IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋ゴム工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-空気入りタイヤ 図1
  • 特開-空気入りタイヤ 図2
  • 特開-空気入りタイヤ 図3
  • 特開-空気入りタイヤ 図4
  • 特開-空気入りタイヤ 図5
  • 特開-空気入りタイヤ 図6
  • 特開-空気入りタイヤ 図7
  • 特開-空気入りタイヤ 図8
  • 特開-空気入りタイヤ 図9
  • 特開-空気入りタイヤ 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004574
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/13 20060101AFI20240110BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20240110BHJP
   B60C 5/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B60C11/13 B
B60C11/03 B
B60C5/00 H
B60C11/03 100B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104233
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 芳樹
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BC12
3D131BC13
3D131BC15
3D131BC20
3D131BC33
3D131BC44
3D131CB05
3D131EB05U
3D131EB11V
3D131EB11W
3D131EB11X
3D131EB18V
3D131EB18W
3D131EB20V
3D131EB20W
3D131EB24V
3D131EB24W
3D131EB24X
3D131EB32W
3D131EB32X
3D131EB33W
3D131EB42W
3D131EB44W
3D131EB44X
3D131EB46V
3D131EB46W
3D131EB46X
3D131EB86W
3D131EB86X
3D131EB87V
3D131EB87W
3D131EB87X
3D131EB91V
3D131EB91W
3D131EB91X
3D131EB94V
3D131EB94W
3D131EB99W
3D131EB99X
3D131EC01V
3D131EC02W
3D131EC02X
(57)【要約】
【課題】陸の剛性を確保しつつ、排水性能の向上効果を高めることが可能な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤは、トレッドに設けられたタイヤ周方向に延びる複数の主溝と、前記複数の主溝によって区画される複数の陸と、前記陸の上面から側面に向かって隣接する前記主溝側に傾斜して延びる傾斜部と、を備え、前記傾斜部は、隣接する前記主溝に沿って延びる基部と、前記基部から前記陸の内側に向かって曲がる曲部と、を備え、前記曲部のタイヤ周方向の長さは、前記傾斜部のタイヤ周方向の長さの30%を超え70%以下である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッドに設けられたタイヤ周方向に延びる複数の主溝と、
前記複数の主溝によって区画される複数の陸と、
前記陸の上面から側面に向かって隣接する前記主溝側に傾斜して延びる傾斜部と、を備え、
前記傾斜部は、隣接する前記主溝に沿って延びる基部と、前記基部から前記陸の内側に向かって曲がる曲部と、を備え、
前記曲部のタイヤ周方向の長さは、前記傾斜部のタイヤ周方向の長さの30%を超え70%以下である、空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記傾斜部の幅は、前記主溝の溝幅の20%以上である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記主溝の溝壁面から前記陸の内側に向かって段差が形成されており、
前記曲部は、前記段差と接続している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記主溝からタイヤ軸方向に沿って延びる複数の横溝を備え、
前記傾斜部は、前記横溝からそれと隣接する前記横溝まで延びている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記曲部は、前記基部から前記陸の内側に向かって屈曲している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
車両に対する装着方向が指定されており、
