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特開2024-45354美容組成物、スクリーニング方法及び美容方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045354
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】美容組成物、スクリーニング方法及び美容方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9783 20170101AFI20240326BHJP
   A61K 8/9706 20170101ALI20240326BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20240326BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20240326BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20240326BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20240326BHJP
   C12Q 1/6837 20180101ALI20240326BHJP
   C12Q 1/6851 20180101ALI20240326BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20240326BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61K8/9783
A61K8/9706
A61Q19/02
A61Q17/04
A61Q1/14
C12Q1/02
C12Q1/6837 Z
C12Q1/6851 Z
G01N33/50 P
G01N33/68
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024011621
(22)【出願日】2024-01-30
(62)【分割の表示】P 2019554433の分割
【原出願日】2018-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2017222292
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018146143
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 康成
(72)【発明者】
【氏名】杉原 由佳
(57)【要約】
【課題】本発明は、肌の美白、アンチエージング等に関してIPL照射に匹敵するだけの皮膚状態の向上効果を十分に奏し、かつ多くの利用者に手軽に使用してもらえる、新しい発想の美容組成物、それを用いた新しい美容方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、IPL照射様作用剤を含有する美容組成物である。また、本発明の美容組成物は光施術に匹敵する効果を奏するものであり、IPL照射の代替用として使用できる。さらに、本発明の美容組成物は、上記IPL照射様作用剤が、フラボノイドを含有する植物抽出物、又は海藻抽出物を少なくとも含むことが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPL照射様作用剤を含有する、美容組成物。
【請求項2】
上記IPL照射様作用剤が、有効成分として、フラボノイドを含有する植物抽出物を少なくとも含む、請求項1に記載の美容組成物。
【請求項3】
上記植物抽出物が、ウリ科、キク科、マメ科、バラ科、ヤナギ科、センダン科、ミカン科、ユキノシタ科、オオバコ科、トケイソウ科、アサ科、モニミア科、トチノキ科、ツツジ科、ボタン科、シソ科、アオイ科、ショウガ科から成る群より選択される少なくとも一種の植物の抽出物である、請求項2に記載の美容組成物。
【請求項4】
上記IPL照射様作用剤が、有効成分として、海藻抽出物を少なくとも含む、請求項1に記載の美容組成物。
【請求項5】
上記IPL照射様作用剤が、皮膚細胞におけるメラニン関連分子の発現を調節する、請求項1から4のいずれか一項に記載の美容組成物。
【請求項6】
上記メラニン関連分子が、OCA2、SLC45A2、RAB27A2、及びHB-EGFから成る群より選択される少なくとも一種である、請求項5に記載の美容組成物。
【請求項7】
上記植物抽出物が、アマチャヅルエキス、アーティチョークエキス、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、クダモノトケイソウ果実エキス、ホップ花エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、ローズマリーエキス、ゴボウエキス、及びアルテアエキスから成る群より選択される少なくとも一種である、請求項2、3、5、6のいずれか一項に記載の美容組成物。
【請求項8】
更に、ターンオーバー促進剤(上記IPL照射様作用剤を除く)、抗糖化成分及び美白有効成分からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の美容組成物。
【請求項9】
スキントーン向上剤用である、請求項1から8のいずか一項に記載の美容組成物。
【請求項10】
皮膚細胞にIPL照射することで発現が変化する遺伝子を指標として、スキントーン向上に効果的な成分をスクリーニングすることを特徴とする、スキントーン向上用成分のスクリーニング方法。
【請求項11】
皮膚培養細胞に被験物質を作用させる工程、及び上記皮膚培養細胞における上記遺伝子発現を測定する工程を少なくとも含む、請求項10に記載のスクリーニング方法。
【請求項12】
IPL照射様作用剤を使用することを特徴とする、皮膚状態を改善・向上させるための美容方法。
【請求項13】
アマチャヅルエキス、アーティチョークエキス、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、クダモノトケイソウ果実エキス、ホップ花エキス及びタンブリッサトリコフィラ葉エキス、ローズマリーエキス、ゴボウエキス、及びアルテアエキスから成る群より選択される少なくとも一種の植物抽出物を有効成分として含む、IPL照射様作用剤。
【請求項14】
褐藻、紅藻、緑藻、及び藍藻から成る群より選択される少なくとも一種の海藻抽出物を有効成分として含む、IPL照射様作用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容組成物、スクリーニング方法、美容方法及びIPL照射様作用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年美容医療の分野において、光施術の人気が高まっている。中でも機器名「フォトフェイシャル(登録商標)」「LimeLight」「Lumenis One」等で知られるIPL(Intense Pulse Light)という、レーザー等とは異なる特殊な波長の光を全顔に照射することで、シミ、そばかす、小じわ、ニキビ跡、赤み等を効果的に改善することができる新しい治療法が注目されている(特許文献1、非特許文献1参照)。IPLとは、紫外線等の皮膚に有害な短波長をカットした幅広い波長域の光をいう。具体的には、可視光線及び赤外線を広く含み、500nm~1200nmの波長域の複数の波長の光である。このように複数の波長の光を照射することにより、様々な症状を効果的に改善することができる。これらの波長域の光を、用途に応じてフィルターを用いることで波長域及び波形を限定し、皮膚症状に合わせた照射を行うことができる。この治療法は、ハリの低下や毛穴の開き、肌の色ムラ、くすみなどにも効果があり、全顔のエージング症状の改善にも有効であると言われている。上記IPLには複数の波長の光が含まれているため、従来のレーザー治療のようにシミやホクロだけといった局所的な照射ではなく、顔全体に照射していくことで、上記のような複数の問題を効果的に改善することができると考えられている。
【0003】
