(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045541
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】おむつ用包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 85/07 20170101AFI20240326BHJP
B65D 33/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B65D85/07
B65D33/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024020577
(22)【出願日】2024-02-14
(62)【分割の表示】P 2019225850の分割
【原出願日】2019-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002631
【氏名又は名称】弁理士法人イイダアンドパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100161469
【弁理士】
【氏名又は名称】赤羽 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100141771
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 宏和
(74)【代理人】
【識別番号】100118809
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 育男
(74)【代理人】
【識別番号】100164345
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 久記
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 信也
(72)【発明者】
【氏名】謝 晨
(72)【発明者】
【氏名】能村 美穂
(57)【要約】
【課題】消費者に目的のおむつであることを確実に判断させることができ、かつ、デザインの自由度を高めることができる、おむつ用包装袋を提供する。
【解決手段】おむつ用包装袋の同一面に、商品種別表示部と対象者画像表示部とを備え、
前記対象者画像表示部が、前記同一面の面積の30%以下の面積を有し、前記商品種別表示部及び前記対象者画像表示部それぞれの近傍に、同じ又は同様の着目画像表示部を備え、前記着目画像表示部は表情及び行動の表示を有し、前記商品種別表示部の近傍に配された前記着目画像表示部と周辺色とのコントラストが、前記対象者画像表示部の近傍に配された前記着目画像表示部と周辺色とのコントラストより強い、おむつ用包装袋。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
おむつ用包装袋の同一面に、
商品種別表示部と対象者画像表示部とを備え、
前記対象者画像表示部が、前記同一面の面積の30%以下の面積を有し、
前記商品種別表示部及び前記対象者画像表示部それぞれの近傍に、同じ又は同様の着目画像表示部を備え、
前記着目画像表示部は表情及び行動の表示を有し、
前記商品種別表示部の近傍に配された前記着目画像表示部と周辺色とのコントラストが、前記対象者画像表示部の近傍に配された前記着目画像表示部と周辺色とのコントラストより強い、
おむつ用包装袋。
【請求項2】
前記商品種別表示部の近傍に配された前記着目画像表示部と周辺色とのコントラストと、前記対象者画像表示部の近傍に配された前記着目画像表示部と周辺色とのコントラストとの差を示す色差(ΔE*ab)が、L*a*b*表色系において1.0以上である請求項1に記載のおむつ用包装袋。
【請求項3】
前記商品種別表示部の近傍に配された前記着目画像表示部と周辺色とのコントラストを示す色差(ΔE*ab)が、L*a*b*表色系において3.0以上である請求項1又は2に記載のおむつ用包装袋。
【請求項4】
前記同一面の縦方向の中央線よりも上方に前記商品種別表示部が配され、下方に前記対象者画像表示部が配されている請求項1~3のいずれか1項に記載のおむつ用包装袋。
