル
【氏名又は名称原語表記】LA MARZOCCO S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179947
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ デッラ ピエトラ
(72)【発明者】
【氏名】リカルド ガッティ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エスプレッソコーヒーを調製及び吐出するためのマシンを提供する。
【解決手段】コーヒーボイラと、押圧されるコーヒー粉末パック用のフィルタを有するフィルタホルダと、事前注入チャンバと、コーヒーボイラから事前注入チャンバに加圧水を搬送するための水圧回路とを備える。マシンは、事前注入チャンバ及び水圧回路の充填を示すパラメータを検出するための装置を更に備え、検出された充填パラメータに基づいて、エスプレッソコーヒーを吐出するステップを開始することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスプレッソコーヒーを調製及び吐出するためのマシン(1000)であって、コーヒーボ
イラ(1)と、押圧されるコーヒー粉末パック用のフィルタを有するフィルタホルダ(8
)と、事前注入チャンバ(PC)と、前記コーヒーボイラ(1)から前記事前注入チャンバ
(PC)に加圧水を搬送するための水圧回路(6,9)とを備え、前記マシン(1000)が、前
記事前注入チャンバ及び前記水圧回路(6,9)の充填を示すパラメータ値(F,P,W)の
変化を検出するための装置(16,24,29)を更に備え、前記検出された充填パラメータ値
(P,F,W)の変化に基づいて、エスプレッソコーヒーを吐出するステップを開始するこ
とができるマシン。
【請求項2】
請求項1に記載のマシン(1000)であって、前記事前注入チャンバ及び前記水圧回路(
6,9)の充填を示す前記パラメータ値(F,P,W)を検出するための前記装置が、流量計
(16)を含むマシン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマシン(1000)であって、前記流量計(16)が、水流の減速を
検出するよう構成され、前記水流の減速が、前記事前注入チャンバ及び前記水圧回路(6
,9)の充填を示すマシン。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のマシン(1000)であって、前記事前注入チャンバ及
び前記水圧回路(6,9)の充填を示す前記パラメータ値(F,P,W)を検出するための前
記装置が、圧力変換器(24)を含むマシン。
【請求項5】
請求項4に記載のマシン(1000)であって、前記圧力変換器(24)が、水の圧力差を検
出するよう構成され、前記水の圧力差が、前記事前注入チャンバ及び前記水圧回路(6,9
)の充填を示すマシン。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載のマシン(1000)であって、前記事前注入チャンバ及
び前記水圧回路(6,9)の充填を示す前記パラメータ値(F,P,W)を検出するための前
記装置が、計量装置(29)を含むマシン。
【請求項7】
請求項6に記載のマシン(1000)であって、前記計量装置(29)が、吐出されたエスプ
レッソコーヒーを受け取るための容器における重量又は質量の変化を検出するよう構成さ
れ、前記重量又は質量の変化が、前記事前注入チャンバ及び前記水圧回路(6,9)の充填
を示すマシン。
【請求項8】
エスプレッソコーヒーマシンを使用してエスプレッソコーヒーを調製するための方法で
あって、前記マシンが、コーヒーボイラ(1)と、押圧されるコーヒー粉末パック用のフ
ィルタを有するフィルタホルダ(8)と、事前注入チャンバ(PC)と、前記コーヒーボイ
ラ(1)から前記事前注入チャンバ(PC)に加圧水を搬送するための水圧回路(6,9)と
を備え、前記方法が、前記事前注入チャンバ(PC)及び前記水圧回路(6,9)の充填を示
すパラメータ値(F,P,W)の変化を検出するステップと、前記検出した充填パラメータ
値(P,F,W)の変化に基づいて、エスプレッソコーヒーを吐出するステップとを含む方
法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記充填パラメータ値(F,P,W)の変化が、水流を
示すパラメータ、水圧を示すパラメータ、並びに容器に吐出したエスプレッソコーヒーの
