(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004527
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】吸収性物品用トップシート、及び吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/511 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A61F13/511 400
A61F13/511 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104120
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】591108248
【氏名又は名称】カミ商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】石川 俊昇
(72)【発明者】
【氏名】守時 亜衣
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA01
3B200BA16
3B200BB03
3B200CA02
3B200CA11
3B200DD02
3B200DD07
3B200EA24
(57)【要約】
【課題】接合部の接合性及び吸収性物品用トップシートの吸収性を高めることが可能となる、吸収性物品用トップシート、及び吸収性物品を提供すること。
【解決手段】トップシート30は、第1シート31と、第1シート31に積層して配置された第2シートと、第1シート31と第2シートとを接合する略ライン状の接合部33であり、相互に間隔を隔てて複数設けられた接合部33と、第1シート31及び第2シートの各々において複数の接合部33によって囲繞されるように設けられた非接合部34と、を備え、トップシート30の主面に直交する直交方向から見て、非接合部34の形状が略楕円形状になるように、複数の接合部33を千鳥配置した。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品を構成する吸収性物品用トップシートであって、
第1シートと、
前記第1シートに積層して配置された第2シートと、
前記第1シートと前記第2シートとを接合する略ライン状の接合部であり、相互に間隔を隔てて複数設けられた接合部と、
前記第1シート及び前記第2シートの各々において前記複数の接合部によって囲繞されるように設けられた非接合部と、を備え、
当該吸収性物品用トップシートの主面に直交する直交方向から見て、前記非接合部の形状が略楕円形状になるように、前記複数の接合部を千鳥配置した、
吸収性物品用トップシート。
【請求項2】
前記非接合部の長軸方向の長さを、前記接合部の長手方向の長さよりも長くし、
前記非接合部の短軸方向の長さを、前記接合部の長手方向の長さと略同一とした、
請求項1に記載の吸収性物品用トップシート。
【請求項3】
前記非接合部は、
前記第1シート又は前記第2シートのいずれか一方に設けられた第1非接合部であり、当該一方が前記直交方向に折り曲げられることにより略凸状に形成された第1非接合部と、
前記第1シート又は前記第2シートのいずれか他方に設けられた第2非接合部であり、前記第1非接合部が折り曲げられた方向と略同一の方向に当該他方が折り曲げられ、且つ前記第1非接合部が折り曲げられた量と略同一の量で当該他方が折り曲げられることにより略凸状に形成された第2非接合部と、を含む、
請求項1又は2に記載の吸収性物品用トップシート。
【請求項4】
当該吸収性物品用トップシートの嵩高さを、前記非接合部の長軸方向の長さの3分の1を超える長さとした、
請求項3に記載の吸収性物品用トップシート。
【請求項5】
前記接合部を、前記第1シートと前記第2シートとを超音波接合することにより形成した、
請求項1又は2に記載の吸収性物品用トップシート。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の吸収性物品用トップシートを備える吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品用トップシート、及び吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、おむつと組み合わせて着用する吸収性物品には、装着者の肌と当接するように配置されるトップシートであって、装着者が排泄した尿などの液体を吸収し、当該吸収した液体を当該トップシートの下層に位置する吸収体へと導くためのトップシートが設けられることが知られている。このようなトップシートは、例えば、積層された2つのシートにエンボス加工を施すことにより、立体的な凹凸部が形成されている(特許文献1参照)。具体的には、凹凸状に形成した上層のシートと平坦状の下層のシートとが部分的に接合されることで、立体的な凹凸部が形成される。また、トップシートには、複数のドット状の接合部と、複数の接合部によって囲繞される凸状の非接合部であって、平面視において略円形状である非接合部とが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、接合部の接合性及びトップシートの吸収性を高めたいというニーズが高まっている。しかしながら、上記従来のトップシートにおいては、上述したように、複数のドット状の接合部と、平面方向からみて略円形状である非接合部とが形成されるので、各接合部の接合面積や各非接合部の表面積を増大させることが難しいため、接合部の接合性及びトップシートの吸収性を高めにくいことから、接合部の接合性及びトップシートの吸収性を高める観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、接合部の接合性及び吸収性物品用トップシートの吸収性を高めることが可能となる、吸収性物品用トップシート、及び吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の吸収性物品用トップシートは、吸収性物品を構成する吸収性物品用トップシートであって、第1シートと、前記第1シートに積層して配置された第2シートと、前記第1シートと前記第2シートとを接合する略ライン状の接合部であり、相互に間隔を隔てて複数設けられた接合部と、前記第1シート及び前記第2シートの各々において前記複数の接合部によって囲繞されるように設けられた非接合部と、を備え、当該吸収性物品用トップシートの主面に直交する直交方向から見て、前記非接合部の形状が略楕円形状になるように、前記複数の接合部を千鳥配置した。
【0007】
請求項2に記載の吸収性物品用トップシートは、請求項1に記載の吸収性物品用トップシートにおいて、前記非接合部の長軸方向の長さを、前記接合部の長手方向の長さよりも長くし、前記非接合部の短軸方向の長さを、前記接合部の長手方向の長さと略同一とした。
【0008】
請求項3に記載の吸収性物品用トップシートは、請求項1又は2に記載の吸収性物品用トップシートにおいて、前記非接合部は、前記第1シート又は前記第2シートのいずれか一方に設けられた第1非接合部であり、当該一方が前記直交方向に折り曲げられることにより略凸状に形成された第1非接合部と、前記第1シート又は前記第2シートのいずれか他方に設けられた第2非接合部であり、前記第1非接合部が折り曲げられた方向と略同一の方向に当該他方が折り曲げられ、且つ前記第1非接合部が折り曲げられた量と略同一の量で当該他方が折り曲げられることにより略凸状に形成された第2非接合部と、を含む。
【0009】
請求項4に記載の吸収性物品用トップシートは、請求項3に記載の吸収性物品用トップシートにおいて、当該吸収性物品用トップシートの嵩高さを、前記非接合部の長軸方向の長さの3分の1を超える長さとした。
【0010】
請求項5に記載の吸収性物品用トップシートは、請求項1又は2に記載の吸収性物品用トップシートにおいて、前記接合部を、前記第1シートと前記第2シートとを超音波接合することにより形成した。
【0011】
