(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045867
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】待ち時間予測システム、待ち時間予測方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20240327BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20240327BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150923
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】守脇 幸佑
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】注文した商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでの待ち時間をより正確に算出する。
【解決手段】本発明は、商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得する画像取得部11と、画像に基づき、画像を撮影した時点で作業員がいずれの作業工程を行っているか特定する作業工程特定部12と、作業工程の特定結果に基づき、店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する待ち時間算出部13と、を有する待ち時間予測システム10を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得する画像取得手段と、
前記画像に基づき、前記画像を撮影した時点で前記作業員がいずれの作業工程を行っているか特定する作業工程特定手段と、
前記作業工程の特定結果に基づき、前記店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する待ち時間算出手段と、
を有する待ち時間予測システム。
【請求項2】
受注済かつ提供前の注文、及び前記注文各々の注文内容を示す注文管理情報を管理する注文管理手段をさらに有し、
前記待ち時間算出手段は、さらに前記注文管理情報に基づき、前記待ち時間を算出する請求項1に記載の待ち時間予測システム。
【請求項3】
前記待ち時間算出手段は、
前記作業員が処理中の前記注文の処理に要する残り時間を算出する手段と、
前記作業員による未処理の前記注文の処理に要する残り時間を算出する手段と、を有し、
前記処理中の前記注文の処理に要する残り時間と、前記未処理の前記注文の処理に要する残り時間との合計を、前記待ち時間として算出する請求項2に記載の待ち時間予測システム。
【請求項4】
前記待ち時間算出手段は、
前記作業工程の特定結果に基づき、前記処理中の前記注文の処理に要する残り時間を算出する請求項3に記載の待ち時間予測システム。
【請求項5】
前記注文各々の処理では、1つ又は複数の作業の実行が要求され、
前記作業各々は、1つ又は複数の前記作業工程で構成され、
前記待ち時間算出手段は、
前記処理中の前記注文の処理における現在実行中の前記作業工程と、未実行の前記作業工程とを特定し、
特定した現在実行中の前記作業工程に要する残り時間と、特定した未実行の前記作業工程に要する残り時間との合計を、前記処理中の前記注文の処理に要する残り時間として算出する請求項4に記載の待ち時間予測システム。
【請求項6】
前記待ち時間算出手段は、
前記作業工程の特定結果の履歴に基づき、特定した現在実行中の前記作業工程にそれまでに要した時間である経過時間を算出し、前記経過時間に基づき、特定した現在実行中の前記作業工程に要する残り時間を算出する請求項5に記載の待ち時間予測システム。
【請求項7】
前記待ち時間算出手段は、
予め定められた前記作業工程各々に要する標準時間から前記経過時間を引いた値を、特定した現在実行中の前記作業工程に要する残り時間として算出する請求項6に記載の待ち時間予測システム。
【請求項8】
前記待ち時間算出手段は、
特定した未実行の前記作業工程に要する残り時間を、予め定められた前記作業工程各々に要する標準時間に基づき算出する請求項5に記載の待ち時間予測システム。
【請求項9】
前記待ち時間算出手段は、
予め定められた前記作業工程各々に要する標準時間に基づき、前記未処理の前記注文の処理に要する残り時間を算出する請求項3に記載の待ち時間予測システム。
【請求項10】
前記標準時間は、店員毎に定められており、
いずれの店員が前記作業員であるか特定する作業員特定手段をさらに有し、
前記待ち時間算出手段は、前記作業員の特定結果に基づき、前記標準時間を特定する請求項7から9のいずれか1項に記載の待ち時間予測システム。
【請求項11】
前記作業工程の特定結果の履歴に基づき、各店員が前記作業工程各々に要した時間の実績を算出し、前記実績に基づき、店員毎に前記標準時間を算出する店員情報管理手段をさらに有する請求項10に記載の待ち時間予測システム。
【請求項12】
前記店員情報管理手段は、前記実績の平均値を前記標準時間として算出し、
前記待ち時間算出手段は、
予め定められた前記作業工程各々に要する前記標準時間から前記経過時間を引いた値を、特定した現在実行中の前記作業工程に要する残り時間として算出し、
前記経過時間が前記標準時間を超えた場合、前記実績の最大値から前記経過時間を引いた値を、特定した現在実行中の前記作業工程に要する残り時間として算出する請求項11に記載の待ち時間予測システム。
【請求項13】
前記経過時間が前記標準時間を超えた場合、作業の遅延を示す遅延情報を出力する出力手段をさらに有する請求項12に記載の待ち時間予測システム。
【請求項14】
前記作業員特定手段は、前記画像に基づき、又はシフト情報に基づき、いずれの店員が前記作業員として働いているか特定する請求項10に記載の待ち時間予測システム。
【請求項15】
商品又はサービスを示す仮注文情報を取得する仮注文取得手段を有し、
前記待ち時間算出手段は、前記仮注文情報で示される商品又はサービスの提供に要する時間と、前記待ち時間との合計を、前記仮注文情報で示される商品又はサービスを提供するまでの仮待ち時間として算出する請求項2に記載の待ち時間予測システム。
【請求項16】
いずれの店員が前記作業員であるか特定する作業員特定手段をさらに有し、
前記待ち時間算出手段は、さらに前記作業員の特定結果に基づき、前記待ち時間を算出する請求項1に記載の待ち時間予測システム。
【請求項17】
1つ以上のコンピュータが、
商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得し、
前記画像に基づき、前記画像を撮影した時点で前記作業員がいずれの作業工程を行っているか特定し、
前記作業工程の特定結果に基づき、前記店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する待ち時間予測方法。
【請求項18】
コンピュータを、
商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得する画像取得手段、
前記画像に基づき、前記画像を撮影した時点で前記作業員がいずれの作業工程を行っているか特定する作業工程特定手段、
前記作業工程の特定結果に基づき、前記店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する待ち時間算出手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、待ち時間予測システム、待ち時間予測方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術が、特許文献1乃至4に開示されている。
【0003】
特許文献1には、オイル交換やタイヤ交換などの車両サービスを提供する店舗において利用される技術であって、店員の入力に基づき作業の進行状況を把握し、把握した状況に応じて所定の情報を客に通知する技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、顧客の退店時間を予測し、その結果に基づき空席待ち時間を予測する技術が開示されている。
【0005】
特許文献3には、工場等で生産や組み立てのために利用される産業用ロボットが実行中の作業を特定する技術が開示されている。
