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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045846
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】配管継手用保温部材
(51)【国際特許分類】
   F16L 59/18 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
F16L59/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150883
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003340
【氏名又は名称】弁理士法人湧泉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近本 博章
(72)【発明者】
【氏名】長澤 翔
【テーマコード(参考)】
3H036
【Fターム(参考)】
3H036AA04
3H036AB18
3H036AB25
3H036AC02
3H036AD05
(57)【要約】
【課題】 一対の分割半体を閉じ状態で仮保持することができる配管継手用保温部材を提供する。
【解決手段】 配管継手用保温部材1は、分割半体10A,10Bと、樹脂ヒンジ2を備えている。分割半体10A,10Bは互いの接合面11が接合した閉じ状態で、継手100を収容する継手収納空間15Tと配管110を収容する複数の管収容空間とを協働して形成する。分割半体10A,10Bの樹脂ヒンジ20から離れた他の側縁には、それぞれ板状の係合片35,45が形成されている。係合片35,45の一部がそれぞれ係合部36,46として提供される。分割半体10A,10Bが互いに接合するまで閉じる際に、係合片35,45の弾性変形を伴って係合部36,46が互いを乗り越える。これら係合部36,46の係合により、分割半体10A,10Bが互いに接合した閉じ状態を仮保持され、この仮保持状態で締付バンド50により締め付けられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を通し継手に接続される流通管とこの流通管の外周を覆う被覆管とを有する配管を接続する継手のための保温部材において、
第1、第2分割半体と、前記第1、第2分割半体の一側縁において前記第1、第2分割半体を開閉可能に連ねる樹脂ヒンジとを備え、前記第1、第2分割半体は互いの接合面が接合した閉じ状態で、前記継手を収容する継手収納空間と前記配管を収容する複数の管収容空間とを協働して形成するようになっており、
前記第1、第2分割半体の前記樹脂ヒンジから離れた他の側縁には、それぞれ第1係合部と第2係合部が形成されており、前記第1、第2係合部が係合することにより、前記第1、第2分割半体が互いに接合した閉じ状態を仮保持されることを特徴とする配管継手用保温部材。
【請求項2】
前記第1、第2分割半体の前記他の側縁には、第1、第2係合片がそれぞれ形成され、前記第1、第2係合片の一部がそれぞれ前記第1、第2係合部として提供され、前記第1、第2分割半体が互いに接合する直前に前記第1、第2係合部が当たり、さらに前記第1、第2分割半体が互いに接合するまで閉じる際に、前記第1、第2係合片の弾性変形を伴って前記第1、第2係合部が互いを乗り越えるようになっており、前記第1、第2分割体が閉じられた状態で、前記第1、第2分割半体の接合面と直交する方向から見た時に前記第1、第2係合部が互いに重なっていることを特徴とする請求項1に記載の配管継手用保温部材。
【請求項3】
前記第1、第2係合片は板状をなし、前記第1、第2分割半体の対向する分割半体から径方向に遠ざかるにしたがって前記接合面の延長面からの突出量が増大するように傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の配管継手用保温部材。
【請求項4】
