IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社の特許一覧 ▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧 ▶ プライムアースEVエナジー株式会社の特許一覧

特開2024-45811蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法
<>
  • 特開-蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法 図1
  • 特開-蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法 図2
  • 特開-蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法 図3
  • 特開-蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法 図4
  • 特開-蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法 図5
  • 特開-蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法 図6
  • 特開-蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法 図7
  • 特開-蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045811
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/396 20190101AFI20240327BHJP
   G01R 31/378 20190101ALI20240327BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240327BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240327BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G01R31/396
G01R31/378
H01M10/48 P
H01M10/04 Z
H02J7/00 Q
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150807
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】プライムアースEVエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 博昭
(72)【発明者】
【氏名】米山 俊樹
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H028
5H030
【Fターム(参考)】
2G216BB02
2G216BB23
2G216CA01
2G216CA04
2G216CA11
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB02
5G503BB05
5G503CA03
5G503CA11
5G503CA17
5G503EA05
5G503EA09
5G503FA06
5H028AA10
5H028BB00
5H028BB02
5H028BB10
5H028BB11
5H028BB15
5H030BB01
5H030BB21
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】      (修正有)
【課題】適切に短絡の有無を判定できる蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法を提供すること。
【解決手段】蓄電デバイスの短絡検査方法は、蓄電デバイスを第1デバイス電圧に調整する電圧調整工程と、複数の蓄電デバイスを拘束する拘束工程と、放置前デバイス電圧VB3aを測定し、放置し、放置後デバイス電圧VB3bを測定する工程と、電圧低下率取得工程と、電圧低下率DVB3を用いて被拘束デバイスの短絡の有無を判定する短絡判定工程と、を備え、電圧調整工程の後で放置前電圧測定工程の前に、最古調整デバイスの最古調整完了時と最新調整デバイスの最新調整完了時との最大調整時期差を算出する算出工程と、最大調整時期差から最短待機時間を取得する取得工程と、最短待機時間の経過まで放置前電圧測定工程を行うのを繰り延べる繰延工程とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
初充電を経た蓄電デバイスを充電又は放電して第1デバイス電圧に調整する電圧調整工程と、
前記第1デバイス電圧とした複数の前記蓄電デバイスを、相互に未接続としつつ、拘束部材で拘束して、複数の被拘束デバイスを含むデバイス拘束体を構成する拘束工程と、
単一の前記デバイス拘束体に含まれる各々の前記被拘束デバイスについて、放置前デバイス電圧を測定する放置前電圧測定工程と、
前記放置前デバイス電圧を測定した前記デバイス拘束体を放置する放置工程と、
前記放置工程の後、単一の前記デバイス拘束体に含まれる各々の前記被拘束デバイスについて、放置後デバイス電圧を測定する放置後電圧測定工程と、
前記被拘束デバイス毎に前記放置前デバイス電圧と前記放置後デバイス電圧とから電圧低下率を得る電圧低下率取得工程と、
前記電圧低下率取得工程で得た、単一の前記デバイス拘束体に含まれる複数の前記被拘束デバイスの前記電圧低下率を用いて、当該デバイス拘束体に含まれる各々の前記被拘束デバイスの短絡の有無を判定する短絡判定工程と、を備える
蓄電デバイスの短絡検査方法であって、
前記電圧調整工程の後で前記放置前電圧測定工程の前に、単一の前記デバイス拘束体に含まれる複数の前記被拘束デバイスのうち、前記電圧調整工程で前記第1デバイス電圧に調整し終えた調整完了時が最も古い最古調整デバイスの最古調整完了時と、前記調整完了時が最も新しい最新調整デバイスの最新調整完了時との時間差である最大調整時期差を算出する算出工程と、
前記最大調整時期差から、前記最新調整完了時の後、前記放置前電圧測定工程の開始を許容するまでの最短待機時間を得る所定の待機時間関数であって、前記最大調整時期差が大きいほど得られる前記最短待機時間が長くなる前記待機時間関数に基づき、前記最大調整時期差から、前記最短待機時間を、又は、前記放置前電圧測定工程の開始を許容する最先開始時期を取得する取得工程と、
前記最短待機時間の経過まで、又は、前記最先開始時期の到来まで、前記放置前電圧測定工程を行うのを繰り延べる繰延工程と、を更に備える
蓄電デバイスの短絡検査方法。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄電デバイスの短絡検査方法であって、
前記最短待機時間は、
