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特開2024-45892防汚塗料用添加物及びこれを含む防汚塗料組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045892
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】防汚塗料用添加物及びこれを含む防汚塗料組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20240327BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20240327BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20240327BHJP
   C09D 5/16 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
C09D201/00
C09D7/61
C09D7/63
C09D5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150969
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】598006303
【氏名又は名称】清家 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100169133
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】清家 一徳
(72)【発明者】
【氏名】清家 有禧
【テーマコード(参考)】
4J038
【Fターム(参考)】
4J038BA202
4J038DH001
4J038HA166
4J038HA536
4J038JC43
4J038NA05
4J038NA27
4J038PB07
4J038PC08
(57)【要約】
【課題】簡便な方法で船舶や海洋浸水構造物に対する海洋生物の付着を防止すると同時に、海洋生物に毒性を示したり、海洋を汚染しない、環境にやさしい防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物を実現する。
【解決手段】
樟脳のエキス及び/又は黄漆のエキス及び/又は唐辛子のエキスを少なくとも含むことを特徴とする防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物、或いはニームオイル及び/又はトールオイル及び/又はオリーブオイル及び/又はファインオイル及び/又はキャスターオイルを少なくとも含むことを特徴とする防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物を用いる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樟脳のエキス及び/又は黄漆のエキス及び/又は唐辛子のエキスを少なくとも含むことを特徴とする、
防汚塗料用添加物。
【請求項2】
ニームオイル及び/又はトールオイル及び/又はオリーブオイル及び/又はファインオイル及び/又はキャスターオイルを少なくとも含むことを特徴とする、
防汚塗料用添加物。
【請求項3】
該防汚塗料用添加物は、
樟脳のエキス及び黄漆のエキスを含み、
該樟脳のエキスと該黄漆のエキスの成分比は該樟脳のエキスの重量が該黄漆のエキスの重量に対して100重量パーセント乃至300重量パーセントの範囲で添加されたことを特徴とする、
請求項1記載の防汚塗料用添加物。
【請求項4】
該防汚塗料用添加物は、
樟脳のエキス及び黄漆のエキスを含み、
該樟脳のエキス及び該黄漆のエキスは、エタノールにより抽出されたものを用いたことを特徴とする、
請求項1又は3記載の防汚塗料用添加物。
【請求項5】
該防汚塗料用添加物は、
水浸構造物または船舶に対する海洋生物付着防止用に用いることを特徴とする、
請求項1乃至4の何れか一に記載の防汚塗料用添加物。
【請求項6】
該対象となる海洋生物は、
フジツボであることを特徴とする、
請求項5記載の防汚塗料用添加物。
【請求項7】
該防汚塗料用添加物は、
更に顔料及び/又は流失防止剤としての可塑剤及び/又は消泡剤及び/又は溶剤を含んでなることを特徴とする、
請求項6記載の防汚塗料用添加物。
【請求項8】
樟脳のエキス及び/又は黄漆のエキス及び/又は唐辛子のエキスを少なくとも含むことを特徴とする、
防汚塗料組成物。
【請求項9】
ニームオイル及び/又はトールオイル及び/又はオリーブオイル及び/又はファインオイル及び/又はキャスターオイルを少なくとも含むことを特徴とする、
防汚塗料組成物。
【請求項10】
該防汚塗料組成物は、
樟脳のエキス及び黄漆のエキスを含み、
該樟脳のエキスと該黄漆のエキスの成分比は該樟脳のエキスの重量が該黄漆のエキスの重量に対して100重量パーセント乃至300重量パーセントの範囲で添加されたことを特徴とする、
請求項8記載の防汚塗料組成物。
【請求項11】
該防汚塗料組成物、
樟脳のエキス及び黄漆のエキスを含み、
該樟脳のエキス及び該黄漆のエキスは、エタノールにより抽出されたものを用いたことを特徴とする、
請求項8又は10記載の防汚塗料組成物。
【請求項12】
該防汚塗料組成物は、
水浸構造物または船舶に対する海洋生物付着防止用に用いることを特徴とする、
請求項8乃至11の何れか一に記載の防汚塗料組成物。
【請求項13】
該対象となる海洋生物は、
フジツボであることを特徴とする、
