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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045563
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】コネクタ対
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/91 20110101AFI20240326BHJP
   H01R 13/631 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R13/631
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024021372
(22)【出願日】2024-02-15
(62)【分割の表示】P 2019221567の分割
【原出願日】2019-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩田 英生
(72)【発明者】
【氏名】行武 広章
(57)【要約】
【課題】保護壁(端子の中間弾性部を保護する壁)とガイド凸部の高さを確保しつつ、深くまで接続できるコネクタ対を提供する。
【解決手段】コネクタ対は、第一コネクタ1と、第二コネクタ9と、を備える。第一コネクタ1は、第一端子4と第一ハウジング2,3とを備え、第二コネクタ9は、第二端子7と第二ハウジング6とを備える。第一ハウジング2,3は、固定ハウジング2と可動ハウジング3とを備える。第一端子4は、第一中間弾性部43を有する。第一ハウジング2,3は、第一中間弾性部43を保護する保護壁26を有し、第二ハウジング6は、下側に突出する一対のガイド凸部62を有する。一対のガイド凸部62は、接続の際に可動ハウジング3に当接することで接続をガイドする。更に、第一コネクタ1及び第二コネクタ9は、一対のガイド凸部62の下端(天面62A)が、保護壁26の上端よりも下方に位置するように接続可能である。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一コネクタと、前記第一コネクタに対して上側から接続する第二コネクタと、を備えるコネクタ対であって、
前記第一コネクタは、第一端子と、前記第一端子を保持する第一ハウジングと、を備え、
前記第二コネクタは、第二端子と、前記第二端子を保持する第二ハウジングと、を備え、
前記第一ハウジングは、第一基板に対して位置が固定される固定ハウジングと、前記固定ハウジングに対して移動可能な可動ハウジングと、を備え、
前記第一端子は、前記固定ハウジングに保持される第一固定側被保持部と、前記可動ハウジングに保持される第一可動側被保持部と、前記第一固定側被保持部と前記第一可動側被保持部との間に位置する第一中間弾性部と、を有し、
前記第一ハウジングは、前記第一中間弾性部を保護する保護壁を有し、
前記第二ハウジングは、下側に突出し、接続の際に前記可動ハウジングに当接することで接続をガイドする一対のガイド凸部を有し、
前記第一コネクタ及び前記第二コネクタは、前記一対のガイド凸部の下端が、前記保護壁の上端よりも下方に位置するように接続可能である、
コネクタ対。
【請求項2】
前記保護壁は、前記一対のガイド凸部が対向する方向である前後方向を延在方向として延在し、
前記保護壁の延在方向の寸法は、前記一対のガイド凸部の間の距離よりも小さく、
前記第一コネクタと前記第二コネクタとが接続された状態で、前記一対のガイド凸部の間の空間に前記保護壁が位置可能である、
請求項1に記載のコネクタ対。
【請求項3】
前記第一コネクタと前記第二コネクタとが接続された状態で、かつ、正規状態で、前記一対のガイド凸部の間の空間に前記保護壁が位置する、
請求項2に記載のコネクタ対。
【請求項4】
前記ガイド凸部は、前記可動ハウジングと前記第二ハウジングとの幅方向の位置をガイドする幅方向ガイド部を有する、
請求項1~請求項3の何れか一項に記載のコネクタ対。
【請求項5】
前記保護壁は、前記第一中間弾性部を側方から覆う側壁と、前記第一中間弾性部を上方から覆う天壁と、を有する、
請求項1~請求項4の何れか一項に記載のコネクタ対。
【請求項6】
前記第一コネクタは、前記第一端子とは異なる形状の第三端子を備え、
前記第三端子は、前記固定ハウジングに保持される第三固定側被保持部と、前記可動ハウジングに保持される第三可動側被保持部と、前記第三固定側被保持部と前記第三可動側被保持部との間に位置する第三中間弾性部と、を有し、
前記第二コネクタは、前記第三端子に接続する第四端子を備え、
前記第三中間弾性部は、前記保護壁に保護される、
請求項1~請求項5の何れか一項に記載のコネクタ対。
【請求項7】
前記第一端子は、前記第二端子と接触する第一接触部を有し、
前記第三端子は、前記第四端子と接触する第三接触部を有し、
前記可動ハウジングは、前後方向に対向する一対の前後方向壁と、幅方向に対向する一対の幅方向壁と、を有し、
前記第一接触部は、前記幅方向壁に配置され、
前記第三接触部は、前記前後方向壁に配置される、
請求項6に記載のコネクタ対。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ対及びコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1記載のコネクタ対は、第一コネクタ(プラグコネクタ)と、第一コネクタに対して接続する第二コネクタ(リセプタクルコネクタ)と、を備える。
第一コネクタは、固定ハウジングと、可動ハウジングと、端子と、を備える。端子は、固定ハウジングに保持される固定側被保持部と、可動ハウジングに保持される可動側被保持部と、固定側被保持部と可動側被保持部との間に位置する中間弾性部と、を有する。端子の中間弾性部は、固定ハウジングによって保護されている。
第二コネクタは、第一コネクタ側(下側)に突出し、接続の際に第一コネクタの可動ハウジングに当接することで接続をガイドする前後一対のガイド凸部を有する。
【0003】
特許文献2記載のコネクタは、前後方向の側面に形成された端子配置溝を有するハウジングと、端子配置溝に配置される側面端子(電源端子)と、を備える。側面端子は、ハウジングに保持される被保持部と、接続対象物に接触する接触部と、被保持部と接触部との間に位置する先端弾性部と、を有し、これら被保持部、接触部及び先端弾性部が、ハウジングの端子配置溝に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-120696号公報
【特許文献2】特開2019-071215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の第1の目的は、保護壁(端子の中間弾性部を保護する壁)とガイド凸部の高さを確保しつつ、深くまで接続できるコネクタ対を提供することである。
本開示の第2の目的は、ハウジング上部における前後方向内側の領域を大きく確保しつつ、側面端子の被保持部を前後方向内側に寄せることができるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
≪第1の態様≫