【請求項5】
前記同一面において、前記商品種別表示部及び前記対象者画像表示部を除く領域に、複数色を用いて彩色された複数の幾何学模様が配置されている請求項1~4のいずれか1項に記載のおむつ用包装袋。
【請求項6】
前記同一面において、前記商品種別表示部及び前記対象者画像表示部を除く領域に、前記着目画像表示部の輪郭模様が配されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のおむつ用包装袋。
【請求項7】
前記同一面に、サイズ表示部が配されており、前記サイズ表示部は、前記着目画像表示部を模した輪郭模様の内側に、おむつのサイズを表わす英文字を配置し、前記輪郭内を前記サイズを代表する色で彩色したものである、請求項1~6のいずれか1項に記載のおむつ用包装袋。
【請求項8】
前記着目画像表示部がブランドと一義的に関係のあるキャラクターである請求項1~7のいずれか1項に記載のおむつ用包装袋。
【請求項9】
前記着目画像表示部が、昆虫又は動物を擬人化及び/又はデフォルメしたマスコットキャラクターである請求項1~8のいずれか1項に記載のおむつ用包装袋。
【請求項10】
前記近傍の配置として、前記商品種別表示部と前記着目画像表示部と、及び、前記対象者画像表示部と前記着目画像表示部とが、それぞれ重なっているか接している、請求項1~9のいずれか1項に記載のおむつ用包装袋。
【請求項11】
商品情報表示部としておむつのタイプ表示部とサイズ表示部とを備え、前記サイズ表示部はサイズを代表する色で彩色されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のおむつ用包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつ用包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつ等の吸収性物品の包装袋には、様々な目的から、絵柄等の表示について工夫が行われている。例えば、特許文献1には、キャラクターが指し示す方向の先に吸収性物品に関する情報を示す表示領域を配置したパッケージが提案されている。特許文献2には、対象着用者を直感的に画像認識させるために、包装袋に配される着用者の画像を補助者の画像より鮮明にする技術が提案されている。特許文献3には、おむつが有する複数の機能の内、主機能の表示領域を副機能の表示領域よりも大きくしたパッケージが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-122865号公報
【特許文献2】特開2013-139294号公報
【特許文献3】特開2009-291254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、おむつを店頭で購入する際には、消費者は、包装袋に印刷された情報(ブランド名、対象者、サイズ等)を確認する。例えば、乳幼児用のおむつの包装袋には、ブランド名、おむつ姿の乳幼児の画像(写真又は絵柄)、サイズを表わす記号等が印刷されており、消費者は、これらの情報を元に、知っているブランド名か、目的のサイズか等を確認する。特に、消費者が最初に目を向けるのは、おむつを着用した乳幼児の画像であることが多い。そこで、乳幼児の画像を大きく表示することにより、商品が特定のおむつであることを示すこと、そのおむつのサイズを示すこと等が行われている。
しかし、この場合、包装袋の前面等の多くが乳幼児の画像で占められ、それに伴い、ブランド名と乳幼児の画像とが一部又は全体で重なる配置となったりする。そのため、デザイン等の自由度が妨げられていた。
