(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045323
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】自動試料ハンドリング装置
(51)【国際特許分類】
H01J 37/20 20060101AFI20240326BHJP
H01J 37/18 20060101ALI20240326BHJP
G01N 1/28 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01J37/20 B
H01J37/20 A
H01J37/20 C
H01J37/18
G01N1/28 W
G01N1/28 F
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024009650
(22)【出願日】2024-01-25
(62)【分割の表示】P 2022125782の分割
【原出願日】2018-05-11
(31)【優先権主張番号】62/504,835
(32)【優先日】2017-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/977,336
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519400254
【氏名又は名称】ピックレイン、リチャード ジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピックレイン、リチャード ジェイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電子顕微鏡用の自動グリッドハンドリング装置を提供する。
【解決手段】装置は、マルチステージシャトルを有する搬送モジュールを含む。前記シャトルは、全体移動および精密移動のための、独立した2つのシャトルステージを含む。前記両シャトルステージのうちの少なくとも1つに接続されたエンドエフェクタは、グリッドキャリアを保持し、かつ電子顕微鏡の多軸位置決めステージポートに連通可能に接続された搬送インタフェースを通して、グリッドキャリアを電子顕微鏡へ搬送する。エンドエフェクタは、両シャトルステージの動作の自由度と電子顕微鏡の内部の多軸位置決めステージによって画定された動作範囲を有する。搬送モジュールに連通可能に接続された自動装填モジュールは、エンドエフェクタとフレームに接続され、装填ポートモジュールを含む。グリッドは、装填ポートモジュールを通って自動装填モジュールおよび搬送モジュールに装填される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像システム用の自動試料ハンドリング装置であって、前記自動試料ハンドリング装置が、
前記撮像システムの多軸位置決めステージポートに取り外し可能に連結するように構成されたフレームと、
前記フレームに接続された搬送モジュールであって、前記搬送モジュールが、少なくとも1つのシャトルを含み、前記少なくとも1つのシャトルが、単一の動作の自由度を有する、搬送モジュールと、
前記少なくとも1つのシャトルに接続されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、試料を保持し、前記試料を、前記多軸位置決めステージポートに連通可能に接続された搬送インタフェースを通して、前記撮像システムへとおよび前記撮像システムから搬送するように構成され、前記エンドエフェクタが、前記少なくとも1つのシャトルと前記撮像システムの多軸位置決めステージとの組み合わせによって画定された動作範囲を有する、エンドエフェクタと、
前記フレームに接続され、前記搬送モジュールに連通可能に接続された自動装填モジュールであって、前記自動装填モジュールが、密封可能な装填ロックチャンバを含み、前記装填ロックチャンバを通って試料が前記自動装填モジュールおよび前記搬送モジュールに装填される、自動装填モジュールと
を備える、自動試料ハンドリング装置。
【請求項2】
前記撮像システムが、電子顕微鏡を備える、請求項1記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項3】
前記エンドエフェクタが、検査または撮像の間に前記エンドエフェクタ内の振動モードを低減する堅固なインタフェースを形成する前記搬送インタフェースに連通可能に接続されるように構成される、請求項1記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのシャトルとは分離していて別個であるキャリアマガジンシャトルをさらに備え、前記キャリアマガジンシャトルが、試料を前記装填ロックチャンバと前記少なくとも1つのシャトルとの間で搬送するように構成されている、請求項1記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項5】
前記キャリアマガジンシャトルが、1つまたは複数の試料を保持するように構成された試料マガジンを搬送するように構成されている、請求項4記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのシャトルが、真空環境下で動作するように構成されている、請求項1記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのシャトルの一部が、大気環境下で動作するように構成され、前記少なくとも1つのシャトルの他の部分が、真空環境下で動作するように構成されている、請求項1記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項8】
前記エンドエフェクタが、前記試料の有無を判定するように構成された一体型センサを含む、請求項1記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項9】
グリッドをさらに備え、前記グリッドが、前記試料を保持するように構成されている、請求項1記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項10】
グリッドキャリアをさらに備え、前記グリッドキャリアが、複数のグリッドタイプを支持するように構成されている、請求項9記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項11】
前記グリッドキャリアが、前記グリッドを所定の向きに整列させて拘束するように構成されている、請求項10記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項12】
前記試料マガジンが、試料マガジン棚上でグリッドキャリアを整列させて拘束するように構成されている、請求項5記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項13】
前記フレーム、前記搬送モジュールおよび前記自動装填モジュールは、前記多軸位置決めステージによって前記搬送インタフェースが駆動されるときに、X、Y、Zおよびθ軸方向に移動するように構成されている、請求項1記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項14】
