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特開2024-45818ビデオ内視鏡、ビデオ内視鏡用エンベロープ、および、ビデオ内視鏡の滅菌バリアを監視する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045818
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】ビデオ内視鏡、ビデオ内視鏡用エンベロープ、および、ビデオ内視鏡の滅菌バリアを監視する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
A61B1/00 652
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022150821
(22)【出願日】2022-09-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ジップロック
(71)【出願人】
【識別番号】522375316
【氏名又は名称】アルパカ テクノロジー ウーゲー(ハフツングスベシュレンクト)
【氏名又は名称原語表記】Alpaka Technology UG(haftungsbeschraenkt)
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マルコ シュレーゲル
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA24
4C161DD01
4C161GG14
4C161HH05
4C161JJ13
(57)【要約】
【課題】本発明は、内視鏡光学系(22)を備えている内視鏡(20)と、カメラ電子機器(35)および表示制御ユニット(36)を備えているカメラヘッド(30)と、を有するビデオ内視鏡(10)に関する。真空ポンプ(40)は、ビデオ内視鏡(10)の環境から空気を吸引するべくビデオ内視鏡(10)内に配置されている。
【解決手段】さらに本発明は、遠位端(71a)および近位端(71b)を有する中空管(71)を備えるとともに、ビデオ内視鏡(10)を受け入れるのに適したエンベロープ(70)に関する。遠位端(71a)は、光学的に透明な窓(72)によって閉じられる。入口開口部(74)を有する可撓性のパウチ(73)は、近位端(71b)に配置されている。パウチ(73)の入口開口部(74)は、クロージャ(75)によって閉じることができるように実装されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡(20)とカメラヘッド(30)とを備えているビデオ内視鏡(10)であって、
前記内視鏡(20)は内視鏡光学系(22)を有しており、
前記カメラヘッド(30)はカメラ電子機器(35)および表示制御ユニット(36)を有しており、
真空ポンプ(40)は、前記ビデオ内視鏡(10)の環境から空気を吸引するべく前記ビデオ内視鏡(10)内に配置されている、
ビデオ内視鏡。
【請求項2】
前記ビデオ内視鏡(10)は、前記真空ポンプ(40)が配置されるハウジング(11)を備えており、
前記真空ポンプ(40)のための吸引開口部(41)は、前記ハウジング(11)の壁に配置されている、
請求項1に記載のビデオ内視鏡。
【請求項3】
前記ハウジング(11)の前記壁には、排気開口部(42)が配置されており、
前記排気開口部(42)は、前記ビデオ内視鏡(10)のためのエンベロープ(70)の排気弁(76)への接続要素(43)を有している、
請求項2に記載のビデオ内視鏡。
【請求項4】
吸引された前記空気を受け入れるべく、圧縮空気容器(45)が設けられている、
請求項1~3のいずれか1項に記載のビデオ内視鏡。
【請求項5】
前記ビデオ内視鏡(10)は、例えば周囲圧力を判定するための、少なくとも1つの圧力センサ(50)を備えている、
請求項1~4のいずれか1項に記載のビデオ内視鏡。
【請求項6】
前記ビデオ内視鏡(10)は、好ましくは蓄電池(61)または電池を有している、無線電源(60)を備えている、
請求項1~5のいずれか1項に記載のビデオ内視鏡。
【請求項7】
前記ビデオ内視鏡(10)は、無線インタフェース(62)を備えている、
請求項1~6のいずれか1項に記載のビデオ内視鏡。
【請求項8】
ハウジング(11)は、少なくとも1つの調節可能にされている脚部(32)を、好ましくは3つの調節可能にされている脚部(32)を、備えており、
調節可能にされている前記脚部(32)は、少なくとも1つの吸引カップ(33)を備えており、
前記吸引カップ(33)は、好ましくは前記真空ポンプ(40)に接続されている、
請求項1~7のいずれか1項に記載のビデオ内視鏡。
【請求項9】
前記表示制御ユニット(36)は、タッチディスプレイを備えている、
請求項1~8のいずれか1項に記載のビデオ内視鏡。
【請求項10】
前記表示制御ユニット(36)は周縁部によって囲まれており、
前記真空ポンプ(40)の少なくとも1つの吸引開口部(41)は、前記周縁部(37)に配置されている、
請求項1~9のいずれか1項に記載のビデオ内視鏡。
