(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045979
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】鉄道運営支援システム、鉄道運営支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240327BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151092
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】中島 双葉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】 乗客の苛立ちの抑制を図ることができる。
【解決手段】 鉄道運営支援システムは、取得部と、検出部と、決定部と、出力制御部とを備える。取得部は、乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得する。検出部は、路線経路情報に基づいて、乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出する。決定部は、遅延が検出された場合に、現在の駅、遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、路線に含まれる現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、遅延の時間に応じたクーポンを決定する。出力制御部は、決定されたクーポンを通知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得する取得手段と、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出する検出手段と、
前記遅延が検出された場合に、現在の駅、前記遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、前記路線に含まれる前記現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、前記遅延の時間に応じたクーポンを決定する決定手段と、
決定された前記クーポンを通知する出力制御手段と
を備える鉄道運営支援システム。
【請求項2】
前記取得手段は、前記現在の駅、前記乗り換え駅、および前記途中駅の少なくともいずれかに設置された店舗の混雑状況に関する情報を取得し、
前記決定手段は、前記混雑状況に関する情報に基づいて、空いている店舗で使用可能な前記クーポンを決定する、
請求項1に記載の鉄道運営支援システム。
【請求項3】
前記クーポンの利用開始時刻は、前記遅延が検出された時刻、または前記遅延が解消され得る時刻である、
請求項1または2に記載の鉄道運営支援システム。
【請求項4】
前記決定手段は、複数の乗客のそれぞれについて、検索履歴に含まれる検索のオプションに基づいて、異なる利用開始時刻のクーポンを決定する、
請求項1または2に記載の鉄道運営支援システム。
【請求項5】
前記決定手段は、検索履歴に基づいて、前記クーポンの発行の有無を決定する、
請求項1または2に記載の鉄道運営支援システム。
【請求項6】
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得する取得手段と、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客の乗り換えを検出する検出手段と、
前記乗り換えが検出されると、前記乗り換えの時間に基づいて、前記乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および前記店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定する決定手段と、
決定された前記広告およびクーポンの少なくともいずれかを通知する出力制御手段と
を備える鉄道運営支援システム。
【請求項7】
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出し、
前記遅延が検出された場合に、現在の駅、前記遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、前記路線に含まれる前記現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、前記遅延の時間に応じたクーポンを決定し、
決定された前記クーポンを通知する、
鉄道運営支援方法。
【請求項8】
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客の乗り換えを検出し、
前記乗り換えが検出されると、前記乗り換えの時間に基づいて、前記乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および前記店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定し、
決定された前記広告およびクーポンの少なくともいずれかを通知する、
鉄道運営支援方法。
【請求項9】
コンピュータに、
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出し、
前記遅延が検出された場合に、現在の駅、前記遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、前記路線に含まれる前記現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、前記遅延の時間に応じたクーポンを決定し、
決定された前記クーポンを通知する
処理を実行させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客の乗り換えを検出し、
前記乗り換えが検出されると、前記乗り換えの時間に基づいて、前記乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および前記店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定し、
決定された前記広告およびクーポンの少なくともいずれかを通知する
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鉄道運営支援システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
駅の中にコンビニエンスストアやカフェなどの店舗がある。また、鉄道の場合、電車が遅延する場合がある。また、乗客の目的経路によっては、電車を乗り換える必要がある。
【0003】
特許文献1には、例えば、電車が遅れた場合に、電車の遅れと共に駅構内の販売店のサービス券を送ることが記載されている。また、特許文献2には、例えば、待ち時間を計算し、広告を配信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-84220号公報
【特許文献2】特開2007-271283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、電車が遅延した場合、電車の乗り換えに時間がかかる場合などに、乗客が苛立つ場合がある。
【0006】
本開示の目的の一例は、乗客の苛立ちの抑制を図る鉄道運営支援システムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様における鉄道運営支援システムは、乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得する取得手段と、前記路線経路情報に基づいて、前記乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出する検出手段と、前記遅延が検出された場合に、現在の駅、前記遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、前記路線に含まれる前記現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、前記遅延の時間に応じたクーポンを決定する決定手段と、決定された前記クーポンを通知する出力制御手段とを備える。
【0008】
本開示の一態様における鉄道運営支援システムは、乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得する取得手段と、前記路線経路情報に基づいて、前記乗客の乗り換えを検出する検出手段と、前記乗り換えが検出されると、前記乗り換えの時間に基づいて、前記乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および前記店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定する決定手段と、決定された前記広告およびクーポンの少なくともいずれかを通知する出力制御手段とを備える。
【0009】
本開示の一態様における鉄道運営支援方法は、乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、前記路線経路情報に基づいて、前記乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出し、前記遅延が検出された場合に、現在の駅、前記遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、前記路線に含まれる前記現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、前記遅延の時間に応じたクーポンを決定し、決定された前記クーポンを通知する。
【0010】
本開示の一態様における鉄道運営支援方法は、乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、前記路線経路情報に基づいて、前記乗客の乗り換えを検出し、前記乗り換えが検出されると、前記乗り換えの時間に基づいて、前記乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および前記店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定し、決定された前記広告およびクーポンの少なくともいずれかを通知する。
【0011】
本開示の一態様におけるプログラムは、コンピュータに、乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、前記路線経路情報に基づいて、前記乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出し、前記遅延が検出された場合に、現在の駅、前記遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、前記路線に含まれる前記現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、前記遅延の時間に応じたクーポンを決定し、決定された前記クーポンを通知する処理を実行させる。
【0012】
本開示の一態様におけるプログラムは、コンピュータに、乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、前記路線経路情報に基づいて、前記乗客の乗り換えを検出し、前記乗り換えが検出されると、前記乗り換えの時間に基づいて、前記乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および前記店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定し、決定された前記広告およびクーポンの少なくともいずれかを通知する処理を実行させる。
【0013】
各プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に記憶されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、乗客の苛立ちの抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態1にかかる鉄道運営支援システムの一構成例を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかる鉄道運営支援システムの一動作例を示すフローチャートである。
【
図3】鉄道運営支援システムと他の装置との接続例を示す説明図である。
【
図4】実施の形態2にかかる鉄道運営支援システムの一構成例を示すブロック図である。
【
図5】電車の遅延およびクーポンの通知例を示す説明図である。
【
図6】クーポンの一覧の表示例を示す説明図である。
【
図7】実施の形態2にかかる鉄道運営支援システムの電車の遅延発生時の一動作例を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態2にかかる鉄道運営支援システムの乗り換え発生時の一動作例を示すフローチャートである。
【
図9】コンピュータのハードウェア構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照して、本開示にかかる鉄道運営支援システム、鉄道運営支援方法、プログラム、およびプログラムを記録する非一時的な記録媒体の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、開示の技術を限定するものではない。
【0017】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1では、鉄道運営支援システムの基本機能について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる鉄道運営支援システムの一構成例を示すブロック図である。鉄道運営支援システム10は、取得部101と、検出部102と、決定部103と、出力制御部104とを備える。
【0018】
取得部101は、乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得する。路線経路情報は、例えば、定期券情報、路線の検索履歴、および乗降履歴の少なくともいずれかである。
【0019】
検出部102は、路線経路情報に基づいて、乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出する。ここでの遅延とは、単に電車が遅れることとだけでなく、事故等による電車の運転の見合わせや運休なども含む。例えば、検出部102は、路線経路情報に基づいて、乗客の行き先などの乗客が乗降予定または乗車中の路線を推定することができる。なお、行き先とは目的駅とも呼ぶ。ここで、鉄道運営支援システム10は、各路線の遅延に関する情報を取得可能であるとする。これにより、検出部102は、乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出することができる。
【0020】
決定部103は、遅延が検出された場合に、現在の駅、遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、路線に含まれる現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、遅延の時間に応じたクーポンを決定する。なお、途中駅とは、路線において電車が進むことが可能な駅のうちのいずれかの駅である。クーポンの種類としては、商品の値引きや割引、合計金額からの値引きや割引、追加のポイントの付与などが挙げられる。
【0021】
具体的に、例えば、決定部103は、クーポンを決定するために、駅、その駅の中に設置された店舗を決定する。さらに、例えば、決定部103は、その店舗で販売されている商品のうちのクーポンの対象となる商品、および商品に対するクーポンの種類を決定する。なお、決定部103は、これらを最適解として決定してもよいし、駅、店舗、クーポンなどの順に決定してもよく、決定部103によるクーポンの決定方法は、特に限定されない。なお、具体的なクーポンの決定方法については、実施の形態2で詳細に説明する。
【0022】
出力制御部104は、決定されたクーポンを通知する。通知方法は、例えば、電子メールや電子メッセージなどによる通知であってもよく、特に限定されない。具体的な通知例は、実施の形態2で詳細に説明する。
【0023】
(フローチャート)
図2は、実施の形態1にかかる鉄道運営支援システム10の一動作例を示すフローチャートである。取得部101は、乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得する(ステップS101)。検出部102は、路線経路情報に基づいて、乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出する(ステップS102)。
【0024】
路線の遅延が検出された場合に、決定部103は、クーポンを決定する(ステップS103)。クーポンは、現在の駅、遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、路線に含まれる現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンである。また、クーポンは、例えば、遅延の時間に応じたクーポンである。出力制御部104は、クーポンを通知する(ステップS104)。
【0025】
前述の通り、例えば、電車が遅延した場合などに、乗客が苛立つ場合がある。また、駅の中にある店舗の利用の促進、および駅の中にある店舗の売上を向上させることが望まれている。以上、実施の形態1において、鉄道運営支援システム10は、顧客が乗降予定の路線および乗車中の路線の少なくともいずれかの電車に遅延が発生した場合に、乗客が現在いる駅、振り替え輸送時の乗り換え駅、路線に含まれる途中駅のうちのいずれかの駅に設置された店舗で使用可能なクーポンを乗客に通知する。これにより、乗客は、電車を待ちつつ、クーポンを利用した買い物を行うことができる。したがって、乗客の苛立ちの抑制を図ることができる。また、駅の中にある店舗の利用促進を図ることができる。そして、駅の中にある店舗の売上の向上を図ることができる。
【0026】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。実施の形態2では、遅延発生時におけるクーポンの決定例と、乗り換え発生時の広告およびクーポンの少なくともいずれかの決定例と、について詳細に説明する。以下、本実施の形態2の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0027】
図3は、鉄道運営支援システムと他の装置との接続例を示す説明図である。鉄道運営支援システム20は、例えば、通信ネットワークNTを介して端末装置などと接続される。端末装置は、例えば、乗客の端末装置21である。乗客の端末装置21には、例えば、クーポンの通知を受信可能なアプリケーションプログラムなどが予めインストールされていてもよい。アプリケーションプログラムは、例えば、鉄道会社などから提供されるものであってもよい。アプリケーションプログラムは、例えば、鉄道会社などが提供するポイントに関するアプリケーションプログラムであってもよい。
【0028】
説明の簡略化のために、
図3において、端末装置21は、一台図示しているが、端末装置21の数は、特に限定されず、例えば端末装置は乗客別にあってもよい。なお、端末装置21の種類は、スマートフォン、タブレット型の端末装置、PC(Personal Computer)など特に限定されない。
【0029】
図3において、通信ネットワークNTは、説明の容易化のために、1つを例に挙げているが、鉄道運営支援システム20は、各装置別に異なる通信ネットワークNTによって接続されてもよいし、特に限定されない。
【0030】
また、鉄道運営支援システム20は、通信ネットワークNTを介して他のシステムなどと接続されてもよいし、鉄道運営支援システム20が、他のシステムを含んでいてもよい。他のシステムとしては、POSシステム、鉄道の運行システム、鉄道の検索システム、など特に限定されない。例えば、鉄道運営支援システム20は、鉄道の運行システムなどと接続されることにより、鉄道運営支援システム20は、各電車の遅延に関する情報などを取得することができる。例えば、鉄道運営支援システム20は、各店舗のPOSシステムなどと接続されることにより、鉄道運営支援システム20は、乗客の購入履歴や店舗の混雑状況に関する情報などを取得することができる。例えば、鉄道運営支援システム20は、鉄道の検索システムなどと接続されることにより、鉄道運営支援システム20は、検索履歴などを取得することができる。
【0031】
図4は、実施の形態2にかかる鉄道運営支援システム20の一構成例を示すブロック図である。例えば、鉄道運営支援システム20は、取得部201と、検出部202と、決定部203と、出力制御部204と、受付部205と、判定部206とを備える。
【0032】
鉄道運営支援システム20は、実施の形態1にかかる鉄道運営支援システム10に対して、さらに、受付部205と、判定部206と、が追加される。取得部201は、実施の形態1で説明した取得部101の機能を基本機能として備えてもよい。検出部202は、実施の形態1で説明した検出部102の機能を基本機能として備えてもよい。決定部203は、実施の形態1で説明した決定部103の機能を基本機能として備えてもよい。出力制御部204は、実施の形態1で説明した出力制御部104の機能を基本機能として備えてもよい。
【0033】
鉄道運営支援システム20は、検索履歴DB(DataBase)2001と、乗降履歴DB2002と、定期券DB2003と、購入履歴DB2004とを有する。
【0034】
検索履歴DB2001は、乗客別の電車の検索履歴を記憶する。検索履歴には、例えば、検索別に、出発駅、目的駅、出発予定時刻、到着予定時刻、検索時のオプションなどを含む。例えば、オプションは、表示順および乗客の歩く速度の少なくともいずれかである。表示順は、料金順、乗り換え回数順、および到着順のうち乗客によって選択されたいずれかである。
【0035】
乗降履歴DB2002は、乗客別の乗降履歴を記憶する。乗降履歴は、例えば、乗降駅、および乗降の日時などの情報である。
【0036】
定期券DB2003は、定期券を有する乗客別の定期券の情報を記憶する。定期券の情報は、乗降駅、乗降可能な期間などの情報などを含む。なお、各実施の形態において、定期券を例に挙げているが、例えば、指定券、特急券などの予め購入可能な券の購入履歴などが、乗客の行き先や乗客の乗降予定または乗車中の路線などの推定に用いられてもよい。ここでの購入履歴には、指定券、特急券などの券について、乗車日、乗車区間、乗車時刻、乗降時刻、座席の情報、電車の名称、および発売額などを含む。定期券DB2003の代わりに、定期券、指定券、特急券などの券購入履歴DBなどが用いられてもよい。また、指定券、特急券などの購入履歴については、乗客の端末装置21などから取得されてもよい。
【0037】
購入履歴DB2004は、乗客別の各駅の中にある店舗における購入履歴を記憶する。
例えば、購入履歴は、乗客が購入した商品を識別する商品識別情報、商品の情報、購入日時、店舗の情報、店舗がある駅の情報などが関連付けたデータである。商品識別情報は、商品を識別可能であれば、特に限定されない。また、商品の情報は、例えば、商品の名称、商品の価格などに関する情報である。店舗の情報は、店舗名、店舗の特徴などである。
【0038】
なお、取得部201は、これらのDBなど各種データを取得する機能を有する。また、各機能部は、各DBや各種データを適宜読み出し、適宜更新する機能を有していてもよい。
【0039】
つぎに、各機能部について説明する。電車の遅延が発生した場合におけるクーポンの決定例と、乗客による乗り換えがある場合における広告またはクーポンの決定例と、についてそれぞれ説明する。
【0040】
<電車の遅延発生時におけるクーポンの決定例>
電車が遅延した場合に乗客は苛立つ。一方、駅の中にある店舗は、売上を向上させたい。
【0041】
まず、取得部201は、実施の形態1の通り、乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得する。路線経路情報は、実施の形態1で説明した通り、定期券情報、検索履歴、および乗降履歴の少なくともいずれかである。
【0042】
つぎに、検出部202は、路線経路情報に基づいて、乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出する。
【0043】
決定部203は、クーポンを決定する。実施の形態1で説明した通り、決定部203は、駅、店舗、商品、クーポンの種類などを最適解として決定してもよいし、駅、店舗、商品、クーポンの種類などの順に決定してもよい。
【0044】
例えば、駅を決定する方法として、決定部203は、現在の駅、遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、路線に含まれる現在の駅から目的駅までの途中駅から、少なくともいずれかの駅を決定する。より具体的に、例えば、決定部203は、乗客が降車したことがある駅を決定してもよい。そして、決定部203は、決定した駅にある店舗で使用可能なクーポンを決定する。
【0045】
また、決定部203は、空いている駅にある店舗で使用可能なクーポンを決定してもよい。例えば、ターミナル駅は、非常に混んでいるが、ターミナル駅以外の駅は、比較的空いていることが予測される。そこで、例えば、決定部203は、現在の駅、遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、路線に含まれる現在の駅から目的駅までの途中駅のうち、ターミナル駅以外の駅にある店舗で使用可能なクーポンを決定してもよい。または、例えば、取得部201が、駅別に、駅の混雑状況に関する情報を取得してもよい。駅の混雑状況に関する情報は、駅の混雑状況を特定可能であれば、特に限定されない。駅の混雑状況に関する情報は、駅の所定の広さに対する駅を利用している人数であってもよい。そして、決定部203は、駅の混雑状況に関する情報に基づいて、現在の駅、遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、路線に含まれる現在の駅から目的駅までの途中駅のうち、空いている駅にある店舗で使用可能なクーポンを決定してもよい。駅の混雑状況に関する情報が、所定の広さに対する駅を利用している人数である場合、空いている駅は、その人数が所定数以下である駅などであってもよい。
【0046】
また、決定部203は、空いている店舗で使用可能なクーポンを決定してもよい。具体的に、例えば、取得部201が、店舗の混雑状況に関する情報を取得する。そして、決定部203は、店舗の混雑状況に関する情報に基づいて、空いている店舗で使用可能なクーポンを決定する。店舗の混雑状況が判別可能であれば、混雑状況に関する情報は、特に限定されないが、例えば、店舗にいる人数に対して店舗に収容可能な人数の割合の情報である。ここで、空いている店舗とは、例えば、店舗にいる人数に対して店舗に収容可能な人数の割合が所定割合以下である店舗などである。
【0047】
また、例えば、決定部203は、乗客の購入履歴に基づいて、クーポンの対象となる商品を決定し、決定した商品のクーポンを決定してもよい。より具体的に、例えば、決定部203は、購入履歴DB2004に含まれる乗客の購入履歴から、乗客が所定回数以上購入している商品のクーポンを決定してもよい。これにより、乗客に適したレコメンドを行うことができる。
【0048】
ここで、遅延の時間に応じたクーポンとは、例えば、対象となる店舗または商品が遅延の時間によって決定されたクーポンである。決定部203は、遅延の時間が短い場合に、持ち帰り可能な商品のクーポンを決定する。決定部203は、遅延の時間が長い場合に、店舗で飲食可能な商品のクーポンを決定してもよい。例えば、遅延の時間別に、予めクーポンの対象となる商品が予めテーブル化されていてもよい。そして、決定部203は、テーブルから、遅延の時間に対応する商品を特定し、特定した商品のクーポンを決定してもよい。
【0049】
また、乗客によっては、アルコール飲料を提供される店舗を希望する場合がある。そこで、決定部203は、乗客の購入履歴や定期券の種類を用いて、アルコール飲料を好むと予想される成人乗客に対して、アルコール飲料が提供される店舗のクーポンを決定してもよい。例えば、決定部203は、定期券の種類が通勤や通学のうちの通勤である場合、乗客の購入履歴からアルコール飲料を購入している場合などに、定期券の種類により乗客が成人であるかを推定してもよい。例えば、決定部203は、乗客が成人であると推定された場合に、アルコール飲料が提供される店舗のクーポンを決定してもよい。さらに、決定部203は、乗客の購入履歴からアルコール飲料を所定頻度以上購入している場合などに、アルコール飲料好きの顧客であると推定し、遅延の時間が長い場合などにアルコール飲料が提供される店舗のクーポンを決定してもよい。
【0050】
また、クーポンの利用開始時刻は、遅延が検出された時刻、遅延が検出された時刻から所定時間経過後の時刻であってもよく、特に限定さない。電車の運転再開後の混雑を抑制するために、クーポンの利用開始時刻は、遅延が解消され得る時刻であってもよい。例えば、電車が遅れた場合、遅延が解消される得る時刻とは、電車が時刻通りの運転に戻る時刻、時刻通りではないが、時刻通りに近い定期的な運行が可能になる時刻であってもよい。また、電車の運転見合わせ時において、遅延が解消され得る時刻とは、運転再開時刻であってもよい。
【0051】
また、クーポンの利用終了時刻は、遅延の時間によって決定されてもよい。例えば、決定部203は、クーポンの利用終了時刻として、クーポンの利用開始時刻から遅延の時間を加算した時刻を用いてもよい。
【0052】
また、例えば、決定部203は、利用開始時刻が異なる複数のクーポンを決定してもよい。ここで、複数のクーポンは、店舗が異なっていてもよいし、商品が異なっていてもよいし、同じ商品に対する異なるクーポンであってもよい。例えば、複数のクーポンが同じ商品に対する異なるクーポンであり、クーポンが値引きのクーポンである場合を例に挙げると、決定部203は、遅延が検出された時刻を、利用開始時刻としたクーポンの値引き額よりも遅延が解消され得る時刻を利用開始時刻としたクーポンの値引き額が大きくなるようにクーポンを決定してもよい。これにより、電車の運転再開後の混雑の抑制をより図ることができる。
【0053】
また、例えば、決定部203は、複数の乗客に対して、異なる利用開始時刻のクーポンを決定する。これにより、店舗の混雑の抑制を図ることができる。また、電車の運転再開後の混雑の抑制を図ることができる。例えば、決定部203は、複数の乗客のうちの一部の乗客に対して、すぐに利用可能なクーポンを決定し、他の乗客に対して、遅延が解消され得る時刻を利用開始時刻としたクーポンを決定してもよい。また、例えば、決定部203は、複数の乗客のそれぞれについて、検索履歴DB2001に含まれる検索履歴に基づいて、異なる利用開始時刻のクーポンを決定してもよい。
【0054】
なお、各決定方法については、組み合わせられてもよい。
【0055】
出力制御部204は、クーポンを乗客に通知する。前述のように、出力制御部204は、電子メッセージや電子メールによってクーポンを通知してもよい。例えば、出力制御部204は、クーポンをプッシュ通知してもよい。または、例えば、出力制御部204は、前述のアプリケーションプログラムの起動時にメッセージとしてクーポンを通知してもよい。
【0056】
また、出力制御部204は、電車の遅延時間とともに、クーポンを通知してもよい。
【0057】
また、出力制御部204は、店舗の情報とともに、クーポンを通知してもよい。具体的に、取得部201は、店舗の情報を取得する。そして、出力制御部204は、取得された店舗の情報とともに、クーポンを通知する。店舗の情報は、駅における店舗の最寄りの改札の情報、駅内の地図における店舗の位置情報、店舗の閉店時刻、店舗の設備の情報などであってもよい。店舗の設備とは、インターネットの接続の有無、電源のチャージの可否、座席の数などが挙げられる。店舗が撤退している場合や閉店時刻を過ぎているために閉店している場合がある。そこで、取得部201は、店舗の情報を定期的に取得してもよい。定期的とは、一日一回等であってもよいし、特に限定されない。これにより、最新の情報を利用することができる。
【0058】
乗客がよく利用する駅については、乗客は、駅の中に詳しく、店舗の情報が不要な場合もある。一方、乗客があまり利用したことがない駅については、乗客は、駅の中に詳しくなく、店舗の情報が必要な場合もある。そこで、取得部201は、乗客の乗降履歴を取得する。例えば、取得部201は、通信ネットワークNTなどを介して乗降履歴を取得して乗降履歴DB2002に記憶させてもよいし、乗降履歴DB2002から乗降履歴を取得してもよい。そして、判定部206は、乗降履歴DB2002に含まれる乗降履歴に基づいて、決定されたクーポンを使用可能な店舗がある駅の利用頻度に基づいて、店舗の情報の要否を判定してもよい。具体的に、例えば、判定部206は、利用頻度が所定頻度以上である場合に、店舗の情報が不要であると判定し、利用頻度が所定頻度未満である場合に、店舗の情報が必要であると判定する。店舗の情報が必要であると判定された場合に、出力制御部204は、店舗の情報とともに、クーポンを通知する。店舗の情報が不要であると判定された場合に、出力制御部204は、クーポンを通知する。
【0059】
また、出力制御部204は、複数のクーポンを通知する場合に、複数のクーポンの表示順を変更可能に端末装置21に表示させてもよい。表示順としては、乗客が購入した回数が多い順、乗客が来店する頻度が高い店舗のクーポンの順番等であってもよい。
【0060】
また、例えば、すでにクーポンが決定されている場合に、出力制御部204は、乗り換えの検索を行っている場合に、クーポンを通知しないようにしてもよい。
【0061】
複数のクーポンを発行する場合に、順次クーポンが決定されてもよい。例えば、複数のクーポンを発行する場合に、受付部205は、クーポンの通知に対する乗客の反応を受け付ける。そして、決定部203は、乗客がクーポンに対して拒否した場合、その乗客に対して新たなクーポンを決定しない。また、例えば、決定部203は、乗客がクーポンに対して拒否した場合、新たなクーポンがないと決定してもよい。ここで、拒否とは、プッシュ通知に対しての確認が行われないことであってもよいし、クーポンの通知に対して不要であることの入力を受け付けることであってもよい。一方、決定部203は、乗客がクーポンの通知を確認した場合、新たなクーポンを決定してもよい。
【0062】
図5は、電車の遅延およびクーポンの通知例を示す説明図である。例えば、出力制御部204は、電車の遅延時間およびクーポンが利用可能であることを乗客の端末装置21に表示させる。
【0063】
図5において、端末装置21の画面には、電車の遅延として、「xx線の電車に20分の遅延が発生しました。」というメッセージが表示されている。
図5において、端末装置21の画面には、クーポンの通知として、「お待ちの間に、yy駅内にある店舗zzzで使用可能なクーポンをお送りします!」というメッセージが表示されている。
【0064】
また、
図5において、端末装置21の画面には、「クーポンを見る」ボタンと、「不要」ボタンとを含む。「不要」ボタンが押下されると、受付部205は、クーポンの通知に対する反応として、クーポンが不要であることを受け付ける。一方、「クーポンを見る」ボタンが押下されると、受付部205は、クーポンの通知に対する反応として、クーポンを確認することを受け付ける。
【0065】
例えば、決定部203は、クーポンが不要であることを受け付けると、新たなクーポンを決定しない。一方、例えば、決定部203は、クーポンを確認することを受け付けると、新たなクーポンを決定してもよい。
【0066】
また、「クーポンを見る」ボタンが押下されると、出力制御部204は、クーポンの一覧を端末装置21に表示させる。
【0067】
図6は、クーポンの一覧の表示例を示す説明図である。
図6において、端末装置21の画面には、クーポンの一覧が表示されている。
図6において、例えば、クーポンの一覧では、利用開始時刻順にクーポンが表示されている。
図6において、例えば、端末装置21の画面には、クーポン別に、クーポンを選択可能なボタンを有する。例えば、ボタンがタップされると、クーポンが利用可能な状態となる。例えば、出力制御部204は、クーポンを表すコードなどを端末装置21に表示させてもよい。コードの種類は、特に限定されない。
【0068】
(クーポンの発行の有無を決定)
例えば、乗客によっては、クーポンの通知を受けることにより、より苛立つ場合がある。例えば、決定部203は、急いでいるような乗客に対しては、クーポンを発行しないと決定してもよい。そして、決定部203は、クーポンの発行を決定した後に、クーポンを決定してもよい。
【0069】
例えば、決定部203は、検索履歴に基づいて、クーポンの発行の有無を決定する。具体的に、例えば、決定部203は、検索履歴に含まれる乗客が希望する到着予定時刻に基づいて、クーポンの発行の有無を決定する。例えば、決定部203は、現在の時刻から到着予定時刻までの時間が所定時間以内である場合に、クーポンを発行しないと決定する。一方、例えば、決定部203は、現在の時刻から到着予定時刻までの時間が所定時間未満である場合に、クーポンを発行すると決定する。または、例えば、決定部203は、現在の駅から目的駅までに要する時間と、現在の時刻から到着予定時刻までの時間と、の差に基づいて、クーポンの発行の有無を決定してもよい。より具体的に、例えば、決定部203は、この差が所定時間以内である場合に、クーポンを発行しないと決定し、この差が所定時間より長い場合に、クーポンを発行すると決定してもよい。
【0070】
また、例えば、同じ目的駅への検索を何度も行っている乗客は、急いでいることが予想される。そこで、決定部203は、検索履歴において目的駅への検索回数に基づいて、クーポンの発行の有無を決定してもよい。具体的に、例えば、決定部203は、検索回数が所定回数以上である場合に、クーポンの発行をしないと決定し、検索回数が所定回数未満である場合に、クーポンを発行すると決定する。
【0071】
(フローチャート)
図7は、実施の形態2にかかる鉄道運営支援システム20の電車の遅延発生時の一動作例を示すフローチャートである。店舗の混雑状況に基づいてクーポンが決定される例を用いて説明する。
【0072】
取得部201は、路線経路情報を取得する(ステップS201)。つぎに、検出部202は、路線の遅延を検出する(ステップS202)。取得部201は、店舗の混雑状況に関する情報および乗客の購入履歴を取得する(ステップS203)。
【0073】
そして、決定部203は、店舗の混雑状況に関する情報および乗客の購入履歴に基づいて、クーポンを決定する(ステップS204)。ステップS204において、決定部203は、店舗の混雑状況に関する情報に基づいて、空いている店舗で使用可能なクーポンを決定する。また、ステップS204において、決定部203は、購入履歴に基づいて、空いている店舗に販売している商品のうち、乗客が頻繁に購入する商品のクーポンを決定してもよい。取得部201が、店舗別の商品DBを取得してもよい。
【0074】
出力制御部204は、決定されたクーポンを通知する(ステップS205)。そして、受付部205は、クーポンに対する反応を受け付けて、クーポンを拒否したかを判定する(ステップS206)。クーポンを拒否とは、クーポンが不要であることである。受付部205は、クーポンの詳細を確認した場合などは、クーポンが不要でない、クーポンを拒否していないと判定する。
【0075】
クーポンが拒否された場合(ステップS206:Yes)、鉄道運営支援システム20は、処理を終了する。一方、クーポンが拒否されていない場合(ステップS206:No)、決定部203は、ステップS204へ戻る。これにより、新たなクーポンが決定されてもよい。
【0076】
以上、実施の形態2において、鉄道運営支援システム20は、現在の駅、乗り換え駅、および途中駅の少なくともいずれかに設置された店舗の混雑状況に関する情報を取得し、混雑状況に関する情報に基づいて、空いている店舗で使用可能なクーポンを決定する。これにより、乗客による電車の利用の分散化を図り、電車の混雑の抑制を図ることができる。また、乗客は空いている店舗を利用することができる。
【0077】
クーポンの利用開始時刻は、遅延が検出された時刻、または遅延が解消され得る時刻である。例えば、クーポンの利用開始時刻は、遅延が検出された時刻である場合、乗客は、すぐにクーポンを利用することができる。また、例えば、クーポンの利用開始時刻は、遅延が解消され得る時刻である場合、電車の運転再開後の混雑の抑制をより図ることができる。
【0078】
また、鉄道運営支援システム20は、利用開始時刻が異なる複数のクーポンを決定する。これにより、店舗の混雑を抑制したり、電車の運転再開後の混雑の抑制をより図ることができる。
【0079】
また、鉄道運営支援システム20は、複数の乗客に対して、異なる利用開始時刻のクーポンを決定する。これにより、店舗の混雑を抑制したり、電車の運転再開後の混雑の抑制をより図ることができる。
【0080】
また、鉄道運営支援システム20は、複数の乗客のそれぞれについて、検索履歴に含まれる検索のオプションに基づいて、クーポンを決定する。オプションは、表示順および乗客の歩く速度の少なくともいずれかである。また、表示順は、料金順、乗り換え回数順、および到着順のうち乗客によって選択されたいずれかである。このように、鉄道運営支援システム20は、例えば、検索履歴によって急いでいる乗客や急いでいない乗客などを区別することができる。これにより、乗客に適したレコメンドを行うことができる。
【0081】
また、前述のように、例えば、急いでいるような乗客は、クーポンの通知によって、より苛立つ場合がある。そこで、鉄道運営支援システム20は、検索履歴に基づいて、クーポンの発行の有無を決定する。具体的に、例えば鉄道運営支援システム20は、検索履歴に含まれる乗客が希望する到着予定時刻に基づいて、クーポンの発行の有無を決定する。または、例えば、鉄道運営支援システム20は、検索履歴において目的駅への検索回数に基づいて、クーポンの発行の有無を決定する。これにより、乗客に適したレコメンドを行うことができる。
【0082】
また、鉄道運営支援システム20は、クーポンの通知に対する乗客の反応を受け付ける。そして、鉄道運営支援システム20は、乗客がクーポンに対して拒否した場合、新たなクーポンを決定しない。これにより、乗客に適したレコメンドを行うことができる。
【0083】
<乗り換えがある場合における広告またはクーポンの決定例>
つぎに、乗り換えがある場合におけるクーポンや広告の決定例について説明する。
【0084】
乗客は乗り換えに時間がかかると、苛立ちを感じる場合がある。また、急いで乗り換えるために、電車の発車時刻に影響を与える場合がある。一方、駅の中にある店舗は、売上を向上させたい。
【0085】
まず、取得部201は、乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得する。取得方法については、遅延発生時の例と同様である。路線経路情報は、実施の形態1で説明した通り、定期券情報、検索履歴、および乗降履歴の少なくともいずれかである。
【0086】
つぎに、検出部202は、路線経路情報に基づいて、乗客の乗り換えを検出する。検出部202は、乗客が乗降予定または乗車中の路線における目的駅までの間に、乗り換えがあるかを検出する。ここでの乗り換えについては、電車の遅延による振り替え輸送時の乗り換えも含んでもよい。
【0087】
決定部203は、乗り換えが検出されると、乗り換えの時間に基づいて、乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定する。店舗に関する広告は、例えば、店舗で販売している商品やサービスに対する広告である。クーポンについては、前述の通りである。クーポンの利用開始時刻は、乗り換え先の電車の時刻に基づく時刻であってもよい。より具体的に、クーポンの利用開始時刻は、乗り換え先の直近の電車の時刻よりも遅い時刻であってもよい。例えば、乗り換え先において混雑が発生する恐れがある場合、クーポンによって混雑の緩和を図ることができる。
【0088】