前記エンドエフェクタが、前記グリッドキャリアまたは前記グリッドを直接保持し、搬送インタフェースを介して前記撮像システムへとおよび前記撮像システムから前記試料を搬送するように構成されている、請求項10記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項15】
前記試料マガジンが、グリッドキャリアまたはグリッドの1つまたは複数を直接保持するように構成されている、請求項5記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項16】
θ軸方向の範囲が、少なくとも+/-75°である、請求項13記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項17】
前記試料マガジンが、長期間、前記自動試料ハンドリング装置の内部または外部でグリッドキャリアまたはグリッドを直接収納するように構成されている、請求項15記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項18】
前記動作範囲は、前記エンドエフェクタが前記撮像システムの検査ステージを部分的に画定するように、前記試料を検査位置に位置付けるために、前記撮像システムの外部の試料後退位置から前記撮像システムの内部の検査位置まで伸長する、請求項1記載の自動試料ハンドリング装置。
【請求項19】
前記密封可能な装填ロックチャンバが、前記密封可能な装填ロックチャンバ内の雰囲気を維持するように構成されている、請求項1記載の自動試料ハンドリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本非仮特許出願は、2017年5月11日に出願の米国仮特許出願第62/504,835号の優先権および利益を主張し、本開示は、その全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
例示的な実施形態は、概して、自動グリッドハンドリングシステムに関し、より詳細には、自動検査または撮像システムのための自動グリッドハンドリングシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、グリッドは、一度に一つずつ検査または撮像するために、透過型電子顕微鏡(TEM)などの電子顕微鏡へと装填される。単一のグリッドを装填するプロセスは単調であり、非常に時間がかかる。オペレータは、グリッド上に試料を準備し、注意深くグリッドをグリッドホルダ装置に配置する。オペレータは、その後、TEMの多軸位置決めポートをベントすることにより、グリッドホルダ装置を受け入れるようにTEMを準備する。次に、オペレータは、TEMの多軸位置決めポートにグリッドホルダ装置を挿入し、吸引処理を開始する。吸引処理は、TEMの多軸位置決めポートがTEMカラム内の真空レベルと実質的に同様の真空レベルに達するまで継続される。真空レベルが達成されると、オペレータは、グリッドホルダを動作位置に位置決めする。オペレータは、その後、単一のグリッド上で手動撮像タスクを実行するか、または自動化タスクを実行してもよい。撮像タスクが完了すると、オペレータは、TEMの多軸位置決めポートをベントして、グリッドホルダを取り出す。最後のステップでは、グリッドをグリッドホルダから取り外し、必要に応じて新しいグリッドを装填する。
【0004】
最近、TEM用のグリッドのハンドリングを自動化する試みがなされてきた。そのような試みの一つは、TEMの補助ポートに取り付けられたグリッド装填および位置決めシステムを提供することであった。撮像は、グリッドを直接クランプするエンドエフェクタを、補助ポートを介して電子ビームの経路に位置決めすることによって達成された。全ての位置決めは、グリッド装填および位置決めシステムによって制御され、制御システム全体がTEMの外部にあった。グリッドを直接クランプするエンドエフェクタのみが、補助ポートを介してTEMカラム275に入った。グリッド装填および位置決めシステムは、空気圧、電気および真空源などのそれ自身の設備を必要とするスタンドアロンシステムである。このアプローチは、非常に複雑且つコストが高く、TEMの内部の設備およびシステムを活用してしない。
【発明の概要】
【0005】
一組のグリッドを取り扱い、電子顕微鏡の内部の設備およびシステムを活用する自動グリッドハンドリングシステムを有することに利点がある。
【0006】
開示された実施形態の上記の態様および他の特徴は、添付の図面と関連して以下の説明で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】開示された実施形態の態様による自動グリッドハンドリングシステムの概略図である。
【
図1B】開示された実施形態の態様による取り上げ位置の自動グリッドハンドリングシステムの概略図である。
【
図1C】開示された実施形態の態様による検査位置の自動グリッドハンドリングシステムの概略図である。
【
図1D】開示された実施形態の態様による検査位置の自動グリッドハンドリングシステムの斜視図である。
【
図2A】開示された実施形態の態様によるグリッドキャリアマガジンの斜視図である。
【
図2B】開示された実施形態の態様による棚上でグリッドキャリアを支持するグリッドキャリアマガジンの斜視図である。
【
図2C】開示された実施形態の態様によるロック位置のグリッドキャリアの概略図である。
【
図2D】開示された実施形態の態様によるアンロック位置のグリッドキャリアの概略図である。
【
図2E】開示された実施形態の態様による、グリッドをロック位置に保持するグリッドキャリアの斜視図である。
【
図2F】開示された実施形態の態様による、グリッドをロック位置に保持するグリッドキャリアの斜視図である。
【
図3A】開示された実施形態の態様によるグリッドの概略図である。
【
図3B】開示された実施形態の態様によるグリッドの概略図である。
【
図4A】開示された実施形態の態様によるグリッパエンドエフェクタの概略図である。
【
図4B】開示された実施形態の態様による、グリッドキャリアをクランプする(閉じる)グリッパエンドエフェクタの斜視図である。
【
図4C】開示された実施形態の態様による、グリッドキャリアをアンクランプする(開く)グリッパエンドエフェクタの斜視図である。
【
図5】開示された実施形態の態様によるフローダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1A~
図1Dは、開示された実施形態の態様による自動グリッドハンドリングシステム100の概略図および斜視図である。開示された実施形態の態様は、図面を参照して説明されるが、開示された実施形態の態様は、多くの形態で実施することができることを理解すべきである。さらに、任意の適切なサイズ、形状またはタイプの要素または材料を使用することができる。なお、X、YおよびZ軸が参照されるが、これらの軸を参照することは例示的なものにすぎず、他の態様では、軸は任意の適切な方向性識別子を有してもよい。
【0009】
開示された実施形態の態様は、透過型電子顕微鏡(TEM)に関して本明細書で説明されているが、開示された実施形態の態様は、グリッド(試料を含む)の検査または撮像の間にグリッドキャリア上にグリッドが支持される、任意の適切なグリッド(試料を含む)検査または撮像機器に適用することができることも理解されるべきである。たとえば、開示された実施形態の態様は、検査または撮像中に、開示された実施形態のエンドエフェクタによってグリッドキャリア内にグリッドが保持される任意の適切な機器で採用されてもよい。代替的な実施形態では、グリッドハンドリングシステムのエンドエフェクタは、検査または撮像中にグリッドを直接保持してもよい。