本発明は、上記の点に鑑み、消費者に目的のおむつであることを確実に判断させることができ、かつ、デザインの自由度を高めることができる、おむつ用包装袋に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、おむつ用包装袋の同一面に、商品種別表示部と対象者画像表示部とを備え、前記対象者画像表示部が、前記同一面の面積の30%以下の面積を有し、前記商品種別表示部及び前記対象者画像表示部それぞれの近傍に、同じ又は同様の着目画像表示部を備え、前記着目画像表示部は表情及び行動の表示を有し、前記商品種別表示部の近傍に配された前記着目画像表示部と周辺色とのコントラストが、前記対象者画像表示部の近傍に配された前記着目画像表示部と周辺色とのコントラストより強い、おむつ用包装袋を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のおむつ用包装袋によれば、消費者に目的のおむつであることを確実に判断させることができ、かつ、デザインの自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明における一実施形態としての、包装袋の前面における各表示部の配置を示す平面図である。
【
図2】着目画像表示部の輪郭模様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係るおむつ用包装袋の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は、おむつ用包装袋(以下、包装袋ともいう)の一例として、乳幼児用おむつの包装袋の前面の概要を示す平面図である。
包装袋1は、おむつを収納した状態において、前面、後面、左側面、右側面、底面、及び天面からなる略直方体を形成する。すなわち、包装袋1における前述の各面は、おむつを包装袋1に封入して立体形状にされた包装体の外表面の各面を意味する。各面は、前記包装体の状態とされた包装袋を平面視したときに、視覚的に区画される領域を言う。前述の前面とは、主に消費者に商品を訴求する面である。
図1においては、各表示部の配置の理解のため、立体形状における面以外の包装袋に関する詳細な構成は省略している。例えば、包装袋の、折り目、接合部等は省略している。
【0010】
包装袋1は、
図1に示すように、商品種別表示部11、対象者画像表示部12、及びそれらの近傍にそれぞれ配置された着目画像表示部13を、同一面に備えている。同一面とは、前述した、包装体にしたときの外表面の一つの面をいう。この同一面は、商品を訴求する前面であることが好ましい。
図1においては、前記同一面を前面として示している。この同一面における上下方向を、縦方向Hという。縦方向Hは、
図1に示す前面2においては、商品種別表示部11や対象者画像表示部12の向きから判断される方向であり、包装体の天面と底面とを結ぶ方向である。この縦方向Hにおいて、相対的に天面に近い方を上方、底面に近い方を下方という。以下、この同一面内での、各表示部について説明する。
【0011】
商品種別表示部11は、包装袋1の上記同一面内の一領域にある表示部である。
商品種別表示部11は、視覚を通じて商品種別を消費者に認識させる情報を有するものを意味する。例えば、商品種別表示部11は、商品名(ブランド名)を示す情報を備える。商品名に加えて、必要により、おむつのタイプ(テープ型、パンツ型等)を示す情報を備えていてもよい。商品種別表示部11は、上記情報に、他の文字、記号、図形、若しくは絵柄のいずれか1つ又は複数を組合せたものであってもよい。
商品種別表示部11の領域3は、以下のようにして画定することができる。包装袋1の前面2を平面視して、商品種別表示部11の外周に接する矩形を付す。このとき、矩形の各辺が包装袋1の面(
図1においては前面)の外縁の各辺と平行となるようにする。得られた矩形内の領域を商品種別表示部11の領域3、得られた矩形の面積を商品種別表示部11の面積とする。商品種別表示部11の領域3を画定する矩形は、上方線31、下方線32、左方線33、及び右方線34からなる。
図1の商品種別表示部11は、ブランド名である「Merries」の文字と、その読みである「メリーズ」の文字及びおむつのタイプを示す「パンツ」の文字とを2段に配置したものが、略楕円形の図形中に配置された構成を有する。
【0012】
対象者画像表示部12は、包装袋1の上記同一面内の一領域にある表示部である。
対象者画像表示部12は、対象月齢情報を認識させる、乳幼児のおむつ着用姿を、視覚的に表示したものを意味する。対象者画像表示部12は、おむつを着用した姿を示していれば、乳幼児の写真画像でもよく、乳幼児の絵柄でもよい。
