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特開2024-45400高スループットおよび高精度の医薬付加製造システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045400
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】高スループットおよび高精度の医薬付加製造システム
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/06 20060101AFI20240326BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240326BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20240326BHJP
   B33Y 40/00 20200101ALI20240326BHJP
【FI】
A61J3/06 E
B33Y10/00
B33Y50/02
B33Y40/00
A61J3/06 P
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024014794
(22)【出願日】2024-02-02
(62)【分割の表示】P 2022152430の分割
【原出願日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/101621
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】517420511
【氏名又は名称】トリアステック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リウ ハイリー
(72)【発明者】
【氏名】デン フェイファン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー レンジエ
(72)【発明者】
【氏名】チェン センピン
(72)【発明者】
【氏名】シャオリン リー
(57)【要約】
【課題】高スループットおよび高精度の医薬付加製造システムの提供。
【解決手段】例示的な印刷システムは、印刷材料のセットを受容するための材料供給モジュールと、流れ分配プレートを備える流れ分配モジュールであって、材料供給モジュールは、印刷材料のセットに対応する単一の流れを流れ分配プレートに輸送するように構成され、流れ分配プレートは、単一の流れを複数の流れに分割するための複数のチャネルを備える、流れ分配モジュールと、複数のニードルバルブ機構を備える複数のノズルと、複数のノズル固有のパラメータに基づいて、複数の流れを分注するために、複数のニードルバルブ機構を制御するための1つ以上のコントローラと、分注された複数の流れを受容するように構成された印刷プラットフォームであって、印刷プラットフォームは、医薬製品のバッチを形成するために移動するように構成されている、印刷プラットフォームと、を備える。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造システムによって医薬製品を作製するためのコンピュータ対応の方法であって、前記方法は、
複数の医薬投与単位に対応する複数の単位測定値を受信することであって、前記複数の医薬投与単位は、前記付加製造システムの複数のノズルを使用して生成される、ことと、
前記複数の単位測定値の合計が、事前定義された閾値を超えて目標バッチ測定値と異なるかどうかを決定することと、
前記合計が前記事前定義された閾値を超えて前記目標バッチ測定値と異なるという決定に従って、前記複数の単位測定値の平均に基づいて、前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整することと、
前記合計が前記事前定義された閾値を超えて前記目標バッチ測定値と異ならないという決定に従って、目標単位測定値に基づいて、前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の医薬投与単位は、複数の錠剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記単位測定値は、前記複数の医薬投与単位の重量測定値である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記単位測定値は、前記複数の医薬投与単位の体積測定値である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記合計が前記事前定義された閾値を超えて前記目標バッチ測定値と異なるという決定に従って、前記付加製造システムの1つ以上の動作パラメータを調整することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の動作パラメータは、温度を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の動作パラメータは、圧力を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の動作パラメータは、印刷材料を給送する速度を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の動作パラメータは、ノズルの開口量を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記事前定義された閾値は、+10.5%~+/-5%である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
目標単位測定値に基づいて、前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整した後、新しいバッチを印刷することと、
前記新しいバッチ内の単位の重量が、第2の事前定義された閾値を超えて前記目標単位測定値と異なるかどうかを決定することと、
前記新しいバッチ内の前記単位の前記重量が、前記第2の事前定義された閾値を超えて前記目標単位測定値と異なるという決定に従って、前記付加製造システムの1つ以上の動作パラメータを調整することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の動作パラメータは、温度を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の動作パラメータは、ノズルの開口量を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の事前定義された閾値は、5%未満である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記付加製造システムは、
前記医薬製品を作製するための印刷材料のセットを受容するための材料供給モジュールと、
流れ分配モジュールと、
1つ以上のコントローラと
を備え、
前記流れ分配モジュールは、流れ分配プレートおよび前記複数のノズルを備え、
前記材料供給モジュールは、前記印刷材料のセットに対応する単一の流れを前記流れ分配プレートに輸送するように構成されており、
前記流れ分配プレートは、前記単一の流れを複数の流れに分配するための複数のチャネルを備え、
前記1つ以上のコントローラは、前記医薬製品を作製するための前記複数のノズル固有のパラメータに基づいて、前記複数のノズルから外に前記複数の流れを分配するように前記複数のノズルを制御するように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のノズルのうちの1つのノズルは、ヒータを備える、または、前記複数のノズルのうちの1つのノズルは、熱隔離構造を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の前記ノズルの温度は、前記材料供給モジュールの温度よりも高い、または、前記複数の前記ノズルの温度は、前記流れ分配プレートの温度よりも高い、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上のコントローラは、前記複数の前記ノズルの温度または圧力を制御するように構成されている、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、付加製造技術に関し、より具体的には、医薬投与単位(例えば、錠剤カプレット、プリントレット)を製造するための高スループットおよび高精度の3D印刷手法に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造は、3次元印刷(「3D印刷」)とも呼ばれ、材料を接合または固化して3次元物体を製造するプロセスが関与するラピッドプロトタイピング技術である。具体的には、材料が、デジタルモデルに基づいて、通常は層ごとに、一緒に付加される(液体分子や粉末粒子が一緒に融合されるなど)。コンピュータシステムが、付加製造システムを動作させて、所望の形状が形成されるまで、材料の流れおよび印刷ノズルの移動を制御する。現在、3D印刷技術には、光硬化手法、粉末結合手法、および溶解堆積モデリング(FDM)手法が含まれる。
【0003】
FDMプロセスでは、フィラメントの形の材料が加熱されたノズルを通して給送され、ノズルが材料を表面上へ溶融する。コンピュータシステムの指示に従い、表面または加熱されたノズルが移動して、溶融材料を設定された形状に分注することができる。他の付加製造方法は、印刷ノズルを通して分注される前に溶融および加圧される非フィラメント状材料を利用するが、そのような方法は、特に溶融材料の粘度が高いときに、印刷ノズルから望ましくない糸引きをもたらすことがよくある。
【0004】
医薬投与単位(例えば、錠剤、カプレット、プリントレット)の製造の使用のためにFDMなどの手法を適応させるには、いくつかの課題がある。高スループットの達成、高精度/一貫性の達成、ならびに複雑な構造および組成を有する医薬投与単位の印刷である。例えば、単一ノズル印刷デバイスまたはマルチノズル印刷デバイスは、比較的低いスループットしか達成できない。他方、複数の印刷デバイスを同時に作動させることによって並列印刷を提供するシステムもまた、複数の印刷デバイスが印刷された単位間に非一貫性および低い精度(例えば、体積、形状、重量、および/または組成において)をもたらすため、不十分である。このようなシステムもまた、製造および維持に費用がかかるだけでなく、動作させるのに非効率的かつ複雑である。
【0005】
特に、医薬の文脈で必要とされる印刷材料は、高粘度である傾向があり、低い印刷圧力と関連付けられている。さらに、複数のタイプの印刷材料が印刷プロセスに関与するとき、これらの異なるタイプの印刷材料を分注するノズルは、調和した様式で動作する必要がある(例えば、交互に開閉する)。従来の3D印刷システムでは、複数のノズルの動作を調和させたり、複数のタイプの材料の放出を精密かつ一貫した様式で制御したりすることができない。したがって、従来の3D印刷システムでは、同じバッチ内でまたは複数のバッチにわたって、ノズルによって出力される医薬投与単位間で高レベルの一貫性を維持することができない。製造される医薬単位が特定の構造に配置された異なる材料(例えば、シェルでコーティングされた複数の内側部品)で構成されている場合、上記の課題はさらに複雑になる。
【0006】
さらに、複数の3Dプリンタを連携させて医薬投与単位のバッチを生成するように構成しても、従来の3D印刷手法を使用したときは満足のいく結果が生成されない。具体的には、複数の3Dプリンタ間の非一貫性(例えば、ハードウェア構成およびソフトウェア構成の両方において)により、最終製品に一貫性がなく、品質基準を満たせなくなる可能性がある。さらに、複数の3Dプリンタ間の調和が関与するシステムは、一般に動作させるのに非効率的で、維持するのに費用がかかる。
【0007】
したがって、長期にわたって高いスループットを維持しつつ、正確、精密、かつ費用効率の高い様式で医薬投与単位(例えば、錠剤カプレット、プリントレット)を3D印刷するためのシステムおよび方法が必要である。複数の3Dプリンタの動作を調和させて、医薬投与単位のバッチを印刷することができるシステムも必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
付加製造によって医薬製品を作製するための例示的なシステムは、印刷材料のセットを受容するための材料供給モジュールと、流れ分配プレートを備える流れ分配モジュールであって、材料供給モジュールは、印刷材料のセットに対応する単一の流れを流れ分配プレートに輸送するように構成され、流れ分配プレートは、単一の流れを複数の流れに分割するための複数のチャネルを備える、流れ分配モジュールと、複数のノズルと、複数のノズル固有のパラメータに基づいて、複数の流れを分注するために、複数のノズルを制御するための1つ以上のコントローラと、を備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、システムは、分注された複数の流れを受容するように構成された印刷プラットフォームをさらに備え、印刷プラットフォームは、医薬製品のバッチを形成するために移動するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュールは、受容された印刷材料のセットを加熱するように構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュールは、受容された印刷材料のセットを可塑化するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュールは、ピストン機構、ねじ機構、ねじポンプ機構、歯車機構、プランジャポンプ機構、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、複数のチャネルは、単一の流れを2つの流れに分割するように構成された第1の接合部を形成する。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数のチャネルは、2つの流れを4つの流れに分割するように構成された第2の接合部および第3の接合部を形成する。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の接合部は、第2の接合部および第3の接合部よりも高く位置決めされている。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1の接合部、第2の接合部、および第3の接合部は同じ平面上に位置決めされている。
【0017】
いくつかの実施形態では、流れ分配プレートは、複数の構成要素に分離可能であり、複数の構成要素は、1つ以上のねじを介して、一緒に保持されるように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、複数のノズルのうちの1つのノズルは、ヒータを備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、複数のノズルのうちの1つのノズルは、熱隔離構造を備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、複数のノズルは、複数のニードルバルブ機構を備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、複数のニードルバルブ機構のうちのニードルバルブ機構は、それぞれのノズルを通って延在する給送チャネルであって、給送チャネルは、ノズルの遠位端でテーパ状になっている、給送チャネルと、ニードルであって、ニードルバルブ機構が閉位置にあるときに、ニードルの遠位端は、給送チャネルに接触してシールするように構成され、印刷材料の流れを分注することを可能にするために、ニードルの遠位端は、後退させられるように構成されている、ニードルと、を備える。
【0022】
いくつかの実施形態では、ニードルの移動は、1つ以上のアクチュエータによって駆動される。
【0023】
いくつかの実施形態では、1つ以上のアクチュエータは、リニアモータを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、ニードルの移動は、手動で制御される。
【0025】
いくつかの実施形態では、ニードルは、第1のニードルであり、複数のノズルは、第1のニードルおよび第2のニードルに結合された単一のプレートを含み、単一のプレートの移動が、第1のニードルおよび第2のニードルの移動を引き起こす。
【0026】
いくつかの実施形態では、複数のノズル固有のパラメータのうちのパラメータは、それぞれのノズルの開口量を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコントローラは、それぞれのノズルに対応するバッチ内の単位の重量に基づいて、それぞれのノズルの開口量を調整するように構成されている。
【0028】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコントローラは、1つ以上の機械学習アルゴリズムに基づいて、それぞれのノズルの開口量を調整するように構成されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコントローラは、複数のノズルの温度または圧力を制御するように構成されている。
【0030】
いくつかの実施形態では、温度は、1つ以上の加熱デバイス、1つ以上の冷却デバイス、またはこれらの組み合わせを含む温度制御デバイスを介して、制御される。
【0031】
いくつかの実施形態では、複数のノズルの温度は、材料供給モジュールの温度よりも高い。
【0032】
いくつかの実施形態では、複数のノズルの温度は、流れ分配プレートの温度よりも高い。
【0033】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコントローラは、印刷材料のセットの給送速度を制御するように構成されている。
【0034】
いくつかの実施形態では、複数のノズルは、第1の複数のノズルであり、印刷システムは、材料の異なるセットを分注するように構成された第2の複数のノズルをさらに備え、印刷システムは、第1の複数のノズルと第2の複数のノズルとを切り替えてバッチを印刷するように構成されている。
【0035】
いくつかの実施形態では、医薬単位は、錠剤である。
【0036】
付加製造によって医薬製品を作製するための例示的なコンピュータ対応の方法は、複数の医薬投与単位に対応する複数の単位測定値を受信することであって、複数の医薬投与単位は、付加製造システムの複数のノズルを使用して生成される、受信することと、複数の単位測定値の合計が、事前定義された閾値を超えて目標バッチ測定値と異なるかどうかを判定することと、合計が事前定義された閾値を超えて目標バッチ測定値と異なるという判定に従って、複数の単位測定値の平均に基づいて、複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整することと、合計が事前定義された閾値を超えて目標バッチ測定値と異ならないという判定に従って、目標単位測定値に基づいて、複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整することと、を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、複数の医薬単位は、複数の錠剤である。
【0038】
いくつかの実施形態では、単位測定値は、複数の医薬投与単位の重量測定値である。
【0039】
いくつかの実施形態では、単位測定値は、複数の医薬投与単位の体積測定値である。
【0040】
いくつかの実施形態では、単位測定値は、複数の医薬投与単位の組成測定値である。
【0041】
いくつかの実施形態では、この方法は、合計が事前定義された閾値を超えて目標バッチ測定値と異なるという判定に従って、付加製造システムの1つ以上の動作パラメータを調整することをさらに含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、1つ以上の動作パラメータは、温度を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、1つ以上の動作パラメータは、圧力を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、1つ以上の動作パラメータは、印刷材料を給送する速度を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、事前定義された閾値は、+/-0.5%~+/-5%である。
【0046】