請求項6に記載の吸収性物品は、請求項1又は2に記載の吸収性物品用トップシートを備える。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の吸収性物品用トップシート、及び請求項6に記載の吸収性物品によれば、第1シートと第2シートとを接合する略ライン状の接合部であり、相互に間隔を隔てて複数設けられた接合部と、第1シート及び第2シートの各々において複数の接合部によって囲繞されるように設けられた非接合部と、を備え、吸収性物品用トップシートの主面に直交する直交方向から見て、非接合部の形状が略楕円形状になるように、複数の接合部を千鳥配置したので、従来技術(接合部がドット状であり、平面視において非接合部が略円形状である技術)に比べて、接合部の接合面積及び非接合部の表面積を増大させやすいことから、接合部の接合性及び吸収性物品用トップシートの吸収性を高めることが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の吸収性物品用トップシートによれば、非接合部の長軸方向の長さを、接合部の長手方向の長さよりも長くし、非接合部の短軸方向の長さを、接合部の長手方向の長さと略同一としたので、接合部の接合性を確保しながら、第1非接合部の表面積を増大させることができ、吸収性物品用トップシートの吸収性を高めやすくなる。
【0014】
請求項3に記載の吸収性物品用トップシートによれば、非接合部が、第1シート又は第2シートのいずれか一方に設けられた第1非接合部であり、当該一方が直交方向に折り曲げられることにより略凸状に形成された第1非接合部と、第1シート又は第2シートのいずれか他方に設けられた第2非接合部であり、第1非接合部が折り曲げられた方向と略同一の方向に当該他方が折り曲げられ、且つ第1非接合部が折り曲げられた量と略同一の量で当該他方が折り曲げられることにより略凸状に形成された第2非接合部と、を含むので、非接合部の表面積を増大させることができ、吸収性物品用トップシートの吸収性を一層高めやすくなる。
【0015】
請求項4に記載の吸収性物品用トップシートによれば、吸収性物品用トップシートの嵩高さを、非接合部の長軸方向の長さの3分の1を超える長さとしたので、吸収性物品用トップシートの風合い又は/及び接合部の接合性を確保でき、吸収性物品用トップシートの使用性を高めやすくなる。
【0016】
請求項5に記載の吸収性物品用トップシートによれば、接合部を、第1シートと第2シートとを超音波接合することにより形成したので、第1シートと第2シートとを熱接合で接続する場合に比べて、接合によって非接合部が硬化することを回避できることから、吸収性物品用トップシートの吸収性を一層高めやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態に係るおむつの構成を示す平面図である。
【
図5】トップシートの断面図であって、
図4のC-C矢視断面図である。
【
図6】トップシート製造装置の要部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る吸収性物品用トップシート、及び吸収性物品の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、吸収性物品を構成する吸収性物品用トップシート、及び吸収性物品に関するものである。
【0020】
ここで、「吸収性物品」の適用対象については任意であるが、例えば、幼児用おむつ、大人用おむつ、ペット用おむつ等が該当する。
【0021】
以下では、吸収性物品を装着する装着者を大人として、排泄物である尿を捕捉して吸収するために着用される大人用のおむつに吸収性物品を適用した場合について説明する。
【0022】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0023】
(構成-おむつ)
最初に、実施の形態に係る吸収性物品用トップシートを含む吸収性物品が適用されるおむつの構成について説明する。
【0024】
以下の説明では、
図1のX方向をおむつの左右方向(-X方向をおむつの左方向、+X方向をおむつの右方向)、
図1のY方向をおむつの前後方向(+Y方向をおむつの前方向、-Y方向をおむつの後方向)、
図3のZ方向をおむつの上下方向(+Z方向をおむつの上方向、-Z方向をおむつの下方向)と称する。
【0025】
おむつ1は、例えば公知の大人用のおむつで構成されており、
図1に示すように、おむつ本体2を備えている。
【0026】
(構成-おむつ-おむつ本体)
おむつ本体2は、おむつ1の基本構造体である。このおむつ本体2は、
図1に示すように、装着者の下半身を覆うことが可能な略矩形形状にて形成されている。また、以下に示す通りに、説明の都合上、おむつ本体2を3つの領域に区分して説明する。
【0027】
すなわち、おむつ本体2は、装着者の腹側を覆う前側胴周り部2aと、装着者の背側を覆う後側胴周り部2bと、前側胴周り部2aと後側胴周り部2bとの相互間に設けられており装着者の股下側を覆う股下部2cと、を備えている。
【0028】
また、
図1に示すように、おむつ本体2は、外装シート3及びファスナー部4を備えている。
【0029】
なお、以下では、おむつ本体2の面のうち、装着者の肌面に対向する側の面を「内側面」と称し、装着者の肌面に対向する側とは反対側の面を「外側面」と称する(吸収性物品10についても同様とする)。
【0030】
(構成-おむつ-おむつ本体-外装シート)
外装シート3は、吸収性物品10を保持するための保持手段であり、
図1に示すように、外側シート3a、内側シート3b、及びおむつ側立体ギャザー(図示省略)を備えている。
【0031】
(構成-おむつ-おむつ本体-外装シート-外側シート)
外側シート3aは、おむつ本体2の外部を覆うシートである。この外側シート3aは、例えば公知のシート材(一例として、撥水性の化学繊維の不織布)を用いて構成されており、具体的には、外側シート3aの平面形状が略砂時計形状に設定されている。
【0032】
また、
図1に示すように、外側シート3aは、前側胴周り部2a、後側胴周り部2b、及び股下部2cにわたって設けられている。
【0033】
(構成-おむつ-おむつ本体-外装シート-内側シート)
内側シート3bは、おむつ1を装着した際に、当該内側シート3bの少なくとも一部が装着者の肌側に当たるシートである。この内側シート3bは、例えば公知のシート材(一例として、撥水性の化学繊維の不織布)を用いて構成されており、具体的には、
図1に示すように、平面形状が外側シート3aと相似形状(つまり、略砂時計形状)に設定されている。
【0034】
また、内側シート3bは、前側胴周り部2a、後側胴周り部2b、及び股下部2cにわたって設けられている。具体的には、
図1に示すように、内側シート3bは、外側シート3aの内側面上に配置され、内側シート3bの少なくとも一部が外側シート3aに対して接着剤又は溶着等によって接続されている。
【0035】
(構成-おむつ-おむつ本体-外装シート-おむつ側立体ギャザー)
おむつ側立体ギャザーは、吸収性物品10を内側シート3bに対して支持するためのものである。このおむつ側立体ギャザーは、例えば公知の長尺なギャザー材を用いて構成されており、内側シート3bの内側面上において、相互に間隔を隔てて2つ設けられている。
【0036】
具体的には、各おむつ側立体ギャザーは、おむつ側立体ギャザーの長手方向が前後方向に略沿うように配置されていると共に、2つのおむつ側立体ギャザーによって吸収性物品10を挟み込むことが可能となるように配置され、内側シート3bに対して接着剤又は溶着等によって接続されている。
【0037】
(構成-おむつ-おむつ本体-ファスナー部)
ファスナー部4は、おむつ1を組み立てる際に、前側胴周り部2aと後側胴周り部2bとを相互に固定するための固定手段である。このファスナー部4は、例えば公知のファスナー材(一例として、面ファスナー等)を用いて構成されており、後側胴周り部2bに2つ設けられている。
【0038】
具体的には、
図1に示すように、各ファスナー部4は、後側胴周り部2bの左右方向の端部にそれぞれ配置され、後側胴周り部2bに対して接着剤又は溶着等によって接続されている。
【0039】
