(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045452
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】表示装置、および電子機器
(51)【国際特許分類】
H10K 50/858 20230101AFI20240326BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240326BHJP
H10K 50/842 20230101ALI20240326BHJP
H10K 59/38 20230101ALI20240326BHJP
H10K 50/81 20230101ALI20240326BHJP
H10K 50/82 20230101ALI20240326BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H10K50/858
H10K59/10
H10K50/842 141
H10K59/38
H10K50/81
H10K50/82
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017031
(22)【出願日】2024-02-07
(62)【分割の表示】P 2021214081の分割
【原出願日】2019-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 修
(72)【発明者】
【氏名】腰原 健
(72)【発明者】
【氏名】井出 光隆
(57)【要約】
【課題】視野角特性に優れる表示装置、およびかかる表示装置を備える電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の表示装置は、基板と、レンズを有するレンズ層と、前記レンズのレンズ面に接し、透光性を有する透光層と、前記基板と前記レンズ層との間に配置される画素電極と、前記画素電極と前記レンズ層との間に配置されるカラーフィルターと、を備え、前記レンズは、前記画素電極に対応して配置され、前記レンズの構成材料の屈折率は、前記透光層の構成材料の屈折率よりも低い。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
レンズを有するレンズ層と、
前記レンズのレンズ面に接し、透光性を有する透光層と、
前記基板と前記レンズ層との間に配置される画素電極と、
前記画素電極と前記レンズ層との間に配置されるカラーフィルターと、を備え、
前記レンズは、前記画素電極に対応して配置され、
前記レンズの構成材料の屈折率は、前記透光層の構成材料の屈折率よりも低いことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記レンズ面は、凸面である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
透光性を有する透光性基板をさらに備え、
前記カラーフィルター、前記透光層、前記レンズ層、および前記透光性基板がこの順に配置される請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
透光性を有する透光性基板をさらに備え、
前記カラーフィルター、前記レンズ層、前記透光層、および前記透光性基板がこの順に配置される請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記レンズ層は、前記カラーフィルターに接する請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記カラーフィルターと前記レンズ層との間に配置され、前記レンズ層が接する平坦面を有する透光性の平坦化層をさらに備える請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記画素電極と前記レンズ層との間に配置される共通電極と、
前記画素電極と前記共通電極との間に配置され、有機発光材料を含む発光層と、をさらに有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を用いる有機EL表示装置等の表示装置が知られている。特許文献1には、画素電極を有する有機EL素子と、所定の波長領域の光を透過させるカラーフィルターと、を備える有機EL装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような、カラーフィルターを備える表示装置について、視野角特性の向上あるいは放射角の拡大が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の表示装置の一態様は、基板と、レンズを有するレンズ層と、前記レンズのレンズ面に接し、透光性を有する透光層と、前記基板と前記レンズ層との間に配置される画素電極と、前記画素電極と前記レンズ層との間に配置されるカラーフィルターと、を備え、前記レンズは、前記画素電極に対応して配置され、前記レンズの構成材料の屈折率は、前記透光層の構成材料の屈折率よりも低い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態における表示装置を示す平面図である。
【
図2】第1実施形態におけるサブ画素の等価回路図である。
【
図3】第1実施形態における表示装置の部分断面を示す図である。
【
図4】第1実施形態における画素電極を示す平面図である。
【
図5】第1実施形態におけるカラーフィルターの一部を示す平面図である。
【
図6】第1実施形態におけるレンズ層の一部を示す平面図である。
【
図7】第1実施形態における光路を説明するための図である。
【
図8】第1実施形態における表示装置の製造方法のフローである。
【
図9】第1実施形態におけるレンズ層形成工程を説明するための図である。
【
図10】第1実施形態におけるレンズ層形成工程を説明するための図である。
【
図11】第1実施形態におけるレンズ層形成工程を説明するための図である。
【
図12】第1実施形態におけるレンズ層形成工程を説明するための図である。
【
図13】第1実施形態における透光層形成工程を説明するための図である。
【
図14】第2実施形態における表示装置を模式的に示す図である。
【
図15】第3実施形態における表示装置を模式的に示す図である。
【
図16】第3実施形態における表示装置の製造方法を説明するための図である。
【
図17】画素電極およびレンズの変形例を示す平面図である。
【
図18】着色部およびレンズの変形例を示す断面図である。
【
図19】着色部およびレンズの変形例を示す断面図である。
【
図20】カラーフィルターの変形例を示す平面図である。
【
図21】画素電極、レンズおよび着色部の変形例を示す平面図である。
【
図22】画素電極、レンズおよび着色部の変形例を示す平面図である。
【
図23】画素電極、レンズおよび着色部の変形例を示す平面図である。
【
図24】画素電極、レンズおよび着色部の変形例を示す平面図である。
【
図25】画素電極、着色部およびレンズの変形例を模式的に示す図である。
【
図26】画素電極、着色部およびレンズの変形例を模式的に示す図である。
【
図27】虚像表示装置の内部構造の一部を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法や縮尺は実際のものと適宜異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0008】
1.第1実施形態
1A.表示装置100
図1は、第1実施形態における表示装置100を示す平面図である。なお、以下では説明の便宜上、
図1に示す互いに直交するx軸、y軸およびz軸を適宜用いて説明する。後述の表示装置100が有する素子基板1は、x-y平面に平行である。また、「平面視」とは、-z方向から見ることをいう。後述の透光性基板9と素子基板1とが重なる方向は、-z方向に平行な方向である。後述の素子基板1の厚さ方向は、-z方向に平行な方向である。また、以下の説明において、透光性とは、可視光に対する透過性を意味し、好ましくは可視光の透過率が50%以上であることをいう。
