IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アスリートFA株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ボール搭載装置及びボール搭載方法 図1
  • 特開-ボール搭載装置及びボール搭載方法 図2
  • 特開-ボール搭載装置及びボール搭載方法 図3
  • 特開-ボール搭載装置及びボール搭載方法 図4
  • 特開-ボール搭載装置及びボール搭載方法 図5
  • 特開-ボール搭載装置及びボール搭載方法 図6
  • 特開-ボール搭載装置及びボール搭載方法 図7
  • 特開-ボール搭載装置及びボール搭載方法 図8
  • 特開-ボール搭載装置及びボール搭載方法 図9
  • 特開-ボール搭載装置及びボール搭載方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045895
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】ボール搭載装置及びボール搭載方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240327BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20240327BHJP
   B41F 15/08 20060101ALI20240327BHJP
   B41M 1/12 20060101ALI20240327BHJP
   B41F 15/40 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H01L21/92 604H
H01L21/92 604Z
H05K3/34 503B
H05K3/34 505A
B41F15/08 303E
B41M1/12
B41F15/40 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150974
(22)【出願日】2022-09-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】592141488
【氏名又は名称】アスリートFA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】藤森 義晴
(72)【発明者】
【氏名】川上 朋来
【テーマコード(参考)】
2C035
2H113
5E319
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FA22
2C035FA30
2C035FD01
2H113AA04
2H113BA10
2H113BC12
2H113CA17
2H113FA55
2H113FA56
5E319AA03
5E319AB05
5E319AC01
5E319BB04
5E319CC33
5E319CD22
5E319CD51
5E319GG15
(57)【要約】
【課題】基板へのボール搭載の生産効率を高めることが可能であり、かつ、装置の小型化、簡素化を実現すること。
【解決手段】ボール搭載装置1は、フラックス印刷ユニット2がフラックス印刷サブユニット2A~2Dを有し、ボール振込ユニット3がボール振込サブユニット3A~3Dを有し、検査・リペアユニット4が検査・リペアサブユニット4A,4Bを有して構成されている。フラックス印刷ユニット2、ボール振込ユニット3及び検査・リペアユニット4それぞれにおいて、基板Pがない空きの各サブユニットに基板Pを搬送し、フラックス印刷、ボール振込及び検査・リペア処理を並行して処理することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラックスを基板に印刷するフラックス印刷部を有する複数のフラックス印刷サブユニットが並列配置されているフラックス印刷ユニットと、
前記フラックスが印刷された前記基板に微小ボールを振り込むボール振込部を有する複数のボール振込サブユニットが並列配置されているボール振込ユニットと、
前記基板に振り込まれた前記微小ボールの過不足を検査し、過不足を補修する検査・リペア処理部を有する複数の検査・リペアサブユニットが並列配置されている検査・リペアユニットと、を有し、
前記フラックス印刷ユニット、前記ボール振込ユニット、前記検査・リペアユニットがX方向に直列に配置され、
前記フラックス印刷ユニット、前記ボール振込ユニット、及び前記検査・リペアユニットのそれぞれが、
前記基板をX方向に搬送するX搬入ライン及びX搬出ラインと、前記X搬入ライン及び前記X搬出ラインと前記フラックス印刷部、前記ボール振込部又は前記検査・リペア処理部との間で前記基板をY方向に搬送するY搬送装置と、前記Y搬送装置から受け渡された前記基板を前記フラックス印刷部、前記ボール振込部、又は前記検査・リペア処理部に搬送するY搬送ラインと、を有し、
前記X搬入ライン及び前記X搬出ラインは、平行な直線上に配置されている、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項2】
請求項1に記載のボール搭載装置において、
前記フラックス印刷ユニットが備える前記X搬入ラインの延長線上に前記ボール振込ユニットが備える前記X搬出ラインが配置され、
前記ボール振込ユニットが備える前記X搬出ラインの延長線上に前記検査・リペアユニットの前記X搬入ラインが配置され、
前記フラックス印刷ユニットが備える前記X搬出ラインの延長線上に前記ボール振込ユニットが備える前記X搬入ラインが配置され、
前記ボール振込ユニットが備える前記X搬入ラインの延長線上に前記検査・リペアユニットが備える前記X搬出ラインが配置されている、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項3】
請求項1に記載のボール搭載装置において、
前記Y搬送装置は、Y方向に離間して配置され、前記基板をピックアップすることが可能な2本のZ搬送アームを有し、
前記X搬入ラインは、前記基板をX方向に搬送するX搬入ステージを有し、前記X搬出ラインは、前記基板をX方向に搬送するX搬出ステージを有し、前記Y搬送ラインは、前記基板をY方向に搬送する処理部内基板移動ステージを有しており、
前記X搬入ラインは、複数の前記フラックス印刷サブユニット、複数の前記ボール振込サブユニット、複数の前記検査・リペアサブユニットのうちの空きの前記フラックス印刷部、前記ボール振込部、又は検査・リペア処理部のY方向の延長線上に前記X搬入ステージを停止するよう構成され、
前記X搬出ラインは、前記フラックスが印刷された前記基板を前記ボール振込ユニット側に搬送し、前記微小ボールが振り込まれた前記基板を前記検査・リペアユニット側に搬送し、検査・リペア処理が終了した前記基板を次工程の装置側に搬送するよう構成され、
前記Y搬送装置は、2本の前記Z搬送アームのうち、一方の前記Z搬送アームによって前記X搬入ステージ上の前記基板をピックアップして前記処理部内基板移動ステージに搬送し、他方の前記Z搬送アームによって、前記処理部内基板移動ステージ上の前記基板を前記X搬出ステージに搬送することが可能に構成されている、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項4】
請求項3に記載のボール搭載装置において、
前記X搬入ステージから前記フラックス印刷部、前記ボール振込部又は前記検査・リペア処理部に前記基板を搬送する際に、前記X搬入ステージ、前記処理部内基板移動ステージ及び前記フラックス印刷部、前記ボール振込部又は前記検査・リペア処理部がY方向直線上に配置され、
前記フラックス印刷部、前記ボール振込部又は前記検査・リペア処理部から前記基板を前記X搬出ステージに搬送する際に、前記X搬出ステージ、前記処理部内基板移動ステージ及び前記フラックス印刷部、前記ボール振込部又は前記検査・リペア処理部がY方向直線上に配置され、
前記X搬入ステージ、前記処理部内基板移動ステージの基板載置面の高さが同じに構成されている、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項5】
請求項1に記載のボール搭載装置において、
前記フラックス印刷ユニットの前記X搬出ラインと前記ボール振込ユニットの前記X搬入ラインとの間に、前記基板をピックアップしてX方向に搬送する基板受け渡し装置と、
前記ボール振込ユニットの前記X搬出ラインと前記検査・リペアユニットの前記X搬入ラインとの間に、前記基板をピックアップしてX方向に搬送する基板受け渡し装置と、
前記検査・リペアユニットの前記X搬出ラインと次工程の装置との間に、前記基板をピックアップしてX方向に搬送する基板受け渡し装置と、をさらに有している、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項6】
フラックス印刷ユニットにおいて、
複数のフラックス印刷サブユニットのうちの空きの前記フラックス印刷サブユニットの位置まで基板を載置したX搬入ステージをX方向に移動する工程と、
前記X搬入ステージから処理部内基板移動ステージに前記基板を搬送する工程と、
前記処理部内基板移動ステージをフラックス印刷部内に前記基板を搬送する工程と、
前記基板にフラックスを印刷する工程と、
前記処理部内基板移動ステージからX搬出ステージに前記フラックスが印刷された前記基板を搬送する工程と、
X搬出ステージをボール振込ユニットへの基板受け渡し可能位置まで移動し、前記ボール振込ユニットの前記X搬入ステージに前記基板を搬送する工程と、を含み、
ボール振込ユニットにおいて、
複数のボール振込サブユニットのうちの空きの前記ボール振込サブユニットの位置まで前記フラックスが印刷された前記基板を載置した前記X搬入ステージをX方向に移動する工程と、
前記X搬入ステージから前記処理部内基板移動ステージに前記基板を搬送する工程と、
前記処理部内基板移動ステージをボール振込部内に前記基板を搬送する工程と、
前記基板に微小ボールを振り込む工程と、
前記処理部内基板移動ステージから前記X搬出ステージに前記微小ボールが振り込まれた前記基板を搬送する工程と、
前記X搬出ステージを検査・リペアユニットへの基板受け渡し可能位置まで移動し、前記検査・リペアユニットの前記X搬入ステージに前記基板を搬送する工程と、を含み、
前記検査・リペアユニットにおいて、
複数の検査・リペアサブユニットのうちの空きの前記検査・リペアサブユニットの位置まで前記微小ボールが振り込まれた前記基板を載置した前記X搬入ステージをX方向に移動する工程と、
前記X搬入ステージから前記処理部内基板移動ステージに前記基板を搬送する工程と、