前記傾斜部は、タイヤ赤道面よりも車両装着時外側に位置する前記陸の側面に形成されている、請求項1~5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、主溝からタイヤ軸方向に延びる横溝と、を備え、主溝及び横溝の溝壁面には傾斜部が設けられ、横溝の溝壁面に設けられた傾斜部は、主溝に向かって幅が漸増している、空気入りタイヤが開示されている。横溝に傾斜部を設けることによって、排水性能とノイズ性能とを高めている。
【0003】
しかしながら、当該傾斜部を設けた場合、傾斜部の形状によっては陸の剛性を確保できなくなる恐れがある。また、当該傾斜部の形状を変更して陸の剛性を確保した場合、傾斜部の形状によっては排水性能の向上効果が低くなる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-94004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、陸の剛性を確保しつつ、排水性能の向上効果を高めることが可能な空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の空気入りタイヤは、トレッドに設けられたタイヤ周方向に延びる複数の主溝と、前記複数の主溝によって区画される複数の陸と、前記陸の上面から側面に向かって隣接する前記主溝側に傾斜して延びる傾斜部と、を備え、前記傾斜部は、隣接する前記主溝に沿って延びる基部と、前記基部から前記陸の内側に向かって曲がる曲部と、を備え、前記曲部のタイヤ周方向の長さは、前記傾斜部のタイヤ周方向の長さの30%を超え70%以下である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ子午面における断面図
図2】同実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの要部を示す斜視図
図3】同実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図
図4図3の領域IVの拡大図
図5図4のV-V線拡大断面図
図6図3のVI-VI線拡大断面図
図7図3のVII-VII線拡大断面図
図8】他の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの要部を示す図
図9】他の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの要部を示す図
図10図9のX-X線拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、空気入りタイヤにおける一実施形態について、図1図7を参照しながら説明する。なお、各図(図8図10も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0009】
各図において、第1の方向D1は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)1のタイヤ回転軸と平行であるタイヤ軸方向D1であり、第2の方向D2は、タイヤ1の直径方向であるタイヤ径方向D2であり、第3の方向D3は、タイヤ回転軸周りのタイヤ周方向D3である。
【0010】
タイヤ軸方向D1において、内側は、タイヤ赤道面S1に近い側となり、外側は、タイヤ赤道面S1から遠い側となる。タイヤ径方向D2において、内側は、タイヤ回転軸に近い側となり、外側は、タイヤ回転軸から遠い側となる。また、タイヤ軸方向D1において、一方向を第1軸方向D11といい、他方向を第2軸方向D12という。タイヤ周方向D3において、一方向を第1周方向D31といい、他方向を第2周方向D32という。
【0011】
タイヤ赤道面S1とは、タイヤ回転軸に直交する面で且つタイヤ軸方向D1の中心に位置する面のことであり、タイヤ子午面とは、タイヤ回転軸を含む面で且つタイヤ赤道面S1と直交する面のことである。また、タイヤ赤道線Lnとは、タイヤ径方向D2の外表面とタイヤ赤道面S1とが交差する線のことである。
【0012】
図1に示すように、タイヤ1は、一対のビード部11,11と、各ビード部11,11からタイヤ径方向D2の外側に延びる一対のサイドウォール12,12と、一対のサイドウォール12,12のタイヤ径方向D2の外側端に連なるトレッド13と、一対のビード部11,11の間を架け渡されるように延びるカーカスプライ14と、タイヤ1の最内面を形成するインナーライナー15と、を備えている。
【0013】
本実施形態において、タイヤ1は、車両に対する装着方向が指定された装着方向指定型タイヤである。タイヤ1には、例えば、装着方向を指定する印(文字、記号、図形など)が設けられる。印は、タイヤ1の外表面(例えば、サイドウォール12などのタイヤ1の側面)に設けられる。第1軸方向D11は、タイヤ1の車両装着時外側を示し、第2軸方向D12は、タイヤ1の車両装着時内側を示している。なお、タイヤ1は、上記に限られず、例えば、装着方向が指定されていないタイヤや回転方向が指定された方向性タイヤなどであってもよい。
【0014】