前記最新調整デバイスに生じると予測される前記電圧低下率である第1予測低下率から、前記最古調整デバイスに生じると予測される前記電圧低下率である第2予測低下率を差し引いた予測低下率差が、所定の上限低下率差内に収まると予測される最短の経過時間である
蓄電デバイスの短絡検査方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の蓄電デバイスの短絡検査方法により、単一の前記デバイス拘束体に含まれる各々の前記被拘束デバイスの短絡の有無を検査する短絡検査工程と、
含まれている複数の前記被拘束デバイスがいずれも短絡を生じていないと判定された前記デバイス拘束体の前記被拘束デバイス同士を接続する接続工程と、を備える
接続済みデバイス拘束体の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の接続済みデバイス拘束体の製造方法であって、
同じ前記デバイス拘束体に含まれていた複数の前記被拘束デバイスから、前記短絡検査工程で短絡を生じていると判定された少なくとも1つの前記被拘束デバイスを除去する除去工程と、
前記短絡判定工程で短絡を生じていないと判定された、残る複数の前記被拘束デバイスと、別の前記デバイス拘束体に含まれて、前記短絡検査工程で短絡を生じていないと判定されており、予め用意しておいた補充用蓄電デバイスとで、前記デバイス拘束体を再構成する再拘束工程と、を備える
接続済みデバイス拘束体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、接続済みデバイス拘束体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池などの蓄電デバイスを製造するに当たり、短絡検査を行うことが行われている。例えば,特許文献1には、初期活性化工程で初期充電された二次電池(以下、電池ともいう)を放電してSOCの値を調整するSOC調整工程と、SOC調整された電池を、即ち、所定の電池電圧に調整された電池を放置等して自己放電させる自己放電工程と、を備え、自己放電工程における電池の電圧降下量に基づいて短絡の有無を検出する二次電池の短絡検査方法が示されている。短絡している電池は、短絡していない電池に比して、同じ自己放電工程の期間に、大きな電圧降下量を生じるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-134395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、初充電した後の電池を所定の電池電圧とし、その後に放置すると、上述したように、短絡している電池は、短絡していない電池に比して、同じ期間に、大きく電池電圧が低下する。電池内の短絡部位を介して、電池に蓄えられている電荷が放電されるからである。なお、この場合には、短絡部分の抵抗値が変化しないとすると、概ね定電流放電となり、電池のSOCが低い場合(例えばSOC10%以下の場合)を除いて、短絡している電池の電池電圧は概ね一定の割合で低下する。
【0005】
しかるに、初充電した後の電池を所定の電池電圧とし、その後に放置した場合に生じる電池電圧の低下は、上述の短絡による電池電圧の低下のみではない。即ち、短絡を生じていない(良品の)電池を初充電する。その後に所定の電池電圧に調整し、その後さらに放置した場合、電池電圧を調整した直後に、電池電圧が比較的大きく低下する。しかし、その後は、時間の経過と共に電圧低下が緩やかになり、ついには概ね一定の電池電圧値に近づく挙動を取る。活物質粒子と電解液との反応による粒子表面へのSEI被膜形成が時間と共に鈍化し、このような被膜形成による電池電圧の低下が収束するためであると考えられる。つまり、電池を初充電し、その後に所定の電池電圧としてから短絡検査を開始するまでの経過時間の長短により、短絡検査の期間に生じる電池電圧の低下の大きさが変化することになる。
【0006】
ところで、複数の電池を直接に又はスペーサ等を介して間接に積み重ね、拘束部材により、電池の積層方向に各電池を圧縮して拘束しつつ、各電池同士は未接続とした未接続電池スタックなどの電池拘束体を形成した上で、これを室温下で放置し、拘束された各電池の放置前後の電圧低下量から短絡の有無を検査する場合がある。この場合には、電池拘束体毎に、電池拘束体に含まれる各電池に掛かる温度変化の履歴が異なり、各電池の電池電圧の低下の挙動が異なっている虞がある。
【0007】
そこで、温度変化の履歴がほぼ同じと考えられる、同じ(単一の)電池拘束体に含まれる一群の電池の電池電圧の電圧低下量やその傾きである電圧低下率を調べ、得られた電池低下量や電圧低下率の群を用いて、各電池の短絡の有無を判定する場合が有る。例えば、まず、得られた電池低下量や電圧低下率の群の平均値や中央値(メジアン)を基準値とする。この基準値に予め定めた値を加えてしきい低下量やしきい低下率を得る。そして、しきい低下量を越えた電池低下量の電池や、しきい低下率を越えた電池低下率の電池を短絡していると判定し除外する。このような電池拘束体を構成するのに用いる複数の電池としては、同一の処理ロットに属する電池であるなど、電池を初充電し、その後に所定の電池電圧に調整してからの経過時間が同程度である複数の電池を用いる場合が多い。
【0008】
しかしながら、電池拘束体に含める複数の電池として、電池を初充電し、その後に所定の電池電圧に調整してからの経過時間が大きい、即ち、所定の電池電圧とした時期が古い電池と、経過時間が小さい、即ち、所定の電池電圧とした時期が比較的新しい電池とを混在させて、電池拘束体を構成する場合が生じ得る。例えば、同一処理ロットに属する電池に端数が生じ、ロットが混在した複数の電池を用いる場合、長期連休や停電などのアクシデントなどで電池の製造工程や電圧調製工程のタイミングが乱れた場合などである。このような古い電池と新しい電池とを混在させて電池拘束体を構成した場合には、いずれの電池も短絡を生じていない場合でも、古い電池に比して新しい電池の電圧低下量や電圧低下率が大きくなるので、誤判定を生じる虞が生じる。
【0009】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、蓄電デバイスを初充電し、その後に所定のデバイス電圧に調整してからの経過時間の大小に拘わらず、適切に短絡の有無を判定できる蓄電デバイスの短絡検査方法、及び、この検査方法を用いた接続済みデバイス拘束体の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記課題を解決するための本発明の一態様は、初充電を経た前記蓄電デバイスを充電又は放電して第1デバイス電圧に調整する電圧調整工程と、前記第1デバイス電圧とした複数の前記蓄電デバイスを、相互に未接続としつつ、拘束部材で拘束して、複数の被拘束デバイスを含むデバイス拘束体を構成する拘束工程と、単一の前記デバイス拘束体に含まれる各々の前記被拘束デバイスについて、放置前デバイス電圧を測定する放置前電圧測定工程と、前記放置前デバイス電圧を測定した前記デバイス拘束体を放置する放置工程と、前記放置工程の後、単一の前記デバイス拘束体に含まれる各々の前記被拘束デバイスについて、放置後デバイス電圧を測定する放置後電圧測定工程と、前記被拘束デバイス毎に前記放置前デバイス電圧と前記放置後デバイス電圧とから電圧低下率を得る電圧低下率取得工程と、前記電圧低下率取得工程で得た、単一の前記デバイス拘束体に含まれる複数の前記被拘束デバイスの前記電圧低下率を用いて、当該デバイス拘束体に含まれる各々の前記被拘束デバイスの短絡の有無を判定する短絡判定工程と、を備える蓄電デバイスの短絡検査方法であって、前記電圧調整工程の後で前記放置前電圧測定工程の前に、単一の前記デバイス拘束体に含まれる複数の前記被拘束デバイスのうち、前記電圧調整工程で前記第1デバイス電圧に調整し終えた調整完了時が最も古い最古調整デバイスの最古調整完了時と、前記調整完了時が最も新しい最新調整デバイスの最新調整完了時との時間差である最大調整時期差を算出する算出工程と、前記最大調整時期差から、前記最新調整完了時の後、前記放置前電圧測定工程の開始を許容するまでの最短待機時間を得る所定の待機時間関数であって、前記最大調整時期差が大きいほど得られる前記最短待機時間が長くなる前記待機時間関数に基づき、前記最大調整時期差から、前記最短待機時間を、又は、前記放置前電圧測定工程の開始を許容する最先開始時期を取得する取得工程と、前記最短待機時間の経過まで、又は、前記最先開始時期の到来まで、前記放置前電圧測定工程を行うのを繰り延べる繰延工程と、を更に備える蓄電デバイスの短絡検査方法である。
【0011】
この蓄電デバイスの短絡検査方法では、電圧調整工程の後で放置前電圧測定工程の前に、算出工程で、単一のデバイス拘束体に含まれる複数の被拘束デバイスのうち、最古調整デバイスの最古調整完了時と、最新調整デバイスの最新調整完了時との間の最大調整時期差を算出する。次いで、取得工程で、待機時間関数に基づき、算出工程で取得した最大調整時期差から、最短待機時間又は最先開始時期を取得する。さらに、繰延工程で、最短待機時間の経過まで又は最先開始時期の到来まで、放置前電圧測定工程を行うのを繰り延べる。
【0012】
このため、この蓄電デバイスの短絡検査方法では、デバイス拘束体に含まれる複数の被拘束デバイスの調整完了時がほぼ同時期である(揃っている)場合には、調整完了時が古いか新しいかに拘わらず、繰り延べをしないで或いは短い繰り延べを介して、速やかに放置前電圧測定工程を開始して、短絡検査を行い、適切に短絡の有無を判定することができる。一方、調整完了時の時期が揃っていない場合でも、最大調整時期差に応じて放置前電圧測定工程を行うのを繰り延べる。これにより、最古調整デバイスから最新調整デバイスまで、調整完了時の時期に拘わらず、即ち、調整完了時からの経過時間の大小に拘わらず、各蓄電デバイスについて適切に短絡の有無を判定することができる。
【0013】
なお、「蓄電デバイス」及びこれを拘束した「被拘束デバイス」としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタなどが挙げられる。
また「デバイス拘束体」としては、複数の蓄電デバイスを、拘束部材を用いてそれぞれ所定の方向に拘束した拘束体であれば良い。例えば、複数の二次電池などの蓄電デバイスを積層方向に一列に積み重ねた電池スタックなどのデバイススタックが挙げられる。
【0014】
第1デバイス電圧に調整した後の複数の蓄電デバイスを拘束して、複数の被拘束デバイスを含むデバイス拘束体を構成するに当たっては、蓄電デバイスを第1デバイス電圧に調整した後、速やかに拘束してデバイス拘束体としても良い。また、適宜の期間、無拘束(各蓄電デバイスの運搬の際などに掛かる振動や衝撃などでは動かない程度に、蓄電デバイスを弱く拘束する場合を含む。)下で各蓄電デバイスを放置し、この状態で短絡していると判定した蓄電デバイスを除去してから、デバイス拘束体を構成するようにしても良い。
【0015】
最古調整完了時及び最新調整完了時としては、具体的には、mm月dd日などの日付やmm月dd日hh時などの日時を用いると良い。また、最大調整時期差は、最古調整完了時と最新調整完了時との時期差である。具体的には、3日間、50時間などの時間の長さで与えられる。また、最短待機時間としては、最新調整完了時(例えばmm月dd日hh時)から放置前電圧測定工程の開始が許容されるまでの最短の期間、具体的には、10.0日間、98時間などの時間の長さで与えられる。さらに、最先開始時期は、放置前電圧測定工程の開始が許容される最先の日時(例えば、mm月dd日hh時)で与えられる。
【0016】
取得工程で、待機時間関数に基づき、具体的な最短待機時間の大きさや最先開始時期の日付や時刻を取得するに当たっては、待機時間関数そのものを用いるほか、待機時間関数に基づいて作成したグラフや表を用いて、最短待機時間や最先開始時期を得るようにしても良い。
【0017】
(2)(1)の蓄電デバイスの短絡検査方法であって、前記最短待機時間は、前記最新調整デバイスに生じると予測される前記電圧低下率である第1予測低下率から、前記最古調整デバイスに生じると予測される前記電圧低下率である第2予測低下率を差し引いた予測低下率差が、所定の上限低下率差内に収まると予測される最短の経過時間である蓄電デバイスの短絡検査方法とすると良い。
【0018】
この蓄電デバイスの短絡検査方法では、予測低下率差が所定の上限低下率差内に収まると予測される最短の経過時間を、待機時間関数で得る最短待機時間としているので、待機時間関数を容易に得ることができる。
【0019】
(3)(1)又は(2)の蓄電デバイスの短絡検査方法により、単一の前記デバイス拘束体に含まれる各々の前記被拘束デバイスの短絡の有無を検査する短絡検査工程と、含まれている複数の前記被拘束デバイスがいずれも短絡を生じていないと判定された前記デバイス拘束体の前記被拘束デバイス同士を接続する接続工程と、を備える接続済みデバイス拘束体の製造方法とすると良い。
【0020】
上述の接続済みデバイス拘束体の製造方法では、短絡検査工程で単一の前記デバイス拘束体に含まれる各々の被拘束デバイスの短絡の有無を検査し、含まれている複数の被拘束デバイスがいずれも短絡を生じていないと判定されたデバイス拘束体について、接続工程で被拘束デバイス同士を接続する。かくして、いずれも短絡を生じていないと判定された複数の被拘束デバイスを有するデバイス拘束体についてのみ、相互に接続して、容易に接続済みデバイス拘束体を製造できる。
【0021】
なお、被拘束デバイス(蓄電デバイス)同士の接続は、蓄電デバイスの接続端子の構造等に応じて適宜選択すれば良いが、例えば、バスバを用いて接続することができる。また、蓄電デバイス同士を電気的に直列接続とすることも、並列接続とすることもできる。
【0022】
(4)さらに(3)に記載の接続済みデバイス拘束体の製造方法であって、同じ前記デバイス拘束体に含まれていた複数の前記被拘束デバイスから、前記短絡検査工程で短絡を生じていると判定された少なくとも1つの前記被拘束デバイスを除去する除去工程と、前記短絡検査工程で短絡を生じていないと判定された、残る複数の前記被拘束デバイスと、別の前記デバイス拘束体に含まれて、前記短絡検査工程で短絡を生じていないと判定されており、予め用意しておいた補充用蓄電デバイスとで、前記デバイス拘束体を再構成する再拘束工程と、を備える接続済みデバイス拘束体の製造方法とすると良い。