【請求項11】
前記真空ポンプ(40)に接続可能にされている真空バッグ(84)が設けられており、
前記真空バッグ(84)内にはフラッシング流体バッグ(85)が配置されている、
請求項1~10のいずれか1項に記載のビデオ内視鏡。
【請求項12】
前記内視鏡(20)は、前記カメラヘッド(30)に取り外し可能に接続されており、
前記内視鏡(20)は好ましくは、前記真空ポンプ(40)によって生成される負圧によって所定の位置にロックされ得る、
請求項1~11のいずれか1項に記載のビデオ内視鏡。
【請求項13】
ビデオ内視鏡(10)を受け入れるのに適したエンベロープ(70)であって、
前記エンベロープ(70)は遠位端(71a)および近位端(71b)を有する中空管(71)を備えており、
前記遠位端(71a)は、光学的に透明な窓(72)によって閉じられており、
入口開口部(74)を有する可撓性のパウチ(73)は、前記近位端(71b)に配置されており、
前記エンベロープ(70)は排気弁(76)を備えている、
エンベロープ。
【請求項14】
前記排気弁(76)は、前記エンベロープ(70)内に配置可能にされている前記ビデオ内視鏡(10)の真空ポンプ(40)の排気開口部(42)への接続要素(77)を備えている、
請求項13に記載のエンベロープ。
【請求項15】
前記排気弁(76)は、一方向逆止弁として実装されている、
請求項13または14に記載のエンベロープ。
【請求項16】
前記パウチ(73)の前記入口開口部(74)は、クロージャ(75)によって閉鎖可能にされるように実装されている、
請求項13~15のいずれか1項に記載のエンベロープ。
【請求項17】
前記中空管(71)は、前記中空管(71)の前記近位端(71b)に、前記排気弁(76)が配置される円周カラー(78)を有している、
請求項13~16のいずれか1項に記載のエンベロープ。
【請求項18】
前記中空管(71)は金属で、または張力および圧力に耐える同様の頑丈な材料で、作られている、
請求項13~17のいずれか1項に記載のエンベロープ。
【請求項19】
前記パウチ(73)は、透明なプラスチック材料で作られている、
請求項13~18のいずれか1項に記載のエンベロープ。
【請求項20】
前記遠位端(71a)と前記近位端(71b)との間に延びるチャネル(71c)は、前記中空管(71)内に配置されている、
請求項13~19のいずれか1項に記載のエンベロープ。
【請求項21】
請求項13~20のいずれか1項に記載のエンベロープ(70)を備えている、
請求項1~12のいずれか1項に記載のビデオ内視鏡。
【請求項22】
前記中空管(71)は、好ましくは機械的クイックリリースファスナによって、特に好ましくはバヨネットロック(79)によって、前記ビデオ内視鏡(10)に、特にハウジング(11)に、特に好ましくは前記カメラヘッド(30)に、取り外し可能に固定可能にされている、
請求項21に記載のビデオ内視鏡。
【請求項23】
前記ビデオ内視鏡(10)の前記ハウジング(11)の壁には、排気開口部(42)が配置されており、
前記排気開口部(42)は、前記ビデオ内視鏡(10)のための前記エンベロープ(70)の排気弁(76)への接続要素(43)を備えており、
前記ビデオ内視鏡(10)のための前記エンベロープ(70)には、前記排気弁(76)が配置されており、
前記排気弁(76)は、前記ビデオ内視鏡(10)の前記ハウジング(11)の前記排気開口部(42)への接続要素(77)を備えており、
前記中空管(71)を前記ビデオ内視鏡(10)に固定すると、前記排気開口部(42)の前記接続要素(43)と、前記排気弁(76)の前記接続要素(77)と、が連結される、
請求項22に記載のビデオ内視鏡。
【請求項24】
請求項21~23のいずれか1項に記載のビデオ内視鏡(10)のための滅菌バリアを監視する方法であって、前記ビデオ内視鏡(10)は前記エンベロープ(70)を有しており、前記方法は、
前記エンベロープ(70)内へ前記ビデオ内視鏡(10)を挿入する工程と、
前記エンベロープ(70)内に真空を生成する工程と、
前記エンベロープ(70)内の圧力を検出するとともに、前記圧力を所定の閾値とで比較する工程と、および、
支配的な前記圧力が前記閾値を超えたときに警報信号を発する工程と、
を備えている、方法。
【請求項25】
前記ビデオ内視鏡(10)は、患者(100)上に配置されている、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ビデオ内視鏡(10)は、少なくとも1つの調節可能にされている脚部(32)を、好ましくは3つの調節可能にされている脚部(32)を、有するハウジング(11)を備えており、
調節可能にされている前記脚部(32)は、さらなる工程において前記患者(100)に吸引される少なくとも1つの吸引カップ(33)を備えている、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記吸引カップ(33)が前記患者(100)から解放されたときに、前記警報信号は発せられる、
請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ内視鏡、ビデオ内視鏡用エンベロープ、および、ビデオ内視鏡の滅菌バリアを監視する方法、に関する。