【0006】
特許文献4には、作業現場で保守やメンテナンス等の作業を行う作業者の作業状況を画像解析で特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実案第3079125号公報
【特許文献2】特開2022-41715号公報
【特許文献3】特開2018-187746号公報
【特許文献4】特開2021-152979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ファーストフード店、レストラン、美容院、マッサージ店等の様々な店舗において、商品やサービスを注文後、その商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでに待ち時間が発生する場合がある。この待ち時間をより正確に算出することが望まれている。より正確な待ち時間を顧客に提供することで、顧客のストレス緩和や、待つことを選択する顧客の増加による売上の増加等が期待される。
【0009】
特許文献1に開示の技術は、店員の入力に基づき作業の進行状況を把握している。店員にこのような入力作業を要求すると、商品やサービスの提供に関わる作業の進行が遅れる恐れがある。また、店員が入力を怠ると、作業の進行状況を正確に把握できなくなる。
【0010】
特許文献2に開示の技術は、席が空くまでの待ち時間を予測する技術である。席が空くまでの待ち時間と、商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでの待ち時間とは必ずしも一致しない。特許文献2に開示の技術では、注文した商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでの待ち時間を精度よく予測することはできない。
【0011】
特許文献3及び4に記載の技術は、工場や作業現場等で利用される技術である。このような技術では、店舗が提供する商品やサービスを受けるまでの待ち時間を予測することはできない。
【0012】
本発明の目的の一例は、上述した問題を鑑み、注文した商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでの待ち時間をより正確に算出するという課題を解決する待ち時間予測システム、待ち時間予測方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、
商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得する画像取得手段と、
前記画像に基づき、前記画像を撮影した時点で前記作業員がいずれの作業工程を行っているか特定する作業工程特定手段と、
前記作業工程の特定結果に基づき、前記店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する待ち時間算出手段と、
を有する待ち時間予測システムが提供される。
【0014】
本発明の一態様によれば、
1つ以上のコンピュータが、
商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得し、
前記画像に基づき、前記画像を撮影した時点で前記作業員がいずれの作業工程を行っているか特定し、
前記作業工程の特定結果に基づき、前記店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する待ち時間予測方法が提供される。
【0015】
本発明の一態様によれば、
コンピュータを、
商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得する画像取得手段、
前記画像に基づき、前記画像を撮影した時点で前記作業員がいずれの作業工程を行っているか特定する作業工程特定手段、
前記作業工程の特定結果に基づき、前記店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する待ち時間算出手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、注文した商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでの待ち時間をより正確に算出するという課題を解決する待ち時間予測システム、待ち時間予測方法、およびプログラムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる公的な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0018】
【
図1】待ち時間予測システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図2】待ち時間予測システムのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図3】待ち時間予測システムの機能ブロック図の他の一例を示す図である。
【
図4】複数の作業の関係の一例を説明するための図である。
【
図5】複数の作業の関係の他の一例を説明するための図である。
【
図6】複数の作業の関係の他の一例を説明するための図である。
【
図7】複数の作業工程の関係の一例を説明するための図である。
【
図8】複数の作業工程の関係の他の一例を説明するための図である。
【
図9】複数の作業工程の関係の他の一例を説明するための図である。
【
図14】待ち時間予測システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図15】待ち時間予測システムの処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【
図16】待ち時間予測システムの処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【
図17】待ち時間予測システムの機能ブロック図の他の一例を示す図である。
【
図19】待ち時間予測システムの機能ブロック図の他の一例を示す図である。
【
図20】待ち時間予測システムが出力する情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0020】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る待ち時間予測システム10の概要を示す機能ブロック図である。待ち時間予測システム10は、画像取得部11と、作業工程特定部12と、待ち時間算出部13とを有する。
【0021】
画像取得部11は、商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得する。作業工程特定部12は、画像に基づき、画像を撮影した時点で作業員がいずれの作業工程を行っているか特定する。待ち時間算出部13は、作業工程の特定結果に基づき、店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する。
【0022】
このような待ち時間予測システム10によれば、注文した商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでの待ち時間をより正確に算出するという課題が解決される。
【0023】
<第2の実施形態>
「概要」
本実施形態の待ち時間予測システム10は、第1の実施形態の待ち時間予測システム10を具体化したものである。
【0024】
待ち時間予測システム10は、画像解析技術を利用して、店舗の作業員が現時点で行っている作業工程を特定し、その特定結果に基づき、店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間(以下、単に「上記待ち時間」という場合がある)を算出するという特徴を有する。以下、このような待ち時間予測システム10の構成を詳細に説明する。
【0025】
「ハードウエア構成」
次に、待ち時間予測システム10のハードウエア構成の一例を説明する。待ち時間予測システム10の各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記録媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0026】