【0010】
一態様では、TEMに関連して、自動グリッドハンドリングシステム100は、単一の交換で約25のグリッド(試料を含む)を装填および収納することができ(たとえば、試料を含む1組のグリッドの装填)、一方で、TEMまたは他の適切な検査機器(上述の機器など)に関連する他の態様では、それよりも多いかまたは少ない数のグリッド(試料を含む)が装填および収納され得る。自動グリッドハンドリングシステム100は、たとえば、検査中にTEM内のグリッドを位置決めするために実質的に全ての必要な動作の自由度を提供する、TEMで使用される従来の多軸位置決めステージ150に接続されてもよい。TEMの多軸位置決めステージ150の好適な例は、FEIによって製造されたCompuStage(商標)である。代替的に、他の適切な多軸位置決めステージ150は、JEOLおよび(株)日立ハイテクノロジーズによって製造されている。他の態様では、自動グリッドハンドリングシステム100は、たとえば、任意の適切な撮像または検査機器の任意の適切な装填システムに接続されてもよい。従来の多軸位置決めステージと組み合わせた自動グリッドハンドリングシステム100は、撮像または検査中にグリッドの高分解能、高速、および高安定性の位置制御を提供することができる。後述するように、開示された実施形態の態様によれば、TEMカラム275内のグリッド(試料を含む)の位置決めだけでなくグリッドのハンドリングおよび収納操作は、たとえば、従来の多軸TEM位置決めステージ150と自動グリッドハンドリングシステム100との組み合わせによってもたらされ得る。
【0011】
後述するように、自動グリッドハンドリングシステム100は、任意の適切なグリッドキャリア200を実質的に直接取り扱う(ハンドリングする)ように構成されたエンドエフェクタ101を有する搬送モジュール125を含んでもよく、グリッドキャリア200は、いくつかの異なる試料グリッド300/301などのいくつかの異なるグリッドタイプ300/301を支持することができる。エンドエフェクタ101の一部としてのグリッパ400は、組み合わされたときにグリッパ400を開閉してグリッドキャリア200を把持するように作用する2つ以上の動作軸の調整された移動によって操作され得る。他の態様では、エンドエフェクタのグリッパ400は、グリッパを開閉位置に駆動させる専用の駆動装置を用いてなどの適切な方法で操作され得る。さらに別の態様では、エンドエフェクタ101のグリッパ400は、ばね付勢された屈曲部と専用の駆動装置とともに操作されてもよく、駆動装置は、グリッパを開放位置に駆動させることができ、ばねは、グリッパを閉位置に駆動させることができる。エンドエフェクタ101は、高真空環境、または非真空もしくは低真空の環境などの他の任意の適切な環境下で、グリッドを保持しているグリッドキャリア200を操作するように構成されてもよい。エンドエフェクタ101は、グリッドキャリア棚231を有する任意の適切なグリッドキャリアマガジン102/230からの抽出中に個々のグリッドキャリア200を把持するように構成されてもよい。エンドエフェクタ101(およびエンドエフェクタがその一部であるグリッド位置決めユニット104)は、グリッド(試料を含む)を保持するグリッドキャリアを支持するための正確且つ堅固なインタフェースを提供するように構成されてもよく、これによって、検査または撮像の間にグリッドに望ましくない振動モードを実質的に導入することなく、約100ms未満での高速位置移動(たとえば、約8~約24ミクロンまたは他の任意の適切な距離)および急速な下降(たとえば、5ナノメートル未満)が可能になる。他の態様では、エンドエフェクタ101(およびエンドエフェクタがその一部であるグリッド位置決めユニット104)は、検査または撮像中にグリッドに望ましくない振動モードを実質的に導入することなく、約25ms~約35ms未満で高速位置移動(たとえば、約8~約24ミクロンまたは他の任意の適切な距離)および急速な下降(たとえば、4ナノメートル未満)を実行するように構成されてもよい。
【0012】
一態様では、グリッド300/301は、グリッドキャリア200内に保持され得る。グリッドキャリアは、いくつかの異なるグリッドタイプ300/301を支持することができ、いくつかの異なるグリッドタイプは、いくつかの異なる試料タイプ(たとえば、ライフサイエンス、材料科学、半導体および他の任意の適切な操作から結果として生じる試料)を支持することができる。グリッドキャリアは、いくつかの異なるグリッドタイプ300/301を支持し、拘束するポケット210を有してもよい。一態様では、いくつかの異なるグリッドタイプ300/301の各々に対して異なるポケット210があってもよく、または他の態様では、いくつかの異なるグリッドタイプ300/301の2つ以上を支持し、拘束する単一のポケット210があってもよい。グリッドキャリア200は、上部201および底部202を有してもよく、上部は、底部上に閉じている。上部および底部は、ヒンジ205によって接続されてもよい。ヒンジ205は、上部を底部に接続し、上部を底部上に閉じさせることが可能であり得る。他の態様では、任意の適切な接続機構を使用して、上部201と底部202とを接続することができる。グリッドキャリアは、グリッドキャリアが閉じられている間に上部を底部にロックするロック装置206を有する。ロック装置206は、ロックを解除することでグリッドキャリアを開くことが可能である。いくつかの異なるグリッドタイプ300/301のうちの1つは、開放時にグリッドキャリアに装填されてもよく、グリッドキャリアが閉じられ、ロックされている間に、グリッドは、拘束されて支持されてもよい。上部201および底部202は、撮像または検査中にグリッド上の試料がTEMビーム250に曝され得るように構成されている。グリッドキャリアは、把持領域204Lおよび204Rを有してもよく、エンドエフェクタ101の一部としてのグリッパ400は、グリッドキャリアを搬送するためにグリッドキャリアを把持または拘束することができる。把持領域204Lおよび204Rは、グリッドキャリア200上の任意の適切な位置に配置することができる。グリッドキャリア200は、グリッドキャリアマガジン102/230のグリッドキャリア棚231のアラインメント特徴部232と位置合わせし得るアラインメント特徴部203を有していてもよい。アラインメント特徴部203は、グリッドキャリア200上の任意の適切な位置に配置することができ、アラインメント特徴部232は、グリッドキャリアマガジン102/230のグリッドキャリア棚231上の任意の適切な位置に配置することができる。グリッドは、撮像または検査の間に必要とされ、アラインメント特徴部203をアラインメント特徴部232と位置合わせさせる特定の向きで、グリッドキャリア内に装填され得る。他の態様では、グリッドキャリア200は、底部202と、いくつかの異なるグリッドタイプ300/301を支持して拘束するポケット210と、グリッドをポケット210に拘束する押下フィンガ212とを有していてもよい。
【0013】
