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特開2024-45421移動用にコンピュータ数値制御(CNC)システムを用いたレーザスキャナによるスキャニング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045421
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】移動用にコンピュータ数値制御(CNC)システムを用いたレーザスキャナによるスキャニング
(51)【国際特許分類】
   B23Q 17/20 20060101AFI20240326BHJP
   B23Q 15/22 20060101ALI20240326BHJP
   B23Q 17/24 20060101ALI20240326BHJP
   G05B 19/401 20060101ALI20240326BHJP
   G01B 11/25 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B23Q17/20 A
B23Q15/22
B23Q17/24 B
G05B19/401
G01B11/25 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024015716
(22)【出願日】2024-02-05
(62)【分割の表示】P 2019022368の分割
【原出願日】2019-02-12
(31)【優先権主張番号】15/905,533
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】ダリオ アイ.ヴァレンズエラ
(72)【発明者】
【氏名】クリフォード ディー.ボロヴィチ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】検査時間又は作業時間のうちの少なくとも1つを短縮できる、大型部品の検査方法及び装置を提供する。
【解決手段】コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)のプラットフォーム(108)が部品に対して移動するに伴い、レーザスキャナ(102)で当該部品(111)の第1面(146)をスキャンしてスキャンデータ(148)を作成し、レーザスキャナ(102)は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)のプラットフォーム(108)に接続されている。スキャンデータ(148)を用いて、第1面(146)と第1面(146)の設計(154)との差異(152)を求める。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続アセンブリをコンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォームに接続し、前記接続アセンブリは、レーザスキャナに固定されており、
前記コンピュータ数値制御(CNC)システムの前記プラットフォームを、部品に対して移動させ、
前記コンピュータ数値制御(CNC)システムの前記プラットフォームが前記部品に対して移動するに伴い、前記レーザスキャナで前記部品の第1面をスキャンして、スキャンデータを作成する、方法。
【請求項2】
レーザスキャナ動作サポートアセンブリを前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに接続することをさらに含み、前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリは、前記レーザスキャナに機能的に接続されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリを用いて、前記レーザスキャナの動作を制御することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スキャンデータを用いて、前記第1面と前記第1面の設計との差異を求めることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記差異を用いて第2部品の第2面の設計を修正することにより、前記部品の前記第1面と適合するように構成された修正設計を作成することと、
前記修正設計を用いて、前記第2面を有する前記第2部品を製造することと、をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記差異に基づいて複数のシムを製造することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
コンピュータ数値制御(CNC)システムの前記プラットフォームに前記接続アセンブリを最初に接続した後に、前記レーザスキャナを較正して、再使用可能キャリブレーションを作成することと、
前記再使用可能キャリブレーションを用いることにより前記接続アセンブリの以降の接続を行って、前記部品の第1面を前記レーザスキャナでスキャンすることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピュータ数値制御(CNC)システムの位置更新と次の位置更新の間に、前記レーザスキャナをパルス駆動することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
レーザスキャナと、
前記レーザスキャナに固定された接続アセンブリであって、前記レーザスキャナをコンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォームに取り外し可能に接続するように構成された接続アセンブリと、
前記レーザスキャナに機能的に接続されるとともに、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに接続されるように構成されたレーザスキャナ動作サポートアセンブリと、を含む、システム。
【請求項10】
前記接続アセンブリは、位置決め部材及びアダプタプレートを含み、前記位置決め部材は、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォームに対して、前記レーザスキャナを繰り返し位置合わせするように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記位置決め部材は、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに取り付けた前記レーザスキャナの1回の較正を、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに対する前記レーザスキャナの以降の各回の取り付けに適用可能とするのに十分な精度を有する、付記請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記接続アセンブリに固定された第2レーザスキャナをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリは、
リアルタイム中央処理装置(CPU)と、
レーザコントローラと、
RFワイヤレスカプラー又は光カプラーのうちの少なくとも1つと、を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリは、バッテリをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンピュータ数値制御(CNC)システムは、
コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールと、
前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール及び前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリのリアルタイム中央処理装置(CPU)と通信するCNCコントローラと、をさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して製造に関し、より具体的には、製造において2つの部品の間隙の低減を実現することに関する。より具体的には、本開示は、部品をスキャンして、当該部品と第2部品との間隙を低減するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の製造過程では、部品と部品の間隙にシム(shim)が配置される場合がある。例えば、シムは、パネルと、当該パネルに接続されるリブ又はスパー(spar)との間に配置されることがある。シムの配置及び製造には、作業時間及び専門知識を要する。
【0003】
現状では、大型部品を検査するために、検査ツールが製造エリアに導入されている。このような検査ツールのセットアップ及び操作は、作業時間及び専門知識を使って行われる。検査時間によって、部品の製造サイクルタイムが増える。また、検査の精度が、検査時間に影響を及ぼす。
【0004】
従って、上述の事項の少なくともいくつかを、また、その他の潜在的な事項を考慮にいれた方法および装置の提供が望まれる。例えば、検査時間又は作業時間のうちの少なくとも1つを短縮できる、大型部品の検査方法及び装置の提供が望まれる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の例示的な実施形態は、方法を提供する。コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールのプラットフォームが部品に対して移動するに伴い、レーザスキャナで前記部品の第1面をスキャンしてスキャンデータを作成し、前記レーザスキャナは、前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールの前記プラットフォームに接続されている。前記スキャンデータを用いて、前記第1面と前記第1面の設計との差異を求める。
【0006】
本開示の例示的な実施形態は、システムを提供する。当該システムは、レーザスキャナと、前記レーザスキャナに固定された接続アセンブリと、前記レーザスキャナに機能的に接続されたレーザスキャナ動作サポートアセンブリとを含む。前記接続アセンブリは、前記レーザスキャナをコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールのプラットフォームに取り外し可能に接続するように構成されている。前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリは、前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに接続されるように構成されている。
