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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024045992
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】医療用ブース
(51)【国際特許分類】
   A61G 10/00 20060101AFI20240327BHJP
   E04H 15/38 20060101ALI20240327BHJP
   E04H 15/32 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
A61G10/00 C
E04H15/38
E04H15/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151105
(22)【出願日】2022-09-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)フクダ電子グループ会社とのウェブ会議 開催日 令和4年7月22日 (2)フクダ電子グループ会社へのチラシ配布 配布日 令和4年7月28日 配布日 令和4年8月5日 (3)フクダ電子グループ会社による販売 販売日 令和4年8月25日 (4)フクダ電子グループ会社へのカタログ配布 配布日 令和4年8月30日 配布日 令和4年9月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 義夫
(72)【発明者】
【氏名】馬場 忠克
(72)【発明者】
【氏名】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】大泉 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】原 祥一
(72)【発明者】
【氏名】石川 卓哉
【テーマコード(参考)】
2E141
4C341
【Fターム(参考)】
2E141AA01
2E141BB01
2E141CC01
2E141DD02
2E141DD13
2E141DD14
2E141DD24
2E141EE03
2E141EE15
2E141EE21
4C341KK10
4C341KL07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】堅牢性と利便性を両立し得る医療用ブースを提供すること。
【解決手段】医療用ブースには空気清浄機10が設置され、空気清浄機により除菌かつ陰圧され、長方形状に固定された第1の側面フレームと、長方形状に固定されかつ第1の側面フレームに対向する第2の側面フレームと、第1及び第2の側面フレームの前側上部頂部を架渡す第1の支持部材と、第1及び第2の側面フレームの後側上部頂部を架渡す第2の支持部材と、第1及び第2の側面フレームの後側下部頂部を架渡す第3の支持部材と、第1及び第2の側面フレームと第1第2及び第3の支持部材とにより形成される内部空間を外部空間と区画する区画体と、区画体に形成され空気清浄機10により除菌空気を排気する排気部とを備え、第1及び第2の支持部材は2つの棒状部材が下方に折曲がるように連結され、第3の支持部材は2つの棒状部材が前方に折曲がるように連結される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間に空気清浄機が設置され、前記内部空間が前記空気清浄機によって陰圧とされる、医療用ブースであって、
長方形状に形状固定された第1の側面フレームと、
長方形状に形状固定され、かつ、前記第1の側面フレームに対向する第2の側面フレームと、
前記第1及び第2の側面フレームの前側上部の頂部を架け渡すように設けられた第1の支持部材と、
前記第1及び第2の側面フレームの後側上部の頂部を架け渡すように設けられた第2の支持部材と、
前記第1及び第2の側面フレームの後側下部の頂部を架け渡すように設けられた第3の支持部材と、
前記第1及び第2の側面フレームと、前記第1、第2及び第3の支持部材と、に基づいて形成される内部空間を、外部空間と区画する区画体と、
前記区画体に形成され、前記空気清浄機から排出された空気を前記内部空間から排気するための排気部と、
を備え、
前記第1及び第2の支持部材は、それぞれ、2つの棒状部材がジョイントにより下方に折れ曲がることができるように連結されており、
前記第3の支持部材は、2つの棒状部材がジョイントにより前方に折れ曲がることができるように連結されている、
医療用ブース。
【請求項2】
前記第1及び第2の側面フレームの前辺フレームと、前記第1の支持部材との間には、前記第1の支持部材を直線状態に維持するための補助部材が、前記前辺フレーム及び前記第1の支持部材に対して、別体かつ着脱可能に設けられており、
前記第1及び第2の側面フレームの後辺フレームと、前記第2の支持部材との間には、前記第2の支持部材を直線状態に維持するための補助部材が、前記後辺フレーム及び前記第2の支持部材に対して、別体かつ着脱可能に設けられている、
請求項1に記載の医療用ブース。
【請求項3】
さらに、前記第1及び第2の側面フレームの下辺フレームと、前記第3の支持部材との間には、前記第3の支持部材を直線状態に維持するための補助部材が、前記下辺フレーム及び前記第3の支持部材に対して、別体かつ着脱可能に設けられている、
請求項2に記載の医療用ブース。
【請求項4】
前記第1、第2及び第3の支持部材のそれぞれの前記ジョイントを含む領域には、前記ジョイントでの折れ曲がりを防止する折れ曲がり防止部材が、前記ジョイントを含む領域に着脱可能に設けられている、
請求項1又は3に記載の医療用ブース。
【請求項5】
前記補助部材は、
棒状の本体と、
前記本体の両端に形成され、それぞれの係合対象に係合する第1及び第2の係合部と、