第1-1の態様に係るコネクタ対は、第一コネクタと、前記第一コネクタに対して上側から接続する第二コネクタと、を備えるコネクタ対であって、前記第一コネクタは、第一端子と、前記第一端子を保持する第一ハウジングと、を備え、前記第二コネクタは、第二端子と、前記第二端子を保持する第二ハウジングと、を備え、前記第一ハウジングは、第一基板に対して位置が固定される固定ハウジングと、前記固定ハウジングに対して移動可能な可動ハウジングと、を備え、前記第一端子は、前記固定ハウジングに保持される第一固定側被保持部と、前記可動ハウジングに保持される第一可動側被保持部と、前記第一固定側被保持部と前記第一可動側被保持部との間に位置する第一中間弾性部と、を有し、前記第一ハウジングは、前記第一中間弾性部を保護する保護壁を有し、前記第二ハウジングは、下側に突出し、接続の際に前記可動ハウジングに当接することで接続をガイドする一対のガイド凸部を有し、前記第一コネクタ及び前記第二コネクタは、前記一対のガイド凸部の下端が、前記保護壁の上端よりも下方に位置するように接続可能である。
【0007】
なお、上側や下側等の方向を示す語は、第一コネクタ、第二コネクタ及びコネクタ対を基準とする方向概念であり、使用時の方向を限定するものではない。
【0008】
上記態様では、コネクタ対は、第一コネクタと、第一コネクタに対して上側から接続する第二コネクタと、を備える。第一コネクタは、第一端子と、第一端子を保持する第一ハウジングと、を備え、第二コネクタは、第二端子と、第二端子を保持する第二ハウジングと、を備える。
第一ハウジングは、第一基板に対して位置が固定される固定ハウジングと、固定ハウジングに対して移動可能な可動ハウジングと、を備える。第一端子は、固定ハウジングに保持される第一固定側被保持部と、可動ハウジングに保持される第一可動側被保持部と、第一固定側被保持部と第一可動側被保持部との間に位置する第一中間弾性部と、を有する。
【0009】
第一ハウジングは、第一中間弾性部を保護する保護壁を有し、第二ハウジングは、下側に突出する一対のガイド凸部を有する。一対のガイド凸部は、接続の際に可動ハウジングに当接することで接続をガイドする。
更に、第一コネクタ及び第二コネクタは、一対のガイド凸部の下端が、保護壁の上端よりも下方に位置するように接続可能である。
このため、保護壁とガイド凸部の高さを確保しつつ、深くまで接続できるコネクタ対とすることができる。
【0010】
第1-2の態様に係るコネクタ対は、第1-1の態様において、前記保護壁は、前記一対のガイド凸部が対向する方向である前後方向を延在方向として延在し、前記保護壁の延在方向の寸法は、前記一対のガイド凸部の間の距離よりも小さく、前記第一コネクタと前記第二コネクタとが接続された状態で、前記一対のガイド凸部の間の空間に前記保護壁が位置可能である。
【0011】
上記態様では、保護壁は、一対のガイド凸部が対向する方向を延在方向として延在し、保護壁の延在方向の寸法は、一対のガイド凸部の間の距離よりも小さい。そして、第一コネクタと第二コネクタとが接続された状態で、一対のガイド凸部の間の空間に保護壁が位置可能である。
このため、可動ハウジングの幅方向の可動域を確保しつつ、ガイド凸部を幅方向に大きく形成できる。
【0012】
第1-3の態様に係るコネクタ対は、第1-2の態様において、前記第一コネクタと前記第二コネクタとが接続された状態で、かつ、正規状態で、前記一対のガイド凸部の間の空間に前記保護壁が位置する。
【0013】
上記態様では、第一コネクタと第二コネクタとが接続された状態で、かつ、正規状態で、一対のガイド凸部の間の空間に保護壁が位置する。
このため、ガイド凸部を幅方向により一層大きく形成できる。
なお、正規状態とは、可動ハウジングが変位していない状態をいう。
【0014】
第1-4の態様に係るコネクタ対は、第1-1~第1-3の何れかの態様において、前記ガイド凸部は、前記可動ハウジングと前記第二ハウジングとの幅方向の位置をガイドする幅方向ガイド部を有する。
【0015】
上記態様では、ガイド凸部は、可動ハウジングと第二ハウジングとの幅方向の位置をガイドする幅方向ガイド部を有する。
このため、接続の際に、第一コネクタの可動ハウジングと、第二コネクタの第二ハウジングとの幅方向の位置ズレが幅方向ガイド部によって解消される。
【0016】
第1-5の態様に係るコネクタ対は、第1-1~第1-4の何れかの態様において、前記保護壁は、前記第一中間弾性部を側方から覆う側壁と、前記第一中間弾性部を上方から覆う天壁と、を有する。
【0017】
上記態様では、保護壁は、第一中間弾性部を側方から覆う側壁と、第一中間弾性部を上方から覆う天壁と、を有する。
このため、例えば保護壁が天壁を有しない態様と比較して、第一中間弾性部をより確実に保護できる。
【0018】
第1-6の態様に係るコネクタ対は、第1-1~第1-5の何れかの態様において、前記第一コネクタは、前記第一端子とは異なる形状の第三端子を備え、前記第三端子は、前記固定ハウジングに保持される第三固定側被保持部と、前記可動ハウジングに保持される第三可動側被保持部と、前記第三固定側被保持部と前記第三可動側被保持部との間に位置する第三中間弾性部と、を有し、前記第二コネクタは、前記第三端子に接続する第四端子を備え、前記第三中間弾性部は、前記保護壁に保護される。
【0019】
上記態様では、第一コネクタは、第一端子とは異なる形状の第三端子を備える。このため、第一端子とは異なる用途で第三端子を用いることに適している。
また、第三端子の第三中間弾性部は、第一端子の第一中間弾性部を保護する保護壁に保護されるので、例えば第一端子の第一中間弾性部を保護する保護壁とは別の保護壁によって第三端子の第三中間弾性部を保護する態様よりも、第一ハウジングの構造を簡易にできる。
【0020】
第1-7の態様に係るコネクタ対は、第1-6の態様において、前記第一端子は、前記第二端子と接触する第一接触部を有し、前記第三端子は、前記第四端子と接触する第三接触部を有し、前記可動ハウジングは、前後方向に対向する一対の前後方向壁と、幅方向に対向する一対の幅方向壁と、を有し、前記第一接触部は、前記幅方向壁に配置され、前記第三接触部は、前記前後方向壁に配置される。
【0021】
上記態様では、第一接触部と第三接触部の両方が前後方向壁に配置される態様と比較して、前後方向壁の前後方向寸法を小さくすることができる。
【0022】
≪第2の態様≫
第2-1の態様に係るコネクタは、側面端子と、ハウジングと、を備えるコネクタであって、前記側面端子は、前記ハウジングに保持される被保持部と、接続対象物に接触する接触部と、前記被保持部と前記接触部との間に位置する先端弾性部と、を有し、前記ハウジングは、前後方向の側面に形成された端子配置溝を有し、前記端子配置溝には、前記側面端子の前記被保持部、前記接触部及び前記先端弾性部が配置され、前記端子配置溝は、前記接触部に対して前後方向内側に位置する上部底面を有する上部と、前記被保持部に対して前後方向内側に位置する下部底面を有する下部と、を含み、前記下部底面は、前記上部底面よりも前後方向内側に位置する。
【0023】
上記態様では、コネクタは、側面端子と、ハウジングと、を備える。側面端子は、ハウジングに保持される被保持部と、接続対象物に接触する接触部と、被保持部と接触部との間に位置持する先端弾性部と、を有する。ハウジングは、前後方向の側面に形成された端子配置溝を有し、端子配置溝には、側面端子の被保持部、接触部及び先端弾性部が配置される。
【0024】