いくつかの実施形態では、この方法は、目標単位測定値に基づいて、複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整した後、新しいバッチを印刷することと、新しいバッチ内の単位の重量が、第2の事前定義された閾値を超えて目標単位測定値と異なるかどうかを判定することと、新しいバッチ内の単位の重量が、第2の事前定義された閾値を超えて目標単位測定値と異なるという判定に従って、付加製造システムの1つ以上の動作パラメータを調整することと、をさらに含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、1つ以上の動作パラメータは、温度を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、1つ以上の動作パラメータは、ノズルの開口量を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、第2の事前定義された閾値は、5%未満である。
【0050】
付加製造によって医薬製品を製造するための例示的な方法は、材料供給モジュールを使用して、印刷材料のセットを受容することと、材料供給モジュールを使用して、印刷材料のセットに対応する単一の流れを流れ分配プレートに輸送することであって、流れ分配プレートは複数のチャネルを備える、輸送することと、流れ分配プレートの複数のチャネルを介して、単一の流れを複数の流れに分割することと、複数のノズル固有のパラメータに基づいて、複数のノズルに複数の流れを分注させることと、を含む。
【0051】
例示的な非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプログラムを格納し、1つ以上のプログラムは、命令を含み、命令は、ディスプレイを有する電子デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、3D印刷システムの複数のノズルを使用して生成される、複数の医薬投与単位に対応する複数の重量測定値を受信させ、複数の重量測定値の合計が、事前定義された閾値を超えて目標バッチ重量と異なるかどうかを判定させ、合計が事前定義された閾値を超えて目標バッチ重量と異なるという判定に従って、複数の重量測定値の平均重量測定値に基づいて、複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整させ、合計が事前定義された閾値を超えて目標バッチ重量と異ならないという判定に従って、目標重量測定値に基づいて、複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整させる。
【0052】
いくつかの実施形態では、付加製造によって複数の医薬製品を製造するための例示的なシステムは、第1の印刷ステーションであって、第1の印刷プラットフォームおよび第1の複数のノズル、を備える、第1の印刷ステーションと、第2の印刷ステーションであって、第2の印刷プラットフォームおよび第2の複数のノズル、を備える、第2の印刷ステーションと、プレート輸送機構と、印刷プレートと、を備え、システムは、印刷プレートが第1の印刷プラットフォーム上に位置決めされている間、複数の医薬製品における各医薬製品の第1の部分の印刷が、第1の印刷ステーションで完了しているかどうかを判定し、第1の部分の印刷が、第1の印刷ステーションで完了しているという判定に従って、第2の印刷ステーションを識別し、プレート輸送機構を介して、第1の印刷プラットフォームから第2の印刷プラットフォームに印刷プレートを輸送し、第2の印刷ステーションで医薬製品のバッチにおける各医薬製品の第2の部分の印刷を引き起こすように構成されている。
【0053】
いくつかの実施形態では、システムは、2つのコンベヤをさらに備え、システムは、2つのコンベヤのうちの1つに沿って、プレート輸送機構を介して、印刷プレートを輸送するように構成されている。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1の印刷ステーションでの第1の部分の印刷は、第1の印刷ステーションと関連付けられた第1の座標系に基づいており、第2の印刷ステーションでの第2の部分の印刷は、第2の印刷ステーションと関連付けられた第2の座標系に基づいている。
【0055】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の印刷プラットフォームと第1の複数のノズルとの第1の相対的位置決めを取得し、第2の印刷プラットフォームと第2の複数のノズルとの第2の相対的位置決めを取得し、第1の相対的位置決めおよび第2の相対的位置決めに基づいて、複数のオフセット値を計算し、複数のオフセット値に基づいて、第1の座標系および第2の座標系のうちの少なくとも1つを判定するように構成されている。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1の相対的位置決めは、第1のx軸値および第1のy軸値を含み、第2の相対的位置決めは、第2のx軸値および第2のy軸値を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、複数のオフセット値は、第1のx軸値と第2のx軸値との差の値と、第1のy軸値と第2のy軸値との差の値と、を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1の相対的位置決めを取得することは、印刷プレートが第1の印刷プラットフォーム上に位置決めされている間に、第1の印刷ステーション上に置かれた1つ以上の後退可能なセンサに基づいて、第1のx軸および第1のy軸値を測定することを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1の相対的位置決めを取得することは、印刷プレートが第1の印刷プラットフォーム上に位置決めされている間に、第1の印刷ステーション上に置かれた1つ以上のレーザーセンサに基づいて、第1のx軸および第1のy軸値を測定することを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1の相対的位置決めを取得することは、第1の印刷ステーション上の第1のセンサと接触するまで、第1の印刷プラットフォームをx軸上で移動させることと、第1の印刷ステーションの第2のセンサと接触するまで、第2の印刷プラットフォームをy軸上で移動させることと、を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1の座標系を判定することは、z軸上のゼロ点を判定することを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、ゼロ点は、第1の印刷プラットフォーム上に置かれたプレートが、第1の複数のノズルと接触するz軸位置を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、ゼロ点を判定することは、プラグゲージを使用して行われる。
【0064】
いくつかの実施形態では、ゼロ点を判定することは、第1の印刷プラットフォームを上昇させることと、第1の印刷プラットフォームに結合されたセンサを使用して、事前定義された閾値を上回る抵抗力が検出されたかどうかを判定することと、事前定義された閾値を上回る抵抗力が検出されたという判定に従って、第1の印刷プラットフォームの上昇を中断し、第1の印刷プラットフォームの現在のz軸位置に基づいて、ゼロ点を判定することと、事前定義された閾値を上回る抵抗力が検出されないとの判定に従って、第1の印刷プラットフォームの上昇を継続することと、を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、ゼロ点を判定することは、後退可能な部分を有するセンサを第1の印刷プラットフォームに固定することであって、後退可能な部分は、第1の印刷プラットフォームから突出している、固定することと、センサの突出した部分が後退させられるように、センサの上に物体を置くことと、センサの後退した位置を記録することと、第1の印刷プラットフォームが上昇している間に、センサの後退した位置が検出されたかどうかを判定することと、後退した位置が検出されたという判定に従って、第1の印刷プラットフォームの現在のz軸位置に基づいて、ゼロ点を判定することと、を含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1の複数のノズルは、第1のタイプの印刷材料を分注するように構成され、第2の複数のノズルは、第2のタイプの印刷材料を分注するように構成されている。
【0067】
いくつかの実施形態では、医薬製品のバッチは、錠剤のバッチを含む。各医薬製品の第1の部分は、それぞれの錠剤の外側部分を含み、各医薬製品の第2の部分は、それぞれの錠剤の内部部分を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、医薬製品のバッチは、錠剤のバッチを含む。各医薬製品の第1の部分は、それぞれの錠剤の下部分を含み、各医薬製品の第2の部分は、それぞれの錠剤の上部分を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、医薬製品のバッチにおける各医薬製品の第1の部分の印刷が第1の印刷ステーションで完了しているかどうかを判定することは、プレート輸送機構において、第1の印刷ステーションのステータスを受信することと、プレート輸送機構において、第1の印刷ステーションのステータスに基づいて、印刷が完了しているかどうかを判定することと、を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、システムは、各医薬製品の第1の部分の印刷が完了した後、印刷プレートと関連付けられた進捗データを記録するようにさらに構成されている。
【0071】
いくつかの実施形態では、進捗データは、医薬製品のバッチの現在の高さを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、進捗データは、識別された第2の印刷ステーションを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の印刷ステーションからプレート輸送機構に記録された進捗データを送信するように構成されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、第2の印刷ステーションを識別することは、医薬製品と関連付けられた印刷命令のセットに基づいている。
【0075】
いくつかの実施形態では、第2の印刷ステーションを識別することは、印刷される第2の部分に基づいている。
【0076】
いくつかの実施形態では、第2の印刷ステーションを識別することは、印刷される第2の部分と関連付けられた印刷材料に基づいている。
【0077】
いくつかの実施形態では、第2の印刷ステーションを識別することは、第2の印刷ステーションのステータスに基づいている。
【0078】
いくつかの実施形態では、プレート輸送機構を介して、第1の印刷プラットフォームから第2の印刷プラットフォームに印刷プレートを輸送することは、第1のプラットフォームから印刷プレートを取り外すことと、印刷プレートをプレート輸送機構上へ移動させることと、第2の印刷ステーションと関連付けられた場所に基づいて、チャネルに沿って、プレート輸送機構を移動させることと、を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、第1のプラットフォームから印刷プレートを取り外すことは、電磁部品を非アクティブ化することを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、第2の印刷ステーションで医薬製品のバッチにおける各医薬製品の第2の部分の印刷を引き起こすことは、第2の印刷ステーションのステータスをビジーとして更新することを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、第2の印刷ステーションで医薬製品のバッチにおける各医薬製品の第2の部分の印刷を引き起こすことは、印刷プレートと関連付けられた進捗データに基づいて、印刷命令の一部分を識別することを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、進捗データは、印刷プレート上の医薬製品のバッチの現在の高さを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、進捗データは、プレート輸送機構から第2の印刷ステーションに送信される。
【0084】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の印刷ステーションと関連付けられたコントローラ、第2の印刷ステーションと関連付けられたコントローラ、またはこれらの任意の組み合わせをさらに備える。
【0085】
いくつかの実施形態では、システムは、プレート輸送機構と関連付けられたコントローラをさらに備える。
【0086】
いくつかの実施形態では、システムは、第3の印刷ステーションをさらに備える。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
付加製造によって医薬製品を作製するためのシステムであって、
印刷材料のセットを受容するための材料供給モジュールと、
流れ分配プレートを備える流れ分配モジュールであって、
前記材料供給モジュールは、前記印刷材料のセットに対応する単一の流れを前記流れ分配プレートに輸送するように構成され、
前記流れ分配プレートは、前記単一の流れを複数の流れに分割するための複数のチャネルを備える、流れ分配モジュールと、
複数のノズルと、
複数のノズル固有のパラメータに基づいて、前記複数の流れを分注するために、前記複数のノズルを制御するための1つ以上のコントローラと、を備える、システム。
(項目2)
前記分注された複数の流れを受容するように構成された印刷プラットフォームをさらに備え、前記印刷プラットフォームは、前記医薬製品のバッチを形成するために移動するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記材料供給モジュールは、前記受容された印刷材料のセットを加熱するように構成されている、項目1または2に記載のシステム。
(項目4)
前記材料供給モジュールは、前記受容された印刷材料のセットを可塑化するように構成されている、項目1~3のいずれか一項に記載のシステム。
(項目5)
前記材料供給モジュールは、ピストン機構、ねじ機構、ねじポンプ機構、歯車機構、プランジャポンプ機構、またはこれらの任意の組み合わせを含む、項目1~4のいずれか一項に記載のシステム。
(項目6)
前記複数のチャネルは、前記単一の流れを2つの流れに分割するように構成された第1の接合部を形成する、項目1~5のいずれか一項に記載のシステム。
(項目7)
前記複数のチャネルは、前記2つの流れを4つの流れに分割するように構成された第2の接合部および第3の接合部を形成する、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記第1の接合部は、前記第2の接合部および前記第3の接合部よりも高く位置決めされている、項目7に記載のシステム。
(項目9)
前記第1の接合部、前記第2の接合部、および前記第3の接合部は同じ平面上に位置決めされている、項目7に記載のシステム。
(項目10)
前記流れ分配プレートは、複数の構成要素に分離可能であり、前記複数の構成要素は、1つ以上のねじを介して、一緒に保持されるように構成されている、項目1~9のいずれか一項に記載のシステム。
(項目11)
前記複数のノズルのうちの1つのノズルは、ヒータを備える、項目1~10のいずれか一項に記載のシステム。
(項目12)
前記複数のノズルのうちの1つのノズルは、熱隔離構造を備える、項目1~11のいずれか一項に記載のシステム。
(項目13)
前記複数のノズルは、複数のニードルバルブ機構を備える、項目1~12のいずれか一項に記載のシステム。
(項目14)
前記複数のニードルバルブ機構のうちの1つのニードルバルブ機構は、
それぞれのノズルを通って延在する給送チャネルであって、前記給送チャネルは、前記ノズルの遠位端でテーパ状になっている、給送チャネル、および
ニードル、を備え、
前記ニードルバルブ機構が閉位置にあるときに、前記ニードルの遠位端は、前記給送チャネルに接触してシールするように構成され、
印刷材料の流れを分注することを可能にするために、前記ニードルの前記遠位端が、後退するように構成されている、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記ニードルの移動は、1つ以上のアクチュエータによって駆動される、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記1つ以上のアクチュエータは、リニアモータを含む、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記ニードルの移動は、手動で制御される、項目14に記載のシステム。
(項目18)
前記ニードルは、第1のニードルであり、前記複数のノズルは、前記第1のニードルおよび第2のニードルに結合された単一のプレートを含み、前記単一のプレートの移動が、前記第1のニードルおよび前記第2のニードルの移動を引き起こす、項目14に記載のシステム。
(項目19)
前記複数のノズル固有のパラメータのうちの1つのパラメータは、それぞれのノズルの開口量を含む、項目1~18のいずれか一項に記載のシステム。
(項目20)
前記1つ以上のコントローラは、それぞれのノズルに対応する前記バッチ内の単位の重量に基づいて、前記それぞれのノズルの前記開口量を調整するように構成されている、項目19に記載のシステム。
(項目21)
前記1つ以上のコントローラは、1つ以上の機械学習アルゴリズムに基づいて、前記それぞれのノズルの前記開口量を調整するように構成されている、項目19に記載のシステム。
(項目22)
前記1つ以上のコントローラは、前記複数の前記ノズルの温度または圧力を制御するように構成されている、項目1~21のいずれか一項に記載のシステム。
(項目23)
前記温度は、1つ以上の加熱デバイス、1つ以上の冷却デバイス、またはこれらの組み合わせを含む温度制御デバイスを介して、制御される、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記複数の前記ノズルの温度は、前記材料供給モジュールの温度よりも高い、項目1~23のいずれか一項に記載のシステム。
(項目25)
前記複数の前記ノズルの温度は、前記流れ分配プレートの温度よりも高い、項目1~24のいずれか一項に記載のシステム。
(項目26)
前記1つ以上のコントローラは、前記印刷材料のセットの給送速度を制御するように構成されている、項目1~25のいずれか一項に記載のシステム。
(項目27)
前記複数のノズルは、第1の複数のノズルであり、前記印刷システムは、材料の異なるセットを分注するように構成された第2の複数のノズルをさらに備え、前記印刷システムは、前記第1の複数のノズルと前記第2の複数のノズルとを切り替えて前記バッチを印刷するように構成されている、項目1~26のいずれか一項に記載のシステム。
(項目28)
前記医薬単位は錠剤である、項目1~27のいずれか一項に記載のシステム。
(項目29)
付加製造によって医薬製品を作製するためのコンピュータ対応の方法であって、前記方法は、
複数の医薬投与単位に対応する複数の単位測定値を受信することであって、前記複数の医薬投与単位は、付加製造システムの複数のノズルを使用して生成される、受信することと、
前記複数の単位測定値の合計が、事前定義された閾値を超えて目標バッチ測定値と異なるかどうかを判定することと、
前記合計が前記事前定義された閾値を超えて前記目標バッチ測定値と異なるという判定に従って、前記複数の単位測定値の平均に基づいて、前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整することと、
前記合計が前記事前定義された閾値を超えて前記目標バッチ測定値と異ならないという判定に従って、目標単位測定値に基づいて、前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整することと、を含む、方法。
(項目30)
前記複数の医薬単位は、複数の錠剤である、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記単位測定値は、前記複数の医薬投与単位の重量測定値である、項目29または30に記載の方法。
(項目32)