一態様では、グリッドキャリアは、グリッドキャリアマガジン102/230内に保持されてもよく、以下に説明されるように、自動グリッドハンドリングシステム100への挿入のために構成されている。グリッドキャリアマガジン102/230およびその中のグリッドキャリア200は、グリッドキャリアマガジン102/230内に支持されたグリッドの自動または手動の装填、検査および取り出しを提供するように構成され得る。たとえば、グリッドキャリアマガジン102/230は、自動グリッドハンドリングシステム100の内部および外部のマガジンハンドリングシステムによってグリッドキャリアマガジン102/230の実質的に直接の取り扱いを可能にする運動学的特徴部233を含んでいてもよい。運動学的特徴部233は、グリッドキャリアマガジン102/230上の任意の適切な位置に配置することができる。一態様では、グリッドキャリア200を支持するグリッドキャリアマガジン102/230は、真空環境下での使用のために構成され得るが、他の態様では、グリッドキャリア200を支持するグリッドキャリアマガジン102/230は、非真空環境下での使用のために構成され得る。別の態様では、グリッドキャリアマガジン102/230は、人間または他の任意の適切な装填機器によって、グリッドハンドリングシステム100の外部のグリッドキャリアの装填および取り外しができる。
【0014】
図1A~
図1Dをさらに参照すると、自動グリッドハンドリングシステム100は、フレーム140Fと、フレーム140Fに接続される搬送モジュール125と、フレーム140Fに接続される装填モジュール140と、グリッドキャリアマガジン装填ロック120と、(フレームに接続されてもよく)装填モジュール140および搬送モジュール125に連通可能に連結される空気圧モジュール130と、(フレームに接続されてもよく)装填モジュール140および搬送モジュール125に連通可能に連結される真空モジュール172と、適切なプロセッサおよびメモリを有する他の任意の適切なコンピュータ制御システムならびに電力分配システムなどの他の任意の設備とを含む。空気圧モジュール130は、空気源130Sと、操作のための任意の適切なバルブ、たとえば、本明細書に記載される装填モジュール140および/または真空モジュール172のバルブおよび閉鎖部とを含んでいてもよい。真空モジュール172は、たとえばTEMと界面結合するための任意の適切な真空圧で装填モジュール140および搬送モジュール125の内部チャンバを吸引し、維持するための任意の適切な真空ポンプを含んでいてもよい。真空モジュール172はまた、たとえば、真空ポンプを互いにおよび/または装填モジュール140のチャンバから選択的に隔離するための任意の適切なバルブを含んでいてもよい。一態様では、真空モジュール172は、たとえばTEMと界面結合するための任意の適切な真空圧でグリッドキャリアマガジン装填ロック120を吸引し、維持するための任意の適切な真空ポンプを含んでいてもよい。一態様では、装填モジュール140および搬送モジュール125の内部チャンバの真空圧力は、TEMとともに含まれる真空ポンプによって維持および制御され、キャリアマガジン装填ロック120の真空圧力は、真空モジュール172によって維持および制御され得る。
【0015】
一態様では、フレーム140Fは、装填モジュール140の少なくとも一部を形成するか、または装填モジュール140の少なくとも一部と一体化され得る(たとえば、1部品の単体構造)。他の態様では、装填モジュール140は、任意の適切な方法でフレーム140Fに接続されてもよい。一態様では、装填モジュール140は、密封可能なグリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120を含んでいてもよい。グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120は、閉鎖可能な開口部またはポート120Pを介して搬送モジュール125に選択的に連通可能に接続され得る。装填モジュール140は、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120の雰囲気を、搬送モジュール125およびTEMカラム275の雰囲気から密封するかまたは隔離するために、ポート120Pを選択的に密封するように構成される任意の適切な隔離装置を含んでいてもよい。グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120は、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120の装填/取り外しの開口部を密封するように構成される任意の適切なドア120Dを含んでいてもよい。一態様では、ドアは、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120にヒンジ接続されてもよく、他の態様では、ドア120Dは、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120へのアクセスを可能にするために、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120から取り外し可能であってもよい。一態様では、ドア120Dは、手動閉鎖部を有してもよく、他の態様では、ドア120Dは、自動化閉鎖部を有してもよい。装填開口部は、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120へのおよびグリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120からのグリッドキャリアマガジン102/230の出入りを可能にするように構成され得る。一態様では、以下にさらに説明するように、グリッドは、順にグリッドキャリアマガジン102/230内に保持されるグリッドキャリア200によって保持されるTEMグリッドであってもよい。一態様では、グリッドキャリアマガジン102/230およびグリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120は、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120へのおよびグリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120からのグリッドキャリアマガジン102/230の手動での挿入および取り出しのために構成されてもよく、他の態様では、グリッドキャリアマガジン102/230およびグリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120は、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120へのおよびグリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120からのグリッドキャリアマガジン102/230の自動での挿入および取り出しのために構成されてもよい。一態様では、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120は、ドア120Dが開かれるときに警告する圧力インジケータを有していてもよい。別の態様では、ドアは、圧力インジケータに基づいてドア120Dをロックおよびアンロックするロック機構を有していてもよい。ドア120Dは、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120の圧力と外部雰囲気との間に圧力差があるときにロックされ得る。ドア120Dは、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120の圧力が外部雰囲気と実質的に同じであるときにアンロックされ得る。
