(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045346
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ループ内フィルタリングの方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04N 19/82 20140101AFI20240326BHJP
H04N 19/463 20140101ALI20240326BHJP
【FI】
H04N19/82
H04N19/463
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024011238
(22)【出願日】2024-01-29
(62)【分割の表示】P 2021574921の分割
【原出願日】2019-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】6F,HKUST SZ IER Bldg.NO.9 Yuexing 1st Rd.Hi-Tech Park(South),Nanshan District Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マ、シウェイ
(72)【発明者】
【氏名】メン、シュエウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゼン、シャオゼン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シャンシェ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ループ内フィルタリングの複雑さを低下させ、演算時間を減らすことができるループ内フィルタリングの方法及び装置を提供する。
【解決手段】ループフィルタリング方法は、ループフィルタの複数のクリップインデックスパラメータを確定する段階と、非指数ゴロム符号化方式を採用して前記複数のクリップインデックスパラメータを符号化する段階とを備える。前記複数のクリップインデックスパラメータは、輝度成分の第1クリップパラメータに対応する前記輝度成分の第1クリップインデックスパラメータと、色度成分の第2クリップパラメータに対応する前記色度成分の第2クリップインデックスパラメータと、を含み、前記第1クリップパラメータ及び前記第2クリップパラメータは、同じパラメータリストから選択される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループフィルタの複数のクリップインデックスパラメータを確定する段階と、
非指数ゴロム符号化方式を採用して前記複数のクリップインデックスパラメータを符号化する段階と
を備え、
前記複数のクリップインデックスパラメータは、
輝度成分の第1クリップパラメータに対応する前記輝度成分の第1クリップインデックスパラメータと、
色度成分の第2クリップパラメータに対応する前記色度成分の第2クリップインデックスパラメータと、
を含み、
前記第1クリップパラメータ及び前記第2クリップパラメータは、同じパラメータリストから選択される、ループフィルタリング方法。
【請求項2】
前記複数のクリップインデックスパラメータのそれぞれは、0、1、2、または3のいずれかの整数である、請求項1に記載のループフィルタリング方法。
【請求項3】
前記非指数ゴロム符号化方式の符号化ビット数は4以下である、請求項1に記載のループフィルタリング方法。
【請求項4】
前記非指数ゴロム符号化方式は、固定長符号化方式、ユーナリ符号化方式、又はトランケーテッド・ユーナリ符号化方式である、請求項1に記載のループフィルタリング方法。
【請求項5】
前記非指数ゴロム符号化方式は、前記固定長符号化方式であり、前記固定長符号化方式の符号化ビット数は、2である、請求項4に記載のループフィルタリング方法。
【請求項6】
ループフィルタのビットストリームを取得する段階と、
非指数ゴロム復号方式を採用して前記ビットストリームを復号し、前記ループフィルタの複数のクリップインデックスパラメータを取得する段階と
を備え、
前記複数のクリップインデックスパラメータは、
輝度成分の第1クリップパラメータに対応する前記輝度成分の第1クリップインデックスパラメータと、
色度成分の第2クリップパラメータに対応する前記色度成分の第2クリップインデックスパラメータと、
を含み、
前記第1クリップパラメータ及び前記第2クリップパラメータは、同じパラメータリストから選択される、ループフィルタリング方法。
【請求項7】
前記複数のクリップインデックスパラメータのそれぞれは、0、1、2、または3のいずれかの整数である、請求項6に記載のループフィルタリング方法。
【請求項8】
前記非指数ゴロム復号方式の復号ビット数は4以下である、請求項6に記載のループフィルタリング方法。
【請求項9】
前記非指数ゴロム復号方式は、固定長復号方式、ユーナリ復号方式、又はトランケーテッド・ユーナリ復号方式のうちの1つである、請求項6に記載のループフィルタリング方法。
【請求項10】
前記非指数ゴロム復号方式は、前記固定長復号方式であり、前記固定長復号方式の復号ビット数は、2である、請求項9に記載のループフィルタリング方法。
【請求項11】
前記ビットストリームにおけるフィルタ係数の組数を指示する指示情報を復号し、フィルタ係数が複数組であることを確定する段階と、
非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタ係数のビットストリームを復号して、複数組のフィルタ係数を取得する段階と
をさらに備える、請求項6に記載のループフィルタリング方法。
【請求項12】
前記フィルタ係数のビットストリームの符号化方式は、前記非差分復号方式が前記ビットストリームにおける前記フィルタ係数のビットストリームを復号するために使用される前に、復号されない、請求項11に記載のループフィルタリング方法。
【請求項13】
前記ビットストリームは、前記フィルタ係数のビットストリームの前記符号化方式を指示するシンタックス要素のビットストリームを含まない、請求項12に記載のループフィルタリング方法。
【請求項14】
ループフィルタの複数のクリップインデックスパラメータを確定する段階と、
非指数ゴロム符号化方式を採用して前記複数のクリップインデックスパラメータを符号化して、ビットストリームを生成する段階と
を備え、
前記複数のクリップインデックスパラメータは、
輝度成分の第1クリップパラメータに対応する前記輝度成分の第1クリップインデックスパラメータと、
色度成分の第2クリップパラメータに対応する前記色度成分の第2クリップインデックスパラメータと、
を含み、
前記第1クリップパラメータ及び前記第2クリップパラメータは、同じパラメータリストから選択される、ビットストリーム生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
著作権に関する声明
本特許文書により開示される内容には著作権により保護される資料が含まれる。この著作権は、著作権者により所有される。著作権者は、いかなる者が商標局の公式記録、及び公文書に存在するこの特許文書又はこの特許の開示を複製することにも反対しない。
【0002】
本発明は、デジタル動画符号化技術分野に関し、しかもさらに具体的には、ループ内フィルタリングの方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、動画の記憶と伝送が占めるバンド幅を軽減するために、動画データを符号化圧縮処理する必要がある。現在、通常の符号化技術において、動画の符号化圧縮処理過程は、ブロック分割、予測、変換、量子化、及びエントロピー符号化の過程を含み、混合動画符号化フレームを形成する。この混合動画符号化フレームを基礎として、数十年の発展を経て、動画像符号化復号技術標準が徐々に形成され、現在主流となっているいくつかの動画符号化復号標準は、国際動画像符号化標準H.264/MPEG-AVC、H.265/MEPG-HEVC、国内音声動画像符号化標準AVS2、及び現在作成中のH.266/VVC国際標準とAVS3国内標準を含む。
【0004】
ブロック分割、予測、変換、量子化、及びエントロピー符号化の符号化過程において、量子化の存在により、復号再構成動画にはブロック効果、リンギング効果などの圧縮の歪みが存在するとともに、フレーム間予測モードにおいて、再構成動画における圧縮の歪みは、後続の画像の符号化品質に影響してしまう。このため、圧縮の歪みを低減するために、符号化復号構造フレームにループ内フィルタ(in loop filter)技術を導入し、現在の復号画像品質を高め、後続の符号化画像に高品質な基準画像を提供し、圧縮効率を高める。
【0005】
現在作成中のVVC(Versatile Video Coding、VVC)標準、及びHEVC(High Efficiency Video Coding、HEVC)標準において、ループフィルタにはデブロッキングフィルタ(deblocking filter、DBF)、サンプルアダプティブオフセット(Sample Adaptive Offset、SAO)、及びアダプティブループフィルタ(Adaptive Loop Filter、ALF)が含まれる。ここで、ALFは、ウィナーフィルタの原理に基づき、画像における異なる画素に基づいて自己適応のフィルタリング係数を計算し、かつフィルタリングするものであり、ALFは良好なフィルタリング効果をもたらし、符号化効率を向上できるが、その複雑さが大きく、演算に時間がかかり、実際の応用過程には一定の欠陥がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ループ内フィルタリングの方法及び装置を提供し、従来技術について、ループ内フィルタリングの複雑さを低下させ、演算時間を減らすことができる。
【0007】
第1の態様として、ループ内フィルタリングの方法を提供し、この方法は、ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定することと、非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化することと、を含む。
【0008】
第2の態様として、ループ内フィルタリングの方法を提供し、この方法は、ループ内フィルタリングのビットストリームを取得することと、前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数の組数を指示する指示情報を復号し、フィルタリング係数が複数組であることを確定することと、非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号して複数組のフィルタリング係数を得ることと、を含む。
【0009】
第3の態様として、ループ内フィルタリングの方法を提供し、この方法は、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定することと、非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化することと、を含む。
【0010】
第4の態様として、ループ内フィルタリングの方法を提供し、この方法は、ループ内フィルタリングのビットストリームを取得することと、非指数ゴロム復号方式を採用して前記ビットストリームにおける修正インデックスパラメータのビットストリームを復号し、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを得ることとを含む。
【0011】
第5の態様として、非線形ループ内フィルタリングの方法を提供し、この方法は、画像フレームの輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータ、及び色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータを確定することと、前記輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータは、同一パラメータリストから選択されるパラメータであることと、を含む。
【0012】
第6の態様として、ループ内フィルタリングの装置を提供し、この装置は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定し、非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化するためのものである。
【0013】
第7の態様として、ループ内フィルタリングの装置を提供し、この装置は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、ループ内フィルタリングのビットストリームを取得し、前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数の組数を指示する指示情報を復号し、フィルタリング係数が複数組であることを確定し、非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号して複数組のフィルタリング係数を得るためのものである。
【0014】
第8の態様として、ループ内フィルタリングの装置を提供し、この装置は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定し、非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化するためのものである。
【0015】
第9の態様として、ループ内フィルタリングの装置を提供し、この装置は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、ループ内フィルタリングのビットストリームを取得し、非指数ゴロム復号方式を採用して前記ビットストリームにおける修正インデックスパラメータのビットストリームを復号し、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを得るためのものである。
【0016】
第10の態様として、非線形ループ内フィルタリングの装置を提供し、この装置は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、画像フレームの輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータ、及び色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータを確定するためのものであり、前記輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータは、同一パラメータリストから選択されるパラメータである。
【0017】
本出願の実施例の技術的解決手段は、符号化復号ループ内フィルタリング過程における符号化方式を最適化することにより、ループ内フィルタリングの計算の複雑さを低下させ、計算速度を加速させ、符号化復号性能を高めるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本出願の実施例を使用する技術的解決手段のブロック図である。
【
図2】本出願の実施例に基づく動画符号化フレーム概略図である。
【
図3】本出願の実施例に基づく動画復号フレーム概略図である。
【
図4】本出願の実施例に基づくウィナーフィルタの概略図である。
【
図5a】本出願の実施例に基づくALFフィルタの概略図である。
【
図5b】本出願の他の実施例に基づく他のALFフィルタの概略図である。
【
図6】本出願の実施例のループ内フィルタリングの方法の概略的フローチャートである。
【
図7】本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの方法の概略的フローチャートである。
【
図8】本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの方法の概略的フローチャートである。
【
図9】本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの方法の概略的フローチャートである。
【
図10】本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの方法の概略的フローチャートである。
【
図11】本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの方法の概略的フローチャートである。
【
図12】本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの方法の概略的フローチャートである。
【
図13】本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの方法の概略的フローチャートである。
【
図14】本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの方法の概略的フローチャートである。
【
図15】本出願の実施例のループ内フィルタリングの装置の概略的ブロック図である。
【
図16】本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの装置の概略的ブロック図である。
【
図17】本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの装置の概略的ブロック図である。
【
図18】本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの装置の概略的ブロック図である。
【
図19】本出願の実施例の非線形ループ内フィルタリングの装置の概略的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面を参照して、本出願の実施例における技術的解決手段を説明する。
【0020】
本出願の実施例は、標準又は非標準の画像又は動画エンコーダに適用されることができる。例えば、VVC標準のエンコーダである。
【0021】
本明細書における具体的な例は、当業者が本出願の実施例をより理解することを助けるためのものであるに過ぎず、本出願の実施例の範囲を限定するわけではないことを理解するものとする。
【0022】
さらに、本出願の実施例における式は、例示に過ぎず、本出願の実施例の範囲を限定するわけではなく、各式は、変形でき、これらの変形も本出願の保護範囲に属するものとすることを理解するものとする。
【0023】
さらに、本出願の各実施例において、各過程の番号の大きさは、実行順序の前後を意味するわけではなく、各過程の実行順序は、その機能及び内在的なロジックにより確定され、本出願の実施例の実施過程にいかなる限定を行うものではないことを理解するものとする。
【0024】
さらに、本明細書に説明される各種の実施形態は、単独で実施でき、組み合わせても実施でき、本出願はこれを限定するわけではないことを理解するものとする。
【0025】
別途説明される場合を除き、本出願の実施例に使用されるすべての技術用語と学術用語は、本出願の当業者が通常理解する意味と同じである。本出願の明細書で使用される技術用語は、具体的な実施例を説明する目的のためのものであるに過ぎず、本出願の範囲を限定することを目的としていない。本出願に使用される用語「少なくとも一つ」は、一つ又は複数の関連する列記された項目のあらゆる組み合わせを含む。
【0026】
図1は、本出願の実施例を使用する技術的解決手段のブロック図である。
【0027】
図1に示すように、システム100は、処理対象データ102を受信し、処理対象データ102を処理し、処理後のデータ108を生成できる。例えば、システム100は、符号化対象データを受信し、符号化対象データを符号化して符号化後のデータを生成でき、又は、システム100は、復号対象データを受信し、復号対象データを復号して復号後のデータを生成できる。いくつかの実施例において、システム100における部材は、一つ又は複数のプロセッサにより実現でき、このプロセッサは、コンピュータ設備におけるプロセッサであってよく、移動設備(例えば、無人機)におけるプロセッサであってよい。このプロセッサは、いずれかのタイプのプロセッサであってよく、本発明の実施例ではこれを限定しない。いくつかの可能な設計において、このプロセッサは、エンコーダ、デコーダ又はコーダデコーダを有することができる。システム100において一つ又は複数のメモリをさらに有することができる。このメモリは、コマンド、及びデータを記憶でき、例えば、本発明の実施例の技術的解決手段を実現するコンピュータで実行可能なコマンド、処理対象データ102、処理後のデータ108などである。このメモリは、いずれかのタイプのメモリであってよく、本発明の実施例ではこれを限定しない。
【0028】
符号化対象データは、文書、画像、図形対象、動画シーケンス、音声、動画又は符号化が必要ないずれかのその他のデータを含むことができる。いくつかの状況では、符号化対象データは、センサからのセンシングデータを含むことができ、このセンサは、視覚センサ(例えば、カメラ、赤外線センサ)、マイクロフォン、近距離センサ(例えば、超音波センサ、レーダ)、位置センサ、温度センサ、タッチセンサなどであってよい。いくつかの状況では、符号化対象データは、ユーザからの情報を含むことができ、例えば、バイオ情報であり、このバイオ情報は、顔部特徴、指紋走査、網膜走査、音声記録、DNAサンプルなどを含むことができる。
【0029】
図2は、本出願の実施例に基づく動画符号化フレーム2の概略図である。
図2に示すように、符号化対象動画を受信した後、符号化対象動画の第1フレームから、順次、符号化対象動画における各フレームを符号化する。ここで、現在の符号化フレームは主に、予測(Prediction)、変換(Transform)、量子化(Quantization)、及びエントロピー符号化(Entropy Coding)などの処理を経て、最終的に現在の符号化フレームのビットストリームを出力する。対応して、復号過程は通常、上述の過程の逆過程に従って、受信したビットストリームを復号して、復号前の動画フレーム情報を回復する。
【0030】
具体的に、
図2に示すように、前記動画符号化フレーム2において符号化制御モジュール201を有し、符号化過程における制御動作の決定、及びパラメータの選択を行うためのものである。例えば、
図2に示すように、符号化制御モジュール202は、変換、量子化、逆量子化、逆変換に用いられるパラメータを制御し、フレーム内又はフレーム間モードの選択、並びに動き予測、及びフィルタのパラメータ制御を制御し、かつ符号化制御モジュール202の制御パラメータもエントロピー符号化モジュール内へ入力され、符号化して符号化ビットストリームにおける一部を形成する。
【0031】
現在の符号化対象フレームから符号化を始め、符号化対象フレームを分割202処理し、具体的には、まずそれにスライス(slice)分割してからブロック分割する。選択可能には、一つの例示において、符号化対象フレームは、複数の互いに重なり合わない最大のコーディングツリーユニット(Coding Tree Unit、CTU)に分割され、各CTUはさらにそれぞれ四分木又は二分木又は三分木の方式に従って、反復して一連のさらに小さいコーディングユニット(Coding Unit、CU)に分割される。いくつかの例示において、CUはさらに、それと関連する予測ユニット(Prediction Unit、PU)、及び変換ユニット(Transform Unit、TU)を有することができ、ここでのPUは、予測の基本ユニットであり、TUは、変換、及び量子化の基本ユニットである。いくつかの例示において、PU、及びTUはそれぞれCUを基礎として一つ又は複数のブロックに分割されて得られ、そのうちの一つのPUは、複数の予測ブロック(Prediction Block、PB)、及び関連シンタックス要素を有する。いくつかの例示において、PU、及びTUは同じであってよく、又は、CUにより異なる分割方式により得られてもよい。いくつかの例示において、CU、PU、TUにおける少なくとも2つは同じであり、例えば、CU、PU、及びTUを区分せず、すべてCUを単位として予測、量子化、及び変換を行う。説明しやすいように、以下ではCTU、CU又はその他の形成されたデータユニットをいずれも符号化ブロックという。
【0032】
本出願の実施例において、動画符号化が対象とするデータは、フレーム、スライス、コーディングツリーユニット、コーディングユニット、符号化ブロック又は以上のいずれかの群であってよいことを理解するものとする。異なる実施例において、データユニットのサイズは変更できる。
【0033】
具体的に、
図2に示すように、符号化対象フレームを複数の符号化ブロックに分割した後、予測過程を行い、これは、現在の符号化対象フレームの空間領域、及び時間領域冗長情報を除去するためのものである。現在比較的よく使用される予測符号化方式は、フレーム内予測、及びフレーム間予測の2つの方法を含む。フレーム内予測は、本フレーム画像における再構成済みの情報のみを利用して現在の符号化ブロックを予測するものであり、一方、フレーム間予測は、以前の再構成済みのその他のフレーム画像(基準フレームともいう)における情報を利用して現在の符号化ブロックを予測するものである。具体的に、本出願の実施例において、符号化制御モジュール202は、フレーム内予測又はフレーム間予測の選択を決定するためのものである。
【0034】
フレーム内予測モードを選択する場合、フレーム内予測203の過程は、現在の符号化ブロック周囲の符号化済みの隣接ブロックの再構成ブロックを取得して基準ブロックとし、この基準ブロックの画素値に基づいて、予測モード方式を採用して予測値を計算して予測ブロックを生成し、現在の符号化ブロックと予測ブロックとの対応画素値を減らして現在の符号化ブロックの残差を得て、現在の符号化ブロックの残差は、変換204、量子化205、及びエントロピー符号化210された後、現在の符号化ブロックのビットストリームを形成する。さらに、現在の符号化対象フレームのすべての符号化ブロックは、上述の符号化過程を経た後に、符号化対象フレームの符号化ビットストリームにおける一部を形成する。このほか、フレーム内予測203において生成された制御、及びパラメータデータもエントロピー符号化210により符号化され、符号化ビットストリームにおける一部を形成する。
【0035】
具体的に、変換204は、画像ブロックの残差の相関性を除去することで、符号化効率を高めるためのものである。現在の符号化ブロックの残差データの変換は通常、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform、DCT)を採用して変換され、離散サイン変換(Discrete Sine Transform、DST)を採用して変換され、例えば、符号化側は、符号化対象ブロックの残差情報をそれぞれ一つのN×Mの変換行列、及びその転置行列と掛け合わせ、掛け合わせた後に現在の符号化ブロックの変換係数を得る。
【0036】