【背景技術】
【0002】
公知のビデオ内視鏡(ビデオエンドスコープ)は、内視鏡とカメラヘッドとを有している。内視鏡は内視鏡光学系を備えている。カメラヘッドは、カメラ電子機器と表示制御(表示および制御)ユニットとを備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
公知のシステムの欠点は、多数の異なる構成要素によってもたらされる複雑な衛生概念である。これら多数の異なる構成要素は、部分的にオートクレーブ処理されたり、部分的に化学的に洗浄(クリーニング)されたり、および、使い捨ての滅菌(無菌)カバーによって患者から部分的に分離されたり、する。このため材料費および人件費が高くつく。
【0004】
例えば、遠位端および近位端を有する中空管を備えたビデオ内視鏡エンベロープ用の使い捨て滅菌カバーが知られている。遠位端は、光学的に透明な窓によって閉鎖されている。入口開口部を有する可撓性パウチ(ポーチ、袋)は、近位端に配置されている。内視鏡は、入口開口部を通して挿入することができる。供給ラインは、近位端に向かって開いているパウチを経由して配線(経路指定)され得る。カメラヘッドは、開いたパウチを通してアクセス可能であるだけでなく、別途(別個に)洗浄されなければならない。
【0005】
本発明の課題は、改善された衛生概念を可能にするビデオ内視鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴を有するビデオ内視鏡によって、請求項13の特徴を有するビデオ内視鏡用エンベロープによって、および、請求項24の特徴を有するビデオ内視鏡の無菌バリアを監視(モニタリング)する方法によって、解決される。
【0007】
本発明の有利な実施形態および更なる発展形態は、従属請求項に記載されている。
本発明によるビデオ内視鏡は、内視鏡光学系を備えている内視鏡と、カメラ電子機器と表示制御ユニットとを備えているカメラヘッドと、を有するビデオ内視鏡において、ビデオ内視鏡の環境から空気を吸引するための真空ポンプは、ビデオ内視鏡内に配置されていることを特徴とする。本発明にとって重要なことは、真空ポンプが、ビデオ内視鏡の周囲からビデオ内視鏡内へ空気を吸引するべく、ビデオ内視鏡内に一体化されていることである。このような構成は、真空ポンプによってビデオ内視鏡の環境から、したがってエンベロープとビデオ内視鏡との間の中間空間から、空気を吸引することができるので、特にエンベロープが気密に閉鎖されている場合、エンベロープを吸引することを、特にエンベロープをビデオ内視鏡の表面に対して吸引することを可能にする。したがって、例えば、ビデオ内視鏡の周りに閉鎖された無菌バリアを提供することを可能にするので、これは操作(手術)のためのビデオ内視鏡の準備を簡略化する。吸引されたエンベロープは、特にカメラヘッド上で、邪魔にならないという利点を有するだけでなく、カメラヘッドの操作を可能にする。
【0008】
好ましくは、前記ビデオ内視鏡は、真空ポンプが配置されるハウジングを備えている。前記真空ポンプのための吸引開口部は、前記ハウジングの壁に配置されている。
好ましい実施形態では、前記ビデオ内視鏡用のエンベロープの排気弁への接続要素を有する排気開口部は、前記ハウジングの前記壁に配置されている。これによって、吸引された空気を、エンベロープからも含めてビデオ内視鏡から、除去する可能性が提供される。
【0009】
代替的な好ましい実施形態によれば、吸引された空気を収容するべく、圧縮空気容器(コンテナ)が設けられている。したがって、吸引された空気は、ビデオ内視鏡内に留まるので、例えば、熱に敏感(熱クリティカル)な構成要素の空気冷却のために、または追加の空気圧エネルギー源として特に真空ポンプの圧力側および真空側の両方のために、使用することができる。
【0010】
本発明の特に好ましい実施形態は、ビデオ内視鏡が、例えば周囲圧力を判定するための、少なくとも1つの圧力センサを有することを提供する。無菌バリアの動作の監視は、そのような圧力センサによって可能にされ得る。さらに吸引圧力は、例えば患者において、または他の空気圧アプリケーション(用途)において、監視され得る。
【0011】
特に好ましくは、ビデオ内視鏡は無線電源を有しており、無線電源は、好ましくは少なくとも1つの蓄電池(アキュムレータ)をまたは少なくとも1つのバッテリを備えている。そのような設計は、エンベロープを介しての電源の耐圧(圧密)フィードスルーの必要性を排除する。
【0012】
有利には、ビデオ内視鏡は無線インタフェースを有している。このような実施形態を使用すると、エンベロープを介してのデータ伝送線の耐圧フィードスルーを省略することができる。
【0013】