ここで、端子配置溝は、接触部に対して前後方向内側に位置する上部底面を有する上部と、被保持部に対して前後方向内側に位置する下部底面を有する下部と、を含む。下部底面は、上部底面よりも前後方向内側に位置する。
このため、ハウジング上部における前後方向内側の領域(上部底面に対して前後方向内側の領域)を大きく確保しつつ、側面端子の被保持部を前後方向内側に寄せることができる。
【0025】
第2-2の態様に係るコネクタは、第2-1の態様において、前記ハウジングは、取付対象物に対して位置が固定される固定ハウジングと、前記固定ハウジングに対して移動可能な可動ハウジングであって、前記端子配置溝が形成された前記可動ハウジングと、を備え、前記側面端子は、前記固定ハウジングに保持される固定側被保持部と、前記被保持部としての可動側被保持部と、前記固定側被保持部と前記可動側被保持部との間に位置する中間弾性部と、を有し、前記中間弾性部は、前記可動側被保持部と前後方向の位置が一致する。
【0026】
上記態様では、ハウジングは、取付対象物(基板等)に固定される固定ハウジングと、固定ハウジングに対して移動可能な可動ハウジングを備える。端子配置溝は、可動ハウジングに形成される。
また、側面端子は、固定ハウジングに保持される固定側被保持部と、被保持部としての可動側被保持部と、固定側被保持部と可動側被保持部との間に位置する中間弾性部と、を有する。そして、中間弾性部は、可動側被保持部と前後方向の位置が一致する。
したがって、上記態様によれば、可動側被保持部と前後方向の位置が一致する中間弾性部を備えるフローティングコネクタにおいて、中間弾性部を前後方向内側に寄せることができる。
【0027】
第2-3の態様に係るコネクタは、第2-2の態様において、前記コネクタは、前記固定ハウジングに保持される第一固定側被保持部と、前記可動ハウジングに保持される第一可動側被保持部と、前記第一固定側被保持部と前記第一可動側被保持部との間に位置する第一中間弾性部と、を有する第一端子と、前記側面端子としての第三端子と、を備え、前記固定ハウジングは、前後方向を延在方向として延在すると共に、前記第一中間弾性部と前記第三端子の前記中間弾性部とを保護する保護壁を有する。
【0028】
上記態様では、コネクタは、第一端子と、側面端子としての第三端子と、を備える。
ここで、固定ハウジングは、前後方向を延在方向として延在すると共に、第一中間弾性部と第三端子の中間弾性部とを保護する保護壁を有する。
上記態様によれば、中間弾性部を前後方向内側に位置させることができるから、保護壁の延在方向の寸法を小さくすることができる。
【0029】
第2-4の態様に係るコネクタは、第2-1~第2-3の何れかの態様において、前記端子配置溝は、前記上部底面と前記下部底面とを繋ぐ中間部底面を有し、前記中間部底面は、接続対象物が挿入される挿入空間の下端と上下方向の位置が重なる範囲に形成される。
【0030】
上記態様では、端子配置溝は、上部底面と下部底面とを繋ぐ中間部底面を有し、中間部底面は、接続対象物が挿入される挿入空間の下端と上下方向の位置が重なる範囲に形成される。
このため、挿入空間の深さを確保しつつ、端子の被保持部を前後方向内側に位置させることができる。
【0031】
第2-5の態様に係るコネクタは、第2-4の態様において、前記先端弾性部は、上下方向に対する傾きが大きい第一伸長部と、上下方向に対する傾きが小さい第二伸長部と、を有する。
【0032】
上記態様では、先端弾性部は、上下方向に対する傾きが大きい第一伸長部と、上下方向に対する傾きが小さい第二伸長部と、を有する。
このため、中間部底面の傾斜を大きくすることが容易である。その結果、挿入空間の深さを確保しつつ、側面端子の被保持部を前後方向内側により一層寄せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施形態のコネクタ対の斜視図である。
図2】コネクタ対の下方から見た斜視図である。
図3】コネクタ対の断面図(前後方向に直交する断面図)である。
図4】第一コネクタの分解斜視図である。
図5】第一コネクタの下方から見た分解斜視図である。
図6】第一端子の斜視図である。
図7】第三端子の斜視図である。
図8】第二コネクタの分解斜視図である。
図9】接続状態のコネクタ対を幅方向から見た側面図である。
図10図9の10-10線断面図である。
図11】第一コネクタの断面図(第三端子配置溝の位置における断面図)である。
図12】第二コネクタのガイド凸部を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、実施形態に係るコネクタ対、第一コネクタ1、及び第二コネクタ9について説明する。
【0035】
なお、各図に示す矢印X,Y,Zは、コネクタ対及びその構成部品を基準とした方向概念である。+X方向をコネクタ前方向、+Y方向をコネクタ幅方向一方側、+Z方向をコネクタ上方向という。単に、前後方向、幅方向、上下方向をいうときは、コネクタ前後方向、コネクタ幅方向、コネクタ上下方向を意味する。
【0036】
<コネクタ対>
図1図2に示すように、コネクタ対は、第一コネクタ1と、第二コネクタ9と、から構成される。第一コネクタ1と第二コネクタ9とは、上下方向を接続方向として互いに接続可能に構成される。第一コネクタ1は第一基板(図示省略)に実装され、第二コネクタ9は第二基板(図示省略)に実装される。第一コネクタ1と第二コネクタ9とが接続した状態では、第一基板と第二基板とは、コネクタ対を挟んで互いに平行に配置される。
【0037】
<第一コネクタ1の概略構成>
第一コネクタ1の概略構成について説明する。
【0038】
図4図5は、第一コネクタ1の分解斜視図である。
【0039】
第一コネクタ1は、固定ハウジング2と、可動ハウジング3と、複数の第一端子4と、複数の第三端子5と、を備える。
【0040】
固定ハウジング2及び可動ハウジング3は、合成樹脂などの絶縁体で形成される。
【0041】
固定ハウジング2は、第一端子4及び第三端子5の一部(固定側被保持部42、固定側被保持部52、図6図7参照)を保持する。固定ハウジング2は、第一端子4及び第三端子5を介して第一基板に固定され、第一基板に対して移動不能となる。固定ハウジング2は、枠状とされ、内側に空間(内部空間21、図4参照)を形成する。固定ハウジング2の内部空間21には、可動ハウジング3が配置される。
【0042】
可動ハウジング3は、第一端子4及び第三端子5の一部(可動側被保持部44、可動側被保持部54)を保持する。可動ハウジング3は、枠状の固定ハウジング2の内側の空間(内部空間21)に配置され、第一基板及び固定ハウジング2に対して移動可能となる。可動ハウジング3は、上方に向けて開口する挿入空間31を有する。挿入空間31には、「接続対象物」としての第二コネクタ9の一部(突出壁64、図2参照)が挿入される。
【0043】
図6に示すように、各第一端子4は、固定ハウジング2に保持される固定側被保持部42と、可動ハウジング3に保持される可動側被保持部44と、固定側被保持部42と可動側被保持部44との間の中間弾性部43と、を有する。中間弾性部43が弾性変形することで、固定ハウジング2に対する可動ハウジング3の移動が許容される。
【0044】
図7に示すように、各第三端子5は、固定ハウジング2に保持される固定側被保持部52と、可動ハウジング3に保持される可動側被保持部54と、固定側被保持部52と可動側被保持部54との間の中間弾性部53と、を有する。中間弾性部53が弾性変形することで、固定ハウジング2に対する可動ハウジング3の移動が許容される。
