(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004583
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】発注支援装置、発注支援方法、および発注支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240110BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240110BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104248
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】小林 寛嗣
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 貴彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB21
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】より欠品や余剰在庫が発生しにくい発注を可能にする発注支援装置等を提供する。
【解決手段】発注支援装置は、調達履歴取得手段と、基準調達リードタイム取得手段と、実績調達リードタイム取得手段と、変更履歴取得手段と、調達リードタイム変動率算出手段と、変動リスク係数算出手段と、予測調達リードタイム算出手段とを有する。基準調達リードタイムと実績調達リードタイムの分布とに基づいて、調達リードタイム変動率算出手段が、調達リードタイム変動率を算出する。変動リスク係数算出手段は、変更日から納入予定日までの残納入日数と変更後の調達リードタイムとを算出し、算出結果に基づいて、調達リードタイムの変動リスク係数を算出する。予測調達リードタイム算出手段は、発注変動率と変動リスク係数と基準調達リードタイムとに基づいて、予測調達リードタイムを算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材の発注と納入の履歴である調達履歴を取得する調達履歴取得手段と、
前記部材の調達リードタイムの基準である基準調達リードタイムを取得する基準調達リードタイム取得手段と、
前記部材の前記調達リードタイムの実績値である実績調達リードタイムを取得する実績調達リードタイム取得手段と、
前記部材の前記調達リードタイムの変更履歴を取得する変更履歴取得手段と、
前記基準調達リードタイムと、前記実績調達リードタイムの分布とに基づいて、前記調達リードタイムの変動率である調達リードタイム変動率を算出する調達リードタイム変動率算出手段と、
前記変更履歴に基づいて、変更がなされた時点から変更前の納入予定日までの残日数である残納入日数と変更後の前記調達リードタイムとを算出し、前記残納入日数と前記変更後の前記調達リードタイムと前記基準調達リードタイムとに基づいて、前記調達リードタイムの変動リスクの程度を表す変動リスク係数を算出する変動リスク係数算出手段と、
前記調達リードタイムと前記変動リスク係数と前記基準調達リードタイムとに基づいて、予測される前記調達リードタイムである予測調達リードタイムを算出する予測調達リードタイム算出手段と、
を有することを特徴とする発注支援装置。
【請求項2】
前記部材の受入検査における歩留りの変動率である歩留り変動率を算出する歩留り変動率算出手段を有し、
前記予測調達リードタイム算出手段が、
前記基準調達リードタイムと、前記実績調達リードタイムの分布と、前記歩留り変動率とに基づいて、前記予測調達リードタイムを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の発注支援装置。
【請求項3】
前記歩留り変動率が、
前記歩留りの標準偏差に基づいて算出される、
ことを特徴とする請求項2に記載の発注支援装置。
【請求項4】
前記部材の所要数の変動率である所要変動率を算出する所要変動率算出手段を有し、
前記予測調達リードタイム算出手段が、
前記基準調達リードタイムと、前記実績調達リードタイムの分布と、前記所要変動率とに基づいて、前記予測調達リードタイムを算出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発注支援装置。
【請求項5】
前記所要変動率が、
前記所要数の標準偏差に基づいて算出される、
ことを特徴とする請求項4に記載の発注支援装置。
【請求項6】
前記実績調達リードタイムの前記分布を表す指標が、前記実績調達リードタイムの平均値と標準偏差とを含む
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発注支援装置。
【請求項7】
前記実績調達リードタイムの前記分布を表す指標が、前記実績調達リードタイムの平均値と標準偏差とを含む
ことを特徴とする請求項4に記載の発注支援装置。
【請求項8】
