(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045310
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】完全マイクロ光学セキュリティドキュメント
(51)【国際特許分類】
B42D 25/29 20140101AFI20240326BHJP
B42D 25/333 20140101ALI20240326BHJP
B42D 25/324 20140101ALI20240326BHJP
B42D 25/342 20140101ALI20240326BHJP
G02B 3/00 20060101ALN20240326BHJP
【FI】
B42D25/29
B42D25/333
B42D25/324
B42D25/342
G02B3/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024009375
(22)【出願日】2024-01-25
(62)【分割の表示】P 2021512621の分割
【原出願日】2019-09-10
(31)【優先権主張番号】62/728,957
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516166085
【氏名又は名称】クレイン アンド カンパニー、 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケイプ、サミュエル エム.
(72)【発明者】
【氏名】モルク-ハミルトン、カーリン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォン ブリクセン-フィネッケ、フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】ファン ガンスター、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】カウワン、ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】トゥール、ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ネールス、グンナル
(72)【発明者】
【氏名】ゾーナ、カーラ
(72)【発明者】
【氏名】ゴスネル、ジョナサン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ブレイマン、ベンジャミン イー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】完全マイクロ工学セキュリティドキュメントを提供する。
【解決手段】セキュリティドキュメント200は、セキュア基板205を含む。該セキュア基板205は、視認側209及び背面側211、ならびに該視認側209上で光学的可変効果(OVE)をもたらすマイクロ光学システムを含む。該セキュリティドキュメント200は更に、保護層225、及び該セキュア基板205の該保護層225と背面側との間に配置されたマスク層215を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認側(209)及び背面側(211)を含むセキュア基板(205)、ならびに前記視認側(209)上で光学的可変効果(OVE)をもたらすマイクロ光学システム(305、321)と、
前記背面側(211)に面して配置された保護層(225)と、
前記セキュア基板(205)の前記保護層(225)と前記背面側(211)との間に配置されたマスク層(215)と、
を備えるセキュリティドキュメント(200)であって、
前記セキュア基板(205)は、前記セキュリティドキュメント(200)の前記保護層(225)及び前記マスク層(215)のための構造的土台をもたらす、セキュリティドキュメント(200)。
【請求項2】
前記保護層(225)は、第2のセキュア基板(465)を含む、請求項1に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項3】
前記マスク層(215)は、不透明材料の層を含む、請求項1に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項4】
前記マスク層(215)は、反射材料の層を含む、請求項1に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項5】
前記マスク層(215)は、ウインドウ(217)を含む、請求項1に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項6】
真正の光学印(247)を含むパッチ(245)を更に備え、
前記パッチ(245)は、前記マスク層(215)の前記ウインドウ(217)を通じて視認可能である、
請求項5に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項7】
前記パッチ(245)によって設けられた真正の前記光学印(247)は、透かし、オフセット印刷模様、凹版印刷模様、または光学セキュリティ素子のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項8】
前記セキュア基板(205)の前記視認側(209)上に配置された触知機構(445、455、460)を更に備えた、請求項1に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項9】
前記触知機構(445)は、前記セキュア基板(205)の前記視認側(209)上に印刷された材料を含む、請求項8に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項10】
前記触知機構(445)は、前記セキュア基板(205)の前記視認側(209)上で凹版印刷を含む、請求項9に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項11】
前記セキュア基板(205)は、
集束素子の層(409)と、
画像アイコンの層(413)と、
光学スペーサ(415)と、を備え、
前記集束素子の層は、前記光学スペーサ(415)の第1の側面上に配置され、
前記画像アイコンの層は、前記集束素子の層の集束素子の焦点に近接して配置された画像アイコンを含む、
請求項1に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項12】
前記集束素子の層は、屈折集束素子を含む、請求項11に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項13】
前記集束素子の層は、反射集束素子を含む、請求項11に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項14】
前記画像アイコンの層は、前記光学スペーサ(415)の第2の側面上に配置される、請求項11に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項15】
前記光学スペーサ(415)は、前記集束素子の層と一体である、請求項11に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項16】
前記画像アイコンの層は、前記集束素子の層と一体である、請求項11に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項17】
前記画像アイコンの層の画像アイコンは、前記集束素子の層の集束素子内のレリーフ構造として設けられる、請求項16に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項18】
前記セキュア基板(205)の前記視認側(209)上に配置された密閉層(450)を更に備えた、請求項11に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項19】
前記密閉層(450)の厚みにおける変動として設けられた触知機構(460)を更に備えた、請求項18に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項20】
前記光学スペーサ(415)は、透明ポリマのシートを含む、請求項11に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項21】