前記処理部内基板移動ステージを検査・リペア処理部内に前記基板を搬送する工程と、
前記基板上の前記微小ボールの過不足及び位置ずれを検査する工程と、
前記処理部内基板移動ステージから前記X搬出ステージに前記微小ボールが振り込まれた前記基板を搬送する工程と、
前記X搬出ステージを次工程の装置への基板受け渡し可能位置まで移動する工程と、を含む、
ことを特徴とするボール搭載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボール搭載装置及びボール搭載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の高密度化に伴い、電子部品と基板との電気的接続手段として導電性を有する微小ボールを基板に搭載するボール搭載装置がある。このようなボール搭載装置は、基板の電極上にフラックスを印刷し、フラックス上に微小ボールを振込むというものである。
【0003】
特許文献1には、フラックス印刷ユニットとボール振込ユニットとを備える電極形成ユニットが2セットと、1セットの検査・リペアユニットとが直線状に配列されたボール搭載装置が開示されている。この配列方向をX方向とする。フラックス印刷ユニット及びボール振込ユニットは、電極形成ユニット及び検査・リペアユニットの配列方向に対して直交するY方向に配列される。フラックス印刷ユニットは、フラックスの印刷後に、電極形成ユニットを(+)Y方向に移動し、ボール振込ユニットとフラックス印刷ユニットの位置を入れ替えて微小ボールを基板上に振り込む。ボール振込後に、電極形成ユニットを(-)Y方向に移動し、ボール振込ユニットとフラックス印刷ユニットの位置を入れ替えてフラックス印刷を可能にするというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-073033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のボール搭載装置は、2セットある電極形成ユニットの一方がフラックスを印刷しているときに、他方では、微小ボールを搭載することが可能となっている。しかしながら、一つの電極形成ユニットにおいては、フラックス印刷とボール振込とを切替える構成のため、フラックスを印刷しているときには微小ボールを振り込むことができない。逆に、微小ボールの振り込みをしているときにはフラックスの印刷ができないため、必ずしも効率的ではない。
【0006】
このボール搭載装置は、上流側の電極形成ユニットへ基板を搬入する搬入コンベア、搬出する搬出コンベアを有している。また、上流側の電極形成ユニットから下流側の電極形成ユニットへ基板を搬入する搬入コンベア、基板を搬出する搬出コンベアを有している。さらに、このボール搭載装置は、上記各コンベアに離間して並行に配設されるバイパスコンベアを有している。例えば、下流側の電極形成ユニットでフラックス印刷が可能な状況の際には、基板は、バイパスコンベアで上流側の電極形成ユニットを迂回して下流側の電極形成ユニットに送られ、第1マスクを使用してフラックス印刷を行う。次いで、マスク部材を移動し第2マスクを使用してボール振込を行う。一方、上流側の電極形成ユニットで微小ボールが振り込まれた基板は、バイパスコンベアで下流側の電極形成ユニットを迂回して検査・リペアユニットに送られる。
【0007】
ところで、下流側の電極形成ユニットに基板を搬送する場合、ローダー装置からバイパスコンベアへの移送の際、バイパスコンベアから下流側の電極形成ユニットの搬入コンベアへの移送の際、及び下流側の電極形成ユニットの搬出コンベアから検査・リペアユニットへの移送の際に、バイパスコンベアと、搬入コンベア及び搬出コンベアとの間でコンベア間にY方向に基板を移動させるため、その移動に係る分の搬送時間が掛かかり、生産効率が低下する。また、このボール搭載装置は、上流側の電極形成ユニットと下流側の電極形成ユニットとの間、下流側の電極形成ユニットと検査・リペアユニットとの間に、バイパスコンベアと、搬入コンベア及び搬出コンベアとの間のコンベア間で基板を移動させるための基板をXY方向に移動する搬送装置を設けることになり装置が複雑化、大型化してしまうという課題がある。
【0008】
また、上流側及び下流側の電極形成ユニットの一方に不具合が発生したときには、1台の電極形成ユニットで、フラックス印刷とボール振込とを切替えることになるため、生産効率が著しく低下するという課題がある。
【0009】
そこで、本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、基板への微小ボールの搭載に係る生産効率を高めることが可能であり、かつ、装置の小型化、簡素化が可能なボール搭載装置、及びボール搭載方法を実現しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]本発明のボール搭載装置は、フラックスを基板に印刷するフラックス印刷部を有する複数のフラックス印刷サブユニットが並列配置されているフラックス印刷ユニットと、前記フラックスが印刷された前記基板に微小ボールを振り込むボール振込部を有する複数のボール振込サブユニットが並列配置されているボール振込ユニットと、前記基板に振り込まれた前記微小ボールの過不足を検査し、過不足を補修する検査・リペア処理部を有する複数の検査・リペアサブユニットが並列配置されている検査・リペアユニットと、を有し、前記フラックス印刷ユニット、前記ボール振込ユニット、前記検査・リペアユニットがX方向に直列に配置され、前記フラックス印刷ユニット、前記ボール振込ユニット、及び前記検査・リペアユニットのそれぞれが、前記基板をX方向に搬送するX搬入ライン及びX搬出ラインと、前記X搬入ライン及び前記X搬出ラインと前記フラックス印刷部、前記ボール振込部又は前記検査・リペア処理部との間で前記基板をY方向に搬送するY搬送装置と、前記Y搬送装置から受け渡された前記基板を前記フラックス印刷部、前記ボール振込部、又は前記検査・リペア処理部に搬送するY搬送ラインと、を有し、前記X搬入ライン及び前記X搬出ラインは、平行な直線上に配置されていることを特徴とする。
【0011】
[2]本発明のボール搭載装置においては、前記フラックス印刷ユニットが備える前記X搬入ラインの延長線上に前記ボール振込ユニットが備える前記X搬出ラインが配置され、前記ボール振込ユニットが備える前記X搬出ラインの延長線上に前記検査・リペアユニットの前記X搬入ラインが配置され、前記フラックス印刷ユニットが備える前記X搬出ラインの延長線上に前記ボール振込ユニットが備える前記X搬入ラインが配置され、前記ボール振込ユニットが備える前記X搬入ラインの延長線上に前記検査・リペアユニットが備える前記X搬出ラインが配置されていることが好ましい。
【0012】
[3]本発明のボール搭載装置においては、前記Y搬送装置は、前記基板をピックアップすることが可能なY方向に離間して配置される2本のZ搬送アームを有し、前記X搬入ラインは、前記基板をX方向に搬送するX搬入ステージを有し、前記X搬出ラインは、前記基板をX方向に搬送するX搬出ステージを有し、前記Y搬送ラインは、前記基板をY方向に搬送する処理部内基板移動ステージを有しており、前記X搬入ラインは、複数の前記フラックス印刷サブユニット、複数の前記ボール振込サブユニット、複数の前記検査・リペアサブユニットのうちの空きの前記フラックス印刷部、前記ボール振込部、又は検査・リペア処理部のY方向延長線上に前記X搬入ステージを停止するよう構成され、前記X搬出ラインは、前記フラックスが印刷された前記基板を前記ボール振込ユニット側に搬送し、前記微小ボールが振り込まれた前記基板を前記検査・リペアユニット側に搬送し、検査・リペア処理が終了した前記基板を次工程の装置側に搬送するよう構成され、前記Y搬送装置は、2本の前記Z搬送アームのうち、一方の前記Z搬送アームによって前記X搬入ステージ上の前記基板をピックアップして前記処理部内基板移動ステージに搬送し、他方の前記Z搬送アームによって、前記処理部内基板移動ステージ上の前記基板を前記X搬出ステージに搬送することが可能に構成されていることが好ましい。
【0013】
[4]本発明のボール搭載装置においては、前記X搬入ステージから前記フラックス印刷部、前記ボール振込部又は前記検査・リペア処理部に前記基板を搬送する際に、前記X搬入ステージ、前記処理部内基板移動ステージ及び前記フラックス印刷部、前記ボール振込部又は前記検査・リペア処理部がY方向直線上に配置され、前記フラックス印刷部、前記ボール振込部又は前記検査・リペア処理部から前記基板を前記X搬出ステージに搬送する際に、前記X搬出ステージ、前記処理部内基板移動ステージ及び前記フラックス印刷部、前記ボール振込部又は前記検査・リペア処理部がY方向直線上に配置され、前記X搬入ステージ、前記処理部内基板移動ステージの基板載置面の高さが同じに構成されていることが好ましい。
【0014】
[5]本発明のボール搭載装置においては、前記フラックス印刷ユニットの前記X搬出ラインと前記ボール振込ユニットの前記X搬入ラインとの間に、前記基板をピックアップしてX方向に搬送する基板受け渡し装置と、前記ボール振込ユニットの前記X搬出ラインと前記検査・リペアユニットの前記X搬入ラインとの間に、前記基板をピックアップしてX方向に搬送する基板受け渡し装置と、前記検査・リペアユニットの前記X搬出ラインと次工程の装置との間に、前記基板をピックアップしてX方向に搬送する基板受け渡し装置と、をさらに有していることが好ましい。
【0015】
