(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045880
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】ランプユニット
(51)【国際特許分類】
B62J 6/026 20200101AFI20240327BHJP
B62J 6/055 20200101ALI20240327BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240327BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20240327BHJP
F21S 43/239 20180101ALI20240327BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20240327BHJP
F21S 43/249 20180101ALI20240327BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240327BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20240327BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20240327BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240327BHJP
【FI】
B62J6/026
B62J6/055
F21S43/14
F21S43/237
F21S43/239
F21S43/245
F21S43/249
F21Y115:10
F21Y113:13
F21W103:10
F21W103:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150947
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139365
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】柴山 拓也
(57)【要約】
【課題】別々のランプとして機能させる際に発光色と共に発光フィーリングを異ならせる。
【解決手段】ランプユニット(40)は、アウターレンズを通じて前方を照らしている。ランプユニットには、アウターレンズの裏側に設置された第1の光源(72a、72b)と、アウターレンズの裏側に設置された第2の光源(76)と、第1の光源からの光をアウターレンズに導く第1の導光体(73a、73b)と、第2の光源からの光をアウターレンズに導く第2の導光体(78)と、が設けられている。前面視にて第2の導光体が第1の導光体に前側から重なり、第1の導光体からの光の一部が第2の導光体を透過してアウターレンズに導かれる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウターレンズを通じて前方を照らすランプユニットであって、
前記アウターレンズの裏側に設置された第1の光源と、
前記アウターレンズの裏側に設置された第2の光源と、
前記第1の光源からの光を前記アウターレンズに導く第1の導光体と、
前記第2の光源からの光を前記アウターレンズに導く第2の導光体と、を備え、
前面視にて前記第2の導光体が前記第1の導光体に前側から重なり、前記第2の導光体から外方に前記第1の導光体が張り出しており、
前記第1の導光体からの光の一部が前記第2の導光体を透過して前記アウターレンズに導かれることを特徴とするランプユニット。
【請求項2】
前記アウターレンズの発光面が車体のカウルから露出しており、
前記第2の導光体が前記発光面の前方寄りに設置されていることを特徴とする請求項1に記載のランプユニット。
【請求項3】
前記第2の導光体が前記第1の光源に前方から重なり、前記第1の光源の露出範囲が狭められることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のランプユニット。
【請求項4】
前記第1の導光体が前記第1の光源からの光を前記アウターレンズに反射するリフレクタであり、
前記第2の導光体が前記第2の光源からの光を前記アウターレンズに出射する導光棒であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のランプユニット。
【請求項5】
