(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046009
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置、およびゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/49 20140101AFI20240327BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20240327BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20240327BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20240327BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240327BHJP
A63F 13/847 20140101ALI20240327BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20240327BHJP
A63F 13/497 20140101ALI20240327BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240327BHJP
A63F 13/825 20140101ALI20240327BHJP
【FI】
A63F13/49
A63F13/45
A63F13/30
A63F13/822
A63F13/55
A63F13/847
A63F13/533
A63F13/497
A63F13/69
A63F13/825
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151137
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】397037890
【氏名又は名称】株式会社インテリジェントシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 佑弥
(72)【発明者】
【氏名】石原 晋
(72)【発明者】
【氏名】柴田 雄介
(57)【要約】
【課題】リアルタイムでゲームの進行状況を同期しながら同じゲームを進行させることが難しい性質のゲームでもマルチプレイが楽しめるゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置、およびゲーム処理方法を提供すること。
【解決手段】第1開始指示入力に基づきユーザキャラクタを用いる当該ゲームを開始し、その後の第1タイミングにおいて、当該ゲームの進行を終了させ、それまでの進行状況データをサーバに送信する。ユーザの第2開始指示入力に基づいて、当該ユーザとは異なる他ユーザの情報処理端末によってサーバに送信され、当該サーバから取得した進行状況データに基づくゲームであって、当該他ユーザが当該ゲームで用いていた他ユーザキャラクタと、当該ユーザのユーザキャラクタとを用いるゲームを開始し、当該開始された後の第2タイミングで、当該ゲームの進行を終了させて進行状況データをサーバに送信する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの情報処理端末においてゲームを実行するためのゲームプログラムであって、
当該情報処理端末のコンピュータを、
前記ユーザによる第1開始指示入力に基づいて、予め定められた初期設定データに基づく前記ゲームであって、当該ユーザのユーザキャラクタを用いる当該ゲームを開始する第1ゲーム開始手段と、
前記第1開始指示入力によって開始された前記ゲームを、前記ユーザの操作入力に基づいて進行させる第1ゲーム進行手段と、
前記第1開始指示入力によって前記ゲームが開始された後の第1タイミングにおいて、当該ゲームの進行を終了させ、当該第1タイミングにおける当該ゲームの進行状況を示す進行状況データをサーバに送信する第1送信手段と、
前記ユーザとは異なる他ユーザが操作する他の情報処理端末によって前記サーバに送信され、当該サーバから当該ユーザの前記情報処理端末が取得した前記進行状況データに基づく前記ゲームであって、当該他ユーザによって当該ゲームにおいて用いられていた他ユーザキャラクタと、当該ユーザの前記ユーザキャラクタとを用いる前記ゲームを当該ユーザの第2開始指示入力に基づいて開始する第2ゲーム開始手段と、
前記第2指示入力に基づいて開始された前記ゲームを、前記ユーザの操作入力に基づいて進行させる第2ゲーム進行手段と、
前記第2指示入力に基づいて前記ゲームが開始された後の第2タイミングにおいて、当該ゲームの進行を終了させ、当該第2タイミングにおける当該ゲームの進行状況を示す進行状況データを前記サーバに送信し、当該第2タイミングが到来するまでに当該ゲームの勝利条件を満たした場合は、当該勝利条件を満たしたときまでの当該ゲームの進行状況を示す進行状況データを当該サーバに送信する第2送信手段として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記ゲームはターン制ストラテジーゲームであって、
前記第1タイミングは、前記第1開始指示入力による前記ゲーム開始から第1のターン数のターンが経過したタイミングであって、
前記第2タイミングは、前記第2開始指示入力による前記ゲーム開始から第2のターン数のターンが経過したタイミングである、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第1ゲーム進行手段および第2ゲーム進行手段は、
前記ゲームにおいて、前記ユーザの手番のときは、当該ユーザの操作に基づいてゲームを進行させ、相手方の手番のときは、AI制御に基づいた前記コンピュータの操作に基づいて前記ゲームを進行させ、
前記ユーザの手番および相手方の手番がそれぞれ1ターン分終わったことで、前記第1のターン数および前記第2のターン数のカウントにおける1ターンが経過したものと判定する、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記第1ゲーム進行手段は、前記ユーザの操作入力に基づいて、仮想空間内の前記ユーザキャラクタを制御することで前記ゲームを進行させ、
前記第2ゲーム進行手段は、前記ユーザの操作入力に基づいて、前記仮想空間の前記ユーザキャラクタおよび前記他ユーザキャラクタを制御することで前記ゲームを進行させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記第2ゲーム開始手段は、前記取得した前記進行状況データに基づいて決定される前記仮想空間内の所定の位置に前記ユーザの前記ユーザキャラクタを配置した上で、前記ゲームを開始する、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記第2ゲーム開始手段は、前記ユーザキャラクタが配置することが可能な位置として予め定められている加勢可能位置に前記ユーザキャラクタを配置し、
前記加勢可能位置の数は、前記ゲームの進行状況に応じて変化し得る、請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記第1ゲーム進行手段および/または前記第2ゲーム進行手段は、前記ゲームの進行を終了させた際に、予め用意された複数の選択肢を前記ユーザに提示し、
前記第1送信手段、および/または、前記第2送信手段は、前記複数の選択肢からいずれかの選択肢が前記ユーザによって指定された場合は、当該指定された選択肢に関する選択肢データを前記進行状況データに対応づけて前記サーバに送信し、
前記第2ゲーム開始手段は、前記サーバから取得した当該進行状況データに対応づけられる前記選択肢データがある場合、当該選択肢データに基づく画像を出力する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記第2ゲーム開始手段は、前記サーバから取得した前記進行状況データに基づいて、前記第1タイミングまたは前記第2タイミングまでの当該ゲームの経過を示すリプレイを、前記ゲームの開始より前に出力する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記第2ゲーム開始手段は、前記リプレイの出力後、前記ユーザの前記第2開始指示入力があった場合に、前記ゲームを開始する、請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記第1ゲーム進行手段または第2ゲーム進行手段によるゲーム進行が終了した後、前記ユーザによる進行状況確認指示入力があった場合、当該入力に応じて前記進行状況データを前記サーバから取得し、当該進行状況データに基づいて、当該ゲームの経過を示すリプレイを出力する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記ゲームプログラムは、
前記第2タイミングまでに前記ゲームの前記勝利条件を満たす場合、当該ゲームの勝利条件を満たしたことに基づく第1報酬を前記ユーザに付与する第1報酬付与手段と、
前記ユーザの前記情報処理端末が前記ゲームに基づく前記進行状況データを前記サーバに送信した後、前記他ユーザによる当該ゲームの進行状況が当該ゲームの勝利条件を満たした場合、前記第1報酬よりも価値が低い第2報酬を当該ユーザに付与する第2報酬付与手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記第2送信手段は、前記第2タイミングまでに敗北条件を満たす場合、当該敗北条件を満たしたときまでの進行状況データを前記サーバに送信し、
前記ゲームプログラムは、前記第2タイミングまでに前記ゲームの前記敗北条件を満たす場合、当該ゲームの当該敗北条件を満たしたことに基づく、前記第1報酬よりも価値が低い第3報酬を前記ユーザに付与する第3報酬付与手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項11に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記ゲームプログラムは、前記第1ゲーム開始手段または第2ゲーム開始手段により開始される前記ゲームと、当該ゲームとは異なるゲームであって、前記ユーザキャラクタを育成可能な育成ゲームとを含むゲームアプリケーションを前記コンピュータに実行させ、
前記第1ゲーム開始手段、および、前記第2ゲーム開始手段は、前記育成ゲームにおいて育成されたユーザキャラクタを用いる前記ゲームを開始する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
前記第2ゲーム開始手段は、前記他ユーザによって当該ゲームにおいて用いられていた他ユーザキャラクタの数が所定数に達している場合、前記ユーザの前記ユーザキャラクタを前記ゲームに登場させないで当該ゲームを開始する、または、当該他ユーザキャラクタと当該ユーザキャラクタとを交代させて当該ゲームを開始する、請求項13に記載のゲームプログラム。
【請求項15】
前記第1ゲーム開始手段は、複数のユーザキャラクタのうち、前記ユーザが選択したユーザキャラクタを用いる前記ゲームを開始し、
前記第2ゲーム開始手段は、前記他ユーザが前記ゲームに用いていた前記他ユーザキャラクタと、前記複数のユーザキャラクタのうち当該他ユーザキャラクタとは異なるユーザキャラクタとを用いる当該ゲームを開始する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項16】
前記第1送信手段は、前記進行状況データを取得できる前記他ユーザの範囲を前記ユーザの操作入力に基づいて指定したうえで、当該進行状況データを当該サーバに送信する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項17】
サーバと、複数の情報処理端末を有するゲームシステムであって、
第1の情報処理端末のコンピュータは、
第1ユーザによる第1開始指示入力に基づいて、予め定められた初期設定データに基づく前記ゲームであって、当該第1ユーザのユーザキャラクタを用いる当該ゲームを開始する第1ゲーム開始手段と、
前記第1開始指示入力によって開始された前記ゲームを、前記第1ユーザの操作入力に基づいて進行させる第1ゲーム進行手段と、
前記第1開始指示入力によって前記ゲームが開始された後の第1タイミングにおいて、当該ゲームの進行を終了させ、当該第1タイミングにおける当該ゲームの進行状況を示す進行状況データを前記サーバに送信する第1送信手段と、
前記第1ユーザとは異なる第2ユーザが操作する第2の情報処理端末によって前記サーバに送信され、当該サーバから前記第1の情報処理端末が取得した前記進行状況データに基づく前記ゲームであって、当該第2ユーザによって当該ゲームにおいて用いられていた第2ユーザのユーザキャラクタと、当該第1ユーザの前記ユーザキャラクタとを用いる前記ゲームを当該第1ユーザの第2開始指示入力に基づいて開始する第2ゲーム開始手段と、
前記第2指示入力に基づいて開始された前記ゲームを、前記第1ユーザの操作入力に基づいて進行させる第2ゲーム進行手段と、
前記第2指示入力に基づいて前記ゲームが開始された後の第2タイミングにおいて、当該ゲームの進行を終了させ、当該第2タイミングにおける当該ゲームの進行状況を示す進行状況データを前記サーバに送信し、当該第2タイミングが到来するまでに当該ゲームの勝利条件を満たした場合は、当該勝利条件を満たしたときまでの当該ゲームの進行状況を示す進行状況データを当該サーバに送信する第2送信手段とを備える、ゲームシステム。
【請求項18】
ゲーム装置であって
ユーザによる第1開始指示入力に基づいて、予め定められた初期設定データに基づくゲームであって、当該ユーザのユーザキャラクタを用いる当該ゲームを開始するゲーム開始手段と、
前記第1開始指示入力によって開始された前記ゲームを、前記ユーザの操作入力に基づいて進行させる第1ゲーム進行手段と、
