(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004573
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
B62D 55/10 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
B62D55/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104231
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 篤志
(72)【発明者】
【氏名】池田 直哉
(57)【要約】
【課題】クローラユニットのトレッド変更を行うことができる作業車両に適した技術を提供する。
【解決手段】例示的な作業車両は、車体フレームと、前記車体フレームの左右に配置されるクローラユニットと、左右の前記クローラユニットの間隔を変更するトレッド変更機構と、を備える。前記クローラユニットは、前記車体フレームに取り付けられるトラックフレームを有する。前記トレッド変更機構は、前記トラックフレームの左右方向の位置を調整可能とするフレーム位置調整機構を含む。前記フレーム位置調整機構は、前記車体フレームに設けられる車体フレーム連結部と、前記トラックフレームに設けられ、前記車体フレーム連結部に対して左右方向の位置を調整可能に連結される第1トラックフレーム連結部と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームと、
前記車体フレームの左右に配置されるクローラユニットと、
左右の前記クローラユニットの間隔を変更するトレッド変更機構と、
を備え、
前記クローラユニットは、前記車体フレームに取り付けられるトラックフレームを有し、
前記トレッド変更機構は、前記トラックフレームの左右方向の位置を調整可能とするフレーム位置調整機構を含み、
前記フレーム位置調整機構は、
前記車体フレームに設けられる車体フレーム連結部と、
前記トラックフレームに設けられ、前記車体フレーム連結部に対して左右方向の位置を調整可能に連結される第1トラックフレーム連結部と、
を有する、作業車両。
【請求項2】
前記車体フレームに支持される変速装置が有する駆動軸と、
前記駆動軸の外周を覆い、前記トラックフレームに連結される駆動軸ケースと、
を備え、
前記フレーム位置調整機構は、
前記駆動軸ケースに設けられるケース連結部と、
前記トラックフレームに設けられ、前記ケース連結部に対して左右方向の位置を調整可能に連結される第2トラックフレーム連結部と、
を有する、請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記ケース連結部は、前記駆動軸ケースに着脱可能に設けられる、請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記車体フレームは、
左右方向に延びる第1横フレームと、
前記第1横フレームよりも後方に配置され、左右方向に延びる第2横フレームと、
を有し、
前記車体フレーム連結部は、
前記第1横フレームに設けられる第1車体フレーム連結部と、
前記第2横フレームに設けられる第2車体フレーム連結部と、
を有し、
前記第1トラックフレーム連結部は、
前記第1車体フレーム連結部に左右方向の位置を調整可能に連結される前側第1トラックフレーム連結部と、
前記第2車体フレーム連結部に左右方向の位置を調整可能に連結される後側第1トラックフレーム連結部と、
を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の作業車両。
【請求項5】
前記第1車体フレーム連結部と前記前側第1トラックフレーム連結部との連結構造と、前記第2車体フレーム連結部と前記後側第1トラックフレーム連結部との連結構造とは、互いに異なる、請求項4に記載の作業車両。
【請求項6】
前記車体フレームに支持される変速装置が有する駆動軸と、
前記駆動軸の外周を覆う駆動軸ケースと、
を備え、
前記クローラユニットは、前記駆動軸と一体回転する駆動輪を有し、
前記トレッド変更機構は、前記駆動軸に対する前記駆動輪の左右方向の取付位置を調整可能とする駆動輪位置調整機構を含み、
前記駆動軸は、前記駆動軸ケースよりも左右方向外方に延び、
前記駆動輪位置調整機構は、前記駆動軸ケースの左右方向外方の一端部と、前記駆動軸の左右方向外方の一端部との間で前記駆動輪の取付位置を調整可能とする、請求項1に記載の作業車両。
【請求項7】
前記駆動輪位置調整機構は、前記駆動軸ケースの左右方向外方の一端部と、前記駆動軸の左右方向外方の一端部との間に少なくとも1つの間座部材を有し、
前記駆動輪と前記間座部材とは、前記駆動軸における左右方向の位置を変更可能に設けられる、請求項6に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の左右にクローラユニットを備える作業車両が知られる(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、畝溝(畝と畝との間の溝)間の間隔の広狭に対応すべく、左右のクローラユニットの間隔(トレッド)を変更することができる技術が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クローラユニットのトレッドの変更をできるだけ簡単に行うことができる技術が望まれている。また、トレッド変更によって得ることができるトレッドの選択肢を多くすることができると便利であると考えられる。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、クローラユニットのトレッド変更を行うことができる作業車両に適した技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な作業車両は、車体フレームと、前記車体フレームの左右に配置されるクローラユニットと、左右の前記クローラユニットの間隔を変更するトレッド変更機構と、を備える。前記クローラユニットは、前記車体フレームに取り付けられるトラックフレームを有する。前記トレッド変更機構は、前記トラックフレームの左右方向の位置を調整可能とするフレーム位置調整機構を含む。前記フレーム位置調整機構は、前記車体フレームに設けられる車体フレーム連結部と、前記トラックフレームに設けられ、前記車体フレーム連結部に対して左右方向の位置を調整可能に連結される第1トラックフレーム連結部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本発明によれば、クローラユニットのトレッド変更を行うことができる作業車両に適した技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】左右のクローラユニットと変速装置とを抽出して示した概略斜視図
【
図3】トラクタが備えるトレッド変更機構の概要を説明するため図
【
図4】トラックフレームに対して設けられるフレーム位置調整機構について説明するための図
【
図5A】第1車体フレーム連結部の構成を説明するための模式図
【
図5B】前側第1トラックフレーム連結部の構成を説明するための模式図
【
図6】第2車体フレーム連結部の構成を説明するための模式図
【
図7】駆動軸ケースとトラックフレームとの関係を示す概略斜視図
【
図8A】ケース連結部の構成を説明するための模式図
【
図8B】第2トラックフレーム連結部の構成を説明するための模式図
【
図9A】トレッドが1140mmである場合の調整孔の使用位置を示す図
【