【0009】
表示装置100は、フルカラーの画像を表示する有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置である。画像には、文字情報のみを表示するものが含まれる。表示装置100は、素子基板1と、素子基板1の+z軸側に位置する透光性を有する透光性基板9と、を有する。表示装置100は、いわゆるトップエミッション構造である。表示装置100は、光を透光性基板9から出射させる。透光性基板9は、素子基板1を保護するカバーである。
【0010】
素子基板1は、画像を表示する表示領域A10と、平面視で表示領域A10を囲む周辺領域A20と、を有する。なお、表示領域A10の平面視形状は四角形状であるが、これに限定されず他の多角形状でもよい。また、表示領域A10の平面視形状は、完全に四角形でなくてもよく、丸みを帯びた角を有してもよいし、一部欠けていてもよい。また、素子基板1は、複数の画素Pと、データ線駆動回路101、走査線駆動回路102、制御回路103、および複数の外部端子104を有する。
【0011】
表示領域A10は、複数の画素Pで構成される。各画素Pは、画像の表示における最小単位である。画素Pは、+x方向および+y方向に沿った行列状に配置される。各画素Pは、青色の波長領域の光が得られるサブ画素PBと、緑色の波長領域の光が得られるサブ画素PGと、赤色の波長領域の光が得られるサブ画素PRとを有する。サブ画素PB、PGおよびPRの各平面視での形状は、ほぼ四角形である。サブ画素PB、サブ画素PGおよびサブ画素PRは、+x方向に沿って同色が並び、かつ+y方向に沿って青色、緑色および赤色の順に繰り返して並ぶ。なお、サブ画素PB、サブ画素PGおよびサブ画素PRを区別しない場合、サブ画素P0と表記する。サブ画素P0は、画素Pを構成する要素である。サブ画素P0は、表示する画像の最小単位である単位回路の一例であり、サブ画素PB、サブ画素PG、サブ画素PRによってカラー画像の1画素が表現される。サブ画素P0は他のサブ画素P0とは独立して制御される。
【0012】
素子基板1の周辺領域A20には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路102、制御回路103および複数の外部端子104が配置される。データ線駆動回路101および走査線駆動回路102は、複数のサブ画素P0を構成する各部の駆動を制御する周辺回路である。制御回路103は、画像の表示を制御する。制御回路103には、図示しない上位回路から画像データ等が供給される。制御回路103は、当該画像データに基づく各種信号をデータ線駆動回路101および走査線駆動回路102に供給する。外部端子104には、図示しない上位回路との電気的な接続を図るためのFPC(Flexible printed circuits)基板等が接続される。また、素子基板1には、図示しない電源回路が電気的に接続される。
【0013】
図2は、第1実施形態におけるサブ画素P0の等価回路図である。
図2に示すように、素子基板1には、走査線13およびデータ線14が設けられる。走査線13は、+y方向に沿って延びる。データ線14は、+x方向に沿って延びる。なお、走査線13およびデータ線14は、複数である。複数の走査線13と複数のデータ線14は、格子状に配列される。複数の走査線13は、
図1に示した走査線駆動回路102に接続される。複数のデータ線14は、
図1に示したデータ線駆動回路101に接続される。複数の走査線13と複数のデータ線14との各交差に対応してサブ画素P0が設けられる。
【0014】
各サブ画素P0は、有機EL素子20と、有機EL素子20の駆動を制御する画素回路30と、を含む。有機EL素子20は、画素電極23と、共通電極25と、これらの間に配置される機能層24とを有する。画素電極23は、陽極として機能する。共通電極25は、陰極として機能する。かかる有機EL素子20では、画素電極23から供給される正孔と、共通電極25から供給される電子とが機能層24で再結合することにより、機能層24が光を発生させる。なお、共通電極25には、給電線16が電気的に接続される。給電線16には、図示しない電源回路から低位側の電源電位Vctが供給される。ここで、画素電極23は、各サブ画素P0に設けられている。画素電極23は他の画素電極23とは独立して互いに異なるように設定可能である。より具体的には、異なる電流を流すように画素電極23が設定されてもよいし、異なる電圧が画素電極23に設定されてもよい。
【0015】
画素回路30は、スイッチング用トランジスター31と、駆動用トランジスター32と、保持容量33とを有する。スイッチング用トランジスター31のゲートは、走査線13に電気的に接続される。また、スイッチング用トランジスター31のソースまたはドレインの一方が、データ線14に電気的に接続され、他方が、駆動用トランジスター32のゲートに電気的に接続される。また、駆動用トランジスター32のソースまたはドレインの一方が、給電線15に電気的に接続され、他方が、画素電極23に電気的に接続される。なお、給電線15には、図示しない電源回路から高位側の電源電位Velが供給される。また、保持容量33の一方の電極は、駆動用トランジスター32のゲートに接続され、他方の電極は、給電線15に接続される。
【0016】
走査線駆動回路102が走査信号をアクティブにすることで走査線13が選択されると、選択されるサブ画素P0に設けられるスイッチング用トランジスター31がオンする。すると、データ線14からデータ信号が、選択される走査線13に対応する駆動用トランジスター32に供給される。駆動用トランジスター32は、供給されるデータ信号の電位、すなわちゲートおよびソース間の電位差に応じた電流を有機EL素子20に対して供給する。そして、有機EL素子20は、駆動用トランジスター32から供給される電流の大きさに応じた輝度で発光する。また、走査線駆動回路102が走査線13の選択を解除してスイッチング用トランジスター31がオフした場合、駆動用トランジスター32のゲートの電位は、保持容量33により保持される。そのため、有機EL素子20は、スイッチング用トランジスター31がオフした後も発光が可能である。
【0017】
なお、前述の画素回路30の構成は、図示の構成に限定されない。例えば、画素回路30は、画素電極23と駆動用トランジスター32との間の導通を制御するトランジスターをさらに備えてもよい。
【0018】
図3は、第1実施形態における表示装置100の部分断面を示す図であって、
図1中の表示装置100のA-A線断面に相当する図である。
【0019】
図3に示すように、素子基板1は、基板10と、反射層21と、絶縁層22と、素子部2と、保護層4と、カラーフィルター5と、レンズ層61と、透光層62と、を有する。反射層21は、複数の反射部210を有する。素子部2は、複数の画素電極23と、機能層24と、共通電極25とを有する。すなわち、素子部2は、前述の複数の有機EL素子20を有する。カラーフィルター5は、複数の着色部51を有する。レンズ層61は、複数のレンズ610を有する。また、反射層21、絶縁層22、素子部2、保護層4、カラーフィルター5、レンズ層61、および透光層62は、この順に基板10から透光性基板9に向かって並ぶ。
【0020】
1つのサブ画素P0には、1つの反射部210、1つの画素電極23、1つの着色部51、および1つのレンズ610が設けられる。なお、以下では、サブ画素PBに設けられる画素電極23を「画素電極23B」とし、サブ画素PGに設けられる画素電極23を「画素電極23G」とし、サブ画素PRに設けられる画素電極23を「画素電極23R」とする。なお、これら画素電極23B、23Gおよび23Rを区別しない場合には、画素電極23と表記する。同様に、サブ画素PBに設けられる着色部51を「着色部51B」とし、サブ画素PGに設けられる着色部51を「着色部51G」とし、サブ画素PRに設けられる着色部51を「着色部51R」とする。なお、これら着色部51B、51Gおよび51Rを区別しない場合には、着色部51と表記する。以下、表示装置100の各部について順次説明する。