前記第1係合片が対をなし、前記第1分割半体の前記他の側縁に沿う方向に離間しており、前記第2係合片が前記第2分割半体の前記他の側縁において前記対なす第1係合片間の間隙に対応した位置に形成され、前記対をなす第1係合片の互いに向き合う突出端部が前記第1係合部として提供され、前記第2係合片の両側の突出端部が前記第2係合部として提供されることを特徴とする請求項3に記載の配管継手用保温部材。
【請求項5】
前記継手は前記配管を一直線状に接続するようになっており、
前記第1、第2分割半体は半円筒形状をなし、前記第1、第2分割半体の前記他の側縁に沿って前記接合面と面一をなす鍔部がそれぞれ形成され、前記第1、第2分割半体の前記鍔部の先端縁に、前記第1、第2係合片がそれぞれ形成され、
前記第2係合片の先端縁には、前記第1、第2分割体を巻いて締め付ける締付条体が入り込む受入凹部が形成され、前記第1、第2分割半体の前記鍔部の先端縁には、前記第2係合片の軸方向両側において、他の締付条体が入り込む受入凹部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の配管継手用保温部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水給湯等に用いられる配管を接続する継手のための保温部材に関する。
【背景技術】
【0002】
給水給湯用の配管は、湯水を通す流通管とこの流通管を覆う被覆管の二重管断熱構造をなしており、湯温の低下や凍結を防止している。この配管を必要に応じて継手で連結する場合、継手からの熱の放散を抑制するために、継手を保温部材で覆っている。この保温部材は、継手に接続される配管端部の被覆管をも覆い、継手と被覆管の端との間の隙間等からの熱の放散をも抑制している。
【0003】
配管継手用の保温部材は樹脂ヒンジにより連結された開閉可能な一対の分割半体を備えている。一対の分割半体を閉じることによって継手と配管端部を覆い、分割半体を締付バンドや粘着テープで巻いて締め付けることにより、分割半体の閉じ状態、すなわち分割半体同士が接合して継手と配管端部を覆った状態を維持するようになっている。しかし、片手で一対の分割半体を閉じ状態にして押さえ付けながら、締め付けバンドや粘着テープを巻き付ける必要があるため、この巻き付け作業に手間取っていた。
【0004】
特許文献1には、配管継手用の保温部材の一対の分割半体をそれぞれ覆う一対のカバー半体が開示されている。一方のカバー半体に形成された係合爪を他方のカバー半体の係合穴に係合させることにより、保温部材の分割半体の閉じ状態を維持するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-263314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で開示されているように一対のカバー半体を用いると、保温部材の分割半体を簡単な作業で閉じ状態を維持することができるが、配管の継手毎に別途成形された一対のカバー半体を必要とするため、コストが嵩んでしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、流体を通し継手に接続される流通管とこの流通管の外周を覆う被覆管とを有する配管を接続する継手のための保温部材において、第1、第2分割半体と、前記第1、第2分割半体の一側縁において前記第1、第2分割半体を開閉可能に連ねる樹脂ヒンジとを備え、前記第1、第2分割半体は互いの接合面が接合した閉じ状態で、前記継手を収容する継手収納空間と前記配管を収容する複数の管収容空間とを協働して形成するようになっており、前記第1、第2分割半体の前記樹脂ヒンジから離れた他の側縁には、それぞれ第1係合部と第2係合片部が形成されており、前記第1、第2係合部が係合することにより、前記第1、第2分割半体が互いに接合した閉じ状態を仮保持されることを特徴とする。
この構成によれば、第1、第2分割半体にそれぞれ形成された第1、第2係合片の係合により、第1、第2分割半体の閉じ状態を仮保持するので、第1、第2分割半体に締付条体や粘着テープを巻き付ける際の作業性を向上させることができる。しかも、高コストの成形品を別途必要とせず、コストを抑制することができる。
【0008】