前記実績調達リードタイムの前記分布を表す指標が、前記実績調達リードタイムの平均値と標準偏差とを含む
ことを特徴とする請求項5に記載の発注支援装置。
【請求項9】
コンピュータが、
部材の発注と納入の履歴である調達履歴を取得し、
前記部材の調達リードタイムの基準である基準調達リードタイムを取得し、
前記部材の前記調達リードタイムの実績値である実績調達リードタイムを取得し、
前記部材の前記調達リードタイムの変更履歴を取得し、
前記基準調達リードタイムと、前記実績調達リードタイムの分布とに基づいて、前記調達リードタイムの変動率である調達リードタイム変動率を算出し、
前記変更履歴に基づいて、変更がなされた時点から変更前の納入予定日までの残日数である残納入日数と変更後の前記調達リードタイムとを算出し、
前記残納入日数と前記変更後の前記調達リードタイムと前記基準調達リードタイムとに基づいて、前記調達リードタイムの変動リスクの程度を表す変動リスク係数を算出し、
前記調達リードタイムと前記変動リスク係数と前記基準調達リードタイムとに基づいて、予測される前記調達リードタイムである予測調達リードタイムを算出する、
ことを特徴とする発注支援方法。
【請求項10】
部材の発注と納入の履歴である調達履歴を取得する処理と、
前記部材の調達リードタイムの基準である基準調達リードタイムを取得する処理と、
前記部材の前記調達リードタイムの実績値である実績調達リードタイムを取得する処理と、
前記部材の前記調達リードタイムの変更履歴を取得する処理と、
前記基準調達リードタイムと、前記実績調達リードタイムの分布とに基づいて、前記調達リードタイムの変動率である調達リードタイム変動率を算出する処理と、
前記変更履歴に基づいて、変更がなされた時点から変更前の納入予定日までの残日数である残納入日数と変更後の前記調達リードタイムとを算出する処理と、
前記残納入日数と前記変更後の前記調達リードタイムと前記基準調達リードタイムとに基づいて、前記調達リードタイムの変動リスクの程度を表す変動リスク係数を算出する処理と、
前記調達リードタイムと前記変動リスク係数と前記基準調達リードタイムとに基づいて、予測される前記調達リードタイムである予測調達リードタイムを算出する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする発注支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発注支援装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
製造業の生産拠点では、一般的に生産計画に基づいて生産が行われる。各製品には納期が設定されている。製品を納期までに生産するためには、必要な部材が入手されなければならない。つまり生産に使用されるタイミングで、部材が入手済でなければならない。このため、発注から納入までのリードタイムを考慮して、各部材の発注が行われる。ところが、部材を構成する材料や部品の需給逼迫や物流のトラブル等により、当初予定していたリードタイムが延びてしまう場合がある。ここで、必要とされるタイミングに対して当該部材の納期に余裕がないと、部材の欠品によって製品の納期が遅延してしまう。これを防ぐためには、部材を前倒しで発注することが考えられる。しかし、部材を早く入手しすぎると、余剰在庫が生じ、保管のコストが上昇する等の問題が生じる。
【0003】
以上のような背景から、リードタイムが変更されるリスクに備えつつ、無駄が少ないタイミングで部材を発注する方法が検討されている。例えば、特許文献1には、各部材(部品)における発注実績と納入実績に基づいて、正味の調達リードタイムを算出する発注支援方法が開示されている。この技術では、まず、1つの部材における複数回のオーダーについて、納入遅延日数を特定する。次に、1回のオーダー当たりの遅延日数の期待値を算出する。そして、遅延日数の期待値が標準調達リードタイムに加算されて、正味の調達リードタイムが求められる。正味の調達リードタイムは、予測値である。このようにすると、正味の調達リードタイムに基づいて、適切なタイミングでの発注が可能になる。
【0004】
また、特許文献2、3、4にも関連する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-073338号公報
【特許文献2】特開2006-040039号公報
【特許文献3】特開2014-197308号公報