しかし、上記IPL照射等の光施術を受けることができる医療機関は限られていること、治療する皮膚症状に依っては連続又は継続した施術が推奨されること、また施術に適さない肌状態又は肌特性にある人も存在することから、誰もが手軽に受けられるという訳ではない。しかしながら、肌の美白、アンチエージング等に対する要求は日々高まっているのが現状であり、それらに対し個々のライフスタイルや肌状態又は肌特性等に合わせた選択肢の提案も求められている。また、光施術は、効果は高いものの、その作用メカニズムは不明な点が多かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-11994号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】スキルアップ皮膚レーザー治療(川田暁編著)、中外医学社(2011年発行)、p.176-190
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、光施術の作用機序を明らかにし、肌の美白、アンチエージング等に関して、IPL照射と同様に、皮膚状態の向上効果を十分に奏し、かつ多くの利用者に手軽に使用してもらえる、新しい発想の美容組成物、それを用いた新しい美容方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、表皮細胞にIPL照射をすることによりメラニン合成及びメラノソーム輸送に関わる遺伝子の発現が抑制されること並びにターンオーバーに関わる遺伝子の発現が促進されることを見出した。すなわち、IPL照射による美白メカニズムは、上記メラニン合成、メラノソーム輸送並びにターンオーバーに関わる遺伝子に働きかけることであると考えられ、この知見を利用することで、化粧品等の外用組成物でIPL照射と同様の効果を実現できる製品、すなわちIPL発想の製品を開発できることに思い至った。この知見に基づいて、IPL照射によって発現が抑制されるこれらの遺伝子の発現を、IPL照射と同様に抑制できる物質を探索したところ、多くの物質のうち、フラボノイドを含有する植物抽出物及び海藻抽出物がIPL照射様の効果を奏することを見出した。本発明の要旨は以下のとおりである。
【0008】
[1]IPL照射様作用剤を含有する、美容組成物。
[2]上記IPL照射様作用剤が、有効成分として、フラボノイドを含有する植物抽出物を少なくとも含む、[1]に記載の美容組成物。
[3]上記植物抽出物が、ウリ科、キク科、マメ科、バラ科、ヤナギ科、センダン科、ミカン科、ユキノシタ科、オオバコ科、トケイソウ科、アサ科、モニミア科、トチノキ科、ツツジ科、ボタン科、シソ科、アオイ科、ショウガ科から成る群より選択される少なくとも一種の植物の抽出物である、[2]に記載の美容組成物。
[4]上記IPL照射様作用剤が、有効成分として、海藻抽出物を少なくとも含む、[1]に記載の美容組成物。
[5]上記IPL照射様作用剤が、皮膚細胞におけるメラニン関連分子の発現を調節する、[1]から[4]のいずれかに記載の美容組成物。
[6]上記メラニン関連分子が、OCA2、SLC45A2、及びRAB27A2から成る群より選択される少なくとも一種である、[5]に記載の美容組成物。
[7]前記植物抽出物が、アマチャヅルエキス、アーティチョークエキス、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、クダモノトケイソウ果実エキス、ホップ花エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、ローズマリーエキス、ゴボウエキス、及びアルテアエキスから成る群より選択される少なくとも一種である、[2]、[3]、[5]、[6]のいずれかに記載の美容組成物。
[8]更に、ターンオーバー促進剤(上記IPL照射様作用剤を除く)、抗糖化成分及び美白有効成分からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、[1]から[7]のいずれかに記載の美容組成物。
[9]スキントーン向上剤用である、[1]から[8]のいずかに記載の美容組成物。
[10]皮膚細胞にIPL照射することで発現が変化する遺伝子を指標として、スキントーン向上に効果的な成分をスクリーニングすることを特徴とする、スキントーン向上用成分のスクリーニング方法。
[11]皮膚培養細胞に被験物質を作用させる工程、及び上記皮膚培養細胞における上記遺伝子発現を測定する工程を少なくとも含む、[10]に記載のスクリーニング方法。
[12]IPL照射様作用剤を使用することを特徴とする、皮膚状態を改善・向上させるための美容方法。
[13]アマチャヅルエキス、アーティチョークエキス、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、クダモノトケイソウ果実エキス、ホップ花エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、ローズマリーエキス、ゴボウエキス、及びアルテアエキスから成る群より選択される少なくとも一種の植物抽出物を有効成分として含む、IPL照射様作用剤。
[14]褐藻、紅藻、緑藻、藍藻から成る群より選択される少なくとも一種の海藻抽出物を有効成分として含む、IPL照射様作用剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、肌の美白、アンチエージング等に関して、IPL照射と同様の皮膚状態の向上効果を十分に奏し、かつ多くの利用者に手軽に使用してもらえる、新しい発想の美容組成物を提供することができる。また、それを用いた新しい美容方法も提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書中で使用される用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味で解釈される。
【0011】
<美容組成物>
本発明の美容組成物は、IPL照射様作用剤を含有する。ここで、IPL照射様作用剤とは、被験体に対してIPLを照射したときと同様の効果を与えることが可能な組成物をいう。これはIPL照射等の光施術の代替となり得る組成物、すなわちIPL照射代替用美容組成物である。なお、IPL照射様作用剤としては、IPLを被験体に照射して得られる効果のうちの一部の効果を与えるものであってもよい。本発明の美容組成物は、単独でも効果を奏するものであるが、IPL照射等の光施術と組み合わせることにより、IPL照射の効果を向上させ、長時間持続させることも可能である。
【0012】
IPLを被験体に照射して得られる効果としては、例えば、皮膚細胞におけるメラニン関連分子の発現調節効果、全顔の美白、スキントーンの向上効果が得られる。また、全顔のくすみ、ハリのなさ、毛穴目立ち、肌の色むら、乾燥などのエージング症状の改善効果(スキントーンの改善効果)が挙げられる。上記メラニン関連分子(遺伝子及び/又はタンパク)としては、OCA2、SLC45A2、RAB27A2、HB‐EGF等が挙げられる。IPL照射によって、これらの分子のうち、OCA2、SLC45A2、RAB27A2の発現は抑制する方向に調節される。また、これらの分子のうち、HB-EGFの発現は促進する方向に調節される。すなわち、本発明の美容組成物は、OCA2、SLC45A2及びRAB27A2から成る群より選択される少なくとも一種の遺伝子発現抑制用の美容組成物、又はHB-EGFの遺伝子発現促進用の美容組成物であるとも言える。また、本発明の美容組成物は、上記の遺伝子発現を抑制又は促進することから、IPL照射と同様のスキントーン向上用及び/又はスキントーン改善用の美容組成物であるとも言える。
【0013】
本発明の美容組成物は、上記IPL照射様作用剤に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意成分を含んでいてもよい。以下に、IPL照射様作用剤及びその他の任意成分について説明する。
【0014】
[IPL照射様作用剤]
本発明の美容組成物においてIPL照射様作用剤は、被験体にIPL照射をしたときと同様の効果を与えることが可能な物質であれば特に限定されないが、例えば、各種植物抽出物等を有効成分として含有するものが挙げられ、中でもフラボノイドを含有する植物抽出物を少なくとも含むものであることが好ましい。また、海藻抽出物を少なくとも含むものであることも好ましい。
【0015】