(構成-吸収性物品)
次に、吸収性物品10の構成について説明する。
【0040】
吸収性物品10は、装着者から排泄される排泄物(例えば、尿、便等)を捕捉するためのものであり、
図1に示すように、おむつ1を装着する際に、おむつ側立体ギャザーを介して内側シート3bに対して支持される。また、この吸収性物品10は、
図2、
図3に示すように、立体ギャザー20、トップシート30、カバーシート40、上層吸収体50、中間シート60、下層吸収体70、キャリアシート80、及びバックシート90を備えている。
【0041】
(構成-吸収性物品-立体ギャザー)
立体ギャザー20は、装着者からの排泄物が吸収性物品10外に漏洩することを防止する漏洩防止手段である。この立体ギャザー20は、例えば公知の立体ギャザーを用いて構成されており、バックシート90の内側面に相互に間隔を隔てて2つ設けられている。
【0042】
具体的には、
図3に示すように、各立体ギャザー20が、バックシート90の左右方向の端部にそれぞれ設けられ、各立体ギャザー20の外側面側の端部がバックシート90に対して接着剤又は溶着等により接続されている。
【0043】
(構成-吸収性物品-トップシート)
図2に戻り、トップシート30は、装着者からの液状の排泄物を吸収し、当該吸収した液状の排泄物を上層吸収体50又は/及び下層吸収体70へ導くための吸収性物品用トップシートである。このトップシート30は、平面形状が略矩形形状である略シート状体であり、
図2、
図3に示すように、装着者の肌と当接可能な位置に設けられ、立体ギャザー20の一部に対して接着剤又は溶着等により接続されている。なお、トップシート30の構成の詳細については、後述する。
【0044】
(構成-吸収性物品-カバーシート)
カバーシート40は、トップシート30と上層吸収体50との相互間における通液性を確保するためのものである。このカバーシート40は、例えば液状の排泄物を透過することが可能な公知のシート材(一例として、親水性を有する不織布等(例えば、セルロース、レーヨン又はコットンなどの親水性繊維や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル又はポリアミドなどの疎水性繊維の表面を界面活性剤で親水処理したもの(なお、後述する親水性を有する不織布も同様とする))を用いて構成されている。
【0045】
具体的には、カバーシート40の平面形状は、トップシート30の平面形状と略同一に設定されている。また、カバーシート40の左右方向の長さは、トップシート30の左右方向の長さよりも短く、且つカバーシート40の前後方向の長さは、トップシート30の前後方向の長さよりも短く設定されている。
【0046】
また、
図3に示すように、カバーシート40は、トップシート30よりも下方側(おむつ1の外側)に設けられ、第1接着剤11(例えば、ホットメルト系の接着剤)によってトップシート30に対して接続されている。
【0047】
(構成-吸収性物品-上層吸収体)
上層吸収体50は、液状の排泄物を吸収するものである。この上層吸収体50は、例えば液状の排泄物を吸収可能な公知の吸収体(一例として、パルプ繊維等の親水性繊維、高分子材料を原料とする親水性化学繊維、又は、親水性繊維と粒状の高吸収性ポリマー等を組み合わせたものからなる吸収体等)を用いて構成されている。
【0048】
具体的には、上層吸収体50の平面形状は、カバーシート40の平面形状と略同一に設定されている。また、上層吸収体50の左右方向の長さは、カバーシート40の左右方向の長さと略同一であり、且つ上層吸収体50の前後方向の長さは、カバーシート40の前後方向の長さよりも短く設定されている。
【0049】
また、
図3に示すように、上層吸収体50は、カバーシート40よりも下方側(おむつ1の外側)に設けられ、第2接着剤12(例えば、ホットメルト系の接着剤)によってカバーシート40に対して接続されている。
【0050】
また、
図2、
図3に示すように、上層吸収体50には、スリット51が2つ設けられている。
【0051】
(構成-吸収性物品-上層吸収体-スリット)
スリット51は、液状の排泄物を拡散させて吸収を促進するための貫通孔である。このスリット51は、
図2に示すように、前後方向に延在する長孔形状に形成されていると共に、2つのスリット51が相互に間隔を隔てて左右方向に略沿って並設されている。また、
図3に示すように、カバーシート40側から中間シート60側に通じており、第2接着剤12及び後述の第3接着剤13が内部に塗布されている。
【0052】
(構成-吸収性物品-中間シート)
中間シート60は、上層吸収体50と下層吸収体70との相互間における通液性を確保するためのものである。この中間シート60は、カバーシート40と略同一に構成されており、
図3に示すように、上層吸収体50よりも下方側(おむつ1の外側)に設けられている。
【0053】
ここで、中間シート60の接続方法については任意であるが、実施の形態では以下の通りに接続している。
【0054】
すなわち、まず、中間シート60を、第3接着剤13(例えば、ホットメルト系の接着剤)によって上層吸収体50に対して接続している。また、中間シート60を、スリット51を介して第2接着剤12及び第3接着剤13によってカバーシート40に対して接続している。さらに、上層吸収体50の前後方向の長さが、中間シート60及びカバーシート40の各々における前後方向の長さよりも短いことから、中間シート60の前後方向の端部を、第2接着剤12及び第3接着剤13によってカバーシート40(具体的には、カバーシート40の前後方向の端部)に対して接続している。
【0055】
(構成-吸収性物品-下層吸収体)
下層吸収体70は、液状の排泄物を吸収するものである。この下層吸収体70は、例えば液状の排泄物を吸収可能な公知の吸収体(一例として、パルプ繊維等の親水性繊維、高分子材料を原料とする親水性化学繊維、又は、親水性繊維と粒状の高吸収性ポリマー等を組み合わせたものからなる吸収体等)を用いて構成されている。
【0056】
具体的には、下層吸収体70の平面形状は、略砂時計形状に設定されている。また、下層吸収体70の左右方向の長さは、カバーシート40の左右方向の長さよりも長く、且つ下層吸収体70の前後方向の長さは、カバーシート40の前後方向の長さと略同一に設定されている。
【0057】
また、
図3に示すように、下層吸収体70は、中間シート60よりも下方側(おむつ1の外側)に設けられ、第4接着剤14(例えば、ホットメルト系の接着剤)によって中間シート60に対して接続されている。
【0058】
(構成-吸収性物品-キャリアシート)
キャリアシート80は、下層吸収体70を担持するためのものである。このキャリアシート80は、例えば液状の排泄物を透過することが可能な公知のシート材(一例として、親水性を有する不織布等)を用いて構成されている。
【0059】
具体的には、キャリアシート80の平面形状は、カバーシート40の平面形状と略同一に設定されている。また、キャリアシート80の左右方向の長さは、カバーシート40の左右方向の長さよりも長く、且つキャリアシート80の前後方向の長さは、カバーシート40の前後方向の長さと略同一に設定されている。
【0060】
また、
図3に示すように、キャリアシート80は、下層吸収体70よりも下方側(おむつ1の外側)に設けられ、接着剤又は溶着等によって下層吸収体70に対して接続されている。
【0061】
(構成-吸収性物品-バックシート)
バックシート90は、液状の排泄物を吸収性物品10外に漏洩することを防止するためのものである。このバックシート90は、例えば液状の排泄物を透過しない公知のシート材(一例として、ポリエチレン等の合成樹脂材等)を用いて構成されている。
【0062】
具体的には、バックシート90の平面形状は、下層吸収体70の平面形状と略同一に設定されている。また、バックシート90の左右方向の長さは、キャリアシート80の左右方向の長さよりも長く、且つバックシート90の前後方向の長さは、トップシート30の前後方向の長さと略同一に設定されている。
【0063】
また、
図3に示すように、バックシート90は、キャリアシート80よりも下方側(おむつ1の外側)に設けられている。
