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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045897
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】保冷容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/38 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
B65D81/38 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150977
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】520177758
【氏名又は名称】株式会社共走
(74)【代理人】
【識別番号】100178331
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 宏二
(72)【発明者】
【氏名】土岐 恭一郎
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB01
3E067BA05B
3E067BA12C
3E067BB17B
3E067BC06B
3E067BC06C
3E067CA18
3E067DA03
3E067DA08
3E067EA17
3E067EA32
3E067EB17
3E067EB22
3E067EB27
3E067EE40
3E067FA01
3E067FC01
3E067GA01
3E067GD01
3E067GD04
3E067GD10
(57)【要約】
【課題】 繰り返しの使用でも、高い保冷効果を維持できる保冷容器を提供すること。
【解決手段】 柔軟性を有するシートで形成された外殻壁1aの内面に沿って底面用断熱板3a及び前後左右の側面用断熱板4a,5a,6a,7aが設けられ、天井面に開口1bを設けた容器本体1と、容器本体1の開口縁に連続した外殻壁1aの内面に天井用断熱板10が設けられ、開口1bを開閉可能にする蓋体2とを備え、容器本体1の内形状は、四角形の底面3cと、この底面3cから起立し、下底の長さが上底の長さより小さい台形からなる4つの側面4b,5b,6b,7bとを備えた角錐台形状であり、天井用断熱板10は、開口1bに一致し、開口1b内に押し込まれる長方形である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有するシートで形成された外殻壁の内面に沿って底面用断熱板及び前後左右の側面用断熱板が設けられ、天井面を開口した容器本体と、
上記容器本体の開口縁に連続した外殻壁の内面に天井用断熱板が設けられ、上記開口を開閉可能にする蓋体と
を備え、
上記容器本体の内側形状は、
四角形の底面と、この底面から起立し、下底の長さが上底の長さより小さい台形からなる4つの側面とを備えた角錐台形状であり、
上記天井用断熱板は、上記開口に一致する四角形である
保冷容器。
【請求項2】
上記容器本体の底面は、その外周を形成する稜線のうち、少なくとも対向する一対の稜線に沿った帯状の低摩擦部材を備えた
請求項1に記載の保冷容器。
【請求項3】
上記底面用断熱板及び側面用断熱板は、上記外殻壁から分離可能にされ、
上記外殻壁は、特定の折り線に沿って折り畳み可能にされた請求項1又は2に記載の保冷容器。
【請求項4】
上記外殻壁には、上記折り線に一致するステッチが設けられた請求項3に記載の保冷容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷凍食品などを搬送するために使用する、保冷容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、生ものや冷凍食品などを、低温で保持するための保冷容器が開発されている。
このような保冷容器は、周囲が、断熱性が高い断熱材で囲まれている。
例えば、特許文献1の保冷容器は、半硬質の合成樹脂の独立気泡構造を有する発泡体で作られた容器本体と蓋体とからなり、これらをシート状の断熱保護材のバッグ内に収容してバッグの蓋を閉じることで断熱ボックスの蓋体が容器本体の開口に密着するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3052676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような保冷容器では、繰り返しの使用の間に、断熱容器本体及び蓋体を構成している発泡体からなる断熱材が圧縮変形してしまうことがあった。断熱材の変形により、容器本体の開口形状などが変形しまうと、開口と蓋体との間に隙間ができてしまう。そのため、上記隙間を介して、容器本体内と外部とが連通して、容器本体内の冷気を保てなくなるという問題があった。