図1図3に示すように、タイヤ1は、トレッド13に設けられたタイヤ周方向D3に延びる複数の主溝2を備えている。主溝2の溝深さは、例えば、7mm~15mmである。主溝2の溝深さは、トレッド13の外表面から主溝2の溝底までのタイヤ径方向D2の最大値である。主溝2は、連続的に直線状に形成されているが、これに限られない。例えば、主溝2は、ジグザグ状に形成されていてもよい。本実施形態において、トレッドパターンは、タイヤ赤道線Lnに関して非対称形状であるが、これに限られない。
【0015】
本実施形態において、タイヤ1は、タイヤ軸方向D1の最外側に形成される一対のショルダー主溝23,24と、一対のショルダー主溝23,24の間に形成される一対のセンター主溝21,22と、を備えている。一対のセンター主溝21,22のうち、第1軸方向D11側に位置する主溝を第1センター主溝21といい、第2軸方向D12側に位置する主溝を第2センター主溝22という。一対のショルダー主溝23,24のうち、第1軸方向D11側に位置する主溝を第1ショルダー主溝23といい、第2軸方向D12側に位置する主溝を第2ショルダー主溝24という。
【0016】
タイヤ1は、複数の主溝2によって区画される複数の陸3を備えている。本実施形態において、タイヤ1は、タイヤ赤道線Lnを挟む一対のセンター主溝21,22によって区画されるセンター陸31と、第1センター主溝21と第1ショルダー主溝23とによって区画される第1メディエイト陸32と、第2センター主溝22と第2ショルダー主溝24とによって区画される第2メディエイト陸33と、第1ショルダー主溝23によって区画される第1ショルダー陸34と、第2ショルダー主溝24によって区画される第2ショルダー陸35と、を備えている。
【0017】
本実施形態において、センター陸31の幅方向の中心は、タイヤ赤道面S1よりも第1軸方向D11にずれており、第1メディエイト陸32の幅は、第2メディエイト陸33の幅よりも大きく、第1ショルダー陸34の幅は、第2ショルダー陸35の幅よりも大きい。タイヤ赤道面S1よりも第1軸方向D11側に位置する主溝2(第1センター主溝21、第1ショルダー主溝23)の溝幅は、タイヤ赤道面S1よりも第2軸方向D12側に位置する主溝2(第2センター主溝22、第2ショルダー主溝24)の溝幅よりも小さい。これにより、タイヤ1の第1軸方向D11側(車両装着時外側)の陸3の剛性を向上させることができ、車両旋回時の操縦安定性能を向上させることができる。
【0018】
図2及び図3に示すように、タイヤ1は、主溝2からタイヤ軸方向D1に沿って延びる複数の横溝4を備えている。複数の横溝4は、タイヤ周方向D3に所定の間隔を設けて形成されている。横溝4の溝幅(後述する段差411,431、幅狭部421,452及び幅広部441を除く)は、例えば、2mm~5mmである。横溝4の溝深さ(後述する段差411,431及び浅溝部451を除く)は、例えば、4mm~8mmである。横溝4の溝深さは、主溝2の溝深さよりも小さいが、これに限られない。
【0019】
本実施形態において、タイヤ1は、第1メディエイト陸32に形成される複数の第1メディエイト横溝41と、第2メディエイト陸33に形成される複数の第2メディエイト横溝42と、第1ショルダー陸34に形成される複数の第1ショルダー横溝43及び第2ショルダー横溝44と、第2ショルダー陸35に形成される複数の第3ショルダー横溝45と、を備えている。センター陸31には、横溝4が設けられていない。センター陸31は、タイヤ周方向D3に沿って連続的に延びるリブ(センターリブ31ともいう)である。
【0020】
第1メディエイト横溝41は、一端が第1メディエイト陸32内で終端し、他端が主溝2(第1センター主溝21又は第1ショルダー主溝23)に開口している。第1メディエイト陸32は、第1メディエイト横溝41によって区切られていない。即ち、第1メディエイト陸32は、タイヤ周方向D3に沿って連続的に延びるリブ(メディエイトリブ32ともいう)である。第1メディエイト横溝41は、主溝2に向かって幅広形状である。
【0021】
第1メディエイト横溝41は、対をなすように第1メディエイト陸32の幅方向の両側面に形成されている。一対の第1メディエイト横溝41,41のタイヤ軸方向D1に対する各傾斜角度は、実質的に同じである。一対の第1メディエイト横溝41,41は、第1メディエイト陸32の幅方向の中心線上の任意の点(例えば、後述する拡幅部321aの中心点)に関して点対称形状である。
【0022】
図2図5に示すように、第1メディエイト横溝41は、第1メディエイト横溝41の溝壁面から溝内側に向かって突出する段差411を備えている。これにより、第1メディエイト横溝41の排水性を確保しつつ、第1メディエイト横溝41を設けることによる陸3の剛性の低下を抑制できる。
【0023】
段差411が設けられた第1メディエイト横溝41の溝幅は、例えば、0.8mm~1.5mmである。段差411の深さH3は、後述する主溝2の溝壁面に形成された段差6の深さH2(図7参照)と同じであることが好ましい。第1ショルダー横溝43も同様の段差431を備えている。
【0024】
図2及び図3に示すように、第2メディエイト横溝42は、一端が第2センター主溝22に開口し、他端が第2ショルダー主溝24に開口している。第2メディエイト陸33は、第2メディエイト横溝42によって複数のメディエイトブロック33aに区画されている。第2メディエイト陸33は、メディエイトブロック33aがタイヤ周方向D3に並んだブロック列となっている。