前記透明ポリマは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸配向ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、またはポリ塩化ビニル(PVC)のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項22】
前記OVEは、モアレ拡大効果を含む、請求項1に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項23】
前記セキュア基板(205)は、総透明度を示す領域を含み、前記総透明度は、前記セキュア基板(205)の背面側(211)の上または下に配置された静的機構が、前記セキュア基板(205)の前記視認側(209)を通じて視認可能であることを可能にする、請求項1に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項24】
前記セキュア基板(205)の前記背面側(211)上に印刷された静的機構を更に備えた、請求項23に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項25】
視認方向により前記マスク層(215)内で色を変化させる静的機構を更に備えた、請求項23に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項26】
前記マスク層(215)及び前記保護層(225)は、前記セキュア基板(205)の前記背面側(211)に結合された材料の単層として設けられる、請求項1に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項27】
機械可読セキュリティ機構(473)を更に備えた、請求項1に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【請求項28】
触知機構(445、455、460)を更に備え、
前記触知機構(445、455、460)は、前記マスク層(215)内のウインドウ(217)、パッチ(245)、印刷層の機構、または前記OVEのうちの1つ以上により記録されている、請求項1に記載のセキュリティドキュメント(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、偽造紙幣の製造に対して複製が困難なセキュリティ機構(例えば、マイクロ光学機構)を取り入れることに対する著しく強化された耐性をもたらす、セキュリティドキュメント(例えば、銀行券)に関する。
【発明の概要】
【0002】
本開示は、完全マイクロ光学セキュリティドキュメントを提供する。
【0003】
第1の実施形態では、セキュリティドキュメントは、セキュア基板を含み、セキュア基板は、視認側及び背面側を有し、マイクロ光学システムは、視認側上で光学的可変効果(OVE)をもたらす。セキュリティドキュメントはまた、保護層、及びセキュア基板の保護層と背面側との間に配置されたマスク層を含む。
【0004】
他の技術的な特徴が以下の図面、説明、及び請求項から当業者にとって明らかになり得る。
【0005】
他の特定の単語及びフレーズに対する定義は、この特許明細書の全体を通じて提供される。当業者は、ほとんどではないが多くの例では、そのような定義がそのような定義された単語及びフレーズの前の使用と共に後の使用に適用されることを理解するはずである。
【0006】
本開示及びその利点の更なる完全な理解のために、添付図面と併用して以下の説明への参照がここで行われる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】背景技術によって、本開示に従った特定の実施形態によって対処される少なくとも1つの技術的課題を示す。
【
図2】本開示の様々な実施形態に従った、セキュリティドキュメントの実施例を示す。
【
図3】本開示の特定の実施形態に従った、セキュア基板の実施例を示す。
【
図4A】本開示のいくつかの実施形態に従った、セキュリティドキュメントの実施例を示す。
【
図4B】本開示のいくつかの実施形態に従った、セキュリティドキュメントの実施例を示す。
【
図4C】本開示のいくつかの実施形態に従った、セキュリティドキュメントの実施例を示す。
【
図4D】本開示のいくつかの実施形態に従った、セキュリティドキュメントの実施例を示す。
【
図4E】本開示のいくつかの実施形態に従った、セキュリティドキュメントの実施例を示す。
【
図4F】本開示のいくつかの実施形態に従った、セキュリティドキュメントの実施例を示す。
【
図4G】本開示のいくつかの実施形態に従った、セキュリティドキュメントの実施例を示す。
【
図4H】本開示のいくつかの実施形態に従った、セキュリティドキュメントの実施例を示す。
【
図5】本開示の少なくとも一実施形態に従った、セキュリティドキュメントの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の発明を実施するための形態に着手する前に、この特許明細書の全体を通じて使用される特定の単語及びフレーズの定義を示すことが利点となる場合がある。用語「結合する(couple)」及びその派生語は、2つ以上の要素が相互に物理的に接触しているかどうかに関わらず、それらの要素の間のいずれかの直接または間接通信または対話を指す。用語「送信する(transmit)」、「受信する(receive)」、及び「通信する(communicate)」と共に、それらの派生語は、直接通信及び間接通信の両方を包含する。用語「を含む(include)」及び「を備える(comprise)」と共に、それらの派生語は、限定なしの包含を意味する。用語「または(or)」は、両立的であり、及び/または(and/or)を意味する。フレーズ「と関連付けられた(associated with)」と共に、その派生語は、を含む(include)、に含まれる(be included within)、と相互接続する(interconnect with)、を包含する(contain)、に包含される(be contained within)、に接続されるもしくはと接続される(connect to or with)、に結合するもしくはに結合させる(couple to or with)、と通信可能である(be communicable with)、と協働する(cooperate with)、交互配置する(interleave)、を並置する(juxtapose)、に近接する(be proximate to)、に結びつけられるもしくはと結びつけられた(be bound to or with)、を有する(have)、の性質を有する(have a property of)、またはへの関係もしくはとの関係を有する(have a relationship or with)などを意味する。用語「コントローラ」は、少なくとも1つの動作を制御するいずれかのデバイス、システム、またはそれらの一部を意味する。そのようなコントローラは、ハードウェア、またはハードウェアならびにソフトウェア及び/またはファームウェアの組み合わせにおいて実装されてもよい。いずれかの特定のコントローラと関連付けられた機能性は、ローカルまたはリモートであるかどうかに関わらず、集中化または分散されてもよい。フレーズ「の少なくとも1つ(at least one of)」は、項目のリストと共に使用されるとき、リスト化された項目のうちの1つ以上の異なる組み合わせが使用されてもよいこと、及びリスト内の1つの項目のみが必要とされてもよいことを意味する。例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ(at least one of:A,B,and C)」は、A、B、C、A及びB、A及びC、B及びC、ならびにA及びB及びCの組み合わせのいずれかを含む。
【0009】
他の特定の用語及びフレーズに対する定義は、この特許明細書の全体を通じて提供される。当業者は、ほとんどではないが多くの例では、そのような定義がそのような定義された単語及びフレーズの前の使用と共に後の使用に適用されることを理解するはずである。
【0010】
この特許明細書において本開示の原理を説明するために使用される以下で及び様々な実施形態において議論される
図1~5は、例示としてのみであり、開示の範囲を何ら限定すると解釈されるべきではない。当業者は、本開示の原理が、いずれかの適切に配置された支払装置において実装されてもよいことを理解するであろう。
【0011】
背景技術、及び本開示に従った特定の実施形態によって対処される少なくとも1つの技術的課題の提示により、