重量又は質量を示すパラメータのうちの少なくとも1つの変化を含む方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記充填パラメータ値(F,P,W)の変化が、水流の
減速、又は圧力差、又は重量或いは質量の変化を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、エスプレッソコーヒーマシンに関し、より具体的には、所望の濃度
のエスプレッソコーヒーを吐出可能な方法及びマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を調製するための多くのマシンが従来技術に既知である。特に、コーヒー粉末、ポ
ッド、カプセル等からエスプレッソコーヒーを調製するための多くのマシンが既知である
【0003】
エスプレッソコーヒーを調製するためのマシンにおいては通常、挽いたコーヒーを有す
るパックを通過する高温・高圧の水流を生じさせる。幾つかの既知のマシンにおいては、
コーヒーパックを通過する水の圧力及び/又は温度を正確に調節することが可能である。
幾つかの既知のマシンにおいては、水の圧力及び/又は温度を吐出中に変更することが可
能である。
【0004】
上述した機能は、挽いたコーヒー粉末から成分及びエッセンスをより効果的に抽出する
ことで飲料の品質を改善するために、一部のコーヒーマシンの製造業者により採用されて
いる。上述した機能は、他の機能と共に、異なるコーヒー混合物、異なる処理操作、挽い
たコーヒーにおける異なる粒径及び異なる圧縮度、並びに異なる水分割合などを補償する
のにも採用されている。
【0005】
幾つかのケースにおいて、コーヒーマシンの製造業者は、同じ特性を有するコーヒーを
調製するためのソリューションの開発を試みている。
【0006】
現在のところ、飲料を一定の圧力で吐出するエスプレッソコーヒー調製用のマシンにお
いては、使用者が注入開始の指示を出した瞬間から(エスプレッソコーヒー)の注入に使
用される水の量又は質量を計算し始める。
【0007】
同じことは、異なる圧力プロファイルを操作者が選択できる制御ユニットを備えるマシ
ンでも生じる。この場合、マシンは、操作者が指示を出した瞬間からプロファイルの再現
を開始し、所定の量或いは質量の水が流れた後、又は注入開始から合計時間が経過した後
、プロファイルの再現を中断する。
【0008】
特許文献1(国際公開第2011/140582号パンフレット)には、エスプレッソコーヒーマ
シンに関して改善された方法及び装置が記載されている。この場合、ポンプ出力を変更す
るためのモジュールがポンプに作動的に関連付けられている。ポンプ出力を変更するため
のモジュールにより、好適には、ポンプによって供給される流れに関する圧力プロファイ
ルが規定可能である。幾つかの実施形態において、ポンプ出力を変更するためのモジュー
ルは、事前注入(プリインフュージョン)を得るのに使用することができる。特許文献1
に記載の発明対象の一態様によれば、事前注入に関するポンプ出力を変更するためのモジ
ュールを備えるエスプレッソコーヒーマシンが提供される。幾つかの実施形態において、
ポンプ出力を変更するためのモジュールは、エスプレッソコーヒーの製造サイクル中に圧
力プロファイルを規定するのに使用することができる。圧力プロファイルは、予め設定さ
れていてもよいし、使用者によって設定されてもよい。圧力プロファイルは、より好適に
は、各ポンプに供給される電力を示す電力・時間プロファイルの形態をとることができる
。特許文献2(欧州特許出願公開第3225141号明細書)には、コーヒーマシン及びその作
動方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2011/140582号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第3225141号明細書
【発明の概要】
【0010】
本出願人は、現状において、溶媒(水)と溶質(コーヒー粉末)の量が一定の比率であ
るエスプレッソコーヒーを得ることができないことを認識しており、その理由は、少なく
とも事前注入の開始前にどれだけの水が吐出されるかを正確に計算することができないか
らである。
【0011】
実際のところ、使用されるコーヒー粉末の量が異なること、及び/又は、使用者が設定
する粉砕の細かさが異なること、及び/又は、使用者による押圧が異なることにより、コ
ーヒー粉末パック上方の空スペースの体積が変化する。従って、加圧温水がコーヒーパッ
クに到達する前に、コーヒーパック上方の空スペースを満たすのに割り当てられる液体の
量にはバラつきがある。
【0012】
即ち、供給された水の一部は、フィルタホルダの上流側における水圧回路を満たすのに