【0016】
搬送モジュール125は、搬送モジュールインタフェース125Iを含んでいてもよく、搬送モジュールインタフェース125Iは、グリッドハンドリングシステム100がユニットとしてTEMに設置され、またはTEMから取り外され得るように、グリッドハンドリングシステム100をTEMのインタフェースまたはポート180Pなどの対応するインタフェースに連結および非連結させるように構成される。搬送モジュールインタフェース125Iは、ポート180Pを介して搬送モジュール125および装填モジュール140をTEMの内部と連通可能に接続する。搬送モジュールインタフェース125Iは、たとえば、検査中にグリッドキャリア200またはグリッド300/301をTEM内に位置付ける、TEMで使用される従来の多軸位置決めステージ150にグリッドハンドリングシステム100を接続することができる。一態様では、グリッドハンドリングシステム100は、グリッドを保持するグリッドキャリア200を装填し、高分解能、高速、および高安定性の位置制御を用いてグリッドキャリアをX方向に位置付けることができ、従来の多軸位置決めステージ150は、撮像または検査中に従来の手段を使用して、グリッドキャリア200をY、Zおよびθ方向に位置付けることができる。別の態様では、グリッドハンドリングシステム100は、グリッドキャリアを装填することができ、従来の多軸位置決めステージ150は、撮像または検査中に従来の手段を用いて、グリッドキャリアをX、Y、Zおよびθ方向に位置付けることができる。一態様では、従来の多軸位置決めステージ150によって駆動されるグリッドハンドリングシステム100は、X、Y、Zおよびθ方向に移動することができる。他の態様では、従来の多軸位置決めステージ150によって駆動されるグリッドハンドリングシステム100は、YおよびZ方向にのみ移動することができる。ここで
図1Dを参照すると、グリッドハンドリングシステム100は、搬送モジュールインタフェース軸受125B1と、搬送モジュールインタフェースシール125Sと、搬送モジュール後部軸受125B2と、グリッドハンドリングシステム留め具125Fとを含んでいてもよい。一態様では、従来の多軸位置決めステージ150は、グリッドキャリア200を矢印702(θまたはロール)の方向に移動させることができる。フレーム140Fは、フレームが矢印702(θまたはロール)の方向に移動することを防止する1つまたは複数のグリッドハンドリングシステム留め具125Fを使用してTEMに直接留められてもよい。一態様では、1つまたは複数のグリッドハンドリングシステム留め具125Fは、フレーム140FがX、YおよびZ軸で移動することを可能にしてもよい。搬送モジュール125は、搬送モジュールインタフェース軸受125B1、搬送モジュールインタフェースシール125Sおよび搬送モジュール後方軸受121B2を含んでいてもよく、搬送インタフェース125Iを含む搬送モジュール125、エンドエフェクタ101およびマルチステージ104が、矢印702(θまたはロール)の方向に移動することを可能にする。再び
図1Dを参照すると、搬送モジュール125およびマガジンシャトルチャンバ126は、TEMカラム275と実質的に同じ圧力であってもよく、TEMとともに含まれる真空ポンプによって維持され、制御されてもよい。一態様では、従来の多軸位置決めステージ150は、矢印702(θまたはロール)の方向に+/-75°移動することができる。一態様では、グリッドハンドリングシステム100は、矢印702(θまたはロール)の方向に+/-75°移動することができ、他の態様では、搬送モジュールの一部が矢印702(θまたはロール)の方向に+/-75°移動する間、フレーム140Fおよび装填モジュール140は固定されたままである。一態様では、シールは、強磁性流体シールであってもよく、他の態様では、シールは、搬送モジュールの一部が矢印702(θまたはロール)の方向に移動する間、密封(搬送モジュールと大気との間の隔離バリア)を維持するように構成される任意の適切なシールであってもよい。
【0017】
装填モジュール140は、搬送モジュール125と連通可能に接続されるグリッドキャリアマガジンシャトルチャンバ126を含んでいてもよい。グリッドキャリアマガジンシャトルチャンバ126は、グリッドキャリアマガジンシャトルポジショナ126Pによって任意の適切な軸に沿って駆動され得るグリッドキャリアマガジンシャトル126Sを含んでいてもよい。グリッドキャリアマガジンシャトルポジショナ126Pは、少なくともZ軸に沿ったグリッドキャリアマガジンシャトルの移動を可能にする任意の適切な駆動部もしくはモータ126Dおよび/またはガイドを含んでいてもよい。一態様では、モータ126Dは、超音波圧電モータ、ステッパモータ、ブラシレスモータ、ブラシモータなどの任意の適切な位置分解能を有する任意の適切なモータであってもよい。グリッドキャリアマガジンシャトル126Sは、グリッドキャリアマガジン102/230を、グリッドキャリアマガジン装填ロック120から取り上げる/取り出す、およびグリッドキャリアマガジン装填ロック120へと配置する/挿入するための位置へと(たとえば、ポート120Pを通って)(グリッドシャトルポジショナ126Pを介して)移動するように構成される線形ステージであってもよい。一態様では、グリッドキャリアマガジン102/230は、グリッドキャリアマガジン102/230をドア120Dを通ってグリッドキャリアマガジンシャトル装填ロック120へと手動で、および自動的に装填できるようにする運動学的特徴部233を含む。グリッドキャリアマガジンシャトル126Sはまた、グリッドキャリアマガジン102/230を、少なくともZ軸に沿って、所定の取り上げ/配置位置126PPまたはグリッドキャリアマガジン後退位置126Rに移動させるように構成されてもよい。グリッドキャリアマガジン102/230が取り上げ/配置位置126PPにある状態で、グリッド位置決めユニット104のエンドエフェクタ101は、グリッドキャリアを、グリッドキャリアマガジン102/230から取り出し、および/またはグリッドキャリアマガジン102/230へと挿入することが可能になる。グリッドシャトル126Sはまた、グリッドキャリアをTEMに搬送するためにグリッド位置決めユニット104がX軸に沿って移動することを可能にするために、(後述するように)グリッドキャリアマガジン102/230を所定の後退位置に移動させるように構成され得る。一態様では、位置決めユニット104は、検査または撮像のために、グリッドキャリアを、搬送モジュールインタフェース125Iを介してTEMカラム275内に移動させる。
【0018】
さらに
図1A~