【0025】
第2メディエイト横溝42は、第2メディエイト横溝42の他部よりも溝幅の小さい幅狭部421を備えている。幅狭部421の溝幅は、例えば、0.8mm~1.5mmである。幅狭部421を設けることにより、タイヤ接地時に第2メディエイト横溝42から発生するポンピング音を低減することができる。
【0026】
第1ショルダー横溝43は、一端が第1ショルダー陸34内で終端し、他端が第1ショルダー主溝23に開口している。第2ショルダー横溝44は、一端がタイヤ軸方向D1の外側に開口し、他端が第1ショルダー陸34内で終端している。第1ショルダー陸34は、第1ショルダー横溝43及び第2ショルダー横溝44によって区切られていない。即ち、第1ショルダー陸34は、タイヤ周方向D3に沿って連続的に延びるリブ(ショルダーリブ34ともいう)である。
【0027】
第1ショルダー横溝43のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度は、第1メディエイト横溝41のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度と実質的に同じである。第1ショルダー横溝43のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度は、第2ショルダー横溝44のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度よりも大きい。第1ショルダー横溝43は、隣接する第1メディエイト横溝41と実質的に同一直線上に形成されている。
【0028】
第2ショルダー横溝44は、後述するショルダー縦細溝342に向かって幅広な幅広部441を備えている。幅広部441は、ショルダー縦細溝342との接続位置に形成されている。幅広部441は、第2ショルダー横溝44の他部よりも溝幅の大きい部分である。
【0029】
第3ショルダー横溝45は、一端が第2ショルダー主溝24に開口し、他端がタイヤ軸方向D1の外側に開口している。第2ショルダー陸35は、第3ショルダー横溝45によって複数のショルダーブロック35aに区画されている。第2ショルダー陸35は、ショルダーブロック35aがタイヤ周方向D3に並んだブロック列となっている。車両装着時内側(第2軸方向D12側)の陸3をブロック列としつつ、車両装着時外側(第1軸方向D11側)の陸3をリブとすることにより、トラクション性能や制動性能、旋回時の操縦安定性能が高められる。
【0030】
第3ショルダー横溝45は、第3ショルダー横溝45の他部よりも溝深さの小さい浅溝部451と、第3ショルダー横溝45の他部よりも溝幅の小さい幅狭部452と、を備えている。浅溝部451は、第2ショルダー主溝24との接続位置に形成されている。浅溝部451の第2周方向D32側の溝壁面は、溝底に向かって溝幅が狭くなるように傾斜している。幅狭部452は、浅溝部451のタイヤ軸方向D1の外側に隣接して形成されている。
【0031】
浅溝部451の溝深さは、例えば、1mm~3mmである。幅狭部452の溝幅は、例えば、0.8mm~1.5mmである。浅溝部451や幅狭部452を設けることにより、タイヤ接地時に第3ショルダー横溝45から発生するポンピング音を低減することができる。
【0032】
図2図4図6及び図7に示すように、タイヤ1は、陸3の上面(トレッド13の外表面)からその陸3の側面(主溝2の溝壁面)に向かって隣接する主溝2側に傾斜して延びる傾斜部5を備えている。傾斜部5を設けることによって、主溝2の溝容量を増やすことができ、排水性能を向上させることができる。また、傾斜部5を設けることによって陸3のエッジを鈍角とすることができ、陸3の剛性を高めて操縦安定性能を向上させることができる。
【0033】
図4に示すように、傾斜部5は、隣接する主溝2に沿って延びる基部51と、基部51からその傾斜部5が設けられた陸3の内側(陸3の幅方向の中心側)に向かって曲がる曲部52と、を備えている。曲部52を設けることによって、主溝2の溝容量を増やすことができ、タイヤ1の排水性能の向上効果を高めることができる。曲部52は、基部51から離れるにつれて、隣接する主溝2から遠ざかる方向に曲がっている。
【0034】
曲部52は、主溝2の溝容量を確保する観点から、基部51から陸3の内側に向かって屈曲している、ことが好ましい。本実施形態において、曲部52は、曲点P1で屈曲している。曲部52は、例えば、複数の曲点を有する屈曲形状であってもよく、弓形に曲がった湾曲形状であってもよい。
【0035】
本実施形態の場合、タイヤ周方向D3に対する曲部52の屈曲角度θ1は、1度~30度であることが好ましい。屈曲角度θ1を1度以上とすることにより、主溝2の排水性能の向上効果を確保することができる。屈曲角度θ1を30度以下とすることにより、陸3の剛性低下を抑制することができる。屈曲角度θ1は、3度以上であることがより好ましい。屈曲角度θ1は、10度以下であることがより好ましい。