前記第1の光源がターンシグナルランプの光源として機能し、前記第2の光源がポジションランプの光源として機能することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のランプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両では、ポジションランプとターンシグナルランプが別体に形成されていた。また、ポジションランプとターンシグナルランプが一体化されていても、アウターレンズの発光面が個別に形成されてランプユニットが大型化していた。このため、2色のLED(Light Emitting Diode)光源を組み込み、アウターレンズの発光面を共通にしたランプユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のランプユニットは、2色のLED光源を選択的に発光させることによって複数種類のランプとして機能している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のランプユニットを別々のランプとして機能させたときに、発光色に違いが生じていても、光の広がりや発光範囲といった発光フィーリングが似たものになっていた。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、別々のランプとして機能させる際に発光色と共に発光フィーリングを異ならせることができるランプユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のランプユニットは、アウターレンズを通じて前方を照らすランプユニットであって、前記アウターレンズの裏側に設置された第1の光源と、前記アウターレンズの裏側に設置された第2の光源と、前記第1の光源からの光を前記アウターレンズに導く第1の導光体と、前記第2の光源からの光を前記アウターレンズに導く第2の導光体と、を備え、前面視にて前記第2の導光体が前記第1の導光体に前側から重なり、前記第2の導光体から外方に前記第1の導光体が張り出しており、前記第1の導光体からの光の一部が前記第2の導光体を透過して前記アウターレンズに導かれることで上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様のランプユニットによれば、第1の導光体と第2の導光体が重ねられて、第1の光源と第2の光源で共通のアウターレンズが用いられることでランプユニットの小型化が図られている。また、第2の導光体から第1の導光体が外方に張り出した部分だけでなく、第2の導光体に第1の導光体が重なった部分によっても、第1の光源からの光がアウターレンズに導かれる。よって、第1の光源の発光時にはランプユニットによって広い範囲に照射される。また、アウターレンズの近くで第2の光源からの光が第2の導光体によってアウターレンズに導かれる。よって、第2の光源の発光時にはランプユニットによって狭い範囲に照射される。このように、第1の光源の発光時と第2の光源の発光時の発光フィーリングを異ならせてランプ光の被視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】本実施例のアウターレンズを外したランプユニットの前面図である。
【
図5】
図4のランプユニットをA-A線に沿って切断した断面図である。
【
図6】本実施例のランプユニットがターンシグナルランプとして機能した照射状態を示す図である。
【
図7】本実施例のランプユニットがポジションランプとして機能した照射状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一態様のランプユニットは、アウターレンズを通じて前方を照らしている。ランプユニットのアウターレンズの裏側には第1、第2の光源が設置されている。第1の光源からの光が第1の導光体によってアウターレンズに導かれ、第2の光源からの光が第2の導光体によってアウターレンズに導かれている。前面視にて第2の導光体が第1の導光体に前側から重ねられている。第1、第2の導光体が重なっていても、第1の導光体からの光の一部が第2の導光体を透過して前記アウターレンズに導かれる。これにより、第1の光源と第2の光源で共通のアウターレンズが用いられてランプユニットの小型化が図られている。また、アウターレンズの近くで光が第2の導光体によってアウターレンズに導かれる。よって、内側方向からの被視認性を向上できる。このように、第1の光源の発光時と第2の光源の発光時の発光フィーリングを異ならせてランプ光の被視認性を向上させることができる。
【実施例0010】
以下、添付図面を参照して、本実施例のランプユニットが設置された鞍乗型車両について説明する。
図1は本実施例の鞍乗型車両の左側面図である。また、以下の図では、矢印FRは車両前方、矢印REは車両後方、矢印Lは車両左方、矢印Rは車両右方をそれぞれ示している。
【0011】