変換係数を生成した後に量子化205によりさらに圧縮効率を高め、変換係数は量子化により量子化後の係数を得ることができ、その後、量子化後の係数をエントロピー符号化210して現在の符号化ブロックの残差ビットストリームを得る。ここで、エントロピー符号化方式は、CABAC(Context Adaptive Binary Arithmetic Coding、CABAC)エントロピー符号化を含むがこれに限定されない。
【0037】
具体的に、フレーム内予測203過程における符号化済みの隣接ブロックは、現在の符号化ブロックを符号化する前に、符号化済みの隣接ブロックであり、この隣接ブロックの符号化過程において生成される残差を変換204、量子化205、逆量子化206、及び逆変換207した後に、この隣接ブロックの予測ブロックと互いに加えて得られた再構成ブロックである。対応して、逆量子化206、及び逆変換207は、量子化206、及び変換204の逆過程であり、量子化、及び変換前の残差データを回復するためのものである。
【0038】
図2に示すように、フレーム間予測モードを選択する場合、フレーム間予測過程は、動き予測208、及び動き補償209を含む。具体的に、再構成画像フレームにおける基準画像に基づいて動き予測208を行い、一枚又は複数枚の基準フレーム画像において、一定のマッチング基準に基づいて、現在の符号化ブロックに最も相似する画像ブロックを探索してマッチングブロックとし、このマッチングブロックと現在の符号化ブロックとの相対シフトが現在の符号化対象ブロックの動きベクトル(Motion Vector、MV)である。符号化対象フレームにおけるすべての符号化ブロックに動き予測を行った後、動きベクトル、及び基準フレームに基づいて、現在の符号化対象フレームに動き補償209を行い、現在の符号化対象フレームの予測値を得る。この符号化対象フレーム画素のオリジナル値を対応する予測値と相互に減らして符号化対象フレームの残差を得る。現在の符号化対象フレームの残差は、変換204、量子化205、及びエントロピー符号化210された後に、符号化対象フレームの符号化ビットストリームにおける一部を形成する。このほか、動き補償予測209において生成された制御、及びパラメータデータもエントロピー符号化210により符号化され、符号化ビットストリームにおける一部を形成する。
【0039】
ここで、
図2に示すように、再構成動画フレームは、フィルタリング211された後に得られる動画フレームである。フィルタリング211は、符号化過程で生成するブロック効果、及びリンギング効果などの圧縮の歪みを減らすためのものであり、再構成動画フレームは、符号化過程において、フレーム間予測に基準フレームを提供するためのものであり、復号過程において、再構成動画フレームは、後処理後に最終的な復号動画に出力される。本出願の実施例において、フィルタリング211は、3つのフィルタリング技術を含み、デブロッキングDBフィルタリング2111、サンプルアダプティブオフセットSAOフィルタリング2112、及びアダプティブループフィルタALF2113であり、ここで、ALF2113は、DB2111、及びSAO2112の後に設けられる。フィルタリング211の過程におけるフィルタリングパラメータは同様に、エントロピー符号に伝送されて符号化され、符号化ビットストリームにおける一部を形成する。
【0040】
図3は、本出願の他の実施例に基づく動画復号フレーム3の概略図である。
図3に示すように、動画復号は、動画符号化に対応する操作ステップを実行する。まず、エントロピー符号化301を利用して符号化ビットストリームにおける残差データ、予測シンタックス、フレーム内予測シンタックス、動き補償シンタックス、及びフィルタリングシンタックスのうちの一つ又は複数のデータ情報を得る。ここで、残差データは、逆量子化302、及び逆変換303されてオリジナル残差データ情報を得る。このほか、予測シンタックスに基づいて、現在の復号ブロックにフレーム内予測を使用するか、又はフレーム間予測を使用するかを確定する。フレーム内予測304である場合、復号により得られるフレーム内予測シンタックスに基づいて、現在のフレームにおける再構成済み画像ブロックを利用してフレーム内予測方式に従って予測情報を構築する。フレーム間予測である場合、復号により得られた動き補償シンタックスに基づいて、再構成済み画像において基準ブロックを確定し、予測情報を得る。続いて、予測情報と残差情報を重ね合わせ、かつフィルタリング311操作により再構成動画フレームを得られ、再構成動画フレームを後処理306後に復号動画を得る。
【0041】
具体的に、本出願の実施例において、前記フィルタリング311は、
図2におけるフィルタリング211と同じであってよく、デブロッキングDBフィルタリング3111、サンプルアダプティブオフセットSAOフィルタリング3112、及びアダプティブループフィルタ3113を含み、ここで、フィルタリング311におけるフィルタリングパラメータ、及び制御パラメータは、符号化ビットストリームをエントロピー復号して得られてよく、得られたフィルタリングパラメータ、及び制御パラメータに基づいて、3つのフィルタリングをそれぞれ行う。
【0042】
具体的に、DBフィルタリングは、予測ユニットPU、及び変換ユニットTU境界の画素を処理するためのものであり、訓練して得られたローパスフィルタにより境界画素の非線形加重を行い、これによりブロッキング効果を減少させる。SAOフィルタリングは、フレーム画像における符号化ブロックを単位として、符号化ブロックにおける画素値を分類するためのものであり、かつ各タイプの画素に補償値を加え、異なる符号化ブロックは、異なるフィルタリング形式を採用し、しかも異なる符号化ブロックにおける異なるタイプの画素補償値は異なり、再構成フレーム画像をさらにオリジナルフレーム画像に近づけ、リンギング効果を回避する。ALFフィルタリングは、ウィナーフィルタリング(wiener filtering)過程であり、ウィナーフィルタリングの原理に基づいて、フィルタリング係数を計算してフィルタリングし、主に再構成フレーム画像とオリジナルフレーム画像との間の平均二乗誤差(Mean-square Error、MSE)を最小化するためのものであり、これにより再構成フレームの画像品質をさらに改善し、動き予測、及び動き補償の正確性を高め、かつ符号化システム全体の符号化効率を効果的に高めるが、これとともに、ALFフィルタリングの複雑さが大きく、演算に時間がかかり、実際の応用過程には一定の欠陥がある。
【0043】
理解しやすいように、次に、
図4、
図5a、及び
図5bを参照してALFフィルタリング過程を詳細に説明する。
【0044】
ALFフィルタリング係数の計算原理
まず、ウィナーフィルタリング原理に基づいて、ALFフィルタリング係数の計算方式を説明する。
図4に示すように、現在の符号化のオリジナル符号化フレームにおける画素信号はXであり、符号化、及びDBフィルタリングとSAOフィルタリング後の再構成画素信号はYであり、この過程においてYが導入するノイズ又は歪みはeであり、再構成画素信号は、ウィナーフィルタリングにおけるフィルタリング係数fによりフィルタリングされた後に、ALF再構成信号
【数1】
を形成し、このALF再構成信号
【数2】
とオリジナル画素信号との平均二乗誤差を最小にし、f、つまりALFフィルタリング係数を得て、具体的に、fの計算式は、以下の通りである。
【数3】
【0045】
選択可能には、可能な実施形態において、一組のALFフィルタリング係数からなるフィルタは、
図5a及び
図5bに示すように、C0~C12の対称分布される13のフィルタリング係数を有し、フィルタ長Lは7である。又は、C0~C6の対称分布される7のフィルタリング係数を有し、フィルタ長Lは5である。選択可能には、
図5aに示すフィルタは、7*7フィルタともいい、符号化フレーム輝度成分に適用され、
図5bに示すフィルタは、5*5フィルタともいい、符号化フレーム色度成分に適用される。
【0046】
本出願の実施例において、前記ALFフィルタリング係数からなるフィルタはさらに、その他の形式のフィルタであってよく、例えば、対称分布され、フィルタ長が9などのフィルタ形式であり、本出願の実施例は、これを限定しないことを理解するものとする。
【0047】
選択可能には、線形ALFフィルタリング過程において、再構成画像フレームにおけるフィルタリング対象画素点について、周囲の画素点の加重平均により現在の点のフィルタリング後の結果を得て、つまり、ALF再構成画像フレームにおける対応する画素点である。具体的に、再構成画像フレームにおける画素点I(x,y)は、現在のフィルタリング対象画素点であり、(x,y)は、現在のフィルタリング対象画素点の符号化フレームにおける位置座標であり、フィルタ中心のフィルタリング係数はそれに対応し、フィルタにおけるその他のフィルタリング係数は、I(x,y)周囲の画素点に一つ一つ対応し、フィルタにおけるフィルタリング係数値は、重みであり、フィルタにおけるフィルタリング係数値を対応する画素点と互いに乗じた後、平均して得られる数値は、現在のフィルタリング対象画素点I(x,y)のフィルタリング後の画素値O(x,y)であり、具体的な式は、以下の通りである。
【数4】
式中、w(i,j)は、フィルタにおけるいずれか一つのフィルタリング係数を示し、(i,j)は、フィルタにおけるフィルタリング係数の中心点からの相対位置を示し、i及びjはいずれもL/2より小さく、-L/2よりも大きい整数であり、ここでLは、フィルタ長である。例えば、
図5aにおけるフィルタに示すように、フィルタ中心のフィルタリング係数C12は、w(0,0)と示され、C12上方のフィルタリング係数C6は、w(0,1)と示され、C12右方のフィルタリング係数C11は、w(1,0)と示される。
【0048】
このような方式に従って、順次、再構成画像フレームにおける各画素点をフィルタリングし、フィルタリング後のALF再構成画像フレームを得る。
【0049】
選択可能には、可能な実施形態において、前記フィルタのフィルタリング係数w(i,j)は、[-1,1)の間の整数である。
【0050】
選択可能には、可能な実施形態において、前記フィルタのフィルタリング係数w(i,j)を128倍拡張後に切り捨ててw'(i,j)を得て、w'(i,j)は[-128,128)の間の整数である。具体的に、拡張後のw'(i,j)を符号化して伝送し、ハードウェアで符号化復号して実現しやすく、かつ拡張後のw'(i,j)を採用してフィルタリングしてO(x,y)を得る計算式は、以下の通りである。
【数5】
【0051】
選択可能には、他の非線形ALFフィルタリング過程において、直接フィルタを採用して重みとせず、複数の画素点を加重平均してフィルタリング後の結果を得る。非線形パラメータ要素を導入し、フィルタリング効果を最適化し、具体的に、非線形ALFフィルタリングを採用して、I(x,y)をフィルタリングしてO'(x,y)を計算して得る計算式は、以下の通りである。
【数6】
式中、前記フィルタのフィルタリング係数w(i,j)は、[-1,1)の間の整数である。K(d,b)は、修正(clip)の操作であり、
【数7】
。
【0052】
具体的に、k(d,b)clip操作において、k(i,j)は、ループ内フィルタリングALF修正clipパラメータを表し、以下では修正パラメータ又はclipパラメータといい、各フィルタリング係数w(i,j)はいずれも一つのclipのパラメータに対応する。符号化フレーム輝度成分について、clipパラメータは、{1024、181、32、6}のうちから一つ選択され、符号化フレーム色度成分について、clipパラメータは、{1024、161、25、4}のうちから一つ選択され、かつ各clipパラメータに対応するインデックス、つまり修正(clip)インデックスパラメータをビットストリームへ書き込む必要がある。clipパラメータが1024である場合、clipインデックスパラメータ0をビットストリームへ書き込み、同様の理由で、181の場合、1をビットストリームへ書き込み、従って、符号化フレーム輝度分類、及び符号化フレーム色度分類のclipインデックスパラメータはいずれも0~3の間の整数であることがわかる。
【0053】
画素分類分割
次に、一つの画素点に一組の対応するALFフィルタリング係数を計算し、その計算の複雑さが大きく、時間がかかる場合、しかも各画素点のALF係数をいずれもビットストリームへ書き込むと巨大な支出があるので、再構成画像における画素点を分類分割する必要があり、各タイプの画素点は、同一組のALFフィルタリング係数(フィルタの一種)を採用し、このようにして計算の複雑さを低下させ、符号化効率を高めることができる。
【0054】
選択可能には、画素分類の方式は、複数あってよい。例えば、画素の輝度Y成分にのみ分類を行い、色度UV成分を分類しなくてもよい。例えば、輝度Y成分を25に分割し、色度UV成分を分割せず、1タイプのみである。いいかえれば、一つのフレーム画像について、輝度Y成分の符号化フレームは最大で25組のフィルタに対応でき、色度UV成分の符号化フレームは一組のフィルタに対応する。
【0055】
本出願の実施例において、画素タイプは、輝度Y成分に対応するタイプであってよいが、本出願の実施例は、これを限定するわけではなく、画素タイプは、その他の成分又はすべての成分に対応するタイプであってもよいことを理解するものとする。説明しやすいように、以下では輝度Y成分の符号化フレームを分類分割し、ALFフィルタリングを例として説明する。
【0056】
選択可能には、可能な実施形態において、DBフィルタリング、及びSAOフィルタリング後の再構成画像フレームを複数の4*4画素のブロックに分割する。この4*4のブロックを分類する。
【0057】
例えば、各一つの4*4のブロックはいずれもラプラス(Laplace)方向に分類できる。
【数8】
【0058】
Cは、画素ブロックが所属するタイプを表す。Dは、ラプラス方向であり、
【数9】
は、進行方向D(Direction)分類後の細分類結果であり、
【数10】
の取得は複数の方式があってよく、ここでは細分類結果のみ表す。
【0059】
方式Dの計算方式は以下の通りであり、まず、現在の4*4ブロックの異なる方向でのラプラス勾配を計算し、計算式は、以下の通りである。
【数11】
式中、i、及びjは、現在の4*4ブロックの左上画素点の座標である。
【0060】
【数12】
は、4*4ブロックにおける(k,1)位置に位置する再構成画素値である。
【数13】
は、4*4ブロックにおける(k,1)座標に位置する画素点の垂直方向でのラプラス勾配を表す。
【数14】
は、4*4ブロックにおける(k,1)座標に位置する画素点の水平方向ラプラス勾配を表す。
【数15】
は、4*4ブロックにおける(k,1)座標に位置する画素点の135度方向ラプラス勾配を表す。
【数16】
は、4*4ブロックにおける(k,1)座標に位置する画素点の45度ラプラス勾配を表す。
【0061】
対応して、計算して得られる
【数17】
は、現在の4*4ブロックの垂直方向でのラプラス勾配を表す。
【数18】
は、現在の4*4ブロックの水平方向のラプラス勾配を表す。
【数19】
は、現在の4*4ブロックの135度方向のラプラス勾配を表す。
【数20】
は、現在の4*4ブロックの45度方向のラプラス勾配を表す。
【0062】
その後、4つの方向のラプラス勾配の極値比に基づいて、方向Dを判断し、具体的な計算式は、以下の通りである。
【数21】
式中、
【数22】
は、水平、垂直方向ラプラス勾配値の最大値を表す。
【数23】
は、水平、垂直方向ラプラス勾配値の最小値を表す。
【数24】
は、45、135度方向ラプラス勾配値の最大値を表す。
【数25】
は、45、135度方向ラプラス勾配値の最小値を表す。
【数26】
は、水平、垂直方向ラプラス勾配値の比値を表す。
【数27】
は、45、135度方向ラプラス勾配値の比値を表す。
【数28】
しかも
【数29】
であれば、Dを0に設定する。
【数30】
しかも
【数31】
であれば、Dを1に設定する。
【数32】
しかも
【数33】
であれば、Dを2に設定する。
【数34】
しかも
【数35】
であれば、Dを3に設定する。
【数36】
しかも
【数37】
であれば、Dを4に設定する。
t1、及びt2は、予め設定されたしきい値を表す。
【0063】
選択可能には、可能な実施形態において、
【数38】
の計算式は、以下の通りである。
【数39】
【0064】
Aを量子化して0~4の間の整数を得て、
【数40】
を得る。
【0065】
このため、D及びAの値を総合し、Cの値範囲は、0~24の間の整数であり、本出願の実施例において、最も多くて、一つのフレーム画像における4*4ブロックを25タイプに分割する。
【0066】
選択可能には、可能な実施形態において、符号化フレームにおいて、Nタイプの4*4ブロックを有し、各タイプの4*4ブロックは、一組のALFフィルタリング係数を有し、ここで、Nは、1~25の間の整数である。
【0067】
本出願の実施例において、フレーム画像全体について、複数の4*4のブロックに分割できるほか、その他の画素サイズのブロックに分割でき、例えば、複数の8*8又は16*16サイズのブロックに分割することもでき、本出願の実施例は、これを限定しないことを理解するものとする。
【0068】
さらに、本出願の実施例において、上述のラプラス(Laplace)方向に基づいて分類するほかに、さらに、その他の分類方式を採用してブロックを分類することもでき、本出願の実施例は、これを限定しないことを理解するものとする。
【0069】
さらに、本出願の実施例において、分類数は25のほかに、さらにその他のいずれかの数に分類することもでき、本出願の実施例は、これを限定しないことを理解するものとする。
【0070】
ブロックに基づくALFフィルタリング
ALFフィルタリングは、フレームに基づくALF、ブロックに基づくALF、及び4分木に基づくALFに分けることができ、ここで、フレームに基づくALFは、一組のフィルタリング係数を採用してフレーム全体にフィルタリングを行うものである。ブロックに基づくALFは、符号化フレームをサイズが同じ画像ブロックに分割し、画像ブロックについてALFフィルタリングを行うか否かを判断するものである。四分木に基づくALFは、四分木の分割方式に基づいて、符号化フレームをサイズが異なる画像ブロックに分割し、ALFフィルタリングを行うか否かを判断するものである。ここで、フレームに基づくALFは、計算が簡単であるが、フィルタリング効果がよくない。一方、四分木に基づくALFは、計算の複雑さが大きい。従って、いくつかの標準又は技術において、例えば、作成を検討中の最新のVVC標準においては、その参照ソフトウェアVTMが採用するのは、ブロックに基づくALFである。
【0071】
VTMにおけるブロックに基づくALFを例として説明する。VTMにおいて、符号化フレームは、フレームレベルALFフィルタリングマーカービットを有し、かつブロックレベルALFフィルタリングマーカービットを有する。選択可能には、このブロックレベルはCTU、CU又はその他の分割方式の画像ブロックであってよいが、本出願の実施例は、これを限定せず、説明しやすいように、以下ではCTUレベルALFフィルタリングマーカービットを例として説明する。
【0072】
具体的に、フレームレベルALFフィルタリングマーカービットがALFフィルタリングを行わないことを識別する場合、符号化フレームにおけるCTUレベルALFフィルタリングマーカービットを識別しない。フレームレベルALFフィルタリングマーカービットがALFフィルタリングを行うことを識別する場合、符号化フレームにおけるCTUレベルALFフィルタリングマーカービットを識別して、現在のCTUがALFフィルタリングを行うか否かを示す。
【0073】
選択可能には、符号化フレームにZ個のCTUを含み、符号化フレームにおけるN組のALFフィルタリング係数を計算する方式は、以下の通りである。符号化フレームにおけるZ個のCTUをALFフィルタリングして組み合わせるか否かについて、各タイプの組合せ方式について、この方式でのN組のALFフィルタリング係数、及び符号化フレームのレート歪みコスト(Rate-distortion Cost、RD cost)を計算して得る。ここで、各組のALFフィルタリング係数におけるi番目組のALFの計算方式は、以下の通りである。現在のCTUの組み合わせ方式で、ALFフィルタリングを行うCTUにおけるi番目タイプの画素をf計算し、その他のALFフィルタリングを行わないCTUにおけるi番目タイプの画素にf計算を行わず、現在の組み合わせ方式でのi番目組のALF係数を計算して得る。異なる組み合わせ方式では、計算して得るN組のALFフィルタリング係数は互いに異なる可能性があることを理解するものとする。
【0074】
複数の組み合わせでのRD costを比較し、ここで、RD costが最小の組み合わせ方式を最終的な組み合わせ方式と確定する。かつ、この異なる組み合わせ方式で計算して得られるN組のALFフィルタリング係数は、適応性が最も優れたALFフィルタリング係数である。
【0075】
RD costが最小の組み合わせ方式が、Z個のCTUにおける少なくとも一つのCTUをALFフィルタリングすることである場合、符号化フレームのフレームレベルALFマーカービットは、ALFフィルタリングを行うと識別し、CTUレベルのALFマーカービットは順次、CTUデータにおいてALFフィルタリングを行うか否かを識別する。例えば、マーカービットが0と識別する場合、ALFフィルタリングを行わないことを表し、マーカービットが1と識別するとき、ALFフィルタリングを行うことを表す。
【0076】
特に、RD costが最小の組み合わせ方式が、Z個のCTUをいずれもALFフィルタリングしないことである場合、このとき、符号化フレームはALFフィルタリングを行わず、符号化フレームのフレームレベルALFマーカービットはALFフィルタリングを行わないと識別する。このとき、CTUレベルのALFマーカービットは識別しない。
【0077】
本出願の実施例におけるALFは、VVC標準に適用されるだけでなく、ブロックに基づくその他のALF技術的解決手段又は標準にも適用されることを理解するものとする。
【0078】
ALFフィルタリング係数符号化の決定
選択可能には、現在のCTUの組み合わせ方式でのN組のALFフィルタリング係数を計算して得た後、ALFは、RD costに基づいて、係数マージなどの技術を採用するか否かを決定でき、再構成画像フレームの品質に影響しない状況で、上述の技術をもとに符号化し、圧縮性能をさらに高め、フィルタリング係数に必要なビット(bit)数を減らすことができる。
【0079】
選択可能には、このN組のALFフィルタリング係数に以下の3つの決定を行う。
(1)異なるALFフィルタリング係数をマージするか否か。
(2)ALFフィルタリング係数をゼロにするか否か。
(3)差分符号化方式又は非差分符号化方式を採用してALFフィルタリング係数を符号化する。
【0080】
具体的に、異なるALFフィルタリング係数の間のマージは、再構成フレームにおける異なるタイプの画像ブロックが同じALFフィルタリング係数を使用することである。いくつかのタイプが、同じフィルタリング係数を使用する場合、ビットストリームにおいていくつかのフィルタリング係数数値の伝達を少なくし、これにより符号化効率を高めることができる。
【0081】
ALFフィルタリング係数をゼロにするとき、再構成フレームに一部タイプの画素点がある可能性があり、ALFフィルタリングを使用しない状況下でより良好である。つまり、ALFフィルタリングを使用しないRD costが、ALFフィルタリングを使用するRD costよりも小さい。このような状況では、このタイプの画素点に対応するフィルタリング係数を直接ゼロにでき、ビットストリームにおいていくつかのフィルタリング係数数値の伝達を少なくし、これにより符号化効率を高めることができる。
【0082】
符号化方式では、ALFフィルタリング係数は2つの符号化方式を選択でき、第1の非差分符号化方式は直接、フィルタリング係数をビットストリームへ書き込む。他の差分符号化方式は、第1組のフィルタリング係数をビットストリームへ書き込み、第2組から第1組を減らした後の結果をビットストリームへ書き込み、その後、第3組から第2組を減らした後の係数をビットストリームへ書き込み、以下同様に行う。
【0083】
選択可能には、順次、ALFフィルタリング係数をマージするか否かを決定し、ゼロにするか否かを決定し、符号化方式を決定し、本出願の実施例は、3つの決定順序を制限しない。
【0084】
選択可能には、好適な実施形態において、まずマージするか否かを決定してから、ゼロにするか否かを決定し、符号化方式を決定する。
【0085】
具体的に、各決定において、現在の条件に基づいて、符号化フレームのRD costを計算し、最小のRD costに対応する条件を確定して決定の結果を得る。
【0086】
例えば、まず、ALFフィルタリング係数をマージするか否かを決定するとき、異なる画素タイプをマージし、マージ後の画素タイプについてウィナーフィルタリング原理に基づいて複数組のマージ後のフィルタリング係数を計算して得る。例えば、符号化フレームにはNタイプの画素を有し、N組の初期フィルタリング係数に対応し、Nは、25以下の正の整数である。N組の画素タイプにおける2組又は複数組を組み合わせ、この組み合わせ後は新しいマージフィルタリング係数である。例えば、2組のタイプを一つのタイプに組み合わせ、N-1組のタイプを得て、その後、これらのタイプについてフィルタリング係数を計算し、N-1のフィルタを得る。
【0087】
選択可能には、異なるマージ方式を採用して前記N組の初期フィルタリング係数をマージし、最終的にNタイプの異なるマージ組み合わせを処理して得て、i番目タイプのマージ組み合わせは、i組のマージフィルタリング係数を含み、ここで、各組のマージフィルタリング係数は、少なくとも一組の初期フィルタリング係数に対応し、iは、N以下の正の整数である。
【0088】
選択可能には、本出願の実施例において、各タイプのマージ組み合わせについて、新しいマージフィルタリング係数の計算を行い、このマージ組み合わせ形式で、複数組のマージフィルタリング係数におけるマージフィルタリング係数をゼロにするか否か、及び符号化方式について判断する。
【0089】
具体的に、異なる選択方式を採用して複数のマージフィルタリング係数から1組又は複数組のマージフィルタリング係数を選択してゼロにし、又はマージフィルタリング係数をゼロにすることを選択せず、複数タイプの異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせを得て、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせについてRD costを計算する。RD costが最小の特定のゼロにするフィルタリング係数の組み合わせ、及びこの組み合わせでの複数組のゼロにする、及びゼロにしないフィルタリング係数を計算して得る。
【0090】
具体的に、第1マーカービットを採用してフィルタリング係数をゼロにするか否かを識別する状況で、ゼロにする状況がある場合、各組のフィルタリング係数は、第2マーカービットを採用してこの組のフィルタリング係数をゼロにするか否かを識別し、一組のフィルタリング係数をゼロにするとき、この組のフィルタリング係数に対応する画素タイプにALFフィルタリングを行わず、マーカービットがこの組のフィルタリング係数をゼロにすることを識別し、しかもこの組のフィルタリング係数をビットストリームへ書き込まない。一組のフィルタリング係数をゼロにしない場合、この組のフィルタリング係数に対応する画素タイプをALFフィルタリングし、マーカービットは、この組のフィルタリング係数をゼロにしないことを識別する。第1マーカービットが、係数をゼロにする状況が存在しないことを表示する場合、第2マーカービットを伝達しない。