【0036】
曲部52は、排水性能を向上させる観点から、タイヤ周方向D3に対する横溝4の傾斜方向と同じ方向に曲がっていることが好ましい。本実施形態において、横溝4(第1メディエイト横溝41)は第1周方向D31に向かって第1軸方向D11に曲がっており、曲部52もそれと同じ方向に曲がっている。なお、曲部52は、タイヤ周方向D3に対する横溝4の傾斜方向と異なる方向に曲がっていてもよい。
【0037】
曲部52のタイヤ周方向D3の長さL2は、傾斜部5のタイヤ周方向D3の長さL1の30%を超え70%以下である。曲部52の長さL2は、傾斜部5の長さL1の40%以上が好ましく、45%以上がより好ましい。曲部52の長さL2は、傾斜部5の長さL1の60%以下が好ましく、55%以下がより好ましい。傾斜部5の長さL1は、傾斜部5のタイヤ径方向D2の内側端におけるタイヤ周方向D3の長さである。曲部52の長さL2は、曲部52のタイヤ径方向D2の内側端におけるタイヤ周方向D3の長さである。
【0038】
曲部52の最内寸法W1は、陸3の剛性を確保する観点から、その曲部52(傾斜部5)が設けられた陸3の幅の30%以下であることが好ましい。最内寸法W1は、曲部52と隣接する主溝2の溝壁面から曲部52までのタイヤ軸方向D1の最大値である。本実施形態において、最内寸法W1は、横溝4のタイヤ軸方向D1の長さよりも小さい。
【0039】
図6に示すように、傾斜部5の深さH1を所定の寸法で設定する場合において、傾斜部5のタイヤ径方向D2に対する傾斜角度θ2は、30度~60度であることが好ましい。傾斜角度θ2を30度以上とすることにより、主溝2の溝容量を増やすことができ、排水性能の向上効果を高めることができる。傾斜角度θ2を60度以下とすることにより、傾斜部5の形成に伴う陸3の表面積の減少を抑えて、耐摩耗性能やグリップ性能を確保できる。傾斜角度θ2は、40度~50度であることがより好ましい。本実施形態において、傾斜角度θ2は、一定(10%の差も含む)である。即ち、基部51の傾斜角度は、曲部52の傾斜角度(図7参照)と実質的に同じである。なお、基部51の傾斜角度は、曲部52の傾斜角度と異なっていてもよい。
【0040】
傾斜部5の深さH1は、主溝2の溝深さの10%~70%であることが好ましい。深さH1を主溝2の溝深さの10%以上とすることにより、主溝2の溝容量を増やして、排水性能の向上効果を高めることができる。深さH1を主溝2の溝深さの70%以下とすることにより、傾斜部5の形成に伴う陸3の表面積の減少を抑えて、陸3の剛性低下を抑制することができる。本実施形態において、傾斜部5の深さH1は、一定(10%の差も含む)である。即ち、基部51の深さは、曲部52の深さ(図7参照)と実質的に同じである。
【0041】
傾斜部5の幅W2は、主溝2の溝幅W3(図3参照)の20%~50%であることが好ましい。幅W2を溝幅W3の20%以上とすることにより、主溝2の溝容量を効果的に増やして、排水性能の向上効果を確保することができる。幅W2を溝幅W3の50%以下とすることにより、陸3の表面積を確保して、耐摩耗性能を確保することができる。主溝2の溝幅W3は、傾斜部5と隣接する位置における主溝の溝幅である。本実施形態において、傾斜部5の幅W2は、一定(10%の差も含む)である。即ち、図4に示すように、基部51の幅W21は、曲部52の幅W22と実質的に同じである。傾斜部5の幅W2は、主溝2の溝幅W3の30%以上がより好ましく、主溝2の溝幅W3の40%以上がさらに好ましい。
【0042】
図3に示すように、傾斜部5は、横溝4からそれとタイヤ周方向D3に隣接する横溝4まで延びていることが好ましい。これにより、主溝2から横溝4への排水性を向上させることができ、傾斜部5を設けることによる排水性能の向上効果を高めることができる。なお、傾斜部5は、横溝4が設けられていない陸3に形成されてもよく、横溝4と非接続であってもよい。
【0043】
本実施形態において、傾斜部5は、タイヤ赤道線Lnよりも第1軸方向D11側(車両装着時外側)に位置する陸3の側面に形成されている。本実施形態において、傾斜部5は、タイヤ赤道線Lnよりも第1軸方向D11側に位置する陸3の側面にのみ形成されている。具体的には、傾斜部5は、第1メディエイト陸32の両側面と第1ショルダー陸34のタイヤ軸方向D1の内側の側面とに形成されている。タイヤ赤道線Lnよりも第2軸方向D12側(車両装着時内側)に位置する陸3には傾斜部5が形成されておらず、かかる構造はデザインの自由度を向上させるうえで有利である。
【0044】
第1メディエイト陸32の第2軸方向D12側の側面に設けられた傾斜部5aは、第1メディエイト陸32の第1軸方向D11側の側面に設けられた傾斜部5bと第1メディエイト陸32の幅方向の中心線上の任意の点(例えば、後述する拡幅部321aの中心点)に関して点対称形状である。傾斜部5aの曲部52aは、タイヤ軸方向D1視において傾斜部5bの曲部52bと重なる位置に形成されている。
【0045】
第1ショルダー陸34に設けられた傾斜部5cは、傾斜部5aと実質的に同形状である。即ち、傾斜部5cは、傾斜部5bと第1ショルダー主溝23の幅方向の中心線上の任意の点に関して点対称形状である。傾斜部5cの曲部52cは、タイヤ軸方向D1視において曲部52a及び曲部52bと重なる位置に形成されている。