使用され、他の一部は、コーヒー粉末パック上方におけるフィルタの体積を満たすのに使
用される。水圧回路の体積は、エスプレッソコーヒーマシンの製造業者が実質的に把握し
ている情報に基づいて計算できるが、コーヒー粉末パック上方の体積は、使用されるコー
ヒー粉末の量が異なること、及び/又は、使用者が設定する粉砕の細かさが異なること、
及び/又は、使用者による押圧が異なることにより変化する。この体積は、約2.5 cm3
約10 cm3の間で変化し得る。そのような量の水が、得られるエスプレッソコーヒーの濃度
に大きな影響を及ぼし得ることは言うまでもない。同じ量の水の供給に関して、コーヒー
パック上流側の体積が小さければ、エスプレッソコーヒーに利用可能な溶媒の量はより多
いのに対して、コーヒーパック上流側の体積が大きければ、エスプレッソコーヒーに利用
可能な溶媒の量はより少ない。換言すれば、同じ量の水の供給に関して、コーヒーパック
上流側の体積を満たすのに使用される水が少なければ、飲料に使用される水がより多いの
に対して、コーヒーパック上流側の体積を満たすのに使用される水が多ければ、飲料に使
用される水がより少ない。エスプレッソコーヒーの濃度は、実際には水の量だけでなく、
粉末の量にも依存する。
【0013】
上述したように、特許文献1には、エスプレッソコーヒーマシンに関して改善された方
法及び装置が記載されている。この場合にエスプレッソコーヒーマシンは、事前注入をす
るために、ポンプ出力を変更するためのモジュールを備える。ポンプ出力を変更するため
のモジュールは、エスプレッソコーヒーの製造サイクル中に圧力プロファイルを規定する
のに使用することができる。特許文献1によれば、圧力プロファイルは、予め設定されて
いてもよいし、使用者によって設定されてもよい。圧力プロファイルは、各ポンプに供給
される電力を示す電力・時間プロファイルの形態をとることができる。本出願人は、予め
設定された圧力プロファイルは妥協案であり、挽いたコーヒーパックの実際の条件を考慮
しないものであるため、特許文献1に記載されたアプローチには改善の余地があることを
理解している。予め設定されたプロファイルは、例えば、以下の事項の少なくとも1つ、
即ち、フィルタ内における挽いたコーヒーの実際の量、フィルタ内における挽いたコーヒ
ーの圧力、挽いたコーヒーの平均粒径、並びに前のサイクルと比較して回路内に残留した
水を考慮することがない。同様の考慮事項は、使用者が設定可能な圧力プロファイルにつ
いても当てはまる。なぜなら、使用者がフィルタ内における挽いたコーヒーの量及び水回
路内に残留した水の量について情報を一部把握している可能性はあるが、情報を完全に正
確に把握していないからである。
【0014】
特許文献2には、コーヒーマシン、特に注入シリンダ内に形成された注入チャンバを有
する組み込み型コーヒーグラインダを備えるコーヒーマシンの作動方法が開示されている
。この場合、注入チャンバは、注入シリンダ内に変位可能に配置されたピストンによって
軸線方向に画定されている。本出願人の目的は、使用されるコーヒー粉末の量、及び/又
は、使用者が設定する粉砕の細かさ、及び/又は、使用者による押圧に比較的依存しない
設定濃度のエスプレッソコーヒーを生成可能なエスプレッソコーヒーマシンを提供するこ
とである。
【0015】
本発明によれば、コーヒー粉末パックにおける上流側の空スペースの充填を示すパラメ
ータ値の変化が検出される。この充填パラメータは、後続する事前注入ステップ及び実際
の抽出ステップに際して考慮される。即ち、本発明によれば、注入ステップは、コーヒー
ボイラから温水が流れ始めた瞬間から開始するのではなく、コーヒー粉末パックにおける
上流側の回路及び空スペースが水で満たされたときに開始する。回路及び上述した空スペ
ースを満たすのに使用される水は、濃度の計算をするのに考慮されない。
【0016】
充填パラメータは、圧力の変化、流量の変化、質量の変化、又はこれらパラメータに関
する任意の他の組み合わせを含み得る。
【0017】
本発明の第1態様によれば、エスプレッソコーヒーを調製及び吐出するためのマシンが
提供され、そのマシンは、コーヒーボイラと、押圧されるコーヒー粉末パック用のフィル
タを有するフィルタホルダと、事前注入チャンバと、コーヒーボイラから事前注入チャン
バに加圧水を搬送するための水圧回路とを備える。本発明のマシンは、事前注入チャンバ
及び水圧回路の充填を示すパラメータ値の変化を検出するための装置を更に備え、検出さ
れた充填パラメータ値の変化に基づいて、エスプレッソコーヒーを吐出するステップを開
始することができる。
【0018】
