(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045839
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】指紋登録装置及び指紋登録プログラム
(51)【国際特許分類】
G06V 40/50 20220101AFI20240327BHJP
G06V 40/13 20220101ALI20240327BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240327BHJP
【FI】
G06V40/50
G06V40/13
G06T7/00 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150873
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】神野 祐人
【テーマコード(参考)】
5B043
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043BA02
5B043DA04
5B043EA06
5B043EA07
5B043FA07
5B043GA02
5B043HA02
5B043HA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】認証処理に適した指紋情報を登録する指紋登録装置及び指紋登録プログラムを提供する。
【解決手段】指紋登録装置(指紋認証装置1)は、指紋入力インタフェース11、プロセッサ13及びメモリ12を備える。指紋入力インタフェース11は、複数の指のそれぞれに対応する指紋情報を入力する。プロセッサ13は、評価基準に基づき指紋情報に含まれる特徴量を評価し、評価基準を満たす特徴量を含む所定の指紋情報を登録する。メモリ12は、プロセッサ13により登録される所定の指紋情報を記憶する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の指のそれぞれに対応する指紋情報を入力する指紋入力インタフェースと、
評価基準に基づき指紋情報に含まれる特徴量を評価し、前記評価基準を満たす特徴量を含む所定の指紋情報を登録するプロセッサと、
前記プロセッサにより登録される前記所定の指紋情報を記憶するメモリと、
を備える指紋登録装置。
【請求項2】
前記評価基準を満たす特徴量を含む前記所定の指紋情報の指情報を提示し、選択される前記所定の指情報の登録を受け付けるユーザインタフェースを備え、
前記プロセッサは、受け付けられた前記所定の指情報の登録に基づき、前記所定の指紋情報を登録する、請求項1の指紋登録装置。
【請求項3】
前記評価基準は、指紋情報に含まれる特徴点の個数を評価する第1の基準値を含み、
前記プロセッサは、前記第1の基準値に基づき指紋情報に含まれる特徴量を評価する、請求項1の指紋登録装置。
【請求項4】
前記評価基準は、指紋情報に含まれる特徴点となる指紋の線の分岐点、指紋の線の集合部分、及び指紋の線の端点の総個数を評価する第1の基準値を含み、
前記プロセッサは、前記第1の基準値に基づき指紋情報に含まれる特徴量を評価する、請求項1の指紋登録装置。
【請求項5】
前記評価基準は、指紋情報の中心から特徴点までの距離を評価する第2の基準値を含み、
前記プロセッサは、前記第2の基準値に基づき指紋情報に含まれる特徴量を評価する、請求項3の指紋登録装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第1の基準値を超える特徴点を含む指紋情報について評価基準を満たすと判定する、請求項3の指紋登録装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第1の基準値を超える特徴点を含み、且つ指紋情報の中心から特徴点までの距離が前記第2の基準値を超える指紋情報について評価基準を満たすと判定する、請求項5の指紋登録装置。
【請求項8】
コンピュータに、
複数の指のそれぞれに対応する指紋情報の入力に対応して、評価基準に基づき指紋情報に含まれる特徴量を評価する手順と、
前記評価基準を満たす特徴量を含む所定の指紋情報をメモリに登録させる手順と、
を実行させるための指紋登録プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、指紋登録装置及び指紋登録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