請求項12記載の防汚塗料組成物。
【請求項14】
該防汚塗料組成物は、
更に顔料及び/又は流失防止剤としての可塑剤及び/又は消泡剤及び/又は溶剤を含んでなることを特徴とする、
請求項13記載の防汚塗料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防汚塗料用添加物及びこれを含む防汚塗料組成物、特に船底に用いる防汚塗料用添加物及びこれを含む船底に用いる防汚塗料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
長期航海を行う船舶の場合、船舶下部が浸水した状態で維持されるため、海洋生物付着による汚損が発生して摩擦抵抗が増加するので、航行速度の減少またはそれに相当するエネルギー損失などの問題が継続的に発生している。また、沿岸地域に建設される火力発電所や製鉄所の場合、水の流入と排出のための管が水中に設置されるが、管に付着したフジツボ等により、資材腐食と摩擦抵抗による損失対応に莫大な費用が消費される。。
【0003】
ここで、過去にはフジツボなどの海洋生物が船底や浸水構造物への着用を防ぐためにトリフェニル錫を含む塗料が多数使用されていた。
【0004】
しかしトリフェニル錫は毒性が非常に強く、貝類や魚類などの海洋生物に影響を与える問題があり、2003年国際海洋機構に於いてTBT成分が含まれる防汚塗料の使用を制限するに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭53ー086731号公報
【特許文献2】特開昭58ー108264号公報
【特許文献3】特開昭61ー101567号公報
【特許文献4】特開平01ー109010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、船舶や海洋浸水構造物に対する海洋生物の付着を防止すると同時に、海洋生物に毒性を示したり、海洋を汚染しない、環境にやさしい防汚塗料を開発することが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、樟脳のエキス及び/又は黄漆のエキス及び/又は唐辛子のエキスを少なくとも含むことを特徴とする防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物である。また本発明は、ニームオイル及び/又はトールオイル及び/又はオリーブオイル及び/又はファインオイル及び/又はキャスターオイルを少なくとも含むことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、該防汚塗料用添加物が樟脳のエキス及び黄漆のエキスを含み、該樟脳のエキスと該黄漆のエキスの成分比は該樟脳のエキスの重量が該黄漆のエキスの重量に対して100重量パーセント乃至300重量パーセントの範囲で添加されたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、該防汚塗料用添加物が樟脳のエキス及び黄漆のエキスを含み、該樟脳のエキス及び該黄漆のエキスは、エタノールにより抽出されたものを用いたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、該防汚塗料用添加物を水浸構造物または船舶に対する海洋生物付着防止用に用いることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、該対象となる海洋生物がフジツボであることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、該防汚塗料用添加物が更に顔料及び/又は流失防止剤としての可塑剤及び/又は消泡剤及び/又は溶剤を含んでなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、樟脳のエキス及び/又は黄漆のエキス及び/又は唐辛子のエキスを少なくとも含むことを特徴とする防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物であり、船舶や海洋浸水構造物に対する海洋生物の付着を防止すると同時に、海洋生物に毒性を示したり、海洋を汚染しない、環境にやさしい防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物を実現することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、樟脳のエキス及び/又は黄漆のエキス及び/又は唐辛子のエキスを少なくとも含むことを特徴とする防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物である。
【0015】
また本発明は、ニームオイル及び/又はトールオイル及び/又はオリーブオイル及び/又はファインオイル及び/又はキャスターオイルを少なくとも含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、該防汚塗料用添加物が樟脳のエキス及び黄漆のエキスを含み、該樟脳のエキスと該黄漆のエキスの成分比は該樟脳のエキスの重量が該黄漆のエキスの重量に対して100重量パーセント乃至300重量パーセントの範囲で添加されたことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、該防汚塗料用添加物が樟脳のエキス及び黄漆のエキスを含み、該樟脳のエキス及び該黄漆のエキスは、エタノールにより抽出されたものを用いたことを特徴とする。
【0018】
