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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045991
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】投影装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20240327BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151104
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 淳
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA06
2H199CA29
2H199CA32
2H199CA45
2H199CA76
2H199CA96
(57)【要約】
【課題】映像をユーザに確認させやすくすることが可能な投影装置を提供する。
【解決手段】投影装置は、ユーザの頭部に装着可能なフレームと、レーザを照射する照射部と、フレームに設けられ、照射部からのレーザをユーザの網膜に向けて反射することで映像情報を網膜に投影する反射部と、フレームに設けられ、ユーザの視線情報に応じて反射部を移動させる移動部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの頭部に装着可能なフレームと、
レーザを照射する照射部と、
前記フレームに設けられ、前記照射部からのレーザを前記ユーザの網膜に向けて反射することで映像情報を前記網膜に投影する反射部と、
前記フレームに設けられ、前記ユーザの視線情報に応じて前記反射部を移動させる移動部と、
を備える投影装置。
【請求項2】
前記視線情報に基づく前記網膜の位置と、前記反射部による前記レーザの投影位置とが一致するように、前記移動部を制御する制御部をさらに備える、
請求項1に記載の投影装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記投影装置の外部に設けられる視線検出装置から前記視線情報を取得する、
請求項2に記載の投影装置。
【請求項4】
前記視線検出装置は、車両に設けられるドライバモニタリングシステムである、
請求項3に記載の投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドマウントディスプレイ等の投影装置において、ユーザの視点の位置情報を検出して、その位置情報に基づいて、注意喚起動作を行う構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-190852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、拡張現実グラス等の、網膜投影型の投影装置においては、網膜に直接レーザを入射して映像を投影するため、ユーザの視線がレーザの焦点からずれると、映像をユーザが確認することができなくなる。
【0005】
本開示の目的は、映像をユーザに確認させやすくすることが可能な投影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る投影装置は、
ユーザの頭部に装着可能なフレームと、
レーザを照射する照射部と、
前記フレームに設けられ、前記照射部からのレーザを前記ユーザの網膜に向けて反射することで映像情報を前記網膜に投影する反射部と、
前記フレームに設けられ、前記ユーザの視線情報に応じて前記反射部を移動させる移動部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、映像をユーザに確認させやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態に係る投影装置を簡易的に示す図である。
図2】本実施の形態に係る投影装置を示す図である。
図3】反射部の移動の一例を示す図である。
図4】反射部の移動の一例を示す図である。
図5】投影装置における投影制御の動作例を示すフローチャートである。
図6】変形例に係る移動部の一例を示す図である。
図7】変形例に係る移動部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本開示の実施の形態に係る投影装置を簡易的に示す図である。
【0010】
図1に示すように、投影装置100は、例えば車両1の乗員(ユーザ)2の頭部等に装着される装置であり、乗員2の網膜に映像を投影することで、例えば、車速の情報、ナビゲーション情報、車両周辺の情報、交通情報等を乗員2に提供する。車両1には、ドライバモニタリングシステム等の視線検出装置3が設けられている。視線検出装置3は、撮像部(不図示)により、乗員2の視線方向を検出可能であり、視線方向の情報(視線情報)を投影装置100に送信する。
【0011】
投影装置100は、視線情報を用いて、乗員2の網膜における映像の投影位置を制御可能に構成されている。図2に示すように、投影装置100は、フレーム101(図1も参照)と、照射部110と、発振ミラー120と、反射部130と、移動部140と、制御部150とを備える。
【0012】
フレーム101は、例えば、眼鏡型の形状を有しており、左右のテンプル部(不図示)と、左右のテンプル部に接続され、乗員2の眼2Aの部分を覆う本体部101Aを有する。
【0013】
照射部110は、左右のテンプル部のそれぞれに設けられたレーザ光源であり、発振ミラー120に向けてレーザLを照射する。発振ミラー120は、例えば、左右のテンプル部のそれぞれにおいて照射部110と対向して配置されており、照射部110が照射したレーザLを反射部130に向けて走査するためのものである。
【0014】
反射部130は、発振ミラー120から走査されたレーザLを、乗員2の網膜2Bに向けて反射するミラーであり、フレーム101の本体部101Aにおける乗員2の左右の眼2Aのそれぞれに対応する位置に設けられている。
【0015】
移動部140は、反射部130を移動させるための機構であり、反射部130に対応する位置に設けられている。移動部140は、例えば、反射部130において反射されるレーザLの投影位置が移動するように、反射部130を移動させる。
【0016】
移動部140は、反射部130の下端部が取り付けられており、上下に移動できるように、フレーム101の本体部101Aに支持されている。フレーム101の本体部101Aには、例えば直動カム(不図示)、直動カムを駆動する駆動源(不図示)等が設けられており、直動カムの回転により、移動部140が上下に移動する。