前記第1開始指示入力によって前記ゲームが開始された後の第1タイミングにおいて、当該ゲームの進行を終了させ、当該第1タイミングにおける当該ゲームの進行状況を示す進行状況データをサーバに送信する第1送信手段と、
前記ユーザとは異なる他ユーザが操作する他の情報処理端末によって前記サーバに送信され、当該サーバから前記ユーザの前記情報処理端末が取得した前記進行状況データに基づく前記ゲームであって、当該他ユーザによって当該ゲームにおいて用いられていた他ユーザキャラクタと、当該ユーザの前記ユーザキャラクタとを用いる前記ゲームを当該ユーザの第2開始指示入力に基づいて開始する第2ゲーム開始手段と、
前記第2指示入力に基づいて開始された前記ゲームを、前記ユーザの操作入力に基づいて進行させる第2ゲーム進行手段と、
前記第2指示入力に基づいて前記ゲームが開始された後の第2タイミングにおいて、当該ゲームの進行を終了させ、当該第2タイミングにおける当該ゲームの進行状況を示す進行状況データを前記サーバに送信し、当該第2タイミングが到来するまでに当該ゲームの勝利条件を満たした場合は、当該勝利条件を満たしたときまでの当該ゲームの進行状況を示す進行状況データを当該サーバに送信する第2送信手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項19】
ユーザの情報処理端末のコンピュータに実行させるゲーム処理方法であって、
前記コンピュータに、
前記ユーザによる第1開始指示入力に基づいて、予め定められた初期設定データに基づく前記ゲームであって、当該ユーザのユーザキャラクタを用いる当該ゲームを開始させ、
前記第1開始指示入力によって開始された前記ゲームを、前記ユーザの操作入力に基づいて進行させ、
前記第1開始指示入力によって前記ゲームが開始された後の第1タイミングにおいて、当該ゲームの進行を終了させ、当該第1タイミングにおける当該ゲームの進行状況を示す進行状況データをサーバに送信させ、
前記ユーザとは異なる他ユーザが操作する他の情報処理端末によって前記サーバに送信され、当該サーバから当該ユーザの前記情報処理端末が取得した前記進行状況データに基づく前記ゲームであって、当該他ユーザによって当該ゲームにおいて用いられていた他ユーザキャラクタと、当該ユーザの前記ユーザキャラクタとを用いる前記ゲームを当該ユーザの第2開始指示入力に基づいて開始させ、
前記第2指示入力に基づいて開始された前記ゲームを、前記ユーザの操作入力に基づいて進行させ、
前記第2指示入力に基づいて前記ゲームが開始された後の第2タイミングにおいて、当該ゲームの進行を終了させ、当該第2タイミングにおける当該ゲームの進行状況を示す進行状況データを前記サーバに送信し、当該第2タイミングが到来するまでに当該ゲームの勝利条件を満たした場合は、当該勝利条件を満たしたときまでの当該ゲームの進行状況を示す進行状況データを当該サーバに送信させる、ゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザの情報処理端末においてゲームを実行するためのゲーム処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のゲーム機間で通信してゲーム状況を同期させて、ユーザが他のユーザと一緒にゲームを進行させるマルチプレイモードを含むゲームシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のゲームシステムは、例えばレースゲーム等で通信対戦プレイを行う場合には適したシステムと言える。しかしながら、ゲームの性質やジャンルによっては、リアルタイムで他のゲーム機と通信してゲームの進行状況を同期しながら、複数プレイヤ間で同じゲームを進行させることが難しいものがあった。
【0005】
それ故に、本開示の目的は、リアルタイムでゲームの進行状況を同期しながら、同じゲームを進行させることが難しい性質のゲームでもマルチプレイが楽しめるゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置、およびゲーム処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0007】
(構成1)
構成1は、ユーザの情報処理端末においてゲームを実行するためのゲームプログラムであって、当該情報処理端末のコンピュータを、第1ゲーム開始手段と、第1ゲーム進行手段と、第1送信手段と、第2ゲーム開始手段と、第2ゲーム進行手段と、第2送信手段として機能させる。第1ゲーム開始手段は、ユーザによる第1開始指示入力に基づいて、予め定められた初期設定データに基づくゲームであって、当該ユーザのユーザキャラクタを用いる当該ゲームを開始する。第1ゲーム進行手段は、第1開始指示入力によって開始されたゲームを、ユーザの操作入力に基づいて進行させる。第1送信手段は、第1開始指示入力によってゲームが開始された後の第1タイミングにおいて、当該ゲームの進行を終了させ、当該第1タイミングにおける当該ゲームの進行状況を示す進行状況データをサーバに送信する。第2ゲーム開始手段は、ユーザの第2開始指示入力に基づいて、当該ユーザとは異なる他ユーザの他の情報処理端末によってサーバに送信され、ユーザの情報処理端末が当該サーバから取得した進行状況データに基づくゲームであって、当該他ユーザによって当該ゲームにおいて用いられていた他ユーザキャラクタと、当該ユーザのユーザキャラクタとを用いる当該ゲームを開始する。第2ゲーム進行手段は、第2指示入力に基づいて開始されたゲームを、ユーザの操作入力に基づいて進行させる。第2送信手段は、第2指示入力に基づいてゲームが開始された後の第2タイミングにおいて、当該ゲームの進行を終了させ、当該第2タイミングにおける当該ゲームの進行状況を示す進行状況データをサーバに送信し、当該第2タイミングが到来するまでに当該ゲームの勝利条件を満たした場合は、当該勝利条件を満たしたときまでの当該ゲームの進行状況を示す進行状況データを当該サーバに送信する。
【0008】
上記構成例によれば、複数の情報処理端末間でリアルタイム通信を行わずとも、協力して同じゲームを進行させることができる。また、第2開始入力に基づき開始されるゲームにおいては、自身の所有するキャラクタに加え、他のユーザのキャラクタも利用できる。これにより、例えば戦力不足による不利なゲーム展開を覆すことも可能となり、戦術性を向上させ、ゲームの興趣性も向上できる。
【0009】
(構成2)
構成2は、上記構成1において、ゲームはターン制ストラテジーゲームであってもよい。そして、第1タイミングは、第1開始指示入力によるゲーム開始から第1のターン数のターンが経過したタイミングであってもよく、第2タイミングは、第2開始指示入力によるゲーム開始から第2のターン数のターンが経過したタイミングであってもよい。
【0010】
上記構成例によれば、ターン制ストラテジーゲームにおいて、協力プレイをユーザに楽しませることができる。特に、ターン制ストラテジーゲームでは1マップのプレイ時間が長くなる傾向があるところ、非同期で協力プレイを可能とするため、ユーザは各自のペースでゲームに参加し、協力プレイを楽しむことができる。
【0011】
(構成3)
構成3は、上記構成2において、第1ゲーム進行手段および第2ゲーム進行手段は、上記ゲームにおいて、ユーザの手番のときは、当該ユーザの操作に基づいてゲームを進行させ、相手方の手番のときは、AI制御に基づいたコンピュータの操作に基づいてゲームを進行させ、ユーザの手番および相手方の手番がそれぞれ1ターン分終わったことで、第1のターン数および第2のターン数のカウントにおける1ターンが経過したものと判定してもよい。
【0012】
上記構成例によれば、ターン制ストラテジーゲームにおいて、AI制御される相手方の手番に対し、ユーザ側の手番を複数のユーザで分担して進めるという形の協力プレイが提供できる。これにより、複数ユーザで力を合わせて(AI制御による)相手方に立ち向かっていくという楽しみ方を提供できる。
【0013】
(構成4)
構成4は、上記構成1~3のいずれかにおいて、第1ゲーム進行手段は、ユーザの操作入力に基づいて、仮想空間内のユーザキャラクタを制御することでゲームを進行させ、第2ゲーム進行手段は、ユーザの操作入力に基づいて、仮想空間のユーザキャラクタおよび他ユーザキャラクタを制御することでゲームを進行させてもよい。
【0014】
上記構成例によれば、自身が所有するキャラクタに加えて他のユーザのキャラクタも操作できるため、他のユーザのキャラクタをも利用した戦い方を行うことができ、ゲームの戦略性・戦術性を向上させることができる。
【0015】
(構成5)
構成5は、上記構成4において、第2ゲーム開始手段は、取得した前行状況データに基づいて決定される仮想空間内の所定の位置にユーザのユーザキャラクタを配置した上で、ゲームを開始してもよい。
【0016】
上記構成例によれば、第2ゲーム開始の際の、ユーザキャラクタの出現位置を、ゲームの進行状況に応じて異ならせることができる。これにより、ユーザキャラクタを前線に速やかに投入することも可能となる。
【0017】
(構成6)
構成6は、上記構成5において、第2ゲーム開始手段は、ユーザキャラクタが配置することが可能な位置として予め定められている加勢可能位置にユーザキャラクタを配置し、加勢可能位置の数は、ゲームの進行状況に応じて変化し得るようにしてもよい。
【0018】
上記構成例によれば、ユーザキャラクタを配置できる位置をある程度制限しつつ、ゲームの進行状況に応じて、当該位置の数を徐々に増やしていくというゲーム展開が提供できる。これにより、どこにでもキャラクタが配置可能とすることでゲームバランスが崩れてしまうことを防ぎ、適度なバランスとすることができる。また、途中からゲームに参加した場合でも、ユーザキャラクタを前線に速やかに投入することができる。
【0019】
(構成7)
構成7は、上記構成1において、第1ゲーム進行手段および/または第2ゲーム進行手段は、ゲームの進行を終了させた際に、予め用意された複数の選択肢をユーザに提示してもよい。そして、第1送信手段、および/または、第2送信手段は、複数の選択肢からいずれかの選択肢がユーザによって指定された場合は、当該指定された選択肢に関する選択肢データを進行状況データに対応づけてサーバに送信し、第2ゲーム開始手段は、サーバから取得した当該進行状況データに対応づけられる選択肢データがある場合、当該選択肢データに基づく画像を出力してもよい。
【0020】
上記構成例によれば、自身のプレイの後にプレイする他のユーザに対して、選択肢から選んだ応援メッセージ等の形で、何らかの意思を伝えることができる。また、自身がプレイする際に、前任者からの意思を確認することができる。これにより、ユーザ間で簡易なコミュニケーションを図ることができ、ゲームの興趣性を向上できる。
【0021】
(構成8)
構成8は、上記構成1~7のいずれかにおいて、第2ゲーム開始手段は、サーバから取得した進行状況データに基づいて、第1タイミングまたは第2タイミングまでの当該ゲームの経過を示すリプレイを、ゲームの開始より前に出力してもよい。
【0022】
上記構成例によれば、今回プレイするまでにおけるゲーム展開をユーザに把握させることができる。また、他のユーザのプレイ内容が見れるため、自身のプレイの参考にすることができる。
【0023】
(構成9)
構成9は、上記構成8において、第2ゲーム開始手段は、サーバから取得した進行状況データに基づいて、第1タイミングまたは第2タイミングまでの当該ゲームの経過を示すリプレイを、ゲームの開始より前に出力してもよい。
【0024】
上記構成例によれば、ゲームの開始前に、リプレイによってゲーム展開を詳細に把握させることができる。また、ユーザは、リプレイでこれまでゲーム展開を把握したうえで、その続きからプレイするか否かを選択できる。
【0025】
(構成10)
構成10は、上記構成1~9のいずれかにおいて、第1ゲーム進行手段または第2ゲーム進行手段によるゲーム進行が終了した後、ユーザによる進行状況確認指示入力があった場合、当該入力に応じて進行状況データをサーバから取得し、当該進行状況データに基づいて、当該ゲームの経過を示すリプレイを出力してもよい。
【0026】
上記構成例によれば、自身が参加したゲームがその後のどのような結果になったのかを確認できる。また、他のユーザのプレイ内容が見れるため、自身のプレイの参考にすることができる。
【0027】
(構成11)
構成11は、上記構成1~10のいずれかにおいて、ゲームプログラムは、第2タイミングまでにゲームの勝利条件を満たす場合、当該ゲームの勝利条件を満たしたことに基づく第1報酬をユーザに付与する第1報酬付与手段と、ユーザの情報処理端末がゲームに基づく進行状況データをサーバに送信した後、他ユーザによる当該ゲームの進行状況が当該ゲームの勝利条件を満たした場合、当該ユーザに第1報酬よりも価値が低い第2報酬を付与する第2報酬付与手段としてコンピュータを更に機能させてもよい。
【0028】
上記構成例によれば、ユーザが自身のプレイにおいて勝利条件を満たした場合、より良い報酬が貰えるため、勝利条件達成に向けてのユーザのモチベーションを高めることができる。
【0029】
(構成12)
構成12は、上記構成11において、第2送信手段は、第2タイミングまでに敗北条件を満たす場合、当該敗北条件を満たしたときまでの進行状況データをサーバに送信してもよい。そして、ゲームプログラムは、第2タイミングまでにゲームの敗北条件を満たす場合、当該ゲームの当該敗北条件を満たしたことに基づく、第1報酬よりも価値が低い第3報酬をユーザに付与する第3報酬付与手段としてコンピュータを更に機能させてもよい。
【0030】
上記構成例によれば、ゲームに敗北した場合でも、ゲームに参加していれば報酬を貰えるため、ゲームに参加することへのユーザの動機付けを提供できる。
【0031】
(構成13)
構成13は、上記構成1~12のいずれかにおいて、ゲームプログラムは、第1ゲーム開始手段または第2ゲーム開始手段により開始されるゲームと、当該ゲームとは異なるゲームであって、ユーザキャラクタを育成可能な育成ゲームとを含むゲームアプリケーションをコンピュータに実行させてもよい。そして、第1ゲーム開始手段、および、第2ゲーム開始手段は、育成ゲームにおいて育成されたユーザキャラクタを用いるゲームを開始してもよい。