好ましくは、前記第1、第2分割半体の前記他の側縁には、第1、第2係合片がそれぞれ形成され、前記第1、第2係合片の一部がそれぞれ前記第1、第2係合部として提供され、前記第1、第2分割半体が互いに接合する直前に前記第1、第2係合部が当たり、さらに前記第1、第2分割半体が互いに接合するまで閉じる際に、前記第1、第2係合片の弾性変形を伴って前記第1、第2係合部が互いを乗り越えるようになっており、前記第1、第2分割体が閉じられた状態で、前記第1、第2分割半体の接合面と直交する方向から見た時に前記第1、第2係合部が互いに重なっている。
この構成によれば、第1、第2分割半体の閉じ動作の過程で第1、第2係合部を簡単に係合させることができる。
【0009】
好ましくは、前記第1、第2係合片は板状をなし、前記第1、第2分割半体の対向する分割半体から径方向に遠ざかるにしたがって前記接合面の延長面からの突出量が増大するように傾斜している。
この構成によれば、簡単な構成で分割半体の閉じ動作の過程での第1、第2係合部の係合が可能である。
【0010】
好ましくは、前記第1係合片が対をなし、前記第1分割半体の前記他の側縁に沿う方向に離間しており、前記第2係合片が前記第2分割半体の前記他の側縁において前記対なす第1係合片間の間隙に対応した位置に形成され、前記対をなす第1係合片の互いに向き合う突出端部が前記第1係合部として提供され、前記第2係合片の両側の突出端部が前記第2係合部として提供される。
この構成によれば、離間した2箇所での係合により、分割半体が閉じた仮保持状態を安定して維持することができる。
【0011】
好ましくは、前記継手は前記配管を一直線状に接続するようになっており、前記第1、第2分割半体は半円筒形状をなし、前記第1、第2分割半体の前記他の側縁に沿って前記接合面と面一をなす鍔部がそれぞれ形成され、前記第1、第2分割半体の前記鍔部の先端縁に、前記第1、第2係合片がそれぞれ形成され、前記第2係合片の先端縁には、前記第1、第2分割体を巻いて締め付ける締付条体が入り込む受入凹部が形成され、前記第1、第2分割半体の前記鍔部の先端縁には、前記第2係合片の軸方向両側において、他の締付条体が入り込む受入凹部が形成されている。
この構成によれば、締付条体を分割半体に巻いて締め付けた状態を安定して維持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の配管継手用保温装置によれば、コストを増大させることなく、分割半体の閉じ状態を仮保持することができ、締付条体や粘着テープを巻き付ける際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明の第1実施形態に係る配管継手用保温部材の一対の分割半体が開いた状態を示す側面図である。
図1B】一対の分割半体が閉じて仮止めされた状態を示す側面図であり、継手および配管は省略されている。
図2A図1AにおいてII方向から見た一対の分割半体の正面図である。
図2B図1BにおいてII方向から見た一対の分割半体の正面図であり、継手および配管に装着された状態を示す。
図3】一対の分割半体を閉じて仮止めした状態を示す斜視図であり、継手および配管は省略されている。
図4】上記仮止め後に、締付バンドを一対の分割半体に巻いて締め付けた状態を示す斜視図であり、継手および配管は省略されている。
図5】上記仮止め後に、粘着テープを一対の分割半体に巻いて締め付けた状態を示す斜視図であり、継手および配管は省略されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係る配管継手用保温部材1について図面を参照しながら説明する。本実施形態の保温部材1は、後述するように2本の配管を一直線上に接続する継手に装着されるものである。
【0015】
<配管継手用保温部材の基本構成>
図1図2に示すように、配管継手用保温部材1は、発泡ポリエチレン、架橋発泡ポリエチレン等の発泡樹脂からなり、第1、第2分割半体10A、10Bと、これら分割半体10A,10Bを開閉可能に連結する樹脂ヒンジ20と、を基本構成として備えている。図1A図2Aは分割半体10A、10Bが開いた状態、図1B図2Bは閉じた状態を示す。
【0016】
