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特開2024-45906業務支援装置、業務支援方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045906
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20240101AFI20240327BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150990
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 裕之
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC27
(57)【要約】
【課題】契約時の販売手数料を請求する業務において作業者の負荷を減らして効率良く販売手数料を知ることを可能とする。
【解決手段】本実施形態では、業務支援装置は、制御部を備え、前記制御部は、不動産の販売契約が成立したときに売主から販売会社へ支払う契約時販売手数料を定める複数の条件 から売主と販売会社との間で定めた条件を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した条件と、前記不動産に係る価格と、前記販売会社へ前記不動産の買主から支払われた手付金の金額と、予め定められた手数料率とに基づいて、前記契約時販売手数料を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した前記契約時販売手数料の金額を出力する出力手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える業務支援装置であって、
前記制御部は、
不動産の販売契約が成立したときに売主から販売会社へ支払う契約時販売手数料を定める複数の条件から売主と販売会社との間で定めた条件を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した条件と、
前記不動産に係る価格と、
前記販売会社へ前記不動産の買主から支払われた手付金の金額と、予め定められた手数料率とに基づいて、前記契約時販売手数料を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記契約時販売手数料の金額を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
前記算出手段は、前記取得手段が取得した条件と前記販売会社へ前記不動産の買主から支払われた手付金の金額とに基づいて、前記不動産を前記買主へ引き渡したあとで売主から販売会社へ支払う引渡時販売手数料を算出し、
前記出力手段は、引渡時販売手数料の金額を出力する
請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記不動産の売主が複数である場合、複数の売主毎に契約時販売手数料を算出し、
前記出力手段は、前記複数の売主毎に契約時販売手数料を出力する
請求項1又は請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記契約時販売手数料の金額を請求するファイルを前記売主へ送信する
請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項5】
制御部を備える業務支援装置で実行される業務支援方法であって、
前記制御部で実行される、
不動産の販売契約が成立したときに売主から販売会社へ支払う契約時販売手数料を定める複数の条件から売主と販売会社との間で定めた条件を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した条件と、前記不動産に係る価格と、前記販売会社へ前記不動産の買主から支払われた手付金の金額と、予め定められた手数料率とに基づいて、前記契約時販売手数料を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された前記契約時販売手数料の金額を出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする業務支援方法。
【請求項6】
コンピュータに、
不動産の販売契約が成立したときに売主から販売会社へ支払う契約時販売手数料を定める複数の条件から売主と販売会社との間で定めた条件を取得する取得処理と、
前記取得処理で取得した条件と、
前記不動産に係る価格と、
前記販売会社へ前記不動産の買主から支払われた手付金の金額と、予め定められた手数料率とに基づいて、前記契約時販売手数料を算出する算出処理と、
前記算出処理で算出された前記契約時販売手数料の金額を出力する出力処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、不動産の売買について買主と売買契約が成約した段階で仲介業者に支払う売り媒介手数料を提示するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-331729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仲介業者は、マンションの売主である事業主(デベロッパー)とマンションの買主(契約者)とを仲介する。売主と買主との間でマンションの売買契約を結ぶ際には、買主は手付金を仲介業者に送金し、仲介業者は、送金された手付金を売主へ送金する。仲介業者は、販売の仲介の際の販売手数料で利益を得るが、手付金が少額である際に売主へ契約時の販売手数料を請求できるか否かの条件を販売会社と売主との間で定めることが多い。仲介業者から売主へ契約時の販売手数料を請求するにあたり、仲介業者の担当者がこのような請求の条件を熟知して手数料の計算を行うのは大きな負担となる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、契約時の販売手数料を請求する業務において作業者の負荷を減らして効率良く販売手数料を知ることを可能とする業務支援装置、業務支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、制御部を備える業務支援装置であって、前記制御部は、不動産の販売契約が成立したときに売主から販売会社へ支払う契約時販売手数料を定める複数の条件から売主と販売会社との間で定めた条件を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した条件と、前記不動産に係る価格と、前記販売会社へ前記不動産の買主から支払われた手付金の金額と、予め定められた手数料率とに基づいて、前記契約時販売手数料を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した前記契約時販売手数料の金額を出力する出力手段と、を備えること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記算出手段は、前記取得手段が取得した条件と前記販売会社へ前記不動産の買主から支払われた手付金の金額とに基づいて、前記不動産を前記買主へ引き渡したあとで売主から販売会社へ支払う引渡時販売手数料を算出し、前記出力手段は、引渡時販売手数料の金額を出力するようにしてもよい。