【0023】
この接続済みデバイス拘束体の製造方法では、除去工程で短絡と判定された蓄電デバイスを除去する一方、再拘束工程では、短絡を生じていない残りの蓄電デバイスと、別のデバイス拘束体に含まれて短絡を生じていないと判定された補充用蓄電デバイスとで、デバイス拘束体を再構成する。かくして、被拘束デバイス内に短絡を生じた蓄電デバイスが含まれていた場合でも、容易にデバイス拘束体を再構成して接続済みデバイス拘束体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る電池スタックの説明図である。
図2】実施形態に係る未接続電池スタックの説明図である。
図3】実施形態に係る電池スタックの製造工程を示すフローチャートである。
図4】実施形態に係る電池スタックの製造工程のうち、個別短絡検査工程の内容を示すフローチャートである。
図5】実施形態に係る電池スタックの製造工程のうち、拘束短絡検査工程の内容を示すフローチャートである。
図6】実施形態に係り、短絡を生じていない電池の、調整工程後の電池電圧の変化例を示すグラフである。
図7図6のグラフを利用して、最古被拘束電池と最新被拘束電池との間の最大調整時期差、及び、経過時間と両電池の電圧低下率との関係を説明する説明図である。
図8図6のグラフを利用して、最古被拘束電池と最新被拘束電池との間の最大調整時期差、及び、経過時間と予測低下率差との関係を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る電池スタック1を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態等に係る直方体状の電池(蓄電デバイス)10を複数(例えば、本実施形態では28個)積層し拘束部材5で定寸に拘束した電池スタック(接続済みデバイス拘束体)1を示す。この電池スタック1は、スペーサ2を介して複数の電池10を互いに積層方向(図1において左右方向)SHに積層し、これらを拘束部材5で積層方向SHに押圧して拘束している。具体的には、複数の被拘束電池10P(本実施形態ではリチウムイオン二次電池)とスペーサ2とを交互に積層し、これらを一対の拘束板51で挟み、積層方向SHに延び拘束板51の間に架け渡した拘束ボルト52、これに螺着したナット53及びワッシャ54を用いて積層方向SHに各被拘束電池10Pを押圧して拘束している。各被拘束電池10Pの正極端子14及び負極端子15(次述する)同士は、バスバ3を介して互いに接続されている。なお、本実施形態の電池スタック1では、図1に示すように、各被拘束電池10Pを交互に反転させて配置し、正極端子14と負極端子15とが積層方向SHに一列に且つ交互に並ぶようにしてあり、バスバ3の接続によって、各被拘束電池10Pは直列に接続されている。電池スタック1は、例えば、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車等の車両などに搭載されて使用される。
【0026】
この電池スタック1に用いる、電池10は、各々、角型で密閉型のリチウムイオン二次電池である。この電池10は、直方体状でアルミニウムからなるケース11と、ケース11の内部に収容された電極体12(一部の電池10内に破線で示す)と、ケース11に支持され、ケース11の内部で電極体12に接続すると共に、ケース11の外部(図1において上方)に突出する正極端子14及び負極端子15等を有している。
【0027】
ついで、電池スタック1の製造について、図2図8を参照して、以下に説明する。先ず、未充電の電池10を製造する。直方体状のケース11を有する密閉型の電池10の製造については、公知であるので説明を省略する。初充電工程S1(図3参照)では、まず未充電の電池10に対し常温下でSOC60~100%とするCCCV充電(定電流1~10C,カット電流0.1~1C)による初充電を行う。本実施形態では、例えば、25℃の環境下で、定電流7C、カット電圧3.85V(SOC75%相当)、カット電流0.3CのCCCV充電を行う。次いで、高温エージング工程S2では、初充電した各電池10を開放状態で、50~80℃の環境下で10~200時間に亘り放置する高温エージング(本実施形態では、例えば70℃の環境下に18時間)を行う。電池10を冷却した後、更に、容量検査工程S3では、電池10をSOC100%まで充電し、その後、SOC0%まで電池10を放電させて電池10の容量(上述の手法による場合は放電容量)を測定する。
【0028】
ついで、各電池10に対し、短絡検査・拘束工程S4を行う。この短絡検査・拘束工程S4では、先ず、電圧調整工程S41で、各電池10の電池電圧VBを常温下でSOC30~100%の範囲内の第1電圧VB1までCCCV充電(定電流1~10C,カット電流0.1~1C)する。本実施形態では、例えば、25℃の環境下で、定電流7Cとし、初充電に比して0.1V低いカット電圧3.75V(SOC60%相当)、カット電流0.3CのCCCV充電を行う。即ち、各電池10の電池電圧VBを、一旦、同じ第1電圧VB1(本実施形態では、VB1=3.75V)に揃える。
【0029】
続いて個別短絡検査工程S42では、電圧調整工程S41を行った後の個々の電池10について、個別の短絡検査を行う。個別の電池10の段階で、既に短絡を生じている不良電池10Nを排除し、このような不良電池10Nが、後述する拘束工程S43で、未接続電池スタック1M(図2参照)をなす電池10として組み込まれるのを防止するためである。
【0030】
この個別短絡検査工程S42(図4参照)では、具体的にはまず、放置前測定工程S421で、電池10の電池電圧VBである放置前第2電圧VB2aを測定する(図6参照)。なお、前述のように、CCCV充電により各電池10の電池電圧VBを、一旦、同じ第1電圧VB1に揃えた。しかし、CCCV充電を終了した直後に、CV充電時に電池抵抗分に充電電流によって生じる電圧降下分だけ電池電圧VBが低下する。このほか、電池10が短絡していない場合でも、後述するように、時間の経過と共に、電池電圧VBは徐々に低下する(図6参照)。このため、次述する個別放置工程S422に先立ち、第1電圧VB1に充電された後の各々の電池10の放置前第2電圧VB2aを測定しておく。
【0031】
次いで、個別放置工程S422において、正極端子14及び負極端子15を開放状態として、各電池10を、無拘束状態として、25℃の環境下で個別放置期間IH(なお、本実施形態では、IH≧5.0日(IH≧120時間))に亘り放置する。その後、放置後測定工程S423で、放置後の電池10の電池電圧VBである放置後第2電圧VB2bを測定する。
【0032】
続く低下率取得工程S424では、放置前第2電圧VB2aと放置後第2電圧VB2bとの差電圧ΔVB2を実際の個別放置期間IHで除して、単位時間当たり(例えば、1日当たりの、或いは1時間当たり)の電池電圧VBの低下量である第2電圧低下率DVB2を、各電池10について算出する。
【0033】
