(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045472
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】流動食品を収容する密封されたパッケージ及び流動食品を収容する密封されたパッケージを作るためのシート包装材料
(51)【国際特許分類】
B65D 5/02 20060101AFI20240326BHJP
B65D 5/40 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B65D5/02 B
B65D5/40
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017659
(22)【出願日】2024-02-08
(62)【分割の表示】P 2020557909の分割
【原出願日】2019-04-15
(31)【優先権主張番号】18168373.1
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】マルチェッロ・バルビエリ
(72)【発明者】
【氏名】カルロ・フォーセリーニ
(72)【発明者】
【氏名】ジューリオ・フェラーリ
(72)【発明者】
【氏名】パトリシア・シヴァ
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・マメリ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ・シリグナノ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単に低コストで、流動食品を収容する密封された見栄えの良いパッケージを提供する。
【解決手段】流動食品を収容し、且つ底面部分、上面部分及び底面部分と上面部分との間に置かれ、且つ複数の側壁部分を含む主要部分を含む密封されたパッケージであって、底面パネルの面積は、上面の四辺形Qの面積と異なり、上面の四辺形の面積は、基準面P上において、上面パネルを長手方向に沿って投影することによって得られ、基準面は、底面パネルに対して平行であり、パッケージを横断し、且つ上面の周囲輪郭の輪郭縁の少なくとも1つを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動食品を収容し、且つ底面部分(3)、上面部分(4)及び前記底面部分(3)と前記上面部分(4)との間に置かれ、且つ複数の側壁部分(6)を含む主要部分(5)を含む密封されたパッケージ(1、1’、1’’、1’’’)であって、
前記主要部分(5)は、それぞれ前記底面部分(3)及び前記上面部分(4)から底面の周囲輪郭(8)及び上面の周囲輪郭(9、9’’)によって区画され、前記底面の周囲輪郭(8)及び前記上面の周囲輪郭(9、9’’)は、それぞれエンドレス形態を有し、且つ前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)の全高が画定される長手方向(A)に対して横断方向に延在し;
前記底面の周囲輪郭(8)及び前記上面の周囲輪郭(9、9’’)のそれぞれは、折れ線の形状を有し、且つ互いに接合された複数の輪郭縁(8a、8b、8c;9a、9b、9c;9a’’、9b’’、9c’’)によって形成され;
前記底面部分(3)は、前記底面の周囲輪郭(8)によって範囲が定められ、且つ前記長手方向(A)に対して直交して延在する四辺形の底面パネル(10)を含み;
前記上面部分(4)は、前記上面の周囲輪郭(9、9’’)によって範囲が定められ、且つ前記長手方向(A)に対して横断方向に延在する四辺形の上面パネル(14、14’’)を含む、パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)において、
前記底面パネル(10)の面積は、上面の四辺形(Q)の面積と異なり、前記上面の四辺形(Q)の前記面積は、基準面(P)上において、前記上面パネル(14、14’’)を前記長手方向(A)に沿って投影することによって得られ、前記基準面(P)は、前記底面パネル(10)に対して平行であり、前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)を横切り、且つ前記上面の周囲輪郭(9、9’’)の前記輪郭縁(9a、9b、9c;9a’’、9b’’、9c’’)の少なくとも1つ(9a、9a’’)を含むことを特徴とするパッケージ(1、1’、1’’、1’’’)。
【請求項2】
前記基準面(P)は、少なくとも前記上面の周囲輪郭(9、9’’)の前記輪郭縁(9a、9b、9c;9a’’、9b’’、9c’’)の上面の前縁(9a、9a’’)を含む、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記底面パネル(10)の前記面積は、前記上面の四辺形(Q)の前記面積よりも小さい、請求項1又は2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記底面の周囲輪郭(8)の前記輪郭縁は、底面の前縁(8a)、底面の後縁(8b)及び2つの底面の側縁(8c)を含み、前記上面の四辺形(Q)は、前記底面の前縁(8a)に対応する上面の前線分(Q1)、前記底面の後縁(8b)に対応する上面の後線分(Q2)及びそれぞれ前記底面の側縁(8c)に対応する2つの上面の側線分(Q3)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記底面の側縁(8c)は、同じ長さを有し、且つ前記上面の側線分(Q3)は、同じ長さを有し;前記底面の側縁(8c)の前記長さは、前記上面の側線分(Q3)の前記長さと異なる、請求項4に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記底面の側縁(8c)の前記長さは、前記上面の側線分(Q3)の前記長さよりも小さい、請求項5に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記底面の前縁(8a)及び前記底面の後縁(8b)は、同じ長さを有し、且つ前記上面の前線分(Q1)及び前記上面の後線分(Q1、Q2)は、同じ長さを有し;前記底面の前縁(8a)及び前記底面の後縁(8b)の前記長さは、前記上面の前線分(Q1)及び前記上面の後線分(Q2)の前記長さと異なる、請求項4~6のいずれか一項に記載の
パッケージ。
【請求項8】
前記底面の前縁(8a)及び前記底面の後縁(8b)の前記長さは、前記上面の前線分(Q1)及び前記上面の後線分(Q2)の前記長さよりも大きい、請求項7に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記上面パネル(14)は、前記底面パネル(10)、前記基準面(P)及び前記長手方向(A)に対して斜めにされる、請求項1~8のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記上面パネル(14’’)は、前記底面パネル(10)に対して平行であり、前記上面の四辺形(Q)は、前記上面パネル(14’’)と一致する、請求項1~8のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項11】