【0008】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記算出手段は、前記不動産の売主が複数である場合、複数の売主毎に契約時販売手数料を算出し、前記出力手段は、前記複数の売主毎に契約時販売手数料を出力するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記契約時販売手数料の金額を請求するファイルを前記売主へ送信するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明に係る業務支援方法は、制御部を備える業務支援装置で実行される業務支援方法であって、前記制御部で実行される、不動産の販売契約が成立したときに売主から販売会社へ支払う契約時販売手数料を定める複数の条件から売主と販売会社との間で定めた条件を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した条件と、前記不動産に係る価格と、前記販売会社へ前記不動産の買主から支払われた手付金の金額と、予め定められた手数料率とに基づいて、前記契約時販売手数料を算出する算出ステップと、前記算出ステップで算出された前記契約時販売手数料の金額を出力する出力ステップと、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータに、不動産の販売契約が成立したときに売主から販売会社へ支払う契約時販売手数料を定める複数の条件から売主と販売会社との間で定めた条件を取得する取得処理と、前記取得処理で取得した条件と、前記不動産に係る価格と、前記販売会社へ前記不動産の買主から支払われた手付金の金額と、予め定められた手数料率とに基づいて、前記契約時販売手数料を算出する算出処理と、前記算出処理で算出された前記契約時販売手数料の金額を出力する出力処理と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、契約時の販売手数料を請求する業務において作業者の負荷を減らして効率良く販売手数料を知ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る記憶部が記憶するデータの一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る記憶部が記憶するマスタの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る制御部が実行する処理の流れの一例を示すフロー図である。
図5図5は、モニタで表示される画面の一例を示す図である。
図6図6は、手数料ワークの内容の一例を示す図である。
図7図7は、手数料請求条件マスタの一例を示す図である。
図8図8は、手数料ワークの内容の一例を示す図である。
図9図9は、請求データの内容の一例を示す図である。
図10図10は、手数料請求条件マスタの一例を示す図である。
図11図11は、手数料ワークの内容の一例を示す図である。
図12図12は、請求データの内容の一例を示す図である。
図13図13は、手数料請求条件マスタの一例を示す図である。
図14図14は、手数料ワークの内容の一例を示す図である。
図15図15は、請求データの内容の一例を示す図である。
図16図16は、事業主マスタの内容の一例を示す図である。
図17図17は、請求データの内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る業務支援装置、業務支援方法およびプログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
不動産を販売する販売会社は、マンションの売主である事業主(デベロッパー)とマンションの買主(契約者)とを仲介する。売主と買主との間でマンションの売買契約を結ぶ際には、買主は手付金を販売会社に送金し、販売会社は、送金された手付金を売主へ送金する。販売会社は、販売の仲介の際の販売手数料で利益を得るが、手付金が少額である際に販売会社から売主へ契約時の販売手数料を請求できるか否かの条件を販売会社と売主との間で定めることが多く、例えば、以下の(1)~(4)の条件に従って請求の可否を判断する。
(1)販売手数料を請求できる
手付金の有無にかかわらず、売買契約が結ばれたタイミングで販売手数料を請求することができる。
(2)手付金がX円以下の場合は販売手数料を請求できない
例えば、手付金が1,000,000円以下の場合は、販売手数料を請求できないとの条件の場合、買主からの手付金が500,000円の場合には、契約しても販売手数料を請求することができない。
(3)手付金を超える販売手数料は請求できない
例えば、契約時の販売手数料が1,500,000円であるが、入金された手付金が1,000,000円の場合、1,000,000円までしか販売手数料を請求できない。
(4)手付金のY%を超える販売手数料は請求できない
例えば、手付金の50%を超える販売手数料を請求できないとの条件の場合、満額で1,500,000円の販売手数料に対し、入金された手付金が2,000,000円の場合、1,000,000円のみ販売手数料として請求することができる。
【0016】
販売会社から売主へ契約時の販売手数料を請求するにあたり、販売会社の担当者がこのような請求の条件を熟知して手数料の計算を行うのは大きな負担となる。そこで、本実施形態においては、契約時の販売手数料を請求する業務において作業者の負荷を減らして効率良く販売手数料を知ることができる業務支援装置、業務支援方法、及びプログラムを提供している。以下、具体的な構成及び動作について説明する。
【0017】
[2.構成]
本実施形態にかかる業務支援装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態にかかる業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
業務支援装置100は、例えば、マンションの売主である事業主とマンションの買主とを仲介する販売会社に設置される。業務支援装置100は、マンションの販売にかかる販売手数料について、請求可能な販売手数料の算定を行う装置である。
【0019】
業務支援装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。ただし、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型の情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型の情報処理装置であってもよい。
【0020】
業務支援装置100は、制御部102、通信インターフェース部104、記憶部106、及び入出力インターフェース部108を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納され、制御部102が処理するデータは、サーバ200から取得してもよい。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0024】
記憶部106には、例えば、データとして、入金データ106aa、契約ワーク106ab、手数料ワーク106ac、及び請求データ106adが格納されている。図2に入金データ106aa、契約ワーク106ab、手数料ワーク106ac、及び請求データ106adの一例を示す。
【0025】