前記単位測定値は、前記複数の医薬投与単位の体積測定値である、項目29~31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記合計が前記事前定義された閾値を超えて前記目標バッチ測定値と異なるという判定に従って、前記付加製造システムの1つ以上の動作パラメータを調整することをさらに含む、項目29~32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記1つ以上の動作パラメータは、温度を含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記1つ以上の動作パラメータは、圧力を含む、項目33に記載の方法。
(項目36)
前記1つ以上の動作パラメータは、印刷材料を給送する速度を含む、項目33に記載の方法。
(項目37)
前記1つ以上の動作パラメータは、ノズルの開口量を含む、項目33に記載の方法。
(項目38)
前記事前定義された閾値が+/-0.5%~+/-5%である、項目29~37のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
目標単位測定値に基づいて、前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整した後、新しいバッチを印刷することと、
前記新しいバッチ内の単位の重量が、第2の事前定義された閾値を超えて前記目標単位測定値と異なるかどうかを判定することと、
前記新しいバッチ内の前記単位の前記重量が、前記第2の事前定義された閾値を超えて前記目標単位測定値と異なるという判定に従って、前記付加製造システムの1つ以上の動作パラメータを調整することと、をさらに含む、項目29~38のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記1つ以上の動作パラメータは、温度を含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記1つ以上の動作パラメータは、ノズルの開口量を含む、項目39に記載の方法。
(項目42)
前記第2の事前定義された閾値は、5%未満である、項目39に記載の方法。
(項目43)
付加製造によって医薬製品を製造するための方法であって、
材料供給モジュールを使用して、印刷材料のセットを受容することと、
前記材料供給モジュールを使用して、前記印刷材料のセットに対応する単一の流れを流れ分配プレートに輸送することであって、前記流れ分配プレートは複数のチャネルを備える、輸送することと、
前記流れ分配プレートの前記複数のチャネルを介して、前記単一の流れを複数の流れに分割することと、
複数のノズル固有のパラメータに基づいて、複数のノズルに前記複数の流れを分注させることと、を含む、方法。
(項目44)
1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記1つ以上のプログラムは、命令を含み、前記命令は、ディスプレイを有する電子デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記電子デバイスに、
3D印刷システムの複数のノズルを使用して生成される、複数の医薬投与単位に対応する複数の重量測定値を受信させ、
前記複数の重量測定値の合計が、事前定義された閾値を超えて目標バッチ重量と異なるかどうかを判定させ、
前記合計が前記事前定義された閾値を超えて前記目標バッチ重量と異なるという判定に従って、前記複数の重量測定値の平均重量測定値に基づいて、前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整させ、
前記合計が前記事前定義された閾値を超えて前記目標バッチ重量と異ならないという判定に従って、目標重量測定値に基づいて、前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(項目45)
付加製造によって複数の医薬製品を製造するためのシステムであって、前記システムは、
第1の印刷ステーションであって、
第1の印刷プラットフォーム、および
第1の複数のノズル、を備える、第1の印刷ステーションと、
第2の印刷ステーションであって、
第2の印刷プラットフォーム、および
第2の複数のノズル、を備える、第2の印刷ステーションと、
プレート輸送機構と、
印刷プレートと、を備え、
前記システムは、
前記印刷プレートが前記第1の印刷プラットフォーム上に位置決めされている間、前記複数の医薬製品における各医薬製品の第1の部分の印刷が、前記第1の印刷ステーションで完了しているかどうかを判定し、
前記第1の部分の前記印刷が前記第1の印刷ステーションで完了しているという判定に従って、前記第2の印刷ステーションを識別し、
前記プレート輸送機構を介して、前記第1の印刷プラットフォームから前記第2の印刷プラットフォームに前記印刷プレートを輸送し、
前記第2の印刷ステーションで前記複数の医薬製品における各医薬製品の第2の部分の印刷を引き起こすように構成されている、システム。
(項目46)
2つのコンベヤをさらに備え、前記システムは、前記2つのコンベヤのうちの1つに沿って、前記プレート輸送機構を介して、前記印刷プレートを輸送するように構成されている、項目45に記載のシステム。
(項目47)
前記第1の印刷ステーションでの前記第1の部分の前記印刷は、前記第1の印刷ステーションと関連付けられた第1の座標系に基づいており、
前記第2の印刷ステーションでの前記第2の部分の前記印刷は、前記第2の印刷ステーションと関連付けられた第2の座標系に基づいている、項目45に記載のシステム。
(項目48)
前記システムは、
前記第1の印刷プラットフォームと前記第1の複数のノズルとの第1の相対的位置決めを取得し、
前記第2の印刷プラットフォームと前記第2の複数のノズルとの第2の相対的位置決めを取得し、
前記第1の相対的位置決めおよび前記第2の相対的位置決めに基づいて、複数のオフセット値を計算し、
前記複数のオフセット値に基づいて、前記第1の座標系および前記第2の座標系のうちの少なくとも1つを判定するように構成されている、項目47に記載のシステム。
(項目49)
前記第1の相対的位置決めは、第1のx軸値および第1のy軸値を含み、前記第2の相対的位置決めは、第2のx軸値および第2のy軸値を含む、項目48に記載のシステム。
(項目50)
前記複数のオフセット値は、
前記第1のx軸値と前記第2のx軸値との差の値と、
前記第1のy軸値と前記第2のy軸値との差の値と、を含む、項目49に記載のシステム。
(項目51)
前記第1の相対的位置決めを取得することは、
前記印刷プレートが前記第1の印刷プラットフォーム上に位置決めされている間に、前記第1の印刷ステーション上に置かれた1つ以上の後退可能なセンサに基づいて、前記第1のx軸および前記第1のy軸値を測定することを含む、項目48~50に記載のシステム。
(項目52)
前記第1の相対的位置決めを取得することは、
前記印刷プレートが前記第1の印刷プラットフォーム上に位置決めされている間に、前記第1の印刷ステーション上に置かれた1つ以上のレーザーセンサに基づいて、前記第1のx軸および前記第1のy軸値を測定することを含む、項目48~50に記載のシステム。
(項目53)
前記第1の相対的位置決めを取得することは、
前記第1の印刷ステーション上の第1のセンサと接触するまで、前記第1の印刷プラットフォームを前記x軸上で移動させることと、
前記第1の印刷ステーション上の第2のセンサと接触するまで、前記第2の印刷プラットフォームを前記y軸上で移動させることと、を含む、項目47~52のいずれか一項に記載のシステム。
(項目54)
前記第1の座標系を判定することは、前記z軸上のゼロ点を判定することを含む、項目47に記載のシステム。
(項目55)
前記ゼロ点は、前記第1の印刷プラットフォーム上に置かれたプレートが、前記第1の複数のノズルと接触するz軸位置を含む、項目54に記載のシステム。
(項目56)
前記ゼロ点を判定することは、プラグゲージを使用して行われる、項目54に記載のシステム。
(項目57)
前記ゼロ点を判定することは、
前記第1の印刷プラットフォームを上昇させることと、
前記第1の印刷プラットフォームに結合されたセンサを使用して、事前定義された閾値を上回る抵抗力が検出されたかどうかを判定することと、
前記事前定義された閾値を上回る前記抵抗力が検出されたという判定に従って、前記第1の印刷プラットフォームの上昇を中断し、前記第1の印刷プラットフォームの現在のz軸位置に基づいて、前記ゼロ点を判定することと、
前記事前定義された閾値を上回る前記抵抗力が検出されないとの判定に従って、前記第1の印刷プラットフォームの上昇を継続することと、を含む、項目54に記載のシステム。
(項目58)
前記ゼロ点を判定することは、
後退可能な部分を有するセンサを前記第1の印刷プラットフォームに固定することであって、前記後退可能な部分は、前記第1の印刷プラットフォームから突出している、固定することと、
前記センサの前記突出した部分が後退させられるように、前記センサの上に物体を置くことと、
前記センサの後退した位置を記録することと、
前記第1の印刷プラットフォームが上昇している間に、前記センサの前記後退した位置が検出されたかどうかを判定することと、
前記後退した位置が検出されたという判定に従って、前記第1の印刷プラットフォームの現在のz軸位置に基づいて、前記ゼロ点を判定することと、を含む、項目54に記載のシステム。
(項目59)
前記第1の複数のノズルは、第1のタイプの印刷材料を分注するように構成され、前記第2の複数のノズルは、第2のタイプの印刷材料を分注するように構成されている、項目45~58のいずれか一項に記載のシステム。
(項目60)
前記複数の医薬製品は、複数の錠剤を含み、
各医薬製品の前記第1の部分は、前記それぞれの錠剤の外側部分を含み、
各医薬製品の前記第2の部分は、前記それぞれの錠剤の内側部分を含む、項目45~59のいずれか一項に記載のシステム。
(項目61)
前記複数の医薬製品は、複数の錠剤を含み、
各医薬製品の前記第1の部分は、前記それぞれの錠剤の下部分を含み、
各医薬製品の前記第2の部分は、前記それぞれの錠剤の上部分を含む、項目45~60のいずれか一項に記載のシステム。
(項目62)
前記複数の医薬製品における各医薬製品の前記第1の部分の印刷が、前記第1の印刷ステーションで完了しているかどうかを判定することは、
前記プレート輸送機構において、前記第1の印刷ステーションのステータスを受信することと、
前記プレート輸送機構において、前記第1の印刷ステーションの前記ステータスに基づいて、前記印刷が完了しているかどうかを判定することと、を含む、項目45~61のいずれか一項に記載のシステム。
(項目63)
前記システムは、
各医薬製品の前記第1の部分の印刷が完了した後、前記印刷プレートと関連付けられた進捗データを記録するようにさらに構成されている、項目45~62のいずれか一項に記載のシステム。
(項目64)
前記進捗データは、前記複数の医薬製品の現在の高さを含む、項目63に記載のシステム。
(項目65)
前記進捗データは、前記識別された第2の印刷ステーションを含む、項目63に記載のシステム。
(項目66)
前記システムは、前記第1の印刷ステーションから前記プレート輸送機構に前記記録された進捗データを送信するように構成されている、項目63~65のいずれか一項に記載のシステム。
(項目67)
前記第2の印刷ステーションを識別することは、前記医薬製品と関連付けられた印刷命令のセットに基づいている、項目45~66のいずれか一項に記載のシステム。
(項目68)
前記第2の印刷ステーションを識別することは、印刷される前記第2の部分に基づいている、項目45~67のいずれか一項に記載のシステム。
(項目69)
前記第2の印刷ステーションを識別することは、印刷される前記第2の部分と関連付けられた印刷材料に基づいている、項目45~67のいずれか一項に記載のシステム。
(項目70)
前記第2の印刷ステーションを識別することは、前記第2の印刷ステーションのステータスに基づいている、項目45~67のいずれか一項に記載のシステム。
(項目71)
前記プレート輸送機構を介して、前記第1の印刷プラットフォームから前記第2の印刷プラットフォームに前記印刷プレートを輸送することは、
前記第1のプラットフォームから前記印刷プレートを取り外すことと、
前記印刷プレートを前記プレート輸送機構上へ移動させることと、
前記第2の印刷ステーションと関連付けられた場所に基づいて、チャネルに沿って、前記プレート輸送機構を移動させることと、を含む、項目45~67のいずれか一項に記載のシステム。
(項目72)
前記第1のプラットフォームから前記印刷プレートを取り外すことは、電磁部品を非アクティブ化することを含む、項目71に記載のシステム。
(項目73)
前記第2の印刷ステーションで前記複数の医薬製品における各医薬製品の前記第2の部分の印刷を引き起こすことは、前記第2の印刷ステーションの前記ステータスをビジーとして更新することを含む、項目45~72のいずれか一項に記載のシステム。
(項目74)
前記第2の印刷ステーションで前記複数の医薬製品における各医薬製品の前記第2の部分の印刷を引き起こすことは、前記印刷プレートと関連付けられた進捗データに基づいて、印刷命令の一部分を識別することを含む、項目45~73に記載のシステム。
(項目75)
前記進捗データは、前記印刷プレート上の前記複数の医薬製品の現在の印刷高さを含む、項目74に記載のシステム。
(項目76)
前記進捗データは、前記プレート輸送機構から前記第2の印刷ステーションに送信される、項目74に記載のシステム。
(項目77)
前記第1の印刷ステーションと関連付けられたコントローラ、前記第2の印刷ステーションと関連付けられたコントローラ、またはこれらの任意の組み合わせをさらに備える、項目45~76のいずれか一項に記載のシステム。
(項目78)
前記プレート輸送機構と関連付けられたコントローラをさらに備える、項目45~77のいずれか一項に記載のシステム。
(項目79)
第3の印刷ステーションをさらに備える、項目45~78のいずれか一項に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0087】
図1A】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な付加製造システムの概略図を示す。
図1B】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な付加製造システムの概略図を示す。
図1C】本発明のいくつかの実施形態による、ピストン機構を含む例示的な付加製造システムを示す。
図1D】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な付加製造システムを示す。
図2A】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な流れ分配モジュールの側面断面図を示す。
図2B】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な流れ分配モジュールの上面断面図を示す。
図2C】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な流れ分配モジュールの構成を示す。
図2D】本発明のいくつかの実施形態による、流れ分配モジュールの底面斜視図を示す。
図3】本発明のいくつかの実施形態による、例示的なノズルの遠位端の断面図を示す。
図4】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な付加製造システムの断面図を示す。
図5】本発明のいくつかの実施形態による、ノズルで印刷材料を分注するための例示的な圧力曲線を示す。
図6A】本発明のいくつかの実施形態による、医薬投与単位を3D印刷するための例示的なプロセスを示す。
図6B】本発明のいくつかの実施形態による、医薬投与単位を3D印刷するための例示的なプロセスを示す。
図7】いくつかの実施形態に従って例示的な電子デバイスを示す。
図8A】いくつかの実施形態に従って、医薬単位用の標準化されたマルチステーション印刷システムの例示的なレイアウトを示す。
図8B】いくつかの実施形態に従って、例示的なマルチステーションシステム800の部分側面図を示す。
図9】いくつかの実施形態に従って、第1の印刷ステーションおよび第2の印刷ステーションを有するマルチステーション印刷システムを初期化するための例示的なプロセスを示す。
図10A】いくつかの実施形態に従って、マルチステーション3D印刷システムの例示的なアーキテクチャを示す。
図10B】いくつかの実施形態による、マルチステーションシステムを使用する医薬投与単位を3D印刷するための例示的なプロセスを示す。
図10C】いくつかの実施形態による、マルチステーションシステムを使用する医薬投与単位を3D印刷するための例示的なプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0088】
本明細書には、長期にわたって高いスループットを維持しながら、正確、精密、かつ費用効果の高い様式で医薬投与単位(例えば、錠剤カプレット、プリントレット)を付加製造(例えば、3D印刷)するための装置、デバイス、システム、方法、および非一時的記憶媒体が説明される。いくつかの実施形態によれば、印刷システムは、印刷材料の単一の流れを複数の流れに分割するための流れ分配モジュールを利用する。複数の流れは、精密に制御された様式で複数のノズルによって分注されて、医薬投与単位(例えば、錠剤カプレット、プリントレット)のバッチを3D印刷する。これにより、高いスループットを維持しながら、単一のバッチにおけるおよび複数のバッチにわたる単位間の一貫性が達成される。
【0089】
さらに、印刷システムは、医薬投与単位を付加製造(例えば、3D印刷)するための環境(例えば、恒温オーブンなどの閉鎖環境、印刷プラットフォームなどの開放環境)を備える。複数の閉ループ制御システムを使用して、製造プロセスの複数の段階での環境内の温度、圧力、流量、重量、体積、および他の関連パラメータを制御する。特に、ノズルの出力間の一貫性を確保するために、精密な様式でノズルの開口部、具体的には、ノズルのニードルバルブ機構の開口部を精密に調整するための制御システムおよび方法が実装されている。いくつかの実施形態では、単位重量の非一貫性(すなわち、同じバッチ内の単位の重量間の非一貫性)は、10%よりも小さい(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、9.5%、10%)。いくつかの実施形態では、バッチ重量の非一貫性(すなわち、バッチの重量間の非一貫性)は、10%よりも小さい(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、9.5%、10%)。
【0090】
異なるタイプの印刷材料と必要な組成とに基づいて、システムは、制御パラメータを調整することができる。このように、印刷システムを使用して、様々な高品質の医薬投与単位を製造することができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、材料は非フィラメント状(例えば、粉末、ペレット、または液体)である。いくつかの実施形態では、材料は、システムから分注されるときに0.01~10000Pa・sの粘度を有する。例えば、材料は、デバイスから分注されるときに約100Pa・s以上の粘度を有する。いくつかの実施形態では、材料は、デバイスから分注されるときに約400Pa・s以上の粘度を有する。いくつかの実施形態では、材料は約50℃~約400℃で溶融する。いくつかの実施形態では、材料は、約50℃~約400℃の温度でノズルから分注される。いくつかの実施形態では、材料は、約90℃~約300℃の温度でノズルから分注される。
【0092】
いくつかの実施形態では、印刷システムは、複数の印刷ステーションを備える。各印刷ステーションを使用して、医薬投与単位のバッチの一部(例えば、シェル、下半分、上半分)を印刷することができる。さらに、複数の印刷ステーションを並行して動作させることができるため、医薬投与単位の複数のバッチを同時に印刷することができる。いくつかの実施形態では、単一のFDMマルチステーションシステムは、1日あたり3,000~5,000個の医薬単位(例えば、錠剤)を製造することができる。いくつかの実施形態では、システムは、同じパッチおよび異なるパッチ内の医薬単位間の非一貫性を±2.5%(例えば、重量、体積において)に最小化する。いくつかの実施形態では、マルチステーションシステムは、洗浄および維持が容易であり、したがって、医薬製品の標準化生産の要件に準拠している。
【0093】
以下の説明は、当業者が様々な実施形態を作成および使用することができるようにするために提示されている。特定のデバイス、手法、および用途の説明は、例としてのみ提供されている。本明細書に説明される例に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、様々な実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、他の実施および用途に適用することができる。したがって、様々な実施形態は、本明細書に説明され示される例に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲と一致する範囲を与えられるべきである。