【0017】
制御部150は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および入出力回路を備えており、視線検出装置3から取得した視線情報に基づいて、反射部130を移動させるように移動部140を制御する。なお、制御部150は、投影装置100内に設けられていても良いし、投影装置100と有線または無線で接続可能な装置(例えば、端末装置等)であっても良い。
【0018】
具体的には、制御部150は、視線情報に基づく、乗員2の網膜2Bの位置と、反射部130によるレーザLの投影位置とが一致するように、移動部140を制御する。
【0019】
例えば、反射部130のデフォルト位置が、フレーム101の本体部101Aに対して乗員2の視線方向が垂直になるような位置(例えば、図2の位置)であったとする。
【0020】
この場合、例えば、図3に示すように、乗員2の視線方向が、上記のデフォルト位置の視線方向より下側である場合、制御部150は、乗員2の視線情報に基づいて、反射部130をデフォルト位置に対応する位置(破線の位置)よりも下側に移動するように、移動部140を制御する。
【0021】
また、図4に示すように、乗員2の視線方向が、上記のデフォルト位置の視線方向より上側である場合、制御部150は、乗員2の視線情報に基づいて、反射部130をデフォルト位置に対応する位置(破線の位置)よりも上側に移動するように、移動部140を制御する。
【0022】
これにより、乗員2の視線に基づく網膜2Bの位置と、反射部130によるレーザLの投影位置とを一致させることが可能となる。
【0023】
次に、投影装置100の動作例について説明する。図5は、投影装置100における投影制御の動作例を示すフローチャートである。
【0024】
図5に示すように、制御部150は、視線検出装置3から乗員2の視線情報を取得する(ステップS101)。制御部150は、視線情報に基づく乗員2の網膜2Bの位置と、反射部130によるレーザLの投影位置とが一致するか否かについて判定する(ステップS102)。
【0025】
判定の結果、網膜2Bの位置と投影位置とが一致する場合(ステップS102、YES)、制御部150は、反射部130を移動させずに、本制御が終了する。
【0026】
一方、網膜2Bの位置と投影位置とが一致しない場合(ステップS102、NO)、制御部150は、網膜2Bの位置と投影位置とが一致する位置になるように、反射部130を移動させる(ステップS103)。ステップS103の後、本制御は終了する。
【0027】
なお、ステップS103の後、または、ステップS102でYESと判定された後、ステップS101に戻るようにしても良い。
【0028】
以上のように構成された本実施の形態によれば、反射部130を視線情報に応じて移動させることで、乗員2の視線方向が変動しても、反射部130によるレーザLの投影位置を網膜2Bの位置に合わせやすくすることができる。その結果、映像をユーザが確認しやすくすることができる。
【0029】
また、網膜2Bの位置と、反射部130によるレーザLの投影位置とを一致させるように移動部140を制御するので、映像をユーザが確実に確認することができる。
【0030】
また、車両1に設けられた視線検出装置3が検出した視線情報を投影装置100が取得するので、投影装置が視線検出の機能を有する構成と比較して、投影装置100の構成を簡素化することができる。
【0031】
なお、上記実施の形態では、移動部140が反射部130を上下に移動させる構成であったが、本開示はこれに限定されない。例えば、図6に示すように、移動部140が反射部130を回動させる構成であっても良い。
【0032】
この構成では、例えば移動部140が軸部材で構成され、反射部130の下端部に取り付けられている。例えば、図示しない駆動源の出力軸で移動部140を回転するようにすることで、反射部130が、移動部140を中心として回動するように移動する。
【0033】
このような構成であっても、網膜の位置に反射部130によるレーザの入射位置を一致させることができる。
【0034】
また、図7に示すように、移動部が第1移動部141と第2移動部142とで構成されていても良い。第1移動部141は、軸部材で構成され、反射部130の下端部に取り付けられている。第2移動部142は、第1移動部141を回動可能に支持している。
【0035】
第1移動部141は、図6に示す移動部140と同様に、反射部130を回動させる。第2移動部142は、図2に示す移動部140と同様に、反射部130を上下に移動させる。
【0036】
このような構成によれば、第2移動部142で反射部130の上下方向の位置を調整しつつ、第1移動部141で反射部130を回動させることで、反射部130によるレーザLの投影位置を調整することができる。その結果、反射部130によるレーザLの投影位置を網膜2Bの位置に正確に合わせやすくすることができる。
【0037】
また、上記実施の形態では、反射部130がフレーム101における、乗員2の眼2Aを覆う部分に設けられていたが、網膜2BにレーザLを投影可能である限り、フレーム101のどの部分に設けられていてもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、照射部110からのレーザLを、発振ミラー120を経由して反射部130で反射させていたが、本開示はこれに限定されず、例えば、照射部110からのレーザLを直接反射部130で反射させても良いし、発振ミラー120および別のミラー等を経由して反射部130で反射させても良い。
【0039】
また、上記実施の形態では、視線検出装置3がドライバモニタリングシステムであったが、本開示はこれに限定されず、ドライバモニタリングシステム以外の監視装置であっても良い。また、監視装置は、ユーザがいる場所とは別の場所に設けられたサーバ等であっても良い。
【0040】
また、上記実施の形態では、投影装置100が、車両1で用いられていたが、本開示はこれに限定されず、車両以外の場所で用いられても良い。
【0041】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本開示の投影装置は、映像をユーザに確認させやすくすることが可能な投影装置として有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 車両
2 乗員
2A 眼
2B 網膜
3 視線検出装置
100 投影装置
110 照射部
120 発振ミラー
130 反射部
140 移動部
150 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7