【0021】
基板10は、例えばシリコン基板で構成される基材上に、前述の画素回路30が形成される配線基板である。なお、当該基材は、ガラス、樹脂またはセラミック等で構成されてもよい。本実施形態では、表示装置100がトップエミッション型であるため、当該基材は透光性を有していてもいなくてもよい。また、画素回路30が有するスイッチング用トランジスター31および駆動用トランジスター32は、それぞれ、アクティブ層を有するMOS型トランジスターであってもよく、例えばアクティブ層はシリコン基板で構成されてもよい。画素回路30が有するスイッチング用トランジスター31および駆動用トランジスター32は、薄膜トランジスターであってもよいし、電界効果トランジスターであってもよい。画素回路30を構成する各部、および各種配線の構成材料としては、例えば、ポリシリコン、金属、金属シリサイドおよび金属化合物等の導電材料が挙げられる。
【0022】
基板10には、光反射性を有する反射層21が設けられる。反射層21が有する複数の反射部210は、例えば、平面視で行列状に配置される。1つの反射部210は、1つの画素電極23に対応して配置される。つまり、反射部210と画素電極23とは1対1で配置される。また、各反射部210は、平面視で、画素電極23と重なる。かかる各反射部210は、機能層24が有する発光層240で発生する光を反射する。したがって、各反射部210は光反射性を有する。
【0023】
反射層21の構成材料としては、例えば、Al(アルミニウム)およびAg(銀)等の金属、あるいはこれらの金属の合金が挙げられる。なお、反射層21は、画素回路30と電気的に接続される配線としての機能を有してもよい。
【0024】
反射層21上には、絶縁性を有する絶縁層22が配置される。絶縁層22は、第1絶縁膜221、第2絶縁膜222、第3絶縁膜223および第4絶縁膜224を有する。反射層21を覆って第1絶縁膜221が配置される。第1絶縁膜221は、サブ画素PB、PGおよびPRに亘って共通に形成されている。第1絶縁膜221は、平面視で画素電極23B、23Gおよび23Rと重なる。第1絶縁膜221上には、第2絶縁膜222が配置される。第2絶縁膜222は、平面視で画素電極23Rと重なり、かつ、平面視で画素電極23Bおよび23Gと重ならない。第2絶縁膜222を覆って第3絶縁膜223が配置される。第3絶縁膜223は、平面視で画素電極23Rおよび23Gと重なり、かつ、平面視で画素電極23Bと重ならない。第4絶縁膜224は、画素電極23B、23Gおよび23Rの各外縁を覆う。
【0025】
絶縁層22は、反射部210と後述の共通電極25との間の光学的な距離である光学距離L0を調整する。光学距離L0は、発光色ごとに異なる。サブ画素PBにおける光学距離L0は、青色の波長領域の光に対応して設定される。サブ画素PGにおける光学距離L0は、緑色の波長領域の光に対応して設定される。サブ画素PRにおける光学距離L0は、赤色の波長領域の光に対応して設定される。本実施形態では、サブ画素PB、PGおよびPRで絶縁層22の厚さが異なるため、発光色ごとに光学距離L0が異なる。
【0026】
絶縁層22を構成する各層の構成材料としては、例えば、酸化ケイ素および窒化ケイ素等のケイ素系の無機材料が挙げられる。なお、絶縁層22の構成は、
図3に示す構成に限定されない。
図3では、第2絶縁膜222上に第3絶縁膜223が配置されるが、例えば、第3絶縁膜223上に第2絶縁膜222が配置されてもよい。
【0027】
絶縁層22上には、複数の画素電極23が配置される。複数の画素電極23は、基板10と後述のレンズ層61との間に配置される。また、画素電極23は、透光性を有する。画素電極23の構成材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)およびIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電材料が挙げられる。複数の画素電極23は、絶縁層22によって、互いに電気的に絶縁される。また、画素電極23Bは、第1絶縁膜221の+z軸側の面に配置される。画素電極23Gおよび画素電極23Rは、それぞれ、第3絶縁膜223の+z軸側の面に配置される。
【0028】
図4は、第1実施形態における画素電極23B、23Gおよび23Rを示す平面図である。画素電極23B、23Gおよび23Rの各平面視での形状は、特に限定されないが、
図4に示す例では、ほぼ四角形である。第4絶縁膜224は、平面視で画素電極23Bと重なる開口245、平面視で画素電極23Gと重なる開口246、および平面視で画素電極23Rと重なる開口247を有する。開口245、246および247は、それぞれ、第4絶縁膜224に形成された孔である。
【0029】
図3に示すように、画素電極23B、23Gおよび23Rの各外縁を除く部分は、露出し、かつ、機能層24と接する。よって、画素電極23Bとして実質的に機能するのは、
図4に示す平面視で開口245と重なる部分である。同様に、画素電極23Gとして実質的に機能するのは、平面視で開口246と重なる部分である。画素電極23Rとして実質的に機能するのは、平面視で開口247と重なる部分である。これら開口245、開口246、開口247に重なる部分は、発光に寄与する発光部分である。素子部2のうち発光部分と平面視で重なる部分が、発光する発光領域である。
【0030】
本実施形態では、複数の画素電極23の平面積は、互いに等しい。また、複数の画素電極23の幅W2は、互いに等しい。幅W2は、+y方向に沿った長さである。なお、複数の画素電極23の平面積は、互いに異なっていてもよい。複数の画素電極23の幅W2は、互いに異なっていてもよい。
【0031】
機能層24は、サブ画素PB、PGおよびPRに共通して配置される。機能層24は、有機発光材料を含む発光層240を含む。有機発光材料は、発光性の有機化合物である。また、機能層24は、発光層240以外に、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層等を含む。機能層24は、青色、緑色および赤色の各発光色が得られる発光層240を含んで白色発光を実現する。なお、機能層24の構成は、前述の構成に特に限定されるものではなく、公知の構成を適用することができる。
【0032】
機能層24上には、共通電極25が配置される。別の言い方をすると、共通電極25は、複数の画素電極23と後述のレンズ層61との間に配置される。共通電極25は、サブ画素PB、PGおよびPRに共通して配置される。共通電極25は、光反射性および透光性を有する。共通電極25の構成材料としては、例えば、MgAg等のAgを含む合金等の各種金属が挙げられる。
【0033】
共通電極25は、発光層240で発生する光を反射層21との間で共振させる。共通電極25および反射層21を備えることで、サブ画素PB、PGおよびPRごとに所望の共振波長の光を取り出すことができる光共振構造が構成される。当該光共振構造が構成されることで、各発光色に対応した共振波長において輝度が強調された発光が得られる。共振波長は、前述の光学距離L0によって決まる。所定の波長領域の光のスペクトルのピーク波長をλ0とすると、次のような関係式[1]が成り立つ。Φ(ラジアン)は、反射部210と共通電極25との間での透過および反射の際に生じる位相シフトの総和を表す。
{(2×L0)/λ0+Φ}/(2π)=m0(m0は整数)・・・・・[1]
【0034】
取り出したい波長領域の光のピーク波長がλ0となるよう、光学距離L0が設定される。取り出したい波長領域の光に応じて光学距離L0を調整することで、所定の波長領域の光が増強され、当該光の高強度化および当該光のスペクトルの狭幅化を図ることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、前述のように、サブ画素PB、PGおよびPRごとに絶縁層22の厚さを異ならせることにより、光学距離L0が調整される。ただし、例えば、サブ画素PB、PGおよびPRごとに画素電極23の厚さを異ならせることにより、光学距離L0が調整されてもよい。また、絶縁層22の厚さは、絶縁層22を構成する各層の構成材料が有する屈折率を鑑み、設定される。