【0094】
以下の説明では、「第1」、「第2」などの用語を使用して様々な要素を説明するが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、第1のノズルを第2のノズルと呼んでもよく、同様に、説明された様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、第2のノズルを第1のノズルと呼んでもよい。第1のノズルおよび2番目のノズルは両方ともノズルであるが、同じノズルではない。
【0095】
本明細書で説明された様々な実施形態の説明で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。説明された様々な実施形態および添付の特許請求の範囲の説明で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそれ以外を示さない限り、複数形も含むことを意図するものである。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連するリストされたアイテムのうちの1つ以上の任意およびすべての可能な組み合わせを指し、それを包含することも理解されよう。本明細書で使用される場合、「含む(includes)」、「含む(including)」、「備える(comprises)」、および/または「備える(comprising)」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはこれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0096】
「~場合(if)」という用語は、文脈に応じて、任意選択的に、「~とき(when)」または「~されると(upon)」または「判定に応答して」または「検出に応答して」を意味すると解釈される。同様に、「判定された場合」または「[記載された状態またはイベント]が検出された場合」という表現は、文脈に応じて、任意選択的に、「判定されると」または「判定に応答して」または「[記載された状態またはイベント]が検出されると」または「[記載された状態またはイベント」の検出に応答して」を意味すると解釈される。
【0097】
図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的な付加製造システム(例えば、3D印刷システム)100の概略図を示している。システム100は、印刷材料のセットを流れ分配モジュール104に輸送するための材料供給モジュール102を備える。流れ分配モジュール104は、印刷材料(例えば、材料供給モジュールによって供給される)の単一の流れを複数の流れに分割するように構成された分岐チャネル(図示せず)を有する流れ分配プレートを備える。いくつかの実施形態では、流れ分配モジュール104は、単一の流れを2つの流れに分割することができ、2つの流れは4つの流れに分割され、4つの流れは8つの流れに分割され、8つの流れは16個の流れに分割され、16個の流れは32個の流れに分割される。いくつかの実施形態では、流れ分配モジュールは、単一の流れを2つの流れ、3つの流れ、4つの流れ、5つの流れ、…、またはn個の流れに直接分割することができる。いくつかの実施形態では、流れ分配モジュールは、単一の流れを3つの流れに分割することができ、3つの流れは9つの流れに分割され、9つの流れは27個の流れに分割される。図1Bを参照すると、複数の流れは、システム100のノズル106のアレイによってそれぞれ分注されて、印刷プラットフォーム110上に3D印刷された医薬投与単位(例えば、錠剤カプレット、プリントレット)を生成することができる。
【0098】
材料供給モジュール102は、印刷材料のセットを前処理してから、それを流れ分配モジュール104に輸送するように構成されている。いくつかの実施形態では、前処理は、所定の設定に基づいて、(例えば、目標温度範囲に、目標圧力範囲に)印刷材料を溶融および加圧することを含む。次に、前処理された材料は、供給チャネル108を介して、流れ分配モジュール104に輸送される。いくつかの実施形態では、印刷材料の連続的な流れが、供給チャネル108を介して、流れ分配モジュール104に供給される。
【0099】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュール102は、印刷材料を溶融するように構成された1つ以上のヒータを備える。いくつかの実施形態では、材料供給モジュールは、材料供給モジュール102内の溶融した印刷材料の温度を検出するように構成された1つ以上の温度センサを備える。いくつかの実施形態では、1つ以上の温度センサは、1つ以上の温度センサによって報告された温度に応答して1つ以上のヒータを動作させるコンピュータシステムに接続されている。
【0100】
いくつかの実施形態では、1つ以上の圧力センサが、材料供給モジュールを動作させて、圧力センサによって報告された圧力に応答して印刷材料を所望の圧力に加圧するコンピュータシステムに接続されている。いくつかの実施形態では、印刷の圧力は、所望の圧力の約0.05MPa以内である。いくつかの実施形態では、材料供給モジュールは、ピストン機構、ねじ機構(一軸ねじ、二軸ねじ、3ねじ、4ねじ、5ねじ、8ねじ)、ねじポンプ機構、歯車機構、プランジャポンプ機構(例えば、バルブレス測定ポンプ機構)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。材料供給モジュールの追加の詳細および印刷システムの多くの他の特徴は、「PRECISION PHARMACEUTICAL 3D
PRINTING DEVICE」という名称のPCT/CN2018/071965、および「3D PRINTING DEVICE AND METHOD」という名称のWO2018210183で提供することができる。その内容はその全体が組み込まれている。
【0101】
図1Cは、本発明のいくつかの実施形態に従って、ピストン機構を含む例示的な付加製造システムを示している。図示の例では、ピストン122が、1つ以上のモータ120によってz方向に駆動される。ピストンが下向きに駆動されるとき、ピストンは、印刷材料をバレル124、供給チャネル108、および流れ分配モジュール104の下方に押して、システム内の印刷材料の圧力を変更する。印刷ノズルの遠位出口を開くと、精密に制御された様式で印刷材料を分注することができる。分注される印刷材料の量は、ピストンの位置、ピストンが移動する速度、ピストンが移動する加速度、またはこれらの組み合わせを制御することによって制御することができる。いくつかの実施形態では、モータ120は、ステッパモータ、サーバモータ、油圧制御、またはこれらの組み合わせである。
【0102】
いくつかの実施形態では、バレルの直径Dは、5~20mmである。好ましい実施形態では、Dは約10mmである。いくつかの実施形態では、ノズル出口の直径dは、0.1~2mmである。好ましい実施形態では、dは約0.4mmである。いくつかの実施形態では、ノズル出口の断面積とバレルの断面積との比率を示す比率パラメータが計算される。比率はまた、Dの平方とdとの比率として表すことができる。いくつかの実施形態では、比率は次のように計算される:
【数1】
【0103】
図1Bに戻ると、流れ分配モジュール104は、流れ分配プレート114、複数のノズル106、温度制御機構、圧力センサ、温度センサ、またはこれらの任意の組み合わせを含む。一例として、図2Aは、例示的な流れ分配プレートの断面図を示している。流れ分配プレートは、印刷材料の単一の流れを受容するための、材料供給モジュールの供給チャネルに接続された単一のチャネル210を備える。流れ分配プレートは、単一の流れを、複数のノズルを介して、それぞれ分注される複数の流れに分割するように構成された複数の分岐チャネルを備える。各ノズルは、ニードルバルブ機構を介して、制御された様式で印刷材料の流れを分注するように構成されている。図示のように、ノズル206aは、モータ212aによって駆動されてZ方向に移動するニードル220aと連動して動作する。ニードルバルブ機構の動作については、以下でより詳細に説明する。
【0104】
図2Bは、いくつかの実施形態に従って、図2Aに示される流れ分配プレートの上面図を示している。図示のように、流れ分配プレート内の分岐チャネルにより、印刷材料の単一の流れが2つの流れに分離され、次に4つの流れに分離され、次に8つの流れに分離される。次に、印刷材料の8つの流れが、8つのノズルによってそれぞれ分注される。
【0105】
図2Cは、いくつかの実施形態に従って、流れ分配プレート内のチャネルの例示的な構成を示している。各構成では、単一の流れを複数の流れに分割することができ、これらの流れは、複数のノズルで均等に(例えば、重量の観点から)分注される。流れ分配プレート内のチャネルおよび接合部の配置により、複数の流れの各々は、例えば、供給チャネルから流れ分配プレートへの単一の流れを受容するための上部入口から始まり、ノズルの遠位端まで延在する固有の流路を横断する。いくつかの実施形態では、複数の流れの流路は、幾何学的に対称である(例えば、等しい長さ、等しい幾何学的形状)。いくつかの実施形態では、複数の流れの流路は幾何学的に対称ではないが、流路の異なる部分に沿って流路の直径を調整することによって均等分配が達成される。いくつかの実施形態では、これらの接合部のいくつかまたはすべては、同じまたは実質的に同じ平面(例えば、同じX-Y平面)上に位置決めされる。いくつかの実施形態では、これらの接合部のいくつかまたはすべては、異なる平面(例えば、異なるX-Y平面)上に位置決めされる。
【0106】
いくつかの実施形態では、流れ分配プレートは、(例えば、水平、垂直、および/または対角線上に)複数の構成要素に分離することができる。複数の構成要素をネジで一緒に保持することができる。分解すると、個々の構成要素の各々は、流れ分配プレート内の1つ以上のチャネルおよび接合部の内面を露出させるため、流れ分配プレートのチャネルおよび接合部のクリーニングを容易にする。
【0107】
いくつかの実施形態では、動作中、流れ分配プレートのチャネル内の圧力は、0~20MPa(例えば、0~5MPA、0~10MPA、0~20MPA)であり得る。材料が流れ分配プレートを横断するのに必要な時間は、5分~5時間である可能性がある。いくつかの実施形態では、ノズルでの分注量は、0.1~10μL/s(例えば、2~3μL/s)であり得る。
【0108】
図1Bに戻ると、流れ分配プレートは、流れ分配プレートの温度を所望のレベルに維持するための温度制御機構を備える。いくつかの実施形態では、温度制御機構は、1つ以上のヒータおよび1つ以上のクーラを含み、これらは、流れ分配プレートの内部温度を維持するように連動して動作するように構成されている。
【0109】
1つ以上のヒータは、流れ分配プレート内に、または流れ分配プレート114に近接して配置することができる。例えば、流れ分配プレートは、高熱伝導率の材料で作られた1つ以上のヒータ(例えば、ワイヤー、プレート)を収容するための内部スロットを含む。1つ以上の加熱ワイヤは、例えば、図2Dの流れ分配プレート底面斜視流れに示されるように、流れ分配プレート114の内側の内部スロットを通って延在している。流れ分配プレートは、プレートの内側の温度が一貫した様式で維持されるように、プレート全体に加熱ワイヤを均等に分配することを可能にするために、内部スロットの複数の行および列を含むことができる。
【0110】
1つ以上のクーラは、流れ分配プレート内に、または流れ分配プレート114に近接して配置することができる。いくつかの実施形態では、温度制御デバイスは、水流を介して、冷却を達成する。図1Bに示されるように、各々が流水用の内部チャネルを有する一対の冷却プレートが、流れ分配プレート114の上下に位置決めされ、したがって、水流、空気、冷却剤などが流れ分配プレート114に近接して発生して、プレートの温度を調節することを可能にする。いくつかの実施形態では、流れ分配プレートは、流れ分配プレート内に1つ以上のクーラを収容するための内部スロットを備える。図1Aに示されるように、流れ分配プレート114および流れ分配プレート114の上下の冷却プレートはすべて、冷却剤を受容するための入口105を具備している。
【0111】
いくつかの実施形態では、流れ分配プレートは、1つ以上の温度センサによって報告された温度に応答して1つ以上のヒータおよびクーラを動作させるコンピュータシステムに接続された1つ以上の温度センサを備える。図2Dは、いくつかの実施形態に従って、流れ分配プレートの底面斜視図を示し、温度センサの例示的な配置を示している。
【0112】
いくつかの実施形態では、流れ分配プレートは、流れ分配プレートのチャネル内の印刷材料の圧力を検出するように構成された1つ以上の圧力センサ130を備える。いくつかの実施形態では、圧力センサは、流れ分配プレートに近接して(例えば、角の周り、周辺の周り、中心の周り)、または流れ分配プレートのチャネル内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、小範囲ひずみゲージセンサが使用される。
【0113】
図3は、いくつかの実施形態に従って、印刷ノズル302で印刷材料を分注するための例示的なニードルバルブ機構300を示している。印刷材料をノズルの遠位出口に輸送するために、給送チャネル304がノズル302の内側に沿って形成されている。給送チャネルは、印刷材料の分注出口として機能するようにテーパが付けられた(例えば、円錐形の)チャンバを含む。シーリングニードル306が、給送チャネルを通って延在し、モータシステム(図示せず)によって駆動されて、給送チャネルに沿って移動する。ニードルバルブ機構が閉位置にあるとき、ニードルは、給送チャネルのテーパが付けられた遠位端と接触するように延在され、出口または押出ポートをシールし、したがって、印刷材料が分注されないようにする。ニードルを後退させると、出口はシール解除され、その結果、印刷材料を分注することができる。印刷ノズルの遠位端の温度を調節するために、複数の加熱デバイス308および熱隔離構造310を、ノズル302の遠位端の周りに置くことができる。印刷ノズル302は、1つ以上の温度センサおよび/または圧力センサ312をさらに含むことができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、シーリングニードルのテーパが付けられた端は、尖った先端を備える。いくつかの実施形態では、シーリングニードルのテーパが付けられた端は、円錐台状である。いくつかの実施形態では、給送チャネルのテーパが付けられた内面は第1のテーパ角度を有し、シーリングニードルのテーパが付けられた端は第2のテーパ角度を有する。第2のテーパ角度は、第1のテーパ角度と同じかまたはそれよりも小さい。いくつかの実施形態では、第2のテーパ角度は約60°以下である。いくつかの実施形態では、第2のテーパ角度は約45°以下である。いくつかの実施形態では、第1のテーパ角度の第2のテーパ角度に対する比率は、約1:1~約4:1である。
【0115】
いくつかの実施形態では、押出ポートは、約0.1mm~約1mmの直径を有する。いくつかの実施形態では、テーパが付けられた端は、約0.2mm~約3.0mmの最大直径を有する。いくつかの実施形態では、押出ポートは直径を有し、テーパが付けられた端は最大直径を有し、テーパが付けられた端の最大直径の押出ポートの直径に対する比率は、約1:0.8~約1:0.1である。
【0116】
いくつかの実施形態では、ニードルバルブ機構のモーションシステムは、1つ以上のモータ、1つ以上のセンサ、1つ以上のドライバ、および1つ以上のコントローラを含む。センサはエンコーダで構成することができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、プログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)を含む。いくつかの実施形態では、ダイバはバスドライバを含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、ノズルでの流れを調節するために、ニードルを駆動するモーションシステムは、手動で、またはコンピュータコントローラによって制御される。モーションシステムは、各々が対応するニードルに結合された複数のモータまたはアクチュエータを含むことができる。モータは、機械式モータ(ねじを含み得る)、油圧式モータ、空気圧式モータ(空気圧バルブを含み得る)、または電磁式モータ(ソレノイドバルブを含み得る)であり得る。ニードルを駆動するモータは、リニアモータ、シャフト固定タイプのモータ、非キャプティブタイプのモータ、またはこれらの組み合わせである可能性がある。
【0118】
いくつかの実施形態では、非キャプティブタイプのリニアモータが、バックラッシュ防止ナットおよびボールスプラインと併用される。ボールスプラインは一般により低い摩擦で動作するため、モータはより高い精度(例えば、±0.003mm)で動作することができる。さらに、モータは比較的小さい(例えば、20~42mm)ため、いくつかの実施形態では、ノズル間の間隔を20~50mmにすることができる。あるいは、ねじリニアモータが使用される。
【0119】
いくつかの実施形態では、複数のニードルの各々は、それぞれのモータによって駆動される。例えば、32個のノズルがある場合、32個のニードルをそれぞれ制御する32個のモータがある。さらに、モータは、各々が、バスドライバ(例えば、CAN-open、Modbus)に接続されている。
【0120】
いくつかの実施形態では、システムは、ストール検出の方法を使用して、各ニードルの遠位端のゼロ位置を見つける。ニードルのゼロ位置を識別するための構成段階中、システムは、対応するモータを低電力レベル(例えば、400~1200mA)で動作し、ニードルをノズルの遠位出口に向かって低速で駆動するように構成する。これは、ニードルがノズルの遠位出口に接して駆動されたときにニードルの遠位端が変形しないようにするために行われる。ニードルの遠位端がノズルの遠位出口に接触しているとき、モータの継続的な駆動にもかかわらず、ニードルはそれ以上移動することができない。エンコーダがニードルの移動を検出しなくなると、システムは、ニードルが真のゼロ位置にあると判定する。ニードルが真のゼロ位置にあるという判定に従って、システムは、モータを停止し、ニードルを0.003~0.01mmだけ後退させ、次にニードルの位置を構成されたゼロ位置として設定する。構成されたゼロ位置を使用することにより、ニードルバルブ機構の動作中に、ニードルの遠位端がノズルの遠位出口に接して駆動されないことが保証され、したがって、ニードルとノズルの両方の寿命を向上させる。通常の動作中、モータはより高い電気レベル(例えば、1600~1800mA)およびより高速(例えば、0.3~15mm/s)で動作して、バルブの迅速な開閉を保証する。
【0121】
代替の実施形態では、モーションシステムは、複数のニードルに結合された単一のプレートを備え得、その結果、ニードルの後退、したがって、ノズルの分注流れは、図4に示されるように均一に制御される。
【0122】
いくつかの実施形態では、複数のノズルの遠位端は平面を形成する。いくつかの実施形態では、平面は、XY平面から±0.01(±0.005~±0.02)を超えて逸脱しないように構成される。いくつかの実施形態では、平面は、±0.005~±0.02MM以内の平坦度を有するように構成される。
【0123】
モーションシステムは、機械式ブレーキ機構、油圧式ブレーキ機構、空気圧式ブレーキ機構、電磁式ブレーキ機構、リニアモータ、またはこれらの任意の組み合わせによってアクティブ化させることができる。
【0124】
ノズルの遠位端は、遠位端の温度を維持するためのヒータおよび絶縁材料を含む。さらに、ノズルの遠位端は、1つ以上の圧力センサ(図1Bの圧力センサ132も参照)および温度センサを含み、これらは、ノズル内の印刷材料の温度および圧力を直接測定するように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の圧力センサは、小範囲ひずみゲージセンサを含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、流れ分配プレート内のチャネルの直径は、1~16mmである。いくつかの実施形態では、ノズル内の給送チャネルの直径は、0.1~1.0mmである。いくつかの実施形態では、ニードルの直径は、0.1~6mmである。いくつかの実施形態では、ノズルの遠位出口の直径は、0.05~3.0mmである。いくつかの実施形態では、各ノズル間の間隔は、8~50mmである。好ましい実施形態では、2つのノズル間の間隔は20~50mmであり、ノズルの出口の直径は0.05~0.8または0.8~1.0mmである。