図1Dを参照すると、搬送モジュール125は、グリッドキャリア位置決めユニット(マルチステージシャトル)を含んでいてもよく、グリッドキャリア位置決めユニットは、グリッドキャリアをグリッドキャリアマガジン102/230から/へと取り上げ/配置し、(グリッドおよび試料を保持する)グリッドキャリアを、搬送モジュールインタフェース125Iを通してTEMカラム275に搬送し、TEMカラム275内での検査または撮像中にグリッドキャリアを支持するように構成され得る。グリッド位置決めユニット104(マルチステージシャトル)は、単一の移動の自由度を有し、エンドエフェクタ101をX軸に沿って移動させるように構成される第1のシャトルステージ104S1(全体の位置決めステージ)を含んでいてもよい。グリッド位置決めユニット104はまた、第1のステージによって運搬されるが、その動作時に第1のステージとは分離していて別個である第2のシャトルステージ104S2(精密位置決めステージ)を含んでいてもよい。第2のシャトルステージ104S2は、単一の移動の自由度を有し、第1のシャトルステージ104S1から独立しており、エンドエフェクタ101をX軸に沿って移動させるように構成されている。第1のシャトルステージ104S1および第2のシャトルステージ104S2の組み合わされた移動は、エンドエフェクタ101がTEMの検査または撮像ステージの少なくとも一部を画定するように、検査または撮像位置177にグリッドキャリアを位置付けるためにTEMの外側のグリッド位置決めユニット104の後退位置101RからTEMの内側の検査または撮像位置177に伸長する運動範囲をエンドエフェクタ101に提供し得る。
【0019】
第1のシャトルステージ104S1および第2のシャトルステージ104S2は、それぞれ、X軸駆動部またはモータA1LおよびA2Lを含んでいてもよい。なお、駆動部A1LおよびA2Lは(本明細書で説明される他の駆動部と同様に)、たとえば、光学エンコーダ、レーザ干渉エンコーダ、容量式もしくは誘導式のエンコーダ、または他の任意の適切なエンコーダもしくはそれらの組み合わせであり得る任意の適切なエンコーダ248および249をそれぞれ含んでいてもよい。一態様では、本明細書に記載のエンコーダは、ピコメートルの位置分解能を有していてもよく、他の態様では、エンコーダは、それぞれの駆動モータの軸の位置決め分解能と整合し得る適切な位置分解能を有していてもよく、その軸に沿ってエンコーダは位置データを提供する。さらに他の態様では、本明細書に記載のエンコーダは、それぞれの駆動モータの位置分解能よりも大きいかまたは小さい位置決め分解能を有していてもよい。他の態様では、本明細書に記載の駆動部は、駆動部の任意の適切な一体型位置感知能力を採用することができる。なお、駆動部A1LおよびA2Lの任意の適切な部分が、モータなどの構成部品を隔離するために搬送モジュール125および装填モジュール140の雰囲気から密封されてもよく、それによって真空環境におけるステージの動作が可能になる。一態様では、第1のシャトルステージ104S1および第2のシャトルステージ104S2のそれぞれに真空ベローズ160および161を使用することによって、密封または隔離を達成することができる。他の態様では、駆動部A1LおよびA2Lは、任意の適切な方法で真空環境において動作するように構成することができ、さらに他の態様では、駆動部は、大気環境下で動作するように構成することができる。X軸駆動部A1LおよびA2Lは、任意の適切なモータと、エンドエフェクタ101をX軸に沿って並進させるための任意の適切な機械式および/または固体状態の電磁的な(および/または永久磁石の)ガイド290および291を有する線形ステージとを含んでいてもよい。一態様では、モータは、約1μm未満の位置決め分解能の超音波圧電モータであってもよく、他の態様では、モータは、ステッパモータ、ブラシレスモータ、ブラシモータなどの任意の適切な位置決め分解能を有する任意の適切なモータであってもよい。駆動部A1LおよびA2Lは、グリッドキャリアをグリッドキャリアマガジン102/230から取り上げ、グリッドキャリアマガジン102/230に配置し、グリッドキャリアをX軸に沿って適切な所望の距離だけ搬送するために、エンドエフェクタ101をグリッドキャリアマガジン102/230に向けて、およびグリッドキャリアマガジン102/230から離れて移動させるように構成されてもよい。駆動部A1LおよびA2Lはまた、エンドエフェクタ101によってグリッドキャリア内に保持されるグリッドの検査または撮像のために、エンドエフェクタ101を、搬送インタフェース125Iを通してTEMに移動させるように構成されてもよい。
【0020】
Y、Zおよびθ(ロール)軸の動作は、TEMにおける従来の多軸位置決めステージ150によって監視および制御されてもよい。一態様では、従来の多軸位置決めステージは、任意の数の追加の動作軸を含んでいてもよい。グリッドハンドリングシステム100は、第1のシャトルステージ104S1および第2のシャトルステージ104S2を使用して、X軸のみに沿った動作(全体の位置決め104S1)および(精密位置決め104S2)を提供することができる。ステージ動作の他の全ての軸は、TEMにおける従来の多軸位置決めステージ150によって監視および制御されてもよい。一態様では、グリッド位置決めユニット104は、第1のシャトルステージ104S1のみを含んでいてもよい。第2のシャトルステージ104S2は、固定され(監視または位置制御なし)、TEM内の従来の多軸位置決めステージ150は、撮像または検査中にエンドエフェクタ101のX、Y、Zおよびθ(ロール)軸を監視し、制御してもよい。
【0021】
図4A~
図4Cを参照すると、一態様では、エンドエフェクタ101は、任意の適切な方法でハウジング104H内に支持された接続または被駆動部材260によってなど、任意の適切な方法で駆動部A3Lに連結され得る。別の態様では、接続または被駆動部材260は、任意の適切な方法でハウジング104Hの外側に支持され得る。一態様では、接続または被駆動部材260は、グリッパ屈曲部101GFおよびグリッパグリッド支持面101GSを有するグリッパ101gに接続されてもよい。一態様では、グリッパグリッド支持面101GSは、グリッパグリッド支持面101GSに隣接して配置された1つまたは複数のアラインメント特徴部211を含んでいてもよい。アラインメント特徴部211は、たとえば、グリッドキャリア200の側縁部と界面結合し、(たとえば、グリッドキャリアの側縁部とアラインメント特徴部211との間の実質的な接触を介して)グリッドキャリアをグリッド支持面101GSに相対して位置付けるための任意の適切な形状を有していてもよい。別の態様では、アラインメント特徴部211は、グリッドキャリア200の上部201もしくは底部202、またはグリッドキャリア200の他の任意の適切な把持面と界面結合され得る。さらに別の態様では、アラインメント特徴部211は、グリッドキャリア200の底部202、またはグリッドキャリア200の他の任意の適切な把持面と界面結合してもよい。
【0022】