【0036】
共通電極25上には、透光性を有する保護層4が形成される。保護層4は、有機EL素子20などを保護する。保護層4は、各有機EL素子20を外部の水分または酸素等から保護してもよい。つまり、保護層4は、ガスバリア性を有する。そのため、保護層4を備えていない場合に比べ、表示装置100の信頼性を高めることができる。保護層4は、第1層41と、第2層42と、第3層43とを含む。第1層41、第2層42および第3層43は、共通電極25からこの順に+z方向に積層される。
【0037】
第1層41および第3層43の構成材料としては、それぞれ、例えば、酸窒化ケイ素および窒化ケイ素等の窒素を含むケイ素系の無機材料が挙げられる。第1層41が窒素を含むケイ素系の無機材料を主体とすることで、酸化ケイ素を主体とする場合に比べ、第1層41におけるガスバリア性を高くすることができる。なお、第3層43についても同様である。
【0038】
第2層42の構成材料としては、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂材料が挙げられる。前述の第1層41の+z軸側の面の凹凸は、共通電極25の+z軸側の面の凹凸の影響を受ける。そのため、樹脂材料で構成される第2層42を備えることで、第1層41の+z軸側の面の凹凸を好適に緩和することができる。よって、保護層4の+z軸側の面を平坦にすることができる。また、第2層42の構成材料は、例えば、二酸化ケイ素等の酸化ケイ素および酸化アルミニウム等の無機材料であってもよい。当該無機材料で構成される第2層42を有することで、製造時において第1層41にピンホール等の欠陥が生じても、その欠陥を補完できる。そのため、第1層41に発生し得るピンホール等の欠陥をパスとして大気中の水分等が機能層24に伝達されることを特に効果的に抑制できる。
【0039】
なお、第1層41、第2層42および第3層43には、各層の機能を低下させない程度に、前述の構成材料以外の他の材料が含まれてもよい。また、保護層4は、第1層41、第2層42および第3層43を備える構成に限定されず、これら以外の層をさらに備えてもよい。また、第1層41、第2層42および第3層43のいずれか2以上は、省略されてもよい。
【0040】
保護層4上には、カラーフィルター5が配置される。別の言い方をすると、カラーフィルター5は、画素電極23とレンズ層61との間に配置される。カラーフィルター5は、所定の波長領域の光を選択的に透過させる。カラーフィルター5を備えることで、カラーフィルター5を備えていない場合に比べ、表示装置100から出射される光の色純度を高めることができる。カラーフィルター5は、例えば、色材を含むアクリル系の感光性樹脂材料等の樹脂材料で構成される。光を選択的に透過させる所定の波長領域は、光学距離L0によって決まるピーク波長λ0を含んでいる。
【0041】
カラーフィルター5は、青色の波長領域の光を透過させる着色部51B、緑色の波長領域の光を透過させる着色部51G、および赤色の波長領域の光を透過させる着色部51R、を有する。また、着色部51Bは緑色の波長領域の光及び赤色の波長領域の光を遮り、着色部51Gは青色の波長領域の光及び赤色の波長領域の光を遮り、着色部51Rは青色の波長領域の光及び緑色の波長領域の光を遮る。
【0042】
図5は、第1実施形態におけるカラーフィルター5の一部を示す平面図である。着色部51の平面視での形状は、特に限定されないが、
図5に示す例では四角形である。1つの着色部51は、1つの画素電極23に対応して配置される。つまり、着色部51と画素電極23とは1対1で配置される。また、着色部51は、平面視で対応する画素電極23と重なる。なお、本実施形態では、着色部51は、平面視で画素電極23の全てと重なるが、平面視で画素電極23の一部と重なってもよい。また、着色部51の平面積は、画素電極23の平面積以下でもよい。また、複数の着色部51の平面積は、互いに等しい。また、複数の着色部51の幅W5は、互いに等しい。幅W5は、+y方向に沿った長さである。なお、複数の着色部51の平面積は、互いに異なっていてもよい。複数の着色部51の幅W5は、互いに異なっていてもよい。着色部51は、発光領域と平面視で重なる。言い換えると、着色部51は、開口245、開口246、開口247のいずれかと平面視で重なる。また、着色部51の平面積は、画素電極23のうちの発光部分の平面積よりも大きい。着色部51の一部が、画素電極23とレンズ層61との間に配置されるようにしてもよい。
【0043】
図3に示すように、カラーフィルター5上には、透光性を有するレンズ層61が配置される。レンズ層61は、複数のレンズ610を有する。1つのサブ画素P0には、1つのレンズ610が設けられる。レンズ610は、カラーフィルター5から透光性基板9に向かって突出する。レンズ610は、レンズ面611を有するマイクロレンズである。レンズ面611は、凸面である。なお、レンズ610は、いわゆる球面レンズでもよいし、いわゆる非球面レンズでもよい。
【0044】
また、複数のレンズ610の高さT6は、互いに等しい。高さT6は、+z方向に沿った最大の長さである。なお、複数のレンズ610の高さT6は、互いに異なっていてもよい。
【0045】
図6は、第1実施形態におけるレンズ層61の一部を示す平面図である。レンズ610の平面視での形状は、特に限定されないが、
図6に示す例では角が丸い四角形である。隣り合う2つのレンズ610同士の平面視での外縁同士は、接続される。また、1つのレンズ610は、1つの画素電極23に対応して配置される。つまり、レンズ610と画素電極23とは1対1で配置される。また、レンズ610は、平面視で画素電極23と重なる。レンズ610の平面積は、画素電極23の平面積とほぼ等しい。ただし、レンズ610の平面積は、画素電極23のうちの発光部分の平面積よりも大きい。また、複数のレンズ610の各幅W6は、ほぼ等しい。幅W6は、+y方向に沿った長さである。1つのレンズ610は発光領域に対応して配置される。レンズ610は、発光領域と平面視で重なる。言い換えると、レンズ610は、開口245、開口246、開口247のいずれかと平面視で重なる。
【0046】
なお、
図3に示したように、レンズ610は、対応する着色部51及び画素電極23と平面視で重なることが好ましい。レンズ610と着色部51との重なりは一部であってもよい。また、レンズ610と画素電極23との重なりは一部であってもよい。サブ画素に設けられた画素電極23、着色部51及びレンズ610はこの順で一列に並んで配置されることが好ましい。好ましくは、サブ画素に設けられた画素電極23、着色部51及びレンズ610は一直線状に並んで配置される。
【0047】
なお、本実施形態では、レンズ610は、平面視で画素電極23のほぼ全てと重なるが、平面視で画素電極23の一部と重なってもよい。また、レンズ610の平面積は、画素電極23の平面積よりも大きくてもよいし、画素電極23の平面積よりも小さくてもよい。また、複数のレンズ610の幅W6は、互いに異なっていてもよい。
【0048】
レンズ610の構成材料としては、透光性および絶縁性を有する材料が挙げられる。具体的には、レンズ610の構成材料としては、例えば、酸化シリコン等のケイ素系の無機材料、およびアクリル樹脂等の樹脂材料等が挙げられる。
【0049】
レンズ610の構成材料の屈折率は、後述の透光層62の構成材料の屈折率よりも低い。レンズ610の構成材料の屈折率は、具体的には、例えば、波長550nmの可視光に対して、1.3以上1.6以下である。
【0050】
図3に示すように、レンズ層61上には、透光性および絶縁性を有する透光層62が配置される。透光層62は、複数のレンズ面611に接する。また、透光層62における透光性基板9と接する面は、平坦である。
【0051】