この発明の目的は、繰り返しの使用に耐え、高い保冷効果を長期間にわたって維持できる、保冷容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、柔軟性を有するシートで形成された外殻壁の内面に沿って底面用断熱板及び前後左右の側面用断熱板が設けられ、天井面を開口した容器本体と、上記容器本体の開口縁に連続した外殻壁の内面に天井用断熱板が設けられ、上記開口を開閉可能にする蓋体とを備え、上記容器本体の内側形状は、四角形の底面と、この底面から起立し、下底の長さが上底の長さより小さい台形からなる4つの側面とを備えた角錐台形状であり、上記天井用断熱板は、上記開口に一致する四角形であることを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、上記容器本体の底面が、その外周を形成する稜線のうち、少なくとも対向する一対の稜線に沿った帯状の低摩擦部材を備えたことを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、上記底面用断熱板及び側面用断熱板が、上記外殻壁から分離可能にされ、上記外殻壁は、特定の折り線に沿って折り畳み可能にされたことを特徴とする。
【0008】
第4の発明は、上記外殻壁には、上記折り線に一致するステッチが設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1の発明によれば、四角形の蓋体を容器本体の開口内にはめ込んで開口を閉じることができる。四角形の開口に一致する四角形の板状の蓋体が押し込まれて開口の内周と密着するので、冷気が逃げたり、外気が侵入したりすることなく、保冷効果を保つことができる。
特に、容器本体の内側形状が底面に向かって断面積が小さくなるような角錐台形状をしているので、繰り返しの使用によって、開口がわずかに広がるようなことがあっても、底面に向かって押し込まれる蓋体が隙間を閉じることができる。したがって、繰り返しの使用によって容器本体の開口が変形するようなことがあっても、保冷効果を保つことができる。
また、断熱板を囲む外殻壁を断熱性の高いシート材で構成すれば、より断熱性を高めることができるし、外角壁に持ち手などを取り付けて、搬送性を高めることもできる。
【0010】
第2の発明によれば、外底面と容器本体の載置面との間の摩擦が小さくなり、載置面上を滑らせて、容器本体を移動させることができるようになる。床面などに置かれた保冷容器の位置を容易に整えられる。
【0011】
第3の発明によれば、保冷容器を使用していないときに、断熱板を分離して外殻壁を折り畳んで収容することができる。したがって、保管場所の省スペース化ができる。
また、第3の発明によれば、容器本体の内側形状が底面に向かって断面積が小さくなるような角錐台形状をしているので、蓋体と同様な効果として、繰り返しの使用によって容器本体の側面が外側に広がるようなことがあっても、底面用断熱板と容器本体の側面との密着を維持させることができる。
【0012】
第4の発明によれば、ステッチによって折り線が明確になるため、外殻壁の折り畳み作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は実施形態の保冷容器の外観斜視図である。
図2図2は実施形態の底面図である。
図3図3は実施形態の蓋体の部分拡大図である。
図4図4は実施形態の左側面図である。
図5図5は実施形態の保冷容器の折り畳み状態を示した図である。
図6図6は実施形態の密封状態を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態]
以下にこの発明の実施形態を図に従って説明する。
図1は保冷容器の外観斜視図である。図2は実施形態の底面図、図3は蓋体の部分拡大図、図4は実施形態の左側面図、図5は実施形態の保冷容器の折り畳み状態を示した図である。図6は実施形態の密封状態を説明する模式図である。
【0015】
実施形態の保冷容器は、大型であるが人が持ち運び可能な大きさの保冷容器である。保冷容器は、図1に示す容器本体1と、蓋体2とからなる。
上記容器本体1は、図2に示すような長方形の底面部3と、前面部4、背面部5、左側面部6及び右側面部7とからなり、前面部4、背面部5、左側面部6及び右側面部7の上端の天井面に開口1bを備えている。上記面部4、背面部5、左側面部6及び右側面部7の形状は、図1,3に示すように、いずれも下底の長さが上底の長さより小さい台形である。したがって、容器本体1の外形は、底面部3に向かって断面積が小さくなる角錐台形状となる。
【0016】
また、上記容器本体1は、柔軟性を有するシートを角錐台形状に縫い合わせた袋状の外殻壁(外殻シート)1aの内面に沿って、底面側、側面側それぞれに底面用断熱板3a及び側面用断熱板4a,5a,6a,7aが配置されている。これら底面用断熱板3a、側面用断熱板4a,5a,6a,7aはポリウレタンやスチロールなどの合成樹脂の発泡体からなる。
さらに、断熱板3a,4a,5a,6a,7aはそれぞれ、その表面は図示しない内側シート材で覆われている。図では、各断熱板3a,4a,5a,6a,7aを覆う内側シート材を省略しているが、実際には、全ての断熱板3a,4a,5a,6a,7aは上記内側シート材で覆われ、むき出しになることはない。
【0017】