作業者の操作により、前記第1及び第2の係合部の状態を係合状態と解放状態とで切替可能な操作部と、
を備える、
請求項2又は3に記載の医療用ブース。
【請求項6】
前記折れ曲がり防止部材は、
前記ジョイントの両側の前記2つの棒状部材に懸架されるレール状の係合部と、
作業者の操作により、前記係合部の状態を係合状態と解放状態とで切替可能な操作部と、
を備える、
請求項4に記載の医療用ブース。
【請求項7】
前記第1の支持部材と、前記第2の支持部材と、を接続する棒状の接続部材を、さらに備える、
請求項1に記載の医療用ブース。
【請求項8】
前記接続部材は、
前記第1の支持部材の前記ジョイントの近傍位置又は前記ジョイントの位置で前記第1の支持部材に接続されているとともに、前記第2の支持部材の前記ジョイントの近傍位置又は前記ジョイントの位置で前記第2の支持部材に接続されている、
請求項7に記載の医療用ブース。
【請求項9】
前記区画体は、透明ビニールシートであり、かつ、前記第1及び第2の側面フレームを含む本体フレームに面ファスナーを介して取り付けられる、
請求項1に記載の医療用ブース。
【請求項10】
前記接続部材に取り付けられた照明を備える、
請求項7に記載の医療用ブース。
【請求項11】
前記接続部材は、単一の棒状部材により構成されている、
請求項10に記載の医療用ブース。
【請求項12】
前記第1の側面フレーム及び前記第2の側面フレームに着脱可能に取り付けられたカーテンレールと、
前記カーテンレールに取り付けられたカーテンと、
を、さらに備える、
請求項1に記載の医療用ブース。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、折り畳み可能な医療用ブースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば感染者や感染が疑われる人を隔離することを目的として、医療用ブースが用いられている。
【0003】
医療用ブースは、感染者が急増した場合などに、臨時に設置されることが多いので、運搬が可能でありかつ簡単に設置できる構造となっていることが好ましい。
【0004】
可搬型の医療用ブースとして、運搬や収納の利便性を考慮して、折り畳み可能な構造となっているものがある。
【0005】
折り畳み可能な医療用ブースは、例えば特許文献1~4等に記載されている。この種の医療用ブースは、特許文献1~4からも分かるように、医療用ブース以外に、例えば、医療用テント、クリーンブース、患者隔離ユニットとも呼ばれており、隔離室、透析室、発熱外来室及び学校の保健室などとしても使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-045646号公報
【特許文献2】特許第7023030号公報
【特許文献3】特許第5325007号公報
【特許文献4】特開2004-141239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、医療用ブースは、感染者などが入る可能性が高いので、ブースが倒れたり折れ曲がってしまうと、ブース内のウイルスや細菌がブース外に漏れることになる。
【0008】
このようなことは絶対にあってはならないので、医療用ブースには、高い堅牢性が求められる。
【0009】
一方で、上述したように、医療用ブースは、運搬や収納の利便性の点で、折り畳み可能な構造とすると有利である。
【0010】
しかしながら、折り畳み構造にすると、堅牢性が低下する欠点があり、堅牢性と利便性の両立といった点で未だ不十分であった。
【0011】
本開示は、以上の点を考慮してなされたものであり、堅牢性と利便性を両立し得る医療用ブースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の医療用ブースの一つの態様は、
内部空間に空気清浄機が設置され、前記内部空間が前記空気清浄機によって陰圧とされる、医療用ブースであって、
長方形状に形状固定された第1の側面フレームと、
長方形状に形状固定され、かつ、前記第1の側面フレームに対向する第2の側面フレームと、
前記第1及び第2の側面フレームの前側上部の頂部を架け渡すように設けられた第1の支持部材と、
前記第1及び第2の側面フレームの後側上部の頂部を架け渡すように設けられた第2の支持部材と、
前記第1及び第2の側面フレームの後側下部の頂部を架け渡すように設けられた第3の支持部材と、
前記第1及び第2の側面フレームと、前記第1、第2及び第3の支持部材と、に基づいて形成される内部空間を、外部空間と区画する区画体と、
前記区画体に形成され、前記空気清浄機から排出された空気を前記内部空間から排気するための排気部と、
を備え、
前記第1及び第2の支持部材は、それぞれ、2つの棒状部材がジョイントにより下方に折れ曲がることができるように連結されており、
前記第3の支持部材は、2つの棒状部材がジョイントにより前方に折れ曲がることができるように連結されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、堅牢性と利便性を両立し得る医療用ブースを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態に係る医療用ブースを正面方向から見た図
図2】医療用ブースのフレーム構成の説明に供する図
図3】補助部材の斜視図
図4】補助部材を本体フレームに取り付けた状態を示す斜視図
図5】折れ曲がり防止部材の斜視図
図6】折れ曲がり防止部材を本体フレームに取り付けた状態を示す斜視図
図7】前面のビニールシートの取り付け構造を示す図であり、図7Aはフレーム側の面ファスナーの説明に供する図、図7Bはビニールシート側の面ファスナーの説明に供する図
図8】折り畳み途中の状態を示す斜視図
図9】完全に折り畳まれた状態を示す斜視図
図10】作業者による医療用ブースの運搬の様子を示す図
図11】他の実施の形態の医療用ブースを示す図