【0007】
本開示の別の例示的な実施形態は、方法を提供する。接続アセンブリをコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールのプラットフォームに接続し、前記接続アセンブリは、レーザスキャナに固定されている。前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールの前記プラットフォームを、部品に対して移動させる。前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールの前記プラットフォームが前記部品に対して移動するに伴い、前記レーザスキャナで前記部品の第1面をスキャンして、スキャンデータを作成する。
【0008】
本開示の別の例示的な実施形態は、方法を提供する。レーザスキャナをコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに接続する。レーザスキャナ動作サポートアセンブリを前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに接続する。前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールのプラットフォームを、部品に対して移動させる。前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリを用いて、前記レーザスキャナの動作を制御
する。前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールの前記プラットフォームが前記部品に対して移動するに伴い、前記レーザスキャナで前記部品の第1面をスキャンして、スキャンデータを作成する。
【0009】
これらの特徴および機能は、本開示の様々な実施形態において個々に達成可能であり、また、他の実施形態と組み合わせることも可能である。この詳細については、以下の記載及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
例示的な実施形態に特有であると考えられる新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。なお、例示的な実施形態ならびに好ましい使用形態、さらにその目的および特徴は、本開示の例示的な実施形態について後述する詳細な説明を、下記の添付図面と併せて参照することにより最もよく理解されるであろう。
【0011】
図1】例示的な実施形態による、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに接続されたレーザスキャナが部品をスキャンする製造環境のブロック図である。
図2】例示的な実施形態による、製造環境内におけるコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに接続されたレーザスキャナを含む検査システムの正面図である。
図3】例示的な実施形態による、製造環境内におけるコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに接続されたレーザスキャナを含む検査システムの側面図である。
図4】例示的な実施形態による、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール、レーザスキャナ、及び、レーザスキャナ動作サポートアセンブリを有する製造環境の図である。
図5】例示的な実施形態による、レーザスキャナ及び接続アセンブリの図である。
図6】例示的な実施形態による、2つのレーザスキャナ及び1つの接続アセンブリの図である。
図7】例示的な実施形態による、レーザスキャナ動作サポートアセンブリの図である。
図8】例示的な実施形態による、部品及び第2部品を示す図であり、第2部品は、前記部品の第1面と第1面の設計との差異に基づいて製造されたものである。
図9】例示的な実施形態による、部品及びシムを示す図であり、シムは、前記部品の第1面と第1面の設計との差異に基づいて製造されたものである。
図10】例示的な実施形態による、レーザスキャナからのスキャンデータにおけるノイズの減少を示す図である。
図11】例示的な実施形態による、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールの位置更新の合間のレーザパルスの量を示す図である。
図12】例示的な実施形態による、レーザスキャナを用いて部品をスキャンする方法のフローチャートの図である。
図13】例示的な実施形態による、レーザスキャナを用いて部品をスキャンする方法の別のフローチャートである。
図14】例示的な実施形態による、レーザスキャナを用いて部品をスキャンする方法のさらに別のフローチャートである。
図15】例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守方法のブロック図である。
図16】例示的な実施形態を実施可能な航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態においては、1つ又は複数の異なる事項が認識及び考慮されている。例えば、例示的な実施形態においては、製造コスト及び時間を削減することが望ましいということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、航空機部品のシム
を予測することにより、製造コスト又は時間のうちの少なくとも1つを削減できるということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、シムの無い部品を製造することにより、製造コスト又は時間のうちの少なくとも1つを削減できるということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、シムの予測又はシムの無い部品の製造により、作業時間を大幅に削減できるということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、シムの予測又はシムの無い部品の製造により、より自動化されたプロセスが実現できるということが、認識及び考慮されている。
【0013】
例示的な実施形態において、シムの予測又はシムの無い部品の製造のうちの少なくとも1つを実現するためには、高精度且つ高速のスキャニング法が望ましいということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、シムの予測又はシムの無い部品の製造のうちの少なくとも1つを実現するためには、嵌合部品のうちの一方又は双方から、高精度且つ高密度のスキャンデータを取得することが望ましいということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、このようなスキャンデータを用いて、前もって予測されたシムを作製することがきるということが、認識及び考慮されている。また、例示的な実施形態においては、このようなスキャンデータを用いて、第1部品と適合するように第2部品を機械加工することにより、シム無し製造を実現できるということが、認識及び考慮されている。
【0014】
例示的な実施形態においては、部品が大型になるほど、所望精度のスキャンデータの作成が困難になるということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、例えば、航空機の翼について所望精度のスキャンデータを作成することが困難な場合があるということが、認識及び考慮されている。
【0015】
例示的な実施形態においては、従来のレーザトラッカーを用いた大型構造体のスキャニングでは、レーザトラッカーが到達できる距離に限界があるということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、従来のレーザトラッカーを使用する場合、大型部品をスキャンするために複数のセットアップを行う必要があるということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、セットアップごとに作業時間が費やされ、部品の製造サイクルタイムが増すということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、従来のレーザトラッカーステムでは、航空機の翼をスキャンするのに8時間以上要する場合があるということが、認識及び考慮されている。
【0016】
例示的な実施形態においては、従来のレーザトラッカーでは、レーザトラッカーからスキャン位置までの距離が増すにつれて精度が低下するということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、従来のレーザトラッカーの精度は、温度変化の影響を受けるということが、認識及び考慮されている。
【0017】
例示的な実施形態においては、レーザ検査システムが所望の解像度を有しない場合、より高精度且つ高解像度の別のレーザ検査システムが選択されるのが一般的であるということが、認識及び考慮されている。
【0018】
例示的な実施形態において、オペレータは機器のセットアップが簡単であることを望んでいるということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、製造環境内における、電力ケーブル、データ送信ケーブル、又は他のユーティリティーラインなどのケーブルを最小限に抑えることが望ましいということが、認識及び考慮されている。
【0019】
例示的な実施形態においては、スキャン設備のコストを削減することが望ましいということが、認識及び考慮されている。例示的な実施形態は、所望の精度及び速度でスキャンデータを取得することにより、大規模な予測によるシム形成またはシム無し製造のうちの
少なくとも1つを実現する装置及び方法を提供する。
【0020】
次に、図面を参照し、具体的には図1を参照すると、例示的な実施形態による、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(gantry tool)に接続されたレーザスキャ
ナが部品をスキャンする製造環境のブロック図が示されている。製造環境100は、レーザスキャナ102、接続アセンブリ104、及び、レーザスキャナ動作サポートアセンブリ106を含む。接続アセンブリ104は、レーザスキャナ102に固定されている。接続アセンブリ104は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110のプラットフォーム108にレーザスキャナ102を取り外し可能に接続するように、構成されている。レーザスキャナ動作サポートアセンブリ106は、レーザスキャナ102に機能的に接続されており、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に接続されるように構成されている。