前記側壁部分(6)のぞれぞれは、外向きに凸状になった2つの丸みを帯びた側辺ゾーン(7)によって範囲が定められる、請求項1~10のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記側壁部分(6)のぞれぞれは、2つの直線の側辺ゾーン(7)によって範囲が定められる、請求項1~10のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項13】
流動食品を収容する密封されたパッケージ(1、1’、1’’、1’’’)を作るためのシート包装材料(M、M’、M’’、M’’’)であって、長方形又は正方形の形態であって、長手方向(A)に対して平行な2つの境界縁(22)と、前記長手方向(A)に対して直交する横断方向(B)に対して平行な2つの他の境界縁(23、24)とを備える長方形又は正方形の形態を有し;少なくとも底面の横断方向折り目線(25)及び前記長手方向(A)に対して横断方向に延在する上面の横断方向折り目線(26、26’’)を含み、前記底面の横断方向折り目線(25)及び前記上面の横断方向折り目線(26、26’’)は、前記包装材料(M、M’、M’’、M’’’)を、
- 底面の折り目パターン(28)を含み、且つ前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)の底面部分(3)を形成するように構成された底面領域(27);
- 上面の折り目パターン(30)を含み、且つ前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)の上面部分(4)を形成するように構成された上面領域(29);及び
- 前記底面の横断方向折り目線(25)と前記上面の横断方向折り目線(26、26’’)との間に含まれ、前記底面領域(27)と前記上面領域(29)との間に置かれ、且つ複数の側壁部分(6)を有する前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)の主要部分(5)を形成するように設計された中間領域(31)
に区画し;
前記底面の横断方向折り目線(25)及び前記上面の横断方向折り目線(26、26’’)は、前記主要部分(5)から前記底面部分(3)及び前記上面部分(4)をそれぞれ区画する前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)の底面の周囲輪郭(8)及び上面の周囲輪郭(9、9’’)を画定するように構成され;
前記底面の横断方向折り目線(25)は、前記横断方向(B)に対して平行に延在し、且つ前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)の底面の前縁(8a)を画定するように設計された底面の中心部分(25a)及び前記底面の中心部分(25a)の両側において延在し、且つ前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)のそれぞれの底面の側縁(8c)を画定するように設計された2つの底面の側部分(25c)を含み;
前記上面の横断方向折り目線(26)、26’’)は、前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)の上面の前縁(9a、9a’’)を画定するように設計された上面の中心部分(26a、26a’’)及び前記上面の中心部分(26a、26a’’)の両側において延在し、且つ前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)のそれぞれの上面の
側縁(9c、9c’’)を画定するように設計された2つの上面の側部分(26c、26c’’)を含み;
前記底面の折り目パターン(28)は、前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)の四辺形の底面パネル(10)を画定するように構成され、且つ前記上面の折り目パターン(30)は、前記パッケージ(1、1’、1’’、1’’’)の四辺形の上面パネル(14、14’’)を画定するように構成される、シート包装材料において、
前記上面の横断方向折り目線(26、26’’)の前記上面の中心部分(26a、26a’’)の長さは、前記底面の横断方向折り目線(25)の前記底面の中心部分(25a)の長さと異なることを特徴とするシート包装材料。
【請求項14】
前記底面の横断方向折り目線(25)の前記底面の側部分(25c)のそれぞれの長さは、前記底面の横断方向折り目線(25)に対して平行であり、且つ少なくとも前記上面の中心部分(26a、26a’’)を含む基準線(S)上における、前記上面の横断方向折り目線(26、26’’)の前記上面の側部分(26c、26c’’)のそれぞれの、前記長手方向(A)に対して平行な投影像(R)の長さと異なる、請求項13に記載の包装材料。
【請求項15】
前記底面の側部分(25c)のそれぞれの前記長さは、前記対応する投影像(R)の前記長さよりも小さい、請求項14に記載の包装材料。
【請求項16】
前記底面の横断方向折り目線(25)の前記底面の中心部分(25a)の前記長さは、前記上面の横断方向折り目線(26、26’’)の前記上面の中心部分(26a、26a’’)の前記長さよりも大きい、請求項13~15のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項17】
前記上面の横断方向折り目線(26)の前記上面の側部分(26c)は、前記長手方向(A)及び前記横断方向(B)の両方に対して傾斜され、且つ前記上面の中心部(26a)の方に収束する、請求項13~16のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項18】
前記上面の横断方向折り目線(26’’)は、前記底面の横断方向折り目線(25)に対して平行であり、且つ前記基準線(S)と一致し、前記基準線(S)上における前記上面の側部分(26c’’)の前記投影像(R)は、前記上面の側部分(26c’’)と一致する、請求項13~16のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項19】
前記底面の横断方向折り目線(25)と前記上面の横断方向折り目線(26、26’’)との間に延在し、且つ前記パッケージ(1’、1’’’)の前記側壁部分(6)のそれぞれの側辺ゾーン(7)を画定するように構成された複数の長手方向折り目線(50)をさらに含む、請求項13~18のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項20】
前記長手方向折り目線(50)は、前記長手方向(A)に対してわずかに斜めにされる、請求項19に記載の包装材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動食品を収容する密封されたパッケージに関する。
【0002】
本発明は、流動食品を収容する密封されたパッケージを作るためのシート包装材料にも関する。
【背景技術】
【0003】
公知の通り、多くの流動食品、例えばフルーツジュース、UHT(超高温処理)牛乳、