[6]本発明のボール搭載方法は、フラックス印刷ユニットにおいて、複数のフラックス印刷サブユニットのうちの空きの前記フラックス印刷サブユニットの位置まで基板を載置したX搬入ステージをX方向に移動する工程と、前記X搬入ステージから処理部内基板移動ステージに前記基板を搬送する工程と、前記処理部内基板移動ステージをフラックス印刷部内に前記基板を搬送する工程と、前記基板にフラックスを印刷する工程と、前記処理部内基板移動ステージからX搬出ステージに前記フラックスが印刷された前記基板を搬送する工程と、X搬出ステージをボール振込ユニットへの基板受け渡し可能位置まで移動し、前記ボール振込ユニットの前記X搬入ステージに前記基板を搬送する工程と、を含み、ボール振込ユニットにおいて、複数のボール振込サブユニットのうちの空きの前記ボール振込サブユニットの位置まで前記フラックスが印刷された前記基板を載置した前記X搬入ステージをX方向に移動する工程と、前記X搬入ステージから前記処理部内基板移動ステージに前記基板を搬送する工程と、前記処理部内基板移動ステージをボール振込部内に前記基板を搬送する工程と、前記基板に微小ボールを振り込む工程と、前記処理部内基板移動ステージから前記X搬出ステージに前記微小ボールが振り込まれた前記基板を搬送する工程と、前記X搬出ステージを検査・リペアユニットへの基板受け渡し可能位置まで移動し、前記検査・リペアユニットの前記X搬入ステージに前記基板を搬送する工程と、を含み、前記検査・リペアユニットにおいて、複数の前記検査・リペアサブユニットのうちの空きの前記検査・リペアサブユニットの位置まで前記微小ボールが振り込まれた前記基板を載置した前記X搬入ステージをX方向に移動する工程と、前記X搬入ステージから前記処理部内基板移動ステージに前記基板を搬送する工程と、前記処理部内基板移動ステージを検査・リペア処理部内に前記基板を搬送する工程と、前記基板上の前記微小ボールの過不足及び位置ずれを検査する工程と、前記処理部内基板移動ステージから前記X搬出ステージに前記微小ボールが振り込まれた前記基板を搬送する工程と、前記X搬出ステージを次工程の装置への基板受け渡し可能位置まで移動する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のボール搭載装置によれば、フラックス印刷ユニットは、複数のフラックス印刷サブユニットを有し、ボール振込ユニットは、複数のボール振込サブユニットを有し、検査・リペアユニットは、複数の検査・リペアサブユニットを有している。そのため、空きの各サブユニットで順次フラックス印刷、ボール振込及び検査・リペアを並列処理することができるため、全体として、基板へのボール搭載を効率よく行うことが可能となる。例えば、フラックス印刷サブユニットの一つ、ボール振込サブユニットの一つ、検査・リペアユニットの一つに不具合が生じた場合にも、ボール搭載装置を停止しなくても生産を続行することが可能となる。
【0017】
本発明の他のボール搭載装置によれば、基板(X搬入ステージ)は、上流側のX搬出ラインから下流側のX搬入ラインに直線的に移動するため、フラックス印刷ユニットとボール振込ユニットとの間、ボール振込ユニットと検査・リペアユニットとの間で、Y方向の移動がないため、スループットが向上する。また、X搬入ラインとX搬出ラインとを接続する搬送ラインが不要であるため、ボール搭載装置の小型化及び構造の簡素化を実現することが可能となる。さらに、X搬入ステージ、X搬出ステージ及び処理部内基板移動ステージの基板載置面の高さを同じにしているため、Y搬送装置の構造を簡素化することが可能となる。
【0018】
本発明の他のボール搭載装置によれば、フラックス印刷サブユニット、ボール振込サブユニット及び検査・リペアサブユニットにおいて、X搬入ステージ又はX搬出ステージ、処理部内基板移動ステージ及びフラックス印刷部、ボール振込部又は検査・リペア処理部はY方向に直線的に配置される。そのため、フラックス印刷部、ボール振込部又は検査・リペア処理部間の基板の搬送は、Y搬送装置及びY搬送ラインのY方向への移動機構だけで実現できるため、基板搬送に関わる機構の高速化及び構造の簡素化を実現することが可能となる。
【0019】
本発明の他のボール搭載装置によれば、Y搬送装置は、2本のZ搬送アームを有し、一方のZ搬送アームを基板搬入用として、他方のZ搬送アームを基板搬出用として使用できる。そのため、Z搬送アームのY方向の移動量を小さくでき、移動のための時間を短縮することが可能となる。
【0020】
以上説明したように、本発明のボール搭載装置及びボール搭載方法によれば、基板への微小ボール搭載の生産効率を高めることが可能であり、かつ、装置の小型化、簡素化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】ボール搭載装置1の構成を示す構成説明図である。
図2】フラックス印刷ユニット2における基板搬送動作を説明する説明図である。
図3】フラックス印刷ユニット2の動作を示す工程フロー図である。
図4】ボール振込ユニット3における基板搬送動作を説明する説明図である。
図5】ボール振込ユニット3の動作を示す工程フロー図である。
図6】検査・リペアユニット4における基板搬送動作を説明する説明図である。
図7】検査・リペアユニット4の動作を示す工程フロー図である。
図8】ボール搭載装置1において、ボール搭載対象となる基板Pの1構成例を示す説明図である。
図9】フラックスFを基板Pに印刷するフラックス印刷部10の動作を示す説明図である。
図10】基板Pに微小ボール25を振り込むボール振込部30の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係るボール搭載装置1及びボール搭載方法について、図1図10を参照しながら説明する。
【0023】
(ボール搭載装置1の構成)
図1は、ボール搭載装置1の構成を示す構成説明図である。ボール搭載装置1は、基板Pに形成されている電極101にフラックスF(図9参照)を印刷するフラックス印刷ユニット2、フラックスFが印刷された基板Pに微小ボール25(図10参照)を振り込むボール振込ユニット3、及び、基板Pに振り込まれた微小ボール25の過不足や位置ずれなどの異常の有無を検査し、この異常を補正する検査・リペアユニット4で構成されている。フラックス印刷ユニット2、ボール振込ユニット3、検査・リペアユニット4は、基板Pの搬入側から搬出側に順に直列に配置されている。なお、以降の説明では、これらの各ユニットの配列方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向とし、X-Y平面に対して垂直方向をZ方向又は高さ方向と記載する。フラックス印刷ユニット2の上流側には、フラックス印刷ユニット2に基板Pを搬送(供給)するローダー装置5が配設されている。
【0024】
(フラックス印刷ユニット2の構成)
フラックス印刷ユニット2は、基板PにフラックスFを印刷するフラックス印刷部10A,10B,10C,10Dを有している。フラックス印刷部10A,10B,10C,10Dは、X方向に配置されている。フラックス印刷部10A~10Dは同じ構成であって、相互のX方向配置間隔が同じであり、Y方向位置が同じになるよう配列されている。なお、フラックス印刷部10A~10Dを総称してフラックス印刷部10と記載することがある。フラックスFの印刷方法は、図9を参照して後で説明する。
【0025】
フラックス印刷ユニット2は、X方向に延伸するX搬入ライン11及びX搬出ライン12を有している。X搬入ライン11とX搬出ライン12とは、互いに平行に配置されている。X搬入ライン11は、基板Pを載置して搬送するX搬入ステージ13を有し、X搬出ライン12は、フラックスFが印刷された基板Pを載置して搬送するX搬出ステージ14を有している。X搬入ステージ13は、X搬入ライン11によってX方向に移動することが可能であり、X搬出ステージ14は、X搬出ライン12によってX方向に移動することが可能となっている。
【0026】
X搬入ライン11及びX搬入ステージ13は、フラックス印刷部10A~10Dのいずれかに基板Pを搬送するために設けられており、X搬出ライン12及びX搬出ステージ14は、フラックスFが印刷された基板Pを下流側のボール振込ユニット3に搬送するために設けられている。
【0027】
フラックス印刷ユニット2は、X搬入ライン11とフラックス印刷部10A~10Dとの間に処理部内基板移動ステージ15A~15Dを有している。処理部内基板移動ステージ15A~15Dは、構成が同じであり、その動作を同じように説明できるため総称して処理部内基板移動ステージ15と記載することがある。フラックス印刷ユニット2は、X搬入ステージ13から処理部内基板移動ステージ15A~15Dの各々に基板Pを搬送し、逆に、処理部内基板移動ステージ15からX搬出ステージ14に基板Pを搬送するY搬送装置16A~16Dを有している。Y搬送装置16A~16Dは、構成が同じであり、その動作を同じに説明できるため総称してY搬送装置16と記載することがある。X搬出ライン12とフラックス印刷部10A~10D各々の間には、X搬入ステージ13から搬送された基板Pを載置した処理部内基板移動ステージ15A~15Dを搬送するY搬送ライン17A~17Dが配置されている。なお、Y搬送ライン17A~17Dを総称してY搬送ライン17と記載することがある。
【0028】
処理部内基板移動ステージ15は、X搬入ステージ13に載置された基板Pの受取り可能位置にあり、Y搬送装置16を経由して基板Pを受取り、Y搬送ライン17によってフラックス印刷部10の内部に基板Pを搬送する。フラックス印刷処理が終了した基板Pは、処理部内基板移動ステージ15からY搬送装置16によって基板Pの受け渡し可能位置まで移動する。
【0029】
フラックス印刷ユニット2は、フラックス印刷部10A~10Dの各々に対応したY搬送装置16A~16Dを有している。Y搬送装置16A~16Dのそれぞれは、Y方向に延伸するY搬送レーン20A~20D、Y駆動軸92及び基板PをピックアップするZ搬送アーム18,19で構成されている。Y駆動軸92は、Y搬送レーン20A~20Dのいずれかに沿ってZ搬送アーム18,19を移動させる(図2参照)。なお、Y搬送装置16A~16Dのうち、Y搬送装置16Aを代表例として説明する。
【0030】
Z搬送アーム18は、X搬入ステージ13から基板Pをピックアップし、処理部内基板移動ステージ15Aまで基板Pを搬送する。Z搬送アーム19は、処理部内基板移動ステージ15Aから基板Pをピックアップし、X搬出ステージ14まで基板Pを搬送する。Z搬送アーム18とZ搬送アーム19との距離は常に一定であって、X搬入ライン11とX搬出ライン12との幅方向の中心距離と同じである。Y搬送装置16B~16Dの構成及び動作は上記Y搬送装置16Aと同じように説明できるため、個々の説明は省略する。Z搬送アーム18,19は一体となってY方向に移動し、停止する。
【0031】
続いて、フラックス印刷ユニット2の動作状況の1例について図1を参照して説明する。なお、フラックス印刷部10と、各フラックス印刷部に対応して配置されるY搬送装置16と、処理部内基板移動ステージ15、及びY搬送ライン17とのセットでフラックス印刷サブユニットとし、紙面左からフラックス印刷サブユニット2A,2B,2C,2Dとする。図1に示す一状況においては、フラックス印刷サブユニット2Aは、フラックス印刷後の基板PをX搬出ステージ14に搬送した状況を表している。基板Pが載置されたX搬出ステージ14は、他のフラックス印刷サブユニット2B,2C,2Dの動作に関係なくX搬出ライン12によってボール振込ユニット3側に移動することが可能となっている。
【0032】