【0091】
最後に、RD costの計算に基づいて、複数組のゼロにしないフィルタリング係数に差分符号化、及び非差分符号化方式の決定をし、最小RD costでの符号化方式を得る。例えば、差分符号化方式で、計算するRD costが小さい場合、差分符号化方式を選択する。
【0092】
マージ組み合わせでは、最小RD costにより、このマージ組み合わせでのゼロにしないフィルタリング係数、及び差分/非差分符号化方式を計算して得る。これをもとに、複数タイプのマージ組み合わせのRD costを比較し、最小RD costの特定マージ組み合わせ、及びこの組み合わせでの複数組のフィルタリング係数、及びclipパラメータなどの関連フィルタリングパラメータを確定して得る。
【0093】
複数組のフィルタリング係数のマージ方式、ゼロにするか否か、及び符号化方式を確定した後、符号化過程において、複数タイプの画素タイプに順次対応するフィルタリング係数、具体的にどの組のフィルタリング係数をゼロにするか、差分又は非差分符号化方式を採用するかについて、シンタックスマーカービットにおいて識別し、復号過程においてシンタックスマーカービットを復号して対応する情報を得て、これにより対応する復号操作を行う。
【0094】
現在の技術に差分符号化方式を導入することは、複数組のフィルタリング係数を符号化するとき、フィルタリング係数の符号化に必要なbit数を減らし、圧縮性能を高めるためである。特に、複数組のALFフィルタリング係数の間に規律的な変化がある場合、例えば、二組の隣接するフィルタリング係数の差値がそのうちの1組のフィルタリング係数よりも小さい場合、符号化に必要なbit係数を減らすことができ、そうでなければ、2組のフィルタリング係数の差値がそのうちの1組のフィルタリング係数よりも大きい場合、又は2組のフィルタリング係数の数値に規律性がない場合、差分符号化方式を採用することはbit数を減らすことができず、このとき非差分符号化方式を使用するものとし、直接、フィルタリング係数を符号化する。
【0095】
現在ALF技術において、複数組のフィルタリング係数の間に強い数値の規律的な変化がなく、かつフィルタリング係数の値は、負数又は整数であってよく、つまり2組のフィルタリング係数の差値は、一部の又はすべてがそのうちのいずれかの組のフィルタリング係数よりも大きいので、差分符号化、及び非差分符号化方式を選択するとき、差分符号化を選択する確率は低い。かつ、差分符号化方式を採用して符号化すると、フィルタリング係数の間に依存性が生じ、復号過程において、そのうちの一つの係数に伝送過程でエラーが発生すると、この係数に依存するすべての係数にいずれもエラーが生じ、フィルタリング画像の品質の低下をまねいてしまう。
【0096】
これとともに、RD costの計算により差分符号化又は非差分化符号化の採用を決定して判断する必要があり、かつフィルタリング係数をマージするか否か、ゼロにするか否かの決定過程において、関連する組み合わせタイプが多く、各タイプの組み合わせタイプはいずれもRD costの計算により符号化方式が差分符号化であるか、又は非差分符号化であるかを決定する必要があるので、RD costの計算が大きく、符号化側の決定計算時間に影響してしまう。
【0097】
より重要なのは、差分符号化と非差分符号化方式の間で符号化モードの選択を行う必要がある場合、符号化過程において、シンタックスマーカービットを使用して符号化モード情報を伝達する必要があり、ビットストリームにおけるbit数を増やし、圧縮に不利である。
【0098】
従って、現在のALFフィルタリング係数の符号化方式に冗長があり、複雑さが大きく、圧縮効率、及び運行時間に影響してしまう。これに鑑み、本出願の実施例は、改良した技術的解決手段を提供する。
【0099】
本出願の実施例の技術的解決手段は、符号化側に使用でき、復号側にも使用できる。以下では、それぞれ符号化側、及び復号側から本出願の実施例の技術的解決手段を説明する。
【0100】
図6は、本出願の実施例のループ内フィルタリングの方法200の概略的フローチャートを示す。この方式200は、符号化側により実行できる。例えば、
図1に示すシステム100により、符号化操作するときに実行できる。
【0101】
S210、ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定する。
【0102】
選択可能には、前述のように、前記ループ内フィルタリングALFの複数組のフィルタリング係数は、ウィナーフィルタリング原理に基づいて得られた、再構成画像フレームとオリジナル符号化画像フレームとの平均二乗誤差を最小にするウィナーフィルタにおける係数値である。
【0103】
選択可能には、フィルタは、複数の形状であってよく、例えば、VVC標準において、符号化フレーム輝度成分について、
図5aに示す13のフィルタリング係数を含むフィルタを採用し、ここで、13のフィルタリング係数は、1組のフィルタリング係数を構成する。符号化フレーム色度成分について、例えば、
図5bに示す7のフィルタリング係数を含むフィルタを採用し、ここで、7のフィルタリング係数は、1組のフィルタリング係数を構成する。
【0104】
選択可能には、ループ内フィルタリングALFの過程において、符号化フレームにおける画素を分類し、異なるタイプのALFフィルタリング係数は異なる可能性があり、一つのタイプの画素は、1組のALFフィルタリング係数に対応してフィルタリング計算を行う。例えば、VVC標準において、符号化フレームにおける画素を最大で25タイプに分割し、取得したループ内フィルタリングALF係数はN組であり、ここでNは、25以下の整数である。
【0105】
選択可能には、さらに、ブロックに基づくループ内フィルタリングの方式を採用してフィルタリング係数の計算を行う。前述のように、制御ブロックレベルのループ内フィルタリングスイッチにより、異なるブロックを起動する状況での1組又は複数組のフィルタリング係数を計算する。例えば、VVC標準において、CTUレベルをブロックレベル制御単位とし、N組のフィルタリング係数を計算して得る。
【0106】
本出願の実施例において、前記ループ内フィルタリングALFの複数組のフィルタリング係数は、符号化フレーム輝度成分のフィルタリング係数であってよく、符号化フレーム色度成分のフィルタリング係数であってよく、本出願の実施例は、これを限定しないことを理解するものとする。
【0107】
さらに、本出願の実施例において、前記ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数は、フレームに基づき計算して得られるループ内フィルタリング係数であってよく、ブロックに基づき計算して得られるループ内フィルタリング係数であってよく、さらに、四分木に基づき計算して得られるループ内フィルタリング係数であってよく、本出願の実施例はこれも限定しないことを理解するものとする。
【0108】
S220、非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化する。
【0109】
前述のように、複数組のフィルタリング係数を符号化するとき、複数組のフィルタリング係数に差分符号化方式を採用して符号化して、符号化時に占めるbit数を減らす可能性があるが、すべての場合で差分符号化方式を採用していずれもbit数を減らすことができるわけではない。かつ実際の状況では、差分符号化方式を採用するのは小さい確率である。このほか、一部の場合では、例えば、2組のフィルタリング係数を互いに減らした後に得られる差値が、それ以前のいずれか1組のフィルタリング係数よりも大きく、差分符号化方式を採用するとbit数を増やしてしまう。従って、本出願の実施例において、直接、非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化し、符号化効率を高めることができる。
【0110】
このほか、非差分符号化方式を採用して符号化することは、複数組のフィルタリング係数の間に依存性がなく、依存性のある複数組のフィルタリング係数に伝送過程においてエラーが生じ、復号側の復号画像の品質に影響することを防ぐことができる。
【0111】
選択可能には、前記非差分符号化方式は、指数ゴロム符号化方式、固定長符号化方式、ユーナリ符号化方式などを含む。
【0112】
好適には、本出願の実施例において、指数ゴロム符号化(Exponential Golomb Coding)方式を採用して複数組のフィルタリング係数を符号化した後に、ビットストリームへ書き込み、ALF複数組のフィルタリング係数のロスレス圧縮を実現できる。
【0113】
選択可能には、
図7は、本出願の他の実施例の符号化側のループ内フィルタリングの方法500の概略的フローチャートを示す。
【0114】
前記ループ内フィルタリングの方法300は、以下を含む。
S310、ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定する。
S320、前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しない。
S330、非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化する。
【0115】
本出願の実施例において、ステップS310及びS330は、
図6におけるステップS210及びS220と同じであってよく、複数組のフィルタリング係数を確定した後、この複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択せず、直接、非差分符号化方式を採用して複数組のフィルタリング係数を符号化してビットストリームへ書き込む。
【0116】
複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択せず、つまり符号化側は、複数タイプの符号化方式において計算によりそのうちの最も優れた一つを決定して選択せず、いいかえれば、決定計算過程を回避し、計算資源、及び符号化時間を節約し、符号化効率に影響しないことを基礎として、符号化速度を加速させる。
【0117】
例えば、複数組のフィルタリング係数の符号化方式について選択する可能な方式においては、複数タイプの符号化方式での符号化フレームのRD costを計算することにより、最小のRD costを選択して最適な符号化方式とする。一方、本出願の実施例は、上述のRD costの計算、及び選択を行わない。
【0118】
前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式の選択には、差分符号化方式と非差分符号化方式との間での選択が含まれるがこれに限定されず、さらに、具体的な指数ゴロム符号化方式などの複数タイプの符号化方式の間の選択であってもよく、本出願の実施例は、これを限定しないことを理解するものとする。
【0119】
選択可能には、ループ内フィルタリングの方法200、及びループ内フィルタリングの方法300において、前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示するシンタックス要素が含まれない。
【0120】
複数タイプの符号化方式において符号化方式を選択する必要がある場合、符号化するシンタックス要素において、少なくとも一つのbitを残してフィルタリング係数の符号化方式を識別し、かつこのフィルタリング係数の符号化方式を識別するシンタックス要素を符号化してビットストリームへ書き込む。
【0121】
選択可能には、可能な実施形態において、前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には複数組のフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化方式であるか、又は非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素が含まれない。
【0122】
例えば、VVC標準において、「alf_luma_coeff_delta_prediction_flag」シンタックスマーカービットを採用して輝度成分符号化フレームにおけるループ内フィルタリングALFのフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化であるか、又は非差分符号化であるかを識別する。具体的に、このシンタックスマーカービットは、一つの符号無し整数であり、一つのbitを占め、alf_luma_coeff_delta_prediction_flag=0のとき、ALFフィルタリング係数は、非差分符号化方式を採用して符号化し、alf_luma_coeff_delta_prediction_flag=1のとき、ALFフィルタリング係数は、差分符号化方式を採用して符号化する。
【0123】
しかし、本出願の実施例において、複数タイプの符号化方式の間で符号化方式を決定選択する必要はないので、前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素において前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示しない。例えば、VCC標準において、「alf_luma_coeff_delta_prediction_flag」のシンタックス要素を削除することで、1 bitの符号化を減らし、符号化圧縮効率を高める。
【0124】
本出願の実施例における前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素は、符号化フレーム輝度成分のシンタックス要素であってよく、輝度成分の複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示せず、符号化フレーム色度成分のシンタックス要素であってもよく、色度成分の複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示しないことを理解するものとする。本出願の実施例は、これを限定しない。
【0125】
さらに、本出願の実施例は、VVC以外のその他のループ内フィルタリングALFの符号化標準又は符号化技術的解決手段にも使用でき、シンタックス要素においてループ内フィルタリングALFのフィルタリング係数の符号化方式を識別するためのマーカービットを削除することを理解するものとする。
【0126】
選択可能には、ループ内フィルタリングの方法200、及びループ内フィルタリングの方法300におけるステップS210、及びステップS310において、ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定することは具体的に、複数組の初期フィルタリング係数をマージすることを判断し、ゼロにすることを判断して前記複数組のフィルタリング係数を得ることを含む。具体的に、
図8に示すように、ループ内フィルタリングの方法300を例として説明する。
【0127】
S311、複数タイプのマージ組み合わせ方式を採用して複数組の初期フィルタリング係数におけるフィルタリング係数をマージし、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式での複数組のマージフィルタリング係数を計算して得る。
【0128】
本出願の実施例において、複数組の初期フィルタリング係数は、ウィナーフィルタリング原理、及び画素タイプに基づいて計算して得られた、画素タイプに対応する複数組の初期フィルタリング係数であり、選択可能には、この初期フィルタリング係数は、CTUブロックに基づき計算して得られる複数組の初期フィルタリング係数であってよく、フレーム又は四分木に基づき計算して得られる複数組の初期フィルタリング係数であってもよく、この過程は、前述の具体的なALFフィルタリング過程を参照でき、ここでは説明しない。
【0129】
例えば、計算して得られる画素タイプがNタイプである場合、対応する初期フィルタリング係数はN組であり、N組の初期フィルタリング係数におけるi番目組の初期フィルタリング係数は、Nタイプの画素におけるi番目タイプをフィルタリングするためのものであり、iは、N以下の正の整数である。選択可能には、可能な実施形態において、Nは、25以下の正の整数であってよい。
【0130】
このN組の初期フィルタリング係数における少なくとも2組を1組にマージし、この少なくとも2組の初期フィルタリング係数に対応する画素はいずれもマージ後のマージフィルタリング係数を採用してフィルタリングを行う。選択可能には、マージする少なくとも2組の初期フィルタリング係数は、隣接するフィルタリング係数であり、例えば、可能な組み合わせ方式において、25組の初期フィルタリング係数における1~3番目組をマージし、4~8番目組をマージし、9~15番目組をマージし、16~25番目組をマージする。
【0131】
選択可能には、N組のフィルタリング係数について異なる方式のマージ組み合わせ、及び初期判断を行い、合計でVタイプのマージ組み合わせ方式を得て、ウィナーフィルタリング原理に基づいて、Vタイプのマージ組み合わせ方式における複数組のマージフィルタリング係数を計算し直して得る。ここで、Vタイプのマージ組み合わせ方式におけるマージフィルタリング係数はそれぞれK1~KV組あり、K1~KVはいずれもN以下の正の整数であり、K1~KV組における各組のマージフィルタリング係数は、一つ又は複数タイプの画素に対応する。特に、N組のフィルタリング係数においてフィルタリング係数の組合せがない場合、マージフィルタリング係数は、初期フィルタリング係数と同じであり、1組のフィルタリング係数は、1タイプの画素に対応する。
【0132】
S312、前記複数組のマージフィルタリング係数におけるフィルタリング係数をゼロにするか否かを判断し、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式でのゼロにしない複数組のマージフィルタリング係数を得る。
【0133】
具体的には、1組のフィルタリング係数をゼロにするとき、この組のフィルタリング係数を採用して画素にフィルタリング操作を行わず、画素値は変更しないままである。具体的に、シンタックス要素マーカービットにより複数組のフィルタリング係数にゼロにするフィルタリング係数組があるか否かを識別し、さらには、複数組のフィルタリング係数にゼロにするフィルタリング係数がある場合、さらに、その他のマーカービットにより複数組のフィルタリング係数における各組をゼロにするか否かを識別する。
【0134】
具体的に、一タイプのマージ組み合わせ方式での複数組のマージフィルタリング係数において、複数組のマージフィルタリング係数はいずれもゼロにせず、複数組のマージフィルタリング係数における1組又は複数組のマージフィルタリング係数をゼロにし、合計で複数タイプのゼロにする組み合わせを得る。
【0135】
選択可能には、レート歪み最適化(rate distortion optimization、RDO)技術に基づいて、前記複数組のマージフィルタリング係数におけるフィルタリング係数をゼロにするか否かを判断する。つまり、前記複数タイプのゼロにする組み合わせでの符号化フレームについてレート歪みコストRD costを計算し、ここでのRD costが最小のゼロにする組み合わせが、最終的に確定されるゼロにする組み合わせ方式である。例えば、可能な実施形態において、現在のマージ組み合わせ方式で10組のマージフィルタリング係数があり、RD cost計算に基づいて、最小RD costの状況で10組のマージフィルタリング係数における1~3番目組、及び5~7番目組をゼロにし、その他はゼロにしないことを確定する。
【0136】
具体的に、レート歪みコストRD costの計算方式は、以下の通りである。
【数41】
【0137】
ここで、D(distortion)は、現在の技術での再構成画像フレームとオリジナル画像符号化フレームとの間の歪み度を表し、通常、残差平方和(sum of square errors、SSE)、差分絶対値和(sum of absolute difference、SAD)、又はhadamard変換後の絶対変換差和(sum of absolute transformed difference、SATD)で示し、R(rate)は、現在の技術での符号化に必要なビットbit数を示す。Rは、データ圧縮の程度を表し、Rが低いほど、データ圧縮程度が高く、歪みがより大きい。Rが大きいほど、歪みが小さいが、より大きなメモリ空間が求められるので、ネットワーク伝送の圧力を増やし、従って、RとDにおいてバランス点を探し出して圧縮効果を最適化する必要がある。従って、ラグランジュ形式を採用してRとDのRD costにおける比重を評価し、ラグランジュ乗数でAとRを掛け合わせ、ビット数のこのRD costでの重みを評価することに用いられ、それは、一つのビットレートにより生じる符号化歪みを減らすことを示す。
【0138】
ゼロにするか否かの判断の後、ゼロにするフィルタリング係数組は符号化されないので、フィルタリング係数を符号化するbit数を減らすことができ、符号化の圧縮効率を高める。
【0139】
S313、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式において、特定マージ組み合わせ方式を確定し、前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない複数組の特定マージフィルタリング係数を得る。
【0140】
上述の説明から以下のことがわかる。各タイプのマージ組み合わせ方式で、RD costにより最適なゼロにする組み合わせ方式、及びそのRD cost値を計算して得て、Vタイプのマージ組み合わせ方式の最適なゼロにする組み合わせ方式のRD cost値を比較し、最小のRD costに対応するマージ組み合わせ方式を最適な特定マージ組み合わせ方式と確定し、この特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない複数組の特定マージフィルタリング係数を得る。
【0141】
マージ組み合わせ方式で、マージフィルタリング係数の組数は、初期フィルタリング係数の組数よりも小さく、フィルタリング係数の符号化bit数が大幅に減少し、符号化圧縮効率をさらに高める。
【0142】
選択可能には、本出願の実施例において、前記複数組の特定マージフィルタリング係数は、ループ内フィルタリングの方法400、及びループ内フィルタリングの方法500における複数組のフィルタリング係数である。選択可能には、前記複数組の特定マージフィルタリング係数の符号化方式を選択せず、直接、非差分符号化方式を採用してこの複数組の特定マージフィルタリング係数を符号化する。
【0143】
選択可能には、この複数組の特定マージフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数に対応する画素タイプを識別する。
【0144】
例えば、RD cost計算の後、7組のマージフィルタリング係数を確定し、かつ1~5番目タイプの画素は、第1組マージフィルタリング係数に対応し、6~9番目タイプの画素は、第2組フィルタリング係数に対応し、10番目タイプの画素は、第3組フィルタリング係数に対応し、11~14番目タイプの画素は、第4組フィルタリング係数に対応し、15~21番目タイプの画素は、第5組フィルタリング係数に対応し、22~23番目タイプの画素は、第6組フィルタリング係数に対応し、24~25番目タイプの画素は、第7組フィルタリング係数に対応する。符号化過程において、25タイプの画素に対応するフィルタリング係数組を[1、1、1、1、1、2、2、2、2、3、4、4、4、4、5、5、5、5、5、5、5、6、6、7、7]に符号化できる。
【0145】
選択可能には、この特定マージ組み合わせ方式での複数組のマージフィルタリング係数にゼロにするマージフィルタリング係数組があるか否かを識別し、ある場合、複数組のマージフィルタリング係数における各組のマージフィルタリング係数をゼロにするか否かをさらに識別する。
【0146】
例えば、RD cost計算の後、7組のマージフィルタリング係数を確定し、ここで、第1組、及び第2組フィルタリング係数をゼロにし、その他の5組のフィルタリング係数をゼロにせず、ゼロにするマージフィルタリング係数組があるか否かを識別するシンタックス要素を1に符号化し、各組のマージフィルタリング係数をゼロにするか否かを識別するシンタックス要素を[1、1、0、0、0、0、0]に符号化する。
【0147】
また、例えば、7組のフィルタリング係数にRD cost計算した後、最終的に7組のフィルタリング係数をいずれもゼロにしないことを確定する場合、ゼロにするフィルタリング係数組があるか否かを識別するシンタックス要素を0に符号化し、各組のフィルタリング係数にゼロにするか否かを識別するシンタックス要素を符号化しない。
【0148】
本出願の実施例における技術的解決手段において、差分符号化方式及び非差分符号化方式を含む複数タイプの符号化方式において符号化方式を選択する必要がないので、非差分符号化方式及び差分符号化の2種類の符号化方式に基づいて、複数組のマージフィルタリング係数にRD costを計算する必要がなく、従って、最小RD costの特定マージ組み合わせ方式を計算して得る時間が大幅に縮小される。
【0149】
これとともに、RD costを計算するとき、符号化方式を識別するためのマーカービットを減らすので、画像符号化フレームに必要なビット数に複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示するシンタックス要素のビット数が含まれず、例えば、複数組のフィルタリング係数を符号化する符号化方式が差分符号化方式であるか、又は非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビット数が含まれない。選択可能には、この複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示するシンタックス要素のビット数は、少なくとも1である。
【0150】
上述より、非線形ALFフィルタリング過程において、複数組の初期フィルタリング係数にマージの判断をするとき、RD costに基づいて、マージフィルタリング係数に対応する修正パラメータを計算して得て、かつ修正パラメータに対応する修正(clip)インデックスパラメータを符号化してビットストリームへ書き込む必要があり、前記clipインデックスパラメータは、0~3の間の整数である。
【0151】
現在のVVC標準の参照ソフトウェアVTMにおいては、指数ゴロム符号化方式を採用してclipインデックスパラメータを符号化してビットストリームへ書き込み、指数ゴロム次数の複雑な計算をする必要があり、かつ符号化に必要なビット数が多く、符号化効率に影響する。
【0152】
上述の課題を解決するために、
図9は、本出願の他の実施例のループ内フィルタリングの方法400の概略的フローチャートを示す。この方式400は、符号化側により実行できる。例えば、
図1に示すシステム100により符号化操作するときに実行できる。
