(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045971
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
B64F 1/36 20240101AFI20240327BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20240327BHJP
B64D 27/24 20240101ALI20240327BHJP
B64F 3/02 20060101ALN20240327BHJP
【FI】
B64F1/36
B64C39/02
B64D27/24
B64F3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151084
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】高橋 豊樹
(72)【発明者】
【氏名】武野 敬輔
(72)【発明者】
【氏名】新田 聡
(72)【発明者】
【氏名】福島 秀基
(57)【要約】
【課題】無人航空機を保持する搬送車を備え、無人航空機による物品の搬送効率が高い搬送システムを実現する。
【解決手段】物品保持部21を備えた無人航空機20と、無人航空機20を保持する航空機保持部44を備え、規定の走行経路Rに沿って走行する搬送車40と、を備え、無人航空機20が物品保持部21により物品Wを保持した状態を物品保持状態とし、無人航空機20が物品保持部21により物品Wを保持していない状態を物品非保持状態として、航空機保持部44は、物品保持状態及び物品非保持状態のいずれの状態の無人航空機20でも保持できると共に、物品保持状態及び物品非保持状態のいずれの状態の無人航空機20でも離陸及び着陸できるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の保持及び当該保持の解除が可能である物品保持部を備えた無人航空機と、
前記無人航空機を保持する航空機保持部を備え、規定の走行経路に沿って走行する搬送車と、
を備え、
前記無人航空機が前記物品保持部により前記物品を保持した状態を物品保持状態とし、前記無人航空機が前記物品保持部により前記物品を保持していない状態を物品非保持状態として、
前記航空機保持部は、前記物品保持状態及び前記物品非保持状態のいずれの状態の前記無人航空機でも保持できると共に、前記物品保持状態及び前記物品非保持状態のいずれの状態の前記無人航空機でも離陸及び着陸できるように構成されている、搬送システム。
【請求項2】
前記無人航空機は、前記物品保持部により保持された前記物品よりも上側に位置する本体部を備え、
前記物品保持部は、前記物品を吊り下げた状態で保持するように構成され、
前記航空機保持部は、前記物品保持部に保持された前記物品よりも上側において前記本体部を下側から支持する支持部材を備え、
前記搬送車は、前記物品保持部に保持された前記物品よりも下側であって当該物品と上下方向視で重複する位置に配置され、前記物品の落下を規制する落下規制部材を備える、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記搬送車は、前記落下規制部材を、前記無人航空機の前記物品保持部により保持された前記物品の落下を規制する規制姿勢と、前記無人航空機の離陸及び着陸が行われる場合に当該無人航空機と干渉しない退避姿勢と、に姿勢変更する姿勢変更機構を備える、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記無人航空機が離陸及び着陸のために前記支持部材に対して相対移動する方向を相対移動方向とし、上下方向視で前記相対移動方向に直交する方向を相対移動直交方向とし、
前記無人航空機の前記本体部における前記支持部材により支持される部分を被支持部として、
前記支持部材は、前記物品と前記被支持部との上下方向の間に挿入される一対の挿入部と、一対の前記挿入部を連結する連結部とを備え、
一対の前記挿入部のそれぞれは前記相対移動方向に延在するように形成されていると共に、一対の前記挿入部が互いに前記相対移動直交方向に離間して配置されるように前記連結部により連結されている、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項5】
一対の前記挿入部は、前記相対移動方向における、前記無人航空機が離陸及び着陸に際して出入りする側が高くなるように傾斜している、請求項4に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記搬送車は、前記航空機保持部を少なくとも水平方向に沿って出退させる出退機構を備えている、請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記搬送車は、室内の天井に沿って設置された前記走行経路に沿って走行する天井搬送車であって、車輪を備えた走行部と、前記走行部よりも下側に配置されて前記航空機保持部に保持された前記無人航空機を収容する収容部と、を備え、
前記走行経路に沿う方向を走行方向とし、上下方向視で前記走行方向に直交する方向を幅方向として、