おむつ対象月齢情報は、対象月齢の乳幼児がとりえる姿勢により、対象者画像表示部12で表わすことが好ましい。例えば、新生児であれば寝ている姿勢、6カ月程度であれば座っている姿勢、9カ月程度であればはいはいしている姿勢、10カ月程度であれば立っている姿勢等が挙げられる。
図1では、おむつ対象月齢情報は、おむつを着用してはいはいしている姿勢の乳幼児により示されている。これによっておむつのサイズ情報を消費者に想起させることができる。
対象者画像表示部12の領域4は、商品種別表示部11の領域3の場合と同様の方法によって画定することができる。得られた矩形内の領域を対象者画像表示部12の領域4、得られた矩形の面積を対象者画像表示部12の面積とする。対象者画像表示部12の領域4を画定する矩形は、上方線41、下方線42、左方線43、及び右方線44からなる。
【0013】
包装袋1の上記同一面内において、商品種別表示部11と対象者画像表示部12とは重ならない位置に離間して配置される。商品種別表示部11と対象者画像表示部12とは、重なっていなければ、その配置は特に限定されないが、商品種別表示部11の領域3の、対象者画像表示部12側の辺と、対象者画像表示部12の領域4の、商品種別表示部11側の辺とが、3cm以上離れていることが好ましく、5cm以上離れていることがより好ましい。上限は特に限定されないが、10cmが好ましい。
図1に示す配置においては、辺32と辺41とが上記範囲にあることが好ましい。
このような配置とすることにより、商品種別表示部11と対象者画像表示部12とを別々に設け、これら以外の領域に、別の表示部等を配置することが可能となる。その結果、包装袋1のデザイン性を高めることができる。
【0014】
着目画像表示部13(13a、13b)は、視覚を通じて消費者に商品のイメージをアピールすることができる表示部を意味する。上述のおむつを着用した姿を示す対象者画像表示部12と異なるものであれば、特に制限されない。着目画像表示部13は、例えば、乗り物、食べ物、植物、昆虫、人間、動物等(以下、生き物等という)のマスコットキャラクターの絵柄や写真が挙げられる。着目画像表示部13は、生き物等をその特徴、サイズ等を変形強調して擬人化及び/又はデフォルメ及び/又は写実的に表したマスコットキャラクターであってもよい。昆虫、動物などの生き物、これらを擬人化及び/又はデフォルメしたマスコットキャラクターがより好ましい。マスコットキャラクターは、表情を有していてもよく、服を着ていてもよく、アクセサリー、持ち物等を持っていてもよい。擬人化としては、目と口を備えることが好ましい。
着目画像表示部13を構成するマスコットキャラクターは、1つでも複数でもよい。
図1における着目画像表示部13(13a及び13b)は、1羽の擬人化したうさぎのマスコットキャラクターである。
着目画像表示部13の領域5は、商品種別表示部11の領域3の場合と同様の方法によって画定することができる。得られた矩形内の領域を着目画像表示部13の領域5、得られた矩形の面積を着目画像表示部13の面積とする。着目画像表示部13の領域5を画定する矩形は、上方線51、下方線52、左方線53、及び右方線54からなる。
【0015】
着目画像表示部13は、商品種別表示部11の近傍と対象者画像表示部12の近傍とに、それぞれ備えられる(着目画像表示部13a、着目画像表示部13b)。
ここで、「近傍に備える」とは、商品陳列を見た消費者が、着目画像表示部13と、商品種別表示部11及び対象者画像表示部12それぞれとを一体的に認識できる配置をいう。商品種別表示部11と着目画像表示部13aとの配置を例にとると、これらの表示部が、重なっているか、接している。ここで、接しているとは、商品種別表示部11の領域3の、着目画像表示部13a側に位置する辺と、着目画像表示部13aの領域5の、商品種別表示部11側に位置する辺との間隔が2cm以下である状態を示す。商品種別表示部11と着目画像表示部13aとが重なっているとは、商品種別表示部11と着目画像表示部13aとが完全に重なっている(一方が他方の領域に入りこんでいる)態様と、一部が重なっている態様とを含む。これらの位置関係は、対象者画像表示部12と着目画像表示部13bとの関係に関しても同様である。
図1において、商品種別表示部11内に着目画像表示部13aが配置されて商品種別表示部11と着目画像表示部13aとは完全に重なっており、また、対象者画像表示部12と着目画像表示部13bとは一部が重なっている。