上記断熱板3a,4a,5a,6a,7aは、それぞれ底面部3、前面部4、背面部5、左側面部6及び右側面部7に配置されるため、底面用断熱板3aは長方形、側面用断熱板4a,5a,6a,7aは、下底の長さが上底の長さより小さい等脚台形である。
したがって、この容器本体1の内側形状は、底面となる底面用断熱板3aの上面3cと、底面から起立した台形の4つの側面である側面用断熱板4a,5a,6a,7aの内壁面4b,5b,6b,7bとで囲まれた角錐台形状となる。
【0018】
ここで、左右側面部6,7の側面用断熱板6a,7aは、それぞれの一端を前面部4の側面用断熱板4aの両端の内側面に当て、他端の内側面で背面部5の側面用断熱板5aを挟むようにして起立している。そして、側面用断熱板4a,5a,6a,7aで囲まれた底面部3に上記底面用断熱板3aがはめ込まれ、これら底面用断熱板3a及び側面用断熱板4a,5a,6a,7aが上記外殻壁1a内に配置されている。
なお、上記外殻壁1aは、例えばテントに用いられる塩ビ素材など、物理的強度及び耐久性が高いシート素材で構成されている。
【0019】
そして、前後の側面用断熱板4a,5aは上記内側シート材によって外殻壁1aに固定され、それぞれ容器本体1の前面部4及び背面部5を形成している。
また、底面用断熱板3aは、背面部5側の一辺のみが内側シート材を介して背面部5の側面用断熱板5aと連結され、前面部4側の辺には引き上げテープ3bが取り付けられている(図5参照)。この引き上げテープ3bを引き上げることで、底面用断熱板3aを側面用断熱板5aに沿って起立させることができる。、
【0020】
さらに、左右の側面用断熱板6a,7aは、それぞれ、分割線8を境に後方部6a1,7a1と前方部6a2,7a2とに分割されている。これらの分割部分は、図示しない上記内側シート材で囲まれ、容器本体1の内側となる面のみが連結されている。そして、後方部6a1,7a1は背面部5に固定されているが、前方部6a2,7a2は左右側面部6,7の外殻壁1aや、前面部4側の側面用断熱板4aには固定されずに移動可能にされている。
【0021】
そして、当該保冷容器の非使用時(収容時)には、底面用断熱板3aを起立させ、上記前方部6a2,7a2を内方へ折り畳むことができるようになっている。ただし、当該保冷容器の使用時には、左右の側面用断熱板6a,7a間に上記底面用断熱板3aが押し込まれて、両側面用断熱板6a,7aの対向間隔と起立状態とを保つようにしている。
【0022】
一方、蓋体2は、容器本体1の背面部5側で開口縁から連続した外殻壁1aの内側に設けたベース板9と、さらに内側に設けた天井用断熱板10とを備えいている。これらベース板9及び天井用断熱板10は、他の断熱板と同様に合成樹脂製の発泡体からなり、図示しない内側シート材で覆われて一体化されている。
上記天井用断熱板10は、所定の厚みを有する長方形の板材で、その外周が容器本体1の開口1bに略一致する寸法を備えている。
【0023】
また、天井用断熱板10の外周には、図3に示すようにシート材を巻いて形成したシール帯11が縫い付けられている。このシール帯11は天井用断熱板10などを覆う内側シート材の端部を利用して形成することもできるが、別部材で形成してもよい。
この実施形態では、上記のようなシール帯11を、底面用断熱板3aの外周にも設けている。
【0024】
さらに、蓋体2を構成するベース板9において、容器本体1に連結されている辺以外の三辺には、それぞれ面ファスナーのループ面又はフック面を有するフラップ9a,9b,9cが形成されている。そして、上記各フラップ9a,9b,9cと結合するフック面又はループ面を有するファスナーテープ12が、容器本体1の前面部4,左右側面部6,7の外表面の上部に取り付けられている(図1,4参照)。
【0025】
また、天井用断熱板10において、容器本体1の内側となる面には、一対の固定部13,13が設けられている(図1参照)。この固定部13は、保冷容器の収納時に固定バンド14を貼り付けるための面ファスナーのループ面又はフック面である。そして、この固定部13に結合可能なフック面又はループ面を有する固定バンド14が、左右側面部6,7に取り付けられている。
例えば、図4に示す左側面部6には、一端が前面部4側に固定された固定バンド14の他端側を、左側面部6に設けた固定部15に着脱自在に固定している。右側面部7にも、左側面部6と同様に固定部15及び固定バンド14が設けられている。
【0026】
また、容器本体1の底面を構成する底面部3には、図2に示すように、対向する一対の稜線に沿って帯状の低摩擦部材である低摩擦テープ16,16が取り付けられている。低摩擦テープ16は、例えばテトロン(登録商標)製などで、強度があり、外殻壁1aを構成する素材と比べて圧倒的に摩擦係数が小さい材質である。
【0027】
そして、前面部4及び背面部5には、長短2本の持ち手17a,17bが取り付けられている(図1参照)。
さらに、左右側面部6,7と底面部3の外殻壁1aには、一点鎖線で示したステッチsが設けられている。このステッチは、外殻壁1aを折りたたむ際の折り線となる。
【0028】
[作用及び効果等]
この実施形態の保冷容器の使用例を説明する。
図5は、当該保冷容器の非使用時の折り畳み状態を示している。
空の容器本体1の折り畳み手順は以下のとおりである。