幾つかの実施形態によれば、事前注入チャンバ及び水圧回路の充填を示すパラメータ値
を検出するための装置は、流量計を含む。流量計は、例えば、水流の減速を検出するよう
構成されている。水流の減速は、事前注入チャンバ及び水圧回路の充填を示すものである
。実際に、押圧されたコーヒーパックに向かう水流は、水がコーヒーパックに接触して抵
抗が生じ水流の減速がもたらされるまでは、自由で実質的に妨げられることはない。
【0019】
他の幾つかの実施形態によれば、事前注入チャンバ及び水圧回路の充填を示すパラメー
タ値を検出するための装置は、圧力変換器を含む。圧力変換器は、例えば、水の圧力差を
検出するよう構成されている。水の圧力差は、事前注入チャンバ及び水圧回路の充填を示
すものである。上述したように、実際に、押圧されたコーヒーパックに向かう水流は、水
がコーヒーパックに接触して抵抗が生じ水の圧力差がもたらされるまでは、自由で実質的
に妨げられることはない。
【0020】
他の幾つかの実施形態によれば、事前注入チャンバ及び水圧回路の充填を示すパラメー
タ値を検出するための装置は、計量装置を含む。計量装置は、例えば、吐出されたエスプ
レッソコーヒーを受け取るための容器における重量又は質量の変化を検出するよう構成さ
れている。エスプレッソコーヒーが容器内に流入しない限り、容器の重量が変化すること
はない。飲料が容器内に流入し始めた場合、供給された水により、事前注入チャンバ及び
水圧回路が満たされると共に、コーヒーパックが湿ったことを意味する。従って、エスプ
レッソコーヒーがカップに到達する前に吐出された水は充填水であり、抽出比の計算に考
慮されない場合がある。
【0021】
本発明の他の態様によれば、エスプレッソマシンを使用してエスプレッソコーヒーを調
製するための方法が提供され、その方法は、コーヒーボイラと、押圧されるコーヒー粉末
パック用のフィルタを有するフィルタホルダと、事前注入チャンバと、コーヒーボイラか
ら事前注入チャンバに加圧水を搬送するための水圧回路とを備える。本発明の方法は、事
前注入チャンバ及び水圧回路の充填を示すパラメータ値の変化を検出するステップと、検
出した充填パラメータ値の変化に基づいて、エスプレッソコーヒーを吐出するステップと
を含む。
【0022】
充填パラメータは、水流を示すパラメータ、水圧を示すパラメータ、並びに容器に吐出
したエスプレッソコーヒーの重量又は質量を示すパラメータのうちの少なくとも1つの変
化を含むことができる。
【0023】
充填パラメータ値の変化は、水流の減速、又は圧力差、又は重量或いは質量の変化を含
むことができる。
【0024】
以下、本発明の詳細を添付図面に基づいて例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明が適用可能なエスプレッソコーヒーマシンの一例を示す斜視図である。
図2】本発明に係るエスプレッソコーヒーマシンにおける水圧回路の第1実施形態を示す説明図である。
図3】本発明に係るエスプレッソコーヒーマシンにおける水圧回路の第2実施形態を示す説明図である。
図4】コーヒーボイラ、並びに水を含まない状態のフィルタホルダを示す断面図である。
図5図4における同じ構成要素を、コーヒー粉末パックに至る回路内に第1量の水を含む状態で示す説明図である。
図6図4における同じ構成要素を、回路及びコーヒーパック上方の全スペースを完全に満たす水を含む状態で示す説明図である。
図7】本発明に係る方法の3つの変形に関して、3つの異なるフローを示すフローチャートである。
図8】本発明に係る方法の3つの変形に関して、3つの異なるフローを示すフローチャートである。
図9】本発明に係る方法の3つの変形に関して、3つの異なるフローを示すフローチャートである。
図10】検出装置と処理装置との間の接続を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、全体が参照符号1000で表されているエスプレッソコーヒーマシンを例示的に示
す。マシン1000は、主要構成要素を収容する実質的に閉じた機械本体1001を備え、そのう
ちの幾つかを以下に説明する。マシン1000は、好適には、カップを置くことができる表面
1002を頂部に備える。表面1002上には、電気抵抗システム(図示せず)又は他の加熱シス
テムを提供することもできる。
【0027】
マシン1000は、エスプレッソコーヒーを吐出するための少なくとも1個の吐出グループ
1003を備える。マシン1000は、図1に例示されているマシン同様に、複数の吐出グループ
1003、例えば3個のグループを備えるのが好適である。この場合、2個、4個、又はそれ