図12】他の実施の形態の医療用ブースを示す図
図13】医療用ブースにカーテンを取り付けた状態を示す図
図14】医療用ブースの使用例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
<1>医療用ブースの概要
図1は、実施の形態に係る医療用ブース100を正面方向から見た図である。以下では、図の±X方向を左右方向、±Y方向を前後方向、±Z方向を上下方向と呼ぶ。
【0017】
医療用ブース100は、略直方体の外形を有する。医療用ブース100のサイズは、内部に成人が起立できるとともに成人が2人入ることができるサイズとなっている。なお、医療用ブース100のサイズは、これに限らず、要は、内部に成人が入ることができ、かつ1~2人の成人によって運搬可能なサイズであればよい。
【0018】
本発明の発明者らは、医療用ブース100を様々なサイズで実施しようとしている。その中でのサイズ例を以下に挙げる。
タイプ1;(X方向サイズ,Y方向サイズ,Z方向サイズ)=(1.0m, 1.5m, 1.9m)
タイプ2;(X方向サイズ,Y方向サイズ,Z方向サイズ)=(1.5m, 1.5m, 1.9m)
タイプ3;(X方向サイズ,Y方向サイズ,Z方向サイズ)=(2.0m, 2.5m, 1.9m)
タイプ4;(X方向サイズ,Y方向サイズ,Z方向サイズ)=(2.0m, 3.0m, 1.9m)
実施の形態の図に示した医療用ブース100は、タイプ2のサイズである。なお、以下に説明する実施の形態の構成は、上記サイズを含む様々なサイズに適用可能である。
【0019】
医療用ブース100は、大きく分けて、フレーム体と、このフレーム体により形成される内部空間を外部空間と区画する区画体と、を有する。
【0020】
本実施の形態の場合、フレーム体はアルミフレームが連結されて構成されており、区画体は不燃性の透明なビニールシート101(101a、101b、101c、101d)である。
【0021】
医療用ブース100内には、除菌機能付きの空気清浄機10が設けられる。空気清浄機10は、ULPA(Ultra-Low Particulate Air)フィルターと紫外線照射部とを有する。
【0022】
これにより、空気清浄機10は、ULPAフィルターによって医療用ブース内のウイルス等を捕集し除菌する。また、空気清浄機10は、ULPAフィルターで捕集された又はULPAフィルターを通り抜けたウイルスなどを紫外線により除菌する。なお、空気清浄機10は、除菌機能を有するものであればよく、上述の構成に限らない。例えば、ULPAフィルターに代えて、HEPAフィルターが用いられていてもよい。
【0023】
空気清浄機10の排気口にはダクト11が接続されている。ダクト11はビニールシート101cに形成されたダクト挿通孔102を介して外部に引き出されている。これにより、空気清浄機10により除菌された空気は、ダクト11を介して医療用ブース100の外部に排気される。なお、本実施の形態では、ダクト挿通孔102を側面のビニールシート101cに設けた場合について述べたが、ダクト挿通孔102は例えば天井や背面のビニールシート101bに設けてもよい。
【0024】
また、本実施の形態の例では、空気清浄機10が除菌後の空気をダクト11を用いて外部に排気する構成を採用しているために、ビニールシートにダクト挿通孔102を設けた場合について述べたが、本開示はこれに限らない。要は、ビニールシート101などの区画体に、空気清浄機10により除菌された空気を内部空間から排気するための排気部を形成すればよく、排気部はダクト挿通孔102に限らない。
【0025】
また、医療用ブース100の内部は実質的に陰圧となり、ビニールシート101の隙間などから、医療用ブース100の外部の空気が医療用ブース100の内部に進入することはあっても、医療用ブース100の内部の空気が医療用ブース100の外部に漏れ出すことはない。この結果、医療用ブース100内のウイルス等が外部に漏れ出すことを防止できる。
【0026】
なお、ここまで説明した構成は、従来から提案されているいわゆる陰圧ブースの基本的構成である。
【0027】
<2>フレーム構成
次に、医療用ブース100のフレーム構成について、図2を用いて説明する。図2は、図1からビニールシート101及び空気清浄機10を取り除いた図である。なお、実際には、フレーム体には、ビニールシート101を取り付けるための面ファスナーが接着されているが、図2では、フレームの構成をより分かり易くするために面ファスナーも省略してある。
【0028】
医療用ブース100は、第1の側面フレーム110と、これに対向する第2の側面フレーム120と、を有する。第1の側面フレーム110は、上下前後の4つの棒状部材111、112、113、114をそれぞれ直角に連結することにより構成されている。第2の側面フレーム120も同様に、上下前後の4つの棒状部材121、122、123、124をそれぞれ直角に連結することにより構成されている。
【0029】
各棒状部材111~114、121~124の連結は、連結部を直角に固定できるジョイントを用いて行われている。ジョイントとしては、例えばL字ブラケットを用いてもよく、その他のものを用いてもよい。要は、第1の側面フレーム110及び第2の側面フレーム120が長方形状に形状固定されるように連結されていればよい。
【0030】
第1の側面フレーム110には、ダクト挿入孔102が形成されたダクト取付金具が取り付けられている。ダクト取付金具を固定するために、第1の側面フレーム110には、棒状部材105が取り付けられている。ダクト取付金具は、上下位置で棒状部材111、105に支持されて、第1の側面フレーム110に固定されている。
【0031】
加えて、医療用ブース100は、第1及び第2の側面フレーム110、120の前側上部の頂部を架け渡すように設けられた第1の支持部材130を有する。また、医療用ブース100は、第1及び第2の側面フレーム110、120の後側上部の頂部を架け渡すように設けられた第2の支持部材140を有する。