【0045】
<第二コネクタ9の概略構成>
第二コネクタ9の概略構成について説明する。
【0046】
図8は、第二コネクタ9の分解斜視図である。
【0047】
第二コネクタ9は、第二ハウジング6と、複数の第二端子7と、複数の第四端子8と、を備える。
【0048】
第二ハウジング6は、合成樹脂などの絶縁体で形成される。第二ハウジング6は、第二端子7及び第四端子8の一部を保持する。第二ハウジング6は、第二端子7及び第四端子8を介して第二基板に固定され、第二基板に対して移動不能となる。第二端子7は、第一コネクタ1の第一端子4と接続され、第四端子8は、第一コネクタ1の第三端子5と接続される。
【0049】
なお、第二コネクタ9は、フローティングコネクタではない。
すなわち、第二コネクタ9の第二ハウジング6は、嵌合ハウジング6Bと実装ハウジング6Aとを備えるが、嵌合ハウジング6B及び実装ハウジング6Aは、互いに相対変位させるために設けられるものではない。
但し、上記説明は、嵌合ハウジング6B及び実装ハウジング6Aが僅かに相対変位する第二コネクタ9を本開示の範囲から排除するものではない。実際のところ、本実施形態の第二コネクタ9は、嵌合ハウジング6B及び実装ハウジング6Aが僅かに相対変位し得る。
【0050】
<第一コネクタ1の詳細構造>
第一コネクタ1の詳細構造について説明する。
【0051】
≪第一端子4≫
複数の第一端子4は、それぞれ同一形状である。第一端子4は、板材に対し、打ち抜き加工及び曲げ加工等を施すことで製造される。複数の第一端子4は、幅方向(列間方向)一方側で前後方向(ピッチ方向)に配列された複数の第一端子4と、幅方向(列間方向)他方側で前後方向(ピッチ方向)に配列された複数の第一端子4と、から構成される。幅方向一方側の第一端子4及び幅方向他方側の第一端子4は、互いの接触部46同士を対向させるように配置される。
【0052】
図6に示すように、第一端子4は、一端から他端に向けて、基板固定部41と、固定側被保持部42と、中間弾性部43と、可動側被保持部44と、先端弾性部45と、接触部46と、を一体に有する。
【0053】
基板固定部41は、第一基板に対して固定される。基板固定部41は、一端側から他端側に向けて、幅方向内側に延びる。
【0054】
固定側被保持部42は、固定ハウジング2に保持される。固定側被保持部42は、上方に向けて延びると共に板幅方向である前後方向の両方の外側に圧入突起を有する。固定側被保持部42は、固定ハウジング2に対して下側から圧入される。
【0055】
中間弾性部43は、弾性変形可能に構成される。中間弾性部43は、第一曲部43Aと、直線部43Bと、第二曲部43Cと、を有する。
第一曲部43Aは、固定側被保持部42よりも他端側の部分が板厚方向に曲げられることで形成される。直線部43Bは、下方向に向かって幅方向内側に傾斜した方向に直線状に延びる。第二曲部43Cは、直線部43Bよりも他端側の部分が板厚方向に曲げられることで形成される。第二曲部43Cは、直線部43Bと可動側被保持部44とを接続する。直線部43Bは、幅拡大部43B1を有する。幅拡大部43B1の幅寸法(配列方向であるコネクタ前後方向の寸法)は、第一曲部43A及び第二曲部43Cの幅寸法よりも大きい。
【0056】
可動側被保持部44は、可動ハウジング3に保持される。可動側被保持部44は、上方へ向けて延びると共に板幅方向である前後方向の両方の外側に圧入突起を有する。可動側被保持部44は、可動ハウジング3に対して下側から圧入される。
【0057】
先端弾性部45は、接触部46が可動ハウジング3に対して変位可能となるように接触部46を弾性支持する。先端弾性部45は、一端側の第一伸長部45Aと、他端側の第二伸長部45Bと、を有する。第一伸長部45A及び第二伸長部45Bは、共に、上方向に向かって幅方向内側に傾斜した方向に向けて延びるが、第一伸長部45Aは、第二伸長部45Bよりも上方向に対する傾斜角度が大きい。
【0058】
接触部46は、「接続対象物」としての第二コネクタ9の第二端子7と接触する(図3参照)。接触部46は、幅方向内側に向けて凸となるように湾曲する。接触部46と先端弾性部45との間には、接触部46を幅方向内側へ向けて突出させるように曲部46Aが形成される。
【0059】
≪第三端子5≫
第三端子5は、板材に対し、打ち抜き加工及び曲げ加工等を施すことで製造される。
複数の第三端子5は、前後方向(ピッチ方向)一方側の一対の第三端子5と、前後方向(ピッチ方向)他方側の一対の第三端子5と、から構成される。
前後方向一方側の一対の第三端子5は、幅方向において対称の構造とされ、前後方向他方側の一対の第三端子5も、幅方向において対称の構造とされる。
【0060】
図7に示すように、第三端子5は、一端から他端に向けて、基板固定部51と、固定側被保持部52と、中間弾性部53と、可動側被保持部54と、先端弾性部55と、接触部56と、を一体に有する。
【0061】
基板固定部51は、第一基板に対して固定される。基板固定部51は、板厚方向を上下方向に向け、第一基板に沿って配置される。基板固定部51は、一端側から他端側に向けて、幅方向内側に延びる。
【0062】
固定側被保持部52は、固定ハウジング2に保持される。固定側被保持部52は、固定ハウジング2に圧入される被圧入部52Aを有する。被圧入部52Aは、板厚方向を幅方向に向け、固定ハウジング2に対し下側から圧入される。固定側被保持部52は、被圧入部52Aが圧入される際に力が入力される入力部52Bを有する。入力部52Bは、一対形成され、前後方向の一方側と他方側へ向けて突出する。
【0063】
中間弾性部53は、弾性変形可能に構成される。中間弾性部53は、第一直線部53Aと、第一曲部53Bと、第二直線部53Cと、を有する。第一直線部53A、第一曲部53B及び第二直線部53Cにより、上側に凸とされた形状の山状部が形成される。第一直線部53Aは、上側へ向けて直線状に延び、第二直線部53Cは、下側へ向けて直線状に延びる。第二直線部53Cは、第一直線部53Aと前後方向で同じ位置であって、第一直線部53Aよりも幅方向内側に位置する。
また、中間弾性部53は、第二曲部53Dを有する。第二曲部53Dは、第二直線部53Cと可動側被保持部54とを接続する。
中間弾性部53は、板厚方向を前後方向に向ける。つまり、中間弾性部53の曲部(第一曲部53B及び第二曲部53D)は、折り曲げ加工により形成されるではなく、打ち抜き加工により形成される。
【0064】
固定側被保持部52と中間弾性部53とは、連結部52Cにより連結される。具体的には、連結部52Cは、固定側被保持部52の前後方向内側の入力部52Bと、中間弾性部53の第一直線部53Aの下端と、を連結する。連結部52Cは、板厚方向に曲げられることで幅方向内側に屈曲した曲部52C1を有する。中間弾性部53は、固定側被保持部52よりも前後方向内側に位置する。
【0065】
可動側被保持部54は、可動ハウジング3に保持される。可動側被保持部54は、上側へ延びると共に板幅方向であるコネクタ幅方向の両方の外側に圧入突起を有する。可動側被保持部54は、可動ハウジング3に対して下側から圧入される。
【0066】