図9B】トレッドが1140mmである場合の調整孔の使用位置を示す図
【
図9C】トレッドが1140mmである場合の調整孔の使用位置を示す図
【
図10A】トレッドが1170mmである場合の調整孔の使用位置を示す図
【
図10B】トレッドが1170mmである場合の調整孔の使用位置を示す図
【
図10C】トレッドが1170mmである場合の調整孔の使用位置を示す図
【
図11A】トレッドが1200mmである場合の調整孔の使用位置を示す図
【
図11B】トレッドが1200mmである場合の調整孔の使用位置を示す図
【
図11C】トレッドが1200mmである場合の調整孔の使用位置を示す図
【
図12】クローラユニットが有する駆動輪位置調整機構について説明するための図
【
図13】
図12に示す状態から駆動輪の位置が変更された第1の例を示す図
【
図14】
図12に示す状態から駆動輪の位置が変更された第2の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、作業車両はトラクタである。ただし、作業車両は、トラクタに限らず、クローラユニットを備える他の農業車両や建設車両等であってもよい。
【0010】
また、本明細書では、方向を以下のように定義する。まず、作業車両としてのトラクタが作業時に進行する進行方向を「前」とし、その逆方向を「後」とする。また、トラクタの作業時の進行方向に向かって右側を右とし、左側を左とする。そして、トラクタの前後方向および左右方向に垂直な方向を上下方向とする。このとき、重力方向を下とし、その反対側を上とする。また、トラクタ1の左側において、左右方向外方は左方であり、左右方向内方は右方である。また、トラクタ1の右側において、左右方向外方は右方であり、左右方向内方は左方である。なお、以上の方向は単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定する意図はない。
【0011】
<1.トラクタの概要>
図1は、本実施形態に係るトラクタ1の概略の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、トラクタ1は、車体2と、クローラユニット3と、作業機4とを備える。
【0012】
車体2は、車体フレーム5を有する。すなわち、トラクタ1は車体フレーム5を備える。車体フレーム5は、エンジン6および変速装置7を支持する。エンジン6は、車体2の前部に、ボンネット8に覆われて配置される。エンジン6は、トラクタ1の駆動源である。本実施形態では、エンジン6は、ディーゼルエンジンである。ただし、エンジン6はガソリンエンジンであってもよい。また、トラクタ1の駆動源は、電動モータなどのエンジン以外の駆動源であってもよい。変速装置7は、エンジン6の後方に配置される。エンジン6の動力は、変速装置7で変速された後、クローラユニット3に伝達される。
【0013】
車体2は、運転部9を有する。運転部9は、エンジン6の後方、且つ、変速装置7の上方に配置される。運転部9は、運転者(オペレータ)が搭乗する部分である。運転部9は、運転座席10と、運転座席10の前方に配置されるステアリングホイール11とを有する。また、運転部9は、運転座席10の後部にロプス12を有する。ロプス12が設けられることにより、トラクタ1の転倒時に運転者を保護することができる。運転部9は、その他、操作レバーやペダル(いずれも不図示)等を有する。
【0014】
クローラユニット3は、車体フレーム5の左右に配置される。すなわち、作業車両1は、詳細には、左クローラユニット3Lと右クローラユニット3Rとを備える。
図2は、本発明の実施形態に係る作業車両1が備える左右のクローラユニット3L、3Rと変速装置7とを抽出して示した概略斜視図である。なお、
図2には、車体フレーム5の一部も示されている。
【0015】
左クローラユニット3Lと右クローラユニット3Rとは、同様の構成を有する。このため、左右のクローラユニット3L、3Rの構成を説明するにあたって、特に左右の区別を行う必要がない場合には、単にクローラユニット3として、その構成の説明を行う。
図2に示すように、クローラユニット3は、トラックフレーム31と、駆動輪32と、一対のアイドラ33と、複数の遊転輪34と、クローラベルト35とを有する。
【0016】
トラックフレーム31は、車体フレーム5に対して左右方向外方に配置される。なお、左クローラユニット3Lのトラックフレーム31は、車体フレーム5に対して左側に配置される。また、右クローラユニット3Rのトラックフレーム31は、車体フレーム5に対して右側に配置される。トラックフレーム31は、前後方向に延びる柱状である。詳細には、トラックフレーム31は四角筒状である。トラックフレーム31は、車体フレーム5に取り付けられる。トラックフレーム31は、一対のアイドラ33および複数の遊転輪34を支持する。
【0017】
駆動輪32について説明するに際して、
図1および
図2を参照して変速装置7に関する説明を簡単にしておく。変速装置7は、前側を車体フレーム5に連結される。変速装置7は、後側をトラックフレーム31に連結される。詳細には、
図2に示すように、変速装置7は、後方に左右方向外方に突出する駆動軸ケース71を有する。この駆動軸ケース71がトラックフレーム31に連結される。後述の
図3に示すように、駆動軸ケース71は、左右方向に延びる駆動軸72の外周を覆う。すなわち、トラクタ1は、車体フレーム5に支持される変速装置7が有する駆動軸72を備える。トラクタ1は、駆動軸72の外周を覆う駆動軸ケース71を備える。トラクタ1は、駆動軸72の外周を覆い、トラックフレーム31に連結される駆動軸ケース71を備える。
【0018】
なお、駆動軸ケース71は、詳細には、変速装置7の後方において、左方に突出する左駆動軸ケース71Lと、右方に突出する右駆動軸ケース71Rとを含む。左駆動軸ケース71Lは、左クローラユニット3Lが有するトラックフレーム31に連結される。右駆動軸ケース71Rは、右クローラユニット3Rが有するトラックフレーム31に連結される。左駆動軸ケース71Lは、変速装置7の後方左側に配置される左駆動軸72Lを覆う。右駆動軸ケース71Rは、変速装置7の後方右側に配置される右駆動軸72Rを覆う。
【0019】
駆動輪32は、トラックフレーム31の後部の上方に配置される。駆動輪32は、駆動軸72に固定された状態で取り付けられる。駆動輪32は、駆動軸72と一体回転する。詳細には、左クローラユニット3Lが有する駆動輪32は、左駆動軸72Lと一体回転する。右クローラユニット3Rが有する駆動輪32は、右駆動軸72Rと一体回転する。駆動輪32は、いわゆるスプロケットとして構成されてよい。
【0020】
一対のアイドラ33のうち一方は、トラックフレーム31の前方に配置される。当該前方に配置されるアイドラ33は、トラックフレーム31の前端に固定されたアイドラ支持フレーム36によって回動可能に支持される。一対のアイドラ33のうち他方は、トラックフレーム31の後方に配置される。当該後方に配置されるアイドラ33は、トラックフレーム31の後端に固定されたアイドラ支持フレーム36によって回動可能に支持される。
【0021】
複数の遊転輪34は、トラックフレーム31の下方に配置される。複数の遊転輪34は、一対のアイドラ33の前後方向間に、前後に並べられて配置される。複数の遊転輪34のそれぞれは、イコライザフレーム37を介してトラックフレーム31に取り付けられる。イコライザフレーム37は、左右方向に延びる軸部37aを中心して回動可能に設けられる。イコライザフレーム37は、軸部37aの前方と後方とにおいて、各1つの遊転輪34を回動可能に支持する。イコライザフレーム37が左右方向に延びる軸部37aに対して回動可能であるために、イコライザフレーム37に支持される各遊転輪34は上下動を行うことができる。