【0064】
また、バックシート90の接続方法については任意であるが、実施の形態では以下の通りに接続している。
【0065】
すなわち、バックシート90を、接着剤又は溶着等によってキャリアシート80に対して接続している。また、カバーシート40、上層吸収体50、中間シート60、及び下層吸収体70の各々における前後方向の長さが、トップシート30及びバックシート90の各々における前後方向の長さよりも短いことから、トップシート30の前後方向の端部を、第1接着剤11によってバックシート90(具体的には、バックシート90の前後方向の端部)に対して接続している。
【0066】
(構成-トップシートの構成の詳細)
次に、トップシート30の構成の詳細について説明する。なお、トップシート30は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0067】
実施の形態では、
図4、
図5に示すように、トップシート30は、第1シート31、第2シート32、接合部33、及び非接合部34を備えている。
【0068】
(構成-トップシートの構成の詳細-第1シート)
図4に戻り、第1シート31は、トップシート30の基本構造体の一部である。この第1シート31は、例えば公知の液状の排泄物を透過することが可能なシート材(一例として、親水性を有する不織布材、織布材、又は編布材等)を用いて構成されており、
図4、
図5に示すように、トップシート30の上方側(おむつ1の内側)において、装着者の肌と当接可能な位置に設けられている。
【0069】
また、第1シート31の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0070】
すなわち、第1シート31の平面形状については、略矩形形状に設定している。
【0071】
また、第1シート31の左右方向の長さについては、カバーシート40の左右方向の長さよりも長く設定している。
【0072】
また、第1シート31の前後方向の長さについては、カバーシート40の前後方向の長さよりも長く設定している。
【0073】
(構成-トップシートの構成の詳細-第2シート)
第2シート32は、トップシート30の基本構造体の他の一部である。この第2シート32は、例えば公知の液状の排泄物を透過することが可能なシート材(一例として、親水性を有する不織布材、織布材、又は編布材等)を用いて構成されており、
図5に示すように、第1シート31よりも下方側(おむつ1の外側)において、第1シート31に積層して配置されている。
【0074】
また、第2シート32の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0075】
すなわち、第2シート32の平面形状については、略矩形形状に設定している。
【0076】
また、第2シート32の左右方向の長さについては、第1シート31の左右方向の長さと略同一に設定している。
【0077】
また、第2シート32の前後方向の長さについては、第1シート31の前後方向の長さと略同一に設定している。
【0078】
(構成-トップシートの構成の詳細-接合部)
図4に戻り、接合部33は、第1シート31と第2シート32とを接合する部分であり、
図4、
図5に示すように、トップシート30において、相互に間隔を隔てて複数設けられている。
【0079】
また、接合部33の具体的な形状及び大きさについては、接合部33の接合性が従来の接合部(具体的には、ドット状の接合部)よりも高めることができる限り任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0080】
すなわち、接合部33の平面形状については、
図4に示すように、略ライン状(あるいは、略細長な略長方形状)に設定している。
【0081】
また、接合部33の左右方向の長さについては、接合部33の前後方向よりも長く設定しており、例えば、3mm程度に設定してもよい。
【0082】
また、接合部33の前後方向の長さについては、例えば、1mm程度に設定してもよい。
【0083】
また、接合部33の形成方法については任意であるが、実施の形態では、第1シート31と第2シート32とを超音波接合することにより形成している。これにより、第1シート31と第2シート32とを熱接合で接続する場合に比べて、接合によって非接合部34が硬化することを回避できることから、トップシート30の吸収性を一層高めやすくなる。
【0084】
ただし、これに限らず、例えば、第1シート31と第2シート32とを熱接合することにより形成してもよい。
【0085】
(構成-トップシートの構成の詳細-非接合部)
非接合部34は、第1シート31と第2シート32とを接合しない部分であり、トップシート30において、相互に間隔を隔てて複数設けられている。具体的には、
図4に示すように、各非接合部34は、第1シート31及び第2シート32の各々において複数の接合部33によって囲繞されるように設けられている。
【0086】
また、
図5に示すように、非接合部34は、第1非接合部34a及び第2非接合部34bを含んでいる。
【0087】
(構成-トップシートの構成の詳細-非接合部-第1非接合部)
第1非接合部34aは、第1シート31又は第2シート32のいずれか一方(具体的には、第1シート31)に設けられている非接合部である。この第1非接合部34aは、トップシート30の主面(トップシート30の面のうち、面積が最も大きな面)に直交する方向(以下、「直交方向」と称する)に第1シート31が折り曲げられることにより略凸状に形成されており、具体的には、
図5に示すように、上方側(おむつ1の内側)に向けて突出する略凸状に形成されている。
【0088】
また、
図4、
図5に示すように、第1非接合部34aは、第1シート31において相互に間隔を隔てて複数設けられている。
【0089】
また、第1非接合部34aの具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0090】
すなわち、第1非接合部34aの平面形状(つまり、上記直交方向から見た形状)については、略楕円形状に設定している。
【0091】
また、第1非接合部34aの左右方向の長さ(具体的には、第1非接合部34aの短軸方向の長さ)については、接合部33の長手方向の長さ(具体的には、接合部33の左右方向の長さ)と略同一に設定しており、一例として、3mm程度に設定してもよい。
【0092】
また、第1非接合部34aの前後方向の長さ(具体的には、第2非接合部34bの長軸方向の長さ)については、接合部33の長手方向の長さよりも長く設定しており、一例として、4mm程度に設定してもよい。
【0093】
このような設定により、接合部33の接合性を確保しながら、第1非接合部34aの表面積を増大させることができ、トップシート30の吸収性を高めやすくなる。
【0094】
(構成-トップシートの構成の詳細-非接合部-第2非接合部)
第2非接合部34bは、第1シート31又は第2シート32のいずれか他方(具体的には、第2シート32)に設けられている非接合部である。この第2非接合部34bは、上記直交方向に第2シート32が折り曲げられることにより略凸状に形成されている。
【0095】
具体的には、非接合部34の表面積を増やす観点から、
図5に示すように、第2非接合部34bは、第1非接合部34aが折り曲げられた方向と略同一の方向に第2シート32が折り曲げられ、且つ第1非接合部34aが折り曲げられた量と略同一の量で第2シート32が折り曲げられることにより、上方側(おむつ1の内側)に向けて突出する略凸状に形成されている。
【0096】
また、
図5に示すように、第2非接合部34bは、第2シート32において相互に間隔を隔てて複数設けられている。具体的には、各第2非接合部34bは、対応する第1非接合部34aと重なり合うように設けられている。
【0097】
また、第2非接合部34bの具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0098】
すなわち、第2非接合部34bの平面形状(つまり、上記直交方向から見た形状)については、略楕円形状に設定している。
