(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046011
(43)【公開日】2024-04-03
(54)【発明の名称】電源制御装置、及び電源制御方法
(51)【国際特許分類】
F02N 11/08 20060101AFI20240327BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240327BHJP
H02J 9/00 20060101ALI20240327BHJP
F02N 15/00 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
F02N11/08 L
F02N11/08 X
F02N11/08 Y
F02N11/08 M
B60R16/02 645Z
H02J9/00 120
F02N15/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022151141
(22)【出願日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金原 裕和
(72)【発明者】
【氏名】杉山 雄紀
【テーマコード(参考)】
5G015
【Fターム(参考)】
5G015FA05
5G015FA12
5G015JA52
5G015KA12
(57)【要約】
【課題】アイドリングストップからの復帰時に生じる電装機器への供給電力の電圧低下を、簡易でコストを抑えた構成により抑制することができる電源制御装置を提供する。
【解決手段】電源制御装置1は、蓄電池50から電装機器71に供給される電流が所定の上限電流以下に制限された電流制限状態と、蓄電池50から電装機器71への上限電流を超える電流の供給が許容された電流非制限状態と、を切り替える電流供給切替部70と、アイドリングストップ機能により停止したエンジン60を始動させる前に、電流供給切替部70により電流制限状態とする電流制限処理を実行する電流供給制御部26と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの停止及び前記エンジンの始動を行うアイドリングストップ機能を有する車両に搭載され、前記車両に設けられた蓄電池から供給される電力により作動する電装機器への電力供給を制御する電源制御装置であって、
前記蓄電池から前記電装機器に供給される電流が所定電流以下に制限された電流制限状態と、前記蓄電池から前記電装機器への前記所定電流を超える電流の供給が許容された電流非制限状態と、を切り替える電流供給切替部と、
前記アイドリングストップ機能により停止した前記エンジンを始動させる前に、前記電流供給切替部により前記電流制限状態とする電流制限処理を実行する電流供給制御部と、
を備える電源制御装置。
【請求項2】
前記電装機器、又は前記電装機器に接続されて前記蓄電池から前記電装機器を経由して電力が供給される被接続機器の所定動作が可能な電源電圧又は電源電力の下限を示す下限電源情報を取得する下限電源情報取得部と、
前記下限電源情報に基づいて、前記所定電流を設定する所定電流設定部と、
を備える請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項3】
前記所定電流設定部は、前記蓄電池の出力電圧が前記下限電源情報により示される前記電源電圧の下限よりも高くなるように、又は前記蓄電池から前記電装機器に供給される電力が前記下限電源情報により示される前記電源電力の下限よりも大きくなるように、前記所定電流を設定する
請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項4】
前記蓄電池の状態を認識する蓄電池状態認識部を備え、
前記電流供給制御部は、前記蓄電池状態認識部により認識される前記蓄電池の状態から、前記アイドリングストップ機能の実施が不可と判断される場合は、前記電流制限処理を実行しない
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の電源制御装置。
【請求項5】
前記電流供給制御部は、前記アイドリングストップ機能により前記エンジンが停止してから所定時間以内に前記電流制限処理を開始する
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の電源制御装置。
【請求項6】
前記車両の走行状態を認識する走行状態認識部を備え、
前記電流供給制御部は、前記走行状態認識部により認識される前記車両の走行状態に基づいて、前記電流制限処理を開始するタイミングを決定する
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の電源制御装置。
【請求項7】
前記電流供給制御部は、前記走行状態認識部により前記車両が減速し始めたことが認識された時に、前記電流制限処理を開始する
請求項6記載の電源制御装置。
【請求項8】
前記電流供給制御部は、前記走行状態認識部により、前記車両の先行車両が前進している状態で前記車両が減速し始めたことが認識された場合には、前記電流制限処理を開始しない
請求項7に記載の電源制御装置。
【請求項9】