例えば、決定部203は、乗り換え時間に応じた広告を決定してもよい。乗り換え時間に応じた広告とは、例えば、対象となる店舗または商品が乗り換え時間によって決定される広告である。店舗が決定される場合を例に挙げると、例えば、決定部203は、乗り換え時間が長い場合に、書籍、アパレル、レストランなどの買い物や飲食に時間がかかるような店舗の広告を決定する。また、例えば、決定部203は、乗り換え時間が短い場合に、コンビニエンスストア、テイクアウトの店舗などの買い物や飲食に時間がかからないような店舗の広告を決定してもよい。なお、乗り換え時間の長短については、閾値によって判別されてもよい。また、例えば、乗り換え時間別に、予め広告の対象となる店舗のカテゴリなどが予めテーブル化されていてもよい。例えば、店舗のカテゴリとは、例えば、飲食店、書店、コンビニエンスストア、アパレルなどの大別であってもよいし、より詳細に区別されてもよい。また、決定部203は、乗客が成人であると推定された場合に、アルコール飲料が提供される店舗の広告を決定してもよい。乗客が成人であるかを推定する方法は、前述の通りである。さらに、例えば、決定部203は、乗客が成人であると推定された場合、かつ乗り換え時間が長い場合に、アルコール飲料が提供される店舗の広告を決定してもよい。
【0089】
また、例えば、決定部203は、乗り換え時間に応じたクーポンを決定してもよい。乗り換え時間に応じたクーポンとは、例えば、対象となる店舗または商品が乗り換え時間によって決定されるクーポンである。決定部203は、乗り換え時間が短い場合に、持ち帰り可能な商品のクーポンを決定する。決定部203は、乗り換え時間が長い場合に、店舗で飲食可能な商品のクーポンを決定してもよい。なお、乗り換え時間の長短については、閾値によって判別されてもよい。また、例えば、乗り換え時間別に、予めクーポンの対象となる商品が予めテーブル化されていてもよい。そして、決定部203は、テーブルから、乗り換え時間に対応する商品を特定し、特定した商品のクーポンを決定してもよい。また、広告の例と同様に、決定部203は、乗客が成人であると推定された場合に、アルコール飲料が提供される店舗のクーポンを決定してもよい。さらに、広告の例と同様に、例えば、決定部203は、乗客が成人であると推定された場合、かつ乗り換え時間が長い場合に、アルコール飲料が提供される店舗のクーポンを決定してもよい。
【0090】
また、乗り換えには、乗客が急いでない乗り換えがある。または、乗客が急いでいるけど乗り換え時間が長い場合がある。例えば、決定部203は、乗り換え時間が所定時間以上である場合に、漫画、書籍、雑誌、新聞に対する広告またはクーポンを決定してもよい。
【0091】
また、例えば、決定部203は、乗客が乗り換える駅の中に設置された複数の店舗のそれぞれについての設備に基づいて、複数の店舗から少なくともいずれかの店舗に関する広告および当該店舗で使用可能なクーポンを決定する。
【0092】
また、決定部203は、検索履歴に基づいて、広告およびクーポンの少なくともいずれかを決定してもよい。ここで、広告およびクーポンの決定方法については、電車の遅延発生時におけるクーポンの決定例と同様であってよい。
【0093】
また、広告やクーポンの発行の有無については、電車の遅延発生時におけるクーポンの決定例と同様であってよい。
【0094】
また、受付部205は、クーポンや広告の通知に対する乗客の反応を受け付ける。そして、例えば、決定部203は、乗客が通知に対して拒否した場合、新たな広告およびクーポンを決定しない。
【0095】
図8は、実施の形態2にかかる鉄道運営支援システム20の乗り換え発生時の一動作例を示すフローチャートである。店舗の混雑状況に基づいてクーポンが決定される例を用いて説明する。なお、広告についても同様に決定されてもよいが、詳細な説明を省略する。
【0096】
取得部201は、路線経路情報を取得する(ステップS211)。つぎに、検出部202は、乗客の乗り換えを検出する(ステップS212)。取得部201は、店舗の混雑状況に関する情報および乗客の購入履歴を取得する(ステップS213)。
【0097】
そして、決定部203は、店舗の混雑状況に関する情報および乗客の購入履歴に基づいて、クーポンを決定する(ステップS214)。ステップS214において、決定部203は、店舗の混雑状況に関する情報に基づいて、空いている店舗で使用可能なクーポンを決定する。また、ステップS214において、決定部203は、購入履歴に基づいて、空いている店舗に販売している商品のうち、乗客が頻繁に購入する商品のクーポンを決定してもよい。取得部201が、店舗別の商品DBを取得してもよい。
【0098】
出力制御部204は、決定されたクーポンを通知する(ステップS215)。そして、受付部205は、クーポンに対する反応を受け付けて、クーポンを拒否したかを判定する(ステップS216)。クーポンが拒否された場合(ステップS216:Yes)、鉄道運営支援システム20は、処理を終了する。一方、クーポンが拒否されていない場合(ステップS216:No)、決定部203は、ステップS214へ戻る。これにより、新たなクーポンが決定されてもよい。
【0099】
前述の通り、例えば、電車の乗り換えに時間がかかる場合などに、乗客が苛立つ場合がある。また、駅の中にある店舗の利用促進、および駅の中にある店舗の売上を向上させることが望まれている。以上、実施の形態2において、鉄道運営支援システム20は、乗客の乗り換えが検出されると、乗り換えの時間に基づいて、乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定し、決定された広告やクーポンを通知する。これにより、乗客は、乗り換え電車を待ちつつ、駅の中にある店舗で買い物を行うことができる。したがって、乗客の苛立ちの抑制を図ることができる。また、駅の中にある店舗の利用促進を図ることができる。そして、駅の中にある店舗の売上の向上を図ることができる。
【0100】
また、クーポンの利用開始時刻は、乗り換え先の電車の時刻に基づく時刻である。具体的に、例えば、電車が混雑していることが予想される場合がある。そこで、電車の混雑が予想される場合に、クーポンの利用開始時刻は、乗り換え先の直近の電車の時刻よりも遅い時刻である。なお、例えば、混雑しているかは、時間帯によって予め決められてもよいし、乗降記録によって特定されてもよい。これにより、乗客による電車の利用の分散化を図り、混雑の抑制を図ることができる。
【0101】
また、鉄道運営支援システム20は、乗客が乗り換える駅の中に設置された複数の店舗のそれぞれについての設備に基づいて、複数の店舗から少なくともいずれかの店舗に関する広告および当該店舗で使用可能なクーポンのいずれかを決定する。例えば、鉄道運営支援システム20は、乗り換え時間が長い場合に、インターネットの接続が可能な店舗、電源のチャージが可能な店舗などに関する広告やクーポンを決定してもよい。これにより、乗客の乗り換えに応じたリコメンドを行うことができる。
【0102】
以上、各実施の形態の説明を終了する。また、各実施の形態は変形されてもよい。
【0103】
<変形例>
各実施の形態において、鉄道運営支援システム20は、駅の中にある店舗の売上を向上させるために、駅の中にある店舗についてのクーポンや広告を決定する例を挙げて説明した。例えば、鉄道運営支援システム20は、タクシーの利用に対する割引クーポン、駅の改札外の店舗を利用可能とするクーポン、電車移動以外の宿泊などに関するクーポンを決定してもよい。例えば、鉄道運営支援システム20は、電車の運転の再開が困難である場合や電車の遅延の時間が長すぎる場合などに、タクシーの利用に対する割引クーポンや電車移動以外の宿泊などに関するクーポンを決定してもよい。また、駅の改札外の店舗を利用可能とするクーポンとは、例えば、改札外に一時的に出られるクーポンや駅の改札外の店舗で利用可能なクーポンなどである。例えば、このようなクーポンによれば、駅の中の混雑を抑制することができる。
【0104】
以上、変形例の説明を終了する。各実施の形態および変形例は、適宜組み合わせて用いられてもよい。また、電車の遅延発生時におけるクーポンを決定する例と、乗り換え駅における広告およびクーポンのいずれかを決定する例とを区別して説明したが、各機能部の処理は、組み合わせられて用いられてもよい。
【0105】
また、各実施の形態において、鉄道運営支援システム20は、各機能部および情報の一部が含まれる構成であってもよい。
【0106】
また、各実施の形態については、上述した例に限られず、種々変更可能である。また、各実施の形態における鉄道運営支援システム20の構成は特に限定されない。例えば、鉄道運営支援システム20は、一台のサーバなどの一台の装置によって実現されてもよい。鉄道運営支援システム20の各機能部を一台の装置によって実現される場合、例えば、一台の装置は、鉄道運営支援装置、情報処理装置などと呼ばれてもよいし、特に限定されない。または、各実施の形態における鉄道運営支援システム20は、機能またはデータ別に異なる装置によって実現されてもよい。例えば各機能部は、複数のサーバによって構成され、鉄道運営支援システム20として実現されてもよい。例えば、鉄道運営支援システム20は、各DB(DataBase)を含むデータベースサーバと、各機能部を有するサーバと、によって実現されてもよい。