以上の吐出グループが設けられていてもよい。好適には頂部がグリッド1005によって部分
的に閉じられたドリップトレイ1004は、好適には、吐出グループ1003の下方に配置されて
いる。コーヒーカップは、典型的には、エスプレッソコーヒーの吐出中にグリッド1005上
に配置される。
【0028】
コーヒー粉末パック用のフィルタを支持するためのフィルタホルダは、各吐出グループ
1003に取り外し可能に接続することができる。
【0029】
マシン1000は、例えば、マシンのオン/オフを切り替えるため、及び/又は、吐出を開
始又は終了するための1つ以上のディスプレイ1010、並びに押しボタンを備えることがで
きる。
【0030】
図1に示すマシン1000は、各吐出グループ1003に関して、エスプレッソコーヒーの吐出
を開始又は終了するため、及び/又は、エスプレッソコーヒーの吐出中に圧力を変更する
ためのレバー1112も備える。
【0031】
図2及び図3の水圧回路図を詳細に説明する前に、使用されている各参照符号を、個々
の構成要素の簡単な説明と共に以下に記載する。
【0032】
1 コーヒーボイラ
10 ポンプ
11 膨張弁
12 逆止弁
13 プリヒーター混合弁
14 蒸気ボイラ
15 減圧弁
16 流量計(体積計)
18 ボールタップ
19 蒸気電磁弁
20 蒸気ワンド
21 温水混合弁
22 蒸気ボイラ充填用電磁弁
23 温水ワンド
24 圧力変換器
25 蒸気ボイラ圧力計
26 排出水ウェル
27 歯車ポンプ
28 安全弁
29 計量システム
【0033】
図2及び図3においては、以下の記号が使用されている。即ち、冷水流は、「長ダッシ
ュ・単一短ダッシュ・長ダッシュ」線で表され、温水は、実線で表され、蒸気流は、破線
で表され、そして放出水流は、「長ダッシュ・短二重ダッシュ・長ダッシュ」線で表され
ている。
【0034】
簡潔に述べれば、図2に示す例示的な実施形態において、水道管本管からの(又は他の
任意の供給源からの)冷水は、ポンプ10に供給される。ポンプ10は、水を蒸気ボイラ14に
、好適には逆止弁12及びプリヒーター混合弁13を通過させて供給する。
【0035】
蒸気ワンド20は、蒸気ボイラ14に接続されることで蒸気が吐出され、例えばカプチーノ
を作るためのミルクが泡立てられる。
【0036】
蒸気ボイラ14は、煎じ物(例えば茶又はチザン茶)を調製するための温水を供給するた
めに、温水ワンド23と流体連通している。
【0037】
図4に示すように、コーヒーボイラ1からの水は、注入電磁弁9及び注入水パイプ6に
よって吐出グループ1003に搬送される。特に、パイプ6からの水は、好適には、シャワー
スクリーン4に到達し、これによりフィルタホルダ8によって支持されたフィルタ7内に
収容のコーヒー粉末パック上方で水が実質的に均一に分配される。コーヒー粉末パックは
、フィルタホルダ8をグループ1003の底部と係合させる前にバーテンダーが押圧する挽い
たコーヒーを含む。
【0038】
注入電磁弁9は、好適には、三方弁である。注入電磁弁9は、コーヒーボイラ1から水
を引き出すための第1経路、注入水供給パイプ6に接続された第2経路、並びに注入ゾー
ンを放出口に接続するための第3経路を有する。
【0039】
注入水供給パイプ6は、好適には、ディフューザスクリュー3及びシャワースクリーン
4と流体連通している。
【0040】
使用中、使用者がエスプレッソコーヒーの調製を希望する場合には、使用者がボタンを
押す(又は他の方法で抽出工程を開始する)。注入水は、コーヒーボイラ1における注入
電磁弁9の取り出しパイプを介して引き出され、注入水供給パイプ6を介してコーヒーパ
ックに向けて供給される。加圧水は、完全に満たされるまで注入水供給パイプ6(図5
照)に流入し始める。次いで、加圧温水がコーヒーパック上方の空スペースに流入する。
【0041】
コーヒー粉末パック上方の「空スペース」(又は類似の表現)とは、本明細書及び特許
請求の範囲において、エスプレッソコーヒーの調製が開始される前に、水で満たされてい
ないスペース(又は体積)を意味する。このスペース又は体積は、底部ではコーヒー粉末
パックに境界し、上部ではコーヒーボイラに境界している。空スペースは、典型的には、
事前注入チャンバ、注入電磁弁、並びに注入水を供給するためのパイプを含む。用語「事
前注入チャンバ」とは、底部ではコーヒーパックの上面に境界し、横方向ではコーヒーパ
ックを収容するフィルタの側壁の上部に境界し、頂部では吐出グループの底面に境界する
チャンバを意味する。以下において、空スペースは、文字「V」で表すものとする。
【0042】
本発明に係るエスプレッソコーヒーマシンは、コーヒーパック上方に位置すると共に注