【0126】
いくつかの実施形態では、システムは、複数のニードルバルブ機構、プッシュプレート、流れ分配プレート、およびニードルバルブ調整システムを備える。ニードルバルブ調整システムは、以下に説明するように、第1の弾性構成要素、第2の弾性構成要素、プッシュプレートアクチュエータ、およびロック機構を備える。ニードルバルブ調整システムにより、各ニードルバルブ機構の開口量を精密に調整することができ、その結果、ニードルバルブ機構がすべて均一に動作する(例えば、印刷材料を分注する)。プッシュプレートにより、すべてのニードルバルブ機構を同時に開閉することができる。
【0127】
ニードルの近位端は、プッシュプレートに結合することができ、その結果、プッシュプレートの垂直方向の移動が、ニードルの垂直方向の移動を引き起こすことができる。いくつかの実施形態では、複数のニードルが同じプッシュプレートに結合され、その結果、プッシュプレートの移動が、複数のニードルを同時に移動させることができる。プッシュプレートは、ウェッジ機構、カム機構などの任意のモーションシステムを使用して駆動することができる。いくつかの実施形態では、プッシュプレートは、流れ分配プレートの上方に置かれる。
【0128】
いくつかの実施形態では、ニードルの近位端にあるニードルのハブは、スリーブ構成要素内に収容されている。スリーブ構成要素は、上部天井および下部床を含む。下部床は、ニードルのステム部分が通過するのに十分に大きいが、スリーブ内にニードルのハブを保持するのに十分小さい穴を含む。第1の弾性構成要素は、ニードルのハブの上方に配設することができ、ニードルのハブとスリーブ構成要素の上部天井との間に挟まれている。いくつかの実施形態では、第1の弾性構成要素はコイル(例えば、ばね)である。したがって、第1の弾性構成要素は、ニードルのハブを下向きに押すことができ、その結果、ハブがスリーブの下部床と接触する。
【0129】
動作中、プッシュプレートが下向きに移行してニードルバルブを閉じるとき、第1の弾性構成要素を後退させることができ、その結果、ニードルのハブがスリーブ内で上向きに移動する余地を有し、これにより、緩衝効果が生まれ、ニードルがノズルに接触するときのニードルの遠位先端への力が減少する。複数のニードルがプッシュプレートに結合され、各ニードルに対応するスリーブがあるとき、この機構により、すべてのニードルが対応するノズルを均一に閉じることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、プッシュプレートは、プッシュプレートの上面にくぼみを含む。さらに、少なくともスリーブの下部分を、くぼみ内に配設することができる。スリーブの上部分は、ロック機構を介して、支持構造に結合することができ、支持構造は、プッシュプレートに固定されている。いくつかの実施形態では、ロック機構は、スリーブが通過することを可能にする穴を有する水平プレートを備える。ロック機構は、穴を介して、スリーブをクランプすることができるように調整することができる(例えば、穴のサイズを調整することができる)。したがって、スリーブを、プッシュプレートに固定することができ(すなわち、ロック機構および支持体を介して)、その結果、印刷中に、スリーブがプッシュプレートに対して動かない。いくつかの実施形態では、第2の弾性構成要素は、スリーブの下方のくぼみ内に置かれ、第2の弾性構成要素を後退させることができ、その結果、スリーブがスリーブの下方のくぼみ内で移動する余地を有する。例えば、第2の弾性構成要素は、くぼみの底部とスリーブの底部との間に挟まれたコイル(例えば、ばね)であり得る。
【0131】
初期化段階中、スリーブの垂直位置を手動または自動で調整して、第2の弾性構成要素の変形を介して、ニードルの垂直位置を調整することができる。例えば、スリーブの垂直位置は、スリーブがロック機構によってクランプされる場所に応じて調整することができる。スリーブ、したがって、ニードルの垂直位置を調整することにより、ノズルの開口量をそれに応じて調整することができる。調整は、初期化段階中に行うことができ、ニードルを均一に制御して(例えば、同じ移行変位量)、印刷中に、同じ量の印刷材料を分注することを確実にすることができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、プッシュプレートを駆動するモーションシステムは、アクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、スリーブ構成要素の上に配設される。アクチュエータは、空気圧式アクチュエータ、機械式アクチュエータ、電磁式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、または電気モータであり得る。モーションシステムは、例えば、上記の支持構造を介して、プッシュプレートに結合することができる。
【0133】
図4を参照すると、システムは、2つのノズルを接続する連絡ランナを備える。2つのノズルの圧力は、センサおよびモータを含む閉ループ流れ制御システムを介して、自動的にバランスを取り、制御することができる。連絡ランナ内の印刷材料を定期的に分注することができるようにスイッチが追加されて、印刷材料がランナ内に長時間保持されてランナ内で分解するのを防ぐ。いくつかの実施形態では、複数のノズルを接続するために、連絡ランナの複数のセットを提供することができる。さらに、両方のニードルは、単一のプレートに結合され、その結果、プレート402の移動(例えば、手動制御を介して、モータを介して)がニードルを均一に移動させる。
【0134】
図1Aに戻ると、印刷プラットフォーム110は、ステージ駆動機構上に配置されている。ステージ駆動機構は、ノズル106の移動に対して印刷プラットフォーム110を駆動することができる。いくつかの実施形態では、ステージ駆動機構は、デカルト座標系に基づくステッパモータ、リニアモータ、またはサーボモータであり得、それにより、X軸、Y軸およびZ軸のうちの1つの方向、またはより多くの方向に沿って印刷プラットフォーム110を駆動することができる。他の実施形態では、印刷装置100は、ノズル106に関して印刷プラットフォームモジュール110の移動を駆動するためのモジュール駆動機構をさらに含む。さらに他の実施形態では、ステージ駆動機構は、移送トラックであり得る。印刷プラットフォーム110およびノズル106の相対的な移動により、印刷材料は、印刷プラットフォーム110上に複雑な構造および所望の構成に堆積される。他の座標系および/または移動を使用することができることを理解されたい。
【0135】
いくつかの実施形態では、ノズルの複数のアレイを使用して、医薬投与単位の単一のバッチを印刷する。例えば、第1のノズルのアレイは、第1のタイプの印刷材料を分注するように構成され、第2のノズルのアレイは、第2のタイプの印刷材料を分注するように構成される。ノズルの複数のアレイを切り替えることにより、結果として得られる各錠剤は、異なる材料の層を含むことができる。考察されたように、各ノズルは、対応するモータ112および印刷材料の出力を制御するためのコンピュータコントローラに結合されたニードルバルブ機構を備え、その結果、結果として得られる医薬投与単位は、体積、重量、および/または組成において、同じバッチ内でおよび複数のバッチにわたって一貫している。
【0136】
図1Dは、いくつかの実施形態に従って、ノズルの複数のアレイを使用して医薬投与単位を印刷するための例示的なシステムを示している。図示の例では、印刷される医薬投与単位は、4つの部品、すなわち、内側部品1、内側部品2、内側部品3、およびシェルを備える。印刷プロセスは、4つのフェーズで発生する。第1のフェーズでは、第1のノズルのアレイが、第1の命令のセットに基づいて、材料1を分注して内側部品1単位のバッチを印刷するように構成されている。いくつかの実施形態では、命令のセットは、APIとして実装される。第2のフェーズでは、第2のノズルのアレイが、API2に基づいて、材料2を分注して内側部品2単位のバッチを印刷するように構成されている。第3のフェーズでは、第3のノズルのアレイが、API3に基づいて、材料3を分注して内側部品3単位のバッチを印刷するように構成されている。第1、第2、および第3のフェーズでは、部品のバッチはすべて同じ印刷プラットフォーム上に印刷される。さらに、各内側部品1単位は、対応する内側部品2単位および内側部品3単位を有し、この3つの単位は、3つの単位の相対的な配置が、医薬投与単位内の所望の配置と一致するように、印刷プラットフォーム上で生成される。
【0137】
第4のフェーズでは、第4のノズルのアレイが、API4に基づいて、材料4を分注してシェルのバッチを印刷するように構成されている。各シェルは、内側部品1単位と、対応する内側部品2単位および内側部品3単位とをコーティングして、最終的な医薬単位を形成するように作製される。
【0138】
印刷材料は、粘性材料を含む。いくつかの実施形態では、それは、薬用材料もしくは熱可塑性材料、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、材料は、摂氏約25度~約400度の温度でノズルから分注される。いくつかの実施形態では、材料の粘度は、0.001~10000Pa・sである。
【0139】
いくつかの実施形態では、材料は、粉末、顆粒、ゲル、またはペーストなどの非フィラメント状材料である。非フィラメント状材料は、ノズルの押出ポートを通って分注することができるように、溶融および加圧される。本明細書でさらに説明するように、特に粘性のある材料の圧力は、材料の精密かつ正確な堆積を確実にするために注意深く制御される。材料は、材料を含有しているバレル、給送チャネル、および/またはノズル内またはその周囲など、材料供給モジュール内に配設された1つ以上のヒータを使用して、材料供給モジュール内で溶融することができる。いくつかの実施形態では、材料の溶融温度は、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約100℃以上、約120℃以上、約150℃以上、約200℃以上、または約250℃以上など、約30℃以上である。いくつかの実施形態では、材料の溶融温度は、約350℃以下、約300℃以下、約260℃以下、約200℃以下、約150℃以下、約100℃以下、または約80℃以下など、約400℃以下である。ノズルから分注される材料は、材料の溶融温度以上の温度で分注することができる。いくつかの実施形態では、材料は、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約100℃以上、約120℃以上、約150℃以上、約200℃以上、または約250℃以上など、約50℃以上の温度で分注される。いくつかの実施形態では、材料は、約350℃以下、約300℃以下、約260℃以下、約200℃以下、約150℃以下、約100℃以下、または約80℃以下など、約400℃以下の温度で分注される。
【0140】
本明細書に説明されるシステムは、粘性材料を正確かつ精密に分注するのに有用である。いくつかの実施形態では、材料は、デバイスから分注されるときに、約200Pa・s以上、約300Pa・s以上、約400Pa・s以上、約500Pa・s以上、約750Pa・s以上、または約1000Pa・s以上など、約100Pa・s以上の粘度を有する。いくつかの実施形態では、材料は、約1000Pa・s以下、約750Pa・s以下、約500Pa・s以下、約400Pa・s以下、約300Pa・s以下、または約200Pa・s以下など、約2000Pa・s以下の粘度を有する。
【0141】
いくつかの実施形態では、材料は医薬的に許容される材料である。いくつかの実施形態では、材料は不活性または生物学的に不活性である。いくつかの実施形態では、材料は侵食性材料または生体侵食性材料である。いくつかの実施形態では、材料は非侵食性材料または非生体侵食性材料である。いくつかの実施形態では、材料は医薬的に許容される材料である。いくつかの実施形態では、材料は、1つ以上の熱可塑性材料、1つ以上の非熱可塑性材料、または1つ以上の熱可塑性材料と1つ以上の非熱可塑性材料との組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、材料はポリマーまたはコポリマーである。
【0142】
いくつかの実施形態では、材料は熱可塑性材料を含む。いくつかの実施形態では、材料は熱可塑性材料である。いくつかの実施形態では、材料は、侵食性の熱可塑性材料であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性材料は食用である(すなわち、個人による消費に好適である)。いくつかの実施形態では、熱可塑性材料は、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、膨潤性ポリマー、非膨潤性ポリマー、多孔性ポリマー、非多孔性ポリマー、侵食性ポリマー(溶解性ポリマーなど)、pH感受性ポリマー、天然ポリマー、ワックス様材料、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、熱可塑性材料は、セルロースエーテル、セルロースエステル、アクリル樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、C12~C30脂肪酸のモノまたはジグリセリド、C12~C30脂肪アルコール、ワックス、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルカプロラクタムーポリ酢酸ビニルーポリエチレングリコールグラフトコポリマー57/30/13、ポリビニルピロリドン-co-ビニル-アセテート(PVP-VA)、ポリビニルピロリドン-ポリ酢酸ビニルコポリマー(PVP-VA)60/40、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)およびポリビニルピロリドン(PVP)80/20、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(VA64)、ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー25/75、kollicoatIR-ポリビニルアルコール60/40、ポリビニルアルコール(PVAまたはPV-OH)、ポリ(酢酸ビニル)(PVAc)、ポリ(ブチルメタクリレート-co-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート-co-メチルメタクリレート)1:2:1、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート-co-メタクリル酸エステル)、ポリ(エチルアクリレート-co-メチルメタクリレート-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)、ポリ(メチルアクリレート-co-メチルメタクリレート-co-メタクリル酸)7:3:1、ポリ(メタクリル酸-co-メチルメタクリレート)1:2、ポリ(メタクリル酸-co-エチルアクリレート)1:1、ポリ(メタクリル酸-co-メチルメタクリレート)1:1、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ハイパーブランチポリエステルアミド、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒプロメロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒプロメロース(HMPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートコハク酸塩またはヒプロメロースアセテートコハク酸塩(HPMCAS)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、カルボマー、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン(PE)、およびポリカプロラクトン(PCL)、ヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)、ポリオキシル40水添ヒマシ油、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ポロキサマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ポロキサマー、水添ヒマシ油、水添大豆油、グリセリルパルミトステアレート、カルナウバワックス、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、フタル酸ポリビニルアセテート(PVAP)、ワックス、ミツロウ、ヒドロゲル、ゼラチン、水添植物油、ポリビニルアセタールジエチルアミノラクテート(AEA)、パラフィン、シェラック、アルギン酸ナトリウム、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、アラビアガム、キサンタンガム、モノステアリン酸グリセリン、オクタデカン酸、熱可塑性デンプン、それらの誘導体(塩、アミド、またはそれらのエステルなど)、またはこれらの組み合わせである。
【0143】
いくつかの実施形態では、侵食性材料は非熱可塑性材料を含む。いくつかの実施形態では、侵食性材料は非熱可塑性材料である。いくつかの実施形態では、非熱可塑性材料は、非熱可塑性デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム(CMS-Na)、スクロース、デキストリン、ラクトース、微結晶性セルロース(MCC)、マンニトール、ステアリン酸マグネシウム(MS)、粉末シリカゲル、二酸化チタン、グリセリン、シロップ、レシチン、大豆油、茶油、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、Tween(登録商標)、動物性脂肪、シリコーン油、カカオバター、脂肪酸グリセリド、ワセリン、キトサン、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリメタクリル酸、非毒性ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、またはこれらの組み合わせである。
【0144】
本明細書に説明されるデバイスまたは本明細書に説明される方法と共に使用することができる例示的な材料には、ポリ(メタ)アクリレートコポリマー(アミノアルキルメタクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、および/または、商標名Eudragit(登録商標)RSPOで販売されているコポリマーなどのアンモニオアルキルメタクリレートのうちの1つ以上を含有するコポリマーなど)、およびヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、材料は薬物を含む。いくつかの実施形態では、材料は薬物と混合される。
【0145】
図6Aは、本発明のいくつかの実施形態による、医薬投与単位を3D印刷するための例示的なプロセス600を示している。プロセス600は、例えば、印刷システム100を使用して行われる。プロセス600では、いくつかのブロックが任意選択的に組み合わされ、いくつかのブロックの順序が任意選択的に変更され、いくつかのブロックが任意選択的に省略される。いくつかの例では、プロセス600と組み合わせて追加のステップが行われてもよい。したがって、図示される(および以下により詳細に説明される)動作は、本質的に例示的なものであり、したがって、限定的であると見なされるべきではない。
【0146】
いくつかの実施形態では、印刷システムは、1つ以上のコンピュータコントローラを備える。コンピュータコントローラは、複数の製造パラメータに基づいて、プログラムすることができる。複数の製造パラメータには、印刷速度、印刷システムの異なる部分(例えば、流れ分配プレート、ノズルの遠位端、材料供給モジュール、ポンプ)と関連付けられた目標温度値、および圧力曲線が含まれる。いくつかの実施形態では、製造パラメータのうちのいくつかはユーザによって指定され、他のパラメータはコンピュータによって自動的に計算される。製造パラメータは、医薬投与単位の所望の測定基準(例えば、体積、重量、組成、寸法)、印刷材料、および/または印刷システムの設定に基づいて、判定することができる。いくつかの実施形態では、複数の製造パラメータに基づいて、プログラミング論理/コードが生成される。
【0147】