【0107】
また、各実施の形態において、各情報や各DBは、前述の情報の一部を含んでもよい。また、各情報や各DBは、前述の情報以外の情報を含んでもよい。各情報や各DBが、より詳細に、複数のDBや複数の情報に分けられてもよい。このように、各情報や各DBの実現方法は、特に限定されない。
【0108】
また、各画面は、一例であり、特に限定されない。各画面において、図示しないボタン、リスト、チェックボックス、情報表示欄、入力欄などが追加されてもよい。また、画面の背景色などが、変更されてもよい。
【0109】
また、端末装置21に表示させる情報などを生成する処理は、出力制御部204によって行われてもよい。また、この処理は、端末装置21によって行われてもよい。
【0110】
(コンピュータのハードウェア構成例)
つぎに、各実施の形態において説明した鉄道運営支援システム10,20、端末装置21などの各装置をコンピュータで実現した場合のハードウェア構成例について説明する。
図9は、コンピュータのハードウェア構成例を示す説明図である。例えば、各装置の一部または全部は、
図9に示すようなコンピュータ80とプログラムとの任意の組み合わせを用いて実現することも可能である。
【0111】
コンピュータ80は、例えば、プロセッサ801と、ROM(Read Only Memory)802と、RAM(Random Access Memory)803と、記憶装置804とを有する。また、コンピュータ80は、通信インタフェース805と、入出力インタフェース806とを有する。各構成部は、例えば、バス807を介してそれぞれ接続される。なお、各構成部の数は、特に限定されず、各構成部は1または複数である。
【0112】
プロセッサ801は、コンピュータ80の全体を制御する。プロセッサ801は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)などが挙げられる。コンピュータ80は、記憶部として、ROM802、RAM803および記憶装置804などを有する。記憶装置804は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などが挙げられる。例えば、記憶装置804は、OS(Operating System)のプログラム、アプリケーションプログラム、各実施の形態にかかるプログラムなどを記憶する。または、ROM802は、アプリケーションプログラム、各実施の形態にかかるプログラムなどを記憶する。そして、RAM803は、プロセッサ801のワークエリアとして使用される。
【0113】
また、プロセッサ801は、記憶装置804、ROM802などに記憶されたプログラムをロードする。そして、プロセッサ801は、プログラムにコーディングされている各処理を実行する。また、プロセッサ801は、通信ネットワークNTを介して各種プログラムをダウンロードしてもよい。また、プロセッサ801は、コンピュータ80の一部または全部として機能する。そして、プロセッサ801は、プログラムに基づいて図示したフローチャートにおける処理または命令を実行してもよい。
【0114】
通信インタフェース805は、無線または有線の通信回線を通じて、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークNTに接続される。なお、通信ネットワークNTは複数の通信ネットワークNTによって構成されてもよい。これにより、コンピュータ80は、通信ネットワークNTを介して外部の装置や外部のコンピュータ80に接続される。通信インタフェース805は、通信ネットワークNTとコンピュータ80の内部とのインタフェースを司る。そして、通信インタフェース805は、外部の装置や外部のコンピュータ80からのデータの入出力を制御する。
【0115】
また、入出力インタフェース806は、入力装置、出力装置、および入出力装置の少なくともいずれかに接続される。接続方法は、無線であってもよいし、有線であってもよい。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、マイクなどが挙げられる。出力装置は、例えば、表示装置、点灯装置、音声を出力する音声出力装置などが挙げられる。また、入出力装置は、タッチパネルディスプレイなどが挙げられる。なお、入力装置、出力装置、および入出力装置などは、コンピュータ80に内蔵されていてもよいし、外付けであってもよい。
【0116】
コンピュータ80のハードウェア構成は一例である。コンピュータ80は、
図9に示す一部の構成要素を有していてもよい。コンピュータ80は、
図9に示す以外の構成要素を有していてもよい。例えば、コンピュータ80は、ドライブ装置などを有してもよい。そして、プロセッサ801は、ドライブ装置などに装着された記録媒体に記憶されたプログラムやデータをRAM803に読み出してもよい。非一時的な有形な記録媒体としては、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。また、前述の通り、例えば、コンピュータ80は、キーボードやマウスなどの入力装置を有してもよい。コンピュータ80は、ディスプレイなどの出力装置を有していてもよい。また、コンピュータ80は、入力装置および出力装置と、入出力装置とをそれぞれ有してもよい。
【0117】
また、コンピュータ80は、図示しない各種センサを有してもよい。センサの種類は特に限定されない。また、コンピュータ80は、画像や映像を撮像可能な撮像装置を備えていてもよい。
【0118】
以上で、各装置のハードウェア構成の説明を終了する。また、各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素ごとにそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0119】
また、各装置の各構成要素の一部または全部は、特定用途向けの回路で実現されてもよい。また、各装置の各構成要素の一部または全部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)のようなプロセッサなどを含む汎用の回路によって実現されてもよい。また、各装置の各構成要素の一部または全部は、特定用途向けの回路や汎用の回路などの組み合わせによって実現されてもよい。また、これらの回路は、単一の集積回路であってもよい。または、これらの回路は、複数の集積回路に分割されてもよい。そして、複数の集積回路は、バスなどを介して接続されることにより構成されてもよい。
【0120】
また、各装置の各構成要素の一部または全部が複数のコンピュータや回路などにより実現される場合、複数のコンピュータや回路などは、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0121】
各実施の形態で説明した鉄道運営支援方法は、鉄道運営支援システム10,20が実行することにより実現される。また、例えば、鉄道運営支援方法は、予め用意されたプログラムをサーバや端末装置21などのコンピュータが実行することにより実現される。
【0122】
各実施の形態で説明したプログラムは、HDD、SSD、フレキシブルディスク、光ディスク、磁気光ディスク、USBメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録される。そして、プログラムは、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、プログラムは、通信ネットワークNTを介して配布されてもよい。
【0123】
以上説明した、各実施の形態における鉄道運営支援システム10,20の各構成要素は、コンピュータのように、その機能を専用のハードウェアで実現されてもよい。または、各構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよい。または、各構成要素は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0124】
以上、各実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではない。各本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が把握し得る様々な変更を適用した実施の形態を含み得る。本開示は、本明細書に記載された事項を必要に応じて適宜に組み合わせ、または置換した実施の形態を含み得る。例えば、特定の実施の形態を用いて説明された事項は、矛盾を生じない範囲において、他の実施の形態に対しても適用され得る。例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施の形態を実施するときには、その複数の動作の順番を内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0125】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されることができる。ただし、上記の実施の形態の一部または全部は、以下に限られない。