【特許文献4】特開2017-161960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の発注支援方法では、1オーダー当たりの納入遅延日数の期待値(平均値)が標準調達リードタイムに加算されて、正味の調達リードタイムが求められている。このため、納入遅延日数の変動が大きいと、適切な正味の調達リードタイムを求めるのが困難となるという問題があった。ここで、適切な正味の調達リードタイムとは、適切なタイミングでの発注に資するものである。そして適切なタイミングでの発注とは、当該部品の欠品や余剰在庫が発生しにくい発注のことである。また、特許文献2、3、4にも同様の問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、より欠品や余剰在庫が発生しにくい発注を可能にする発注支援装置等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の発注支援装置は、部材の発注と納入の履歴である調達履歴を取得する調達履歴取得手段と、前記部材の調達リードタイムの基準である基準調達リードタイムを取得する基準調達リードタイム取得手段と、前記部材の前記調達リードタイムの実績値である実績調達リードタイムを取得する実績調達リードタイム取得手段と、前記部材の前記調達リードタイムの変更履歴を取得する変更履歴取得手段と、前記基準調達リードタイムと前記実績調達リードタイムの分布とに基づいて、前記調達リードタイムの変動率である調達リードタイム変動率を算出する調達リードタイム変動率算出手段と、前記変更履歴に基づいて、変更がなされた時点から変更前の納入予定日までの残日数である残納入日数と変更後の前記調達リードタイムとを算出し、前記残納入日数と前記変更後の前記調達リードタイムと前記基準調達リードタイムとに基づいて、前記調達リードタイムの変動リスクの程度を表す変動リスク係数を算出する変動リスク係数算出手段と、前記調達リードタイムと前記変動リスク係数と前記基準調達リードタイムとに基づいて、予測される前記調達リードタイムである予測調達リードタイムを算出する予測調達リードタイム算出手段とを有する。
【0009】
また、本発明の発注支援方法は、コンピュータが、部材の発注と納入の履歴である調達履歴を取得し、前記部材の調達リードタイムの基準である基準調達リードタイムを取得し、前記部材の前記調達リードタイムの実績値である実績調達リードタイムを取得し、前記部材の前記調達リードタイムの変更履歴を取得し、前記基準調達リードタイムと前記実績調達リードタイムの分布とに基づいて、前記調達リードタイムの変動率である調達リードタイム変動率を算出し、前記変更履歴に基づいて、変更がなされた時点から変更前の納入予定日までの残日数である残納入日数と変更後の前記調達リードタイムとを算出し、前記残納入日数と前記変更後の前記調達リードタイムと前記基準調達リードタイムとに基づいて、前記調達リードタイムの変動リスクの程度を表す変動リスク係数を算出し、前記調達リードタイムと前記変動リスク係数と前記基準調達リードタイムとに基づいて、予測される前記調達リードタイムである予測調達リードタイムを算出する。
【0010】
また、本発明の発注支援プログラムは、部材の発注と納入の履歴である調達履歴を取得する処理と、前記部材の調達リードタイムの基準である基準調達リードタイムを取得する処理と、前記部材の前記調達リードタイムの実績値である実績調達リードタイムを取得する処理と、前記部材の前記調達リードタイムの変更履歴を取得する処理と、前記基準調達リードタイムと前記実績調達リードタイムの分布とに基づいて、前記調達リードタイムの変動率である調達リードタイム変動率を算出する処理と、前記変更履歴に基づいて、変更がなされた時点から変更前の納入予定日までの残日数である残納入日数と変更後の前記調達リードタイムとを算出する処理と、前記残納入日数と前記変更後の前記調達リードタイムと前記基準調達リードタイムとに基づいて、前記調達リードタイムの変動リスクの程度を表す変動リスク係数を算出する処理と、前記調達リードタイムと前記変動リスク係数と前記基準調達リードタイムとに基づいて、予測される前記調達リードタイムである予測調達リードタイムを算出する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果は、より欠品や余剰在庫が発生しにくい発注を可能にする発注支援装置等を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態の発注支援装置を示すブロック図である。
【
図2】納期変更と変更後調達リードタイムの一例を示すグラフである。
【
図3】第1の実施形態の発注支援装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】第1の実施形態の変動リスク係数算出手段の詳細を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施形態の変動リスク係数算出手段の動作を示すフローチャートである。
【
図6】第2の実施形態の発注支援装置を示すブロック図である。
【
図7】第3の実施形態の発注支援装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の発注支援装置を示すブロック図である。発注支援装置100は、調達履歴取得手段10と、基準調達リードタイム取得手段20と、実績調達リードタイム取得手段30と、変更履歴取得手段40と、を有する。また、発注支援装置100は、調達リードタイム変動率算出手段50と、変動リスク係数算出手段60と、予測調達リードタイム算出手段70と、を有する。なお、以降の説明ではリードタイムをLTと略記する場合がある。