エンジンの停止及び前記エンジンの始動を行うアイドリングストップ機能を有する車両における、前記車両に設けられた蓄電池から供給される電力により作動する電装機器への電力供給を、コンピュータにより制御する電源制御方法であって、
前記蓄電池から前記電装機器に供給される電流が所定電流以下に制限された電流制限状態と、前記蓄電池から前記電装機器への前記所定電流を超える電流の供給が許容された電流非制限状態と、を切り替える電流供給切替ステップと、
前記アイドリングストップ機能により停止した前記エンジンを始動させる前に、前記電流供給切替ステップにより前記電流制限状態とする電流制限処理を実行する電流供給制御ステップと、
を含む電源制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源制御装置及び電源制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池を搭載する車両における充給電に関する研究開発が行われている。例えば、アイドリングストップ機能を有する車両において、アイドリングストップからの復帰時に、スターターモータへの電力供給に伴って、車両に備えられた電装機器に供給される電力の電圧が大きく低下すると、電装機器の作動が中断される等の不都合が生じ得る。そこで、二次電池から電装機器への電力供給を、DC-DCコンバータを介して行うことにより、スターターモータの作動時に、電装機器に供給される電力の電圧低下を抑制するようにした構成が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、二次電池を搭載する車両における充給電に関する技術において、上記背景技術のように、DC-DCコンバータを備えることによって、アイドリングストップからの復帰時に生じる電気負荷への供給電力の電圧低下を抑制する場合には、装置の回路構成が複雑になると共に装置のコストが増加するという不都合がある。そこで、アイドリングストップからの復帰時に生じる電装機器への供給電力の電圧低下を、簡易でコストを抑えた構成により抑制することが、本開示の課題である。
本願は上記課題の解決のため、アイドリングストップからの復帰時に生じる電装機器への供給電力の電圧低下を、簡易でコストを抑えた構成により抑制することができる電源制御装置及び電源制御方法を提供することを目的とする。そして、延いてはエネルギーの効率化に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、エンジンの停止及び前記エンジンの始動を行うアイドリングストップ機能を有する車両に搭載され、前記車両に設けられた蓄電池から供給される電力により作動する電装機器への電力供給を制御する電源制御装置であって、前記蓄電池から前記電装機器に供給される電流が所定電流以下に制限された電流制限状態と、前記蓄電池から前記電装機器への前記所定電流を超える電流の供給が許容された電流非制限状態と、を切り替える電流供給切替部と、前記アイドリングストップ機能により停止した前記エンジンを始動させる前に、前記電流供給切替部により前記電流制限状態とする電流制限処理を実行する電流供給制御部と、を備える電源制御装置が挙げられる。
【0006】
上記電源制御装置において、前記電装機器、又は前記電装機器に接続されて前記蓄電池から前記電装機器を経由して電力が供給される被接続機器の所定動作が可能な電源電圧又は電源電力の下限を示す下限電源情報を取得する下限電源情報取得部と、前記下限電源情報に基づいて、前記所定電流を設定する所定電流設定部と、を備える構成としてもよい。
【0007】
上記電源制御装置において、前記所定電流設定部は、前記蓄電池の出力電圧が前記下限電源情報により示される前記電源電圧の下限よりも高くなるように、又は前記蓄電池から前記電装機器に供給される電力が前記下限電源情報により示される前記電源電力の下限よりも大きくなるように、前記所定電流を設定する構成としてもよい。
【0008】
上記電源制御装置において、前記蓄電池の状態を認識する蓄電池状態認識部を備え、前記電流供給制御部は、前記蓄電池状態認識部により認識される前記蓄電池の状態から、前記アイドリングストップ機能の実施が不可と判断される場合は、前記電流制限処理を実行しない構成としてもよい。
【0009】
上記電源制御装置において、前記電流供給制御部は、アイドリングストップ機能により前記エンジンが停止してから所定時間以内に前記電流制限処理を開始する構成としてもよい。
【0010】
上記電源制御装置において、前記車両の走行状態を認識する走行状態認識部を備え、前記電流供給制御部は、前記走行状態認識部により認識される前記車両の走行状態に基づいて、前記電流制限処理を開始するタイミングを決定する構成としてもよい。
【0011】
上記電源制御装置において、前記電流供給制御部は、前記走行状態認識部により前記車両が減速し始めたことが認識された時に、前記電流制限処理を開始する構成としてもよい。
【0012】
上記電源制御装置において、前記電流供給制御部は、前記走行状態認識部により、前記車両の先行車両が前進している状態で前記車両が減速し始めたことが認識された場合には、前記電流制限処理を開始しない構成としてもよい。
【0013】