【0022】
なお、本実施形態では、一例として、複数の遊転輪34の数は4つである。各イコライザフレーム37は、2つの遊転輪34を支持することができるために、イコライザフレーム37の数は2つである。遊転輪34の数は適宜変更可能であり、これに応じて、イコライザフレーム37の数も変更してよい。
【0023】
クローラベルト35は、無端帯状に構成される。クローラベルト35は、例えばゴム等によって構成される。クローラベルト35は、駆動輪32、一対のアイドラ33、および、複数の遊転輪34に亘って巻かれている。クローラベルト35の内周には、駆動輪32の外周と係合する突起が、周方向に適宜の間隔で、周方向全体に亘って設けられる。
【0024】
駆動輪32に駆動軸72を介してエンジン6からの動力が伝達されると、駆動輪32の回転に連動してクローラベルト35が回転する。詳細には、左駆動軸72Lを介してエンジン6からの動力が伝えられた駆動輪32は、左のクローラユニット3Lを駆動する。右駆動軸72Rを介してエンジン6からの動力が伝えられた駆動輪32は、右のクローラユニット3Rを駆動する。トラクタ1は、左右のクローラユニット3L、3Rを用いて、車体2を走行させることができる。
【0025】
図1に戻って、作業機4は、車体2の前方に設けられる前方作業機である。作業機4は、不図示の昇降シリンダによって昇降可能に設けられる。作業機4は、車体2に対して着脱可能に設けられる。作業機4の種類、特に限定されないが、本実施形態では、作業機4はデバイダである。デバイダ4は、トラクタ1の走行時にクローラユニット3の前方にある茎葉を左右に分ける。デバイダ4は、例えば、畝間に横たわった玉ねぎ等の農作物の茎葉を、畝間を通るクローラユニット3に踏まれないように、畝間の左右に分ける用途に使用される。なお、デバイダ4は、詳細には、左クローラユニット3Lの前方に配置される左デバイダ4Lと、右クローラユニット3Rの前方に配置される右デバイダ4Rとを含む。
【0026】
トラクタ1の後部には、連結装置13およびPTO(PowerTake-Off)軸14(
図2参照)が設けられる。連結装置13は、例えば3点リンク機構等を備え、圃場等に対して作業を行う後方作業機を昇降可能に連結する。PTO軸14は、エンジン6からの動力を、変速装置7を介してトラクタ1の外部に取り出して伝達する。連結装置13に連結された後方作業機は、PTO軸14から伝達される動力により駆動される。後方作業機は、例えば、玉ねぎ等の農作物の収穫を行う収穫機や、根切りを行う根切り機等であってよい。
【0027】
以上のように構成される作業車両1は、左右のクローラユニット3の間隔を変更するトレッド変更機構を備える。すなわち、本実施形態では、トレッド変更機構によって、左クローラユニット3Lと右クローラユニット3Rとの左右方向の間隔を調整可能となっている。以下、トレッド変更機構の詳細について説明する。
【0028】
<2.トレッド変更機構>
図3は、本発明の実施形態に係るトラクタ1が備えるトレッド変更機構100の概要を説明するため図である。
図3に示すように、トレッド変更機構100は、フレーム位置調整機構110を含む。また、トレッド変更機構100は、駆動輪位置調整機構120を含む。なお、駆動輪位置調整機構120は、例えば駆動輪32の左右方向の幅が広く、トレッドの変更に伴って駆動輪32の左右方向の位置を調整する必要がない場合等には設けられなくてもよい。
【0029】
[2-1.フレーム位置調整機構]
フレーム位置調整機構110は、トラックフレーム31の左右方向の位置を調整可能とする。詳細には、フレーム位置調整機構110は、車体フレーム5に対するトラックフレーム31の左右方向の取付位置を調整可能とする。また、本実施形態では、トラックフレーム31は、駆動軸ケース71に取り付けられる。このために、フレーム位置調整機構110は、駆動軸ケース71に対するトラックフレーム31の左右方向の取付位置を調整可能とする。
【0030】
フレーム位置調整機構110は、詳細には、左クローラユニット3Lが有するトラックフレーム31用の左フレーム位置調整機構と、右クローラユニット3Rが有するトラックフレーム31用の右フレーム位置調整機構とを有する。左フレーム位置調整機構と右フレーム位置調整機構とは同じ構成である。このために、以下においては、特に必要がある場合を除き、左フレーム位置調整機構の場合を代表例として説明し、右フレーム位置調整機構の構成の説明は省略する。
【0031】
図4は、左クローラユニット3Lが有するトラックフレーム31に対して設けられるフレーム位置調整機構110について説明するための図である。
図4は、トラックフレーム31と車体フレーム5との連結が解除され、両者が分解された状態を示す。
図4に示すように、フレーム位置調整機構110は、車体フレーム連結部111と第1トラックフレーム連結部112とを有する。
【0032】
車体フレーム連結部111は、車体フレーム5に設けられる。なお、詳細には、車体フレーム5は、第1横フレーム51と第2横フレーム52とを有する。第1横フレーム51と第2横フレーム52とは、左右方向に延びる。第2横フレーム52は、第1横フレーム51よりも後方に配置される。第1横フレーム51は、車体2の前側に配置される。第2横フレーム52は、車体2の後側に配置される。第1横フレーム51と第2横フレーム52とは、前後に間隔をあけて配置される。車体フレーム連結部111は、第1横フレーム51に設けられる第1車体フレーム連結部111Aと、第2横フレーム52に設けられる第2車体フレーム連結部111Bとを有する。
【0033】
詳細には、第1車体フレーム連結部111Aは、第1横フレーム51の左右方向の端部に設けられる。なお、左右のクローラユニット3L、3Rに対してフレーム位置調整機構110が設けられるために、第1横フレーム51の左右の両端部に第1車体フレーム連結部111Aが設けられる。また、第2車体フレーム連結部111Bは、第2横フレーム52の左右方向の端部に設けられる。なお、左右のクローラユニット3L、3Rに対してフレーム位置調整機構110が設けられるために、第2横フレーム52の左右の両端部に第2車体フレーム連結部111Bが設けられる。
【0034】
第1トラックフレーム連結部112は、トラックフレーム31に設けられる。第1トラックフレーム連結部112は、車体フレーム連結部111に対して左右方向の位置を調整可能に連結される。車体フレーム連結部111と、第1トラックフレーム連結部112との左右方向の連結位置の調整によって、左右のトラックフレーム31の左右方向の間隔を変更することができる。すなわち、車体フレーム連結部111と、第1トラックフレーム連結部112との左右方向の連結位置の調整によって、クローラユニット3R、3Lのトレッドを変更することができる。
【0035】
本実施形態では、車体フレーム連結部111が、前後に並んで配置される第1車体フレーム連結部111Aと第2車体フレーム連結部111Bとを含む。このために、第1トラックフレーム連結部112は、前側第1トラックフレーム連結部112Aと、後側第1トラックフレーム連結部112Bとを有する。前側第1トラックフレーム連結部112Aは、第1車体フレーム連結部111Aに左右方向の位置を調整可能に連結される。後側第1トラックフレーム連結部112Bは、第2車体フレーム連結部111Bに左右方向の位置を調整可能に連結される。
【0036】