フラボノイドを含有する植物抽出物としては、例えば、ウリ科、キク科、マメ科、バラ科、ヤナギ科、センダン科、ミカン科、ユキノシタ科、オオバコ科、トケイソウ科、アサ科、モニミア科、トチノキ科、ツツジ科、ボタン科、シソ科、アオイ科、ショウガ科等の植物の抽出物が挙げられる。
【0016】
上記植物抽出物としては、例えば、アマチャヅルエキス、アーティチョークエキス、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、クダモノトケイソウ果実エキス、ホップ花エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、フユボダイジュ花エキス、加水分解ダイズペプチド、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、イザヨイバラエキス、ローズマリーエキス、ゴボウエキス、アルテアエキス等が挙げられる。上記植物の抽出する部位としては、例えば葉、花、実、根、茎、皮、枝、果実、果皮、種子などが挙げられる。抽出に際しては植物原料をそのまま用いてもよく、乾燥させて用いてもよい。植物原料は粉砕して用いることもできる。また、化粧品原料等として市販されている植物エキスを使用してもよい。
【0017】
上記海藻抽出物に用いられる海藻としては、例えば、褐藻(ガゴメコンブ、リシリコンブ、ミツイシコンブ、マコンブ、ナガコンブ、ワカメ等)、紅藻(テングサ等)、緑藻(アオノリ等)、藍藻(スピルリナ等)等の海藻類の抽出物が挙げられる。抽出に際しては、海藻原料をそのまま用いてもよく、乾燥させて用いても良い。植物原料は粉砕して用いることもできる。また、化粧品原料等として市販されている海藻エキスを使用しても良い。これら海藻類は1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらのうち、メラニン関連分子の発現を促進させる効果に優れるという観点から、褐藻の抽出物が好ましく、コンブ抽出物がより好ましく、ガゴメコンブ抽出物がさらに好ましい。
【0018】
これらのうち、メラニン関連分子の中で、特にOCA2遺伝子の発現を低下させる効果に優れるという観点から、アーティチョークエキス、クダモノトケイソウ果実エキス、アマチャヅルエキス、加水分解ダイズペプチド(加水分解ダイズタンパク)、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、フユボダイジュ花エキスが好ましく、アーティチョークエキス、クダモノトケイソウ果実エキス、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキスがより好ましい。
【0019】
メラニン関連分子の中で、特にSLC45A2遺伝子の発現を低下させる効果に優れるという観点から、アマチャヅルエキス、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、アーティチョークエキス、加水分解ダイズペプチド、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、フユボダイジュ花エキスが好ましく、アマチャヅルエキス、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキスがより好ましい。
【0020】
メラニン関連分子の中で、特にRAB27A2遺伝子の発現を低下させる効果に優れるという観点から、アマチャヅルエキス、アーティチョークエキス、加水分解ダイズペプチド、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、フユボダイジュ花エキス、イザヨイバラエキスが好ましい。
【0021】
メラニン関連分子のうち、OCA2、SLC45A2、RAB27A2のいずれか2つ以上の遺伝子発現を低下させる効果に優れるという観点から、アマチャヅルエキス、アーティチョークエキス、加水分解ダイズペプチド、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、フユボダイジュ花エキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキスが好ましく、3つの遺伝子全ての発現を低下させる効果に優れるという観点から、アマチャヅルエキス、アーティチョークエキス、加水分解ダイズペプチド、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、フユボダイジュ花エキスがより好ましい。
【0022】
メラニン関連分子のうち、HB‐EGF遺伝子の発現を促進させる効果に優れるという観点から、ローズマリーエキス、海藻抽出物、アルテアエキス、クダモノトケイソウ果実エキス、ゴボウエキスが好ましく、海藻抽出物、アルテアエキス、ローズマリーエキスがより好ましい。
【0023】
本発明の効果を総合的に鑑みると、本発明の美容組成物における上記植物抽出物としては、アマチャヅルエキス、アーティチョークエキス、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、クダモノトケイソウ果実エキス、ホップ花エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、ローズマリーエキス、アルテアエキスが好ましい。また、本発明の美容組成物における上記海藻抽出物としては褐藻抽出物が好ましく、コンブ抽出物がより好ましく、ガゴメコンブ抽出物がさらに好ましい。
【0024】
本発明の美容組成物における上記IPL照射様作用剤の含有量としては、上記IPL照射様作用剤が上記植物抽出物である場合、0.0001重量%~20重量%であり、0.001重量%~10重量%であることが好ましく、0.01重量%~5重量%であることがより好ましく、0.05重量%~3重量%であることがさらに好ましい。なお、本発明の美容組成物は、上記植物抽出物を1種単独で含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。本発明の美容組成物が上記植物抽出物を2種以上含む場合、これら2種以上の植物抽出物の含有量の合計を上記植物抽出物の含有量とする。
【0025】
本発明による美容方法、美容組成物は、チロシナーゼ活性阻害等による従来の美白メカニズムとは異なり、肌の白さを決定づけるメラニン合成及びメラノソーム輸送に関わる遺伝子に直接働きかけることで、スキントーンをアップさせる効果(スキントーン向上効果)を奏するものである。
【0026】
ここで、スキントーンのアップとは、シミやソバカス、加齢に伴う肌のくすみや色素沈着を改善し、より自然で均一な肌色に近づけること(スキントーン改善)に加えて、本来よりの肌色のトーンが濃い肌の肌トーンをアップさせることも含まれる。
【0027】
本発明の美容組成物が含む任意成分としては、例えば、美白有効成分、ターンオーバー促進剤(本発明のIPL照射様作用剤を除く)、抗糖化成分、抗酸化成分、老化防止成分、抗炎症剤、清涼化剤、殺菌剤、ビタミン類、有機酸、保湿成分、多価アルコール、スクラブ剤、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、収斂成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、洗浄成分、角質柔軟成分、細胞賦活化成分、血行促進作用成分等が挙げられる。なお、本発明の美容組成物において、これらの成分は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】
上記美白有効成分としては、例えば、トコフェロール、ビタミンC及びその誘導体、アルブチン、コウジ酸、プラセンタ、エラグ酸、ニコチン酸アミド、トラネキサム酸及びその誘導体、ハイドロキノン、ルシノール(登録商標)、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、リノール酸及びその誘導体、等が挙げられる。
【0029】
上記ターンオーバー促進剤としては、例えば、後述するビタミン類、角質柔軟成分、細胞賦活化成分、血行促進成分等が挙げられる。
【0030】
上記抗糖化成分としては、例えば、ブドレジャアキシラリス葉エキス等の植物エキス、月見草油、アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物、L-アルギニン、L-リジン、加水分解カゼイン、加水分解性タンニン、カルノシン等が挙げられる。
