(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045298
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】端末、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/21 20220101AFI20240326BHJP
H04L 51/00 20220101ALI20240326BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20240326BHJP
【FI】
H04L51/21
H04L51/00
G06F3/0484
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024008520
(22)【出願日】2024-01-24
(62)【分割の表示】P 2022082256の分割
【原出願日】2019-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000102717
【氏名又は名称】NTTテクノクロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】黒川 智哉
(72)【発明者】
【氏名】飯酒盃 優太
(57)【要約】
【課題】メールの誤送信を防止すること。
【解決手段】端末が、送信対象メールの誤送信を防止するための確認画面に含まれる確認項目のうち、前記送信対象メールの本文を確認させるための確認項目と、前記送信対象メールの添付ファイルを確認させるための確認項目と、前記送信対象メールの宛先を確認させるための確認項目との少なくとも1つの特定の確認項目について、他の確認項目の表示態様よりも目立つ表示態様とする表示制御手段を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信対象メールの誤送信を防止するための確認画面に含まれる確認項目のうち、前記送信対象メールの本文を確認させるための確認項目と、前記送信対象メールの添付ファイルを確認させるための確認項目と、前記送信対象メールの宛先を確認させるための確認項目との少なくとも1つの特定の確認項目について、他の確認項目の表示態様よりも目立つ表示態様とする表示制御手段
を有する端末。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記少なくとも1つの特定の確認項目について、時間帯又はスケジュールに応じて、他の確認項目の表示態様よりも目立つ表示態様とする、請求項1に記載の端末。
【請求項3】
送信対象メールの誤送信を防止するための確認画面に含まれる確認項目のうち、前記送信対象メールの本文を確認させるための確認項目と、前記送信対象メールの添付ファイルを確認させるための確認項目と、前記送信対象メールの宛先を確認させるための確認項目との少なくとも1つの特定の確認項目について、他の確認項目の表示態様よりも目立つ表示態様とする表示制御手順
を端末が実行する方法。
【請求項4】
送信対象メールの誤送信を防止するための確認画面に含まれる確認項目のうち、前記送信対象メールの本文を確認させるための確認項目と、前記送信対象メールの添付ファイルを確認させるための確認項目と、前記送信対象メールの宛先を確認させるための確認項目との少なくとも1つの特定の確認項目について、他の確認項目の表示態様よりも目立つ表示態様とする表示制御手順
を端末に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子メール(以降、単に「メール」とも表す。)の誤送信対策として、送信先アドレスの正当性や添付ファイルの正当性等をメール送信前に確認させるチェック画面を表示し、送信者にチェックさせる技術が知られている。例えば、メール送信前にメール送信先の正当性を送信者に確認させるチェック画面を表示し、このチェック画面での確認結果が得られるまでメールを送信させない技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、メール送信操作を行う度に同一のチェック画面が表示されるため、送信者は、あまり良く確認せずにメールを送信してしまう場合があった。また、このような場合が慢性化してしまい、チェック自体が形骸化してしまうことがあった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、メールの誤送信を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の実施の形態に係る端末は、送信対象メールの誤送信を防止するための確認画面に含まれる確認項目のうち、前記送信対象メールの本文を確認させるための確認項目と、前記送信対象メールの添付ファイルを確認させるための確認項目と、前記送信対象メールの宛先を確認させるための確認項目との少なくとも1つの特定の確認項目について、他の確認項目の表示態様よりも目立つ表示態様とする表示制御手段を有する。