ワイン、トマトソースなどは、滅菌された包装材料製のパッケージにおいて販売されている。
【0004】
典型的な例は、積層状包装材料のウェブを折って密封し、且つ切断することによって作製される、Tetra Brik Aseptic(登録商標)として公知の液体又は流動食品のための平行六面体形状のパッケージである。特に、包装材料は、多層構造を有し、例えば紙の基層を含み、基層は、ヒートシールプラスチック材料、例えばポリエチレンの複数の層で両面が覆われている。UHT牛乳などの長期保存製品のための無菌パッケージの場合、包装材料は、酸素遮断材、例えばアルミニウム箔の層も含み、この層は、ヒートシールプラスチック材料の層に重ね合わされ、且つ次にヒートシールプラスチック材料の別の層で覆われて、最終的に食品に接触するパッケージの内面を形成する。
【0005】
この種のパッケージは、通常、全自動包装機で生産され、全自動包装機ではウェブ送り式包装材料から連続的なチューブが形成され、包装材料のウェブは、包装機において、例えば化学殺菌剤、例えば過酸化水素溶液を適用することによって滅菌され、過酸化水素溶液は、滅菌が完了したら、例えば加熱によって蒸発されて包装材料の表面から除去され、その後、そのように滅菌されたウェブは、密閉した無菌環境で維持され、且つ長手方向に折られて密封されてチューブを形成し、これが垂直方向に送られる。
【0006】
成形作業を完了するために、チューブは、殺菌された又は殺菌処理済みの食品が充填されて密封され、それに続いて等間隔の横断面に沿って切断される。そのようにしてピローパックを得て、その後、これらが機械的に折られて、最終的なフォルダーにおいてそれぞれの完成品のパッケージを形成する。
【0007】
成形している間及び最終的に折られる間の両方でウェブ包装材料を折ることができるようにするために、生産工場において折り目付け具により、折り目線、すなわち弱化線が包装材料に形成される。実際、折り目線は、折り目を画定し、それに沿ってピローパックが折られて、所望の最終形態を取る。
【0008】
代わりに、包装材料は、ブランクに切断され、これらのブランクは、成形スピンドル上でパッケージに成形され、及びその後、結果として作られたパッケージは、食品が充填されて密封される。このタイプのパッケージの一例は、商品名Tetra Rex(登録商標)で公知のいわゆる「ゲーブルトップ」パッケージである。
【0009】
上述のパッケージを開けるために、これらは、通常、取り外し自在部分を備え、これは、開放機器により、包装材料の残りの部分から部分的に引き離され、注出開口部を解放し、それを通して製品を注ぎ出す。
【0010】
取り外し自在部分は、完成品のパッケージを形成するために包装材料を折って密封する前に包装材料に形成される。
【0011】
取り外し自在部分は、通常、いわゆる「プレラミネートされた」孔、すなわち包装材料の基層のみを貫通して形成され、且つ材料が積層される際に、孔で互いに接着するヒートシールプラスチック材料及び遮断材の層によって覆われた円形の孔を含む。
【0012】
包装材料のチューブから切断されるか又は成形スピンドルで成形されるかのいずれかである上述のタイプの各パッケージは、所与の折り目線を有する包装材料の基本構成単位から得られる。
【0013】
換言すると、上述の基本構成単位は、単一のパッケージを生産するために使用される包
装材料の正確な長さを表わす。
【0014】
包装材料のチューブから作製されたパッケージの場合、元のウェブは、複数の基本構成単位を互いに接合された状態で含む。成形スピンドルで作製されたパッケージの場合、基本構成単位は、成形作業及び密封作業の開始前にウェブから切断されたブランクによって画定される。
【0015】
基本構成単位は、一般に、長方形又は正方形の形態を有し、2つの境界縁は、長手方向に対して平行であり、及び2つの他の境界縁は、長手方向に対して直交する横断方向に対して平行である。
【0016】
基本構成単位が折られて密封されて、それぞれの完成品のパッケージを形成した後、長手方向は、パッケージ自体の全高が画定される方向になる。長手方向は、基本構成単位が得られるウェブの主伸長方向も表わす。
【0017】
基本構成単位は、通常、少なくとも2つの横断方向折り目線を含み、横断方向折り目線は、長手方向に対して横断方向に延在し、且つ基本構成単位自体を、
- 底面の折り目パターンを含み、且つ完成品のパッケージの底面部分を形成するように構成された底面領域;
- 上面の折り目パターンを含み、且つ完成品のパッケージの上面部分を形成するように構成された上面領域;及び
- 横断方向折り目線間に含まれ、底面領域と上面領域との間に置かれ、且つ通常、完成品のパッケージの複数の側壁の側辺を形成するように設計された複数の長手方向折り目線を有する中間領域
に区画する。
【0018】
横断方向折り目線は、エンドレス形態を有する完成品のパッケージの底面の周囲輪郭及び上面の周囲輪郭を画定し、且つ主要部分から底面部分及び上面部分をそれぞれ区画するようにも構成される。
【0019】
完成品のパッケージの底面部分は、通常、パッケージ自体の載置面を画定する平面の水平な底面パネルを含む。
【0020】
完成品のパッケージの上面部分は、底面パネルに平行であり、平面の水平な上面パネルを含み得る。代わりに、傾斜した上面パネルが開放機器と組み合わせて非常に便利に使用されている。なぜなら、傾斜した上面パネルは、平行六面体又は角柱のパッケージの対応する平面の上面パネルよりも幅が広く、そのため、例えばねじ蓋などを備えるより大きい開放機器を適用できるためである。
【0021】
公知のように、パッケージの生産後、パッケージは、予め決められたサイズを有する輸送パレットに置くことによって販売場所まで輸送される。そのため、包装分野では、輸送パレットを完成品のパッケージで満たすことを最適にしながら、そのようなパッケージの見栄えの良さを維持する必要性が特に感じられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
従って、簡単に低コストで上述の必要性を満たすことができる、流動食品を収容する密封されたパッケージを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
この目的は、請求項1に記載の密封されたパッケージによって達成される。
【0024】
この目的は、請求項13に記載の流動食品を収容する密封されたパッケージを作るためのシート包装材料によっても達成される。
【0025】
本発明の4つの好ましい非限定的な実施形態を、添付図面を参照して例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明による密封されたパッケージの斜視図である。
【
図5】上面パネル自体の上面の前縁を含む、水平面上における垂直方向に沿った
図3のパッケージの上面パネルの投影図である。
【
図6】
図1~5のパッケージが得られる、本発明によるシート包装材料の基本構成単位の前面図である。
【
図7】本発明の異なる実施形態による密封されたパッケージの斜視図である。
【
図8】
図7のパッケージが得られる、本発明によるシート包装材料の基本構成単位の前面図である。
【
図9】本発明の別の実施形態による密封されたパッケージの斜視図である。
【
図10】