【0046】
傾斜部5は、タイヤ1の直進性能を良好にする観点から、センター陸31の側面に形成しないことが好ましい。センター陸31は、複数の陸3のうち最もタイヤ赤道線Lnの近くに設けられている。本実施形態において、センター陸31は、タイヤ赤道線Ln上に設けられている。なお、傾斜部5は、上記に限られない。
【0047】
図2図4及び図7に示すように、タイヤ1は、主溝2の溝壁面から陸3の内側に向かって延びる段差6を備えている。本実施形態において、段差6は、曲点P1から曲部52のタイヤ周方向D3端まで形成されている。段差6は、主溝2に沿って延びている。段差6は、陸3の上面と実質的に平行に延びている。段差6は、曲部52のタイヤ周方向D3端に向かって幅広である。段差6は、タイヤ径方向D2視において、段差411(又は段差431)と連なって略V字状を形成している。
【0048】
図7に示すように、曲部52は、段差6と接続していることが好ましい。段差6の深さH2は、主溝2の溝深さの10%~70%であることが好ましい。深さH2を主溝2の溝深さの10%以上とすることにより、主溝2の溝容量を増やすことができ、排水性能を向上させることができる。深さH2を主溝2の溝深さの70%以下とすることにより、陸3の剛性低下を抑制することができる。本実施形態において、段差6の深さH2は、一定(10%の差も含む)である。
【0049】
図3及び図4に示すように、段差6は、横溝4に設けられた段差411又は段差431と接続していることが好ましい。段差6は、段差411又は段差431と実質的に面一であることが好ましい。即ち、図7に示す段差6の深さH2は、図5に示す段差411の深さH3又は段差431の深さと実質的に同じであることが好ましい。なお、段差6は、上記に限られない。
【0050】
図2及び図3に示すように、センター陸31は、タイヤ軸方向D1に沿って延びるセンター横細溝311を備える。センター横細溝311は、一端が第1センター主溝21に開口し、他端がセンター陸31内で終端している。センター横細溝311の他端は、タイヤ赤道線Lnを越えた位置に形成されている。
【0051】
センター横細溝311のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度は、第1メディエイト横溝41のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度と実質的に同じである。センター横細溝311は、隣接する第1メディエイト横溝41と実質的に同一直線上に形成されている。
【0052】
センター横細溝311の溝幅は、横溝4の溝幅よりも小さい。センター横細溝311の溝幅は、例えば、0.8mm~1.5mmである。センター横細溝311の溝深さは、例えば、4mm~8mmである。後述する幅広部343aを除く横細溝333,334,343,351の各溝幅及び各溝深さについても同様である。
【0053】
センター横細溝311は、センター横細溝311の溝壁面からセンター陸31の上面に向かって傾斜する傾斜部311aを備えている。傾斜部311aを設けることによって、センター陸31の剛性を高めることができ、センター陸31の偏摩耗を抑制できる。傾斜部311aは、第1センター主溝21からタイヤ赤道線Lnの近傍まで延びている。
【0054】
第1メディエイト陸32は、第1メディエイト陸32の幅方向の中央に形成されるメディエイト縦細溝321と、メディエイト縦細溝321のタイヤ軸方向D1の両側に形成される一対の第1メディエイト浅溝322,322と、を備えている。メディエイト縦細溝321及び第1メディエイト浅溝322は、タイヤ周方向D3に連続的に延びている。
【0055】
メディエイト縦細溝321(後述する拡幅部321aを除く)及び第1メディエイト浅溝322の各溝幅は、例えば、0.8mm~1.5mmである。後述する浅溝331,332,341及び縦細溝342の各溝幅についても同様である。
【0056】
メディエイト縦細溝321の溝深さは、例えば、4mm~8mmである。後述する縦細溝342の溝深さについても同様である。メディエイト縦細溝321を設けることによって、第1メディエイト陸32の剛性を確保しつつ、第1メディエイト陸32の幅方向の中央に溜まる熱を冷却することができる。
【0057】
メディエイト縦細溝321は、メディエイト縦細溝321において溝幅が拡張された複数の拡幅部321aを備えている。拡幅部321aの最大溝幅は、例えば、3mm~4mmである。拡幅部321aを設けることによって、第1メディエイト陸32の幅方向の中央に溜まる熱をさらに冷却することができる。拡幅部321aの溝壁面は、弓形形状に形成されている。
【0058】
第1メディエイト浅溝322の溝深さは、メディエイト縦細溝321の溝深さよりも小さい。第1メディエイト浅溝322の溝深さは、例えば、3mm以下である。第1メディエイト浅溝322の溝深さは、例えば、1mm以上である。後述する浅溝331,332,341についても同様である。
【0059】