【発明の効果】
【0007】
メールの誤送信を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るメール誤送信防止システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るメール誤送信防止システムの動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態(以降、「本実施形態」とも表す。)について説明する。本実施形態では、送信対象のメールの内容や送信者の属性、過去の誤送信メールの情報等に応じた確認画面(メール内容の正当性を送信者に確認させるための画面)を生成し、送信者の端末に表示することで、メール誤送信を防止するメール誤送信防止システム1について説明する。
【0010】
<全体構成>
まず、本実施形態に係るメール誤送信防止システム1の全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るメール誤送信防止システム1の全体構成の一例を示す図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係るメール誤送信防止システム1には、誤送信防止サーバ10と、1台以上のメール送受信端末20と、1台以上の管理端末30と、メールサーバ40とが含まれる。これらの各サーバ及び端末は、例えば社内LAN(Local Area Network)等の任意の通信ネットワークを介して通信可能に接続される。
【0012】
誤送信防止サーバ10は、メール送受信端末20からのメールを受信して、このメールの内容や送信者の属性、過去の誤送信メールの情報等に応じて確認画面を生成する。そして、誤送信防止サーバ10は、生成した確認画面をメール送受信端末20に送信して、当該確認画面を表示させる。
【0013】
また、誤送信防止サーバ10は、メール送受信端末20に表示された確認画面で確認(チェック)が行われ、送信者によって送信指示が行われた場合、当該メール送受信端末20からのメールをメールサーバ40に送信(転送)する。なお、誤送信防止サーバ10は、1又は複数台のコンピュータで実現される。
【0014】
メール送受信端末20は、メールの送信者(ユーザ)が利用する端末である。メール送受信端末20は、ユーザの操作に応じて、メールの作成及び送信(メールの転送及び返信も含む)を行う。また、メール送受信端末20は、メールサーバ40からのメールを受信する。なお、メール送受信端末20は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)等で実現される。ただし、メール送受信端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の各種機器又は装置で実現されてもよい。
【0015】
なお、本実施形態では、送信者は、企業や団体等の構成員(例えば、企業の社員、団体の職員、学校の学生等)であるものとする。以降では、これらの企業や団体等の構成員を単に「社員」と総称する。
【0016】
管理端末30は、例えば誤送信防止サーバ10の管理者が利用する端末である。管理端末30は、管理者の操作に応じて、後述する雛形画面生成ルール記憶部111や社員情報記憶部112、誤送信メール情報記憶部113等に記憶されている情報の操作(追加、削除、編集)することができる。
【0017】
メールサーバ40は、送信先アドレスに従って、誤送信防止サーバ10からのメールを他の装置に転送する。また、メールサーバ40は、送信先アドレスに従って、他の装置からのメールをメール送受信端末20等に転送する。なお、本実施形態では、単に「送信先アドレス」と表記した場合には、メールのTo欄に設定されたメールアドレスと、Cc欄に設定されたメールアドレスと、Bcc欄に設定されたメールアドレスとの全てを指すものとする。
【0018】
ここで、誤送信防止サーバ10は、機能部として、送信制御部101と、画面生成部102とを有する。これら各機能部は、例えば、誤送信防止サーバ10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU(Central Processing Unit)等に実行させる処理により実現される。