図2は、待ち時間予測システム10のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図2に示すように、待ち時間予測システム10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。待ち時間予測システム10は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、待ち時間予測システム10は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0027】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0028】
「機能構成」
次に、本実施形態の待ち時間予測システム10の機能構成を詳細に説明する。
図3に、待ち時間予測システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、待ち時間予測システム10は、画像取得部11と、作業工程特定部12と、待ち時間算出部13と、注文管理部14と、記憶部15と、出力部16とを有する。
【0029】
画像取得部11は、商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得する。
【0030】
「店舗」の種類は特段制限されず、あらゆる業種の店舗で待ち時間予測システム10を利用することができる。店舗は、例えば、ファーストフード店、レストラン、美容院、マッサージ店等が例示されるが、これらに限定されない。
【0031】
「作業員」は、商品又はサービスの提供に関する作業を行う者である。商品又はサービスの提供に関する作業は、例えば、商品の調理、商品の製造、商品の梱包、商品の包装、商品の袋詰め、サービス提供等である。
【0032】
「作業スペース」は、作業員が商品又はサービスの提供に関する作業を行う場所である。
【0033】
画像取得部11は、カメラが生成した画像をリアルタイムに取得する。カメラが生成した画像をリアルタイムに取得する構成は、周知のあらゆる技術を利用して実現される。
【0034】
カメラは、作業員の作業スペースを撮影する。カメラは、作業員が行っている作業工程を特定可能な任意の撮影対象を撮影するように構成される。撮影対象は、作業員、作業員の手元、作業対象物(商品や材料等)、道具、作業台等が例示されるが、これらに限定されない。
【0035】
カメラは、所定位置に固定された定点カメラであってもよい。その他、カメラは、作業員が装着したウェアラブルカメラであってもよい。その他、カメラは、自律移動機構を備えたロボットが備えるカメラであってもよい。カメラは、動画像を連続的に撮影してもよいし、所定のタイミングで静止画像を繰り返し撮影してもよい。
【0036】
作業工程特定部12は、画像取得部11が取得した画像に基づき、その画像を撮影した時点で作業員がいずれの作業工程を行っているか特定する。
【0037】
まず、「作業工程」の概念について説明する。店舗は、少なくとも1つの商品又はサービスを顧客に提供する。各商品又はサービスを提供するためには、少なくとも1つの作業を行う必要がある。そして、各作業は少なくとも1つの作業工程で構成される。
【0038】
作業及び作業工程の定義の仕方は様々である。例えば、商品「焼肉弁当」の提供のためには、「ごはんをよそう」作業、「焼肉調理」作業、「副菜盛り付け」作業、「梱包」作業等を行う必要がある。そして、例えば「焼肉調理」作業は、「肉計量」、「炒める」、「味付け」、「盛り付け」等の作業工程で構成される。
【0039】
また、美容院で提供されるサービスである「カット&シャンプー」の提供のためには、カット前の「相談」作業、「カット」作業、「シャンプー」作業等を行う必要がある。そして、例えば「シャンプー」作業は、「すすぎ」、「洗い」、「乾かし」等の作業工程で構成される。
【0040】
ある1つの商品又はサービスの提供のために必要な複数の作業は、
図4に示すように、予め定められた所定の順で行われるものであってもよい。その他、当該複数の作業は、
図5に示すように、処理順は特に規定されず、任意の順で実行可能であってもよい。その他、当該複数の作業は、
図6に示すように、一部は処理順が規定され、一部は処理順が規定されず、任意の順で実行可能であってもよい。
【0041】
同様に、1つの作業を構成する複数の作業工程は、
図7に示すように、予め定められた所定の順で行われるものであってもよい。その他、当該複数の作業工程は、
図8に示すように、処理順は特に規定されず、任意の順で実行可能であってもよい。その他、当該複数の作業工程は、
図9に示すように、一部は処理順が規定され、一部は処理順が規定されず、任意の順で実行可能であってもよい。
【0042】
次に、画像解析で、その画像を撮影した時点で作業員がいずれの作業工程を行っているか特定する処理を説明する。予め、複数の作業工程各々を行っている時の作業対象物の外観の特徴、作業台の特徴、作業対象物の周囲の特徴、作業対象物の位置の特徴、作業員の手元の特徴、利用される道具の特徴等が登録されている。作業工程特定部12は、画像を検索し、これらの特徴を検出することで、各画像を撮影した時点で行われている作業工程を特定することができる。
【0043】
注文管理部14は、「受注済、かつ商品又はサービスを提供前の注文(以下、「提供前注文」という場合がある)」、及び「提供前注文各々の注文内容」を示す注文管理情報を管理する。注文管理部14が行う注文管理情報の管理には、「新たな提供前注文の追加」、「提供前注文のステータス管理」及び「提供が完了した提供前注文の削除」等が含まれる。以下、
図10及び
図11に示す注文管理情報の一例を用いて、各処理を説明する。
図10は、例えば弁当屋で待ち時間予測システム10が利用された場合の注文管理情報の例である。
図11は、例えば美容院で待ち時間予測システム10が利用された場合の注文管理情報の例である。注文管理情報は記憶部15に記憶されている。
【0044】
-新たな提供前注文の追加-
注文管理部14は、端末装置から、新たに受注した注文の注文内容を示す情報を取得する。注文内容は、受注した少なくとも1つの商品又はサービスを示す。
【0045】
注文内容の入力に利用される端末装置は、店員が操作することを前提とした端末装置であってもよいし、顧客が操作することを前提とした端末装置であってもよい。店員が操作することを前提とした端末装置は、ハンディーターミナル、レジスター(例えば、POS(point of sales)レジスター)等が例示されるが、これらに限定されない。顧客が操作することを前提とした端末装置は、店舗に設置された店舗所有の注文用装置であってもよいし、顧客所有の通信端末であってもよい。顧客所有の通信端末は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、スマートウォッチ、パーソナルコンピュータ等が例示されるが、これらに限定されない。顧客所有の通信端末を利用する場合、例えば、店舗のウェブページやアプリケーションを介して注文処理が行われる。当該処理は周知のあらゆる技術を用いて実現できる。
【0046】
そして、注文管理部14は、上記端末装置から取得した情報に基づき、
図10及び
図11に示すような注文管理情報に新たに提供前注文を登録する。
図10及び
図11に示す注文管理情報は、複数の提供前注文の情報が登録されている。そして、提供前注文ごとに、複数の情報が互いに紐付けて登録されている。
【0047】
「注文識別情報」は、受注した複数の注文を互いに識別する情報である。例えば、受注したタイミングで新たな注文識別情報が発行される。
図10及び
図11に示す注文識別情報は、通番となっている。このため、この注文識別情報の番号に基づき、受注順が特定可能となっている。
【0048】
「注文内容」は、受注した注文の内容を示す。すなわち、受注した少なくとも1つの商品又はサービスを示す。
【0049】
「作業」は、受注した各商品又はサービスを顧客に提供するために行う必要がある少なくとも1つの作業である。「作業工程」は、各作業を構成する少なくとも1つの作業工程である。予め、
図12に示すように、各商品又はサービスを顧客に提供するために行う必要がある少なくとも1つの作業、及び各作業を構成する少なくとも1つの作業工程を定義した作業情報が生成され、待ち時間予測システム10に登録されている。