入用として意図されていない、空スペースの体積を直接的又は間接的に推定することがで
きる。
【0043】
本発明に係るマシンの主目的は、注入準備中にコーヒーパックを通過する水の量の再現
性及び均一性を保証することである。これを実現するためには、抽出ステップを開始する
前に、コーヒーパック上方の空スペースを満たすために使用される水の量を規定すること
が必要である。本発明に係るマシンは、各コーヒー注入に関して、パックを通過する水の
量を判定するよう構成され、分配された水の総量のうちどのくらいの水が空スペースを満
たすのに使用されるかを評価する。
【0044】
第1実施形態によれば、マシンは、その制御ユニット(CPU)60に接続された体積計(
流量計)16を備える(図10a参照)。流量計16は、好適には、注入電磁弁9の直ぐ下流側
に配置されている。代替的に、流量計16は、注入電磁弁9の更に下流側か又は上流側など
、他の位置に配置されてもよい。流量計16と制御及び/又は処理ユニット60との間の接続
は、ケーブル又は無線を使用して実現することができる。
【0045】
本発明によれば、流量計16によって検出された流れの減速は、コーヒーパック上方の空
スペースVが満たされたことを示すものである。即ち、使用者が所定量のエスプレッソコ
ーヒーの吐出工程を開始すると、コーヒーパック上方の空スペースが満たされるまで、加
圧水が注入水供給パイプ6内を自由に流れ始める。この体積V全体が満たされると、加圧
水の流れは、コーヒーパックの抵抗を受けることで減速する。この抵抗は、典型的には、
流量計16の回転速度が急激に低下することによって検出される。
【0046】
減速が生じる時点を判定することにより、コーヒーパック上方の空スペースVを満たす
のに使用される水の量を計算することが可能であり、注入に使用される実際の水の量を計
算し始めることができるから、事前注入ステップの終了を判定することができる。
【0047】
第2実施形態によれば、マシンは、制御ユニット(CPU)60に接続された圧力変換器24
を備える。圧力変換器24は、好適には、吐出グループ近傍に配置され、コーヒーボイラと
流体連通している(図3及び図10b参照)。圧力変換器24は、流量計16と同じ位置にあっ
てもよい。圧力変換器24と制御及び/又は処理ユニット60との間の接続は、ケーブル又は
無線を使用して実現することができる。
【0048】
本発明によれば、圧力変換器24によって検出された圧力の増加は、コーヒーパック上方
の空スペース及び注入水供給パイプ6が満たされたことを示すものである。即ち、使用者
が所定量のエスプレッソコーヒーの吐出工程を開始すると、コーヒーパック上方の空スペ
ースが満たされるまで、加圧温水が注入水供給パイプ6内を自由に流れ始める。この体積
全体が満たされると、コーヒーパック上方における空スペース内の圧力が吐出値まで増加
する。次いで、加圧水がコーヒーパックを通過し始め、また圧力変換器16によって検出さ
れた圧力は、ポンプ10によって生成された吐出圧力である。吐出圧力値は、吐出工程中、
可変圧力プロファイルとして設定することができる。
【0049】
圧力の増加が生じる時点を判定することにより、コーヒーパック上方のパイプを満たす
のに使用される水の量を計算することが可能であり、注入に使用される水の量を計算し始
めることができるから、事前注入ステップの終了を判定することができる。
【0050】
第3実施形態によれば、マシン1000は、その吐出グループ1003の下方に位置するカップ
(又は他の容器)内における飲料の重量又は質量の変化を検出するための手段29(図3
照)を備える。カップ内における飲料の重量又は質量の変化は、コーヒー粉末パック上方
の空スペースが満たされたことを示すものである。即ち、使用者が所定量のエスプレッソ
コーヒーの吐出工程を開始すると、コーヒーパック上方の空スペースが満たされるまで、
加圧温水が注入水供給パイプ6内を自由に流れ始める。この体積全体が満たされると、加
圧水は、コーヒー粉末パックを通過し始め、吐出グループの下方におけるカップ内に流入
する。重量又は質量の変化が生じる時点は、注入に使用される水の量をマシンが規定可能
な時点であり、従って事前注入ステップの終了を判定することができる。
【0051】
計量ユニット29は、好適には、ケーブル又は無線によって制御及び/又は処理ユニット
60に接続されている。
【0052】
コーヒーパック上方の空スペースにおける充填の判定に関しては、上述した実施形態の
2つ以上が組み合わせ可能であり、従って実際の抽出工程に使用される加圧水の流れの開
始をより高精度で実現できることは言うまでもない。
【0053】