【0031】
上記抗酸化成分としては、例えば、植物(例えば、ブドウ、オタネニンジン、及びコンフリー等)に由来する成分;プロアントシアニジン、トコフェロール及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、へスペリジン及びその誘導体、エルゴチオネイン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン等が挙げられる。
【0032】
上記老化防止成分としては、例えば、加水分解大豆タンパク、レチノイド(レチノール及びその誘導体、レチノイン酸、及びレチナール等)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N-メチル-L-セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。
【0033】
上記抗炎症剤としては、例えば、アラントイン及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、サリチル酸誘導体、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体、酸化亜鉛、酢酸トコフェロール等が挙げられる。
【0034】
上記清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフル、ゲラニオール、等のテルペン類(これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。);ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、等の精油等が挙げられる。
【0035】
上記殺菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、エタノール、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸及びその誘導体、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、ピロクトオラミン、ミコナゾール等が挙げられる。
【0036】
上記ビタミン類としては、水溶性ビタミン及び油溶性ビタミンのいずれであってもよく、例えば、ビタミンB6類、パントテン酸類、ニコチン酸類、ビタミンB1類、ビタミンB2類、ビオチン類葉酸類、ビタミンB12類、水溶性のビタミンC類、油溶性のビタミンC類、ビタミンK類;フェルラ酸等のビタミン様作用因子等が挙げられる。
【0037】
上記有機酸としては、例えば、グルコン酸、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、クエン酸、グルタミン酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、プロピオン酸、リンゴ酸、サリチル酸、グリコール酸、フィチン酸、酒石酸、酢酸、乳酸、及びこれらの塩が挙げられる。塩としては、例えば、硫酸、塩酸又はリン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0038】
上記保湿成分としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサン、プロテオグリカン等の高分子化合物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニン等のアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の天然保湿因子;セラミド、コレステロール、リン脂質等の脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキス等の植物抽出エキス、グリセリンなどの多価アルコール等が挙げられる。
【0039】
上記多価アルコールとしては、炭素数2~10のものが好ましく、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
【0040】
上記スクラブ剤としては、例えば、アプリコット核粉末、アーモンド殻粉末、アンズ核粉末、塩化ナトリウム粒、オリーブ核粉末、海水乾燥物粒、キャンデリラワックス、くるみ殻粉末、さくらんぼ核粉末、サンゴ粉末、炭粉末、はしばみ殻粉末、ポリエチレン末、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0041】
上記紫外線吸収成分としては、例えば、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン、ポリシリコーン-15、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸等が挙げられる。
【0042】
上記紫外線散乱成分としては、例えば、含水ケイ酸、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、無水ケイ酸等の無機化合物、これらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したもの等が挙げられる。
【0043】
上記収斂成分としては、例えば、ミョウバン、硫酸亜鉛、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸等が挙げられる。
【0044】
上記ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)等が挙げられる。
【0045】
上記アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β-アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等が挙げられる。
【0046】
上記洗浄成分としては、例えば、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム又はステアリン酸カリウム等のアルカリ金属塩、アルカノールアミド塩又はアミノ酸塩等から選ばれる石けん類;ココイルグルタミン酸Na、ココイルメチルタウリンNa等のアミノ酸系界面活性剤;ラウレス硫酸Na等のエーテル硫酸エステル塩;ラウリルエーテル酢酸Na等のエーテルカルボン酸塩;アルキルスルホコハク酸エステルNa等のスルホコハク酸エステル塩;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド;ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム等のモノアルキルリン酸エステル塩;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等のベタイン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0047】
上記角質柔軟成分としては、例えば、乳酸、サリチル酸、グルコール酸、クエン酸、リンゴ酸、フルーツ酸、フィチン酸、尿素、イオウ等が挙げられる。
【0048】
上記細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸等のアミノ酸類;レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類等のビタミン類;グリコール酸、乳酸等のα-ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、感光素301号等が挙げられる。
【0049】
上記血行促進作用成分としては、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、ショウガ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウガラシ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、リョクチャ、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ等)に由来する成分;アセチルコリン、イクタモール、カンタリスチンキ、ガンマーオリザノール、セファランチン、トラゾリン、ニコチン酸トコフェロール、グルコシルヘスペリジン等が挙げられる。