エンジン6および変速装置7を支持する第1横フレーム51だけでなく、第1横フレーム51と第2横フレーム52とにトラックフレーム31を連結することで、トラクタ1を構成するフレーム構造の剛性を向上することができる。そして、このような剛性の向上が図れた構成において、車体フレーム5に設けられる連結部111A、111Bと、トラックフレームに設けられる連結部112A、112Bとの左右方向の位置を調整することにより、簡単にトレッド変更を行うことができる。なお、第2横フレーム52は必須ではなく、第2横フレーム52が設けられない場合には、第2車体フレーム連結部111Bおよび後側第1トラックフレーム連結部112Bは設けられなくてよい。
【0037】
詳細には、前側第1トラックフレーム連結部112Aは、トラックフレーム31の左右方向の内方に配置される。本実施形態では、前側第1トラックフレーム連結部112Aは、トラックフレーム31に溶接を用いて設けられる。ただし、前側第1トラックフレーム連結部112Aは、トラックフレーム31に溶接以外の手法で設けられてもよいし、トラックフレーム31と一体形成されてもよい。なお、左右のクローラユニット3L、3Rに対してフレーム位置調整機構110が設けられるために、前側第1トラックフレーム連結部112Aも左右に設けられる。左クローラユニット3Lにおいては、トラックフレーム31の右方に前側第1トラックフレーム連結部112Aが配置される。右クローラユニット3Rにおいては、トラックフレーム31の左方に前側第1トラックフレーム連結部112Aが配置される。左右の前側第1トラックフレーム連結部112Aは、車体2に対して左右対称に設けられる。
【0038】
また、後側第1トラックフレーム連結部112Bは、トラックフレーム31の上面に配置される。本実施形態では、後側第1トラックフレーム連結部112Bは、トラックフレーム31に溶接を用いて設けられる。ただし、後側第1トラックフレーム連結部112Bは、トラックフレーム31に溶接以外の手法で設けられてよいし、トラックフレーム31と一体形成されてもよい。なお、左右のクローラユニット3L、3Rに対してフレーム位置調整機構110が設けられるために、後側第1トラックフレーム連結部112Bも左右に設けられる。左右の後側第1トラックフレーム連結部112Bは、車体2に対して左右対称に設けられる。
【0039】
図5Aは、第1車体フレーム連結部111Aの構成を説明するための模式図である。
図5Bは、前側第1トラックフレーム連結部112Aの構成を説明するための模式図である。
図5Aおよび
図5Bに示すように、両連結部111A、112Aには、調整孔201が設けられる。互いの調整孔201同士を上下に重ねる場合の組合せの仕方の選択により、トラックフレーム31の位置の調整が可能になっている。いずれの調整孔201同士を重ねるかが決められると、調整孔201にボルト202(
図4等参照)が挿入され、連結部同士の固定が行われる。なお、両連結部111A、112Aに設けられる調整孔201のサイズは、互いに同じでも異なってもよい。
【0040】
第1車体フレーム連結部111Aは、第1横フレーム51の左右方向の端部に設けられる平板状の部分により構成される。第1車体フレーム連結部111Aは、その上面が上下方向と直交する向きに配置される。第1車体フレーム連結部111Aは、その上面に上下方向に貫通する調整孔201を有する。
図5Aに示すように、本実施形態では、第1車体フレーム連結部111Aは、左右方向に間隔3X(長さXの3倍)をあけて配置される2つの調整孔201で構成される調整孔列HCを3つ有する。3つの調整孔列HCは、左右方向の位置を同じとして前後方向に等間隔で並ぶ。なお、長さ3Xは、調整孔201に入れられたボルト202の頭部同士が接触しない長さである。調整孔列HCの前後方向の間隔は、不都合が生じない範囲で適宜決定されてよい。
【0041】
前側第1トラックフレーム連結部112Aは、
図3および
図4に示すように、トラックフレーム31の左右方向の内面から左右方向内方且つ上方に向けて斜めに延びる第1支持部311に支持される。前側第1トラックフレーム連結部112Aは、上下方向と直交する平面である上面を有する。なお、前側第1トラックフレーム連結部112Aは、第1支持部311を含む構成であってよい。
【0042】
本実施形態では、前側第1トラックフレーム連結部112Aの上面は、トラックフレーム31の上面よりも高い位置に位置する。
図5Bに示すように、前側第1トラックフレーム連結部112Aは、その上面に、上下方向に貫通する調整孔201を有する。本実施形態では、前側第1トラックフレーム連結部112Aは、左右方向に互いに間隔2X(長さXの2倍)をあけて配置される3つの調整孔201で構成される調整孔列HCを3つ有する。3つの調整孔列HCは、前後方向に等間隔で並ぶ。最前列と最後列との間で、調整孔列HCを構成する調整孔201の左右方向の位置は同じである。ただし、前後方向の真ん中に配置される調整孔列HCを構成する調整孔201は、最前列と最後列における調整孔201と比べて、左右方向外方(
図5Bでは左方)に長さXずれて配置されている。なお、調整孔列HCの前後方向の間隔は、第1車体フレーム連結部111Aに設けられる調整孔列HCの前後方向の間隔と同じである。
【0043】
このように構成される第1車体フレーム連結部111Aと前側第1トラックフレーム連結部112Aとを利用した位置調整の詳細については後述する。なお、各連結部111A、112Aに設けられる調整孔201の数や配置については例示であり、適宜変更されてよい。
【0044】
図6は、第2車体フレーム連結部111Bの構成を説明するための模式図である。
図4および
図6に示すように、第2車体フレーム連結部111Bと、後側第1トラックフレーム連結部112Bには、調整孔201が設けられる。互いの調整孔201同士を上下に重ねる場合の組合せの仕方の選択により、トラックフレーム31の位置の調整が可能になっている。いずれの調整孔201同士を重ねるかが決められると、調整孔201にボルト202(
図4等参照)を挿入して、連結部同士の固定が行われる。なお、両連結部111B、112Bに設けられる調整孔201のサイズは、互いに同じでも異なってもよい。
【0045】
第2車体フレーム連結部111Bは、第2横フレーム52の左右方向の端部に設けられる平板状の部分により構成される。第2車体フレーム連結部111Bは、その上面が上下方向と直交する向きに配置される。第2車体フレーム連結部111Bは、その上面に上下方向に貫通する調整孔201を有する。
図6に示すように、本実施形態では、第2車体フレーム連結部111Bは、左右方向に間隔2X(長さXの2倍)をあけて配置される2つの調整孔201で構成される調整孔列HCを2つ有する。2つの調整孔列HCは、左右方向の位置を同じとして前後方向に並ぶ。なお、調整孔列HCの前後方向の間隔は、不都合が生じない範囲で適宜決定されてよい。
【0046】
後側第1トラックフレーム連結部112Bは、
図4に示すように、左右方向からの平面視において門型形状の部材313の上部の平板状部分により構成される。門型形状の部材313は、トラックフレーム31の上面に溶接等により設けられる。後側第1トラックフレーム連結部112Bは、上下方向と直交する平面である上面を有する。なお、後側第1トラックフレーム連結部112Bは、門型形状の部材313の全体を含む構成であってよい。後側第1トラックフレーム連結部112Bは、その上面に上下方向に貫通する調整孔201を有する。
図4に示すように、本実施形態では、後側第1トラックフレーム連結部112Bは、前後に並ぶ2つの調整孔201を有する。2つの調整孔201の前後方向の間隔は、第2車体フレーム連結部111Bに設けられる調整孔列HCの前後方向の間隔と同じである。
【0047】
このように構成される第2車体フレーム連結部111Bと後側第1トラックフレーム連結部112Bとを利用した位置調整の詳細については後述する。なお、各連結部111B、112Bに設けられる調整孔201の数や配置については例示であり、適宜変更されてよい。