また、記憶部106には、例えばマスタとして、プロジェクトマスタ106ba、区画別価格マスタ106bb、事業主マスタ106bc、手数料設定マスタ106bd、契約マスタ106be、及び手数料請求条件マスタ106bfが格納されている。図3に各マスタの一例を示す。
【0026】
図2に示す入金データ106aaは、買主から販売会社に送金された手付金にかかる情報を含むデータである。入金データ106aaは、手付金にかかる情報として、プロジェクトコード、枝番、契約者名、区画番号、入金日、費目、入金金額の情報を含む。
【0027】
図2に示す契約ワーク106abは、マンションの販売契約に係る情報を含むデータである。契約ワーク106abは、プロジェクトコード、枝番、契約者名、区画番号、税込価格、税抜価格、土地価格、建物価格、及び消費税の情報を含む。
【0028】
図2に示す手数料ワーク106acは、マンションの販売手数料や販売手数料の請求条件に係る情報を含むデータである。手数料ワーク106acは、プロジェクトコード、枝番、契約者名、区画番号、少額手付請求条件区分、少額手付請求金額条件、少額手付請求上限指定、少額手付比較対象区分、手数料(税抜合計)、契約時手数料(税抜)、少額手付考慮後契約時手数料額、及び引渡時手数料(税抜)の情報を含む。
【0029】
図2に示す請求データ106adは、売主へ請求する販売手数料に係る情報を含むデータである。請求データ106adは、SEQ、債権先、プロジェクトコード、区画番号、発生区分、発生日、費目、及び請求額の情報を含む。
【0030】
図3に示すプロジェクトマスタ106baは、販売会社が販売を仲介するマンションプロジェクトの情報を格納するマスタである。プロジェクトマスタ106baは、プロジェクトコード、枝番、及びプロジェクト名の情報を含む。
【0031】
図3に示す区画別価格マスタ106bbは、販売会社が販売するマンションの区画に関する情報を格納するマスタである。区画別価格マスタ106bbは、プロジェクトコード、枝番、区画番号、税込価格、税抜価格、土地価格、建物価格、及び消費税の情報を含む。
【0032】
図3に示す事業主マスタ106bcは、販売会社が販売するマンションの事業主に係る情報を格納するマスタである。事業主マスタ106bcは、事業主、持分比率、及び幹事の情報を含む。
【0033】
図3に示す手数料設定マスタ106bdは、マンションの販売に係る手数料率に係る情報を格納するマスタである。手数料設定マスタ106bdは、プロジェクトコード、枝番、契約時手数料率、引渡時手数料率、及び販売手数料率(合計)の情報を含む。
【0034】
図3に示す契約マスタ106beは、マンションの買主に係る情報を格納するマスタである。契約マスタ106beは、プロジェクトコード、契約者名、区画番号、及び契約日の情報を含む。
【0035】
図3に示す手数料請求条件マスタ106bfは、販売手数料の請求条件に関する情報を格納するマスタである。手数料請求条件マスタ106bfは、プロジェクトコード、枝番、少額手付請求条件区分、少額手付請求金額条件、少額手付請求上限指定、少額手付比較対象区分の情報を含む。
【0036】
制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラムや各種の処理手順等を規定したプログラム、所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、取得部102a、算出部102b、及び出力部102cを備えている。
【0037】
取得手段としての取得部102aは、後述する設定画面に対して入力装置112により設定された情報及び入力された情報や入金データ106aaに格納されている入金金額、販売契約が成立した不動産の価格に係る情報などを取得する。取得部102aが取得する情報は、不動産の販売契約が成立したときに売主から販売会社へ支払う契約時販売手数料を定める複数の条件から売主と販売会社との間で定めた条件の一例である。入金データ106aaに格納されている入金金額は、買主が販売会社へ入金した手付金の金額である。
【0038】
算出手段としての算出部102bは、取得部102aが取得した情報と、入金金額、不動産の価格に係る情報、及び手数料設定マスタ106bdに基づいて、契約時販売手数料を算出する。
【0039】
出力手段としての出力部102cは、算出部102bの算出結果を出力装置114で出力する。
【0040】
[3.処理の具体例]
ここでは、業務支援装置100で実行される処理の具体例について、図4から図17を参照して説明する。
【0041】
(3-1)販売手数料を請求できる条件のときの処理例
まず、販売会社が契約時の販売手数料を請求するときの条件が、前述の(1)の条件である、手付金の有無にかかわらず、売買契約が結ばれたタイミングで販売手数料を請求することができる条件のときの処理例について説明する。図4は、制御部102が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図5は、手付金が買主から販売会社へ入金された後、販売会社から売主へ販売手数料を請求するにあたりモニタ114で表示される設定画面501の一例を示す図である。
【0042】
オペレーターは、入力装置112を操作し、売買契約が結ばれたマンションのプロジェクトコードと、買主が売買契約を結んだマンションの区画番号を設定画面501で入力する。また、オペレーターは、販売手数料の請求条件が前述の(1)の場合、入力装置112を操作し、設定画面501で「販売手数料を請求できる。」の行のラジオボタンを選択する。
【0043】
オペレーターが入力装置112を操作して設定画面501で販売手数料の請求条件を設定した後、設定画面501に表示されている「設定」ボタンをクリックする操作をオペレーターが行うと、制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfを更新する(ステップS11)。ここで制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfの少額手付請求条件区分を図3に示すように「0:常に請求できる」に更新する。また制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfのプロジェクトコードを、入力されたプロジェクトコードに更新し、他の項目をNULLに更新する。
【0044】
次に制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acを作成する(ステップS12)。この時点では、契約ワーク106abの各項目、及び手数料ワーク106acの各項目はNULLである。
【0045】
次に制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acを更新する(ステップS13)。ここで制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acのプロジェクトコードを、設定画面501で入力されたプロジェクトコード「00001」に更新する。制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acの契約者名を、契約マスタ106beにおいて設定画面501で入力されたプロジェクトコードに対応付けられている契約者名「○×太郎」に更新し、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acの区画番号を、契約マスタ106beにおいて設定画面501で入力されたプロジェクトコードに対応付けられている区画番号「101」に更新する。また、制御部102は、設定画面501で入力されたプロジェクトコードと区画番号の組を格納した区画別価格マスタ106bbのレコードの税込価格、税抜価格、土地価格、建物価格、及び消費税を、契約ワーク106abに格納する。また、制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfにおいて入力されたプロジェクトコードに対応付けられている少額手付請求条件区分、少額手付請求金額条件、少額手付請求上限指定、少額手付比較対象区分で、手数料ワーク106acに更新する。ここで契約ワーク106abは、図2に示した状態となり、手数料ワーク106acは、図6(a)に示した状態となる。