IC(Integrated Circuit)チップを備えたICカードが広く普及している。ICカードの不正利用防止には、長年、PIN(Personal Identification Number)が利用されてきたが、より安全性の高い指紋認証が利用されるようになっている。ICカードに限らず、スマートフォン等の電子機器にも指紋認証が利用されるようになっている。
【0003】
指から読み取られる指紋情報は、複数の特徴点を含み、特徴点としては、指紋の線の分岐点、指紋の線の集合部分、及び指紋の線の端点がある。例えば、指紋認証装置は、事前に指紋登録者から登録された指紋情報の複数の特徴点と、認証対象者の指から読み取られる指紋情報の複数の特徴点の相関関係に基づき、認証可否を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
指紋情報に含まれる特徴点の数や位置は人により異なり、また、同一人物であっても、指によりその特徴点の数や位置が大きく異なることは珍しくない。特定の人物のある指から読み取られる特徴点の数が少ないこともあり得る。
【0006】
指紋認証装置は、装置の仕様で指定された指の指紋情報を登録し、同じく装置の仕様で指定された指から指紋情報を読み取り、登録された指紋情報に含まれる複数の特徴点と、読み取られた指紋情報に含まれる複数の特徴点の相関関係に基づき認証処理を実行する。
【0007】
仮に、装置の仕様で指定された指の指紋情報に含まれる特徴点が少ないと、適切な認証処理を実行できないことがある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、認証処理に適した指紋情報を登録する指紋登録装置及び指紋登録プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係る指紋登録装置は、指紋入力インタフェース、プロセッサ、及びメモリを備える。前記指紋入力インタフェースは、複数の指のそれぞれに対応する指紋情報を入力する。前記プロセッサは、評価基準に基づき指紋情報に含まれる特徴量を評価し、前記評価基準を満たす特徴量を含む所定の指紋情報を登録する。前記メモリは、前記プロセッサにより登録される前記所定の指紋情報を記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る指紋認証装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る指紋認証装置のプロセッサの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る指紋認証装置による指紋登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る指紋認証装置による指紋認証処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る指紋認証装置について図面を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る指紋認証装置の概略構成の一例を示すブロック図である。指紋認証装置1は、指紋を登録する指紋登録装置の一例でもある。
図2は、実施形態に係る指紋認証装置のプロセッサの概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、指紋認証装置1は、指紋入力インタフェース11、メモリ12、プロセッサ13、及びユーザインタフェース14を備える。
【0012】
指紋入力インタフェース11は、静電容量方式、光学式、又は超音波式の指紋センサである。指紋入力インタフェース11は、一本の指に対応する読み取り領域を備え、一本の指から指紋情報を読み取り、指の入れ替えと読み取り動作の繰り返しにより、複数本の指のそれぞれから順番に指紋情報を読み取る。例えば、指の入れ替えと読み取り繰り返しにより、指紋入力インタフェース11は、右手5本、左手5本、又は、右手と左手の合計10本の指のそれぞれから順番に指紋情報を読み取る。
【0013】
或いは、指紋入力インタフェース11は、複数本の指に対応する読み取り領域を備え、複数本の指のそれぞれから同時に指紋情報を読み取る。例えば、指紋入力インタフェース11は、右手5本、左手5本、或いは右手と左手の合計10本の指のそれぞれから同時に指紋情報を読み取る。指紋入力インタフェース11は、読み取った指紋情報をプロセッサ13へ入力する。
【0014】
メモリ12は、プロセッサ13により各種演算を実行させるプログラム(指紋登録プログラム)を記憶する。また、メモリ12は、指紋情報に含まれる特徴量を評価する評価基準(値)を記憶する。また、メモリ12は、指紋情報を記憶する。メモリ12に記憶される評価基準は、同一人物の複数の指それぞれから得られた指紋情報に含まれる特徴量を評価する相対的な基準ではなく、同一人物か否かにかかわらず、指から得られた指紋情報に含まれる特徴量を評価する絶対的な基準である。評価基準は、指紋認証に相応しい指紋情報を絞り込むための絶対的な条件である。