【0016】
着目画像表示部13aと、着目画像表示部13bとは、同じ又は同様の着目画像表示部である。ここで、「同じ又は同様の着目画像表示部」とは、同じものととらえる(認識する)ことができるものをいい、姿勢、表情(表情表現)、行動、持ち物、服装、人数等が異なっていてもよい。例えば、着目画像表示部13aのうさぎと、着目画像表示部13bのうさぎとが別の姿勢をとっていても同じ又は同様の着目画像表示とする。また、例えば、着目画像表示部13aのうさぎが1羽のうさぎであるときに、着目画像表示部13bのうさぎが2羽のうさぎであっても、同じ又は同様の着目画像表示部とする。
図1においては、着目画像表示部13aのうさぎは立って左手を挙げて左手の指す方向を見ているのに対し、着目画像表示部13bのうさぎは立って乳幼児を眺めているが、これらはいずれもうさぎのキャラクターであるので同じ着目画像表示部である。
【0017】
上記2つの着目画像表示部13を商品種別表示部11及び着目画像表示部12それぞれの近傍に配置することにより、2つの着目画像表示部13は消費者の視線を集めるインデックスとして作用する。その結果、これらを介して商品種別表示部11と対象者画像表示部12とを紐づけして、商品種別表示部11が提供する情報と対象者画像表示部12が提供する情報とを消費者に一体的に把握させることができる。
【0018】
着目画像表示部13は、おむつのブランド(商品名)に関連したキャラクターであることが好ましく、おむつのブランドに一義的に関係のあるキャラクターであることが好ましい。ここで、「おむつのブランドに一義的に関係のあるキャラクター」とは、おむつの販売促進の目的で独自に創作されたキャラクターであることを意味する。すなわち、おむつ用包装袋の表示部に採用される前に、既に別の目的で発表及び/又は使用されたキャラクターを含まない意味である。例えば、絵本、アニメーション、テレビ番組等の著作物に登場するキャラクター、ゆるキャラ等を含まない意味である。
おむつのブランドに一義的に関係のあるキャラクターは、特定のブランドのおむつについて使用されることより、特定のブランドのおむつに特化したキャラクターであると消費者に認識されているものであることがより好ましい。このようなキャラクターとしては、例えば、メリーズうさちゃんが挙げられる。
着目画像表示部13をおむつのブランドと一義的に関係のあるキャラクターとすることで、消費者に対して商品種別表示部11と対象者画像表示部12とに最初に視線を導入させる効果をより高め、それぞれの情報を一体的に把握させる作用をより高める。
【0019】
商品種別表示部11の近傍に配された着目表示部13aが周辺色とコントラストをなし、着目表示部13aの輪郭が視認しやすくされていることが好ましい。このようにすることで、商品種別表示部11を消費者に認識させ視覚を通じて商品種別情報を与えやすくすることができる。周辺色は、着目表示部13aの輪郭が接する周辺の絵柄又は絵柄以外の地の色をいう。全ての周辺色がコントラストをなしている場合に限られず、一部のみがコントラストをなしていてもよい。着目表示部13aの輪郭と接する距離が一番長い部分の色とコントラストをなしていることが好ましい。
図1においては、着目表示部13aが配置されている、商品種別表示部11に含まれる略楕円形の図形の色である。ここで、「コントラストをなす」とは、彩度及び/又は明度の差をつけられている態様、色相環で離れた色相とされている態様、これらを組合せた態様とを含む(下記の着目表示部13bにおいても同じ)。例えば、色差(ΔE*ab)がL*a*b*表色系において3.0以上であればコントラストが感じられる。
さらに、対象者画像表示部12の近傍に配された着目表示部13bが周辺色とコントラストをなし、着目表示部13bの輪郭が視認しやすくされていることが好ましい。このようにすることで、対象者画像表示部12を消費者に認識させ視覚を通じて対象月齢情報を与えやすくすることができる。周辺色は、着目表示部13bの輪郭が接する周辺の絵柄又は面の色の内、一番接する距離が長い部分の色をいう。
図1においては、着目表示部13bの輪郭が接する装飾絵柄表示部(複数の円形の図形)の色である。