【0046】
次に制御部102は、販売会社から売主へ請求する販売手数料の合計を算出する(ステップS14)。ここで制御部102は、契約ワーク106abに格納されている税抜価格「30,000,000」のうち手数料設定マスタ106bdに格納されている販売手数料率(合計)「3.0%」の金額「900,000」を算出する。制御部102は、算出した金額を手数料(税抜合計)として手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図6(b)に示した状態となる。なお、制御部102は、ステップS14の処理で端数が生じた場合、予め設定された手数料計算時端数区分に従って切り捨て、四捨五入、切り上げの処理を行う。
【0047】
次に制御部102は、契約時の販売手数料額を算出する(ステップS15)。ここで制御部102は、手数料(税抜合計)「900,000」を手数料ワーク106acから取得し、契約時手数料率「1.5%」と販売手数料率(合計)「3.0%」を手数料設定マスタ106bdにおいて入力されたプロジェクトコードを格納したレコードから取得し、手数料(税抜合計)×契約時手数料率/販売手数料率(合計)=契約時手数料(税抜)の計算を行い、契約時手数料(税抜)を算出する。制御部102は、算出した契約時手数料(税抜)を手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図6(c)に示した状態となる。
【0048】
次に制御部102は、少額手付手数料を算出する(ステップS16)。ここで制御部102は、手数料ワーク106acの少額手付請求条件区分が「0:常に請求できる」である場合、手数料ワーク106acに格納されている契約時手数料(税抜)「450,000」を手数料ワーク106acの少額手付考慮後契約時手数料額として格納する。ここで手数料ワーク106acは、図6(d)に示した状態となる。その後、制御部102は、手数料ワーク106acの少額手付考慮後契約時手数料額で手数料ワーク106acの契約時手数料(税抜)を更新する。
【0049】
次に制御部102は、引渡時手数料額を算出する(ステップS17)。ここで制御部102は、手数料(税抜合計)「900,000」と契約時手数料(税抜)「450,000」を手数料ワーク106acから取得し、手数料(税抜合計)-契約時手数料(税抜)=引渡時手数料(税抜)の計算を行い、引渡時手数料(税抜)を算出する。制御部102は、算出した引渡時手数料(税抜)「450,000」を手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図6(e)に示した状態となる。
【0050】
次に制御部102は、買主が売買契約を結んだマンションの事業主毎に請求する手数料額を算出する(ステップS18)。ここで制御部102は、事業主マスタ106bcにおいて入力されたプロジェクトコードを含むレコードから事業主を取得し、取得した事業主を請求データ106adの債権先として格納する。制御部102は、入力されたプロジェクトコードと区画番号を請求データ106adに格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに発生区分として「契約時」を格納し、SEQが2のレコードに発生区分として「引渡時」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに発生日として図4の処理を行った日付を格納し、費目として「販売手数料」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが2のレコードに発生日として「NULL」を格納し、費目として「販売手数料」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに請求額として手数料ワーク106acの契約時手数料(税抜)「450,000」を格納し、請求データ106adでSEQが2のレコードに請求額として手数料ワーク106acの引渡時手数料(税抜)「450,000」を格納する。ここで、請求データ106adは、図2に示した状態となる。
【0051】
制御部102は、確定した契約時手数料(税抜)と引渡時手数料(税抜)をモニタ114で表示する。契約時手数料(税抜)は、契約時販売手数料の一例であり、引渡時手数料(税抜)は、引渡時販売手数料の一例である。これにより、オペレーターは、売買契約が結ばれた際に請求できる販売手数料を知ることができる。販売会社から買主への販売手数料の請求は、請求データ106adに基づいて行われる。
【0052】
なお、本実施形態においては、ステップS11の処理を図4のフローとは別に行うようにしてもよい。この場合、販売手数料の算出を行なう際には、業務支援装置100は、プロジェクトコードと区画番号とを入力する画面をモニタ114で表示し、画面に入力されたプロジェクトコードと区画番号に基づいて、ステップS12以降の処理を実行するようにしてもよい。
【0053】
(3-2)手付金がX円以下の場合は手数料を請求できない条件のときの処理例
次に販売会社が契約時の販売手数料を請求するときの条件が、前述の(2)の条件である、手付金がX円以下の場合は販売手数料を請求できない、との条件のときの処理例について説明する。なお、買主の契約者名、買主が売買契約を結んだマンションのプロジェクトコード、及び買主が売買契約を結んだマンションの区画番号は、前述の処理例と同じものとする。
【0054】
オペレーターは、販売手数料の請求条件が前述の(2)の場合、入力装置112を操作し、設定画面501で「手付金がX円以下の場合は販売手数料を請求できない。」の行のラジオボタンを選択する。また、オペレーターは、入力装置112を操作し、設定画面501でXの値を入力する。
【0055】
オペレーターが入力装置112を操作して設定画面501で販売手数料の請求条件を設定した後、設定画面501に表示されている「設定」ボタンをクリックする操作をオペレーターが行うと、制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfを更新する(ステップS11)。ここで制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfの少額手付請求条件区分を図7に示すように「1:手付金がX円以下の場合は販売手数料を請求できない」に更新する。また制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfのプロジェクトコードを、入力されたプロジェクトコードに更新し、少額手付請求金額条件を、入力されたXの値「1,000,000」に更新し、少額手付請求上限指定と少額手付比較対象区分をNULLに更新する。