図12に示す作業情報では、商品「焼肉弁当」の提供のためには、「ごはんをよそう」作業、「焼肉調理」作業等を行う必要があることが定義されている。また、
図12に示す作業情報では、「焼肉調理」作業は、「肉計量」、「炒める」等の作業工程で構成されることが定義されている。当該情報に基づき、
図10及び
図11に示すような注文管理情報の作業の欄及び作業工程の欄の内容を特定することができる。なお、
図12の作業情報で示される標準時間については、後述する。
【0050】
図10及び
図11に示す「ステータス」は、各作業工程に紐付けられている。ステータスは、各作業工程の現時点の状態を示す。各作業工程の状態は、すでに処理が完了している「実行済」と、現在処理中の「実行中」と、いまだ何も行っていない「未実行」とを含む。新たに注文管理情報に登録された時点では、その提供前注文に紐付く全ての作業工程のステータスは「未実行」となる。
【0051】
-提供前注文のステータス管理-
注文管理部14は、作業工程特定部12による特定結果に基づき、注文管理情報のステータス情報を更新する。
【0052】
まず、作業工程特定部12による特定結果では、作業員が現在(撮影時点)行っている作業工程が示される。注文管理部14は、作業工程特定部12による特定結果で示される作業工程のステータスを「未実行」から「実行中」に変更することができる(既に「実行中」である場合、変更は不要)。そして、その後の作業工程特定部12による特定結果においてその作業工程が示され続けている間、注文管理部14は、その作業工程のステータスを「実行中」のままで維持することができる。そして、その後の作業工程特定部12による特定結果でその作業工程が示されなくなると、注文管理部14は、その作業工程のステータスを「実行中」から「実行済」に変更することができる。
【0053】
なお、「その後の作業工程特定部12による特定結果でその作業工程が示されなくなる」という条件は、「その後の作業工程特定部12による特定結果でその作業工程が示されなくなり、かつその状態が所定時間以上継続」等の条件に置き換えてもよい。
【0054】
ところで、注文内容に同じ商品又はサービスを含む複数の提供前注文が注文管理情報に登録され、その結果、複数の同じ作業工程が注文管理情報に登録される場合がある。例えば、商品「焼肉弁当」を含む複数の提供前注文が注文管理情報に登録され、その結果、「ご飯をよそう」、「肉計量」等の作業工程が複数の提供前注文各々に紐付けて注文管理情報に登録される場合がある。このような状況で、作業工程特定部12による特定結果で「ご飯をよそう」の作業工程が示されている場合、作業工程特定部12は、受注タイミングが一番先の提供前注文に紐付くその作業工程のステータスを「未実行」から「実行中」に変更することができる。そして、その後の作業工程特定部12による特定結果の変化に応じて、その提供前注文に紐付くその作業工程のステータスを変更することができる。
【0055】
-提供が完了した提供前注文の削除-
注文管理部14は、所定の手段で提供が完了した提供前注文を特定し、特定した提供前注文を注文管理情報から削除する。提供が完了した提供前注文を特定する手段は様々である。
【0056】
一例として、提供が完了した提供前注文の特定は、作業工程特定部12による特定結果に基づき実現されてもよい。例えば、上述したように、提供前注文ごとに、各提供前注文で要求される複数の作業工程各々のステータスが管理されている場合、注文管理部14は、複数の作業工程の全てが「実行済」になった提供前注文を、提供が完了した提供前注文として特定してもよい。
【0057】
その他、商品又はサービスの提供が完了した後に会計処理を行う場合には、注文管理部14は、会計処理に関する情報に基づき、提供が完了した提供前注文を特定してもよい。具体的には、注文管理部14は、店舗のPOSシステムから会計情報を取得する。会計情報では、会計処理が完了した注文識別情報が示される。注文管理部14は、当該会計情報に基づき提供が完了した提供前注文を特定する。
【0058】
なお、本実施形態では、提供が完了した提供前注文を注文管理情報から削除するものとしたが、提供が完了した提供前注文を削除せず、そのまま注文管理情報に残してもよい。このようにしても、各作業工程のステータスに基づき、複数の提供前注文各々の提供が完了しているか否かを識別できる。
【0059】
図3に戻り、待ち時間算出部13は、作業工程特定部12による作業工程の特定結果に基づき、店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する。待ち時間算出部13は、上述した注文管理情報に基づき、当該待ち時間を算出することができる。
【0060】
ここで、待ち時間の算出方法を詳細に説明する。まず、注文管理部14により管理されている提供前注文は、
図13のように、「処理中提供前注文」と「未処理提供前注文」とに分類される。
【0061】
「処理中提供前注文」は、商品又はサービスの提供のために作業員が何らかの処理を行った提供前注文である。例えば、処理中提供前注文は、
図10及び
図11に示す注文管理情報において、少なくとも1つの作業工程のステータスが「実行中」又は「実行済」になっている提供前注文である。
【0062】
「未処理提供前注文」は、商品又はサービスの提供のための処理が現時点で何も行われていない提供前注文である。例えば、未処理提供前注文は、
図10及び
図11に示す注文管理情報において、全ての作業工程のステータスが「未実行」になっている提供前注文である。
【0063】
処理中提供前注文で受注した商品又はサービスを顧客に提供するために行う必要がある作業は、「実行済作業」、「実行中作業」及び「未実行作業」に分類される。
【0064】
「実行済作業」は、その作業を構成する作業工程の全てが完了している作業である。すなわち、実行済作業は、
図10及び
図11に示す注文管理情報において、各作業を構成する作業工程の全てのステータスが「実行済」になっている作業である。
【0065】
「未実行作業」は、その作業を構成する作業工程の全てが未実行な作業である。すなわち、未実行作業は、
図10及び
図11に示す注文管理情報において、各作業を構成する作業工程の全てのステータスが「未実行」になっている作業である。
【0066】
「実行中作業」は、実行済作業及び未実行作業のどちらにも属さない作業である。
【0067】
実行中作業を構成する作業工程は、「実行済作業工程」、「実行中作業工程」及び「未実行作業工程」に分類される。
【0068】
「実行済作業工程」は、処理が完了した作業工程である。すなわち、実行済作業工程は、
図10及び
図11に示す注文管理情報において、ステータスが「実行済」になっている作業工程である。
【0069】
「実行中作業工程」は、処理を実行中の作業工程である。すなわち、実行済作業工程は、
図10及び
図11に示す注文管理情報において、ステータスが「実行中」になっている作業工程である。
【0070】
「未実行作業工程」は、いまだ処理が実行されてない作業工程である。すなわち、実行済作業工程は、
図10及び
図11に示す注文管理情報において、ステータスが「未実行」になっている作業工程である。
【0071】
実行済作業を構成する作業工程はいずれも、
図13に示すように実行済作業工程となる。また、
図13に示すように、未実行作業を構成する作業工程はいずれも未実行作業工程となる。
【0072】
また、図示するように、未処理提供前注文で受注した商品又はサービスを顧客に提供するために行う必要がある作業はいずれも未実行作業となる。そして、その未実行作業を構成する作業工程はいずれも未実行作業工程となる。
【0073】
待ち時間算出部13は、処理中提供前注文の処理に要する残り時間を算出する手段と、未処理提供前注文の処理に要する残り時間を算出する手段とを有する。そして、待ち時間算出部13は、処理中提供前注文の処理に要する残り時間と、未処理提供前注文の処理に要する残り時間との合計を、上記待ち時間として算出する。以下、各手段を詳細に説明する。
【0074】
-処理中提供前注文の処理に要する残り時間を算出する手段-
待ち時間算出部13は、作業工程特定部12による作業工程の特定結果に基づき、処理中提供前注文の処理に要する残り時間を算出する。
【0075】
具体的には、待ち時間算出部13は、処理中提供前注文の処理に要する残り時間として、