【0032】
さらに、医療用ブース100は、第1及び第2の側面フレーム110、120の後側下部の頂部を架け渡すように設けられた第3の支持部材150を有する。
【0033】
第1の支持部材130は、2つの棒状部材131、132がジョイント133によって下方に折れ曲がることできるように連結されている。同様に、第2の支持部材140は、2つの棒状部材141、142がジョイント143によって下方に折れ曲がることできるように連結されている。
【0034】
第3の支持部材150は、2つの棒状部材151、152がジョイント153によって前方(-Y方向)に折れ曲がることができるように連結されている。
【0035】
さらに、医療用ブース100は、第1の支持部材130と、第2の支持部材140と、を接続する棒状の接続部材160を有する。接続部材160は、一端が第1の支持部材130に接続されているとともに他端が第2の支持部材140に接続されている。実際上、第1の支持部材130のジョイント133の近傍位置で第1の支持部材130に接続されているとともに、第2の支持部材140のジョイント143の近傍位置で第2の支持部材140に接続されている。この接続位置は、できるだけジョイント133、143の近くであることが好ましい。また、この接続位置は、ジョイント133、143の位置であってもよい。
【0036】
<3>着脱可能な補助部材及び折れ曲がり防止部材
医療用ブース100には、フレーム体から着脱可能な補助部材171~176が設けられている。具体的には、第1及び第2の側面フレーム110、120の前側の棒状部材(前辺フレームと言うこともできる)113、123と、第1の支持部材130との間には、補助部材171、172が設けられている。
【0037】
また、第1及び第2の側面フレーム110、120の後ろ側の棒状部材(後辺フレームと言うこともできる)114、124と、第2の支持部材140との間には、補助部材173、174が設けられている。
【0038】
さらに、第1及び第2の側面フレーム110、120の下側の棒状部材(下辺フレームと言うこともできる)112,122と、第3の支持部材150との間には、補助部材175、176が設けられている。
【0039】
補助部材171、172によって、第1の支持部材130がジョイント133の位置で折れ曲がることが防止され、第1の支持部材130が直線状態に維持される。
【0040】
補助部材173、174によって、第2の支持部材140がジョイント143の位置で折れ曲がることが防止され、第2の支持部材140が直線状態に維持される。
【0041】
補助部材175、176によって、第3の支持部材150がジョイント153の位置で折れ曲がることが防止され、第3の支持部材150が直線状態に維持される。
【0042】
図3は、補助部材171(172~176)の斜視図である。各補助部材171~176は同様の構成なので、ここでは代表して補助部材171の構成について説明する。
【0043】
補助部材171は、棒状の本体170aを有する。本体170aの両端部には、係合部170b1、170b2が形成されている。係合部170b1、170b2は、係合対象に係合する。例えば補助部材171であれば、係合対象は第1の支持部材130と棒状部材113なので、係合部170b1、170b2はそれぞれ第1の支持部材130、棒状部材113に係合する。
【0044】
ここで、補助部材171の本体170aの太さは相手側のフレーム部材(第1の支持部材130、棒状部材113)とほぼ同様である。また、係合部170b1、170b2は、相手側のフレーム部材と一定の長さ当接するレール状の部材である。
【0045】
これにより、補助部材171は、本体170aが折れ曲がることなく、かつ、係合部170b1、170b2が破損したり相手方のフレーム部材から脱落することがない。この結果、補助部材171は、相手側の部材が折り畳み方向に折れ曲がることを防止できる。
【0046】
本体170aにおける第1及び第2の係合部170b1、170b2の近傍にはハンドル170c1、170c2が設けられている。
【0047】
本体170a及び係合部170b1、170b2は、図中の矢印d0で示す幅方向に2分割されており、分割された2つの部材がハンドル170c1、170c2に設けられたボルト(図示せず)によって結合されている。
【0048】
これにより、作業者によってハンドル170c1、170c2が時計回りに回転操作されると、2つの部材が矢印d0の方向における近接する方向に移動する。一方、ハンドル170c1、170c2が反時計回りに回転操作されると、2つの部材が矢印d0の方向における離間する方向に移動する。
【0049】
補助部材171~176の取り付け及び取り外しについて、図4を用いて説明する。図4は、補助部材173を本体フレームに取り付けた状態を示す斜視図である。
【0050】
先ず、作業者は、ハンドル170c1、170c2の操作により、補助部材173の2つの部材を離間状態とする。作業者は、この離間状態において、図4に示したように、補助部材173の係合部170b1、170b2をそれぞれ棒状部材141、114に当接させ、次いでハンドル170c1、170c2を時計方向に回転操作する。
【0051】
ここで、当接状態においては、係合部170b1、170b2がそれぞれ棒状部材141、114に形成されたレール状の凸部を把持した状態にある。
【0052】
この状態において、作業者によってハンドル170c1、170c2が時計方向に回転操作されると、係合部170b1、170b2がそれぞれ棒状部材141、114を挟持した状態となる。この結果、補助部材173が棒状部材141、114との間に強固に固定された状態で懸架される。
【0053】
逆に、作業者によってハンドル170c1、170c2が反時計方向に回転操作されると、係合部170b1、170b2による棒状部材141、114への挟持力がなくなり、補助部材173を棒状部材141、114から取り外すことができる。