【0056】
次に制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acを作成する(ステップS12)。この時点では、契約ワーク106abの各項目、及び手数料ワーク106acの各項目はNULLである。
【0057】
次に制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acを更新する(ステップS13)。ここで制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acのプロジェクトコードを、設定画面501で入力されたプロジェクトコード「00001」に更新する。制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acの契約者名を、契約マスタ106beにおいて設定画面501で入力されたプロジェクトコードに対応付けられている契約者名「○×太郎」に更新し、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acの区画番号を、契約マスタ106beにおいて設定画面501で入力されたプロジェクトコードに対応付けられている区画番号「101」に更新する。また、制御部102は、設定画面501で入力されたプロジェクトコードと区画番号の組を格納した区画別価格マスタ106bbのレコードの税込価格、税抜価格、土地価格、建物価格、及び消費税を、契約ワーク106abに格納する。また、制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfにおいて入力されたプロジェクトコードに対応付けられている少額手付請求条件区分、少額手付請求金額条件、少額手付請求上限指定、少額手付比較対象区分で、手数料ワーク106acに更新する。ここで契約ワーク106abは、図2に示した状態となり、手数料ワーク106acは、図8(a)に示した状態となる。
【0058】
次に制御部102は、販売会社から売主へ請求する販売手数料の合計を算出する(ステップS14)。ここで制御部102は、契約ワーク106abに格納されている税抜価格「30,000,000」のうち手数料設定マスタ106bdに格納されている販売手数料率(合計)「3.0%」の金額「900,000」を算出する。制御部102は、算出した金額を手数料(税抜合計)として手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図8(b)に示した状態となる。
【0059】
次に制御部102は、契約時の販売手数料額を算出する(ステップS15)。ここで制御部102は、手数料(税抜合計)「900,000」を手数料ワーク106acから取得し、契約時手数料率「1.5%」と販売手数料率(合計)「3.0%」を手数料設定マスタ106bdにおいて入力されたプロジェクトコードを格納したレコードから取得し、手数料(税抜合計)×契約時手数料率/販売手数料率(合計)=契約時手数料(税抜)の計算を行い、契約時手数料(税抜)を算出する。制御部102は、算出した契約時手数料(税抜)を手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図8(c)に示した状態となる。
【0060】
次に制御部102は、少額手付手数料を算出する(ステップS16)。ここで制御部102は、手数料ワーク106acの少額手付請求条件区分が「1:手付金がX円以下の場合は販売手数料を請求できない」である場合、入力されたプロジェクトコードを含む入金データ106aaに格納されている入金金額が手数料請求条件マスタ106bfに格納されている少額手付請求金額条件以下であるか判断する。制御部102は、入金金額が「300,000」であり、少額手付請求金額条件が「1,000,000」であって手付金の入金金額が少額手付請求金額条件以下であるため、「0」を手数料ワーク106acの少額手付考慮後契約時手数料額として格納する。ここで手数料ワーク106acは、図8(d)に示した状態となる。その後、制御部102は、手数料ワーク106acの少額手付考慮後契約時手数料額で手数料ワーク106acの契約時手数料(税抜)を更新する。ここで手数料ワーク106acは、図8(e)に示した状態となる。
【0061】
次に制御部102は、引渡時手数料額を算出する(ステップS17)。ここで制御部102は、手数料(税抜合計)「900,000」と契約時手数料(税抜)「0」を手数料ワーク106acから取得し、手数料(税抜合計)-契約時手数料(税抜)=引渡時手数料(税抜)の計算を行い、引渡時手数料(税抜)「900,000」を算出する。制御部102は、算出した引渡時手数料(税抜)を手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図8(f)に示した状態となる。
【0062】
次に制御部102は、買主が売買契約を結んだマンションの事業主毎に請求する手数料額を算出する(ステップS18)。ここで制御部102は、事業主マスタ106bcにおいて入力されたプロジェクトコードを含むレコードから事業主を取得し、取得した事業主を請求データ106adの債権先として格納する。制御部102は、入力されたプロジェクトコードと区画番号を請求データ106adに格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに発生区分として「契約時」を格納し、SEQが2のレコードに発生区分として「引渡時」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに発生日として図4の処理を行った日付を格納し、費目として「販売手数料」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが2のレコードに発生日として「NULL」を格納し、費目として「販売手数料」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに請求額として手数料ワーク106acの契約時手数料(税抜)「0」を格納し、請求データ106adでSEQが2のレコードに請求額として手数料ワーク106acの引渡時手数料(税抜)「900,000」を格納する。ここで、請求データ106adは、図9に示した状態となる。制御部102は、確定した契約時手数料(税抜)と引渡時手数料(税抜)をモニタ114で表示する。販売会社から買主への販売手数料の請求は、請求データ106adに基づいて行われる。
【0063】
(3-3)手付金を超える手数料は請求できない条件のときの処理例
次に販売会社が契約時の販売手数料を請求するときの条件が、前述の(3)の条件である、手付金を超える販売手数料は請求できない、との条件のときの処理例について説明する。なお、買主の契約者名、買主が売買契約を結んだマンションのプロジェクトコード、及び買主が売買契約を結んだマンションの区画番号は、前述の処理例と同じものとする。
【0064】
オペレーターは、販売手数料の請求条件が前述の(3)の場合、入力装置112を操作し、設定画面501で「手付金超の販売手数料は請求できない」の行のラジオボタンを選択する。また、オペレーターは、販売手数料の請求条件が前述の(3)の場合、入力装置112を操作し、設定画面501の比較対象の行で「税抜」と「税込」のラジオボタンの一方を選択する。
【0065】