第1メディエイト浅溝322は、第1メディエイト横溝41の終端と接続している。第1メディエイト浅溝322を設けることによって、タイヤ軸方向D1のトラクション性能を向上させることができる。
【0060】
第2メディエイト陸33は、第2メディエイト浅溝331と、第2メディエイト浅溝331よりもタイヤ軸方向D1の外側に形成される第3メディエイト浅溝332と、を備えている。メディエイト浅溝331,332は、タイヤ周方向D3に沿って延びている。
【0061】
第2メディエイト陸33は、タイヤ軸方向D1に沿って延びる複数の第1メディエイト横細溝333と第2メディエイト横細溝334とを備えている。第1メディエイト横細溝333は、一端が第2センター主溝22に開口し、他端が第2メディエイト浅溝331に開口している。第2メディエイト横細溝334は、一端が第3メディエイト浅溝332に開口し、他端が第2ショルダー主溝24に開口している。
【0062】
メディエイト横細溝333,334のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度は、第2メディエイト横溝42のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度と実質的に同じである。第1メディエイト横細溝333は、1つのメディエイトブロック33aに対し1本形成され、第2メディエイト横細溝334は、1つのメディエイトブロック33aに対し2本形成されている。
【0063】
第1ショルダー陸34は、第1ショルダー横溝43の終端に接続されるショルダー浅溝341と、第2ショルダー横溝44の終端に接続されるショルダー縦細溝342と、ショルダー縦細溝342からタイヤ軸方向D1の外側に延びる第1ショルダー横細溝343(図3参照)と、を備えている。
【0064】
ショルダー浅溝341及びショルダー縦細溝342は、タイヤ周方向D3に連続的に延びている。ショルダー浅溝341は、ショルダー縦細溝342よりもタイヤ軸方向D1の内側に形成されている。ショルダー浅溝341を設けることによって、タイヤ軸方向D1のトラクション性能を向上させることができる。ショルダー縦細溝342を設けることによって、第1ショルダー陸34の剛性を確保しつつ、タイヤ1の接地性能を向上させることができる。
【0065】
第1ショルダー横細溝343のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度は、第1ショルダー横溝43のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度と実質的に同じである。第1ショルダー横細溝343は、ショルダー縦細溝342に向かって幅広な幅広部343aを備えている。幅広部343aは、ショルダー縦細溝342との接続位置に形成されている。幅広部343aは、第1ショルダー横細溝343の他部よりも溝幅が大きい部分である。幅広部343aの溝深さは、例えば、1mm~3mmである。
【0066】
第1ショルダー陸34は、ショルダー縦細溝342の溝壁面からタイヤ軸方向D1の内側に延びる複数の段差344を備えている。段差344は、ショルダー縦細溝342に沿って延びている。段差344のタイヤ軸方向D1の幅は、ショルダー縦細溝342の溝幅と実質的に同じである。段差344の深さは、例えば、1mm~3mmである。段差344の第1周方向D31の端面は、第2ショルダー横溝44又は第1ショルダー横細溝343の第1周方向D31の溝壁面と実質的に面一である。
【0067】
第2ショルダー陸35は、第2ショルダー主溝24からタイヤ軸方向D1の外側に延びる複数の第2ショルダー横細溝351を備えている。第2ショルダー横細溝351のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度は、第3ショルダー横溝45のタイヤ軸方向D1に対する傾斜角度と実質的に同じである。第2ショルダー横細溝351は、1つのショルダーブロック35aに対し2本形成されている。
【0068】
[1]
以上、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、トレッド13に設けられたタイヤ周方向D3に延びる複数の主溝2と、複数の主溝2によって区画される複数の陸3と、陸3の上面から側面に向かって隣接する主溝2側に傾斜して延びる傾斜部5と、を備え、傾斜部5は、隣接する主溝2に沿って延びる基部51と、基部51から陸3の内側に向かって曲がる曲部52と、を備え、曲部52のタイヤ周方向D3の長さL2は、傾斜部5のタイヤ周方向D3の長さL1の30%を超え70%以下である。
【0069】
斯かる構成によれば、曲部52を設けることによって、主溝2の溝容量を増やすことができ、タイヤ1の排水性能の向上効果を高めることができる。曲部52の長さL2が傾斜部5の長さL1の30%を超えることにより、排水性能の向上効果を高めることができる。曲部52の長さL2を傾斜部5の長さL1の70%以下とすることにより、陸3の剛性の低下を抑制できる。これにより、陸3の剛性を確保しつつ、傾斜部5を設けることによる排水性能の向上効果を高めることができる。
【0070】
[2]
