(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045483
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】免震構造
(51)【国際特許分類】
E04H 9/02 20060101AFI20240326BHJP
F16F 15/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
E04H9/02 331B
E04H9/02 341D
F16F15/02 C
F16F15/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024018083
(22)【出願日】2024-02-08
(62)【分割の表示】P 2021025153の分割
【原出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】今井 克彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏
(72)【発明者】
【氏名】牛坂 伸也
(57)【要約】
【課題】高層部の応答加速度を低減させて居住性を向上させつつ、構造物全体の耐震性を向上させることができる免震構造を提供する。
【解決手段】高層または超高層の構造物2における最上部分となる高層部4と、高層部の下側の下層部3と、の間に免震層6が設けられ、高層部は、固有周期が2秒以下かつ下層部の固有周期の30%以下であり、高層部の免震周期を下層部の周期に対して20%以上ずらしている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高層または超高層の構造物における最上部分となる高層部と、前記高層部の下側の下層部と、の間に免震層が設けられ、
前記高層部は、固有周期が2秒以下かつ前記下層部の固有周期の30%以下であり、
前記高層部の免震周期を前記下層部の周期に対して20%以上ずらしている免震構造。
【請求項2】
前記高層部は、前記下層部よりも剛性が大きく設定されている請求項1に記載の免震構造。
【請求項3】
前記高層部には、AMDが設けられている請求項1または2に記載の免震構造。
【請求項4】
前記免震層の免震機能を拘束するロック機構を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の免震構造。
【請求項5】
前記高層部の重量は、構造物全体の重量の15%以上である請求項1から4のいずれか一項に記載の免震構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免震構造に関する。
【背景技術】
【0002】
免震構造では、免震装置によって地盤から構造物に入力される地震エネルギーを低減させることで振動応答を低減させるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。高層や超高層の構造物においても、免震構造を採用することで地震時の振動応答を効率的に低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
免震構造の高層や超高層の構造物では、2次や3次といった高次モードの振動が生じると、下層部と比べて高層部では応答加速度が増大して揺れが増幅され、高層部が大きく揺れる所謂むち振り現象が生じることがある。このため、免震構造の高層や超高層の構造物では、高層部の居住性が良くないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、高層部の応答加速度を低減させて居住性を向上させつつ、構造物全体の耐震性を向上させることができる免震構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る免震構造は、高層または超高層の構造物における最上部分となる高層部と、前記高層部の下側の下層部と、の間に免震層が設けられ、前記高層部は、固有周期が2秒以下かつ前記下層部の固有周期の30%以下であり、前記高層部の免震周期を前記下層部の周期に対して20%以上ずらしている。
【0007】
本発明では、下層部が下層コア部を有することにより、高剛性の心棒を有する構造となり、地震時の振動応答を低減させることができる。また、高層部と下層部との間に免震層が設けられていることにより、下層部から高層部に伝達される地震エネルギーを低減させることができ、高層部の振動応答を低減させることができるとともに、高層部をビルディングマスとすることができる。
【0008】
そして、本発明では、高層部の固有周期が2秒以下かつ下層部の固有周期の30%以下である。これにより、本発明では高層部が大きく揺れる所謂むち振り現象を低減させることができ、高層部の応答加速度を低減させて居住性を向上させることができるとともに、免震効果を向上させることができる。
【0009】
また、本発明では、高層部の免震周期を下層部の周期に対して20%以上ずらすことにより、高層部(ビルディングマス部分)を下層部に同調させない構造となっている。これにより、構造物の荷重の変動や剛性の変動を許容することができ、構造物のロバスト性を向上させることができる。また、ピンポイントで同調させる場合と比べて1次振動モードは大きくなるが、短周期の2次振動モードを下げることができる。その結果、一般に短周期の加速度成分が大きい地震動に対して、2次振動モードの共振を抑制することができ、ピンポイントで同調させる場合よりも、2次振動モードに起因した高層部のみならず下層部の応答加速度も低減できる。