図1に示すように、鞍乗型車両1は、ツインスパー型の車体フレーム10にエンジン14や電装系等の各種部品を搭載して構成されている。車体フレーム10はヘッドパイプ(不図示)から左右に分岐して後方に延びる一対のメインフレーム11と、ヘッドパイプから左右に分岐して下方に延びる一対のダウンフレーム(不図示)とを有している。一対のメインフレーム11は、エンジン14の上方を通ってエンジン14の後方に回り込むように湾曲している。一対のメインフレーム11によってエンジン14の上側及び後側が懸架され、一対のダウンフレームによってエンジン14の前側が懸架されている。
【0012】
メインフレーム11の前側部分はエンジン14の上方に位置するタンクレール12になっており、タンクレール12によって燃料タンク15が支持されている。メインフレーム11の後側部分はエンジン14の後方に位置するボディフレーム13になっており、ボディフレーム13の上下方向の略中間位置にスイングアーム26が揺動可能に支持されている。ボディフレーム13の上部からは、シートレール(不図示)とバックステーが後方に向かって延びている。シートレール上には、燃料タンク15の後方においてライダーシート17及びピリオンシート18が支持されている。
【0013】
ヘッドパイプには、ステアリングシャフト(不図示)を介して一対のフロントフォーク21が操舵可能に支持されている。フロントフォーク21の下部には前輪22が回転可能に支持されており、前輪22の上部はフロントフェンダ24に覆われている。スイングアーム26はボディフレーム13から後方に向かって延びている。スイングアーム26の後端には後輪27が回転可能に支持され、後輪27の上方はリアフェンダ28に覆われている。後輪27にはチェーンドライブ式の変速機構を介してエンジン14が連結されており、変速機構を介してエンジン14からの動力が後輪27に伝達されている。
【0014】
鞍乗型車両1は車体外装としての各種カバーに覆われている。例えば、車両前部の前面側はフロントカウル31によって覆われており、車両前部の側面側は一対のサイドカウル32によって覆われている。フロントカウル31の上部にはスクリーン33が設けられ、フロントカウル31の前面からはヘッドランプ34が露出されている。ヘッドランプ34を挟んだ左右両側には、ターンシグナルランプとポジションランプとして機能する一対のランプユニット40が設けられている。これらの車体外装やランプによって走行風から受ける空気抵抗を減らす流線形が形成されている。
【0015】
ランプユニット40では、発光色の違いによってターンシグナルランプの光とポジションランプの光が識別可能になっているが、光の広がりや強さといった発光フィーリングの違いによって更なる識別性の向上が求められている。そこで、本実施例のランプユニット40では、ターンシグナルランプとポジションランプの導光経路を異ならせている。ランプユニット40がターンシグナルランプとして機能するときには広い範囲が照射され、ランプユニット40がポジションランプとして機能するときには狭い範囲が照射されて発光フィーリングの違いが明確になっている。
【0016】
以下、
図2を参照して、本実施例のランプユニットについて説明する。
図2は本実施例の車両前部の前面図である。
図3は本実施例のランプユニットの前面図である。
図4は本実施例のアウターレンズを外したランプユニットの前面図である。
図5は
図4のランプユニットをA-A線に沿って切断した断面図である。なお、
図4では、説明の便宜上、アウターレンズの発光面を二点鎖線で示している。
【0017】
図2に示すように、フロントカウル31の上部には防風用のスクリーン33が設けられ、フロントカウル31の左縁及び右縁にはフロントフォーク21の側方を覆う一対のサイドカウル32が設けられている。フロントカウル31は、スクリーン33の基端側を覆うと共に、中央のヘッドランプ34の周囲を覆うように形成されている。フロントカウル31と一対のサイドカウル32の間には一対のランプユニット40が設けられると共に一対の開口35が形成されている。ランプユニット40は、前面視で車幅方向内側から車幅方向外側に向かって斜め上方に細長く延びており、側面視(
図1参照)で車両前方から車両後方に向かって斜め上方に延びている。
【0018】
図3に示すように、ランプユニット40は、ハウジング41(
図4参照)の前面開口にアウターレンズ51が装着されて、アウターレンズ51を通じて前方を照らすように構成されている。ハウジング41の外縁から3つの固定部42が突き出しており、これら固定部42を介してランプユニット40が車体に固定される。アウターレンズ51は、前方に膨らんだ発光面56と、発光面56の周囲の平坦面57と、によって段状に形成されている。アウターレンズ51の発光面56はカウルから露出し、アウターレンズ51の平坦面57はハウジング41と共にカウルに外側から覆われる。
【0019】