図9のパッケージが得られる、本発明によるシート包装材料の基本構成単位の前面図である。
【
図11】本発明のさらなる実施形態による密封されたパッケージの斜視図である。
【
図12】
図11のパッケージが得られる、本発明によるシート包装材料の基本構成単位の前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1~5の符号1は、概して、流動食品を収容し、且つ
図6に示すようなシート包装材料2から得られる、本発明による密封されたパッケージを示す。
【0028】
パッケージ1は、底面部分3、上面部分4及び底面部分3と上面部分4との間に置かれ、且つ複数の側壁部分6を含む主要部分5を含み、各側壁部分は、2つの対向する側辺ゾーン7によって範囲が定められる。
【0029】
主要部分5は、折れ線で画定されたエンドレス形態の底面の周囲輪郭8によって底面部分3から区画される。完全に類似した方法において、主要部分5は、同様に折れ線で画定されたエンドレス形態の上面の周囲輪郭9によって上面部分4から区画される。
【0030】
底面部分3は、四辺形、すなわち長方形又は正方形(図示の例では長方形)のプロファイルを有し、且つパッケージ自体の載置面を画定する平面の水平な底面パネル10を含む。
【0031】
底面パネル10は、底面の周囲輪郭8によって範囲が定められ、底面の周囲輪郭は、同様に、4つの線分又は輪郭縁、すなわち底面の前縁8a、底面の前縁8aに対して平行な底面の後縁8b並びに底面の前縁8a及び底面の後縁8bに対して直交する2つの底面の側縁8cによって形成される。
【0032】
底面パネル10が長方形プロファイルであることに起因して、底面の前縁8a及び底面の後縁8bは、同じ長さを有する。同じことが底面の側縁8cに当てはまり、底面の側縁
は、同様に同じ長さを有する。
【0033】
パッケージ1は、底面パネル10に対して直交し、且つパッケージ1自体の全高が画定される長手方向Aに沿って垂直に延在する。長手方向Aは、底面の周囲輪郭8の底面の前縁8a、底面の後縁8b及び底面の側縁8cに対しても直交する。
【0034】
本記載及び特許請求の範囲では、用語「全高」は、パッケージが一定の高さを有するときのパッケージの高さ又はパッケージが可変の高さを有するときのパッケージの最大高さのいずれかを意味することを指摘しておく。
【0035】
底面部分3は、2つの底面の側方フラップ11をさらに含み、底面の側方フラップは、実質的に三角形の形態を有し、且つ公知の方法で底面パネル10上に折りこまれている(
図4)。
【0036】
上面部分4は、四辺形、すなわち正方形又は長方形のプロファイルを有し、且つ長手方向Aに対して前方に傾斜した形態を有する、平面であり且つ傾斜した上面パネル14を含む。
【0037】
図1~3に示す例では、上面パネル14は、正方形に近い長方形である。
【0038】
上面パネル14は、上面の周囲輪郭9によって範囲が定められ、上面の周囲輪郭は、同様に、4つの線分又は輪郭縁、すなわち底面の前縁8a及び底面の後縁8bに対して平行な上面の前縁9a、上面の前縁9aに対して平行であり、且つ上面の前縁9a自体よりも高い位置に配置された上面の後縁9b並びに上面の前縁9a及び上面の後縁9bに対して直交し、且つ長手方向Aに対して傾斜している2つの上面の側縁9cによって形成される。
【0039】
結果として、上面の周囲輪郭9は、長手方向Aに対して横断方向に延在する。
【0040】
上面パネル14が長方形プロファイルであることに起因して、上面の前縁9aと上面の後縁9bは、同じ長さを有する。同じことが上面の側縁9cに当てはまり、上面の側縁は、同様に同じ長さを有する。
【0041】
上面部分4は、2つの上面の側方フラップ15をさらに含み、上面の側方フラップは、実質的に三角形の形態を有し、且つ公知の方法で主要部分5の2つの対向する側壁部分6上に折りこまれている。
【0042】
図1~3及び
図5に示すように、上面部分4は、包装材料2の取り外し自在部分17(
図6)の周囲に上側を覆って配置されたプラスチック材料の開放機器16も備える。開放機器16は、接着剤などの従来の締結システムにより、又はマイクロフレーム、電流誘導、超音波、レーザ、射出成形若しくは他のヒートシール技術により、上面パネル14に適用される。
【0043】
図1~5に示す例では、パッケージ1の主要部分5は、異なるプロファイル及びサイズの4つの側壁部分6を含む。有利には、側壁部分6の範囲を定める側辺ゾーン7は、丸みを帯びた形態を有する。
【0044】
特に、パッケージ1の前面を画定するように設計された第1の側壁部分6は、底面及び上面において、直線の底面の前縁8a及び上面の前縁9aにより、且つ対向する辺におけるそれぞれ丸みを帯びた凸状の側辺ゾーン7により範囲が定められた実質的に長方形の形
態を有する。
【0045】
パッケージ1の後面を画定するように設計された第2の側壁部分6も、実質的に長方形の形態を有し、且つ底面及び上面において、直線の底面の後縁8b及び上面の後縁9bにより、且つ対向する辺におけるそれぞれ丸みを帯びた凸状の側辺ゾーン7により範囲が定められ;この第2の側壁部分6は、パッケージ1の前面を画定するように設計された側壁部分6に対面し、且つ長手方向Aに対して平行にこの後者の側壁部分6の高さよりも高い高さを有する。
【0046】
他の2つの側壁部分6のそれぞれは、
- 底面において、それぞれ1つの水平な底面の側縁8cにより;
- 上面において、それぞれ1つの傾斜した上面の側縁9cにより;及び
- 対向する辺におけるそれぞれ丸みを帯びた凸状の側辺ゾーン7により
範囲が定められる、長方形の台形に実質的に類似したプロファイルを有する。
【0047】
台形プロファイルを有する2つの側壁部分6は、それらの外面にそれぞれ上面の側方フラップ15を受け入れる。
【0048】
本発明の重要な態様によれば、底面パネル10の面積は、上面の四辺形Q(
図5)の面積と異なり、この上面の四辺形の面積は、基準面P(
図3)上において、上面パネル14を、長手方向Aに沿って投影することによって得られ、この基準面は、底面パネル10に平行であり、パッケージ1を横切り、且つ上面の周囲輪郭9の上面の前縁9aを含む。
【0049】
特に、底面パネル10の面積は、上面の四辺形Qの面積よりも小さい。
【0050】
図示しない別の可能な変形形態によれば、底面パネル10の面積は、上面の四辺形Qの面積よりも大きいことができる。
【0051】
上面パネル14に類似して、上面の四辺形Qは、正方形又は長方形、図示の例では正方形に近い長方形である。
【0052】
特に
図5を参照して説明すると、上面の四辺形Qは、底面の前縁8aに対応する上面の前線分Q1、底面の後縁8bに対応する上面の後線分Q2及びそれぞれ底面の側縁8cに対応する2つの上面の側線分Q3を含む。
【0053】
好ましくは、上面の側線分Q3は、同じ長さを有し、これは、底面の側縁9cの長さと異なる。より具体的には、図示の例では、底面の側縁9cの長さは、上面の側線分Q3の長さよりも小さい。
【0054】
同様に、上面の前線分Q1及び上面の後線分Q2は、同じ長さを有し、これは、底面の前縁8a及び底面の後縁8bの長さと異なる。
【0055】
より具体的には、図示の例では、底面の前縁8a及び底面の後縁8bの長さは、上面の前線分Q1及び上面の後線分Q2の長さよりも大きい。
【0056】