図13に示す「実行中作業工程(A)」の処理に要する残り時間と、「未実行作業工程(B)」の処理に要する残り時間と、「未実行作業工程(C)」の処理に要する残り時間の合計を算出する。
【0076】
待ち時間算出部13は、注文管理情報に基づき、処理中提供前注文の処理における現在実行中の作業工程(実行中作業工程(A))と、未実行の作業工程(未実行作業工程(B)及び未実行作業工程(C))とを特定する。そして、待ち時間算出部13は、特定した現在実行中の作業工程に要する残り時間と、特定した未実行の作業工程に要する残り時間との合計を、処理中提供前注文の処理に要する残り時間として算出する
【0077】
実行済作業工程は、実行済であるので、処理中提供前注文の処理に要する残り時間の算出において考慮する必要はない。
【0078】
○「実行中作業工程(A)」の処理に要する残り時間の算出
待ち時間算出部13は、(その作業工程の標準時間)から(その作業工程が開始されてからの経過時間)を引いた値を、「実行中作業工程(A)」の処理に要する残り時間として算出する。
【0079】
「標準時間」は、各作業工程の実行に要する目安時間である。
図12に示すように、予め、作業工程ごとに標準時間が定められている。標準時間は、オペレータが定めた値であってもよい。その他、待ち時間予測システム10が作業工程ごとに標準時間を算出してもよい。例えば、待ち時間予測システム10は、作業工程特定部12による特定結果に基づき算出された複数の作業員による複数の作業工程各々に要した時間の実績(履歴)を蓄積してもよい。そして、待ち時間予測システム10は、その実績情報の統計値(平均値、最大値、最小値、最頻値、中央値等)を、各作業工程の標準時間として算出してもよい。
【0080】
「経過時間」は、作業工程特定部12による特定結果の履歴に基づき算出される。例えば、待ち時間算出部13は、作業工程特定部12による特定結果の履歴に基づき、現在行われている作業工程の開始タイミングを特定する。そして、待ち時間算出部13は、その開始タイミングから現時点までの時間を、経過時間として算出する。開始タイミングは、例えば、「現在行われている作業工程が作業工程特定部12により特定されていない状態から特定されている状態に変化したタイミング」である。
【0081】
このように、待ち時間算出部13は、作業工程特定部12による作業工程の特定結果の履歴に基づき、実行中作業工程にそれまでに要した時間である経過時間を算出し、当該経過時間に基づき、その実行中作業工程に要する残り時間を算出することができる。具体的には、待ち時間算出部13は、予め定められた作業工程各々に要する標準時間から上記経過時間を引いた値を、その実行中作業工程に要する残り時間として算出することができる。
【0082】
○「未実行作業工程(B)」の処理に要する残り時間の算出、及び「未実行作業工程(C)」の処理に要する残り時間の算出
作業工程特定部12は、上記各作業工程の標準時間を、「未実行作業工程(B)」の処理に要する残り時間とすることができる。また、作業工程特定部12は、上記各作業工程の標準時間を、「未実行作業工程(C)」の処理に要する残り時間とすることができる。
【0083】
このように、待ち時間算出部13は、未実行作業工程(B)及び未実行作業工程(C)に要する残り時間を、予め定められた作業工程各々に要する標準時間に基づき算出することができる。
【0084】
-未処理提供前注文の処理に要する残り時間を算出する手段-
待ち時間算出部13は、未処理提供前注文の処理に要する残り時間として、
図13に示す「未実行作業工程(D)」の処理に要する残り時間の合計を算出する。作業工程特定部12は、上記各作業工程の標準時間を、「未実行作業工程(D)」の処理に要する残り時間とすることができる。
【0085】
このように、待ち時間算出部13は、予め定められた作業工程各々に要する標準時間に基づき、未処理提供前注文の処理に要する残り時間を算出することができる。
【0086】
出力部16は、待ち時間算出部13による算出された待ち時間を出力する。例えば、店舗に出力装置が設置されていてもよい。そして、出力部16は、その出力装置を介して算出された待ち時間を出力してもよい。出力装置は、ディスプレイ、スピーカ等が例示されるが、これらに限定されない。その他、出力部16は、待ち時間算出部13による算出された待ち時間を店舗のウェブページに表示してもよい。
【0087】
なお、待ち時間算出部13による算出された待ち時間は、作業員による作業の進捗に応じて時々刻々と変化し得る。出力部16は、出力装置やウェブページに出力した情報を、待ち時間算出部13により算出された待ち時間の変化に応じてリアルタイムに更新してもよい。このように構成することで、より精度の高い情報を顧客に提供することができる。
【0088】
次に、
図14乃至
図16のフローチャートを用いて、待ち時間予測システム10の処理の流れの一例を説明する。待ち時間予測システム10は、
図14乃至
図16各々の処理を繰り返し行う。
【0089】
図14に示すように、待ち時間予測システム10は、端末装置から、新たに受注した注文の注文内容を示す情報を取得すると(S10)、注文管理情報を更新する(S11)。具体的には、待ち時間予測システム10は、上記端末装置から取得した情報に基づき、
図10及び
図11に示すような注文管理情報に新たに提供前注文を登録する。新たに注文管理情報に登録された時点では、その提供前注文に紐付く全ての作業工程のステータスは「未実行」となる。
【0090】
図15に示すように、待ち時間予測システム10は、作業員の作業スペースを撮影した画像を取得すると(S20)、その画像に基づき、その画像を撮影した時点で作業員がいずれの作業工程を行っているか特定する(S21)。そして、待ち時間予測システム10は、S21の特定結果、及び当該特定結果の履歴に基づき、注文管理情報を更新する(S22)。具体的には、待ち時間予測システム10は、S21の特定結果で示される作業工程のステータスを「未実行」から「実行中」に変更することができる(既に「実行中」である場合、変更は不要)。そして、その後のS21の特定結果においてその作業工程が示され続けている間、待ち時間予測システム10は、その作業工程のステータスを「実行中」のままで維持することができる。そして、その後のS21の特定結果でその作業工程が示されなくなると、待ち時間予測システム10は、その作業工程のステータスを「実行中」から「実行済」に変更することができる。
【0091】
図16に示すように、待ち時間予測システム10は、その時点の最新の注文管理情報に基づき、店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する(S30)。そして、待ち時間予測システム10は、S30の算出結果を出力する(S31)。
【0092】
「作用効果」
本実施形態の待ち時間予測システム10によれば、作業員がその時点で行っている作業工程を特定し、その特定結果に基づき、上記待ち時間を算出する。作業員の作業状況を考慮して当該待ち時間を算出することができるので、注文した商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでの待ち時間をより正確に算出することができる。
【0093】
また、本実施形態の待ち時間予測システム10は、画像解析で、作業員がその時点で行っている作業工程を特定する。このため、「作業工程を特定するための情報を入力する」等の余計な作業が作業員に要求されない。
【0094】
また、本実施形態の待ち時間予測システム10は、画像解析の結果に基づき、処理済の作業工程、未処理の作業工程、及び作業員がその時点で行っている作業工程を特定し、その特定結果に基づき、上記待ち時間を算出することができる。さらに、未処理の作業工程、及び作業員がその時点で行っている作業工程各々に適した手法で、各作業工程に要する残り時間を算出し、その結果に基づき、上記待ち時間を算出することができる。このため、注文した商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでの待ち時間をより正確に算出することができる。
【0095】
<第3の実施形態>
本実施形態の待ち時間予測システム10は、どの店員が各作業工程を行っているか特定し、その特定結果をさらに利用して、注文した商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでの待ち時間を算出する。以下、詳細に説明する。
【0096】