好ましくは、ハウジングは、少なくとも1つの調節(調整、アジャスト)可能にされている脚部を、好ましくは3つの調節可能にされている脚部を、有している。調節可能にされている脚部は、好ましくは真空ポンプに接続された少なくとも1つの吸引カップを有している。ハウジングは、調節可能にされている脚部によって、患者にしっかりと配置されることができる。1つまたは複数の吸引カップは、確実な配置を確保(保証)することができる。真空ポンプによって1つまたは複数の吸引カップに真空圧を加えることで、安定性を高めることができる。特にこのことは、ビデオ内視鏡を保持するために別の操作者(オペレータ)を必要とすることなく、またはビデオ内視鏡を配置(位置決め)するためにコストのかかる支持アームまたはロボットを必要とすることなく、ハウジングを患者に直接に安全かつ確実に配置することを可能にする。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、表示制御ユニットはタッチディスプレイを備えている。タッチディスプレイは、エンベロープが所定の位置にあるときでも、特にエンベロープが吸引されるときでも、容易かつ確実に操作することができるので、エンベロープは折り目なくタッチディスプレイに適用することができる。
【0015】
有利には、表示制御ユニットは周縁部(周方向エッジ)によって取り囲まれており、この周縁部には、負圧(真空)ポンプの少なくとも1つの吸引(吸込)開口部が配置されている。このような構成は、特に表示制御ユニットがタッチディスプレイとして実装される場合、表示制御ユニットへのエンベロープの折り目のない適用に有利であり得る。カメラヘッドを患者上に直接配置することができるように、表示制御ユニットは有利には手術部位に直接配置されるので、このことはまた、ビデオ内視鏡のライブ画像が表示要素上に直接表示されるときに、改善された目と手の協調をもたらすことができる。
【0016】
有利には、真空ポンプに接続可能にされている真空バッグが設けられているだけでなく、この真空バッグの中にフラッシング流体バッグが配置されている。これによって、真空ポンプを使用することで、フラッシング動作またはクリーニング動作などの他の機能を制御することが可能になる。
【0017】
好ましくは、内視鏡は、カメラヘッドに取り外し可能に接続されているだけでなく、内視鏡は真空ポンプによって定位置にロックされることができる。そのような設計は、異なる用途目的のための光学部品の容易な交換を可能にする。負圧による定位置でのロックは、信頼できる固定を提供することができる。
【0018】
ビデオ内視鏡を受け入れるのに適した本発明によるエンベロープは、遠位端と近位端とを有する中空管を備えている。遠位端は、光学的に透明な窓によって閉じられている。入口開口部を有する可撓性パウチは、近位端に配置されている。エンベロープは、エンベロープが排気弁を備えていることを特徴とする。そのような排気弁は、空気がエンベロープの内部から排出されることを可能にする。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、排気弁は、エンベロープ内に配置可能にされているビデオ内視鏡の真空ポンプの排気開口部への接続要素を有する。これによれば、ビデオ内視鏡の内部に配置された真空ポンプによって、エンベロープの内部から空気を導出することができる。
【0020】
好ましくは、排気弁は、空気が排気弁を通ってエンベロープの内部に逆流するのを防止するべく、一方向逆止弁として実装されている。
好ましくは、バッグの入口開口部は、クロージャ(閉鎖部)によって閉鎖可能であるように実装されている。閉鎖可能にされている入口開口部は、エンベロープによるビデオ内視鏡の完全な包囲を可能にするだけでなく、ビデオ内視鏡の表面への、特に全ての表面への、さらに特に好ましくは操作要素への、エンベロープの吸引のための負圧の印加を可能にする。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、中空管は、排気弁が配置される中空管の近位端に、円周(周方向)カラーを有している。このような構成は、排気弁の頑丈な配置を可能にする。
【0022】
有利には、中空管は、金属で、または張力および圧力に耐性のある同様の頑丈な材料で、作られている。このことはエンベロープの高い安定性を可能にする。
好ましくは、パウチは透明なプラスチック材料で作られる。これによって、ビデオ内視鏡のハウジングの異なる形状への、特にカメラヘッドの異なる形状への、そしてそこでは特に表示制御要素への、柔軟な取付が可能になる。
【0023】
チャネルが、好ましくは遠位端と近位端との間に延びる中空管内に配置される場合に、吸引は改善することができる。
本発明によれば、本発明によるビデオ内視鏡は、本発明によるエンベロープを備えている。
【0024】
特に好ましくは、エンベロープの中空管は、ビデオ内視鏡に、特にハウジングに、さらに特に好ましくはカメラヘッドに、好ましくは機械的クイックリリースファスナによって、特に好ましくはバヨネットロックによって、取り外し可能に固定可能にされている。このようにして、信頼性のある配置を達成することができ、特に、操作中(動作中)にエンベロープがビデオ内視鏡に対して望ましくなくシフトされることを回避することができる。
【0025】