オペレーターが入力装置112を操作して設定画面501で販売手数料の請求条件を設定した後、設定画面501に表示されている「設定」ボタンをクリックする操作をオペレーターが行うと、制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfを更新する(ステップS11)。ここで制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfの少額手付請求条件区分を図10に示すように「2:手付金超の販売手数料は請求できない」に更新する。また制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfのプロジェクトコードを、入力されたプロジェクトコードに更新し、少額手付請求金額条件と少額手付請求上限指定をNULLに更新する。また、制御部102は、設定画面501で比較対象として「税抜」が選択された場合、手数料請求条件マスタ106bfの少額手付比較対象区分を「0:税抜」に更新する。なお、制御部102は、設定画面501で比較対象として「税込」が選択された場合、手数料請求条件マスタ106bfの少額手付比較対象区分の項目を「1:税込」に更新する。
【0066】
次に制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acを作成する(ステップS12)。この時点では、契約ワーク106abの各項目、及び手数料ワーク106acの各項目はNULLである。
【0067】
次に制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acを更新する(ステップS13)。ここで制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acのプロジェクトコードを、設定画面501で入力されたプロジェクトコード「00001」に更新する。制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acの契約者名を、契約マスタ106beにおいて設定画面501で入力されたプロジェクトコードに対応付けられている契約者名「○×太郎」に更新し、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acの区画番号を、契約マスタ106beにおいて設定画面501で入力されたプロジェクトコードに対応付けられている区画番号「101」に更新する。また、制御部102は、設定画面501で入力されたプロジェクトコードと区画番号の組を格納した区画別価格マスタ106bbのレコードの税込価格、税抜価格、土地価格、建物価格、及び消費税を、契約ワーク106abに格納する。また、制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfにおいて入力されたプロジェクトコードに対応付けられている少額手付請求条件区分、少額手付請求金額条件、少額手付請求上限指定、少額手付比較対象区分で、手数料ワーク106acに更新する。ここで契約ワーク106abは、図2に示した状態となり、手数料ワーク106acは、図11(a)に示した状態となる。
【0068】
次に制御部102は、販売会社から売主へ請求する販売手数料の合計を算出する(ステップS14)。ここで制御部102は、契約ワーク106abに格納されている税抜価格「30,000,000」のうち手数料設定マスタ106bdに格納されている販売手数料率(合計)「3.0%」の金額「900,000」を算出する。制御部102は、算出した金額を手数料(税抜合計)として手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図11(b)に示した状態となる。
【0069】
次に制御部102は、契約時の販売手数料額を算出する(ステップS15)。ここで制御部102は、手数料(税抜合計)「900,000」を手数料ワーク106acから取得し、契約時手数料率「1.5%」と販売手数料率(合計)「3.0%」を手数料設定マスタ106bdにおいて入力されたプロジェクトコードを格納したレコードから取得し、手数料(税抜合計)×契約時手数料率/販売手数料率(合計)=契約時手数料(税抜)の計算を行い、契約時手数料(税抜)を算出する。制御部102は、算出した契約時手数料(税抜)を手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図11(c)に示した状態となる。
【0070】
次に制御部102は、少額手付手数料を算出する(ステップS16)。ここで制御部102は、手数料ワーク106acの少額手付請求条件区分が「2:手付金超の販売手数料は請求できない」である場合、入力されたプロジェクトコードを含む入金データ106aaに格納されている入金金額が手数料ワーク106acに格納されている契約時手数料(税抜)以下であるか判断する。制御部102は、入金金額が「300,000」であり、契約時手数料(税抜)が「450,000」であって手付金の入金金額が契約時手数料(税抜)以下であるため、「300,000」を手数料ワーク106acの少額手付考慮後契約時手数料額として格納する。なお、制御部102は、設定画面501において比較対象で「税込」が選択されて手数料請求条件マスタ106bfと手数料ワーク106acで少額手付比較対象区分が「1:税込」である場合、入金金額が契約時手数料(税抜)+契約時手数料の税額以下であるか判断する。ここで手数料ワーク106acは、図11(d)に示した状態となる。その後、制御部102は、手数料ワーク106acの少額手付考慮後契約時手数料額で手数料ワーク106acの契約時手数料(税抜)を更新する。ここで手数料ワーク106acは、図11(e)に示した状態となる。
【0071】
次に制御部102は、引渡時手数料額を算出する(ステップS17)。ここで制御部102は、手数料(税抜合計)「900,000」と契約時手数料(税抜)「300,000」を手数料ワーク106acから取得し、手数料(税抜合計)-契約時手数料(税抜)=引渡時手数料(税抜)の計算を行い、引渡時手数料(税抜)「600,000」を算出する。制御部102は、算出した引渡時手数料(税抜)を手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図11(f)に示した状態となる。
【0072】
次に制御部102は、買主が売買契約を結んだマンションの事業主毎に請求する手数料額を算出する(ステップS18)。ここで制御部102は、事業主マスタ106bcにおいて入力されたプロジェクトコードを含むレコードから事業主を取得し、取得した事業主を請求データ106adの債権先として格納する。制御部102は、入力されたプロジェクトコードと区画番号を請求データ106adに格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに発生区分として「契約時」を格納し、SEQが2のレコードに発生区分として「引渡時」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに発生日として図4の処理を行った日付を格納し、費目として「販売手数料」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが2のレコードに発生日として「NULL」を格納し、費目として「販売手数料」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに請求額として手数料ワーク106acの契約時手数料(税抜)「300,000」を格納し、請求データ106adでSEQが2のレコードに請求額として手数料ワーク106acの引渡時手数料(税抜)「600,000」を格納する。ここで、請求データ106adは、図12に示した状態となる。制御部102は、確定した契約時手数料(税抜)と引渡時手数料(税抜)をモニタ114で表示する。販売会社から買主への販売手数料の請求は、請求データ106adに基づいて行われる。