また本発明は、該防汚塗料用添加物を水浸構造物または船舶に対する海洋生物付着防止用に用いることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、該対象となる海洋生物がフジツボであることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、該防汚塗料用添加物が更に顔料及び/又は流失防止剤としての可塑剤及び/又は消泡剤及び/又は溶剤を含んでなることを特徴とする。
【実施例0021】
本発明は、樟脳のエキス及び/又は黄漆のエキス及び/又は唐辛子のエキスを少なくとも含む防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物を提供する。
【0022】
「防汚塗料(antifoulingpaint)」は、水浸構造物または船底の表面または底に沿ってフジツボや貝及び海藻等の海洋生物が付着するのを防ぐ機能がある塗料を意味する。船舶の表面に海洋生物が付着して成長すれば摩擦抵抗力が大きくなり、船舶の速度が遅くなり燃料消費が増えることになる。水の流入と排出のための管などの水浸構造物に海洋生物が付着すると、水浸構造物が機能しなくなり、維持管理に多大な費用がかかる。
【0023】
本実施例においては、防汚塗料用添加組成物は、樟脳の抽出物および黄漆抽出物を、1.5乃至4:1の重量比で防汚塗料に混入した。
【0024】
防汚塗料は、防汚塗料用添加組成物として樟脳抽出物、黄漆抽出物及び唐辛子抽出物を1.5乃至4:1重量比で混入して製造する。
【0025】
ここで、抽出物は、抽出対象物質を溶媒に溶かして分離した物質を意味する具体的には、抽出対象の抽出処理によって得られる抽出液、抽出液の灰石液、濃縮液、上記抽出液を乾燥して得られる乾燥物、上記抽出液の凍結乾燥物、抽出液の調整物や精製物、またはそれらの混合物などの抽出物自体および抽出液を利用して形成可能な全ての製剤の抽出物を含む。
【0026】
樟脳抽出物は、樟脳の全部またはその一部、または両方から由来した材料から溶媒によって抽出された抽出物である、例えば、樟脳の花、茎、葉、果実、根、またはそれに由来する材料から抽出される。
【0027】
樟脳抽出物は、樟脳C1~C4のアルコール抽出物であり、本実施例に於いては樟脳のエタノール抽出物である。
【0028】
黄漆の木の抽出物は、黄漆の木の前哨、その一部、またはそれらに由来する材料から溶媒によって抽出された抽出物である。例えば、大黄漆の木、花、茎、葉、果実、根および樹液の内少なくとも一つまたはそれに由来する材料から抽出された抽出物である。
【0029】
黄漆の抽出物は、黄漆の木のC1からC4のアルコール抽出物であり、例えば大黄漆の木のエタノール抽出物である。
【0030】
一実施形態によれば、黄漆の抽出物は黄色木葉を抽出溶媒に混合して混合溶液を形成し、攪拌する混合攪拌段階と、上記混合攪拌段階後、一定温度で一定時間静置して抽出溶媒に溶解する部分、過溶解しない部分で十分分離する分離段階と、上記分離段階から抽出用各々に使用される部分抽出液を分離し、減圧回転器を利用して抽出溶媒を揮発させて黄漆の抽出物を抽出する段階を経て得られる。
【0031】
冷凍唐辛子抽出物は、冷凍唐辛子の全部、その一部、またはそれらから由来する材料から溶媒によって抽出されたものである。例えば、大黄漆の木、花、茎、葉、果実、根および樹液の内少なくとも一つまたはそれに由来する材料から抽出された抽出物である。
【0032】
冷凍唐辛子抽出物は、冷凍唐辛子のC1からC4のアルコール抽出物である。例えば、冷凍唐辛子のエタノール抽出物である。
【0033】
また本発明は、ニームオイル及び/又はトールオイル及び/又はオリーブオイル及び/又はファインオイル及び/又はキャスターオイルを少なくとも含むことを特徴とする防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物である。
【0034】
防汚塗料用添加剤組成物は、クリイルマスターゼラニウムエジプト(GeraniumEgypt)、シートトロラジャ(CitronellaJava)、ユーカリレモン(YukariLemon)、ラベンダーアイスティーポリ(LavenderAngstifolia)、レモングラス(Lemongrass)、ヒノキチオール(Hinokitiol)、ピペリエン、Dティー、カテキン(Catechin)で構成されたグループから選択された少なくとも1つを含むことができる。
【0035】
これらの成分は植物から抽出された精油(Essentialoils)であり得る。
【0036】
又、防汚塗料用添加組成物はニームオイル、トールオイル、オリーブオイル、パイン油、キャスターオイルを追加することができる。
【0037】
ニームオイル(Neemoil)は「ニーム」という木の実から抽出したオイルのことで、ニンニクと硫黄のような臭いがするオイルであり、脂肪酸が豊富でビタミンE、必須アミノ酸などがあり、300乃至500倍に薄めて散布すると害虫予防効果が認められいる。
【0038】
又、防汚塗料用添加組成物は天然植物抽出精油(syntheticmustardoil.Allylisothiocyanate)、ユーカリ、ラベンダー、柴またはヒノキなどの天然植物から抽出したエッセンシャルオイル、ハーブ(ゼラニウムエジプト(GeraniumEgypt))等、シトロネラジャワ(CitronellaJava)、シートネラ(Citronella)、ユウカリレモン(YukariLemon)、ラベンダーアンスティフォリア(LavenderAngstifolia)、レモングラス(Lemongrass)、ヒノキチオール(Hinokitiol)、カテキン(Catechin)等および/または殺菌力を持つ天然植物等から抽出した(ニームオイル、トルオイル、オリーブオイル、フルーツオイル(パイン油、キャスター-オイル等)を多様に組み合わせたものを含むことができる。