【0153】
S410、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定する。
【0154】
本出願の実施例において、前記ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータは、非線形ループ内フィルタリングにおいてのclip操作における修正(clip)パラメータに対応する修正インデックスパラメータである。符号化過程において、修正パラメータに対応する修正インデックスパラメータを符号化してビットストリームへ書き込む必要がある。具体的な非線形ループ内フィルタリング過程は、前述の具体的な手段を参照でき、ここでは説明しない。
【0155】
本出願の実施例において、修正インデックスパラメータの数は、修正パラメータの数に等しいので、修正パラメータがN個の場合、異なる修正インデックスパラメータは、異なる修正パラメータを識別して区分できればよく、修正インデックスパラメータの値範囲は、0~N-1の間の整数を含むがこれに限定されず、その数値範囲を本出願の実施例は、限定しないことを理解するものとする。
【0156】
さらに、本出願の実施例において、前記修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータのみであってよく、符号化フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータのみであってよく、さらに、符号化フレーム輝度成分、及び符号化フレーム色度成分の共有の修正インデックスパラメータであってもよいことを理解するものとする。
【0157】
例えば、前述のように、VVC標準において、符号化フレーム輝度成分について、輝度修正パラメータは、{1024、181、32、6}のうちから一つ選択され、符号化フレーム色度成分について、色度修正パラメータは、{1024、161、25、4}のうちから一つ選択され、このとき、符号化フレーム輝度成分、及び符号化フレーム色度成分はいずれもその修正パラメータに対応する修正インデックスを符号化してビットストリームへ書き込む必要がある。
【0158】
上述の状況を除き、選択可能には、符号化フレーム輝度成分の輝度修正パラメータ、及び符号化フレーム色度成分の色度修正パラメータは同じである。選択可能には、前記符号化フレーム輝度成分の輝度修正パラメータ、及び符号化フレーム色度成分の色度修正パラメータの集合はいずれも{1024、181、32、6}であり、又はいずれも{1024、161、25、4}である。
【0159】
選択可能には、符号化フレーム輝度成分の輝度修正パラメータ、及び符号化フレーム色度成分の色度修正パラメータは、同一パラメータリストから選択されるパラメータである。選択可能には、前記パラメータリストは、1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む。又は、選択可能には、前記パラメータリストは、1024、161、25、4のうちの少なくとも一つの数値を含む。
【0160】
選択可能には、符号化フレーム輝度成分、及び符号化フレーム色度成分の修正パラメータは、いずれも{1024、181、32、6}のうちから一つ選択され、又はいずれも{1024、181、32}のうちから一つ選択され、特に、同一修正インデックスパラメータは、同一修正パラメータに対応し、つまり符号化フレーム輝度成分の修正インデックスパラメータが符号化フレーム色度成分の修正インデックスパラメータと同じであるとき、対応して、符号化フレーム輝度成分の修正パラメータは、符号化フレーム色度成分の修正パラメータと同じである。
【0161】
例えば、輝度修正インデックスパラメータと色度修正インデックスパラメータが1であるとき、符号化フレーム輝度成分の修正パラメータと符号化フレーム色度成分の修正パラメータはいずれも181である。輝度修正インデックスパラメータと色度修正インデックスパラメータが2であるとき、符号化フレーム輝度成分の修正パラメータと符号化フレーム色度成分の修正パラメータはいずれも32である。
【0162】
この方式を採用すると、色度成分、及び輝度成分の修正パラメータの設計を統一でき、コーダデコーダ設計の複雑さを低下させ、符号化性能を高める。
【0163】
S420、非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する。
【0164】
指数ゴロム符号化方式は、一定規則でコードワードを構築する可変長符号化モードであり、それはすべての数字を同じサイズの異なる組に分け、符号値が小さい組に割り付けられる符号長は短く、同一組における符号長は基本的に等しく、しかも組のサイズは指数増加を呈する。かつ指数ゴロム符号化方式は、K次数まで拡張でき、つまりK次数の指数ゴロム符号化方式である。下表は、K次数の指数ゴロム符号化の概略表であり、ここで、xは、符号化対象数値である。
【0165】
【0166】
表1に示すように、小さな数値について、符号化対象数値が増えるにつれて、指数ゴロム符号化のビット数はそれに伴い増え、かつ増大が顕著であるので、指数ゴロム符号化方式は、小さな数値の符号化には適用されず、固定長符号化など非指数ゴロム符号化方式と比較して、それが必要とする符号化ビットが多く、かつ符号化復号部分において次数の計算がさらに必要であり、計算が複雑で、符号化効率の向上に不利である。
【0167】
従って、本出願の実施例において、非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化し、かつ符号化後のパラメータをビットストリームへ書き込み、指数ゴロム符号化方式の次数判断を採用することを回避し、符号化の複雑さを低下させ、かつ符号化側のRD costの計算速度を速める。
【0168】
選択可能には、前記非指数ゴロム符号化方式は、固定長符号化方式、ユーナリ(Unary)符号化方式、又はトランケーテッド・ユーナリ(Truncated Unary、TU)符号化方式を含むがこれらに限定されない。
【0169】
以下ではVVC標準において、修正インデックスパラメータ、及び対応する修正インデックスパラメータの数がいずれも4であることを例として説明する。
【0170】
修正インデックスパラメータは、4つの数値を採用でき、異なる修正パラメータを区分するためのものである。
【0171】
選択可能には、この4つの数値はいずれか4つの異なる数値であり、好適には、この4つの数値の範囲は小さく、0~3、1~4、-1~2、-2~1、又は-3~0のうちのいずれか一つを含むがこれに限定されない。
【0172】
可能な実施形態において、固定長符号化方式を採用して4つの数を符号化区分する。
【0173】
例えば、2ビットの固定長符号を採用して0、1、2、3のこの4つの数を符号化し、0は00に符号化され、1は01に符号化され、2は10に符号化され、3は11に符号化される。
【0174】
符号化後の00、01、10、11は、4つの数値を区分するためのものであり、00、01、10、11は、さらにその他の数値を識別でき、例えば、00はさらに1、2又は3の符号化であってよく、01も0、2又は3の符号化であってよいなどであり、本出願の実施例は、これを限定しない。
【0175】
選択可能には、上述の2ビットの固定長符号を採用して0、1、2、3のこの4つの数を符号化するほかに、さらに3ビット又はその他の数のビットの固定長符号を採用してその他の4つの数値を符号化できる。例えば、3ビットの固定長符号を採用して1~4を符号化するなどであり、本出願の実施例は、これを限定しない。
【0176】
他の可能な実施形態において、ユーナリ符号化方式を採用して4つの数を符号化区分する。
【0177】
選択可能には、ユーナリ符号化方式を採用して0、1、2、3のこの4つの数を符号化し、非二進法の符号なし整数値符号x≧0について、ユーナリコードワードは、x個の「1」ビットに一つの末尾の「0」ビットを加えて構成される。例えば、ユーナリ符号化方式を採用して0、1、2、3のこの4つの数を符号化して0、10、110、1110を得る。
【0178】
他の可能な実施形態において、トランケーテッド・ユーナリ符号化方式を採用して4つの数を符号化して区分する。
【0179】
選択可能には、トランケーテッド・ユーナリ符号化方式を採用して0、1、2、3のこの4つの数を符号化し、カットオフ値Sは既知であり、非二進法の符号なし整数値符号0≦x<Sについて、トランケーテッド・ユーナリで二値化する。非二進法の符号なし整数値符号x=Sに等しいとき、その二値化結果はすべて1から構成され、長さはSである。例えば、カットオフ値S=3のとき、トランケーテッド・ユーナリ符号化方式を採用して0、1、2、3のこの4つの数を符号化して0、10、110、111を得る。
【0180】
特に、修正パラメータが1024、181、32、6のうちから一つ選択されるとき、4つのインデックスパラメータはそれぞれ1024、181、32、6のうちの一つの数に対応する。選択可能には、4つのインデックスパラメータは、一定の順序に従って、対応する識別を行うことができ、例えば、インデックスパラメータ0は、1024に対応し、インデックスパラメータ1は、181に対応し、インデックスパラメータ2は、32に対応し、インデックスパラメータ3は、6に対応する。又は、インデックスパラメータ3は、1024に対応し、インデックスパラメータ2は、181に対応し、インデックスパラメータ1は、32に対応し、インデックスパラメータ0は、6に対応する。
【0181】
選択可能には、4つのインデックスパラメータは、一定の順序に従わずに識別でき、ランダムに対応する識別を行うことができ、例えば、インデックスパラメータ0は、1024に対応し、インデックスパラメータ2は、181に対応し、インデックスパラメータ1は、32に対応し、インデックスパラメータ3は、6に対応する。又は、インデックスパラメータ2は、1024に対応し、インデックスパラメータ3は、181に対応し、インデックスパラメータ0は、32に対応し、インデックスパラメータ1は、6に対応するなどであり、本出願の実施例は、これを限定しない。
【0182】
修正パラメータが1024、161、25、4のうちから一つ選択されるとき、4つのインデックスパラメータはそれぞれ1024、161、25、4のうちの一つの数に対応し、その識別対応方式は、上述の識別方式を参照でき、ここでは説明しないことを理解するものとする。
【0183】
さらに、その他の動画標準又は技術的解決手段において、ループ内フィルタリングの修正パラメータの数はNであり、修正インデックスパラメータは、N個の数値を採用して異なる修正パラメータを区分するためのものであり、固定長符号化方式、ユーナリ符号化方式、トランケーテッド・ユーナリ符号化方式のうちのいずれか一つを採用してこのN個の数値を符号化して区分できることを理解するものとする。このN個の数値の符号化方式、及びこのN個の数値と修正パラメータとの対応関係は、上述VVC標準を参照でき、4つの数値の符号化方式、及び修正パラメータとの対応関係は、ここでは説明しない。
【0184】
選択可能には、可能な実施形態において、前記固定長符号化方式、ユーナリ符号化方式、又はトランケーテッド・ユーナリ符号化方式などの非指数ゴロム符号化方式の符号化ビット数は4以下である。非指数ゴロム符号化方式のビット数が指数ゴロム符号化方式のビット数よりも小さいとき、符号化復号の符号化効率を高め、符号化速度を加速できる。
【0185】
選択可能には、
図10に示すように、本出願の実施例において、ステップS410においてループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定することは、以下を含む。
【0186】
S411、非指数ゴロム符号化方式に基づいて、RD cost計算を行ってループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定する。
【0187】
具体的に、非指数ゴロム符号化方式に基づいて、RD cost計算を行ってループ内フィルタリングの各フィルタリング係数に対応する修正パラメータ、及びその対応する修正インデックスパラメータを確定する。
【0188】
前述のように、非線形ループ内フィルタリングにおいて、各フィルタリング係数は、一つの修正パラメータに対応する。係数マージ決定過程において、N組のフィルタリング係数について異なる方式のマージ組み合わせ、及び初期判断を行い、合計でVタイプのマージ組み合わせ方式を得て、ウィナーフィルタリング原理に基づいて、Vタイプのマージ組み合わせ方式における複数組のマージフィルタリング係数を計算し直して得る。選択可能には、Nは、25以下の正の整数である。
【0189】
本出願の実施例において、再計算して得られるVタイプのマージ組み合わせ方式での複数組のマージフィルタリング係数に基づき、RD costに基づいて、複数組のマージフィルタリング係数における各フィルタリング係数に対応する修正パラメータを計算して得る。RD cost計算過程において、修正パラメータに対応する修正インデックスパラメータの符号化方式は、非指数ゴロム符号化方式であり、例えば、固定長符号化方式などである。
【0190】
RD cost計算過程において、非指数ゴロム符号化方式に基づいて計算するビット数は、指数ゴロム符号化方式に基づいて計算するビット数よりも少なく、かつ指数ゴロムの次数判断が不要であり、RD costの計算時間を低下させ、符号化効率の向上に有利である。
【0191】
選択可能には、
図11に示すように、本出願の実施例において、ループ内フィルタリングの方法500は、以下を含む。
S510、ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定する。
S520、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定する。
S530、非差分符号化方式を採用して複数組のフィルタリング係数を符号化する。
S540、非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する。
【0192】
選択可能には、ステップS510は、前述のループ内フィルタリングの方法200、及びループ内フィルタリングの方法300におけるステップS210、ステップS310と同じ又は近似できる。ステップS520は、前述のステップS220、ステップ330と同じ又は近似できる。選択可能には、ステップS530、及びステップS540は、前述のループ内フィルタリングの方法400におけるステップS410、及びステップS420と同じ又は近似できる。具体的な実施形態は、前述の技術的解決手段を参照でき、ここでは説明しない。
【0193】
本出願の実施例において、ループ内フィルタリングにおける複数組のフィルタリング係数の符号化方式、及び修正インデックスパラメータの符号化方式を最適化し、符号化品質に影響しない前提で、両面から符号化効率を高め、符号化速度を加速させる。
【0194】
以上のように、符号化側の角度から本出願の実施例の技術的解決手段を説明した。次に、復号側の角度から本出願の実施例の技術的解決手段を説明する。以下の説明のほかに、符号化側、及び復号側に汎用される説明は、前述の説明を参照でき、簡略化のため、ここでは説明しないことを理解するものとする。
【0195】
図12は、本出願の実施例のループ内フィルタリングの方法の600の概略的フローチャートを示す。この方式600は、復号側により実行できる。例えば、
図1に示すシステム100により、復号操作するときに実行できる。
【0196】
S610、ループ内フィルタリングのビットストリームを取得する。
【0197】
S620、前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数の組数を指示する指示情報を復号し、フィルタリング係数が複数組であることを確定する。
【0198】
本出願の実施例において、復号フレームにおける画素は複数タイプに分割され、1タイプの画素は1組のフィルタリング係数に対応し、このため、ループ内フィルタリングのビットストリームにおいてフィルタリング係数を指示する指示情報を含み、例えば、VVC標準の参照ソフトウェアVTMにおいて、MAX_NUM_ALF_CLASSESの指示情報を復号し、ループ内フィルタリングにおけるフィルタリング係数の組数を得て、組数が1よりも大きいとき、つまりフィルタリング係数は複数組であると確定するとき、ステップS630を実行する。
【0199】
S630、非差分符号化方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号して複数組のフィルタリング係数を得る。
【0200】
具体的に、符号化側は、直接、非差分符号化方式を採用して符号化するので、対応して、復号側は、非差分復号方式を採用してフィルタリング係数のビットストリームを直接、復号し、得られる複数組のフィルタリング係数は、その他の計算処理が不要であり、直接、フィルタリング操作に用いることができる。一方、差分復号方式を採用して復号すると、得られる復号値をさらに計算処理しなければフィルタリング用の複数組フィルタリング係数を得られず、かつ複数組のフィルタリング係数の間の依存性が強く、データ伝送過程においてエラーが生じると、復号側の複数組のフィルタリング係数へ大きく影響し、フィルタリング効果と画像品質に不利である。従って、差分復号方式を採用することと比較して、非差分復号方式を採用してフィルタリング係数のビットストリームをフィルタリングすることは、復号側のループ内フィルタリング画像の品質を高めることができる。
【0201】
選択可能には、前記非差分復号方式は、指数ゴロム復号方式、固定長復号方式、ユーナリ復号方式などを含む。
【0202】
選択可能には、本出願の実施例において、指数ゴロム復号方式を採用して複数組のフィルタリング係数を復号する。
【0203】
選択可能には、前記非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号する前に、前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を復号しない。
【0204】
可能な実施形態において、前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれるが、このシンタックス要素のビットストリームを復号しない。
【0205】
他の可能な実施形態において、前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を指示するシンタックス要素のビットストリームがまったく含まれない。
【0206】
この実施形態において、選択可能には、前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が差分符号化方式であるか、又は非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない。
【0207】
例えば、VVC標準においては、「alf_luma_coeff_delta_prediction_flag」シンタックスマーカービットを採用して画像フレーム輝度成分におけるループ内フィルタリングALFのフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化であるか、又は非差分符号化であることを識別する。このシンタックスマーカービットは、一つの符号なし整数であり、一つのbitを占める。
【0208】
本出願の実施例において、ビットストリームにはこの「alf_luma_coeff_delta_prediction_flag」シンタックス要素のビットストリームが含まれず、このシンタックス要素のビットストリームを復号する必要がなく、復号時間を減らす。
【0209】
本出願の実施例におけるフィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を指示するシンタックス要素のビットストリームは、復号フレーム輝度成分のシンタックス要素のビットストリームであってよく、復号フレーム色度成分のシンタックス要素のビットストリームであってもよいことを理解するものとする。本出願の実施例は、これを限定しない。
【0210】
さらに、本出願の実施例は、VVC以外のその他のループ内フィルタリングALFの符号化標準又は符号化技術的解決手段にも使用できることを理解するものとし、本出願の実施例はこれについても限定しない。
【0211】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数は、前述の符号化側におけるループ内フィルタリングの方法200、及びループ内フィルタリングの方法における複数組のフィルタリング係数に対応し、ここでは説明しない。
【0212】
選択可能には、
図13は、本出願の他の実施例の復号側のループ内フィルタリングの方法700の概略的フローチャートを提示し、前記ループ内フィルタリングの方法700は、非線形ループ内フィルタリングの方法である。
【0213】
前記ループ内フィルタリングの方法700は、以下を含む。
S710、ループ内フィルタリングのビットストリームを取得する。
S720、非指数ゴロム復号方式を採用して前記ビットストリームにおける修正インデックスパラメータのビットストリームを復号し、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを得る。
【0214】
本出願の実施例において、前記ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータは、非線形ループ内フィルタリングにおいての修正clip操作における修正(clip)パラメータに対応する修正インデックスパラメータである。
【0215】
選択可能には、本出願の実施例において、復号して得られる前記修正インデックスパラメータは、前述の符号化側のループ内フィルタリングの方法400における修正インデックスパラメータを参照でき、ここでは詳細に説明しない。
【0216】
本出願の実施例において、修正インデックスパラメータの数は、修正パラメータの数に等しいので、修正パラメータがN個の場合、復号して得られる修正インデックスパラメータもN個であり、修正インデックスパラメータの値範囲は、0~N-1の間の整数を含むがこれに限定されず、その数値範囲を本出願の実施例は、限定しないことを理解するものとする。
【0217】
さらに、本出願の実施例において、復号して得られる前記修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータのみであってよく、復号フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータのみであってよく、さらに、復号フレーム輝度成分、及び復号フレーム色度成分の共有の修正インデックスパラメータであってもよいことを理解するものとする。
【0218】
例えば、VVC標準において、復号フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータのビットストリームを復号して得られる対応する輝度修正パラメータは、{1024、181、32、6}のうちの一つであり、復号フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータのビットストリームを復号して得られる対応する色度修正パラメータは、{1024、161、25、4}のうちの一つである。
【0219】
上述の状況を除き、選択可能には、復号フレーム輝度成分の輝度修正パラメータ、及び復号フレーム色度成分の色度修正パラメータは同じである。選択可能には、前記復号フレーム輝度成分の輝度修正パラメータ、及び復号フレーム色度成分の色度修正パラメータの集合はいずれも{1024、181、32、6}であり、又はいずれも{1024、161、25、4}である。
【0220】
選択可能には、復号フレーム輝度成分の輝度修正パラメータ、及び復号フレーム色度成分の色度修正パラメータは、同一パラメータリストにおけるパラメータである。選択可能には、前記パラメータリストは、1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含むことができる。又は、選択可能には、前記パラメータリストは、1024、161、25、4のうちの少なくとも一つの数値をさらに含むことができる。
【0221】
選択可能には、復号フレーム輝度成分、及び復号フレーム色度成分の修正パラメータは、いずれも{1024、181、32、6}のうちの一つであってよく、又はいずれも{1024、181、32}のうちの一つであってよく、特に、復号して得られる復号フレーム輝度成分の修正インデックスパラメータが復号フレーム色度成分の修正インデックスパラメータと同じであるとき、対応して、復号フレーム輝度成分の修正パラメータは、復号フレーム色度成分の修正パラメータと同じである。
【0222】
例えば、復号して得られる輝度修正インデックスパラメータと色度修正インデックスパラメータが1であるとき、符号化フレーム輝度成分の修正パラメータと符号化フレーム色度成分の修正パラメータはいずれも181である。復号して得られる輝度修正インデックスパラメータと色度修正インデックスパラメータが2であるとき、符号化フレーム輝度成分の修正パラメータと符号化フレーム色度成分の修正パラメータはいずれも32である。
【0223】
この方式を採用して復号すると、復号プロセスを簡略化し、復号速度を加速させ、復号性能を高めることができる。
【0224】
本出願の実施例において、非指数ゴロム復号方式を採用して復号し、復号側の指数ゴロム次数に対する計算を回避し、復号の速度を加速させ、復号性能を最適化できる。
【0225】
選択可能には、前記非指数ゴロム復号方式は、固定長復号方式、ユーナリ復号方式、又はトランケーテッド・ユーナリ復号方式を含むがこれらに限定されない。前記固定長復号、ユーナリ復号、及びトランケーテッド・ユーナリ復号は、前述の固定長符号化、ユーナリ符号化、及びトランケーテッド・ユーナリ符号化の逆過程である。
【0226】
具体的に、VVC標準において、修正インデックスパラメータ、及び対応する修正インデックスパラメータの数はいずれも4であることを例として説明する。
【0227】
可能な実施形態において、固定長復号方式を採用して修正インデックスパラメータのビットストリームを復号する。
【0228】
例えば、一つの修正インデックスパラメータに対応する修正インデックスパラメータのビットストリームが2ビットのビットストリームであり、この2ビットのビットストリームは、00、01、10、11のうちの一つであり、00、01、10、11について固定長復号を採用して得られる対応する修正インデックスパラメータは、0、1、2、3である。
【0229】
選択可能には、特定の固定長復号規則に基づいて、00はさらに、1、2又は3に復号でき、01も0、2又は3などに復号でき、本出願の実施例は、これを限定しない。
【0230】
選択可能には、上述の修正インデックスパラメータのビットストリームが2ビットのビットストリームのほか、修正インデックスパラメータのビットストリームはさらに、3ビット又はその他の数のビットでもよく、例えば、3ビットのビットストリームを復号して1~4などを得て、本出願の実施例は、これを限定しない。
【0231】