先端弾性部55は、接触部56が可動ハウジング3に対して変位可能となるように接触部56を弾性支持する。先端弾性部55は、一端側の第一伸長部55Aと、他端側の第二伸長部55Bと、を有する。第一伸長部55A及び第二伸長部55Bは、共に、上方向に向かって前後方向外側に傾斜した方向に向けて延びるが、第一伸長部55Aは、第二伸長部55Bよりも上方向に対する傾斜角度が大きい。先端弾性部55の板幅寸法(コネクタ幅方向の寸法)は、一端側から他端側へ向けて漸減している。
【0067】
接触部56は、第二コネクタ9の第四端子8と接触する。接触部56は、前後方向外側に向けて凸となるように湾曲する。接触部56と先端弾性部55との間には、接触部56を前後方向外側へ向けて突出させるように曲部56Aが形成される。
【0068】
≪固定ハウジング2≫
図4に示すように、固定ハウジング2は、内部空間21を挟んで前後方向に対向する一対の前後方向部22と、内部空間21を挟んで幅方向に対向する一対の幅方向部23と、を備える。一対の前後方向部22と一対の幅方向部23とによって、枠状の固定ハウジング2が形成される。
【0069】
固定ハウジング2は、可動ハウジング3の一部(「被拘束部」である前後突出部36)を拘束する「拘束部」としての拘束凹部24を有する。拘束凹部24は、一対の前後方向部22にそれぞれ形成される。拘束凹部24は、前後方向部22の下部に形成された凹部であり、下方向及び前後方向両側に開放される。
【0070】
固定ハウジング2は、第一端子4の固定側被保持部42を保持する第一端子保持部25Aを有する。第一端子保持部25Aは、一対の幅方向部23の幅方向内側面に形成された上下方向に延びる溝である。第一端子保持部25Aとしての溝に、第一端子4の固定側被保持部42が下側から圧入される。
【0071】
固定ハウジング2は、第三端子5の固定側被保持部52を保持する第三端子保持部25Bを有する。第三端子保持部25Bは、複数の第一端子保持部25Aよりも前後方向外側に位置する。第三端子保持部25Bは、一対の幅方向部23に形成された上下方向に延びる貫通孔である。第三端子保持部25Bとしての貫通孔に、第三端子5の固定側被保持部52の被圧入部52Aが下側から圧入される。
【0072】
固定ハウジング2は、端子の中間弾性部を保護する保護壁26を有する。
図3に示すように、第一端子4の中間弾性部43及び第三端子5の中間弾性部53は、可動ハウジング3の幅方向外側に配置されるので、保護壁26は、幅方向部23に形成される。保護壁26は、第一端子4の中間弾性部43及び第三端子5の中間弾性部53を幅方向外側から保護する側壁26Aと、第一端子4の中間弾性部43及び第三端子5の中間弾性部53を上側から保護する天壁26Bと、を有する。天壁26Bは、側壁26Aの上端から幅方向内側へ延びる。
【0073】
また、保護壁26は、天壁26Bを補強する補強部26Cを有する。
補強部26Cは、保護壁26の延在方向であるコネクタ前後方向の両端部に形成される。補強部26Cは、保護壁26の延在方向の両端部において、天壁26Bと側壁26Aとを接続する。補強部26Cは、下方向に対して幅方向内側に傾いた方向を向く面26C1を有し、この面26C1は、側壁26Aの幅方向内側面と天壁26Bの幅方向内側面とを斜めに接続する(図5参照)。
【0074】
保護壁26の補強部26Cは、保護壁26の延在方向である前後方向で、第三端子5の中間弾性部53と位置が一致する。
なお、第一端子4の中間弾性部43と、第三端子5の中間弾性部53とは、高さが略一致する。第三端子5の中間弾性部53の第一曲部53Bは、第一端子4の中間弾性部43の第一曲部43Aよりも幅方向内側に位置する。天壁26Bは、第一端子4の中間弾性部43の第一曲部43Aの全部を上側から覆い、第三端子5の中間弾性部53の第一曲部53Bの一部を上側から覆う。
【0075】
保護壁26の延在方向である前後方向の寸法は、一対の前後方向部22同士の間の寸法よりも小さい。これにより、幅方向部23は、保護壁26が形成された中央部23Cと、中央部23Cよりも低く形成された外側部23Sと、から構成される。幅方向部23の外側部23Sの高さは、前後方向部22の高さと同一とされる。幅方向部23の外側部23Sには、上述の第三端子保持部25Bが形成される。
【0076】
≪可動ハウジング3≫
可動ハウジング3のうち、後述する突出ガイド部35、前後突出部36、幅方向凸部37及び収容凹部39を除いた部分を本体部3Aということがある。このため、可動ハウジング3は、本体部3Aと、前後一対の突出ガイド部35と、前後一対の前後突出部36と、幅方向一対の幅方向凸部37と、4つの収容凹部39から構成されるといえる。
【0077】
本体部3Aは、略直方体形状とされ、法線方向を前後方向外側に向けた一対の前後方向外側面3A1と、法線方向を幅方向外側に向けた一対の幅方向外側面3A2と、を有する。また、本体部3Aは、前後方向外側面3A1と幅方向外側面3A2とを斜めに接続する4つの接続面3A3を有する。前後方向外側面3A1、幅方向外側面3A2及び接続面3A3は、それぞれ、本体部3Aの上下方向全体に亘って同一平面を成す。但し、接続面3A3は、後述の収容凹部39の影響で、本体部3Aの上部のみに形成される。
【0078】
可動ハウジング3の本体部3Aには、接続対象物としての第二コネクタ9の一部(突出壁64)が挿入される挿入空間31が形成される。挿入空間31は、上方に向けて開口される。本体部3Aに挿入空間31が形成されることで、挿入空間31を挟んで前後方向で対向する一対の前後方向壁32と、挿入空間31を挟んで幅方向で対向する一対の幅方向壁33と、が本体部3Aに形成される。
以下、可動ハウジング3の本体部3Aうち挿入空間31が形成されている部分を筒状部3Uといい、挿入空間31が形成されていない部分(換言すると、挿入空間31の底面31C(図3参照)よりも下側の部分)を底部3Lということがある。
【0079】
可動ハウジング3の本体部3Aは、第一端子4の一部(可動側被保持部44、先端弾性部45、接触部46)が配置される第一端子配置部34を有する。
第一端子配置部34は、幅方向壁33の幅方向内側面に形成された端子配置溝34Bと、可動ハウジング3の底部3Lに形成された上下方向に貫通する端子配置孔34Aと、から構成される。端子配置孔34Aには、第一端子4の可動側被保持部44が圧入保持された状態で配置され、端子配置溝34Bには、第一端子4の先端弾性部45及び接触部46が配置される。
【0080】
可動ハウジング3の本体部3Aは、第三端子5の一部(可動側被保持部54、先端弾性部55、接触部56)が配置される第三端子配置溝38を有する。
第三端子配置溝38は、本体部3Aの前後方向外側面3A1に形成された溝である。第三端子配置溝38は、前後方向内側を深さ方向とし、上下方向を延在方向として形成される。第三端子配置溝38は、可動ハウジング3の前後方向前側に2つ、前後方向後側に2つ形成される。
【0081】
図11に示すように、第三端子配置溝38は、延在方向である上下方向の位置に応じて、溝深さが変化している。具体的には、第三端子配置溝38は、溝深さが浅い上部と、溝深さが深い下部と、上部と下部との間の中間部と、を有する。第三端子配置溝38の下部における底面38A3(下部底面)は、上部における底面38A1(上部底面)よりもコネクタ前後方向内側に位置する。下部底面38A3及び上部底面38A1は、共に、上下方向に平行に延在する。第三端子配置溝38の中間部における底面38A2(中間部底面)は、上部底面38A1と下部底面38A3とを接続し、下方向に向かってコネクタ前後方向内側へ傾斜する。下部底面38A3の前後方向の位置は、前後方向壁32の前後方向内側面と略一致する。
【0082】
第三端子配置溝38の下部には、第三端子5の可動側被保持部54が圧入保持され、第三端子配置溝38の上部には、第三端子5の接触部56が配置される。第三端子5の可動側被保持部54は、第三端子配置溝38の下部における底面38A3に近接して配置される。
【0083】
第三端子配置溝38は、溝幅寸法(コネクタ幅方向の寸法)が変化する溝幅変化部38Bを有する。第三端子配置溝38のうち溝幅変化部38Bに対して上側の部分では、溝幅変化部38Bに対して下側の部分よりも、溝幅寸法が小さくなっている。第三端子配置溝38における溝幅変化部38B以外の部分では、溝幅寸法が延在方向である上下方向に亘って一定とされる。溝幅変化部38Bは、第三端子5の接触部56が配置される位置よりも下側であって、先端弾性部55の第一伸長部55Aが配置される位置よりも上側に形成される。
【0084】
可動ハウジング3は、第二コネクタ9との接続をガイドする突出ガイド部35を有する。
突出ガイド部35は、本体部3Aに対して上方へ突出する。突出ガイド部35は、前後に一対形成される。突出ガイド部35は、挿入空間31に対して前後方向外側の位置に形成され、挿入空間31と前後方向で重なる位置には形成されない。一方、突出ガイド部35は、挿入空間31と幅方向で重なる位置だけでなく、挿入空間31に対して幅方向外側の位置にまで形成される。突出ガイド部35の幅寸法は、可動ハウジング3の本体部3Aの幅寸法と一致する。突出ガイド部35は、上方を向く天面35Aと、可動ハウジング3の本体部3Aの側面3A1,3A2,3A3と接続される傾斜面35Bと、を有する。
【0085】
可動ハウジング3は、当該可動ハウジング3の上方向の移動範囲を規制するための前後突出部36(被拘束部)を有する。
前後突出部36は、可動ハウジング3の下端部に形成される。前後突出部36は、可動ハウジング3の本体部3Aの前後方向外側面3A1に対し、前後方向外側に向けて突出する。前後突出部36は、固定ハウジング2の拘束凹部24に配置される。
前後突出部36には、第三端子配置溝38に対応する位置に、上下方向に貫通する端子通過孔36Aが形成される。端子通過孔36Aは、第三端子5を可動ハウジング3に取り付ける際、第三端子5の接触部56が通過可能に構成される。
【0086】
可動ハウジング3は、第一端子4の中間弾性部43に近づく方向である幅方向外側に突出する幅方向凸部37(インピーダンス調整部)を有する。
幅方向凸部37は、可動ハウジング3の本体部3Aの幅方向外側面3A2から、幅方向外側に突出する。幅方向凸部37は、第一端子4の中間弾性部43に近づくように突出することで、第一端子4の中間弾性部43のインピーダンスを下げるように機能する。
幅方向凸部37は、第一端子4の中間弾性部43と対向する対向面37Aを有する。対向面37Aは、法線方向を幅方向外側に向けた面である上部37A1と、法線方向を幅方向外側に対し若干下側に傾いた方向に向けた面である下部37A2と、から構成される。これにより、幅方向凸部37の上部の突出量(幅方向外側への突出量)は、上下方向において一定であり、幅方向凸部37の下部の突出量は、下方に向かうに従い次第に小さくなる。幅方向凸部37の幅方向外側には、第一端子4の中間弾性部43の直線部43Bが位置する。
【0087】
図10に示すように、幅方向凸部37は、配列方向である前後方向に並んだ複数の中間弾性部43(第一中間弾性部である第一端子4の中間弾性部43)のうち端の中間弾性部43を除いた一又は複数(図では複数)の中間弾性部43と配列方向で重なる範囲に形成される。これにより、配列方向中央側の一又は複数(図では複数)の第一端子4において、中間弾性部43のインピーダンスが幅方向凸部37によって低下する。このため、少なくとも配列方向の端の2つの第一端子4は、電源用端子や接地用端子として用いることが好ましい。
【0088】
(収容凹部39)
可動ハウジング3は、第三端子5の中間弾性部53が収容される収容凹部39を有する。収容凹部39は、可動ハウジング3の本体部3Aの幅方向外側面3A2に対し、幅方向内側へ凹むように形成される。収容凹部39は、可動ハウジング3の本体部3Aの一対の幅方向外側面3A2において、前後方向両側に形成される。収容凹部39は、幅方向外側だけでなく、前後方向外側及び下側へ向けて開放される。
【0089】
可動ハウジング3の上下寸法は、固定ハウジング2の上下寸法よりも大きい。これにより、可動ハウジング3の上方の一部は、固定ハウジング2に対して上方に突出して配置される。
【0090】
<第二コネクタ9の詳細構成>
第二コネクタ9の詳細構成について説明する。
【0091】
≪第二端子7≫
複数の第二端子7は、幅方向一方側の複数の第二端子7と、幅方向他方側の複数の第二端子7と、から構成される。幅方向一方側の第二端子7と幅方向他方側の第二端子7とは、互いに同一構造であるものの、幅方向で対向する姿勢で配列される。
【0092】
図3に示すように、第二端子7は、上下方向に延び第二ハウジング6に挿入される挿入部71と、第二ハウジング6に挿入されない非挿入部72と、を有する。
挿入部71は、板厚方向を幅方向に向ける。非挿入部72は、挿入部71の上端から幅方向外側に向かって延びる。非挿入部72は、第二基板に固定される基板固定部72Aを有する。
【0093】
挿入部71は、実装ハウジング6Aに形成された端子通過孔に収容される第一伸長部71Aと、嵌合ハウジング6Bに形成された端子通過孔に収容される第二伸長部71Bと、嵌合ハウジング6Bの突出壁64に形成された端子配置溝に配置される第三伸長部71Cと、を有する。第三伸長部71Cは、第一コネクタ1の第一端子4と接触する。
【0094】
≪第四端子8≫
図8に示すように、複数(4つ)の第四端子8は、前後方向一方側の一対の第四端子8と、前後方向他方側の一対の第四端子8と、から構成される。
【0095】
第四端子8は、上下方向に延び第二ハウジング6に挿入される挿入部81と、第二ハウジング6に挿入されない非挿入部82と、を有する。
挿入部81は、板厚方向を前後方向に向ける。非挿入部82は、挿入部81の上側から前後方向外側へ延出される。
【0096】
図8に示すように、第四端子8の挿入部81は、実装ハウジング6Aに形成された端子通過孔に収容される第一伸長部81Aと、嵌合ハウジング6Bに形成された端子通過孔に収容される第二伸長部81Bと、嵌合ハウジング6Bのガイド凸部62に形成され第四端子配置溝に配置される第三伸長部81Cと、を有する。第三伸長部81Cは、第一コネクタ1の第三端子5と接触する。
【0097】
≪第二ハウジング6≫
第二ハウジング6は、第二ハウジング6の下部を構成する嵌合ハウジング6Bと、第二ハウジング6の上部を構成する実装ハウジング6Aと、から構成される。
【0098】
嵌合ハウジング6Bは、基部65(図3参照)と、基部65の周縁から下方へ立設した周壁62,63と、基部65の中央から突出した突出壁64と、を有する。
【0099】
嵌合ハウジング6Bには、第一コネクタ1の可動ハウジング3が配置される嵌合凹部61が形成される。嵌合凹部61は、嵌合ハウジング6Bの基部65の下方の空間であって、周壁62,63に囲まれた空間である。
【0100】
突出壁64は、嵌合凹部61の底面から下方へ向けて立設される。突出壁64は、前後方向に延在する壁である。突出壁64の壁厚方向(コネクタ幅方向)の一対の壁面には、複数の端子配置溝が前後方向に並んで複数形成され、これら端子配置溝に第二端子7の第三伸長部71Cが配置される。
【0101】
周壁62,63は、当該周壁62,63の前後方向両端部を構成する一対のガイド凸部62と、一対のガイド凸部62の幅方向両端部同士を前後方向に連結する一対の連結壁63と、から構成される。
ガイド凸部62は、連結壁63よりも高く形成される。連結壁63は、一対のガイド凸部62の上部同士を連結する。ガイド凸部62の高さは突出壁64よりも高く、連結壁63の高さは突出壁64よりも低い。
【0102】
一対のガイド凸部62は、第一コネクタ1と第二コネクタ9とが接続する際に、第一コネクタ1の可動ハウジング3と初めに当接し得る部分となる。ガイド凸部62と可動ハウジング3とが当接することで、可動ハウジング3と第二ハウジング6との前後方向又は幅方向の位置ズレが解消される。
【0103】
ガイド凸部62の前後方向内側の壁面には、第四端子8の第三伸長部81Cが配置される第四端子配置溝が形成される。第四端子保持溝は、一対のガイド凸部62の各々に2つずつ形成され、合計4つ形成される。
【0104】
実装ハウジング6Aは、略直方体形状とされる。実装ハウジング6Aは、縦長の形状とされており、実装ハウジング6Aの上下寸法は、実装ハウジング6Aの幅方向寸法よりも大きい。
【0105】
(ガイド凸部の詳細構造)
次に、ガイド凸部62の詳細構造について説明する。
【0106】
図12に示すように、ガイド凸部62は、ガイド凸部62の下端を構成する天面62Aを有する。天面62Aは、法線方向を下方向に向ける。天面62Aの幅寸法は、周壁62,63の幅寸法(第二ハウジング6の幅寸法と一致)と略同じである。なお、ガイド凸部62の幅方向外側面と、連結壁63の幅方向外側面とは、同一平面を成す。このため、周壁62,63の外形は、平面視で矩形状となる。
【0107】
ガイド凸部62は、前後方向内側面として内側面62B1,62B2,62B3を有する。
内側面62B1,62B2,62B3は、幅方向中央を構成する第一内側面62B1と、幅方向外側を構成する一対の第三内側面62B3と、第一内側面62B1と一対の第三内側面62B3とを斜めに接続する一対の第二内側面62B2と、を有する。
第一内側面62B1及び第三内側面62B3は、法線方向を前後方向内側に向ける。一対の第三内側面62B3は、第一内側面62B1よりも前後方向内側に位置する。一対の第二内側面62B2は、法線方向を前後方向内側に対し幅方向内側に傾いた方向に向ける。第一内側面62B1、第三内側面62B3及び第二内側面62B2は、何れも上下方向に延在する。
連結壁63は、ガイド凸部62の第三内側面62B3に対応する位置において一対のガイド凸部62の上部同士を連結する。
【0108】
ガイド凸部62は、天面62Aと内側面62B1,62B2,62B3とを斜めに接続する傾斜面62C1,62C2,62C3を有する。
【0109】
傾斜面62C1,62C2,62C3は、第一内側面62B1と天面62Aとを接続する第一傾斜面62C1と、第二内側面62B2と天面62Aとを接続する第二傾斜面62C2と、第三内側面62B3の天面62Aとを接続する第三傾斜面62C3と、を有する。第一コネクタ1と第二コネクタ9とを接続する際、第二内側面62B2及び第二傾斜面62C2は、可動ハウジング3と第二ハウジング6との幅方向の位置を合わせるように機能する。つまり、ガイド凸部62の第二内側面62B2及び第二傾斜面62C2は、可動ハウジング3と第二ハウジング6との幅方向の位置をガイドする「幅方向ガイド部」として機能する。
【0110】
<作用効果>
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0111】
本実施形態では、図1に示すように、コネクタ対は、第一コネクタ1と、第一コネクタ1に対して上側から接続する第二コネクタ9と、を備える。第一コネクタ1は、第一端子4と、第一端子4を保持する第一ハウジング2,3と、を備え、第二コネクタ9は、第二端子7と、第二端子7を保持する第二ハウジング6と、を備える。
第一ハウジング2,3は、第一基板に対して位置が固定される固定ハウジング2と、固定ハウジング2に対して移動可能な可動ハウジング3と、を備える。第一端子4は、固定ハウジング2に保持される第一固定側被保持部42と、可動ハウジング3に保持される第一可動側被保持部44と、第一固定側被保持部42と第一可動側被保持部44との間に位置する第一中間弾性部43と、を有する。
【0112】
第一ハウジング2,3は、第一中間弾性部43を保護する保護壁26を有し、第二ハウジング6は、下側に突出する一対のガイド凸部62を有する。一対のガイド凸部62は、接続の際に可動ハウジング3に当接することで接続をガイドする。
更に、図9に示すように、第一コネクタ1及び第二コネクタ9は、一対のガイド凸部62の下端(天面62A)が、保護壁26の上端よりも下方に位置するように接続可能である。
このため、保護壁26とガイド凸部62の高さを確保しつつ、深くまで接続できるコネクタ対とすることができる。
【0113】
また、本実施形態では、図10に示すように、保護壁26は、一対のガイド凸部62が対向する方向(前後方向)を延在方向として延在し、保護壁26の延在方向の寸法L1は、一対のガイド凸部62の間の距離L2よりも小さい。そして、第一コネクタ1と第二コネクタ9とが接続された状態で、かつ、正規状態(図10に示す状態、すなわち、可動ハウジングが前後方向及び幅方向に変位していない状態)で、一対のガイド凸部62の間の空間に保護壁26が位置する。
このため、ガイド凸部26を幅方向に大きく形成できる。
【0114】
また、本実施形態では、ガイド凸部62は、可動ハウジング3と第二ハウジング6との幅方向の位置をガイドする幅方向ガイド部(ガイド凸部62の第二傾斜面62C2、第二内側面62B2、図12参照)を有する。
このため、接続の際に、第一コネクタ1の可動ハウジング3と、第二コネクタ9の第二ハウジング6との幅方向の位置ズレが幅方向ガイド部によって解消される。
【0115】
また、本実施形態では、保護壁26は、第一中間弾性部43を側方から覆う側壁26Aと、第一中間弾性部43を上方から覆う天壁26Bと、を有する。
このため、例えば保護壁26が天壁26Bを有しない態様と比較して、第一中間弾性部43をより確実に保護できる。
【0116】
また、本実施形態では、第一コネクタ1は、第一端子4とは異なる形状の第三端子5を備える。このため、第一端子4とは異なる用途(例えば電源用、グランド用)で第三端子5を用いることに適している。
また、第三端子5の第三中間弾性部53は、第一端子4の第一中間弾性部43を保護する保護壁26に保護されるので、例えば第一端子4の第一中間弾性部43を保護する保護壁26とは別の保護壁によって第三端子5の第三中間弾性部53を保護する態様よりも、第一ハウジング2,3の構造を簡易にできる。
【0117】
次に、本実施形態の作用効果について、別の観点から説明する。
【0118】
本実施形態では、図11に示すように、第一コネクタ1は、側面端子5(第三端子5)と、第一ハウジング2,3と、を備える。側面端子5は、第一ハウジング2,3に保持される被保持部54と、接続対象物9に接触する接触部56と、被保持部54と接触部56との間に位置持する先端弾性部55と、を有する。第一ハウジング2,3は、前後方向の側面3A1に形成された端子配置溝38を有し、端子配置溝38には、側面端子5の被保持部54、接触部56及び先端弾性部55が配置される。