図17に、本実施形態の待ち時間予測システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、待ち時間予測システム10は、画像取得部11と、作業工程特定部12と、待ち時間算出部13と、注文管理部14と、記憶部15と、出力部16と、作業員特定部17と、店員情報管理部18とを有する。
【0097】
作業員特定部17は、作業工程特定部12により特定された作業工程を行っている作業員が、いずれの店員であるかを特定する。
【0098】
例えば、作業員特定部17は、画像取得部11が取得した画像に基づき、当該店員の特定を実現してもよい。具体的には、予め、店舗に属する複数の店員各々の外観の特徴(顔情報、体型情報、歩容情報等)が記憶部15に記憶されている。そして、作業員特定部17は、当該外観の特徴を用いて、画像取得部11が取得した画像の中に含まれる人物がどの店員であるかを特定する。
【0099】
その他、作業員特定部17は、予め作成され、記憶部15に記憶されているシフト情報に基づき、当該店員の特定を実現してもよい。シフト情報では、各営業日の各時間帯に各作業工程を行う店員が定められている。
【0100】
店員情報管理部18は、各店員の情報を管理する。具体的には、店員情報管理部18は、作業工程特定部12による特定結果に基づき算出された複数の店員各々による複数の作業工程各々に要した時間の実績(履歴)を、記憶部15に記憶させる。そして、店員情報管理部18は、店員毎に、その実績情報の統計値(平均値、最大値、最小値、最頻値、中央値等)を、上述した各作業工程の標準時間として算出する。本実施形態では、
図18に示すように、店員毎に、作業工程各々に要する標準時間が定められる。
【0101】
待ち時間算出部13は、作業員特定部17による特定結果に基づき、上記待ち時間の算出に利用する標準時間を特定する。具体的には、
図18に示すように、予め、店員毎に、作業工程各々に要する標準時間が定められている。待ち時間算出部13は、当該店員毎の作業情報に基づき、作業員特定部17により特定された店員における、作業工程特定部12により特定された作業工程に要する標準時間を特定する。
【0102】
そして、待ち時間算出部13は、特定した標準時間に基づき、上記待ち時間を算出する。算出方法は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0103】
ところで、作業員が1人である場合、すなわち注文管理情報に登録されている提供前注文の全てを1人の作業員で処理する場合、第2の実施形態で説明した処理において利用した「標準時間」を、上述のようにして特定した各作業工程を行っている店員に特有の「標準時間」に置き換えることで、待ち時間算出部13は、上記待ち時間を算出することができる。
【0104】
一方、作業員が複数である場合、すなわち注文管理情報に登録されている提供前注文を複数の作業員で処理する場合、例えば、待ち時間算出部13は以下のようにして、実行中作業工程に要する合計時間、及び未実行作業工程に要する合計時間を算出することができる。そして、待ち時間算出部13は、実行中作業工程に要する合計時間と、未実行作業工程に要する合計時間との和を、上記待ち時間として算出することができる。
【0105】
○実行中作業工程に要する合計時間の算出
注文管理情報に登録されている提供前注文を複数の作業員で処理する場合、複数の作業員が並行して複数の作業工程を行うと考えられる。結果、ある時点において、
図13に示す「実行中作業工程(A)」が複数存在する場合があると考えられる。この場合、待ち時間算出部13は、その複数の「実行中作業工程(A)」各々の処理に要する残り時間の中の最も大きい値を、実行中作業工程の処理に要する合計時間として算出することができる。
【0106】
その複数の「実行中作業工程(A)」各々の処理に要する残り時間は、第2の実施形態で説明した処理において利用した「標準時間」を、上述のようにして特定した各作業工程を行っている店員に特有の「標準時間」に置き換えることで算出できる。
【0107】
○未実行作業工程に要する合計時間の算出
複数の作業員が並行して複数の作業工程を行う場合、その時点で未実行の作業工程(未実行作業工程(B)、未実行作業工程(C)及び未実行作業工程(D))を誰が行うか不明である。そこで、待ち時間算出部13は、その時点で勤務している複数の店員各々が各未実行作業工程に要する標準時間の統計値(平均値、最大値、最小値、最頻値、中央値等)を、各未実行作業工程に要する残り時間としてもよい。
【0108】
そして、待ち時間算出部13は、複数の未実行作業工程各々に要する残り時間の合計を、複数の作業員が並行して複数の作業工程を行う点を考慮して補正した値を、未実行作業工程に要する合計時間として算出してもよい。補正は、作業員の数に応じた補正係数を掛ける処理である。補正係数の一例は、「1/(作業員の数)」であるが、これに限定されない。
【0109】
本実施形態の待ち時間予測システム10のその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0110】
本実施形態の待ち時間予測システム10によれば、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の待ち時間予測システム10によれば、いずれの店員が各作業工程を行っているかを特定し、店員毎に異なる作業工程のスピードを考慮して、上記待ち時間を算出することができる。このため、注文した商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでの待ち時間をより正確に算出することができる。
【0111】
また、本実施形態の待ち時間予測システム10によれば、複数の作業員が並行して複数の作業工程を行う点を考慮して、上記待ち時間を算出することができる。このため、注文した商品を受け取ったり、サービスを受けたりするまでの待ち時間をより正確に算出することができる。
【0112】
<第4の実施形態>
本実施形態の待ち時間予測システム10は、第2の実施形態で説明した通り、「作業工程の標準時間」から「その作業工程が開始されてからの経過時間」を引いた値を、「実行中作業工程(A)」の処理に要する残り時間として算出する。ところで、作業員による作業が大きく遅延し、経過時間が標準時間を超える場合があり得る。待ち時間予測システム10は、このような場合に特徴的な処理を行う。具体的には、待ち時間予測システム10は、「遅延を考慮した上記待ち時間の算出」及び「遅延に応じた顧客への通知」を行う。以下、各処理を詳細に説明する。
【0113】
「遅延を考慮した上記待ち時間の算出」
-算出例1-
待ち時間算出部13は、経過時間が標準時間を超えた場合、その後、元の標準時間より大きい補正後の標準時間を用いて、上記待ち時間を算出することができる。具体的には、待ち時間算出部13は、「補正後の標準時間」から「経過時間」を引いた値を、「実行中作業工程(A)」の処理に要する残り時間として算出する。そして、待ち時間算出部13は、その算出結果を用いて、上記待ち時間を算出する。
【0114】
補正後の標準時間は、予め作業工程ごとに定められていてもよい。
【0115】
その他、第2の実施形態で説明した一例では、複数の作業員による複数の作業工程各々に要した時間の実績(履歴)の統計値(平均値、最大値、最小値、最頻値、中央値等)を、各作業工程の標準時間とした。この例の場合、複数の作業員による複数の作業工程各々に要した時間の実績(履歴)の第1の統計値を各作業工程の標準時間とし、第2の統計値を各作業工程の補正後の標準時間としてもよい。第1の統計値と第2の統計値とは互いに異なる統計値である。第2の統計値は、第1の統計値よりも必ず大きくなる。例えば、第2の統計値は「最大値」であり、第1の統計値は「平均値、最小値、最頻値、中央値の中のいずれか」である。
【0116】
また、第3の実施形態で説明した一例では、各店員による複数の作業工程各々に要した時間の実績(履歴)の統計値(平均値、最大値、最小値、最頻値、中央値等)を、各店員の各作業工程の標準時間とした。この例の場合、各店員による複数の作業工程各々に要した時間の実績(履歴)の第1の統計値を各店員の各作業工程の標準時間とし、第2の統計値を各店員の各作業工程の補正後の標準時間としてもよい。第1の統計値と第2の統計値とは互いに異なる統計値である。第2の統計値は、第1の統計値よりも必ず大きくなる。例えば、第2の統計値は「最大値」であり、第1の統計値は「平均値、最小値、最頻値、中央値の中のいずれか」である。