駆動部A3Lおよび駆動部A1Lは、以下に説明するように、X軸に沿って動作して、エンドエフェクタ101のグリッパ101Gを作動させるように構成されてもよい。駆動部A3LおよびA1Lの移動は、グリッパ屈曲部101GFおよびグリッパ支持面101GSが開閉するように、(たとえば、エンドエフェクタ101を所定の位置に維持しながら)エンドエフェクタ101と第1のシャトルステージ104S1のハウジング104Hとの間の相対的な移動を生じさせ得る。一態様では、グリッパ101Gが開くことで、グリッパ屈曲部101GFおよびグリッパ支持面10GSが把持領域204Lおよび204Rに隣接した位置に移動することが可能になり、別の態様では、グリッパ101Gが閉じることで、グリッパ屈曲部101GFおよびグリッパ支持面101GSが、グリッドキャリア200の搬送および位置決めのためにグリッドキャリア200を把持領域204Lおよび204Rで拘束することが可能になる。別の態様では、グリッパ101Gは、搬送および位置決めの間にグリッドキャリア200を任意の適切な位置に拘束するように構成された任意の適切な駆動機構によって開閉され得る。
【0023】
グリッドの取り扱いの前、後、および/または間にグリッドキャリア200を検出するために、グリッドグリッパ101Gに隣接したエンドエフェクタ101にグリッドキャリア検出センサ280が機械的に取り付けられてもよい。一態様では、グリッドキャリア検出センサ280は、グリッドキャリアの有無を検出することができる任意の適切なセンサを含んでいてもよい。他の態様では、エンドエフェクタ101は、センサ280を有していなくてもよい。さらに他の態様では、101GSに相対する101GFの位置は、グリッドキャリア200の有無を判定することが可能であってもよい。
【0024】
ここで
図1A~
図1Dおよび
図5を参照して、自動グリッドハンドリングシステム100の例示的な動作を、開示された実施形態の態様に従って説明する。搬送モジュール125および装填モジュール140は、TEM真空システムを使用して(または別の態様では、真空モジュール172を使用して)、TEMカラム275の圧力に実質的に等しい圧力まで吸引され得る。1つまたは複数のグリッドキャリア200を保持するグリッドキャリアマガジン102/230は、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120内に挿入され得る(
図5、ブロック500)。たとえば、ドア120Dは開放されて、グリッドキャリアマガジン102/230は、グリッドキャリアマガジンシャトル126S上に運動学的に配置され、ドア120Dは閉じられて、グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120を密封または隔離し得る。グリッドキャリアマガジン装填ロックチャンバ120は、搬送モジュール125、装填モジュール140およびTEMカラム275内の圧力と互換性のある、または実質的に等しい圧力に吸引され得る。グリッドキャリアマガジンシャトル126Sは、矢印701の方向に移動して、ポート120Pを開き、所定のグリッドキャリアが取り上げ前位置に位置付けられ、グリッド位置決めユニット104の動作範囲内にあるように、グリッドキャリアマガジン102/230を移動させ得る(
図5、ブロック510)。グリッド位置決めユニット104は、エンドエフェクタを取り上げ位置101PPに位置付けるためにX方向に移動し(
図5、ブロック520)、グリッドキャリアマガジンシャトルは、矢印701の方向に取り上げ位置126PPに移動し、エンドエフェクタグリッパ400は、グリッドキャリアを拘束し、グリッドキャリアマガジン102/230から(グリッドを保持する)グリッドキャリアを取り上げる(
図5、ブロック530)。グリッド位置決めユニット104は、後退位置101Rに後退し、グリッドキャリアマガジンシャトル126Sは、矢印701の方向にさらに移動して、グリッドキャリアマガジンを後退位置126Rに移動させる(
図5、ブロック540)。グリッド位置決めユニット104は、(グリッドを保持する)グリッドキャリアを搬送インタフェース125Iを介してTEMカラム275に位置付けるために、および従来の多軸位置決めステージ150と組み合わせて、エンドエフェクタ101に保持されている間に検査または撮像するために、X方向に移動し得る(
図5、ブロック550)。グリッド位置決めユニット104は、TEMから後退位置101Rに後退し得る。グリッドキャリアマガジンシャトル126Sは、矢印700の方向に配置前位置まで移動し、グリッド位置決めユニット104は、配置位置101PPに移動し、グリッドキャリアマガジンシャトル126Sは、矢印701の方向に配置位置126PPに移動し、グリッパは、グリッドホルダを解放してグリッドキャリアマガジン102/230上にグリッドホルダを配置し、グリッド位置決めユニット104は、後退位置101Rに後退し、グリッド位置決めユニット104は、グリッドキャリア200を、グリッドが取り出されたグリッドキャリアマガジン102/230内の位置に戻し得る(
図5、ブロック560)。理解され得るように、一態様では、グリッドキャリアマガジン102/230によって保持された(グリッドを保持する)追加のグリッドキャリアが、グリッドキャリアマガジン102/230が取り出しのために装填ロック120に戻される前に交換されてもよい(
図5、ブロック570)。
【0025】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、電子顕微鏡用の自動グリッドハンドリング装置が提供される。自動グリッドハンドリング装置は、電子顕微鏡の多軸位置決めステージポートに取り外し可能に連結するように構成されたフレームと、フレームに接続された搬送モジュールであって、搬送モジュールが、マルチステージシャトルを含み、マルチステージシャトルが、単一の動作の自由度を有する第1のシャトルステージと、第1のシャトルステージとは独立した単一の動作の自由度を有する第2のシャトルステージとを有する、搬送モジュールと、第1のシャトルステージおよび第2のシャトルステージのうちの少なくとも1つに接続されたエンドエフェクタであって、エンドエフェクタが、グリッドキャリアを保持し、グリッドを保持するグリッドキャリアを、搬送インタフェースおよび多軸位置決めステージポートを通して、電子顕微鏡へとおよび電子顕微鏡から搬送するように構成され、エンドエフェクタが、第1および第2のシャトルステージの動作の自由度と電子顕微鏡の内部の多軸位置決めステージとの組み合わせによって画定された動作範囲を有し、動作範囲は、エンドエフェクタが電子顕微鏡の検査ステージを部分的に画定するように、グリッドを保持するグリッドキャリアを検査位置に位置付けるために、電子顕微鏡の外部のグリッド保持位置から電子顕微鏡の内部の検査位置まで伸長する、エンドエフェクタと、フレームに接続され、搬送モジュールに連通可能に接続された自動装填モジュールであって、自動装填モジュールが、装填ポートモジュールを含み、装填ポートモジュールを通ってグリッドが自動装填モジュールおよび搬送モジュールに装填される、自動装填モジュールとを含む。
【0026】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、第1および第2のシャトルステージの各々の単一の移動の自由度が、共通の方向を共有する。
【0027】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、第1のシャトルステージの単一の移動の自由度および第2のシャトルステージの単一の移動の自由度が、共通の方向に沿った全体移動および精密移動のために構成される。
【0028】
開示された実施形態の一つまたは複数の態様によると、自動グリッドハンドリング装置は、マルチステージシャトルとは分離していて別個であるキャリアマガジンシャトルを含み、キャリアマガジンシャトルが、グリッドを保持するグリッドキャリアを自動グリッドハンドリング装置の装填モジュールとマルチステージシャトルとの間で搬送するように構成されている。