上記目的を達成するための第2態様として、エンジンの停止及び前記エンジンの始動を行うアイドリングストップ機能を有する車両における、前記車両に設けられた蓄電池から供給される電力により作動する電装機器への電力供給を、コンピュータにより制御する電源制御方法であって、前記蓄電池から前記電装機器に供給される電流が所定電流以下に制限された電流制限状態と、前記蓄電池から前記電装機器への前記所定電流を超える電流の供給が許容された電流非制限状態と、を切り替える電流供給切替ステップと、前記アイドリングストップ機能により停止した前記エンジンを始動させる前に、前記電流供給切替ステップにより前記電流制限状態とする電流制限処理を実行する電流供給制御ステップと、を含む電源制御方法が挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
上記電源制御装置によれば、アイドリングストップからの復帰時に生じる電装機器への供給電力の電圧低下を、簡易でコストを抑えた構成により抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、電源制御装置、及び電源制御装置が搭載された車両の構成図である。
【
図2】
図2は、電流制限処理により蓄電池の出力電圧の低下を抑制する作用の説明図である。
【
図3】
図3は、電流制限処理に関する処理の第1のフローチャートである。
【
図4】
図4は、電流制限処理に関する処理の第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[1.電源制御装置の構成]
図1を参照して、本実施形態の電源制御装置1の構成について説明する。電源制御装置1は、車両100に搭載されて車両100の作動を制御する車両制御装置10の機能の一部と、電流供給切替部70とにより構成されている。
【0017】
車両100には、車両100の前方を撮影するフロントカメラ40、車両100の走行速度を検出する速度センサ41、車両100の外部のサーバーや車両100の車室内で使用される通信端末80等との間で通信を行う通信ユニット43が備えられている。さらに、車両100には、蓄電池50、図示しない駆動輪を駆動するエンジン60、エンジン60を始動するためのスターターモータ61、エンジン60により駆動されるジェネレータ62、ジェネレータ62により生成される電力を蓄電池50の充電用電力に変換して蓄電池50に出力する充電回路63が備えられている。
【0018】
蓄電池50には、蓄電池50の状態(出力電圧、出力電流、温度等)を検出する蓄電池センサ51が備えられている。スターターモータ61は、蓄電池50から供給される電力によって作動する。蓄電池50には、電流供給切替部70を介して給電ユニット71が接続されており、給電ユニット71は、接続端子72に接続された通信端末80等の被接続機器に電力を供給して、被接続機器を充電する。給電ユニット71は、5W~15Wの電力による充電、又はそれ以上の電力(15W~100W程度)による充電を行う。
【0019】
通信端末80は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等である。被接続機器には、通信端末80の他に、携帯ゲーム機、工具等の充電電池により作動する機器が含まれる。また、給電ユニット71は、本開示の電装機器に相当し、電装機器には、給電ユニット71の他に、ナビゲーション装置、オーディオ装置等が含まれる。
【0020】
電流供給切替部70は、蓄電池50からスターターモータ61及び給電ユニット71への分岐箇所65と、給電ユニット71との間に設けられている。電流供給切替部70は、車両制御装置10から出力される制御信号に応じて、蓄電池50から給電ユニット71に供給される電流を所定電流以下に制限する電流制限状態と、蓄電池50から給電ユニット71への所定電流を超える電流の供給を許容する電流非制限状態とを切り替える。また、電流供給切替部70は、車両制御装置10から出力される所定電流の指示信号に応じて、所定電流を設定する。
【0021】
車両制御装置10は、プロセッサ20、メモリ30等を備える制御ユニットである。プロセッサ20は、本開示のコンピュータに相当する。メモリ30には、車両制御装置10の制御用のプログラム31と、給電ユニット71に接続される被接続機器の作動保障電圧範囲の下限(下限電圧)を示す下限電圧データ32とが、保存されている。
【0022】
プロセッサ20は、プログラム31を読み込んで実行することにより、走行状態認識部21、蓄電池状態認識部22、アイドリングストップ制御部23、下限電源情報取得部24、所定電流設定部25、及び電流供給制御部26として機能する。
【0023】
電流供給制御部26が、電流供給切替部70の状態を制御して電流制限状態と前記電流非制限状態とを切り替える処理は、本開示の電源制御方法における電流供給切替ステップに相当する。電流供給制御部26が、アイドリングストップ機能により停止したエンジン60を始動させる前に、電流供給切替部70により電流制限状態とする処理は、本開示の電源制御方法における電流供給制御ステップに相当する。
【0024】
走行状態認識部21は、フロントカメラ40により撮影される車両100の前方の撮影画像に基づく車両100の先行車両の走行状況、速度センサ41により検出される車両100の速度に基づく車両100の加減速等を認識する。なお、フロントカメラ40に代えてレーダー等の対物センサにより先行車両の走行状況を認識してもよく、或いは、フロントカメラ40による撮影画像とレーダー等の対物センサの検出情報の組み合わせにより、先行車両の走行状況を認識してもよい。蓄電池状態認識部22は、蓄電池センサ51による検出信号に基づいて、蓄電池50の残充電量等を認識する。