透光層62の構成材料としては、透光性および絶縁性を有する材料が挙げられる。具体的には、透光層62の構成材料としては、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂材料が挙げられる。樹脂材料を用いることで、複数のレンズ面611をコーティングするように透光層62を形成することにより、透光層62の+z軸側の面を平坦にすることが容易である。また、透光層62の構成材料は、酸化アルミニウム、および酸窒化シリコン等のケイ素系の無機材料であってもよい。
【0052】
透光層62の構成材料の屈折率は、レンズ610の構成材料の屈折率よりも高い。透光層62の構成材料の屈折率は、例えば、波長550nmの可視光に対して、1.5以上1.8以下である。また、レンズ610の構成材料の屈折率は透光層62の構成材料の屈折率よりも低いため、レンズ面611は凸面ではあるが、レンズ610は、一般的な凹レンズとしての機能を発揮する。つまり、レンズ610は、対応する有機EL素子20から放射させる光を広げる。光の広がりに関しては、後で詳述する。
【0053】
透光層62上には、透光性を有する透光性基板9が配置される。透光性基板9は、前述の透光層62が接着性を有する場合、透光層62により素子基板1に貼り合わせられる。なお、透光層62が接着性を有さない場合、透光層62と透光性基板9との間に接着性を有する部材が配置されてもよい。
【0054】
本実施形態では、透光性基板9の構成材料の屈折率は、透光層62の構成材料の屈折率よりも低い。透光性基板9は、例えばガラス基板または石英基板で構成される。透光性基板9の構成材料の屈折率は、特に限定されないが、例えば、波長550nmの可視光に対して、1.4以上1.6以下である。なお、透光性基板9の構成材料の屈折率は、透光層62の構成材料の屈折率よりも高くてもよいし、等しくてもよい。
【0055】
以上、表示装置100の構成について説明した。次に、有機EL素子20から放射される光の光路を説明する。
【0056】
図7は、第1実施形態における光路を説明するための図である。
図7に示すように、有機EL素子20から放射される光は、透光性基板9から外部へ出るときに放射角θで放射される。
図7には、1つのサブ画素P0に設けられる有機EL素子20の一点から放射される光の光束LLが示される。放射角θは、光束LLにおける立体角であり、光の強度のピークである主光線A1を中心とした光の広がる角度である。
【0057】
前述のように、レンズ610の構成材料の屈折率は、透光層62の構成材料の屈折率よりも低い。そのため、レンズ面611における屈折角が入射角よりも大きくなる。それゆえ、光束LLは、レンズ面611で屈折することにより、破線で示す光束LL0よりも外側へ広がる。なお、光束LL0は、レンズ面611を有さず、レンズ層61が透光層62と同材料で構成される場合の光束である。このように、レンズ層61および透光層62を有することで、これらを有さない場合に比べ、サブ画素P0における放射角θを広げることができる。さらに、透光性基板9の構成材料の屈折率よりも外部の空気の屈折率は小さい。そのため、レンズ面611で屈折した光の光束LLは、透光性基板9の表面で屈折することにより、光束LL0よりもさらに外側へ広がる。よって、透光性基板9を有さない場合に比べ、放射角θをさらに広げることができる。
【0058】
以上説明のように、表示装置100は、基板10と、レンズ層61と、透光層62と、画素電極23と、カラーフィルター5と、を有する。レンズ610の構成材料の屈折率は、透光層62の構成材料の屈折率よりも低い。そして、1つのレンズ610は、1つの画素電極23に対応して配置される。すなわち、1つのサブ画素P0に対して、1つの画素電極23および1つのレンズ610が設けられる。サブ画素P0ごとにレンズ610が設けられることで、各サブ画素P0から出射される光の放射角θを広げることができる。そのため、表示装置100の視野角特性を高めることができる。つまり、色ズレ等の画質変化が無く視ることができる視野角の範囲を広げることができる。
【0059】
また、カラーフィルター5に対して+z軸側にレンズ610が配置される。そのため、カラーフィルター5を透過した色純度の高い光の放射角θを広げることができる。それゆえ、カラーフィルター5に対して-z軸側にレンズ610が配置される場合に比べ、視野角特性および画質を高めことができる。
【0060】
また、本実施形態では、全てのサブ画素P0に、レンズ610が設けられる。そのため、表示装置100は、視野角特性に特に優れる。なお、全てのサブ画素P0のうちのいくつかには、レンズ610が設けられていなくてもよい。
【0061】
また、前述のように、レンズ610が有するレンズ面611は、凸面であるが、レンズ610の構成材料の屈折率は、透光層62の構成材料の屈折率よりも低い。そのため、前述のように、レンズ面611で光束LLを広げることができる。また、レンズ610の形状が凸状であることで、凹状である場合に比べ、レンズ610の形成が容易である。なお、当該形成方法に関しては、後で詳述する。
【0062】
また、前述のように、カラーフィルター5、レンズ層61、透光層62、および透光性基板9は、この順に配置される。かかる順番で配置されることで、基板10側から積層するように各層を形成する場合、カラーフィルター5上に凸状のレンズ610を形成することが容易である。
【0063】
さらに、レンズ層61は、カラーフィルター5に接する。レンズ層61のレンズ面611とは反対側の面が、カラーフィルター5に接する。レンズ層61がカラーフィルター5に接することで、レンズ層61とカラーフィルター5との間に他の部材が配置されている場合に比べ、カラーフィルター5を透過した光をレンズ610へと効率良く入射させることができる。よって、カラーフィルター5を透過した光の利用効率を高めることができる。よって、明るい画像を表示することができる。
【0064】
なお、カラーフィルター5、レンズ層61、透光層62、および透光性基板9のそれぞれの間には、他の部材が配置されてもよい。ただし、これらは積層されていることが好ましい。積層されていることで、カラーフィルター5を透過した光をレンズ610へと効率良く入射させることができるとともに、レンズ610を透過した光を外部へと効率良く出射させることができる。
【0065】
また、
図6に示すように、レンズ610は、平面視で画素電極23の全てと重なり、かつ、レンズ610の平面積は、画素電極23の平面積よりも大きいことが好ましい。かかる構成であることで、有機EL素子20から発生した光を効率良くレンズ610に入射させることができる。そのため、明るい、かつ放射角θが広い表示装置100を実現することができる。
【0066】
また、本実施形態における表示装置100は、有機EL素子20を有する。つまり、表示装置100は、画素電極23と、共通電極25と、画素電極23と共通電極25との間に配置される発光層240と、を有する。表示装置100が有機EL素子20を有することで、有機EL表示装置が構成される。よって、表示装置100によれば、視野角特性に優れる有機EL表示装置を実現することができる。
【0067】
さらに、表示装置100は、光共振構造を有する。光共振器構造を備えることで、光の高強度化および当該光のスペクトルの狭幅化が図られる。そのため、光共振構造を備える表示装置100がレンズ層61および透光層62を有することで、レンズ面611による放射角θの拡大効果が特に好適に発揮され、視野角特性がさらに良くなる。
【0068】
1B.表示装置100の製造方法
図8は、第1実施形態における表示装置100の製造方法のフローである。
図8に示すように、表示装置100の製造方法は、素子基板用意工程S11と、絶縁層形成工程S12と、素子部形成工程S13と、保護層形成工程S14と、カラーフィルター形成工程S15と、レンズ層形成工程S16と、透光層形成工程S17とを含む。これらをこの順で行うことで、表示装置100が製造される。
【0069】