【0048】
以上からわかるように、第1車体フレーム連結部111Aと前側第1トラックフレーム連結部112Aとの連結構造と、第2車体フレーム連結部111Bと後側第1トラックフレーム連結部112Bとの連結構造とは、互いに異なる。このように構成することで、トレッド変更機構100の構成が複雑となることを抑制して、トレッドの変更作業の負担を軽減することができる。これについては、後述する。
【0049】
上述の
図4においては、トラックフレーム31と駆動軸ケース71との連結が解除され、両者が分解された状態も示している。すなわち、本実施形態では、トレッド変更には、トラックフレーム31と駆動軸ケース71との位置関係の調整も含む。以下、これについて説明する。なお、トラックフレーム31が駆動軸ケース71と連結されない構成においては、トレッド変更のために以下で説明する位置調整は行われなくてよい。
【0050】
図7は、駆動軸ケース71とトラックフレーム31との関係を示す概略斜視図である。なお、
図7に示す駆動軸ケース71は、詳細には左駆動軸72Lを覆う左駆動軸ケース71Lである。また、
図7に示すトラックフレーム31は、左クローラユニット3Lが有するトラックフレームである。
図4および
図7に示すように、本実施形態においては、フレーム位置調整機構110は、ケース連結部113と第2トラックフレーム連結部114とをさらに有する。
【0051】
図7に示すように、ケース連結部113は、駆動軸ケース71に設けられる。本実施形態では、ケース連結部113は、駆動軸ケース71に着脱可能に設けられる。このような構成とすると、駆動軸ケース71に調整機構を設けるスペースが少ない場合でも、適切に調整機構を設けることができる。本実施形態においては、ケース連結部113は、ボルト202を用いて駆動軸ケース71に固定可能に設けられるが、他の手法により固定されてもよい。
【0052】
なお、ケース連結部113は、駆動軸ケース71と別部材とせず、駆動軸ケース71自体に設けられてもよい。また、左右のクローラユニット3L、3Rに対してフレーム位置調整機構110が設けられるために、フレーム位置調整機構110には、左駆動軸ケース71L用のケース連結部113と、右駆動軸ケース71R用のケース連結部113とが含まれる。
【0053】
図4および
図7に示すように、 第2トラックフレーム連結部114は、トラックフレーム31に設けられる。第2トラックフレーム連結部114は、ケース連結部113に対して左右方向の位置を調整可能に連結される。ケース連結部113と、第2トラックフレーム連結部114との左右方向の連結位置の調整によって、左右のトラックフレーム31の左右方向の間隔を変更することができる。すなわち、ケース連結部113と、第2トラックフレーム連結部114との左右方向の連結位置の調整によって、左右のクローラユニット3R、3Lのトレッドを変更することができる。
【0054】
詳細には、第2トラックフレーム連結部114は、トラックフレーム31の左右方向の内方に配置される。本実施形態では、第2トラックフレーム連結部114は、トラックフレーム31に溶接を用いて設けられる。ただし、第2トラックフレーム連結部114は、トラックフレーム31に溶接以外の手法で設けられてもよいし、トラックフレーム31と一体形成されてもよい。なお、左右のクローラユニット3L、3Rに対してフレーム位置調整機構110が設けられるために、第2トラックフレーム連結部114も左右に設けられる。左クローラユニット3Lにおいては、トラックフレーム31の右方に第2トラックフレーム連結部114が配置される。右クローラユニット3Rにおいては、トラックフレーム31の左方に第2トラックフレーム連結部114が配置される。左右の第2トラックフレーム連結部114は、車体2に対して左右対称に設けられる。
【0055】
図8Aは、ケース連結部113の構成を説明するための模式図である。
図8Bは、第2トラックフレーム連結部114の構成を説明するための模式図である。
図8Aおよび
図8Bに示すように、両連結部113、114には、調整孔201が設けられる。互いの調整孔201同士を上下に重ねる場合の組合せの仕方の選択により、トラックフレーム31の位置の調整が可能になっている。いずれの調整孔201同士を重ねるかが決められると、調整孔201にボルト202(
図4等参照)が挿入され、連結部同士の固定が行われる。なお、両連結部113、114に設けられる調整孔201のサイズは、互いに同じでも異なってもよい。
【0056】
ケース連結部113は、平板状の部材であり、その上面は、上下方向と直交する。ケース連結部113は、上下方向に貫通する調整孔201を有する。
図8Aに示すように、本実施形態では、ケース連結部113は、左右方向に間隔3X(長さXの3倍)をあけて配置される2つの調整孔201で構成される調整孔列HCを4つ有する。4つの調整孔列HCは、左右方向の位置を同じとして前後方向に並ぶ。4つの調整孔列HCのうち、前側2つと後側2つとは、ケース連結部113を構成する矩形平板状部材を前後方向に二等分する二等分線を基準として対称配置される。
【0057】
なお、調整孔列HCの前後方向の間隔は、不都合が生じない範囲で適宜決定されてよい。また、本実施形態では、ケース連結部113は、駆動軸ケース71と連結するための連結孔203を有する。連結孔203は、ケース連結部113を上下方向に貫通する。連結孔203は、一例として、最前列を構成する2つの調整孔201の左右方向間と、最後列を構成する2つの調整孔201の左右方向間とに配置される。
【0058】
第2トラックフレーム連結部114は、
図3および
図4に示すように、トラックフレーム31の上面から左右方向内方且つ上方に向けて斜めに延びる第2支持部312に支持される。第2トラックフレーム連結部114は、上下方向と直交する平面である上面を有する。なお、第2トラックフレーム連結部114は、第2支持部312を含む構成であってよい。
【0059】
本実施形態では、第2トラックフレーム連結部114の上面は、前側第1トラックフレーム連結部112Aの上面、および、後側第1トラックフレーム連結部112Bの上面よりも高い位置に位置する。
図8Bに示すように、第2トラックフレーム連結部114は、その上面に、上下方向に貫通する調整孔201を有する。本実施形態では、第2トラックフレーム連結部114は、左右方向に互いに間隔2X(長さXの2倍)をあけて配置される3つの調整孔201で構成される調整孔列HCを4つ有する。4つの調整孔列HCは、前後方向に並ぶ。最前列と最後列との間で、調整孔列HCを構成する調整孔201の左右方向の位置は同じである。また、前から2番目と3番目の調整孔列HCを構成する調整孔201の左右方向の位置は同じである。前から2番目に配置される調整孔列HCを構成する調整孔201は、最前列を構成する調整孔201と比べて、左右方向外方(
図8Bでは左方)に長さXずれて配置されている。4つの調整孔列HCのうち、前側2つと後側2つとは、第2トラックフレーム連結部114の矩形状の上面を前後方向に二等分する二等分線を基準として対称配置される。なお、調整孔列HCの前後方向の間隔は、ケース連結部113に設けられる調整孔列HCの前後方向の間隔と同じである。
【0060】
このように構成されるケース連結部113と第2トラックフレーム連結部114とを利用した位置調整の詳細については後述する。なお、各連結部113、114に設けられる調整孔201の数や配置については例示であり、適宜変更されてよい。例えば、ケース連結部113と第2トラックフレーム連結部114とに設けられる調整孔201の構成は、第1車体フレーム連結部111Aと前側第1トラックフレーム連結部112Aとに設けられる調整孔の構成と同様としてもよい。