【0025】
アイドリングストップ制御部23は、信号待ち等により車両100が停止したときにエンジン60を停止し、車両100が走行を再開するときにスターターモータ61を作動させてエンジン60を始動するアイドリングストップ機能の制御を実施する。下限電源情報取得部24は、給電ユニット71に接続されている被接続機器(
図1では、通信端末80)の所定動作(ここでは、充電動作)が保証される電圧範囲の下限である下限電圧を認識する。
【0026】
下限電源情報取得部24は、接続ケーブル81及び給電ユニット71を介して、通信端末80との間で通信を行うことにより、或いは、通信ユニット43により通信端末80との間で無線通信を行うことにより、通信端末80の機種情報を取得する。そして、下限電源情報取得部24は、下限電圧データ32に記録された通信端末80の機種に応じた下限電圧の情報を読み出すことによって、通信端末80の下限電圧の情報を取得する。なお、通信ユニット43により、外部のサーバーにアクセスすることによって、通信端末80の機種に応じた下限電圧を示す下限電圧情報(本開示の下限電源情報に相当する)を取得してもよい。或いは、通信ユニット43との通信により、通信端末80の下限電圧情報を取得してもよい。また、下限電源情報取得部24が、通信端末80の充電動作が保証される電力範囲の下限である下限電力を示す下限電力情報(本開示の下限電源情報に相当する)を取得するようにしてもよい。
【0027】
所定電流設定部25は、下限電源情報取得部24により取得された通信端末80の下限電圧情報に基づいて、給電ユニット71から通信端末80に供給される電力の電圧が下限電圧よりも低くならないようにするための所定電流を設定する。また、所定電流設定部25は、下限電源情報取得部24により通信端末80の下限電力情報が取得されたときには、給電ユニット71から通信端末80に供給される電力が、下限電力情報により示される下限電力よりも小さくならないようにするための所定電流を設定する。
【0028】
電流供給制御部26は、アイドリングストップ機能によりエンジン60が停止し、車両100が走行を再開するためにスターターモータ61が作動してエンジン60が始動される間、電流供給切替部70により、蓄電池50から給電ユニット71に供給される電流を所定電流以下に制限する電流制限状態とする。
【0029】
このように、電流制限状態とすることによって、蓄電池50から給電ユニット71を介して通信端末80に供給される電力の電圧が通信端末80の下限電圧よりも低くなって、通信端末80の充電動作が中断されることを防止することができる。そして、充電動作が中断された時、及びエンジン60が始動してスターターモータ61が作動を停止することにより、給電ユニット71から通信端末80に供給される電力の電圧が下限電圧以上に復帰して、充電動作が再開された時に、通信端末80から報知音が出力されて、車両100の搭乗者に煩わしさを感じさせることを回避することができる。
【0030】
[2.電流供給切替部による作用]
図2を参照して、電流供給切替部70により電流制限状態とすることによる作用について説明する。
図2は、蓄電池50から供給される電力によって、スターターモータ61と給電ユニット71が作動し、給電ユニット71の接続端子72に接続ケーブル81によって接続されている状況を示している。通信端末80は、給電ユニット71から供給される電力によって充電されている。
【0031】
図2では、蓄電池50を、内部抵抗が0である理想電源55と内部抵抗56とにより模式的に示している。この場合、蓄電池50の出力電圧Vbは、以下の式(1)により表される。ここでは、蓄電池50とスターターモータ61及び給電ユニット71との間の導通路の抵抗は、内部抵抗56に対して無視できる程度に小さいものとする。
Vb=Ve-I1×r=Ve-(I2+I3)×r ・・・・・(1)
但し、Vb:蓄電池50の出力電圧、Ve:理想電源55の出力電圧、I1:蓄電池50の出力電流、r:蓄電池50の内部抵抗、I2:スターターモータ61に供給される電流、I3:給電ユニット71に供給される電流。
【0032】
上記式(1)により、電流供給切替部70によって、給電ユニット71に供給される電流I3を所定電流以下に制限する電流制限状態とすることにより、スターターモータ61の作動中に生じる、給電ユニット71に供給される電力の電圧V3の低下を抑制することができる。そして、給電ユニット71に供給される電力の電圧V3が、給電ユニット71の給電動作に必要な下限電圧、又は給電ユニット71から通信端末80に供給される電力の電圧が、通信端末80充電動作に必要な下限電圧よりも低くなって、通信端末80の充電が中断されることを回避することができる。
【0033】
一方、スターターモータ61が作動していないときには、電流供給切替部70による給電ユニット71に対する電流供給の制限をせずに、給電ユニット71に対する所定電流以上の電流供給を許容する電流非制限状態とすることができる。これにより、給電ユニット71から通信端末80に供給される電力を増加させて、通信端末80の充電に要する時間を短縮することができる。