他の可能な実施形態において、ユーナリ復号方式を採用して修正インデックスパラメータのビットストリームを復号する。
【0232】
選択可能には、一つの修正インデックスパラメータに対応する修正インデックスパラメータのビットストリームが0、10、110、1110のうちの一つであり、0、10、110、1110についてユーナリ復号を採用して得られる対応する修正インデックスパラメータは、0、1、2、3である。
【0233】
他の可能な実施形態において、トランケーテッド・ユーナリ復号方式を採用して修正インデックスパラメータのビットストリームを復号する。
【0234】
選択可能には、一つの修正インデックスパラメータに対応する修正インデックスパラメータのビットストリームが0、10、110、111のうちの一つであり、0、10、110、111についてトランケーテッド・ユーナリ復号を採用して得られる対応する修正インデックスパラメータは、0、1、2、3である。
【0235】
特に、修正パラメータが1024、181、32、6のうちの一つである場合、4つのインデックスパラメータはそれぞれ1024、181、32、6のうちの一つの数に対応する。選択可能には、4つのインデックスパラメータは、一定の順序に従って対応する識別を行うことができ、例えば、インデックスパラメータ0は、1024に対応し、インデックスパラメータ1は、181に対応し、インデックスパラメータ2は、32に対応し、インデックスパラメータ3は、6に対応する。又は、インデックスパラメータ3は、1024に対応し、インデックスパラメータ2は、181に対応し、インデックスパラメータ1は、32に対応し、インデックスパラメータ0は、6に対応する。
【0236】
選択可能には、4つのインデックスパラメータは、一定の順序に従わずに、ランダムに対応する識別を行うことができ、例えば、インデックスパラメータ0は、1024に対応し、インデックスパラメータ2は、181に対応し、インデックスパラメータ1は、32に対応し、インデックスパラメータ3は、6に対応する。又は、インデックスパラメータ2は、1024に対応し、インデックスパラメータ3は、181に対応し、インデックスパラメータ0は、32に対応し、インデックスパラメータ1は、6に対応するなどであり、本出願の実施例は、これを限定しない。
【0237】
修正パラメータが1024、161、25、4のうちの一つである場合、4つのインデックスパラメータはそれぞれ1024、161、25、4のうちの一つの数に対応し、その識別対応方式は、上述の識別方式を参照でき、ここでは説明しないことを理解するものとする。
【0238】
さらに、その他の動画標準又は技術的解決手段において、修正インデックスパラメータに対応する修正インデックスパラメータのビットストリームを復号してN個の数値のうちの一つを得て、固定長復号方式、ユーナリ復号方式、トランケーテッド・ユーナリ復号方式のうちのいずれか一つを採用してこの修正インデックスパラメータのビットストリームを復号できることを理解するものとする。このN個の数値の復号方式、及びこのN個の数値と修正パラメータとの対応関係は、上述のVVC標準を参照でき、4つの数値の復号方式、及び修正パラメータとの対応関係は、ここでは説明しない。
【0239】
選択可能には、可能な実施形態において、前記固定長復号方式、ユーナリ復号方式、又はトランケーテッド・ユーナリ復号などの非指数ゴロム復号方式の復号ビット数は4以下である。非指数ゴロム復号方式のビット数が指数ゴロム復号方式のビット数よりも小さいとき、符号化復号の復号効率を高め、復号速度を加速できる。
【0240】
選択可能には、
図14は、本出願の他の実施例の復号側のループ内フィルタリングの方法800の概略的フローチャートを示す。
【0241】
図14に示すように、本出願の実施例において、ループ内フィルタリングの方法800は、以下を含む。
S810、ループ内フィルタリングのビットストリームを取得する。
S820、前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数の組数を指示する指示情報を復号し、フィルタリング係数が複数組であることを確定する。
S830、非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号して複数組のフィルタリング係数を得る。
S840、非指数ゴロム復号方式を採用して前記ビットストリームにおける修正インデックスパラメータのビットストリームを復号し、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを得る。
【0242】
選択可能には、ステップS810、ステップS820、及びステップS830は、前述のループ内フィルタリングの方法600のステップS610、ステップS620、及びステップ630と同じ又は近似できる。ステップS840は、前述のループ内フィルタリングの方法700におけるステップS720と同じ又は近似できる。具体的な実施形態は、前述の技術的解決手段を参照でき、ここでは説明しない。
【0243】
本出願の実施例において、ループ内フィルタリングにおける複数組のフィルタリング係数の復号方式、及び修正インデックスパラメータの復号方式を最適化し、両面から復号効率を高め、復号速度を加速させる。
【0244】
上述は
図6~
図11を参照して、本出願の符号化側のループ内フィルタリングの方法の実施例を詳細に説明したが、以下では
図15~
図16を参照して、本出願の符号化ループ内フィルタリングの装置の実施例を詳細に説明する。装置の実施例は、方法の実施例に互いに対応し、類似する説明は、方法の実施例を参照できることを理解するものとする。
【0245】
図15は、本出願の実施例の符号化側のループ内フィルタリングの装置20の概略的ブロック図である。選択可能には、このループ内フィルタリングの装置20は、ループ内フィルタリングの方法200又は300に対応できる。選択可能には、このループ内フィルタリングの装置20は、さらに、ループ内フィルタリングの方法200と400を結合したループ内フィルタリングの方法に対応でき、又は、ループ内フィルタリングの方法300と400を結合したループ内フィルタリングの方法に対応でき、又は、ループ内フィルタリングの方法500に対応できる。
【0246】
図15に記載したように、前記ループ内フィルタリングの装置20は、プロセッサ21及びメモリ22を有し、
メモリ22は、プログラムを記憶することに用いることができ、プロセッサ21は、前記メモリに記憶されたプログラムを実行することに用いることができ、
ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定し、非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化する操作を実行する。
【0247】
選択可能には、本出願の実施例において、前記プロセッサ21は、ループ内フィルタリングの装置20がある電子デバイスのプロセッサ又はコントローラであってよい。
【0248】
選択可能には、前記プロセッサ21は、具体的に、前記非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化する前に、前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないためのものである。
【0249】
選択可能には、前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示するシンタックス要素が含まれない。
【0250】
選択可能には、前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素が含まれない。
【0251】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のマーカービットは、0又は1である。
【0252】
選択可能には、前記プロセッサ21は、具体的に、前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、かつ最小レート歪みコストに基づいて前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないためのものである。
【0253】
選択可能には、前記プロセッサ21は、具体的に、差分符号化方式及び前記非差分符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、かつ最小レート歪みコストに基づいて前記差分符号化方式又は前記非差分符号化方式を選択しないためのものである。
【0254】
選択可能には、前記プロセッサ21は、具体的に、前記指数ゴロム符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化した後、前記複数組のフィルタリング係数の符号化値をビットストリームへ書き込むためのものである。
【0255】
選択可能には、前記プロセッサ21は、具体的に、複数タイプのマージ組み合わせ方式を採用して複数組の初期フィルタリング係数におけるフィルタリング係数をマージし、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式での複数組のマージフィルタリング係数を計算して得て、
前記複数組のマージフィルタリング係数におけるフィルタリング係数をゼロにするか否かを判断し、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式でのゼロにしない複数組のマージフィルタリング係数を得て、
前記複数タイプのマージ組み合わせ方式において、特定マージ組み合わせ方式を確定し、前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を得るためのものである。
【0256】
選択可能には、前記プロセッサ21は、具体的に、異なる選択方式を採用して前記複数組のマージフィルタリング係数からマージフィルタリング係数を選択してゼロにし、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせを得て、
前記非差分符号化方式に基づいて、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでの符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小のゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでのゼロにしない複数組のフィルタリング係数を確定して得るためのものである。
【0257】
選択可能には、前記プロセッサ21は、具体的に、前記非差分符号化方式に基づいて、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式での符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小の前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を確定して得るためのものである。
【0258】
選択可能には、前記プロセッサ21は、具体的に、前記符号化フレームの符号化に必要なビット数に基づいて、前記レート歪みコストを計算するためのものであり、前記符号化フレームの符号化に必要なビット数には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビット数が含まれない。
【0259】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数は、符号化フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である。
【0260】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である。
【0261】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数における各組フィルタリング係数は、13の値を含む。
【0262】
選択可能には、前記ループ内フィルタリングは、非線形ループ内フィルタリングであり、前記プロセッサ21は、さらに、
前記非線形ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定し、非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化するためのものである。
【0263】
選択可能には、前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である。
【0264】
選択可能には、前記非指数ゴロム符号化方式の符号化ビット数は4以下である。
【0265】
選択可能には、前記非指数ゴロム符号化方式は、固定長符号化方式、ユーナリ符号化方式、又はトランケーテッド・ユーナリ符号化方式である。
【0266】
選択可能には、前記非指数ゴロム符号化方式は、前記固定長符号化方式であり、前記固定長符号化方式の符号化ビット数は、2である。
【0267】
選択可能には、前記非指数ゴロム符号化方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式の符号化ビット数は、3以下である。
【0268】
選択可能には、前記プロセッサ21は、具体的に、前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、前記非指数ゴロム符号化方式に基づいて、符号化フレームのレート歪みコストを計算するためのものである。
【0269】
選択可能には、前記プロセッサ21は、具体的に、前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、指数ゴロム符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算しないためのものである。
【0270】
選択可能には、前記プロセッサ21は、具体的に、前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化した後、前記修正インデックスパラメータの符号化値をビットストリームへ書き込むためのものである。
【0271】
選択可能には、一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいて、ループ内フィルタリングを行う。
【0272】
選択可能には、前記修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び符号化フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである。
【0273】
選択可能には、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである。
【0274】
選択可能には、前記パラメータリストは、1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む。
【0275】
図16は、本出願の実施例の他の符号化側のループ内フィルタリングの装置30に基づく概略的ブロック図であり、このループ内フィルタリングの装置30は、動画符号化側におけるループ内フィルタリングの装置であり、選択可能には、このループ内フィルタリングの装置20は、ループ内フィルタリングの方法400に対応できる。選択可能には、このループ内フィルタリングの装置30は、さらに、ループ内フィルタリングの方法400と200を結合したループ内フィルタリングの方法に対応でき、又は、ループ内フィルタリングの方法400と300を結合したループ内フィルタリングの方法に対応でき、又は、ループ内フィルタリングの方法500に対応できる。
【0276】
図16に記載したように、前記ループ内フィルタリングの装置30は、プロセッサ31及びメモリ32を有し、
メモリ32は、プログラムを記憶することに用いることができ、プロセッサ31は、前記メモリに記憶されたプログラムを実行することに用いることができ、
ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定し、非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する操作を実行する。
【0277】
選択可能には、前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である。
【0278】
選択可能には、前記非指数ゴロム符号化方式の符号化ビット数は4以下である。
【0279】
選択可能には、前記非指数ゴロム符号化方式は、固定長符号化方式、ユーナリ符号化方式、又はトランケーテッド・ユーナリ符号化方式である。
【0280】
選択可能には、前記非指数ゴロム符号化方式は、前記固定長符号化方式であり、前記固定長符号化方式の符号化ビット数は、2である。
【0281】
選択可能には、前記非指数ゴロム符号化方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式の符号化ビット数は、3以下である。
【0282】
選択可能には、プロセッサ31は、具体的に、前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、前記非指数ゴロム符号化方式に基づいて、符号化フレームのレート歪みコストを計算するためのものである。
【0283】
選択可能には、プロセッサ31は、具体的に、前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、指数ゴロム符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算しないためのものである。
【0284】
選択可能には、プロセッサ31は、具体的に、前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化した後、前記修正インデックスパラメータの符号化値をビットストリームへ書き込むためのものである。
【0285】
選択可能には、プロセッサ31は、さらに、ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定し、
非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化するためのものである。
【0286】
選択可能には、プロセッサ31は、具体的に、前記非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化する前に、前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないためのものである。
【0287】
選択可能には、前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示するシンタックス要素が含まれない。
【0288】
選択可能には、前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素が含まれない。
【0289】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のマーカービットは、0又は1である。
【0290】
選択可能には、プロセッサ31は、具体的に、前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、最小レート歪みコストに基づいて前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないためのものである。
【0291】
選択可能には、プロセッサ31は、具体的に、差分符号化方式及び前記非差分符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、最小レート歪みコストに基づいて前記差分符号化方式、及び前記非差分符号化方式を選択しないためのものである。
【0292】
選択可能には、プロセッサ31は、具体的に、前記指数ゴロム符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化した後、前記複数組のフィルタリング係数の符号化値をビットストリームへ書き込むためのものである。
【0293】
選択可能には、前記プロセッサ31は、具体的に、複数タイプのマージ組み合わせ方式を採用して複数組の初期フィルタリング係数におけるフィルタリング係数をマージし、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式での複数組のマージフィルタリング係数を計算して得て、
前記複数組のマージフィルタリング係数におけるフィルタリング係数をゼロにするか否かを判断し、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式でのゼロにしない複数組のマージフィルタリング係数を得て、
前記複数タイプのマージ組み合わせ方式において、特定マージ組み合わせ方式を確定し、前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を得るためのものである。
【0294】
選択可能には、前記プロセッサ31は、具体的に、異なる選択方式を採用して前記複数組のマージフィルタリング係数からマージフィルタリング係数を選択してゼロにし、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせを得て、
前記非差分符号化方式に基づいて、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでの符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小のゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでのゼロにしない複数組のフィルタリング係数を確定して得るためのものである。
【0295】
選択可能には、前記プロセッサ31は、具体的に、前記非差分符号化方式に基づいて、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式での符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小の前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を確定して得るためのものである。
【0296】
選択可能には、前記プロセッサ31は、具体的に、前記符号化フレームの符号化に必要なビット数に基づいて、前記レート歪みコストを計算するためのものであり、ここで、前記符号化フレームの符号化に必要なビット数には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビット数が含まれない。
【0297】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数は、符号化フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である。
【0298】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である。
【0299】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数は、13の値を含む。
【0300】
選択可能には、一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいて、ループ内フィルタリングを行う。
【0301】
選択可能には、前記ループ内フィルタリングは、非線形ループ内フィルタリングであり、前記修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び符号化フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである。
【0302】
選択可能には、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである。
【0303】
選択可能には、前記パラメータリストは、1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む。
【0304】
上述は
図12~
図14を参照して、本出願の復号側のループ内フィルタリングの方法の実施例を詳細に説明したが、以下では
図17~
図18を参照して、本出願の復号ループ内フィルタリングの装置の実施例を詳細に説明する。装置の実施例は、方法の実施例に互いに対応し、類似する説明は、方法の実施例を参照できることを理解するものとする。
【0305】
図17は、本出願の実施例の復号側のループ内フィルタリングの装置40の概略的ブロック図である。選択可能には、このループ内フィルタリングの装置40は、ループ内フィルタリングの方法600に対応できる。選択可能には、このループ内フィルタリングの装置40は、さらに、ループ内フィルタリングの法600と700を結合したループ内フィルタリングの方法に対応でき、又は、ループ内フィルタリングの方法800に対応できる。
【0306】
図17に記載したように、前記ループ内フィルタリングの装置40は、プロセッサ41及びメモリ42を有し、
メモリ42は、プログラムを記憶することに用いることができ、プロセッサ41は、前記メモリに記憶されたプログラムを実行することに用いることができ、
ループ内フィルタリングのビットストリームを取得し、
前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数の組数を指示する指示情報を復号し、フィルタリング係数が複数組であることを確定し、
非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号して複数組のフィルタリング係数を得る操作を実行する。
【0307】
選択可能には、前記プロセッサ41は、具体的に、前記非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号する前に、前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を復号しないためのものである。
【0308】
選択可能には、前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない。
【0309】
選択可能には、前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない。
【0310】
選択可能には、前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームのマーカービットは、0又は1である。
【0311】
選択可能には、前記非差分復号方式は、指数ゴロム復号方式である。
【0312】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数は、復号フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である。