パッケージ1が作製される包装材料2は、
図6に示されており、且つ剛性のための例えば紙の基層と、基層の両方の側面を覆ういくつもの積層とを含む公知の多層構造(図示せず)を有する。
【0057】
好ましくは、積層は、例えば、アルミニウム箔の酸素遮断材の1つの層と、基層の両方
の側面及び酸素遮断材の層の両方の側面を覆うヒートシールプラスチック材料のいくつもの層とを含む。換言すると、パッケージ1の内側を最終的に形成する側面から順に、包装材料2は、ヒートシールプラスチック材料の1つの層、酸素遮断材の1つの層、ヒートシールプラスチック材料の別の層、基層及びヒートシールプラスチック材料の1つ以上の追加的な層を含む。
【0058】
図6の文字Mは、パッケージ1を生産するための包装材料2の基本構成単位を示し、これは、予め切断されたブランク又は一連の基本構成単位Mを含む包装材料のウェブの一部であり得る。
【0059】
最初の事例では、基本構成単位Mは、公知の成形スピンドル(図示せず)上に折られ、食品が充填され、且つ上面が密封されて最終的なパッケージを形成する。
【0060】
図1~12を参照して説明する第2の事例では、一連の基本構成単位Mを含む包装材料2のウェブは、
- シリンダーに折られて長手方向に密封され、縦チューブを形成し;
- 食品が連続的に充填され;及び
- 横断方向に密封されて、基本構成単位Mに切断され、その後、それらの基本構成単位は、それぞれのパッケージ1を形成するように折られる。
【0061】
これらの作業の完了後、パッケージ1は、
- 底面パネル10をその中心線に沿って横切り、且つ底面の前縁8a及び底面の後縁8bに対して平行に延在する底面の横断方向封止帯18(
図5);
- 上面の前縁9a及び上面の後縁9bに対して平行に且つそれらの間で上面パネル14を横切る上面の横断方向封止帯19(
図1~4);及び
- 底面パネル10及び上面パネル14のそれぞれの部分に沿って且つパッケージ1の後面を画定する側壁部分6に沿って、底面の横断方向封止帯18と上面の横断方向封止帯19との間に垂直に延在する長手方向封止帯20
を有する。
【0062】
より具体的には、パッケージ1が完全に密封されて形成された後、底面パネル10は、底面の横断方向封止帯18と、底面の横断方向封止帯18から垂直に延在する長手方向封止帯20の端部分20aとによって交差される。
【0063】
完全に類似した方法において、パッケージ1が完全に密封されて形成された後、上面パネル14は、上面の横断方向封止帯19と、上面の横断方向封止帯19から垂直に延在し、且つ端部分20aに対向する長手方向封止帯20の端部分20bとによって交差される。より詳細には、上面の横断方向封止帯19は、上面パネル14を2つのゾーン14a、14bに区画し、及び長手方向封止帯20の端部分20bは、上面の横断方向封止帯19の中間部分からそのようなゾーン14a、14bの一方のゾーン(14b)に延在する。
【0064】
パッケージ1を得るための成形作業中、上面の横断方向封止帯19は、ゾーン14b及び長手方向封止帯20の端部分20b上に折られる。このようにして、ゾーン14aは、ゾーン14bよりも大きい面積を有するため、取り外し自在部分17及び開放機器16を受け入れるのにより好適である。
【0065】
図6に示す例では、取り外し自在部分17は、円形プロファイルを有し、且つ使用中、開放機器16により、包装材料の残りの部分から少なくとも部分的に引き離されて、製品を注ぎ出す注出開口部を解放するように設計されている。
【0066】
取り外し自在部分17は、包装材料2自体を折って密封して、完成品のパッケージを形成する前に包装材料2に形成される。
【0067】
この場合、取り外し自在部分17は、いわゆる「プレラミネートされた」孔、すなわち包装材料2の基層のみを貫通して形成され、且つ包装材料2自体が積層されるとき、孔で互いに接着するヒートシールプラスチック材料及び酸素遮断材の層で覆われた円形の孔を含む。
【0068】
特に
図6を参照して説明すると、包装材料2の基本構成単位Mは、長方形の形態を有し、且つ、
- 基本構成単位Mが直立した条件では、長手方向Aに一致する長手方向に対して平行な2つの側境界縁22;
- 長手方向Aに対して直交する横断方向Bに対して平行な底面の境界縁23;及び
- 横断方向B及び底面の境界縁23に対して平行な上面の境界縁24
によって範囲が定められる。
【0069】
包装材料2の基本構成単位Mは、それぞれの折り目を画定するいくつもの折り目線を含み、それに沿って包装材料2自体が折られて、完成品のパッケージ1を形成する。
【0070】
より具体的には、基本構成単位Mは、2つの横断方向折り目線25、26を含み、これらの横断方向折り目線は、長手方向Aに対して横断方向に延在し、且つ基本構成単位M自体を、
- 底面の折り目パターン28を含み、且つパッケージ1の底面部分3を形成するように構成された底面領域27;
- 上面の折り目パターン30を含み、且つパッケージ1の上面部分4を形成するように構成された上面領域29;及び
- 横断方向折り目線25と26との間に含まれ、底面領域27と上面領域29との間に置かれ、且つパッケージ1の側壁部分6を形成するように設計された中間領域31
に区画する。
【0071】
横断方向折り目線25は、底面の境界縁23及び上面の境界縁24に対して平行に延在し、且つ横断方向折り目線26よりも底面の境界縁23の近くに配置されている。横断方向折り目線25は、パッケージ1の底面の周囲輪郭8を画定するように構成される。
【0072】
特に、横断方向折り目線25は、
- パッケージ1の底面の前縁8aを画定するように構成された底面の中心部分25a;
- 底面の中心部分25aの両側に配置され、それぞれの側境界縁22に隣接した位置にあり、且つパッケージ1の底面の後縁8bを画定するように構成された2つの底面の端部分25b;及び
- 底面の中心部分25aの両側にそれぞれ隣接して延在し、中心部分25a自体をそれぞれの端部分25bに接続し、且つパッケージ1のそれぞれの底面の側縁8cを画定するように設計された2つの底面の側部分25c
を含む。
【0073】
横断方向折り目線26は、横断方向折り目線25よりも上面の境界縁24の近くに配置され、且つパッケージ1の上面の周囲輪郭9を画定するように構成される。特に、横断方向折り目線26は、
- 横断方向Bに対して平行であり、且つパッケージ1の上面の前縁9aを画定するように構成された上面の中心部分26a;
- 横断方向Bに対して平行であり、上面の中心部分26aよりも上面の境界縁24の近くに配置され、且つパッケージ1の上面の後縁9bを画定するように構成された2つの上面の端部分26b;及び
- 長手方向A及び横断方向Bに対して傾斜した形態を有し、且つそれぞれ上面の中心部分26aをそれぞれの上面の端部分26bに接続する2つの傾斜した上面の側部分26c
を備える折れ線の形状を有する。
【0074】
図6に示すように、上面の側部分26cは、上面の中心部分26aの方に収束する。
【0075】
基本構成単位Mは、方向Bに対して平行に延在し、且つそれぞれ底面の境界縁23及び上面の境界縁24の近くに位置する2つのさらなる横断方向折り目線32、33を含む。横断方向折り目線32、33は、底面の境界縁23及び上面の境界縁24と一緒に、それぞれパッケージ1の底面の横断方向封止帯18及び上面の横断方向封止帯19を画定するように構成された底面の横断方向封止領域34及び上面の横断方向封止領域35の範囲を定める。