【0054】
ここで、図4にも示したように、医療用ブース100のフレーム本体の組立て及び分解は、フレームの連結部に設けられたボルト180を六角レンチやドライバーなどの工具によって締結及び緩めることで行われる。
【0055】
この工具を用いた組立ては、例えば医療用ブース100の最初の組立て時や一旦分解されたフレームを組立て直す場合に行われる。工具を用いた分解は、例えば長期の保管時のように折り畳み状態よりもさらに小さく収めたい場合に行われる。この工具を用いた組み立て及び分解の頻度は少ない。よって、この組立て及び分解には多少の手間がかかっても作業者にとって大きな負担にはならない。
【0056】
一方で、補助部材171~176の取り付け及び取り外しは、医療用ブース100を展開する度及び折り畳む度に行わなければならず、その頻度は多い。
【0057】
本実施の形態では、補助部材171~176を、ハンドル170c1、170c2の操作によって簡単に取り付け及び取り外しできるので、頻度の多い補助部材171~176の取り付け及び取り外しの手間を軽減できる。
【0058】
本実施の形態では、補助部材171~176に加えて、ジョイント133、143、153での折れ曲がりを防止する折れ曲がり防止部材191、192、193が設けられている。折れ曲がり防止部材191、192、193は、それぞれ、ジョイント133、143、153を含む領域に着脱可能に設けられている。
【0059】
ところで、上述したように、本発明の発明者らは、医療用ブース100を様々なサイズで実施しようとしている。医療用ブース100を、上述したタイプ1やタイプ2のような小さなサイズで実施しようとした場合には、ビニールシート101bの重量も小さく、フレーム本体の捩れの力も小さいので、補助部材171~176によって、ジョイント133、143、153の位置での折れ曲がりを防止することができると考えられる。
【0060】
これに対して、医療用ブース100を、上述したタイプ3やタイプ4のような大きなサイズで実施しようとした場合には、ビニールシート101bの重量も大きく、フレーム本体の捩れの力も大きい。そのため、補助部材171~176だけではジョイント133、143、153の位置での折れ曲がりを確実に防止できないおそれもある。これを考慮して、本実施の形態では、補助部材171~176に加えて、ジョイント133、143、153での折れ曲がりを防止する折れ曲がり防止部材191、192、193が設けられている。
【0061】
図5は、折れ曲がり防止部材191(192、193)の斜視図である。各折れ曲がり防止部材191~193は同様の構成なので、ここでは代表して折れ曲がり防止部材191の構成について説明する。
【0062】
折れ曲がり防止部材191は、レール状の係合部190aを有する。係合部190aは、図中の矢印f0で示す方向に2分割されており、分割された2つの部材がハンドル190b1、190b2に設けられたボルト(図示せず)によって結合されている。
【0063】
これにより、作業者によってハンドル190b1、190b2が時計回りに回転操作されると、2つの部材が矢印f0の方向における近接する方向に移動する。一方、ハンドル190b1、190b2が反時計回りに回転操作されると、2つの部材が矢印f0の方向における離間する方向に移動する。
【0064】
折れ曲がり防止部材191~193の取り付け及び取り外しについて、図6を用いて説明する。図6は、折れ曲がり防止部材191を本体フレームに取り付けた状態を示す斜視図である。
【0065】
先ず、作業者は、ハンドル190b1、190b2の操作により、係合部190aの2つの部材を離間状態(解放状態と言ってもよい)とする。作業者は、この離間状態において、図6に示したように、係合部170aを、ジョイント133の両側の2つの棒状部材131、132に懸架するように当接させる。次いで、作業者はハンドル190b1、190b2を時計方向に回転操作する。
【0066】
ここで、当接状態においては、係合部190aが棒状部材131、132に形成されたレール状の凸部を把持した状態にある。この状態において、作業者によってハンドル190b1、190b2が時計方向に回転操作されると、係合部190aがそれぞれ棒状部材131、132を挟持した状態となる。この結果、折れ曲がり防止部材191が棒状部材131、132との間に強固に固定された状態で懸架される。
【0067】
このように、折れ曲がり防止部材191は、作業者のハンドル190b1、190b2の操作に応じて、係合部190aの状態を係合状態と解放状態とで切り替えることができる。折れ曲がり防止部材191は、ジョイント133を含む領域に、ジョイント133での折れ曲がりを防止するように、着脱可能に取り付けられる。
【0068】
<4>区画体(ビニールシート101)の取り付け構造
本実施の形態の場合、区画体としてのビニールシート101は、面ファスナーによってフレーム体に取り付けられる。具体的には、図7Aに示したように、フレーム体の外周面には面ファスナー103が例えば接着により取り付けられている。
【0069】
また、図7Bに示したように、ビニールシート101aの外縁部にも面ファスナー104が設けられている。フレーム体の面ファスナー103にビニールシート101aの面ファスナー104を押し当てることで、フレーム体にビニールシート101aを取り付けることができる。
【0070】
また、逆に、フレーム体の面ファスナー103からビニールシート101aの面ファスナー104を引き剥がすことで、フレーム体からビニールシート101aを取り外すことができる。
【0071】
なお、図7では、一例として、医療用ブース100の前面のビニールシート101aの取り付け構造を示したが、上面、背面及び側面のビニールシート101b、101c、101dも同様に面ファスナーによって取り付け及び取り外しが可能な構成となっている。
【0072】