【0034】
[3.電流制限処理]
図3,
図4に示したフローチャートに従って、電源制御装置1により実行される電流制限処理に関する一連の処理について説明する。電源制御装置1は、車両100の電源がオンされてエンジン60が始動した後、
図3,
図4に示したフローチャートによる処理を繰り返し実行する。
【0035】
図3のステップS1で、電流供給制御部26は、初期設定として、電流供給切替部70を電流非制限状態とする。続くステップS2で、蓄電池状態認識部22は、蓄電池センサ51の検出信号に基づいて、蓄電池50の状態を認識する。次のステップS3で、電流供給制御部26は、蓄電池50の蓄電量が所定レベル以上であって、アイドリングストップ制御部23によるアイドリングストップ機能の実施が可能であるか否かを判断する。そして、電流供給制御部26は、アイドリングストップ機能の実施が可能であるときはステップS4に処理を進め、アイドリングストップ機能の実施が不能であるときにはステップS2に処理を進める。
【0036】
ステップS4で、走行状態認識部21は、フロントカメラ40による撮影画像、及び速度センサ41の検出信号に基づいて、車両100の走行状態を認識する。続くステップS5で、電流供給制御部26は、走行状態認識部21により車両100が減速を開始したことが認識されたときはステップS6に処理を進め、走行状態認識部21により車両100が減速を開始したことが認識されなかったときにはステップS2に処理を進める。
【0037】
ステップS6で、電流供給制御部26は、走行状態認識部21により、車両100の前走車が走行を継続していることが認識されているか否かを判断する。そして、電流供給制御部26は、前走車が走行を継続していて車両100が停止する可能性が低いと推定される場合は、ステップS2に処理を進め、前走車が停止しているとき又は前走車が存在しないときにはステップS7に処理を進める。
【0038】
ステップS7で、電流供給制御部26は、電流供給切替部70を電流制限状態に設定する。これにより、蓄電池50から給電ユニット71に供給される電流I3(
図2参照)が、所定電流以下に制限された状態となる。このように、車両100が停止するよりも前のタイミングで予め電流制限状態とすることにより、アイドリングストップ機能によるスターターモータ61が作動する時点までに、給電ユニット71に供給される電力の電圧低下が抑制される状態としておくことができる。
【0039】
なお、車両100が減速を開始したことが認識された時に、直ちに電流制限状態としてもよく、或いは車両100の走行速度と減速状況から想定される車両100が停止するまでの時間に基づいて設定した所定時間が経過した時に、電流制限状態としてもよい。
【0040】
続くステップS8とステップS20とによるループ処理により、電流供給制御部26は、ステップS8で、アイドリングストップ制御部23によるアイドリングストップ機能の実施により、エンジン60が停止したか否かを判断する。また、ステップS20で、電流供給制御部26は、走行状態認識部21により車両100が加速を開始したことが認識されたか否かを判断する。
【0041】
そして、電流供給制御部26は、ステップS8で、アイドリングストップ機能によりエンジン60が停止したことが認識されたときに、
図4のステップS9に処理を進める。ステップS9で、アイドリングストップ制御部23によるアイドリングストップ機能の実施によって、スターターモータ61の作動によりエンジン60が始動したときに、ステップS10に処理を進める。
【0042】
ステップS10で、電流供給制御部26は、電流供給切替部70を電流非制限状態に設定する。これにより、蓄電池50から給電ユニット71に供給される電流の制限が解除され、給電ユニット71から通信端末80に供給される電力が増加して、通信端末80の充電時間が短縮される。
【0043】
また、
図3のステップS20で、車両100が加速を開始したことが認識され、車両100が停止せずに走行を継続すると推定されるときには、電流供給制御部26は、ステップS1に処理を進める。この場合は、スターターモータ61によるエンジン60の始動は行われないため、ステップS1で、電流供給制御部26は、電流供給切替部70により電流非制限状態に切り替える。
【0044】
[4.他の実施形態]
上記実施形態では、
図3のステップS5で、走行状態認識部21により車両100が減速を開始したことが認識されたタイミングで、電流供給制御部26は、電流供給切替部70により電流制限状態に切り替えた。他の実施形態として、アイドリングストップ機能によりエンジン60が停止する直前のタイミングで、電流供給切替部70により電流制限状態に切り替えてもよい。
【0045】
上記実施形態では、蓄電池状態認識部22を備えて、
図3のステップS2,S3で、蓄電池50の状態からアイドリングストップ機能の実施が可能であると認識される場合に、電流供給制御部26が、ステップS7で、電流制限状態に設定した。他の実施形態として、ステップS2,S3によるアイドリングストップ機能の実施可能であるか否かの判断を省略してもよい。
【0046】
上記実施形態では、
図3のステップS6の処理により、車両100が減速を開始した場合であっても、前走車が走行を継続しているときには、ステップS7による電流制限状態の設定を行わないようにした。他の実施形態として、ステップS6による前走車の走行の継続の判断処理を省略してもよい。