本発明の特に有利な実施形態によれば、ビデオ内視鏡のハウジングの壁には、排気開口部が配置されている。この排気開口部は、ビデオ内視鏡用のエンベロープの排気開口部への、接続要素を備えている。ビデオ内視鏡用のエンベロープには、排気弁が配置されている。この排気弁は、ビデオ内視鏡のハウジングの排気開口部への接続要素を備えている。中空管をビデオ内視鏡に固定すると、排気開口部の接続要素と、排気弁の接続要素と、は結合される。ビデオ内視鏡の取り扱いは、特に操作(手術)の準備中に、このような構成によって簡略化することができる。
【0026】
本発明によるエンベロープを有するビデオ内視鏡内の無菌バリアを監視(モニタリング)するための本発明による方法は、
前記エンベロープ内へ前記ビデオ内視鏡を挿入する工程と、
前記エンベロープ内に真空を生成する工程と、
前記エンベロープ内の圧力を検出するとともに、前記圧力を所定の閾値とで比較する工程と、
支配的な圧力が前記閾値を超えたときに、警報信号を発する工程と、を備えている。
【0027】
そのような方法は、無菌バリアが操作(手術)中に無傷であるかどうかを監視する単純な手段を提供するだけでなく、患者の安全性に寄与することができる。
エンベロープは、ビデオ内視鏡をエンベロープに挿入した後に、閉じられることが好ましい。
【0028】
有利なさらなる発展形態によれば、ビデオ内視鏡は患者の上に配置されている。このことはより容易な取り扱いを可能にする。
特に好ましくは、ビデオ内視鏡は、少なくとも1つの調節可能にされている脚部を、好ましくは3つの調節可能にされている脚部を、有するハウジングを備えている。調節可能にされている脚部は、さらなる工程において患者に対して吸引される、少なくとも1つの吸引カップを有している。このようにして、ビデオ内視鏡の特に安全な配置(位置決め)を達成することができる。
【0029】
好ましくは、吸引カップが患者から解放されたときに、警報信号が発せられる。これによって、オペレータは、ビデオ内視鏡の再配置の指示を受け取ることができる。
本発明の実施例は、以下の図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明によるエンベロープを有する、本発明によるビデオ内視鏡の第1実施形態の断面図。
図2図1によるビデオ内視鏡の斜視図。
図3図2によるビデオ内視鏡の部分拡大図。
図4】本発明によるエンベロープを備えた、本発明によるビデオ内視鏡の第2実施形態の断面図。
図5】本発明によるエンベロープを備えた、本発明によるビデオ内視鏡の第3実施形態の断面図。
図6】本発明によるビデオ内視鏡の第4実施形態の斜視図。
図7a図1図6のいずれか1つによるビデオ内視鏡のための、フラッシング装置の概略図。
図7b図1図6のいずれか1つによるビデオ内視鏡の内視鏡の、シャフトの遠位端の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明によるエンベロープ70を有する本発明によるビデオ内視鏡10の第1実施形態の断面図を示し、図2および図3は、ビデオ内視鏡10の図を示す。
ビデオ内視鏡10は、内視鏡20とカメラヘッド30とを有している。内視鏡20は、特にシャフト23内に配置された、内視鏡光学系22を備えている。カメラヘッド30は、少なくともカメラ電子機器35と、表示制御ユニット36とを備えている。さらに、シャフト23内に内視鏡光源24を配置することも可能である。
【0032】
内視鏡20およびカメラヘッド30は、ビデオ内視鏡10のハウジングとしての全体ハウジング11内に配置されてもよい。あるいは、内視鏡20およびカメラヘッド30は、互いに着脱可能に接続されてもよい。内視鏡20は内視鏡ハウジング21内に配置されており、カメラヘッド30はヘッドハウジング31内に配置されている。この場合、ビデオ内視鏡10の全体ハウジング11は、内視鏡20のハウジングである内視鏡ハウジング21と、カメラヘッド30のハウジングであるヘッドハウジング31と、を備えている。
【0033】
取り外し可能にされている接続は、例えば、図5の実施形態例に示されるように、特に真空ポンプ40によって生成される負圧によって行うことができる。この目的のために、さらなる吸引開口部41をヘッドハウジング31に配置することができ、それによって、内視鏡20の内視鏡ハウジング21と、カメラヘッド30のヘッドハウジング31と、の間の第2中間空間44bに真空を生成することができる。
【0034】
ビデオ内視鏡10において、特に全体ハウジング11において、例えばカメラヘッド30のヘッドハウジング31において、真空ポンプ40は、ビデオ内視鏡10の環境から空気を吸引するべく配置されている。真空ポンプ40のための吸引開口部41は、全体ハウジング11の壁に、例えばカメラヘッド30のヘッドハウジング31の壁に、配置されてもよい。ビデオ内視鏡10が、以下でより詳細に説明されるエンベロープ70によって取り囲まれる場合、真空ポンプ40は、ビデオ内視鏡10とエンベロープ70との間の中間空間から空気を引き込むことで、エンベロープ70をビデオ内視鏡10の表面に対して引き込むべく、使用され得る。
【0035】
吸引された空気は、真空ポンプ40によって全体ハウジング11の外におよびエンベロープ70の外に吸引することができる。この目的のために、全体ハウジング11の壁に、または代替的にヘッドハウジング31の壁に、配置された排気開口部42は、ビデオ内視鏡10用のエンベロープ70の排気弁76への第1接続要素43を備えてもよい。