【0313】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である。
【0314】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数は、13の値を含む。
【0315】
選択可能には、前記ループ内フィルタリングは、非線形ループ内フィルタリングであり、前記プロセッサ41は、さらに、
非指数ゴロム復号方式を採用して前記ビットストリームにおける修正インデックスパラメータのビットストリームを復号し、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを得るためのものである。
【0316】
選択可能には、前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である。
【0317】
選択可能には、前記非指数ゴロム復号方式の復号ビット数は4以下である。
【0318】
選択可能には、前記非指数ゴロム復号方式は、固定長復号方式、ユーナリ復号方式、又はトランケーテッド・ユーナリ復号方式のうちの一つである。
【0319】
選択可能には、前記非指数ゴロム復号方式は、前記固定長復号方式であり、前記固定長復号方式の復号ビット数は、2である。
【0320】
選択可能には、前記非指数ゴロム復号方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式の復号ビット数は、3以下である。
【0321】
選択可能には、一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいて、ループ内フィルタリングを行う。
【0322】
選択可能には、前記修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び復号フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、復号フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである。
【0323】
選択可能には、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである。
【0324】
選択可能には、前記パラメータリストは、1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む。
【0325】
図18は、本出願の実施例の復号側の他のループ内フィルタリングの装置50の概略的ブロック図である。選択可能には、このループ内フィルタリング装置50は、ループ内フィルタリングの方法700に対応できる。選択可能には、このループ内フィルタリングの装置50は、さらに、ループ内フィルタリングの方法700と600を結合したループ内フィルタリングの方法に対応でき、又は、ループ内フィルタリングの方法800に対応できる。
【0326】
図18に記載したように、前記ループ内フィルタリングの装置50は、プロセッサ51及びメモリ52を有し、
メモリ52は、プログラムを記憶することに用いることができ、プロセッサ51は、前記メモリに記憶されたプログラムを実行することに用いることができ、
ループ内フィルタリングのビットストリームを取得し、
非指数ゴロム復号方式を採用して前記ビットストリームにおける修正インデックスパラメータのビットストリームを復号し、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを得る操作を実行する。
【0327】
選択可能には、前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である。
【0328】
選択可能には、前記非指数ゴロム復号方式の復号ビット数は4以下である。
【0329】
選択可能には、前記非指数ゴロム復号方式は、固定長復号方式、ユーナリ復号方式、又はトランケーテッド・ユーナリ復号方式のうちの一つである。
【0330】
選択可能には、前記非指数ゴロム復号方式は、前記固定長復号方式であり、前記固定長復号方式の復号ビット数は、2である。
【0331】
選択可能には、前記非指数ゴロム復号方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式の復号ビット数は、3以下である。
【0332】
選択可能には、前記プロセッサ51は、さらに、前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数の組数を指示する指示情報を復号し、フィルタリング係数が複数組であることを確定し、
非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号して複数組のフィルタリング係数を得るためのものである。
【0333】
選択可能には、前記プロセッサ51は、具体的に、前記非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号する前に、前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を復号しないためのものである。
【0334】
選択可能には、前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない。
【0335】
選択可能には、前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない。
【0336】
選択可能には、前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームのマーカービットは、0又は1である。
【0337】
選択可能には、前記非差分復号方式は、指数ゴロム復号方式である。
【0338】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数は、復号フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である。
【0339】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である。
【0340】
選択可能には、前記複数組のフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数は、13の値を含む。
【0341】
選択可能には、一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいて、ループ内フィルタリングを行う。
【0342】
選択可能には、前記修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び復号フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、復号フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである。
【0343】
選択可能には、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである。
【0344】
選択可能には、前記パラメータリストは、1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む。
【0345】
図19は、本出願の実施例に基づく非線形ループ内フィルタリングの装置60の概略的ブロック図である。このループ内フィルタリングの装置60は、動画符号化装置に用いることができ、動画復号装置に用いることもできる。
【0346】
図19に示すように、前記非線形ループ内フィルタリングの装置60は、プロセッサ61及びメモリ62を有し、
メモリ62は、プログラムを記憶することに用いることができ、プロセッサ61は、前記メモリに記憶されたプログラムを実行することに用いることができ、
画像フレームの輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータ、及び色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータを確定する操作を実行し、
ここで、前記輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである。
【0347】
選択可能には、前記パラメータリストは、1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む。
【0348】
選択可能には、前記プロセッサ61は、具体的に、前記輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び前記色度成分の色度インデックスパラメータを確定し、
前記輝度修正インデックスパラメータに基づいて、前記輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータを確定し、前記色度インデックスパラメータは、前記色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータは、前記輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータと同じであるためのものである。
【0349】
選択可能には、前記画像フレームは符号化フレームであり、前記非線形ループ内フィルタリングの装置60は、動画符号化装置内に設けられ、又は、前記画像フレームは復号フレームであり、前記非線形ループ内フィルタリングの装置60は、動画復号装置内に設けられる。
【0350】
本出願の実施例は、電子デバイスをさらに提供し、この電子デバイスは、上述の本出願の各実施例のループ内フィルタリングの装置を有することができる。
【0351】
本出願の実施例のプロセッサは、集積回路チップであってよく、信号の処理能力を有することを理解するものとする。実現過程において、上述の方法の実施例の各ステップは、プロセッサにおけるハードウェアの集積ロジック回路又はソフトウェア形式のコマンドにより完成されることができる。上述のプロセッサは、以下を含むがこれらに限定されない。汎用プロセッサ、CPU、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、又はその他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート、又はトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントである。本出願の実施例において開示される各方法、ステップ、及び論理ブロック図を実現又は実行できる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってよく、又はこのプロセッサは、いずれかの通常のプロセッサなどであってよい。本出願の実施例に開示される方法のステップを踏まえて、直接、ハードウェアデコーダプロセッサとして体現して実行を完了でき、又はデコーダプロセッサにおけるハードウェア、及びソフトウェアモジュールの組み合わせで実行を完了できる。ソフトウェアモジュールは、ランダムメモリ、フラッシュメモリ、リードオンリメモリ、プログラマブルリードオンリメモリ、又は電気的消去可能プログラマブルメモリ、レジスタなどの当分野で周知の記憶媒体に位置することができる。この記憶媒体は、メモリに位置し、プロセッサは、メモリにおける情報を読み取り、そのハードウェアを結合して上述の方法のステップを完了する。
【0352】
本出願の実施例のメモリは、揮発性メモリ、若しくは不揮発性メモリであってよく、又は揮発性及び不揮発性メモリの両方を含むことができることを理解できる。ここで、不揮発性メモリは、リードオンリメモリ(read-only memory、ROM)、プログラマブルリードオンリメモリ(programmable ROM、PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(erasable PROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(electrically EPROM、EEPROM)、又はフラッシュメモリであってよい。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)であってよく、外部高速バッファメモリとして用いられる。例示的だが限定しない説明により、多くの形態のRAMを用いることができ、例えば、スタティックラム(static RAM、SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic RAM、DRAM)、シンクロナスDRAM(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(double data rate SDRAM、DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(enhanced SDRAM、ESDRAM)、シンクリンクDRAM(synchlink DRAM、SLDRAM)、及びダイレクトラムバスRAM(direct rambus RAM、DR RAM)である。本明細書で説明されるシステム、及び方法のメモリは、これらの、及び任意のその他の適切なタイプのメモリを含むが、それに限定しないことに留意するものとする。
【0353】
本出願の実施例は、コンピュータで読取可能な記憶媒体をさらに提供し、このコンピュータで読み取り可能な記憶媒体は、一つ又は複数のプログラムを記憶し、この一つ又は複数のプログラムは、コマンドを有し、このコマンドは、複数のアプリケーションプログラムを含む携帯型電子デバイスで実行されるとき、この携帯型電子デバイスに
図6~
図14に示す実施例の方法を実行させることができる。
【0354】
本出願の実施例は、コンピュータプログラムをさらに提供し、このコンピュータプログラムはコマンドを有し、このコンピュータプログラムがコンピュータで実行されるとき、コンピュータが
図6~
図14に示す実施例の方法を実行できるようにする。
【0355】
本出願の実施例は、チップをさらに提供し、このチップは、入力出力ポート、少なくとも一つのプロセッサ、少なくとも一つのメモリ、及びバスを有し、この少なくとも一つのメモリは、コマンドを記憶するためのものであり、この少なくとも一つのプロセッサは、少なくとも一つのメモリにおけるコマンドを呼び出すことで、
図6~
図14に示す実施例の方法を実行するためのものである。
【0356】
当業者は、本明細書で開示される実施例により説明される各例示的なユニット、及びアルゴリズムステップを踏まえ、電子ハードウェア又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせにより実現できることを認識できる。これらの機能が最終的にハードウェア又はソフトウェアの方法で実行されるかは、技術的解決手段の特定の応用、及び設計上の制約条件により決定される。当業者は、各特定の応用に異なる方法を使用することで、説明される機能を実現できるが、このような実現は、本出願の範囲を超えると認識されるべきではない。
【0357】
当業者は、説明しやすさ、及び簡素化のために、上記に説明されるシステム、装置、及びユニットの具体的な作動過程が前述の方法の実施例における対応過程を参照できることを明確に理解でき、ここでは説明しない。
【0358】
本出願により提供される複数の実施例において、開示されるシステム、装置、及び方法は、その他の方式により実現できることを理解するものとする。例えば、上記に説明された装置の実施例は、例示的にすぎない。例えば、前記ユニットの区分は、ロジック機能の区分にすぎず、実際に実現する場合には、他の分割方式があってよく、例えば、複数のユニット、若しくはコンポーネントは、結合でき、若しくは他のシステムに集積でき、又はいくつかの特徴は省略でき、若しくは実行しないことができる。また、示された、若しくは検討された互いの間の結合又は直接的な結合又は通信接続は、いくつかのインターフェースによることができ、装置又はユニットの間接的な結合又は通信接続は、電気的であってよく、機械又はその他の形態であってよい。
【0359】
前記分離部材として説明されたユニットは、物理的に分割されてもよく、又は物理的に分割されなくてもよく、ユニットとして表示される部材は、物理ユニットでもよく、又は物理ユニットでなくてもよく、すなわち一つの場所に位置でき、又は複数のネットワークユニットに分布されてもよい。実際の必要に応じて、そのうちの一部又は全部のユニットを選択して本実施例の解決手段の目的を実現できる。
【0360】
このほか、本出願の各実施例における各機能ユニットは、一つの処理ユニットに集積でき、各ユニットが単独で物理的に存在することもでき、二つ又は二つ以上のユニットが一つのユニットに集積されてもよい。
【0361】
前記機能がソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、かつ独立した製品として販売又は使用されるとき、コンピュータで読み取り可能な一つの記憶媒体内に記憶できる。このような理解に基づいて、本出願の技術的解決手段が本質的に、若しくは従来技術に対して寄与する部分又は前記技術的解決手段の一部は、ソフトウェア製品の形式で体現でき、前記コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体内に記憶され、1台のコンピュータ設備(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク設備などであってよい)に本出願の各実施例に記載の方法のすべて又は一部のステップを実行させるための複数のコマンドを有する。一方、前述の記憶媒体は、USBメモリ、ポータブルハードディスク、リードオンリメモリ(read only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクなどの、プログラムコードを記憶可能な各種媒体を含む。
【0362】
以上に述べたのは、本出願の具体的な実施形態に過ぎないが、本出願の保護範囲は、これに限定されるわけではなく、当分野の当業者はいずれも本出願により開示される技術範囲内において、変更又は置き換えを容易に想到でき、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本出願の保護範囲は、前記特許請求の範囲の保護範囲を基準とするものとする。
[項目1]
ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定することと、
非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化することと、を含むループ内フィルタリングの方法。
[項目2]
前記非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化する前に、前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しない項目1に記載の方法。
[項目3]
前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示するシンタックス要素が含まれない項目1又は2に記載の方法。
[項目4]
前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素が含まれない項目3に記載の方法。
[項目5]
前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のマーカービットは、0又は1である項目4に記載の方法。
[項目6]
前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないことは、
前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、かつ最小レート歪みコストに基づいて前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないことを含む項目2~5のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]
差分符号化方式及び前記非差分符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、かつ最小レート歪みコストに基づいて前記差分符号化方式又は前記非差分符号化方式を選択しない項目6に記載の方法。
[項目8]
前記非差分符号化方式は、指数ゴロム符号化方式であり、前記非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化することは、
前記指数ゴロム符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化した後、前記複数組のフィルタリング係数の符号化値をビットストリームへ書き込むことを含む項目1~7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
前記複数組のフィルタリング係数が複数組の特定マージフィルタリング係数であり、前記ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定することは、
複数タイプのマージ組み合わせ方式を採用して複数組の初期フィルタリング係数におけるフィルタリング係数をマージし、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式での複数組のマージフィルタリング係数を計算して得ることと、
前記複数組のマージフィルタリング係数におけるフィルタリング係数をゼロにするか否かを判断し、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式でのゼロにしない複数組のマージフィルタリング係数を得ることと、
前記複数タイプのマージ組み合わせ方式において、特定マージ組み合わせ方式を確定し、前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を得ることと、を含む項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
前記複数組のマージフィルタリング係数におけるフィルタリング係数をゼロにするか否かを判断することは、
異なる選択方式を採用して前記複数組のマージフィルタリング係数からマージフィルタリング係数を選択してゼロにし、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせを得ることと、
前記非差分符号化方式に基づいて、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでの符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小のゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでのゼロにしない複数組のフィルタリング係数を確定して得ることと、を含む項目9に記載の方法。
[項目11]
前記複数タイプのマージ組み合わせ方式において、特定マージ組み合わせ方式を確定し、前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を得ることは、
前記非差分符号化方式に基づいて、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式での符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小の前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を確定して得ることを含む項目9又は10に記載の方法。
[項目12]
前記符号化フレームの符号化に必要なビット数に基づいて、前記レート歪みコストを計算し、ここで、前記符号化フレームの符号化に必要なビット数には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のマーカービットのビット数が含まれない項目10又は11に記載の方法。
[項目13]
前記複数組のフィルタリング係数は、符号化フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である項目1~12のいずれか一項に記載の方法。
[項目14]
前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である項目1~13のいずれか一項に記載の方法。
[項目15]
前記複数組のフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数は、13の値を含む項目1~14のいずれか一項に記載の方法。
[項目16]
前記ループ内フィルタリングは、非線形ループ内フィルタリングであり、前記方法は、
前記非線形ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定することと、
非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化することと、をさらに含む項目1~15のいずれか一項に記載の方法。
[項目17]
前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である項目16に記載の方法。
[項目18]
前記非指数ゴロム符号化方式の符号化ビット数は4以下である項目16又は17に記載の方法。
[項目19]
前記非指数ゴロム符号化方式は、固定長符号化方式、ユーナリ符号化方式、又はトランケーテッド・ユーナリ符号化方式である項目16~18のいずれか一項に記載の方法。
[項目20]
前記非指数ゴロム符号化方式は、前記固定長符号化方式であり、前記固定長符号化方式の符号化ビット数は、2である項目19に記載の方法。
[項目21]
前記非指数ゴロム符号化方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式の符号化ビット数は、3以下である項目19に記載の方法。
[項目22]
前記非線形ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定することは、
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、前記非指数ゴロム符号化方式に基づいて、符号化フレームのレート歪みコストを計算し、前記レート歪みコストに基づいて、前記修正インデックスパラメータを確定することを含む項目16~21のいずれか一項に記載の方法。
[項目23]
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、指数ゴロム符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算しない項目16~22のいずれか一項に記載の方法。