アウターレンズ51の発光面56は山状に形成されており、発光面56の稜線61が上側の頂点62から下側の頂点63に向かって車幅方向内側に延びている。発光面56の車幅方向外側の山際64は、上側の頂点62に下側の頂点63に向かって円弧状に湾曲している。発光面56の車幅方向内側の山際65は、上側の頂点62から下方に向かって車幅方向内側に傾斜した後、下側の頂点63に向かって略下方に延びている。発光面56の稜線61が車幅方向外側の山際64に寄っており、稜線61を挟んで車幅方向内側の発光面56の傾斜よりも車幅方向外側の発光面56の傾斜が大きくなっている。
【0020】
図4に示すように、ランプユニット40のハウジング41には、発光面56の車幅方向外側の山際64に沿って第1の光源基板71a、71bが設置され、発光面56の上側の頂点62付近に第2の光源基板75が設置されている。第1の光源基板71a、71bの第1の光源72a、72bは、車両の進路変更や右左折時に点灯するターンシグナルランプの光源として機能しており、本実施例では第1の光源72a、72bにアンバー色LEDが用いられている。第2の光源基板75の第2の光源76は、走行中に点灯するポジションランプの光源として機能しており、本実施例では第2の光源76に白色LEDが用いられている。
【0021】
また、ランプユニット40のハウジング41には、第1の光源基板71a、71bの車幅方向内側にリフレクタ(第1の導光体)73a、73bが設置され、第2の光源基板75からランプ下側の取付基板77に亘って透明の導光棒(第2の導光体)78が設置されている。リフレクタ73a、73bは発光面56の裏側に設置され、リフレクタ73a、73bによって第1の光源72a、72bからのアンバー色光が発光面56に向けて反射される。導光棒78は発光面56の車幅方向外側寄りに設置され、導光棒78によって第2の光源76からの白色光が発光面56に向けて出射される。
【0022】
前面視にて導光棒78がリフレクタ73a、73bに前側から重なっており、導光棒78から車幅方向内側(外方)にリフレクタ73a、73bが張り出している。このとき、リフレクタ73a、73bからのアンバー色光の一部は導光棒78を透過してアウターレンズ51に導かれ、導光棒78とリフレクタ73a、73bが重なっていても、導光棒78にアンバー色光が遮られることがない。このため、アンバー色光の照射範囲が白色光の照射範囲よりも広げられている。
【0023】
このように、第1の光源72a、72bの発光時(ターンシグナルランプの点灯時)には発光面56から全体的にアンバー色光が出射される。また、第2の光源76の発光時(ポジションランプの点灯時)には発光面56の車幅方向外側から部分的に白色光が出射される。光源の発光が切り替えられることで、ランプユニット40がターンシグナルランプとポジションランプとして機能する。また、アウターレンズ51の裏側に第1の光源72a、72b及び第2の光源76が設置され、ターンシグナルランプとポジションランプで共通のアウターレンズ51が用いられてランプユニット40の小型化が図られている。
【0024】
図5に示すように、ハウジング41の外縁がフランジ状に広がっており、ハウジング41のフランジ43には環状凹部44が形成されている。アウターレンズ51の外縁もフランジ状に広がっており、アウターレンズ51のフランジ53には環状凸部54が形成されている。ハウジング41の環状凹部44にアウターレンズ51の環状凸部54が入り込み、環状凹部44と環状凸部54の隙間に接着剤が充填されて、ハウジング41の外縁にアウターレンズ51の外縁が全周に亘って接着されている。このようにして、ハウジング41に対してアウターレンズ51が取り付けられてランプユニット40の灯室59が形成されている。
【0025】
アウターレンズ51の発光面56の車幅方向外側が平坦面57とフランジ53によって段状に形成されている。前段の平坦面57の裏側には第1の光源基板71aが収容されており、第1の光源基板71aの表面が車幅方向内側に向けられている。上記したように、平坦面57はサイドカウル32(
図2参照)に前側から覆われるため、前方から第1の光源基板71a(第1の光源72a)が目立ち難くなっている。第1の光源基板71aの車幅方向内側にはリフレクタ73aが設置されている。リフレクタ73aの反射面74aが第1の光源72aからのアンバー色光を発光面56に向けるように放物線状に形成されている。
【0026】
リフレクタ73aの前方には発光面56の近くに導光棒78が設置されている。導光棒78の裏面81には導光棒78内の白色光を発光面56に向けるように微細な反射溝(不図示)が形成されている。また、導光棒78の裏面81はリフレクタ73aから反射されたアンバー色光の一部を透過可能に形成されている。このため、導光棒78によってリフレクタ73aからの反射光が遮られ難くなっている。導光棒78が第1の光源基板71aに斜め前方から重なり、第1の光源基板71aの露出範囲が狭められて、第1の光源基板71a(第1の光源72a)が目立ち難くなってランプユニット40の外観性が向上される。