個別放置期間IHの長さは、個別放置期間IH内に週末を含むか否か、放置後測定工程S423の遅延の有無などにより、個別放置工程S422のロット毎に放置後測定工程S423を行い得るタイミングが異なり、個別放置期間IHの長さが変動する場合があり得る。このため、次述する個別短絡判定工程S425などにおいて、放置前第2電圧VB2aと放置後第2電圧VB2bとの差電圧ΔVB2を用いるよりも、第2電圧低下率DVB2を用いた方が、判定基準との比較がしやすいからである。
【0034】
そして、個別短絡判定工程S425では、各電池10について取得した第2電圧低下率DVB2により、電池10の短絡の有無を判定する。具体的には、第2電圧低下率DVB2が予め定めたしきい低下率THD2よりも大きい(DVB2>THD2)か否かを判断する。Yesの場合、電池には短絡が生じていると判断し、製造工程から排出する。一方、Noの場合、即ち、第2電圧低下率DVB2がしきい低下率THD2よりも小さい(DVB2<THD2)場合には、電池10には短絡が生じていないとして、次の工程(拘束工程S43)に進む。かくして、個別短絡検査工程S42を終了する。
【0035】
続く拘束工程S43(図3参照)では、個別短絡検査工程S42(個別短絡判定工程S425)で短絡していないと判断された各電池10のほか、スペーサ2及び拘束部材5を用いて、公知の手法により、未接続電池スタック1M(図2参照)を形成する。この未接続電池スタック1Mでは、各電池10は、積層方向SHに押圧され拘束された被拘束電池10Pとなっている。このため、被拘束電池10Pの電極体12では、図示しない正極板及び負極板がセパレータを介して積層方向SHに一致する厚み方向に圧縮される。しかし、電池スタック1(図1参照)と異なり、バスバ3は用いられておらず、被拘束電池10P同士の正極端子14及び負極端子15は相互に接続しておらず、各被拘束電池10Pは開放状態となっている。この未接続電池スタック1Mの状態で、拘束下の各被拘束電池10Pについて短絡検査を行う。拘束工程S43以降は、単一の未接続電池スタック1M(或いは電池スタック1)に含まれる複数(例えば、本実施形態では28個)の被拘束電池10Pを一群として扱う。
【0036】
本実施形態では、拘束工程S43に続いて、算出工程S44、取得工程S45、及び繰延工程S46を経て、拘束短絡検査工程S47において、未接続電池スタック1Mの状態で、拘束下(圧縮下)の各被拘束電池10Pについて短絡検査を行い、各被拘束電池10Pについて短絡の発生の有無を検知する。なお以下では、説明の都合上、算出工程S44~繰延工程S46の説明に先立ち、拘束短絡検査工程S47の説明を先に行う。
【0037】
拘束短絡検査工程S47(図5参照)のうち放置前電圧測定工程S471では、単一の未接続電池スタック1Mをなす一群の被拘束電池10Pについて、各被拘束電池10Pの電池電圧VBである放置前第3電圧VB3aをそれぞれ測定する。なお、前述したように、被拘束電池10Pが短絡していない場合でも、時間の経過と共に、電池電圧VBは徐々に低下する(図6参照)ため、次述する拘束放置工程S472に先立ち、各々の被拘束電池10Pの放置前第3電圧VB3aを測定しておく。
【0038】
次いで、拘束放置工程S472において、未接続電池スタック1Mを、従って、拘束部材5で拘束され、正極端子14及び負極端子15を開放状態とした一群の各被拘束電池10Pを、25℃の環境下で拘束放置期間PH(本実施形態では、PH≧5.0日(≧120時間))に亘り放置する。その後、放置後電圧測定工程S473で、単一の未接続電池スタック1Mに属する放置後の被拘束電池10Pについて、その電池電圧VBである放置後第3電圧VB3bをそれぞれ測定する。
【0039】
続く電圧低下率取得工程S474では、単一の未接続電池スタック1Mに属する一群の被拘束電池10Pについて、放置前第3電圧VB3aと放置後第3電圧VB3bとの差電圧である第3電圧低下量ΔVB3(=VB3a-VB3b)をそれぞれ算出する。
【0040】
さらに、各被拘束電池10Pの第3電圧低下量ΔVB3を、実際の拘束放置期間PHで除して、単位時間当たり(例えば、1日当たりの、或いは1時間当たり)の第3電圧低下量である第3電圧低下率DVB3をそれぞれ算出する。拘束放置期間PHの長さは、拘束放置期間PH内に週末を含むか否か、放置後電圧測定工程S473の遅延の有無などにより、未接続電池スタック1M毎に若干異なる場合があり得る。このため、次述する拘束短絡判定工程S475などにおいて、第3電圧低下量ΔVB3そのものを用いるよりも、第3電圧低下率DVB3を用いた方が、判定容易である。
【0041】
そして拘束短絡判定工程S475では、単一の未接続電池スタック1Mに属する一群の被拘束電池10Pについてそれぞれ取得した第3電圧低下率DVB3を用いて、当該未接続電池スタック1Mに属する各被拘束電池10Pの短絡の有無を判定し、これを総合して、当該未接続電池スタック1Mに不良電池10Nが1つ以上含まれているか否かを判定する。
【0042】
具体的には、まず、一群(本実施形態では28個)の第3電圧低下率DVB3の平均値である平均低下率ADVB3を算出する。そして、この平均低下率ADVB3を用いて、各被拘束電池10Pの第3電圧低下率DVB3の適否を判定する。詳細には、予め与える許容幅PW3を平均低下率ADVB3に加えて得たしきい低下率THD3(=ADVB3+PW3)と、各被拘束電池10Pの第3電圧低下率DVB3とをそれぞれ比較する。そして、第3電圧低下率DVB3がしきい低下率THD3よりも大きい(DVB3>THD3)、即ち、電池電圧VBの低下の度合いが、しきい低下率THD3よりも激しい場合には、当該被拘束電池10Pを不良電池10Nと判定する。これを一群の被拘束電池10P(本実施形態では28個)について行う。
【0043】
次いで、単一の未接続電池スタック1Mに属する一群の被拘束電池10Pから、不良電池10Nと判定された1または複数の被拘束電池10Pを除外し、残る一群の被拘束電池10Pのみを用いて、新たな平均低下率ADVB3を算出する。そして、許容幅PW3を新たな平均低下率ADVB3に加えて得た新たなしきい低下率THD3と、各被拘束電池10Pの第3電圧低下率DVB3とを再び比較する。そして、第3電圧低下率DVB3が新たなしきい低下率THD3よりも大きい(DVB3>THD3)場合には、当該被拘束電池10Pをも新たに不良電池10Nと判定する。このようにして、新たな不良電池10Nが見出されなくなるまで、上述の処理を繰り返す。
【0044】
さらにこの拘束短絡判定工程S475では、単一の未接続電池スタック1Mに属する一群の被拘束電池10Pに、不良電池10Nが含まれているか否かを判定する。ここで、Yes、即ち、未接続電池スタック1Mに不良電池10Nが含まれている場合には、この未接続電池スタック1Mを後述する除去工程S6に移行させる。一方、No、即ち、未接続電池スタック1Mに不良電池10Nが含まれていない場合には、この未接続電池スタック1Mを接続工程S5に移行させる。
【0045】