ブロック602において、印刷システムは、初期化ステップを行う。初期化ステップには、システムの起動、必要なデータ(例えば、3Dモデル)およびプログラミング論理のロード、パラメータの初期化、またはこれらの組み合わせを含むことができる。初期化ステップは、印刷システムの様々な構成要素で所望の温度を達成するための加熱プロセスをさらに含むことができる(例えば、加熱ワイヤの温度を上げる)。いくつかの実施形態では、加熱プロセスは、比例・積分・微分コントローラ(「PIDコントローラ」)によって制御される。具体的には、PIDコントローラは、印刷システムの様々な構成要素の温度を(例えば、定期的に)測定し、1つ以上の目標温度が実現されているかどうかを判定することができる。1つ以上の目標温度が実現されていないという判定に従って、PIDコントローラは、加熱プロセスを継続する。1つ以上の目標温度が実現されたという判定に従って、PIDコントローラは、出力を提供する。いくつかの実施形態では、出力は、印刷材料を追加するように人間の作業員に警告するための視覚的、聴覚的、または触覚的出力である。いくつかの実施形態では、出力は、印刷材料が印刷システムに自動的に追加されるようにトリガする出力信号である。
【0148】
ブロック604において、システムは、印刷材料のセットを受容し、処理する。印刷材料は、事前定義された組成物中の活性成分および/または賦形剤を含むことができる。印刷材料は、薬用材料、熱可塑性材料、およびこれらの組み合わせを含むことができる。材料供給モジュールにおいて、印刷材料は、ブレンドされ、可塑化され、溶融される。ブロック606において、処理された印刷材料は、例えば、1軸ねじポンプ(例えば、歯車ポンプまたはねじバルブ)を介して、単一の流れとして流れ分配モジュールに輸送される。
【0149】
ブロック608において、流れ分配モジュールは、処理された印刷材料の単一の流れを複数の流れに分割する。具体的には、流れ分配プレートは、図2A~Cを参照して説明したものなどの複数のチャネルを備える。複数の流れは、チャネルを通って、複数のノズルの遠位端に到達する。印刷システムが起動するとき、ノズルのニードルバルブ機構は閉位置にあり、したがって、複数の流れが分注されるのを防ぐ。いくつかの実施形態では、ノズルのニードル値機構は、ノズルで所望の温度に達するまでアクティブ化されない。
【0150】
ブロック610において、システムは、チューニングステップを行う。図5Bは、いくつかの実施形態に従って、3D印刷システムをチューニングするための例示的なプロセス550を示している。
【0151】
ブロック652において、システムは、複数のノズルで複数の流れを分注し始めて、テスト医薬投与単位(例えば、錠剤カプレット、プリントレット)の第1のバッチを生成する。具体的には、印刷材料の各流れが対応するノズルのシールされた遠位端に蓄積するにつれて、圧力センサ(例えば、ノズルの遠位端にある、流れ分配プレートにある)は、より高い圧力読取値を受信し始める。圧力読取値が事前定義された閾値を超えると、ニードルバルブ機構を開いて複数の流れの分注を開始することができる。ニードルバルブ機構が開く前に、システムは、ノズルでの印刷材料の圧力を維持する。ニードルバルブ機構の開放は、1つ以上のコントローラによっていつでもトリガすることができる。
【0152】
ニードルバルブ機構が開くと、システムは、複数の流れを分注し始めて、複数のテスト医薬投与単位(例えば、錠剤カプレット、プリントレット)の第1のバッチを3D印刷する。単位の単一のバッチを3D印刷するための流れの体積は、事前定義された圧力曲線に基づいて、閉ループ制御システムを介して、制御される。図5は、例示的な圧力曲線を示しており、各サイクルは、ニードルバルブ機構の開放、印刷、および閉鎖のセッションを表す。
【0153】
ブロック654~662において、システムは、テストバッチの重量間の一貫性(例えば、32個の錠剤の重量間の一貫性)を改善しつつ、テストバッチ(例えば、32個の錠剤のバッチ)の重量の合計が事前定義された誤差範囲内に収まるまで、ノズルおよび材料供給モジュールを繰り返し調整する。ブロック554において、システムは、テストバッチの重量の合計が、事前定義された量(例えば、+/-0.5%、+/-1%、+/-2%、+/-3%、+/-4%、+/-5%)だけ目標総重量と異なるかどうかを判定する。
【0154】
ブロック656において、誤差の差が事前定義された量よりも大きいという判定に従って、システムは、誤差を低減するために調整を行う。いくつかの実施形態では、ブロック556は、1つ以上のノズルを調整すること(ブロック558)および材料供給モジュールを調整すること(ブロック560)を含む。
【0155】
ブロック658において、システムは、テスト単位のバッチの平均重量に基づいて、1つ以上のノズル、具体的には、1つ以上のノズルの開口部を調整する。目標は、ノズルの出力間の差異を低減することである。各ノズルについて、調整は、以下の式に基づいて、判定される。
next=H-α*(W-W) (1)
【0156】
上記の式において、Hnextは、次の反復におけるそれぞれのノズルのニードルバルブ機構の開口量(ミリメートル単位)を表し、Hは、現在の反復におけるそれぞれのノズルのニードルバルブ機構の開口量(ミリメートル単位)を表し、Wは、現在の反復におけるテストバッチの平均重量(ミリグラム単位)を表し、Wは、現在の反復におけるそれぞれのノズルによって生成されたテスト単位の重量(ミリグラム単位)を表し、αは、異なるニードルバルブ機構について変化する可能性がある開口係数(mm/mg単位)を表す。いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムを使用して、各ノズルの開口量を判定することができる。ニードルバルブの開口量は、ニードルの移行変位量に関連して指示される。ニードルが上向きに移行すると、開口量が増加する。ニードルが下向きに移行すると、開口量が減少する。「開口量」および「移行変位量」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。
【0157】
ブロック660において、システムは、例えば、圧力および温度を調整することによって(例えば、ノズルでの圧力読取値に基づいて、流れ分配プレートでの圧力読取値に基づいて)、給送速度/量を調整することによって、またはこれらの任意の組み合わせによって、材料供給モジュールを調整する。例えば、テストバッチの総重量が目標バッチ重量を超える場合、システムは、圧力を下げる、温度を下げる、給送速度/量を減らす、またはこれらの任意の組み合わせを行うことができる。
【0158】
ブロック662において、調整が行われた後、システムは、ニードルバルブ機構を開いて、複数のテスト単位の別のバッチを3D印刷する。ブロック554において、システムは、新しいテストバッチの重量の合計が、事前定義された量(例えば、+/-0.5%、+/-1%、+/-2%、+/-3%、+/-4%、+/-5%)だけ目標総重量と異なるかどうかを判定する。そうでない場合、システムは、556におけるステップを繰り返して、材料供給モジュールとノズルの調整を継続する。
【0159】
ブロック664において、新しいテストバッチの重量の合計が、事前定義された量だけ目標総重量と異ならないという判定に従って、システムは、医薬単位の目標重量に基づいて、1つ以上のノズルを調整する。言い換えれば、ノズル出力間の一貫性を改善しつつ、目標バッチ重量を達成した後、システムは、ノズルを調整して、各ノズルが目標重量(例えば、特定の錠剤の目標重量)を確実に達成することができるようにする。
【0160】
具体的には、システムは、医薬単位の目標重量に基づいて、1つ以上のノズル、具体的には、1つ以上のノズルの開口部を調整する。各ノズルについて、調整は、以下の式に基づいて、判定される。
next=H-α*(W-W) (2)
【0161】
上記の式において、Hnextは、次の反復におけるそれぞれのノズルのニードルバルブ機構の開口量(ミリメートル単位)を表し、Hは、現在の反復におけるそれぞれのノズルのニードルバルブ機構の開口量(ミリメートル単位)を表し、Wは、単位の目標重量(ミリグラム単位)を表し、Wは、現在の反復におけるそれぞれのノズルによって生成されたテスト単位の重量(ミリグラム単位)を表し、αは、異なるニードルバルブ機構について変化する可能性がある開口係数(mm/mg単位)を表す。いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムを使用して、各ノズルの開口量を判定することができる。
【0162】
式(1)と(2)との間の主な違いは、WとWとの間の違いである。いくつかの実施形態では、バッチ重量が、例えば、システム内の圧力および温度を調整することによって、最初に調整される。バッチ重量が望ましい範囲内にあるとき、例えば、ニードルバルブの開閉を調整することにより、単位重量が調整される。
【0163】
ブロック666において、システムは、新しいテストバッチを3D印刷する。ブロック668において、システムは、新しいテストバッチ内の各テスト単位の重量が、事前定義された量(例えば、+/-0.5%、+/-1%、+/-2%、+/-3%、+/-4%、+/-5%)だけ目標単位重量と異なるかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、事前定義された量は、+/-1.5%である。ノーの場合、初期化は完了する。イエスの場合、システムは、ステップ654~664のいくつかまたはすべてを繰り返すことにより、チューニングステップを継続する。
【0164】
上記のチューニングステップは例示的なものである。出力堆積物(例えば、押し出されたワイヤ)の重量、体積、寸法、および/または組成などの医薬単位の重量以外のパラメータをチューニングステップで使用して、これらのパラメータでのノズル間およびバッチにわたって一貫性を達成することができる。
【0165】
チューニングステップは、閉ループ制御システムと併用することができる。いくつかの実施形態では、システムは、温度読取値(例えば、材料供給モジュール、流れ分配プレート、またはノズル内の温度センサから)に基づいて、ヒータおよび温度制御デバイスを調整して、目標温度を達成かつ維持する温度閉ループ制御システムを備える。いくつかの実施形態では、多重極温度センサからの温度読取値の平均が使用される。例えば、温度センサは、測定された温度をコンピュータシステムに送信することができ、コンピュータシステムは、1つ以上のヒータを動作させてほぼ一定の温度を確保することができる。ノズル内の温度センサは、閉ループフィードバックシステム内のノズル内の1つ以上のヒータと共に動作して、ノズル内の材料のほぼ一定の温度を確保することができる。
【0166】
本明細書に説明される温度センサは、熱電対センサ(例えば、タイプJ、タイプK)または抵抗温度計を含むことができる。いくつかの実施形態では、温度センサは、200℃未満の温度を測定するように構成されている。本明細書に説明される圧力センサは、ピエゾ抵抗タイプのトランスデューサまたはひずみゲージセンサを含む。いくつかの実施形態では、小範囲ひずみゲージセンサが使用される。温度または圧力センサの場所(例えば、材料供給モジュール、流れ分配プレート、またはノズル内またはそれに近接する)に応じて、異なるタイプのセンサを使用することができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、システム内の1つ以上のヒータは、システム内の材料を、材料の溶融温度以上の温度に加熱する。いくつかの実施形態では、1つ以上のヒータは、材料を、約70℃以上、80℃以上、100℃以上、120℃以上、150℃以上、200℃以上、または250℃以上など、約60℃以上の温度に加熱する。いくつかの実施形態では、1つ以上のヒータは、材料を、約260℃以下、200℃以下、150℃以下、100℃以下、または80℃以下など、約300℃以下の温度に加熱する。いくつかの実施形態では、1つ以上のヒータは、材料を、デバイスの異なる場所で異なる温度に加熱する。例えば、いくつかの実施形態では、材料は、バレル内の第1の温度、給送チャネル内の第2の温度、およびノズル内の第3の温度に加熱され、これらは、各々、同じ温度または異なる温度であり得る。いくつかの実施形態では、ノズルでの材料の温度は、給送チャネルおよび流れ分配プレート内のチャネルよりも、例えば、0~10℃または0~20℃だけ高い。例として、材料はバレルおよび給送チャネル内で140℃に加熱され得るが、ノズル内では160℃に加熱され得る。フィードバック制御システムにより、温度の高精度が可能になる。いくつかの実施形態では、温度は、目標温度の0.1℃以内、目標温度の0.2℃以内、目標温度の0.5℃以内、目標温度の1℃以内、または目標温度の10℃以内に制御される。
【0168】
いくつかの実施形態では、システムは、圧力読取値(例えば、流れ分配プレートまたはノズル内の圧力センサから)に基づいて、材料供給モジュール(例えば、ねじ機構の回転速度)を調整して、目標圧力を達成かつ維持する圧力閉ループ制御システムを含む。いくつかの実施形態では、多重極圧力センサからの圧力読取値の平均が使用される。
【0169】
いくつかの実施形態では、圧力センサは、ノズルまたはノズルに近接する給送チャネル内の材料の圧力を検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、圧力センサは、ノズル内または給送チャネルに隣接して、ノズルに近接して位置決めされる。圧力センサは、閉ループフィードバックシステム内の圧力コントローラと共に動作して、デバイス内の材料にほぼ一定の圧力を提供することができる。例えば、圧力センサが圧力の低下を検出すると、フィードバックシステムは、圧力コントローラに信号を送って材料の圧力を上げることができる(例えば、ピストンを下げる、バレル内の空気圧を上げる、圧力ねじを回すことなどによって)。同様に、圧力センサが圧力の増大を検出すると、フィードバックシステムは、圧力コントローラに信号を送って材料の圧力を下げることができる(例えば、ピストンを上げる、バレル内の空気圧を下げる、圧力ねじを回すことなどによって)。一定の圧力により、シーリングニードルが開位置にあるときに、デバイス内の溶融材料がノズルの押出ポートを通って一定の速度で分注されることが保証される。しかしながら、シーリングニードルが閉位置にあるときは、一定の圧力の増大(例えば、ピストンを上げる、バレル内の空気圧を下げる、圧力ねじを回すことなどによって)により、溶融材料がノズルを通って漏れる可能性がある。また、圧力センサおよび圧力コントローラを含むフィードバックシステムは、シーリングニードルが開位置から閉位置に、または閉位置から開位置に再位置決めされたときに、システム内でほぼ一定の圧力を保つ。これにより、システム内の材料の圧力をランプアップする必要がないため、シーリングニードルが閉位置から開位置に位置決めされたときの押出速度の「ランプアップ」が最小限に抑えられる。フィードバックシステムは、比例・積分・微分(PID)コントローラ、バンバンコントローラ、予測コントローラ、ファジー制御システム、エキスパートシステムコントローラ、または他の任意の好適なアルゴリズムを使用して動作することができる。いくつかの実施形態では、圧力センサのサンプルレートは、約10ms以下、約5ms以下、または約2ms以下など、約20ms以下である。いくつかの実施形態では、圧力は、目標圧力の0.01MPa以内、目標圧力の0.05MPa以内、目標圧力の0.1MPa以内、目標圧力の0.2MPa以内、目標圧力の0.5MPa以内、または目標圧力の1MPa以内に制御される。
【0170】
図6Aに戻ると、ブロック612において、システムは、医薬投与単位の1つ以上のバッチを印刷する。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、バッチ重量または単位重量を測定し、それらが望ましい範囲内にあるかどうかを判定することによって、医薬投与単位の品質チェックを定期的に実施する。バッチ重量または単位重量が望ましい範囲から外れる場合、システムは、ステップ654~664のいくつかまたはすべてを行って調整を行い、および/または上記の閉ループ制御システムのいずれかを使用することができる。
【0171】
いくつかの実施形態では、システムは、医薬単位の複数の層を印刷するためのノズルの複数のアレイを備える。ノズルのアレイの各々は、上記のステップに従ってチューニングすることができる。システムは、複数のアレイの動作を調和させて、医薬投与単位のバッチを3D印刷するためのコントローラを備えることができる。
【0172】
印刷システムで使用される様々なコントローラは、例えば、比例・積分・微分(PID)コントローラ、バンバンコントローラ、予測コントローラ、ファジー制御システム、エキスパートシステムコントローラ、または他の任意の好適なコントローラを含む、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)を含むことができる。さらに、バス構造を、いくつかの実施形態で使用することができる。フィードバックシステムは、比例積分微分制御、バンバン制御、予測制御、ファジー制御システム、エキスパート制御、または他の任意の適切な制御ロジックを使用することができる。
【0173】
図5A~Bを参照して上記で説明された動作は、任意選択的に、図6に示される構成要素によって実施される。当業者には、図6に示される構成要素に基づいて、他のプロセスがどのように実施されるかは明らかであろう。
【0174】
付加製造によって医薬製品を作製するための例示的なシステムは、印刷材料のセットを受容するための材料供給モジュールと、流れ分配プレートを備える流れ分配モジュールであって、材料供給モジュールは、印刷材料のセットに対応する単一の流れを流れ分配プレートに輸送するように構成され、流れ分配プレートは、単一の流れを複数の流れに分割するための複数のチャネルを備える、流れ分配モジュールと、複数のノズルと、複数のノズル固有のパラメータに基づいて、複数の流れを分注するために、複数のノズルを制御するための1つ以上のコントローラと、を備える。
【0175】
いくつかの実施形態では、システムは、分注された複数の流れを受容するように構成された印刷プラットフォームをさらに備え、印刷プラットフォームは、医薬製品のバッチを形成するために移動するように構成されている。
【0176】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュールは、受容された印刷材料のセットを加熱するように構成されている。
【0177】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュールは、受容された印刷材料のセットを可塑化するように構成されている。
【0178】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュールは、ピストン機構、ねじ機構、ねじポンプ機構、歯車機構、プランジャポンプ機構、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、複数のチャネルは、単一の流れを2つの流れに分割するように構成された第1の接合部を形成する。
【0180】
いくつかの実施形態では、複数のチャネルは、2つの流れを4つの流れに分割するように構成された第2の接合部および第3の接合部を形成する。
【0181】
いくつかの実施形態では、第1の接合部は、第2の接合部および第3の接合部よりも高く位置決めされている。
【0182】
いくつかの実施形態では、第1の接合部、第2の接合部、および第3の接合部は同じ平面上に位置決めされている。
【0183】
いくつかの実施形態では、流れ分配プレートは、複数の構成要素に分離可能であり、複数の構成要素は、1つ以上のねじを介して、一緒に保持されるように構成されている。
【0184】
いくつかの実施形態では、複数のノズルのうちの1つのノズルは、加熱デバイスを備える。
【0185】
いくつかの実施形態では、複数のノズルは、複数のニードルバルブ機構を備える。
【0186】
いくつかの実施形態では、複数のニードルバルブ機構のうちのニードルバルブ機構は、それぞれのノズルを通って延在する給送チャネルであって、給送チャネルは、ノズルの遠位端でテーパ状になっている、給送チャネルと、ニードルであって、ニードルバルブ機構が閉位置にあるときに、ニードルの遠位端は、給送チャネルに接触してシールするように構成され、印刷材料の流れを分注することを可能にするために、ニードルの遠位端は、後退させられるように構成されている、ニードルと、を備える。
【0187】
いくつかの実施形態では、ニードルの移動は、1つ以上のモータによって駆動される。
【0188】
いくつかの実施形態では、1つ以上のモータは、リニアモータを含む。
【0189】
いくつかの実施形態では、ニードルの移動は、手動で制御される。
【0190】