着目表示部13aの周辺色と、着目表示部13bの周辺色とは、同じでも違っていてもよい。
また、商品種別表示部11の近傍に配された着目表示部13aとその周辺色とのコントラスト(C1)が対象者画像表示部12の近傍に配された着目表示部13bとその周辺色とのコントラスト(C2)より強い(C1>C2)ことが好ましい。このようにすることで、消費者に視覚を通じて商品種別情報から対象月齢情報へと視線を誘導してブランドからサイズ情報を与えてストレスなく希望する製品を選ばせることができる。例えば、着目表示部13aとその周辺色とのコントラスト(C1)と着目表示部13bとその周辺色とのコントラストの差は、色差(ΔE*ab)が1.0以上であることが好ましい。
【0020】
包装袋1において、対象者画像表示部12は、その配置された包装袋1の面の面積の30%以下の面積を有する。このようにすることで、商品種別表示部11及び対象者画像表示部12以外の表示部を設ける領域を作ることができる。また、デザインの自由度を高めるため、商品種別表示部11と対象者画像表示部12とを合わせた面積を包装体1の、これらが配置された面の面積の半分以下に抑える観点から、対象者画像表示部12は、その配置された包装袋1の面の面積の、25%以下の面積が好ましく、20%以下の面積がより好ましい。また、消費者が店頭でサイズ情報を素早く確認できる観点から、対象者画像表示部12は、10%以上の面積が好ましく、15%以上の面積がさらに好ましい。
図1においては、対象者画像表示部12は、包装体1の前面2の25%以下の面積を有している。
【0021】
包装袋1において、商品種別表示部11は、その配置された包装袋1の面の面積の30%以下の面積を有することが好ましい。このようにすることで、商品種別表示部11及び対象者画像表示部12以外の表示部を設ける領域を作ることができる。また、デザインの自由度を高めるため、商品種別表示部11と対象者画像表示部12を合わせた面積を包装体1の、これらが配置された面の面積の半分以下に抑える観点から、商品種別表示部11は、その配置された包装袋1の面の面積の、25%以下の面積が好ましく、20%以下の面積がより好ましい。また、消費者が店頭でサイズ情報を素早く確認できる観点から、商品種別表示部11は、10%以上の面積が好ましく、15%以上の面積がさらに好ましい。
乳幼児用おむつの包装袋1の前面2の背景の中から商品種別表示部11、対象者画像表示部12を消費者に良好に視認させるためには商品種別表示部11の面積が対象者画像表示部12の面積とほぼ同じであることが好ましい。ここでいう「ほぼ同じ」とは、商品種別表示部11の面積が、対象者画像表示部12の面積の、0.8~1.2倍の範囲であることをいう。
商品種別表示部11の面積は、その近傍に配された着目画像表示部13aの面積よりも大きいことが好ましい。着目画像表示部13aは、商品種別表示部11へ消費者の視線を集めるインデックスとして作用させる観点から、商品種別表示部11の面積は、着目画像表示部13aの面積の、2~30倍であることがより好ましい。
対象者画像表示部12の面積は、その近傍に配された着目画像表示部13bの面積よりも大きいことが好ましい。着目画像表示部13bは、対象者画像表示部12へ消費者の視線を集めるインデックスとして作用させる観点から、対象者画像表示部12の面積は、着目画像表示部13bの面積の、2~30倍であることがより好ましい。
【0022】
おむつ用包装袋1は、同一面内に、前述の各表示部の構成を有することにより、おむつを封入した包装体となったときに、消費者に目的のおむつであることを確実に判断させることができる。例えば、
図1に示すように、着目画像表示部13のうさぎのキャラクターを介して、商品種別表示部11が提供する商品名の情報と、対象者画像表示部12が提供する情報から想起されるおむつのサイズ情報とが紐づけられて認識される。その結果、消費者は、包装袋1を見て、ブランド名及びサイズを素早く確認して、目的のおむつを探し出すことができる。加えて、おむつ包装袋1では、着目画像表示部13により紐づけされた商品種別表示部11と対象者画像表示部12とが離間された配置としているので、商品種別表示部11及び着目画像表示部12以外のスペースが十分取れ、自由度の高いデザインとすることができる。例えば、