【0032】
上記構成例によれば、ユーザが育成ゲームで育てたキャラクタを他ユーザに使ってもらうことができる。また、逆に、他人が育てたキャラクタを自身のプレイにおいて利用できる。これにより、各ユーザが育てたキャラクタをユーザ間で見せ合うような楽しみを提供できる。また、他人が育てたキャラクタを使ってゲームを進めることが可能となり、例えば成長後のキャラクタの性能等を確認し、そのユーザ自身が所有するキャラクタの育成に対するモチベーションを高めることも可能となる。
【0033】
(構成14)
構成14は、上記構成13において、第2ゲーム開始手段は、他ユーザによって当該ゲームにおいて用いられていた他ユーザキャラクタの数が所定数に達している場合、ユーザのユーザキャラクタをゲームに登場させないで当該ゲームを開始、または、当該他ユーザキャラクタと当該ユーザキャラクタとを交代させて当該ゲームを開始してもよい。
【0034】
上記構成例によれば、利用(登場)可能なキャラクタの数を所定数以下に抑えることで、数的な制限無しでキャラクタが使えることによってゲームバランスが崩れることを防ぎ、適正なバランスに保つことができる。
【0035】
(構成15)
構成15は、上記構成1において、第1ゲーム開始手段は、複数のユーザキャラクタのうち、ユーザが選択したユーザキャラクタを用いるゲームを開始し、第2ゲーム開始手段は、他ユーザがゲームに用いていた他ユーザキャラクタと、複数のユーザキャラクタのうち当該他ユーザキャラクタとは異なるユーザキャラクタとを用いる当該ゲームを開始してもよい。
【0036】
上記構成例によれば、同じゲーム内で同一の(重複する)キャラクタが用いられることを防ぐことができる。これにより、例えば強力な性能を有する(同一)キャラクタばかりが登場するようなゲーム展開をなることを防ぎ、性能、個性の異なる様々なキャラクタを用いる機会を増やすことができる。
【0037】
(構成16)
構成16は、第1送信手段は、進行状況データを取得できる他ユーザの範囲をユーザの操作入力に基づいて指定したうえで、当該進行状況データを当該サーバに送信してもよい。
【0038】
上記構成例によれば、例えば、ある程度ゲームに慣れている人をフレンドとしている場合に、自身がプレイした後に、ゲームがクリアされる可能性を高めることができる。
【発明の効果】
【0039】
本開示によれば、複数の情報処理端末間でリアルタイムに通信してゲームの進行状況を同期せずに、複数ユーザ間で協力して同じゲームを進行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの全体像を示す模式図
【
図2】サーバ1のハードウェア構成を示すブロック図
【
図3】ゲーム装置2のハードウェア構成を示すブロック図
【
図5】本実施形態におけるリレーバトルの全体的な通信および処理の流れを示す図
【
図7】ターンの経過と操作可能なユニット数との関係の一例
【
図14】サーバ1の記憶部12に記憶される各種データの一例を示すメモリマップ
【
図15】リレーバトルデータ502のデータ構成の一例
【
図16】バトルログデータ516のデータ構成の一例
【
図17】ゲーム装置2の記憶部22に記憶される各種データの一例を示すメモリマップ
【
図18】自発・引継履歴データ607のデータ構成の一例
【
図19】送信用結果データ608のデータ構成の一例
【
図20】リレーバトル管理処理の詳細を示すフローチャート
【
図21】リレーバトル関連処理の詳細を示すフローチャート
【
図23】自発バトル処理の詳細を示すフローチャート
【
図26】引き継ぎバトル処理の詳細を示すフローチャート
【
図27】引き継ぎバトル処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム(ゲームシステム)の全体像を示す模式図である。本実施形態の情報処理システム100は、サーバ1と、複数の情報処理端末2とを含む。サーバ1と、情報処理端末2とは、インターネット等のネットワーク10を介して通信可能に構成されている。本実施形態では、このような構成で、情報処理が実行されるが、以下では、当該情報処理の一例として、ゲーム処理を例として説明する。具体的には、情報処理端末2上にゲームプログラムがインストールされ、必要に応じてサーバ1と通信を行いながら実行されるゲーム処理を例示する。
【0042】
[サーバのハードウェア構成]
次に、上記サーバ1のハードウェア構成について説明する。
図2は、サーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ1は、プロセッサ11と、記憶部12と、通信部13とを少なくとも備えている。プロセッサ部11は、サーバ1を制御するための各種プログラムを実行する。記憶部12には、プロセッサ部11によって実行される各種プログラムおよび利用される各種データが格納される。通信部13は、有線、または無線通信によってネットワークと接続し、上記情報処理端末2または他のサーバ(図示せず)との間で所定のデータを送受信する。
【0043】
[情報処理端末のハードウェア構成]
次に、上記情報処理端末2について説明する。当該情報処理端末2は、例えばスマートフォン、据置型または携帯型のゲーム装置、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末等である。また、本実施形態にかかる情報処理は、上記のようなゲーム装置等と、所定のサーバとから構成されるゲームシステムにも適用可能である。本実施形態では、据置型ゲーム装置(以下、単にゲーム装置と呼ぶ)を情報処理端末2の一例として説明する。
【0044】
図3は、本実施形態に係るゲーム装置2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3において、ゲーム装置2は、プロセッサ21を備える。プロセッサ21は、ゲーム装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ21は、記憶部22に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。なお、記憶部22は、例えば、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の内部記憶媒体であってもよいし、図示しないスロットに装着される外部記憶媒体等を利用する構成でもよい。
【0045】
また、ゲーム装置2は、ゲーム装置2が他のゲーム装置2や所定のサーバ装置と無線通信を行うための無線通信部23を備える。当該無線通信としては、例えば、インターネット通信や近距離無線通信が用いられる。
【0046】
また、ゲーム装置2は、ゲーム装置2がコントローラ4と有線または無線通信を行うためのコントローラ通信部24を備える。
【0047】
また、ゲーム装置2には、画像音声出力部25を介して表示部5(例えば、テレビ等)が接続される。プロセッサ21は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像や音声を、画像音声出力部25を介して表示部5に出力する。
【0048】
次に、コントローラ4について説明する。図示は省略するが、本実施形態のコントローラ4は、縦長の形状のハウジングを有しており、縦長となる向きで把持されることが可能である。当該ハウジングは、縦長となる向きで把持される場合に片手で把持可能な形状および大きさをしている。
【0049】
コントローラ4は、方向入力デバイスの一例であるアナログスティック42を少なくとも1つ備える。当該アナログスティック42は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック42を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。また、コントローラ4は、各種操作ボタンを含むボタン部43を備える。例えば、コントローラ4は、上記ハウジングの主面上に複数個の操作ボタンを備えていてもよい。
【0050】
また、コントローラ4は、慣性センサー44を備える。具体的には、コントローラ4は、慣性センサー44として、加速度センサー、角速度センサーを備えている。本実施形態においては、加速度センサーは、所定の3軸方向に沿った加速度の大きさを検出する。また、角速度センサーは、所定の3軸回りの角速度を検出する。
【0051】
また、コントローラ4は、上記コントローラ通信部24と有線または無線通信を行うための通信部41も備える。上記アナログスティック42に対する方向入力内容、ボタン部43の押下状態を示す情報、および、慣性センサー44による各種の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信部41へ出力され、ゲーム装置2に送信される。
【0052】
[本実施形態で想定するゲームについて]
次に、本実施形態で実行されるゲーム処理について説明するが、その前提として、本実施形態で想定するゲームの概要を説明する。本実施形態で想定するゲームは、ターン制ストラテジータイプのシミュレーションゲーム(以下、TBSGと呼ぶ)である。また、本実施形態では、自軍と敵軍とが1つずつの、合計2つの軍で戦闘が行われるTBSGを想定する。本TBSGでは、シミュレーションゲームにおける駒のことを「ユニット」と呼ぶ。更に、自軍のユニットについては「自軍ユニット」、敵軍となるユニットは「敵軍ユニット」と呼ぶ。
【0053】
図4に、本ゲームにおける戦闘画面の一例を示す。
図4に示すように、本ゲームでは、仮想3次元空間を仮想カメラで撮像したゲーム画像が表示される。また、仮想3次元空間の地面が矩形のマス目で区切られており、ユーザは、各ユニットをマス目単位で移動させることができる。なお、ゲーム空間となる仮想空間は2次元空間であってもよい。また、本ゲームでは、自軍ユニット、敵軍ユニットはそれぞれ人型のキャラクタである。そして、本ゲームは、各ユニットは所定の武器を装備しており、この武器を用いてユニット同士で戦闘を行うTBSGとなっている。なお、本ゲームでは、自軍ユニットである各キャラクタについては、重複するキャラクタ(同一キャラクタ)は存在しないものとする。すなわち、各キャラクタは「別人」であるものとする。なお、重複するキャラクタの判別は、例えば、キャラクタの名称が同一であるか否かや、キャラクタに割り当てられているID等の内部データが同一であるか否かで判別してもよい。
【0054】
[第1ゲームモードについて]
また、本ゲームでは、ユーザが1人でゲームを進めることができる第1ゲームモードと、1つのマップを複数のユーザでプレイ可能な第2ゲームモードがある。第1ゲームモードでは、ユーザは、所定のストーリーに沿ってゲームを進めることができる。また、ユーザは、ストーリーを進めることで、ユーザが所有する自軍ユニットの数を増やすことができる。また、本ゲームにおける自軍ユニットには成長要素があり、第1ゲームモードにおいて、各ユニットを育成することができる。具体的には、個々のユニットには「ユニットレベル」が設けられており、第1ゲームモードにおいて、同じユニットを繰り返し出撃させる等で、経験値を稼ぎ、ユニットレベルを上げていくことができる。ユニットレベルが上がることで、そのユニットの性能も強化・向上する。
【0055】
[第2ゲームモードについて]
一方、第2ゲームモードは、予め用意された所定のマップについて、複数のユーザがそれぞれ数ターンずつ、同じ「自軍」として、リレー形式でプレイを引き継ぎながらゲームを進めていくというゲームモードである。これは、TBSGにおいて、今までに無い新規なマルチプレイをユーザに提供しようとするものである。例えば、TBSGにおいて、所定のマップを用いてネットワーク経由でマルチプレイを行おうとした場合、レースゲームや格闘ゲームで通信対戦するときのように、複数のゲーム機をネットワーク経由で接続し、リアルタイムで同期を取りながらの通信プレイを行うことも考えられる。しかし、TBSGの場合、一般的に1マップのプレイ時間が比較的長くなると考えられる。また、TBSGは自軍フェイズ(手番)と敵軍フェイズとを交互に進めていく形式であることから、敵軍フェイズにおいてはユーザの待ち時間が発生することになる。このような、1マップのプレイ時間の長さや敵軍フェイズにおける待ち時間の存在等も考慮すると、TBSGについては、特段の工夫がない場合、リアルタイムでの通信プレイは適さないと考えられる。そこで、本実施形態では、1つのマップについて、自軍のフェイズを所定のターンずつ複数のユーザが別々に操作を担当することで、そのマップのクリアを目指す、という形の(非同期での)協力プレイを提供する(なお、敵軍フェイズはAI制御となる)。つまり、各ユーザは自分が操作を担当するときだけネットワーク接続すればよいことになる。以下、第2ゲームモードにおけるTBSGのことを「リレーバトル」と呼ぶ。
【0056】
また、当該リレーバトルでは、上記ユニットは経験値は入手できず、成長させることはできないものとする。換言すれば、第2ゲームモードは、第1ゲームモードで成長させた自軍ユニットを活躍させるための場を提供するようなゲームモードという側面もある。以下、当該リレーバトルの概要について説明する。
【0057】
なお、以下の説明において、「1ターン」とは、自軍フェイズの1ターンと敵軍フェイズの1ターンとを1セットで捉えたものを意図する。例えば、「1ターン経過」と言うときは、自軍フェイズと敵軍フェイズがそれぞれ1ターンずつ経過したことを指すものとする。
【0058】
[リレーバトルの全体的な流れについて]
図5は、本実施形態におけるリレーバトルの全体的な通信および処理の流れを示す図である。ここでは、一例として、第1ユーザが操作する第1ゲーム機と、第2ユーザが操作する第2ゲーム機がある場合を想定する。そして、第1ユーザが開始したリレーバトルを第2ユーザが引き継いでプレイするという流れを例示する。なお、以下の説明では、第1ユーザがリレーバトルを開始することを「自発する」と言う。また、自発下ユーザのことを「自発ユーザ」と呼ぶ。また、本実施形態では、各ユーザは同じリレーバトルに対しては1度しか引継ぎ(参加)できないものとする。また、自発したユーザは、そのリレーバトルを自分で引継ぐことはできないものとする。以下の説明では、他ユーザの自発したリレーバトルを引き継いだ各ユーザのことを総称して「引継ユーザ」と呼ぶ。