いくつかの実施形態では、複数のノズル固有のパラメータのうちのパラメータは、それぞれのノズルの開口量を含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコントローラは、それぞれのノズルに対応するバッチ内の単位の重量に基づいて、それぞれのノズルの開口量を調整するように構成されている。
【0192】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコントローラは、1つ以上の機械学習アルゴリズムに基づいて、それぞれのノズルの開口量を調整するように構成されている。
【0193】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコントローラは、複数のノズルの温度または圧力を制御するように構成されている。
【0194】
いくつかの実施形態では、温度は、加熱デバイスおよび温度制御デバイスを介して、制御される。
【0195】
いくつかの実施形態では、複数のノズルの温度が、材料供給モジュールの温度よりも高い。
【0196】
いくつかの実施形態では、複数のノズルの温度が、流れ分配プレートの温度よりも高い。
【0197】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコントローラは、印刷材料のセットの給送速度を制御するように構成されている。
【0198】
いくつかの実施形態では、複数のノズルは、第1の複数のノズルであり、印刷システムは、材料の異なるセットを分注するように構成された第2の複数のノズルをさらに備え、印刷システムは、第1の複数のノズルと第2の複数のノズルとを切り替えてバッチを印刷するように構成されている。
【0199】
いくつかの実施形態では、医薬単位は、錠剤である。
【0200】
付加製造によって医薬製品を作製するための例示的なコンピュータ対応の方法は、複数の医薬投与単位に対応する複数の単位測定値を受信することであって、複数の医薬投与単位は、付加製造システムの複数のノズルを使用して生成される、受信することと、複数の単位測定値の合計が、事前定義された閾値を超えて目標バッチ測定値と異なるかどうかを判定することと、合計が事前定義された閾値を超えて目標バッチ測定値と異なるという判定に従って、複数の単位測定値の平均に基づいて、複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整することと、合計が事前定義された閾値を超えて目標バッチ測定値と異ならないという判定に従って、目標単位測定値に基づいて、複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整することと、を含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、複数の医薬単位は、複数の錠剤である。
【0202】
いくつかの実施形態では、単位測定値は、複数の医薬投与単位の重量測定値である。
【0203】
いくつかの実施形態では、単位測定値は、複数の医薬投与単位の体積測定値である。
【0204】
いくつかの実施形態では、単位測定値は、複数の医薬投与単位の組成測定値である。
【0205】
いくつかの実施形態では、この方法は、合計が事前定義された閾値を超えて目標バッチ測定値と異なるという判定に従って、付加製造システムの1つ以上の動作パラメータを調整することをさらに含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、1つ以上の動作パラメータは、温度を含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、1つ以上の動作パラメータは、圧力を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、1つ以上の動作パラメータは、印刷材料を給送する速度を含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、事前定義された閾値は、+/-0.5%~+/-5%である。
【0210】
いくつかの実施形態では、この方法は、目標単位測定値に基づいて、複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整した後、新しいバッチを印刷することと、新しいバッチ内の単位の重量が、第2の事前定義された閾値を超えて目標単位測定値と異なるかどうかを判定することと、をさらに含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、第2の事前定義された閾値は、5%未満である。
【0212】
付加製造によって医薬製品を製造するための例示的な方法は、材料供給モジュールを使用して、印刷材料のセットを受容することと、材料供給モジュールを使用して、印刷材料のセットに対応する単一の流れを流れ分配プレートに輸送することであって、流れ分配プレートは複数のチャネルを備える、輸送することと、流れ分配プレートの複数のチャネルを介して、単一の流れを複数の流れに分割することと、複数のノズル固有のパラメータに基づいて、複数のノズルに複数の流れを分注させることと、を含む。
【0213】
例示的な非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプログラムを格納し、1つ以上のプログラムは、命令を含み、命令は、ディスプレイを有する電子デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、3D印刷システムの複数のノズルを使用して生成される、複数の医薬投与単位に対応する複数の重量測定値を受信させ、複数の重量測定値の合計が、事前定義された閾値を超えて目標バッチ重量と異なるかどうかを判定させ、合計が事前定義された閾値を超えて目標バッチ重量と異なるという判定に従って、複数の重量測定値の平均重量測定値に基づいて、複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整させ、合計が事前定義された閾値を超えて目標バッチ重量と異ならないという判定に従って、目標重量測定値に基づいて、複数のノズルのうちの1つ以上のノズルを調整させる。
【0214】
図7は、一実施形態に従って、コンピューティングデバイスの例を示している。デバイス700は、ネットワークに接続されたホストコンピュータであり得る。デバイス700は、クライアントコンピュータまたはサーバであり得る。図7に示されるように、デバイス700は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、組み込みシステム、PLC、FPGA、サーバ、または電話もしくはタブレットなどのハンドヘルドコンピューティングデバイス(携帯電子デバイス)などの任意の好適なタイプのマイクロプロセッサベースのデバイスであり得る。デバイスは、例えば、プロセッサ710、入力デバイス720、出力デバイス730、ストレージ740、および通信デバイス760のうちの1つ以上を含むことができる。入力デバイス720および出力デバイス730は、一般に、上記のものに対応することができ、接続可能であるか、またはコンピュータと統合することができる。
【0215】
入力デバイス720は、タッチスクリーン、キーボードもしくはキーパッド、マウス、または音声認識デバイスなど、入力を提供する任意の好適なデバイスであり得る。出力デバイス730は、タッチスクリーン、触覚デバイス、またはスピーカなど、出力を提供する任意の好適なデバイスであり得る。
【0216】
ストレージ740は、RAM、キャッシュ、ハードドライブ、またはリムーバブルストレージディスクを含む電気的、磁気的または光学的メモリなどのストレージを提供する任意の好適なデバイスであり得る。通信デバイス760は、ネットワークインターフェースチップまたはデバイスなど、ネットワークを介して、信号を送受信することができる任意の好適なデバイスを含むことができる。コンピュータの構成要素は、物理バスを介して、またはワイヤレスでなど、任意の好適な様式で接続することができる。
【0217】
ストレージ740に格納され、プロセッサ710によって実行され得るソフトウェア750は、例えば、本開示の機能を(例えば、上記のようにデバイスにおいて具体化されるように)具体化するプログラミングを含むことができる。
【0218】
ソフトウェア750はまた、上記のものなどである命令実行システム、装置、またはデバイスからソフトウェアと関連付けられた命令をフェッチし、命令を実行することができる、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するために、任意の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に格納および/または輸送することができる。本開示の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラミングを含むまたは記憶することができる、ストレージ740などの任意の媒体であり得る。
【0219】
ソフトウェア750はまた、上記のものなどである命令実行システム、装置、またはデバイスからソフトウェアと関連付けられた命令をフェッチし、命令を実行することができる、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するために、任意の輸送媒体内に伝播することができる。本開示の文脈において、輸送媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラミングを通信する、伝播する、または輸送することができる任意の媒体であり得る。輸送可読媒体には、電子、磁気、光、電磁気、または赤外線の有線もしくは無線の伝播媒体が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0220】
デバイス700は、任意の好適なタイプの相互接続された通信システムであり得るネットワークに接続され得る。ネットワークは、任意の好適な通信プロトコルを実装することができ、任意の好適なセキュリティプロトコルによって安全にすることができる。ネットワークは、無線ネットワーク接続、T1もしくはT3回線、ケーブルネットワーク、DSL、または電話回線などのネットワーク信号の送受信を実装できる任意の好適な配置のネットワークリンクを含むことができる。
【0221】
デバイス700は、ネットワーク上での動作に好適な任意のオペレーティングシステムを実装することができる。ソフトウェア750は、C、C++、Java(登録商標)、Pythonなどの任意の好適なプログラミング言語で記述することができる。様々な実施形態では、本開示の機能を具体化するアプリケーションソフトウェアは、例えば、クライアント/サーバ配置で、またはウェブベースのアプリケーションもしくはウェブサービスとしてウェブブラウザを介してなど、異なる構成で展開することができる。
【0222】
図8Aは、いくつかの実施形態に従って、医薬単位用の標準化されたマルチステーション印刷システムの例示的なレイアウトを示している。図8を参照すると、マルチステーション印刷システム800は、複数の印刷ステーション802A、802B、802C、および802Dを備える。複数の印刷ステーションは、直線状に配置されている。図8Aに示されるトップダウン図では、ステーション802A~802Dの各々は、ノズルのセット(32個のノズル)を備え、これらは、医薬投与単位のバッチ(例えば、錠剤のバッチ)を印刷するために印刷プレートの上に印刷材料の複数の流れを分注するように構成されている。
【0223】
いくつかの実施形態では、印刷ステーション802A~802Dの各々は、対応する座標系を参照して、x軸、y軸、およびz軸に沿って印刷プレートを移動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、印刷ステーション802A~Dの座標系は互いに異なり、したがって、印刷ステーション802A~Dを独立して(例えば、1つ以上のコントローラを介して)制御することができる。
【0224】
さらに図8を参照すると、マルチステーションシステム800は、プレート輸送機構806を備える。図示のように、プレート輸送機構806は、チャネル804Aおよび804Bに沿って移行するように構成されている。プレート輸送機構806は、印刷ステーションと共に動作して、印刷プレートを1つの印刷ステーション(例えば、802A)からプレート輸送機構の2つの端部のうちの1つに(矢印808Aおよび808Bにで示されるように)移動させ、いずれかのチャネルに沿って、印刷プレートを(矢印810Aおよび810Bで示されるように)輸送し、印刷プレートを別の印刷ステーションに移動するように構成されている。いくつかの実施形態では、印刷ステーションおよびプレート輸送機構の動作は、製造速度を最大化し、印刷ステーションのアイドル時間を最小化するように調和される。
【0225】
システム806内の複数のステーションは、他のレイアウトで配置することができる。いくつかの実施形態では、複数のステーションを円または正方形の周りに配置することができる。
【0226】
いくつかの実施形態では、プレート輸送機構は、ある印刷ステーションから別の印刷ステーションに印刷プレートを輸送することができるように、円形または正方形の形状である1つ以上のチャネルからなっていてもよい。いくつかの実施形態では、プレート輸送機構は、1つの印刷ステーションから印刷プレートをピックアップし、印刷プレートを別の印刷ステーションに移動させるための1つ以上のグリッパおよび/またはロボットアームを備える。
【0227】
図8Bは、いくつかの実施形態に従って、例示的なマルチステーションシステム800の部分側面図を示している。マルチステーションシステム800は、印刷ステーション802Aおよび802Bを含む、複数の印刷ステーションを備える。印刷ステーション802Aは、印刷プラットフォーム806Aと、印刷プラットフォームの上に置かれたノズルのセット(例えば、ノズルのアレイ)と、を備える。動作中、ノズルのセットは、印刷材料の流れのセットを、印刷プラットフォーム806A上に置かれた印刷プレート上に同時に分注して、医薬投与単位のバッチを形成することができる。印刷ステーション802Bは、1つ以上のノズルの異なるセットを備え、印刷ステーション802Bと同様の様式で動作する。いくつかの実施形態では、印刷ステーション802Aおよび802Bは、協調して動作して、同じバッチの医薬投与単位を製造する。例えば、t0において、印刷ステーション802Aは、印刷プラットフォーム806A上に置かれたプレートの上に医薬投与単位のシェルのバッチを印刷する。次に、プレートは、印刷ステーション802Bに輸送され(例えば、プレート輸送機構を介して)、印刷プラットフォーム806B上に置かれる。t1において、印刷ステーション802Bは、シェルのバッチ内の内部構成要素を印刷する。
【0228】
いくつかの実施形態では、印刷プラットフォームとノズルとの相対的位置決め(例えば、x軸方向、y軸方向、z軸方向における)は、印刷ステーションごとに変化する。これにより、医薬投与単位とノズルとの相対的位置決めは、印刷ステーションごとに変化する。例えば、印刷ステーション802Aのノズルおよび印刷プラットフォーム806Aは、中央に位置合わせされ得るが、印刷ステーション802Bのノズルおよび印刷プラットフォーム806Bは中央に位置合わせされなくてもよい。このシナリオでは、プレートが印刷ステーション802Aから印刷ステーション802Bに輸送されるとき、シェルのバッチは、印刷ステーション802Aのノズルと完全には位置合わせされておらず、システムは、印刷命令において位置ずれを考慮する必要があり、それにより、それに応じて印刷プラットフォームを移動して、シェルのバッチ内の内部構成要素を印刷する。
【0229】
したがって、複数の印刷ステーションにわたって同じバッチの医薬投与製品の高精度印刷を達成するために、システムは、印刷プラットフォームと各印刷ステーションのノズルとの相対的位置決めを収集する必要がある。相対的位置決めが印刷ステーション間でどのように異なるかに基づいて、システムは、所与の印刷ステーションでの印刷命令を調整することができ、それに応じて印刷プラットフォーム/印刷プレートを移動し、その結果、ノズルのセットが、印刷プレート上の適当な位置に印刷材料を分注することができる。
【0230】
図9は、いくつかの実施形態に従って、第1の印刷ステーションおよび第2の印刷ステーションを有するマルチステーション印刷システムを初期化するための例示的なプロセスを示している。プロセス900では、いくつかのブロックが任意選択的に組み合わされ、いくつかのブロックの順序が任意選択的に変更され、いくつかのブロックが任意選択的に省略される。いくつかの例では、プロセス900と組み合わせて追加のステップが行われてもよい。したがって、図示される(および以下により詳細に説明される)動作は、本質的に例示的なものであり、したがって、限定的であると見なされるべきではない。
【0231】
第1の印刷ステーションの印刷プラットフォーム(例えば、印刷プラットフォーム806A)上にプレートが置かれる。いくつかの実施形態では、プレートは、1つ以上のピンを介して、印刷プラットフォーム806Aに取り付けられて、プレートと印刷プラットフォーム806Aとの相対的な移動を防止する。いくつかの実施形態では、調整可能な強度の1つ以上の磁気部品(例えば、電磁部品)を使用して、プレートが印刷プラットフォームにしっかりと取り付けられることを確実にすることができる。
【0232】
ブロック902において、プレートが第1の印刷プラットフォーム(例えば、806A)に取り付けられた後、システムは、第1の印刷プラットフォーム(例えば、806A)と第1の印刷ステーション(例えば、802A)のノズルとの相対的位置決めを取得する。いくつかの実施形態では、相対的位置決めは、x軸上の相対的位置決めを示す第1の値と、y軸上の相対的位置決めを示す第2の値と、を含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、相対的位置決めを取得することは、第1の値および第2の値を測定するために印刷プラットフォームを移動させることを含む。図8Bを参照すると、印刷ステーション802Aは、センサモジュール810Aおよびセンサモジュール812Aを備え、これらは、印刷ステーション802Aのシャーシに固定され、したがって、ノズルに関して常に静止したままである。初期化プロセス中、システムは、印刷プラットフォーム806Aを、センサ810Aと接触するまで(例えば、センサ810Aの出力に基づいて)、x軸上で移動させることができる。印刷プラットフォーム806Aがセンサ810Aと接触しているという判定に従って、システムは、初期位置からの印刷プラットフォーム806Aのx軸上の移動量(X1)を取得する。
【0234】
システムはさらに、印刷プラットフォーム806Aを、センサ812Aと接触するまで(例えば、センサ812Aの出力に基づいて)、y軸方向に移動させることができる。印刷プラットフォーム806Aがセンサ812Aと接触しているという判定に従って、システムは、初期位置からの印刷プラットフォーム806Aのx軸上の移動量(Y1)を取得する。いくつかの実施形態では、センサ810Aおよびセンサ812Aは、位置センサまたは変位量センサなどの任意のタイプの好適なセンサであり得る。
【0235】
ブロック904において、システムは、第2の印刷プラットフォーム(例えば、806B)と第2の印刷ステーション(例えば、802B)のノズルとの相対的位置決めを取得する。いくつかの実施形態では、ブロック902で使用された同じプレートがブロック904で使用される。いくつかの実施形態では、異なるプレートが使用される。いくつかの実施形態では、第1および第2の印刷プラットフォーム上にプレートは置かれない。
【0236】
図8Bを参照すると、印刷ステーション802Bは、センサモジュール810Bおよびセンサモジュール812Bを備え、これらは、印刷ステーション802Bのシャーシに固定され、したがって、ノズルに関して常に静止したままである。初期化プロセス中、システムは、印刷プラットフォーム806Bを、プラットフォーム(またはプラットフォーム上のプレート)がセンサ810Bと接触するまで(センサ810Aの出力に基づいて)、x軸上で移動させることができる。印刷プラットフォーム806Aがセンサ810Bと接触しているという判定に従って、システムは、初期位置からの印刷プラットフォーム806Aのx軸上の移動の変位量(X2)を取得する。
【0237】
システムはさらに、プラットフォーム(またはプラットフォーム上のプレート)がセンサ812Bと接触するまで(例えば、センサ812Bの出力に基づいて)、y軸上を移動するために印刷プラットフォーム806Bを駆動することができる。印刷プラットフォーム806Aがセンサ812Bと接触しているという判定に従って、システムは、初期位置からの印刷プラットフォーム806Bのx軸上の移動の変位量(Y2)を取得する。
【0238】