フラックス印刷サブユニット2Bは、フラックス印刷処理中を表しており、Z搬送アーム18,19はX搬入ライン11及びX搬出ライン12に重なる位置まで退避している。フラックス印刷サブユニット2Cは、Z搬送アーム18がX搬入ステージ13から基板Pをピックアップし、処理部内基板移動ステージ15Cに搬送する状況を表している。基板PがピックアップされたX搬入ステージ13は、ローダー装置5から基板Pを受取ることが可能な位置に移動する。基板Pを受取った処理部内基板移動ステージ15Cは、Y搬送ライン17Cによってフラックス印刷部10C内に移動する。フラックス印刷サブユニット2Dは、フラックス印刷部10D内においてフラックス印刷処理開始したときの状況を表している。このとき、Z搬送アーム18,19は、Y搬送ライン17D上に退避している。
【0033】
以上説明したように、フラックス印刷ユニット2においては、フラックス印刷サブユニット2A~2Dの少なくとも1か所以上でフラックス印刷処理を並行して行うことが可能となっている。
【0034】
(ボール振込ユニット3の構成)
ボール振込ユニット3は、フラックスFが印刷された基板Pに微小ボール25を搭載するボール振込部30A~30Dを有している。ボール振込部30A,30B,30C,30Dは、フラックス印刷ユニット2側からX方向に順に並列されている。ボール振込部30A~30Dは同じ構成であって、相互のX方向配置間隔が同じであり、Y方向位置が同じになるように配列されている。なお、ボール振込部30A~30Dは同じ構成であり、動作を同じように説明できるため総称してボール振込部30と記載することがある。微小ボール25の基板Pへの搭載方法は、図10を参照して後で説明する。
【0035】
ボール振込ユニット3は、X方向に延伸するX搬出ライン31及びX搬入ライン32を有している。X搬入ライン32は、フラックス印刷ユニット2のX搬出ライン12の延長線上に配置されている。一方、X搬出ライン31は、フラックス印刷ユニット2のX搬入ライン11の延長線上に配置されている。したがって、X搬出ライン31とX搬入ライン32とは、互いに平行に配置されている。X搬出ライン31は、基板Pを載置して搬送するX搬出ステージ33を有し、X搬入ライン32は、基板Pを載置して搬送するX搬入ステージ34を有している。X搬出ステージ33は、X搬出ライン31によってX方向に移動することが可能であり、X搬入ステージ34は、X搬入ライン32によってX方向に移動することが可能となっている。
【0036】
X搬入ライン32及びX搬入ステージ34は、ボール振込部30A~30Dのいずれかに基板Pを搬入するために設けられており、X搬出ライン31及びX搬出ステージ33は、微小ボール25が搭載された基板Pを下流側の検査・リペアユニット4に搬出するために設けられている。
【0037】
ボール振込ユニット3は、X搬入ライン32とボール振込部30との間に処理部内基板移動ステージ35A~35Dを有している。処理部内基板移動ステージ35A~35Dは、構成が同じであり、その動作を共通に説明できるため総称して処理部内基板移動ステージ35と記載することがある。ボール振込ユニット3は、X搬入ステージ34から処理部内基板移動ステージ35A~35Dの各々に基板Pを搬送し、逆に、処理部内基板移動ステージ35A~35DからX搬出ステージ33に基板Pを搬送するY搬送装置36A~36Dを有している。Y搬送装置36A~36Dは、同じ構成であり、その動作を同じように説明できるため総称してY搬送装置36と記載することがある。X搬入ライン32とボール振込部30A~30D各々の間には、X搬入ステージ34から搬送された基板Pを載置した処理部内基板移動ステージ35A~35Dを搬送するY搬送ライン40A~40Dが配置されている。なお、Y搬送ライン40A~40Dを総称してY搬送ライン40と記載することがある。
【0038】
ボール振込ユニット3は、ボール振込部30A~30Dの各々に対応したY搬送ライン40A~40Dを有している。Y搬送装置36A~36Dのそれぞれは、Y方向に延伸するY搬送レーン37A~37D、Y駆動軸92及び基板PをピックアップするZ搬送アーム38,39で構成されている。Y駆動軸92は、Y搬送レーン37A~37Dのいずれかに沿ってZ搬送アーム38,39を移動する(図4参照)。Y搬送装置36A~36Dのうち、Y搬送装置36Aを代表例として説明する。
【0039】
Z搬送アーム39は、X搬入ステージ34から基板Pをピックアップし、処理部内基板移動ステージ35まで基板Pを搬送する。Z搬送アーム38は、処理部内基板移動ステージ35から基板Pをピックアップし、X搬出ステージ33まで基板Pを搬送する。Z搬送アーム38とZ搬送アーム39との中心距離は常に一定であって、X搬出ライン31とX搬入ライン32との幅方向の中心距離と同じである。Z搬送アーム38,39は一体となってY方向に移動し、停止する。Y搬送装置36B~36Dの構成及び動作は、上記Y搬送装置36Aと同じように説明できるため、個々の説明は省略する。
【0040】
なお、ボール振込ユニット3のY搬送装置36A~36Dは、フラックス印刷ユニット2のY搬送装置16A~16Dと同じ構成にすることが可能である。また、X搬入ステージ34は、X搬出ステージ33と同じ構成にすることが可能である。
【0041】
続いて、ボール振込ユニット3の動作状況の1例について図1を参照して説明する。なお、ボール振込部30と、各ボール振込部に対応して配置されるY搬送装置36、処理部内基板移動ステージ35及びY搬送レーン37とのセットでボール振込サブユニットとし、フラックス印刷ユニット2側からボール振込サブユニット3A,3B,3C,3Dとする。図1に示す1状況においては、ボール振込サブユニット3Aは、フラックス印刷処理後の基板PをX搬入ステージ34に搬送し、X搬入ステージ34がY搬送ライン40Aの延長線上の位置に停止した状況を表している。その後、基板Pは、Y搬送装置36Aによって処理部内基板移動ステージ35Aに搬送される。X搬入ステージ34は、他のボール振込サブユニット3B,3C,3Dの動作に関係なくX搬入ライン32によってフラックス印刷ユニット2側に移動することが可能となる。
【0042】
ボール振込サブユニット3Bは、ボール振込処理中を表しており、Z搬送アーム38,39はX搬入ライン32及びX搬出ライン31に重なる位置まで退避している。ボール振込サブユニット3Cは、Z搬送アーム38が処理部内基板移動ステージ35Cから微小ボール25が振り込まれた基板Pをピックアップし、X搬出ステージ33に搬送した状況を表している。基板Pを載置したX搬出ステージ33は、他のボール振込サブユニット3A,3B,3Dの動作に関係なくX搬出ライン31によって検査・リペアユニット4側に移動することが可能となる。ボール振込サブユニット3Dは、ボール振込部30Dにおいてボール振込処理開始のときの状況を表し、Z搬送アーム38,39は、Y搬送ライン40D上に退避している。
【0043】
以上説明したように、ボール振込ユニット3においては、ボール振込サブユニット3A~3Dの少なくとも1か所以上でボール振込処理を並行して行うことが可能となっている。
【0044】
(検査・リペアユニット4の構成)
検査・リペアユニット4は、微小ボール25が振り込まれた基板Pにおいて、振り込まれた微小ボール25の過不足や位置ずれなどの異常を検査し、リペア(補修)をするユニットである。例えば、微小ボール25が所定より多く基板P上に振り込まれている場合には余分の微小ボール25を取り除く。また、所定位置に微小ボール25が振り込まれていない場合には不足分を追加し、位置ずれの微小ボール25は排除又は不足位置に補填する。
【0045】
検査・リペアユニット4は、検査・リペア処理を行う検査・リペア処理部50A,50Bを有している。検査・リペア処理部50A,50Bは、ボール振込ユニット3側からX方向に順に並列されている。検査・リペア処理部50A,50Bは同じ構成であって、Y方向位置が同じになるように配列されている。なお、検査・リペア処理部50A,50Bは同じ構成であり、動作を同じように説明できるため総称して検査・リペア処理部50と記載することがある。
【0046】
検査・リペアユニット4は、X方向に延伸するX搬入ライン51及びX搬出ライン52を有している。X搬入ライン51は、ボール振込ユニット3のX搬出ライン31の延長線上に配置されている。一方、X搬出ライン52は、ボール振込ユニット3のX搬入ライン32の延長線上に配置されている。したがって、X搬入ライン51とX搬出ライン52とは、互いに平行である。X搬入ライン51は、基板Pを載置して搬送するX搬入ステージ53を有し、X搬出ライン52は、基板Pを載置して搬送するX搬出ステージ54を有している。X搬入ステージ53は、X搬入ライン51によってX方向に移動することが可能であり、X搬出ステージ54は、X搬入ライン32によってX方向に移動することが可能となっている。
【0047】
X搬入ライン51及びX搬入ステージ53は、検査・リペア処理部50A,50Bのいずれかに基板Pを搬入するために設けられている。また、X搬出ライン52及びX搬出ステージ54は、検査・リペア処理が終了した基板Pを下流側の「次工程の装置55」に搬出するために設けられている。次工程の装置55としては、例えば、リフロー装置やアンローダー装置などである。
【0048】
検査・リペアユニット4は、X搬出ライン52と検査・リペア処理部50との間に処理部内基板移動ステージ56A,56Bを有している。処理部内基板移動ステージ56A,56Bは、構成が同じであり、その動作を同じように説明できるため総称して処理部内基板移動ステージ56と記載することがある。検査・リペアユニット4は、X搬入ステージ53から処理部内基板移動ステージ56A,56Bの各々に基板Pを搬送し、逆に、処理部内基板移動ステージ56A,56BからX搬出ステージ54に基板Pを搬送するY搬送装置58A,58Bを有している。Y搬送装置58A,58Bは、同じ構成であり、その動作を同じように説明できるため総称してY搬送装置58と記載することがある。X搬出ライン52と検査・リペア処理部50A,50B各々の間には、X搬入ステージ53から搬送された基板Pを載置した処理部内基板移動ステージ56A~56Dを搬送するY搬送ライン57A,57Bが配置されている。なお、Y搬送ライン57A,57Bを総称してY搬送ライン57と記載することがある。
【0049】
検査・リペアユニット4は、検査・リペア処理部50A,50Bの各々に対応したY搬送装置58A,58Bを有している。Y搬送装置58A,58Bの各々は、基板PをピックアップしてZ方向に移動可能なZ搬送アーム59,60、及びZ搬送アーム59,60をY搬送レーン61A,61Bに沿って移動させるY駆動軸92を有している。Z搬送アーム59は、X搬入ステージ53から基板Pをピックアップし、処理部内基板移動ステージ56A又は処理部内基板移動ステージ56Bに搬送する。Z搬送アーム60は、処理部内基板移動ステージ56A又は処理部内基板移動ステージ56Bから基板Pをピックアップし、X搬出ステージ54に搬送する。Z搬送アーム59とZ搬送アーム60との中心距離は常に一定であって、X搬入ライン51とX搬出ライン52との幅方向の中心距離と同じである。Z搬送アーム59,60は一体となってY方向に移動し、停止する。