【0010】
また、本発明に係る免震構造では、前記高層部は、前記下層部よりも剛性が大きく設定されていてもよい。
【0011】
このような構成とすることにより、高層部が大きく揺れる所謂むち振り現象を低減させることができ、高層部の応答加速度を低減させて居住性を向上させることができるとともに、免震効果を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る免震構造では、前記高層部には、AMDが設けられていてもよい。
【0013】
このような構成とすることにより、ビルディングマス部分の動きをアクティブ系制振装置によりコントロールすることで、構造物全体の応答加速度をより低減させることができる。特に、風荷重による揺れや地震の後揺れなどが生じた際にAMDを作用させることで、構造物全体の応答加速度および揺れを効率的に低減させることができる。
【0014】
また、本発明に係る免震構造では、前記免震層の免震機能を拘束するロック機構を有していてもよい。
【0015】
このような構成とすることにより、比較的小さい揺れに対しては、免震機能を拘束することにより、揺れを早く収束させることができる。特に、風荷重による揺れを拘束することができ、居住性の向上および免震エレベータの運行など建物機能を維持することができる。
【0016】
また、本発明に係る免震構造では、前記高層部の重量は、構造物全体の重量の15%以上であってもよい。
【0017】
このような構成とすることにより、ビルディングマス効果を向上させることができ、ロバスト性も向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高層部の応答加速度を低減させて居住性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態による免震構造が設けられた構造物の側面図である。
【
図5】免震層の変位と免震ELVおよびロック機構の稼働との関係を示す図である。
【
図6】本実施形態のビルディングマス案と制振案の層間変形角の比較を示すグラフである。
【
図7】本実施形態のビルディングマス案と制振案の応答加速度の比較を示すグラフである。
【
図8】固有周期と加速度応答倍率の関係を示すグラフである。
【
図9】AMDが設けられている場合と設けられていない場合のパルス波を入力した際の応答結果の比較を示すグラフである。
【
図10】建物全体重量に対するBMDの重量が15%、25%の場合の各層の層間変形角の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態による免震構造について、
図1-
図4に基づいて説明する。
図1および
図2に示すように、本実施形態による免震構造1は、超高層の構造物2に採用されている。本実施形態の構造物2は、下層階(下層部3とする)がオフィスとして使用され、高層階(高層部4とする)がホテルや住宅などとして使用されるように想定されている。下層部3と高層部4との間には免震層6が設けられている。
【0021】
下層部3は、上下方向全体にわたってほぼ同じ外形に形成されている。
図3に示すように、下層部3は、平面における中央部に位置する下層コア部31と、下層コア部31の周囲に隣接する下層コア隣接部32と、を有している。本実施形態では、下層コア隣接部32は、下層コア部31を囲繞するように設けられている。下層コア部31には、エレベータや階段などが設置され、下層コア隣接部32には、店舗や執務室などが設置されている。
【0022】
図1および
図2に示すように、下層コア部31には、所定の剛性を有するコアフレーム33が設けられているとともに、制振ダンパーやオイルダンパーなどの制振装置34が設けられている。下層コア部31は、下層コア隣接部32よりも剛性が大きく設定されている。下層コア部31は、上の層よりも下の層のほうが平面視形状が大きく設計され、剛性が大きく設定されている。各層の下層コア部31は、上下方向に連続するように配置されている。
【0023】
高層部4は、上下方向全体にわたってほぼ同じ外形に形成されている。
図4に示すように、高層部4は、平面視形における外形が短辺および長辺を有する長方形状である。この長方形の長辺が延びる水平方向を長辺方向(図の矢印Xの方向)とし、短辺が延びる水平方向を短辺方向(図の矢印Yの方向)とする。
図1に示すように、高層部4は、平面視形状が下層部3よりも小さく形成されている。高層部4は、下層部3の平面視における中央部分の上部で、下層コア部31の上部に配置されている。
【0024】
図1、2および
図4に示すように、高層部4は、平面における中央部に位置する高層コア部41と、高層コア部41の周囲に隣接する高層コア隣接部42と、を有している。本実施形態では、高層コア隣接部42は、高層コア部41を囲繞するように設けられている。高層コア部41には、エレベータや階段などが設置され、高層コア隣接部42には、ホテルの客室や住宅などが設置されている。高層コア部41は、RC造のRCコアウォール43が設けられている。