【0027】
図6及び
図7を参照して、ランプユニットの照射状態について説明する。
図6は本実施例のランプユニットがターンシグナルランプとして機能した照射状態を示す図である。
図7は本実施例のランプユニットがポジションランプとして機能した照射状態を示す図である。なお、
図6(A)及び
図7(A)は前面から見た照射状態、
図6(B)及び
図7(B)は断面から見た照射状態を示している。
【0028】
図6(A)、(B)に示すように、ランプユニット40がターンシグナルランプとして点灯する場合に、第1の光源72a、72bからリフレクタ73a、73bに側方からアンバー色光が出射される。リフレクタ73a、73bの反射面74a、74bによってアンバー色光がアウターレンズ51の発光面56に向けて反射される。リフレクタ73a、73bの大部分は導光棒78から車幅方向内側に張り出しており、リフレクタ73a、73bの張出部分からの反射光はダイレクトに発光面56に向けて出射される。導光棒78に重なったリフレクタ73a、73bの一部からの反射光は導光棒78を透過して発光面56に向けて出射される。
【0029】
このため、第1の光源72a、72bからのアンバー色光によってアウターレンズ51の発光面56が全体的に照らされる。このとき、リフレクタ73a、73bが発光面56から離れており、リフレクタ73a、73bによってアンバー色光が発光面56の全体に向けて反射されるため、アンバー色光によって発光面56が裏側から均一かつ穏やかに照らされている。ランプユニット40がターンシグナルランプとして機能したときには、発光面56がアンバー色に点灯されると共に、発光面56から広い範囲にアンバー色光が照射されるような発光フィーリングが得られる。
【0030】
図7(A)、(B)に示すように、ランプユニット40がポジションランプとして点灯する場合に、第2の光源76から導光棒78に白色光が入射される。導光棒78は発光面56の車幅方向外側の山際64に沿って延びており、導光棒78内を白色光が全反射を繰り返しながら第2の光源76から下方に進んでいる。導光棒78の裏面81には反射溝が形成されているため、導光棒78の裏面81に反射された白色光の一部は導光棒78の表面82を透過する。導光棒78の全長に亘って白色光が取り出されて、導光棒78の全域からアウターレンズ51の発光面56に向けて白色光が出射される。
【0031】
このため、第2の光源76からの白色光によってアウターレンズ51の発光面56が部分的に照らされる。このとき、導光棒78が発光面56に対して近づけられており、導光棒78によって白色光が発光面56の車幅方向外側に向けて出射されるため、白色光によって発光面56が裏側から部分的に照らされている。ランプユニット40がポジションランプとして機能したときには、発光面56が白色に点灯されると共に、発光面56から狭い範囲に白色光が照射されるような発光フィーリングが得られる。このように、アンバー色光と白色光では発光フィーリングが大きく異なっている。
【0032】
上記したように、フロントカウル31(
図2参照)からランプユニット40の発光面56が露出しており、フロントカウル31は車幅方向中央に向かって前方に突出している。導光棒78は発光面56のアウターレンズ51に近い前方寄りに位置付けられているため、第1の光源72a,72bの発光時(ターンシグナルランプの点灯時)及び第2の光源76の発光時(ポジションランプの点灯時)でもアウターレンズ51に近い前方寄りで発光する。このため、発光面56の車幅方向内側でフロントカウル31が前方に突出していても、フロントカウル31によって発光面56からの光が遮られ難くなって、ターンシグナルランプ及びポジションランプの車体幅方向内側方向からの被視認性が向上される。
【0033】
以上、本実施例のランプユニット40によれば、リフレクタ73a、73bと導光棒78が重ねられて、ターンシグナルランプとポジションランプで共通のアウターレンズ51が用いられることでランプユニット40の小型化が図られている。また、導光棒78からリフレクタ73a、73bが外方に張り出した部分だけでなく、導光棒78にリフレクタ73a、73bが重なった部分によっても、アンバー色光がアウターレンズ51に導かれる。よって、ターンシグナルランプの点灯時にはランプユニット40によって広い範囲が照射される。また、アウターレンズ51の近くで白色光が導光棒78によってアウターレンズ51に導かれる。よって、ポジションランプの点灯時にはランプユニット40の狭い範囲が照射される。このように、ターンシグナルランプとポジションランプの発光フィーリングを異ならせてランプ光の被視認性を向上させることができる。