【0099】
また、第2非接合部34bの左右方向の長さ(具体的には、第2非接合部34bの短軸方向の長さ)については、第1非接合部34aの左右方向の長さと略同一に設定している(つまり、接合部33の長手方向の長さと略同一に設定している)。
【0100】
また、第2非接合部34bの前後方向の長さ(具体的には、第2非接合部34bの長軸方向の長さ)については、第1非接合部34aの前後方向の長さと略同一に設定している(つまり、接合部33の長手方向の長さよりも長く設定している)。
【0101】
このような設定により、接合部33の接合性を確保しながら、第2非接合部34bの表面積を増大させることができ、トップシート30の吸収性を高めやすくなる。
【0102】
(構成-トップシートの構成の詳細-その他の特徴)
図4に戻り、トップシート30の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では以下の通りに構成されている。
【0103】
すなわち、上記直交方向から見て(具体的には、平面視において)、非接合部34(第1非接合部34a、第2非接合部34b)の形状が略楕円形状になるように、複数の接合部33は千鳥配置されている。
【0104】
具体的には、
図4に示すように、左右方向に並設された複数の接合部33からなる列のグループのうち、所定の列のグループに属する複数の接合部33が、当該所定の列のグループに隣接する列のグループに属する複数の接合部33と前後方向に重複しないように、複数の接合部33は配置されている。
【0105】
このような配置により、従来技術(接合部がドット状であり、平面視において非接合部34が略円形状である技術)に比べて、接合部33の接合面積及び非接合部34の表面積を増大させやすいことから、接合部33の接合性及びトップシート30の吸収性を高めることが可能となる(なお、トップシート30の吸収性については、後述する試験結果を参照)。
【0106】
また、トップシート30の嵩高さ(具体的には、トップシート30の上下方向の長さ)は、後述する試験結果に基づいて、非接合部34の長軸方向の長さの3分の1を超える長さに設定されている。
【0107】
具体的には、トップシート30の風合い又は/及び接合部33の接合性を確保できると共に、トップシート30を正確に製造することが可能な長さに設定している。一例として、1.3mmから1.8mm程度に設定されてもよく、好ましくは、1.7mm程度に設定されてもよい。
【0108】
このような設定により、トップシート30の風合い又は/及び接合部33の接合性を確保でき、トップシート30の使用性を高めやすくなる。
【0109】
このようなトップシート30により、接合部33の接合性及びトップシート30の吸収性を高めることができ、トップシート30の使用性を高めることが可能となる。
【0110】
(トップシートの製造方法)
次に、トップシート30の製造方法について説明する。
【0111】
(トップシートの製造方法-トップシート製造装置の構成)
最初に、トップシート30の製造に用いられるトップシート製造装置の構成について説明する。
【0112】
トップシート製造装置100は、トップシート30を製造するための装置であり、
図6に示すように、第1シートロール(図示省略)、第2シートロール(図示省略)、第1送出ローラ110、第2送出ローラ120、第1折曲ロール130、第2折曲ロール140、第3折曲ロール150、超音波接合部160、搬送ローラ170、及び制御ユニット(図示省略)を備えている。
【0113】
(トップシートの製造方法-トップシート製造装置の構成-第1シートロール)
第1シートロールは、連続状の第1シート31がロール状に巻き取られたものである。この第1シートロールは、当該第1シートロールから連続状の第1シート31を巻き出すための駆動ローラ部(図示省略)と、駆動ローラ部を駆動させるためのモータ部(図示省略)とを備えている。
【0114】
(トップシートの製造方法-トップシート製造装置の構成-第2シートロール)
第2シートロールは、連続状の第2シート32がロール状に巻き取られたものである。この第2シートロールは、当該第2シートロールから連続状の第2シート32を巻き出すための駆動ローラ部(図示省略)と、駆動ローラ部を駆動させるためのモータ部(図示省略)とを備えている。
【0115】
(トップシートの製造方法-トップシート製造装置の構成-第1送出ローラ)
第1送出ローラ110は、第1シートロールから巻き出された連続状の第1シート31の張力を調整しながら、当該第1シート31を第1折曲ロール130に向けて送り出すためのものであり、
図6に示すように、第1シートロールと第1折曲ロール130との相互間に設けられている。
【0116】
(トップシートの製造方法-トップシート製造装置の構成-第2送出ローラ)
第2送出ローラ120は、第2シートロールから巻き出された連続状の第2シート32の張力を調整しながら、当該第2シート32を第2折曲ロール140に向けて送り出すためのものであり、
図6に示すように、第2シートロールと第2折曲ロール140との相互間に設けられている。
【0117】
(トップシートの製造方法-トップシート製造装置の構成-第1折曲ロール)
第1折曲ロール130は、第1送出ローラ110から送り出された連続状の第1シート31に複数の第1非接合部34aを形成するためのものである。この第1折曲ロール130は、外周面において径方向外側に突出した複数の第1凸部(図示省略)を有する円筒状の第1折曲ロール本体131と、第1折曲ロール本体131を駆動させるための第1モータ部(図示省略)とを備えている。
【0118】
また、複数の第1凸部の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、上記直交方向から見て、各第1非接合部34aの形状が略楕円形状になるように、各第1非接合部34aが形成されている。また、複数の第1凸部は千鳥配置されている。
【0119】
(トップシートの製造方法-トップシート製造装置の構成-第2折曲ロール)
第2折曲ロール140は、第2送出ローラ120から送り出された連続状の第2シート32に複数の第2非接合部34bを形成するためのものである。この第2折曲ロール140は、
図6に示すように、第1折曲ロール130よりもトップシート製造装置100の下流側に設けられており、外周面において径方向外側に突出した複数の第2凸部(図示省略)を有する円筒状の第2折曲ロール本体141と、第2折曲ロール本体141を駆動させるための第2モータ部(図示省略)とを備えている。
【0120】
また、複数の第2凸部の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、上記直交方向から見て、各第2非接合部34bの形状が略楕円形状になるように、各第2非接合部34bが形成されている。また、複数の第2凸部は千鳥配置されている。
【0121】
(トップシートの製造方法-トップシート製造装置の構成-第3折曲ロール)
第3折曲ロール150は、第1送出ローラ110から送り出された連続状の第1シート31に複数の第1非接合部34aを形成するためのものであると共に、第2送出ローラ120から送り出された連続状の第2シート32に複数の第2非接合部34bを形成するためのものである。この第3折曲ロール150は、
図6に示すように、第1折曲ロール130及び第2折曲ロール140の各々と近接する位置に設けられ、外周面において径方向内側に窪んだ複数の凹部(図示省略)であり、第1凸部及び第2凸部の各々を嵌め込むことが可能な複数の凹部を有する円筒状の第3折曲ロール本体151と、第3折曲ロール本体151を駆動させるための第3モータ部(図示省略)とを備えている。
【0122】
(トップシートの製造方法-トップシート製造装置の構成-超音波接合部)
超音波接合部160は、複数の第1非接合部34aが形成された第1シート31と、複数の第2非接合部34bが形成された第2シート32とを超音波接合することにより、接合部33を形成するためのものである。この超音波接合部160は、例えば超音波接合が可能な公知の接合装置を用いて構成されており、