【0059】
図5において、まず、プロセスP1として、第1ゲーム機で第1ユーザがリレーバトルを自発する。例えば、第1ユーザはリレーバトル用に予め用意されている複数のマップの中から所定のマップを選択する。そして、第1ユーザは、当該マップを使用するリレーバトルの開始を指示する。その後、当該リレーバトルの「出撃準備画面」が表示される。
図6に、当該出撃準備画面の一例を示す。出撃準備画面では、今回のリレーバトルで用いられるマップ(表示範囲の変更が可能)と、出撃準備メニューとが表示されている。第1ユーザは、当該画面において所定の操作を行うことで、自身の所有するユニットから、当該リレーバトルに出撃させるユニットを選択し、リレーバトルに係るマップ上に配置する(ユニットが配置できる位置に関しては別途後述する)。なお、本実施形態では、第1ユーザ(自発ユーザ)が出撃させることができるユニットの上限数は5体までであり、第2ユーザ以降(引継ユーザ)が出撃させることができるユニットの上限数は2体までであるとする。他の実施形態では、各ユーザの出撃上限数はこれ以外の値としてもよい。
【0060】
図5に戻り、次に、プロセスP2として、第1ユーザは、既定のターン数だけリレーバトルをプレイする。本実施形態では、既定のターン数は2であるとする。なお、当該既定ターン数は一例であり、他の実施形態では、他の値を用いてもよい。
【0061】
次に、プロセスP3として、第1ゲーム機から、第1ユーザのプレイに係る結果データがサーバに送信される。当該結果データには、各ターンにおける自軍・敵軍ユニットの行動内容や戦闘結果を示すログデータ等が含まれている。換言すれば、当該結果データは、各ユーザのプレイに係るゲームの進行状況を示すデータである。
【0062】
次に、プロセスP4として、サーバにおいて、第1ゲーム機から受信した結果データに基づいて、第1ユーザが自発したリレーバトルに係るリレーバトルデータが新規登録される。
【0063】
次に、プロセスP5として、第2ゲーム機において、第2ユーザがリレーバトルの「引き継ぎ」の指示操作を行う。すなわち、第2ユーザから見て他のユーザが自発したリレーバトルを引き継いでプレイすることを示す操作を行う。これに応じて、第2ゲーム機からサーバに、引き継ぎ可能なリレーバトルのデータの要求が送信される。
【0064】
次に、プロセスP6として、サーバにおいて、第2ゲーム機からの要求に応じて、この時点で引き継ぎ可能なリレーバトルのデータが所定数選択され、第2ゲーム機に送信される。ここでは上記第1ユーザが自発したリレーバトルのデータも、所定数選択されたリレーバトルのデータの中に含まれているものとする。
【0065】
次に、プロセスP7として、第2ゲーム機において、サーバから受信したデータに基づいて引き継ぎ可能なリレーバトルの一覧が提示される。第2ユーザは、このリストから所定のリレーバトルを選択して、そのリレーバトルに係る情報を参照することができる。なお、本実施形態では、当該情報の一つとして、第2ゲーム機において、当該リレーバトルのデータ(上記結果データ)に基づいて、これまでのプレイ内容・ゲームの経過(進行状況)が「リプレイ」として再生される。例えば、第1ユーザのリレーバトルが選択された場合、実際のTBSGの画面が表示され、1ターン目から順に、第1ユーザが用いた各ユニットの行動や戦闘内容が再現される。これにより、第2ユーザは第1ユーザがどのようにゲームを進めたのかを知ることができる。なお、第1ユーザのような自発ユーザからデータを引き継ぐ場合とは異なり、自発ユーザからデータを引き継いでリレーバトルをプレイした引継ユーザ、または、引継ユーザからデータを引き継いでリレーバトルをプレイした次の引継ユーザがいるようなリレーバトルのように、自身より前にプレイしたユーザ(以下、前任者と総称する)が複数いる場合は、前任者全ての分のプレイ内容が順番にリプレイされる。
【0066】
次に、プロセスP8として、第2ゲーム機において、上記リストから引き継ぐリレーバトルを決定する操作が行われる。ここでは一例として、引継ぎ可能なリレーバトルとして第2ユーザに提示されたもののうち、第1ユーザが自発したリレーバトルが引継ぎ決定されるものとする。この操作に応じて、サーバ1に、引継ぎ決定通知が送信される。
【0067】
次に、プロセスP9として、サーバ1において、第2ユーザのプレイ中は上記第1ユーザが自発したリレーバトルが「引き継ぎ可能」なリレーバトルとして扱われないように、当該リレーバトルに係るデータを一時的にロックする処理が行われる。
【0068】
次に、プロセスP10として、第2ゲーム機において、出撃準備画面が表示され、第2ユーザは、自身の所有するユニットから、当該リレーバトルに出撃させるユニットを(2体まで)選択および配置する。
【0069】
次に、プロセスP11として、第2ゲーム機において、第2ユーザは既定ターン数(本例では2ターン)プレイを行う。この際、第2ユーザは、自身が出撃させた自軍ユニットだけでなく、第1ユーザが出撃させた自軍ユニット(以下、前任者ユニット)も操作することができる。例えば、第1ユーザが5体のユニットを出撃させ、第2ユーザは2体だけユニットを出撃させた場合は、第2ユーザは合計7体の自軍ユニットを操作することができる。
【0070】
次に、プロセスP12として、第2ゲーム機から、第2ユーザのプレイに係る結果データがサーバに送信される。
【0071】
次に、プロセスP13として、サーバ1において、第2ゲーム機からの結果データが受信される。そして、サーバ1において、当該結果データに基づいて、第1ユーザが自発したリレーバトルのデータが更新される。併せて、当該リレーバトルのデータにかけられていたロックも解除される。これにより、更新後のリレーバトルのデータが引き継ぎ可能なリレーバトルとして扱われるようになる。
【0072】
これ以降、更に、引継ユーザとして第3のユーザ、第4のユーザ等、他のユーザが参加すれば、各ユーザ毎に上記プロセスP5~P13の処理が繰り返される。そして、当該リレーバトルに設定されている所定の勝利条件(例えばボスキャラクタの撃破)または敗北条件(例えば自軍の全滅)が満たされることで、当該リレーバトルが終了することになる。そして、リレーバトルが終了すれば、(後述する進捗確認の操作によって)そのリレーバトルの参加者に所定の報酬が付与される。
【0073】
上記のように、本実施形態のリレーバトルは、TBSGにおける自軍の操作を、複数のユーザで既定ターン数毎に引き継ぎながら行うものとなっている。そして、上記のように、当該リレーバトルでは、各ユーザは、前任者ユニットも操作可能である。そのため、ユーザは、引き継ぎタイミング(リレーバトル開始からのターン数)が遅くなるほど、より多くの自軍ユニットを用いたプレイが可能になり得る。
図7に、ターンの経過と操作可能なユニット数との関係の一例を示す。
図7では、ユーザ1~ユーザ5の5人のユーザが参加したリレーバトルを想定している。また、各ユーザはそれぞれ2ターン分の操作を行っている例である。また、当該マップでは自軍ユニットの出撃上限数が設けられており、その数が10であるとする。
図7において、自発者であるユーザ1は、5体のユニットを出撃させている。そのため、ユーザ1が操作可能なユニットは当該5体のユニットである。次に、この後に引き継いだユーザ2は、2体のユニットを出撃させている。そのため、ユーザ1のユニットと併せて合計7体のユニットが操作可能である。また、この後に引き継いだユーザ3も2体のユニットを出撃させており、ユーザ3は、前任者ユニットを合わせて、合計9体のユニットが操作可能である。
【0074】
次に、この後ユーザ4がリレーバトルを引き継いだ場合、既に9体のユニットが出撃している(マップ上に存在している)ため、基本的には1体のユニットしか出撃させることができない。但し、出撃上限数が最大に達する場合は、既存のユニットと「交代」させるような形でユーザ4が所有するユニットを更に出撃させることも可能である。
図7では、交代の一例として、ユーザ1が出撃させたユニットであるユニット4をユーザ2のユニットに交代させた例を示している(ユーザ4は自身のユニットを合計2体出撃させたことになる)。この結果、ユーザ4は、前任者ユニットと合わせて合計10体のユニットが操作可能である。
【0075】
ここで、ユーザ4によるプレイにおいて、ユニット1が敵に撃破された場合を想定する(7ターン目で撃破された場合)。この場合、当該ユニット1はマップ上に存在しなくなり、8ターン目の時点では、自軍ユニットの数は9体となっている。この後、ユーザ4からユーザ5に引き継がれると、ユーザ5は、基本的には1体のユニットしか出撃させることができない。しかし、上記のように、出撃上限数に達した場合は、既存のユニットと「交代」することで、ユーザ5の所有するユニットを更に出撃させることができる。
図7の例では、先ほど撃破されたユニット1としてユーザ5が所有のユニットを出撃させると共に、ユニット6として、ユーザ2のユニットと交代させてユーザ5のユニットを出撃させる例を示している。その結果、ユーザ5も、前任者ユニットと合わせて合計10体のユニットが操作可能となる。
【0076】
このように、ユーザがリレーバトルを引き継ぐ際に、各引継ユーザは、自身の所有するユニットを、マップ毎に設けられている出撃上限数を超えない範囲で(2体まで)出撃させることができる。そのため、ユーザは、自身のプレイスタイルなどに応じて、リレーバトルが自発されてから早い段階で参加(引き継ぎ)するという楽しみ方と、ある程度ターンが経過した段階で参加する楽しみ方との2つの楽しみ方を選ぶことも可能となる。前者の場合は、操作対象となるユニット数が少ないため、ゲームプレイに費やす時間も少なく、気軽に参加することも可能である。そのため、例えばじっくりゲームをプレイする時間が取りにくいユーザは、早い段階で参加して手早く(自分担当分の)ゲームを終わらせ、その後クリア報酬を待つ、というプレイができる。一方、じっくりゲームをプレイする時間があるユーザや、TBSGに慣れているユーザ等は、あえて遅い段階のリレーバトルに参加することもできる。これにより、より多数のユニットを操作できるため、じっくりとゲームを楽しむ(操作可能ユニット数が多い方が、ゲームの戦略性もより高まる)ことができる。更には、自身のプレイ中にマップの勝利条件を満たすことで、そのリレーバトルをクリアし、前任者から感謝されることを期待する、という楽しみ方もできる。特に、本実施形態では上記のように各ユニットには成長要素がある。そのため、初心者が自発したリレーバトル(ユニットレベルが低く、クリアが困難な戦況)に対して、複数の上級者が引き継ぎに際して高レベルユニットを出撃させていくことで、戦況が覆り、クリアまでこじつける、ということも可能となる。このように、本実施形態のリレーバトルでは、ユーザのプレイスタイルに応じた異なる楽しみ方を提供することも可能となっている。
【0077】
[リレーバトルに関する各種の処理概要について]
また、本実施形態のリレーバトルでは、更に、以下に示すような各種の制御も行うことで、ユーザの利便性やゲームの興趣性を向上させている。
【0078】
[自発または引き継ぎ後の進捗確認機能]
まず、本実施形態では、ユーザが自発または引き継ぎしてプレイし終えた後のゲームの進捗状況を確認することができる。例えば、リレーバトルを自発した自発ユーザであれば、自分のプレイが終わった後、「進捗確認」のための所定の操作を行うことで、その時点でのリレーバトルのデータをサーバから取得し、その時点までのリプレイが再生される。これにより、自発ユーザは、自分が自発したリレーバトルがその後どうなっているのかを確認できる。例えば、引継ぎユーザがいる場合は、当該自発ユーザのプレイに係るリプレイに続けて、引継ユーザそれぞれのリプレイが順番に再生される。また、ユーザ自身が引継ユーザとなった場合も同様である。すなわち、自発ユーザの分のリプレイに続けて、自身を含む引継ユーザのリプレイが順番に再生されていくことになる。これにより、自身のプレイ後の進捗が確認できると共に、他のユーザのプレイを確認することもできるため、他のユーザの戦い方を参考にして今後のプレイに活かすことも可能である。なお、自発ユーザが進捗確認の操作を行った時点で、まだ他のユーザに引き継がれていない場合は、自発ユーザの分のリプレイのみが再生されることになる。更に、進捗確認した結果、勝利条件または敗北条件が満たされてリレーバトルが終了していた場合は、所定の報酬が、当該進捗確認を行ったユーザに付与される。
【0079】
[加勢ポイントについて]
次に、自軍ユニットの配置位置(出撃位置)に関して説明する。まず、自発ユーザが自軍ユニットを配置する位置(初期配置位置)については、リレーバトルに用いるマップ毎に予め決められている。自発ユーザは、当該決められた初期配置位置のいずれかに自軍ユニットを配置できる。一方、引継ユーザが自軍ユニットを配置可能な位置は、「加勢ポイント」が設定されているマス、および、これに隣接する周囲の4マスとなる。以下、これらのマスのことを総称して「加勢可能マス」と呼ぶ。
図8に、加勢ポイントおよび加勢可能マスの一例を示す。また、
図8は、本実施形態のTBSGに係る仮想空間の一部を俯瞰したものを示す模式図である。
図8では、丸印で示される加勢ポイントが4カ所、設定されている。当該加勢ポイントは、マップ毎にその位置が予め設定されている。また、当該加勢ポイントは、「アクティブ」と「非アクティブ」のいずれかの状態に設定される。リレーバトル開始直後は、複数の加勢ポイントのうち一部だけアクティブであり、残りは非アクティブ、というような状態である。
図8では、アクティブな加勢ポイントのほうを黒色で示しており、アクティブな加勢ポイントが2カ所、非アクティブな加勢ポイントも2カ所ある状態を示している。そして、ゲームを進め、
図9に示すように、自軍ユニットが非アクティブの加勢ポイントのあるマスに移動して「待機」(行動終了)することで、加勢ポイントの状態が非アクティブからアクティブに変化する。自軍ユニットが配置できるのは、この「アクティブ」な加勢ポイントのマスと、これに隣接する周囲の4マスとなる。
【0080】
このような加勢ポイントを設けているのは、ゲームの状況(リレーバトルのゲームの進行度合い)に応じて、出撃可能位置を変化(拡張)させるためである。例えば、上記