[項目24]
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化した後、前記修正インデックスパラメータの符号化値をビットストリームへ書き込む項目16~23のいずれか一項に記載の方法。
[項目25]
一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
前記方法は、複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいてループ内フィルタリングを行うことをさらに含む、項目16~24のいずれか一項に記載の方法。
[項目26]
前記修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び符号化フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである項目16~25のいずれか一項に記載の方法。
[項目27]
前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである項目26に記載の方法。
[項目28]
前記パラメータリストは、
1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む項目27に記載の方法。
[項目29]
ループ内フィルタリングのビットストリームを取得することと、
前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数の組数を指示する指示情報を復号し、フィルタリング係数が複数組であることを確定することと、
非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号して複数組のフィルタリング係数を得ることと、を含むループ内フィルタリングの方法。
[項目30]
前記非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号する前に、前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を復号しない項目29に記載の方法。
[項目31]
前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない項目29又は30に記載の方法。
[項目32]
前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない項目31に記載の方法。
[項目33]
前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームのマーカービットは、0又は1である項目32に記載の方法。
[項目34]
前記非差分復号方式は、指数ゴロム復号方式である項目29~33のいずれか一項に記載の方法。
[項目35]
前記複数組のフィルタリング係数は、復号フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である項目29~34のいずれか一項に記載の方法。
[項目36]
前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である項目29~35のいずれか一項に記載の方法。
[項目37]
前記複数組のフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数は、13の値を含む項目29~36のいずれか一項に記載の方法。
[項目38]
前記ループ内フィルタリングは、前記非線形ループ内フィルタリングであり、前記方法は、
非指数ゴロム復号方式を採用して前記ビットストリームにおける修正インデックスパラメータのビットストリームを復号し、前記非線形ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを得ることをさらに含む項目29~37のいずれか一項に記載の方法。
[項目39]
前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である項目38に記載の方法。
[項目40]
前記非指数ゴロム復号方式の復号ビット数は4以下である項目38又は39に記載の方法。
[項目41]
前記非指数ゴロム復号方式は、固定長復号方式、ユーナリ復号方式、又はトランケーテッド・ユーナリ復号方式のうちの一つである項目38~40のいずれか一項に記載の方法。
[項目42]
前記非指数ゴロム復号方式は、前記固定長復号方式であり、前記固定長復号方式の復号ビット数は、2である項目41に記載の方法。
[項目43]
前記非指数ゴロム復号方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式の復号ビット数は、3以下である項目41に記載の方法。
[項目44]
一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
前記方法は、複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいて、ループ内フィルタリングを行うことをさらに含む項目38~43のいずれか一項に記載の方法。
[項目45]
前記修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び復号フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、復号フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである項目38~44のいずれか一項に記載の方法。
[項目46]
前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである項目45に記載の方法。
[項目47]
前記パラメータリストは、
1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む項目46に記載の方法。
[項目48]
ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定すること、
非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化することと、を含むループ内フィルタリングの方法。
[項目49]
前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である項目48に記載の方法。
[項目50]
前記非指数ゴロム符号化方式の符号化ビット数は4以下である項目48又は49に記載の方法。
[項目51]
前記非指数ゴロム符号化方式は、固定長符号化方式、ユーナリ符号化方式、又はトランケーテッド・ユーナリ符号化方式である項目48~50のいずれか一項に記載の方法。
[項目52]
前記非指数ゴロム符号化方式は、前記固定長符号化方式であり、前記固定長符号化方式の符号化ビット数は、2である項目51に記載の方法。
[項目53]
前記非指数ゴロム符号化方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式の符号化ビット数は、3以下である項目51に記載の方法。
[項目54]
前記ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定することは、
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、前記非指数ゴロム符号化方式に基づいて、符号化フレームのレート歪みコストを計算し、前記レート歪みコストに基づいて、前記修正インデックスパラメータを確定することを含む項目48~53のいずれか一項に記載の方法。
[項目55]
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、指数ゴロム符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算しない項目48~54のいずれか一項に記載の方法。
[項目56]
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化した後、前記修正インデックスパラメータの符号化値をビットストリームへ書き込む項目48~55のいずれか一項に記載の方法。
[項目57]
前記方法は、
ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定することと、
非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化することと、をさらに含む項目48~56のいずれか一項に記載の方法。
[項目58]
前記非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化する前に、前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しない項目57に記載の方法。
[項目59]
前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示するシンタックス要素が含まれない項目57又は58に記載の方法。
[項目60]
前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素が含まれない項目59に記載の方法。
[項目61]
前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のマーカービットは、0又は1である項目60に記載の方法。
[項目62]
前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないことは、
前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、最小レート歪みコストに基づいて前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないことを含む項目58~61のいずれか一項に記載の方法。
[項目63]
差分符号化方式及び前記非差分符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、最小レート歪みコストに基づいて前記差分符号化方式、及び前記非差分符号化方式を選択しない項目62に記載の方法。
[項目64]
前記非差分符号化方式は、指数ゴロム符号化方式であり、前記非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化することは、
前記指数ゴロム符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化した後、前記複数組のフィルタリング係数の符号化値をビットストリームへ書き込むことを含む項目57~63のいずれか一項に記載の方法。
[項目65]
前記複数組のフィルタリング係数が複数組の特定マージフィルタリング係数であり、前記ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定することは、
複数タイプのマージ組み合わせ方式を採用して複数組の初期フィルタリング係数におけるフィルタリング係数をマージし、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式での複数組のマージフィルタリング係数を計算して得ることと、
前記複数組のマージフィルタリング係数におけるフィルタリング係数をゼロにするか否かを判断し、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式でのゼロにしない複数組のマージフィルタリング係数を得ることと、
前記複数タイプのマージ組み合わせ方式において、特定マージ組み合わせ方式を確定し、前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を得ることと、を含む項目57~64のいずれか一項に記載の方法。
[項目66]
前記複数組のマージフィルタリング係数におけるフィルタリング係数をゼロにするか否かを判断することは、
異なる選択方式を採用して前記複数組のマージフィルタリング係数からマージフィルタリング係数を選択してゼロにし、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせを得ることと、
前記非差分符号化方式に基づいて、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでの符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小のゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでのゼロにしない複数組のフィルタリング係数を確定して得ることと、を含む項目65に記載の方法。
[項目67]
前記複数タイプのマージ組み合わせ方式において、特定マージ組み合わせ方式を確定し、前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を得ることは、
前記非差分符号化方式に基づいて、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式での符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小の前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を確定して得ることを含む項目65又は66に記載の方法。
[項目68]
前記符号化フレームの符号化に必要なビット数に基づいて、前記レート歪みコストを計算し、ここで、前記符号化フレームの符号化に必要なビット数には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビット数が含まれない項目66又は67に記載の方法。
[項目69]
前記複数組のフィルタリング係数は、符号化フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である項目57~68のいずれか一項に記載の方法。
[項目70]
前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である項目57~69のいずれか一項に記載の方法。
[項目71]
前記複数組のフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数は、13の値を含む項目57~70のいずれか一項に記載の方法。
[項目72]
一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
前記方法は、複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいて、ループ内フィルタリングを行うことをさらに含む項目57~71のいずれか一項に記載の方法。
[項目73]
前記ループ内フィルタリングは、非線形ループ内フィルタリングであり、前記修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び符号化フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである項目48~72のいずれか一項に記載の方法。
[項目74]
前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである項目73に記載の方法。
[項目75]
前記パラメータリストは、
1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む項目74に記載の方法。
[項目76]
ループ内フィルタリングのビットストリームを取得することと、
非指数ゴロム復号方式を採用して前記ビットストリームにおける修正インデックスパラメータのビットストリームを復号し、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを得ることと、を含むループ内フィルタリングの方法。
[項目77]
前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である項目76に記載の方法。
[項目78]
前記非指数ゴロム復号方式の復号ビット数は4以下である項目76又は77に記載の方法。
[項目79]
前記非指数ゴロム復号方式は、固定長復号方式、ユーナリ復号方式、又はトランケーテッド・ユーナリ復号方式のうちの一つである項目76~78のいずれか一項に記載の方法。
[項目80]
前記非指数ゴロム復号方式は、前記固定長復号方式であり、前記固定長復号方式の復号ビット数は、2である項目79に記載の方法。
[項目81]
前記非指数ゴロム復号方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式の復号ビット数は、3以下である項目79に記載の方法。
[項目82]
前記方法は、
前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数の組数を指示する指示情報を復号し、フィルタリング係数が複数組であることを確定することと、
非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号して複数組のフィルタリング係数を得ることと、をさらに含む項目76~81のいずれか一項に記載の方法。
[項目83]
前記非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号する前に、前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を復号しない項目82に記載の方法。
[項目84]
前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない項目82又は83に記載の方法。
[項目85]
前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない項目84に記載の方法。
[項目86]
前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームのマーカービットは、0又は1である項目85に記載の方法。
[項目87]
前記非差分復号方式は、指数ゴロム復号方式である項目82~86のいずれか一項に記載の方法。
[項目88]
前記複数組のフィルタリング係数は、復号フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である項目82~87のいずれか一項に記載の方法。
[項目89]
前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である項目82~88のいずれか一項に記載の方法。
[項目90]
前記複数組のフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数は、13の値を含む項目82~89のいずれか一項に記載の方法。
[項目91]
一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
前記方法は、複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいて、ループ内フィルタリングを行うことをさらに含む項目82~90のいずれか一項に記載の方法。
[項目92]
前記修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び復号フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、復号フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである項目76~91のいずれか一項に記載の方法。
[項目93]
前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである項目92に記載の方法。
[項目94]
前記パラメータリストは、
1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む項目93に記載の方法。
[項目95]
画像フレームの輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータ、及び色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータを確定することを含み、
前記輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである非線形ループ内フィルタリングの方法。
[項目96]
前記パラメータリストは、
1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む項目95に記載の方法。
[項目97]
前記画像フレームの輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータ、及び色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータを確定することは、
前記輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び前記色度成分の色度インデックスパラメータを確定することと、
前記輝度修正インデックスパラメータに基づいて、前記輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータを確定し、前記色度インデックスパラメータは、前記色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータに対応することと、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータは、前記輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータと同じであることと、を含む項目95又は96に記載の方法。
[項目98]
前記画像フレームは、符号化フレームであり、前記非線形ループ内フィルタリングの方法は、動画符号化過程におけるフィルタリング方法であり、又は、
前記画像フレームは、復号フレームであり、前記非線形ループ内フィルタリングの方法は、動画復号過程におけるフィルタリング方法である項目95~97のいずれか一項に記載の方法。
[項目99]
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定し、
非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化するためのものであるループ内フィルタリングの装置。
[項目100]
前記プロセッサは、具体的に、
前記非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化する前に、前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないためのものである項目99に記載の装置。
[項目101]
前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示するシンタックス要素が含まれない項目99又は100に記載の装置。
[項目102]
前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素が含まれない項目101に記載の装置。
[項目103]
前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のマーカービットは、0又は1である項目102に記載の装置。
[項目104]
前記プロセッサは、具体的に、
前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、かつ最小レート歪みコストに基づいて前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないためのものである項目100~103のいずれか一項に記載の装置。
[項目105]
前記プロセッサは、具体的に、
差分符号化方式及び前記非差分符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、かつ最小レート歪みコストに基づいて前記差分符号化方式又は前記非差分符号化方式を選択しないためのものである項目104に記載の装置。
[項目106]
前記非差分符号化方式は、指数ゴロム符号化方式であり、前記プロセッサは、具体的に、
前記指数ゴロム符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化した後、前記複数組のフィルタリング係数の符号化値をビットストリームへ書き込むためのものである項目99~105のいずれか一項に記載の装置。
[項目107]
前記複数組のフィルタリング係数は、複数組の特定マージフィルタリング係数であり、前記プロセッサは、具体的に、
複数タイプのマージ組み合わせ方式を採用して複数組の初期フィルタリング係数におけるフィルタリング係数をマージし、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式での複数組のマージフィルタリング係数を計算して得て、
前記複数組のマージフィルタリング係数におけるフィルタリング係数をゼロにするか否かを判断し、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式でのゼロにしない複数組のマージフィルタリング係数を得て、
前記複数タイプのマージ組み合わせ方式において、特定マージ組み合わせ方式を確定し、前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を得るためのものである項目99~106のいずれか一項に記載の装置。
[項目108]
前記プロセッサは、具体的に、
異なる選択方式を採用して前記複数組のマージフィルタリング係数からマージフィルタリング係数を選択してゼロにし、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせを得て、
前記非差分符号化方式に基づいて、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでの符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小のゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでのゼロにしない複数組のフィルタリング係数を確定して得るためのものである項目107に記載の装置。
[項目109]
前記プロセッサは、具体的に、