【0050】
基板Pを受取った処理部内基板移動ステージ56A,56Bは、Y搬送ライン57A,57Bによって検査・リペア処理部50A,50Bの内部に基板Pを搬送する。検査・リペア処理が終了した基板Pは、処理部内基板移動ステージ56A,56BからX搬出ステージ54にY搬送装置58A,58Bによって移動される。検査・リペアユニット4は、検査・リペア処理部50A,50B各々において並行処理が可能となっている。
【0051】
なお、Y搬送装置58A,58Bは、フラックス印刷ユニット2のY搬送装置16A~16D、及びボール振込ユニット3のY搬送装置36A~36Dと同じ構成にすることが可能である。
【0052】
続いて、検査・リペアユニット4の動作の1例について図1を参照して説明する。なお、検査・リペア処理部50A、Y搬送装置58A、処理部内基板移動ステージ56A及びY搬送ライン57Aのセットで検査・リペアサブユニット4Aとし、検査・リペア処理部50B、Y搬送装置58B、処理部内基板移動ステージ56B及びY搬送ライン57Bのセットを検査・リペアサブユニット4Bとする。図1に示す1状況においては、検査・リペアサブユニット4Aは、検査・リペア処理後の基板Pを処理部内基板移動ステージ56AからZ搬送アーム60がピックアップする状況を表している。その後、Z搬送アーム60は、待機しているX搬出ステージ54に基板Pを搬送し、X搬出ステージ54はX搬出ライン52によって「次工程の装置55」に基板Pを受け渡すことが可能な位置まで移動する。
【0053】
検査・リペアサブユニット4Bは、Z搬送アーム59がX搬入ステージ53から基板Pをピックアップする状況を表している。Z搬送アーム59は、ピックアップした基板Pを処理部内基板移動ステージ56Bに搬送する。処理部内基板移動ステージ56Bは基板Pを検査・リペア処理部50Bの内部に搬送し、検査及びリペア処理を行う。基板Pがピックアップされた後のX搬入ステージ53は、X搬入ライン51によって、ボール振込ユニット3から基板Pを受取ることが可能な位置まで移動する。
【0054】
以上説明したように、検査・リペアユニット4においては、常に検査・リペアサブユニット4A,4Bのどちらかが検査・リペア処理動作を行うことが可能に構成されている。
【0055】
ボール搭載装置1は、フラックス印刷ユニット2とボール振込ユニット3との間、ボール振込ユニット3と検査・リペアユニット4との間、検査・リペアユニット4と「次工程の装置55」との間に、基板Pを上流側のユニットから下流側のユニット又は次工程の装置に受け渡す基板受け渡し装置70A,70B、70Cを有している。基板受け渡し装置70Aは、フラックス印刷ユニット2とボール振込ユニット3とを架橋するX搬送レーン71、及び基板PをピックアップするZ搬送アーム72を有している。基板受け渡し装置70Aは、フラックス印刷ユニット2側のX搬出ステージ14から基板Pをピックアップし、X搬送レーン71に沿って移動し、ボール振込ユニット3側のX搬入ステージ34に搬送する。X搬出ステージ14は、Z搬送アーム72で基板Pをピックアップ可能な位置に移動し、X搬入ステージ34は、基板受け渡し位置となるX搬出ライン12に近い位置まで移動している。
【0056】
基板受け渡し装置70Bは、ボール振込ユニット3と検査・リペアユニット4とを架橋するX搬送レーン73、及び基板PをピックアップするZ搬送アーム74を有している。基板受け渡し装置70Bは、ボール振込ユニット3側のX搬出ステージ33から基板Pをピックアップし、X搬送レーン73に沿って移動し、検査・リペアユニット4側のX搬入ステージ53に搬送する。X搬出ステージ33は、Z搬送アーム74で基板Pをピックアップ可能な位置に移動し、X搬入ステージ53は、基板受け渡し位置となるX搬出ライン31に近い位置まで移動している。基板受け渡し装置70Cは、検査・リペアユニット側のX搬出ステージ54から基板PをZ搬送アーム76でピックアップし、X搬送レーン75に沿って移動し、次工程の装置55に搬送する。
【0057】
なお、X搬入ステージ13,34,53、X搬出ステージ14,33,54、及び、処理部内基板移動ステージ15A~15D,35A~35D,56A,56Bの基板Pを載置する面は、Z方向位置(高さ)を同じにしている。したがって、Z搬送アーム18,19,38,39,59,60のZ方向の移動ストロークを同じにすることが可能となる。また、X搬入ライン11、X搬出ライン31、及びX搬入ライン51は直線上に延伸され、X搬出ライン12、X搬入ライン32、及びX搬出ライン52は直線上に延伸されている。以上のように構成することによって、Z搬送アーム18,19,38,39,59,60のZ方向の移動ストローク、及びY方向の移動ストロークが同じになるように制御することが可能となる。
【0058】
(ローダー装置5の構成)
ボール搭載装置1の上流側には、基板Pをフラックス印刷ユニット2に搬送するローダー装置5が配置されている。ローダー装置5は、フラックス印刷ユニット2が有するX搬入ライン11とX搬出ライン12を挟んでY方向に離間して配置されるトレイローダ80A,80B、及び基板取り出し機構81を有している。トレイローダ80A,80Bは同じ構成であり、基板Pを載置した多数のトレイ82を積層ストックしている。基板取り出し機構81は、X搬送ライン83、Y搬送ライン84及びZ搬送部85で構成される。トレイローダ80Aは、トレイ82を一層毎に基板取り出し機構81の下方に搬送する。Z搬送部85は、トレイ82から基板Pをピックアップし、X搬送ライン83を移動しフラックス印刷ユニット2側に基板Pを搬送してX搬入ステージ13に受け渡す。フラックス印刷ユニット2において、基板Pがピックアップされた後のX搬入ステージ13は、ローダー装置5側の基板受取り可能な位置に移動している。
【0059】
基板取り出し機構81は、まず、トレイローダ80Aからトレイ82を基板取り出し機構81の下方に移動した後、トレイ82から基板Pをピックアップしフラックス印刷ユニット2のX搬入ステージ13に搬送する。基板取り出し機構81は、トレイローダ80A側のトレイ82のストックが終了したところで、トレイローダ80Bに切換え、トレイ82から基板PをピックアップしX搬入ステージ13に搬送する。トレイローダ80Bに切換えて基板Pを搬送している間に、トレイローダ80Aにトレイ82を補充する。このように、トレイローダ80A,80Bを切換えることによって、間断なく基板Pをフラックス印刷ユニット2のX搬入ステージ13に搬送することが可能となる。なお、基板Pがピックアップされた後のトレイ82は、下方側に降下するよう構成されている。
【0060】
以上説明したように、フラックス印刷ユニット2の処理動作中に、ボール振込ユニット3及び検査・リペアユニット4の処理動作を行うことが可能となっている。つまり、フラックス印刷ユニット2、ボール振込ユニット3及び検査・リペアユニット4それぞれが並行して処理動作が可能であり、各ユニット間における基板Pの搬送も上記処理動作に並行して行うことが可能である。
【0061】
なお、図1に示す例においては、検査・リペアユニット4が、検査・リペアサブユニット4A,4Bを備えていることに対して、フラックス印刷ユニット2が、フラックス印刷サブユニット2A~2Dを備え、ボール振込ユニット3が、ボール振込サブユニット3A~3Dを備えている。これは、検査・リペアサブユニット4A,4Bのタクトタイムに対して、フラックス印刷サブユニット2A~2Dのタクトタイム、及びボール振込サブユニット3A~3Dのタクトタイムが約2倍であることから各サブユニットの設置数を決めている。但し、検査・リペアサブユニット4Aに対し、フラックス印刷サブユニット2A,2B、ボール振込サブユニット3A,3Bというような組み合わせにすることも可能である。すなわち、各ユニットにおけるサブユニットの設置数は、それぞれのタクトタイムの差で設定すればよい。
【0062】
続いて、フラックス印刷ユニット2、ボール振込ユニット3、及び検査・リペアユニット4の動作について図2図10を参照して説明する。まず、フラックス印刷ユニット2の動作について図2図3を参照して説明する。
【0063】
図2は、フラックス印刷ユニット2における基板搬送動作を説明する説明図である。図3は、フラックス印刷ユニット2の動作を示す工程フロー図である。なお、フラックス印刷サブユニット2A,2B,2C,2Dは、動作のタイミングが異なるものの動作を同じように説明することが可能なので、フラックス印刷サブユニット2Aを代表例として説明する。なお、図1も参照しながら説明する。まず、図2(a)を参照して、Y搬送装置16A、処理部内基板移動ステージ15Aの構成について説明する。Y搬送装置16Aは、Y搬送レーン20A、Y搬送レーン20Aに沿ってZ駆動軸90及びZ補助駆動軸91を駆動するY駆動軸92で構成されている。Z駆動軸90は、基板PをピックアップするZ搬送アーム19を有し、Z補助駆動軸91は、基板PをピックアップするZ搬送アーム18を有している。
【0064】
Z駆動軸90は、モータ駆動によりZ搬送アーム19及びZ補助駆動軸91をZ方向に移動する。Z補助駆動軸91は空気圧駆動機構であって、Z駆動軸90とは独立してZ搬送アーム18をZ方向に微小移動させる機能を有している。Z補助駆動軸91は、Z駆動軸90によってZ方向に移動されるが、X搬入ステージ13、X搬出ステージ14及び処理部内基板移動ステージ15Aの上面高さ位置相互のばらつき、つまり、基板Pの高さ位置のばらつきを吸収することが可能な構成としている。
【0065】
処理部内基板移動ステージ15Aは、X微動ステージ93及びθ微動ステージ94で構成される。処理部内基板移動ステージ15Aは、Y搬送ライン17Aによってフラックス印刷部10Aの外側から内側に、又は内側から外側に移動される。フラックス印刷部10A内において、X微動ステージ93は、フラックス印刷マスク103(図9参照)に対する基板PのX方向の位置合わせを行い、θ微動ステージ94は、フラックス印刷マスク103に対する基板Pの回転方向の位置合わせを行う。また、Y方向の位置合わせは、Y搬送ライン17Aによって行う。X搬入ライン11、X搬出ライン12及びY搬送ライン17Aは、架台95上に配置される。
【0066】