【0076】
底面の折り目パターン28は、パッケージ1の底面パネル10及び底面の側方フラップ11を生じるように設計されている。特に、底面の折り目パターン28は、公知の方法において、長手方向Aに対して平行であり、且つ横断方向折り目線25及び32間に延在する4つの長手方向折り目線36a、36bを含む。
【0077】
長手方向折り目線36bは、最も内側のものである一方、長手方向折り目線36aは、対向する側境界縁22の近くに位置する。長手方向折り目線36b間の領域並びに長手方向折り目線36a及びそれぞれの側境界縁22によって範囲を定められる領域は、パッケージ1の底面パネル10を画定するように構成される。
【0078】
長手方向折り目線36a及び36b間に範囲を定められる領域のそれぞれにおいて、底面の折り目パターン28は、長手方向A及び横断方向Bの両方に対して傾斜した2つの追加的な折り目線37、38をさらに含む。
【0079】
特に、各対の追加的な折り目線37、38は、一方の端部が共通して横断方向折り目線32に位置し、且つ対向する端部がそれぞれ横断方向折り目線25と長手方向折り目線36a及び36bとの間の交点に位置している。このようにして、追加的な折り目線37、38の各対は、追加的な折り目線37、38自体の間に含まれる横断方向折り目線25の線分と一緒に三角形39の範囲を定める。
【0080】
長手方向折り目線36a及び36b間の各領域は、パッケージ1のそれぞれ1つの底面の側方フラップ11を画定するように構成される。
【0081】
上面の折り目パターン30は、パッケージ1の上面パネル14及び上面の側方フラップ15を生じるように設計されている。特に、上面の折り目パターン30は、長手方向Aに対して平行であり、且つ横断方向折り目線26及び33間に延在する4つの長手方向折り目線40a、40bを含む。
【0082】
長手方向折り目線40bは、最も内側のものである一方、長手方向折り目線40aは、対向する側境界縁22の近くに位置する。長手方向折り目線40b間の領域並びに長手方向折り目線40a及びそれぞれの側境界縁22によって範囲が定められる領域は、パッケージ1の上面パネル14を画定するように構成される。取り外し自在部分17は、長手方向折り目線40b間に含まれる上面領域29の領域に形成される。
【0083】
長手方向折り目線40a及び40b間に範囲が定められる領域のそれぞれでは、上面の折り目パターン30は、長手方向A及び横断方向Bの両方に対して傾斜した2つの追加的な折り目線41、42をさらに含む。
【0084】
特に、各対の追加的な折り目線41、42は、一方の端部が共通して横断方向折り目線33に位置しており、及び対向する端部が横断方向折り目線26のそれぞれの傾斜した上面の側部分26cの対向する端部に又はそれに隣接して位置している。
【0085】
このようにして、追加的な折り目線41、42の各対は、横断方向折り目線26のそれぞれの上面の側部分26cと一緒に三角形43の範囲を定める。
【0086】
長手方向折り目線40a及び40b間の各領域は、パッケージ1のそれぞれ1つの上面の側方フラップ15を画定するように構成される。
【0087】
本発明の重要な態様によれば、横断方向折り目線26の上面の中心部分26aの長さは、横断方向折り目線25の底面の中心部分25aの長さと異なり;さらに、横断方向折り目線25の底面の側部分25cのそれぞれの長さも、横断方向折り目線26の上面の側部分26cのそれぞれの、横断方向折り目線25に対して平行であり、且つ上面の中心部分26aを含む基準線S上における、長手方向Aに対して平行な投影像Rの長さと異なる。
【0088】
特に、上面の中心部分26aの長さは、底面の中心部分25aの長さよりも小さい。異なる方法では、各投影像Rの長さは、対応する底面の側部分25cの長さよりも大きい。
【0089】
図6に示すように、底面の中心部分25aの長さは、長手方向折り目線36b間に含まれる横断方向折り目線32の線分の長さに対応する。完全に類似した方法において、上面の中心部分26aの長さは、長手方向折り目線40b間に含まれる横断方向折り目線33の線分の長さに対応する。
【0090】
同じことが底面の側部分25cに当てはまり、その長さは、長手方向折り目線36a及び36bの各対間に含まれる横断方向折り目線32のそれぞれの線分の長さに対応する。類似して、投影像Rの長さは、長手方向折り目線40a及び40bの各対間に含まれる横断方向折り目線33のそれぞれの線分の長さに対応する。
【0091】
上面の四辺形Qの上面の前線分Q1及び上面の後線分Q2の長さは、上面の中心部分26aの長さに対応する。類似した方法において、上面の四辺形Qの上面の側線分Q3の長さは、投影像Rの長さに対応することに留意することが重要である。
【0092】
図6に示す実施形態では、中間領域31は、均一な構造を有し、すなわち折り又は弱化も全くなく、且つパッケージ1の側壁部分6のそれぞれの側辺ゾーン7を形成するように設計された中間領域31自体の領域を横切る中心横断帯44を含む。
【0093】
好ましくは、基本構成単位Mの中間領域31は、横断方向折り目線25、26上に又はそれに隣接して位置しているそれぞれの頂点46を有する複数のV字形状の折り目線45をさらに含み、且つその所与の点において、パッケージ1の側壁部分6の範囲を定めるそれぞれの側辺ゾーン7の対向する端を画定するように設計されている。各V字形状の折り目線45は、それぞれの横断方向折り目線25、26から及びその近傍において中心横断帯44まで延在し、且つそれぞれの頂点46から広がる2本の脚線47を含む。
【0094】
特に、各V字形状の折り目線45は、それぞれの横断方向折り目線25、26から他方
の横断方向折り目線26、25の方に延在し、且つ長手方向Aに対して平行に、ゼロよりも大きく且つ長手方向A自体に対して平行に測定された中間領域31の全高の4分の1よりも小さい、好ましくは10分の1よりも小さいサイズを有する。
【0095】
本記載及び特許請求の範囲では、用語「中間領域31の全高」は、パッケージの全高に対応することを指摘しておく。
【0096】
実際、横断方向折り目線25から延在する各V字形状の折り目線45及び横断方向折り目線26から延在する対応するV字形状の折り目線45は、長手方向Aに対して平行に離間されている。
【0097】
好ましくは、各V字形状の折り目線45は、長手方向Aに対して平行に、長手方向A自体に対して平行に測定された底面領域27又は上面領域29の最大高さよりも小さいサイズを有する。
【0098】
一層好ましくは、V字形状の折り目線45の各脚線の長さは、それぞれの横断方向折り目線25、26にある三角形39、43の底辺に対する、その三角形の高さの最大長さよりも小さい。
【0099】
図示の例では、各V字形状の折り目線45の、長手方向Aに平行なサイズは、長手方向A自体に対して平行に測定された中間領域31の全高の14分の1に実質的に等しい。
【0100】
図1~4に示すように、V字形状の折り目線45は、パッケージ1の側壁部分6間に側辺ゾーン7を画定するように設計された領域において、中間領域31に存在する唯一の折り目線である。
【0101】