【0021】
レーザスキャナ102をコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に接続することにより、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110の移動を利用して、製造環境100内でレーザスキャナ102を移動させることができる。コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110は、レーザスキャナ102を用いた検査の前に、製造プロセスに用いることができる。
【0022】
レーザスキャナ102をコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に接続することにより、既存の移動システムを活用することができる。レーザスキャナ102をコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に接続することにより、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に対する部品111の位置決め(indexing)を、そのままレーザスキャナ102にも適用することができる。レーザスキャナ102をコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に接続することにより、レーザスキャナ102用の追加の移動システムを、製造環境100内に導入しなくともよい。
【0023】
レーザスキャナ102をコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に接続することにより、所望の高い全体的正確性及び所望の高精度が達成される。レーザスキャナ102をコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に接続することにより、独立した計測システムよりも高い全体的正確性が達成されうる。レーザスキャナ102をコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に接続することにより、レーザスキャナ102は、後付け部品の一部となりうる。コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110を示しているが、レーザスキャナ102は、任意の所望のシステムに接続することができる。
【0024】
接続アセンブリ104は、位置決め部材112及びアダプタプレート114を含む。レーザスキャナ102は、接続アセンブリ104のアダプタプレート114に固定される。位置決め部材112は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110のプラットフォーム108に対して、レーザスキャナ102の位置合わせを繰り返し行えるように構成されている。位置決め部材112は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に取り付けたレーザスキャナ102の1回の較正、すなわち再使用可能キャリブレーション(reusable calibration)116を、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に対するレーザスキャナ102の以降の各回の取り付けに適用可能とするのに十分な精度を有する。コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に対するレーザスキャナ102の以降の各回の取り付けに再使用可能キャリブレーション116を使用することにより、検査システム118のセットアップ時間が短縮される。
【0025】
いくつかの例示的な実施例において、検査システム118は、任意で、第2レーザスキ
ャナ120を含みうる。第2レーザスキャナ120がある場合、レーザスキャナ102及び第2レーザスキャナ120の両方が、アダプタプレート114に固定される。第2レーザスキャナ120がある場合、検査システム118のスキャン幅122が広がる。スキャン幅122が広がることによって、部品111のスキャン時間が短縮される。スキャン幅122を広げることによって、検査システム118による部品111全体の走査回数が低減される。
【0026】
いくつかの例示的な実施例において、部品111は、航空機126のコンポーネント124である。部品111は、航空機126の任意の所望のコンポーネントの形態をとりうる。いくつかの例示的な実施例において、部品111は、リブ、スパー、又はパネルのうちの少なくとも1つである。いくつかの例示的な実施例において、部品111は、航空機126の翼の一部である。
【0027】
図示のように、レーザスキャナ動作サポートアセンブリ106は、リアルタイム中央処理装置(CPU)128、レーザコントローラ130、及び、RFワイヤレスカプラー132又は光カプラー134のうちの少なくとも1つを含む。本明細書において、「~のうちの少なくとも1つ」という語句がアイテムのリストについて用いられる場合、リストアップされたアイテムのうちの1つ又はそれ以上を様々な組み合わせで用いてもよいことを意味し、また、リストの各アイテムの1つだけが必要な場合もあることを意味する。換言すれば、「~のうちの少なくとも1つ」は、リストから任意の数のアイテムを任意の組み合わせで使用することが可能であり、必ずしもリストアップされたアイテムのすべてを必要としないことを意味する。アイテムは、ある特定の対象、物、又はカテゴリーであってよい。
【0028】
また、この例には、アイテムA、アイテムB、およびアイテムCである場合、アイテムBおよびアイテムCである場合も含まれる。もちろん、これらのアイテムをどのように組み合わせてもよい。他の例において、「~のうちの少なくとも1つ」は、限定するものではないが、2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC;4個のアイテムBと7個のアイテムC;又は、他の適当な組み合わせであってもよい。
【0029】
RFワイヤレスカプラー132又は光カプラー134のうちの少なくとも1つは、リアルタイム中央処理装置(CPU)128と、CNCコントローラ138又はコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110のうちの少なくとも1つとの通信のために用いられる。CNCコントローラ138は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110、及び、レーザスキャナ動作サポートアセンブリ106のリアルタイム中央処理装置(CPU)128と通信する。RFワイヤレスカプラー132及び光カプラー134の双方は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110内でのワイヤ配置を要しない通信を実現する。コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110内にワイヤを配置すれば、多大な時間及びオペレータ作業が費やされてしまう。
【0030】
いくつかの例示的な実施例において、リアルタイム中央処理装置(CPU)128は、高速フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)136を含む。高速フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)136がある場合、高速フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)136によって、より高速のデータ転送が可能になる。
【0031】
いくつかの例示的な実施例において、レーザスキャナ動作サポートアセンブリ106は、バッテリ140をさらに含む。このような例示的な実施例において、バッテリ140は、レーザコントローラ130及びリアルタイム中央処理装置(CPU)128に、電気的に接続されている。
【0032】
いくつかの例示的な実施例において、レーザスキャナ動作サポートアセンブリ106のコンポーネントは、容器142に収容されている。容器142は、取り外し可能にコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に接続されるよう、構成されている。容器142は、任意の所望の形態を有しうる。いくつかの例示的な実施例において、容器142は、「ボックス」と称することもできる。いくつかの例示的な実施例において、バッテリ140、リアルタイム中央処理装置(CPU)128、及び、レーザコントローラ130は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に取り外し可能に接続された容器142に入っている。
【0033】
レーザスキャナ動作サポートアセンブリ106のコンポーネントをコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に接続することにより、レーザスキャナ102とレーザスキャナ動作サポートアセンブリ106とを接続するケーブル144が、短くなる。ケーブル144の長さを短くすることにより、レーザスキャナ102のレーザノイズが低減される。
【0034】
バッテリ140がある場合、検査システム118内のケーブル数を少なくすることができる。また、バッテリ140がある場合、検査システム118内の電力ケーブルが短くなる。
【0035】
レーザスキャナ102がコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に取り付けられている間に、レーザスキャナ102は、部品111の第1面146をスキャンして、スキャンデータ148を作成する。スキャンデータ148は、任意の所望の形態を取る。いくつかの例示的な実施例において、スキャンデータ148は、一連のポイント(a series of points)の形態を取る。いくつかの例示的な実施例において、スキャンデータ148は、第1面146のうちの対象エリアについて、より多くのサンプリングを有しうる。いくつかの例示的な実施例において、スキャンデータ148は、部品111が他の部品と係合する領域について、より多くのサンプリングを有しうる。例えば、部品111が、リブを受容するように構成されたパネルの場合、スキャンデータ148は、リブが挿入される部分について、より多くのサンプリングを含む。
【0036】
いくつかの例示的な実施例において、スキャンデータ148は、抽出されるか、あるいは選択的に保存される。例えば、レーザスキャナ102は、第1面146全体をスキャンするものの、対象エリア内のポイントだけが抽出及び保存される。
【0037】
図示のように、スキャンデータ148は、コンピュータ150に保存される。他の例示的な実施例において、スキャンデータ148は、コンピュータ150以外の場所に保存される。スキャンデータ148は、任意の所望の場所に保存することができる。
【0038】
スキャンデータ148を用いて、シム無し製造、あるいは予測シムの形成を行うことができる。第1面146と、第1面146の設計154との差異152が、スキャンデータ148を用いて求められる。いくつかの例示的な実施例において、差異152に基づいて、シム156が製造される。このような例示的な実施例では、差異152は、予測によるシム形成に用いられる。
【0039】
いくつかの例示的な実施例において、第2部品162の第2面160の設計158を、差異152を用いて修正することにより、修正設計164を作成する。修正設計164は、部品111の第1面146と適合するように、作成される。第2部品162用の修正設計164により、部品111と第2部品162との間のシムを無くして、シム無し製造を実現することができる。
【0040】
いくつかの例示的な実施例において、部品111は、パネルであり、第2部品162はリブである。このような例示的な実施例において、リブとパネルとの間には、Z方向において間隙が存在しうる。このような例示的な実施例において、部品111に垂直なZ方向において、差異152が存在する。このような例示的な実施例において、シム156を用いて、部品111に垂直なZ方向における間隙を埋める。Z方向における差異152について述べたが、差異152は、任意の軸方向に存在しうる。
【0041】
レーザスキャナ102は、コスト的に望ましい。コストを抑えつつ精度を向上させることが望まれる。いくつかの例示的な実施例において、レーザレンジ(laser range)の最
適化166を行うことにより、スキャンデータ148のデータ品質を向上させる。
【0042】
レーザは、レーザスキャナ102を含め、距離及びレンジの影響を受けやすい。レーザレンジの最適化166により、設定レンジにおけるレーザ位置の補償が可能となる。
【0043】
レーザレンジの最適化166は、レーザスキャナ102を用いて平坦な面をスキャンすることにより行われる。各レーザは、独自のシグネチャ(signature)を有する。レーザ
スキャナ102は、レーザスキャナ102に固有のシグネチャを有しうる。レーザスキャナ102で平坦な面をスキャンすることによって得られたスキャンデータの形状を用いて、レーザスキャナ102のシグネチャを補償する。いくつかの例示的な実施例において、レーザレンジの最適化166では、レーザスキャナ102のシグネチャを補償するためのルックアップテーブルを作成する。
【0044】
レーザレンジの最適化166により、レーザスキャナ102の解像度が向上する。レーザレンジの最適化166により、レーザスキャナ102をより高解像度のレーザスキャナと交換することなく、レーザスキャナ102を改善することができる。
【0045】
タイミング補償補間(timing compensation interpolation)168を行うことにより
、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110の位置を、レーザスキャナ102の位置と相関させる。タイミング補償補間168は、リアルタイム中央処理装置(CPU)128による、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110からのデータの受信と、リアルタイム中央処理装置(CPU)128の実際の位置との間の遅れを、考慮する。タイミング補償補間168により、レーザスキャナ102からのサンプリングを、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110の位置更新よりも高頻度で行うことが可能となる。
【0046】
タイミング補償補間168により、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110の位置更新と次の位置更新との間にレーザスキャナ102をパルス駆動することが可能になる。タイミング補償補間168により、部品111のスキャン速度を上げることができる。
【0047】
いくつかの例示的な実施例において、タイミング補償補間168に関し、スキャンデータ148のデータポイント間の間隔は、リニアであると仮定される。タイミング補償補間168は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110と検査システム118との通信における、システム内の遅れも考慮する。
【0048】
図1における製造環境100の図示は、例示的な実施形態が実現される態様について、物理的または構造的な限定を示唆するものではない。図示されたコンポーネントに加えて、またはこれらのコンポーネントに代えて、他のコンポーネントを用いることもできる。いくつかのコンポーネントが不要とされる場合もある。また、図に示したブロックは、いくつかの機能的なコンポーネントを表している。例示的な実施例においてこれらのブロッ
ク実施する際は、1つ又は複数を組み合わせたり、分割したり、組み合わせてから異なるブロックに分割したりすることができる。
【0049】
次に、図2を参照すると、例示的な実施形態による、製造環境内におけるコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに接続されたレーザスキャナを含む検査システムの正面図が示されている。製造環境200は、図1の製造環境100を物理的に実現した例である。製造環境200は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202、レーザスキャナ2204、及び、レーザスキャナ動作サポートアセンブリ206を含む。
【0050】
コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202は、図1のコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110を物理的に実現した例である。コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202は、製造環境200内で移動して、部品208に対して操作を行う。レーザスキャナ204をコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202のプラットフォーム210に取り付けることにより、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202を用いて、製造環境200内でレーザスキャナ204を移動させることができる。
【0051】
コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202は、レーザスキャナ204を用いて部品208をスキャンするための所望の精度を有する。いくつかの例示的な実施例において、タイミング補償補間を行うことにより、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202の位置を、レーザスキャナ204の位置と相関させる。タイミング補償補間は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202からのデータの受信と実際の位置との間の遅れを考慮する。タイミング補償補間(図示せず)により、レーザスキャナ204からのサンプリングを、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202の位置更新よりも高頻度で行うことが可能となる。
【0052】
レーザスキャナ動作サポートアセンブリ206をコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202に接続することにより、レーザスキャナ動作サポートアセンブリ206とレーザスキャナ204との接続部分が短くなる。レーザスキャナ動作サポートアセンブリ206をコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202に接続することにより、レーザスキャナ204からのノイズが低減される。
【0053】
部品208をスキャンした後は、レーザスキャナ204及びレーザスキャナ動作サポートアセンブリ206を、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202から取り外すことができる。レーザスキャナ204及びレーザスキャナ動作サポートアセンブリ206を取り外した後は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202を用いて製造作業を行うことができる。
【0054】
次に、図3を参照すると、例示的な実施形態による、製造環境内におけるコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに接続されたレーザスキャナを含む検査システムの側面図が示されている。レーザスキャナ動作サポートアセンブリ206とレーザスキャナ204との間のケーブル300が見えている。ケーブル300は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202による処理エリア外に保持されるように、拘束してもよい。
【0055】
次に、図4を参照すると、例示的な実施形態による、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール、レーザスキャナ、及び、レーザスキャナ動作サポートアセンブリを有する製造環境が示されている。ヴュー(view)400では、レーザスキャナ204及びレーザスキャナ動作サポートアセンブリ206は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202に接続されていない。図示のように、コンピュータ数値制御(CNC)
ガントリーツール202を用いて、ミリング(milling)又はドリリングなどの製造作業
が行われうる。
【0056】
次に図5を参照すると、例示的な実施形態による、レーザスキャナ及び接続アセンブリが示されている。ヴュー500に示すように、レーザスキャナ502は、接続アセンブリ504にまだ固定されていない状態である。レーザスキャナ502は、任意の所望の留め具を用いて、接続アセンブリ504のアダプタプレート506に固定することができる。レーザスキャナ502は、図1のレーザスキャナ102を物理的に実現した例である。
【0057】
接続アセンブリ504は、図1の接続アセンブリ104を物理的に実現した例である。接続アセンブリ504は、図1のコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110又は図2のコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202などのコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに対して、レーザスキャナ502を繰り返し位置決めする機械的アタッチメントである。
【0058】
図示のように、位置決め要素508が、レーザスキャナ502から離間する方向に、アダプタプレート506から延びている。図示のように、位置決め要素508は、シャフト510の形態を取る。シャフト510は、ダウエルピンとも称されうる。位置決め要素508は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールのシャフトに対して、位置決めを行う。図示のように、シャフト510には、フラット面512が見えている。フラット面512により、配向設定(clocking)を繰り返し行うことができる。
【0059】
次に図6を参照すると、例示的な実施形態による、2つのレーザスキャナ及び1つの接続アセンブリが示されている。ヴュー600に示すように、レーザスキャナ602及び第2レーザスキャナ603は、接続アセンブリ604にまだ固定されていない状態である。レーザスキャナ602及び第2レーザスキャナ603は、任意の所望の留め具を用いて、接続アセンブリ604のアダプタプレート606に固定することができる。レーザスキャナ602は、図1のレーザスキャナ102を物理的に実現した例である。第2レーザスキャナ603は、第2レーザスキャナ120を物理的に実現した例である。
【0060】
接続アセンブリ604は、図1の接続アセンブリ104を物理的に実現した例である。接続アセンブリ604は、図1のコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110又は図2のコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202などのコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに対して、レーザスキャナ602及び第2レーザスキャナ603を繰り返し位置決めする機械的アタッチメントである。
【0061】
図示のように、位置決め要素608が、レーザスキャナ602から離間する方向に、アダプタプレート606から延びている。図示のように、位置決め要素608は、シャフト610の形態を取る。シャフト610は、ダウエルピンとも称されうる。位置決め要素608は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールのシャフトに対して、位置決めを行う。図示のように、シャフト610には、フラット面612が見えている。フラット面612により、配向設定(clocking)を繰り返し行うことができる。
【0062】
次に図7を参照すると、例示的な実施形態による、レーザスキャナ動作サポートアセンブリが示されている。レーザスキャナ動作サポートアセンブリ700は、図1のレーザスキャナ動作サポートアセンブリ106を物理的に実現した例である。図示のように、リアルタイム中央処理装置(CPU)702、レーザコントローラ704、及び、バッテリ706が、容器708に入っている。容器708は、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに取り付けられるように構成されている。ヴュー710は、例えば図3のレーザスキャナ動作サポートアセンブリ206内を表したものである。
【0063】
いくつかの例示的な実施例において、レーザスキャナ動作サポートアセンブリ700内のコンポーネントが、これより多い場合あるいは少ない場合もありうる。例えば、バッテリ706は、任意である。
【0064】
次に、図8を参照すると、例示的な実施形態による、部品及び第2部品が示されており、第2部品は、前記部品の第1面と第1面の設計との差異に基づいて製造されたものである。ヴュー800では、部品802及び第2部品804が見えている。部品802は、図1の部品111を物理的に実現した例である。第2部品804は、図1の第2部品162を物理的に実現した例である。
【0065】
第1面806は、組み付けられた際に第2面808と接触することが望ましい。このような例示的な実施例において、第2部品804は、部品802の第1面806と、第1面806の設計との差異に基づいて、製造することができる。第2面808は、第1面806と適合するように製造される。第2面808は、シム無し製造を実現するように製造される。
【0066】
次に、図9を参照すると、例示的な実施形態による、部品及びシムが示されており、シムは、前記部品の第1面と第1面の設計との差異に基づいて製造されたものである。ヴュー900において、部品902及びシム904が見えている。部品902は、図1の部品111を物理的に実現した例である。シム904は、図1のシム156を物理的に実現した例である。シム904は、部品902の第1面906と、第1面906の設計との差異に基づいて、製造されている。シム904は、予測によるシム形成の結果である。いくつかの例示的な実施例では、シム904は、第2部品910の第2面908と第2面908の設計との差異にも基づいて、製造される。
【0067】
次に図10を参照すると、例示的な実施形態による、レーザスキャナからのスキャンデータにおけるノイズの減少が示されている。図10において、スキャンデータ1000は、レーザレンジの最適化を行っていない、フラットな面のデータである。スキャンデータ1000は、図1のレーザスキャナ102又は図2のレーザスキャナ204を用いて作成されうる。スキャンデータ1002は、レーザレンジの最適化を伴った、フラットな面のデータである。スキャンデータ1000は、実質的に平坦ではない。スキャンデータ1000は、ピーク1004を有する。
【0068】
スキャンデータ1002には、ピーク1004が無い。スキャンデータ1002は、ピーク1004を含むシグネチャ1006を補償している。スキャンデータ1002は、スキャンデータ1000よりもフラットである。
【0069】
次に、図11を参照すると、例示的な実施形態による、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールの位置更新と次の位置更新の間における、所定数のレーザパルスが示されている。ヴュー1100は、時間1106を隔てた位置更新1102及び位置更新1104を表したものである。時間1106は、CNCの更新時間間隔である。図示のように、位置更新1102と位置更新1104との間に、レーザパルス1108がある。図示のように、レーザパルス1108は、例えば図1のレーザスキャナ102又は図2のレーザスキャナ204による、9個のパルスを含む。
【0070】
次に図12を参照すると、同図には、例示的な実施形態による、レーザスキャナを用いて部品をスキャンする方法のフローチャートが示されている。方法1200を用いて、図1の部品111をスキャンすることができる。方法1200は、図2図4のレーザスキャナ204及びコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202を用いて、実施
することができる。方法1200は、図5のレーザスキャナ502を用いて、実施することができる。方法1200は、図6のレーザスキャナ602を用いて、実施することができる。方法1200は、図7のレーザスキャナ動作サポートアセンブリ700を用いて、実施することができる。方法1200を用いて、シム無し製造を行うことができる。方法1200によって、図8の第2部品804を製造することができる。方法1200を用いて、予測によるシム形成を行うことができる。方法1200によって、図9のシム904を製造することができる。
【0071】
方法1200では、接続アセンブリをコンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォームに接続し、接続アセンブリは、レーザスキャナに固定されている(工程1202)。接続アセンブリをプラットフォームに接続することによって、レーザスキャナが、コンピュータ数値制御(CNC)システムに接続される。いくつかの例示的な実施例において、コンピュータ数値制御(CNC)システムは、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールの形態をとる。
【0072】
方法1200では、コンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォームを、部品に対して移動させる(工程1204)。コンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォームを移動させることによって、これに接続されたレーザスキャナも移動する。方法1200では、コンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォームが部品に対して移動するに伴い、レーザスキャナで部品の第1面をスキャンして、スキャンデータを作成する(工程1206)。その後、当該方法は、終了する。
【0073】
いくつかの例示的な実施例において、方法1200では、コンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォームに接続アセンブリを最初に接続した後に、レーザスキャナを較正して、再使用可能キャリブレーションを作成する(工程1208)。いくつかの例示的な実施例において、方法1200では、再使用可能キャリブレーションを用いることにより接続アセンブリの以降の接続を行って、部品の第1面をレーザスキャナでスキャンする(工程1210)。再使用可能キャリブレーションにより、レーザスキャナのセットアップ時間が短縮される。
【0074】
いくつかの例示的な実施例において、方法1200では、レーザスキャナ動作サポートアセンブリをコンピュータ数値制御(CNC)システムに接続し、レーザスキャナ動作サポートアセンブリは、レーザスキャナに機能的に接続されている(工程1212)。レーザスキャナ動作サポートアセンブリをコンピュータ数値制御(CNC)システムに備えることにより、レーザスキャナとレーザスキャナ動作サポートアセンブリとの距離が比較的短くなる。例えば、レーザスキャナ動作サポートアセンブリをコンピュータ数値制御(CNC)システムに備えることにより、レーザスキャナとレーザスキャナ動作サポートアセンブリとの距離が、数フィートになりうる。例えば、レーザスキャナ動作サポートアセンブリをコンピュータ数値制御(CNC)システムに備えることにより、レーザスキャナ動作サポートアセンブリの通信ケーブルの長さが、短縮される。レーザスキャナ動作サポートアセンブリをコンピュータ数値制御(CNC)システムに備えることにより、レーザノイズが低減されうる。いくつかの例示的な実施例において、方法1200では、レーザスキャナ動作サポートアセンブリを用いて、レーザスキャナの動作を制御する(工程1214)。
【0075】
いくつかの例示的な実施例において、方法1200では、コンピュータ数値制御(CNC)システムの位置更新と次の位置更新の間に、レーザスキャナをパルス駆動する(工程1216)。タイミング補償補間は、レーザスキャナ動作サポートアセンブリのリアルタイム中央処理装置(CPU)によるコンピュータ数値制御(CNC)システムからのデータの受信と、リアルタイム中央処理装置(CPU)の実際の位置との間の遅れを、考慮し
て行われる。タイミング補償補間により、コンピュータ数値制御(CNC)システムの位置更新よりも高頻度での、レーザスキャナからのサンプリングが可能となる。
【0076】
タイミング補償補間では、コンピュータ数値制御(CNC)システムの位置更新と次の位置更新の間におけるレーザスキャナのパルス駆動が行われる。タイミング補償補間により、部品のスキャン速度が上がる。
【0077】
いくつかの例示的な実施例において、方法1200では、スキャンデータを用いて、第1面と第1面の設計との差異を求める(工程1218)。
【0078】
いくつかの例示的な実施例において、方法1200では、当該差異を用いて第2部品の第2面の設計を修正することにより、前記部品の第1面と適合するように構成された修正設計を作成する(工程1220)。いくつかの例示的な実施例において、方法1200では、修正設計を用いて、第2面を有する第2部品を製造する(工程1222)。
【0079】
いくつかの例示的な実施例において、方法1200では、前記差異に基づいて、複数のシムを製造する(工程1224)。いくつかの例示的な実施例において、複数のシムは、第2部品の第2面と、第2品の第2面の設計との第2差異に関するデータにも基づいて、当該差異を考慮して製造される。第2差異に関するデータは、任意の所望の形態で収集することができる。前記差異及び第2差異の両方を考慮することによって、前記複数のシムは、第1面及び第2面の両方における製造ばらつきを考慮したものとなる。
【0080】
次に図13を参照すると、例示的な実施形態による、レーザスキャナを用いて部品をスキャンする方法のフローチャートが示されている。方法1300を用いて、図1の部品111をスキャンすることができる。方法1300は、図2図4のレーザスキャナ204及びコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202を用いて、実施することができる。方法1300は、図5のレーザスキャナ502を用いて、実施することができる。方法1300は、図6のレーザスキャナ602を用いて、実施することができる。方法1300は、図7のレーザスキャナ動作サポートアセンブリ700を用いて、実施することができる。方法1300を用いて、シム無し製造を行うことができる。方法1300によって、図8の第2部品804を製造することができる。方法1200を用いて、予測によるシム形成を行うことができる。方法1300によって、図9のシム904を製造することができる。
【0081】
方法1300では、レーザスキャナをコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに接続する(工程1302)。方法1300では、レーザスキャナ動作サポートアセンブリをコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールに接続する(工程1304)。方法1300では、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールのプラットフォームを、部品に対して移動させる(工程1306)。方法1300では、レーザスキャナ動作サポートアセンブリを用いて、レーザスキャナの動作を制御する(工程1308)。方法1300では、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールのプラットフォームが部品に対して移動するに伴い、レーザスキャナで部品の第1面をスキャンして、スキャンデータを作成する(工程1310)。その後、当該方法は、終了する。
【0082】
いくつかの例示的な実施例において、方法1300では、スキャンデータを用いて、第1面と第1面の設計との差異を求める(工程1312)。部品は、航空機のコンポーネントである。いくつかの例示的な実施例において、方法1300では、当該差異を用いて第2部品の第2面の設計を修正することにより、前記部品の第1面と適合するように構成された修正設計を作成する(工程1314)。いくつかの例示的な実施例において、方法1300では、修正設計を用いて、第2面を有する第2部品を製造する(工程1316)。
【0083】
いくつかの例示的な実施例において、方法1300では、前記差異に基づいて、複数のシムを製造する(工程1318)。いくつかの例示的な実施例において、複数のシムは、第2部品の第2面と、第2品の第2面の設計との第2差異に関するデータにも基づいて、当該差異を考慮して製造される。第2差異に関するデータは、任意の所望の形態で収集することができる。前記差異及び第2差異の両方を考慮することによって、前記複数のシムは、第1面及び第2面の両方における製造ばらつきを考慮したものとなる。
【0084】
次に図14を参照すると、例示的な実施形態による、レーザスキャナを用いて部品をスキャンする方法のフローチャートが示されている。方法1400を用いて、図1の部品111をスキャンすることができる。方法1400は、図2図4のレーザスキャナ204及びコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール202を用いて、実施することができる。方法1400は、図5のレーザスキャナ502を用いて、実施することができる。方法1400は、図6のレーザスキャナ602を用いて、実施することができる。方法1400は、図7のレーザスキャナ動作サポートアセンブリ700を用いて、実施することができる。方法1400を用いて、シム無し製造を行うことができる。方法1400によって、図8の第2部品804を製造することができる。方法1400を用いて、予測によるシム形成を行うことができる。方法1400によって、図9のシム904を製造することができる。
【0085】
方法1400では、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールのプラットフォームが部品に対して移動するに伴い、レーザスキャナで部品の第1面をスキャンしてスキャンデータを作成する(工程1402)。レーザスキャナは、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールのプラットフォームに接続されている。方法1400では、スキャンデータを用いて、第1面と第1面の設計との差異を求める(工程1404)。その後、当該方法は、終了する。
【0086】
いくつかの例示的な実施例において、方法1400では、求められた差異を用いて、第1面と適合するように構成された第2部品を製造する(工程1406)。いくつかの例示的な実施例において、方法1400では、当該差異を用いて第2部品の第2面の設計を修正することにより、前記部品の第1面と適合するように構成された修正設計を作成する(工程1408)。いくつかの例示的な実施例において、方法1300では、さらに、修正設計を用いて、第2面を有する第2部品を製造する(工程1410)。
【0087】
いくつかの例示的な実施例において、方法1400では、前記求められた差異、及び、第2部品の第2面と第2面の設計との第2差異を考慮して複数のシムを製造する(工程1412)。複数のシムは、前記部品の第1面と第2部品の第2面との間に配置されるように形成される。
【0088】
図示された様々な実施形態のフローチャート及びブロック図は、例示的な実施形態における装置及び方法について、可能ないくつかの実施態様の構造、機能、及び動作を示すものである。この点に関し、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能及び/又は操作や工程の一部を表す場合もある。
【0089】
例示的な実施形態の代替の実施態様のいくつかでは、ブロックで示した1つ又は複数の機能を、図に示した順序とは異なる順序で実行してもよい。例えば、場合によっては、連続して示されている2つのブロックを、関連する機能に応じて、実質的に同時に実行してもよいし、逆の順序で実行してもよい。また、フローチャート又はブロック図に示したブロックに対して、他のブロックを追加してもよい。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態において、方法1200、方法1300、又は方法1400のすべてのブロックを行わなくともよい。例えば、図12の工程1208~1224は、任意である。別の例として、図13の工程1312~1318は、任意である。さらに別の例として、図14の工程1406~1412は、任意である。
【0091】
本開示の例示的な実施形態は、図15に示した航空機の製造及び保守方法1500に関連させて、また、図16に示した航空機1600に関連させて、説明することができる。まず図15を参照すると、同図には、例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守方法が示されている。生産開始前の工程として、航空機の製造及び保守方法1500は、図16に示した航空機1600の仕様決定及び設計1502及び材料調達1504を含みうる。
【0092】
生産中は、航空機1600の部品及び小組立品の製造1506及びシステム統合1508が行われる。その後、航空機1600は、例えば認可及び納品1510を経て、就航1512に入る。顧客による就航期間1512中は、航空機1600は、定例の整備及び保守1514のスケジュールに組み込まれ、これは、改良、再構成、改修、及び他の保守又はサービスを含みうる。
【0093】
航空機の製造及び保守方法1500の各工程は、システムインテグレータ、第三者、及び/又は、オペレータによって実行又は実施することができる。これらの例において、オペレータは顧客であってもよい。なお、システムインテグレータは、限定するものではないが、航空機メーカ及び主要システム下請業者をいくつ含んでもよい。第三者は、限定するものではないが、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでもよい。オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス組織等であってもよい。
【0094】
次に図16を参照すると、例示的な実施形態を実施可能な航空機が示されている。本例において、航空機1600は、図15の航空機の製造及び保守方法1500によって製造され、複数のシステム1604及び内装1606を備えた機体1602を含みうる。システム1604は、例えば、推進系1608、電気系1610、油圧系1612、及び、環境系1614のうちの1つ以上を含む。また、その他のシステムをいくつ含んでもよい。また、航空宇宙産業に用いた場合を例として示しているが、種々の例示的な実施形態を、例えば自動車産業等の他の産業に適用してもよい。
【0095】
本明細書において実施される装置及び方法は、航空機の製造及び保守方法1500の段階のうちの少なくとも1つにおいて、採用することができる。1つ又はそれ以上の例示的な実施形態を、図15における部品及び小組立品製造1506、システム統合1508、又は整備及び保守1514の段階で用いることができる。例えば、図1のコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に取り付けられた図1のレーザスキャナ102を用いて、部品及び小組立品製造1506において、シム無し製造又は予測によるシム形成を行ってもよい。別の例として、コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール110に取り付けられたレーザスキャナ102を用いて、図15の整備及び保守1514において、交換部品をスキャンしてもよい。
【0096】
本明細書において実施される装置及び方法は、航空機1600の少なくとも1つのコンポーネントの製造に用いることができる。例えば、図1のスキャンデータ148を用いて、シム156又は第2部品162を製造することにより、機体1602又は内装1606の一部を形成してもよい。
【0097】
製造コスト及び時間を削減するために、航空機部品のシムの予測又はシム無し部品製造のうちの少なくとも1つを可能にする装置及び方法が、提供される。例示的な実施例は、
このような部品を効率的に測定及び検査するための方法を提供する。例示的な実施例は、装置及び方法を含め、現在のトリムセル(trim cells)又は他のCNCシステムに組み込むことにより高速、高効率、且つ高精度のスキャンを実現する、追加型システムについて、説明している。
【0098】
例示的な実施例は、可搬型システムを提示しており、当該システムは、1つ以上の二次元レーザスキャナ、レーザコントローラ、高速FPGAを有するリアルタイムCPU、バッテリ、ならびに、CNCコントロールトリム及びドリルセルに対する無線接続、のうちの少なくとも1つを含むものである。例示的な実施例のハードウェアは、正確な高速スキャンを可能にする高度に同期化されたシステムを実現する。例示的な実施例は、スキャン時間を、約8時間以上から約15分に短縮する。例示的な実施例のテクノロジーアーキテクチャは、従来のレーザ検査よりはるかに低コストでの検査を実現する。例示的な実施例は、CNCガントリー内に追加のケーブルを配置することによる費用のかかる後付けを、回避する。
【0099】
本開示の方法は、以下の付記においても言及されるが、これらの付記は請求の範囲と混同されるべきではない。
【0100】
A1. コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)のプラットフォーム(108)が部品(111)に対して移動するに伴い、レーザスキャナ(102)で前記部品(111)の第1面(146)をスキャンしてスキャンデータ(148)を作成し、前記レーザスキャナ(102)は、前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)の前記プラットフォーム(108)に接続されており(1402)、
前記スキャンデータ(148)を用いて、前記第1面(146)と前記第1面(146)の設計(154)との差異(152)を求める(1404)、方法。
【0101】
A2. 求められた前記差異(152)を用いて、前記第1面(146)と適合するように構成された第2部品(162)を製造すること(1406)をさらに含む、付記A1に記載の方法。
【0102】
A3. 前記差異(152)を用いて第2部品(162)の第2面(160)の設計(158)を修正することにより、前記部品(111)の前記第1面(146)と適合するように構成された修正設計(164)を作成すること(1408)をさらに含む、付記A1に記載の方法。
【0103】
A4. 前記修正設計(164)を用いて、前記第2面(160)を有する前記第2部品(162)を製造すること(1410)をさらに含む、付記A3に記載の方法。
【0104】
A5. さらに、前記求められた差異(152)、及び、第2部品(162)の第2面(160)と前記第2面(160)の設計(158)との第2差異を考慮して複数のシム(156)を製造し、前記複数のシム(156)は、前記部品(111)の前記第1面(146)と前記第2部品(162)の前記第2面(160)との間に配置されるように形成される(1412)、付記A1に記載の方法。
【0105】
本開示の方法のさらなる態様によれば、以下が提供される。
【0106】
B1. 接続アセンブリ(104)をコンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォーム(108)に接続し、前記接続アセンブリ(104)は、レーザスキャナ(102)に固定されており(1202)、
前記コンピュータ数値制御(CNC)システムの前記プラットフォーム(108)を、
部品(111)に対して移動させ(1204)、
前記コンピュータ数値制御(CNC)システムの前記プラットフォーム(108)が前記部品(111)に対して移動するに伴い、前記レーザスキャナ(102)で前記部品(111)の第1面(146)をスキャンして、スキャンデータ(148)を作成する(1206)、方法。
【0107】
B2. レーザスキャナ動作サポートアセンブリ(106)を前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに接続し、前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリ(106)は、前記レーザスキャナ(102)に機能的に接続されている(1212)、付記B1に記載の方法。
【0108】
B3. 前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリ(106)を用いて、前記レーザスキャナ(102)の動作を制御すること(1214)をさらに含む、付記B2に記載の方法。
【0109】
B4. 前記スキャンデータ(148)を用いて、前記第1面(146)と前記第1面(146)の設計(154)との差異(152)を求めること(1218)をさらに含む、付記B1に記載の方法。
【0110】
B5. 前記差異(152)を用いて第2部品(162)の第2面(160)の設計(158)を修正することにより、前記部品(111)の前記第1面(146)と適合するように構成された修正設計(164)を作成すること(1220)と、
前記修正設計(164)を用いて、前記第2面(160)を有する前記第2部品(162)を製造すること(1222)と、をさらに含む、付記B4に記載の方法。
【0111】
B6. 前記差異(152)に基づいて複数のシム(156)を製造すること(1224)をさらに含む、付記B4に記載の方法。
【0112】
B7. コンピュータ数値制御(CNC)システムの前記プラットフォーム(108)に前記接続アセンブリ(104)を最初に接続した後に、前記レーザスキャナ(102)を較正して、再使用可能キャリブレーション(116)を作成すること(1208)と、
前記再使用可能キャリブレーション(116)を用いることにより前記接続アセンブリ(104)の以降の接続を行って、前記部品(111)の第1面(146)を前記レーザスキャナ(102)でスキャンすること(1210)と、をさらに含む、付記B1に記載の方法。
【0113】
B8. 前記コンピュータ数値制御(CNC)システムの位置更新と次の位置更新の間に、前記レーザスキャナをパルス駆動すること(1216)をさらに含む、付記B1に記載の方法。
【0114】
本開示の方法のさらなる態様によれば、以下が提供される。
【0115】
C1. レーザスキャナ(102)をコンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)に接続すること(1302)と、
レーザスキャナ動作サポートアセンブリ(106)を前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)に接続すること(1304)と、
前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)のプラットフォーム(108)を、部品(111)に対して移動させること(1306)と、
前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリ(106)を用いて、前記レーザスキャナ(102)の動作を制御すること(1308)と、
前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)の前記プラットフォーム(108)が前記部品(111)に対して移動するに伴い、前記レーザスキャナ(102)で前記部品(111)の第1面(146)をスキャンして、スキャンデータ(148)を作成すること(1310)と、を含む、方法。
【0116】
C2. さらに、前記スキャンデータ(148)を用いて、前記第1面(146)と前記第1面(146)の設計(154)との差異(152)を求め、前記部品(111)は、航空機(126)のコンポーネント(124)である(1312)、付記C1に記載の方法。
【0117】
C3. 前記差異(152)を用いて第2部品(162)の第2面(160)の設計(158)を修正することにより、前記部品(111)の前記第1面(146)と適合するように構成された修正設計(164)を作成すること(1314)と、
前記修正設計(164)を用いて、前記第2面(160)を有する前記第2部品(162)を製造すること(1316)と、をさらに含む、付記C2に記載の方法。
【0118】
C4. 前記差異(152)に基づいて、複数のシム(156)を製造すること(1318)をさらに含む、付記C2に記載の方法。
【0119】
本開示のシステムのさらなる態様によれば、以下が提供される。
【0120】
D1. レーザスキャナ(102)と、
前記レーザスキャナ(102)に固定された接続アセンブリ(104)であって、前記レーザスキャナ(102)をコンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォーム(108)に取り外し可能に接続するように構成された接続アセンブリ(104)と、
前記レーザスキャナ(102)に機能的に接続されるとともに、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに接続されるように構成されたレーザスキャナ動作サポートアセンブリ(106)と、を含む、システム。
【0121】
D2. 前記接続アセンブリ(104)は、位置決め部材(112)及びアダプタプレート(114)を含み、前記位置決め部材(112)は、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォーム(108)に対して、前記レーザスキャナ(102)を繰り返し位置合わせするように構成されている、付記D1に記載のシステム。
【0122】
D3. 前記位置決め部材(112)は、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに取り付けた前記レーザスキャナ(102)の1回の較正を、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに対する前記レーザスキャナの以降の各回の取り付けに適用可能とするのに十分な精度を有する、付記D2に記載のシステム。
【0123】
D4. 前記接続アセンブリ(104)に固定された第2レーザスキャナ(120)をさらに含む、付記D1に記載のシステム。
【0124】
D5. 前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリ(106)は、
リアルタイム中央処理装置(CPU)(128)と、
レーザコントローラ(130)と、
RFワイヤレスカプラー(132)又は光カプラー(134)のうちの少なくとも1つと、を含む、付記D1に記載のシステム。
【0125】
D6. 前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリ(106)は、バッテリ(140)をさらに含む、付記D5に記載のシステム。
【0126】
D7. 前記バッテリ(140)は、前記レーザコントローラ(130)及び前記リアルタイム中央処理装置(CPU)(128)に電気的に接続されている、付記D6に記載のシステム。
【0127】
D8. 前記バッテリ(140)、前記リアルタイム中央処理装置(CPU)(128)、及び、前記レーザコントローラ(130)は、前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)に取り外し可能に接続された容器(142)に入っている、付記D7に記載のシステム。
【0128】
D9. 前記CPU(128)は、高速フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)(136)を含む、付記D5に記載のシステム。
【0129】
D10. 前記コンピュータ数値制御(CNC)システムは、
コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)と、
前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)及び前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリ(106)のリアルタイム中央処理装置(CPU)(128)と通信するCNCコントローラ(138)と、をさらに含む、付記D1に記載のシステム。
【0130】
D11. 前記接続アセンブリ(104)は、前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)の前記プラットフォーム(108)に接続されており、前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール(110)の前記プラットフォーム(108)は、航空機(126)のコンポーネント(124)に対して移動可能である、付記D10に記載のシステム。
【0131】
様々な例示的な実施形態の説明は、例示および説明のために提示したものであり、すべてを網羅することや、開示した形態での実施に限定することを意図するものではない。当業者には、多くの改変や変更が明らかであろう。また、例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態とは異なる特徴を含みうる。上述した1つ又は複数の実施形態は、実施形態の原理および実際の用途を最も的確に説明するとともに、当業者が、想定した特定の用途に適した種々の改変を加えた様々な実施形態のための開示を理解できるようにするために、選択および記載したものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続アセンブリをコンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォームに接続し、前記接続アセンブリは、レーザスキャナに固定されており、
前記コンピュータ数値制御(CNC)システムの前記プラットフォームを、第1部品に対して移動させ、
前記コンピュータ数値制御(CNC)システムの前記プラットフォームが前記第1部品に対して移動するに伴い、前記レーザスキャナで前記第1部品の第1面をスキャンして、スキャンデータを作成し、
前記スキャンデータは、シムまたは前記第1部品と適合するように第2部品を製造するために用いられる、方法。
【請求項2】
レーザスキャナ動作サポートアセンブリを前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに接続することをさらに含み、前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリは、前記レーザスキャナに機能的に接続されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリを用いて、前記レーザスキャナの動作を制御することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スキャンデータを用いて、前記第1面と前記第1面の設計との差異を求めることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記差異を用いて前記第2部品の第2面の設計を修正することにより、前記第1部品の前記第1面と適合するように構成された修正設計を作成することと、
前記修正設計を用いて、前記第2面を有する前記第2部品を製造することと、をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記差異に基づいて複数の前記シムを製造することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
コンピュータ数値制御(CNC)システムの前記プラットフォームに前記接続アセンブリを最初に接続した後に、前記レーザスキャナを較正して、再使用可能キャリブレーションを作成することと、
前記再使用可能キャリブレーションを用いることにより前記接続アセンブリの以降の接続を行って、前記第1部品の第1面を前記レーザスキャナでスキャンすることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピュータ数値制御(CNC)システムの位置更新と次の位置更新の間に、前記レーザスキャナをパルス駆動することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1部品をスキャンして、スキャンデータを作成するレーザスキャナと、
前記レーザスキャナに固定された接続アセンブリであって、前記レーザスキャナをコンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォームに取り外し可能に接続するように構成された接続アセンブリと、
前記レーザスキャナに機能的に接続されるとともに、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに接続されるように構成されたレーザスキャナ動作サポートアセンブリと、を含み、
前記スキャンデータは、シムまたは前記第1部品と適合するように第2部品を製造するために用いられる、システム。
【請求項10】
前記接続アセンブリは、位置決め部材及びアダプタプレートを含み、前記位置決め部材は、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムのプラットフォームに対して、前記レーザスキャナを繰り返し位置合わせするように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記位置決め部材は、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに取り付けた前記レーザスキャナの1回の較正を、前記コンピュータ数値制御(CNC)システムに対する前記レーザスキャナの以降の各回の取り付けに適用可能とするのに十分な精度を有する、付記請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記接続アセンブリに固定された第2レーザスキャナをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリは、
リアルタイム中央処理装置(CPU)と、
レーザコントローラと、
RFワイヤレスカプラー又は光カプラーのうちの少なくとも1つと、を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリは、バッテリをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンピュータ数値制御(CNC)システムは、
コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツールと、
前記コンピュータ数値制御(CNC)ガントリーツール及び前記レーザスキャナ動作サポートアセンブリのリアルタイム中央処理装置(CPU)と通信するCNCコントローラと、をさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【外国語明細書】