【0047】
上記実施形態では、下限電源情報取得部24と所定電流設定部25を備えて、通信端末80の作動保障電圧範囲の下限電圧に基づいて所定電流を設定したが、下限電源情報取得部24と所定電流設定部25を省略して、所定電流を固定値としてもよい。また、所定電流を給電ユニット71等の、蓄電池50から供給される電力によって作動する電装機器の作動保障電圧の下限電圧に基づいて所定電流を設定してもよい。この場合は、スターターモータ61の作動時に電装機器の作動が制約されることを回避することができる。
【0048】
上記実施形態では、
図1,
図2に示したように、蓄電池50と給電ユニット71との間に電流供給切替部70を設けて、給電ユニット71に供給される電流I3を制限することにより、給電ユニット71に供給される電力の電圧低下を抑制した。他の構成として、電流供給切替部70を、蓄電池50とスターターモータ61及び給電ユニット71の分岐箇所65との間に設けて、蓄電池50からスターターモータ61及び給電ユニット71に供給される総電流I1を制限することにより、給電ユニット71に供給される電力の電圧低下を抑制してもよい。
【0049】
なお、
図1は、本願発明の理解を容易にするために、電源制御装置1の構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、電源制御装置1を他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、
図3,
図4に示した各構成要素による処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0050】
[4.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0051】
(構成1)エンジンの停止及び前記エンジンの始動を行うアイドリングストップ機能を有する車両に搭載され、前記車両に設けられた蓄電池から供給される電力により作動する電装機器への電力供給を制御する電源制御装置であって、前記蓄電池から前記電装機器に供給される電流が所定電流以下に制限された電流制限状態と、前記蓄電池から前記電装機器への前記所定電流を超える電流の供給が許容された電流非制限状態と、を切り替える電流供給切替部と、前記アイドリングストップ機能により停止した前記エンジンを始動させる前に、前記電流供給切替部により前記電流制限状態とする電流制限処理を実行する電流供給制御部と、を備える電源制御装置。
構成1の電源制御装置によれば、電流供給制御部により、アイドリングストップ機能により停止したエンジンを始動させるための電力の消費が開始される前に、電流供給切替部により電流制限状態とする電流制限処理を実行することによって、アイドリングストップからの復帰時に生じる電装機器への供給電力の電圧低下を、簡易でコストを抑えた構成により抑制することができる。
【0052】
(構成2)前記電装機器、又は前記電装機器に接続されて前記蓄電池から前記電装機器を経由して電力が供給される被接続機器の所定動作が可能な電源電圧又は電源電力の下限を示す下限電源情報を取得する下限電源情報取得部と、前記下限電源情報に基づいて、前記所定電流を設定する所定電流設定部と、を備える構成1に記載の電源制御装置。
構成2の電源制御装置によれば、電装機器又は電装機器に接続される被接続機器の下限電源情報に基づいて所定電流を設定することにより、電装機器又は被接続機器に対する電流供給を制限することによる影響を低減することができる。
【0053】
(構成3)前記所定電流設定部は、前記蓄電池の出力電圧が前記下限電源情報により示される前記電源電圧の下限よりも高くなるように、又は前記蓄電池から前記電装機器に供給される電力が前記下限電源情報により示される前記電源電力の下限よりも大きくなるように、前記所定電流を設定する構成2に記載の電源制御装置。
構成3の電源制御装置によれば、電装機器又は電装機器に接続される被接続機器の所定動作が確保されるように、所定電流を設定することができる。
【0054】
(構成4)前記蓄電池の状態を認識する蓄電池状態認識部を備え、前記電流供給制御部は、前記蓄電池状態認識部により認識される前記蓄電池の状態から、前記アイドリングストップ機能の実施が不可と判断される場合は、前記電流制限処理を実行しない構成1から構成3のうちいずれか1つの構成に記載の電源制御装置。
構成4の電源制御装置によれば、蓄電地の蓄電量の低下等によって、アイドリング機能により停止したエンジンの始動が実施されることがない場合に、電流制限処理が実行されて電装機器や被接続機器の作動が制限されることを回避することができる。
【0055】
(構成5)前記電流供給制御部は、アイドリングストップ機能により前記エンジンが停止してから所定時間以内に前記電流制限処理を開始する構成1から構成4のうちいずれか1つの構成に記載の電源制御装置。
構成5の電源制御装置によれば、前記アイドリングストップ機能によりエンジンが停止した後、速やかに電流制限処理を開始することにより、スターターモータによりエンジンが始動される際に生じる電装機器又は被接続機器に供給される電力の電圧低下を、より確実に抑制することができる。
【0056】