【0126】
(付記1)
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得する取得手段と、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出する検出手段と、
前記遅延が検出された場合に、現在の駅、前記遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、前記路線に含まれる前記現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、前記遅延の時間に応じたクーポンを決定する決定手段と、
決定された前記クーポンを通知する出力制御手段と
を備える鉄道運営支援システム。
(付記2)
前記取得手段は、前記現在の駅、前記乗り換え駅、および前記途中駅の少なくともいずれかに設置された店舗の混雑状況に関する情報を取得し、
前記決定手段は、前記混雑状況に関する情報に基づいて、空いている店舗で使用可能な前記クーポンを決定する、
付記1に記載の鉄道運営支援システム。
(付記3)
前記路線経路情報は、定期券情報、検索履歴、および乗降履歴の少なくともいずれかである、
付記1または2に記載の鉄道運営支援システム。
(付記4)
前記クーポンの利用開始時刻は、前記遅延が検出された時刻、または前記遅延が解消され得る時刻である、
付記1または2に記載の鉄道運営支援システム。
(付記5)
前記決定手段は、利用開始時刻が異なる複数のクーポンを決定する、
付記1から3のいずれかに記載の鉄道運営支援システム。
(付記6)
前記決定手段は、複数の乗客に対して、異なる利用開始時刻のクーポンを決定する、
付記1から4のいずれかに記載の鉄道運営支援システム。
(付記7)
前記決定手段は、前記複数の乗客のそれぞれについて、検索履歴に含まれる検索のオプションに基づいて、前記クーポンを決定する、
付記6に記載の鉄道運営支援システム。
(付記8)
前記オプションは、表示順および前記乗客の歩く速度の少なくともいずれかであり、
前記表示順は、料金順、乗り換え回数順、および到着順のうち前記乗客によって選択されたいずれかである、
付記7に記載の鉄道運営支援システム。
(付記9)
前記決定手段は、検索履歴に基づいて、前記クーポンの発行の有無を決定する、
付記1から8のいずれかに記載の鉄道運営支援システム。
(付記10)
前記決定手段は、前記検索履歴に含まれる前記乗客が希望する到着予定時刻に基づいて、前記クーポンの発行の有無を決定する、
付記9のいずれかに記載の鉄道運営支援システム。
(付記11)
前記決定手段は、前記検索履歴において前記目的駅への検索回数に基づいて、前記クーポンの発行の有無を決定する、
付記9または10に記載の鉄道運営支援システム。
(付記12)
前記クーポンの通知に対する前記乗客の反応を受け付ける受付手段、
を備え、
前記決定手段は、前記乗客が前記クーポンに対して拒否した場合、前記乗客に対して新たなクーポンを決定しない、
付記1から11のいずれかに記載の鉄道運営支援システム。
(付記13)
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得する取得手段と、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客の乗り換えを検出する検出手段と、
前記乗り換えが検出されると、前記乗り換えの時間に基づいて、前記乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および前記店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定する決定手段と、
決定された前記広告およびクーポンの少なくともいずれかを通知する出力制御手段と
を備える鉄道運営支援システム。
(付記14)
前記路線経路情報は、定期券情報、検索履歴、および乗降履歴の少なくともいずれかである、
付記13に記載の鉄道運営支援システム。
(付記15)
前記クーポンの利用開始時刻は、前記乗り換え先の電車の時刻に基づく時刻である、
付記13または14に記載の鉄道運営支援システム。
(付記16)
前記クーポンの利用開始時刻は、前記乗り換え先の直近の電車の時刻よりも遅い時刻である、
付記15に記載の鉄道運営支援システム。
(付記17)
前記決定手段は、前記乗客が乗り換える駅の中に設置された複数の店舗のそれぞれについての設備に基づいて、前記複数の店舗から少なくともいずれかの店舗に関する前記広告および当該店舗で使用可能な前記クーポンの少なくともいずれかを決定する、
付記13から16のいずれかに記載の鉄道運営支援システム。
(付記18)
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出し、
前記遅延が検出された場合に、現在の駅、前記遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、前記路線に含まれる前記現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、前記遅延の時間に応じたクーポンを決定し、
決定された前記クーポンを通知する
鉄道運営支援方法。
(付記19)
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客の乗り換えを検出し、
前記乗り換えが検出されると、前記乗り換えの時間に基づいて、前記乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および前記店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定し、
決定された前記広告およびクーポンの少なくともいずれかを通知する
鉄道運営支援方法。
(付記20)
コンピュータに、
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出し、
前記遅延が検出された場合に、現在の駅、前記遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、前記路線に含まれる前記現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、前記遅延の時間に応じたクーポンを決定し、
決定された前記クーポンを通知する
処理を実行させるプログラム。
(付記21)
コンピュータに、
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客の乗り換えを検出し、
前記乗り換えが検出されると、前記乗り換えの時間に基づいて、前記乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および前記店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定し、
決定された前記広告およびクーポンの少なくともいずれかを通知する
処理を実行させるプログラム。
(付記22)
コンピュータに、
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客が乗降予定または乗車中の路線の遅延を検出し、
前記遅延が検出された場合に、現在の駅、前記遅延による振り替え輸送時の乗り換え駅、および、前記路線に含まれる前記現在の駅から目的駅までの途中駅のうちの、少なくともいずれかの駅の中に設置された店舗で使用可能なクーポンであり、前記遅延の時間に応じたクーポンを決定し、
決定された前記クーポンを通知する
処理を実行させるプログラムを記録する、前記コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体。
(付記23)
コンピュータに、
乗客が乗降予定または乗車中の路線経路情報を取得し、
前記路線経路情報に基づいて、前記乗客の乗り換えを検出し、
前記乗り換えが検出されると、前記乗り換えの時間に基づいて、前記乗客が乗り換える駅の中に設置された店舗に関する広告および前記店舗で使用可能なクーポンの少なくともいずれかを決定し、
決定された前記広告およびクーポンの少なくともいずれかを通知する
処理を実行させるプログラムを記録する、前記コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【符号の説明】
【0127】
10,20 鉄道運営支援システム
21 端末装置
80 コンピュータ
101,201 取得部
102,202 検出部
103,203 決定部
104,204 出力制御部
205 受付部
206 判定部
801 プロセッサ
802 ROM
803 RAM
804 記憶装置
805 通信インタフェース
806 入出力インタフェース
807 バス
2001 検索履歴DB
2002 乗降履歴DB
2003 定期券DB
2004 購入履歴DB
NT 通信ネットワーク