【0034】
なお、本実施例では、ランプユニットがフロントターンシグナルランプ、フロントポジションランプとして機能しているが、ランプユニットがリアターンシグナルランプ、リアポジションランプとして機能してもよい。この場合、第1の光源にはアンバー色LEDが用いられ、第2の光源は赤色LEDが用いられてもよい。
【0035】
また、本実施例では、リフレクタから反射したアンバー色光が導光棒の裏面に入射されているが、アンバー色の光源を追加して導光棒の端部からアンバー色光が入射されてもよい。このような構成でも、ターンシグナルの点灯時に導光棒をアンバー色に光らせることができる。
【0036】
また、本実施例では、第1の導光体としてリフレクタを例示したが、第1の導光体は第1の光源からの光をアウターレンズに導くものであればよい。例えば、第1の導光体は導光板等で構成されてもよい。
【0037】
また、本実施例では、第2の導光体として導光棒を例示したが、第2の導光体は第2の光源からの光をアウターレンズに導くものであればよい。例えば、第2の導光体は導光板等で構成されてもよい。
【0038】
また、本実施例では、導光棒が発光面の車幅方向外側寄りに設置されているが、導光棒はリフレクタに前側から重なるように設置されていれば、導光棒はどうように設置されていてもよい。
【0039】
また、本実施例のランプユニットは上記の鞍乗型車両に限らず、自動四輪車等の他の乗り物に採用されてもよい。なお、鞍乗型車両とは、運転者がシートに跨った姿勢で乗車する車両全般に限定されず、運転者がシートに跨らずに乗車するスクータタイプの車両も含んでいる。
【0040】
以上の通り、ランプユニット(40)は、アウターレンズ(51)を通じて前方を照らすランプユニットであって、アウターレンズの裏側に設置された第1の光源(72a、72b)と、アウターレンズの裏側に設置された第2の光源(76)と、第1の光源からの光をアウターレンズに導く第1の導光体(リフレクタ73a、73b)と、第2の光源からの光をアウターレンズに導く第2の導光体(導光棒78)と、を備え、前面視にて第2の導光体が第1の導光体に前側から重なり、第2の導光体から外方に第1の導光体が張り出しており、第1の導光体からの光の一部が第2の導光体を透過してアウターレンズに導かれる。この構成によれば、第1の導光体と第2の導光体が重ねられて、第1の光源と第2の光源で共通のアウターレンズが用いられることでランプユニットの小型化が図られている。また、第2の導光体から第1の導光体が外方に張り出した部分だけでなく、第2の導光体に第1の導光体が重なった部分によっても、第1の光源からの光がアウターレンズに導かれる。よって、第1の光源の発光時にはランプユニットによって広い範囲に照射される。また、アウターレンズの近くで第2の光源からの光が第2の導光体によってアウターレンズに導かれる。よって、第2の光源の発光時にはランプユニットによって狭い範囲に照射される。このように、第1の光源の発光時と第2の光源の発光時の発光フィーリングを異ならせてランプ光の被視認性を向上させることができる。
【0041】
ランプユニットにおいて、アウターレンズの発光面(56)が車体のカウル(フロントカウル31)から露出しており、第2の導光体が発光面の前方寄りに設置されている。この構成によれば、車体のカウルが中央に向かって前方に突出していても、第1の導光体からの光がカウルに遮られ難くなってランプ光の被視認性が向上される。
【0042】
ランプユニットにおいて、第2の導光体が第1の光源に前方から重なり、第1の光源の露出範囲が狭められる。この構成によれば、第1の光源が目立ち難くなってランプユニットの外観性が向上される。
【0043】
ランプユニットにおいて、第1の導光体が第1の光源からの光をアウターレンズに反射するリフレクタであり、第2の導光体が第2の光源からの光をアウタ―レンズに出射する導光棒である。この構成によれば、リフレクタと導光棒によってランプユニットの発光フィーリングを異ならせることができる。
【0044】
ランプユニットにおいて、第1の光源がターンシグナルランプの光源として機能し、第2の光源がポジションランプの光源として機能する。この構成によれば、ポジションランプは自車の存在を周囲に知らせるものであり、ターンシグナルランプと同様に車体の左右両側に設けられると効果的である。このため、ターンシグナルランプとポジションランプの双方の機能を集約することができる。
【0045】
なお、本実施例を説明したが、他の実施例として、上記実施例及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0046】
また、本発明の技術は上記の実施例に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。