素子基板用意工程S11では、前述の基板10および反射層21が形成される。絶縁層形成工程S12では、絶縁層22が形成される。素子部形成工程S13では、絶縁層22上に素子部2が形成される。つまり、複数の有機EL素子20が形成される。また、保護層形成工程S14では、保護層4が形成される。カラーフィルター形成工程S15では、カラーフィルター5が形成される。素子基板1、反射層21、素子部2、保護層4およびカラーフィルター5は、公知の技術により形成される。
【0070】
図9、
図10、
図11および
図12は、それぞれ、第1実施形態におけるレンズ層形成工程S16を説明するための図である。まず、
図9に示すように、カラーフィルター5上に、レンズ形成用組成物が堆積されることによりレンズ材料層61aが形成される。レンズ形成用組成物は、例えば、酸化シリコン等のケイ素系の無機材料、およびアクリル樹脂等の樹脂材料等である。レンズ材料層61aの形成では、例えばCVD法が用いられる。次いで、レンズ材料層61a上に、マスクM1が形成される。マスクM1は、複数のパターン部M11を有する。各パターン部M11は、レンズ610が形成される位置に対応する。マスクM1は、例えば、露光部分が現像により除去されるポジ型の感光性レジストを用いて形成される。複数のパターン部M11は、フォトリソグラフィ技術によるパターニングによって形成される。
【0071】
次に、マスクM1にリフロー処理等の加熱処理が施されることにより、マスクM1が溶融される。マスクM1は、溶融されることで流動状態となり、表面張力の作用で表面が曲面状に変形する。変形することにより、
図10に示すように、レンズ材料層61a上に複数の凸部M12が形成される。1つのパターン部M11から1つの凸部M12が形成される。凸部M12の形状は、ほぼ半球面状である。
【0072】
次に、凸部M12およびレンズ材料層61aに、例えば、ドライエッチングなどの異方性エッチングが施される。これにより、凸部M12が除去され、凸部M12の除去に伴って、レンズ材料層61aの露出する部分がエッチングされる。その結果、レンズ材料層61aに凸部M12の形状が転写され、
図11に示すように、複数のレンズ用凸部611aが形成される。次に、レンズ材料層61a、すなわちレンズ用凸部611aと同材料が、例えばCVD法を用いてレンズ用凸部611a上に堆積される。その結果、
図12に示すように、複数のレンズ用凸部611a上にレンズ用被膜612aが形成される。よって、複数のレンズ用凸部611aとレンズ用被膜612aとで構成されるレンズ層61が形成される。
【0073】
なお、マスクM1から凸部M12の形状を加工する方法としては、例えば、グレイスケールマスク等を用いて露光する方法、または多段階露光する方法等が用いられてもよい。なお、上記ではマスクを用いたが、フォトリソグラフィ技術を用いてアクリル樹脂等の樹脂材料から直接レンズ610を形成してもよい。
【0074】
図13は、第1実施形態における透光層形成工程S17を説明するための図である。
図13に示すように、透光層形成工程S17では、レンズ層61上に透光層形成用組成物が堆積されることにより透光層62が形成される。透光層形成用組成物は、前述のレンズ形成用組成物の屈折率よりも高い屈折率を有する。
【0075】
例えば、透光層形成用組成物が接着剤である場合、レンズ層61上に透光層形成用組成物が堆積される。その後、堆積された透光層形成用組成物上に、透光性基板9が押圧され、透光層形成用組成物が硬化される。この方法によれば、透光層62が形成されるとともに、透光性基板9が素子基板1に貼り合せられる。なお、透光層62が接着性を有さない場合、透光層62と透光性基板9との間にこれらを貼り合せる接着層が設けられる。
【0076】
以上の方法によれば、表示装置100を簡単にかつ迅速に形成することができる。また、レンズ610の形状が凸状であることで、前述のようにフォトリソグラフィ技術等を用いてレンズ610を形成することが容易である。そのため、レンズ610の形状が凹状である場合に比べ、レンズ層61を容易かつ高精度に形成することができる。また、レンズ層61の構成材料が無機材料である場合であっても、フォトリソグラフィ技術等を用いて凸状のレンズ610を形成することが容易である。また、レンズ層61がカラーフィルター5上に形成されることで、着色部51とレンズ610の位置合わせを特に簡単に行うことができる。
【0077】
2.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図14は、第2実施形態における表示装置100aを模式的に示す図である。本実施形態は、着色部51B、51Gおよび51Rの各厚さが異なること、および平坦化層7を備えることが第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態において第1実施形態と同様の事項については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明が適宜省略される。
【0078】
図14に示す表示装置100aでは、着色部51B、51Gおよび51Rの各厚さはそれぞれ互いに異なる。例えば適正な色度等が得られるように各厚さが調整される。ここで、平坦な表面を有する保護層4上に、厚さが互いに異なる着色部51B、51Gおよび51Rが形成されることで、カラーフィルター5aの+z軸側の面は、凹凸を有する。そのため、カラーフィルター5aの+z軸側の面に、レンズ層61を形成することが難しくなってしまう。そこで、本実施形態における表示装置100aでは、カラーフィルター5上に、透光性を有する平坦化層7が配置される。別の言い方をすれば、平坦化層7は、カラーフィルター5aとレンズ層61との間に配置される。
【0079】
平坦化層7の+z軸側の面は、平坦面71である。平坦面71は、レンズ層61に接する。平坦化層7は、カラーフィルター5の凹凸を緩和する。よって、平坦化層7を有することで、平坦面71上にレンズ610を形成することができる。そのため、カラーフィルター5aの+z軸側の面における凹凸の影響を受けずに、レンズ層61を形成することができる。
【0080】
平坦化層7は、例えば、無機材料で構成される無機層、有機層で構成される有機層、または無機層と有機層との積層で構成される。
【0081】
3.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図15は、第3実施形態における表示装置100bを模式的に示す図である。
図16は、第3実施形態における表示装置100bの製造方法を説明するための図である。本実施形態は、レンズ層61と透光層62との配置が異なることが第1実施形態と異なる。なお、第3実施形態において第1実施形態と同様の事項については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明が適宜省略される。
【0082】
図15に示す表示装置100bでは、透光層62およびレンズ層61が、この順にカラーフィルター5から透光性基板9に向かって並ぶ。すなわち、カラーフィルター5、透光層62、レンズ層61、および透光性基板9は、この順に配置される。また、レンズ610は、透光性基板9からカラーフィルター5側に向かって突出する。それゆえ、レンズ面611は、カラーフィルター5に向かって突出する凸面である。また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、レンズ610の構成材料の屈折率は透光層62の構成材料の屈折率よりも低い。
【0083】
図15に示す透光層62およびレンズ層61の配置によっても、レンズ面611は、光束LLを広げることができる。よって、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、レンズ層61および透光層62を有することで、これらを有さない場合に比べ、サブ画素P0における放射角θを広げることができる。さらに、透光性基板9を有することで、放射角θをさらに広げることができる。
【0084】
かかる表示装置100bの製造では、