図8において、仮に、加勢ポイントが4つあるうちの左下の1つだけだったと仮定する。そして、ゲームが進行して戦いの前線が
図8でいう上端付近となっている場合を想定する。この場合、引き継ぎでリレーバトルを開始した際に、自軍ユニットを前線に投入することが難しい場合がある。例えば、自軍ユニットを左下の加勢ポイントの位置に出撃させても、そのユーザのプレイ中(例えば2ターン分のプレイ)には自軍ユニットが前線となっている位置に移動しきれない場合もあり得る。その一方で、例えば
図8の4つの加勢ポイントが全てゲームの初期段階から利用可能とすると、リレーバトルの開始からまだ間もない時点で、引継ぎユーザが例えば敵軍の大将キャラクタ(ボスキャラクタ)の近く等に自軍ユニットを配置することも可能となる。その結果、ゲームバランス等の観点から好ましくない展開にもなり得ることも考えられる。そこで、本実施形態では、ある程度離して配置された複数の加勢ポイントを用意し、ゲームの進行につれてアクティブな加勢ポイントを徐々に増やしていくことが可能なように構成している。これにより、ゲームバランスを適正なものにできる。例えば、リレーバトルの序盤からボスキャラクタに攻撃ができてしまうような展開を避け、徐々に前線を押し上げていくようなゲーム展開にすることができる。また、ある程度進行したゲームを引き継いだユーザも、前線近くの加勢ポイントがアクティブになっていれば、自身の所有するユニットを速やかに前線に送ることが可能となり、自身が出撃させたユニットを前線で戦わせる等で、リレーバトルを十分に楽しませることができる。
【0081】
[引継ぎユーザの配置操作について]
次に、引継ぎユーザが自身の所有するユニットを配置する場合の具体例を説明する。まず、出撃準備画面において、引継ぎユーザが出撃させるユニット(以下、加勢ユニットと呼ぶ)を選択すると、一旦、空いている加勢可能マスのいずれかに自動的に配置される(例えば
図10参照)。その後、ユーザの操作に基づき、空いている加勢可能マスの間で配置位置を手動で変更できる(
図11参照)。そして、出撃指示をユーザが行うと、加勢ユニットが最初からマップ上(所定の加勢可能マス上)に配置された状態で、自軍フェイズが開始することになる。この点につき、他の実施形態では、出撃準備画面の段階では、マップ上への加勢ユニットの実際の配置は行わずに、出撃させるユニットを指定するだけとしてもよい。そして、今回のプレイにおける最初の自軍フェイズの開始直後(出撃指示の直後)に実際の配置が行われてもよい。あるいは、最初の自軍フェイズの開始直後のタイミングではなく、2ターン目の自軍フェイズになった時点等、数ターン経過後に配置を行うようにしてもよい。また、更に他の実施形態では、出現するタイミング(ターン)をユーザが指定できるようにしてもよい。これにより、出現させるタイミングを戦略に含めてユーザに考えさせることができ、ゲームの戦略性をより向上できる。
【0082】
ここで、加勢可能マスに他のユニットが存在している場合は、その加勢可能マスは空いていない(埋まっている)ものとして扱われ、そのマスには加勢ユニットは配置できない。例えば、
図12に示すように、5つの加勢可能マスのうち4つが埋まっている場合は、引継ぎユーザは、例えば5体まで自身の所有ユニットを出撃させることが可能であっても、1体しか加勢ユニットを出撃させることができないことになる。また、仮に全ての加勢可能マスが埋まっている場合は、引継ユーザは自身が所有する自軍ユニットを加勢ユニットとして出撃させることができないことになる(前任者ユニットのみ用いてプレイすることになる)。
【0083】
次に、上記「交代」に関して補足する。上記のように、マップ上の自軍ユニットが出撃上限数に達した場合は、「交代」によって既存の自軍ユニットを引継ぎユーザのユニットと入れ替えることができる。この際、交代するユニットの出現位置(配置位置)は、空いている加勢可能マスのいずれかとなる。例えば前任者ユニットAと加勢ユニットBとを交代する場合は、前任者ユニットAのいるマスに加勢ユニットBが出現するのではなく、空いている加勢可能マスに加勢ユニットBが出現する。そのため、加勢可能マスがすべて埋まっている場合、交代する加勢ユニットBを出現させるマスがないため、この場合は「交代」はできないことになる。
【0084】
また、「交代」が実際に行われるタイミングについても補足する。本実施形態では、出撃準備画面においては交代するユニットを指定するだけであり、実際に交代が行われるのは、出撃して最初の自軍フェイズが開始した直後に行われるものとする。この点、他の実施形態では、例えば出撃後2ターン目等の、出撃直後以外のタイミングで「交代」が行われてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、上記のようにユニットは人型のキャラクタであり、重複するキャラクタは存在しない。そのため、引継ユーザが所有しているユニットであっても、既にマップ上に存在しているキャラクタと同一キャラクタについては出撃させることはできないものとする。この点、他の実施形態では、同一キャラクタについては、上記「交代」によって出撃可能としてもよい。すなわち、他のユーザのキャラクタと、これと同一である、自身の所有キャラクタと入れ替えることは可能としてもよい。
【0086】
[コメント機能について]
次に、コメント機能について説明する。本実施形態に係るリレーバトルでは、各ユーザが各自のプレイを終了した際に、後に引き継いでくれるユーザ(または引き継ぐ可能性のあるユーザ)に向けてコメントを残すことができる。そして、引継ユーザは、それまでにプレイしたユーザ(以下、前任者)からのコメントを見ることができる。具体的には、実際にプレイを開始する前の、上記リプレイの再生が終了したタイミングで、当該コメントが表示される。ここで、本実施形態では、当該コメントは、予め用意された定型文から選択できる(換言すれば、ユーザは自由にはコメント入力できない)。具体的には、各ユーザが、既定のターン数のプレイを終了した後に、例えば
図13に示すようなコメント選択画面が表示される。当該コメント選択画面では、複数の定型文が、選択肢としてユーザに提示される。そして、ユーザが、この中から所定の定型文を選択することで、その選択結果を含む上記結果データがサーバに送信される。
【0087】
なお、上記コメントを表示するタイミングは一例であり、他の実施形態では、リプレイに併せて表示することに限らない。例えば、引継ユーザが出撃したタイミング(引継ユーザの最初の自軍フェイズの開始時)で、前任者のコメントをまとめて表示するようにしてもよい。あるいは、リレーバトルの情報を提示するときの各種情報の一つとして、当該コメントを表示するようにしてもよい。
【0088】
また、他の実施形態では、コメントとして設定する内容について、上記の定型文の他、複数の所定の画像(アイコンやスタンプ画像)を選択肢として提示し、定型文と組み合わせてユーザが選択可能としてもよい。
【0089】
[報酬について]
次に、上述した、リレーバトルの終了に伴う報酬に関して補足する。本実施形態では、リレーバトルが終了することで、そのリレーバトルに参加したユーザ全員に報酬が付与される。この報酬のグレードは、勝利条件を満たして終了した場合(つまり、勝利した場合)と、敗北条件を満たして終了した場合(つまり、敗北した場合)とで異なるものとなっている。具体的には、勝利した場合のほうが、敗北した場合よりもグレードの高い報酬が付与される。なお、具体的な報酬内容の決定は抽選によって行われてもよい。例えば、勝利報酬については、敗北報酬よりもグレードの高いアイテムのグループから抽選で決定してもよい。また、報酬自体のグレードを異ならせるほか、報酬を付与する数や量を異ならせるようにしてもよい。例えば、報酬自体は同じアイテムやゲーム内通貨であっても、勝利報酬のほうが敗北報酬よりも数や量が多くなるようにしてもよい。また、敗北報酬の内容に関しては、抽選で決定する他、参加者全員に一律に同じ内容の報酬を付与してもよい。このように、勝利報酬、敗北報酬の双方を用意することで、リレーバトルへの積極的な参加を促すことができ、リレーバトルに誰も参加せずに放置されるという状況を起こりにくくすることができる。
【0090】
また、勝利報酬については、更に、自身の担当したプレイにおいて勝利条件を満たしたユーザと、自身のプレイでは勝利条件は満たせなかったユーザとで、その報酬のグレードが異なっている。本実施形態では、自身の担当したプレイにおいて勝利条件を満たしたユーザには、他のユーザよりもグレードの高い報酬が付与される。つまり、最終的に勝利条件を確定したユーザはより良い報酬を貰えることになる。これにより、自身の手で勝利条件を達成するということの動機付けをユーザに提供できる。すなわち、ある程度ゲームが進行した状態のリレーバトル(戦力や戦局が整い、勝利条件を満たせる可能性が高くなっていると考えられる)に積極的に参加することへの動機付けをユーザに提供できる。
【0091】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図14~
図28を参照して、本実施形態におけるゲーム処理についてより詳細に説明する。
【0092】
[使用データについて]
まず、本実施形態で用いられる各種データに関して説明する。ここでは、先に、サーバ1で用いられるデータについて説明し、その後、ゲーム装置2で用いられるデータについて説明する。
【0093】
[サーバ1に記憶されるデータについて]
図14は、サーバ1の記憶部12に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。記憶部12には、管理用プログラム501、リレーバトルデータ502等が記憶されている。
【0094】
管理用プログラム501は、本実施形態に係るゲーム処理においてサーバが担当する各種機能を実現させるためのプログラムである。具体的には、後述する
図20のフローチャートに係る処理を実行するためのプログラムである。
【0095】
リレーバトルデータ502は、サーバ1において上記リレーバトルを管理するためのデータベースである、
図15に、リレーバトルデータ502のデータ構成の一例を示す。リレーバトルデータ502は、
図15に示すように、リレーバトルデータ502は、バトルID511、最終更新日時512、マップID513、ロックフラグ514、終了フラグ515、バトルログデータ516の項目を少なくとも含むレコードの集合で構成されるデータベースである。
【0096】
バトルID511は、各リレーバトルを一意に識別するためのIDである。最終更新日時512は、そのレコードの最終更新日時を示す情報である。マップID513は、そのレコードに係るリレーバトルで用いられているマップを特定するための情報である。本実施形態では、リレーバトル用のマップが数種類予め用意されているため、これらのいずれかを特定するIDがマップID513として記憶される。
【0097】
ロックフラグ514は、そのレコードに係るリレーバトルが所定のユーザによってプレイされている状態か否かを示すフラグである。ロックフラグ514がオンの場合は、所定のユーザによってプレイされている状態であることを示す。ロックフラグ514の初期値はオフであるとする。終了フラグ515は、そのレコードに係るリレーバトルが終了条件を満たしたものであるか否かを示すフラグである。終了フラグ515がオフの場合は、そのリレーバトルはまだ終了条件を満たしておらず、引継ぎ可能なリレーバトルとして選択され得ることをしめす。終了フラグ515がオンの場合は、そのリレーバトルは終了しているため、引継ぎ可能なリレーバトルとしては選択されないことになる。また、終了フラグ515の初期値はオフであるとする。
【0098】
バトルログデータ516は、そのレコードに係るリレーバトルにおけるプレイ内容(進行状況)を示すデータである。また、バトルログデータ516は、各ゲーム装置2から送信される上記結果データの集合でもある。
図16に、バトルログデータ516のデータ構成の一例を示す。バトルログデータ516は、ユーザID521、結果データ522、登録日時523の項目を少なくとも含むレコードの集合で構成されるデータベースである。結果データ522は、各ユーザのプレイ内容等を示すデータであり、ゲーム装置2から送信された、後述の送信用結果データ608を記憶したものである。ユーザID521は、当該結果データ522を送信したユーザを特定するためのIDであり、登録日時523は、そのレコード(結果データ522)の登録日時である。
【0099】
その他、図示は省略するが、ゲーム装置2に送信するための各種データ等も必要に応じて適宜生成され、記憶部12に記憶され得る。また、ゲーム装置2から受信した各種データも一時的に記憶部12に記憶され得る。
【0100】
[ゲーム装置2に記憶されるデータについて]
次に、ゲーム装置2に記憶されるデータについて説明する。
図17は、ゲーム装置2の記憶部22に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。ゲーム装置2の記憶部22には、ゲームプログラム601、マップマスタデータ602、ユニットマスタデータ603、所有ユニットデータ604、コメントマスタデータ605、リレーバトル管理データ606、操作データ611等が記憶されている。
【0101】
ゲームプログラム601は、本実施形態に係るゲーム処理を実行するためのプログラムである。具体的には、後述する
図21のフローチャートにかかる処理を実行するためのプログラムである。
【0102】
マップマスタデータ602は、上記第1ゲームモードで用いられるTBSGのマップと、第2ゲームモードで用いられるTBSGのマップの構成を定義したデータである。具体的には、各マップの大きさ(マスの数)、各マスの地形を示す情報やその外観、地形効果等、マップを構築するための各種情報が含まれている。その他、マップマスタデータ602には、各マップにおける勝利条件や敗北条件を定義した情報等も含まれている。
【0103】
ユニットマスタデータ603は、本ゲームに登場する全ての自軍ユニットについて定義したデータである。ユニットマスタデータ603には、例えば、各ユニット毎に、ユニットID、キャラクタ名称、各種ステータス情報、ユニットレベル、外観を示す情報等が定義されている。