横断方向折り目線25及び26間に連続的な長手方向折り目線がないことにより、結果として作られたパッケージ1は、側辺ゾーン7に沿って丸みを帯びた形態を与える。V字形状の折り目線45は、側辺ゾーン7の丸みを帯びた形態に影響を及ぼすことなく、側壁部分6の側辺ゾーン7と底面の周囲輪郭8及び上面の周囲輪郭9との間のそれぞれの角における包装材料2の折りを簡単にする機能を果たす。
【0102】
図示の例では、各V字形状の折り目線45の脚線47は、直線的であり、すなわち直線である。図示しない可能な代替形態として、各V字形状の折り目線45の脚線47は、同様に、湾曲されて、好ましくはそれらの凹部が互いに対面するようにされ得る。
【0103】
好ましくは、各V字形状の折り目線45の脚線47は、45°~90°に含まれる角度の範囲を定める。
【0104】
図7の符号1’は、概して、本発明による及びシート包装材料2の基本構成単位M’(
図8)によって得られる密封されたパッケージの異なる実施形態を示す。パッケージ1’は、パッケージ1と同様であるため、下記の説明は、それらの違いに限定され、且つ可能な場合、同一又は対応する部分に同じ参照符号を使用する。同じことが基本構成単位M’及びMに当てはまる。
【0105】
特に、パッケージ1’は、側壁部分6間の側辺ゾーン7が、横断方向折り目線25及びと26間に延在するそれぞれの長手方向折り目線50によって画定されていることのみにおいてパッケージ1と異なる。横断方向折り目線25、26の底面の中心部分25aと上面の中心部分26aとの間及び横断方向折り目線25の底面の側部分25cと基準線S上のそれぞれの投影像Rとの間の長さが異なることに起因して、長手方向折り目線50は、
長手方向Aに対してわずかに斜めにされる。
【0106】
この場合、V字形状の折り目線は、必要ないために存在しない。
【0107】
図9の符号1’’は、概して、本発明による且つシート包装材料2の基本構成単位M’’(
図10)によって得られる密封されたパッケージの異なる実施形態を示す。パッケージ1’’は、パッケージ1と同様であるため、下記の説明は、それらの違いに限定され、且つ可能な場合、同一又は対応する部分に同じ参照符号を使用する。同じことが基本構成単位M’’及びMに当てはまる。
【0108】
特に、パッケージ1’’は、水平方向及び底面パネル10に対して平行に延在する上面パネル14’’を有することのみにおいてパッケージ1と異なる。
【0109】
より詳細には、上面パネル14’’は、底面の周囲輪郭8に対して平行であり、且つ同様に横断方向折り目線25及び横断方向Bに対して平行である横断方向折り目線26’’によって得られる上面の周囲輪郭9’’(辺9a’’、9b’’、9c’’によって形成される)によって範囲が定められる。
【0110】
この場合、上面パネル14’’は、全体的に基準面P上に延在するため、この後者の面上における上面パネル14’’の投影像、すなわち上面の四辺形Qは、上面パネル14’’自体と一致する。
【0111】
同じことが、基準線S上における横断方向折り目線26’’の上面の側部分26c’’の投影像Rに当てはまり、これは、上面の側部分26c’’自体と一致する。実際、この場合、基準線Sは、上面の横断方向折り目線26’’と一致する。
【0112】
図11の符号1’’’は、概して、本発明による且つシート包装材料2の基本構成単位M’’’(
図12)によって得られる密封されたパッケージの異なる実施形態を示す。パッケージ1’’’は、パッケージ1’’と同様であるため、下記の説明は、それらの違いに限定され、且つ可能な場合、同一又は対応する部分に同じ参照符号を使用する。同じことが基本構成単位M’’’及びM’’に当てはまる。
【0113】
特に、パッケージ1’’’は、側壁部分6間の側辺ゾーン7が、横断方向折り目線25及び26間に延在するそれぞれの長手方向折り目線50によって画定されることのみにおいてパッケージ1’’と異なる。この場合も、横断方向折り目線25、26’’の底面の中心部分25aと上面の中心部分26a’’との間及び同じ横断方向折り目線25、26’’の底面の側部分25cと上面の側部分26c’’との間の長さが異なることに起因して、長手方向折り目線50は、長手方向Aに対してわずかに斜めにされる。
【0114】
長手方向折り目線50が存在するため、V字形状の折り目線は、必要ないために存在しない。
【0115】
本発明によるパッケージ1、1’、1’’、1’’’及び包装材料2の基本構成単位M、M’、M’’、M’’’の利点は、上記の説明から明らかになっている。
【0116】
特に、説明したパッケージ1、1’、1’’、1’’’の解決法は、全て上面部分4とわずかに異なる底面部分3を示す。このようにして、輸送パレットを完成品のパッケージ1、1’、1’’、1’’’で満たすことを最適にすることが可能であり、これは、それらのパッケージの外観に関連のある変化を与えることなく、それらの寸法に高い柔軟性を与える。例えば、上面部分4よりもスリムな底面部分3により、パッケージが直立した姿
勢で置かれるとき、パッケージに収容された流動製品(この製品は、パッケージ1、1’、1’’、1’’’、1’’’’自体の底面部分に溜まる傾向がある)に加えられる重力によって生じる膨張の影響を補償できる。
【0117】
しかしながら、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、本明細書で説明及び図示されるようなパッケージ1、1’、1’’、1’’’及び包装材料2の基本構成単位M、m’、M’’、M’’’に対する変更形態がなされ得ることが明らかである。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動食品を収容し、且つ底面部分(3)、上面部分(4)及び前記底面部分(3)と前記上面部分(4)との間に置かれ、且つ複数の側壁部分(6)を含む主要部分(5)を含む密封されたパッケージ(1、1’)であって、
前記主要部分(5)は、それぞれ前記底面部分(3)及び前記上面部分(4)から底面の周囲輪郭(8)及び上面の周囲輪郭(9)によって区画され、前記底面の周囲輪郭(8)及び前記上面の周囲輪郭(9)は、それぞれエンドレス形態を有し、且つ前記パッケージ(1、1’)の全高が画定される長手方向(A)に対して横断方向に延在し、
前記底面の周囲輪郭(8)及び前記上面の周囲輪郭(9)のそれぞれは、折れ線の形状を有し、且つ互いに接合された複数の輪郭縁(8a、8b、8c;9a、9b、9c)によって形成され、
前記底面部分(3)は、前記底面の周囲輪郭(8)によって範囲が定められ、前記長手方向(A)に対して直交して延在する四辺形の底面パネル(10)を含み、
前記上面部分(4)は、前記上面の周囲輪郭(9)によって範囲が定められ、前記長手方向(A)に対して横断方向に延在する四辺形の上面パネル(14)を含み、
前記底面パネル(10)の面積は、上面の四辺形(Q)の面積と異なり、前記上面の四辺形(Q)の前記面積は、基準面(P)上において、前記上面パネル(14)を前記長手方向(A)に沿って投影することによって得られ、前記基準面(P)は、前記底面パネル(10)に対して平行であり、前記パッケージ(1、1’)を横切り、且つ前記上面の周囲輪郭(9)の前記輪郭縁(9a、9b、9c)の少なくとも1つ(9a)を含み、
前記上面パネル(14)は、前記底面パネル(10)、基準面(P)及び前記長手方向(A)に対して傾斜する、