【0036】
代替的に、図4に示されるように、ビデオ内視鏡10の第2実施形態では、全体ハウジング11内に、特にヘッドハウジング31内に、吸引された空気を受け入れるべく圧縮空気容器45が設けられてもよい。
【0037】
ビデオ内視鏡10は、周囲圧力を判定するための圧力センサ50を備えてもよい。この圧力センサ50は、特にエンベロープ70がビデオ内視鏡10とエンベロープ70との間の中間領域の所定位置に存在するときに、全体ハウジング11の外面または代替的にヘッドハウジング31の外面における圧力を圧力センサ50が判定することができるように、例えば全体ハウジング11内に特にカメラヘッド30のヘッドハウジング31内に配置されている。ビデオ内視鏡10は、圧力を測定することによってまたは差圧を検出することによって、警告信号または制御信号が生成され発っせられ得るように、例えば排気開口部に、図示されない更なる圧力センサを備えてもよい。
【0038】
ビデオ内視鏡10は無線電源60を備えてもよく、無線電源60は好ましくは蓄電池(アキュムレータ)61または電池を備えている。蓄電池61は有利には、例えばビデオ内視鏡10が使用されていないときに、充電ステーションで再充電可能であるように実装されている。
【0039】
さらに、ビデオ内視鏡10は、例えば内視鏡20によって検出された画像を操作室(手術室)内のスクリーンに送信することができる無線インタフェース62を備えていることができる。
【0040】
全体ハウジング11は、本実施例ではヘッドハウジング31は、少なくとも1つの調節可能にされている脚部32を、本実施例では3つの調節可能にされている脚部32を、備えてもよい。調節可能な脚部32の各々は、少なくとも1つの吸引カップ33を備えてもよい。吸引カップ33は、カップ吸引開口部34を備えてもよく、カップ吸引開口部34を通して空気が真空ポンプ40によって吸引されることができる。これによって、エンベロープ70が吸引カップ33内に吸引されるので、患者の身体との吸引カップ33の接触を改善することができる。調節可能にされている脚部32のうちの1つまたは複数は、2つのサブセグメントである第1および第2サブセグメント32b、32cを備えてもよく、第1および第2サブセグメント32b、32cは関節32aによって、好ましくは旋回関節(スイベル関節)によって、互いに接続されることで、全体ハウジング11を患者に最適に適用することができる。特に、このことは追加のオペレータも支持アームまたはロボットもこのために必要とはされないように、直接行うことができる(図6も参照)。
【0041】
全体ハウジング11の特に外側、ここではヘッドハウジング31、に配置される表示制御ユニット36は、タッチディスプレイで構成することができる。表示制御ユニット36は、内視鏡20をオンおよびオフに切り替えるべく、内視鏡20による画像取得を開始および停止するように、またはビデオ内視鏡10から手術室内のスクリーンまたは処理ユニットへのデータ送信を制御するように、使用することができる。表示制御ユニット36は、例えば、コマンドボタン36aを介して、真空ポンプ40をオン及びオフに切り替えるために使用することもできる。タッチディスプレイはまた、例えば、蓄電池61の充電状態にまたは無線信号の質に関する情報を提供する第1表示要素36bを備えてもよい。特に、ビデオ内視鏡10とエンベロープ70との間の中間空間内の圧力を示す、第2表示要素36cがあってもよい。代替的にまたは追加的に、第3表示要素36dがあってもよく、第3表示要素36dは、ビデオ内視鏡10とエンベロープ70との間の中間空間内の圧力が所定の閾値を超えて上昇した場合に警告信号を提供することで、それによってエンベロープ70が気密ではないことを警告するとともに、エンベロープ70によって生成されることが意図された無菌バリアが信頼できない可能性があることを警告する。他の圧力インジケータおよび/または警告インジケータがさらに設けられてもよく、これら他の圧力インジケータおよび/または警告インジケータは、例えば吸引カップ33の1つまたは好ましくは全てに加えられた圧力を示すか、またはそれら圧力に基づいて行われた評価を示す。
【0042】
表示制御ユニット36は、特にタッチディスプレイは、周縁部(エッジ)37によって囲まれてもよい。この周縁部37は、例えば、周方向の突出部によって形成されてもよい。あるいは、この周縁部37は、全体ハウジング11に配置された凹部の一部であってもよい。これによって、全体ハウジング11の表面を、段差なしにできるだけ均一にすることができる。吸引開口部41は、または複数の吸引開口部41のうちの1つは、周縁部37に、または凹部の下の底部領域に、配置されてもよい。よって、表示制御ユニット36へのエンベロープ70の吸引を、折り目なく改善することができる。
【0043】