【0117】
-算出例2-
その他の例として、待ち時間算出部13は、経過時間が標準時間を超えた場合、その後、その作業工程に要する残り時間は「0」として、上記待ち時間を算出してもよい。
【0118】
「遅延に応じた顧客への通知」
経過時間が標準時間を超えた場合、想定より大きい遅延が生じている。そこで、出力部16は、その旨を示す遅延情報を顧客に通知する。例えば、出力部16は、「現在、作業の遅延が発生中です。これまで通知していた待ち時間以上にお待ちして頂く可能性があります。」等の情報を出力することができる。当該情報の出力は、店舗に設置された出力装置や、店舗のウェブページを介して実現される。
【0119】
なお、出力部16は、上述のような情報の出力を、「経過時間が標準時間を超えた作業工程」の処理が完了するまで継続してもよい。そして、出力部16は、その作業工程の処理の完了に応じて、上述のような情報の出力を停止してもよい。すなわち、出力部16は、経過時間が標準時間を超えた作業工程が発生した場合、その作業工程の処理が完了するまで、上述のような情報の出力を継続してもよい。
【0120】
その他、出力部16は、上述のような情報の出力を、予め定められた所定時間が経過するまで継続してもよい。そして、出力部16は、その所定時間の経過に応じて、上述のような情報の出力を停止してもよい。
【0121】
本実施形態の待ち時間予測システム10のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0122】
本実施形態の待ち時間予測システム10によれば、第1乃至第3の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、店舗運営中は、不測の事態により作業が大きく遅延する可能性がある。例えば、材料切れ、材料の準備忘れ、道具の破損等により、作業が大きく遅延する可能性がある。待ち時間予測システム10は、このような場合に適切な処理を行うことができる。具体的には、作業が大きく遅延しても、その状況を考慮して、上記待ち時間を算出することができる。また、その状況を顧客に通知し、通知している待ち時間の信頼性が現時点では低下している旨を顧客に通知することができる。結果、顧客のストレスの緩和等が実現される。
【0123】
<第5の実施形態>
本実施形態の待ち時間予測システム10は、仮に現時点で所定の商品又はサービスを受注した場合におけるその商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出し、顧客に通知する機能を有する。以下、詳細に説明する。
【0124】
図19に、本実施形態の待ち時間予測システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、待ち時間予測システム10は、画像取得部11と、作業工程特定部12と、待ち時間算出部13と、注文管理部14と、記憶部15と、出力部16と、仮注文取得部19とを有する。なお、図示しないが、待ち時間予測システム10は、作業員特定部17及び店員情報管理部18をさらに有してもよい。
【0125】
仮注文取得部19は、仮注文情報を取得する。仮注文情報は、少なくとも1つの商品又はサービスを示す。なお、仮注文取得部19が仮注文情報を取得しても、正式な注文の受注とはならない。このため、注文管理部14は、仮注文取得部19が仮注文情報を取得しても、仮注文情報の内容を注文管理情報(
図10及び
図11参照)に登録しない。
【0126】
仮注文情報は、例えば顧客の入力に基づき生成されてもよい。例えば、顧客の入力に基づく受注の流れが、(1)端末装置を介して顧客が選択した商品又はサービスがカートに入れられる、(2)端末装置に表示された確認画面でカートに入っている商品又はサービスを確認した後、確定ボタンの操作に応じて、その時点でカートに入っている商品又はサービスが正式に受注される、というものであるとする。この場合、仮注文取得部19は、カートに入れられた商品又はサービスを示す仮注文情報を生成してもよい。
【0127】
その他、仮注文情報は、例えば店員の入力に基づき生成されてもよい。例えば、店員の入力に基づく受注の流れが、(1)店員による端末装置への操作により、顧客が選択した商品又はサービスが仮注文として入力される、(2)仮注文された商品又はサービスの一覧を示す確認画面が端末装置に表示された後、店員が仮注文となっている商品又はサービスで間違いないか顧客に確認し、その後の店員による確定ボタンの操作に応じて、その時点で仮注文となっている商品又はサービスが正式に受注される、というものであるとする。この場合、仮注文取得部19は、仮注文として指定された商品又はサービスを示す仮注文情報を生成してもよい。
【0128】
その他、仮注文取得部19がその他の処理で、仮注文情報を生成してもよい。例えば、仮注文取得部19は、人気商品又は人気サービスとして登録されている商品又はサービスや、販促商品として登録されている商品又はサービス等を示す仮注文情報を生成してもよい。
【0129】
待ち時間算出部13は、仮に現時点において仮注文情報で示される商品又はサービスを受注した場合に、その商品又はサービスを提供するまでに要する待ち時間(仮待ち時間)を算出する。待ち時間算出部13は、仮注文情報で示される商品又はサービスの提供に要する時間と、上記実施形態で説明した手法で算出した上記待ち時間との合計を、仮注文情報で示される商品又はサービスを提供するまでの仮待ち時間として算出する。
【0130】
仮注文情報で示される商品又はサービスの提供に要する時間は、上記実施形態で説明した「未処理提供前注文」の処理に要する残り時間の算出と同様にして実現できる。仮注文情報で示される商品又はサービスを顧客に提供するために行う必要がある作業はいずれも未実行作業となる。そして、その未実行作業を構成する作業工程はいずれも未実行作業工程となる。
【0131】
出力部16は、待ち時間算出部13が算出した仮待ち時間を出力する。
【0132】
上述したように、仮注文取得部19が顧客の入力に基づき仮注文情報を生成する場合、出力部16は、上述した確認画面に仮待ち時間を表示してもよい。
図20に当該確認画面の一例を示す。当該確認画面では、カートに入れられている商品又はサービスが示されるとともに、上述した仮待ち時間が示されている。
【0133】
その他、上述したように、仮注文取得部19が店員の入力に基づき仮注文情報を生成する場合、出力部16は、上述した確認画面に仮待ち時間を表示してもよい。その他、出力部16は、1つの商品又はサービスが仮注文として指定される毎に、当該指定に応じて、その指定された商品又はサービスの提供までに要する仮待ち時間を端末装置に表示してもよい。このようにした場合、店員は、顧客から商品又はサービスの注文を受け付けるごとに、その商品又はサービスの提供までに要する待ち時間を即座に顧客に通知することができる。
【0134】
その他、上述したように、仮注文取得部19が、人気商品又は人気サービスとして登録されている商品又はサービスや、販促商品として登録されている商品又はサービスを示す仮注文情報を生成する場合、出力部16は、店舗に設置された出力装置や店舗のウェブページに、それら商品又はサービスの提供までに要する待ち時間として、仮待ち時間を表示してもよい。例えば、出力部16は、「お勧め商品:当店人気ナンバーワンの商品A、現在ご注文を頂いた場合、○○分で商品をご提供できます。」等の情報を、店舗に設置された出力装置や店舗のウェブページに表示してもよい。
【0135】
本実施形態の待ち時間予測システム10のその他の構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。
【0136】
本実施形態の待ち時間予測システム10によれば、第1乃至第4の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の待ち時間予測システム10によれば、仮に現時点で所定の商品又はサービスを受注した場合におけるその商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出し、顧客に通知することができる。顧客は、このような情報に基づき、待ち時間が好ましい商品又はサービスを注文することができる。結果、待ち時間が意図せず長くなることによる顧客のストレスを緩和できる。
【0137】