図16に示すように、透光性基板9上に、レンズ層61が形成される。レンズ層61の形成方法としては、第1実施形態で説明した方法と同様の方法が用いられる。その後、レンズ層61上に、透光層形成用組成物で構成される堆積層62aが形成される。その後、矢印A9方向に透光性基板9を移動させることにより、カラーフィルター5に対して堆積層62aが押圧される。そして、押圧された状態で、堆積層62aが硬化される。堆積層62aが硬化することにより、カラーフィルター5に透光層62が貼り合わせられる。なお、透光層62が接着性を有さない場合、透光層62とカラーフィルター5との間にこれらを貼り合せる接着層が設けられる。
【0085】
かかる方法によれば、透光性基板9の表面にレンズ層61を形成することで、フォトリソグラフィ技術等を用いて凸状のレンズ610を透光性基板9上に容易かつ高精度に形成することができる。また、透光性基板9に対して、レンズ層61を形成しているので、耐熱性が乏しい有機EL素子20であっても、有機EL素子20への熱等による影響が低減される。
【0086】
4.変形例
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0087】
4-1.第1変形例
前述の各実施形態では、有機EL素子20は、色ごとに異なる共振長を有する光共振構造を備えるが、光共振構造を備えなくてもよい。素子部2は、例えば、機能層24を、有機EL素子20ごとに仕切る隔壁を備えてもよい。また、画素電極23は、光反射性を有してもよい。その場合、反射層21は省略してもよい。また、複数の有機EL素子20で共通電極25は共通であるが、有機EL素子20ごとに個別の陰極が設けられてもよい。
【0088】
4-2.第2変形例
レンズ610同士の間には、遮光性を有する、いわゆるブラックマトリックスが配置されてもよい。ブラックマトリックスが配置されることで、あるサブ画素P0に設けられた着色部51を透過した光が、当該サブ画素P0に隣り合うサブ画素P0に設けられたレンズ610に入射することを抑制または防止することができる。また、隣り合う着色部51同士の混色を防ぐため、着色部51同士の間に、ブラックマトリックスが配置されてもよい。
【0089】
4-3.第3変形例
画素電極23、レンズ610およびカラーフィルター5の各平面視での形状は、前述の各実施形態における形状に限定されない。
図17は、画素電極23およびレンズ610の変形例を説明するための図である。
図17に示す画素電極23およびレンズ610の各平面視での形状は、長方形であってもよい。+x方向に沿った長さと+y方向に沿った長さとは、異なってもよい。
図18は、着色部51およびレンズ610の変形例を説明するための図であって、
図17に示すB-B線断面図である。
図19は、着色部51およびレンズ610の変形例を説明するための図であって、
図17に示すC-C線断面図である。
図18および
図19に示すように、レンズ610の平面視での形状は、発光部分の平面視での形状に合わせて適宜設定される。よって、レンズ610の平面視での形状は、
図17に示す画素電極23の平面視での形状に対応してもよい。なお、着色部51の形状についても同様である。また、
図18おび
図19に示すように、隣り合うレンズ610同士は、離間していてもよい。
【0090】
図20は、カラーフィルター5の変形例を示す平面図である。
図20に示すように、着色部51は、複数の画素電極23に対応して配置されてもよい。具体的には、着色部51Bは、青色に対応する複数の画素電極23Bと重なる。着色部51Gは、緑色に対応する複数の画素電極23Gと重なる。着色部51Rは、赤色に対応する複数の画素電極23Rと重なる。
図20に示す例では、着色部51B、51Gおよび51Rは、ストライプ状に配列される。また、着色部51B、51Gおよび51Rは、平面視で、互いに重なってもよい。
図20では、着色部51Bは、平面視で着色部51Gに重なる重複部519Bを有する。着色部51Gは、平面視で着色部51Rに重なる重複部519Gを有する。
【0091】
図21、
図22、
図23および
図24は、それぞれ、画素電極23、レンズ610および着色部51の変形例を示す平面図である。
図21、
図22および
図23では、1つの画素Pにおける画素電極23、レンズ610および着色部51が図示される。
図24では、太線で囲まれる部分が1つの画素Pに相当する。
【0092】
図21に示すように、複数の画素電極23の各平面視での形状は、互いに異なってもよい。レンズ610および着色部51の各平面視での形状は、発光部分の形状に合わせてもよい。よって、レンズ610および着色部51の各平面視での形状は、画素電極23の平面視での形状に対応してもよい。そのため、
図21に示すように、複数のレンズ610の各平面視での形状は、互いに異なってもよい。複数の着色部51の各平面視での形状は、互いに異なってもよい。
【0093】
図22に示すように、着色部51B、51Gおよび51Rの配列は、いわゆるレクタングル配列であってもよい。着色部51B、51Gおよび51Rは+y方向に並んでいなくてもよい。
図22に示すように、画素電極23およびレンズ610の各配列は、着色部51の配列に対応して配置される。
【0094】
図23に示すように、着色部51B、51Gおよび51Rの配列は、いわゆるベイヤー配列であってもよい。1つの画素Pは、同色の着色部51を複数有してもよい。
図22では、1つの画素Pは、2つの着色部51Bを有する。
【0095】
図24に示すように、着色部51B、51Gおよび51Rの配列は、いわゆるデルタ配列であってもよい。1つの画素Pの平面視での形状は、四角形でなくてもよい。なお、画素電極23、レンズ610および着色部51の各平面視での形状も、四角形に限定されない、例えば、六角形等の四角形以外の多角形であってもよいし、円形であってもよい。
【0096】
4-4.第4変形例
レンズ610および着色部51の一部は、平面視で、対応する画素電極23に重なっていなくてもよい。例えば、レンズ610および着色部51は、平面視で、対応する画素電極23によりも、表示領域A10の中心側、または表示装置A10の外側にずれて配置されてもよい。
【0097】
図25および
図26は、それぞれ、画素電極23、着色部51およびレンズ610の変形例を模式的に示す図である。着色部51が画素電極23に対して平面視でずれて配置されることで、
図25または
図26に示すように、画素電極23の法線a1に対して主光線A1を傾斜させることができる。それゆえ、主光線A1の傾き角度θaを大きくすることができる。傾き角度θaは、画素電極23の法線a1と、主光線A1とのなす角度である。そして、レンズ610によって、光束LLを光束LL0よりも広げることができる。
【0098】
着色部51が画素電極23によりも表示領域A10の外側にずれて配置される場合、法線a1に対して主光線A1を外側に傾斜させることができる。かかる配置であることで、視野角特性をより高めることができる。一方、着色部51が画素電極23により表示領域A10の中心側にずれて配置される場合、法線a1に対して主光線A1を中心側に傾斜させることができる。かかる配置であることで、表示装置100の色ムラ等の画質低下を抑制することができる。
【0099】
5.電子機器
前述の実施形態の表示装置100は、各種の電子機器に適用することができる。
【0100】
5A.虚像表示装置900
図27は、本発明の電子機器の一例である虚像表示装置900の内部構造の一部を模式的に示す図である。
図27に示す虚像表示装置900は、人間の頭部に装着されて画像の表示を行うHMD(ヘッドマウントディスプレイ)である。虚像表示装置900は、前述した表示装置100と、接眼レンズ90とを備える。表示装置100に表示される画像は、映像光Lとして出射される。
図27では、映像光Lとして、眼EYに入る光が図示される。
【0101】
表示装置100から出射される映像光Lは、集光レンズである接眼レンズ90によって拡大される。そして、接眼レンズ90によって拡大された映像光Lが人間の眼EYに導かれることで、映像光Lにより形成された虚像を人間が見ることができる。なお、接眼レンズ90と眼EYの間には、他の各種レンズおよび導光板等が設けられてもよい。
【0102】