前記非差分符号化方式に基づいて、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式での符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小の前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を確定して得るためのものである項目107又は108に記載の装置。
[項目110]
前記プロセッサは、具体的に、
前記符号化フレームの符号化に必要なビット数に基づいて、前記レート歪みコストを計算するためのものであり、ここで、前記符号化フレームの符号化に必要なビット数には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のマーカービットのビット数が含まれない項目108又は109に記載の装置。
[項目111]
前記複数組のフィルタリング係数は、符号化フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である項目99~110のいずれか一項に記載の装置。
[項目112]
前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である項目99~111のいずれか一項に記載の装置。
[項目113]
前記複数組のフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数は、13の値を含む項目99~112のいずれか一項に記載の装置。
[項目114]
前記ループ内フィルタリングは、非線形ループ内フィルタリングであり、前記プロセッサは、さらに、
前記非線形ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定し、
非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化するためのものである項目99~113のいずれか一項に記載の装置。
[項目115]
前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である項目114に記載の装置。
[項目116]
前記非指数ゴロム符号化方式の符号化ビット数は4以下である項目114又は115に記載の装置。
[項目117]
前記非指数ゴロム符号化方式は、固定長符号化方式、ユーナリ符号化方式、又はトランケーテッド・ユーナリ符号化方式である項目114~116のいずれか一項に記載の装置。
[項目118]
前記非指数ゴロム符号化方式は、前記固定長符号化方式であり、前記固定長符号化方式の符号化ビット数は、2である項目117に記載の装置。
[項目119]
前記非指数ゴロム符号化方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式の符号化ビット数は、3以下である項目117に記載の装置。
[項目120]
前記プロセッサは、具体的に、
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、前記非指数ゴロム符号化方式に基づいて、符号化フレームのレート歪みコストを計算し、前記レート歪みコストに基づいて、前記修正インデックスパラメータを確定するためのものである項目114~119のいずれか一項に記載の装置。
[項目121]
前記プロセッサは、具体的に、
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、指数ゴロム符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算しないためのものである項目114~120のいずれか一項に記載の装置。
[項目122]
前記プロセッサは、具体的に、
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化した後、前記修正インデックスパラメータの符号化値をビットストリームへ書き込むためのものである項目114~121のいずれか一項に記載の装置。
[項目123]
一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
前記プロセッサは、さらに、複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいて、ループ内フィルタリングを行うためのものである項目114~122のいずれか一項に記載の装置。
[項目124]
前記修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び符号化フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである項目114~123のいずれか一項に記載の装置。
[項目125]
前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである項目124に記載の装置。
[項目126]
前記パラメータリストは、
1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む項目125に記載の装置。
[項目127]
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
ループ内フィルタリングのビットストリームを取得し、
前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数の組数を指示する指示情報を復号し、フィルタリング係数が複数組であることを確定し、
非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号して複数組のフィルタリング係数を得るためのものであるループ内フィルタリングの装置。
[項目128]
前記プロセッサは、具体的に、前記非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号する前に、前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を復号しないためのものである項目127に記載の装置。
[項目129]
前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない項目127又は128に記載の装置。
[項目130]
前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない項目129に記載の装置。
[項目131]
前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームのマーカービットは、0又は1である項目130に記載の装置。
[項目132]
前記非差分復号方式は、指数ゴロム復号方式である項目127~131のいずれか一項に記載の装置。
[項目133]
前記複数組のフィルタリング係数は、復号フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である項目127~132のいずれか一項に記載の装置。
[項目134]
前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である項目127~133のいずれか一項に記載の装置。
[項目135]
前記複数組のフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数は、13の値を含む項目127~134のいずれか一項に記載の装置。
[項目136]
前記ループ内フィルタリングは、非線形ループ内フィルタリングであり、前記プロセッサは、さらに、
非指数ゴロム復号方式を採用して前記ビットストリームにおける修正インデックスパラメータのビットストリームを復号し、前記非線形ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを得るためのものである項目127~135のいずれか一項に記載の装置。
[項目137]
前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である項目136に記載の装置。
[項目138]
前記非指数ゴロム復号方式の復号ビット数は4以下である項目136又は137に記載の装置。
[項目139]
前記非指数ゴロム復号方式は、固定長復号方式、ユーナリ復号方式、又はトランケーテッド・ユーナリ復号方式のうちの一つである項目136~138のいずれか一項に記載の装置。
[項目140]
前記非指数ゴロム復号方式は、前記固定長復号方式であり、前記固定長復号方式の復号ビット数は、2である項目139に記載の装置。
[項目141]
前記非指数ゴロム復号方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式の復号ビット数は、3以下である項目139に記載の装置。
[項目142]
一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
前記プロセッサは、さらに、複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいて、ループ内フィルタリングを行うためのものである項目136~141のいずれか一項に記載の装置。
[項目143]
前記修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び復号フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、復号フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである項目136~142のいずれか一項に記載の装置。
[項目144]
前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである項目143に記載の装置。
[項目145]
前記パラメータリストは、
1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む項目144に記載の装置。
[項目146]
前記プロセッサは、
ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを確定し、
非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化するためのものであるループ内フィルタリングの装置。
[項目147]
前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である項目146に記載の装置。
[項目148]
前記非指数ゴロム符号化方式の符号化ビット数は4以下である項目146又は147に記載の装置。
[項目149]
前記非指数ゴロム符号化方式は、固定長符号化方式、ユーナリ符号化方式、又はトランケーテッド・ユーナリ符号化方式である項目146~148のいずれか一項に記載の装置。
[項目150]
前記非指数ゴロム符号化方式は、前記固定長符号化方式であり、前記固定長符号化方式の符号化ビット数は、2である項目149に記載の装置。
[項目151]
前記非指数ゴロム符号化方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ符号化方式の符号化ビット数は、3以下である項目149に記載の装置。
[項目152]
前記プロセッサは、具体的に、
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、前記非指数ゴロム符号化方式に基づいて、符号化フレームのレート歪みコストを計算し、かつ前記レート歪みコストに基づいて、前記修正インデックスパラメータを確定するためのものである項目146~151のいずれか一項に記載の装置。
[項目153]
前記プロセッサは、具体的に、
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化する前に、指数ゴロム符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算しないためのものである項目146~152のいずれか一項に記載の装置。
[項目154]
前記プロセッサは、具体的に、
前記非指数ゴロム符号化方式を採用して前記修正インデックスパラメータを符号化した後、前記修正インデックスパラメータの符号化値をビットストリームへ書き込むためのものである項目146~153のいずれか一項に記載の装置。
[項目155]
前記プロセッサは、さらに、
ループ内フィルタリングの複数組のフィルタリング係数を確定し、
非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化するためのものである項目146~154のいずれかに記載の装置。
[項目156]
前記プロセッサは、具体的に、前記非差分符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化する前に、前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないためのものである項目155に記載の装置。
[項目157]
前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を指示するシンタックス要素が含まれない項目155又は156に記載の装置。
[項目158]
前記ループ内フィルタリングのシンタックス要素には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素が含まれない項目157に記載の装置。
[項目159]
前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分方式であるかを指示するシンタックス要素のマーカービットは、0又は1である項目158に記載の装置。
[項目160]
前記プロセッサは、具体的に、
前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、最小レート歪みコストに基づいて前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式を選択しないためのものである項目156~159のいずれか一項に記載の装置。
[項目161]
前記プロセッサは、具体的に、
差分符号化方式及び前記非差分符号化方式に基づいて符号化フレームのレート歪みコストを計算せず、最小レート歪みコストに基づいて前記差分符号化方式及び前記非差分符号化方式を選択しないためのものである項目160に記載の装置。
[項目162]
前記非差分符号化方式は、指数ゴロム符号化方式であり、前記プロセッサは、具体的に、
前記指数ゴロム符号化方式を採用して前記複数組のフィルタリング係数を符号化した後、前記複数組のフィルタリング係数の符号化値をビットストリームへ書き込むことを含むためのものである項目155~161のいずれか一項に記載の装置。
[項目163]
前記複数組のフィルタリング係数は、複数組の特定マージフィルタリング係数であり、前記プロセッサは、具体的に、
複数タイプのマージ組み合わせ方式を採用して複数組の初期フィルタリング係数におけるフィルタリング係数をマージし、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式での複数組のマージフィルタリング係数を計算して得て、
前記複数組のマージフィルタリング係数におけるフィルタリング係数をゼロにするか否かを判断し、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式における各タイプのマージ組み合わせ方式でのゼロにしない複数組のマージフィルタリング係数を得ることと、
前記複数タイプのマージ組み合わせ方式において、特定マージ組み合わせ方式を確定し、前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を得るためのものである項目155~162のいずれか一項に記載の装置。
[項目164]
前記プロセッサは、具体的に、
異なる選択方式を採用して前記複数組のマージフィルタリング係数からマージフィルタリング係数を選択してゼロにし、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせを得て、
前記非差分符号化方式に基づいて、異なるゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでの符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小のゼロにするフィルタリング係数の組み合わせでのゼロにしない複数組のフィルタリング係数を確定して得るためのものである項目163に記載の装置。
[項目165]
前記プロセッサは、具体的に、
前記非差分符号化方式に基づいて、前記複数タイプのマージ組み合わせ方式での符号化フレームのレート歪みコストを計算し、レート歪みコストが最小の前記特定マージ組み合わせ方式でのゼロにしない前記複数組の特定マージフィルタリング係数を確定して得るためのものである項目163又は164に記載の装置。
[項目166]
前記プロセッサは、具体的に、
前記符号化フレームの符号化に必要なビット数に基づいて、前記レート歪みコストを計算するためのものであり、ここで、前記符号化フレームの符号化に必要なビット数には前記複数組のフィルタリング係数の符号化方式が前記差分符号化方式であるか又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビット数が含まれない項目164又は165に記載の装置。
[項目167]
前記複数組のフィルタリング係数は、符号化フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である項目155~166のいずれか一項に記載の装置。
[項目168]
前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である項目155~167のいずれか一項に記載の装置。
[項目169]
前記複数組のフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数は、13の値を含む項目155~168のいずれか一項に記載の装置。
[項目170]
一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
前記プロセッサは、さらに、複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいて、ループ内フィルタリングを行うためのものである項目155~169のいずれか一項に記載の装置。
[項目171]
前記ループ内フィルタリングは、非線形ループ内フィルタリングであり、前記修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び符号化フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、符号化フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである項目146~170のうちのいずれか一項に記載の装置。
[項目172]
前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである項目171に記載の装置。
[項目173]
前記パラメータリストは、
1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む項目172に記載の装置。
[項目174]
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
ループ内フィルタリングのビットストリームを取得し、
非指数ゴロム復号方式を採用して前記ビットストリームにおける修正インデックスパラメータのビットストリームを復号し、ループ内フィルタリングの修正インデックスパラメータを得るためのものであるループ内フィルタリングの装置。
[項目175]
前記修正インデックスパラメータの値は、0~3のうちの整数である項目174に記載の装置。
[項目176]
前記非指数ゴロム復号方式の復号ビット数は4以下である項目174又は175に記載の装置。
[項目177]
前記非指数ゴロム復号方式は、固定長復号方式、ユーナリ復号方式、又はトランケーテッド・ユーナリ復号方式のうちの一つである項目174~176のいずれか一項に記載の装置。
[項目178]
前記非指数ゴロム復号方式は、前記固定長復号方式であり、前記固定長復号方式の復号ビット数は、2である項目177に記載の装置。
[項目179]
前記非指数ゴロム復号方式は、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式であり、前記トランケーテッド・ユーナリ復号方式の復号ビット数は、3以下である項目177に記載の装置。
[項目180]
前記プロセッサは、さらに、
前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数の組数を指示する指示情報を復号し、フィルタリング係数が複数組であることを確定し、
非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号して複数組のフィルタリング係数を得るためのものである項目174~179のいずれか一項に記載の装置。
[項目181]
前記プロセッサは、具体的に、
前記非差分復号方式を採用して前記ビットストリームにおけるフィルタリング係数のビットストリームを復号する前に、前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を復号しないためのものである項目180に記載の装置。
[項目182]
前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式を指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない項目180又は181に記載の装置。
[項目183]
前記ビットストリームには前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームが含まれない項目182に記載の装置。
[項目184]
前記フィルタリング係数のビットストリームの符号化方式が前記差分符号化方式であるか、又は前記非差分符号化方式であるかを指示するシンタックス要素のビットストリームのマーカービットは、0又は1である項目183に記載の装置。
[項目185]
前記非差分復号方式は、指数ゴロム符号復号方式である項目180~184のいずれか一項に記載の装置。
[項目186]
前記複数組のフィルタリング係数は、復号フレーム輝度成分のN組のフィルタリング係数であり、ここで、Nは、25以下の正の整数である項目180~185のいずれか一項に記載の装置。
[項目187]
前記複数組のフィルタリング係数は、コーディングツリーユニットCTUに基づいて、計算して得られるフィルタリング係数である項目180~186のいずれか一項に記載の装置。
[項目188]
前記複数組のフィルタリング係数における各組のフィルタリング係数は、13の値を含む項目180~187のいずれか一項に記載の装置。
[項目189]
一つの前記修正インデックスパラメータは、一つのループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記一つのループ内フィルタリング修正パラメータは、前記複数組のフィルタリング係数のうちの一つのフィルタリング係数に対応し、
前記プロセッサは、さらに、複数の前記ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記複数組のフィルタリング係数に基づいて、ループ内フィルタリングを行うためのものである項目180~188のいずれか一項に記載の装置。
[項目190]
前記修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び復号フレーム色度成分の色度修正インデックスパラメータを含み、
前記輝度修正インデックスパラメータは、復号フレーム輝度成分の輝度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、前記色度修正インデックスパラメータは、復号フレーム色度成分の色度ループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータは、色度ループ内フィルタリング修正パラメータと同じである項目174~189のいずれか一項に記載の装置。
[項目191]
前記輝度ループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度ループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである項目190に記載の装置。
[項目192]
前記パラメータリストは、
1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む項目191に記載の装置。
[項目193]
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、画像フレームの輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータ、及び色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータを確定するためのものであり、
ここで、前記輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータ、及び前記色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータは、同一のパラメータリストから選択されるパラメータである非線形ループ内フィルタリングの装置。
[項目194]
前記パラメータリストは、
1024、181、32、6のうちの少なくとも一つの数値を含む項目193に記載の装置。
[項目195]
前記プロセッサは、具体的に、
前記輝度成分の輝度修正インデックスパラメータ、及び前記色度成分の色度インデックスパラメータを確定し、
前記輝度修正インデックスパラメータに基づいて、前記輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータを確定し、前記色度インデックスパラメータは、前記色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータに対応し、
前記輝度修正インデックスパラメータが、前記色度修正インデックスパラメータと同じであるとき、前記色度成分のループ内フィルタリング修正パラメータは、前記輝度成分のループ内フィルタリング修正パラメータと同じであるためのものである項目193又は194に記載の装置。
[項目196]
前記画像フレームは、符号化フレームであり、前記非線形ループ内フィルタリングの装置は、動画符号化装置内に設けられ、又は、
前記画像フレームは、復号フレームであり、前記非線形ループ内フィルタリングの装置は、動画復号装置内に設けられる項目193~195のいずれか一項に記載の装置。
【外国語明細書】