本実施の形態のビニールシート101は、図1からも分かるように、前面を囲うビニールシート101aと、左側側面を覆うビニールシート101cと、右側側面を覆うビニールシート101dと、上面及び背面を覆うビニールシート101dと、分けられており、それぞれのビニールシート101a~101dを独立に取り付け及び取り外しできるようになっている。
【0073】
これにより、例えば一人の作業者でビニールシート101の取り付け及び取り外しを容易に行うことができるようになる。
【0074】
医療用ブース100においては、運搬時や収納時にフレーム体を折り畳むときに加えて、ビニールシート101を消毒、洗浄又は交換するときにもビニールシート101を取り外す必要がある。よって、ビニールシート101の取り付け及び取り外しの頻度は少なくない。本実施の形態では、ビニールシート101を面ファスナー103、104で取り付ける構成とし、さらにビニールシート101を複数枚に分割しているので、ビニールシート101の取り付け及び取り外しの煩わしさを軽減できる。
【0075】
因みに、図1及び図7Bから分かるように、前面を覆うビニールシート101aは、左右方向の中央位置において下端から上方に亘ってジッパー101a-1が設けられている。ジッパー101a-1を開けると、ビニールシート101aが左右に分割され、その部分からブース内に人が出入りできる。
【0076】
また、ビニールシート101a~101dの高さ方向(Z方向)のサイズは、ビニールシート101a~101dがスカート状に底面フレームを覆うように、本体フレームの高さよりも長くされている。
【0077】
<5>折り畳み
ここでは、フレーム体の折り畳みについて説明する。図8はフレーム体の折り畳み途中の状態を示す斜視図であり、図9はフレームが完全に折り畳まれた状態を示す斜視図である。
【0078】
フレーム体の折り畳み時において、作業者は、足を使って支持部材150のジョイント153を医療用ブース100の内方(-Y方向)に移動させて支持部材150を折り曲げつつ、手を使って接続部材160を下方(-Z方向)に引き下げる。これにより、図8に示したように、底面部分及び天井部分を折り曲げることができる。この折り畳み動作に連動して、医療用ブース100のX方向の幅が小さくなっていく。
【0079】
フレーム体の展開時にはその逆で、作業者は、足を使って支持部材150のジョイント153を医療用ブース100の外方(+Y方向)に移動させて支持部材150を直線状にしつつ、手を使って接続部材160を上(+Z方向)に押し上げる。この展開動作に連動して、医療用ブース100のX方向の幅が大きくなっていく。
【0080】
この結果、一人の作業者によって医療用ブース100の折り畳み及び展開を行うことができる。勿論、二人以上の作業者で行うようにしてもよい。
【0081】
ここで、比較例として、支持部材150がジョイント153において前方(-Y方向)ではなく上方(+Z方向)に折れ曲がる構成を採用した場合について考察する。
【0082】
このような構成を採用した場合、作業者は、支持部材150を折り曲げる際、手でジョイント153を掴んで上方(+Z方向)に引き上げる必要がある。何故なら、支持部材150を足で引き上げようとしても支持部材150の下方には足を差し込む隙間が無いからである。
【0083】
また、医療用ブース100の高さが、内部に成人が起立できるサイズ(例えば2m程度)とされていることを考えると、一人の作業者が一方の手で接続部材160を掴み、他方の手でジョイント153を掴むことはほぼ不可能である。よって、必ず二人以上の作業者が必要となる。
【0084】
このように、本実施の形態の医療用ブース100は、一人の作業者でフレーム体の折り畳み、運搬及び展開を行うことが可能である。勿論、医療用ブース100のサイズによっては二人以上の作業者が必要になる場合もある。実際上、本実施の形態の医療用ブース100は、上述したタイプ1のサイズなので、人の作業者でフレーム体の折り畳み、運搬及び展開を行うことが可能である。ただし、上述したタイプ3やタイプ4のような大きなサイズにおいては、二人以上の作業者が必要になる場合もある。ただし、二人以上の作業者が必要であったとしても、足と手を使った折り畳み及び展開が可能なので、折り畳み及び展開の作業が容易となる。
【0085】
図9のフレーム体を完全に折り畳んだ状態を示した図からも分かるように、本実施の形態の医療用ブース100は、折り畳んだ状態において、フレーム4本分の厚さとなる。フレームの太さにもよるが、本実施の形態の場合、医療用ブース100の折り畳み時の厚さは15cm程度である。本実施の形態の医療用ブース100は、無駄なフレームが排除され、非常に薄く折り畳むことができる。
【0086】
よって、図10に示したように、作業者は、医療用ブース100を手で持って容易に運搬できる。また、倉庫や更衣室、休憩室などの狭い隙間に医療用ブース100を収納しておくことができる。
【0087】
<6>堅牢性
ここでは、堅牢性の観点から、本実施の形態の医療用ブース100を説明する。
【0088】
フレーム体の主要な構成要素である棒状部材111~114、121~124、131、132、141、142、151、152及び接続部材160は、長手方向に補強のための凹凸が形成されたアルミ製の部材であり、軽量でありながら曲がり方向の強度が高い。
【0089】
また、医療用ブース100は、側面フレーム110、120が長方形状に形状固定された構造となっている。換言すれば、側面フレーム110、120は折り畳むことができない構造である。よって、医療用ブース100の側面の強度は非常に高い。
【0090】
医療用ブース100の脚体の下端は、棒状部材112、122及び支持部材150によって出入口を除くコ字状のフレームとなっている。
【0091】
さらに、支持部材150はジョイント153を有し、前方に折れ曲がることができるようになっているが、補助部材175、176によって折れ曲がりが防止される。よって、脚体の下端はコ字状のフレームによって強固に形状維持される。