例えば他の実施形態によれば、流量計に関連付けられた圧力変換器が提供されてもよい
。充填を示す2個以上の装置が組み合わされている場合、マシンの制御ユニットは、2つ
の値(この場合は圧力値及び流量値)を管理し、単一の充填終了時点(事前注入の終了及
び吐出の開始)を確認するようプログラムされている。
【0054】
幾つかの実施形態によれば、コーヒーパック上方の空スペースにおける充填を示すパラ
メータ値は、進行中の吐出動作のために、及び/又は、検出精度及び/又は速度を改善す
るための自己学習機構による後続的な吐出動作のために使用することができる。
【0055】
図7図8、並びに図9は、3つの主な実施形態に係る方法に関する3つの異なるフロ
ーチャートを示す。
【0056】
図7のフローチャートは、コーヒーパック上方の空スペースにおける充填を示すパラメ
ータが流れパラメータである第1実施形態に関する。
【0057】
本発明の方法においては、エスプレッソコーヒー(シングル、ダブル等)の吐出を開始
(100)した後、例えば流量計16を使用して流量値を監視(101)することを想定している
。次いで、コーヒー粉末パック上方における空スペースが完全に満たされたことを示す所
定の閾値未満の流れ又は流量値の減速の検出(202)が行われる。コーヒー粉末パック上
方の空スペースが完全に満たされたことが確認された時点の後、カップ内に所望の量のエ
スプレッソコーヒーを得るために、加圧水が所定の量及び/又は所定の時間だけ分配され
る(104)。空スペースが満たされたことを示す時点の前に分配された温水の圧力は、そ
の時点の後の圧力よりも小さくてもよい。カップ内におけるエスプレッソコーヒーの所望
の量は、所望の抽出比(水とコーヒー粉末との間の希釈比)を得るのに使用される粉末の
量、又は他の要件、例えば重量及び/又は体積に依存してもよい。
【0058】
図8のフローチャートは、コーヒーパック上方の空スペースにおける充填を示すパラメ
ータが圧力パラメータである第2実施形態に関する。
【0059】
本発明の方法においては、エスプレッソコーヒー(シングル、ダブル等)の吐出を開始
(200)した後、例えば圧力変換器24を使用して圧力値を監視(201)することを想定して
いる。次いで、コーヒー粉末パック上方における空スペースが完全に満たされたことを示
す所定の閾値を超える吐出圧力値の検出(202)が行われる。コーヒー粉末パック上方の
空スペースが完全に満たされたことが確認された時点の後、カップ内に所望の量のエスプ
レッソコーヒーを得るために、加圧水が所定の量及び/又は所定の時間だけ分配される(
204)。空スペースが満たされたことを示す時点の前に分配された温水の圧力は、その時
点の後の圧力よりも小さくてもよい。カップ内におけるエスプレッソコーヒーの所望の量
は、所望の抽出比(水とコーヒー粉末との間の希釈比)を得るのに使用される粉末の量、
又は他の要件、例えば重量及び/又は体積に依存してもよい。
【0060】
図9のフローチャートは、コーヒーパック上方の空スペースにおける充填を示すパラメ
ータが重量又は質量パラメータである第3実施形態に関する。
【0061】
本発明の方法においては、エスプレッソコーヒー(シングル、ダブル等)の吐出を開始
(300)した後、飲料を受け取る容器の質量値又は重量値を監視(301)することを想定し
ている。この場合、例えば、計量装置29を使用することができる。次いで、空の容器の重
量又は質量(風袋重量)よりも大きい質量値又は重量値が検出される(302)。この値は
、コーヒー粉末パック上方の空スペースが完全に満たされ、飲料の一部が容器(カップ)
内に受け取られ始めたことを示すものである。コーヒー粉末パック上方の空スペースが完
全に満たされたことが確認された時点の後、カップ内に所望の量のエスプレッソコーヒー
を得るために、加圧水が所定の量及び/又は所定の時間だけ分配される(304)。空スペ
ースが満たされたことを示す時点の前に分配された温水の圧力は、その時点の後の圧力よ
りも小さくてもよい。カップ内におけるエスプレッソコーヒーの所望の量は、所望の抽出
比(水とコーヒー粉末との間の希釈比)を得るのに使用される粉末の量、又は他の要件、
例えば重量及び/又は体積に依存してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
【手続補正書】
【提出日】2024-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスプレッソコーヒーを調製及び吐出するためのマシンであって、
コーヒーボイラと
押圧されるコーヒー粉末パック用のフィルタを有するフィルタホルダと
事前注入チャンバと