本発明によるエンベロープ70は、遠位端71aおよび近位端71bを有する中空管71を備えており、遠位端71aは、光学的に透明な窓72によって閉じられている。中空管71は、例えば金属で、または張力および圧力に耐える同様の頑丈な材料で、作られてもよい。窓72は、好ましくは、ガラスまたは透明なプラスチック材料で作られる。真空がエンベロープ70内に生成される場合、窓72は、好ましくは、シャフト23の遠位端に対して平坦に吸引される。図5は、スペーサ72aが、例えば、特に内視鏡光学系22の前の領域において窓72を厚くすることによって、スペーサ72aが窓72とシャフト23の遠位端との間に配置され得る代替的な構成を示し、このスペーサ72aはまた、エンベロープ70がシャフト23上に吸引されるときであっても、シャフト23の遠位端の前に自由空間72bをもたらし、このことは例えば、特に内視鏡光学系22の隣に配置され得る内視鏡光源24の真空の隔離をもたらし得る。
【0044】
一般に、真空は、中空管71の内側とシャフト23の外側との間の環状間隙を通して空気を吸引することによって、生成することができる。この目的のために、チャネル71cが、遠位端71aと近位端71bとの間に延びる中空管71内に配置される場合、吸引を改善することができる。チャネル(図示せず)も、追加的にまたは代替的に、シャフト23の遠位端とシャフト23の近位端との間でシャフト23内に配置されてもよく、チャネルを通して、シャフト23の遠位端から近位端へ空気を吸引することができる。
【0045】
可撓性のパウチ73は、中空管71の近位端71bに配置されており、パウチ73は、例えば透明プラスチック材料で、特にプラスチックフィルムで、作られることができる。パウチ73は、パウチ73の内部が中空管71の内部に連通するように、中空管71を取り囲む。パウチ73と中空管71との間の接続は、特に気密であるように実装される。パウチ73は、クロージャ75(閉鎖部)によって特に気密に閉鎖可能であるように実装される入口開口部74を有している。クロージャ75は、例えば、ジップロッククロージャとして実装され得る。
【0046】
エンベロープ70は、特に一方向逆止弁として実施することができる、排気弁76を有する。中空管71は、その中空管71の近位端71bに円周カラー78を備えてもよいし、円周カラー78の中に排気弁76を配置することができる。
【0047】
排気弁76は、エンベロープ70内に配置することができる、ビデオ内視鏡10の真空ポンプ40の排気開口部42に対する第2接続要素77を備えていることができる。
エンベロープ70は、以下の方法で使用することができる。ビデオ内視鏡10は、特に、内視鏡20が中空管71内に静止するだけでなく、カメラヘッド30がパウチ73内に配置されるように、入口開口部74を介してエンベロープ70内に挿入することができる。ビデオ内視鏡10の全体ハウジング11への、特にビデオ内視鏡10のカメラヘッド30のヘッドハウジング31への、中空管71の固定はバヨネットロック79のような機械的クイックリリース(迅速解放)ファスナによって行われてもよい。この固定のロックは、例えば、中空管71の円周カラー78と全体ハウジング11との間に、特に中空管71の円周カラー78とヘッドハウジング31との間に、配置されてもよい。あるいは、図5に示すように、ビデオ内視鏡10の全体ハウジング11への、特にビデオ内視鏡10のカメラヘッド30のヘッドハウジング31への、中空管71の固定は例えば真空によって生じることができ、この真空はヘッドハウジング31と、中空管71の近位端と、の間の第1中間空間44aの追加の吸引開口部41を介して生成することができる。
【0048】
排気開口部42がビデオ内視鏡10に設けられており、排気弁76がエンベロープ70に設けられる場合、排気開口部42の第1接続要素43および排気弁76の第2接続要素77は、中空管71がビデオ内視鏡10に、特に全体ハウジング11に、固定されるときに、好ましくは結合することができる。その結果、真空ポンプ40が作動されるとき、真空ポンプ40によって吸引された空気は、排気開口部42および排気弁76を通って、ビデオ内視鏡10およびエンベロープ70から外に運ばれることができる。
【0049】
エンベロープ70内にビデオ内視鏡10を挿入した後、入口開口部74をクロージャ(閉鎖部)75によって閉じることができる。続いて、真空ポンプ40を作動させることで、ビデオ内視鏡10とエンベロープ70との間の中間空間から空気を吸引することによって、エンベロープ70をビデオ内視鏡10の表面に対して吸引することができる。特に、エンベロープ70内に負圧が生成される。エンベロープ70内の支配的な圧力は、圧力センサ50によって検出することができ、特に、支配的な圧力を所定の閾値と比較することによって、または支配的な圧力をエンベロープ70の外側の圧力とで比較することによって、連続的に監視することができる。エンベロープ70の外側の圧力は、例えば、排気開口部42内の図示されていない更なる圧力センサによって検出することができる。支配的(優勢)な圧力が閾値を超える場合、または支配的な圧力とエンベロープの外側の圧力との間の差が閾値を下回る場合、このことは滅菌バリアの欠陥によって引き起こされる可能性がある、エンベロープ70の漏れを示す可能性がある。したがって、この場合、例えば、表示制御ユニット36上の表示によって、および/または可聴警告信号(ウォーニングシグナル)によって、警報信号(アラームシグナル)が発せられてもよい。
【0050】