【0050】
[美容組成物の製造方法]
本発明の美容組成物の製造方法は特に制限されず、必須成分であるIPL照射様作用剤、必要に応じて配合されるその他の成分(上記任意成分、後述する基剤又は担体、添加剤等)を適宜選択、配合して、常法により製造することができる。
【0051】
[美容組成物の用途]
本発明の美容組成物は、美容医のIPL施術(光施術)着想のアプローチで、IPL照射と同様の全顔に対する効果を期待して使用されるものである。本発明の美容組成物を用いることで、全顔の美白、スキントーンの向上効果が得られる。また、全顔のくすみ、ハリのなさ、毛穴目立ち、乾燥などのエージング症状の改善(スキントーン改善)にも効果を奏する。このように、本発明の美容組成物は、IPL照射の代替用として、またIPL照射と併用して使用することができる。このような目的で使用する本発明の美容組成物は、例えば、美容液、化粧水、乳液、クリーム、ジェルクリーム、美容マスク(フェイスマスク)、化粧下地、ファンデーション、日焼け止め、クレンジング、洗浄剤等の外用組成物として好適に使用することができ、より好ましくは、美容液、化粧水、乳液、クリーム、ジェルクリーム等のスキンケア製品として使用することができる。
【0052】
また、本発明の美容組成物は、食品組成物とすることができる。この食品組成物は、健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメントなどを含む)として好適に用いることができる。また、保健機能食品(特定保健用食品(疾病リスク低減表示、規格基準型を含む))に好適である。
【0053】
[製剤(外用組成物)]
本発明の美容組成物が外用組成物である場合は、その必須成分及び上記で説明したその他の任意成分等を、化粧品、医薬品、医薬部外品に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて、後述する添加剤と共に常法に従い混合して、必要に応じて乳化又は可溶化を行い、各種の製剤形態の美容組成物とすることができる。
【0054】
上記基剤又は担体としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベース等)、オゾケライト、α-オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィン等の炭化水素;メチルポリシロキサン、環状シリコーン、変性シリコーン、シリコーンレジン等のシリコーン油;ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバター等の油脂;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、ラノリン等のロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、コレステロール等の高級アルコール;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリビニルピロリドン、カラギーナン、ポリエチレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のエステル類;デキストリン、マルトデキストリン等の多糖類;エタノール等の低級アルコール;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、等のグリコールエーテル;水等が挙げられる。
【0055】
以上説明した基剤又は担体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。
【0056】
[添加剤(外用組成物)]
本発明の美容組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品、医薬品、医薬部外品に添加される公知の添加剤、例えば、界面活性剤、酸化防止剤、着色剤、パール光沢付与剤、キレート剤、pH調整剤、保存剤、増粘剤、等を添加することができる。これらの添加剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0057】
上記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等のいずれでもよく、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO-40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO-50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO-60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
【0058】
上記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L-システイン塩酸塩等が挙げられる。
【0059】
上記着色剤としては、例えば、無機顔料、天然色素等が挙げられる。
【0060】
上記キレート剤としては、例えば、EDTA・2ナトリウム塩、ヒロドキシエタンジホスホン酸・カルシウム・2ナトリウム塩等が挙げられる。
【0061】
上記pH調整剤としては、例えば無機酸(塩酸、硫酸等)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム等)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)等が挙げられる。
【0062】
上記保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、カプリルヒドロキサム酸、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等のアルカンジオール類等が挙げられる。
【0063】
上記増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系増粘剤、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤、グアーガム、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー等が挙げられる。
【0064】
[製剤形態(外用組成物)]
本発明の美容組成物が外用組成物である場合の製剤形態は特に限定されず、例えば、液剤(化粧水、ローション、美容液等)、クリーム製剤(乳液、クリーム、ジェルクリーム、バーム等)、ジェル製剤、ゼリー製剤、シャーベット製剤、エアゾール剤、フォーム製剤、スプレー製剤、貼付剤、スティック製剤、その他軟膏剤、固形剤等が挙げられる。これらの製剤は、常法、例えば第17改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。また目的とする安定性、使用感等を考慮し、適宜、W/O、O/W、W/O/W、O/W/O型エマルション等の剤型が選択できる。なお、貼付剤は、例えば、不織布シート、ゲルシート等に、美容液組成物、化粧水組成物、乳液組成物等を含浸させたものであってもよい。
【0065】
[製剤(食品組成物)]
本発明の美容組成物が食品組成物である場合、その必須成分及び上記で説明したその他の任意成分等を、食品に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて、油脂、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、増粘剤、甘味料、着色剤、香料、保存料、酸化防止剤、有機酸などの食品添加剤と共に混合して、製剤化すればよい。なお、食品添加剤は、上記のもの及び後述する具体的成分に限定されるわけではなく、適宜目的や必要性に応じて選択することができる。また、これらの食品添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。さらに、製剤には、その他の活性成分を添加することができる。