【0061】
次に、左右のクローラユニット3L、3Rのトレッドの変更時のフレーム位置調整機構110の使用例について、具体例を挙げて説明する。ここでは、一例として、トラクタ1が、トレッドを1140mm、1170mm、および、1200mmに変更できることとする。本例では、上述した間隔X(
図5A等参照)は15mmである。なお、トレッド変更は、デバイダ4およびクローラベルト35を外して行われる。
【0062】
図9A、
図9B、および、
図9Cは、トレッドが1140mmである場合の調整孔201の使用位置を示す図である。詳細には、
図9Aは、第1車体フレーム連結部111Aおよび前側第1トラックフレーム連結部112Aにおける調整孔201の使用位置を示す図である。
図9Bは、第2車体フレーム連結部111Bおよび後側第1トラックフレーム連結部112Bにおける調整孔201の使用位置を示す図である。
図9Cは、ケース連結部113および第2トラックフレーム連結部114における調整孔201の使用位置を示す図である。
図9A、
図9B、および、
図9Cにおいて、使用される調整孔201はハッチングを施して示されている。
【0063】
なお、
図9A、
図9B、および、
図9Cは、左クローラユニット3Lの場合を例に示しているが、右クローラユニット3Rの場合も同様である。また、上述の
図3や
図4等は、トレッドが1140mmの場合の構成を示している。
【0064】
図9Aに示すように、第1車体フレーム連結部111Aにおいては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向内方にある調整孔201、並びに、真ん中の調整孔列HCの左右方向外方の調整孔201が使用される。前側第1トラックフレーム連結部112Aにおいては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向真ん中にある調整孔201、並びに、真ん中の調整孔列HCの左右方向最外方の調整孔201が使用される。
【0065】
図9Bに示すように、第2車体フレーム連結部111Bにおいては、前後の調整孔列HCの左右方向内方にある調整孔201が使用される。後側第1トラックフレーム連結部112Bにおいては、前後に並ぶ2つの調整孔201が使用される。
【0066】
図9Cに示すように、ケース連結部113においては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向内方にある調整孔201、並びに、最前列と最後列との前後方向間にある2つの調整孔列HCの左右方向外方の調整孔201が使用される。第2トラックフレーム連結部114においては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向真ん中にある調整孔201、並びに、最前列と最後列との前後方向間にある2つの調整孔列HCの左右方向最外方の調整孔201が使用される。
【0067】
図10A、
図10B、および、
図10Cは、トレッドが1170mmである場合の調整孔201の使用位置を示す図である。詳細には、
図10Aは、第1車体フレーム連結部111Aおよび前側第1トラックフレーム連結部112Aにおける調整孔201の使用位置を示す図である。
図10Bは、第2車体フレーム連結部111Bおよび後側第1トラックフレーム連結部112Bにおける調整孔201の使用位置を示す図である。
図10Cは、ケース連結部113および第2トラックフレーム連結部114における調整孔201の使用位置を示す図である。
図10A、
図10B、および、
図10Cにおいて、使用される調整孔201はハッチングを施して示される。
【0068】
なお、
図10Aおよび
図10Cは、左クローラユニット3Lの場合を例に示しているが、右クローラユニット3Rの場合も同様である。また、
図10Bにおいては、左右のクローラユニット3L、3Rで調整孔201の使用位置が異なるので、左右のクローラユニッ3L、3Rに関する状態が示されている。
【0069】
図10Aに示すように、第1車体フレーム連結部111Aにおいては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向外方にある調整孔201、並びに、真ん中の調整孔列HCの左右方向内方の調整孔201が使用される。前側第1トラックフレーム連結部112Aにおいては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向最外方にある調整孔201、並びに、真ん中の調整孔列HCの左右方向最内方の調整孔201が使用される。トレッドが1140mmである場合(
図9A参照)と比べて、左右のクローラユニット3L、3Rのそれぞれにおいて、前側第1トラックフレーム連結部112Aが第1車体フレーム連結部111Aに対して左右方向外方にX(=15)mmずれる。
【0070】
図10Bに示すように、左クローラユニット3Lの第2車体フレーム連結部111Bにおいては、前後の調整孔列HCの左右方向外方にある調整孔201が使用される。右クローラユニット3Rの第2車体フレーム連結部111Bにおいては、トレッドが1140mmの場合と同様に、前後の調整孔列HCの左右方向内方にある調整孔201が使用される。後側第1トラックフレーム連結部112Bについては、左右のクローラユニット3L、3Rにおいて、前後に並ぶ2つの調整孔201が使用される。トレッドが1140mmである場合(
図9B参照)と比べて、左クローラユニット3Lにおいて、後側第1トラックフレーム連結部112Bが第2車体フレーム連結部111Bに対して左右方向外方に2X(=30)mmずれる。
【0071】
なお、ここでは、トレッドが1140mmである場合と比べて、左クローラユニット3Lの第2車体フレーム連結部111Bにおける調整孔201の使用位置が変更される構成となっている。ただし、これは例示である。右クローラユニット3Rの第2車体フレーム連結部111Bにおける調整孔201の使用位置が変更される構成としてもよい。
【0072】
また、本例のように構成すると、トレッドが1170mmの場合に、第2横フレーム52は、トラクタ1を左右方向に二等分する二等分面に対して左右方向の中心がずれる非対称配置となる。このような非対称配置となっても、第2横フレーム52は、エンジン6や変速装置7を直接支持しない補強フレームであるので特段の問題を生じない。第2車体フレーム連結部111Bと後側第1トラックフレーム連結部112Bとの構成は、第1車体フレーム連結部111Aと前側第1トラックフレーム連結部112Aとの構成と同様としてもよい。このようにすると、上記のような第2横フレーム52の非対称配置が生じない構成とできる。ただし、上述のように第2横フレーム52が非対称配置となっても特段の問題が生じないので、調整機構を簡易な構造とできる本例の構成は、好ましい構成と言える。
【0073】
図10Cに示すように、ケース連結部113においては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向外方にある調整孔201、並びに、最前列と最後列との前後方向間にある2つの調整孔列HCの左右方向内方の調整孔201が使用される。第2トラックフレーム連結部114においては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向最外方にある調整孔201、並びに、最前列と最後列との前後方向間にある2つの調整孔列HCの左右方向最内方の調整孔201が使用される。トレッドが1140mmである場合(