(構成6)前記車両の走行状態を認識する走行状態認識部を備え、前記電流供給制御部は、前記走行状態認識部により認識される前記車両の走行状態に基づいて、前記電流制限処理を開始するタイミングを決定する構成1から構成5のうちいずれか1つの構成に記載の電源制御装置。
構成6の電源制御装置によれば、車両の走行状態に基づいて電流制限処理を開始するタイミングを決定することにより、必要のない状況で電流制限状態とされることを抑制することができる。
【0057】
(構成7)前記電流供給制御部は、前記走行状態認識部により前記車両が減速し始めたことが認識された時に、前記電流制限処理を開始する構成5に記載の電源制御装置。
構成7の電源制御装置によれば、車両が減速し始めたことから、車両が停止してアイドリングストップ機能によりエンジンが停止する可能性が高いと推定されるタイミングで、電流制限処理を開始することができる。
【0058】
(構成8)前記電流供給制御部は、前記走行状態認識部により、前記車両の先行車両が前進している状態で前記車両が減速し始めたことが認識された場合には、前記電流制限処理を開始しない構成6に記載の電源制御装置。
構成7の電源制御装置によれば、車両が減速し始めた場合であっても、先行車両が前進しているときには、車両が停止せずに走行を継続する可能性が高いと推定される。そこで、この場合には、電流制限処理を開始しないようにすることにより、電装機器又は被接続機器への電流供給が制限されることを回避することができる。
【0059】
(構成9)エンジンの停止及び前記エンジンの始動を行うアイドリングストップ機能を有する車両における、前記車両に設けられた蓄電池から供給される電力により作動する電装機器への電力供給を、コンピュータにより制御する電源制御方法であって、前記蓄電池から前記電装機器に供給される電流が所定電流以下に制限された電流制限状態と、前記蓄電池から前記電装機器への前記所定電流を超える電流の供給が許容された電流非制限状態と、を切り替える電流供給切替ステップと、前記アイドリングストップ機能により停止した前記エンジンを始動させる前に、前記電流供給切替ステップにより前記電流制限状態とする電流制限処理を実行する電流供給制御ステップと、を含む電源制御方法。
構成9の電源制御方法をコンピュータにより実行することによって、構成1の電源制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0060】
1…電源制御装置、10…車両制御装置、20…プロセッサ、21…走行状態認識部、22…蓄電池状態認識部、23…アイドリングストップ制御部、24…下限電源情報取得部、25…所定電流設定部、26…電流供給制御部、30…メモリ、31…プログラム、32…下限電圧データ、40…フロントカメラ、41…速度センサ、42…通信ユニット、50…蓄電池、51…蓄電池センサ、60…エンジン、61…スターターモータ、62…ジェネレータ、63…充電回路、70…電流供給切替部、71…給電ユニット(電装機器)、72…接続端子、80…通信端末(被接続機器)、81…接続ケーブル。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの停止及び前記エンジンの始動を行うアイドリングストップ機能を有する車両に搭載され、前記車両に設けられた蓄電池から供給される電力により作動する電装機器への電力供給を制御する電源制御装置であって、
前記蓄電池から前記電装機器に供給される電流が所定電流以下に制限された電流制限状態と、前記蓄電池から前記電装機器への前記所定電流を超える電流の供給が許容された電流非制限状態と、を切り替える電流供給切替部と、
前記アイドリングストップ機能により停止した前記エンジンを始動させる前に、前記電流供給切替部により前記電流制限状態とする電流制限処理を実行する電流供給制御部と、
前記車両の走行状態と、前記車両の先行車両の走行状況とを認識する走行状態認識部と、を備え、
前記電流供給制御部は、
前記走行状態認識部により前記車両が減速し始めたことが認識された時に、前記走行状態認識部により前記先行車両が走行を継続していることが認識されているか否かを判断し、
前記走行状態認識部により前記先行車両が走行を継続していることが認識されていないときは、前記電流制限処理を開始し、前記走行状態認識部により前記先行車両が走行を継続していることが認識されているときには、前記電流制限処理を開始しない
電源制御装置。
【請求項2】
前記電装機器、又は前記電装機器に接続されて前記蓄電池から前記電装機器を経由して電力が供給される被接続機器の所定動作が可能な電源電圧又は電源電力の下限を示す下限電源情報を取得する下限電源情報取得部と、
前記下限電源情報に基づいて、前記所定電流を設定する所定電流設定部と、
を備える請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項3】
前記所定電流設定部は、前記蓄電池の出力電圧が前記下限電源情報により示される前記電源電圧の下限よりも高くなるように、又は前記蓄電池から前記電装機器に供給される電力が前記下限電源情報により示される前記電源電力の下限よりも大きくなるように、前記所定電流を設定する
請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項4】
前記蓄電池の状態を認識する蓄電池状態認識部を備え、