【0066】
上記油脂としては、落花生油、ココアバター、コメ胚芽油、シソ油、亜麻仁油などの天然植物油等やこれらの硬化油、脂肪酸(中鎖脂肪酸を含む)のグリセリド(グリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドなど)、ミツロウ等が挙げられる。中でも、ミツロウが好ましい。
【0067】
上記乳化剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールのような多価アルコール;グリセリン脂肪酸エステル;カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。中でも、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、カルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。
【0068】
上記増粘剤としては、ローカストビーンガム、グアガム、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、カラギーナンなどが挙げられる。中でも、キサンタンガムが好ましい。
【0069】
上記甘味料としては、ショ糖、果糖、麦芽糖、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、甘草抽出物、ステビア加工甘味料、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソルビトール、キシリトールなどが挙げられる。
【0070】
上記保存料としては、安息香酸又はその塩、ソルビン酸又はその塩、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸メチルなどが挙げられる。
【0071】
上記酸化防止剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸ステアリン酸ナトリウム、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、亜硫酸水素塩、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、EDTAカルシウム二ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、トコフェロールなどが挙げられる。中でも、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、トコフェロールが好ましい。
【0072】
有機酸としては、クエン酸、コハク酸、酒石酸、アスパルギン酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
【0073】
[pH]
本発明の美容組成物のpHは、通常pH3.0~8.0であり、pH3.5~7.5であることが好ましい。なお、このpHは、例えば後述するpH調整剤の使用により調整することができる。ただし、pH測定が不能又は困難な製剤形態については、この限りではない。
【0074】
<スクリーニング方法>
本発明は、スキントーン向上用成分のスクリーニング方法、スキントーン改善用成分のスクリーニング方法も含む。本発明のスクリーニング方法は、皮膚細胞にIPL照射することで発現が変化する遺伝子を指標にすることを特徴とした方法であり、皮膚培養細胞に被験物質を作用させる工程(1)、上記皮膚培養細胞における上記遺伝子発現を測定する工程(2)を少なくとも含む。本発明のスクリーニング方法によると、IPL照射(光施術)を受けた場合と同様の効果が得られるスキントーン向上用成分、スキントーン改善成分を効率的に得ることができる。
【0075】
工程(1):上記皮膚培養細胞としては、メラニン細胞を含む細胞集団であれば特に限定されないが、例えば表皮細胞、真皮細胞、培養皮膚モデル等を用いることができる。上記培養皮膚モデルとして、MEL-300A(MatTek社)やEFT-400(MatTek社)などの使用がより好ましい。上記皮膚培養細胞に被験物質を添加し、2時間から72時間程度培養する。陰性対照としては、被験物質を添加していないものを用意する。
【0076】
工程(2):上記工程(1)の後、細胞を回収し、常法に従ってRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ法等にて遺伝子発現を解析する。工程(1)において被験物質を添加した群と添加しなかった群(陰性対照)のそれぞれの遺伝子発現を対応させる。この時、対応させる遺伝子としては、皮膚細胞にIPL照射することで変動が起こることが確認できているものを用いる。このような遺伝子としては、例えば、OCA2、SLC45A2、RAB27A2、HB‐EGFが挙げられる。これらの遺伝子は、IPL照射により発現が抑制又は促進されることが本発明者らにより見出された遺伝子である。本発明のスクリーニング方法においては、被験物質の添加群において、各遺伝子の発現がIPL照射の際と同様に変動するか否かを確認する。そして、IPL照射の際と同様にこれらの遺伝子の発現を変動させる被験物質を、スキントーン向上用成分、スキントーン改善用成分と判定することができる。
【0077】
<美容方法>
本発明は、IPL照射様作用剤を使用することを特徴とする、皮膚状態を改善・向上させるための美容方法も含む。本発明の美容方法によると、IPL照射様作用剤を使用することで、IPL照射と同様の効果を得られるため、例えば、全顔の美白、スキントーンの向上効果が得られる。また、全顔のくすみ、肌理の乱れ、小じわ、毛細血管拡張症などのエージング症状の改善効果(スキントーン改善効果)が得られる。なお、上記IPL照射様作用剤の具体的な説明は、上述の美容組成物の項における説明をそのまま適用できる。
【0078】
<IPL照射様作用剤>
本発明は、各種植物抽出物を有効成分として含有するIPL照射様作用剤も含む。上記植物抽出物としては、フラボノイドを含有する植物抽出物、海藻抽出物が好ましい。また、上記フラボノイドを含有する植物抽出物としては、アマチャヅルエキス、アーティチョークエキス、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、クダモノトケイソウ果実エキス、ホップ花エキス、タンブリッサトリコフィラ葉エキス、ローズマリーエキス、アルテアエキス及びゴボウエキスからなる群より選択される少なくとも一種の植物抽出物がより好ましい。上記海藻抽出物としては、褐藻(ガゴメコンブ、リシリコンブ、ミツイシコンブ、マコンブ、ナガコンブ、ワカメ等)、紅藻(テングサ等)、緑藻(アオノリ等)、藍藻(スピルリナ等)等が挙げられ、中でも褐藻がより好ましい。
【0079】
即ち、本発明のIPL照射様作用剤としては、アマチャヅルエキス、アーティチョークエキス、カンゾウ根エキス、ノイバラ果実エキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、マンダリンオレンジ果皮エキス、ユキノシタエキス、セイヨウオオバコ種子エキス、クダモノトケイソウ果実エキス、ホップ花エキス及びタンブリッサトリコフィラ葉エキス、ローズマリーエキス、ゴボウエキス、及びアルテアエキスから成る群より選択される少なくとも一種の植物抽出物を有効成分として含むものが好ましい。また、本発明のIPL照射様作用剤としては、褐藻、紅藻、緑藻、及び藍藻から成る群より選択される少なくとも一種の海藻抽出物を有効成分として含むものが好ましく、褐藻の海藻抽出物を有効成分として含むものがより好ましい。
【0080】
本発明のIPL照射様作用剤が有効成分として含有する植物抽出物、海藻抽出物についての詳細は、上述の美容組成物の項におけるIPL照射様作用剤についての説明を適用できる。
【0081】
本発明のIPL照射様作用剤によると、IPL照射と同様の効果を得られるため、これを含む美容組成物を用いると、例えば、全顔の美白、スキントーンの向上効果、全顔のくすみ、ハリのなさ、毛穴目立ち、乾燥などのエージング症状の改善効果(スキントーンの改善効果)が得られる。なお、上記IPL照射様作用剤の具体的な説明は、上述の美容組成物の項における説明をそのまま適用できる。
【実施例0082】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されない。