図4では、RCコアウォール43をハッチングで示している。高層コア隣接部42は、鉄骨造で構築されている。高層コア部41は、高層コア隣接部42よりも剛性が大きく設定されている。各層の高層コア部41は、上下方向に連続するように配置されている。本実施形態では、高層部4の屋上スラブ44の上には、屋上庭園45が設けられている。
【0025】
高層部4は、免震層6により下層部3と相対変位可能に構成されていることにより、ビルディングマス(BMD)として機能する。高層部4(ビルディングマス)は、構造物2全体の重量の10~50%の重量に設計されている。本実施形態の高層部4は、構造物2全体の重量の15%程度以上の重量に設計されている。
【0026】
高層部4には、3台のAMD51,52,53(Active Mass Damper)が設けられている。本実施形態では、3台のAMD51,52,53は、それぞれ高層部4の屋上スラブ44の上に屋上庭園45が設けられている。3台のAMD51,52,53を第1AMD51、第2AMD52、第3AMD53とする。第1AMD51および第3AMD53は、短辺方向に振動可能に構成されている。第2AMD52は、長辺方向に振動可能に構成されている。第1AMD51は、高層部4の長辺方向の一方の端部における短辺方向の中間部に設けられている。第3AMD53は、高層部4の長辺方向の他方の端部における短辺方向の中間部に設けられている。第2AMD52は、高層部4の長辺方向の一方の端部における短辺方向の中間部に設けられている。短辺方向に振動可能なAMD(第1AMD51および第3AMD53)が長辺方向の両端部それぞれに設けられていることにより、高層部4がビルディングマスとして振動する際の偏心やねじれを防止することができる。
【0027】
図1および
図2に示すように、免震層6には、積層ゴムなどの免震装置61と、免震装置61の免震機能を拘束するロック機構62と、が設けられている。ロック機構62は、風速、加速度、下層部3に対する高層部4の変位量などに応じて免震装置61の免震機能を拘束する。構造物2には、風速、加速度、下層部3に対する高層部4の変位量などを検知するセンサ(不図示)が設けられている。構造物2には、免震層6を貫通するエレベータ(以下、免震ELV63とする)が設けられている。免震ELV63は、免震層6の変位に応じて稼働条件が定められている。免震層の変位と、免震ELV63およびロック機構62の稼働について
図5に示す。
【0028】
本実施形態による免震構造1では、高層部4によるビルディングマス(以下、BMDとする)と、AMD51,52,53(以下、AMDとする)と、ロック機構62(以下、ロック機構とする)と、が相互に関係するように構成されている。
【0029】
(地震時の制御)
(1)地震時は、最大限BMDを発揮させ高い耐震性能や居住性能を確保するため、免震層はロック機構によりロックせずフリーとする(
図5参照)。
【0030】
(2)頻発地震にて免震ELVが止まらないよう、免震層は、天然系積層ゴムおよびオイルダンパーに加え、鉛プラグ入り積層ゴムで構成し、免震層変位を免震ELV可動条件となる変位以下に抑制する。ただし、鉛量は、大きな揺れが生じた際に、免震ELV可動条件以下に免震層の残留変形が抑えられる量とする。
頻発地震とは、例えば東京都であれば、建設地近傍で過去20年間(1999年から2020年)に観測された地震動のうち、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震を除く地震を示している。
免震層は、頻発地震における免震層変位が40mm以下となるように設計する。さらに、鉛プラグによる残留変形が20mmを下回るように、鉛径とゴム径を調整する。
【0031】
(3)上記により、特に小さな揺れや地震時後揺れ等に対するBMD効果が低減されないよう、AMDにてBMDの動きをコントロールし、BMD効果を向上させる。
【0032】
(4)想定外の地震による過大な免震層の変形に対しては、フェールセーフとしてストッパーにより免震層の変形を制御し、免震装置の破断等、大きな被害を抑制する。
例えば、レベル3を超える地震に対するフェールセーフの考え方は、以下である。レベル3の入力地震動に対する免震層変位を600mm以下としているが、それを超える地震動に対して、衝突緩衝材を用いたストッパーを免震層に設ける。
また、ストッパーがない場合、免震層変位が750mmとなる地震動(レベル3の1.25倍)に対して、ストッパーを設けることで、免震層変位を700mm以下に留める。
【0033】
(風荷重時の制御)
(5)一年再現や50年再現期間の風に対しては、免震ELVを稼働させ、BMD(例えば、ホテルや住宅)の居住性を確保するため、ロック機構により免震層をロックする(
図5参照)。
【0034】
(6)上記にてロックした状態に対し、AMDを設置し可動させることで、風揺れを抑制し居住性を向上させる。暴風時における居住性能を向上させるために、建物頂部にAMDを設置する。居住性の目標値は、再現期間1年の暴風時にホテル階重心位置でH-30、隅角部でH-50とする。
【0035】
上記の本実施形態による免震構造1では、下層部3が下層コア部31を有することにより、高剛性の心棒を有する構造となり、地震時の振動応答を低減させることができる。また、高層部4と下層部3との間に免震層6が設けられていることにより、下層部3から高層部4に伝達される地震エネルギーを低減させることができ、高層部4の振動応答を低減させることができるとともに、高層部4をビルディングマスとすることができる。