図1は、それによって、1つの真正セキュリティドキュメント105(この実施例では、銀行券)のセキュリティ機構を取り入れることができ、悪意のある人物へのサービス可能な品質の2つの偽造セキュリティドキュメントを製造するために使用することができる機構の実施例100を示す。
【0012】
図1の実施例を参照して、セキュリティドキュメント105の実施例が提供される。図に示されるように、セキュリティドキュメント105は、複数の構造的機構を組み込んだ基板107を含み、複数の構造的機構は、セキュリティドキュメント105の真正の可視
の印及び不可視の印を設けている。ドキュメントの真正の不可視の印を設けた構造的機構の実施例は、限定なしに、基板107に取り付けられ、または基板107に埋め込まれた磁気インクまたは機械可読機構(例えば、無線周波数識別(「RFID」))アンテナを含む。
【0013】
真正の可視の印を設けた構造的機構の実施例は、透かし、印刷効果、特殊インク、及び基板107内に形成され、基板107に塗布され、または基板107に埋め込まれたセキュリティ素子を含む。この例示的な実施例では、真正の可視の印を設けたセキュリティドキュメント105の構造的機構は、透かし109を含み、透かし109は、いくつかの実施形態では、基板107の紙の製造の間にパターン化されたダンディロールの使用を通じて形成される。真正の視覚的な印を設けたセキュリティドキュメント105の構造的機構の更なる実施例は、凹版模様111を含み、凹版模様111は、パターンの高精細解像度及び凹版印刷技術の使用に起因して、再現が困難なラインのパターンを含み、特有の表面テクスチャを有する、特徴的なモアレ干渉効果を生じさせる。この例示的な実施例では、ドキュメントの真正の視覚的な印を設けたセキュリティドキュメント105の構造的機構は、インクに衝突する光の入射の角度における変化に応答してその外観が変化する、光学可変インクまたは色シフトインクなど、特殊な、入手困難なインクにより印刷された領域113を含む。セキュリティドキュメント105の真正の可視の印を設けた構造的機構はまた、セキュリティ素子115を含むことができる。いくつかの実施形態では、セキュリティ素子115は、マイクロスケールまたはナノスケールの光学構造、例えば、集合的に特有の光学効果を生じさせる、レンズ、アイコン構造、または回折格子の1つ以上のアレイを支持する薄型材料(例えば、ポリマ基板の狭リボン)を含む。そのような光学効果の実施例は、限定なしに、モアレ拡大効果(「合成的に拡大された画像」または「合成画像」と称されることがある)、インテグラルイメージング効果、色シフト、またはホログラムなどの光学的可変効果を含む。
【0014】
撮像技術及び印刷技術における改善と共に、犯罪知謀は、基板107上に設けられたセキュリティドキュメントの真正の可視の印を設ける上記説明された構造的機構の多くのサービス可能な模写をもたらす紙製基板の周りに構築された偽造セキュリティドキュメントを製造する能力及び材料を悪意のある人物に提供してきた。セキュリティ素子115内の光学構造のとても小さなスケール、及びセキュリティ素子115の製造に伴う特定のツール、材料、及び技術に対する組織的制御を仮定して、ほとんどの悪意のある人物は、セキュリティ素子115を複製する手段または技術的ノウハウを現在は有さない。
【0015】
次善策がセキュリティ素子115を再現することが可能でないように、偽造セキュリティドキュメントを製造することを求める悪意のある人物は、取り込まれたセキュリティ素子の部品を1つ以上の偽造セキュリティドキュメントに組み込むことを目的に、真正ドキュメントからセキュリティ素子を「取り込む」。
図1の説明的な実施例を参照して、セキュリティ素子115は、セキュリティドキュメント100の幅にわたるマイクロ光学スレッドである。図に示されるように、セキュリティ素子115は、セキュリティ素子115の部分が基板内のウインドウ117を通じて視認可能であり、セキュリティ素子の他の部分がブリッジ119によって隠蔽されるように、基板107に埋め込まれる。
【0016】
図1の説明的な実施例を参照して、悪意のある人物は、特定のケースでは、セキュリティ素子115と基板107との間の接着剤を剥がし、または基板107を破壊するよう、溶剤(例えば、水または漂白剤)にセキュリティドキュメント100を長期にわたって浸すことを通じて実質的に完全なままのセキュリティ素子115を取り除くことができる。実質的に完全なまま取り除かれると、セキュリティ素子115は、慎重に断片に切断され(130)、断片は、セキュリティドキュメント105の完全な複製ではないが、多くのユーザによって真正ドキュメントに対して容易に循環され、及び誤ることになる真正の十
分な視覚的な印を運ぶ、大多数の偽造ドキュメントを、初期の数の真正セキュリティドキュメントから製造するよう、複数の偽造基板140a及び140bの表面に添付され、または代わりに埋め込まれたキャリアスレッドの表面に添付されることがある。
【0017】
図1の説明的な実施例において議論されないが、セキュリティ素子115を実質的に完全なまま取り込むことによって、偽造セキュリティドキュメントを製造する他の方法が有効にされることがある。例えば、取り込まれると、セキュリティ素子115は、セキュリティドキュメント105よりも高額の偽造銀行券を製造するようアップサイクルされる場合がある。代わりに、セキュリティドキュメントが識別ドキュメントであり、またはそうでなければセキュリティドキュメントが権限を有する人物と関連付けられるケースでは、セキュリティ素子115を実質的に完全なまま取り込むことは、権限のない人物と関連付けられた偽造セキュリティドキュメントの製造を促進することがある(例えば、偽造パスポートを製造するために)。
【0018】
図1の説明的な実施例によって示されるように、取り込むことの背後にある有効な仮説は、最小でも、光学セキュリティ素子が基板から分離可能であるという仮説、及びセキュリティドキュメントの真正の視覚的な印を設けた基板の構造的機構を悪意のある人物によって使える状態に再現することができるという仮説を含む。本明細書で議論されるように、適用するのに適切な柔軟性及び伸張強度を示す材料の区域を含むのと同時に、光学的可変効果などの光学効果を再現することの困難性をもたらす、セキュア基板の周りで構造化されたセキュリティドキュメントを提供することによって、本開示に従った特定の実施形態は、それらの有効な仮説を覆す。そのようにして、本開示に従った特定の実施形態は、最小でも、真正ドキュメントから犯罪的に使える品質の偽造基板に取り込まれた構成要素を適用することによって、悪意のある人物の偽造ドキュメントを製造する機会を拒絶する技術的及び実用的な利点をもたらす。
【0019】
図2は、本開示の様々な実施形態に従った、セキュア基板を組み込んだセキュリティドキュメント200の要素を分解図において示す。
図2は、本開示の様々な実施形態に従った、セキュリティドキュメントの実施例として銀行券を示すが、本開示に従った実施形態は、そのように限定されない。本開示に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、限定なしに、識別ドキュメント(例えば、運転免許証)、標的(例えば、ハンドバッグもしくは時計)を偽造している製品上の認証ラベル、または金融ドキュメント(例えば、送金小切手もしくは他の流通証券)を含む。この例示的な実施例では、図における205、215、225、235、245、及び255と番号付けされた構成要素は、上から見られるとき、セキュリティドキュメント200の外観の態様を制御する(
図2では、表面要素255)。
【0020】
図2の非限定的な実施例を参照して、セキュリティドキュメント200は、セキュア基板205(例えば、
図3でのセキュア基板300)を含み、セキュア基板205は、認証マイクロ構造に基づく光学効果をもたらすのと同時に、セキュリティドキュメント200に対する構造的アンカとしての役割を果たすのに適切に柔軟であり、耐久性があり、強力である。特定の実施形態に従って、セキュア基板205は、セキュリティドキュメント200の真正の視覚的な印としての役割を果たす、光学効果を生じさせるマイクロ構造を含む材料のシートを含む。いくつかの実施形態では、マイクロ構造は、アイコンマイクロ構造のモアレ拡大効果(「合成画像」もしくは「合成的に拡大された画像」とも称されることがある)、運動効果(合成画像が視認角度における変化に対して「動いている」ように見え、もしくは外観を変化させるように見える)、または色シフト効果など、光学的可変効果(OVE)を生じさせる。
図2の例示的な実施例に示されるように、特定の実施形態では、光学効果を生じさせるマイクロ構造は、マイクロスケール集束素子(例えば、集束素子207)を含む。実施形態に応じて、集束素子207は、屈折集束素子(例えば、平