【0015】
調達履歴取得手段10は、部材の発注(オーダー)と納入の履歴である調達履歴を取得する。調達履歴には、少なくとも発注日と実際の納入日が含まれる。
【0016】
基準調達リードタイム取得手段20は、部材の調達リードタイムの基準である基準調達リードタイムを取得する。部材ごとに基準調達リードタイムが定められる。基準調達リードタイムは、各部材の基準となる調達リードタイムである。例えば、サプライヤと発注者との取り決めにより、基準調達リードタイムが定められる。実際の調達リードタイムが基準リードタイムより長ければ、納入が遅延したことになる。
【0017】
実績調達リードタイム取得手段30は、部材の調達リードタイムの実績値である実績調達リードタイムを取得する。
【0018】
変更履歴取得手段40は、調達リードタイムの変更履歴を取得する。変更履歴には、変更後の納期と、納期変更が行われた時期(日)が、含まれる。納期変更が複数回行われた際には、その都度、内容が変更履歴に記録される。
【0019】
調達リードタイム変動率算出手段50は、調達リードタイム変動率αを算出する。調達リードタイム変動率αは、実績調達リードタイムの変動率である。調達リードタイム変動率αは、基準調達リードタイムと、実績調達リードタイムの分布とに基づいて算出される。
【0020】
調達リードタイム変動率αは例えば、次式により算出される。
α=(実績調達LT平均値+実績調達LT標準偏差)/基準調達LT (式1)
式1から明らかなように、実績調達リードタイムのばらつきが大きいほど調達リードタイム変動率αは大きくなる。調達リードタイム変動率αは、調達リードタイムが、どの程度延びるかの目安となる。
【0021】
変動リスク係数算出手段60は、変動リスク係数βを算出する。残納入日数と変更後の調達リードタイムと基準調達リードタイムとに基づいて、変動リスク係数βが算出される。このため、変動リスク係数算出手段60は、まず、変更履歴に基づいて、残納入日数を算出する。残納入日数は、変更がなされた時点から変更前の納入予定日までの残日数である。同様に、変動リスク係数算出手段60は、変更後調達リードタイムを算出する。そして、残納入日数と変更後調達リードタイムと基準調達リードタイムとに基づいて、変動リスク係数算出手段60が変動リスク係数βを算出する。変動リスク係数βは、調達リードタイムの変動リスクの程度を表す。つまり、納期が変更されるリスクを見積もる指標となる。変動リスク係数算出手段60の詳細については後述する。
【0022】
予測調達リードタイム算出手段70は、予測調達リードタイムを算出する。予測調達リードタイムは、実際に発注を行う際に予測される調達リードタイムである。予測調達リードタイムは、調達リードタイム変動率αと変動リスク係数βと基準調達リードタイムとに基づいて、算出される。
【0023】
図2は、納期変更と変更後調達リードタイムの一例を示すグラフである。ある部材の、あるオーダーにおける基準調達リードタイムと、変更後調達リードタイムとが描かれている。対象部材の、ある回のオーダーにおける納期変更後の調達リードタイムが変更後調達リードタイムである。この例では、当該部材の基準調達リードタイムが56日である。そして、このオーダーの中で、4回の納期変更が行われている。1回目の納期変更では、納期が10日延期され、変更後調達リードタイムが66日になっている。2回目の納期変更では、納期が4日延期され、変更後調達リードタイムが70日になっている。3回目の納期変更では、納期が14日短縮され、変更後調達リードタイムが56日になっている。そして、4回目の納期変更では、納期が24日延びて80日になっている。このような、納期変更に、第1の実施形態の発注支援装置が適用される。
【0024】
図3は、第1の実施形態の発注支援装置100の動作を示すフローチャートである。発注支援装置100は、例えば、一般的なコンピュータに実装される。この動作では、まず、調達履歴取得手段10が、部材の発注と納入の履歴である調達履歴を取得する(S1)。次に、基準調達リードタイム取得手段20が、部材の調達リードタイムの基準である基準調達リードタイムを取得する(S2)。次に、実績調達リードタイム取得手段30が、部材の調達リードタイムの実績値である実績調達リードタイムを取得する(S3)。次に、変更履歴取得手段40が、調達リードタイムの変更履歴を取得する(S4)。次に、調達リードタイム変動率算出手段50が、調達リードタイム変動率αを算出する(S5)。調達リードタイム変動率αは、調達リードタイムの変動率である。調達リードタイム変動率αは、基準調達リードタイムと、実績調達リードタイムとに基づいて、算出される。次に、変動リスク係数算出手段60が、変更履歴に基づいて、残納入日数と、変更後調達リードタイムとを算出する。残納入日数は、変更がなされた時点から変更前の納入予定日までの残日数である。変更後調達リードタイムは、納期の変更がなされた後の調達リードタイムである。さらに、変動リスク係数算出手段60が、変動リスク係数βを算出する(S6)。変動リスク係数βは、調達リードタイムの変動リスクの程度を表す。変動リスク係数βは、残納入日数と変更後の調達リードタイムと基準調達リードタイムとに基づいて算出される。納期変更から納入予定日までの期間が短くなるにつれて、納期変更があった場合のリスクが大きくなる。つまり、予定していた納期までの日数が少なくなることにより、変動リスク係数βが増大する。このリスクとは、対応が難しくなることの意味である。対応には、例えば、代替品の調達や、他工程のスケジュール調整などがある。次に、予測調達リードタイム算出手段70が、予測調達リードタイムKを算出する(S7)。予測調達リードタイムKは、発注時に予測される調達リードタイムである。調達リードタイム変動率αと変動リスク係数βと基準調達リードタイムとに基づいて、予測調達リードタイムKが算出される。予測調達リードタイムKは、例えば、次式によって算出される。
K=基準調達LT*(α×β)
1/2 (式2)
次に変動リスク係数算出手段の詳細について説明する。
図4は、第1の実施形態の変動リスク係数算出手段の詳細を示すブロック図である。
【0025】
図4に示すように、変動リスク係数算出手段60は、残納入日数算出部61と、変更後調達リードタイム算出部62と、変動リスク成分算出部63と、変動リスク係数算出部64とを有する。
【0026】
残納入日数算出部61は、残納入日数を算出する。残納入日数は、納期変更の発生した日から変更前の納入予定日(納期)までの日数である。残納入日数は、それぞれのオーダーについて、納期変更があるたび算出される。例えば、対象とする部材の、オーダーの回数が変数xを用いて数えられる。また、納期変更の回数が変数yを用いて数えられる。
【0027】
変更後調達リードタイム算出部62は、納期が変更された際に変更後調達リードタイムを算出する。変更後調達リードタイムも、それぞれのオーダーについて、納期変更があるたび算出される。
【0028】
次に、変動リスク係数算出手段60の動作について説明する。
図5は、第1の実施形態の変動リスク係数算出手段の動作を示すフローチャートである。残納入日数算出部61が、個々の納期変更が行われた際の残納入日数を取得する(S61)。残納入日数は、変更履歴取得手段40から取得される。次に、個々の納期変更について、変更後調達リードタイム算出部62が、変更後調達リードタイムを算出する(S62)。次に、変更後調達リードタイム算出部62が、基準調達リードタイムを取得する(S63)。次に、残納入日数と変更後調達リードタイムと、基準調達リードタイムとを用いて、変動リスク成分算出部63が変動リスク成分を算出する(S64)。ここで、変動リスク成分は、それぞれのオーダーにおける変動リスク係数の成分である。そして、各オーダーにおける変動リスク係数の成分の平均を取ることによって、変動リスク係数算出部64が変動リスク係数βを算出する(S65)。
【0029】
次に、変動リスク係数βの具体的な計算方法を説明する。以下の具体例では、ある部材について、複数回のオーダー(発注)がある。また、納期変更は、各オーダーの中で行われる。そして、各オーダーにおける納期変更は複数回の場合がある。ここで、オーダーの回数が変数xを用いて数えられる。またオーダー内の納期変更の回数が変数yを用いて数えられる。また、調達リードタイムが延びて納期が遅延することに関する成分が遅延リスク成分と呼称される。また、残納入日数が少ないことに関する成分が残納入日数リスク成分と呼称される。ここで、各変数が次のように定義される。
LTo:基準リードタイム
LTxy:x回目のオーダーにおけるy回目の変更後の調達リードタイム
Lxy:x回目のオーダーにおけるy回目の変更後の遅延リスク成分
Lx:x回目のオーダーにおける遅延リスク成分
RDxy:x回目のオーダーにおけるy回目の変更時の残納入日数
Rxy:x回目のオーダーにおけるy回目の変更時の残納入日数リスク成分
Rx:x回目のオーダーにおける残日数リスク成分
βxy:x回目のオーダーにおけるy回目の変更時の変動リスク成分
βx:x回目のオーダーにおける変動リスク成分
なお、残納入日数RDxyは1以上とする。すなわち、遅くとも変更前の納期の1日以上前に納期変更が行われる。換言すると、RDxy≠0の条件が適用される。
【0030】
以上の変数を用いて、具体的な変動リスク係数の計算方法を説明する。
【0031】
(計算例1)
まず、x回目のオーダーのy回目の納期変更の遅延リスク成分と残納入日数リスク成分を以下の式で算出する。
Lxy=LTxy/LTo (式3)
Rxy=1/(RDxy/LTo) (式4)
ここで、RDxy≧1である。
【0032】
次に、x回目のオーダー全体における遅延リスク成分Lxと、残納入日数リスク成分Rxとが以下の式で算出される。
Lx=x回目のオーダーにおけるLxyの平均値 (式5)
Rx=x回目のオーダーにおけるRxyの平均値 (式6)
そして、x回目のオーダーにおけるリスク変動成分が次式で算出される。
βx=(Rx・Lx)1/2 (式7)
そして、全てのオーダーを含む、部材としての変動リスク係数βが次式によって算出される。
β=βxの平均値 (式8)
この変動リスク係数βを次式に代入して予測調達リードタイムKが算出される。
K=LTo・(α×β)1/2 (式9)
なお、式9は、式1と同じものである。
以上の計算で算出された予測調達リードタイムKを用いて、発注を行うことにより、納期変更のリスクを考慮した発注を行うことが可能になる。このため、調達納期の変動が大きい際にも、より精度の良い調達リードタイムの予測が可能になる。その結果、より欠品や余剰在庫が発生しにくい発注が可能になる。
【0033】
(計算例2)
まず、x回目のオーダーのy回目の納期変更の遅延リスク成分と残納入日数リスク成分を以下の式で算出する。なお以下の式10、11は、式3、4と同じものである。
Lxy=LTxy/LTo (式10)
Rxy=1/(RDxy/LTo) (式11)
ここで、RDxy≧1である。
【0034】
次に、x回目のオーダーのy回目の納期変更による変動リスク成分βxyが次式によって算出される。
βxy=(Lxy・Rxy)1/2 (式12)
次に、次式によって、x回目のオーダー全体における変動リスク成分が算出される。
βx=βxyの平均値 (式13)
そして、全てのオーダーを含む、部材としての調達の変動リスク係数βが次式によって算出される。
β=βxの平均値 (式14)
この変動リスク係数βを次式に代入して予測調達リードタイムKが算出される。
K=LTo・(α×β)1/2 (式15)
なお、式15は、式1と同じものである。
以上の計算で算出された予測調達リードタイムKを用いて、発注を行うことにより、納期変更のリスクを考慮した発注を行うことが可能になる。
【0035】
以上に説明したように、本実施形態の発注支援装置によれば、調達リードタイムが延期された日数だけでなく、納期の変動も考慮して、調達リードタイムが予測される。このため、調達リードタイムの変動にばらつきがあった際に、延期日数の期待値だけを用いる方法より良い精度で調達リードタイムが予測される。その結果、より欠品や余剰在庫が発生しにくい発注が可能になる。
【0036】
以上、本実施形態の発注支援装置100等について説明した。
【0037】
本実施形態の発注支援装置100は、調達履歴取得手段10と、基準調達リードタイム取得手段20と、実績調達リードタイム取得手段30と、変更履歴取得手段40と、を有する。また、発注支援装置100は、調達リードタイム変動率算出手段50と、変動リスク係数算出手段60と、予測調達リードタイム算出手段70と、を有する。調達履歴取得手段10は、部材の発注と納入の履歴である調達履歴を取得する。基準調達リードタイム取得手段20は、基準調達リードタイムを取得する。基準調達リードタイムは、部材の調達リードタイムの基準である。実績調達リードタイム取得手段30は、実績調達リードタイムを取得する。実績調達リードタイムは、部材の調達リードタイムの実績値である。変更履歴取得手段40は、部材の調達リードタイムの変更履歴を取得する。調達リードタイム変動率算出手段50は、調達リードタイム変動率αを算出する。調達リードタイム変動率αは、調達リードタイムの変動率である。調達リードタイム変動率αは、基準調達リードタイムと、実績調達リードタイムの分布とに基づいて算出される。変動リスク係数算出手段60は、変動リスク係数βを算出する。変動リスク係数βは、調達リードタイムの変動リスクの程度を表す。変動リスク係数βは、残納入日数と変更後の調達リードタイムと基準調達リードタイムとに基づいて算出される。残納入日数は、変更がなされた時点から変更前の納入予定日までの残日数である。予測調達リードタイム算出手段70は、予測調達リードタイムKを算出する。予測調達リードタイムKは、調達リードタイムの予測値である。予測調達リードタイムKは、調達リードタイムと変動リスク係数と基準調達リードタイムとに基づいて算出される。
【0038】
上記の構成では、調達リードタイムが延期された日数だけでなく、納期の変動も考慮して、調達リードタイムが予測される。そのために、調達リードタイム変動率算出手段50は、調達リードタイム変動率αを算出する。また、変動リスク係数算出手段60が、変動リスク係数βを算出する。そして、調達リードタイム変動率αと変動リスク係数βを用いて調達リードタイムが予測される。調達リードタイムの変動にばらつきがあった際、期待値を用いる方法では、予測の精度が悪化する。一方、本実施形態では、調達リードタイムの変動にばらつきがあっても、ばらつきが予測に反映されている。このため、精度の良い予測が可能である。その結果、より欠品や余剰在庫が発生しにくい発注を可能にする発注支援装置等が提供される。
【0039】
また一態様によれば、発注支援装置100において、実績調達リードタイムの分布を表す指標が、実績調達リードタイムの平均値と標準偏差とを含む。平均値と標準偏差を用いることで、実績調達リードタイムの分布が、一般的扱いやすい形で定量化される。
【0040】