図6に示すように、第2折曲ロール140よりもトップシート製造装置100の下流側に設けられている。
【0123】
(トップシートの製造方法-トップシート製造装置の構成-搬送ローラ)
搬送ローラ170は、超音波接合部160によって接合された第1シート31及び第2シート32を所定の位置(例えば、当該接合された第1シート31及び第2シート32を切断する切断部(図示省略)の設置位置等)に搬送するためのものであり、
図6に示すように、超音波接合部160よりもトップシート製造装置100の下流側に設けられている。
【0124】
(トップシートの製造方法-トップシート製造装置の構成-制御ユニット)
制御ユニットは、トップシート製造装置100を制御するためのユニットである。この制御ユニットは、トップシート製造装置100に関する操作を受け付ける操作部と、トップシート製造装置100の各部を制御する制御部(例えば、公知の内部メモリ等)と、トップシート製造装置100の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録部(例えば、公知の不揮発性記録媒体等)とを備えている(いずれも図示省略)。
【0125】
(トップシートの製造方法-製造方法の詳細)
次に、トップシート製造装置100を用いてトップシート30を製造する製造方法の詳細について説明する。
【0126】
実施の形態に係る製造方法は、第1非接合部形成工程、第2非接合部形成工程、接合部形成工程、及び切断工程を含んでいる。
【0127】
(トップシートの製造方法-製造方法の詳細-第1非接合部形成工程)
最初に、第1非接合部形成工程について説明する。
【0128】
第1非接合部形成工程は、第1非接合部34aを形成するための工程である。
【0129】
具体的には、まず、制御ユニットの制御部によって第1シートロールのモータ部を駆動させることで、第1シートロールから送り出された連続状の第1シート31を第1送出ローラ110を介して第1折曲ロール130に向けて送り出す。次に、制御ユニットの制御部によって第1折曲ロール130の第1モータ部及び第3折曲ロール150の第3モータ部を駆動させながら、第1シートロールから送り出された連続状の第1シート31が第2折曲ロール140の各第1凸部と共に第3折曲ロール150の各凹部に嵌め込まれることにより、当該連続状の第1シート31の一部が凸状に折り曲げられる。これにより、上記連続状の第1シート31に複数の第1非接合部34aを形成できる。
【0130】
(トップシートの製造方法-製造方法の詳細-第2非接合部形成工程)
次に、第2非接合部形成工程について説明する。
【0131】
第2非接合部形成工程は、第1非接合部形成工程の後に、第2非接合部34bを形成するための工程である。
【0132】
具体的には、まず、制御ユニットの制御部によって第2シートロールのモータ部を駆動させることで、第2シートロールから送り出された連続状の第2シート32を第2送出ローラ120を介して第2折曲ロール140に向けて送り出す。次に、制御ユニットの制御部によって第2折曲ロール140の第2モータ部及び第3折曲ロール150の第3モータ部を駆動させることで、第1非接合部形成工程にて処理された連続状の第1シート31及び第2シートロールから送り出された連続状の第2シート32が第2折曲ロール140の各第2凸部と共に第3折曲ロール150の各凹部に嵌め込まれることにより、当該連続状の第2シート32の一部が凸状に折り曲げられる。これにより、上記連続状の第2シート32に複数の第2非接合部34bを形成できる。なお、複数の第2非接合部34bの各々が上記連続状の第1シート31の対応する第1非接合部34aと重なり合うように、複数の第2非接合部34bは形成される。
【0133】
(トップシートの製造方法-製造方法の詳細-接合部形成工程)
次に、接合部形成工程について説明する。
【0134】
接合部形成工程は、第2非接合部形成工程の後に、接合部33を形成するための工程である。
【0135】
具体的には、まず、制御ユニットの制御部によって第3折曲ロール150の第3モータ部を駆動させることで、第2非接合部形成工程にて処理された連続状の第1シート31及び連続状の第2シート32を超音波接合部160まで搬送させる。次に、制御ユニットの制御部によって超音波接合部160を駆動させることで、上記連続状の第1シート31と上記連続状の第2シート32とを超音波接合する。より具体的には、上記直交方向から見て、非接合部34(第1非接合部34a、第2非接合部34b)の形状が略楕円形状になるように、当該超音波接合を行う。これにより、上記連続状の第1シート31及び連続状の第2シート32に接合部33を形成することができる。
【0136】
(トップシートの製造方法-製造方法の詳細-切断工程)
続いて、切断工程について説明する。
【0137】
切断工程は、接合部形成工程の後に、接合部形成工程にて処理された連続状の第1シート31及び連続状の第2シート32を切断する工程である。
【0138】
具体的には、まず、制御ユニットの制御部によって第3折曲ロール150の第3モータ部を駆動させることで、接合部形成工程にて処理された連続状の第1シート31及び連続状の第2シート32を搬送ローラ170を介して切断部まで搬送させる。次に、切断部によって、上記連続状の第1シート31及び連続状の第2シート32を所定のサイズに切断する。
【0139】
以上のような製造方法により、トップシート30を正確に製造することが可能となる。
【0140】
(試験結果)
次に、本件出願人が行った各種の試験結果について説明する。ここでは、各種の試験体に関する第1吸収試験、第2吸収試験、及び嵩高確認試験の試験結果について説明する。
【0141】
(試験結果-第1吸収試験の概要)
最初に、第1吸収試験の概要について説明する。ここで、「第1吸収試験」とは、各種の試験体の吸収性を確認するための試験である。
【0142】
この第1吸収試験の試験方法については、第1吸収速度測定工程、第1ウエットバック測定工程、第2吸収速度測定工程、及び第2ウエットバック測定工程を実行する。
【0143】
このうち、第1吸収速度測定工程については、各種の試験体を試験台にセットした後に、当該試験体に180ccの人口尿を18.0秒±0.2秒で添加すると共に、上記人口尿の添加開始から人口尿が吸収されるまでの吸収時間(以下、「第1吸収時間」と称する)を測定する。
【0144】
また、第1ウエットバック測定工程については、第1吸収速度測定工程が終了してから10分経過するまで各種の試験体を放置した後、約35g以上の重りで2分間上記試験体を加圧して、当該加圧後の試験体の重量(以下、「第1ウエットバック重量」と称する)を測定する。
【0145】
また、第2吸収速度測定工程は、第1ウエットバック測定工程の後に、第1吸収速度測定工程と同様の方法で、上記人口尿が吸収されるまでの吸収時間(以下、「第2吸収時間」と称する)を測定する。
【0146】
また、第2ウエットバック測定工程は、第2吸収速度測定工程が終了してから4時間経過するまでに放置した後、上記重りで2分間上記試験体を加圧して、当該加圧後の試験体の重量(以下、「第2ウエットバック重量」と称する)を測定する。
【0147】
また、第1吸収試験の試験対象については、試験体A1及び試験体A2に分けられる。
【0148】
このうち、試験体A1は、上記従来のトップシートと同様に構成された試験体であり、具体的には、上記第1シート31、上記第2シート32、平面形状がドット状である接合部33、及び、平面形状が略円形状である非接合部34を備えている。また、試験体A2は、本発明に係るトップシート30と同様に構成された試験体であり、具体的には、上記第1シート31、上記第2シート32、平面形状が略ライン状である接合部33、及び、平面形状が略楕円形状である非接合部34を備えている。
【0149】
(試験結果-第1吸収試験の試験結果の詳細)
次いで、第1吸収試験の試験結果の詳細について説明する。
【0150】
図7に示すように、第1吸収時間及び第2吸収時間については、試験体A2は、試験体A1よりもそれぞれ短かった。また、第1ウエットバック重量及び第2ウエットバック重量については、試験体A2は、試験体A1よりもそれぞれ軽かった。
【0151】