なお、上述の拘束短絡判定工程S475の例では、一群の各被拘束電池10Pの第3電圧低下率DVB3の平均低下率ADVB3を用いて、しきい低下率TGD3を得た例を示した。しかし、平均低下率ADVB3に代えて、第3電圧低下率DVB3の中央値(メジアン)である中央低下率MDVB3を用い、これに許容幅PW3を加えてしきい低下率THD3を得て、不良電池10Nの判定を行うようにしても良い。
【0046】
接続工程S5では、未接続電池スタック1Mをなす一群の被拘束電池10Pの正極端子14及び負極端子15にバスバ3を接続し、被拘束電池10Pを相互に接続して、電池スタック1(図1参照)を完成させる。かくして、いずれも短絡を生じていないと判定された複数の被拘束電池10Pを有する未接続電池スタック1Mについてのみ、相互に接続して、容易に接続済み未接続電池スタック1を製造できる。
【0047】
一方、除去工程S6では、少なくとも1つの不良電池10Nが含まれている未接続電池スタック1Mから、不良電池10Nを除去する。具体的には、拘束部材5の拘束ボルト52とナット53との締結を緩め、未接続電池スタック1Mから不良電池10Nを除去し、製造工程から排出する。
【0048】
続く再拘束工程S7では、不良電池10Nを除去した未接続電池スタック1Mに、不足数分の補充用電池10Hを補充し、拘束部材5を用いて、一群の被拘束電池10Pを再度拘束して、未接続電池スタック1M(図2参照)を再構成する。補充用電池10Hとしては、別の未接続電池スタック1Mに含まれて、既に拘束短絡検査工程S47で短絡を生じていないと判定されており、補充用として予め用意しておいた電池10を用いる。その後、再構成された未接続電池スタック1Mについて、再度、拘束短絡検査工程S47を行い、不良電池10Nが発生しなくなるまで補充用電池10Hを補充し未接続電池スタック1Mの再構成を繰り返す。拘束短絡判定工程S475において、再構成した未接続電池スタック1Mに不良電池10Nが含まれていない場合には、前述と同様、再構成した未接続電池スタック1Mを接続工程S5に移行させる。
【0049】
その後、接続工程S5では、再構成された未接続電池スタック1Mをなす一群の被拘束電池10Pの正極端子14及び負極端子15にバスバ3を接続し、被拘束電池10Pを相互に接続して、電池スタック1(図1参照)を完成させる。かくして、未接続電池スタック1M内に短絡を生じた電池10が含まれていた場合でも、容易に未接続電池スタック1Mを再構成して電池スタック1を製造することができる。
【0050】
以上のようにして、拘束短絡検査工程S47の拘束短絡判定工程S475で、未接続電池スタック1Mに不良電池10Nが含まれていない(No)と判定された場合、含まれている(Yes)と判定された場合のいずれでも、電池スタック1を完成させることができる。
【0051】
なお、再拘束工程S2Bで、再拘束することで再構成した未接続電池スタック1Mにおいて不良電池10Nの発生する可能性が低い場合には、図6において破線で示すように、第2接続工程S2Cで、再構成された未接続電池スタック1Mをなす一群の被拘束電池10Pの正極端子14及び負極端子15にバスバ3を接続し、被拘束電池10Pを相互に接続して、電池スタック1(図6参照)を完成させようにしても良い。このようにすると、さらに容易に未接続電池スタック1Mを再構成して電池スタック1を製造することができる。
【0052】
前述したように、電圧調整工程S41で、CCCV充電により、電池10の電池電圧VBを第1電圧VB1とする(以下、このタイミングを調整完了時Tcとする。)と、調整完了時Tc以降、電池10が短絡を生じていない場合には、例えば図6のグラフに示すように、経過時間KTの増加と共に、電池10の電池電圧VBは減少する。即ち、CCCV充電を終了すると、CV充電の終了直前には、電池10にカットオフ電流(例えば0.3C)を流すことによって電池抵抗によって生じていた電圧降下分だけ、電池電圧VBが速やかに低下する。更に、調整完了時Tcの直後から数時間~1日程度経過するまでの期間に電池電圧VBが大きく(例えば図6では、0.003V=3mV)程度低下した後、さらに徐々に低下する。但し、電池電圧VBの低下は、徐々に緩やかになり、数100日掛かって、電池電圧VBは安定する。即ち、電池電圧VBを第1電圧VB1とした調整完了時Tcから、数日経過以降も電池電圧VBは低下し続けるが、直線的に低下するのでは無く、経過時間KTが大きくなるほど電池電圧VBの低下が緩やかになり、図6に示すように、下に凸の形状のグラフとなる。
【0053】
なお、電池10に短絡が生じていない場合には、電池10が無拘束の場合(例えば、前述した個別放置工程S422の個別放置期間IH中の場合。なお、無拘束には、電池10の運搬の際などに掛かる振動や衝撃などでは動かない程度に電池10を弱く拘束する場合も含む。)、拘束下の場合(例えば、前述した拘束放置工程S472の拘束放置期間PH中の場合)のいずれでも、電池10の電池電圧VBは、図6に示すようになり、概ね同様に推移する。
【0054】
そして、各電池10は、個々の電池10毎に定まる調整完了時Tcを基点として、図6に示すように、その電池電圧VBが低下することになる。このため、電池10同士で個別放置期間IHや拘束放置期間PHの長さを同じとしても、電圧調整工程S41による電池電圧VBの調整完了時Tcからの経過時間KTの大小によって、これらの期間IH,PHの前後に生じる第3電圧低下量ΔVB3や電圧低下率DVB2,DVB3が異なる大きさとなる。
【0055】
但し、前述の短絡検査・拘束工程S4のうち、前段に行う個別短絡検査工程S42では、個別短絡判定工程S425において、電池10毎に短絡の有無を判定できるので、電池10相互で経過時間KTが異なっていても、経過時間KTの違いを考慮した大きさのしきい低下率THD2を用いたり、経過時間KTの違いに応じて異なるしきい低下率THD2を用いるようにすれば良く、短絡有無の判定に影響しないようにできる。
【0056】
一方、短絡検査・拘束工程S4のうち、後段に行う拘束短絡検査工程S47では、各被拘束電池10Pを未接続電池スタック1M毎に扱い、拘束短絡判定工程S475では、前述のように、単一の未接続電池スタック1Mに属する一群の被拘束電池10Pについてそれぞれ第3電圧低下率DVB3を取得し、平均低下率ADVB3(或いは中央低下率MDV3)との比較により、各被拘束電池10Pの短絡の有無を判定している。このため、単一の未接続電池スタック1Mに属する一群の被拘束電池10P相互で調整完了時Tcが異なっている場合には、短絡有無の判定に影響する可能性がある。例えば、一群の被拘束電池10Pのうち、多数の被拘束電池10Pは調整完了時Tcからの経過時間KTが長く、第3電圧低下率DVB3が小さいのに対し、1又は小数の被拘束電池10Pは調整完了時Tcからの経過時間KTが短く、第3電圧低下率DVB3が大きい場合である。
【0057】