また、本実施形態の発注支援方法は、コンピュータによって実行される。本実施形態の発注支援方法では、コンピュータが、部材の発注と納入の履歴である調達履歴を取得する。また、コンピュータが、基準調達リードタイムを取得する。基準調達リードタイムは、部材の調達リードタイムの基準である。またコンピュータが、実績調達リードタイムを取得する。実績調達リードタイムは、部材の調達リードタイムの実績値である。またコンピュータが、部材の調達リードタイムの変更履歴を取得する。また、コンピュータが、調達リードタイム変動率αを算出する。調達リードタイム変動率αは、調達リードタイムの変動率である。調達リードタイム変動率αは、基準調達リードタイムと、実績調達リードタイムの分布とに基づいて算出される。また、コンピュータが、変動リスク係数βを算出する。変動リスク係数βは、調達リードタイムの変動リスクの程度を表す。変動リスク係数βは、残納入日数と変更後の調達リードタイムと基準調達リードタイムとに基づいて算出される。残納入日数は、変更がなされた時点から変更前の納入予定日までの残日数である。また、コンピュータが、予測調達リードタイムKを算出する。予測調達リードタイムKは、調達リードタイムの予測値である。予測調達リードタイムKは、調達リードタイムと変動リスク係数と基準調達リードタイムとに基づいて算出される。
【0041】
上記の構成では、調達リードタイムが延期された日数だけでなく、納期の変動も考慮して、調達リードタイムが予測される。そのために、コンピュータが、調達リードタイム変動率αを算出する。また、コンピュータが、変動リスク係数βを算出する。そして、調達リードタイム変動率αと変動リスク係数βを用いて調達リードタイムが予測される。このため、延期日数の期待値だけを用いる方法より良い精度で調達リードタイムが予測される。調達リードタイムの変動にばらつきがあった際、期待値を用いる方法では、予測の精度が悪化する。一方、本実施形態の発注支援方法では、調達リードタイムの変動にばらつきがあっても、ばらつきが予測に反映されている。このため、精度の良い予測が可能である。その結果、より欠品や余剰在庫が発生しにくい発注が可能になる。
【0042】
また、本実施形態の発注支援プログラムは、コンピュータに発注支援動作を実行させる。発注支援プログラムは、部材の発注と納入の履歴である調達履歴を取得する処理をコンピュータに実行させる。また、基準調達リードタイムを取得する処理がコンピュータに実行される。基準調達リードタイムは、部材の調達リードタイムの基準である。また実績調達リードタイムを取得する処理がコンピュータに実行される。実績調達リードタイムは、部材の調達リードタイムの実績値である。また、部材の調達リードタイムの変更履歴を取得する。また、コンピュータが、調達リードタイム変動率αを算出する処理がコンピュータに実行される。調達リードタイム変動率αは、調達リードタイムの変動率である。調達リードタイム変動率αは、基準調達リードタイムと、実績調達リードタイムの分布とに基づいて算出される。また、変動リスク係数βを算出する処理がコンピュータに実行される。変動リスク係数βは、調達リードタイムの変動リスクの程度を表す。変動リスク係数βは、残納入日数と変更後の調達リードタイムと基準調達リードタイムとに基づいて算出される。残納入日数は、変更がなされた時点から変更前の納入予定日までの残日数である。また、予測調達リードタイムKを算出する処理がコンピュータに実行される。予測調達リードタイムKは、調達リードタイムの予測値である。予測調達リードタイムKは、調達リードタイムと変動リスク係数と基準調達リードタイムとに基づいて算出される。
【0043】
上記の構成では、調達リードタイムが延期された日数だけでなく、納期の変動も考慮して、調達リードタイムが予測する処理がコンピュータに実行される。そのために、コンピュータが、調達リードタイム変動率αを算出する。また、コンピュータが、変動リスク係数βを算出する。そして、調達リードタイム変動率αと変動リスク係数βを用いて調達リードタイムを予測する処理がコンピュータに実行される。このため、延期日数の期待値だけを用いる方法より良い精度で調達リードタイムが予測される。調達リードタイムの変動にばらつきがあった際、期待値を用いる方法では、予測の精度が悪化する。一方、本実施形態の発注支援プログラムでは、調達リードタイムの変動にばらつきがあっても、ばらつきが予測に反映されている。このため、精度の良い予測が可能である。その結果、より欠品や余剰在庫が発生しにくい発注が可能になる。
【0044】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態の発注支援装置101を示すブロック図である。発注支援装置101は、第1の実施形態の発注支援装置100の構成に加えて、歩留り変動率算出手段51を有している。歩留り変動率算出手段51は、歩留り変動率γを算出する。ここでいう歩留りは受入検査における歩留りである。歩留りの変動が大きいと、例えば、部材を代替手段によって調達する必要が、生じる。この際、予測調達リードタイムKに、そのリスク分を上乗せすることで、納期に余裕を作ることができる。