図3の工程フロー図に沿って説明する。まず、ローダー装置が、トレイローダ80A(又はトレイローダ80B)からフラックス印刷ユニット2のX搬入ステージ13に基板Pを搬送する(ステップS1)。続いて、空きのフラックス印刷サブユニット2Aの位置までX搬入ステージ13を移動する(ステップS2)。なお、ここでは、フラックス印刷サブユニット2Aが基板Pの存在しない空きのフラック印刷サブユニットとして説明する。図2(a)は、Z駆動軸90及びZ補助駆動軸91を移動し、Y搬送ライン17Aの延長線上にあるX搬入ステージ13に吸着されている基板PをZ搬送アーム18がピックアップする状況を表している。このとき、処理部内基板移動ステージ15Aは、Z搬送アーム18から基板Pの受け取り可能な位置に移動し待機している。なお、X搬出ステージ14は、X搬出ライン12上の、他所に移動している。
【0067】
続いて、Z搬送アーム18が、X搬入ステージ13から処理部内基板移動ステージ15Aに基板Pをピックアップして搬送する(ステップS3)。図2(b)に示すように、基板PをピックアップしたZ搬送アーム18は、Y駆動軸92によってY搬送レーン20Aを移動し、処理部内基板移動ステージ15Aの上方で停止した後、処理部内基板移動ステージ15Aに基板Pを搬送する。
【0068】
続いて、基板Pを吸着保持した処理部内基板移動ステージ15Aは、フラックス印刷部10A内に移動する(ステップS4)。図2(c)は、基板Pがフラックス印刷部10A内に搬送された状況を表している。Z搬送アーム18,19は、処理部内基板移動ステージ15Aが基板Pを搬送するのに支障がない高さに移動している。フラックス印刷部10A内において、基板PはX微動ステージ93、θ微動ステージ94及びY搬送ライン17Aによって、フラックス印刷マスク103に対する位置合わせを行った後(ステップS5)、基板PにフラックスFを印刷する(ステップS6)。フラックスFの印刷方法は、図9を参照して説明する。次いで、処理部内基板移動ステージ15Aがフラックス印刷部10Aから、フラックスFが印刷された基板Pを搬出する(ステップS7)。処理部内基板移動ステージ15Aは、Y搬送ライン17AによってZ搬送アーム19が基板Pをピックアップすることが可能な位置に搬送される。
【0069】
続いて、Z搬送アーム19は、基板Pをピックアップしてその位置を保持する(ステップS8)。図2(d)は、フラックスFが印刷された基板PをZ搬送アーム19が処理部内基板移動ステージ15Aからピックアップする状況を表している。Z搬送アーム19は、図2(c)で示した高さ位置からZ搬送アーム19基板Pをピックアップすることが可能な位置まで降下基板Pをピックアップする。X搬出ステージ14は、Y搬送ライン17Aの延長線上のX搬出ライン12上に待機している。ただし、X搬出ステージ14が、待機位置に移動していないときには、Z搬送アーム19は、基板Pをピックアップした状態で、X搬出ステージ14が待機位置に移動してくるまで、その位置で待機している。
【0070】
なお、Z搬送アーム19は、フラックス印刷処理をしている間に、図2(c)で示す位置から図2(d)に示す基板Pをピックアップすることが可能な位置に移動させてもよく、処理部内基板移動ステージ15Aの移動に合わせてY方向に移動させてもよい。X搬入ステージ13は、X搬入ライン11上の他所に移動している。
【0071】
続いて、Z搬送アーム19は、処理部内基板移動ステージ15Aから基板Pをピックアップし、X搬出ステージ14に搬送する(ステップS9)。図2(e)は、フラックスFが印刷された基板PをZ搬送アーム19がX搬出ステージ14に搬送した状況を表している。Z搬送アーム19は、図2(c)で示した高さ位置からY駆動軸92を駆動し、Y搬送レーン20Aに沿ってX搬出ステージ14の上方まで基板Pを搬送し、Z駆動軸90を降下させて基板PをX搬出ステージ14に載置する。そして、基板Pが載置されたX搬出ステージ14を、X搬出ライン12によってボール振込ユニット3のX搬入ステージ34への基板受け渡し可能な位置まで移動する(ステップS10)。
【0072】
処理部内基板移動ステージ15Aに基板Pを受け渡したX搬入ステージ13は、ローダー装置5からの基板Pの受け取り可能な位置に移動し、ステップS1~ステップS10と同様な工程により、基板PにフラックスFを印刷する。また、フラックス印刷ユニット2からボール振込ユニット3に基板Pを受け渡したX搬出ステージ14は、フラックス印刷中又はフラックス印刷終了直後のフラックス印刷サブユニット2B,2C,2Dのいずれかの所定位置に移動する。
【0073】
続いて、ボール振込ユニット3の動作について図4図5を参照して説明する。
【0074】
図4は、ボール振込ユニット3における基板搬送動作を説明する説明図である。図5は、ボール振込ユニット3の動作を示す工程フロー図である。なお、ボール振込サブユニット3A,3B,3C,3Dは、動作のタイミングが異なるものの動作を同じように説明することが可能なので、ボール振込サブユニット3Aを代表例として説明する。なお、図1も参照しながら説明する。まず、図3(a)を参照して、Y搬送装置36A、処理部内基板移動ステージ35Aの構成について説明する。Y搬送装置36Aは、Y搬送レーン37A、Y搬送レーン37Aに沿ってZ駆動軸90及びZ補助駆動軸91を移動するY駆動軸92で構成されている。Z駆動軸90は、基板PをピックアップするZ搬送アーム39を有し、Z補助駆動軸91は、基板PをピックアップするZ搬送アーム38を有している。
【0075】
Z駆動軸90は、モータ駆動によりZ搬送アーム39及びZ補助駆動軸91をZ方向に移動する。Z補助駆動軸91は空気圧駆動機構であって、Z駆動軸90とは独立してZ搬送アーム38をZ方向に微小移動させる機能を有している。Z補助駆動軸91は、Z駆動軸90によってZ方向に移動されるが、X搬入ステージ34、X搬出ステージ33及び処理部内基板移動ステージ35Aの上面高さ位置相互のばらつき、つまり、基板Pの高さ位置のばらつきを吸収することが可能な構成としている。以上説明したように、Y搬送装置36Aは、フラックス印刷ユニット2側のY搬送装置16Aと同じ構成にすることが可能である。
【0076】
処理部内基板移動ステージ35Aは、X微動ステージ93及びθ微動ステージ94で構成される。処理部内基板移動ステージ35Aは、Y搬送ライン40Aによってボール振込部30Aの外側から内側に、又は内側から外側に移動される。ボール振込部30A内において、X微動ステージ93は、ボール振込用マスク110(図10参照)に対する基板PのX方向の位置合わせを行い、θ微動ステージ94は、ボール振込用マスク110に対する基板Pの回転方向の位置合わせを行う。また、Y方向の位置合わせは、Y搬送ライン40Aによって行う。以上説明したように、処理部内基板移動ステージ35Aは、フラックス印刷ユニット2側の処理部内基板移動ステージ15Aと同じ構成にすることが可能である。X搬入ライン32、X搬出ライン31及びY搬送ライン40Aは、架台95上に配置される。
【0077】
図5の工程フロー図に沿って説明する。まず、基板受け渡し装置70Aによって、フラックス印刷ユニット2のX搬出ステージ14からボール振込ユニット3のX搬入ステージ34に基板Pを搬送する(ステップS20)。続いて、空きのボール振込サブユニット3Aの位置までX搬入ステージ34を移動する(ステップS21)。なお、ここでは、基板Pがない空きのボール振込サブユニット3Aを例示して説明する。図3(a)は、Z駆動軸90を移動し、Y搬送ライン40Aの延長線上にあるX搬入ステージ34に吸着されている基板PをZ搬送アーム39がピックアップする状況を表している。このとき、処理部内基板移動ステージ35Aは、Z搬送アーム39から基板Pの受け取り可能位置に移動し待機している。なお、X搬出ステージ33は、X搬出ライン31上の、他所に移動している。
【0078】
続いて、Z搬送アーム39が、X搬入ステージ34から処理部内基板移動ステージ35Aに基板Pを搬送する(ステップS22)。図4(b)に示すように、基板PをピックアップしたZ搬送アーム39は、Y駆動軸92によってY搬送レーン37Aを移動し、処理部内基板移動ステージ35Aの上方で停止した後、処理部内基板移動ステージ35Aに基板Pを搬送する。
【0079】
続いて、基板Pを吸着保持した処理部内基板移動ステージ35Aは、ボール振込部30A内に移動する(ステップS23)。図4(c)は、基板Pがボール振込部30A内に搬送された状況を表している。Z搬送アーム38,39は、基板Pの搬送に支障がない高さに移動している。ボール振込部30A内において、基板PはX微動ステージ93、θ微動ステージ94及びY搬送ライン40Aによって、ボール振込用マスク110に対する位置合わせを行った後(ステップS24)、基板Pに微小ボール25を振り込む(ステップS25)。ボール振込方法は、図10を参照して説明する。次いで、処理部内基板移動ステージ35Aは、微小ボール25が振り込まれた基板Pをボール振込部30Aから搬出する(ステップS26)。処理部内基板移動ステージ35Aは、Y搬送ライン40AによってZ搬送アーム38が基板Pをピックアップすることが可能な位置に搬送される。
【0080】
続いて、Z搬送アーム38は、基板Pをピックアップしてその位置を保持する(ステップS27)。図4(d)は、Z搬送アーム38が処理部内基板移動ステージ35Aから微小ボール25が振り込まれた基板Pをピックアップする状況を表している。Z駆動軸90は、図4(c)で示した高さ位置からZ搬送アーム38が基板Pをピックアップすることが可能な位置まで降下させ、基板Pをピックアップする。X搬出ステージ33は、Y搬送ライン40Aの延長線上のX搬出ライン31上に待機している。ただし、X搬出ステージ33が、待機位置に移動していないときには、Z搬送アーム38は、基板Pをピックアップした状態で、X搬出ステージ33が待機位置に移動して来るまで、その位置で待機している。
【0081】
なお、Y搬送装置36Aは、ボール振込処理をしている間に、図4(c)で示す位置から図4(d)に示す基板Pをピックアップすることが可能な位置に移動させてもよく、処理部内基板移動ステージ35Aの移動に合わせて移動させてもよい。このとき、X搬入ステージ34は、X搬入ライン32上の他所に移動している。Z搬送アーム38は、基板PをピックアップしX搬出ステージ33に搬送する。
【0082】
続いて、Z搬送アーム38は、処理部内基板移動ステージ35Aから基板Pをピックアップし、X搬出ステージ33に搬送する(ステップS28)。図4(e)は、微小ボール25が振り込まれた基板PをZ搬送アーム38がX搬出ステージ33に搬送した状況を表している。Z搬送アーム38は、図4(c)で示した高さ位置でY駆動軸92を駆動し、Y搬送レーン37Aに沿ってX搬出ステージ33の上方まで基板Pを搬送し、Z搬送アーム38を降下させて基板PをX搬出ステージ33に載置する。そして、基板Pが載置されたX搬出ステージ33を、X搬出ライン31によって検査・リペアユニット4のX搬入ライン51への基板受け渡し可能な位置まで移動する(ステップS29)。