【0104】
所有ユニットデータ604は、ユーザが所有しているユニットを示すデータである。
【0105】
コメントマスタデータ605は、上述したようなコメントとして用いられる定型文を複数記録したデータである。
【0106】
リレーバトル管理データ606は、ゲーム装置2においてリレーバトルに係る処理を実行する際に用いられるデータである。リレーバトル管理データ606には、自発・引継履歴データ607、送信用結果データ608、受信バトルログデータ609、TBSG処理用データ610が少なくとも含まれる。
【0107】
自発・引継履歴データ607は、ユーザが自発したリレーバトル、および、引き継ぎした(参加した)リレーバトルの履歴を示すデータである。
図18は、自発・引継履歴データ607のデータ構成の一例である。自発・引継履歴データ607は、履歴番号621、日時データ622、バトルID623、報酬フラグ624の項目を少なくとも含むレコードの集合で構成されるデータベースである。履歴番号621は、各レコードを一意に識別するためのIDである。日時データ622は、リレーバトルを自発または引き継ぎした日時を示すデータである。バトルID623は、自発または引き継ぎしたリレーバトルを特定するための情報であり、上記リレーバトルデータ502のバトルID511に対応する情報である。報酬フラグ624は、そのリレーバトルについての報酬が付与済みか否かを示すフラグであり、付与済みであればオンが、未付与の場合はオフが設定される。
【0108】
図17に戻り、次に、送信用結果データ608は、サーバ1に送信するためのデータであり、そのゲーム装置2でユーザによって進行されたTBSGのプレイ内容を示すデータである。当該送信用結果データ608(の少なくとも一部)が、上記バトルログデータ516の結果データ522としてサーバ1に記憶されることになる。
図19に、送信用結果データ608のデータ構成の一例を示す。送信用結果データ608には、ユーザ情報631、バトルID632、TBSGログデータ633、指定コメントデータ634が少なくとも含まれる。ユーザ情報631は、当該送信用結果データ608を送信したユーザを特定するための情報である。バトルID632は、ユーザが自発または引き継ぎしたリレーバトルを特定するための情報であり、上記リレーバトルデータ502のバトルID511に対応する情報でもある。TBSGログデータ633は、TBSGにおけるプレイ内容を示すデータである。例えば、そのユーザが担当したターンを示す情報や、ユーザの操作内容、各ユニットの行動内容、戦闘の結果等を示す情報が含まれる。指定コメントデータ634は、ユーザが選択した上記コメントを特定するための情報である。その他、送信用結果データ608には、リレーバトルに使用しているマップを特定する情報や、送信日時等を示す情報も含まれ得る。
【0109】
図17に戻り、次に、受信バトルログデータ609は、サーバ1から受信した上記バトルログデータ516を記憶したものである。
【0110】
TBSG処理用データ610は、ゲーム装置2でリレーバトルに係るTBSGの処理を行う際に用いられるデータである。当該データは、マップ上における各ユニットの位置や、各ユニットの状態を管理するためのユニットリストデータ等が含まれる。なお、当該ユニットリストデータの生成に関して、リレーバトルを引き継いでプレイする場合は、受信バトルログデータ609に基づいて既存のユニットの位置等が決定されることになる。
【0111】
次に、操作データ611は、プレイヤがコントローラ4に対して行った操作内容を示すデータである。所定の時間間隔でコントローラ4からプロセッサ21に送信されるデータであり、各種ボタンの押下状態を示す情報やアナログスティックに対する入力内容を示す情報等が含まれている。
【0112】
その他、図示は省略するが、ユーザが所有するアイテム等のデータや、上記第1ゲームモードに関するデータ等、ゲーム処理に必要な各種データも記憶部22に記憶される。
【0113】
次に、本実施形態におけるゲーム処理の詳細を説明する。ここでは先にサーバ1に関する処理を説明し、その後、ゲーム装置2に関する処理を説明する。なお、本実施形態では、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された上記プログラムを読み込んで実行することにより、以下に示すフローチャートが実現される。また、当該フローチャートは、処理過程の単なる一例にすぎない。そのため、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。また、変数の値や、判定ステップで利用される閾値も、単なる一例であり、必要に応じて他の値を採用してもよい。
【0114】
[サーバ1で実行される処理について]
図20は、サーバ1で実行されるリレーバトル管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図20において、まず、ステップS1で、サーバ1のプロセッサ11は、所定のゲーム装置2から、上記送信用結果データ608を受信したか否かを判定する。当該判定の結果、受信した場合は(ステップS1でYES)、ステップS2で、プロセッサ11は、受信したデータに基づいてリレーバトルデータ502を更新する。具体的には、プロセッサ11は、受信した送信用結果データ608が自発されたリレーバトルに係るものであれば、当該受信したデータに基づき、そのリレーバトルに係る新たなレコードを生成してリレーバトルデータ502に新規登録する。なお、本実施形態では、リレーバトルが自発された場合は、ゲーム装置2側でバトルIDが生成され、これが送信用結果データに含まれるものとする。またこの際、ゲーム装置毎に固有の端末固有番号やユーザID等を用いて、一意なIDとなるようにバトルIDが生成されるものとする。そのため、サーバ1は、当該バトルIDがリレーバトルデータ502に存在していない場合は、自発されたリレーバトルに係る結果データであると判定することができる。一方、受信した送信用結果データ608が引き継ぎされたリレーバトルに係るものであれば、当該受信したデータに基づき、リレーバトルデータ502の内容が更新される。具体的には、プロセッサ11は、当該受信したデータに基づきバトルID511を特定する。そして、プロセッサ11は、当該特定したバトルID511に係るリレーバトルのバトルログデータ516に、当該受信したデータに基づいた新たなレコードを追加する。また、プロセッサ11は、当該送信用結果データ608に基づき、リレーバトルが終了したか否か(勝利条件または敗北条件が満たされたか)を判定し、終了している場合は、終了フラグ515にオンを設定する。更に、プロセッサ11は、受信した送信用結果データ608に対応するリレーバトルがロックされている場合は、そのロックを解除する。すなわち、プロセッサ11は、ロックフラグ514にオフを設定する。
【0115】
一方、ステップS1の判定の結果、送信用結果データ608を受信していない場合は(ステップS1でNO)、上記ステップS2の処理はスキップされる。
【0116】
次に、ステップS3で、プロセッサ11は、所定のゲーム装置2から、引き継ぎ可能なリレーバトルのデータ要求(リクエスト)を受信したか否かを判定する。当該判定の結果、当該要求を受信した場合は(ステップS3でYES)、ステップS4で、プロセッサ11は、リレーバトルデータ502を参照し、上記終了フラグ515がオフであるリレーバトル(引き継ぎ可能なリレーバトル)を所定数選択する。なお、選択手法はどのようなものでもよい。そして、選択したリレーバトルに係るデータを上記要求の送信元のゲーム装置2に送信する。
【0117】
一方、ステップS3の判定の結果、引き継ぎ可能なリレーバトルのデータ要求を受信していない場合は(ステップS3でNO)、上記ステップS4の処理はスキップされる。
【0118】
次に、ステップS5で、プロセッサ11は、所定のゲーム装置2から、引継ぎ決定通知を受信したか否かを判定する。当該通知は、所定のユーザが所定のリレーバトルを引き継ぐことを決定する操作によって、所定のゲーム装置から送信されてくる通知である。当該判定の結果、引継ぎ決定通知を受診していない場合は(ステップS5でNO)、後述のステップS9に処理が進められる。一方、引継ぎ決定通知を受信した場合は(ステップS5でYES)、次に、ステップS6で、プロセッサ11は、当該通知において引き継ぎ対象として指定されているリレーバトルが、現在ロックされているか否かを上記ロックフラグ514に基づいて判定する。これは、例えば、別々のユーザがほぼ同じタイミングでリレーバトルの引継ぎ決定を行った場合を想定したものである。また、例えば、あるユーザが所定のリレーバトルに係る情報を確認(リプレイ視聴等)している間に、他のユーザが当該リレーバトルの引継ぎを決定した場合を想定したものである。当該判定の結果、ロックされている場合は(ステップS6でYES)、ステップS7で、プロセッサ11は、引継ぎ不可通知を、上記引継ぎ決定通知の送信元に送信する。その後、後述のステップS9に処理が進められる。
【0119】
一方、ロックされていない場合は(ステップS6でNO)、ステップS7で、プロセッサ11は、引継ぎ決定通知で指定されているリレーバトルに係る上記ロックフラグ514にオンを設定する。更に、プロセッサ11は、引継ぎ可能通知を上記引継ぎ決定通知の送信元に送信する。
【0120】
次に、ステップS9で、プロセッサ11は、所定のゲーム装置2から、進捗確認要求を受信したか否かを判定する。当該進捗確認要求は、上述したような進捗確認のためのデータの要求である。当該判定の結果、当該進捗確認要求を受信した場合は(ステップS9でYES)、ステップS10で、プロセッサ11は、当該進捗確認要求で指定されているリレーバトルに係るデータをリレーバトルデータ502から取得する。そして、プロセッサ11は、当該データを上記要求の送信元のゲーム装置2に送信する。その後、上記ステップS1に戻り、処理が繰り返される。
【0121】
一方、ステップS9の判定の結果、進捗確認要求を受信していない場合は(ステップS9でNO)、上記ステップS10の処理はスキップされる。
【0122】
以上で、サーバ1で実行される処理の説明を終了する。
【0123】
[ゲーム装置2で実行される処理について]
次に、ゲーム装置2で実行される処理について説明する。ここでは、上記リレーバトルに関する処理(リレーバトル関連処理)についてのみ説明し、その他のゲーム処理についての説明は割愛する。
【0124】
図21は、ゲーム装置2で実行されるリレーバトル関連処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS21で、ゲーム装置2のプロセッサ21は、例えば
図22に示すようなリレーバトルメニューを表示する。
【0125】
次に、ステップS22で、プロセッサ21は、操作データ611を取得する。続くステップS23で、プロセッサ21は、操作データ611に基づき、リレーバトルメニューにおいて、リレーバトルを自発する操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、自発操作が行われた場合は(ステップS23でYES)、ステップS24で、プロセッサ21は、自発バトル処理を実行する。
【0126】
図23は、自発バトル処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS31で、プロセッサ21は、マップマスタデータ602に基づき、リレーバトル用として指定されているマップを一覧表示したマップ選択画面を表示する。
【0127】
次に、ステップS32で、プロセッサ21は、操作データ611を取得する。続くステップS33で、プロセッサ21は、操作データ611に基づき、いずれかのマップが選択されたか否かを判定する。選択されていない場合は(ステップS33でNO)、上記ステップS31に戻り処理が繰り返される。
【0128】
一方、いずれかのマップが選択された場合は(ステップS33でYES)、ステップS34で、プロセッサ21は、当該選択されたマップを用いるTBSG処理を実行する。
図24~
図25は、当該TBSG処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS41で、プロセッサ21は、当該選択されたマップのデータをマップマスタデータ602から読み込み、これに基づいて出撃準備画面(図示は省略)を生成して表示する。この際、引き継ぎでプレイする場合は、受信バトルログデータ609に基づき、引き継いだときの戦況(自軍、敵軍ユニットの位置等)を反映した出撃準備画面が生成される。
【0129】
次に、ステップS42で、プロセッサ21は、操作データ611を取得する。更に、プロセッサ21は、操作データ611で示される操作内容に基づいて、出撃準備にかかる各種処理を実行する。具体的には、出撃させるユニットを決定する処理や、その配置位置を決定する処理等が実行される。なお、配置位置に関しては、上述したように、一旦加勢可能マスに自動的に配置され、その後、ユーザの操作に基づき配置位置が変更され得る。
【0130】
次に、ステップS43で、プロセッサ21は、操作データ611に基づき、出撃準備画面において出撃指示が行われたか否かを判定する。出撃指示が行われていない場合は(ステップS43でNO)、上記ステップS41に戻り、処理が繰り返される。
【0131】
一方、出撃指示が行われた場合は(ステップS43でYES)、ステップS44で、プロセッサ21は、出撃準備画面を終了し、TBSGに係る画面(上記
図4参照)を表示する。この際、自発の場合は、自軍、敵軍ユニットは予め設定されている初期配置位置に配置された画面(出撃準備画面での操作内容を反映した画面)が表示される。一方、引き継ぎの場合は、引き継いだ時点の戦況(自軍、敵軍ユニットの位置等)を受信バトルログデータ609に基づいて反映した内容に、上記出撃準備画面での操作内容を更に反映した画面が表示される。
【0132】