前記収容部は、離陸及び着陸を行う前記無人航空機が通る開口を少なくとも前記幅方向の両側に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記搬送車は、前記走行方向に並んで複数の前記航空機保持部を備え、
複数の前記航空機保持部のそれぞれは、前記無人航空機が前記幅方向のいずれかの側に離陸及び着陸するように構成されている、請求項7に記載の搬送システム。
【請求項9】
前記搬送車は、前記走行方向に並んで第1の前記航空機保持部である第1航空機保持部と第2の前記航空機保持部である第2航空機保持部とを備え、
前記収容部は、前記走行方向の両側にも前記開口を備え、
前記走行方向における前記第2航空機保持部に対して前記第1航空機保持部が配置された側を走行方向第1側とし、その反対側を走行方向第2側として、
前記第1航空機保持部は、前記無人航空機が前記走行方向第1側及び前記幅方向の両側に離陸及び着陸するように構成され、
前記第2航空機保持部は、前記無人航空機が前記走行方向第2側及び前記幅方向の両側に離陸及び着陸するように構成されている、請求項7に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記搬送車は、車輪及び前記車輪を駆動する電動機を備えた走行部と、前記走行部の減速中に前記電動機の回生制動を行って得られる電力を回収する回生電力回収部と、前記航空機保持部に保持された前記無人航空機に電力を供給する給電部と、を備え、
前記回生電力回収部により回収された電力が前記給電部から前記無人航空機に供給される、請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項11】
前記搬送車は、前記無人航空機に接続された接続部を備える給電線と、前記給電線を介して前記無人航空機に電力を供給する電源部と、前記給電線の巻き取り及び繰り出しを行う巻取装置と、を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項12】
前記搬送車は、前記航空機保持部に保持された前記無人航空機に対してワイヤレス給電を行う給電部を備え、
前記無人航空機は、前記給電部から受電する受電部を備え、
前記給電部に対する前記受電部の位置決めを行うために前記無人航空機の位置決めを行う位置決め部が前記航空機保持部に設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人航空機と搬送車とを備えた搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機と搬送車とを備えた搬送システムが知られている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1の
図4Aから
図4Dには、物品(40)及び無人航空機(470)を含む搬送車(450)と、を備えた搬送システムが開示されている。
【0003】
しかし、特許文献1の搬送システムの搬送車(450)では、無人航空機(470)と物品(40)とが別々に格納され、アイテム係合システム(458)により物品(40)を発射及び回収システム(452)上の無人航空機(470)に積み込むように構成されている。このため、例えば、搬送車(450)が移動する度に、無人航空機(470)と物品(40)とを別々に格納し、目的地に着くとアイテム係合システム(458)と発射及び回収システム(452)とを用いて無人航空機(470)に物品(40)を積み込む必要があり、搬送効率が低いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、無人航空機を保持する搬送車を備え、無人航空機による物品の搬送効率が高い搬送システムの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る搬送システムは、物品の保持及び当該保持の解除が可能である物品保持部を備えた無人航空機と、前記無人航空機を保持する航空機保持部を備え、規定の走行経路に沿って走行する搬送車と、を備え、前記無人航空機が前記物品保持部により前記物品を保持した状態を物品保持状態とし、前記無人航空機が前記物品保持部により前記物品を保持していない状態を物品非保持状態として、前記航空機保持部は、前記物品保持状態及び前記物品非保持状態のいずれの状態の前記無人航空機でも保持できると共に、前記物品保持状態及び前記物品非保持状態のいずれの状態の前記無人航空機でも離陸及び着陸できるように構成されている。
【0007】
本構成によれば、搬送車から目的地までの物品の搬送を無人航空機により行うことができるため、搬送車の走行経路から離れた目的地に対しても物品を搬送することができる。逆に言えば、搬送車の走行経路を想定される目的地の全てに近接させて設ける必要がなくなるため、走行経路の設置コストを低減できると共に、搬送車による物品及び無人航空機の搬送効率を高めることができる。また、物品を目的地まで搬送する場合には、物品保持状態の無人航空機を搬送車に保持させて目的地付近まで搬送車を走行させ、そこから物品保持状態のまま無人航空機を離陸させて目的地まで物品を搬送することができる。このように、物品保持状態の無人航空機を搬送車に保持させることができるため、搬送車が目的地付近に到着してから無人航空機が離陸するまでの時間を短く抑え易い。従って、物品の搬送効率を高めることができる。そして、物品を目的地まで搬送した後の無人航空機を再び搬送車に保持させることで、無人航空機を別の場所、例えば物品の受取場所まで搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】
図1の航空機保持部及び無人航空機を拡大して示す図
【
図8】第2の実施形態に係る搬送システムの支持部材を示す図
【
図11】第4の実施形態に係る搬送システムの側面図
【
図13】第5の実施形態に係る搬送システムの側面図
【
図15】第6の実施形態に係る搬送システムの支持部材を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第1の実施形態〕
以下では、第1の実施形態に係る搬送システム10について、図面を参照して説明する。搬送システム10は、無人航空機20と搬送車40とを備えている。
図1は、本実施形態に係る搬送システム10の側面図である。
図2は、搬送車40が備える航空機保持部44の上面を示す図である。
図3は、無人航空機20及び航空機保持部44の側面を拡大して示す図である。
【0010】
本実施形態では、無人航空機20は、物品Wの保持及び当該保持の解除が可能である物品保持部21を備えている。無人航空機20としては、遠隔操作或いは自律飛行が可能な固定翼機や回転翼機が例として挙げられる。本実施形態では、無人航空機20は垂直離着陸可能な電動式の回転翼機である。好適には、無人航空機20は自律飛行が可能なマルチコプタ(所謂ドローン)である。また、好適には、無人航空機20は、後述の給電線62を介して搬送車40が備える電源部63から電力が供給される有線式の回転翼機である。
【0011】
また、無人航空機20は、物品保持部21により保持された物品Wよりも上側に位置する本体部22を備えている。本体部22は、無人航空機20の飛行機能を実現するための部分である。本体部22には、推進力や揚力を発生させる機構が設けられる。本体部22は、例えば、回転翼と、回転翼を駆動する電気モータと、を備える。また、物品保持部21は、物品Wを吊り下げた状態で保持するように構成されている。ここで、無人航空機20が物品保持部21により物品Wを保持した状態を物品保持状態とし、無人航空機20が物品保持部21により物品Wを保持していない状態を物品非保持状態とする。
【0012】
本実施形態では、搬送車40は、規定の走行経路Rに沿って走行する。また、搬送車40は車輪41を備えた走行部42を備えている。搬送車40としては、例えば遠隔操作或いは自律走行が可能であって、屋内又は屋外の通路上の走行経路Rを走行する無人搬送車両や、床や天井に設置された軌条により形成される走行経路Rを走行する有軌道台車等が挙げられる。本実施形態では、搬送車40は室内の天井に沿って設置された走行経路Rに沿って走行する天井搬送車である。ここで、鉛直方向に沿う方向を上下方向Zとし、走行経路Rに沿う方向を走行方向Xとし、上下方向視で走行方向Xに直交する方向を幅方向Yとする。
【0013】
本実施形態では、搬送車40は、無人航空機20を保持する航空機保持部44を備えている。航空機保持部44は、物品保持状態及び物品非保持状態のいずれの状態の無人航空機20でも保持できると共に、物品保持状態及び物品非保持状態のいずれの状態の無人航空機20でも離陸及び着陸できるように構成されている。
【0014】
本実施形態では、搬送車40は航空機保持部44に保持された無人航空機20を収容する収容部45を備えている。この収容部45は、走行部42よりも下側に配置されている。図示の例では、収容部45は離陸及び着陸を行う無人航空機20が通る開口46を幅方向Yの両側に備えている。
【0015】
本実施形態では、搬送車40の航空機保持部44は、物品保持部21に保持された物品Wよりも上側において本体部22を下側から支持する支持部材50を備えている。ここで、無人航空機20が離陸及び着陸のために支持部材50に対して相対移動する方向を相対移動方向Tとし、上下方向視で相対移動方向Tに直交する方向を相対移動直交方向Hとする。また、無人航空機20の本体部22における支持部材50により支持される部分を被支持部23とする。
【0016】
本実施形態では、
図2及び
図3に示すように、航空機保持部44の支持部材50は、一対の挿入部52と一対の挿入部52を連結する連結部54とを備えている。一対の挿入部52は、物品Wと被支持部23との上下方向Zの間に挿入される。また、
図2に示すように、一対の挿入部52のそれぞれは相対移動方向Tに延在するように形成されていると共に、一対の挿入部52が互いに相対移動直交方向Hに離間して配置されるように連結部54により連結されている。このようにすれば、被支持部23の下側に位置する物品保持部21が一対の挿入部52の間に挟まれるように無人航空機20を支持部材50に対して相対移動させることで、無人航空機20の被支持部23を支持部材50に支持させることができる。
【0017】
本実施形態では、
図3に示すように、一対の挿入部52は、相対移動方向Tにおける、無人航空機20が離陸及び着陸に際して出入りする側である支持部材50の先端側が高くなるように傾斜している。また、一対の挿入部52には、航空機保持部44に保持された無人航空機20が支持部材50の先端側へ移動することを規制する先端側規制部57が設けられている。図示の例では、先端側規制部57は、一対の挿入部52の上面に設けられた突部である。また、支持部材50には、航空機保持部44に保持された無人航空機20が支持部材50の基端側へ移動することを規制する基端側規制部58が設けられている。本実施形態では、基端側規制部58は、収容部45に無人航空機20の回転翼が接触することを防止している。
【0018】
図1に戻り、本実施形態では、搬送車40の走行部42は、車輪41及び車輪41を駆動する電動機48を備えている。また、搬送車40は走行部42の減速中に電動機48の回生制動を行って得られる電力を回収する回生電力回収部49と、航空機保持部44に保持された無人航空機20に電力を供給する給電部60と、を備えている。この回生電力回収部49により回収された電力が給電部60から無人航空機20に供給される。また、本実施形態では、搬送車40は、無人航空機20に接続された接続部61を備える給電線62と、給電線62を介して無人航空機20に電力を供給する電源部63と、給電線62の巻き取り及び繰り出しを行う巻取装置64と、を備えている。巻取装置64は、給電線62の繰り出し長さを予め定められた長さで制限する。このように、給電線62を介して無人航空機20に電力を供給することにより無人航空機20に常時給電することができ、無人航空機20の飛行時間を長く確保できる。図示の例では、接続部61と給電線62と電源部63と巻取装置64とが給電部60を構成している。
【0019】
本実施形態では、搬送車40は、物品保持部21に保持された物品Wよりも下側であって当該物品Wと上下方向視で重複する位置に配置され、物品Wの落下を規制する落下規制部材70を備えている。搬送車40は、
図3に示すように、落下規制部材70を無人航空機20の物品保持部21により保持された物品Wの落下を規制する規制姿勢D1と、無人航空機20の離陸及び着陸が行われる場合に当該無人航空機と干渉しない退避姿勢D2と、に姿勢変更する姿勢変更機構72を備えている。
【0020】
本実施形態では、姿勢変更機構72は、落下規制部材70を上下方向Zに移動することにより規制姿勢D1と退避姿勢D2とに姿勢変更する。このようにすれば、高さの異なる物品Wの落下を規制し易い。なお、
図1に示す例では、規制姿勢D1において落下規制部材70は物品Wから離間しているが、規制姿勢D1において落下規制部材70が物品Wと当接してもよい。また、落下規制部材70が上下方向Zでなく、水平方向の移動や旋回することにより規制姿勢D1と退避姿勢D2とに姿勢変更されてもよい。落下規制部材70に加えて或いは落下規制部材70に代えて、物品Wの側面を挟み込んで保持する保持部材が設けられていてもよい。
【0021】
本実施形態では、
図2に示すように、搬送車40が航空機保持部44を少なくとも水平方向に沿って移動させる保持部移動機構81を備えている。図示の例では、保持部移動機構81は、航空機保持部44を支持部材50の基端側に設けられた回動軸周りに回動可能に構成されている。これにより、例えば搬送車40の走行時よりも停車時に航空機保持部44を無人航空機20が離陸又は着陸し易い方向に相対移動方向Tを変更することができる。本実施形態では、保持部移動機構81は、無人航空機20が幅方向Yの両側に離陸及び着陸可能に航空機保持部44を搖動する。図示の例では、保持部移動機構81は後述の出退機構82としても機能している。
【0022】
図4は、本実施形態の搬送システム10のY-Z断面を示した図である。本実施形態では、搬送車40が航空機保持部44を少なくとも水平方向に沿って出退させる出退機構82を備えている。このようにすれば、引退状態の航空機保持部44の上側を覆うように搬送車40の一部が配置されている場合であっても、航空機保持部44の少なくとも先端を収容部45と上下方向視で重複しない位置に突出させた突出状態にすることができる。従って、無人航空機20の離陸及び着陸が容易となる。引退状態は、例えば、搬送車40を走行させるために、航空機保持部44及び航空機保持部44に保持された無人航空機20を上下方向視で収容部45から突出しない位置となるように収容した状態である。出退機構82としては、水平多関節ロボット(SCARA)や、航空機保持部44を少なくとも水平方向に沿って伸縮させる、菱格子式、はめ込み式、スライド式等の伸縮装置等が例として挙げられる。
【0023】
本実施形態では、搬送車40が航空機保持部44を回動させる保持部移動機構81と、航空機保持部44を少なくとも水平方向に沿って出退させる出退機構82と、を備えている。このようにすれば、水平方向における無人航空機20の離陸及び着陸が容易となる方向に航空機保持部44を回動させた後に航空機保持部44を突出させることができる。
【0024】
本実施形態では、搬送車40は、走行方向Xに並んで複数の航空機保持部44を備えている。図示の例では、搬送車40は走行方向Xに並んで第1の航空機保持部である第1航空機保持部44aと第2の航空機保持部である第2航空機保持部44bとを備えている。第1航空機保持部44aは、無人航空機20が幅方向Yの両側で離陸及び着陸可能に構成されている。また、第2航空機保持部44bは、無人航空機20が幅方向Yの両側で離陸及び着陸可能に構成されている。
【0025】
図5、
図6、
図7は、本実施形態の支持部材50の上面を拡大して示す図であって、それぞれ異なる形状の例を示している。
図5に示す例では、一対の挿入部52は、先端側が狭くなるように形成されている。このようにした場合は、無人航空機20が支持部材50から外れ難くなる。
図6に示す例では、一対の挿入部52は、先端側が拡がるように形成されている。このようにした場合は、無人航空機20の着陸が容易となる。
図7に示す例では、一対の挿入部52は、先端側が拡がるように形成されているとともに、先端部と基端部との間に一対の挿入部52の間隔が狭くなった狭窄部分を有している。このようにした場合は、無人航空機20の着陸が容易となるとともに、無人航空機20が支持部材50から外れ難くすることができる。また、
図5、
図6、
図7に示す例において、基端側規制部58が無人航空機20に対する、(後述の)無線式給電部及び位置決めを行う位置決め部として機能しても良い。
【0026】
〔第2の実施形態〕
以下では、第2の実施形態に係る搬送システム10について、図面を参照して説明する。
図8は、本実施形態の支持部材50の上面を示す図である。本実施形態では、給電部60が接続部61と給電線62と巻取装置64とを備えておらず、無人航空機20に対して無線式で電力を供給する点で第1の実施形態と異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第1の実施形態と同様とする。
【0027】
本実施形態では、搬送車40の給電部60が航空機保持部44に保持された無人航空機20に対してワイヤレス給電を行う。また、無人航空機20は、給電部60から受電する受電部25を備えている。受電部25で受電した電力は、無人航空機20の蓄電池に蓄電され、無人航空機20は、当該蓄電池の電力により飛行する。また、航空機保持部44には、給電部60に対する受電部25の位置決めを行うために無人航空機20の位置決めを行う位置決め部として機能する基端側規制部58が設けられている。このようにすれば、無人航空機20が航空機保持部44に保持された状態で、無人航空機20に対してワイヤレス給電を行うことができる。また、基端側規制部58(位置決め部)により無人航空機20が位置決めされることにより、給電部60に対する受電部25の位置決めが行われるため、適切に給電を行うことができる。
【0028】
図示の例では、給電部60は、電源部63と電源部63(
図1を参照)から電力が供給される無線式給電部65とを備え、基端側規制部58が無線式給電部65に対する受電部25の位置決めを行うために無人航空機20の位置決めを行う位置決め部として機能している。また、無線式給電部65は、一対の挿入部52のそれぞれに設けられている。また、無線式給電部65は、連結部54に設けられている。このようにすれば、支持部材50において無線式給電部65の面積を広く確保できる。なお、無線式給電部65が一対の挿入部52のうちのいずれか一方のみに設けられていてもよく、連結部54のみに設けられていてもよい。
【0029】
〔第3の実施形態〕
以下では、第3の実施形態に係る搬送システム10について、図面を参照して説明する。
図9は、本実施形態の搬送システム10を示す図である。
図10は、
図9の航空機保持部44の上面を示す図である。以下では、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第1の実施形態と同様とする。
【0030】
本実施形態では、収容部45が幅方向Yの両側及び走行方向Xの両側に開口46を備えている。また、走行方向Xにおける第2航空機保持部44bに対して第1航空機保持部44aが配置された側を走行方向第1側X1とし、その反対側を走行方向第2側X2として、第1航空機保持部44aは、無人航空機20が走行方向第1側X1及び幅方向Yの両側に離陸及び着陸するように構成されている。また、第2航空機保持部44bは、無人航空機20が走行方向第2側X2及び幅方向Yの両側に離陸及び着陸するように構成されている。このようにすれば、2つの無人航空機20のそれぞれの離着陸の方向を、搬送車40に対して広い範囲とすることができる。
【0031】
〔第4の実施形態〕
以下では、第4の実施形態に係る搬送システム10について、図面を参照して説明する。
図11は、本実施形態の搬送システム10を示す図である。
図12は、
図11の航空機保持部44の上面を示す図である。本実施形態では、搬送システム10が保持部移動機構81及び出退機構82を備えていない点で第1の実施形態と異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第1の実施形態と同様とする。
【0032】
本実施形態では、走行方向Xに並んで複数の航空機保持部44を備え、複数の航空機保持部44のそれぞれは、無人航空機20が幅方向Yのいずれかの側に離陸及び着陸するように構成されている。このようにすれば、それぞれの航空機保持部44に対する無人航空機20の離着陸の方向が定まっているため、航空機保持部44の構成を簡略化し易い。図示の例では、第1航空機保持部44aは、無人航空機20が幅方向Yの一方側に離陸及び着陸するように構成され、第2航空機保持部44bは、無人航空機20が幅方向Yの他方側に離陸及び着陸するように構成されている。なお、第1航空機保持部44a及び第2航空機保持部44bの両方が、無人航空機20が幅方向Yの一方側に離陸及び着陸するように構成されていてもよい。
【0033】
〔第5の実施形態〕
以下では、第5の実施形態に係る搬送システム10について、図面を参照して説明する。
図13は、本実施形態の搬送システム10を示す図である。
図14は、
図13の航空機保持部44の上面を示す図である。本実施形態では、搬送システム10が保持部移動機構81及び出退機構82を備えていない点で第1の実施形態と異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第1の実施形態と同様とする。
【0034】
本実施形態では、上下方向Zに並んで複数の航空機保持部44を備え、複数の航空機保持部44のそれぞれは、無人航空機20が幅方向Yのいずれかの側に離陸及び着陸するように構成されている。図示の例では、第1航空機保持部44aは、無人航空機20が幅方向Yの一方側に離陸及び着陸するように構成され、第2航空機保持部44bは、無人航空機20が幅方向Yの他方側に離陸及び着陸するように構成されている。また、落下規制部材70は、幅方向Yに移動することにより規制姿勢D1と退避姿勢D2とに姿勢変更される。また、本実施形態では、収容部45は開口46を開閉自在な開閉扉45aを備えている。また、収容部45は下枠45bを備えている。下枠45bとしては、例えば床や梁等が挙げられる。このようにすれば、塵埃等の収容部45内への侵入を防ぎ易い。また、開閉扉45aの開閉部分の強度を確保しやすい。図示の例では開閉扉45aは引き戸である。
【0035】
〔第6の実施形態〕
以下では、第6の実施形態に係る搬送システム10について、図面を参照して説明する。
図15は、本実施形態の搬送システム10を示す図であって、航空機保持部44の上面を示す図である。本実施形態では、搬送システム10が姿勢変更機構72を備えていない点で第1の実施形態と異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、第1の実施形態と同様とする。
【0036】
本実施形態では、保持部移動機構81は、航空機保持部44を幅方向Yに沿って移動可能に構成されている。また、収容部45は、離陸及び着陸を行う無人航空機20が通る開口46を幅方向Yの両側に備え、保持部移動機構81は、航空機保持部44を収容部45から上下方向視で突出しない引退状態と、航空機保持部44の一部を収容部45と上下方向視で重複しない位置に突出させた突出状態と、に変更可能に構成されている。このようにすれば、保持部移動機構81を出退機構82として機能させることができ、無人航空機20の離陸及び着陸が容易となる。
【0037】
本実施形態では、搬送車40は、走行方向Xに並んで複数の航空機保持部44を備え、複数の航空機保持部44のそれぞれは、無人航空機20が幅方向Yのいずれかの側に離陸及び着陸するように、保持部移動機構81により幅方向Yに沿って移動する。図示の例では、保持部移動機構81は、第1航空機保持部44aの少なくとも一部を幅方向Yの一方側で収容部45と上下方向視で重複しない位置に突出可能に構成され、第2航空機保持部44bの少なくとも一部を幅方向Yの他方側で収容部45と上下方向視で重複しない位置に突出可能に構成されている。
【0038】
〔その他の実施形態〕
次に、搬送システム10のその他の実施形態について説明する。
【0039】
(1)上記の実施形態では、無人航空機20が物品保持部21よりも上側に本体部22を備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、無人航空機20が物品保持部21よりも下側に本体部22を備えていてもよい。
【0040】
(2)上記の実施形態では、搬送車40が支持部材50を備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、支持部材50に代えて吊持用ハンガにより無人航空機20の本体部22が吊持される構成であってもよい。また、支持部材50の一対の挿入部52が、無人航空機20が離陸及び着陸に際して出入りする側が低くなるように傾斜していてもよい。また、支持部材50の挿入部52が1本のみ無人航空機20の被挿入部に挿入される構成であってもよい。また、位置決め部(基端側規制部58)が支持部材50に設けられていなくてもよい。
【0041】
(3)上記の実施形態では、搬送車40が落下規制部材70を備えた天井搬送車である構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、搬送車40が落下規制部材70を備えていなくてもよい。また、搬送車40が、車輪41、電動機48、及び、回生電力回収部49を備えない搬送車であってもよい。
【0042】
(4)上記第1から第5の実施形態では、搬送車40が姿勢変更機構72を備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、上記第1から第5の実施形態において、搬送車40が姿勢変更機構72を備えていなくてもよい。
【0043】
(5)上記第1から第5の実施形態では、搬送車40が航空機保持部44を回動軸周り回動させる保持部移動機構81を備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、上記第1から第5の実施形態において、搬送車40が航空機保持部44を幅方向Yに沿って又は走行方向Xに沿って移動させる保持部移動機構81を備えていてもよい。また、上記第1から第5の実施形態において、搬送車40が保持部移動機構81及び出退機構82の両方を備えていなくてもよい。
【0044】
(6)上記第6の実施形態では、収容部45が引き戸である開閉扉45a及び下枠45bを備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、上記第6の実施形態において、収容部45が開閉扉45a及び下枠45bを備えていなくてもよい。また、上記第1から第5の実施形態において、収容部45が開閉扉45aを備えていてもよい。また、上記第1から第5の実施形態において、収容部45が下枠45bを備えていてもよい。また、開閉扉45aが観音開き等の扉であってもよい。
【0045】
(7)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0046】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した搬送システムについて説明する。
【0047】
本開示に係る搬送システムは、物品の保持及び当該保持の解除が可能である物品保持部を備えた無人航空機と、前記無人航空機を保持する航空機保持部を備え、規定の走行経路に沿って走行する搬送車と、を備え、前記無人航空機が前記物品保持部により前記物品を保持した状態を物品保持状態とし、前記無人航空機が前記物品保持部により前記物品を保持していない状態を物品非保持状態として、前記航空機保持部は、前記物品保持状態及び前記物品非保持状態のいずれの状態の前記無人航空機でも保持できると共に、前記物品保持状態及び前記物品非保持状態のいずれの状態の前記無人航空機でも離陸及び着陸できるように構成されている。
【0048】
本構成によれば、搬送車から目的地までの物品の搬送を無人航空機により行うことができるため、搬送車の走行経路から離れた目的地に対しても物品を搬送することができる。逆に言えば、搬送車の走行経路を想定される目的地の全てに近接させて設ける必要がなくなるため、走行経路の設置コストを低減できると共に、搬送車による物品及び無人航空機の搬送効率を高めることができる。また、物品を目的地まで搬送する場合には、物品保持状態の無人航空機を搬送車に保持させて目的地付近まで搬送車を走行させ、そこから物品保持状態のまま無人航空機を離陸させて目的地まで物品を搬送することができる。このように、物品保持状態の無人航空機を搬送車に保持させることができるため、搬送車が目的地付近に到着してから無人航空機が離陸するまでの時間を短く抑え易い。従って、物品の搬送効率を高めることができる。そして、物品を目的地まで搬送した後の無人航空機を再び搬送車に保持させることで、無人航空機を別の場所、例えば物品の受取場所まで搬送することができる。
【0049】
一態様として、前記無人航空機は、前記物品保持部により保持された前記物品よりも上側に位置する本体部を備え、前記物品保持部は、前記物品を吊り下げた状態で保持するように構成され、前記航空機保持部は、前記物品保持部に保持された前記物品よりも上側において前記本体部を下側から支持する支持部材を備え、前記搬送車は、前記物品保持部に保持された前記物品よりも下側であって当該物品と上下方向視で重複する位置に配置され、前記物品の落下を規制する落下規制部材を備えると好適である。
【0050】
本構成によれば、物品保持状態の無人航空機を搬送車が適切に保持することができると共に、万が一物品保持部による物品の保持が意図せず解除された場合であっても物品の落下を規制できる。
【0051】
一態様として、前記搬送車は、前記落下規制部材を、前記無人航空機の前記物品保持部により保持された前記物品の落下を規制する規制姿勢と、前記無人航空機の離陸及び着陸が行われる場合に当該無人航空機と干渉しない退避姿勢と、に姿勢変更する姿勢変更機構を備えると好適である。
【0052】
本構成によれば、無人航空機の離陸及び着陸の際に無人航空機が保持した物品と落下規制部材とが干渉することを回避し易くできると共に、無人航空機が航空機保持部に保持されている間は落下規制部材を規制姿勢として物品に近づけて物品の落下を規制する効果を高め易くすることができる。
【0053】
一態様として、前記無人航空機が離陸及び着陸のために前記支持部材に対して相対移動する方向を相対移動方向とし、上下方向視で前記相対移動方向に直交する方向を相対移動直交方向とし、前記無人航空機の前記本体部における前記支持部材により支持される部分を被支持部として、前記支持部材は、前記物品と前記被支持部との上下方向の間に挿入される一対の挿入部と、一対の前記挿入部を連結する連結部とを備え、一対の前記挿入部のそれぞれは前記相対移動方向に延在するように形成されていると共に、一対の前記挿入部が互いに前記相対移動直交方向に離間して配置されるように前記連結部により連結されていると好適である。
【0054】
本構成によれば、物品保持部が一対の挿入部の間に挟まれるように無人航空機を支持部材に対して相対移動させることで、無人航空機を支持部材に支持させることができる。
【0055】
一態様として、一対の前記挿入部は、前記相対移動方向における、前記無人航空機が離陸及び着陸に際して出入りする側が高くなるように傾斜していると好適である。
【0056】
本構成によれば、搬送車の走行中に無人航空機が支持部材から外れ難くなる。
【0057】
一態様として、前記搬送車は、前記航空機保持部を少なくとも水平方向に沿って出退させる出退機構を備えていると好適である。
【0058】
本構成によれば、引退状態の航空機保持部の上側を覆うように搬送車の一部が配置されている場合であっても、当該搬送車の一部と上下方向視で重複しない位置に航空機保持部を突出させることができる。従って、無人航空機の離陸及び着陸が容易となる。
【0059】
一態様として、前記搬送車は、室内の天井に沿って設置された前記走行経路に沿って走行する天井搬送車であって、車輪を備えた走行部と、前記走行部よりも下側に配置されて前記航空機保持部に保持された前記無人航空機を収容する収容部と、を備え、前記走行経路に沿う方向を走行方向とし、上下方向視で前記走行方向に直交する方向を幅方向として、前記収容部は、離陸及び着陸を行う前記無人航空機が通る開口を少なくとも前記幅方向の両側に備えると好適である。
【0060】
本構成によれば、収容部よりも上側に走行部があり、その更に上側に天井がある天井搬送車に対しても、無人航空機を離陸及び着陸させることができる。
【0061】
一態様として、前記搬送車は、前記走行方向に並んで複数の前記航空機保持部を備え、複数の前記航空機保持部のそれぞれは、前記無人航空機が前記幅方向のいずれかの側に離陸及び着陸するように構成されていると好適である。
【0062】
本構成によれば、それぞれの航空機保持部に対する無人航空機の離着陸の方向が定まっているため、航空機保持部の構成を簡略化し易い。
【0063】
一態様として、前記搬送車は、前記走行方向に並んで第1の前記航空機保持部である第1航空機保持部と第2の前記航空機保持部である第2航空機保持部とを備え、前記収容部は、前記走行方向の両側にも前記開口を備え、前記走行方向における前記第2航空機保持部に対して前記第1航空機保持部が配置された側を走行方向第1側とし、その反対側を走行方向第2側として、前記第1航空機保持部は、前記無人航空機が前記走行方向第1側及び前記幅方向の両側に離陸及び着陸するように構成され、前記第2航空機保持部は、前記無人航空機が前記走行方向第2側及び前記幅方向の両側に離陸及び着陸するように構成されていると好適である。
【0064】
本構成によれば、2つの無人航空機のそれぞれの離着陸の方向を、搬送車に対して広い範囲に確保することができる。
【0065】
一態様として、前記搬送車は、車輪及び前記車輪を駆動する電動機を備えた走行部と、前記走行部の減速中に前記電動機の回生制動を行って得られる電力を回収する回生電力回収部と、前記航空機保持部に保持された前記無人航空機に電力を供給する給電部と、を備え、前記回生電力回収部により回収された電力が前記給電部から前記無人航空機に供給されると好適である。
【0066】
本構成によれば、搬送車の減速中に回収されるエネルギを用いて無人航空機に電力を供給することができる。従って、物品搬送システムのエネルギ効率を高め易い。
【0067】
一態様として、前記搬送車は、前記無人航空機に接続された接続部を備える給電線と、前記給電線を介して前記無人航空機に電力を供給する電源部と、前記給電線の巻き取り及び繰り出しを行う巻取装置と、を備えると好適である。
【0068】
本構成によれば、無人航空機に常時給電することができる。従って、無人航空機の飛行時間を長く確保し易い。
【0069】
一態様として、前記搬送車は、前記航空機保持部に保持された前記無人航空機に対してワイヤレス給電を行う給電部を備え、前記無人航空機は、前記給電部から受電する受電部を備え、前記給電部に対する前記受電部の位置決めを行うために前記無人航空機の位置決めを行う位置決め部が前記航空機保持部に設けられていると好適である。
【0070】
本構成によれば、無人航空機が航空機保持部に保持された状態で、無人航空機に対して給電することができる。また、位置決め部に無人航空機が位置決めされることにより、給電部に対する受電部の位置決めが行われるため、適切に給電を行うことができる。
【符号の説明】
【0071】
10 :搬送システム
20 :無人航空機
21 :物品保持部
22 :本体部
23 :被支持部
25 :受電部
40 :搬送車
41 :車輪
42 :走行部
44 :航空機保持部
44a :第1航空機保持部
44b :第2航空機保持部
45 :収容部
46 :開口
48 :電動機
49 :回生電力回収部
50 :支持部材
52 :挿入部
54 :連結部
60 :給電部
61 :接続部
62 :給電線
63 :電源部
64 :巻取装置
70 :落下規制部材
72 :姿勢変更機構
82 :出退機構