【0019】
また、誤送信防止サーバ10は、記憶部として、雛形画面生成ルール記憶部111と、社員情報記憶部112と、誤送信メール情報記憶部113とを有する。これら各記憶部は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等を用いて実現可能である。ただし、これら各記憶部のうちの少なくとも1つの記憶部が、誤送信防止サーバ10と通信ネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現されていてもよい。
【0020】
送信制御部101は、メール送受信端末20からのメール(以降、「送信対象メール」とも表す。)を受信し、当該送信対象メールの送信を制御する。送信制御部101は、確認画面での確認が行われ、送信者によって送信指示が行われた場合(又は、確認画面をメール送受信端末20に表示させない場合)、メール送受信端末20から受信した送信対象メールをメールサーバ40に送信(転送)する。
【0021】
画面生成部102は、メール送受信端末20から受信した送信対象メールの内容や送信者の属性、過去の誤送信メールの情報等に応じて確認画面を生成する。そして、画面生成部102は、生成した確認画面を当該メール送受信端末20に送信する。
【0022】
ここで、画面生成部102は、例えば、送信対象メールの内容と、雛形画面生成ルール記憶部111に記憶されている雛形画面生成ルールとに基づいて、確認画面の雛形(テンプレート)を生成する。そして、画面生成部102は、社員情報記憶部112に記憶されている社員情報や誤送信メール情報記憶部113に記憶されている誤送信メール情報と、学習済み機械学習モデルとを用いて、確認画面の雛形(以降、「雛形画面」とも表す。)を編集等することで、確認画面を生成する。
【0023】
なお、学習済み機械学習モデルは、社員の属性等を示す社員情報と、過去の誤送信メール情報とを用いて、確認画面として表示すべき内容の傾向が予め学習されたモデルである。機械学習モデルとしては、機械学習の手法で用いられる任意のモデルが用いられる。また、このような機械学習モデルは、ライブラリやAPI(Application Programming Interface)、WebAPI等により利用可能なものであってもよい。
【0024】
雛形画面生成ルール記憶部111は、雛形画面を生成するためのルールテーブルである雛形画面生成ルールが記憶されている。雛形画面生成ルールの詳細については後述する。
【0025】
社員情報記憶部112は、社員(送信者)の属性等を示す社員情報が記憶されている。社員情報の詳細については後述する。
【0026】
誤送信メール情報記憶部113は、過去に誤送信されたメールの情報を示す誤送信メール情報を記憶されている。誤送信メール情報の詳細については後述する。
【0027】
なお、上述したように、雛形画面生成ルール、社員情報及び誤送信メール情報は、管理端末30を用いて管理者等が作成・編集等が可能である。ただし、誤送信メール情報は、例えば、メール誤送信が発生した度に(又は定期的に)、誤送信メール情報記憶部113に自動的に収集されてもよい。
【0028】
また、メール送受信端末20は、機能部として、メール処理部201と、表示制御部202とを有する。これら各機能部は、例えば、メール送受信端末20にインストールされた1以上のプログラム(例えば、メールアプリケーション等)が、CPU等に実行させる処理により実現される。
【0029】
メール処理部201は、メールの作成や送信(転送や返信も含む)に関する処理を行う。表示制御部202は、誤送信防止サーバ10から受信した確認画面を表示する。
【0030】
なお、
図1に示すメール誤送信防止システム1の構成は一例であって、他の構成であってもよい。例えば、メール誤送信防止システム1には管理端末30が含まれていなくてもよい。また、例えば、誤送信防止サーバ10の一部の機能部(例えば、画面生成部102)が、通信ネットワークを介して接続される装置又はシステム(例えば、クラウドサーバ等)により実現されてもよい。
【0031】
<雛形画面生成ルール>
ここで、雛形画面生成ルール記憶部111に記憶されている雛形画面生成ルールについて、
図2を参照しながら説明する。
図2は、雛形画面生成ルールの一例を示す図である。
【0032】
図2に示すように、雛形画面生成ルール記憶部111には1以上のレコードで構成された雛形画面生成ルールが記憶されている。また、これらの各レコードには、フィールドとして、「レコードNo.」と、「メール属性」と、「送信先アドレス」と、「アドレス追加有無」と、「添付有無」と、「キーワード」と、「雛形画面」とが含まれる。