図1に示すように、乳幼児用商品らしい明るい色彩の表示部を配置することができる等、包装袋1のデザインの自由度が高まり、装飾性を高め、消費者への訴求力をさらに高めることができる。
【0023】
包装袋1の上記同一面において、
図1に示すように、包装袋1の縦方向Hの中央線Lcよりも上方に、商品種別表示部11が配され、中央線Lcよりも下方に対象者画像表示部12が配されていることが好ましい。
上記配置とすることにより、人の視線が、通常、上から下へ移動しやすいという特性を利用して、消費者に与える情報の順番を制御することができる。消費者は、上方に配置された商品種別表示部11を見て商品がおむつであること、次いで下方に配置された対象者画像表示部12を見てそのサイズが適正であることを確認できる。このようにして、必要とする情報をより効率よくより素早く消費者に伝えることができ、消費者は目的のおむつを間違いなく探し出すことができる。
【0024】
包装袋1は、デザインの自由度が高まったことにより、上記同一面において、さらに別の表示部を有していてもよい。例えば、包装袋1は、上記各表示部に加えて、装飾絵柄表示部(例えば、幾何学模様を含む表示部、後述する着目画像表示部の輪郭模様の表示部)、機能説明表示部(例えば、おむつの機能、特徴等を説明する表示部)、社名表示部、商品情報表示部(例えば、おむつのタイプ(テープ型、パンツ型、男の子用、女の子用等)、おむつのサイズ、収納枚数等を含む表示部)、サイズ表示部(おむつのサイズを含む表示部)等を備えていてもよい。
例えば、
図1に示す包装袋1は、円形の幾何学模様の絵柄を示す装飾絵柄表示部を商品種別表示部11、対象者画像表示部12、及び着目画像表示部13の周辺(左右及び下側)に有し、機能説明表示部(「さらさらエアースルー」、「締め付けないギャザー」、「ムレない通気シート」、等)を商品種別表示部11の下方中央部に有し、商品情報(サイズ「M」)を含む商品情報表示部を前面2の左下に有している。
【0025】
上記の別の表示部として、包装袋1の同一面の、商品種別表示部11及び対象者画像表示部12を除く領域に、複数色を用いて彩色された複数の幾何学模様が配置されていることが好ましい。すなわち、包装袋1は、上記同一面に、商品種別表示部11と対象者画像表示部12に加えて、上述の装飾絵柄表示部を有することが好ましい。
ここで、「包装袋1の同一面において商品種別表示部11及び対象者画像表示部12を除く領域」とは、同一面において商品種別表示部11の領域3及び対象者画像表示部12の領域4とが配されていない領域をいう。
幾何学模様は、特に限定されないが、円、三角、四角などの多角形状、線等の単純な図形からなる模様であればよい。これらの図形を複数使用して1つの幾何学模様とする場合には、幾何学模様は、上記の単純な図形を周期的に配置した模様であっても、周期的に配置した模様でなくともよい。幾何学模様は、複数配置されることが好ましい。幾何学模様は、サイズの異なる複数の幾何学模様が配置されることがより好ましい。各幾何学模様は、単色で彩色されていてもよく、複数色を用いて彩色されていてもよい。各幾何学模様が単色で彩色されている場合、全てが同一色ではなく、いくつかの幾何学模様間で異なる色で彩色されていることが好ましい。濃淡がつけられていてもよい。幾何学模様を複数配置する場合には、複数の幾何学模様の一部がお互いに重なるように配置されていてもよく、重ならないように配置されていてもよい。
上記領域に複数の幾何学模様を配置することにより、商品種別表示部11及び対象者画像表示部12を幾何学模様の表示部と区別して明確に表示しつつ、包装袋1の装飾性を高めることができる。これにより、前述した各表示部による情報の消費者への素早い伝達に加え、消費者への訴求効果を高めることができる。
【0026】
さらには包装袋1の同一面の、商品種別表示部11及び対象者画像表示部12を除く領域に、風景などの背景絵柄を用いることもできる。背景絵柄の例としては、風景、絵画、地図等の、一見しておむつとは関係ない絵柄が挙げられる。これらのような一見おむつとは関係ない背景絵柄を用いても、本発明により商品種別表示部11、対象者画像表示部12を消費者に良好に視認させられるために、消費者は目的のおむつを間違いなく探し出すことができる。また、このような背景絵柄を用いることによりおむつを部屋においておいても違和感がなくおしゃれな置物のように扱えるため消費者に新たな価値を与えることができる。