図7を用いて、簡単化した例で具体的に説明する。前述した拘束工程S43において形成した、或る未接続電池スタック1Mに属する一群(例えば28個)の被拘束電池10Pについて見たとき、27個の被拘束電池10P(以下、古い被拘束電池10Pともいう)の調整完了時Tcは互いに同じ最古調整完了時Tcfであったとする。一方、残る1個の被拘束電池10P(以下、新しい被拘束電池10Pともいう)の調整完了時Tcは、27個の古い被拘束電池10Pの最古調整完了時Tcfから丁度10.0日遅れの最新調整完了時Tcsであったとする。そして、これら28個の被拘束電池10Pがいずれも短絡していない場合には、各被拘束電池10Pの(拘束工程S43による拘束前からの)電池電圧VBの推移は、概ね、図7に示す2本のグラフで示される。2本のグラフのうち図中左側に示されたグラフが、27個の古い被拘束電池10Pの(代表的な)電池電圧VBの変化を示す。一方、図中右側に示されたグラフが、1個の新しい被拘束電池10Pの電池電圧VBの変化を示す。図7から容易に理解できるように、経過時間KTsが大きくなるほど、2つのグラフの間に生じている電池電圧VBの差は小さくなる。なお図7では、最新調整完了時Tcsを起点として、横軸の経過時間KTsを表示している。
【0058】
ここで、拘束短絡検査工程S47の放置前電圧測定工程S471を、27個の古い被拘束電池10Pの最古調整完了時Tcfから15.0日経過後で、且つ、1個の新しい被拘束電池10Pの最新調整完了時Tcsから5.0日経過後に行って、放置前第3電圧VB3aをそれぞれ測定したとする。更に、拘束放置期間PHを5日間として拘束放置工程S472を行い、放置前電圧測定工程S471から5.0日後に放置後電圧測定工程S473を行って、放置後第3電圧VB3bをそれぞれ測定したとする。そして、電圧低下率取得工程S474で、28個の被拘束電池10Pについて、第3電圧低下率DVB3をそれぞれ取得したとする。
【0059】
すると、図7において左側のグラフで示される、27個の古い被拘束電池10Pの第3電圧低下量ΔVB3f及び第3電圧低下率DVB3fは、互いに近似した値となり、且つ、比較的小さな値になる。一方、図7において右側のグラフで示される、1個の新しい被拘束電池10Pの第3電圧低下量ΔVB3s及び第3電圧低下率DVB3sは、古い被拘束電池10Pの第3電圧低下量ΔVB3f及び第3電圧低下率DVB3fに比して、比較的大きな値となる(図7参照)。
【0060】
このため、前述したように、拘束短絡判定工程S475で28個の第3電圧低下率DVB3から平均低下率ADVB3を算出し、これに許容幅PW3を加えてしきい低下率THD3(=ADVB3+PW3)を得て、各被拘束電池10Pの第3電圧低下率DVB3と比較した場合、27個の古い被拘束電池10Pは不良電池10Nとは判定されない。古い被拘束電池10Pの第3電圧低下率DVB3fは、平均低下率ADVB3に近似した値となるからである。しかし、1個の新しい被拘束電池10Pの第3電圧低下率DVB3sは、しきい低下率THD3よりも大きく(DVB3s>THD3)なり、不良電池10Nであると誤判定される場合が生じ得る。
【0061】
このように、拘束工程S43で、一群(例えば28個)の電池10(被拘束電池10P)を用いて、未接続電池スタック1Mを構成するに当たり、調整完了時Tcが大きく異なっている被拘束電池10Pが混在した未接続電池スタック1Mを構成する場合があり得る。前述したように、例えば、同一処理ロットに属する電池に端数が生じ、ロットが混在した複数の電池を用いる場合、長期連休や停電などのアクシデントなどで電池の製造工程や電圧調製工程のタイミングが乱れた場合などが考えられる。
【0062】
そして、このような調整完了時Tcが大きく異なっている被拘束電池10Pが混在した未接続電池スタック1Mについて、上述のような不具合発生を抑制するには、当該未接続電池スタック1Mに属するいずれの被拘束電池10Pも、調整完了時Tcからの経過時間KTが大きくなるようにすると良い。そこで本実施形態では、電圧調整工程S41の後で放置前電圧測定工程S471の前に、具体的には、拘束工程S43の後で放置前電圧測定工程S471に先立ち、算出工程S44~繰延工程S46を行う。
【0063】
更に具体的には、まず算出工程S44では、単一の未接続電池スタック1Mに含まれる複数の被拘束電池10Pのうち、調整完了時Tcが最も古い最古被拘束電池10Pfの最古調整完了時Tcfと、調整完了時Tcが最も新しい最新被拘束電池10Psの最新調整完了時Tcsとの時間差である最大調整時期差ΔTcxを算出する。例えば前述の例で言えば、最大調整時期差ΔTcx=10.0日(=240時間)である(図7参照)。なお、図2では、左から2番目の被拘束電池10Pが最古被拘束電池10Pfであり、右から2番目の被拘束電池10Pが最新被拘束電池10Psである場合を示す。
【0064】
次いで取得工程S45では、予め得ておいた待機時間関数F(ΔTcx)に基づき、最新調整完了時Tcsの後、放置前電圧測定工程S471の開始を許容するまでの最短待機時間WTmin(たとえば、WTmin=15.0日間)を取得する。上述の待機時間関数F(ΔTcx)は、最大調整時期差ΔTcxから最短待機時間WTminを得る関数であり、最大調整時期差ΔTcxが大きいほど得られる最短待機時間WTminが長くなる関数である。
【0065】
なお、最大調整時期差ΔTcxのほか、最新調整完了時Tcs(日時)が既知である場合には、待機時間関数F(ΔTcx)に基づき、最短待機時間WTminに代えて、或いは最短待機時間WTminと共に、放置前電圧測定工程S471の開始を許容する最先開始時期SST(日時)を得るようにしても良い。また、最短待機時間WTminや最先開始時期SSTは、待機時間関数F(ΔTcx)に基づいて取得すれば良く、最短待機時間WTminを得るに当たり、その都度、待機時間関数F(ΔTcx)を用いて算出しても良いが、待機時間関数F(ΔTcx)のグラフや、最大調整時期差ΔTcxと最短待機時間WTminや最先開始時期SSTとの関係を示す表を予め作成しておき、これを用いて、最短待機時間WTminや最先開始時期SSTを得るようにしても良い。
【0066】
そして、続く繰延工程S46では、最新調整完了時Tcsから取得工程S45で得た最短待機時間WTmin(たとえば、WTmin=15.0日間)が経過するまで、又は、最短待機時間WTminに対応する最先開始時期SST(日時)が到来するまで、放置前電圧測定工程S471を行うのを繰り延べる。繰り延べた後は、前述の拘束短絡検査工程S47(放置前電圧測定工程S471~拘束短絡判定工程S475)のほか、接続工程S5或いは除去工程S6、再拘束工程S7を行う。かくして、電池スタック1(図1参照)を完成させることができる。
【0067】
しかも、例えば、前述の例(図7参照)では、最新調整完了時Tcsから5.0日経過後に放置前電圧測定工程S471を行った場合に、新しい被拘束電池10Pが不良電池10Nであると誤判定される虞があると説明した。
【0068】