いくつかの実施形態では、印刷プラットフォームを移動させて、それがセンサと接触しているかどうかを判定して、X1、X2、Y1、およびY2の値を判定する代わりに、システムは、1つ以上の後退可能なセンサを使用して、上記の値を判定する(例えば、センサの一部分を後退させて、距離X1、X2、Y1、またはY2を測定する)。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上のレーザーセンサを使用して、上記の値を判定する。
【0239】
ブロック906において、システムは、第1の印刷プラットフォームにおける(印刷プラットフォームとノズルとの)相対的位置決めおよび第2の印刷プラットフォームにおける相対的位置決めに基づいて、オフセット値を計算する。いくつかの実施形態では、オフセット値は、x軸オフセット値ΔXおよびy軸オフセット値ΔYを含む。いくつかの実施形態では、ΔXは、X1とX2との差(例えば、ΔX=X1-X2)として計算される。いくつかの実施形態では、ΔYは、Y1とY2との差(例えば、ΔY=Y1-Y2)として計算される。
【0240】
ブロック908において、オフセット値は、1つ以上のコントローラに入力される。コントローラは、印刷ステーションの印刷プラットフォームのモーションを生成するために使用される。オフセット値は、プレートがステーションからステーションに輸送されるときに、ノズルに対する印刷プラットフォーム(したがって、医薬投与単位のバッチ)の場所を正確に判定することができるように使用される。
【0241】
ブロック902~908は、x軸およびy軸方向に関して印刷ステーションを初期化することに向けられたステップである。いくつかの実施形態では、システムは、z軸方向に関して初期化を行う。いくつかの実施形態では、z軸に関する初期化は、z軸上のゼロ点を識別することを含む。ゼロ点は、印刷プラットフォームおよび/または印刷プレートがノズルと接触するz軸位置であり、これはまた、第1層の印刷が生じる場所である。
【0242】
ゼロ点の識別は、いくつかの方法で行うことができる。いくつかの実施形態では、ゼロ点は、プラグゲージを使用して測定される。いくつかの実施形態では、ゼロ点は、印刷プラットフォームがノズルと接触し、それ以上上昇することができなくなるまで、印刷プラットフォームを(例えば、通常の動作中の電流レベルの20%~50%などのより低い電流を使用して、通常の動作中の速度の20%~50%などのより低い速度で)少しずつ上昇させることによって判定される。印刷プラットフォームがノズルと接触しているという判定(例えば、事前定義された閾値を上回る抵抗力が検出される)に従って、システムは、印刷プラットフォームの上昇を停止し、印刷プラットフォームの場所をゼロ点として設定する。いくつかの実施形態では、センサが、センサの後退可能な部分がz軸上で印刷プラットフォームから突出した状態で印刷プレートに固定される。センサの突出した部分が後退させられるように、センサの上で印刷プレート上にブロックが置かれる。センサの後退した位置が記録される。将来の初期化中に、ノズルがセンサの突出した部分に接触し、センサの突出した部分を後退させるように、印刷プラットフォームが上昇する。以前に記録された後退位置が検出されると、システムは、印刷プラットフォームの場所をz軸上のゼロ点として設定する。
【0243】
したがって、初期化プロセスが完了し、印刷システムは、印刷を開始する準備ができている。例えば、システムは、第1の印刷ステーションを駆動して、錠剤のバッチの一部分(例えば、錠剤の底部分)を印刷プレートの上に印刷し、印刷プレートを第2の印刷ステーションに輸送し、第2の印刷ステーションに、ブロック908において入力されたオフセット値に少なくとも部分的に基づいて、錠剤のバッチの別の部分(例えば、錠剤の頂上部分)を印刷させることができる。例えば、システムは、錠剤の頂上部分が錠剤の底部分と位置合わせされるように、オフセット値に基づいて、第2の印刷プラットフォームを移動させる。
【0244】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される手法を使用して、各印刷ステーションでのノズル間の導出は、x軸上で0.01mm以内(例えば、0.02~0.05mm)、y軸上で0.01mm以内(例えば、0.02~0.05mm)、およびz軸上で0.005mm以内(例えば、0.01~0.05mm)であり得る。これにより、医薬投与単位のバッチが複数の印刷ステーションにわたって輸送および印刷されるときに、各印刷ステーションのノズルが医薬投与単位のバッチと正確に整列することができるようになる。
【0245】
いくつかの実施形態では、複数の印刷プレートをマルチステーション印刷システムで使用することができる。いくつかの実施形態では、各印刷プレートをすべての印刷ステーションに置いて、プレートと関連付けられた、複数のX値(例えば、n個の印刷ステーションに対応するn個のX値)、複数のY値(例えば、n個の印刷ステーションに対応するn個のY値)、および/または複数のZ値(例えば、n個の印刷ステーションに対応するn個のZ値)を取得する。このようにして、プレートについての任意の2つの印刷ステーション間のオフセット値を取得し、その結果、プレートを第1の印刷ステーションから第2の印刷ステーションに移動させたときに、オフセット値を使用して、第2の印刷ステーションのノズルに対するプレート(したがって、医薬投与単位のバッチ)の場所を判定することができる。したがって、第2の印刷ステーションのノズルをそれに応じて移動させて、プレート上で医薬投与単位のバッチを印刷し続けることができる。
【0246】
図10Aは、いくつかの実施形態に従って、マルチステーション3D印刷システムの例示的なアーキテクチャを示している。3D印刷システム1000は、複数のハードウェア構成要素およびソフトウェア構成要素を含み、これらのすべては、(例えば、modbusなどの通信プロトコルを介して、P2Pネットワークなどの1つ以上のネットワークを介して)一緒に通信可能に結合されて、高速および高スループット印刷システムを提供することができる。図10Aを参照すると、システム1000は、N個の印刷ステーションの移動をそれぞれ制御するように構成された複数のコントローラ1002A~1002Nを備える。各コントローラは、それぞれの印刷ステーションのそれぞれの印刷プラットフォームをx軸、y軸、およびz軸に沿って移動させるためのアクチュエータおよびモータのセットに結合することができる。いくつかの実施形態では、単一のコントローラを使用して、複数の印刷ステーションの複数の印刷プラットフォームの移動を制御することができる。
【0247】
システム1000は、プレート輸送機構(例えば、図8Aに示される806)の移動を制御するように構成されるコントローラ1004をさらに備える。コントローラ1004は、印刷プレートを(例えば、グリッパローダを介して、コンベヤまたはチャネルに沿って)移動させるためのアクチュエータおよびモータのセットに結合することができる。
【0248】
システム1000は、材料供給モジュール(例えば、図1Aに示される102)による印刷材料の給送を制御するように構成された1つ以上のコントローラ1006をさらに備える。このシステムは、印刷ノズルのニードルバルブを制御するように構成された1つ以上のコントローラ1008をさらに備える。例えば、1つ以上のコントローラ1008は、ニードルの移動を駆動するアクチュエータおよびモータに結合することができる。システムは、システムの様々な部分(例えば、流れ分配プレート)の温度を制御するように構成された温度コントローラ1010をさらに備える。
【0249】
システム1000は、複数のソフトウェアモジュール1012をさらに含む。いくつかの実施形態では、複数のソフトウェアモジュールは、ファイル管理モジュール、プロセス監視モジュール、モデリングモジュール、後処理モジュール、プロセス最適化モジュール、シミュレーションモジュール、分析モジュール、速度制御モジュール、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0250】
いくつかの実施形態では、システム1000は、1つ以上のネットワークに通信可能に結合され、その結果、データストレージ、データ管理、およびデータ分析のためにクラウドに依存することができる。いくつかの実施形態では、システム1000は、1つ以上のモバイルデバイスに通信可能に結合され、その結果、印刷プロセスを遠隔で監視および制御することができる。いくつかの実施形態では、システムは、ユーザインターフェース(例えば、1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース)を提供して、ユーザが印刷プロセスを制御および監視すること、ならびに印刷パラメータ(例えば、温度、圧力、速度、ニードルの位置および移動)を入力および修正することができるようにする。いくつかの実施形態では、システムは、すべての印刷ステーションおよびすべての印刷プレートでの印刷プロセスの様々なパラメータのリアルタイム監視を提供する。
【0251】
いくつかの実施形態では、システム1000は、様々な測定基準(例えば、形状、サイズ、組成、一貫性)に対して印刷された投与単位をテストするための品質管理システムを備える。いくつかの実施形態では、システム1000は、センサ、カメラ、および警報システムなどの追加のハードウェア構成要素を備える。
【0252】
図10B~Cは、いくつかの実施形態による、マルチステーションシステムを使用する医薬投与単位を3D印刷するための例示的なプロセスを示している。プロセス1030および1060は、図10Aに示されるソフトウェアモジュール1012の一部であり得る。各プロセスでは、いくつかのブロックが任意選択的に組み合わされ、いくつかのブロックの順序が任意選択的に変更され、いくつかのブロックが任意選択的に省略される。いくつかの例では、各プロセスと組み合わせて追加のステップが行われてもよい。したがって、図示される(および以下により詳細に説明される)動作は、本質的に例示的なものであり、したがって、限定的であると見なされるべきではない。
【0253】
プロセス1030は、マルチステーションシステムの印刷ステーションにおいて行うことができる。ブロック1032において、システムは、印刷プレートを印刷ステーションの印刷プラットフォーム上に搭載する。任意選択的に、ブロック1034において、システムは、印刷プラットフォームを(例えば、z軸に沿って印刷プラットフォームを下げることによって)受容位置に移動させ、その結果、印刷プレートをプレート輸送機構から印刷プラットフォーム上に(例えば、プレート輸送機構によりy軸方向に沿って)移動させることができる。
【0254】
ブロック1036において、システムは、プレートがプラットフォームと位置合わせされているかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上のセンサからの入力に基づいて判定を行う。いくつかの実施形態では、システムは、プレートの構成要素とプラットフォームの構成要素(例えば、ピン)との適切な位置合わせが検出された場合に、プレートがプラットフォーム上に置かれていると判定する。
【0255】
ブロック1038において、プレートがプラットフォーム上に置かれているという判定に従って、システムは、プレートとプラットフォームとを結合する。いくつかの実施形態では、システムは、印刷プレートが印刷プラットフォームと接触するように、z軸に沿って印刷プラットフォームを上げることによって結合を行う。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の電磁部品をアクティブ化させて、プレートがプラットフォームにしっかりと取り付けられるかまたは結合されることを確実にする。
【0256】
ブロック1040において、システムは、印刷プレートと関連付けられた進捗データに基づいて、印刷命令の一部分を識別する。いくつかの実施形態では、システムの各印刷ステーションは、医薬投与単位を印刷するための同じ印刷命令のコピーへのアクセスを有する。そのため、各印刷ステーションは、印刷を開始する前に、印刷指示の一部分を識別する必要がある。いくつかの実施形態では、進捗データは、医薬投与単位の現在の高さ(すなわち、z軸に沿った)、印刷ステーションの識別子、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、進捗データは、プレート輸送機構によって印刷ステーションに提供される。
【0257】
ブロック1042において、システムは、印刷命令の識別された一部分に基づいて、3D印刷を行う。いくつかの実施形態では、印刷は、現在の印刷ステーションと関連付けられた座標系に基づいて行われ、これは、図9を参照して上で考察されたように取得することができる。
【0258】
いくつかの実施形態では、システムは、プレート上のコード(例えば、RFIDコード)をスキャンすることによってプレートを識別する。いくつかの実施形態では、プレートのアイデンティティを使用して、印刷命令および座標系を識別することができる。
【0259】
ブロック1044において、システムは、印刷命令の識別された一部分に基づいて、印刷が完了しているかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、印刷命令は、特定の印刷ステーションによって行われる印刷命令の一部分の始まりおよび/または終わりをマークする1つ以上のインジケータを含む。したがって、システムは、印刷命令の一部分の終わりをマークする1つ以上のインジケータを検出すると、印刷が完了していると判定することができる。
【0260】
ブロック1046において、現在の印刷ステーションで印刷が完了しているという判定に従って、システムは、印刷プレートと関連付けられた進捗データを記録する。いくつかの実施形態では、進捗データは、次の印刷ステーションの識別子(例えば、印刷命令に基づく)、医薬投与単位の現在の高さ、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、現在の印刷ステーションは、進捗データを記録し、進捗データをプレート輸送機構に送信する。
【0261】
ブロック1048において、システムは、印刷プラットフォームから印刷プレートを降ろす。いくつかの実施形態では、これは、印刷プラットフォームを下げ、プレート輸送機構が印刷プレートをピックアップすることができるように電磁部品を非アクティブ化することを含む。いくつかの実施形態では、現在の印刷ステーションは、ステーション自体および/またはシステムによってアイドルとしてマークされる。
【0262】
図10Cは、いくつかの実施形態による、マルチステーションシステムを使用する医薬投与単位を3D印刷するための例示的なプロセスを示している。プロセス1060は、プレート輸送機構によって行うことができる。複数の印刷ステーションおよびプレート輸送機構の動作を調和させるために、マルチステーションシステムは、印刷ステーションの識別子、印刷ステーションの場所、各印刷ステーションがビジーまたはアイドルであるかどうか、すべての印刷プレートの場所、各印刷プレートと関連付けられた進捗データ(例えば、現在の高さ)、プレート輸送機構の場所(例えば、チャネル上の座標)、印刷ステーションの座標系、すべての構成要素(例えば、印刷プラットフォーム、印刷プレート、プレート輸送機構)の高さ、またはこれらの任意の組み合わせなどの複数のパラメータを介して、様々な構成要素のステータスを追跡する。これらのパラメータ、またはこれらのパラメータの複数のバージョンは、単一の場所に保管することも、複数の構成要素に分散させることもできる。
【0263】
ブロック1062において、システムは、第1の印刷ステーションで印刷が完了しているかどうかを判定する。判定は、第1の印刷ステーションのステータス(例えば、ビジーまたはアイドル)に基づいて、または第1の印刷ステーションからプレート輸送機構に送信された信号に基づいて、行うことができる。
【0264】
ブロック1064において、第1の印刷ステーションで印刷が完了しているという判定に従って、システムは、印刷プレートがプレート輸送機構上に置かれているかどうかを判定する。図10Bに関して上で考察されたように、印刷が完了した後、印刷ステーションは、印刷プレートを印刷プラットフォームから結合を外すことができる。続いて、プレート輸送機構は、印刷プレートをピックアップし、印刷プラットフォームから印刷プレートを移動させることができる。
【0265】
ブロック1066において、システムは、第1の軸(例えば、x軸)に沿って印刷プレートを移動させる。例えば、図8Aおよび8Bに示されるように、システムは、印刷プレートが第2の印刷ステーションの横に来るまで、x軸に沿ってコンベヤに沿って印刷プレートを移動させることができる。いくつかの実施形態では、第2の印刷ステーションは、ブロック1046で生成された進捗データに基づいて、プレート輸送機構によって判定される。いくつかの実施形態では、第2の印刷ステーションは、各印刷ステーションのステータスおよび印刷材料に基づいて、システムによって判定される(例えば、印刷プレート上の製品に必要な現在の印刷材料を分注することができるアイドルステーションを選択する)。
【0266】
ブロック1068において、システムは、例えば、第2の印刷ステーションのステータスパラメータ(例えば、第2の印刷ステーションに格納されている、システム全体のメモリに格納されている)に基づいて、第2の印刷ステーションがアイドルであるかどうかを判定する。ブロック1070において、第2の印刷ステーションがアイドルであるという判定に従って、システムは、第2の軸(例えば、y軸)に沿って印刷プレートを第2の印刷ステーションに向かって移動させる。いくつかの実施形態では、プレート輸送機構は、第2の印刷ステーションに通知し、第2の印刷ステーションは、上で考察されたように、続けて印刷プレートをその印刷プラットフォーム上に搭載する。いくつかの実施形態では、第2の印刷ステーションはビジーとしてマークされる。第2の印刷ステーションのステータスは、第2の印刷ステーション、プレート輸送機構、および/またはシステム全体のメモリにローカルに格納することができる。
【0267】
ブロック1072において、システムは、第2の印刷ステーションに、印刷プレートの上で3D印刷を行わせる。第2の印刷ステーションは、(例えば、プレート輸送機構からであり、かつ印刷命令の一部分を識別する)進捗データの受信を含むプロセス1030を行うことができる。
【0268】
ブロック1074において、システムは、第2の印刷ステーションで印刷が完了しているかどうかを判定する。判定は、第2の印刷ステーションのステータス(例えば、ビジーまたはアイドル)に基づいて、または第2の印刷ステーションからプレート輸送機構に送信された信号に基づいて、行うことができる。第2の印刷ステーションで印刷が完了しているという判定に従って、システムは、印刷プレートがプレート輸送機構上に置かれているかどうかを判定する。図10Bに関して上で考察されたように、印刷が完了した後、第2の印刷ステーションは、印刷プレートを印刷プラットフォームから結合を外すことができる。続いて、プレート輸送機構は、印刷プレートをピックアップし、印刷プラットフォームから印刷プレートを移動させることができる。
【0269】
ブロック1076において、システムは、印刷プレートと関連付けられた進捗データを記録する。進捗データは、印刷プレート上の医薬投与単位の現在の高さを含むことができる。いくつかの実施形態では、進捗データは、印刷命令に基づいて第2の印刷ステーションによって判定され、第2の印刷ステーションからプレート輸送機構に送信される。いくつかの実施形態では、プレート輸送機構は、進捗データを次の印刷ステーションに送信することができる。いくつかの実施形態では、マルチステーションシステム全体が、印刷プレートと関連付けられた進捗データの1つのコピーを格納し、システムの様々な構成要素(例えば、プレート輸送機構、ステーション)が進捗データへのアクセスを有する。
【0270】
本開示および実施例は、添付の図を参照して十分に説明されてきたが、様々な変更および修正が当業者に明らかになることに留意されたい。そのような変更および修正は、特許請求の範囲によって定義される開示および実施例の範囲内に含まれるものとして理解されるべきである。
【0271】
説明の目的で、前述の説明は、特定の実施形態を参照して説明されてきた。しかしながら、上記の例示的な考察は、網羅的であること、または本発明を開示された精密な形態に限定することを意図するものではない。上記の教えを考慮して、多くの修正および変形が可能である。実施形態は、手法の原理およびそれらの実際の応用を最もよく説明するために選択され、説明された。これにより、当業者は、企図される特定の使用に適した様々な修正を加えた手法および様々な実施形態を最もよく利用することが可能になる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図10C