【0092】
この結果、折り畳みが可能でありながら、脚体の下端が捩れないので、高い起立安定性が実現されている。これは、医療用ブース100を、窓が開けられた体育館などの風が当たる場所に設置した場合に有利である。また、医療用ブース100を、集中治療室(ICU)や救急外来(ER)などのように、医療従事者が慌ただしく動き回る場所に設置した場合に有利である。何故なら、医療用ブース100は、医療従事者がフレーム体にぶつかったとしても、起立安定性が高く倒れにくいからである。また、医療用ブース100は、老人看護施設などに適用した場合にも有利である。何故なら、例えば視力や足腰が弱った老人が誤ってフレーム体にぶつかったとしても、起立安定性が高く倒れにくいからである。
【0093】
接続部材160がジョイント133、143の近傍で支持部材130、140とを架け渡すように設けられているので、支持部材130と支持部材140との折れ曲がり動作が同期し、支持部材130と支持部材140の一方のみが折れ曲がることを防止できる。
【0094】
この結果、天井フレームの変形や破損を抑制できる。また、折り畳み時にも、支持部材130及び支持部材140の間で折り畳み角度に大きな差が出ることが防止される。よって、折れ曲がり角度の差が原因となって、支持部材130及び支持部材140に大きなストレスがかかり、その結果、支持部材130又は支持部材140が破損するといった事態を防止できる。これは、フレームの展開時でも同様である。
【0095】
このように、本実施の形態の医療用ブース100は、設置された状態、及び、フレームの折り畳み・展開時において、高い堅牢性を有する。
【0096】
<7>まとめ
以上説明したように、本実施の形態の医療用ブース100は、長方形状に形状固定された第1の側面フレーム110と、長方形状に形状固定され、かつ、第1の側面フレーム110に対向する第2の側面フレーム120と、第1及び第2の側面フレーム110、120の前側上部の頂部を架け渡すように設けられた第1の支持部材130と、第1及び第2の側面フレーム110、120の後側上部の頂部を架け渡すように設けられた第2の支持部材140と、第1及び第2の側面フレーム110、120の後側下部の頂部を架け渡すように設けられた第3の支持部材150と、第1及び第2の側面フレーム110、120と、第1、第2及び第3の支持部材130、140、150と、に基づいて形成される内部空間を、外部空間と区画する区画体(ビニールシート101a~101d)と、を備え、第1及び第2の支持部材130、140は、それぞれ、2つの棒状部材131、132、141、142がジョイント133、143で下方に折れ曲がることができるように連結されており、第3の支持部材150は、2つの棒状部材151、152がジョイント153により前方に折れ曲がることができるように連結されている。
【0097】
これにより、堅牢性と利便性を両立し得る医療用ブースを実現できる。この結果、例えば隔離室、ICU、ER、老人看護施設、透析室、発熱外来室及び学校の保健室等の様々な場所に容易に設置して有利な効果を得ることができる医療用ブースを実現できる。
【0098】
また、本実施の形態の医療用ブース100は、第1及び第2の側面フレーム110、120の前辺フレーム(棒状部材113、123)と、第1の支持部材130との間には、第1の支持部材130を直線状態に維持するための補助部材171、172が、前辺フレーム(棒状部材113、123)及び第1の支持部材130に対して、別体かつ取り外し可能に設けられており、第1及び第2の側面フレーム110、120の後辺フレーム(棒状部材114、124)と、第2の支持部材140との間には、第2の支持部材140を直線状態に維持するための補助部材173、174が、後辺フレーム(棒状部材114、124)及び第2の支持部材140に対して、別体かつ取り外し可能に設けられている。
【0099】
これにより、天井部分の捩れ剛性が向上するので、堅牢性がより向上する。また、補助部材171~174は、本体フレームとは別体に設けられているので、本体フレームを複雑化することなく、堅牢性を向上させることができる。また、補助部材171~174は、本体フレームから取り外し可能に設けられているので、例えば運搬時などに作業者の邪魔になることがない。
【0100】
また、本実施の形態の医療用ブース100は、第1及び第2の側面フレーム110、120の下辺フレーム(棒状部材112、122)と、第3の支持部材150との間には、第3の支持部材150を直線状態に維持するための補助部材175、176が、下辺フレーム(棒状部材112、122)及び第3の支持部材150に対して、別体かつ取り外し可能に設けられている。
【0101】
これにより、底面部分の捩れ剛性が向上するので、堅牢性がより向上する。また、補助部材175、176は、本体フレームとは別体に設けられているので、本体フレームを複雑化することなく、堅牢性を向上させることができる。また、補助部材175、176は、本体フレームから取り外し可能に設けられているので、例えば運搬時などに作業者の邪魔になることがない。
【0102】
また、本実施の形態の医療用ブース100は、第1の支持部材130と第2の支持部材140と、を接続する棒状の接続部材160を、さらに備える。
【0103】
これにより、第1の支持部材130と第2の支持部材140との折れ曲がり動作が同期し、第1の支持部材130と第2の支持部材140の一方のみが折れ曲がることを防止でき、天井フレームの変形や破損を抑制できる。また、作業者は、接続部材160を手で操作することで、簡単に天井フレームの折り畳み及び展開を行うことができるようになる。
【0104】
また、本実施の形態の医療用ブース100は、区画体が、透明なビニールシート101a~101dであり、かつ、第1及び第2の側面フレーム110、120を含む本体フレームに面ファスナー103、104を介して取り付けられる。