【0033】
これらフィールドのうち、「メール属性」、「送信先アドレス」、「アドレス追加有無」、「添付有無」及び「キーワード」が条件となり、これらの条件を満たす場合に、当該条件に対応する「雛形画面」が生成される。雛形画面生成ルールには、これらの各条件の取り得る値の組み合わせに応じた数のレコードが格納されている。すなわち、各レコードは、雛形画面を生成するための条件と、雛形画面とを対応付けた情報である。
【0034】
「レコードNo.」には、各レコードを一意に識別する識別情報が設定される。「メール属性」には、新規に作成及び送信されたメールであることを示す「新規」、受信済メールを返信したメールであることを示す「返信」、受信済メールを転送したメールであることを示す「転送」のいずれかが条件として設定される。
【0035】
「送信先アドレス」には、送信先アドレスが社内のアドレスのみであることを示す「社内のみ」、送信先アドレスが社外のアドレスを含むことを示す「社外含む」のいずれかが条件として設定される。なお、例えば、予め決められた特定のアドレスが送信先アドレスに含まれることを示す「特定アドレス含む」等が条件として設定されてもよい。
【0036】
「アドレス追加有無」には、「メール属性」が「返信」又は「転送」である場合に、返信又は転送の対象となった受信済メールに対してメールアドレスが追加された否かが条件として設定される。また、受信済メールに対してメールアドレスが追加されたことを示す「追加あり」が設定された場合には、当該追加されたメールアドレスが社内のメールアドレスのみであることを示す「追加あり(社内)」、社外のメールアドレスを含むことを示す「追加あり(社外)」に条件が更に細分化されてもよい。なお、上記の特定のアドレスが追加された場合には、例えば、「追加あり(特定アドレス)」等と細分化されてもよい。
【0037】
「添付有無」には、メールにファイルが添付されているか否かが条件として設定される。なお、送信対象メールにファイルが添付されていることを示す「あり」が設定された場合には、添付ファイルの種類を示す情報も含めて条件が更に細分化されてもよい。例えば、PDFファイルが添付されている場合には「あり(PDF)」、実行形式ファイルが添付されている場合には「あり(EXE)」等と細分化されてもよい。
【0038】
「キーワード」には、メールに所定のキーワードと一致又は部分一致する文字列が含まれているか否かが条件として設定される。例えば、「一致「見積り」」と設定されている場合、「見積り」との文字列がメールに含まれていることが条件となる。
【0039】
なお、「キーワード」には、種々の判定文等が設定されてもよい。例えば、「又は」を表す演算子「∨」を用いて、「一致、「A∨B」」と設定されている場合、「A」又は「B」のいずれかの文字列がメールに含まれていることが条件となる。同様に、「かつ」を表す演算子「∧」が用いられてもよい。
【0040】
また、「キーワード」には、メール中で所定のキーワードが含まれる箇所(例えば、件名、本文、添付ファイル名等)が設定されてもよい。例えば、「一致、添付ファイル名、「A∨B」」と設定されている場合、「A」又は「B」のいずれかの文字列が添付ファイル名に含まれていることが条件となる。
【0041】
「雛形画面」には、上記の各条件を満たした場合に生成される雛形画面に関する情報が設定される。「雛形画面」には、更に、雛形画面を表示するか否かを示す「表示有無」と、雛形画面を表示する場合に、当該雛形画面に含まれる「項目」とが含まれる。ここで、項目とは、確認項目のことである。
【0042】
このような「項目」としては、例えば、「本文」、「添付ファイル」、「宛先」、「警告」等が挙げられる。例えば「項目」として「本文」が設定されている場合、確認画面には、メール本文を確認すべきことを示す内容が表示される。同様に、「項目」として「添付ファイル」が設定されている場合、確認画面には、添付ファイルを確認すべきことを示す内容が表示される。同様に、「項目」として「宛先」が設定されている場合、確認画面には、宛先(送信先メールアドレス)を確認すべきことを示す内容が表示される。一方で、「項目」として「警告」が設定されている場合には、確認画面には、送信者に対する警告として、上記の条件「キーワード」に該当する文字列が含まれることを示す内容が表示される。
【0043】
このように、雛形画面生成ルールには、各条件と、これらの各条件を満たした場合に生成される雛形画面とが対応付けられたレコードが1つ以上格納されている。これにより、送信対象メールに応じて、確認画面の雛形(テンプレート)となる雛形画面が生成される。
【0044】
<社員情報>