前記コーヒーボイラから前記事前注入チャンバに加圧水を搬送するための水圧回路と、
前記水圧回路に配置され、水流の減速を検出するように構成された流量計と、を備えており前記水流の減速は、前記事前注入チャンバおよび前記水圧回路の充填を示し、検出された水流の減速に基づいて、エスプレッソコーヒーを吐出するステップを開始することができるマシン。
【請求項2】
エスプレッソコーヒーを調製及び吐出するためのマシンであって、
コーヒーボイラと、
押圧されるコーヒー粉末パック用のフィルタを有するフィルタホルダと、
事前注入チャンバと、
前記コーヒーボイラから前記事前注入チャンバに加圧水を搬送するための水圧回路と、
前記水圧回路に配置され、水圧の増加を検出するように構成された圧力変換器と、を備えており、前記水圧の増加は、前記事前注入チャンバおよび前記水圧回路の充填を示し、検出された水流の圧力差に基づいて、エスプレッソコーヒーの吐出を開始することができる、マシン。
【請求項3】
エスプレッソコーヒーを調製及び吐出するためのマシンであって、
コーヒーボイラと、
押圧されるコーヒー粉末パック用のフィルタを有するフィルタホルダと、
事前注入チャンバと、
前記コーヒーボイラから前記事前注入チャンバに加圧水を搬送するための水圧回路と、
吐出されたエスプレッソコーヒーを受け取るための容器における重量または質量の変化を検出するように構成された計量装置、を備えており、前記重量または質量の変化は、前記事前注入チャンバおよび前記水圧回路の充填を示し、検出された前記容器における重量または質量の変化に基づいて、エスプレッソコーヒーの吐出を開始することができる、マシン。
【請求項4】
エスプレッソコーヒーマシンを使用してエスプレッソコーヒーを調製するための方法であって、前記エスプレッソコーヒーマシンが、コーヒーボイラと、押圧されるコーヒー粉末パック用のフィルタを有するフィルタホルダと、事前注入チャンバと、前記コーヒーボイラから前記事前注入チャンバに加圧水を搬送するための水圧回路とを備え、前記方法
事前注入を開始するステップと、
前記事前注入チャンバ及び前記水圧回路の充填を示すパラメータ値の変化を検出するステップと、
前記検出されたパラメータ変化に基づいて、前記事前注入ステップを終了するステップとを含み、前記パラメータ変化は、
(i)前記水圧回路に配置された流量計によって検出される水流の減速と、
(ii)前記水圧回路に配置された圧力変換器によって検出される水圧の増加と、
(iii)吐出されたエスプレッソコーヒーを受け取るための容器における重量または質量の変化であって、計量装置によって検出される重量または質量の変化と、
のうちの少なくとも1つの変化を含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記事前注入ステップの後に注入ステップを実行するステップと、それにより、前記注入ステップの最後にエスプレッソコーヒーを得るステップとをさらに含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記方法は、さらにエスプレッソコーヒーを調製するステップを含んでおり、当該ステップは、さらなる事前注入ステップを開始するステップと、前記さらなる事前注入ステップを前記事前注入ステップに基づいて終了するステップと、前記さらなる事前注入ステップの後にさらなる注入ステップを実行するステップと、それにより、さらにエスプレッソコーヒーを得るステップと、を含む、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、前記注入ステップ中に供給される水の量に基づいて前記エスプレッソコーヒーの濃度を計算するステップを含む、方法。
【請求項8】
エスプレッソコーヒーを調製及び吐出するためのマシンであって、
コーヒーボイラと、
押圧されるコーヒー粉末パック用のフィルタを有するフィルタホルダと、
事前注入チャンバと、
前記コーヒーボイラから前記事前注入チャンバに加圧水を搬送するための水圧回路と、
前記水圧回路に配置され、前記事前注入チャンバおよび前記水圧回路の充填を示すパラメータを検出するように構成されたセンサと、
前記センサに接続され、検出されたパラメータに基づいて、エスプレッソコーヒーの吐出が開始されるように、当該エスプレッソコーヒーの吐出を制御するように構成された処理回路と、を備える、マシン。
【請求項9】
請求項8に記載のマシンであって、前記センサは、流量計を含む、マシン。
【請求項10】
請求項8に記載のマシンであって、前記センサは、圧力変換器を含む、マシン。
【請求項11】
請求項8に記載のマシンであって、前記センサは、計量装置を含む、マシン。
【外国語明細書】