【0029】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、キャリアマガジンシャトルが、1つまたは複数のグリッドキャリアを保持するように構成されたグリッドキャリアマガジンを搬送するように構成され、グリッドキャリアが、グリッドを保持するように構成されている。
【0030】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、マルチステージシャトルが、真空環境下で動作するように構成されている。
【0031】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、マルチステージシャトルの一部が、大気環境下で動作するように構成されている。
【0032】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、マルチステージシャトルの動作分解能が0.5ミクロンである。
【0033】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタが、グリッドの有無を判定するように構成された一体型センサを含む。
【0034】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、グリッドが、試料グリッドを備える。
【0035】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、グリッドキャリアが、複数のグリッドタイプを支持するように構成されている。
【0036】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、グリッドキャリアが、複数のグリッドタイプを支持するように構成されている。
【0037】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、グリッドキャリアが、グリッドを所定の向きに整列させて拘束するように構成されている。
【0038】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、グリッドキャリアマガジンが、グリッドキャリアマガジン棚上でグリッドキャリアを整列させて拘束するように構成されている。
【0039】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、フレーム、搬送モジュールおよび自動装填モジュールは、多軸位置決めステージによって搬送モジュールが駆動されるときに、Y、Zおよびθ軸方向に移動するように構成されている。
【0040】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、フレーム、搬送モジュールおよび自動装填モジュールは、多軸位置決めステージによって搬送モジュールが駆動されるときに、X、Y、Zおよびθ軸方向に移動するように構成されている。
【0041】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、エンドエフェクタが、グリッドを直接保持し、搬送インタフェースを介して電子顕微鏡へとおよび電子顕微鏡からグリッドを搬送するように構成されている。
【0042】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、グリッドキャリアマガジンが、1つまたは複数のグリッドを直接保持するように構成されている。
【0043】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、電子顕微鏡用の自動グリッドハンドリング装置が提供される。自動グリッドハンドリング装置は、電子顕微鏡の多軸位置決めステージポートに取り外し可能に連結するように構成されたフレームと、フレームに接続された搬送モジュールであって、搬送モジュールが、電子顕微鏡の内部の多軸位置決めステージと組み合わせて、グリッドを保持するグリッドキャリアを搬送するように構成され、搬送モジュールが、回転軸受およびシールを有し、多軸位置決めステージによって駆動されるとθ軸方向に移動するように構成されている、搬送モジュールと、搬送モジュールに接続されたエンドエフェクタであって、エンドエフェクタが、グリッドキャリアを保持し、多軸位置決めステージポートに連通可能に接続された搬送インタフェースを通して電子顕微鏡へとおよび電子顕微鏡からグリッドキャリアを搬送するように構成され、エンドエフェクタが、電子顕微鏡の検査または撮像ステージを部分的に画定する、エンドエフェクタと、フレームに接続され、搬送モジュールに連通可能に接続された自動装填モジュールであって、自動装填モジュールが、装填ポートモジュールを含み、装填ポートモジュールを通ってグリッドが自動装填モジュールおよび搬送モジュールへと装填される、自動装填モジュールとを含む。
【0044】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、θ軸方向の範囲が、+/-75°である。
【0045】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、フレームが、留め具を用いて電子顕微鏡に留められ、フレームおよび自動装填モジュールは、多軸位置決めステージによって搬送モジュールが駆動されるときに、θ軸方向に移動しないように構成されている。
【0046】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、留め具は、多軸位置決めステージによって搬送モジュールが駆動されるときに、フレームおよび自動装填モジュールのθ軸方向の移動を防止し、フレーム、搬送モジュールおよび自動装填モジュールのX、Y、およびZ軸方向の移動を可能にするように構成されている。
【0047】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によると、搬送モジュールが、マルチステージシャトルを含み、マルチステージシャトルが、単一の動作の自由度を有する第1のシャトルステージと、第1のシャトルステージとは独立した単一の動作の自由度を有する第2のシャトルステージとを有し、第1のシャトルステージの単一の動作の自由度および第2のシャトルステージの単一の動作の自由度がそれぞれ、共通の方向に沿った全体移動および精密移動のために構成されている。
【0048】
以上の説明は、開示された実施形態の態様を例示するに過ぎないことが理解されるべきである。開示された実施形態の態様から逸脱することなく、当業者によって様々な代替および修正が考案され得る。したがって、開示された実施形態の態様は、添付の特許請求の範囲内にあるそのような代替、修正および変形のすべてを包含することが意図される。さらに、異なる特徴が、互いに異なる従属請求項または独立請求項に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではなく、そのような組合せは、本発明の態様の範囲内にある。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【外国語明細書】