【0083】
処理部内基板移動ステージ35Aに基板Pを受け渡した後のX搬入ステージ34は、フラックス印刷ユニット2から基板Pの受け取り可能な位置に移動し、ステップS20~ステップS29と同様な工程により、基板Pに微小ボール25を振り込む。また、ボール振込ユニット3から検査・リペアユニット4に基板Pを受け渡したX搬出ステージ33は、ボール振込サブユニット3B,3C,3Dのうちのボール振込中又はボール振込終了のいずれかに移動する。
【0084】
続いて、検査・リペアユニット4の動作について図6図7を参照して説明する。
【0085】
図6は、検査・リペアユニット4における基板搬送動作を説明する説明図である。図7は、検査・リペアユニット4の動作を示す工程フロー図である。なお、検査・リペアサブユニット4A,4Bは、動作のタイミングが異なるものの同じ動作をするので、検査・リペアサブユニット4Aを代表例として説明する。なお、図1も参照しながら説明する。まず、図6(a)を参照して、Y搬送装置58A、処理部内基板移動ステージ56Aの構成について説明する。Y搬送装置58Aは、Y搬送レーン61A、Y搬送レーン61Aに沿ってZ駆動軸90及びZ補助駆動軸91を移動するY駆動軸92で構成されている。Z駆動軸90は、基板PをピックアップするZ搬送アーム60を有し、Z補助駆動軸91は、基板PをピックアップするZ搬送アーム59を有している。
【0086】
Z駆動軸90は、モータ駆動によりZ搬送アーム60及びZ補助駆動軸91をZ方向に移動する。Z補助駆動軸91は空気圧駆動であって、Z駆動軸90とは独立してZ搬送アーム59をZ方向に移動することが可能である。Z補助駆動軸91は、Z駆動軸90によってZ方向に移動されるが、X搬入ステージ53、X搬出ステージ54及び処理部内基板移動ステージ56Aの上面高さ位置相互のばらつき、つまり、基板Pの高さ位置のばらつきを吸収することが可能な構成としている。以上説明したように、Y搬送装置58Aは、フラックス印刷ユニット2のY搬送装置16A及びボール振込ユニット3のY搬送装置36Aと同じ構成にすることが可能である。
【0087】
図7の工程フローに沿って説明する。まず、基板受け渡し装置70Bによって、ボール振込ユニット3のX搬出ステージ33から検査・リペアユニット4のX搬入ステージ53に基板Pを搬送する(ステップS30)。続いて、空きの検査・リペアサブユニット4Aの位置までX搬入ステージ53を移動する(ステップS31)。なお、ここでは、基板Pがない空きの検査・リペアサブユニット4Aを例に説明する。図6(a)は、Z補助駆動軸91を移動し、Y搬送ライン57Aの延長線上にあるX搬入ステージ53に吸着されている基板PをZ搬送アーム59がピックアップする状況を表している。このとき、処理部内基板移動ステージ56Aは、Z搬送アーム59から基板Pの受け取り可能位置に移動し待機している。X搬出ステージ54は、X搬出ライン52上の、他所に移動している。
【0088】
続いて、Z搬送アーム59が、X搬入ステージ53から処理部内基板移動ステージ56Aに基板Pを搬送する(ステップS32)。図6(b)に示すように、基板PをピックアップしたZ搬送アーム59は、Y駆動軸92によってY搬送レーン61Aを移動し、処理部内基板移動ステージ56Aの上方で停止した後、処理部内基板移動ステージ56Aに基板Pを搬送する。
【0089】
続いて、基板Pを吸着保持した処理部内基板移動ステージ56Aは、検査・リペア処理部50A内に移動する(ステップS33)。図6(c)は、基板Pが検査・リペア処理部50A内に搬送された状況を表している。Z搬送アーム59,60は、基板Pの搬送に支障がない高さに移動している。検査・リペア処理部50A内において、微小ボール25の過不足、位置ずれなどを検査し(ステップS34)、リペア処理を行う(ステップS35)。過剰に振り込まれた微小ボール25は除去し、不足している位置には微小ボール25を供給し、位置ずれがある場合には、位置ずれを修正する。検査・リペア処理が終了した基板Pは、検査・リペア処理部50Aから搬出される。つまり、処理部内基板移動ステージ56Aがボール振込部30Aから基板Pを搬出する(ステップS36)。処理部内基板移動ステージ56Aは、Y搬送ライン57AによってZ搬送アーム60が基板Pをピックアップすることが可能な位置に搬送される。
【0090】
続いて、Z搬送アーム60が基板Pをピックアップしてその位置を保持する(ステップS37)。図6(d)は、Z搬送アーム60が処理部内基板移動ステージ56Aから検査・リペア処理が終了した基板Pをピックアップする状況を表している。Z駆動軸90は、図6(c)で示した高さ位置からZ搬送アーム60が基板Pをピックアップすることが可能な位置まで降下させ、基板Pをピックアップする。X搬出ステージ54は、Y搬送ライン57Aの延長線上のX搬出ライン52上に待機している。ただし、X搬出ステージ54が、待機位置に移動していないときには、Z搬送アーム60は、基板Pをピックアップした状態で、X搬出ステージ54が待機位置に移動して来るまで、その位置で待機している。
【0091】
なお、Z搬送アーム60は、検査・リペア処理をしている間に、図6(c)で示す位置から図6(d)に示す基板Pをピックアップすることが可能な位置に移動させてもよく、処理部内基板移動ステージ56Aの移動に合わせて移動させてもよい。このとき、X搬入ステージ53は、X搬入ライン51上の他所に移動している。Z搬送アーム60は、基板PをピックアップしX搬出ステージ54に搬送する。
【0092】
続いて、Z搬送アーム60は、処理部内基板移動ステージ56Aから基板Pをピックアップし、X搬出ステージ54に搬送する(ステップS38)。図6(e)は、検査・リペア処理が終了した基板PをZ搬送アーム60がX搬出ステージ54に搬送した状況を表している。Z搬送アーム60は、図6(c)で示した高さ位置でY駆動軸92を駆動し、Y搬送レーン61Aに沿ってX搬出ステージ54の上方まで基板Pを搬送し、Z搬送アーム60を降下させて基板PをX搬出ステージ33に載置する。そして、基板Pが載置されたX搬出ステージ54を、X搬出ライン52によって次工程の装置55のX搬入ライン(図示は省略)への基板受け渡し可能な位置まで移動する(ステップS39)。
【0093】
処理部内基板移動ステージ56Aに基板Pを受け渡した後のX搬入ステージ53は、ボール振込ユニット3から基板Pの受け取り可能な位置に移動し、ステップS30~ステップS39と同様な工程により、基板Pの検査・リペア処理を行う。また、ボール振込ユニット3から次工程の装置55に基板Pを受け渡したX搬出ステージ54は、検査・リペアサブユニット4Bに移動する。処理部内基板移動ステージ56Aは、次の基板Pが搬送されるまでその位置で待機する。
【0094】
続いて、フラックス印刷部10及びボール振込部30の構成及び動作につて図9図10を参照して説明する。まず、ボール搭載対象となる基板Pの構成について図8を参照して説明する。
【0095】
図8は、ボール搭載装置1において、ボール搭載対象となる基板Pの1構成例を示す説明図である。図8(a)は、基板Pの構成を示す平面図である。図8(a)に示すように、基板Pは、大判の基板P0を固片化したPCB(Printed Circuit board)や、ガラス基板などである。図8(a)に示す例は、基板Pは、大判の基板P0を18分割しているが、分割数や分割方法はこれに限らない。基板Pには、電極形成領域100を有している。図8(b)は、電極形成領域100を拡大して示す平面図であり、図8(c)は、電極形成領域100の断面の一部を拡大して示す断面図である。図8(c)に示すように、電極形成領域100には、多数の電極101が設けられている。基板Pの表面には、電極開口部106を有するレジストRが印刷されていて、電極開口部106内に電極101が露出するよう形成されている。なお、基板Pが再配線基板の場合には、電極開口部106は、凹部として形成される。電極101のピッチは、大略50μm~400μmである。図8は、基板Pに形成された電極101と、電極101が形成されている電極形成領域100の配置とを説明するためのものであり、101の大きさ、分布や電極形成領域100の形状は実物とは異なる。
【0096】
ボール搭載装置1のボール搭載対象となる基板Pは、上記のように固片化されている。従来のボール搭載では、大判の基板P0の状態でボール振込を行うのが一般的である。しかし、大判の基板P0は、基板製造時に反りや寸法変化が大きくなりがちであって、ボール振込エラーが発生しやすくなる可能性がある。また、フラックス印刷マスク103や、ボール振込用マスク110と電極パターンの位置ずれが発生することもある。そこで、ボール搭載装置1は、反り、寸法変化及びマスク位置ずれを防ぐために、固片化した基板Pを使用している。
【0097】
(フラックス印刷部10の動作)
図9は、フラックスFを基板Pに印刷するフラックス印刷部10の動作を示す説明図である。図9(a)はフラックス印刷動作を模式的に示す断面図、図9(b)は、図9(a)の点線Aで囲まれた範囲を拡大して示す図である。フラックスFの印刷は、基板Pを処理部内基板移動ステージ15(具体的には、θ微動ステージ94)に真空吸着孔102によって真空吸着した状態で、フラックス印刷マスク103及び印刷用スキージ104を使用して行う。印刷用スキージ104は、フラックス印刷マスク103を傷つけないように柔軟性を有する樹脂製とする。
【0098】
印刷用スキージ104は、フラックス印刷マスク103を基板Pに接触する位置まで押圧しつつ図示矢印方向に移動しながらフラックスFを基板Pの電極101上に印刷する。図9(b)において、左側のマスク開口部105の位置を位置(1)、中間のマスク開口部105の位置を位置(2)、右側のマスク開口部105の位置を位置(3)とする。
【0099】
位置(1)は、印刷用スキージ104がマスク開口部78を通過した直後のフラックスFを表しており、フラックスFはフラックス印刷マスク103の表面からはみ出ない。そして、フラックスFは、電極開口部106内において電極101に接触するように収まる。位置(2)は、印刷用スキージ104がマスク開口部105から基板PにフラックスFを印刷する直前を表している。位置(3)は、次に印刷するマスク開口部105を表している。スキージ動作終了後にフラックス印刷マスク103を版離れさせると、フラックスFが電極101に転写されフラックス印刷が完了する。フラックスFが印刷された基板Pは、基板受け渡し装置70Aによってボール振込ユニット3に搬送され、ボール振込(ボール搭載)が行われる。
【0100】
(ボール振込部30の動作)