また、上記[1]に係る空気入りタイヤ1において、傾斜部5の幅W2は、主溝2の溝幅W3の20%以上である、という構成が好ましい。斯かる構成によれば、主溝2の溝容量を増やすことができ、傾斜部5を設けることによる排水性能の向上効果を高めることができる。
【0071】
[3]
また、上記[1]又は[2]に係る空気入りタイヤ1において、主溝2の溝壁面から陸3の内側に向かって段差6が形成されており、曲部52は、段差6と接続している、という構成が好ましい。斯かる構成によれば、段差6を設けることによって、曲部52を設けることによる陸3の剛性低下を抑制できる。
【0072】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか1つに係る空気入りタイヤ1において、主溝2からタイヤ軸方向D1に沿って延びる複数の横溝4を備え、傾斜部5は、横溝4からそれと隣接する横溝4まで延びている、という構成が好ましい。斯かる構成によれば、主溝2から横溝4への排水性を向上させることができ、傾斜部5を設けることによる排水性能の向上効果をさらに高めることができる。
【0073】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか1つに係る空気入りタイヤ1において、曲部52は、基部51から陸3の内側に向かって屈曲している、という構成が好ましい。斯かる構成によれば、曲部52が湾曲形状に形成されている場合よりも主溝2の溝容量を増やすことができ、傾斜部5を設けることによる排水性能の向上効果を高めることができる。
【0074】
[6]
また、上記[1]~[5]の何れか1つに係る空気入りタイヤ1は、車両に対する装着方向が指定されており、傾斜部5は、タイヤ赤道面S1よりも車両装着時外側に位置する陸3の側面に形成されている、という構成が好ましい。
【0075】
斯かる構成によれば、タイヤ1の車両装着時外側に位置する陸3の側面に傾斜部5を設けることによって、主溝2の溝幅が狭くなることによるタイヤ1の排水性能の低下を抑制できる。タイヤの車両装着時外側の領域において主溝2の溝幅が狭くなる理由としては、車両旋回時にタイヤの車両装着時外側の接地圧力が高くなる傾向にあり、操縦安定性能を確保する観点から、タイヤの車両装着時外側の陸3を幅広にして剛性を高めることが有用なためである。
【0076】
なお、タイヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものではない。また、タイヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0077】
(A)本実施形態において、傾斜部5は、1つの曲部52をタイヤ周方向D3の一方側に備えている、という構成である。しかしながら、傾斜部5は、斯かる構成に限られない。例えば、傾斜部5は、図8に示すように、基部51よりも第1周方向D31側に形成される第1曲部521と、基部51よりも第2周方向D32側に形成される第2曲部522と、を備える、という構成であってもよい。
【0078】
斯かる構成において、第1曲部521は、曲点P2で曲がり、第2曲部522は、曲点P3で曲がっている。曲部52のタイヤ周方向の長さは、第1曲部521のタイヤ周方向D3の長さと第2曲部522のタイヤ周方向D3の長さとの和である。
【0079】
(B)本実施形態において、タイヤ1は、段差6を備え、曲部52は、段差6と接続している、という構成である。しかしながら、タイヤ1及び曲部52は、斯かる構成に限られない。例えば、タイヤ1は、図9及び図10に示すように、段差6を備えない、という構成であってもよい。斯かる構成において、曲部52は、主溝2の溝壁面と接続している。基部51の幅及び深さは、曲部52の幅及び深さと異なっている。
【符号の説明】
【0080】
1…タイヤ、11…ビード部、12…サイドウォール、13…トレッド、14…カーカスプライ、15…インナーライナー、2…主溝、21…第1センター主溝、22…第2センター主溝、23…第1ショルダー主溝、24…第2ショルダー主溝、3…陸、31…センター陸、311…センター横細溝、311a…傾斜部、32…第1メディエイト陸、321…メディエイト縦細溝、321a…拡幅部、322…第1メディエイト浅溝、33…第2メディエイト陸、33a…メディエイトブロック、331…第2メディエイト浅溝、332…第3メディエイト浅溝、333…第1メディエイト横細溝、334…第2メディエイト横細溝、34…第1ショルダー陸、341…ショルダー浅溝、342…ショルダー縦細溝、343…第1ショルダー横細溝、343a…幅広部、344…段差、35…第2ショルダー陸、35a…ショルダーブロック、351…第2ショルダー横細溝、4…横溝、41…第1メディエイト横溝、411…段差、42…第2メディエイト横溝、421…幅狭部、43…第1ショルダー横溝、431…段差、44…第2ショルダー横溝、441…幅広部、45…第3ショルダー横溝、451…浅溝部、452…幅狭部、5…傾斜部、51…基部、52…曲部、6…段差、P1…曲点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10