手術後(操作後)、ビデオ内視鏡10は、特にカメラヘッド30は、蓄電池61の充電のために、図示されていない充電ステーション上に配置され得る。充電ステーションは、特に手術室内に配置され得る。
【0051】
図6は、ビデオ内視鏡10′を示している。このビデオ内視鏡10′は、カメラヘッド30のヘッドハウジング31の形状において、上述のビデオ内視鏡10とは実質的に異なる。ヘッドハウジング31は、特に、単一の調節可能にされている脚部32のみを備えていることができる。ビデオ内視鏡10′は、図6に示されるように、患者100の身体上に直接に位置付けられてもよい。単一の調節可能にされている脚部32の単一の吸引カップ33は、または複数の調節可能にされている脚部32の複数の吸引カップ33は、特に真空ポンプ(減圧ポンプ)40によって患者100の身体上に吸引される場合、特に安全な配置が可能である。吸引カップ33における圧力を監視することができ、吸引カップ33が解放された場合、警報を発することができる。オペレータ110は、従来のモニタ(図示せず)によって、または好ましくは図示されるようにヘッドマウントディスプレイ111によって、ビデオ画像を見ることができるとともに、例えば音声コマンドによって、カメラを制御することができる。音声コマンドは、例えば、ズームインまたはズームアウトによって輝度、焦点、および/または画像詳細、に関連してもよい。
【0052】
図7aおよび図7bは、上述のビデオ内視鏡10、10′と共に使用することができるフラッシング装置80を示す。フラッシング装置80は、フラッシング流体83が、例えば生理食塩水が、配置されたフラッシング流体バッグ85を有する。フラッシング流体バッグ85は可撓性材料からなる。フラッシング流体バッグ85に圧力が加えられると、フラッシング流体83はフラッシング流体バッグ85から排出される。
【0053】
フラッシング流体バッグ85は真空バッグ84内に配置されており、真空バッグ84は、真空接続81を介して真空ポンプ40に接続することができる。真空ポンプ40によって真空バッグ84内に負圧を発生させることができ、この負圧によって真空バッグ84は収縮し、それによってフラッシング流体バッグ85に圧力を及ぼすので、フラッシング流体はフラッシング流体バッグ85から排出される。フラッシング流体バッグ85は、フラッシング接続部82を介して、例えば、内視鏡20のシャフト23の外側に取り付けられたフラッシングチャネル82aに接続されている。内視鏡20がエンベロープ70内に配置されている以上、フラッシングチャネル82aは、それに応じてエンベロープ70の外側に配置される。フラッシングチャネル82aをシャフト23に容易に配置するべく、例えば、シャフト23の外周側に配置された縦溝にフラッシングチャネル82aを挿入することができる。このタイプのフラッシング装置80は、内視鏡光学系22のフラッシングを、特にクリーニングを、容易に行うことができる。吸引チャネル81aも設けることができ、この吸引チャネル81aは、例えば、シャフト23の外側に、特に長手方向の溝に、配置することができ、吸引チャネル81aはフラッシング流体83を再びその中に吸引できるように、例えば、真空ポンプ40に接続することができる。
【符号の説明】
【0054】
10…ビデオ内視鏡。
10′…ビデオ内視鏡。
11…ハウジング。
【0055】
20…内視鏡。
21…ハウジング。
22…内視鏡光学系。
【0056】
23…シャフト。
24…内視鏡用光源。
30…カメラヘッド。
【0057】
31…ハウジング。
32…調節可能にされている脚部。
32a…関節。
【0058】
32b…第1サブセグメント。
32c…第2サブセグメント。
33…吸引カップ(吸着カップ)。
【0059】
34…カップ吸引開口部(吸込口)。
35…カメラ電子機器。
36…表示制御ユニット。
【0060】
36a…コマンドボタン。
36b…第1表示素子。
36c…第2表示素子。
【0061】
36d…第3表示素子
37…周縁部(エッジ)。
40…真空ポンプ。
【0062】
41…吸引開口部(吸込口)。
42…排気開口部。
43…第1接続要素。
【0063】
44a…第1中間空間。
44b…第2中間空間。
45…圧縮空気容器。
【0064】
50…圧力センサ。
60…電源。
61…蓄電池(アキュムレータ)。
【0065】
62…無線インタフェース。
70…エンベロープ(外囲器、封筒)。
71…中空管。
【0066】
71a…遠位端。
71b…近位端。
71c…チャネル。
【0067】
72…窓。
72a…スペーサ。
72b…自由空間。
【0068】
73…パウチ。
74…入口開口部。
75…クロージャ(閉鎖部)。
【0069】
76…排気弁。
77…第2接続要素。
78…円周カラー。
【0070】
79…バヨネットロック。
80…フラッシング装置。
81a…吸引チャネル。
【0071】
82…フラッシング接続部。
82a…フラッシングチャネル。
83…フラッシング流体。
【0072】
84…真空バッグ。
85…フラッシング流体バッグ。
100…患者。
【0073】
110…オペレータ(操作者)。
111…ヘッドマウントディスプレイ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
【外国語明細書】