【0073】
(3-4)手付金のY%を超える手数料は請求できない条件のときの処理例
次に販売会社が契約時の販売手数料を請求するときの条件が、前述の(4)の条件である、手付金のY%を超える販売手数料は請求できない、との条件のときの処理例について説明する。なお、買主の契約者名、買主が売買契約を結んだマンションのプロジェクトコード、及び買主が売買契約を結んだマンションの区画番号は、前述の処理例と同じものとする。
【0074】
オペレーターは、販売手数料の請求条件が前述の(4)の場合、入力装置112を操作し、設定画面501で「手付金のY%超の販売手数料を請求できない。」の行のラジオボタンを選択する。また、オペレーターは、入力装置112を操作し、設定画面501でYの値を入力する。以下の説明では、Yの値として「50」が入力されたものとする。また、オペレーターは、販売手数料の請求条件が前述の(4)の場合、入力装置112を操作し、設定画面501の比較対象の行で「税抜」と「税込」のラジオボタンの一方を選択する。
【0075】
オペレーターが入力装置112を操作して設定画面501で販売手数料の請求条件を設定した後、設定画面501に表示されている「設定」ボタンをクリックする操作をオペレーターが行うと、制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfを更新する(ステップS11)。ここで制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfの少額手付請求条件区分を図13に示すように「3:手付金Y%超の販売手数料は請求できない」に更新する。また制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfのプロジェクトコードを、入力されたプロジェクトコードに更新し、少額手付請求金額条件をNULLに更新し、少額手付請求上限指定を入力されたYの値に基づいて「50%」に更新する。また、制御部102は、設定画面501で比較対象として「税抜」が選択された場合、手数料請求条件マスタ106bfの少額手付比較対象区分を「0:税抜」に更新する。
【0076】
次に制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acを作成する(ステップS12)。この時点では、契約ワーク106abの各項目、及び手数料ワーク106acの各項目はNULLである。
【0077】
次に制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acを更新する(ステップS13)。ここで制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acのプロジェクトコードを、設定画面501で入力されたプロジェクトコード「00001」に更新する。制御部102は、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acの契約者名を、契約マスタ106beにおいて設定画面501で入力されたプロジェクトコードに対応付けられている契約者名「○×太郎」に更新し、契約ワーク106ab及び手数料ワーク106acの区画番号を、契約マスタ106beにおいて設定画面501で入力されたプロジェクトコードに対応付けられている区画番号「101」に更新する。また、制御部102は、設定画面501で入力されたプロジェクトコードと区画番号の組を格納した区画別価格マスタ106bbのレコードの税込価格、税抜価格、土地価格、建物価格、及び消費税を、契約ワーク106abに格納する。また、制御部102は、手数料請求条件マスタ106bfにおいて入力されたプロジェクトコードに対応付けられている少額手付請求条件区分、少額手付請求金額条件、少額手付請求上限指定、少額手付比較対象区分で、手数料ワーク106acに更新する。ここで契約ワーク106abは、図2に示した状態となり、手数料ワーク106acは、図14(a)に示した状態となる。
【0078】
次に制御部102は、販売会社から売主へ請求する販売手数料の合計を算出する(ステップS14)。ここで制御部102は、契約ワーク106abに格納されている税抜価格「30,000,000」のうち手数料設定マスタ106bdに格納されている販売手数料率(合計)「3.0%」の金額「900,000」を算出する。制御部102は、算出した金額を手数料(税抜合計)として手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図14(b)に示した状態となる。
【0079】
次に制御部102は、契約時の販売手数料額を算出する(ステップS15)。ここで制御部102は、手数料(税抜合計)「900,000」を手数料ワーク106acから取得し、契約時手数料率「1.5%」と販売手数料率(合計)「3.0%」を手数料設定マスタ106bdにおいて入力されたプロジェクトコードを格納したレコードから取得し、手数料(税抜合計)×契約時手数料率/販売手数料率(合計)=契約時手数料(税抜)の計算を行い、契約時手数料(税抜)を算出する。制御部102は、算出した契約時手数料(税抜)を手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図14(c)に示した状態となる。
【0080】
次に制御部102は、少額手付手数料を算出する(ステップS16)。ここで制御部102は、手数料ワーク106acの少額手付請求条件区分が「3:手付金Y%超の販売手数料は請求できない」である場合、入力されたプロジェクトコードを含む入金データ106aaに格納されている入金金額のうち、少額手付請求上限指定の割合の金額が契約時手数料(税抜)を超えていないか判断する。制御部102は、入金金額が「300,000」であり、少額手付上限指定が「50%」であって、入金金額の50%の金額「150,000」が契約時手数料(税抜)の「450,000」を超えていないと、算出した「150,000」を少額手付考慮後契約時手数料額とし、この「150,000」を手数料ワーク106acの少額手付考慮後契約時手数料額として格納する。なお、制御部102は、入金金額のうち、少額手付請求上限指定の割合の金額が契約時手数料(税抜)を超えている場合、契約時手数料(税抜)を手数料ワーク106acの少額手付考慮後契約時手数料額として格納する。ここで手数料ワーク106acは、図14(d)に示した状態となる。その後、制御部102は、手数料ワーク106acの少額手付考慮後契約時手数料額で手数料ワーク106acの契約時手数料(税抜)を更新する。ここで手数料ワーク106acは、図14(e)に示した状態となる。
【0081】
次に制御部102は、引渡時手数料額を算出する(ステップS17)。ここで制御部102は、手数料(税抜合計)「900,000」と契約時手数料(税抜)「150,000」を手数料ワーク106acから取得し、手数料(税抜合計)-契約時手数料(税抜)=引渡時手数料(税抜)の計算を行い、引渡時手数料(税抜)「750,000」を算出する。制御部102は、算出した引渡時手数料(税抜)を手数料ワーク106acに格納する。ここで手数料ワーク106acは、図14(f)に示した状態となる。