図9C参照)と比べて、左右のクローラユニット3L、3Rのそれぞれにおいて、第2トラックフレーム連結部114がケース連結部113に対して左右方向外方にX(=15)mmずれる。
【0074】
以上からわかるように、トレッドが1140mmの場合と比べて、左右のクローラユニット3L、3Rのそれぞれにおいて、第1トラックフレーム連結部112を車体フレーム連結部111に対して左右方向外方に15mmずつ(合計30mm)ずらすことができる。また、トレッドが1140mmの場合と比べて、左右のクローラユニット3L、3Rのそれぞれにおいて、第2トラックフレーム連結部114をケース連結部113に対して左右方向外方に15mmずつ(合計30mm)ずらすことができる。すなわち、トレッドが1140mmである状態から、フレーム位置調整機構110によってトレッドを1170mmに変更することができる。
【0075】
図11A、
図11B、および、
図11Cは、トレッドが1200mmである場合の調整孔201の使用位置を示す図である。詳細には、
図11Aは、第1車体フレーム連結部111Aおよび前側第1トラックフレーム連結部112Aにおける調整孔201の使用位置を示す図である。
図11Bは、第2車体フレーム連結部111Bおよび後側第1トラックフレーム連結部112Bにおける調整孔201の使用位置を示す図である。
図11Cは、ケース連結部113および第2トラックフレーム連結部114における調整孔201の使用位置を示す図である。
図11A、
図11B、および、
図11Cにおいて、使用される調整孔201はハッチングを施して示される。
【0076】
なお、
図11A、
図11B、および、
図11Cは、左クローラユニット3Lの場合を例に示しているが、右クローラユニット3Rの場合も同様である。
【0077】
図11Aに示すように、第1車体フレーム連結部111Aにおいては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向内方にある調整孔201、並びに、真ん中の調整孔列HCの左右方向外方の調整孔201が使用される。前側第1トラックフレーム連結部112Aにおいては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向最内方にある調整孔201、並びに、真ん中の調整孔列HCの左右方向真ん中の調整孔201が使用される。トレッドが1140mmである場合(
図9A参照)と比べて、左右のクローラユニット3L、3Rのそれぞれにおいて、前側第1トラックフレーム連結部112Aが第1車体フレーム連結部111Aに対して左右方向外方に2X(=30)mmずれる。
【0078】
図11Bに示すように、第2車体フレーム連結部111Bにおいては、前後の調整孔列HCの左右方向外方にある調整孔201が使用される。後側第1トラックフレーム連結部112Bにおいては、前後に並ぶ2つの調整孔201が使用される。トレッドが1140mmである場合(
図9B参照)と比べて、左右のクローラユニット3L、3Rのそれぞれにおいて、後側第1トラックフレーム連結部112Bが第2車体フレーム連結部111Bに対して左右方向外方に2X(=30)mmずれる。
【0079】
図11Cに示すように、ケース連結部113においては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向内方にある調整孔201、並びに、最前列と最後列との前後方向間にある2つの調整孔列HCの左右方向外方の調整孔201が使用される。第2トラックフレーム連結部114においては、最前列および最後列の調整孔列HCの左右方向最内方にある調整孔201、並びに、最前列と最後列との前後方向間にある2つの調整孔列HCの左右方向真ん中の調整孔201が使用される。トレッドが1140mmである場合(
図9C参照)と比べて、左右のクローラユニット3L、3Rのそれぞれにおいて、第2トラックフレーム連結部114がケース連結部113に対して左右方向外方に2X(=30)mmずれる。
【0080】
以上からわかるように、トレッドが1140mmの場合と比べて、左右のクローラユニット3L、3Rのそれぞれにおいて、第1トラックフレーム連結部112を車体フレーム連結部111に対して左右方向外方に30mmずつ(合計60mm)ずらすことができる。また、トレッドが1140mmの場合と比べて、左右のクローラユニット3L、3Rのそれぞれにおいて、第2トラックフレーム連結部114をケース連結部113に対して左右方向外方に30mmずつ(合計60mm)ずらすことができる。すなわち、トレッドが1140mmである状態から、フレーム位置調整機構110によってトレッドを1200mmに変更することができる。
【0081】
なお、以上に示す複数の調整孔201の構成は例示である。例えば、第1車体フレーム連結部111Aの調整孔201の構成と、前側第1トラックフレーム連結部112Aの調整孔201の構成とを入れ替えてもよい。また、第2車体フレーム連結部111Bの調整孔201の構成と、後側第1トラックフレーム連結部112Bの調整孔201の構成とを入れ替えてもよい。また、ケース連結部113の調整孔201の構成と、第2トラックフレーム連結部114の調整孔201の構成とを入れ替えてもよい。
【0082】
また、各連結部に設けられる調整孔201を左右方向に延びる長孔として、調整孔の数を1つ等に減らしてもよい。
【0083】
[2-2.駆動輪位置調整機構]
次に、トレッド変更の際に利用される駆動輪位置調整機構120について説明する。駆動輪位置調整機構120は、左右のクローラユニット3L、3Rに設けられる。左右のクローラユニット3L、3Rで駆動輪位置調整機構120の構成は同様である。このために、以下では、駆動輪位置調整機構120の具体例を説明する場合、左クローラユニット3Lが備える駆動輪位置調整機構120を代表例として説明し、右クローラユニット3Rが備える駆動輪位置調整機構120についての説明は省略する。
【0084】
図12は、クローラユニット3が有する駆動輪位置調整機構120について説明するための図である。詳細には、
図12は、左クローラユニット3Lが有する駆動輪32およびその周辺の概略の構成を示す断面図である。駆動軸72は、駆動軸ケース71よりも左右方向外方に延びる。
図12に示す例では、左駆動軸72Lは、左駆動軸ケース71Lよりも左方に延びる。
【0085】
駆動輪位置調整機構120は、駆動軸72に対する駆動輪32の左右方向の取付位置を調整可能とする。詳細には、駆動輪位置調整機構120は、駆動軸ケース71の左右方向外方の一端部と、駆動軸72の左右方向外方の一端部との間で駆動輪32の取付位置を調整可能とする。このように駆動輪32の左右方向の位置を調整できるように構成することで、フレーム位置調整機構110を用いてトラックフレーム31の左右方向の位置を調整した場合に、駆動輪32を適切な位置に配置することができる。
【0086】
図12に示す例では、駆動輪位置調整機構120は、左駆動軸72Lに対する駆動輪32の左右方向の取付位置を調整可能とする。詳細には、駆動輪位置調整機構120は、左駆動軸ケース71Lの左端部と、駆動軸72の左端部との間で駆動輪32の取付位置を調整可能とする。
【0087】
駆動輪位置調整機構120は、駆動軸ケース71の左右方向外方の一端部と、駆動軸72の左右方向外方の一端部との間に少なくとも1つの間座部材121を有する。
図12に示す例では、駆動輪位置調整機構120は、左駆動軸ケース71Lの左端部と、左駆動軸72Lの左端部との間に少なくとも1つの間座部材121を有する。
【0088】
図12に示す例では、詳細には、間座部材121の数は2つである。間座部材121は、左右方向に延びる円筒状である。左駆動軸72Lが筒状の間座部材121に通されることにより、間座部材121は左駆動軸72Lに取り付けられる。2つの間座部材121は、いずれも駆動輪32の左方に配置される。駆動輪32の右端部は、左駆動軸ケース71Lの左端部に接する。