凸外形、凹面外形、または平坦外形を有するマイクロレンズ(屈折率分布型(「GRIN」)レンズなど))である。いくつかの実施形態では、集束素子207は、反射集束素子(例えば、マイクロスケール凹面ミラー)である。いくつかの実施形態では、セキュア基板205上のマイクロ構造は、回折に基づく効果(例えば、セキュア基板205内の回折格子によって生じる色効果)を生じさせる回折マイクロ構造である。
【0021】
いくつかの実施形態では、セキュア基板205は、視認側209(
図2では可視)、及び視認側209とは反対である背面側211(
図2では不可視)を含む。
【0022】
図2の例示的な実施例に示されるように、セキュリティドキュメント200は、セキュア基板205の保護層225と背面側211との間に配置されたマスク層215を含む。様々な実施形態に従って、マスク層215は、保護層225の下面227に面したビューポイントから印刷層235、セキュア基板205、及び触知層255のいくつかまたは全てのビューを遮断する、材料のシート、または塗布された被膜を含む。特定の実施形態では、マスク層215は、被膜、またはセキュア基板205によって生じる光学効果の視認性を高めるよう選択された色を有する不透明フィルムなど、不透明材料の層を含む。いくつかの実施形態では、マスク層215は、他の機構とのコントラストで選択された色(例えば、印刷層235内で使用される色)を有する。セキュア基板205がモアレ拡大効果を生じさせる実施形態では、光色(例えば、白)は、不透明マスク層215に対して特に適切である場合がある。特定の実施形態では、マスク層215は、金属被膜または塗布されたホイルなどの反射材料の層を含む。
【0023】
特定の実施形態では、マスク層215は、ウインドウ217を含み、ウインドウ217を通じて、保護層225の下面227を通ってセキュリティドキュメント200に入射する光は、セキュア基板205を通過することができる。様々な実施形態では、パッチ245は、ウインドウ217内に設けられる。様々な実施形態に従って、パッチ245は、材料の区域(例えば、紙幣用紙などの繊維材料、ポリマ材料、または金属材料)を含み、材料の区域は、セキュリティドキュメント200の真正の更なる光学印を設け、セキュリティドキュメント200の片側または両側から視認可能である。
図2の例示的な実施例に示されるように、パッチ245によって設けられた真正の更なる光学印は、いくつかの実施形態では、透かし247である。いくつかの実施形態では、パッチ245によって設けられた真正の更なる光学印は、染模様(例えば、オフセットもしくは凹版染模様)または別の光学セキュリティ素子(例えば、ホログラム)である。このようにして、ウインドウ217及びパッチ245は、光学セキュリティ素子が基板とは別個の構成要素であったレガシセキュリティドキュメントから、セキュア基板205の周りで構造化された、本開示に従ったセキュリティドキュメントへの、広く認識されたセキュリティ機構の組み込みを促進する。実用的な実施例として、正確に形成された透かしの存在についてチェックすることによって銀行券を何十年も認証してきたユーザは、セキュリティドキュメント200を同様に認証することができる。
【0024】
特に、レガシドキュメントの処理機(例えば、自動販売機内の貨幣読取機)との互換性、または旧型のセキュリティドキュメントに精通しているユーザによる適合がゲーティング問題でないいくつかの用途では、ドキュメントの視覚的情報の全てが光学効果として提供されるようにセキュリティドキュメント200を構造化することが有利となる場合がある。しかしながら、いくつかの用途では、セキュリティドキュメント200によって提供される視覚的情報の一部が静的な(視認角度または照明条件に関して外観において変化しない)機構として提供されることが適切である。静的機構として提供されることが有利となる場合がある視覚的情報の実施例は、限定なしに、レガシセキュリティ機構から搬送される印刷機構(既存のドキュメント処理システムとの後方互換性を促進するための)、及び額面金額、アドレス、またはシリアル番号などの必須の情報を提供する英数字テキスト
(この情報の機械可読性を促進し、人間の読み手に対する目の疲労を減少させるための)を含む。
【0025】
図2の非限定的な実施例を参照して、セキュア基板205は、総透明度を示す1つ以上の領域を含む。本開示において使用されるように、用語「総透明度」は、視認側209を通じて視認可能であるようセキュア基板の背面側211上または下に設けられたマクロレベル(すなわち、人間の目に視認可能なスケールでの状態にされた)静的機構の特性を包含する。本開示に従った特定の実施形態、例えば、セキュア基板205がアイコン層内でマイクロスケールのアイコン機構のモアレ拡大効果をもたらすために屈折集束素子の層を使用する特定の実施形態では、非常に小さいスケールのアイコン及びレンズ機構は、セキュア基板205の全体を大幅に透明にする。
【0026】
いくつかの実施形態に従って、セキュア基板205の大幅に透明な領域を通じて見ることができる静的機構は、セキュア基板205の背面側211に塗布された印刷層235内に設けられる。本開示に従ったいくつかの実施形態では、静的機構(例えば、幾何学形状パターン237及びフラグ239)は、限定なしに、オフセット印刷、フレキソ印刷、凹版、グラビア、またはインクジェット印刷を含む、セキュリティドキュメントを製造するのに適切な1つ以上の印刷技術を使用して印刷される。いくつかの実施形態では、印刷層235の機構は、セキュア基板205、ウインドウ217、パッチ245、または触知層255によってもたらされる光学効果のうちの1つ以上により記録されるように塗布される。いくつかの実施形態では、印刷層235は、セキュア基板205の背面側に塗布され、マスク層215は、その後塗布される。いくつかの実施形態では、印刷層235及びマスク層215は、単一の集積層を含む。
【0027】
図2の非限定的な実施例を参照して、いくつかの実施形態では、セキュリティドキュメント200は、セキュア基板205の視認側209に塗布され、セキュリティドキュメント200を扱うユーザによって触れることができる機構を含む触知層255を含む。いくつかの実施形態に従って、触知層255は、セキュア基板205の視認側209を覆う透明密閉層を含む。例えば、セキュア基板205の視認側209が実質的に平面でない表面(例えば、平凸マイクロレンズによる凹凸な表面)を有する実施形態などのいくつかの実施形態では、密閉層は、汚染物質が蓄積することがあり、光学効果をもたらすセキュア基板205の能力を減少させることがある、レンズの間の隙間を埋めることによって、セキュリティドキュメントの全体性能を改善することができる。触知層255が透明密閉層を含むいくつかの実施形態では、触知機構(例えば、テキスト257及び通貨単位259)は、密閉層の表面上に材料を印刷することによって設けられてもよい(例えば、特徴的な表面テクスチャを生じさせる凹版印刷を使用して)。触知層255が透明密閉層を含む様々な実施形態では、触知機構は、密閉層の厚みにおける変動を生じさせることによって設けられてもよい(例えば、エンボス加工することによって)。触知層255が透明密閉層を含まない特定の実施形態では、触知機構は、セキュア基板205の視認側209上に直接材料を印刷することによって生成される。様々な実施形態に従って、触知層255の触知機構(例えば、機構257及び259)は、セキュア基板205、印刷層235の機構、ウインドウ217、またはパッチ245によってもたらされる光学効果のうちの1つ以上により記録されるように形成される。
【0028】
図2の例示的な実施例に示されるように、セキュリティドキュメント200は、保護層225を含む。様々な実施形態に従って、保護層225は、セキュリティドキュメントの薄型(例えば、マスク層215として使用される反射ホイル)、または繊細(例えば、パッチ245)構造を摩耗及び破壊的な汚染物質への露出から保護する単層または多層構造を含む。いくつかの実施形態では、保護層225は、マスク層215に付着された材料のシート(例えば、薄型ポリマフィルムまたは紙などの繊維材料)を含む。本開示に従った
様々な実施形態では、保護層225は、適切に耐久性がある材料(例えば、
図3における密閉層340を生成するのに適切な光硬化可能レジン)の塗布された被膜を含む。いくつかの実施形態では、保護層225は、マスク層215と一体である(例えば、同一の材料の単層)。特定の実施形態に従って、保護層225は、第2のセキュア基板の周りに構造化された多層構造を含む(例えば、本開示の
図4H及び5に示されるような)。
【0029】