【0083】
[試験1]IPL照射による表皮細胞内遺伝子発現の変化の解析
ヒトメラノサイトを含む表皮モデル(MatTek社;MEL-300A)を使用して以下の試験を行った。すなわちMEL-300A到着後にCO濃度を5%に設定したインキュベータ内で、37℃で順化し、液体培地(クラボウ社:EPI-100LLMM)にて培養を開始する。順化培養終了後、トランスウェル内の表皮シートを切り出し、液体培地を含ませたガーゼに載せ実際の施術に則した条件下で照射を行った。上記方法によって調製した表皮モデルにλ560nmのフィルターを用いた光(IPL560nm)を3ミリ秒照射後、20ミリ秒おいてさらに3ミリ秒の照射を行い、6時間後及び24時間後に細胞を回収した。なお、IPL照射は、フォトフェイシャルM22(ルミナス社製)を用いて行った。それぞれの細胞から常法にしたがってRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ法にて遺伝子発現を解析した。DNAマイクロアレイは、Human Gene 2.0ST Arrayを使用した。
【0084】
IPL560nm照射によって表皮細胞中で発現変動のあった遺伝子として、OCA2、RAB27A、SLC45A2、HB-EGFが選定された。
【0085】
[試験2]ヒトメラノサイトでのOCA2、SLC45A2、RAB27A遺伝子の発現に影響を与える物質のスクリーニング
正常ヒト成人表皮メラニン細胞(クラボウ社:NHEM)を、メラニン細胞用培地(クラボウ社:DermaLife Ma)を用いて、24ウェルプレート(CORNING)に40000cells/wellで播種し、2日間培養した。その後、各エキスサンプルを各濃度になるように培地で調製し、ポアサイズ0.2μmのフィルターに通したものを、培地を取り除いた24ウェルプレートに400μL/wellで添加し、さらに24時間培養後、細胞を回収した。常法によりRNAを抽出し、逆転写反応によりRNAからcDNAを合成し、定量リアルタイムPCRにより、OCA2、SLC45A2、RAB27Aの各遺伝子発現量を定量した。得られた値を用いてブランクに対する割合を算出した。なお、ブランクとは、各エキスサンプルを添加していない培地のみによるコントロール試験のデータをいう。結果を下記表1~17に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
【表9】
【0095】
【表10】
【0096】
【表11】
【0097】
【表12】
【0098】
【表13】
【0099】
【表14】
【0100】
【表15】
【0101】
【表16】
【0102】
【表17】
【0103】
[試験3]ヒトケラチノサイトでのHB-EGF遺伝子の発現に影響を与える物質のスクリーニング
正常ヒト成人表皮細胞(クラボウ社:NHEK)を、表皮角化細胞用培地(クラボウ社:Humedia KG2)を用いて、24ウェルプレート(CORNING)に40000cells/wellで播種し、1日間培養した。その後、各エキスサンプルを各濃度になるように培地で調製し、ポアサイズ0.2μmのフィルターに通したものを、培地を取り除いた24ウェルプレートに400μL/wellで添加し、さらに24時間培養後、細胞を回収した。常法によりRNAを抽出し、逆転写反応によりRNAからcDNAを合成し、定量リアルタイムPCRにより、HB-EGFの各遺伝子発現量を定量した。得られた値を用いてブランクに対する割合を算出した。なお、ブランクとは、各エキスサンプルを添加していない培地のみによるコントロール試験のデータをいう。結果を下記表18に示す。
【0104】
【表18】
【0105】
以上から、本発明の美容組成物及び美容方法は、本来より肌色のトーンが濃い肌を明るく導く効果(スキントーンの向上効果)も期待でき、本発明の美容組成物は、スキントーン向上剤としても使用できる。また、本発明の美容組成物及び美容方法は、全顔のくすみ、ハリのなさ、毛穴目立ち、乾燥等のエージング症状の改善効果(スキントーン改善効果)も期待でき、スキントーン改善剤としても使用できる。
【0106】
以下に、本発明の美容組成物の製剤処方例を示す。
【0107】
処方例1
(美容液)
L-アスコルビン酸 10.0(w/w%)
ハイドロキノン 0.1
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 51.0
プロピレングリコール 23.0
アマチャヅルエキス 0.1
ノイバラ果実エキス 0.5
精製水 残量
合計 100.0%
【0108】
処方例2
(美容液)
3-O-エチルアスコルビン酸 3.0(w/w%)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 30.0
プロピレングリコール 20.0
グリセリン 4.0
アルテアエキス 1.0
アーティチョークエキス 10.0
精製水 残量
合計 100.0%
【0109】
処方例3
(化粧水)
トラネキサム酸 1.5(w/w%)
サリチル酸 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
グリセリン 2.0
1,3-ブチレングリコール 10.0
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 0.2
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
ヒドロキシエチルセルロース 0.05
パラオキシ安息香酸メチル 0.15
着香剤 0.03
油溶性甘草エキス 0.0001
精製水 残量
合計 100.0%
【0110】
処方例4
(化粧水)
トラネキサム酸 1.5(w/w%)
サリチル酸 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
グリセリン 1.0
ジグリセリン 0.5
1,3-ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 3.0
トレハロース 0.1
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
ヒドロキシエチルセルロース 0.05
パラオキシ安息香酸メチル 0.15
着香剤 0.03
海藻エキス 0.5
ローズマリーエキス 0.3
精製水 残量
合計 100.0%
【0111】
処方例5(化粧水)
リン酸L-アスコルビルマグネシウム 3.0(w/w%)
プラセンタエキス 0.5
トリメチルグリシン 3.0
ヒアルロン酸 0.05
ガゴメコンブ抽出物 0.3
1,3-ブチレングリコール 5.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
セイヨウシロヤナギ樹皮エキス 20.0
カンゾウ根エキス 0.01
精製水 残量
合計 100.0%
【0112】
処方例6(乳液)
トラネキサム酸 2.0(w/w%)
β-アルブチン 0.1
サリチル酸 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
ジプロピレングリコール 5.0
1,3-ブチレングリコール 8.0
グリセリン 3.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
キサンタンガム 0.05
メドウフォーム油 5.0
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
メチルポリシロキサン 1.0
トリエタノールアミン 0.1
トコフェロール 0.1
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
エデト酸ナトリウム 0.05
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
着香剤 0.05
ローズマリーエキス 0.1
エイジツエキス 0.1
精製水 残量
合計 100.0%
【0113】
処方例7(クリーム)
ニコチン酸アミド 1.0(w/w%)
グリセリン 5.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
軽質流動パラフィン 3.0
アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体 0.3
アルギニン 0.3
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
メリアアザジラクタ葉エキス 0.5
マンダリンオレンジ果皮エキス 3.0
精製水 適量
合計 100.0%
【0114】
処方例8(クリーム)
トラネキサム酸 1.0(w/w%)
アルブチン 3.0
サリチル酸 0.05
ヒアルロン酸ナトリウム 0.15
ジプロピレングリコール 8.0
ジグリセリン 5.0
グリセリン 3.0
ヒドロキシエチルウレア 3.0
イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.5
モノステアリン酸グリセリン 0.4
セトステアリルグルコシド・セトステアリルアルコール 1.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.5
メドウフォーム油 0.5
スクワラン 3.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 1.5
メチルポリシロキサン 1.0
ベヘニルアルコール 0.2
ステアリルアルコール 0.3
キサンタンガム 0.2
水酸化ナトリウム 0.1
エデト酸ナトリウム 0.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
着香剤 0.1
セラミド1 0.01
セラミド2 0.01
セラミド6 0.01
ローズマリーエキス 0.001
ユキノシタエキス 0.01
タンブリッサトリコフィラ葉エキス 0.001
エイジツエキス 5.0
精製水 残量
合計 100.0%
【0115】
処方例9(美容液)
ニコチン酸アミド 5.0(w/w%)
グリセリン 2.0
1,3-ブチレングリコール 3.0
スクワラン 2.0
トリエチルヘキサノイン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)
コポリマー 0.2
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル
(17E.O.) (17P.O.) 0.5
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 0.5
トリエタノールアミン 0.15
水素添加大豆リン脂質 0.5
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
ビルベリー葉エキス 0.05
コンフリー葉エキス 0.05
精製水 適量
合計 100.0%
【0116】
処方例10(美容液)
ニコチン酸アミド 5.0(w/w%)
ジプロピレングリコール 5.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
軽質流動パラフィン 2.0
メチルフェニルポリシロキサン 1.0
キサンタンガム 0.5
(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー
1.5
オレイン酸コレステリル 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
水素添加大豆リン脂質 0.2
ペンタンジオール 1.0
フェノキシエタノール 0.2
マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル 0.1
ヒメフウロエキス 0.05
カンゾウ根エキス 0.05
精製水 適量
合計 100.0%
【0117】
処方例11(クリーム)
ニコチン酸アミド 5.0(w/w%)
グリセリン 5.0
1,3-ブチレングリコール 10.0
1,2-ペンタンジオール 0.5
植物性スクワラン 5.0
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 1.0
メチルポリシロキサン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.4
キサンタンガム 0.05
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.5
モノステアリン酸ソルビタン 0.5
ポリオキシエチレンセチルエーテル 0.2
グリセリンモノ2-エチルヘキシルエーテル 0.5
セラミド2 0.0005
セラミド6II 0.00005
海藻エキス(1) 2.0%
アルテアエキス 0.01
pH調整剤 適量
精製水 適量
合計 100.0%
【0118】
処方例12(日焼け止め)
テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル 0.1(w/w%)
トリメチルグリシン 1.0
パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 10.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
パルミチン酸オクチル 10.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 3.0
メチルハイドロジェンポリシロキサン処理
低温焼成酸化亜鉛 15.0
ポリアクリル酸アルキル 5.0
グリセリン 5.0
無水エタノール 5.0
1,3-ブチレングリコール 3.0
パンテノール 0.1
香料 0.1
セラミド2 0.001
セラミド3 0.001
セラミド6 0.001
セイヨウオオバコ種子エキス 0.01
クダモノトケイソウ果実エキス 0.1
精製水 残量
合計 100.0%
【0119】
処方例13(クレンジング)
L-アスコルビン酸2-グルコシド 0.1(w/w%)
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル 12.0
イソステアリン酸ポリグリセリル-10 8.0
パルミチン酸エチルヘキシル 30.0
トリエチルヘキサノイン 20.0
ミネラルオイル 25.0
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 1.0
ホップ花エキス 0.0001
精製水 残量
合計 100.0%
【0120】
処方例14(クレンジング)
L-アスコルビン酸2-グルコシド 0.1(w/w%)
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル 12.0
イソステアリン酸ポリグリセリル-10 8.0
パルミチン酸エチルヘキシル 28.0
トリエチルヘキサノイン 20.0
ミネラルオイル 20.0
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 1.0
海藻エキス 0.0001
アルテアエキス 0.0001
精製水 残量
合計 100.0%
【0121】
処方例15(ソフトカプセル:食品組成物)
以下の食品組成物の処方例中の数値の単位は「重量部」である。
カプセル内容物
月見草油 120
加水分解性タンニン 20
加水分解大豆タンパク 20
ハス胚芽エキス 5
セラミド 3
ヒアルロン酸 0.5
CoQ10 2
ヘマトコッカス藻色素抽出物(アスタキサンチン含有) 4
ビタミンC 1
グリセリン脂肪酸エステル 10
ミツロウ 5
カプセル皮膜
ゼラチン 92
プルラン 3
グリセリン 35
着色料 3
【0122】
処方例16(美容ドリンク)単位(mg)
カンゾウエキス 180
プラセンタ抽出物 180
コラーゲンペプチド 1000
アーティチョークエキス 50
プロテオグリカン 20
アマチャヅルエキス 20
ポリソルベート80 0.1
エリスリトール 3
寒天 0.5
水あめ 0.6
果糖 2
酸味料 0.5
香料 0.1
水 86.1
1日摂取量合計(mg) 1542.9
【0123】
処方例17(美容ドリンク)単位(mg)
海藻エキス 180
プラセンタ抽出物 180
コラーゲンペプチド 1000
プロテオグリカン 20
ローズマリーエキス 40
ポリソルベート80 0.1
エリスリトール 3
寒天 0.5
水あめ 0.6
果糖 2
酸味料 0.5
香料 0.1
水 103.2
1日摂取量合計(mg) 1530.0