次に、社員情報記憶部112に記憶されている社員情報について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、社員情報の一例を示す図である。
【0045】
図3に示すように、社員情報記憶部112には1以上の社員情報が記憶されている。これらの各社員情報には、社員の属性情報として、「名前」と、「部署」と、「役職」と、「勤続年数」と、「メールアドレス」と、「リスク」と、「誤送信回数」とが含まれる。
【0046】
「名前」、「部署」、「役職」、「勤続年数」及び「メールアドレス」には、社員の氏名、所属部署、役職、勤続年数及びメールアドレスがそれぞれ設定される。
【0047】
「リスク」には、当該社員の所属部署や役職、勤続年数、過去のルール違反の有無等に応じたリスクが設定される。リスクには、例えば、社外宛の営業メールが多い場合には「営業メールあり」、過去に社内ルールに違反したことがある場合には「社内ルール違反あり」等が設定される。
【0048】
「誤送信回数」には、過去に誤送信メールを送信した回数が設定される。なお、誤送信メールの誤り理由(例えば、「宛先誤り」や「添付ファイル誤り」等)と、その回数とが設定されてもよい。
【0049】
このように、社員情報には、社員の様々な属性情報が含まれる、これにより、例えば、機械学習モデルにより送信者(社員)の属性に応じて特に確認させるべき項目を決定することができるようになる。なお、例えば、この決定された項目が含まれるように雛形画面が編集されてもよい。
【0050】
<誤送信メール情報>
次に、誤送信メール情報記憶部113に記憶されている誤送信メール情報について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、誤送信メール情報の一例を示す図である。
【0051】
図4に示すように、誤送信メール情報記憶部113には1以上の誤送信メール情報が記憶されている。これらの誤送信メール情報は、過去に発生した誤送信メールに関する情報であり、「宛先(To)」と、「宛先(Cc)」と、「宛先(Bcc)」と、「件名」と、「本文」と、「添付有無」と、「誤り理由」とが含まれる。
【0052】
「宛先(To)」、「宛先(Cc)」、「宛先(Bcc)」、「件名」、「本文」及び「添付有無」には、誤送信メールのTo欄に設定されたメールアドレス、Cc欄に設定されたメールアドレス、Bcc欄に設定されたメールアドレス、件名、本文及び添付ファイルの有無がそれぞれ設定される。
【0053】
「誤り理由」には、誤送信メールが発生した理由が設定される。このような理由には、例えば、「宛先誤り」や「添付ファイル誤り」等が挙げられる。
【0054】
このように、誤送信メール情報には、過去に発生した誤送信メールの内容やその誤り理由(発生理由)等が含まれる。これにより、例えば、機械学習モデルにより送信対象メールの内容に応じて特に確認させるべき項目を決定することができるようになる。なお、例えば、この決定された項目が含まれるように雛形画面が編集されてもよい。
【0055】
ただし、誤送信メール情報記憶部113には、過去発生した全ての誤送信メール情報が記憶されていなくてもよい。誤送信メール情報記憶部113には、例えば、最近頻発している誤送信メールに関する誤送信メール情報だけが記憶されていてもよいし、直近に発生した誤送信メールに関する誤送信メール情報だけが記憶されていてもよい。又は、例えば管理者等によって選択された誤送信メールに関する誤送信メール情報だけが記憶されていてもよい。
【0056】
<メール誤送信防止システム1の動作>
次に、本実施形態に係るメール誤送信防止システム1により誤送信メールを防止するための処理の動作について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態に係るメール誤送信防止システムの動作の一例を示す図である。以降では、メール送受信端末20を用いて、送信者によってメール送信操作(新規メールを送信するための操作、受信済メールに対して返信又は転送するための操作)が行われたものとする。
【0057】
メール送受信端末20のメール処理部201は、送信者によるメール送信操作を受け付ける(ステップS101)。
【0058】
メール送受信端末20のメール処理部201は、メール送信操作を受け付けると、送信対象メールを誤送信防止サーバ10に送信する(ステップS102)。
【0059】
誤送信防止サーバ10の送信制御部101は、送信対象メールを受信する(ステップS103)。
【0060】