図3は、本開示の様々な実施形態に従った、セキュア基板300の実施例の構造的態様を示す。参照のために、
図3は、セキュア基板の視認側301が図の最上部の近くに表れ、背面の表面303が図の底部に表れるように配向される。
【0030】
図3の非限定的な実施例を参照して、特定の実施形態では、セキュア基板300は、複数の集束素子305(例えば、集束素子307を含む)、及び画像アイコン(例えば、画像アイコン320を含む)の配列321を含む。様々な実施形態に従って、複数の集束素子305の各々の集束素子は、フットプリントを有し、フットプリントでは、画像アイコンの配列321の1つ以上の画像アイコンは、特定の視認角度において、集束素子が画像アイコンに集束するように、集束素子の焦点に近接して位置付けられる。集合的に、複数の要素305の集束素子は、モアレ拡大効果(「合成的に拡大された画像」またはより簡潔に、「合成画像」とも称される)を生じさせるよう、画像アイコンの配列321の部分を拡大し、個々のマイクロスコピック画像アイコンは、視認角度におけるシフトに応答して動的に反応する(例えば、動いているように見え、または色を変化させるように見えることによって)画像を生成するよう、複数の集束素子305によって集合的に拡大される。いくつかの実施形態では、上記説明されたモアレ拡大効果と共に、複数の集束素子305は、集積画像を生成するよう、画像アイコンの配列321により動作してもよい。本開示において使用されるように、用語「集積画像」は、画像アイコンの配列321の構成、またはその一部を定義するために使用される、画像層を生成するようビューポイント画像のセットを処理することに基づいて、マイクロ光学システムによって生じる視覚効果を包含する。「Security Device For Projecting a Collection of Synthetic Images」と題する国際公開第WO2013/163287号は、本開示の特定の実施形態に従った、集積画像の非限定的な実施例を提供する。不可能でない場合、多くの悪意のある人物が再現することが困難であるが、上記説明されたモアレ拡大効果は、多くのケースでは、セキュア基板300の周りで構造化されたセキュリティドキュメントの真正の信頼できる視覚的な印である。
【0031】
特定の実施形態に従って、複数の集束素子305は、マイクロ光学集束素子の平面アレイを含む。いくつかの実施形態では、複数の集束素子305の集束素子は、マイクロ光学屈折集束素子(例えば、平凸またはGRINレンズ)を含む。複数の集束素子305の屈折集束素子は、いくつかの実施形態では、1.35~1.7の範囲に及ぶ屈折率を有する光硬化済みレジンから生成され、5マイクロメートル~200マイクロメートルの範囲に及ぶ直径を有する。様々な実施形態では、複数の集束素子305の集束素子は、5マイクロメートル~50マイクロメートルの範囲に及ぶ直径を有する、反射集束素子(例えば、非常に小さい凹面ミラー)を含む。この例示的な実施例では、複数の集束素子305の集束素子が環状平凸レンズを含むとして示されるが、他の屈折レンズの幾何学形状、例えば、レンチキュラレンズが可能であり、本開示の考慮される範囲内にある。
【0032】
図3の例示的な実施例に示されるように、画像アイコン320の配列は、複数の集束素子305の集束素子の焦点に近接した予め定められた位置に位置付けられた、画像アイコン(画像アイコン321を含む)のセットを含む。様々な実施形態に従って、画像アイコン320の配列の個々の画像アイコンは、構造化された光(例えば、コリメートされたUV光)の焦点経路と関連付けられた光硬化済み材料の領域を含み、光は、視認角度の1つ以上の予め定められた範囲と関連付けられた投影ポイントから複数の集束素子305を通
過する。いくつかの実施形態では、画像アイコン320の配列の個々の画像アイコンは、大量の有色素材料を維持するための構造を含む、構造化された画像アイコン層内に設けられる。いくつかの実施形態では、画像アイコン320の配列の個々の画像アイコンは、構造化された画像アイコン層内に設けられない。本開示において使用されるように、用語「構造化された画像層」は、画像アイコン材料を位置付け及び維持するための構造(例えば、凹部、ポスト、溝、またはメサ)を含むようエンボス加工され、またはそうでなければ形成された材料(例えば、光硬化可能レジン)の層を包含する。様々な実施形態に従って、画像アイコンの配列321の個々の画像アイコンは、構造化された画像層内に設けられ、構造化された画像層は、マイクロスケール及びナノスケールの容量の色付け材料を保持する構造を維持するものとして機能する、空洞、メサ、またはポストのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、画像アイコン層321の画像アイコンは、集束素子の焦点が画像アイコンの上に位置する視認角度を制御し、及び拡張によって、特定の光学効果が視認可能である視認角度を制御するよう、複数の集束素子305を通じて光硬化可能材料を指向的に硬化することによって形成される。
【0033】
図3の例示的な実施例に示されるように、特定の実施形態では、セキュア基板300は、光学スペーサ310を含む。様々な実施形態に従って、光学スペーサ310は、複数の集束素子305の集束素子の焦点面内または焦点面の周りに画像アイコン320の配列の画像アイコンを位置付けるよう動作する、実質的に透明材料のフィルムを含む。本開示に従った特定の実施形態では、光学スペーサ310は、画像アイコン320の配列または複数の集束素子305のうちの1つ以上を形成するよう、硬化可能材料の1つ以上の層を塗布することができる製造基板を含む。本開示に従った特定の実施形態では、光学スペーサ310は、複数の集束素子305とは別個の構造を含まず、むしろ、複数の集束素子305に集積して形成される(例えば、成型することによって)。
【0034】
様々な実施形態に従って、セキュア基板300は、画像アイコン320の配列の画像アイコンの間の空間を占有する、光硬化済み保護材料330の1つ以上の領域を含む。いくつかの実施形態では、画像アイコン320の配列が最初に形成され(例えば、光学スペーサ310上で液体光硬化可能材料を選択的に硬化及び除去することによって)、次いで、画像アイコン320の配列の画像アイコンの間の空間を埋めるよう、透き通った、光硬化可能材料の層が塗布され、次いで、画像アイコンが複数の集束素子305の集束素子のフットプリント内のそれらの位置から移動することを保護する保護層を生成するようフラッド硬化される。特定の実施形態では、画像アイコン320の配列を形成するために使用される光硬化可能材料は、有色素の、紫外線(UV)-硬化可能ポリマである。
【0035】
本開示に従った特定の実施形態では、セキュア基板300は、セキュア基板300の視認側301上で密閉層340を含む。特定の実施形態に従って、密閉層340は、複数の集束素子305の集束素子を有する下側表面上で接合する実質的に透き通った材料の薄い部分(例えば、2マイクロメートル~50マイクロメートルの厚みの層)を含み、複数の集束素子305よりも屈曲において変動が少ない(例えば、平坦にすることによって、またはその局所的な起伏が集束素子よりも大きな屈曲の半径の起伏である表面を有することによって)上側表面を含む。
【0036】
図3は、様々な実施形態に従った、セキュア基板300の1つの実施例を提供するが、本開示は、そのように限定されない。例えば、
図3では、画像アイコンの配列321が複数の集束素子305とは構造的に明白に異なるものとして示されるが、いくつかの実施形態では、集束素子及び画像アイコンは、単層内に設けることができる。例えば、いくつかの実施形態では、画像アイコンは、凸面レンズ(「Gregison」レンズと称されることがある)のアレイの表面上の選択的に位置づけられたレリーフ構造または「ディンプル」として設けることができる。更なる実施例として、反射集束素子を組み込んだ実施形
態では、画像アイコンは、集束素子の反射表面の間の「層」内の色の領域として設けられてもよい。そのような実施形態では、画像アイコン及び集束素子は、
図3の実施例とは対照的に、光学スペーサの単一側面上に設けられてもよく、画像アイコン320及び集束素子307は、光学スペーサ310の異なる側面を占有する。
【0037】
図4A~4Hは、本開示の様々な実施形態に従った、セキュア基板を使用して構造化されたセキュリティドキュメントの実施例を示す。
図4A~4Hを参照して議論される実施例は、本開示の実施形態に従った1つ以上のセキュア基板の周りで構造化されたセキュリティドキュメントの広範囲の潜在的な構成の例示である。