図10は、基板Pに微小ボール25を振り込むボール振込部30の動作を示す図である。図10(a)はボール振込動作を模式的に示す断面図、図10(b)は、図10(a)の点線Aで囲まれた範囲を拡大して示す図である。ボール振込部30において、ボール振込はフラックスFが印刷された基板Pを処理部内基板移動ステージ35(具体的には、θ微動ステージ94)に真空吸着した状態でボール振込用マスク110及びブラシスキージ111を使用して行う。ブラシスキージ111は、ボール振込部112下方のブラシ取付け部113に端部が埋め込まれた結束線状部材で構成されている。ボール振込用マスク110は、θ微動ステージ94の真空吸着孔114とクランプリング115に設けられた真空吸着孔116によって真空吸着される。ボール振込用マスク110は基板P及びクランプリング115の両上面に密接し、基板Pの外周付近においてもボール振込が可能となっている。
【0101】
ブラシスキージ111は、回転しつつX方向及びY方向に移動し、ボール振込部112からブラシスキージ111の回転軌跡内に供給された微小ボール25をボール振込用マスク110のボール振込用孔117に振り込む。
【0102】
図10(b)に示すように、ボール振込用マスク110上に供給された微小ボール25は、ブラシスキージ111によってボール振込用孔117に1個ずつ振り込まれる。基板Pの電極101上にはフラックスFが塗布されている。微小ボール25は、ブラシスキージ111でフラックスFに軽く押しつけられ、フラックスFの粘着性によって仮固定され、その後の基板Pの搬送において仮固定された状態が維持される。
【0103】
ボール搭載装置1は、フラックス印刷ユニット2がフラックス印刷サブユニット2A~2Dを有し、ボール振込ユニット3がボール振込サブユニット3A~3Dを有し、検査・リペアユニット4が検査・リペアサブユニット4A,4Bを有して構成されている。そして、空きの各サブユニットがあれば、その空きサブユニットに基板Pを搬送し、フラックス印刷、ボール振込及び検査・リペア処理を並行して処理することができる。
【0104】
また、フラックス印刷サブユニット2A~2D、ボール振込サブユニット3A~3D及び検査・リペアサブユニット4A,4Bは、X方向に直列に配置されている。また、フラックス印刷ユニット2、ボール振込ユニット3及び検査・リペアユニット4が、それぞれが基板PをX方向に搬送するX搬入ライン11,32,51及びX搬出ライン12,31,52を有し、Y方向に搬送するY搬送ライン17A~17D,40A~40D,57A,57Bを有している。X搬入ライン11,32,51、X搬出ライン12,31,52、及びY搬送ライン17A~17D,40A~40D,57A,57Bの各々が、フラックス印刷、ボール振込、検査・リペアの各処理実行中であっても、基板Pを移動させることができるため、基板搬送に関わる時間をタクトタイムから省略することが可能となる。その結果、全体としてのタクトタイムを短縮することが可能となり、ボール搭載効率を高めることが可能となる。
【0105】
例えば、フラックス印刷サブユニット2A~2D、ボール振込サブユニット3A~3D及び検査・リペアサブユニット4A,4Bの一つに不具合が発生したとしても、ボール搭載装置1の稼働を停止することなく生産を継続することが可能となる。
【0106】
また、フラックス印刷ユニット2が備えるX搬出ライン12の延長線上にボール振込ユニット3が備えるX搬入ライン32が配置され、ボール振込ユニット3が備えるX搬出ライン31の延長線上に検査・リペアユニット4のX搬入ライン51が配置されている。したがって、フラックス印刷後の基板Pは、ボール振込ユニット3に直線上を搬送され、ボール振込後の基板Pは、検査・リペアユニット4に直線上を搬送されるため、隣り合う各ユニット間の基板搬送が直線方向のみとなり、Y方向に移動がないため、基板Pのスループットを向上させることが可能となる。
【0107】
また、フラックス印刷ユニット2のX搬出ライン12とボール振込ユニット3のX搬入ライン32との間に基板受け渡し装置70Aが配置され、ボール振込ユニット3のX搬出ライン31と検査・リペアユニット4のX搬入ライン51との間に基板受け渡し装置70Bが配置されている。以上のことから、隣り合う各ユニット間の基板搬送が直線方向のみとなり、Y方向に移動がないため、基板Pのスループットを向上させることが可能となり、さらに、基板受け渡し装置70A,70Bの省スペース化及び構造の簡素化を実現することが可能となる。
【0108】
フラックス印刷サブユニット2A~2D、ボール振込サブユニット3A~3D及び検査・リペアサブユニット4A,4Bは、それぞれが基板PをY方向に搬送するY搬送装置16A~16D,36A~36D,58A,58Bを有している。これらの各Y搬送装置は、基板Pをピックアップすることが可能なY方向に離間して配置される2本で一組のZ搬送アーム18,19、Z搬送アーム38,39、Z搬送アーム59,60を有している。
【0109】
フラックス印刷サブユニット2Aを例に説明すると、一方のZ搬送アーム18がX搬入ステージ13から処理部内基板移動ステージ15Aに基板Pを搬送し、他方のZ搬送アーム19が処理部内基板移動ステージ15AからX搬出ステージ14に基板Pを搬送する。他の各サブユニットにおいても同様に、どちらか一方の各Z搬送アームが各X搬入ステージから各処理部内基板移動ステージに基板Pを搬送し、他方の各Z搬送アームが各処理部内基板移動ステージから各X搬出ステージに基板Pを搬送する。このようにすることによって、各Y搬送装置は、Y方向のみに基板Pを搬送するため、移動距離を最小限に抑えることができ、しかも、各Y搬送装置は、それぞれが独立し、かつ並行移動させることができることから、基板PのY方向への移動時間は、タクトタイムに影響を与えない。
【0110】
例えば、フラックス印刷サブユニット2Aにおいて、X搬入ステージ13から処理部内基板移動ステージ15Aに基板Pを搬送するとき、X搬入ステージ13、処理部内基板移動ステージ15A及びフラックス印刷部10Aが、Y方向直線上に配置される。また、処理部内基板移動ステージ15AからX搬出ステージ14に基板Pを搬送するとき、X搬出ステージ14、処理部内基板移動ステージ15A及びフラックス印刷部10Aが、Y方向直線上に配置される。フラックス印刷サブユニット2B~2Dにおいても、フラックス印刷サブユニット2Aと同様に説明できる。
【0111】
例えば、ボール振込サブユニット3Aにおいて、X搬入ステージ34から処理部内基板移動ステージ35Aに基板Pを搬送するとき、X搬入ステージ34、処理部内基板移動ステージ35A及びボール振込部30Aが、Y方向直線上に配置される。また、処理部内基板移動ステージ35AからX搬出ステージ33に基板Pを搬送するとき、X搬出ステージ33、処理部内基板移動ステージ35A及びボール振込部30Aが、Y方向直線上に配置される。ボール振込サブユニット3B~3Dにおいてもボール振込部30Aと同様に説明できる。
【0112】
例えば、検査・リペアサブユニット4Aにおいて、X搬入ステージ53から処理部内基板移動ステージ56Aに基板Pを搬送するとき、X搬入ステージ53、処理部内基板移動ステージ56A及び検査・リペア処理部50Aが、Y方向直線上に配置される。また、処理部内基板移動ステージ56AからX搬出ステージ54に基板Pを搬送するとき、X搬出ステージ54、処理部内基板移動ステージ56A及び検査・リペア処理部50Aが、Y方向直線上に配置される。検査・リペアサブユニット4Bにおいても検査・リペア処理部50Aと同様に説明できる。
【0113】
このように、各X搬入ステージ又は各X搬出ステージ、各処理部内基板移動ステージと、フラックス印刷部10、ボール振込部30又は検査・リペア処理部50はY方向直線上に配置される。このことから、基板Pは、Y方向のみで移動で搬送できるため、他のサブユニットの動きに干渉されないため、Y搬送装置16,36,58の移動の高速化、省スペース化及び構造の簡素化を実現することが可能となる。また、X搬入ステージ13,34,53、処理部内基板移動ステージ15A~15D,35A~35D,56A,56Bの基板載置面の高さを同じにしていることから、Y搬送装置16A~16D,36A~36D,58A,58Bの構造を簡素化することが可能となる。
【0114】
本発明のボール搭載方法においては、フラックス印刷処理時に、ボール振込処理及び検査・リペア処理を同時並行して行うことが可能である。また、フラックス印刷ユニット2においては、フラックス印刷サブユニット2A~2Dのうち、少なくとも2つのサブユニットでフラックス印刷処理を並行して行うことが可能であり、ボール振込ユニット3においては、ボール振込サブユニット3A~3Dの内、少なくとも2つのサブユニットでボール振込処理を並行して行うことが可能である。
【0115】
基板Pは、フラックス印刷サブユニット2A~2Dのうちの空きのサブユニットに搬送され、基板PにフラックスFを印刷する。また、基板Pは,ボール振込サブユニット3A~3Dのうちの空きのサブユニットに搬送され、基板Pに微小ボール25を振り込む。また、基板Pは、検査・リペアサブユニット4A,4Bの内の空きのサブユニットに搬送され、基板Pの検査・リペア処理を行う。
【0116】
このようなボール搭載方法によれば、フラックス印刷処理、ボール振込処理及び検査・リペア処理を間断なく、処理することができることから、基板Pへの微小ボール25の搭載に係る生産効率を高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0117】
1…ボール搭載装置、2…フラックス印刷ユニット、2A~2D…フラックス印刷サブユニット、3…ボール振込ユニット、3A~3D…ボール振込サブユニット、4…検査・リペアユニット、4A~4B…検査・リペアサブユニット、5…ローダー装置、10,10A~10D…フラックス印刷部、11,32,51…X搬入ライン、12,31,52…X搬出ライン、13,34,53…X搬入ステージ、14,33,54…X搬出ステージ、15,15A~15D,35,35A~35D,56,56A,56B…処理部内基板移動ステージ、16,16A~16D,36,36A~36D,58,58A,58B…Y搬送装置、17,17A~17D,40A~40D,57,57A,57B,84…Y搬送ライン、18,19,38,39,59,60,72,74,76…Z搬送アーム、20A~20D,37,37A~37D,61A、61B…Y搬送レーン、25…微小ボール、30,30A~30D…ボール振込部、50A,50B…検査・リペア処理部、55…次工程の装置、70A~70C…基板受け渡し装置、92…Y駆動軸、112…ボール振込部、F…フラックス、P…基板、P0…大判の基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10