本実施形態の分割半体10A,10Bは、それぞれ直線的に延びる半円筒形状をなし、同一の形状を有している。分割半体10A,10Bは閉じ状態で互いに接する平坦な接合面11と略半円筒面形状をなす周面12とを有している。接合面11には軸線方向に延びる凹溝13が形成されている。凹溝13は軸方向中央部に継手収容空間形成領域15を有し、両側部に管収容空間形成領域16を有している。周面12の中央には、後述の締付バンド50(締付条体)を受け入れるための周方向に延びる受入溝12aが形成され、軸方向両側部にも受入溝12bが形成されている。
【0017】
樹脂ヒンジ20は薄肉であり分割半体10A、10Bと同一材料であり一体に形成されており、分割半体10A,10Bの周方向の一方の側縁において、分割半体10A,10Bを開閉可能に連ねている。
【0018】
図1B図2Bに示すように、分割半体10A,10Bは互いの接合面11が接合した状態で閉じられる。この閉じ状態で、分割半体10A,10Bの一対の継手収容空間形成領域15が協働して継手収容空間15Tを形成し、一対の管収容空間形成領域16が協働して管収容空間16Tを形成する。
【0019】
<継手および配管の構成>
図2Bに示すように、上述した保温部材1により被覆される継手100は、円筒形状をなしており、両端部が配管接続部として提供される。配管110は、流体例えば湯水を通す流通管111と、この流通管111を覆う被覆管112とを有していて二重管断熱構造をなしている。配管110の被覆管112の端部を軸方向に後退させて流通管111の端部を露出させ、この流通管111の端部を継手100の両端部に挿入固定することにより、2本の配管110が継手100に接続されている。
【0020】
<配管継手用保温部材の基本的作用>
図1A図2Aに示すように分割半体10A,10Bが開いた状態で、2本の配管110を接続した継手100を、保温部材1の一方の分割半体10Aの凹溝13にセットする。このセット状態で、継手100の半分が分割半体10Aの継手収容空間形成領域15に収容され、配管110の端部の半周分が、分割半体10の管収容空間形成領域16に収容される。
【0021】
次に、分割半体10Bを分割半体10Aに向けて180°回し、図1B図2Bに示すように、一対の分割半体10A,10Bを閉じ状態にする。これにより、図2Bに示すように、継手100が継手収容空間15Tに収容され、配管110の端部が管収容空間16Tに収容される。
【0022】
分割半体10A,10Bが閉じた状態で、図4に示すように締付バンド50等を分割半体10A、10Bに巻いて締め付ける。保温部材1は継手100および2本の配管110の端部を覆う。一対の分割半体10A、10Bにより形成される管収容空間16Tの内径は被覆管112の外径と等しいか僅かに小さいので、管収容空間16Tの内周面が被覆管112の外周面に密着する。これにより、継手100と被覆管112の端部との間からの熱の放散を確実に防ぐことができる。
【0023】
<仮止め構造および締付バンド受入構造>
保温部材1は、分割半体10A、10Bが閉じた状態で締付バンド50等を巻く際に、分割半体10A、10Bが不用意に広がらないように、仮止め構造を備えている。以下、詳述する。
【0024】
分割半体10A、10Bにおける樹脂ヒンジ20の反対側の側縁のそれぞれには、軸線に沿って直線的に延びる板状の鍔部30、40が一体に形成されている。図1Aに示すように、鍔部30の一方の面は分割半体10Aの接合面11と面一であり、鍔部40の一方の面は分割半体10Bの接合面11と面一である。
【0025】
図2Aに示すように、分割半体10Aの鍔部30の先端縁の中央部には、軸線方向に離間した一対の第1係合片35が形成されている。一対の第1係合片35は板状をなし、鍔部30とほぼ等しい厚さを有している。一対の係合片35の間隔は、分割半体10Aから遠ざかるにしたがって狭まるようになっており、その径方向先端側において互いに向かい合って突出する端部が、第1係合部36として提供される。一対の第1係合部36の離間距離を図2Aにおいて符号Dで示す。図1Aに示すように、第1係合片35は、分割半体10Aから離れるにしたがって接合面11の延長面からの突出量が増大するように、鍔部30に対して傾斜している。
【0026】