【0027】
包装袋1の同一面において、商品種別表示部11及び対象者画像表示部12を除く領域に、着目画像表示部13の輪郭模様が配されていることが好ましい。
ここで、「着目画像表示部13の輪郭模様」とは、着目画像表示部13として使用したキャラクター等の輪郭を利用し、輪郭以外の詳細を省略して形成された模様(シルエット)を意味する。輪郭模様は、着目画像表示部13と同じものととらえる(認識する)ことができるものであれば、着目画像表示部13の形状と相違する点があってもよい。例えば、姿勢、服装等が異なっていてもよく、体の一部のみが示されていてもよい(例えば、着目画像表示部13のキャラクターの頭部のみのシルエット等)。輪郭内は、単色で塗りつぶされていてもよく、多色で塗りつぶされていてもよく、単色又は多色の濃淡で塗りつぶされていてもよい。
図2に、
図1に示す着目画像表示部13(うさぎ)の輪郭模様24を示す。
図1においては、うさぎは、目、口、手、胴体等を有するのに対し、
図2においては、これらは省略され、うさぎは、うさぎの頭部のシルエットとして表されている。
上記領域に上記輪郭模様を配置することにより、包装袋1の装飾性を高めることができ、必要な情報の消費者への素早い伝達に加え、消費者への訴求効果を高めることができる。
【0028】
着目画像表示部の輪郭模様は、上記幾何学模様と併せて配置されることが好ましく、この場合は、上記幾何学模様に紛れ込むようなサイズ、色彩とすることが好ましい。
【0029】
包装袋1の同一面には、サイズ表示部が配されていることが好ましい。
サイズ表示部は、おむつのサイズの表示(以下、サイズ表示という)を含む表示部である。サイズ表示は、L、M、S等のサイズを説明するのに通常用いられる文字を含んでいればよく、この文字と図形又は模様を組合せたものであることが好ましい。
サイズ表示部は、着目画像表示部13を模した輪郭模様(シルエット)の内側に、おむつのサイズを表わす英数字を重ねて配置した表示部であることが好ましい。サイズ表示部をこのような態様とすることにより、包装袋1におけるデザインの統一性が増して、消費者への訴求性を高めつつ、消費者が必要とする情報を表示することができる。
図3に示すサイズ表示部25は、うさぎの輪郭模様の中に、おむつのサイズを表わす英文字Mを配置したものである。
サイズ表示部は、サイズを代表する色で彩色されていることが好ましい。サイズを代表する色とは、おむつのサイズに関連付けられた色であって、サイズを示す文字情報に対して決められた特定の色を意味する。例えば、おむつが、S、M、及びLの3サイズである場合、各サイズを代表する色を黄緑、ピンク、及び淡い青等とすることができる。このようにすると、各サイズの識別性をより高めることができる。
【0030】
包装袋1の同一面の、商品種別表示部11、対象者画像表示部12、着目画像表示部13、及びその他の絵柄を除く領域の色(地の色)は、単色でもよく、複数色でもよい。濃淡をつけられていてもよい。
【0031】
上記において、包装袋1の同一面に着目してその面における各表示部について説明したが、包装袋1は、上記同一面以外の面においても、商品種別表示部、対象者画像表示部、着目画像表示部、装飾絵柄表示部、機能説明表示部、社名表示部、商品情報表示部等を必要に応じて有していてもよい。上記同一面以外の面における、これらの表示部の配置については特に限定されない。
【0032】
包装袋1は、上記の表示部の関係を有していればよく、形態、材料、製造方法等は、包装袋において通常用いられる形態、材料、製造方法等を特に制限なく用いることができる。
【0033】
各表示部中の表示は、印刷等の通常の手段により、包装袋に形成することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 包装袋
2 包装袋の前面
11 商品種別表示部
12 対象者画像表示部
13(13a、13b) 着目画像表示部
3 商品種別表示部の領域
4 対象者画像表示の領域
5(5a、5b) 着目画像表示部の領域
24 輪郭模様
25 サイズ表示部の表示
H 縦方向
Lc 中央線