【0039】
又、防汚塗料用添加組成物はショウの殺菌作用に着目して、その天然成分である(アリールイソチオシアネート)コショウの辛味成分であるアクリルマスタード油を始め、ユーカリ、ラベンダー、木、松など天然植物から抽出限定油やハーブ(ゼラニウムエジプト(GeraniumEgypt))等、シトロネラジャワ(CitronellaJava)、シートネラ(Citronella)、ユウカリレモン(YukariLemon)、ラベンダーアンスティフォリア(LavenderAngstifolia)、レモングラス(Lemongrass)、ヒノキチオール(Hinokitiol)、カテキン(Catechin)等の昆虫忌避/駆虫作用に着目して、これを天然抽出経由の精油の種の組合せと殺菌力を持つ天然植物などから抽出した液(ニームオイル、オリーブオイル、ファインオイル、キャスターオイルなど)を数種類組合せて配合したものを含むことができる。
【0040】
又、塗料組成物は、水に浸すと塗膜が溶けながら塗料に混ざるので昆虫忌避、駆虫作用成分または殺菌成分(アクリルマスタード油(acrylicmustardoil))、ピペリン(piperin)、Dリモ(Dlimonene)、シトロネラ(citronella)、シトロネラジャワ(citronellaJava)、ゼラニウムエジプト(geraniumEgypt)、レモングラス(lemongrass)、ユーカリレモン(yukarilemon)、ヒノキチオール(hinokithiol)ニームオイル(neemoi1)、パインオイル(pineoi1)、トールオイル(tal1oi1)、キャスターオイル(castoroi1)が放出され、これにより既に付着したフジツボにも効果を示すことができる。
【0041】
持続効果としては、船舶の実験結果により1年以上という長期持続性が確認された。
【0042】
本実施例に於いては、防汚塗料用添加組成物の製造は、以下のように行った。
【0043】
乾燥し粉砕された樟脳の葉250gを抽出溶媒でエタノール500mlに36時間浸漬して抽出し、抽出物を減圧させ、樟脳抽出物を得た。粗粉砕された黄漆の葉250gを抽出溶媒でエタノール500mに混合し、2時間半後常温で36時間安定して抽出溶媒に溶解する部分を引き上げ、液過出溶媒に溶解しない部分である沈殿物中で充分分離を行い、減圧蒸発器を使用して分離した液から抽出溶媒を蒸発させて黄漆の抽出物を得た。ロゴチキン粉末300gにエタノールを1.5L加え、超音波で30分間3回繰り返し抽出した。その後、減圧濃縮機を使って50°Cで減圧濃縮し、濃縮物を凍結乾燥して薄緑色の冷凍唐辛子抽出物を採取した。唐辛子粉末は冷凍唐辛子を切断し、液体窒素で急速凍結後した後、粉砕機で粉砕し製造した。
【0044】
前述の方法で製造された樟脳抽出物、黄漆の抽出物及び/又はコショウ抽出物を利用して防汚塗料に添加するための添加組成物を製造した。
【0045】
本実施例に於いては、防汚塗料組成物の製造は、以下のように行った。
【0046】
上記のように製造した防汚塗料用添加組成物をリール系SPC(Self-polishingcopolymer)樹脂、酸化鉄、酸化亜鉛、タルク、ポリアミド、ジャイレンと混合し、分散機を使用して回転速度2300乃至2700rpmで交互に分散して防汚塗料組成物を製造した。
【0047】
上述した製造例及び比較製造例で製造された防汚塗料組成物を横×縦×厚さが300mm×500mm×10mmのPVC板に、それぞれ前後両面で塗装して一週間日干した後、海面から2m下に沈め、一定間隔で塗膜の防汚性能力を確認した。
【0048】
本実施例の防汚塗料組成物を用いた船底塗料は、長期間の防汚効果を示すことができ、船舶或いは浸水構造物に有効であって、経済的な利点は非常に大きく、更に船舶や海洋浸水構造物に対する海洋生物の付着を防止すると同時に、海洋生物に毒性を示したり、海洋を汚染しない、環境にやさしい防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物を実現することが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係る防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物は樟脳のエキス及び/又は黄漆のエキス及び/又は唐辛子のエキスを少なくとも含むことを特徴とする防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物であり、船舶や海洋浸水構造物に対する海洋生物の付着を防止すると同時に、海洋生物に毒性を示したり、海洋を汚染しない、環境にやさしい防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物を実現することが出来る。
【0050】
又、本発明に係る防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物はニームオイル及び/又はトールオイル及び/又はオリーブオイル及び/又はファインオイル及び/又はキャスターオイルを少なくとも含むことを特徴とする防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物であり、船舶や海洋浸水構造物に対する海洋生物の付着を防止すると同時に、海洋生物に毒性を示したり、海洋を汚染しない、環境にやさしい防汚塗料用添加物及び防汚塗料組成物を実現することが出来る。