図2Aに示すように、分割半体10Bの鍔部40の先端縁の中央部には、一対の第1係合部36の間の間隙に対応した位置に第2係合片45が形成されている。第2係合片45は板状をなし、鍔部40とほぼ等しい厚さを有している。第2係合片45の軸方向長さは、分割半体10Bから離れるにしたがって増大するようになっており、その軸方向両側の突出端部が、第2係合部46として提供される。一対の第2係合部46間の長さを図2Aにおいて符号Lで示す。この長さLは、上述した一対の第1係合部36間の離間距離Dより少し大きい(図では誇張して示す)。図1Aに示すように、第2係合片45は、分割半体10Bから離れるにしたがって接合面11の延長面からの突出量が増大するように、鍔部40に対して傾斜している。
【0027】
第2係合片45の先端縁の中央には、締付バンド50を受け入れるための受入凹部45aが形成されている。この受入凹部45aは、分割半体10A、10Bの周面12の軸方向中央に形成された受入溝12aと軸方向位置が一致している。また、鍔部30,40の両側部にもそれぞれ受入凹部30a、40aが形成されている。これら受入凹部30a、40aは、分割半体10A、10Bの周面12の軸方向両側部に形成された受入溝12bと軸方向位置が一致している。
【0028】
<仮止め構造、締付バンド受入構造の作用>
前述したように、一対の第1係合片35の第1係合部36間の間隔Dより第2係合片45の両端の第2係合部46間の長さLが大きいので、分割半体10Aに継手100をセットした状態で分割半体10Bを回して閉じる直前(分割半体10A,10Bの接合面11同士が接合する直前)に、第2係合部46が第1係合部36に当たる。この状態で分割半体10A,10Bをさらに近づける方向に押圧すると、第1係合片35と第2係合片45が弾性変形し、第1係合部36と第2係合部46が互いを乗り越えた時に、これら係合片35,45が弾性復帰する。その結果、図1B図2B図3に示すように、第1係合片35と第2係合片45が交差し、第1係合部36が分割半体10B側、第2係合部46が分割半体10A側にそれぞれ配置される。第1係合部36と第2接合部46は接合面11と直交する方向から見て重なっている。これら係合部36,46の係合により、分割半体10A,10Bは閉じ状態で仮止め(仮保持)され、不用意に開くのを禁じられる。
【0029】
上述したように、分割半体10A,10Bが閉じ状態を仮保持されているので、図4に示すように、締付バンド50(締付条体)で分割半体10A,10Bを巻いて締め付ける際に、分割半体10A,10Bの閉じ状態を片手で維持する必要がなくなり、格段に作業性を向上させることができる。
【0030】
中央の締付バンド50は、第2係合片35の受入凹部35aと分割半体10A,10Bの受入溝12aに入り込み、両側の締付バンド50は、鍔部30,40の受入凹部30a,40aと分割半体10A,10Bの受入溝12bに入り込むので、軸方向にずれることなく、確実に締付状態を維持することができる。
【0031】
<変形例>
図5に示すように、上述した閉じ状態で仮保持された分割半体10A,10Bに、締付バンドの代わりに粘着テープ60を巻き付けてもよい。この粘着テープは配管の被覆管にも巻き付けて、分割半体10A,10Bと被覆管との間を塞ぐようにしてもよい。
【0032】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨に反しない限りにおいて種々の改変をなすことができる。
2本の配管を直角に接続するL字形の継手のための保温部材に適用してもよいし、3本の配管を接続するT字形の継手のための保温部材に適用してもよい。
第1、第2の係合片は、第1、第2分割半体において樹脂ヒンジと略平行に延びる側縁に形成してもよいし、樹脂ヒンジと交差する方向に延びる側縁に形成してもよい。
配管は他の流体例えば冷媒を流通させるものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、湯水等を流通させる配管の継手のための保温部材に適用できる。
【符号の説明】
【0034】
1、保温部材
10A、10B 分割半体
15T 継手収容空間
16T 管収容空間
30 鍔部
30a 受入凹部
35 第1係合片
35a 受入凹部
36 第1係合部
40 鍔部
40a 受入凹部
45 第2係合片
46 第2係合部
50 締付バンド(締付条体)
60 粘着テープ
100 継手
110 配管
111 流通管
112 被覆管
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5