<変形例>
第1乃至第5の実施形態は、以下のように変形することができる。当該変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0138】
上述したように、作業工程特定部12は、予め登録されている複数の作業工程各々を行っている時の作業対象物の外観の特徴、作業台の特徴、作業対象物の周囲の特徴、作業対象物の位置の特徴、作業員の手元の特徴、利用される道具の特徴を画像内で検出することで、各画像を撮影した時点で行われている作業工程を特定する。
【0139】
当該処理の変形例として、作業工程特定部12は、注文管理部14が管理する注文管理情報(
図10及び
図11参照)に基づき実行中作業工程及び未実行作業工程を特定し、特定した実行中作業工程及び未実行作業工程の上記特徴のみを用いて、上記検出処理を行ってもよい。作業員が行う作業工程は、受注した商品又はサービスに関する作業工程のみであり、受注していない商品又はサービスに関する作業工程を行うことはない。また、作業員が行う作業工程は、その時点で未だ処理が完了してない作業工程のみである。この点を考慮し、上述のように、作業員が行っている作業工程を特定する処理で参照する情報(上記特徴)を絞り込むことができる。結果、コンピュータの処理負担の軽減や、計算速度の向上等が期待される。
【0140】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。上述した実施形態の構成は、互いに組み合わせたり、一部の構成を他の構成に入れ替えたりしてもよい。また、上述した実施形態の構成は、趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。また、上述した各実施形態や変形例に開示される構成や処理を互いに組み合わせてもよい。
【0141】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施の形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施の形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施の形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0142】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得する画像取得手段と、
前記画像に基づき、前記画像を撮影した時点で前記作業員がいずれの作業工程を行っているか特定する作業工程特定手段と、
前記作業工程の特定結果に基づき、前記店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する待ち時間算出手段と、
を有する待ち時間予測システム。
2. 受注済かつ提供前の注文、及び前記注文各々の注文内容を示す注文管理情報を管理する注文管理手段をさらに有し、
前記待ち時間算出手段は、さらに前記注文管理情報に基づき、前記待ち時間を算出する1に記載の待ち時間予測システム。
3. 前記待ち時間算出手段は、
前記作業員が処理中の前記注文の処理に要する残り時間を算出する手段と、
前記作業員による未処理の前記注文の処理に要する残り時間を算出する手段と、を有し、
前記処理中の前記注文の処理に要する残り時間と、前記未処理の前記注文の処理に要する残り時間との合計を、前記待ち時間として算出する2に記載の待ち時間予測システム。
4. 前記待ち時間算出手段は、
前記作業工程の特定結果に基づき、前記処理中の前記注文の処理に要する残り時間を算出する3に記載の待ち時間予測システム。
5. 前記注文各々の処理では、1つ又は複数の作業の実行が要求され、
前記作業各々は、1つ又は複数の前記作業工程で構成され、
前記待ち時間算出手段は、
前記処理中の前記注文の処理における現在実行中の前記作業工程と、未実行の前記作業工程とを特定し、
特定した現在実行中の前記作業工程に要する残り時間と、特定した未実行の前記作業工程に要する残り時間との合計を、前記処理中の前記注文の処理に要する残り時間として算出する4に記載の待ち時間予測システム。
6. 前記待ち時間算出手段は、
前記作業工程の特定結果の履歴に基づき、特定した現在実行中の前記作業工程にそれまでに要した時間である経過時間を算出し、前記経過時間に基づき、特定した現在実行中の前記作業工程に要する残り時間を算出する5に記載の待ち時間予測システム。
7. 前記待ち時間算出手段は、
予め定められた前記作業工程各々に要する標準時間から前記経過時間を引いた値を、特定した現在実行中の前記作業工程に要する残り時間として算出する6に記載の待ち時間予測システム。
8. 前記待ち時間算出手段は、
特定した未実行の前記作業工程に要する残り時間を、予め定められた前記作業工程各々に要する標準時間に基づき算出する5から7のいずれかに記載の待ち時間予測システム。
9. 前記待ち時間算出手段は、
予め定められた前記作業工程各々に要する標準時間に基づき、前記未処理の前記注文の処理に要する残り時間を算出する3に記載の待ち時間予測システム。
10. 前記標準時間は、店員毎に定められており、
いずれの店員が前記作業員であるか特定する作業員特定手段をさらに有し、
前記待ち時間算出手段は、前記作業員の特定結果に基づき、前記標準時間を特定する7から9のいずれかに記載の待ち時間予測システム。
11. 前記作業工程の特定結果の履歴に基づき、各店員が前記作業工程各々に要した時間の実績を算出し、前記実績に基づき、店員毎に前記標準時間を算出する店員情報管理手段をさらに有する10に記載の待ち時間予測システム。
12. 前記店員情報管理手段は、前記実績の平均値を前記標準時間として算出し、
前記待ち時間算出手段は、
予め定められた前記作業工程各々に要する前記標準時間から前記経過時間を引いた値を、特定した現在実行中の前記作業工程に要する残り時間として算出し、
前記経過時間が前記標準時間を超えた場合、前記実績の最大値から前記経過時間を引いた値を、特定した現在実行中の前記作業工程に要する残り時間として算出する11に記載の待ち時間予測システム。
13. 前記経過時間が前記標準時間を超えた場合、作業の遅延を示す遅延情報を出力する出力手段をさらに有する12に記載の待ち時間予測システム。
14. 前記作業員特定手段は、前記画像に基づき、又はシフト情報に基づき、いずれの店員が前記作業員として働いているか特定する10から13のいずれかに記載の待ち時間予測システム。
15. 商品又はサービスを示す仮注文情報を取得する仮注文取得手段を有し、
前記待ち時間算出手段は、前記仮注文情報で示される商品又はサービスの提供に要する時間と、前記待ち時間との合計を、前記仮注文情報で示される商品又はサービスを提供するまでの仮待ち時間として算出する2から14のいずれかに記載の待ち時間予測システム。
16. いずれの店員が前記作業員であるか特定する作業員特定手段をさらに有し、
前記待ち時間算出手段は、さらに前記作業員の特定結果に基づき、前記待ち時間を算出する1に記載の待ち時間予測システム。
17. 1つ以上のコンピュータが、
商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得し、
前記画像に基づき、前記画像を撮影した時点で前記作業員がいずれの作業工程を行っているか特定し、
前記作業工程の特定結果に基づき、前記店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する待ち時間予測方法。
18. コンピュータを、
商品又はサービスを提供する店舗の作業員の作業スペースを撮影した画像を取得する画像取得手段、
前記画像に基づき、前記画像を撮影した時点で前記作業員がいずれの作業工程を行っているか特定する作業工程特定手段、
前記作業工程の特定結果に基づき、前記店舗における商品又はサービスを提供するまでの待ち時間を算出する待ち時間算出手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0143】
10 待ち時間予測システム
11 画像取得部
12 作業工程特定部
13 待ち時間算出部
14 注文管理部
15 記憶部
16 出力部
17 作業員特定部
18 店員情報管理部
19 仮注文取得部
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス