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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045689
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】巻糸装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 54/26 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
B65H54/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024024519
(22)【出願日】2024-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000146984
【氏名又は名称】TMT神津株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114764
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100178124
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 英樹
(72)【発明者】
【氏名】坂本 憲一
(72)【発明者】
【氏名】曽我 浩
(57)【要約】
【課題】複数の高品質な糸条のパッケージを効率的に形成することが可能な巻糸装置を提供することを目的とする。
【解決手段】糸条をボビンに巻き取ってパッケージを形成するための巻糸装置であって、
各部材が設けられるフレーム1と、ボビンが装着され、軸回転可能なスピンドル2と、スピンドル2の軸方向に糸条を綾振りするヤーンガイドを備えるトラバース機構3と、糸条に張力を付与しながら案内するガイド機構4とを備える。フレーム1において、スピンドル2、トラバース機構3およびガイド機構4が並列して配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸条をボビンに巻き取ってパッケージを形成するための巻糸装置であって、
各部材が設けられるフレームと、
ボビンが装着され、軸回転可能なスピンドルと、
前記スピンドルの軸方向に糸条を綾振りするヤーンガイドを備えるトラバース機構と、
糸条に張力を付与しながら案内するガイド機構とを備え、
前記フレームにおいて、前記スピンドル、前記トラバース機構および前記ガイド機構が並列して配置されていることを特徴とする巻糸装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸条をボビンに巻き取ってパッケージを形成するための巻糸装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、2COPワインダーに代表されるように複数本の糸条を個別にスピンドルに巻き取る巻糸装置が知られている。この巻糸装置は、一般に糸条の走行経路において、糸条に張力を作用させる機構が設けられている。例えば、第1の糸条と第2の糸条の2本の糸条を巻き取る場合、第1の糸条が掛けられる第1のローラと、第2の糸条が掛けられる第2のローラと、第1のローラと第2のローラが接続されたダンサー部材と、ダンサー部材に接続されたシリンダー機構とを備え、シリンダー機構によりダンサー部材の付勢力を制御することにより第1のローラおよび第2のローラに掛けられている第1の糸条および第2の糸条に一定の張力を作用させている。このように第1の糸条および第2の糸条に一定の張力を作用させながらスピンドルに巻き取ることによって、高品質なパッケージを形成することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5673125号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景のもと、複数の高品質なパッケージを効率的に形成することが可能な巻糸装置が望まれていた。
【0005】
本発明は、上述の技術的背景に鑑みてなされたものであり、複数の高品質な糸条のパッケージを効率的に形成することが可能な巻糸装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、糸条をボビンに巻き取ってパッケージを形成するための巻糸装置であって、各部材が設けられるフレームと、ボビンが装着され、軸回転可能なスピンドルと、前記スピンドルの軸方向に糸条を綾振りするヤーンガイドを備えるトラバース機構と、糸条に張力を付与しながら案内するガイド機構とを備え、前記フレームにおいて、前記スピンドル、前記トラバース機構および前記ガイド機構が並列して配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フレームにおいて、スピンドル、トラバース機構およびガイド機構が並列して配置されている複数のより高品質なパッケージを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る巻糸装置の全体構成を示す図である。
図2】フレームを示す図である。
図3】エアデバイスを示す図である。
図4】カムボックスを示す図である。
図5】ヤーンガイドを示す図である。
図6】テンションデバイスを示す図である。
図7】ガイドローラを示す図である。
図8】ダンサーデバイスを示す図である。
図9】ボビンホルダを示す図である。
図10】プッシュレバーアセンブリを示す図である。
図11】プッシャーアセンブリを示す図である。
図12】サクションアセンブリを示す図である。
図13】スピンドルを示す図である。
図14】スピンドル駆動部を示す図である。
図15】エンコーダを示す図である。
図16】カムボックススライドアッセンブリを示す図である。
図17】パッケージ径検出アッセンブリを示す図である。
図18】カム駆動部を示す図である。
図19】ドッグアセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係る巻糸装置について図1図19を参照しつつ説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る巻糸装置(以下、本装置という)の全体構成を示す図である。本装置は、糸条をボビンに巻き取ってパッケージを形成するための巻糸装置であって、ボビンが装着され、軸回転可能なスピンドル2と、スピンドル2の軸方向に糸条を綾振りするトラバース機構3と、糸条に張力を付与しながらトラバース機構3に案内するガイド機構4とを備え、フレーム1において、スピンドル2、トラバース機構3およびガイド機構4が並列して配置されている
【0011】
本装置は、糸条の巻き取りにより重量100kgを超える重量のパッケージを形成することができる。また、本装置は、設置スペースを節約するために、二段積みの構成にしている。また、本装置は、パッケージの取り出しの際に糸条を預けるサクションガンが設けられる。以下、本装置に設けられる各部材を説明する。
【0012】
図2は、フレーム1を示す図である。フレーム1は、パッケージおよび各部の重量を支持可能な強度を有している。
【0013】
図3は、エアデバイスを示す図である。このエアデバイスは、本装置の内部に設けられた装置を動作させるための制御機器を内蔵している。
【0014】
図4は、トラバース機構3のカムボックスを示す図である。このカムボックスは、500mmを超えるトラバース幅を実現させるためのカムにてヤーンガイドを往復運動させている油もしくはグリースでカム溝とトラバースガイドを潤滑している。
【0015】
図5は、ヤーンガイドを示す図である。このヤーンガイドは、巻き取る糸が自動的にガイドへ入るように先端形状をRとしている。糸の接触部は糸のダメージや地震の摩耗を防ぐため、セラミックを使用している。
【0016】
図6は、ガイド機構4のテンションデバイスを示す図である。このテンションデバイスは、巻取中の糸に張力を与えるとともにスピンドル2の回転制御をするための装置である。糸へのダメージを減らすためガイドローラを使用しており、トラバースによる糸長さの変動を抑制するため、ダンサーアーム構成としている。
【0017】
図7は、ガイド機構4のガイドローラを示す図である。このガイドローラは、糸くずがベアリングに混入しないようにカバーを設けている。
【0018】
図8は、図6のガイド機構4のダンサーデバイスを示す別図である。このダンサーデバイスは、ダンサーアームの位置を検出するためのセンサが設けられている。糸へ張力を安定的に付加するために低摺動のCYLを使用している。付加張力範囲を変更できるようにアーム長さを変更できるようになっている。
【0019】
図9は、スピンドル3のボビンホルダを示す図である。このボビンホルダは、糸条を巻き取る際の張力や速度に対してパッケージが余裕を持って把持されるために、個別にバネ力がかかるように設計され、把持部分は摩擦力の高い材質が使用される。
【0020】
図10は、プッシュレバーアセンブリを示す図である。このプッシュレバーアセンブリは、ボビンホルダにボビンを把持・解除させるためのエアシリンダが使用されており、スピンドルの回転中は回転物に接触しない機構となっている。
【0021】
図11は、プッシャーアセンブリを示す図である。このプッシャーアセンブリは、100kg以上にもなるパッケージを手前に押し出すための装置である。シリンダーに位置センサを設けて押し出し中などにスピンドルが回転しないようにインターロックを設けている。
【0022】
図12は、サクションアセンブリを示す図である。
【0023】
図13は、スピンドル2を示す図である。このスピンドル2は、フレーム1から正面側に突出する態様で片持ち支持されており、パッケージの重量に対して十分な強度を有している。
【0024】
図14は、スピンドル駆動部を示す図である。このスピンドル駆動部は、スピンドル2を回転させるための装置である。
【0025】
図15は、エンコーダを示す図である。このエンコーダは、スピンドル2の回転を検出し制御に使用するための装置である。
【0026】
図16は、カムボックススライドアッセンブリを示す図である。このカムボックススライド機構は、パッケージの巻径に合わせてカムボックスを横方向にスライドさせる。
【0027】
図17は、パッケージ径検出アッセンブリを示す図である。このパッケージ径検出アッセンブリは、ボビンホルダに装着されたパッケージ(糸巻体)のパッケージ径を検出する。
【0028】
図18は、カム駆動部を示す図である。このカム駆動部は、カムを回転させるための装置であって、カバーにより内部に糸屑が混入することを防止するようになっている。
【0029】
図19は、ドッグアセンブリを示す図である。このドッグアセンブリは、カムボックスの右方向に移動させないための装置であって、左方向への移動は自由であって、振動抑制の機能も有する。
【0030】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0031】
1…フレーム
2…スピンドル
3…トラバース機構
4…ガイド機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19