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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045834
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】個品価格管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240327BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150859
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】持田 裕彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】価格の変更を手作業によらず時間帯の制限なく可能とし、商品への直接の表示によらず価格の変更を顧客に報せる。
【解決手段】情報端末から取引対象の商品を特定する情報を受け付けて当該商品の取引にかかる処理を行う情報処理装置を含むシステムにおいて、情報端末は、商品の外面に表示されたコードシンボルまたは商品に付された無線タグから個品単位の識別情報を読み取る読取部と、情報処理装置から受信した情報を自装置に備え付けの表示デバイスに表示する表示処理部と、を備える。情報処理装置は、読取部が読み取った識別情報を情報端末から受信すると、識別情報に関連づけて記憶されて基準日時および価格を少なくとも含む商品情報を、取得する取得部と、商品情報が含む価格を、基準日時からの時間の経過に従う所定のルールで変更する価格変更部と、取得部が取得した商品情報を、情報端末に送信する情報送信部と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末から取引対象の商品を特定する情報を受け付けて当該商品の取引にかかる処理を行う情報処理装置を含むシステムにおいて、
前記情報端末は、
商品の外面に表示されたコードシンボルまたは商品に付された無線タグから個品単位の識別情報を読み取る読取部と、
前記情報処理装置から受信した情報を自装置に備え付けの表示デバイスに表示する表示処理部と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記読取部が読み取った前記識別情報を前記情報端末から受信すると、前記識別情報に関連づけて記憶されて基準日時および価格を少なくとも含む商品情報を、取得する取得部と、
前記商品情報が含む前記価格を、前記基準日時からの時間の経過に従う所定のルールで変更する価格変更部と、
前記取得部が取得した前記商品情報を、前記情報端末に送信する情報送信部と、
を備えた個品価格管理システム。
【請求項2】
前記商品情報は、前記識別情報で識別される商品の在庫状況をさらに含み、
前記情報送信部は、前記読取部が読み取った前記識別情報が示す商品と同じ商品のうち、前記在庫状況が陳列中で前記価格がより低いものを特定可能な情報を、前記情報端末に送信する
請求項1に記載の個品価格管理システム。
【請求項3】
前記読取部は、前記情報端末に備え付けのカメラが撮像した画像に含まれる前記コードシンボルから前記識別情報を得るものであって、
前記情報送信部は、前記カメラが撮像した画像に重ねて表示させるマーク画像を、前記価格がより低いものを特定可能な情報として送信し、
前記表示処理部は、前記カメラが撮像した画像に重ねて、前記マーク画像を表示させる
請求項2に記載の個品価格管理システム。
【請求項4】
陳列棚に並んだ複数の商品の前記コードシンボルまたは前記無線タグが保持する前記識別情報を一括読み取りするリーダをさらに含み、
前記情報処理装置は、前記商品情報のうち、前記リーダに読み取られた前記識別情報が示す商品と同じ商品の前記識別情報であって前記リーダに読み取られなかった前記識別情報に関連付けられた前記在庫状況を、前記陳列棚にないことを示すものに更新する更新部をさらに備える
請求項2に記載の個品価格管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、個品価格管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生鮮食品や青果の他、例えば牛乳や豆腐、ハム等の、新鮮さが求められる商品に対し、消費期限を考慮した値引き等が実施されている。これにより、ある程度古くなった商品であっても低価格という価値を付加することで販売促進し、売れ残りによる廃棄に至らないよう対策している。
【0003】
上述の値引き等による販売促進を後押しするシステムとして、従来、例えば値引きシール等を用いて当該商品が低価格であることを示し、商品に付されたバーコードなどのコードシンボルとともに値引きシールが読み取られた場合に売価を値引くことが行われている。
【0004】
しかしながら、上記システムのためには、例えば、閉店数時間前などの決まった時間帯に、商品に値引きシールを貼付する等の店員の手作業が必要である。また、製造日時が前の商品ほど早く売れるのが望ましいにもかかわらず、上記システムであると、値引きシールが貼付される時間になるまで、新しい商品が手に取られやすく古い商品が売れにくい状況が放置されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、価格の変更を手作業によらず時間帯の制限なく可能とする個品価格管理システムを提供することである。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、商品への直接の表示によらず価格の変更を顧客に報せることを可能にする個品価格管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の個品価格管理システムは、情報端末から取引対象の商品を特定する情報を受け付けて当該商品の取引にかかる処理を行う情報処理装置を含むシステムであり、前記情報端末は、商品の外面に表示されたコードシンボルまたは商品に付された無線タグから個品単位の識別情報を読み取る読取部と、前記情報処理装置から受信した情報を自装置に備え付けの表示デバイスに表示する表示処理部と、を備え、前記情報処理装置は、前記読取部が読み取った前記識別情報を前記情報端末から受信すると、前記識別情報に関連づけて記憶されて基準日時および価格を少なくとも含む商品情報を、取得する取得部と、前記商品情報が含む前記価格を、前記基準日時からの時間の経過に従う所定のルールで変更する価格変更部と、前記取得部が取得した前記商品情報を、前記情報端末に送信する情報送信部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態にかかる個品価格管理システムの構成および構成間の情報の流れを示す模式図である。
図2図2は、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、商品情報のデータ構成の一例を示す図である。
図4図4は、サーバの制御部10の機能構成の一例を示す図である。
図5図5は、ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6図6は、ユーザ端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図7図7は、サーバが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、ユーザ端末が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、ユーザ端末の表示部が表示する画面の一例を示す図である。
図10図10は、第2の実施形態にかかる表示部が表示する画面の一例を示す図である。
図11図11は、第3の実施形態にかかる個品価格管理システムの構成および構成間の情報の流れを示す模式図である。
図12図12は、サーバの制御部の機能構成の一例を示す図である。
図13図13は、サーバが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14図14は、第4の実施形態にかかる表示部が表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
個品価格管理システムの実施形態の概要について説明する。本実施形態は、基準日時からの時間の経過が商品の価値に影響する商品の販売促進を取り扱う。
【0009】
現在、所定時間のシール貼付により値引きを実施している店舗においては、シール貼付までは、商品の製造日に差があっても、同じ価格で販売される。このため、同じ価格でありながら比較的新しいという価値がある商品が手に取られやすく、古い商品が売れにくい状況になりがちである。
【0010】
上述の状況を改善するために、本実施形態は、価格の変更に際しての時間帯の制限やシール貼付を不要にする。また、本実施形態では、変更された価格を顧客に報せるにあたり、商品への直接の表示を不要にし、変更された価格を顧客が随時参照可能にする。
【0011】
このために、まず、本実施形態のシステムにおいては、所定のルールを設け、当該ルールにより商品の価格を自動的に変更する。上述のルールは、商品に関連づけて記憶された基準日時(例えば製造日時)からの時間の経過に従う。例えば、ルールが適用される商品には、製造日時から一定の時間が経過する毎に、自動的に、一定の値引き(値下げ)が行われる。
【0012】
また、本システムは、上述のルールが適用される商品の価格変更に関する情報を、ユーザ端末に送信する。ユーザ端末は、ユーザが所持する端末装置である。例えば、ユーザ端末が商品に付された個品コードを読み取った場合、システムは、個品コードが示す商品の情報をユーザ端末に送信する。ここで、個品コードが示す商品が、製造日時からの時間の経過に伴う値引きを実施している商品であれば、当該商品の値引き後の価格に関する情報などをも、ユーザ端末に送信する。なお、個品コードは、識別情報の一例であって、商品を個品管理するためのコードであり、個品識別を可能にするコードである。
【0013】
以上により、多少古いために従来手に取られにくかった商品を、価格の上で優位にし、手に取られやすい商品にすることができる。
【0014】
また、本システムによれば従来に比べて早期の値引き開始になるものの、システムが自動的に行うのであるために例えば1~2円ずつ小刻みの値引きが可能になるので、従来行っていた値引きよりも売り上げを低下させない程度の設定が可能である。またこれにより比較的古い商品が売れやすくなり、廃棄の削減が見込まれるので、早くから値引きしても不利益を被るおそれが少ないと考えられる。
【0015】
次に、上記システムを実現する構成について、図面を用いて説明する。図1は、実施形態にかかる個品価格管理システムの構成および構成間の情報の流れを示す模式図である。図1に示すように、本システムは、サーバ1、ネットワーク3、ユーザ端末5等を含んでいる。ネットワーク3は、例えばLAN(Local Area Network)等の店舗内のネットワークである。
【0016】
また、本システムでは、商品7に、コードシンボル9が付されているとする。コードシンボル9は、例えば二次元コードなど、デコードにより少なくとも個品コードを得ることができるものである。なお、コードシンボル9および個品コードは、個品単位の識別情報の一例である。
【0017】
サーバ1は、商品の取引にかかる処理を行う情報処理装置の一例であって、店舗内に設置される。サーバ1とユーザ端末5とは、ネットワーク3を介して通信可能に接続される。
【0018】
サーバ1は、POS(Point Of Sales)端末で行われる販売データ処理等の管理を統括的に行う。例えば、サーバ1は、POS端末の販売データ処理で生成された販売データを記憶・管理したり、販売データ処理に用いる商品データファイル等を記憶・管理したりする。
【0019】
サーバ1は、取引にかかる各種情報を管理する。図1に示す例ではサーバ1は単一の装置であるが、実施にあたっては、複数の装置の組み合わせでサーバ1が構成されていても構わない。サーバ1は、保管した情報を、要求に応じて、外部装置(ユーザ端末5等)に送信する。
【0020】
ユーザ端末5(情報端末の一例)は、本システムのユーザ(顧客)が所持する端末装置(顧客端末)であって、取引対象の商品を特定する情報の受け付けに使用される。ユーザ端末5としては、例えばスマートフォン等の携帯端末が使用される。ユーザ端末5は、公衆回線網またはネットワーク3により、サーバ1と通信可能に接続される。
【0021】
なお、ユーザ端末5には、サーバ1から提供される各種情報を閲覧するためのアプリケーションが実装されている。
【0022】
ユーザ端末5は、公衆回線網またはネットワーク3を介してサーバ1にアクセスすることで、本システムへの会員登録を行う。本システムでの顧客の会員登録は、例えば次のような手順で行われる。顧客は、ユーザ端末5から公衆回線網を介してサーバ1に対して空メールを送信する。サーバ1は、受信したメールアドレスに会員登録のためのページを示すURL(Uniform Resource Locator)を送信する。顧客は、ユーザ端末5から会員登録のためのページを示すURLにアクセスして入力画面を表示させ、当該入力画面に、会員登録に必要な事項(氏名、送信先情報等)を入力する。顧客による必要事項の入力終了後、サーバ1は、会員マスタに対する会員登録を実行する。その後、サーバ1は、ユーザ端末5に対して会員コード(顧客特定情報の一例)及びパスワードを含む会員登録完了メールを配信する。これにより、会員登録が終了する。
【0023】
上述のような会員登録後、ユーザ端末5は、顧客の会員コードをバーコードや二次元コード等のコードシンボルとして表示する。顧客は、取引決済時に店員に対してユーザ端末5に表示されたコードシンボルを提示する。店員は、ユーザ端末5に表示されたコードシンボルをPOS端末に接続された例えばスキャナで読み取る。これにより、POS端末における販売データ処理による決済後に生成されるレシートデータに対して顧客の会員コードを対応付けることが可能である。
【0024】
図2は、サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ1は、CPU11、ROM12、RAM13、通信部14、および記憶部15を備えている。
【0025】
CPU11は、プロセッサの一例であり、サーバ1の動作を統括的に制御する。ROM12は、各種プログラムを記憶する。RAM13は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0026】
CPU11、ROM12、及びRAM13は、バスを介して接続され、コンピュータ構成の制御部10を構成する。制御部10では、ROM12や記憶部15に記憶されRAM13に展開されたプログラムに従ってCPU11が動作することによって、各種の処理を実行する。このような制御部10は、バスを介して、各部(記憶部15や通信部14)に接続される。
【0027】
通信部14は、ネットワーク3に接続可能な有線又は無線の通信インタフェースである。通信部104は、ネットワーク3を介して、各種外部装置(ユーザ端末5等)と通信を行う。
【0028】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部15は、CPU11が実行する各種のプログラムや、サーバ1の動作に係る各種の設定情報を記憶する。また、記憶部15は、プログラム151や、値引きルール152、商品情報153などを、記憶している。
【0029】
プログラム151は、これを実行するCPU11に各種機能部を実現させるためのものである。
【0030】
商品情報153や他の各種情報(例えば値引きルール152)は、例えばテーブルの形式でまとめられて、各々に割り当てられた記憶部15の異なる記憶領域を占めている。なお、本実施形態では、商品情報153と他の情報は、同じ記憶部15が記憶しているが、実施にあたっては、異なる装置の記憶部が記憶しているのであっても構わない。
【0031】
値引きルール152は、例えば、ある商品コードで特定される商品の価格を、製造日時から第一の時間が経過した時点より第二の時間が経過するごとに、所定額だけ変更する、といった内容である。第一の時間は0時間であっても構わない。所定額には、例えば値引き額(例えば1円や2円)を設定する。また、値引きだけでなく値上げもあり得るのであれば、値引き額を負の数、値上げ額を正の数としてもよい。また、値引きルール152は1種類に限らず、複数種類設定されていてもよい。その場合には、複数の値引きルール152のうち選択されたものを、当該ルールを適用する商品の商品情報153に設定する。
【0032】
図3は、商品情報153のデータ構成の一例を示す図である。商品情報153は、個品コード、商品コード、商品名、単価、製造日時、在庫状況、売れ行き状況、値引きルール、現在価格等を含んでいる。商品コードは、商品ごとに取り決められたものであって、商品を特定可能なコードである。個品コードは、商品コードが同一である複数の商品を個々に識別可能なコードであって、商品7に付されるコードシンボル9に記録されている。商品名は、商品の名称である。単価は、商品の1個あたりの価格である。
【0033】
製造日時は、基準日時の一例であって、個品コードが示す商品の製造日時である。在庫状況は、個品コードが示す商品の在庫の状況であって、ここには例えば、陳列前、陳列中、登録済み、販売済みのいずれかが入る。
【0034】
売れ行き状況は、商品コードが示す商品の売れ行きの状況であって、ここには、例えば、「良い」、「悪い」のいずれかが入る。値引きルールには、記憶部15が記憶する値引きルール152のうち、商品コードが示す商品に適用するもの示す情報が入る。
【0035】
現在価格は、個品コードが示す商品の現在の価格であって、値引きルールに従って定められた単価以下の金額が入る。
【0036】
図4は、サーバ1の制御部10の機能構成の一例を示す図である。制御部10は、プログラム151をCPU11が実行することによって、価格変更部101、取得部102、情報送信部103、登録処理部109として機能する。
【0037】
価格変更部101は、商品情報153が含む現在価格を、製造日時からの時間の経過に従う所定のルールで変更する。具体的には、価格変更部101は、例えば、ある商品コードで特定される商品について、製造日時から5時間が経過した時点より、1時間が経過するごとに、1円の値引きを実施する。価格変更部101よる処理、つまり、値引きルールが設定された商品の現在価格の更新は、例えば1時間おきに一斉に実行される。
【0038】
取得部102は、制御部10がユーザ端末5から個品コードを受信すると、個品コードで特定される商品の情報を、記憶部15が記憶する商品情報153から抽出(取得)する。
【0039】
情報送信部103は、取得部102が取得した商品情報を、要求への応答として、個品コードの送信元であるユーザ端末5に送信する。
【0040】
登録処理部109は、ユーザ端末5が受けた操作に応じて、商品登録を行う。商品登録は、取得部102が取得した商品の情報を、取引対象として所定の記憶領域(例えば記憶部15に設けられる)に記録することである。この商品登録に際して採用される商品の価格は、現在価格である。
【0041】
図5は、ユーザ端末5のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、ユーザ端末5は、CPU51、ROM52、RAM53、通信部54、表示部55、操作部56、音声出力部57、カメラ58および記憶部59を備える。
【0042】
CPU51は、プロセッサの一例であり、ユーザ端末5の動作を統括的に制御する。ROM52は、各種プログラムを記憶する。RAM53は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0043】
CPU51、ROM52、及びRAM53は、バスを介して接続され、コンピュータ構成の制御部50を構成する。制御部50では、ROM52や記憶部59に記憶されRAM53に展開されたプログラムに従ってCPU51が動作することによって、各種の処理を実行する。このような制御部50は、バスを介して、各部(記憶部59や通信部54、表示部55、操作部56、音声出力部57、カメラ58)に接続される。
【0044】
記憶部59は、例えばSSDやフラッシュメモリ等で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部59は、CPU51が実行する各種のプログラムや、ユーザ端末5の動作に係る各種の設定情報を記憶する。例えば、記憶部59は、サーバ1から提供される、ユーザ端末5で商品の登録処理や決済処理を実行するため等のアプリケーションプログラム(スマホPOSアプリ)等のプログラム591を記憶する。
【0045】
通信部54は、ネットワーク3に接続可能な有線又は無線の通信インタフェースである。通信部54は、ネットワーク3を介してサーバ1等の外部装置と通信を行う。
【0046】
表示部55は、ユーザ端末5に備え付けの表示デバイスの一例であって、例えば、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)やタッチパネルディスプレイであり、制御部50の制御に従って各種の情報を表示する。
【0047】
操作部56は、各種の操作ボタンを有し、操作者の操作に応じたキー情報を制御部50に出力する。なお、操作部56は、表示部55の表示面に設けられるタッチパネルを含むものとする。
【0048】
音声出力部57は、スピーカ等の音声出力デバイスであり、制御部50の制御に従って音声を出力する。
【0049】
カメラ58は、ユーザ端末5に備え付けのカメラの一例であって、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS)等の撮像素子を有するデジタルカメラである。
【0050】
なお、ユーザ端末5のハードウェア構成は、図5の例に限定されないものとする。例えば、ユーザ端末5がスマートフォンの場合には、ユーザ端末5は、4G又は5G等の通信モジュールや、マイクロフォン等の音声入力部を備えてもよい。
【0051】
図6は、ユーザ端末5の制御部50の機能構成の一例を示す図である。制御部50は、プログラム591をCPU51が実行することによって、読取部501、問合せ送信部502、情報受信部503、表示処理部504、登録処理部509として機能する。
【0052】
読取部501は、カメラ58が撮像した画像に含まれるコードシンボル9をデコードして、個品コードを得る。問合せ送信部502は、読取部501が出力する個品コードをサーバ1に送信して、個品コードで特定される商品の情報を問合せ(要求)する。
【0053】
情報受信部503は、サーバ1がユーザ端末5へと送信した、問合せ(要求)への応答としての情報を、受信する。表示処理部504は、情報受信部503が受信した情報を、表示部55に表示させる。
【0054】
登録処理部509は、表示部55に商品の情報が表示されているときに、操作部56が商品を登録するための操作を受け付けると、表示部55が表示中の商品を登録する旨を示す情報を、サーバ1に送信する。
【0055】
図7は、サーバ1が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。サーバ1の制御部10は、ユーザ端末5からの問合せを待機する(ステップS1のNo)。問合せを受信すると(ステップS1のYes)、制御部10は、問合せが含む個品コードに基づいたデータ抽出(ステップS2)を行う。より詳しくは、制御部10は、取得部102として、個品コードで特定される商品の情報を、記憶部15の商品情報153から抽出(取得)する。次に制御部10は、ステップS2で取得した情報をユーザ端末5に送信して(ステップS3)、本処理を終了する。
【0056】
図8は、ユーザ端末5が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。ユーザ端末5の制御部50は、カメラ58による撮像を待機する(ステップS11のNo)。カメラ58が商品7を撮像した画像を出力すると(ステップS11のYes)、制御部50は、当該画像にコードシンボル9が含まれるか判断する(ステップS12)。ステップS12においてコードシンボル9がない場合(ステップS12のNo)、制御部50は処理をステップS11に戻す。
【0057】
ステップS12においてコードシンボル9があった場合(ステップS12のYes)、制御部50は、読取部501として、コードシンボル9をデコードして個品コードを読み取り、これを出力する(ステップS13)。
【0058】
次に制御部50は、問合せ送信部502として、個品コードを添えてサーバ1に問合せを送信する(ステップS14)。次に制御部50は、情報受信部503として、問合せへの応答を待機する(ステップS15のNo)。サーバ1から応答があれば、制御部50は、情報受信部503として、応答としての情報を受信する(ステップS15のYes)。そして制御部50は、受信した情報を表示して(ステップS16)、本処理を終了する。
【0059】
図9は、ユーザ端末5の表示部55が表示する画面551の一例を示す図である。画面551は、表示処理部504の制御により、ステップS16で表示される。この画面551は、商品情報表示領域5041、値引き情報表示領域5042、現在価格表示領域5043、登録ボタン5044、キャンセルボタン5045を含んでいる。
【0060】
商品情報表示領域5041は、読取部501が読み取った個品コードで特定される商品の情報が表示される領域であって、ここには例えば、商品コードや商品名、単価が表示される。
【0061】
値引き情報表示領域5042には、商品情報表示領域5041の情報が示す商品に値引きルールが適用される旨や、値引きルールの概要が表示される。なお、値引き情報表示領域5042は、値引きルールが適用されない商品の場合には、省かれる。
【0062】
現在価格表示領域5043は、読取部501が読み取った個品コードで特定される商品の現在価格が表示される領域である。
【0063】
登録ボタン5044は、読取部501が読み取った個品コードで特定される商品を、取引対象として登録する操作を受け付けるボタンである。キャンセルボタン5045は、登録を行わず、前の画面に戻る操作を受け付けるボタンである。登録ボタン5044およびキャンセルボタン5045が操作を受けると、タッチパネル(操作部56)の出力を受けて、操作されたボタンの情報がサーバ1に送信される。
【0064】
このような第1の実施形態によれば、個品コードで管理される商品の価格として、製造日時および値引きルールに応じて更新される現在価格が自動的に適用される。したがって、価格の変更を手作業によらず時間帯の制限なく可能とすることができる。
また、第1の実施形態によれば、顧客がユーザ端末5で商品7のコードシンボル9を撮像することにより個品コードが得られ、当該個品コードに関連付けられた値引きルールや現在価格を、顧客は参照することができる。したがって、商品7への直接の表示によらずに、価格の変更(例えば値引き)を、顧客に報せることができる。
【0065】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0066】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。図10は、第2の実施形態にかかる表示部55が表示する画面552の一例を示す図である。画面552は、表示処理部504の制御により、ステップS16で表示される。この画面552は、図9における値引き情報表示領域5042に代えて、最低価格表示領域5046を含んでいる。
【0067】
最低価格表示領域5046には、読取部501が読み取った個品コードで特定される商品と商品コードが同じで個品コードが異なる商品のうち現在価格が最も低いものの情報(少なくとも現在価格および製造日時)が表示される。なお、読取部501が読み取った個品コードで特定される商品の価格が最低価格である場合には、最低価格表示領域5046が省かれてもよい。
【0068】
このような第2の実施形態によれば、顧客がユーザ端末5で読み取った商品の現在価格の他、同じ商品でより値引きされているものが存在することを、顧客に報せることができる。
【0069】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。図11は、第3の実施形態にかかる個品価格管理システムの構成および構成間の情報の流れを示す模式図である。
【0070】
本実施形態のシステムは、陳列棚に並んだ複数の商品7のコードシンボル9を一括読み取りするリーダ4を含む。リーダ4が撮像した画像は、ネットワーク3経由でサーバ1に送信される。
【0071】
図12は、サーバ1の制御部10の機能構成の一例を示す図である。制御部10は、プログラム151をCPU11が実行することによって、価格変更部101、取得部102、情報送信部103、登録処理部109の他、一括デコード部105および更新部106として機能する。
【0072】
一括デコード部105は、リーダ4から受信した画像から、1以上のコードシンボル9を切り出し、それぞれをデコードして、1以上の個品コードを得る。
【0073】
更新部106は、商品情報153のうち、陳列棚からなくなった個品コードの商品7に関連付けられた在庫状況を、陳列棚にないことを示すもの(例えば「在庫なし」)に変更する。陳列棚にあるか否かの判断は、コードシンボル9がリーダ4に読み取られたか否かで判断する。
【0074】
リーダ4による読み取りは、所定時間おきに繰り返し行われ、前回まで読み取られていたコードシンボル9が読み取られなくなった場合、当該コードシンボル9が示す個品コードに関連付けられた在庫状況を、「在庫なし」等に変更する。
【0075】
図13は、サーバ1が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。制御部10は、画像受信を待機し(ステップS21のNo)、リーダ4から画像を受信すると(ステップS21のYes)、一括デコード部105として、画像から1以上のコードシンボル9を切り出し、デコード(認識)する(ステップS22)。次に制御部10は、更新部106として、リーダ4で読み取られなくなった個品コードに関連付けられた在庫状況を「在庫なし」等に変更する(ステップS23)。
【0076】
このような第3の実施形態によれば、陳列棚の在庫状況を正確に商品情報153に反映させることができる。
【0077】
なお、本実施形態のリーダ4は撮像までを担っているが、実施にあたっては、リーダ4が一括デコード部105の機能をも担ってもよい。
【0078】
(第4の実施形態)
第4の実施形態について説明する。図14は、第4の実施形態にかかる表示部55が表示する画面553の一例を示す図である。画面553は、表示処理部504の制御により、図8に示すフローチャートのステップS16で表示される。画面553は、ユーザ端末5のカメラ58が撮像した画像を表示する撮像画像表示欄5047を含んでいる。
【0079】
図14は、撮像画像表示欄5047に同一の商品コードの商品7が複数撮像された画像が表示される場合のものである。この場合の画面553には、現在価格表示領域5043および登録ボタン5044は表示されず、撮像画像表示欄5047の画像に、最安値表示ラベル5048が重ねて表示される。最安値表示ラベル5048は、マーク画像の一例である。
【0080】
本実施形態の制御部10は、ユーザ端末5から受信した画像から、取得部102として1以上のコードシンボル9を切り出し、それぞれをデコードして、1以上の個品コードを得る。制御部10はさらに、それぞれの現在価格が最も低価格であった個品コードの商品7の、画像中の位置を特定する。そして制御部10は、特定した位置に、最安値表示ラベル5048を付加する。なお、最安値表示ラベル5048が付加された位置に、該当の商品7を囲む枠を表示するなどして、商品7を目立たせ視認しやすくしてもよい。
【0081】
このような第4の実施形態によれば、複数並べて陳列された同一の商品のうち、どれの現在価格が最も低価格であるかを、顧客に報せることができる。
【0082】
(変形例)
なお、上述の各実施形態において、コードシンボル9が個品コード(識別情報)を保持するものとして説明したが、実施にあたっては、商品に付された無線タグが識別情報を保持していても構わない。
また、識別情報を保持するものが無線タグである場合、第4の実施形態におけるリーダ4としては、無線タグのアンテナと通信可能なものが採用される。
また、ユーザ端末5は、NFC(Near Field Communication、近距離無線通信)対応の通信I/Fを備えるものであれば、無線タグが記憶する識別情報を読取可能である。
さらに、商品に無線タグが付される場合であっても、併せてコードシンボル9が表示されていて構わない。この場合、ユーザ端末5からはコードシンボル9による読み取り、リーダ4からは無線タグによる読み取りを行うというように、併用することができる。
【0083】
無線タグは、RF(Radio Frequency)タグ等の電子タグである。無線タグは、情報を記憶するIC(Integrated Circuit)チップとアンテナとを有する。無線タグは、無線タグ読取装置から受信した電波に応じてICチップに記憶されているタグ情報を送信する。例えば、無線タグには、無線タグが付されている商品の個品コードが記憶されている。
【0084】
また、上記実施形態で商品情報153が含む売れ行き状況を利用して、値引きルールを調整するようにしてもよい。例えば、売れ行き状況が「良い」とされているものは値引きルールを適用せず、売れ行き状況が「悪い」とされているものは単位時間あたりの値下げ額を多めに設定するようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、基準日時からの時間の経過に従う所定のルールでの価格の変更を、値引きを例として説明しているが、実施にあたっては、値上げであっても構わない。値上げでの実施は、例えば、ワインなどのように時間が経つほど価値が高くなる商品への適用が考えられる。
【0086】
さらに、上記各実施形態では、ユーザ端末5を、請求項に記載の情報端末の一例として説明したが、実施にあたっては、これに限らない。実施にあたって、情報端末は、例えば、店舗から貸与され店内で使用可能なスマートフォン型端末やタブレット型端末などの端末装置や、カートPOSの表示部であってもよい。
【0087】
なお、上述の、店舗貸与の端末装置は、実施形態のユーザ端末5と同様、ユーザが自身で商品登録等を行うためのものである。
【0088】
また、カートPOSの表示部は、上述の店舗貸与の端末装置と同様の機能を有するものである。カートPOSとは、店舗に備え付けられ、ユーザが購入予定の商品を運搬するためのショッピングカートに、上述の表示部が取り付けられたものである。カートPOSの表示部は、ユーザに向けて情報を表示する表示デバイスを含む。この表示部には、表示デバイスの表示内容に応じた操作を受け付けるタッチパネルが、表示デバイスの表面に設けられたものがある。
【0089】
以上の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0090】
さらに、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1 …サーバ、
10 …制御部、
101…価格変更部、102…取得部、103…情報送信部、104…通信部、
105…一括デコード部、106…更新部、109…登録処理部、
11 …CPU、12…ROM、13…RAM、14…通信部、
15 …記憶部、
151…プログラム、152…値引きルール、153…商品情報、
3 …ネットワーク、
4 …リーダ、
5 …ユーザ端末、
50 …制御部、
501…読取部、502…問合せ送信部、503…情報受信部、504…表示処理部、
509…登録処理部、
51 …CPU、52…ROM、53…RAM、54…通信部、
55 …表示部、56…操作部、57…音声出力部、58…カメラ、
59 …記憶部、591…プログラム、
551~553…画面、
5041…商品情報表示領域、5042…値引き情報表示領域、
5043…現在価格表示領域、5044…登録ボタン、5045…キャンセルボタン、
5046…最低価格表示領域、5047…撮像画像表示欄、
5048…最安値表示ラベル、
7…商品、9…コードシンボル。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特表2004-511048号公報
図1
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