【0045】
歩留り変動率γは例えば、次式により算出される。
γ=(実績歩留り平均値+実績歩留り標準偏差)/基準歩留り (式16)
あるいは歩留り変動率γが次式で算出されても良い。
γ=1+実績歩留り標準偏差 (式17)
第2の実施形態の発注支援装置101の、予測調達リードタイム算出手段70は、歩留り変動率γにさらに基づいて、予測調達リードタイムKを算出する。つまり、第1の実施形態の調達リードタイム変動率α、変動リスク係数βに歩留り変動率γが追加される。このため予測調達リードタイムKは、例えば、次式によって算出される。
K=Lo・(α×β×γ)1/3 (式18)
以上説明したように、本実施形態の発注支援装置101によれば、受入検査の歩留りに変動があった際に、第1の実施形態より精度の良い調達リードタイムの予測が可能になる。
【0046】
以上、本実施形態の発注支援装置101等について説明した。
【0047】
発注支援装置101は、歩留り変動率算出手段51を有する。歩留り変動率算出手段51は、歩留り変動率を算出する。歩留りの変動率は、部材の受入検査における歩留りの変動率である。そして、基準調達リードタイムと、実績調達リードタイムの分布と、歩留り変動率とに基づいて、予測調達リードタイム算出手段70が、予測調達リードタイムKを算出する。
【0048】
以上の構成では、受入検査における歩留りのばらつきが、予測調達リードタイムKに反映される。これにより、歩留りにばらつきがあった際にも、精度が低下しない調達リードタイムの予測を行うことが可能になる。
【0049】
また一態様によれば、発注支援装置101において、歩留り変動率が、歩留りの標準偏差に基づいて算出される。標準偏差を用いることで、歩留り変動率が、一般的扱いやすい形で定量化される。
【0050】
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態の発注支援装置102を示すブロック図である。発注支援装置102は、第2の実施形態の発注支援装置101の構成に加えて、所要変動率算出手段52を有している。所要変動率は、製品を生産する発注者における所要量の変動率である。サプライヤ側では、所要量、すなわち発注量の変動が大きいと、基準納期での納品が難しくなる場合がある。このため、本実施形態の発注支援装置102では、調達リードタイムの予測に、所要量の変動リスクの要素が加えられる。所要変動率算出手段52は、所要変動率δを算出する。所要変動率δは、例えば、次式によって算出される。
δ=(所要平均値+所要標準偏差)/所要平均値 (式19)
あるいは所要変動率δが次式で算出されても良い。
δ=1+所要標準偏差 (式20)
第3の実施形態の発注支援装置102の、予測調達リードタイム算出手段70は、所要変動率δにさらに基づいて、予測調達リードタイムKを算出する。つまり、第2の実施形態の調達リードタイム変動率α、変動リスク係数β、歩留り変動率γに所要変動率δが追加される。このため予測調達リードタイムKは、例えば、次式によって算出される。
K=Lo・(α×β×γ×δ)
1/4 (式21)
以上説明したように、本実施形態の発注支援装置102によれば、部材の所要量に変動があった際に、第1、2の実施形態より精度の良い調達リードタイムの予測が可能になる。
【0051】
以上、本実施形態の発注支援装置102等について説明した。
【0052】
発注支援装置102は、所要変動率算出手段52を有する。所要変動率算出手段52は、所要変動率を算出する。所要変動率は、部材の所要数の変動率である。そして、基準調達リードタイムと、実績調達リードタイムの分布と、所要変動率とに基づいて、予測調達リードタイム算出手段70が、予測調達リードタイムKを算出する。
【0053】
以上の構成では、部材の所要数のばらつきが、予測調達リードタイムKに反映される。これにより、歩留りにばらつきがあった際にも、精度が低下しない調達リードタイムの予測を行うことが可能になる。
【0054】
また一態様によれば、発注支援装置102において、所要変動率が、部材の所要数の標準偏差に基づいて算出される。標準偏差を用いることで、所要変動率が、一般的扱いやすい形で定量化される。
【0055】
上述した第1乃至第3の実施形態の処理を、コンピュータに実行させるプログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体も本発明の範囲に含む。記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、などを用いることができる。
【0056】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
10 調達履歴取得手段
20 基準調達リードタイム取得手段
30 実績調達リードタイム取得手段
40 変更履歴取得手段
50 調達リードタイム変動率算出手段
60 変動リスク係数算出手段
70 予測調達リードタイム算出手段
100、101、102 発注支援装置