これに対し、繰延工程S46で、最新調整完了時Tcsから最短待機時間WTmin=15.0日間が経過するまで、放置前電圧測定工程S471を行うのを繰り延べた場合には、図7において左側のグラフで示される、27個の古い被拘束電池10Pの第3電圧低下率DVB3f’は、繰り延べなかった前述の場合の第3電圧低下率DVB3fよりも小さな値(DVB3f’<DVB3f)となる。一方、図7において右側のグラフで示される、1個の新しい被拘束電池10Pの第3電圧低下率DVB3s’も、繰り延べなかった前述の場合の第3電圧低下率DVB3sよりも小さな値(DVB3s’<DVB3s)より小さな値となる。その上、第3電圧低下率DVB3s’と第3電圧低下率DVB3f’との差(DVB3s’-DVB3f’)も、繰り延べなかった前述の場合における第3電圧低下率DVB3sと第3電圧低下率DVB3fとの差(DVB3s-DVB3f)に比して小さくなる(図7参照)。このため、繰延工程S46により放置前電圧測定工程S471の開始を繰り延べた後に、前述同様の放置前電圧測定工程S471~拘束短絡判定工程S475を行った場合、拘束短絡判定工程S475において、1個の新しい被拘束電池10Pが不良電池10Nであると誤判定される虞を減少させることができる。
【0069】
なお、単一の未接続電池スタック1Mに含まれる一群の被拘束電池10Pの調整完了時Tcがいずれもほぼ同じであり、最大調整時期差ΔTcxが小さい値になる場合には、小さな値の最短待機時間WTminが得られる。この場合には、得られた最短待機時間WTminよりも、電圧調整工程S41から放置前電圧測定工程S471に至るまでに掛かる時間の方が長くなり、繰延工程S46での繰り延べを、実質的に行わない場合や、ごく短くなる場合もあり得る。
【0070】
かくして、この短絡検査方法及び製造方法によれば、単一の未接続電池スタック1Mに含まれる複数の被拘束電池10Pの調整完了時Tcがほぼ同時期である(揃っている)場合には、調整完了時Tcが古いか新しいかに拘わらず、繰り延べをしないで、或いは、短期間の繰り延べを行って、速やかに放置前電圧測定工程S471を開始して、拘束短絡検査工程S47を行い、適切に各被拘束電池10Pの短絡の有無を判定することができる。その一方、調整完了時Tcの時期が揃っていない場合には、最大調整時期差ΔTcxの大きさに応じて放置前電圧測定工程S472を行うのを繰り延べることで、単一の未接続電池スタック1Mに含まれる最古被拘束電池10Pfから最新被拘束電池10Psまでいずれの被拘束電池10Pについても、調整完了時Tcの時期に拘わらず、適切に短絡の有無を判定することができる。
【0071】
なお、前述の待機時間関数F(ΔTcx)は、例えば、先行する同一ロットや同一型番の電池10について予め得ておいた調整完了時Tc以降の経過時間KTと電池電圧VBとの関係(例えば図6参照)を用いて、予め得ておく。前述した図7と同じ図8を用いて説明する。図8の2本のグラフは、前述した内容から理解できるように、単一の未接続電池スタック1Mに属する一群の被拘束電池10Pにおける最大調整時期差ΔTcxが、ΔTcx=10.0日である場合を示している。そして、拘束放置工程S472における拘束放置期間PHを適宜の期間(例えばPH=5.0日間)に設定する。
【0072】
すると、図8の左側のグラフからは、それぞれの経過時間KTsに対応して、最古被拘束電池10Pfに生じると予測される第3電圧低下率DVB3fである最古予測低下率PDVfを得ることができる。また図8の右側のグラフからも、それぞれの経過時間KTsに対応した、最新被拘束電池10Psに生じると予測される第3電圧低下率DVB3sである最新予測低下率PDVsを得ることができる。なお図8には、経過時間KTs=10.0日、拘束放置期間PH=5.0日間とした場合を示す。
【0073】
更には、同じ経過時間KTsに対応した、最新予測低下率PDVsから最古予測低下率PDVfを差し引いた予測低下率差PDDV(=PDVs-PDVf)をも得ることができる。この予測低下率差PDDVは、経過時間KTsの経過と共に小さくなる。そこで、この予測低下率差PDDVが、所定の上限低下率差UPDDV以下の大きさとなる最小の経過時間KTsを、前述の最短待機時間WTminとする。このようにして、最大調整時期差ΔTcx毎に最短待機時間WTminを得ることで、待機時間関数F(ΔTcx)、これに基づくグラフや表を容易に得ることができる。
【0074】
なお、上限低下率差UPDDVには、適宜の値を採用すれば良いが、調整完了時Tcがほぼ同じ複数の電池10の予測低下率PDVに生じ得るバラツキよりも小さな値とすると良い。調整完了時Tcの違いによる予測低下率PDVの変動が、予測低下率PDVに生じるバラツキに隠れることになるからである。
【0075】
本実施形態の電池10の短絡検査方法及び電池10の製造方法では、電池スタック1に含まれる複数の被拘束電池10Pの調整完了時Tcがほぼ同時期である場合には、調整完了時Tcが古いか新しいかに拘わらず、繰り延べをしないで或いは短い繰り延べを介して、速やかに放置前電圧測定工程S471を開始して、拘束短絡検査工程S47を行い、適切に被拘束電池10P(電池10)の短絡の有無を判定することができる。一方、調整完了時Tcの時期が揃っていない場合でも、最大調整時期差ΔTcxに応じて放置前電圧測定工程S471を行うのを繰り延べる。これにより、最古被拘束電池10Pfから最新被拘束電池10Psまで、調整完了時Tcの時期に拘わらず、即ち、調整完了時Tcからの経過時間KTの大小に拘わらず、各電池10について適切に短絡の有無を判定することができる。
【0076】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態の電池スタック1では、被拘束電池10P同士をバスバ3で電気的に直列接続した。しかし、被拘束電池10Pを電気的に並列接続したデバイス拘束体とすることもできる。
【符号の説明】
【0077】
1 電池スタック(接続済みデバイス拘束体)
1M 未接続電池スタック(デバイス拘束体)
SH 積層方向
3 バスバ
5 拘束部材
10 電池(二次電池、蓄電デバイス)
10N 不良電池
10H 補充用電池
10P 被拘束電池(被拘束デバイス)
10Pf 最古被拘束電池(最古調整デバイス)
10Ps 最新被拘束電池(最新調整デバイス)
VB 電池電圧
VB1 第1電圧(第1デバイス電圧)
VB3a,VB3fa,VB3sa,VB3fa’,VB3sa’ 放置前第3電圧(放置前デバイス電圧)
VB3a,VB3fa,VB3sa,VB3fa’,VB3sa’ 放置後第3電圧(放置後デバイス電圧)
DVB3,DVB3f,DVB3s,DVB3f’,DVB3s’ 第3電圧低下率
ADVB3 平均低下率
Tc 調整完了時
Tcf 最古調整完了時
Tcs 最新調整完了時
KT,KTs 経過時間
ΔTcx 最大調整時期差
F(ΔTcx) 待機時間関数
WTmin 最短待機時間
SST 最先開始時期
PDVf 最古予測低下率(第2予測低下率)
PDVs 最新予測低下率(第1予測低下率)
PDDV 予測低下率差
UPDDV 上限低下率差
S1 初充電工程
S4 短絡検査・拘束工程
S41 電圧調整工程
IH 個別放置期間
S43 拘束工程
S44 算出工程
S45 取得工程
S46 繰延工程
S47 拘束短絡検査工程(短絡検査工程)
S471 放置前電圧測定工程
S472 拘束放置工程
PH 拘束放置期間
S473 放置後電圧測定工程
S474 電圧低下率取得工程
S475 拘束短絡判定工程
S5 接続工程
S6 除去工程
S7 再拘束工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8