【0082】
次に制御部102は、買主が売買契約を結んだマンションの事業主毎に請求する手数料額を算出する(ステップS18)。ここで制御部102は、事業主マスタ106bcにおいて入力されたプロジェクトコードを含むレコードから事業主を取得し、取得した事業主を請求データ106adの債権先として格納する。制御部102は、入力されたプロジェクトコードと区画番号を請求データ106adに格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに発生区分として「契約時」を格納し、SEQが2のレコードに発生区分として「引渡時」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに発生日として図4の処理を行った日付を格納し、費目として「販売手数料」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが2のレコードに発生日として「NULL」を格納し、費目として「販売手数料」を格納する。制御部102は、請求データ106adでSEQが1のレコードに請求額として手数料ワーク106acの契約時手数料(税抜)「150,000」を格納し、請求データ106adでSEQが2のレコードに請求額として手数料ワーク106acの引渡時手数料(税抜)「750,000」を格納する。ここで、請求データ106adは、図15に示した状態となる。制御部102は、確定した契約時手数料(税抜)と引渡時手数料(税抜)を出力装置114で表示する。販売会社から買主への販売手数料の請求は、請求データ106adに基づいて行われる。
【0083】
なお、制御部102は、前述の(4)の条件でマンションの売主である事業主が複数の場合、ステップS18で契約時手数料(税抜)と引渡時手数料(税抜)を事業主毎の持分比率に基づいて算出する。
【0084】
例えば、売主である事業主として事業主Aと事業主Bがあり、事業主マスタ106bcが図16に示すものである場合、制御部102は、事業主Aの持分比率が「70%」であるため、手数料ワーク106acの契約時手数料(税抜)「150,000」の70%である「105,000」を事業主Aに請求する契約時手数料(税抜)とし、事業主Bの持分比率が「30%」であるため、手数料ワーク106acの契約時手数料(税抜)「150,000」の30%である「45,000」を事業主Bに請求する契約時手数料(税抜)とする。また、制御部102は、事業主Aの持分比率が「70%」であるため、手数料ワーク106acの引渡時手数料(税抜)「750,000」の70%である「525,000」を事業主Aに請求する引渡時手数料(税抜)とし、事業主Bの持分比率が「30%」であるため、手数料ワーク106acの引渡時手数料(税抜)「750,000」の30%である「225,000」を事業主Bに請求する引渡時手数料(税抜)とする。この結果、請求データ106adは、図17に示したものとなる。制御部102は、請求データ106adに格納された契約時手数料(税抜)と引渡時手数料(税抜)をモニタ114で表示する。販売会社から買主への販売手数料の請求は、図17に示す請求データ106adに基づいて行われる。例えば、販売手数料の請求は、請求データ106adに基づいて請求書を出力し、出力した請求書を売主へ送付することにより行われてもよく、また、請求書のファイルを売主へ送付することにより行われてもよい。
【0085】
[4.実施形態の効果]
実施形態の業務支援装置100は、マンションの売買契約時の販売手数料を販売手数料の請求の条件に基づいて算出するため、オペレーターによる販売手数料の算出の負荷を減らすことできる。また、業務支援装置100は、契約時の販売手数料を請求できるか否かを判断するため、オペレーターによる請求可否判断の手間を減らすことができる。また、業務支援装置100は、販売するマンションに係る事業主が複数の場合、事業主毎にマンションの売買契約時の販売手数料を算出するため、オペレーターによる事業主毎の販売手数料の算出の負荷を減らすことができる。
【0086】
[5.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0088】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0089】
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0090】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0091】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0092】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0093】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を業務支援装置100に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0094】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0095】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0096】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0097】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0098】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の業務支援装置100として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該業務支援装置100として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該業務支援装置100に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0099】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、不動産の販売を仲介する仲介業者において有用である。
【符号の説明】
【0101】
100 業務支援装置
102 制御部
102a 取得部
102b 算出部
102c 出力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106aa 入金データ
106ab 契約ワーク
106ac 手数料ワーク
106ad 請求データ
106ba プロジェクトマスタ
106bb 区画別価格マスタ
106bc 事業主マスタ
106bd 手数料設定マスタ
106be 契約マスタ
106bf 手数料請求条件マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置(キーボード)
114 出力装置(モニタ)
200 サーバ
300 ネットワーク
501 設定画面
図1
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