【0089】
なお、左駆動軸72Lの左方には、円板状のキャップ204と螺子205が配置される。左駆動軸72Lには、左端部から右方に向けて延びる螺子穴721が設けられる。キャップ204で間座部材121の左端部が押さえられた状態とされ、螺子205が締められることにより、駆動輪32および間座部材121は、左駆動軸72Lに対する左右方向の位置を固定される。
【0090】
駆動輪32と間座部材121は、駆動軸72における左右方向の位置を変更可能に設けられる。
図12に示す例では、駆動輪32と間座部材121は、左駆動軸72Lにおける左右方向の位置を変更可能に設けられる。駆動輪32と間座部材121との左右方向の位置の入れ替えにより、駆動輪32の左右方向の位置を変更することができる。
【0091】
図13は、
図12に示す状態から駆動輪32の位置が変更された第1の例を示す図である。駆動輪32の左右方向の位置の変更にあたっては、螺子205およびキャップ204が外される。これにより、駆動輪32および間座部材121を左駆動軸72Lから外すことができ、駆動輪32と間座部材121との左右方向の位置を入れ替えることができる。駆動輪32と間座部材121との位置の入れ替え後、キャップ204および螺子205を取り付けることで
図13に示す状態が得られる。
【0092】
図13においては、2つの間座部材121のうちの一方が駆動輪32の左方に配置され、他方が駆動輪32の右方に配置される。駆動輪32の右端部と、左駆動軸ケース71Lの左端部との間に間座部材121が1つ配置される。このために、
図12に示す場合と比べて、駆動輪32は間座部材121の左右方向の長さ分だけ左方にずれる。
図12に示す状態がトレッド1140mm時の状態とする。この場合、間座部材121の左右方向の長さを15mmとし、
図12に示す状態から
図13に示す状態へと変更することで、トレッド1170mm時の状態を得ることができる。
【0093】
図14は、
図12に示す状態から駆動輪32の位置が変更された第2の例を示す図である。
図12に示す状態から
図14に示す状態とする際の、駆動輪32および間座部材121の入れ替え手法は、上述の
図13の場合と同様である。
【0094】
図14においては、2つの間座部材121のいずれもが駆動輪32の右方に配置される。駆動輪32の右端部と、左駆動軸ケース71Lの左端部との間に2つの間座部材121が配置される。このために、
図12に示す場合と比べて、駆動輪32は間座部材121の左右方向の長さの2倍分だけ左方にずれる。
図12に示す状態がトレッド1140mm時の状態とする。この場合、間座部材121の左右方向の長さを15mmとし、
図12に示す状態から
図14に示す状態へと変更することで、トレッド1200mm時の状態を得ることができる。
【0095】
なお、以上に示す例では、間座部材121の数は2つであるが、例えば変更できるトレッドの種類数に応じて間座部材121の数は適宜変更されてよい。
【0096】
<3.留意事項等>
本明細書中に開示される種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態および変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【0097】
<4.付記>
例示的な本発明の作業車両は、車体フレームと、前記車体フレームの左右に配置されるクローラユニットと、左右の前記クローラユニットの間隔を変更するトレッド変更機構と、を備え、前記クローラユニットは、前記車体フレームに取り付けられるトラックフレームを有し、前記トレッド変更機構は、前記トラックフレームの左右方向の位置を調整可能とするフレーム位置調整機構を含み、前記フレーム位置調整機構は、前記車体フレームに設けられる車体フレーム連結部と、前記トラックフレームに設けられ、前記車体フレーム連結部に対して左右方向の位置を調整可能に連結される第1トラックフレーム連結部と、を有する構成(第1の構成)であってよい。
【0098】
上記第1の構成の作業車両は、前記車体フレームに支持される変速装置が有する駆動軸と、前記駆動軸の外周を覆い、前記トラックフレームに連結される駆動軸ケースと、を備え、前記フレーム位置調整機構は、前記駆動軸ケースに設けられるケース連結部と、前記トラックフレームに設けられ、前記ケース連結部に対して左右方向の位置を調整可能に連結される第2トラックフレーム連結部と、を有する構成(第2の構成)であってよい。
【0099】
上記第2の構成の作業車両において、前記ケース連結部は、前記駆動軸ケースに着脱可能に設けられる構成(第3の構成)であってよい。
【0100】
上記第1から第3のいずれかの構成の作業車両において、前記車体フレームは、左右方向に延びる第1横フレームと、前記第1横フレームよりも後方に配置され、左右方向に延びる第2横フレームと、を有し、前記車体フレーム連結部は、前記第1横フレームに設けられる第1車体フレーム連結部と、前記第2横フレームに設けられる第2車体フレーム連結部と、を有し、前記第1トラックフレーム連結部は、前記第1車体フレーム連結部に左右方向の位置を調整可能に連結される前側第1トラックフレーム連結部と、前記第2車体フレーム連結部に左右方向の位置を調整可能に連結される後側第1トラックフレーム連結部と、を有する構成(第4の構成)であってよい。
【0101】
上記第4の構成の作業車両において、前記第1車体フレーム連結部と前記前側第1トラックフレーム連結部との連結構造と、前記第2車体フレーム連結部と前記後側第1トラックフレーム連結部との連結構造とは、互いに異なる構成(第5の構成)であってよい。
【0102】
上記第1から第5のいずれかの構成の作業車両は、前記車体フレームに支持される変速装置が有する駆動軸と、前記駆動軸の外周を覆う駆動軸ケースと、を備え、前記クローラユニットは、前記駆動軸と一体回転する駆動輪を有し、前記トレッド変更機構は、前記駆動軸に対する前記駆動輪の左右方向の取付位置を調整可能とする駆動輪位置調整機構を含み、前記駆動軸は、前記駆動軸ケースよりも左右方向外方に延び、前記駆動輪位置調整機構は、前記駆動軸ケースの左右方向外方の一端部と、前記駆動軸の左右方向外方の一端部との間で前記駆動輪の取付位置を調整可能とする構成(第6の構成)であってよい。
【0103】
上記第6の構成の作業車両において、前記駆動輪位置調整機構は、前記駆動軸ケースの左右方向外方の一端部と、前記駆動軸の左右方向外方の一端部との間に少なくとも1つの間座部材を有し、前記駆動輪と前記間座部材とは、前記駆動軸における左右方向の位置を変更可能に設けられる構成(第7の構成)であってよい。
【符号の説明】
【0104】
1・・・トラクタ(作業車両)
3・・・クローラユニット
3L・・・左クローラユニット
3R・・・右クローラユニット
5・・・車体フレーム
7・・・変速装置
31・・・トラックフレーム
32・・・駆動輪
51・・・第1横フレーム
52・・・第2横フレーム
71・・・駆動軸ケース
71L・・・左駆動軸ケース
71R・・・右駆動軸ケース
72・・・駆動軸
72L・・・左駆動軸
72R・・・右駆動軸
100・・・トレッド変更機構
110・・・フレーム位置調整機構
111・・・車体フレーム連結部
111A・・・第1車体フレーム連結部
111B・・・第2車体フレーム連結部
112・・・第1トラックフレーム連結部
112A・・・前側第1トラックフレーム連結部
112B・・・後側第1トラックフレーム連結部
113・・・ケース連結部
114・・・第2トラックフレーム連結部
120・・・駆動輪位置調整機構
121・・・間座部材