図4A~4Hを参照して説明される実施形態及び構成を上回る更なる実施形態及び構成は、本開示の考慮される範囲内にある。利便性のために、1つよりも多い図に共通した構造的要素が同様に番号付けされる。
【0038】
図4Aの非限定的な実施例を参照して、本開示の様々な実施形態に従ったセキュリティドキュメント400が図に示される。本開示に従ったいくつかの実施形態では、セキュリティドキュメント400は、視認側401及び背面側403、保護層430、ならびにセキュア基板405の背面側403と保護層430との間に配置されたマスク層420を有するセキュア基板405(例えば、
図3でのセキュア基板300)を含む。特定の実施形態に従って、セキュア基板405は、セキュリティドキュメント400の真正の光学印である、視認側上で光学効果を生じさせるマイクロスケール光学構造を含む。
【0039】
特定の実施形態に従って、セキュア基板405は、画像アイコンの層413の画像アイコン(例えば、画像アイコン411)に対して集束素子の層409の集束素子(例えば、集束素子407)の焦点の入射におけるパターンを通じて、モアレ拡大効果などの光学的可変効果をもたらす。いくつかの実施形態では、セキュア基板405は、光学スペーサ415を含む。
図4Aの例示的な実施例に示されるように、光学スペーサ415は、第1の側面及び第2の側面を有するキャリアフィルムを含む。いくつかの実施形態に従って、集束素子の層409が光学スペーサ415の第1の側面上に設けられ、画像アイコンの層413が光学スペーサ415の第2の側面上に設けられる。いくつかの実施形態では、集束素子の層409及び画像アイコンの層の両方は、光学スペーサ415の同一の側面上に設けられる。様々な実施形態では、光学スペーサ415、集束素子の層409、及び画像アイコンの層413のうちの1つ以上は、共通材料(例えば、光硬化可能ポリマ)の層内に反復して構造化されることによって、相互に一体である。
【0040】
図4Aの例示的な実施例では、セキュア基板405が光学的可変効果(例えば、モアレ拡大効果)をもたらす光学マイクロ構造を含む実施形態に関してセキュリティドキュメント400が議論されてきたが、そのマイクロ構造が異なる光学効果(例えば、干渉に基づく効果または回折効果)を生じさせるセキュア基板を含む他の実施形態は、本開示の考慮される範囲内にあり、それは、セキュリティドキュメントの構造的バックボーンが、光学効果を生じさせるマイクロ構造を包含する構成要素をそれとは分離することができる基板である仮説を覆すセキュリティドキュメントの実施形態に関する。
【0041】
図4Aの非限定的な実施例を参照して、マスク層420は、セキュリティドキュメントの下面からセキュア基板のマスク層と視認側401との間に設けられた構造の視認性を制限する、材料の薄層(例えば、塗布された層、塗装、または反射もしくは不透明材料の薄型フィルム)を含む。様々なドキュメントに従って、セキュリティドキュメント400は更に、保護層430を含み、保護層430は、実施形態に応じて、セキュア基板405のマイクロ構造(例えば、画像アイコン411)またはセキュリティドキュメント400の他のセキュリティ機構及び視覚的情報(例えば、マスク層430のウインドウ内に塗布された透かし)を損傷または劣化させる場合がある、物体または溶剤との接触からセキュア
基板のマスク層420と視認側401との間の構造を遮蔽するよう動作する、材料の1つ以上の層であり得る。いくつかの実施形態では、保護層430は、ポリマ(例えば、二軸配向ポリプロピレン)または繊維(例えば、紙幣用紙)材料のシートを含む。
【0042】
本開示において他に述べられたように、セキュア基板自体のマイクロ構造を通じて、全てではないがほとんどの悪意のある人物が再現することが困難である署名光学効果をもたらすのと同時に、セキュリティドキュメントに対する構造的土台をもたらすことの両方である、セキュア基板405の周りでセキュリティドキュメントを構造化することは、セキュリティドキュメントに組み込むことができる構造及び機構の広範囲の置換を可能にする。
図4Bは、本開示の様々な実施形態に従った、セキュリティドキュメントに組み込むことができる、追加の機構(このケースでは、ウインドウ及びパッチ)の実施例を示す。
【0043】
図4Bの非限定的な実施例を参照して、いくつかの実施形態では、ウインドウ423がマスク層420内に設けられる。本開示に従った特定の実施形態では(例えば、マスク層420が塗布された被膜である実施形態)、ウインドウ423は、セキュア基板405の背面側403に被膜を塗布しないことによって形成される。いくつかの実施形態では、ウインドウ423が事前形成される(例えば、セキュア基板405の背面側403に塗布された反射または不透明フィルムの穴として)。特定の実施形態に従って、ウインドウ423は、総透明度を示すセキュア基板405の領域427により記録されるように形成され、総透明度は、裸眼によって見ることができるスケールの静的機構がセキュア基板405の視認側401を通じて視認可能になることを可能にする。セキュリティドキュメント400の構造に応じて、ウインドウ423は、単独で、セキュリティドキュメント400の機構であってもよい。例示的な実施例として、保護層430が透明である実施形態では、ウインドウ423は、光がセキュリティドキュメント400の全体を通過することを可能にし、それは、単独で、それらの全表面領域にわたって不透明であることが多い、銀行券などの特定のセキュリティドキュメントの非常に特有の機構であり得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、ウインドウ423は、真正の追加の光学印を設けた材料のパッチ425の包含を促進するよう動作する。特定の実施形態に従って、パッチ425によって設けられた真正の光学印は、透かし、染模様(例えば、オフセットもしくは凹版印刷を使用して印刷された模様)、またはホログラム、もしくは散乱に基づく視覚効果(透過光または反射光に応答した色における変化など)をもたらす光学セキュリティ素子など追加の光学セキュリティ素子のうちの少なくとも1つである。
【0045】
本開示において他に議論されたように、セキュリティドキュメント400に対する性能要件は、セキュア基板の周りで構造化されることに加えて、光学効果の一部ではなく、セキュリティドキュメント400によって提供される視覚的情報の一部が静的に提供されることを要求し得る。性能の観点から、セキュリティドキュメントに静的機構を含めることは、機械を取り扱うレガシドキュメントとの後方互換性を保証し、繰り返し見る人(例えば、銀行の窓口係または入国審査担当者)の目の疲労を減少させ、自動処理技術の速度及び精度を促進する(例えば、光学文字認識など、成熟した信頼できる処理技術の使用を可能にすることによって)のに望ましい場合がある。
【0046】
図4Cは、本開示の様々な実施形態に従った、このケースでは、セキュリティドキュメント400内のウインドウ423及びパッチ425と共に、静的機構を組み込む実施例を示す。
図4Cの非限定的な実施例を参照して、いくつかの実施形態では、静的機構は、セキュア基板405の背面側403に塗布された印刷層440を通じて塗布される。実施形態に応じて、セキュア基板405の背面側403に塗布された材料のフィルムの表面など、印刷層440の静的機構が事前形成され得る。様々な実施形態では、印刷層440の静的機構は、限定なしに、インクジェット印刷またはフレキソ印刷を含む、いずれかの適切
な印刷技術によってセキュア基板の背面側403上に印刷され得る。
図4Cの例示的な実施例では、印刷層440がウインドウ423の境界において終わるものとして表されるが、本開示に従った実施形態はそのように限定されず、特定の実施形態では、印刷層440の機構は、ウインドウ423に拡張し、また、ウインドウ423内に設けられたパッチ425に塗布され得る。
【0047】
本開示において他に述べられるように、セキュリティドキュメント(例えば、銀行券)の表面の触知的な「感触」は、真正の印(例えば、印刷技術がドキュメントのインクを塗られていない表面の上にインクを塗られたパターンを残す)及びセキュア基板の周りに構造化された銀行券の適応を促進する因子(例えば、長期間のユーザが、より旧型の、より精通したバージョンのドキュメントとどのように同じように感じるかを評価し得る)の両方であり得る。
【0048】