【0119】
ここで、端子配置溝38は、接触部56に対して前後方向内側に位置する上部底面38A1を有する上部と、被保持部54に対して前後方向内側に位置する下部底面38A3を有する下部と、を含む。下部底面38A3は、上部底面38A1よりも前後方向内側に位置する。
このため、ハウジング上部における前後方向内側の領域(上部底面38A1に対して前後方向内側の領域、例えば挿入空間31が形成される領域)を大きく確保しつつ、側面端子5の被保持部54を前後方向内側に寄せることができる。
【0120】
また、本実施形態では、第一ハウジング2,3は、取付対象物(第一基板)に固定される固定ハウジング2と、固定ハウジング2に対して移動可能な可動ハウジング3を備える。端子配置溝38は、可動ハウジング3に形成される。
また、図7に示すように、側面端子5は、固定ハウジング2に保持される固定側被保持部52と、被保持部54としての可動側被保持部54と、固定側被保持部52と可動側被保持部54との間に位置する中間弾性部53と、を有する。そして、中間弾性部53は、可動側被保持部54と前後方向の位置が一致する。
したがって、可動側被保持部54と前後方向の位置が一致する中間弾性部53を備えるフローティングコネクタにおいて、中間弾性部53を前後方向内側に寄せることができる。
【0121】
また、本実施形態では、第一コネクタ1は、複数の第一端子4と、側面端子5としての第三端子5と、を備える。複数の第一端子4の第一中間弾性部43は、前後方向を配列方向として配列される。
ここで、固定ハウジング2は、前後方向を延在方向として延在すると共に、複数の第一中間弾性部43と第三端子5の中間弾性部53とを保護する保護壁26を有する。
したがって、中間弾性部53を前後方向内側に位置させることができるから、保護壁26の延在方向の寸法を小さくすることができる。
【0122】
また、本実施形態では、図11に示すように、端子配置溝38は、上部底面38A1と下部底面38A3とを繋ぐ中間部底面38A2を有し、中間部底面38A2は、接続対象物9が挿入される挿入空間31の下端31Cと上下方向の位置が重なる範囲に形成される。
このため、挿入空間31の深さを確保しつつ、側面端子5の被保持部54を前後方向内側に位置させることができる。
【0123】
また、本実施形態では、先端弾性部55は、上下方向に対する傾きが大きい第一伸長部55Aと、上下方向に対する傾きが小さい第二伸長部55Bと、を有する。
このため、中間部底面38A2の傾斜を大きくすることが容易である。その結果、挿入空間31の深さを確保しつつ、側面端子5の被保持部54を前後方向内側により一層寄せることができる。
【0124】
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上記実施形態では、
第一コネクタ1と第二コネクタ9との接続状態で、第一基板と第二基板とがコネクタ対を挟んで互いに平行に配置される例を説明したが、本開示はこれに限定されない。
【0125】
また、上記実施形態では、端子に対するハウジングの保持が圧入保持である例を説明したが、インサート成形による保持であってもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、第一コネクタ1と第二コネクタ9とが接続された状態で、かつ、正規状態で、一対のガイド凸部62の間の空間に保護壁26が位置する例(図10参照)を説明したが、本開示はこれに限定されない。
例えば、第一コネクタ1と第二コネクタ9とが接続された状態で、かつ、正規状態では、一対のガイド凸部62の間の空間に保護壁26が位置していないが、可動ハウジング3が固定ハウジング2に対して移動することで、一対のガイド凸部の間の空間に保護壁26が位置可能であってもよい。
また、例えば、一対のガイド凸部62の間の空間に保護壁26が位置せず、かつ、可動ハウジング3が固定ハウジング2に対して移動しても、一対のガイド凸部の間の空間に保護壁26が位置しない態様であってもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、保護壁26が固定ハウジング2に形成された例を説明したが、本開示はこれに限定されない。保護壁は、可動ハウジングに形成されてもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、図10に示すように、幅方向凸部37が、配列方向である前後方向に並んだ複数の中間部43のうち端の中間部43を除いた一又は複数(図では複数)の中間部43と配列方向で重なる範囲に形成される例を説明したが、本開示はこれに限定されない。
図示は省略するが、配列方向に並んだ複数の中間部43のうち、全ての中間部43と配列方向で重なる範囲に幅方向凸部37が形成されてもよい。
【0129】
ところで、可動ハウジング3が固定ハウジング2に対して配列方向(前後方向)に変位した状態では、端子4の中間部43(特に直線部43B、図6参照)に対する可動ハウジング3の配列方向の位置も変化する。そのため、仮に複数の中間部43のうち全ての中間部43と配列方向で重なる範囲に幅方向凸部37を形成した態様でも、固定ハウジング2に対する可動ハウジング3の配列方向(前後方向)の変位量によっては、端の中間部43が幅方向凸部37に対向しない状態となり、端の端子4においてインピーダンス調整の効果を発揮できない恐れがある。
そこで、図示は省略するが、幅方向凸部37は、全ての中間部43と配列方向で重なる範囲よりも、更に余裕を持った範囲に形成されてもよい。具体的には、複数の中間部43が配置される配列方向の範囲L1に対し、幅方向凸部37が形成された範囲L2は、一つの中間部43の配列方向寸法(幅拡大部43B1の配列方向寸法)以上の余裕をもって形成されることが好ましい(L2-L1>2w、なおwは中間部43の配列方向寸法)。
【符号の説明】
【0130】
1 第一コネクタ
9 第二コネクタ(接続対象物)
2,3 第一ハウジング
2 固定ハウジング
26 保護壁
26A 側壁
26B 天壁
3 可動ハウジング
3A1 前後方向外側面(前後方向の側面)
31C 底面(挿入空間の下端)
32 前後方向壁
33 幅方向壁
38 第三端子配置溝(端子配置溝)
38A1 上部底面
38A3 中間部底面
38A3 下部底面
4 第一端子
42 固定側被保持部(第一固定側被保持部)
43 中間弾性部(第一中間弾性部)
44 可動側被保持部(第一可動側被保持部)
45 先端弾性部
46 接触部(第一接触部)
5 第三端子(側面端子)
52 固定側被保持部(第三固定側被保持部)
53 中間弾性部(第三中間弾性部)
54 可動側被保持部(第三可動側被保持部、被保持部)
55 先端弾性部
56 接触部(第三接触部)
6 第二ハウジング
62 ガイド凸部
62A 天面(ガイド凸部の下端)
62B1 第一内側面
62B2 第二内側面(幅方向ガイド部)
62B3 第三内側面
62C1 第一傾斜面
62C2 第二傾斜面(幅方向ガイド部)
62C3 第三傾斜面
7 第二端子
8 第四端子
L1 保護壁の延在方向の寸法
L2 一対のガイド凸部の間の距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12