次に、誤送信防止サーバ10の画面生成部102は、雛形画面生成ルール記憶部111に記憶されている雛形画面生成ルールを参照して、当該送信対象メールが条件を満たすレコードを特定した上で、特定したレコードで条件に対応付けられている雛形画面を生成する(ステップS104)。
【0061】
より具体的には、画面生成部102は、送信対象メールのメール属性、送信先アドレス、アドレス追加有無、添付有無、キーワードが含まれるか否か等に基づいて、雛形画面生成ルールを構成する各レコードのうち、条件を満たすレコードを特定する。そして、画面生成部102は、特定したレコード含まれる「雛形画面」の「表示有無」に「表示あり」が設定されている場合、「雛形項目」の各「項目」に設定されている項目が含まれる雛形画面を生成する。
【0062】
ここで、特定したレコードに含まれる「雛形画面」の「表示有無」に「表示なし」が設定されている場合、画面生成部102は、雛形画面を生成しない。この場合、後述のステップS105~ステップS109は実行されずに、後述のステップS110で送信対象メールが送信される。この場合は送信者の確認を必要としない場合だからである。
【0063】
なお、上記のステップS104では雛形画面を生成したが、必ずしも生成される必要はなく、雛形画面に含まれる項目を特定するだけでもよい。
【0064】
次に、誤送信防止サーバ10の画面生成部102は、社員情報記憶部112に記憶されている社員情報(又は、当該社員情報と、誤送信メール情報記憶部113に記憶されている誤送信メール情報)を参照して、雛形画面を編集して確認画面を生成する(ステップS105)。
【0065】
より具体的には、画面生成部102は、まず、送信対象メールの送信元アドレス(つまり、送信者のメールアドレス)から、当該送信者の社員情報を特定する。次に、画面生成部102は、特定した社員情報(又は、特定した社員情報と誤送信メール情報記憶部113に記憶されている誤送信メール情報との両方)を機械学習モデルに入力して、送信者の属性や送信対象メールの内容に応じた項目(確認項目)を得る。なお、機械学習モデルには、送信対象メールの内容も入力されてもよい。
【0066】
そして、画面生成部102は、得られた項目を用いて雛形画面を編集することで確認画面を生成する。
【0067】
このとき、画面生成部102は、例えば、得られた項目と雛形画面に含まれる項目とで共通する項目のみが含まれる確認画面を生成してもよいし、得られた項目のみが含まれる確認画面を生成してもよいし、得られた項目を雛形画面に追加した確認画面を生成してもよい。又は、画面生成部102は、例えば、得られた項目と雛形画面に含まれる項目との合計数が所定の個数以下となるようにし、かつ、得られた項目の方が雛形画面に含まれる項目よりも優先的に含まれるようにした確認画面を生成してもよい。
【0068】
なお、機械学習モデルは、送信者の属性や送信対象メールの内容に応じて当該送信者に確認させるべき項目が出力されるように予め学習させたものを用いる。
【0069】
次に、誤送信防止サーバ10の画面生成部102は、上記のステップS106で生成した確認画面をメール送受信端末20に送信する(ステップS106)。
【0070】
メール送受信端末20の表示制御部202は、誤送信防止サーバ10から受信した確認画面を表示する(ステップS107)。ここで、表示制御部202により表示される確認画面の一例を
図6乃至
図8に示す。
図6乃至
図8は、確認画面の一例を示す図である。
【0071】
図6に示す確認画面1100は、項目(確認項目)として、件名確認項目1101と、宛先(To)確認項目1102と、宛先(Cc及びBcc)確認項目1103と、本文確認項目1104と、添付ファイル確認項目1105と、警告確認項目1106とが含まれる。送信者は、これらの各確認項目で送信対象メールの正当性を確認した上で、送信ボタン1107を押下することで、送信指示操作を行うことができ、送信対象メールを送信することができる。
【0072】
図7に示す確認画面1200では、
図6に示す確認画面1100とは異なり、件名確認項目1101及び本文確認項目1104のみが含まれる。すなわち、
図7に示す確認画面1200は、
図6に示す確認画面1100よりも確認項目が少ない。このように、例えば、送信者に特に確認させたい項目のみを表示させることで、送信者が確認を慢性化させてしまう事態を防止することができる。
【0073】
図8に示す確認画面1300でも、
図6に示す確認画面1100とは異なり、添付ファイル確認項目1105及び警告確認項目1106のみが含まれる。これも
図7と同様に、例えば、送信者に特に確認させたい項目のみを表示させた場合であり、送信者が確認を慢性化させてしまう事態を防止することができる。
【0074】