前記電流供給制御部は、前記蓄電池状態認識部により認識される前記蓄電池の状態から、前記アイドリングストップ機能の実施が不可と判断される場合は、前記電流制限処理を実行しない
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の電源制御装置。
【請求項5】
前記電流供給制御部は、前記アイドリングストップ機能により前記エンジンが停止してから所定時間以内に前記電流制限処理を開始する
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の電源制御装置。
【請求項6】
エンジンの停止及び前記エンジンの始動を行うアイドリングストップ機能を有する車両における、前記車両に設けられた蓄電池から供給される電力により作動する電装機器への電力供給を、コンピュータにより制御する電源制御方法であって、
前記蓄電池から前記電装機器に供給される電流が所定電流以下に制限された電流制限状態と、前記蓄電池から前記電装機器への前記所定電流を超える電流の供給が許容された電流非制限状態と、を切り替える電流供給切替ステップと、
前記アイドリングストップ機能により停止した前記エンジンを始動させる前に、前記電流供給切替ステップにより前記電流制限状態とする電流制限処理を実行する電流供給制御ステップと、
前記車両の走行状態と、前記車両の先行車両の走行状況とを認識する走行状態認識ステップ部と、を含み、
前記電流供給制御ステップは、
前記走行状態認識ステップにより前記車両が減速し始めたことが認識された時に、前記走行状態認識ステップにより前記先行車両が走行を継続していることが認識されているか否かを判断し、
前記走行状態認識ステップにより前記先行車両が走行を継続していることが認識されていないときは、前記電流制限処理を開始し、前記走行状態認識ステップにより前記先行車両が走行を継続していることが認識されているときには、前記電流制限処理を開始しない
電源制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、エンジンの停止及び前記エンジンの始動を行うアイドリングストップ機能を有する車両に搭載され、前記車両に設けられた蓄電池から供給される電力により作動する電装機器への電力供給を制御する電源制御装置であって、前記蓄電池から前記電装機器に供給される電流が所定電流以下に制限された電流制限状態と、前記蓄電池から前記電装機器への前記所定電流を超える電流の供給が許容された電流非制限状態と、を切り替える電流供給切替部と、前記アイドリングストップ機能により停止した前記エンジンを始動させる前に、前記電流供給切替部により前記電流制限状態とする電流制限処理を実行する電流供給制御部と、前記車両の走行状態と、前記車両の先行車両の走行状況とを認識する走行状態認識部と、を備え、前記電流供給制御部は、前記走行状態認識部により前記車両が減速し始めたことが認識された時に、前記走行状態認識部により前記先行車両が走行を継続していることが認識されているか否かを判断し、前記走行状態認識部により前記先行車両が走行を継続していることが認識されていないときは、前記電流制限処理を開始し、前記走行状態認識部により前記先行車両が走行を継続していることが認識されているときには、前記電流制限処理を開始しない電源制御装置が挙げられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
上記目的を達成するための第2態様として、エンジンの停止及び前記エンジンの始動を行うアイドリングストップ機能を有する車両における、前記車両に設けられた蓄電池から供給される電力により作動する電装機器への電力供給を、コンピュータにより制御する電源制御方法であって、前記蓄電池から前記電装機器に供給される電流が所定電流以下に制限された電流制限状態と、前記蓄電池から前記電装機器への前記所定電流を超える電流の供給が許容された電流非制限状態と、を切り替える電流供給切替ステップと、前記アイドリングストップ機能により停止した前記エンジンを始動させる前に、前記電流供給切替ステップにより前記電流制限状態とする電流制限処理を実行する電流供給制御ステップと、前記車両の走行状態と、前記車両の先行車両の走行状況とを認識する走行状態認識ステップ部と、を含み、前記電流供給制御ステップは、前記走行状態認識ステップにより前記車両が減速し始めたことが認識された時に、前記走行状態認識ステップにより前記先行車両が走行を継続していることが認識されているか否かを判断し、前記走行状態認識ステップにより前記先行車両が走行を継続していることが認識されていないときは、前記電流制限処理を開始し、前記走行状態認識ステップにより前記先行車両が走行を継続していることが認識されているときには、前記電流制限処理を開始しない電源制御方法が挙げられる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
電流供給制御部26が、電流供給切替部70の状態を制御して電流制限状態と電流非制限状態とを切り替える処理は、本開示の電源制御方法における電流供給切替ステップに相当する。電流供給制御部26が、アイドリングストップ機能により停止したエンジン60を始動させる前に、電流供給切替部70により電流制限状態とする処理は、本開示の電源制御方法における電流供給制御ステップに相当する。