このような試験結果より、試験体A2の吸収速度が試験体A1の吸収速度よりも早く、且つ試験体A2のウエットバック性(吸収対象に吸収された後に元に戻される液体の量を示す性質)が試験体A1のウエットバック性よりも高いため、試験体A2の吸収性が試験体A1の吸収性より高いことから、接合部33の平面形状を略ライン状に設定し、且つ非接合部34の平面形状を略楕円形状に設定することの有効性が確認できた。
【0152】
(試験結果-第2吸収試験の概要)
次に、第2吸収試験の概要について説明する。ここで、「第2吸収試験」とは、各種の試験体の吸収性を確認するための試験である。
【0153】
この第2吸収試験の試験方法については、第1吸収試験の試験方法と同様に、第1吸収速度測定工程、第1ウエットバック測定工程、第2吸収速度測定工程、及び第2ウエットバック測定工程を実行する。
【0154】
このうち、第1吸収速度測定工程については、各種の試験体を試験台にセットした後に、当該試験体に360ccの人口尿を36.0秒±0.5秒で添加すると共に、上記人口尿の添加開始から人口尿が吸収されるまでの第1吸収時間を測定する。
【0155】
また、第1ウエットバック測定工程については、第1吸収試験の第1ウエットバック測定工程と同様に、第1ウエットバック重量を測定する。
【0156】
また、第2吸収速度測定工程は、第1ウエットバック測定工程の後に、上記第1吸収速度測定工程と同様の方法で、第2吸収時間を測定する。
【0157】
また、第2ウエットバック測定工程は、第1吸収試験の第2ウエットバック測定工程と同様に、第2ウエットバック重量を測定する。
【0158】
また、第2吸収試験の試験対象については、試験体B1及び試験体B2に分けられる。
【0159】
このうち、試験体B1は、試験体A1と略同一の試験体である。また、試験体B2は、試験体A2と略同一の試験体である。
【0160】
(試験結果-第2吸収試験の試験結果の詳細)
次いで、第2吸収試験の試験結果の詳細について説明する。
【0161】
図8に示すように、第1吸収時間及び第2吸収時間については、試験体B2は、試験体B1よりもそれぞれ短かった。また、第1ウエットバック重量及び第2ウエットバック重量については、試験体B2は、試験体B1よりもそれぞれ軽かった。
【0162】
このような試験結果より、試験体B2の吸収速度が試験体B1の吸収速度よりも早く、且つ試験体B2のウエットバック性が試験体B1のウエットバック性よりも高いため、試験体B2の吸収性が試験体B1の吸収性より高いことから、接合部33の平面形状を略ライン状に設定し、且つ非接合部34の平面形状を略楕円形状に設定することの有効性が確認できた。
【0163】
(試験結果-嵩高確認試験の概要)
続いて、嵩高確認試験の概要について説明する。ここで、「嵩高確認試験」とは、各種の試験体の最適な嵩高を確認するための試験である。
【0164】
この嵩高確認試験の試験方法については、風合い性確認工程、及び接合性確認工程を実行する。
【0165】
このうち、風合い性確認工程については、複数の作業者の各々が各種の試験体を手で触ることで、当該試験体の風合い性(手触りや肌ざわりの程度を示す性質)の良否を確認する。
【0166】
また、接合性確認工程については、複数の作業者の各々が各種の試験体を手作業で、当該試験体の接合性の良否を確認する。
【0167】
また、第3吸収試験の試験対象については、試験体C1から試験体C7に分けられる。
【0168】
このうち、試験体C1は、本発明に係るトップシート30と同様に構成された試験体であり、嵩高さが1.7mm、超音波接合部160の超音波フォース=1200Nで形成された接合部33を有する試験体である。
【0169】
また、試験体C2は、本発明に係るトップシート30と同様に構成された試験体であり、嵩高さが1.5mm、超音波接合部160の超音波フォース=1400Nで形成された接合部33を有する試験体である。
【0170】
また、試験体C3は、本発明に係るトップシート30と同様に構成された試験体であり、嵩高さが1.5mm、超音波接合部160の超音波フォース=1200Nで形成された接合部33を有する試験体である。
【0171】
また、試験体C4は、本発明に係るトップシート30と同様に構成された試験体であり、嵩高さが1.5mm、超音波接合部160の超音波フォース=1000Nで形成された接合部33を有する試験体である。
【0172】
また、試験体C5は、本発明に係るトップシート30と同様に構成された試験体であり、嵩高さが1.3mm、超音波接合部160の超音波フォース=1400Nで形成された接合部33を有する試験体である。
【0173】
また、試験体C6は、本発明に係るトップシート30と同様に構成された試験体であり、嵩高さが1.3mm、超音波接合部160の超音波フォース=1200Nで形成された接合部33を有する試験体である。
【0174】
また、試験体C7は、本発明に係るトップシート30と同様に構成された試験体であり、嵩高さが1.3mm、超音波接合部160の超音波フォース=1000Nで形成された接合部33を有する試験体である。
【0175】
(試験結果-嵩高確認試験の試験結果の詳細)
次いで、嵩高確認試験の試験結果の詳細について説明する。
【0176】
ここで、
図9の「〇」は風合い又は接合性が高い旨を示し、
図9の「△」は風合い又は接合性が「〇」よりも低い旨を示し、
図9の「×」は風合い又は接合性が「△」よりも低い旨を示す。
【0177】
図9に示すように、風合い性については、試験体C1、試験体C2、及び試験体C5の風合い性は高かったものの、試験体C3、試験体C4、試験体C6、及び試験体C7の風合い性は低かった。
【0178】
また、接合性については、試験体C1、試験体C2、及び試験体C5の接合性は高かったものの、試験体C3、試験体C4、試験体C6、及び試験体C7の接合性は低かった。
【0179】
このような試験結果より、試験体C1、試験体C2、及び試験体C5の風合い性及び接合性が高いことから、トップシート30の嵩高さを1.3mmから1.8mm程度(つまり、非接合部34の長軸方向の長さの3分の1を超える長さ)に設定することの有効性が確認できた。
【0180】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、第1シート31と第2シート32とを接合する略ライン状の接合部33であり、相互に間隔を隔てて複数設けられた接合部33と、第1シート31及び第2シート32の各々において複数の接合部33によって囲繞されるように設けられた非接合部34と、を備え、トップシート30の主面に直交する直交方向から見て、非接合部34の形状が略楕円形状になるように、複数の接合部33を千鳥配置したので、従来技術(接合部がドット状であり、平面視において非接合部34が略円形状である技術)に比べて、接合部33の接合面積及び非接合部34の表面積を増大させやすいことから、接合部33の接合性及びトップシート30の吸収性を高めることが可能となる。
【0181】
また、非接合部34の長軸方向の長さを、接合部33の長手方向の長さよりも長くし、非接合部34の短軸方向の長さを、接合部33の長手方向の長さと略同一としたので、接合部33の接合性を確保しながら、第1非接合部34aの表面積を増大させることができ、トップシート30の吸収性を高めやすくなる。
【0182】
また、非接合部34が、第1シート31又は第2シート32のいずれか一方に設けられた第1非接合部34aであり、当該一方が直交方向に折り曲げられることにより略凸状に形成された第1非接合部34aと、第1シート31又は第2シート32のいずれか他方に設けられた第2非接合部34bであり、第1非接合部34aが折り曲げられた方向と略同一の方向に当該他方が折り曲げられ、且つ第1非接合部34aが折り曲げられた量と略同一の量で当該他方が折り曲げられることにより略凸状に形成された第2非接合部34bと、を含むので、非接合部34の表面積を増大させることができ、トップシート30の吸収性を一層高めやすくなる。
【0183】
また、トップシート30の嵩高さを、非接合部34の長軸方向の長さの3分の1を超える長さとしたので、トップシート30の風合い又は/及び接合部33の接合性を確保でき、トップシート30の使用性を高めやすくなる。