虚像表示装置900において、大きな虚像を得るためには、画角θ1を大きくする必要がある。画角θ1を大きくするには、接眼レンズ90を大きくする必要がある。接眼レンズ90の平面積よりも平面積が小さな表示装置100を用いて画角θ1を大きくするためには、画素電極23の表面の法線a1に対して外側に広がる角度aを大きくする必要がある。
【0103】
虚像表示装置900は、前述の表示装置100を有する。表示装置100によればサブ画素P0ごとに放射角θを広くすることができる。そのため、従来の装置に比べ、角度aを大きくすることができる。それゆえ、平面積が接眼レンズ90の平面積よりも小さい表示装置100を用いても、画角θ1を広げることができる。よって、従来の装置よりも小型な表示装置100を用いても、従来の装置を用いた場合と同じ大きさの虚像を人間は視ることができる。つまり、従来よりも小型な表示装置100を用いて、大きな虚像を形成することができる。かかる表示装置100を用いることで、虚像表示装置900の小型化を図ることができる。
【0104】
また、各サブ画素P0における放射角θが広くなることで、各サブ画素P0から出た光が眼EYに到達する光の範囲が広くなる。そのため、前述の各サブ画素P0から出た光束LLが重畳する範囲が広くなる。よって、虚像を見ることができる眼EYの位置の許容範囲が広くなる。それゆえ、例えば、両目の間隔が狭い人、当該間隔が広い人、眼EYの大きい人および眼EYの小さい人等の個人差に好適に対応することができる。
【0105】
なお、表示装置100を備える「電子機器」としては、
図27に例示した虚像表示装置900の他、電子ビューファインダーおよび電子双眼鏡等の、接眼レンズを有する機器が挙げられる。また、「電子機器」としては、表示装置100を表示部として備える、パソコン、スマートフォンおよびデジタルカメラ等の機器が挙げられる。
【0106】
以上、本発明について図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。また、本発明の各部の構成は、前述した実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
【0107】
「表示装置」は、有機EL表示装置に限定されず、無機材料を用いたEL表示装置、液晶を備える液晶表示装置、LEDアレイを備える装置であってもよい。
【0108】
「表示装置」は、フルカラーの画像を表示する装置に限定されず、単色のみの画像を表示する装置であってもよい。例えば、「表示装置」は、緑色で表現される画像を表示する装置、または橙色で表現される画像を表示する装置であってもよい。
【0109】
画素電極23のうち機能層24と接する発光部分を「画素電極」として捉えてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1…素子基板、2…素子部、4…保護層、5…カラーフィルター、7…平坦化層、9…透光性基板、10…基板、13…走査線、14…データ線、15…給電線、16…給電線、20…有機EL素子、21…反射層、22…絶縁層、23…画素電極、23B…画素電極、23G…画素電極、23R…画素電極、24…機能層、25…共通電極、30…画素回路、31…スイッチング用トランジスター、32…駆動用トランジスター、33…保持容量、41…第1層、42…第2層、43…第3層、51…着色部、51B…着色部、51G…着色部、51R…着色部、61…レンズ層、61a…レンズ材料層、62…透光層、62a…堆積層、71…平坦面、90…接眼レンズ、100…表示装置、100a…表示装置、100b…表示装置、101…データ線駆動回路、102…走査線駆動回路、103…制御回路、104…外部端子、210…反射部、221…第1絶縁膜、222…第2絶縁膜、223…第3絶縁膜、224…第4絶縁膜、240…発光層、245…開口、246…開口、247…開口、610…レンズ、611…レンズ面、611a…レンズ用凸部、612a…レンズ用被膜、900…虚像表示装置、A1…主光線、A10…表示領域、A20…周辺領域、EY…眼、L…映像光、L0…光学距離、LL…光束、LL0…光束、M1…マスク、M11…パターン部、M12…凸部、P…画素、P0…サブ画素、PB…サブ画素、PG…サブ画素、PR…サブ画素。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光反射性および透光性を有する共通電極と、
平面視で第1方向に沿って互いに隣り合う第1反射部および第2反射部と、
透光性を有し、前記第1反射部と前記共通電極との間に設けられた第1画素電極と、
透光性を有し、前記第2反射部と前記共通電極との間に設けられた第2画素電極と、
前記共通電極と前記第1画素電極との間、および前記共通電極と前記第2画素電極との間に設けられた発光層と、
前記発光層が発する光を透過させる基板と、
前記基板と前記共通電極との間において前記第1画素電極に対応して設けられた第1着色部と、
前記基板と前記共通電極との間において前記第2画素電極に対応して設けられた第2着色部と、
前記基板と前記第1着色部との間に設けられた第1レンズと、
前記基板と前記第2着色部との間に設けられた第2レンズと、
前記第1レンズおよび前記第2レンズに接して設けられた透光層と、を有し、
前記第1方向および前記基板の法線方向に沿う断面視で、前記第1反射部と前記共通電極との間の前記法線方向における距離は、前記第2反射部と前記共通電極との間の前記法線方向における距離より長く、
前記第1着色部の厚みは、前記第2着色部の厚みよりも厚い、ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記断面視で、前記第1反射部と前記第1着色部との間の前記法線方向における距離は、前記第2反射部と前記第2着色部の間の前記法線方向における距離と等しい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記断面視で、前記基板と前記第1画素電極との間の前記法線方向における距離は、前記基板と前記第2画素電極との間の前記法線方向における距離より短い、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1反射部は前記第1画素電極と電気的に接続され、前記第2反射部は前記第2画素電極と電気的に接続されている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記断面視で、前記基板と前記第1着色部との間の前記法線方向における距離は、前記基板と前記第2着色部との間の前記法線方向における距離よりも短く、かつ、前記第1着色部と前記第1画素電極との間の前記法線方向における距離は、前記第2着色部と前記第2画素電極との間の前記法線方向における距離より短い、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の表示装置の一態様は、光反射性および透光性を有する共通電極と、平面視で第1方向に沿って互いに隣り合う第1反射部および第2反射部と、透光性を有し、前記第1反射部と前記共通電極との間に設けられた第1画素電極と、透光性を有し、前記第2反射部と前記共通電極との間に設けられた第2画素電極と、前記共通電極と前記第1画素電極との間、および前記共通電極と前記第2画素電極との間に設けられた発光層と、前記発光層が発する光を透過させる基板と、前記基板と前記共通電極との間において前記第1画素電極に対応して設けられた第1着色部と、前記基板と前記共通電極との間において前記第2画素電極に対応して設けられた第2着色部と、前記基板と前記第1着色部との間に設けられた第1レンズと、前記基板と前記第2着色部との間に設けられた第2レンズと、前記第1レンズおよび前記第2レンズに接して設けられた透光層と、を有し、前記第1方向および前記基板の法線方向に沿う断面視で、前記第1反射部と前記共通電極との間の前記法線方向における距離は、前記第2反射部と前記共通電極との間の前記法線方向における距離より長く、前記第1着色部の厚みは、前記第2着色部の厚みよりも厚い。