【0105】
これにより、医療用ブース100の中にいる患者と、医療用ブース100の外にいる家族などの面会者が対面したときに、例えば透明なビニールシート101a~101d越しに手と手を合わせた場合、互いの手の感触やぬくもりを感じることができるようになる。また、ビニールシート101a~101dを面ファスナー103、104を介して本体フレームに取り付けるようにしたので、本体フレームの組立て時や折り畳み時に簡単にビニールシート101a~101dを取り付け及び取り外すことができ、組み立て及び折り畳みがより容易となる。
【0106】
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することの無い範囲で、様々な形で実施することができる。
【0107】
上述の実施の形態では、補助部材171~176が2つのハンドル170c1、170c2を有する場合について述べたが、これに限らず、例えば本体170aの長手方向の中央に1つのハンドルを設けて、1つのハンドルで係合状態(つまり挟持状態)と解放状態(つまり離間状態)とを切り替えるようにしてもよい。さらに、操作部は、回転するハンドルに限らず、例えばレバーなどであってもよい。要は、補助部材は、作業者の操作により、第1及び第2の係合部の状態を係合状態と解放状態とで切替可能な操作部を有していればよい。
【0108】
上述の実施の形態では、区画体としてビニールシート101a~101dを用いた場合について述べたが、これに限らず、区画体として例えばアクリル板などを用いてもよい。この場合、例えば本体フレームにアクリル板を挿し込むことができる溝を形成すればよい。そして、本体フレームの折り畳み時には、少なくとも天井及び背面のアクリル板を取り外すようにする。
【0109】
図2との対応部分に同一符号を付した図11は、他の実施の形態の医療用ブース200を示す。医療用ブース200は、接続部材160に照明201が取り付けられている。照明201は例えばLEDライトである。照明201の太さは、接続部材160の太さ以下であることが好ましい。このようにすれば、照明201を接続部材160に取り付けた状態で折り畳んで搬送や収納した場合に、照明201が接続部材160によって守られるので、照明201の破損が抑制される。
【0110】
なお、接続部材160は、ジョイントなどの無い単一の棒状部材により構成されているので、照明201を安定して取り付けることができるとともに、フレームを折り畳む度に照明201を取り外す手間も省略できる。つまり、照明201を取り付ける部材がフレームの折り畳み動作に連動して折り畳まれる部材であったとすると、フレームを折り畳む度に照明201を取り外す必要があるが、図11の構成では、照明201を取り外さなくても済むので、折り畳み時の手間を軽減できる。
【0111】
図2との対応部分に同一符号を付して示す図12は、他の実施の形態の医療用ブース300を示す。医療用ブース300は、カーテンレール301~304を有する。カーテンレール301~304は、第1の側面フレーム110及び第2の側面フレーム120に着脱可能に取り付けられている。
【0112】
具体的には、カーテンレール301は棒状部材113及び棒状部材123の上部を懸架するように設けられ、カーテンレール302は棒状部材113及び棒状部材114の上部を懸架するように設けられ、カーテンレール303は棒状部材114及び棒状部材124の上部を懸架するように設けられ、カーテンレール304は棒状部材124及び棒状部材123の上部を懸架するように設けられている。カーテンレール301~304のフレーム本体への取り付け構造は、特に限定されるものではなく、種々の構造を適用できる。ただし、カーテンレール301、303は、フレーム本体を折り畳むことを考慮して、フレーム本体に着脱自在に取り付ける構造である必要がある。
【0113】
図13は、カーテンレールにカーテン310を取り付けた状態を示す図である。このように、医療用ブース300はカーテン310を有するので、医療用ブース300内の患者等はカーテン310を閉じればブース外の人目を気にしなくて済むようになる。これは、医療用ブース300が様々な場所に設置されることを考えると、医療用ブース300内の患者のプライバシーを守る点及び居心地の向上で非常に有効である。
【0114】
なお、カーテンは、ビニールシート101の外側に設けてもよいが、ビニールシート101の内側に設けると、より好ましい。何故なら、ビニールシート101の内側に設けると、医療用ブース300内の患者等がビニールシート101を開けずに、カーテンの開閉操作を行うことができるからである。
【0115】
上述の実施の形態の医療用ブース100は、単独で使用してもよいし、例えば図14に示したように2つ以上を並べて使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本開示の医療用ブースは、堅牢性と利便性を両立し得るといった効果を有し、例えば隔離室、ICU、ER、透析室、発熱外来室及び学校の保健室として有用である。
【符号の説明】
【0117】
10 空気清浄機
11 ダクト
100、200、300 医療用ブース
101(101a~101d) ビニールシート
102 ダクト挿通孔
103、104 面ファスナー
110、120 側面フレーム
111~114、121~124、131、132、141、142、151、152 棒状部材
130、140、150 支持部材
133、143、153 ジョイント
160 接続部材
171~176 補助部材
170a 本体
170b1、170b2、190a 係合部
170c1、170c2、190b1、190b2 ハンドル
180 ボルト
191~193 折れ曲がり防止部材
201 照明
301~304 カーテンレール
310 カーテン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14