【0036】
そして、本実施形態では、高層部4の剛性が下層部3よりも大きく、高層部4の固有周期が2秒以下かつ下層部3の固有周期の30%以下である。これにより、高層部4が大きく揺れる所謂むち振り現象を低減させることができ、高層部4の応答加速度を低減させて居住性を向上させることができるとともに、免震効果を向上させることができる。
図6および
図7に示すように、制振構造物(
図6および
図7の制振案の破線を参照)と、本実施形態の免震構造1の構造物2(
図6および
図7のビルディングマス案の実線を参照)を比較すると、本実施形態の免震構造の構造物2では、構造物2全体(高層部4および下層部3)の層間変形角および高層部4の応答加速度を低減できることがわかる。
【0037】
更に、本実施形態では、高層部4の免震周期を下層部3の周期に対して20%以上ずらしている。これにより、高層部4(ビルディングマス部分)が下層部3に同調させない構造とすることができ、構造物2の荷重の変動や剛性の変動を許容することができ、構造物2のロバスト性を向上させることができる。
【0038】
また、
図8に示すように、本実施形態の免震構造の場合(
図8の本実施形態の一点鎖線を参照)、高層部4の固有周期をピンポイントで同調させた場合(
図8の最適同調の破線を参照)と比べて1次振動モードは大きくなるが、短周期の2次振動モードを下げることができる。その結果、一般に短周期の加速度成分が大きい地震動に対して、2次振動モードの共振を抑制することができ、ピンポイントで同調させる場合よりも、2次振動モードに起因した高層部4のみならず下層部3の応答加速度も低減できる。
【0039】
また、本実施形態による免震構造1では、高層部4は、高層コア部41と、高層コア部41に隣接する高層コア隣接部42と、を有し、高層コア部41は、RC造のRCコアウォール43が設けられ、高層コア隣接部42よりも剛性が大きく設定されている。このような構成とすることにより、高層部4の剛性を大きくすることもでき、頂部のむち振りの抑制および免震効果を最大限発揮することができる。また、高層部4の重量を大きくすることができ、構造物2のビルディングマス効果を向上させることができる。
【0040】
また、本実施形態による免震構造1では、高層部4には、AMD51,52,53が設けられている。このような構成とすることにより、ビルディングマス部分の動きをアクティブ系制振装置によりコントロールすることができ、構造物2全体の応答加速度をより低減させることができる。特に、風荷重による揺れや地震の後揺れなどが生じた際にAMD51,52,53を作用させることで、構造物2全体の応答加速度および揺れを効率的に低減させることができる。
図9に、AMDが設けられている場合と設けられていない場合のパルス波を入力した際の応答結果を示す。
図9に示すように、AMDを設けることにより、応答加速度を効果的に低減できることがわかる。
【0041】
また、本実施形態による免震構造1では、免震層6の免震機能を拘束するロック機構62を有している。このような構成とすることにより、比較的小さい揺れに対しては、免震機能を拘束することにより、揺れを早く収束させることができる。特に、風荷重による揺れを拘束することができ、居住性の向上および免震エレベータの運行など建物機能を維持することができる。
【0042】
また、本実施形態による免震構造1では、高層部4の重量は、構造物2全体の重量の15%程度以上である。このような構成とすることにより、ビルディングマス効果を向上させることができ、ロバスト性も向上させることができる。
【0043】
以上、本発明による免震構造1の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0044】
例えば、上記の実施形態では、高層部4は、高層コア部41と、高層コア部41に隣接する高層コア隣接部42と、を有し、高層コア部41は、RC造のRCコアウォール43が設けられている。これに対し、高層部4は、下層部3よりも剛性が大きく設定され、固有周期が2秒以下かつ下層部3の固有周期の30%以下であれば、上記以外の構成であってもよく、RCコアウォール43が設けられていなくてもよい。
【0045】
また、上記の実施形態では、高層部4には、AMD51,52,53が設けられているが、AMD51,52,53が設けられていなくてもよい。
【0046】
また、上記の実施形態では、免震層6の免震機能を拘束するロック機構62が設けられているが、このようなロック機構62が設けられていなくてもよい。
【0047】
また、本実施形態による免震構造1では、高層部4の重量は、構造物2全体の重量の15%程度以上であるが、高層部4の構造物2に対する重量の比率は上記以外であってもよい。なお、高層部4の重量は、構造物2全体の重量の15%~25%程度としてもよい。
図10より、高層部4の重量(BMDの重量)を構造物2全体の重量(建物全体重量)の15%~25%程度とすることで応答低減効果があることがわかる。
【符号の説明】
【0048】
1 免震構造
2 構造物
3 下層部
4 高層部
6 免震層
31 下層コア部
32 下層コア隣接部
41 高層コア部
42 高層コア隣接部
43 RCコアウォール
62 ロック機構