【0029】
まず、蓋体2を完全に開いて背面部5の表面に沿わせる。
次に、引き上げテープ3bを引き上げて、底面用断熱板3aを、背面部5に沿うように起立させる。底面用断熱板3aが底面部3の外殻壁1aから分離されれば、側面用断熱板6a,7aの前方部6a2,7a2が当該底面用断熱板3aによる拘束から解除されて自由になるので、側面用断熱板6a,7aを分割線8で折り曲げるようにして前方部6a2,7a2を内側へ移動させる。
前方部6a2,7a2が移動して外殻壁1aから分離すれば、前方部6a2,7a2が内側に配置されていた外殻壁1aの部分を上記ステッチsで示した折り線に沿って折り畳み、前面部4の側面用断熱板4aと左右側面部6,7の側面用断熱板6a,7aとの間に折り込むことができる。
【0030】
その後、固定バンド14の他端側を左右側面部6,7の固定部15,15から外し、背面部5に沿った蓋体2の固定部13,13に固定して折り畳み状態を保持する。
このように、折り畳むことで保冷容器の外形を小さくすることができるので、保冷容器の非使用時に、当該保冷容器の保管場所の省スペース化ができる。
【0031】
一方、保冷容器の使用時には、折り畳み手順とは逆の手順で、容器本体1を角錐台形状に組み立てることができる。
すなわち、図1に示したように、起立させた側面用断熱板4a,5a,6a,7aの中央に、底面用断熱板3aを外殻壁1aの底面に強い力で押し込むようにして容器本体1を構成する。そのため、保冷容器の商品出荷時で、底面用断熱板3a長方形の面積は、側面用断熱板4a,5a,6a,7aの下端の内周で囲まれた底面の大きさと同等かそれよりも大きくなっていることが好ましい。底面用断熱板3aの方が大きければ、底面用断熱板3aと側面用断熱板4a,5a,6a,7aとが密着するからである。
また、容器本体1の組み立て時に、底面に押し込まれる底面用断熱板3aは、その外周に蓋体2に設けたシール帯11と同様のシール帯が設けられているため、このシール帯によっても、側面用断熱板4a,5a,6a,7aとの間が密閉され、底面部3から冷気が漏れたり外気が侵入したりするようなことがない。
また、上記底面用断熱板3aは長方形の板部材で、容器本体1の内側形状は、底面に向かって断面積が小さくなる角錐台形状なので、底面用断熱板3aは、断面積が小さくなる方向に押し込まれて側面用断熱板4a,5a,6a,7aに密着することになる。したがって、繰り返しの使用によって容器本体の側面が外側に広がるようなことがあっても、底面用断熱板3aと容器本体の側面(側面用断熱板4a,5a,6a,7a)との密着を維持させることができる。
【0032】
また、容器本体1内に保冷対象物を収容して蓋体2を閉じるときには、天井用断熱板10を開口1b内に押し込むようにする。
上記天井用断熱板10は長方形の板部材で、容器本体1の内側形状は、底面に向かって断面積が小さくなる角錐台形状なので、天井用断熱板10は、図6のように断面積が小さくなる方向に押し込まれて開口1bを密封することになる。また、天井用断熱板10の周囲に設けたシール帯11によって密閉性をより上げることができる。
なお、蓋体2を閉じたときには、ベース板9の周囲に設けられたフラップ9a,9b,9cを容器本体1側のファスナーテープ12に貼り付けて蓋体2を固定することができる。
【0033】
そして、当該保冷容器は、繰り返しの使用によって、側面用断熱板4a,5a,6a,7aが圧縮変形してしまう可能性もあるが、開口1bが初期より拡大してしまうようなことがあっても、蓋体2を強く押し込むことによって、断面積が小さい部分を閉鎖できるので、蓋体2による密閉状態を維持することができる。つまり、長期にわたって保冷効果を維持できる。
【0034】
また、底面部3の稜線に沿った低摩擦テープ16を取り付けているため、保冷対象物を収容した保冷容器を、持ち手17aや17bを引っぱって床面上をスムーズに移動させることができる。この低摩擦テープ16は、面ファスナーなどを利用して上記稜線部分に対して着脱可能にし、摩耗時に交換できるようにしてもよい。
なお、長さの異なる持ち手17a,17bを備えているので、容器本体1を持ち上げたり、引きずったり、作業者の身長や用途に応じて使い分けることができる。
【0035】
上記では、底面用断熱板3a及び側面用断熱板6a,7aの一部を外殻壁1aから分離可能にして容器本体1を折り畳めるようにしているが、断熱板を外殻壁1aから完全に取り外して折り畳み可能にしてもよい。または、断熱板と外殻壁1aとを一体化し、折り畳むことができない構成にしてもかまわない。
なお、断熱効果の高い容器本体1は、保冷用だけでなく、保温用として用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
保冷対象物の搬送に適している。
【符号の説明】
【0037】
1 容器本体
1a 外殻壁
1b 開口
2 蓋体
3 底面部
3a 底面用断熱板
4 前面部
5 背面部
6 左側面部
7 右側面部
4a,5a,6a,7a 側面用断熱板
10 天井用断熱板
16 低摩擦テープ
s (折り線)ステッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6