次に、ステップS45で、プロセッサ21は、操作データ611を取得し、その操作内容に基づいて、自軍フェイズの処理を実行する。具体的には、プロセッサ21は、操作データ611に基づいて自軍ユニットを移動させる処理や、所定の敵軍ユニットと戦闘させる処理等を実行する。また、プロセッサ21は、後に送信用結果データ608を作成するために、自軍フェイズにおけるユーザの操作内容や自軍ユニットの行動内容(操作ログ、行動ログ)等を一時的に記憶部22に記憶しておく。また、プロセッサ21は、上記の操作内容に基づく処理を反映したゲーム画面(戦闘シーン等)も適宜生成して表示する。
【0133】
次に、ステップS46で、プロセッサ21は、現在プレイ中のマップに設定されている終了条件(勝利条件または敗北条件)が満たされたか否かを判定する。終了条件が満たされていない場合は(ステップS46でNO)、ステップS47で、プロセッサ21は、敵軍フェイズの処理を実行する。具体的には、プロセッサ21は、AI制御によって、敵軍ユニットを行動させる。また、プロセッサ21は、後に送信用結果データ608を作成するために、敵軍フェイズにおける敵軍ユニットの行動内容等を一時的に記憶部22に記憶しておく。
【0134】
次に、ステップS48で、プロセッサ21は、上記終了条件が満たされたか否かを判定する。終了条件が満たされていない場合は(ステップS48でNO)、ステップS49で、プロセッサ21は、今回のプレイが開始してから既定のターン数が経過したか否かを判定する。本実施形態では既定のターン数が2である場合を例としているため、自発ユーザまたは引継ユーザがそれぞれプレイを開始してから2ターン分のプレイが終了したか否かが判定される。当該判定の結果、既定のターン数が経過していない場合は(ステップS49でNO)、上記ステップS44に戻り、処理が繰り返される。一方、既定のターン数が経過した場合は(ステップS49でYES)、後述するステップS51に処理が進められる。
【0135】
一方、上記ステップS46、またはステップS48の判定の結果、終了条件を満たしたと判定された場合は(ステップS46、またはステップS48でYES)、ステップS50で、プロセッサ21は、当該終了条件を満たしたユーザに、プレイの結果に応じた所定の報酬を付与する。具体的には、当該ユーザが所有するアイテムを示すデータが更新されることになる。なお、プレイの結果に応じた報酬、すなわち、付与される報酬のグレードについては上述の通りである。その後、後述のステップS51に処理が進められる。
【0136】
次に、
図25のステップS51で、プロセッサ21は、TBSGの画面を終了し、コメント選択画面(上記
図13参照)を表示する。次に、ステップS52で、プロセッサ21は、操作データ611を取得し、その操作内容に基づいて、コメント選択画面から所定のコメントを選択する。
【0137】
次に、ステップS53で、プロセッサ21は、上記送信用結果データ608を生成して、サーバ1に送信する。具体的には、プロセッサ21は、上記ステップS45、S47において一時的に記録したデータに基づき、自軍フェイズおよび敵軍フェイズにおける各ユニットの行動内容やユーザの操作内容等を示すTBSGログデータ633を生成する。なお、今回のプレイにおいて終了条件を満たした場合も、その終了条件に至るまでのプレイ内容を示すデータがTBSGログデータ633として生成されることになる。更に、プロセッサ21は、上記選択されたコメントに基づいて指定コメントデータ634も生成する。また、今回のTBSGのプレイが自発である場合は、プロセッサ21は、例えば端末固有番号やユーザIDを用いて(一意なIDとなるように)バトルID632を生成する。一方、引き継ぎによるプレイである場合は、受信バトルログデータ609に含まれるバトルIDの情報をそのまま流用する。そして、プロセッサ21は、ユーザ情報631を適宜設定して、送信用結果データ608を生成し、サーバ1に送信する。その後、プロセッサ21は、TBSG処理を終了する。
【0138】
図23に戻り、次に、ステップS35で、プロセッサ21は、自発・引継履歴データ607を更新する。具体的には、プロセッサ21は、新たな履歴番号621と、今回自発したリレーバトルを示すバトルID623が設定されたレコードを生成し、自発・引継履歴データ607に追加する。この際、今回のプレイにおいて上記ステップS50で報酬が付与されている場合は、プロセッサ21は、報酬フラグ624にオンを設定したうえで、レコードを追加する。逆に、付与されていない場合は、プロセッサ21は、報酬フラグ624にオフを設定したうえで、レコードを追加する。その後、プロセッサ21は、自発バトル処理を終了する。
【0139】
図21に戻り、自発バトル処理が終われば、上記ステップS21に戻り、処理が繰り返される。
【0140】
一方、上記ステップS23の判定の結果、自発操作が行われていない場合は(ステップS23でNO)、ステップS25で、プロセッサ21は、操作データ611に基づき、リレーバトルメニューから、リレーバトルを引き継ぐ操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、引き継ぎ操作が行われた場合は(ステップS25でYES)、ステップS26で、プロセッサ21は、引き継ぎバトル処理を実行する。
【0141】
図26~
図27は、引き継ぎバトル処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS61で、プロセッサ21は、引き継ぎ可能なリレーバトルのデータ要求をサーバに送信する。次に、ステップS62で、プロセッサ21は、上記要求に応じてサーバ1から送信されてきたリレーバトルのデータを受信する。更に、プロセッサ21は、当該受信したデータに基づき、受信バトルログデータ609を生成する(例えば、受信したデータに含まれる各バトルログデータ516を受信バトルログデータ609にコピーする)。
【0142】
次に、ステップS63で、プロセッサ21は、上記受信したリレーバトルのデータに基づき、上記受信したリレーバトルのリストを生成して表示する。
【0143】
次に、ステップS64で、プロセッサ21は、操作データ611を取得し、リストで表示されているいずれかのリレーバトルも引き継がないことを決定する操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、いずれのリレーバトルも引き継がない操作が行われた場合は(ステップS64でYES)、プロセッサ21は、引継ぎバトル処理を終了する。なお、他の実施形態では、この場合は、上記ステップS61に戻り、他のリレーバトルのデータを要求するようにしてもよい(つまり、リストを更新する処理を行ってもよい)。
【0144】
一方、いずれのリレーバトルも引き継がない操作が行われていない場合は(ステップS64でNO)、次に、ステップS65で、プロセッサ21は、操作データ611を取得し、リストの中から、いずれかのリレーバトルの情報を参照する操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、情報を参照する操作が行われていない場合は(ステップS65でNO)、上記ステップS63に戻り、処理が繰り返される。一方、情報を参照する操作が行われていた場合は(ステップS65でYES)、ステップS66で、プロセッサ21は、受信バトルログデータ609に基づき、選択されたリレーバトルに関する情報を表示する。具体的には、それまでに進行したターン数や出撃している自軍・敵軍ユニットの情報、加勢ポイントの状態等が表示される。更に、受信バトルログデータ609に基づき、それまでのゲーム進行のリプレイも表示される。また、各前任者に係るリプレイが終了したタイミングで、各前任者が設定した上記コメントも表示する。例えば、前任者が3人いる場合で、既定ターン数が2である場合は、リレーバトルが開始してから1~2ターンのリプレイ終了時に1人目の前任者のコメントが表示され、3~4ターンのリプレイ終了時に2人目の前任者のコメントが表示され、5~6ターンのリプレイ終了時に3人目の前任者のコメントが表示される。
【0145】
次に、ステップS67で、プロセッサ21は、上記リレーバトルのいずれか一つを引き継ぐことを決定する操作が行われたか否かを操作データ611に基づいて判定する。当該判定の結果、引き継ぐことを決定する操作が行われていない場合は(ステップS67でNO)、上記ステップS63に戻り、処理が繰り返される。一方、引き継ぐことを決定する操作が行われた場合は(ステップS67でYES)、
図27のステップS68で、プロセッサ21は、引き継ぎすることが決定されたリレーバトルを指定する情報を含む引継ぎ決定通知をサーバ1に送信する。
【0146】
次に、ステップS69で、プロセッサ21は、サーバ1から引継ぎ可能通知を受信したか否かを判定する。当該判定の結果、サーバ1から引継ぎ可能通知を受信していない(上記引継ぎ不可通知を受信した)場合は(ステップS69でNO)、ステップS72で、プロセッサ21は、引継ぎができない旨を表示する。その後、上記ステップS61に戻り、処理が繰り返される。
【0147】
一方、引継ぎ可能通知を受信した場合は(ステップS69でYES)次に、ステップS70で、プロセッサ21は、TBSG処理を実行する。当該処理は、上述したステップS34の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0148】
次に、ステップS71で、プロセッサ21は、自発・引継履歴データ607を更新する。具体的には、プロセッサ21は、今回引き継ぎしたリレーバトルを示すバトルID623が設定されたレコードを生成し、自発・引継履歴データ607に追加する。また、上記同様に、今回のプレイにおいて報酬が付与されている場合は、プロセッサ21は、報酬フラグ624にオンを設定したうえで、レコードを追加する。その後、プロセッサ21は、引き継ぎバトル処理を終了する。
【0149】
図21に戻り、引き継ぎバトル処理が終了すれば、上記ステップS21に戻り、処理が繰り返される。
【0150】
一方、上記ステップS25の判定の結果、リレーバトルを引き継ぐ操作が行われていない場合は(ステップS25でNO)、ステップS27で、プロセッサ21は、操作データ611に基づき、上記リレーバトルメニューから、進捗確認の操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、進捗確認の操作が行われた場合は(ステップ27でYES)、ステップS28で、プロセッサ21は、進捗確認処理を実行する。
【0151】
図28は、上記進捗確認処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS81で、プロセッサ21は、自発・引継履歴データ607を参照し、そのユーザが自発、あるいは引き継いだ、1以上のリレーバトルのバトルID623を指定した進捗確認要求をサーバ1に送信する。
【0152】
次に、ステップS82で、プロセッサ21は、上記要求に応じてサーバ1から送信されたリレーバトルのデータを受信する。
【0153】
次に、ステップS83で、プロセッサ21は、上記受信したリレーバトルのデータに基づいて、進捗確認したいリレーバトルの選択画面を生成して表示する。図示は省略するが、当該画面では、そのユーザが自発あるいは引き継いだリレーバトルが一覧表示される。なお、当該リレーバトルの一覧表示を行う際に、報酬が未付与のリレーバトルと、報酬付与済みのリレーバトルと、まだ終了していないリレーバトルとをユーザが判別できるように、所定の画像(アイコン等)を各リレーバトルを示す画像に付加して表示してもよい。
【0154】
次に、ステップS84で、プロセッサ21は、操作データ611を取得し、その操作内容に基づいて、いずれかのリレーバトルのリプレイ開始を指示する操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、リプレイ開始の指示が行われていた場合は(ステップS84でYES)、ステップS85で、プロセッサ21は、ユーザが選択したリレーバトルのデータに基づき、リプレイ処理を行う。
【0155】
次に、ステップS86で、プロセッサ21は、上記ステップS85におけるリプレイ処理が終了したか否かを判定する。例えば、リプレイを最後まで再生した場合、あるいは、リプレイの途中でユーザからリプレイをキャンセルする指示を受け付けた場合、リプレイ処理が終了したと判定される。当該判定の結果、終了していない場合は(ステップS86でNO)、プロセッサ21は、上記ステップS85に戻り、リプレイ処理を継続する。一方、終了した場合は(ステップS86でYES)、上記ステップS83に戻り、処理が繰り返される。
【0156】
一方、上記ステップS84の判定の結果、リプレイ開始の指示が行われていない場合は(ステップS84でNO)、ステップS87で、プロセッサ21は、操作データ611を取得し、その操作内容に基づいて、いずれかのリレーバトルの報酬を確認する指示が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、報酬の確認指示が行われていない場合は(ステップS87でNO)、次に、ステップS88で、プロセッサ21は、操作データ611に基づき、進捗確認処理の終了操作が行われたか否かを判定する。当該終了操作が行われていない場合は(ステップS88でNO)、上記ステップS83に戻り、処理が繰り返される。終了操作が行われた場合は(ステップS88でYES)、プロセッサ21は、当該進捗確認処理を終了する。
【0157】
一方、上記ステップS87の判定の結果、報酬の確認指示が行われた場合は(ステップS87でYES)、
図29のステップS89で、プロセッサ21は、上記報酬確認指示が行われたリレーバトルが、終了条件が満たされたリレーバトルであるか否かを、上記終了フラグ515に基づき判定する。当該判定の結果、まだ終了条件が満たされていないリレーバトルである場合は(ステップS89でNO)、ステップS93で、プロセッサ21は、当該リレーバトルはまだ終了していない旨を表示する。その後、上記ステップS83の処理に戻る。
【0158】