【0184】
また、接合部33を、第1シート31と第2シート32とを超音波接合することにより形成したので、第1シート31と第2シート32とを熱接合で接続する場合に比べて、接合によって非接合部34が硬化することを回避できることから、トップシート30の吸収性を一層高めやすくなる。
【0185】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0186】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0187】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0188】
(吸収性物品について)
上記実施の形態では、トップシート30、カバーシート40、上層吸収体50、中間シート60、下層吸収体70、キャリアシート80、及びバックシート90の平面形状を任意に変更してもよく、例えば、実施の形態で説明した略砂時計形状の構成要素を矩形形状としてもよいし、あるいは、逆に矩形形状の構成要素を略砂時計形状としてもよい。
【0189】
また、上記実施形態では、吸収性物品10が、カバーシート40及びスリット51を備えていると説明したが、これに限らず、カバーシート40又は/及びスリット51を省略してもよい。
【0190】
(トップシートについて)
上記実施の形態では、第1非接合部34a及び第2非接合部34bが、上記直交方向に折り曲げられることにより略凸状にそれぞれ形成されていると説明したが、これに限らない。例えば、第1非接合部34a又は/及び第2非接合部34bは、略平坦状に形成されてもよい。
【0191】
また、上記実施の形態では、第2非接合部34bは、第1非接合部34aが折り曲げられた量と略同一の量で折り曲げられていると説明したが、これに限らず、例えば、第1非接合部34aが折り曲げられた量と異なる量で折り曲げられてもよい。
【0192】
また、上記実施の形態では、接合部33の左右方向の長さが、接合部33の前後方向よりも長く設定されていると説明したが、これに限られず、例えば、接合部33の前後方向よりも短く設定されてもよい。この場合には、第1非接合部34a及び第2非接合部34bの各々の左右方向の長さが、第1非接合部34a及び第2非接合部34bの各々の前後方向の長さよりも長く設定されてもよい。
【0193】
また、上記実施の形態では、トップシート30の嵩高さが、非接合部34の長軸方向の長さの3分の1を超える長さに設定されていると説明したが、これに限らず、例えば、非接合部34の長軸方向の長さの3分の1以下に設定されてもよい。
【0194】
(付記)
付記1の吸収性物品用トップシートは、吸収性物品を構成する吸収性物品用トップシートであって、第1シートと、前記第1シートに積層して配置された第2シートと、前記第1シートと前記第2シートとを接合する略ライン状の接合部であり、相互に間隔を隔てて複数設けられた接合部と、前記第1シート及び前記第2シートの各々において前記複数の接合部によって囲繞されるように設けられた非接合部と、を備え、当該吸収性物品用トップシートの主面に直交する直交方向から見て、前記非接合部の形状が略楕円形状になるように、前記複数の接合部を千鳥配置した。
【0195】
付記2の吸収性物品用トップシートは、付記1に記載の吸収性物品用トップシートにおいて、前記非接合部の長軸方向の長さを、前記接合部の長手方向の長さよりも長くし、前記非接合部の短軸方向の長さを、前記接合部の長手方向の長さと略同一とした。
【0196】
付記3の吸収性物品用トップシートは、付記1又は2に記載の吸収性物品用トップシートにおいて、前記非接合部は、前記第1シート又は前記第2シートのいずれか一方に設けられた第1非接合部であり、当該一方が前記直交方向に折り曲げられることにより略凸状に形成された第1非接合部と、前記第1シート又は前記第2シートのいずれか他方に設けられた第2非接合部であり、前記第1非接合部が折り曲げられた方向と略同一の方向に当該他方が折り曲げられ、且つ前記第1非接合部が折り曲げられた量と略同一の量で当該他方が折り曲げられることにより略凸状に形成された第2非接合部と、を含む。
【0197】
付記4の吸収性物品用トップシートは、付記3に記載の吸収性物品用トップシートにおいて、当該吸収性物品用トップシートの嵩高さを、前記非接合部の長軸方向の長さの3分の1を超える長さとした。
【0198】
付記5の吸収性物品用トップシートは、付記1又は2に記載の吸収性物品用トップシートにおいて、前記接合部を、前記第1シートと前記第2シートとを超音波接合することにより形成した。
【0199】
付記6の吸収性物品は、付記1又は2に記載の吸収性物品用トップシートを備える。
【0200】
(付記の効果)
付記1に記載の吸収性物品、及び付記6に記載の吸収性物品によれば、第1シートと第2シートとを接合する略ライン状の接合部であり、相互に間隔を隔てて複数設けられた接合部と、第1シート及び第2シートの各々において複数の接合部によって囲繞されるように設けられた非接合部と、を備え、吸収性物品用トップシートの主面に直交する直交方向から見て、非接合部の形状が略楕円形状になるように、複数の接合部を千鳥配置したので、従来技術(接合部がドット状であり、平面視において非接合部が略円形状である技術)に比べて、接合部の接合面積及び非接合部の表面積を増大させやすいことから、接合部の接合性及び吸収性物品用トップシートの吸収性を高めることが可能となる。
【0201】
付記2に記載の吸収性物品用トップシートによれば、非接合部の長軸方向の長さを、接合部の長手方向の長さよりも長くし、非接合部の短軸方向の長さを、接合部の長手方向の長さと略同一としたので、接合部の接合性を確保しながら、第1非接合部の表面積を増大させることができ、吸収性物品用トップシートの吸収性を高めやすくなる。
【0202】
付記3に記載の吸収性物品用トップシートによれば、非接合部が、第1シート又は第2シートのいずれか一方に設けられた第1非接合部であり、当該一方が直交方向に折り曲げられることにより略凸状に形成された第1非接合部と、第1シート又は第2シートのいずれか他方に設けられた第2非接合部であり、第1非接合部が折り曲げられた方向と略同一の方向に当該他方が折り曲げられ、且つ第1非接合部が折り曲げられた量と略同一の量で当該他方が折り曲げられることにより略凸状に形成された第2非接合部と、を含むので、非接合部の表面積を増大させることができ、吸収性物品用トップシートの吸収性を一層高めやすくなる。
【0203】
付記4に記載の吸収性物品用トップシートによれば、吸収性物品用トップシートの嵩高さを、非接合部の長軸方向の長さの3分の1を超える長さとしたので、吸収性物品用トップシートの風合い又は/及び接合部の接合性を確保でき、吸収性物品用トップシートの使用性を高めやすくなる。
【0204】
付記5に記載の吸収性物品用トップシートによれば、接合部を、第1シートと第2シートとを超音波接合することにより形成したので、第1シートと第2シートとを熱接合で接続する場合に比べて、接合によって非接合部が硬化することを回避できることから、吸収性物品用トップシートの吸収性を一層高めやすくなる。
【符号の説明】
【0205】
1 おむつ
2 おむつ本体
2a 前側胴周り部
2b 後側胴周り部
2c 股下部
3 外装シート
3a 外側シート
3b 内側シート
4 ファスナー部
10 吸収性物品
11 第1接着剤
12 第2接着剤
13 第3接着剤
14 第4接着剤
20 立体ギャザー
30 トップシート
31 第1シート
32 第2シート
33 接合部
34 非接合部
34a 第1非接合部
34b 第2非接合部
40 カバーシート
50 上層吸収体
51 スリット
60 中間シート
70 下層吸収体
80 キャリアシート
90 バックシート
100 トップシート製造装置
110 第1送出ローラ
120 第2送出ローラ
130 第1折曲ロール
131 第1折曲ロール本体
140 第2折曲ロール
141 第2折曲ロール本体
150 第3折曲ロール
151 第3折曲ロール本体
160 超音波接合部
170 搬送ローラ