パッケージ(1、1’)。
【請求項2】
前記基準面(P)は、少なくとも前記上面の周囲輪郭(9)の輪郭縁(9a、9b、9c)の上面の前縁(9a)を含む、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記底面パネル(10)の前記面積は、前記上面の四辺形(Q)の前記面積よりも小さい、請求項1又は2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記底面の周囲輪郭(8)の前記輪郭縁は、底面の前縁(8a)、底面の後縁(8b)及び2つの底面の側縁(8c)を含み、前記上面の四辺形(Q)は、前記底面の前縁(8a)に対応する上面の前線分(Q1)、前記底面の後縁(8b)に対応する上面の後線分(Q2)及びそれぞれ前記底面の側縁(8c)に対応する2つの上面の側線分(Q3)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記底面の側縁(8c)は、同じ長さを有し、且つ前記上面の側線分(Q3)は、同じ長さを有し;前記底面の側縁(8c)の前記長さは、前記上面の側線分(Q3)の前記長さと異なる、請求項4に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記底面の側縁(8c)の前記長さは、前記上面の側線分(Q3)の前記長さよりも小さい、請求項5に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記底面の前縁(8a)及び前記底面の後縁(8b)は、同じ長さを有し、且つ前記上面の前線分(Q1)及び前記上面の後線分(Q2)は、同じ長さを有し;前記底面の前縁(8a)及び前記底面の後縁(8b)の前記長さは、前記上面の前線分(Q1)及び前記上面の後線分(Q2)の前記長さと異なる、請求項4~6のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記底面の前縁(8a)及び前記底面の後縁(8b)の前記長さは、前記上面の前線分(Q1)及び前記上面の後線分(Q2)の前記長さよりも大きい、請求項7に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記側壁部分(6)のぞれぞれは、外向きに凸状になった2つの丸みを帯びた側辺ゾーン(7)によって範囲が定められる、請求項1~8のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記側壁部分(6)のぞれぞれは、2つの直線の側辺ゾーン(7)によって範囲が定められる、請求項1~8のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項11】
流動食品を収容する密封されたパッケージ(1、1’ )を作るためのシート包装材料(M、M’)であって、長方形又は正方形の形態であって、長手方向(A)に対して平行な2つの境界縁(22)と、前記長手方向(A)に対して直交する横断方向(B)に対して平行な2つの他の境界縁(23、24)とを備える長方形又は正方形の形態を有し;少なくとも底面の横断方向折り目線(25)及び前記長手方向(A)に対して横断方向に延在する上面の横断方向折り目線(26)を含み、前記底面の横断方向折り目線(25)及び前記上面の横断方向折り目線(26、26’’)は、前記シート包装材料(M、M’)を、
- 底面の折り目パターン(28)を含み、且つ前記パッケージ(1、1’)の底面部分(3)を形成するように構成された底面領域(27);
- 上面の折り目パターン(30)を含み、且つ前記パッケージ(1、1’)の上面部分(4)を形成するように構成された上面領域(29);及び
- 前記底面の横断方向折り目線(25)と前記上面の横断方向折り目線(26)との間に含まれ、前記底面領域(27)と前記上面領域(29)との間に置かれ、且つ複数の側壁部分(6)を有する前記パッケージ(1、1’)の主要部分(5)を形成するように設計された中間領域(31)に区画し;
前記底面の横断方向折り目線(25)及び前記上面の横断方向折り目線(26)は、前記主要部分(5)から前記底面部分(3)及び前記上面部分(4)をそれぞれ区画する前記パッケージ(1、1’)の底面の周囲輪郭(8)及び上面の周囲輪郭(9)を画定するように構成され;
前記底面の横断方向折り目線(25)は、前記横断方向(B)に対して平行に延在し、且つ前記パッケージ(1、1’)の底面の前縁(8a)を画定するように設計された底面の中心部分(25a)、及び前記底面の中心部分(25a)の両側において延在し、且つ前記パッケージ(1、1’)のそれぞれの底面の側縁(8c)を画定するように設計された2つの底面の側部分(25c)を含み;
前記上面の横断方向折り目線(26)は、前記パッケージ(1、1’)の上面の前縁(9a)を画定するように設計された上面の中心部分(26a)、及び前記上面の中心部分(26a)の両側において延在し、前記パッケージ(1、1’)のそれぞれの上面の側縁(9c)を画定するように設計された2つの上面の側部分(26c)を含み;
前記底面の折り目パターン(28)は、前記パッケージ(1、1’)の四辺形の底面パネル(10)を画定するように構成され、
前記上面の折り目パターン(30)は、前記パッケージ(1、1’)の四辺形の上面パネル(14)を画定するように構成され、
前記上面の横断方向折り目線(26)の前記上面の側部分(26c)は、前記長手方向(A)及び前記横断方向(B)の両方に対して傾斜され、且つ前記上面の中心部分(26a)の方に収束し、
前記上面の横断方向折り目線(26)の前記上面の中心部分(26a)の長さは、前記底面の横断方向折り目線(25)の前記底面の中心部分(25a)の長さと異なることを特徴とする、シート包装材料。
【請求項12】
前記底面の横断方向折り目線(25)の前記底面の側部分(25c)のそれぞれの長さは、前記底面の横断方向折り目線(25)に対して平行であり、且つ少なくとも前記上面の中心部分(26a)を含む基準線(S)上における、前記上面の横断方向折り目線(26)の前記上面の側部分(26c)のそれぞれの、前記長手方向(A)に対して平行な投影像(R)の長さと異なる、請求項11に記載の包装材料。
【請求項13】
前記底面の側部分(25c)のそれぞれの前記長さは、前記対応する投影像(R)の前記長さよりも小さい、請求項12に記載の包装材料。
【請求項14】
前記底面の横断方向折り目線(25)の前記底面の中心部分(25a)の前記長さは、前記上面の横断方向折り目線(26)の前記上面の中心部分(26a)の前記長さよりも大きい、請求項11~13のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項15】
前記底面の横断方向折り目線(25)と前記上面の横断方向折り目線(26)との間に延在し、且つ前記パッケージ(1’、1’’’)の前記側壁部分(6)のそれぞれの側辺ゾーン(7)を画定するように構成された複数の長手方向折り目線(50)をさらに含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項16】
前記長手方向折り目線(50)は、前記長手方向(A)に対してわずかに斜めにされる、請求項15に記載の包装材料。