図4Dは、上記説明された触知機構を設けた、本開示の様々な実施形態に従ったセキュリティドキュメント400の実施例を示す。様々な実施形態に従って、触知層445の機構は、セキュア基板405の視認側401の部分に材料(例えば、光硬化可能ポリマインク)を印刷することによって、セキュア基板405の視認側401上で形成され得る。特定の実施形態に従って、触知層445の機構はまた、銀行券の静的機構(例えば、シリアル番号またはグラフィック模様)を設けることができる。模様パラメータに応じて、及び偽造者を妨げる更なる機構として、セキュリティドキュメント400の静的機構は、印刷層440内に、及び触知層445を通じての両方で設けられてもよい。加えて、本開示に従った特定の実施形態では、触知層445内に設けられた静的機構は、限定なしに、セキュア基板405、ウインドウ423、パッチ425、または印刷層440内に設けられた機構によってもたらされる光学効果を含む、セキュリティドキュメント400の他の機構により記録されるように塗布され得る。
【0049】
いくつかのケースでは、特定のセキュリティドキュメントの使用パターン(例えば、早急な摩耗または制限された破棄及び交換のうちの1つ以上につながる、ユーザによって大いに循環または貯蔵される銀行券)は、セキュア基板405の摩耗を加速化することがある接触からセキュア基板のマイクロ光学構造(例えば、集束素子の層409)を分離し、認証できる光学効果をもたらすセキュア基板405の能力を劣化させることがある埃、油、または他の物質があるセキュア基板405の表面内で空洞またはくぼみを埋めるために、表面保護の追加の層の塗布に有利に働く。
図4Eは、表面保護のそのような追加の層を組み込んだ、本開示の様々な実施形態に従ったセキュアドキュメント400の実施例を示す。
【0050】
図4Eの非限定的な実施例を参照して、セキュア基板405は、セキュア基板405の視認側401に塗布された密閉層450を含む。様々な実施形態に従って、密閉層450は、セキュア基板405の視認側401の非平坦部分に一致し、セキュリティドキュメント400の実質的に平坦な外部表面をもたらす材料の実質的な透明層を含む。
【0051】
本開示において他に述べられるように、本開示のいくつかの実施形態に従ったセキュリティドキュメントを構築するためのセキュア基板の使用は、広範囲の実施形態が構造的機構の組み合わせ及び再構成を含むことを可能にする。
図4Fは、本開示の様々な実施形態に従ったセキュリティドキュメントの構造的機構をどのように混合及び合致することができるかの非限定的な実施例を示す。
【0052】
図4Fの非限定的な実施例を参照して、セキュリティドキュメント400は、セキュア基板405の視認側401に塗布された密閉層450を含む。様々な実施形態に従って、触知層455の機構は、密閉層450の表面上に直接材料を塗布することによって(例え
ば、印刷することによって)形成され得る。
図4Fには示されないが、いくつかの実施形態では、密閉層450の追加の前に、機構(例えば、触知層445の機構)がセキュア基板405の視認側401上に印刷され、次いで、触知層455の機構がその後塗布される。いくつかの実施形態では、触知層455の機構は、セキュリティドキュメントの1つ以上の他の機構により記録されるように塗布され、それはより厳密な製造管理を必要とし、偽造の技術的な課題を増大させる。
【0053】
本開示において他に述べられるように、本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメント400を作成するために使用されるセキュア基板アーキテクチャは、単一の構成要素または材料の層として本開示の特定の構成要素を統合して形成する(例えば、いくつかの実施形態では、マスク層420、保護層430、または印刷層440のうちの2つ以上が統合して形成され得る)際の柔軟性を可能にする。
図4Gは、セキュリティドキュメント400内のそのような構造的統合の実施例を示す。
【0054】
図4Gの非限定的な実施例を参照して、セキュリティドキュメント400は、密閉層450を含む。この例示的な実施例では、触知層460の機構は、密閉層450の厚みにおける変動を生じさせることによって(例えば、密閉層450の材料をエンボス加工することによって)形成される。いくつかの実施形態では、触知層460の機構は、セキュリティドキュメントの他の層内に設けられた機構により記録され、それによって、他の機構に「印刷された」感触を与える。いくつかの実施形態では、触知層460の機構は、非視覚的な様式において(例えば、点字テキスト、または視覚的に障害を持ったユーザに知られた他の印として)セキュリティドキュメントの情報を提供するために使用され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、保護層430は、単層構造(例えば、透明フィルムまたは保護ラッカ)を含む。特定の実施形態では、セキュア基板405の背面側403の下に配置されたセキュリティドキュメント400のマイクロ構造及び潜在的に繊細な構成要素を機械的に遮蔽することは、多層保護構造を含む保護層430によって実行され得る。
【0056】
図4Hは、本開示の様々な実施形態に従った、多層保護層465を利用したセキュリティドキュメント400の実施例を示す。
図4Hの例示的な実施例を参照して、いくつかの実施形態では、多層保護層465は、第2のセキュア基板467及び第2の印刷層469を含む、セキュリティドキュメントの要素を含む。
図4Hの非限定的な実施例に示されるように、セキュリティドキュメント400の特定の構造は、視覚的情報を提供し、またはセキュリティドキュメント400の単一側面だけではなく両側面上で光学効果を支持するよう機能することができる。例えば、
図4Hでは、単一のマスク層420は、セキュア基板405の視認側401と共に第2のセキュア基板467の視認側471へのセキュリティドキュメント400を光の通過を制御する。同様に、いくつかの実施形態では、ウインドウ423及びパッチ425は、総透明度を示すセキュア基板405及び第2のセキュア基板467の領域を通じて視認可能である視覚的情報または光学効果をもたらすよう動作する。
【0057】
様々な実施形態に従って、セキュリティドキュメント400は更に、限定なしに、無線周波数識別(RFID)アンテナ、磁気可読ストリップ、または銀行券機器製造者(BEM)デバイスなど、特殊な機器を使用して検出可能な「レベル3」機構として本分野において既知の他のデバイスを含む、1つ以上の機械可読セキュリティ機構を含む。
【0058】
他に述べられるように、本開示の
図4A~4Hを参照して説明される実施例は例示であり、例えば、セキュア基板405内のマイクロ光学構造の異なる構成と共に、
図4A~4Hの説明的な実施例において説明された構成要素の異なる組み合わせ及び統合を含む、本開示に従った実施形態を限定するものではない。
【0059】
図5は、本開示の様々な実施形態に従った、セキュア基板のペアの周りに構造化されたセキュリティドキュメント500の実施例を示す。
【0060】
例えば、本開示の
図4Hにおけるセキュリティドキュメント400と共に議論されたように、特定の実施形態では、第2のセキュア基板は、第1のセキュア基板に対する保護層であり得る。
図5の非限定的な実施例では、セキュア基板のペアが相互に保護層としての役割を果たす、そのようなセキュリティドキュメント500の更なる例示が提供される。特定の実施形態に従って、セキュリティドキュメント500は、第1のセキュア基板520a(例えば、
図3のセキュア基板300)、及び第2のセキュア基板520b(例えば、
図3のセキュア基板300の第2の例)を含む。本開示に従ったいくつかの実施形態では、第1のセキュア基板520a内のマイクロ光学構造は、セキュリティドキュメント500に近接したビューポイントに合成画像を投影する。そのような合成画像の実施例として、図に示される「+」記号のうねった波は、第1のセキュア基板520aの表面の上または下に「浮く」ように現れ得る。いくつかの実施形態に従って、セキュリティドキュメント500は、総透明度を示す第1のセキュア基板520の部分を通じて視認可能であるパッチ512を含む。様々な実施形態では、セキュリティドキュメント500は更に、凹版状の印刷機構として第1のセキュア基板520aの視認側に塗布された触知層514の機構を含む。
【0061】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、視認側及び背面側を含むセキュア基板、ならびに視認側上で光学的可変効果(OVE)をもたらすマイクロ光学システムと、保護層と、セキュア基板の保護層と背面側との間に配置されたマスク層と、を含むセキュリティドキュメントを含む。