このように、本実施形態に係るメール誤送信防止システム1では、送信者の属性や送信対象メールの内容に応じて、当該送信者のメール送受信端末20に表示される確認画面の確認項目が変更される。これにより、送信者の確認の慢性化を防止し、メール誤送信を防止することができると共に、確認の負担を軽減させることも可能となる。
【0075】
なお、本実施形態では、確認項目のみを変更させたが、これに加えて、例えば、確認画面のデザイン(例えば、確認画面の背景色や確認項目の配置等)を変更してもよい。また、本実施形態では、送信者に特に確認させたい確認項目のみを含む確認画面を表示させたが、これに限られず、例えば、全ての確認項目を含む確認画面を表示させて、送信者に特に確認させたい確認項目のみを目立つ表示態様で表示させてもよい。目立つ表示態様とは、例えば、該当の確認項目のみを大きく表示する(例えば、通常の確認項目の2倍や3倍大きく表示する等)ことが考えられる。又は、目立つ態様として、例えば、該当の確認項目中の或る特定の文字列(例えば、宛先に設定されているメールアドレス等)の色を変えたり、点滅させたりしてもよい。更に、宛先(To)や宛先(Cc及びBcc)を確認させるための確認項目である場合には、例えば、全ての宛先を表示するのではなく、社外のメールアドレスのみを表示させたり、追加されたメールアドレスのみを表示させたりしてもよいし、メールアドレス中の或る特定の部分の文字列(例えば、@よりも前の文字列や@よりも後の文字列等)の大きさを変えたり、色を変えたりして表示態様を異ならせてもよい。
【0076】
また、上記の表示態様は、或る特定の時間帯や或る特定の予定の前後の時間帯等に応じて異なってもよい。例えば、誤送信リスクが高まる時間帯(例えば、就業前、深夜、出張前、会議直前等の時間帯)では、特に目立つ表示態様で表示させるようにしてもよい。予定は、予め指定されていてもよいし、個人のスケジュール帳等に基づいてユーザ毎に異なっていてもよい。
【0077】
更に、例えば、雛形画面生成ルールに項目「リスク」(例えば、この項目には「添付ファイルを含む」や「社外アドレスを含む」等が設定されてもよいし、リスクを数値化した値が設定されてもよい。)を設けて、このリスクに応じて雛形画面生成ルールの各レコードを順位付けてもよい。例えば、「添付ファイルを含む」がリスク順位「1位」、「社外アドレスを含む」がリスク順位「2位」、「本文に所定のキーワードを含む」がリスク順位「3位」とする等である。そして、確認画面中の確認項目をリスク順位に応じて上から表示させてもよいし、リスク順位に応じた表示態様で確認項目を表示(例えば、リスク順位が高い程、大きく表示する等)させてもよい。
【0078】
ステップS107に続いて、メール送受信端末20のメール処理部201は、確認画面における送信指示操作を受け付ける(ステップS108)。
【0079】
メール送受信端末20のメール処理部201は、送信指示操作を受け付けると、送信指示を誤送信防止サーバ10に送信する(ステップS109)。
【0080】
誤送信防止サーバ10の送信制御部101は、送信指示を受信すると、送信対象メールをメールサーバ40に送信する(ステップS110)。これにより、メールサーバ40によって送信対象メールが送信先アドレス宛に送信される。
【0081】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係るメール誤送信防止システム1では、送信対象メールの内容や送信者の属性、過去の誤送信メール情報等に応じて、学習済み機械学習モデルを用いて、確認画面に含まれる確認項目を変更する。これにより、送信者に対して、確認すべき項目を適切に確認させることが可能となり、メールの誤送信を効果的に防止することが可能となる。また、全ての項目を一律に確認させる場合と比較して、送信者が確認すべき項目数が減少するため、送信者の確認負担も軽減することが可能となる。
【0082】
なお、本実施形態では、送信対象メールが満たす条件によって決定される雛形画面を生成又は特定した上で、この雛形画面を編集等することで確認画面を生成したが、必ずしもこれに限られない。例えば、雛形画面を生成又は特定せずに、送信対象メールの内容や送信者の属性情報、過去の誤送信メール情報等に応じて、学習済み機械学習モデルにより確認画面を生成してもよい。
【0083】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 メール誤送信防止システム
10 誤送信防止サーバ
20 メール送受信端末
30 管理端末
40 メールサーバ
101 送信制御部
102 画面生成部
111 雛形画面生成ルール記憶部
112 社員情報記憶部
113 誤送信メール情報記憶部
201 メール処理部
202 表示制御部