一方、終了条件が満たされたリレーバトルの場合は(ステップS89でYES)、ステップS90で、プロセッサ21は、上記報酬確認指示が行われたリレーバトルが報酬はまだ付与されていないリレーバトルであるか否かを、上記報酬フラグ624に基づき判定する。当該判定の結果、報酬がまだ付与されていないリレーバトルの場合は(ステップS90でYES)、ステップS91で、プロセッサ21は、報酬を付与する処理を実行する。この処理では、上記ステップS50と同様の処理が実行される。なお、当該報酬の付与の前提となる勝利/敗北の判定については、上記受信したリレーバトルデータ502のバトルログデータ516に基づいて判定すればよい。この点、他の実施形態では、リレーバトルが終了した際、勝利による終了であるのか、敗北による終了であるのかを示す情報を送信用結果データ608に含めて送り、サーバ1に登録するようにしてもよい。この場合、リレーバトルの終了状態を示す情報として、上記終了フラグ515の代わりに、例えば、「未終了」「勝利」「敗北」のいずれかを示す「終了状態データ」を用いてもよい。そして、ステップS87の処理において、プロセッサ21は、当該終了状態データを参照することで、勝利報酬を付与するか敗北報酬を付与するかを判定してもよい。
【0159】
次に、ステップS92で、プロセッサ21は、自発・引継履歴データ607を更新する。具体的には、プロセッサ21は、上記リプレイされたリレーバトルに係る報酬フラグ624にオンを設定する。
【0160】
一方、上記ステップS90の判定の結果、報酬を付与済みのリレーバトルである場合は(ステップS90でNO)、ステップS94で、プロセッサ21は、報酬は付与済みである旨を表示する。その後、上記ステップS83の処理に戻る。
【0161】
図21に戻り、上記進捗確認処理が終了すれば、上記ステップS21に戻り、処理が繰り返される。
【0162】
一方、上記ステップS27の判定の結果、進捗確認操作が行われていない場合は(ステップS27でNO)、ステップS29で、プロセッサ21は、操作データ611に基づき、リレーバトルメニューを終了する操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、リレーバトルメニューの終了操作が行われていない場合は(ステップS29でNO)、上記ステップS21に戻り処理が繰り返される。リレーバトルメニューの終了操作が行われた場合は(ステップS29でYES)、プロセッサ21は、リレーバトル関連処理を終了する。
【0163】
以上で、本実施形態のゲーム処理の詳細説明を終了する。
【0164】
このように、本実施形態では、TBSGにおいて、1つのマップについて、自軍フェイズを所定ターンずつ別々のユーザが操作してクリアを目指すという協力型マルチプレイを提供している。いわば、戦場における指揮官が交代しながら戦いを繋いでいくというような、新規なマルチプレイを提供している。これにより、複数のユーザで協力して、例えば強大な敵を倒す、という楽しみ方をユーザに提供できる。
【0165】
また、上記リレーバトルに参加する際、引継ぎユーザは、上記第1のゲームモードで成長させた、自身が所有するユニットを出撃させることができる。これにより、各ユーザが成長させた各自の所有ユニットを複数のユーザどうして見せ合って楽しむという楽しみ方も提供できる。
【0166】
更に、本実施形態では、リレーバトルを引き継いでプレイすることができるため、例えば自発ユーザがTBSGが得意ではないユーザであっても、TBSGが得意な引継ユーザが引き継いでプレイしたり、引継ユーザがより強力なユニットを出撃させたりすること等によって、最終的にクリアする(そして、勝利報酬を得る)ことも可能である。そのため、TBSGと得意でないユーザや初心者のユーザであっても、気軽に参加してTBSGを楽しんでもらうことが可能となる。また、ユーザ同士の対戦は苦手であるというユーザも、協力プレイという形式であるため、複数ユーザによるゲームプレイを楽しんでもらうことも可能となる。
【0167】
また、仮に、ユーザが、他ユーザとゲーム状況を同期せずに、他ユーザがプレイしたゲームをそのまま引き継いでプレイする場合、ゲームの進行状況によっては、今後のゲームの展開が他ユーザのプレイによって方向づけられており、ユーザがゲームの進行に介入できる余地が少ないと考えられる。この点、本実施形態であれば、上記のように引き継ぎの際に自身の所有ユニットを追加で出撃させることができる。そのため、他ユーザのプレイによって方向付けられていたゲームの展開を大きく変える余地が生まれる。これにより、ユーザが採り得る戦術が増え、ゲームの興趣性を向上できる。
【0168】
また、本実施形態では、リレーバトルを引き継ぐ際に、それまでの戦いをリプレイで提示している。そのため、リレーバトルに途中参加する場合であっても、どのようなユニットを出撃させることが適切であるか等、その後の戦略や戦術等をユーザが判断可能である。これにより、TBSGにおける戦略性を向上し、その興趣性を向上できる。また、リレーバトルに参加した後も、上記のリプレイでその後の経過を確認することもできる。このようなリプレイ機能により、他のユーザの戦い方(プレイ)を見ることができるため、新たな発見や気付き等を得る可能性も高まる。このような新たな発見や気付きを得ることで、ユーザは新たな戦い方を試す等で、ゲームの興趣性を更に向上できる。
【0169】
また、上記のように、リレーバトルが自発されてから早い段階で参加するという楽しみ方と、ある程度ターンが経過した段階で参加する楽しみ方との2つの楽しみ方を提供できる。これにより、ユーザのプレイスタイルに応じた適切な楽しみ方を提供できる。
【0170】
[変形例]
なお、上記実施形態では、リレーバトルを自発した後、どのようなユーザでも引継ぎ可能な例を挙げている。他の実施形態では、自発したリレーバトルをサーバ1に登録する際、引継ぎ可能なユーザを限定するようにして登録してもよい。例えば、上記結果データをサーバ1に送信する際に、自発ユーザの所定の操作に基づき、当該自発ユーザが「フレンド」登録している他のユーザのみが引継ぎ可能、という設定を加えて、当該結果データを送信できるようにしてもよい。また、その他、自発したリレーバトルにパスワードを設定して、結果データを送信してもよい。そして、リレーバトルが引継がれる際に、引継ぎユーザに当該パスワードの入力を求めるようにすればよい。
【0171】
また、上記実施形態では、リレーバトルを自発した後、既定のターン数経過でゲームの進行を一旦終了し、結果データを送信する例を示した。この点につき、他の実施形態では自発でリレーバトルを開始した後、例えば、10分等の所定時間が経過したタイミングでゲームの進行を終了させてもよい。あるいは、所定のゲーム内イベントが発生したタイミングでゲーム進行を終了させてもよい(換言すれば、所定のゲーム内イベントを発生させないようにすれば終了条件を満たすまでプレイ可能としてもよい)。所定のゲーム内イベントの一例としては、マップに配置される中ボスキャラクタの撃破や、マップに配置される所定位置にキャラクタを配置することであってもよい。
【0172】
また、ゲーム進行を終了させる処理と上記結果データを送信する処理の処理順番は、上述の例に限らず、いずれを先に処理してもよいし、並行して処理を進めてもよい。また例えば、結果データに関しては、1ターン終了する毎に送信するようにしてもよい。
【0173】
また、上記実施形態において、リレーバトルを自発した後、誰にも引き継ぐことなくその自発者がゲームをクリア(または敗北)可能なリレーバトル(のマップ)が用意されていてもよい。そして、誰にも引き継ぐことなくゲームが終了した場合は、報酬の付与は行われるが、結果データのサーバ1への送信処理は省略してもよい。引き継ぐ必要が無いため、結果データの送信の必要性もないためである。
【0174】
また、上記実施形態では、引継ぎユーザは同じリレーバトルに対して1度しか引継ぎできず、自発ユーザも自身で引継ぐことはできない場合を例として説明した。他の実施形態では、連続する引継ぎでなければ、同じユーザが複数回引継ぎ可能としてもよい。例えば、ユーザAが自発したリレーバトルをユーザBが引き継ぎ、更に、ユーザCが引継いだ後、ユーザBが再度引き継ぐことができるようにしてもよい。また、自発したユーザAについても、ユーザBやユーザC等の他のユーザの引継ぎが発生していれば、これを引き継ぐ形で、自身が自発したバトルを自身で引継ぎ可能としてもよい。
【0175】
また、上記実施形態では、引継ぎ可能なリレーバトルとして選ばれないようにリレーバトルデータを一時的にロックするタイミングについて、ゲーム装置2から引継ぎ決定通知を受信したタイミングとする例を示した。この点、他の実施形態では、例えば、リストアップした複数のリレーバトルデータをゲーム装置2に送信するタイミングで、当該リストアップしたリレーバトルデータの全てをロックするような制御を行ってもよい。また、所定のゲーム装置2から引継ぎ決定通知を受信したとき、当該通知で指定されるリレーバトルを引継ぎ可能なリレーバトルの候補として送信済みのゲーム装置に対して、当該リレーバトルが引継ぎ不可となったことを示す通知を送信するようにしてもよい。そして、当該通知を受信したゲーム装置では、受信後、速やかにその旨を表示するようにしてもよい。例えば、ユーザが所定のリレーバトルのリプレイを見ている間に、他のユーザが当該リレーバトルの引継ぎを決定した場合、「このリレーバトルは他のユーザによって引き継がれました」等の表示をポップアップ表示する等してもよい。
【0176】
また、上記のようにリレーバトルデータがロックされた後、上記の既定ターン数が経過しないまま放置されているような場合(結果データがいつまで経っても送信されてこない場合)に備え、ロックされる時間に制限を設けるようにしてもよい。例えば、あるリレーバトルについて、ロックされてから24時間以上経過している場合は、上記ロックフラグ514を強制的にオフに設定するような処理を行ってもよい。なお、このようなリレーバトルが放置される場合としては、例えば、上記既定ターン数のプレイが終わる前に、ゲーム装置2のバッテリー切れ等でプレイが中断し、プレイの結果が送信できない、というような場合等が考えられる。
【0177】
また、上記実施形態では、上記前任者ユニットもユーザ自身が操作可能な例を挙げたが、他の実施形態では、前任者ユニットについてはAI制御にしてもよい。これにより、前任者ユニットを操作する手間を省くことができ、ユーザの利便性を向上できる。
【0178】
また、上記実施形態では、各ユーザのプレイが終了した際にコメントを残すことができる例を挙げた。当該コメントについては、残すことを必須としてもよいし、任意で残すことができるようにしてもよい。
【0179】
また、上記実施形態では、自発者がプレイするターン数と引継ユーザがプレイするターン数(上記既定ターン数)が同じである例を挙げたが、両者は異なるターン数であってもよい。例えば、自発者は5ターン、引継ユーザは3ターンだけプレイ可能としてもよい。
【0180】
また、上記実施形態では、ユーザが育成可能なキャラクタを用いたTBSGをゲームの一例として説明した。当該ゲームの種類について、例えば、将棋、囲碁、チェスのような、手番を交代しながら進めるゲームにも上記のような協力プレイの処理は適用可能である。但し、ゲームによっては、引継ぎ時に、ユーザの所有するキャラクタ(駒)等の追加はできないこともある。
【0181】
また、上記実施形態においては、リレーバトル関連処理自体は単一のゲーム装置2で実行される場合を説明した。他の実施形態においては、上記リレーバトル関連処理を複数の情報処理端末からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記リレーバトル関連処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。更には、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理端末によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理端末が分担して実行してもよい。また、いわゆるクラウドゲーミングの構成としてもよい。例えば、ゲーム装置2は、ユーザの操作を示す操作データを所定のサーバに送り、当該サーバにおいて各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声としてゲーム装置2にストリーミング配信されるような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0182】
2 ゲーム装置
4 コントローラ
5 表示部
21 プロセッサ
22 記憶部
23 無線通信部
24 コントローラ通信部
25 画像音声出力部
【手続補正書】
【提出日】2023-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
次に、この後ユーザ4がリレーバトルを引き継いだ場合、既に9体のユニットが出撃している(マップ上に存在している)ため、基本的には1体のユニットしか出撃させることができない。但し、出撃上限数が最大に達する場合は、既存のユニットと「交代」させるような形でユーザ4が所有するユニットを更に出撃させることも可能である。
図7では、交代の一例として、ユーザ1が出撃させたユニットであるユニット4をユーザ
4のユニットに交代させた例を示している(ユーザ4は自身のユニットを合計2体出撃させたことになる)。この結果、ユーザ4は、前任者ユニットと合わせて合計10体のユニットが操作可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0119】
一方、ロックされていない場合は(ステップS6でNO)、ステップS8で、プロセッサ11は、引継ぎ決定通知で指定されているリレーバトルに係る上記ロックフラグ514にオンを設定する。更に、プロセッサ11は、引継ぎ可能通知を上記引継ぎ決定通知の送信元に送信する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0159
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0159】
次に、ステップS92で、プロセッサ21は、自発・引継履歴データ607を更新する。具体的には、プロセッサ21は、上記報酬確認指示が行われたリレーバトルに係る報酬フラグ624にオンを設定する。