【0015】
プロセッサ13は、CPU(central processing unit)又はMPU(micro processing unit)等であり、メモリ12に記憶されたプログラムに基づく演算により、登録モードによる指紋登録処理を実行し、認証モードによる指紋認証処理を実行する。本実施形態では、単一のプロセッサ13による指紋登録及び指紋認証について説明するが、複数のプロセッサが協働して指紋登録及び指紋認証を実行してもよい。
【0016】
図2に示すように、プロセッサ13は、登録処理部131、認証処理部132、特徴量抽出部133、及び特徴量評価部134を備え、メモリ12に記憶されたプログラムに基づく演算により、各部の動作を実行する。或いは、指紋認証装置1は、プロセッサ13がプログラムを実行するのと同様の機能を有するLSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアを備え、ハードウェアにより各部の動作と同等の動作を実現するようにしてもよい。
【0017】
登録処理部131は、ユーザインタフェース14で受け付けられる指紋登録モードに基づき、指紋登録処理を実行する。登録処理部131は、メモリ12に記憶された評価基準を満たす特徴量を含む所定の指紋情報をメモリ12に登録する。指紋登録処理については後に詳しく説明する。なお、登録処理部131は、所定の指紋情報の特徴量をメモリ12に登録するようにしてもよい。
【0018】
認証処理部132は、ユーザインタフェース14で受け付けられる指紋認証モードに基づき、指紋認証処理を実行する。認証処理部132は、メモリ12に登録された指紋情報に含まれる複数の特徴点と、指紋入力インタフェース11から入力される指紋情報に含まれる複数の特徴点の相関関係に基づき、認証可否を判定する。指紋認証処理については後に詳しく説明する。
【0019】
特徴量抽出部133は、指紋入力インタフェース11により入力される指紋情報に含まれる特徴点を抽出し、特徴点から特徴量を抽出する。特徴点としては、指紋の線の分岐点、指紋の線の集合部分(三角州)、及び指紋の線の端点がある。特徴量としては、これら特徴点の数、及び指紋情報の中心から特徴点までの距離がある。
【0020】
特徴量評価部134は、メモリ12に記憶された評価基準に基づき、特徴量抽出部133により抽出された特徴量を評価する。評価基準は、指紋情報に含まれる特徴点の個数を評価する第1の基準値を含む。例えば、評価基準は、特徴点となる指紋の線の分岐点の個数、指紋の線の集合部分の個数、及び指紋の線の端点の個数を評価する第1の基準値を含む。或いは、評価基準は、特徴点となる指紋の線の分岐点、指紋の線の集合部分、及び指紋の線の端点の総個数を評価する第1の基準値を含む。さらに、評価基準は、指紋情報の中心から特徴点までの距離を評価する第2の基準値を含んでもよい。
【0021】
特徴量評価部134は、第1の基準値に基づき指紋情報に含まれる特徴量を評価する。例えば、特徴量評価部134は、指紋情報に含まれる特徴点の個数が第1の基準値を超える場合(指紋認証を実行する上で特徴点の個数が十分に足りる場合)、指紋情報に含まれる特徴量が評価基準を満たすと評価する。
【0022】
また、特徴量評価部134は、第2の基準値に基づき指紋情報に含まれる特徴量を評価してもよい。例えば、特徴量評価部134は、第1の基準値を超える特徴点を含み、且つ指紋情報の中心から特徴点までの距離が第2の基準値を超える指紋情報について評価基準を満たすと判定する。
【0023】
ユーザインタフェース14は、表示部及び入力部を備える。例えば、表示部及び入力部は、タッチパネルにより構成される。ユーザインタフェース14は、評価基準を満たす特徴量を含む指紋情報の指情報(手と指のイメージに対応付けた指の名称及び指の番号など)を提示(表示)し、提示された指情報から選択される指情報の登録を受け付ける。
【0024】
例えば、ユーザインタフェース14は、右手の各指のイメージに対応付けて指の名称及び右1~右5の指番号を表示し、左手の各指のイメージに対応付けて指の名称及び左1~左5の指番号を表示する。さらに、ユーザインタフェース14は、評価基準を満たす特徴量を含む指紋情報に対応する指番号(例えば右2と左1など)を表示する。
【0025】
指紋登録者は、表示により、評価基準を満たしている指番号(例えば右2と左1など)を知ることができる。ユーザインタフェース14は、表示された指番号の中から、指紋登録者により選択される指番号の登録を受け付ける。
【0026】