【0062】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、保護層が、第2のセキュア基板を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0063】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、マスク層が、不透明材料の層を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0064】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、マスク層が、反射材料の層を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0065】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、マスク層が、ウインドウを含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0066】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、真正の光学印を含むパッチを含み、パッチは、マスク層のウインドウを通じて視認可能である、セキュリティドキュメントを含む。
【0067】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、パッチによって設けられた真正の光学印が、透かし、オフセット印刷模様、凹版印刷模様、または光学セキュリティ素子のうちの少なくとも1つを含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0068】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、セキュア基板の視認側上に配置された触知機構を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0069】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、触知機構が、セキュア基板の視認側上に印刷された材料を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0070】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、触知機構が、セキュア基板の視認側上で凹版印刷を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0071】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、セキュア基板が、集束素子の層と、画像アイコンの層と、光学スペーサと、を含み、集束素子の層が、光学スペーサの第1の側面上に配置され、画像アイコンの層が、集束素子の層の集束素子の焦点に近接して配置された画像アイコンを含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0072】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、集束素子の層が、屈折集束素子を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0073】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、集束素子の層が、反射集束素子を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0074】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、画像アイコンの層が、光学スペーサの第2の側面上に配置される、セキュリティドキュメントを含む。
【0075】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、光学スペーサが、集束素子の層と一体である、セキュリティドキュメントを含む。
【0076】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、画像アイコンの層が、集束素子の層と一体である、セキュリティドキュメントを含む。
【0077】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、画像アイコンの層の画像アイコンが、集束素子の層の集束素子内のレリーフ構造として設けられる、セキュリティドキュメントを含む。
【0078】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、セキュア基板の視認側上に配置された密閉層を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0079】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、セキュア基板の視認側上に配置された密閉層を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0080】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、密閉層の厚みにおける変動として設けられた触知機構を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0081】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、光学スペーサが、透明ポリマのシートを含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0082】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、透明ポリマが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸配向ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、またはポリ塩化ビニル(PVC)のうちの少なくとも1つを含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0083】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、OVEが、モアレ拡大効果を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0084】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、セキュア基板が、総透明度を示す領域を含み、総透明度が、セキュア基板の背面側の上または下に配置
された静的機構が、セキュア基板の視認側を通じて視認可能であることを可能にする、セキュリティドキュメントを含む。
【0085】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、セキュア基板の背面側上に印刷された静的機構を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0086】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、マスク層内で色における変動として設けられた静的機構を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0087】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、マスク層及び保護層が、セキュア基板の背面側に結合された材料の単層として設けられる、セキュリティドキュメントを含む。
【0088】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、機械可読セキュリティ機構を含む、セキュリティドキュメントを含む。
【0089】
本開示の特定の実施形態に従ったセキュリティドキュメントの実施例は、触知機構を含み、触知機構が、マスク層内のウインドウ、パッチ、印刷層の機構、またはOVEのうちの1つ以上により記録されている、セキュリティドキュメントを含む。
【0090】
本開示が特定の実施形態及び全体的に関連する方法を説明してきたが、それらの実施形態及び方法の代替及び置換が当業者には明らかである。したがって、実施例の実施形態の上記説明は、本開示を定義するものではなく、または制約するものではない。以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の変更、代用、及び変形も可能である。