図3は、実施形態に係る指紋認証装置による指紋登録処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態では、指紋認証装置1が、右手と左手の合計10本の指のそれぞれから順番に指紋情報を読み取るケースについて説明するが、指紋情報の読み取りはこの方法に限定されるものではない。指紋認証装置1は、2本以上の指から指紋情報を読み取ればよい。
【0027】
例えば、ユーザインタフェース14は、指紋登録モードを受け付け(ST101、YES)、プロセッサ13の登録処理部131は、ユーザインタフェース14で受け付けられる指紋登録モードに基づき、指紋登録処理を実行する(ST102)。
【0028】
ユーザインタフェース14は、指紋入力インタフェース11の読み取り領域の上に、右手の親指、人差し指、中指、薬指、及び小指の順に、指を接触させることを案内する(ST103)。
【0029】
指紋登録者は、ユーザインタフェース14の案内に従い、指紋入力インタフェース11の読み取り領域の上に各指を順に接触させる。指紋入力インタフェース11は、順に接触される各指から指紋情報を読み取る(ST104)。メモリ12は、右手の各指の指番号に対応付けて、順に読み取られる指紋情報を記憶する。
【0030】
同様に、ユーザインタフェース14は、指紋入力インタフェース11の読み取り領域の上に、左手の親指、人差し指、中指、薬指、及び小指の順に、指を接触させることを案内する(ST103)。
【0031】
指紋登録者は、ユーザインタフェース14の案内に従い、指紋入力インタフェース11の読み取り領域の上に各指を順に接触させる。指紋入力インタフェース11は、順に接触される各指から指紋情報を読み取る(ST105)。メモリ12は、左手の各指の指番号に対応付けて、順に読み取られる指紋情報を記憶する。
【0032】
全ての指から指紋情報の読み取りを終えると(ST105、YES)、特徴量抽出部133は、指紋入力インタフェース11により入力されメモリ12に記憶された、右手と左手の各指のそれぞれに対応する指紋情報に含まれる特徴点を抽出し、特徴点から特徴量を抽出する(ST106)。なお、特徴量抽出部133は、全ての指から指紋情報が読み取られるのを待たずに、指紋情報が読み取られるタイミングで、都度、指紋情報に含まれる特徴点を抽出し、特徴点から特徴量を抽出してもよい。
【0033】
特徴量評価部134は、メモリ12に記憶された評価基準に基づき、右手と左手の各指のそれぞれに対応する指紋情報に含まれる特徴量を評価する(ST107)。評価基準は、指紋情報に含まれる特徴点の個数を評価する第1の基準値を含む。
【0034】
例えば、評価基準は、特徴点となる指紋の線の分岐点、指紋の線の集合部分、及び指紋の線の端点の総個数を評価する第1の基準値を含む。特徴量評価部134は、第1の基準値を超える特徴点を含む指紋情報について評価基準を満たすと判定する。メモリ12は、指紋情報に対応付けて評価結果を記憶する。
【0035】
ユーザインタフェース14は、評価基準を満たす特徴量を含む指紋情報の指情報(手と指のイメージに対応付けた指の名称及び指の番号など)を提示(表示)する(ST108)。
【0036】
指紋登録者は、ユーザインタフェース14を介して、提示された登録候補の指情報から登録したい指情報を選択する。ユーザインタフェース14は、選択される指情報の登録を受け付ける(ST109)。
【0037】
登録処理部131は、受け付けられた指情報の登録に基づき、評価基準を満たす特徴量を含む指紋情報をメモリ12に登録する(ST110)。
【0038】
指紋情報に含まれる特徴点の個数が第1の基準値に満たない場合、このような指紋情報が登録されてしまうと、指紋認証処理において、正規の認証対象者の認証が否定されるような認証エラー、又は正規の認証対象者が他の人物として認証されてしまうような認証エラーが生じるおそれがある。指紋認証処理では、登録された指紋情報に含まれる特徴点と、読み取られる指紋情報に含まれる特徴点の相関関係に基づき、認証可否が判定される。このため、特徴点の数が不足していると、上記のような認証エラーが生じるおそれがある。
【0039】
本実施形態によれば、指紋認証装置は、指から得られた指紋情報に含まれる特徴量を絶対的に評価する基準値で評価し、基準値を満たす特徴量を含む指紋情報を登録することにより、認証処理に適した指紋情報を登録することができる。上記のような認証エラーを防止する指紋情報を登録することができる。
【0040】
図4は、実施形態に係る指紋認証装置による指紋認証処理の一例を示すフローチャートである。
例えば、ユーザインタフェース14は、指紋認証モードを受け付け(ST201、YES)、プロセッサ13の認証処理部132は、ユーザインタフェース14で受け付けられる指紋認証モードに基づき、指紋認証処理を実行する(ST202)。
【0041】
ユーザインタフェース14は、指紋入力インタフェース11の読み取り領域の上に、登録した指を接触させることを案内する(ST203)。
【0042】
認証対象者は、案内に従い、指紋入力インタフェース11の読み取り領域の上に、登録した指接触させる。指紋入力インタフェース11は、接触される指から指紋情報を読み取る(ST204)。メモリ12は、読み取られる指紋情報を記憶する。
【0043】
指から指紋情報の読み取りを終えると(ST205、YES)、特徴量抽出部133は、指紋入力インタフェース11により入力されメモリ12に記憶された、指紋情報に含まれる特徴点を抽出する(ST206)。
【0044】
認証処理部132は、メモリ12に登録された指紋情報の特徴点と、読み取られた指紋情報の特徴点との相関関係に基づき、認証可否を判定する(ST207)。
【0045】
ユーザインタフェース14は、認証可否の判定結果を出力する(ST208)。
【0046】
本実施形態によれば、指紋認証装置1は、絶対評価を得て登録される指紋情報に含まれる特徴点と、読み取られた指紋情報に含まれる特徴点との相関関係に基づき認証可否を判定するため、正規の認証対象者の認証が否定されるような認証エラー、又は正規の認証対象者が他の人物として認証されてしまうような認証エラーを防止することができる。
【0047】
上記説明では、単一の基準値(第1の基準値)を満たす特徴量を含む指紋情報の登録、即ち、単一の基準値を満たす特徴点を超える指紋情報の登録について説明したが、複数の基準値を満たす特徴量を含む指紋情報を登録するようにしてもよい。
【0048】
例えば、第1の基準値に加えて、指紋情報の中心から特徴点までの距離を評価する第2の基準値を評価に加える。特徴量評価部134は、第1の基準値を満たす特徴点を含み、且つ指紋情報の中心から特徴点までの距離が第2の基準値を超える指紋情報について、第1及び第2の基準値を満たすと判定する。
【0049】
ユーザインタフェース14は、第1及び第2の基準値を満たす指紋情報の指情報を提示する。指紋登録者は、ユーザインタフェース14を介して、提示された登録候補の指情報から登録したい指情報を選択する。ユーザインタフェース14は、選択される指情報の登録を受け付ける。登録処理部131は、受け付けられた指情報の登録に基づき、第1及び第2の基準値を満たす指紋情報を満たす特徴量を含む指紋情報をメモリ12に登録する。
【0050】
本実施形態によれば、指紋認証装置は、指から得られた指紋情報に含まれる特徴量を絶対的に評価する複数の基準値で評価し、複数の基準値を満たす特徴量を含む指紋情報を登録することにより、認証処理に適した指紋情報を登録することができる。即ち、上記のような認証エラーを強固に防止する指紋情報を登録することができる。
【0051】
また、利便性に配慮して、複数の基準値に対する評価結果を提示し、指紋登録者の意向に基づく指紋情報を登録するようにしてもよい。
【0052】
例えば、特徴量評価部134は、第1の基準値を満たす特徴量を含むか否か、また、第2の基準値を満たす特徴量を含むか否かを評価する。ユーザインタフェース14は、第1及び第2の基準値を満たす特徴量を含む指紋情報の指情報に第1の優先度情報を付与して提示し、第1及び第2の基準値の一方を満たす特徴量を含む指紋情報の指情報に第2の優先度情報を付与して提示する。第1の優先度情報は、第2の優先度情報よりも優先度が高いことを示す。
【0053】
指紋登録者は、第1及び第2の優先度情報を参考にして、第1及び第2の基準値を満たす特徴量を含む指紋情報を登録するか、第1及び第2の基準値の一方を満たす特徴量を含む指紋情報を登録するかを選択する。例えば、第1の優先度情報が付与された右手の指より、第2の優先度が付与された左手の指を登録したい場合、指紋登録者は、第2の優先度が付与された左手の指を選択する。これにより、認証エラーの防止と利便性の両立を図ることができる。
【0054】
本実施形態に係るプログラムは、電子機器(指紋認証装置)に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。電子機器は、ネットワークを介して譲渡(提供)されるプログラムをダウンロードしてメモリにインストールする、又は記憶媒体からプログラムを読み取りメモリにインストールする。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1…指紋認証装置
11…指紋入力インタフェース
12…メモリ
13…プロセッサ
14…ユーザインタフェース
131…登録処理部
132…認証処理部
133…特徴量抽出部
134…特徴量評価部
134…及び特徴量評価部